説明

ポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法

本発明の目的は、生分解性のポリヒドロキシアルカノエートを溶剤抽出法により容易に得る方法を提供することである。
本発明は、ポリヒドロキシアルカノエートを良溶剤に溶解した溶液と貧溶剤とを50〜130℃で混合することにより、ポリヒドロキシアルカノエートを析出させることを特徴とする、ポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマス内に蓄積したポリヒドロキシアルカノエートを、溶剤を用いて効率よく製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリヒドロキシアルカノエート(以降、PHAと略す)は、多くの微生物種の菌体内にエネルギー貯蔵物質として合成、蓄積される生分解性の熱可塑性ポリエステルである。微生物によって天然の有機酸や油脂を炭素源に生産されるPHAは、土中や水中の微生物により完全に生分解されるため自然界の炭素循環プロセスに取り込まれることになる。従って、PHAは生態系への悪影響がほとんどない環境調和型のプラスチック材料と言える。近年、合成プラスチックが環境汚染、廃棄物処理、石油資源の観点から深刻な社会問題となるに至り、PHAが環境に優しいグリーンプラスチックとして注目され、その実用化が切望されている。
【0003】
PHAを工業的に生産する場合には、生来的にPHAを生産する微生物を用いる場合や、PHA合成酵素遺伝子を微生物や植物に組換え、形質転換体を取得しそれを製造用宿主として用いる場合がある。そのどちらの場合もPHAはそれらバイオマス中に蓄積されるため、PHAの製造は、PHAを含むバイオマスを回収し、そのバイオマスから分離精製して行われることになる。
【0004】
バイオマスからのPHAの分離精製に関しては、PHA溶解性の溶剤を用いて抽出し、貧溶剤を用いて晶析を行い結晶を回収する方法が最も簡便な方法として知られている。例えば、PHAが蓄積されたバイオマスを乾燥し、乾燥バイオマスからクロロホルムや塩化メチレンなどのハロゲン系有機溶媒を用いてPHAを抽出した後、抽出液をメタノールやヘキサンなどの貧溶媒と混合することによってPHAを析出させて回収する方法(特許文献1)がある。これらの溶剤では、乾燥バイオマスからしか抽出できないため培養液から得られたバイオマスを乾燥する工程が必要となってくる。さらに環境規制に関わるハロゲン系有機溶媒を使用することなどの問題がある。
特許文献2には、溶剤による湿バイオマスからのPHB(3−ヒドロキシブチレートのホモポリマー)の抽出方法が記載されているが、ここで用いられる溶剤はプロパンジオールやグリセリンホルマールなどいずれも特殊なものであり、経済性等の点で工業的な利用には不十分である。
【0005】
また、特許文献3では、水との混和性のある溶剤での抽出が公開されている。そこでは、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールが挙げられているが、これらの溶剤では沸点を大きく超える100℃以上の加圧状態でバイオマスを処理しないとPHAは抽出できないし、実施例1あるいは2で用いられている140℃という高温での溶解はPHAの激しい分子量低下を起こすことが懸念される。さらに、特許文献3には、冷却により硬質で不透明なゲルを形成後、これを回転ロールで圧縮するとあるが、本発明者らはポリマーが硬質で不透明なゲルになると、反応容器からの払い出しがもはや不可能となり、実質的にPHAは回収不能となることを経験した。
特許文献4では、主に植物からのPHAの回収を溶剤を用いて行っているが、PHA濃度1%で行っており、このような低濃度では使用する溶剤量が膨大となり実質的に工業化は困難である。また、上記条件においてもゲル化を防止できないことを本発明者らは経験した。
【0006】
このように、PHAを溶剤により抽出し回収する場合、晶析時のゲル化が激しいため実質的に簡便と考えられる溶剤抽出法が利用できない。あるいは、ゲル化を回避するためには低濃度での溶解と晶析を行うしかなく、PHAの回収が非効率になるため工業的に採算が合わない、という現状がある。このように、PHAのゲル化は深刻な問題であるが、PHAが実用化に到っていない大きな原因の一つになっているにもかかわらず、未だゲル化を回避する有効な手立ては見つかっていない。
【特許文献1】特開昭59−205992号公報
【特許文献2】特開平2−69187号公報
【特許文献3】特表平10−504460号公報
【特許文献4】米国特許第5942597号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の課題は、PHAを含有するバイオマスより、溶剤を用いてPHAを回収する時、PHAが実質的に払い出し不可能なゲル化した状態になるのを回避し、回収が極めて容易な状態の当該ポリマーを得る方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、バイオマス中からPHAを良溶剤により抽出、回収する場合や、PHA結晶を良溶剤に溶解し、回収する場合において、PHAを良溶剤に溶解した溶液と貧溶剤を混合させPHAを析出させる際に、混合するときの温度が50℃より下がると、PHAが流動性のないゲル状態になり、やがて固化し回収不能となることがわかった。そこで、PHAを良溶剤に溶解した溶液と貧溶剤との混合を50〜130℃で行うことにより、従来得るのが極めて困難であった、流動性があり、払い出し可能で、さらには含液率の低いPHA結晶を得ることが初めて可能となることを見出し、ここに本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、ポリヒドロキシアルカノエートを良溶剤に溶解した溶液と貧溶剤とを50〜130℃で混合することにより、ポリヒドロキシアルカノエートを析出させることを特徴とする、ポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法に関する。
【0010】
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に使用される良溶剤とは、その沸点でPHAを3重量%以上溶解する溶剤を表すが、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上、とりわけ6重量%以上の溶解度をもつものが好ましい。良溶剤は炭素数4〜10の1価のアルコール類、炭素数6〜10の芳香族炭化水素類、炭素数3〜7のケトン類及び炭素数4〜8の脂肪酸アルキルエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
炭素数4〜10の1価のアルコールとしてはブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、及びそれらの異性体(例えば、n−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、n−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコールなど)が好ましい。
炭素数6〜10の芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、シメン、及びそれらの異性体(例えば、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼンなど)が好ましい。
【0011】
また、炭素数3〜7のケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、及びそれらの異性体(例えば、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノンなど)が好ましい。
さらに、炭素数4〜8の脂肪酸アルキルエステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、及びそれらの異性体(例えば、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソブチルなど)が挙げられる。炭素数4〜8の脂肪酸アルキルエステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、及びそれらの異性体が好ましい。
上記良溶剤としては、1種又は2種以上を用いることができる。
これらの溶剤の中で、溶解度が高い点で、n−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、トルエン、ベンゼン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、酢酸エチルが本発明の良溶剤として特に好ましい。これら良溶剤では、溶解時のPHAの分子量低下を防止できる芳香族炭化水素類、及びケトン類、すなわち、トルエン、ベンゼン、メチルエチルケトンが好ましいが、中でも比較的安価なトルエンがより好ましい。
【0012】
貧溶剤とは、15〜25℃で純化したPHAを0.5重量%以上溶解しない溶剤を示す。貧溶剤としては炭素数6〜12の脂肪族炭化水素が好ましく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、及びそれらの異性体(例えば、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン等)などが挙げられるが、これら貧溶剤の中ではヘプタン、メチルシクロヘキサンが本発明の貧溶剤として特に好ましく、ヘプタンとしてはn−ヘプタンが特に好ましい。上記貧溶剤としては、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明においては、良溶剤がトルエンであり、貧溶剤がヘプタンであることが好ましい。
【0013】
本発明の好ましい実施態様では、良溶剤に溶解させるPHAの重量比は特に制限されないが、好ましくは、PHA及び良溶剤の合計量に対して1重量%〜20重量%になるよう良溶剤を加えればよい。より好ましい下限は2重量%、より好ましい上限は15重量%、さらに好ましい下限は3重量%、さらに好ましい上限は10重量%である。
湿バイオマスから抽出する場合には、溶剤抽出時の、湿バイオマスと良溶剤との混合物の最終水分含有率が一般に1重量〜10重量%になるようバイオマスを調製することが好ましい。水分含量が10重量%を超える場合、PHAの溶解性が低くなったり、溶剤の回収が困難となるので好ましくない。
PHAを抽出するための温度は50℃以上であり、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上である。しかし、温度が高すぎると、PHAの分解が起こるため、130℃を越えないことが望ましい。
PHAを抽出するための時間は特に制限されないが、一般に10〜600分であり、好ましくは20〜300分であり、良好な抽出効率とPHAの分解を防ぐ点から60〜120分がより好ましい。
PHA溶解後は溶液を抽出残渣と分離することが好ましい。分離は当業者には周知の方法で行うことができる。この場合加熱された濾過器等を使用するのが有利である。分離を行うときは加圧状態で行っても良い。
【0014】
本発明の好ましい実施態様によれば、PHAを良溶剤に溶解した後は、溶液の温度を50〜130℃に保温することが好ましい。保温温度が50℃より下がると、PHAが流動性のないゲル状態になり、やがて固化し回収不能となる場合がある。一方、保温温度が130℃を越えると、PHAが過度の分解を起こす場合がある。
【0015】
本発明のPHA結晶の製造方法では、PHAを良溶剤に溶解した溶液と貧溶剤とを50〜130℃で混合する。上記混合温度の好ましい下限は60℃、好ましい上限は110℃である。
さらに、本発明の好ましい実施態様によれば、PHAを良溶剤に溶解した溶液中に貧溶剤を添加することもできるし、逆に、貧溶剤中にPHAを良溶剤に溶解した溶液を添加することもできる。さらには、PHAを良溶剤に溶解した溶液と貧溶剤を両方添加することもできるが、得られるPHA結晶の品質面からは、PHAを良溶剤に溶解した溶液中に貧溶剤を添加する方法が好ましい。この添加は、攪拌しながら行ってもよいし攪拌せずに行ってもよいが、攪拌しながら行うことが好ましい。一例を挙げると、50℃以上に保温した、PHAを良溶剤に溶解した溶液中に、貧溶剤を徐々に添加しながら混合し、混合を続けてPHA結晶を析出させる。
本発明の好ましい実施態様によれば、PHAの晶析は、上記保温温度にて良溶剤及び貧溶剤との共存下で行われる。その後、必要に応じ、50℃より低い温度まで冷却することにより析出量を増大させることもできる。なお、本発明は、加圧条件下で行うこともできるし、減圧条件下で行うこともできる。
【0016】
ここでさらに、PHAが3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体(PHBH)である例を挙げると、3−ヒドロキシヘキサノエート(以下3HHと略す)のユニット比に応じてPHAを良溶剤に溶解した溶液と貧溶剤との混合温度を変えることが、流動性があり、払い出し可能で、操作性の良いPHAを得る上で重要であることがわかった。3HHユニット比が13mol%未満の場合には、好ましい混合温度は85〜130℃である。一方、3HHユニット比が13mol%以上の場合には、好ましい混合温度は50〜84℃である。3HHユニット比が13mol%未満で混合温度を85℃未満にすると、得られるPHAがゲル状となる場合があり、また、3HHユニット比が13mol%以上で混合温度が84℃を超えると、得られるPHAが粘着性の高い結晶となる場合がある。このように、PHBHを良溶剤に溶解した溶液と貧溶剤との最適混合温度は3HHユニット比に依存する。
【0017】
貧溶剤の量としては、貧溶剤及び良溶剤の合計量に対する貧溶剤の重量比が10重量%から90重量%となる量が好ましい。より好ましい下限は20重量%であり、さらには30重量%である。また、より好ましい上限は80重量%であり、さらには70重量%である。この方法により、従来得るのが極めて困難であった、流動性があり、払い出し可能で、さらには良溶剤及び貧溶剤の含液率の低いPHAを得ることが可能となる。
【0018】
晶析後のPHAの回収は、PHA溶解溶液から液体を濾過、遠心分離など当業者には周知の方法で行われる。回収したPHAは先述した良溶剤と貧溶剤の中から選択される溶剤又はその混合物にて洗浄できるが、これらに限られるわけではなく、例えば水、メタノール、エタノール、アセトン、ヘキサンなどの溶剤またはその混合物でも洗浄できる。
PHAの乾燥は、当業者には周知の方法、たとえば気流乾燥、真空乾燥などで行われる。
【0019】
本発明におけるPHAは、ヒドロキシアルカノエート成分としては特に限定されないが、具体的には、3−ヒドロキシブチレート(3HB)、3−ヒドロキシバレレート(3HV)、3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナノエート、3−ヒドロキシデカノエートなどが挙げられる。本発明におけるPHAは、これらヒドロキシアルカノエートの単重合体であっても、2種以上が共重合した共重合体であってもよいが、2種以上が共重合した共重合体が好ましい。PHAの具体例としては、3HBの単重合体であるPHBや、3HBと3HVの2成分共重合体であるPHBV、3HBと3HHとの2成分共重合体であるPHBH(特許第2777757号公報参照)または、3HBと3HVと3HHとの3成分共重合体PHBHV(特許第2777757号公報参照)などが例示できる。特に、生分解性ポリマーとしての分解性と柔らかい性質を持つ点で、モノマー成分として3HHを有する共重合体が好ましく、より好ましくはPHBHである。このときPHBHを構成する各モノマー成分のユニット比については特に限定されるものではないが、晶析時の結晶性状の良好さから、好ましくは3HHユニットは20mol%以下であり、より好ましくは15mol%以下、とりわけ10mol%以下が好ましい。PHBHVの場合、構成する各モノマーユニット比については特に限定されるものではないが、例えば、3HBユニットの含量は1〜95mol%、3HVユニットの含量は1〜96mol%、3HHユニットの含量は1〜30mol%といった範囲のものが好適である。
【0020】
PHAが実用化できるためには、PHAはゲルクロマトグラフィー法でポリスチレンを分子量標準とした重量平均分子量1万以上を有しなければならない。好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、特に好ましくは20万以上である。
【0021】
本発明に用いられるバイオマスは、細胞内にPHAを蓄積することが可能な生物であれば特に限定されない。例えば、Alcaligenes lipolytica、Alcaligenes latus等のアルカリゲネス属、Ralstonia eutrophaなどのラルストニア属、シュウドモナス属(Pseudomonas)、バチルス属(Bacillus)、アゾトバクター属(Azotobacter)、ノカルディア属(Nocardia)、アエロモナス属(Aeromonas)、Clostridium属、Halobacterium属、Rhodospirillum属、Zoogloea属、Candida属、Yarrowia属、Saccharomyces属などの微生物は、培養条件を調整することによってPHAを細胞内に蓄積することが可能である。また、これら微生物のPHA合成に関与する遺伝子群を導入した形質転換体であっても良い。その場合、宿主としては特に限定されず、上記微生物の他、大腸菌や酵母(WO01/88144参照)などの微生物や、さらには植物などが挙げられる。このなかで、アエロモナス属のA.caviaeや、該A.caviaeのPHA合成酵素群の遺伝子を導入した形質転換菌体が、ポリマーとして優れたPHBHを合成できる能力があるという点で好ましい。特に、A.caviaeのPHA合成酵素群の遺伝子を導入したRalstonia eutrophaがより好ましく、該微生物の1例は、Alcaligenes eutrophus AC32(受託日:平成9年8月7日、受託番号:FERM BP−6038)として日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6にある独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに、ブダペスト条約に基づいて国際寄託されている。
【0022】
ここに挙げたPHA生産微生物の培養方法については特に限定されないが、例えば特開2001−340078号公報に示した当業者に周知の方法が用いられる。
【0023】
PHAを回収するうえで、培養後の微生物菌中のPHA含有率は、高い方が好ましいのは当然であり、工業レベルでの適用においては乾燥バイオマス中に50重量%以上のPHAが含有されているのが好ましく、以後の分離操作、分離ポリマーの純度等を考慮するとより好ましいPHA含有率は60重量%以上、さらには70重量%以上である。
【0024】
培養完了後は、バイオマスを常法で、例えば噴霧乾燥等により直接培養液から乾燥バイオマスを得る、あるいは、遠心や膜分離などの方法によりバイオマスを回収する。回収したバイオマスは、乾燥した状態、あるいは水で湿らした湿バイオマスの状態で抽出工程に用いることができる。また、回収バイオマスをメタノール、アセトン等の脂質溶剤で洗浄した湿バイオマス、あるいはこれを乾燥したものもPHA抽出用バイオマスとして用いることができる。
【0025】
本発明により得られたPHAは、各種繊維、糸、ロープ、織物、編物、不織布、紙、フィルム、シート、チューブ、板、棒、容器、袋、部品、発泡体などの形状に成形できる。また、2軸延伸フィルムにも加工できる。その成形品は、農業、漁業、林業、園芸、医学、衛生品、衣料、非衣料、包装、その他の分野に好適に用いることができる。
【0026】
本発明は、また、PHAを含有するバイオマスからPHAを抽出し、かつその溶媒含量を低下させることを特徴とする抽出残渣物質の製造方法である。
PHAを含有するバイオマスからPHAを抽出する方法としては、上述のPHA結晶の製造方法を用いてもよいし、その他の公知の方法であってもよい。
上記抽出残渣物質の溶媒含量を低下させる方法としては特に限定されず、例えば、加熱乾燥、真空定温乾燥、ドラムヒーター、高温加熱炉、遠赤外線ヒーター等が挙げられる。
本発明により処理した後の抽出残渣物質は動物用飼料、微生物用飼料、あるいは植物用肥料として用いることが好ましい。従って、本発明で用いる溶媒は、飼料あるいは肥料として許容可能の量であることが好ましい。しかし、溶媒は抽出残渣物質から実質的に除去する方が好ましい。
上記抽出残渣物質からなる動物用飼料、微生物用飼料、又は植物用肥料も、本発明の一つである。
【発明の効果】
【0027】
本発明の方法により、ゲル化を防止し、流動性があり、払い出し可能で、さらには含液率の低いPHAを得ることができるため、分離、洗浄性も良く、品質の良いPHAを工業的に安価に生産、提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。実施例においては、いずれも共重合ポリエステルとして、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)(以下、PHBHと略す)を生産した。もちろん本発明はこれら実施例にその技術範囲を限定するものではなく、PHBHに限られるものではない。
なお、本実施例におけるPHBHの重量平均分子量の測定は、Shodex K806L(300×8mm、2本連結)(昭和電工社製)を装着した島津製作所製ゲルクロマトグラフィーシステム(RI検出)を用いクロロホルムを移動相として分析した。分子量標準サンプルには市販の標準ポリスチレンを用いた。またPHBHの純度はPHBHをメチルエステル化しガスクロマトグラフィーにより測定した。湿バイオマスの水分含量はケット科学研究所製の赤外線水分計FD―230を用いて測定した。
【0029】
(実施例1)
アエロモナス・キャビエ由来のPHA合成酵素群遺伝子を導入したR.eutropha(寄託番号:FERM BP−6038)を特開2001−340078号公報の実施例4(炭素源:ヤシ油5%のみ)に記載した方法で培養を行い、PHBHの生産を行った。培養終了後遠心分離によりバイオマスを回収し湿バイオマスを得、さらにこのバイオマスを50℃で15時間真空乾燥し、乾燥バイオマスを得た。乾燥バイオマス中のPHBHの含量は60重量%、重量平均分子量は130万、3−ヒドロキシヘキサノエート(以下、3HHと略す)ユニットは7mol%であった。この乾燥バイオマス24.8gとイソブタノール211.4gをフラスコに入れ、100℃で1時間抽出を行った。溶液を100℃に保温したジャケット式加圧濾過器に移し濾過によりPHBH溶液を回収した。回収した溶液を90℃に保温し、溶液を強攪拌しながらヘプタン210gを徐々に添加すると、白色のPHBHが析出した。この液を室温まで冷却した。PHBHは濾過により容易に回収でき、回収したPHBHをイソブタノールとヘプタンの等量混合溶剤50gで洗浄後45℃で真空乾燥した。回収量は14.1g(95%)、純度99%以上、3HHユニット7mol%であった。分子量は101万と減少したが、加工には十分な分子量であった。
【0030】
(比較例1)
実施例1と同様にPHBHの抽出を行い、溶解液を回収後、強攪拌下、40℃まで徐冷することにより晶析を試みたが、PHBHが激しくゲル化し回収不能であった。従って、単に徐冷のみによる晶析では操作性の良いPHBHの回収は困難である。
【0031】
(実施例2)
実施例1で用いた培養液からバイオマスを遠心分離にて回収し、湿バイオマスを得た。水分含量40%の湿バイオマス41.3g(乾燥バイオマス重量24.8g、乾燥バイオマス中のPHBH含量60重量%)にイソブタノール211gを加え、100℃で2時間抽出を行った。その後100℃に保温したジャケット式加圧濾過器に移し濾過によりPHBH溶解液を回収した。回収した溶液を90℃に保温し、溶液を強攪拌しながらヘプタン210gを徐々に添加すると、白色のPHBHが析出した。この液を室温まで冷却した。PHBHは濾過により容易に回収でき、実施例1と同様に洗浄、乾燥した。回収量は13.8g(93%)、純度99%以上、3HHユニットは7mol%であった。分子量は88万と減少したが、加工には十分な分子量であった。
【0032】
(実施例3)
実施例1で得られた乾燥バイオマス24.8gとトルエン211.4gをフラスコに入れ、100℃で1時間抽出を行った。溶液を100℃に保温したジャケット式加圧濾過器に移し濾過によりPHBH溶液を回収した。回収した溶液を90℃に保温し、溶液を強攪拌しながらヘプタン210gを徐々に添加すると、白色のPHBHが析出した。この液を室温まで冷却した。PHBHは濾過により容易に回収でき、回収したPHBHをトルエンとヘプタンの等量混合溶剤50gで洗浄後45℃で真空乾燥した。回収量は14.3g(97%)、純度99%以上、3HHユニットは7mol%であった。分子量は128万とほとんど低下しなかった。
【0033】
(実施例4)
実施例2と同様にPHBHの抽出を行い、溶解液を回収後、強攪拌下、ヘプタン210gを60℃で添加することにより晶析を行ったが、PHBHは溶剤を大量に含んだ流動性の悪いゲル状となり、PHBHは何とか回収できたものの、濾過性はあまり良くなかった。
【0034】
(実施例5)
アエロモナス・キャビエ由来のPHA合成酵素群遺伝子を導入したR.eutropha(寄託番号:FERM BP−6038)を特開2001−340078号公報の実施例2(炭素源:ヤシ油4%+ヘキサン酸1%)に記載した方法で培養を行い、PHBHの生産を行った。培養終了後遠心分離によりバイオマスを回収し湿バイオマスを得、さらにこのバイオマスを50℃で15時間真空乾燥し、乾燥バイオマスを得た。乾燥バイオマス中のPHBHの含量は60重量%、重量平均分子量は75万、3HHユニットは10mol%であった。この乾燥バイオマス24.8gとトルエン211.4gをフラスコに入れ、100℃で1時間抽出を行った。溶液を100℃に保温したジャケット式加圧濾過器に移し濾過によりPHBH溶液を回収した。回収した溶液を90℃に保温し、溶液を強攪拌しながらヘプタン210gを徐々に添加すると、白色のPHBHが析出した。この液を室温まで冷却した。PHBHは濾過により容易に回収でき、回収したPHBHをトルエンとヘプタンの等量混合溶剤50gで洗浄後45℃で真空乾燥した。回収量は14.0g(94%)、純度99%以上、3HHユニット10mol%であった。分子量は70万と減少したが、加工には十分な分子量であった。
【0035】
(実施例6)
実施例5と同様にPHBHの抽出を行い、溶解液を回収後、強攪拌下、ヘプタン210gを70℃で添加することにより晶析を行ったが、PHBHは流動性の悪いゲル状となり、PHBHは何とか回収できたものの、濾過性はあまり良くなかった。
【0036】
(実施例7)
アエロモナス・キャビエ由来のPHA合成酵素群遺伝子を導入したR.eutropha(寄託番号:FERM BP−6038)を特開2001−340078号公報の実施例2(炭素源:ヤシ油3%+ヘキサン酸2%)に記載した方法で培養を行い、PHBHの生産を行った。培養終了後遠心分離によりバイオマスを回収し湿バイオマスを得、さらにこのバイオマスを50℃で15時間真空乾燥し、乾燥バイオマスを得た。乾燥バイオマス中のPHBHの含量は60%、重量平均分子量は145万、3HHユニットは14mol%であった。この乾燥バイオマス24.8gとトルエン211.4gをフラスコに入れ、98℃で1時間抽出を行った。溶液を98℃に保温したジャケット式加圧濾過器に移し濾過によりPHBH溶液を回収した。回収した溶液を80℃に保温し、溶液を強攪拌しながらヘプタン210gを徐々に添加すると、白色のPHBHが析出した。この液を室温まで冷却した。PHBHは濾過により容易に回収でき、回収したPHBHをトルエンとヘプタンの等量混合溶剤50gで洗浄後45℃で真空乾燥した。回収量は13.9g(93%)、純度99%以上、3HHユニット14mol%であった。分子量は130万であった。
【0037】
(実施例8)
実施例7と同様にPHBHの抽出を行い、溶解液を回収後、強攪拌下、PHBH溶解液を90℃に保温してヘプタンを添加した場合は、最終的に粘着性のあるPHBH結晶が得られた。また、PHBHに着色も認められた。
【0038】
(実施例9)
アエロモナス・キャビエ由来のPHA合成酵素群遺伝子を導入したR.eutropha(寄託番号FERM BP−6038)を特開2001−340078の実施例2(炭素源:ヤシ油3%+ヘキサン酸2%)に記載した方法で培養を行い、PHBHの生産を行った。培養終了後遠心分離によりバイオマスを回収し湿バイオマスを得、さらにこのバイオマスを50℃で15時間真空乾燥し、乾燥バイオマスを得た。乾燥バイオマス中のPHBHの含量は60%、重量平均分子量は120万、3HHユニットは15mol%であった。この乾燥バイオマス24.8gとトルエン211.4gをフラスコに入れ、98℃で1時間抽出を行った。溶液を98℃に保温したジャケット式加圧濾過器に移し濾過によりPHBH溶液を回収した。回収した溶液を70℃に保温し、溶液を強攪拌しながらヘプタン210gを徐々に添加すると、白色のPHBHが析出した。この液を室温まで冷却した。PHBHは濾過により容易に回収でき、回収したPHBHをトルエンとヘプタンの等量混合溶剤50gで洗浄後45℃で真空乾燥した。回収量は14.1g(95%)、純度99%以上、3HHユニット15mol%であった。分子量は110万であった。
【0039】
(実施例10)
実施例9と同様にPHBHの抽出を行い、溶解液を回収後、強攪拌下、PHBH溶解液を90℃に保温してヘプタンを添加した場合は、最終的に粘着性のあるPHBH結晶が得られた。また、PHBHに着色も認められた。
【0040】
(比較例2)
実施例9と同様にPHBHの抽出を行い、溶解液を回収後、強攪拌下、PHBH溶解液を40℃に保温してヘプタンを添加した場合は、PHBHが激しくゲル化を起こした。濾過性も極めて悪く、PHBHの回収は不可能であった。
【0041】
(比較例3)
実施例1で得られた乾燥バイオマス24.8gとトルエン211.4gをフラスコに入れ、100℃で1時間抽出を行った。溶液を98℃に保温したジャケット式加圧濾過器に移し濾過によりPHBH溶液を回収した。回収した溶液を耐圧容器に入れ、密閉下、140℃に保温し、溶液を強攪拌しながらヘプタン210gを徐々に添加した。添加終了後、激しく油状化したPHBHが得られ、これを強攪拌しながら室温まで徐々に冷却して濾過、乾燥すると、粘着性のかなり高いPHBH固体が得られた。この固体には着色が認められ、純度は95%と悪化した。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の方法により、ゲル化を防止し、流動性があり、払い出し可能で、さらには含液率の低いPHAを得ることができるため、分離、洗浄性も良く、品質の良いPHAを工業的に安価に生産、提供できるようになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリヒドロキシアルカノエートを良溶剤に溶解した溶液と貧溶剤とを50〜130℃で混合することにより、ポリヒドロキシアルカノエートを析出させることを特徴とする、ポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項2】
ポリヒドロキシアルカノエートを良溶剤に溶解した溶液に、貧溶剤を添加して混合することにより、ポリヒドロキシアルカノエートを析出させることを特徴とする請求項1に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項3】
ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナノエートおよび3−ヒドロキシデカノエートからなる群から選択されるモノマーのうち少なくとも2種類以上が共重合した共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項4】
ポリヒドロキシアルカノエートが、必ず3−ヒドロキシヘキサノエートのユニットを含むことを特徴とする請求項3に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項5】
ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシヘキサノエートと3−ヒドロキシブチレートとの共重合体であり、3−ヒドロキシヘキサノエートのユニット比が13mol%未満の場合のポリヒドロキシアルカノエートを良溶剤に溶解した溶液と貧溶剤との混合温度が85〜130℃であり、3−ヒドロキシヘキサノエートのユニット比が13mol%以上の場合の該混合温度が50〜84℃であることを特徴とする請求項4に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項6】
ポリヒドロキシアルカノエートの良溶剤が、炭素数4〜10の1価のアルコール類、炭素数6〜10の芳香族炭化水素類、炭素数3〜7のケトン類、及び炭素数4〜8の脂肪酸アルキルエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項7】
炭素数4〜10の1価のアルコールが、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、及びそれらの異性体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項8】
炭素数6〜10の芳香族炭化水素類が、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、シメン、及びそれらの異性体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6又は7に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項9】
炭素数3〜7のケトン類が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、及びそれらの異性体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項10】
炭素数4〜8の脂肪酸アルキルエステル類が、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、及びそれらの異性体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項11】
貧溶剤が、炭素数6〜12の脂肪族炭化水素であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項12】
貧溶剤がヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン及びそれらの異性体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項11に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項13】
ポリヒドロキシアルカノエート及び良溶剤の合計量に対するポリヒドロキシアルカノエートの重量比が1重量%から20重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項14】
貧溶剤及び良溶剤の合計量に対する貧溶剤の重量比が10重量%から90重量%であることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項15】
良溶剤がトルエンであり、貧溶剤がヘプタンであることを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項16】
ポリヒドロキシアルカノエートが、Aeromonas属、Alcaligenes属、Azotobacter属、Bacillus属、Clostridium属、Halobacterium属、Norcadia属、Rhodospirillum属、Psuedomonas属、Ralstonia属、Zoogloea属、Candida属、Yarrowia属及びSaccharomyces属からなる群より選択される少なくとも1種の菌で生産されたポリヒドロキシアルカノエートであることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項17】
ポリヒドロキシアルカノエートが、アエロモナス・キャビエ由来のポリヒドロキシアルカノエート合成遺伝子群を導入された形質転換体で生産されたポリヒドロキシアルカノエートである請求項16に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項18】
アエロモナス・キャビエ由来のポリヒドロキシアルカノエート合成遺伝子群を導入された形質転換体が、アエロモナス・キャビエ由来のポリヒドロキシアルカノエート合成遺伝子群を導入されたRalstonia eutrophaである請求項17に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項19】
ポリヒドロキシアルカノエートを含有するバイオマスからポリヒドロキシアルカノエートを抽出し、かつその溶媒含量を低下させることを特徴とする抽出残渣物質の製造方法。
【請求項20】
請求項19記載の製造方法により製造した抽出残渣物質からなる動物用飼料、微生物用飼料、又は植物用肥料。

【国際公開番号】WO2005/049692
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【発行日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515655(P2005−515655)
【国際出願番号】PCT/JP2004/017247
【国際出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】