説明

ポリオレフィン発泡体製品及びその製造方法

【課題】凹凸模様に対するデザインの自由度が高く、しかも不要な突起の除去を後加工によって行う必要の無いポリオレフィン発泡体製品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】加熱した金型でポリオレフィン発泡体を押圧して賦形する熱圧成形によりポリオレフィン発泡体製品を製造する方法において、前記金型20の内面に凹凸模様を設け、前記金型20の内面と前記ポリオレフィン発泡体10Aの間に布地40を挟み込んで熱圧成形を行い、前記布地40を介して前記金型20の内面の凹凸模様を前記ポリオレフィン発泡体10Aの表面に反転形成し、前記凹凸模様が反転形成された表面を意匠面として有するポリオレフィン発泡体製品を前記布地40及び金型20から分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱した金型でポリオレフィン発泡体を押圧して賦形する熱圧成形により形成されたポリオレフィン発泡体製品及びその製造方法に関し、特には、金型の内面の凹凸模様が反転形成された意匠面を有するポリオレフィン発泡体製品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱圧成形によって製造されたポリオレフィン発泡体製品として、例えば、以下の特許文献1〜3に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1においては、ポリオレフィン発泡体の2次成形時に、発泡体の表面部で破壊された気泡から排出される気体を、金型に形成した多数の小孔を通じて外部へ放出することにより、金型とポリオレフィン発泡体の表面間に気体溜まりが発生するのを防ぎ、気体溜まりによってポリオレフィン発泡体の表面に窪みや欠肉等の不具合が発生するのを抑えることが開示されている。
【0004】
一方、特許文献2及び3においては、ポリエチレン系発泡体と金型の内面間にジャージ等の布を挟んで熱圧成形することにより、発泡体の表面部で破壊された気泡から排出される気体を布によって外部へ排出すると共に、布の編目形状を発泡体の表面に転写して模様を形成する方法が開示されている。
【0005】
しかし、特許文献1に記載された方法にあっては、熱圧成形時に軟化した発泡体の一部が金型の小孔に入り込んで、製品の表面に無数の不要な突起が形成されるため、その後に不要な突起を除去する後加工が必要となり、作業に手間取るのみならずコストが嵩む問題がある。しかも、製品表面に突起の切除跡が残り、美観が損なわれるおそれがある。
【0006】
それに対して特許文献2及び3においては、布の編目形状を製品表面に転写しているため、製品が常に同一のデザインとなり、デザインの自由度が低い問題がある。
【0007】
【特許文献1】特公昭52−49022号公報
【特許文献2】特開2000−89908号公報
【特許文献3】特開2004−97508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、凹凸模様に対するデザインの自由度が高く、しかも不要な突起の除去を後加工によって行う必要の無いポリオレフィン発泡体製品及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、加熱した金型でポリオレフィン発泡体を押圧して賦形する熱圧成形により形成されたポリオレフィン発泡体製品において、前記ポリオレフィン発泡体製品は、前記熱圧成形時に前記金型の内面と前記ポリオレフィン発泡体間に挟み込まれた布地を介して前記金型内面の凹凸模様が反転形成された凹凸模様の意匠面を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、加熱した金型でポリオレフィン発泡体を押圧して賦形する熱圧成形によりポリオレフィン発泡体製品を製造する方法において、前記金型の内面に凹凸模様を設け、前記金型の内面と前記ポリオレフィン発泡体間に布地を挟み込んで前記熱圧成形を行い、前記布地を介して前記金型の内面の凹凸模様を前記ポリオレフィン発泡体の表面に反転形成し、前記凹凸模様が反転形成された表面を意匠面として有するポリオレフィン発泡体製品を前記布地及び前記金型から分離することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2において、前記金型の内面の凹凸模様が、凹部の大きさを少なくとも深さ50μm、幅500μm、凹部間隔を少なくとも100μmとするものであることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2または3において、前記布地がナイロン製天竺編み生地であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、ポリオレフィン発泡体製品の意匠面に設けられている凹凸模様が、ポリオレフィン発泡体の熱圧成形時に金型の内面とポリオレフィン発泡体間に挟み込まれた布地を介して金型内面の凹凸模様が反転形成されたものであるため、熱圧成形時にポリオレフィン発泡体の表面付近で破壊された気泡から排出される気体を、金型とポリオレフィン発泡体間に存在する布地の網目等を通して外部へ排出することができるので、ポリオレフィン発泡体製品の表面に気体溜まりによる窪みや欠肉等の不具合を生じるのを防止することができ、金型の内面の凹凸模様が前記気体溜まりに影響を受けることなく正確に反転形成された明確な凹凸模様を意匠面に有するものとすることができる。
【0014】
しかも、請求項1の発明によれば、凹凸模様の異なる金型を用いることによって、ポリオレフィン発泡体製品の凹凸模様を自由に異ならせることができるため、ポリオレフィン発泡体製品の凹凸模様に対するデザインの自由度をより高いものとすることができる。さらに、従来行われているように、布地の網目模様をポリオレフィン発泡体に反転形成して凹凸模様をポリオレフィン発泡体製品に設ける場合には、布地の網目模様が布地の糸等の制約により凹凸の高低差の小さいものであるため、ポリオレフィン発泡体製品の凹凸模様は凹凸の高低差が小さい不明瞭なものとなりやすいのに対して、本発明では、金型の内面に形成した凹凸模様を用いており、金型の内面の凹凸模様は、凹凸の高低差を大にすることができるため、ポリオレフィン発泡体に反転形成された凹凸模様を高低差の大きい明確なものとすることができ、意匠性を高くすることができる。
【0015】
請求項2から4の発明によれば、凹凸模様の形成された金型の内面とポリオレフィン発泡体間に布地を挟み込んで熱圧成形を行い、前記布地を介して金型の内面の凹凸模様をポリオレフィン発泡体の表面に反転形成し、前記凹凸模様が反転形成された表面を意匠面として有するポリオレフィン発泡体製品を前記布地及び前記金型から分離することにより、ポリオレフィン発泡体製品を製造しているため、熱圧成形時にポリオレフィン発泡体の表面付近で破壊された気泡から排出される気体を、金型とポリオレフィン発泡体間に存在する布地の網目等を通して外部へ排出することができる。それにより、ポリオレフィン発泡体製品の表面に気体溜まりによる欠肉等の不具合を生じるのを防止することができ、金型の内面の凹凸模様を、前記気体溜まりに影響を受けることなく正確にポリオレフィン発泡体の表面に反転形成することができる。
【0016】
しかも、請求項2から4の発明によれば、凹凸模様の異なる金型を用いることによって、ポリオレフィン発泡体製品の凹凸模様を自由に異ならせることができるため、ポリオレフィン発泡体製品の凹凸模様に対するデザインの自由度をより高いものとすることができる。さらに、従来行われているように、布地の網目模様をポリオレフィン発泡体に反転形成して凹凸模様をポリオレフィン発泡体製品に設ける場合には、布地の網目模様が布地の糸等の制約により凹凸の高低差の小さいものであるため、ポリオレフィン発泡体製品の凹凸模様は凹凸の高低差が小さい不明瞭なものとなりやすいのに対して、本発明の請求項2から4の製造方法では、金型の内面に形成した凹凸模様を用いており、金型の内面の凹凸模様は、凹凸の高低差を大にすることができるため、ポリオレフィン発泡体に反転形成された凹凸模様を高低差の大きな明確なものとすることができ、意匠性の高いポリオレフィン発泡体製品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明のポリオレフィン発泡体製品における一実施例の斜視図、図2は本発明のポリオレフィン発泡体製品の製造方法における一実施例に用いられる金型の斜視図、図3は同実施例における熱圧成形前の金型とポリオレフィン発泡体及び布地を示す側面図、図4は同実施例における熱圧成形時の金型の一部を示す断面図である。
【0018】
図1に示すポリオレフィン発泡体製品10は、加熱した金型でポリオレフィン発泡体を押圧して賦形する熱圧成形により形成されたものであり、便座枠の上面に装着される便座カバーとして用いられる。以下、便座カバーを例にして本発明を説明する。前記ポリオレフィン発泡体製品10は、前記熱圧成形時に前記金型の内面と前記ポリオレフィン発泡体間に挟み込まれた布地を介して前記金型内面の凹凸模様が反転形成された凹凸模様12の意匠面11を有する。前記意匠面11は着座面(便座カバーの上面)を構成している。前記凹凸模様12は、図示の例では、意匠面11の全体に四角錘状の凸部13が規則的に配列された格子状の模様からなる。前記便座カバーとして用いられるポリオレフィン発泡体製品10は、ポリオレフィン発泡体の柔らかさにより使用感の向上が図られている。
【0019】
また、前記ポリオレフィン発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の他、エチレンを主成分とする各種共重合体を挙げることができる。そのような共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレンとプロピレンとジエン共重合体、エチレンとメチル、エチル、プロピル若しくはブチルの各アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル及びエチレン−アクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。これらは1種に限られず、2種以上を併用することもできる。特に、それらの中でも、物理的強度や弾力等において良好な感触が得られる低密度ポリエチレンとエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)との混合物もしくは、低密度ポリエチレンとエチレン酢酸ビニル(EVA)との混合物が好ましい。
【0020】
以下に、前記ポリオレフィン発泡体製品10の製造方法について説明する。まず、図3に示すような板状のポリオレフィン発泡体10Aを前記のポリオレフィン系樹脂(例えば低密度ポリエチレンとエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)から、公知の方法で形成する。なお、前記ポリオレフィン発泡体10Aは、最終製品であるポリオレフィン発泡体製品(図示の例では便座カバー)10よりも大きく形成される。
【0021】
ポリオレフィン発泡体の形成方法には、一段発泡と二段発泡が知られている。一段発泡は、通常、メインポリマー、発泡剤、架橋剤及びその他の成分からなる混和物を金型に充填し、加圧、加熱状態で混和物中の発泡剤、架橋剤を完全に分解し、その後徐圧することにより前記混和物から一度に所望の密度に膨張させるものである。それに対して二段発泡は、前記混和物を一次金型に充填し、加圧下加熱して一次発泡させ、得られた中間発泡体を常圧で加熱して二次発泡させることにより、所望の密度からなる最終発泡体を得る方法である。
【0022】
前記一段発泡は、二段発泡に比べて発泡装置及び操作、手順が簡単、容易で好ましいが、発泡倍率が10倍以上の高い製品を得ようとすると、一度に最終発泡倍率まで膨張させるため、得られる発泡体に割れなどの不具合を生じることがある。それに対して前記二段発泡は、一度に最終発泡倍率まで発泡させず、二段階に分けて順次発泡膨張させるため、高発泡倍率の製品であっても割れなどの不具合を生じにくく、良好な品質の発泡体が得られる。本発明においては、一段発泡あるいは二段発泡のいずれでもよく、目的とする発泡倍率と品質等によって適宜選択すればよい。
【0023】
前記ポリオレフィン発泡体10Aを、図2から図4に示す金型20を用い、前記ポリオレフィン発泡体10Aと前記金型20の内面間に布地40を配置して熱圧成形し、その後に前記布地40及び金型20から製品を分離することにより、前記凹凸模様12の意匠面11を有するポリオレフィン発泡体製品10を製造する。なお、図示のポリオレフィン発泡体10Aは中央が穴の開いた楕円環状の平板からなる。
【0024】
前記金型20は、上型21と下型25を備える。前記金型20は、電鋳、アルミ、樹脂、アルミ鋳造、金属・鋼鋳造のいずれからなるものであってもよい。
【0025】
前記上型21は、前記ポリオレフィン発泡体製品(便座カバー)10の裏側部分を成形するものであって、前記ポリオレフィン発泡体製品10の裏側部分に対応した形状の内面を有する。前記上型21の外面には上型21に熱を加えるための熱板22が設けられている。前記熱板22は、外部から供給される蒸気等の熱媒によって加熱され、前記上型21に熱を伝える。
【0026】
前記下型25は、前記ポリオレフィン発泡体製品(便座カバー)10の表側(上側の意匠面)部分を成形するものであって、前記ポリオレフィン発泡体製品10の表側(上側の意匠面)部分に対応した形状の内面を有する。前記下型25の内面27には凹凸模様28が形成されている。前記凹凸模様28は、図2に示す例では、凹部29が所定間隔で格子状に配置されたものからなり、凹部29間が凸部30を構成する。前記凹部29は平面視正方形からなり底部(内奥部)が上部(開口部)よりも小とされた窪み形状からなる。前記凹部29の大きさは、製品に求められる意匠性等を考慮して適宜決定されるが、明確な凹凸模様を前記布地30を介して前記ポリオレフィン発泡体10Aに反転形成できるようにするため、深さが少なくとも50μm、幅(図示の例では一辺)が少なくとも500μm、凹部間隔(前記凸部の幅)が少なくとも100μmであるのが好ましい。前記凹部29の深さ、幅及び凹部間隔の上限値は特に限定されず、求められる模様や製品等によって決定される。なお、前記凹部29がエッチングで形成される場合の凹部29の深さ、幅及び凹部間隔の範囲の一例として、深さ50〜700μm、幅500〜5000μm、凹部間隔100〜2000μmを挙げる。前記下型25の内面27に対する凹凸模様28の形成方法としては、NCコントロールによるレーザ切削加工、旋盤、フライス盤等による切削加工、加熱プレス加工、エッチング加工等、あるいはそれらの組み合わせを挙げることができ、適宜選択される。なお、前記下型25の外面には前記上型21と同様に熱板31が設けられ、前記熱板31によって前記下型25に熱が伝えられる。
【0027】
前記布地40は、前記下型25の内面27及び前記凹凸模様28にしたがって変形し易い布地が好ましい。布地は、織生地でも編み生地でもよいが、伸びの方向が制限されることなく任意の方向に伸びることのできる編み生地(ニット生地)が、より好ましい。具体的には、編み生地ではナイロン繊維によるジャージ(天竺織)、織生地ではフランネル布が好ましい。
【0028】
前記熱圧成形は、前記凹凸模様の形成された下型25の内面27と前記ポリオレフィン発泡体10Aの間に前記布地40を配置し、前記下型25と上型21を閉じることにより、前記下型25の内面27とポリオレフィン発泡体10A間に前記布地40を挟み込むことにより行われる。その際、前記下型25と上型21は、前記熱板22,31によって所定温度に加熱されている。
【0029】
前記熱圧成形時、前記ポリオレフィン発泡体10Aは表面の独立気泡が潰され、その潰された気泡から気体が放出される。前記潰された気泡から放出された気体は、前記下型25の凹凸模様28が形成された内面27と前記ポリオレフィン発泡体10A間に介在する前記布地40の網目等を通って金型20の外部に誘導排出され、前記下型25の凹凸模様28が形成された内面27とポリオレフィン発泡体10Aの表面間に気体溜まりを生じるのが防止される。そのため、前記気体溜まりに邪魔されることなく、前記布地40を介して、前記ポリオレフィン発泡体10Aを下型25の凹凸模様28に押圧することができるので、前記下型25の凹凸模様28をポリオレフィン発泡体10Aの表面に正確に反転形成することができると共に、前記気体溜まりに起因する窪みや欠肉が生じるのを防ぐことができ、意匠性の高い前記ポリオレフィン発泡体製品10を得ることができる。前記ポリオレフィン発泡体製品10の表面に反転形成された凹凸模様12は、気体溜まりに邪魔されることなく前記布地40を介して前記下型25の内面27に押圧されて反転形成されたものであるため、彫りの深い明確なものとなる。さらに、前記布地40に薄手のものを使用することで、布地40の網目の転写を無くしあるいは目立たなくできる。また、前記熱圧成形されたポリオレフィン発泡体製品10の表面層は、独立気泡が潰されると共に樹脂分が熱融着した高密度のスキン層となる。
【実施例】
【0030】
以下実施例について説明する。厚み20mm、直径115mmの円板状に打ち抜き加工したポリエチレン発泡体(実施例1:見掛け密度0.024g/cm、25%圧縮硬さ39kPa、実施例2:見掛け密度0.064g/cm、25%圧縮硬さ84kPa、実施例3:見掛け密度0.063g/cm、25%圧縮硬さ34kPa)を用い、前記の図3及び図4のように布地と共に熱圧成形を行い、布地及び金型から製品を分離させて、直径100(上面)/110(下面)mmのポリエチレン発泡体製品(実施例1〜3)を製造した。
【0031】
熱圧成形に用いた金型は、アルミ金型からなり、下型に円形の凹部(上端111mm、下端101mm)からなる内面が形成されている。前記下型の内面には、一辺(幅)2mmの正方形からなる凹部が、深さ500μm、1000μm間隔で格子状の凹凸模様を構成するように形成されている。前記下型の型面には、ジャージ(ナイロン天竺、品番:S−2240、スズラン繊維加工株式会社)を介してポリエチレン発泡体を配置し、金型の上型と下型を閉じて熱圧成形した。熱圧成形は、実施例1の加熱条件が150℃×3分間、冷却条件が23℃×3分間、実施例2の加熱条件が150℃×5分間、冷却条件が23℃×7分間、実施例3の加熱条件が150℃×2分間、冷却条件が23℃×4分間である。
【0032】
得られた実施例1〜3のポリエチレン発泡体製品は、前記下型の内面で形成された意匠面に前記下型の凹凸模様が明確に反転形成されており、しかも気体溜まりによる窪みや欠肉が無い品質の良好なものであった。
【0033】
なお、本発明は、便座カバーに限定されず、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン発泡体製品からなる玩具、教材、文具、OA用品等の雑貨製品や、風呂用品、トイレ用品、台所用品等のサニタリー関連製品、保護パッド、衝撃吸収パッド等のスポーツ関連製品、衝撃吸収パッド等の車両関連製品及びその製造方法に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のポリオレフィン発泡体製品における一実施例の斜視図である。
【図2】本発明のポリオレフィン発泡体製品の製造方法における一実施例に用いられる金型の斜視図である。
【図3】同実施例における熱圧成形前の金型とポリオレフィン発泡体及び布地を示す側面図である。
【図4】同実施例における熱圧成形時の金型の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 ポリオレフィン発泡体製品
10A ポリオレフィン発泡体
11 意匠面
12 意匠面の凹凸模様
20 金型
21 上型
25 下型
27 下型の内面
28 下型の内面の凹凸模様
40 布地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱した金型でポリオレフィン発泡体を押圧して賦形する熱圧成形により形成されたポリオレフィン発泡体製品において、
前記ポリオレフィン発泡体製品は、前記熱圧成形時に前記金型の内面と前記ポリオレフィン発泡体間に挟み込まれた布地を介して前記金型内面の凹凸模様が反転形成された凹凸模様の意匠面を有することを特徴とするポリオレフィン発泡体製品。
【請求項2】
加熱した金型でポリオレフィン発泡体を押圧して賦形する熱圧成形によりポリオレフィン発泡体製品を製造する方法において、
前記金型の内面に凹凸模様を設け、
前記金型の内面と前記ポリオレフィン発泡体間に布地を挟み込んで前記熱圧成形を行い、前記布地を介して前記金型の内面の凹凸模様を前記ポリオレフィン発泡体の表面に反転形成し、
前記凹凸模様が反転形成された表面を意匠面として有するポリオレフィン発泡体製品を前記布地及び前記金型から分離することを特徴とするポリオレフィン発泡体製品の製造方法。
【請求項3】
前記金型の内面の凹凸模様は、凹部の大きさが少なくとも深さ50μm、幅500μm、凹部間隔が少なくとも100μmであることを特徴とする請求項2に記載のポリオレフィン発泡体の製造方法。
【請求項4】
前記布地がナイロン製天竺編み生地であることを特徴とする請求項2または3に記載のポリオレフィン発泡体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−245601(P2007−245601A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−73915(P2006−73915)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】