説明

ポリマーフィルムの延伸方法、延伸ポリマーフィルムの製造方法、偏光子の製造方法、偏光子、偏光板、光学フィルム、画像表示装置および延伸装置

【課題】 ネッキングの発生を抑制可能なポリマーフィルムの延伸方法およびそれを用いた偏光子の製造方法を提供する。
【解決手段】 親水性ポリマーフィルム1を二色性物質で染色する染色工程と、前記親水性ポリマーフィルム1を延伸する延伸工程を有する偏光子の製造方法であって、前記延伸工程が、前記染色工程および前記染色工程とは別の工程の少なくとも一つの工程で実施され、前記延伸工程が、一定の距離を置いて配置された一対のロール2a、2b間に、前記親水性ポリマーフィルム1を掛け渡し、前記一対のロールの各ロール2a、2bを回転させて、前記ロール間の前記親水性ポリマーフィルム1に張力を加えて延伸することで実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーフィルムの延伸方法、延伸ポリマーフィルムの製造方法、偏光子の製造方法、偏光子、偏光板、光学フィルム、画像表示装置および延伸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、パソコン、携帯電話等の各種液晶表示装置(LCD)には、偏光子が用いられている。前記液晶表示装置では、液晶セルの視認側およびバックライト側に、吸収軸が直交する状態で、偏光板が配置されている。偏光板は、偏光子の少なくとも片面に、保護層が積層されている。通常、前記偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムを染色して、一軸延伸することで作製されている。得られた偏光子の吸収軸は、延伸方向となり、長尺のPVAフィルムを使用した場合は、通常、長手方向に延伸されるため、吸収軸も長手方向になる。偏光子は、製造当初は、長尺フィルム状であるが、用途に応じ、各種サイズにカットされて使用される。前述のように、液晶セルの視認側とバックライト側に配置される一対の偏光板は、同じ大きさである必要があるため、長手方向に延伸した場合、長尺フィルムの幅方向の長さが、偏光板の限界サイズになる。また、従来の延伸方法では、長手方向に延伸した場合、幅方向の長さが縮むというネッキングの問題があった。最近では、テレビ用としての液晶表示装置の用途が急増しており、画面のサイズも大型化している。これに伴い、テレビに用いられる偏光子にも、大型化が要求されている。しかし、従来の長手方向の延伸では、対応が困難である。一方、特許文献1では、偏光子の大型化に対応する技術が開示されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に開示の技術では、ネッキングの問題を解決することができない。
【特許文献1】特開2006−91374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、ネッキングの発生を抑制可能なポリマーフィルムの延伸方法およびそれを用いた偏光子の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために、
本発明の延伸方法は、ポリマーフィルムの延伸方法であって、
一定の距離を置いて配置された一対のロール間に、前記ポリマーフィルムを掛け渡し、
前記一対のロールの各ロールを回転させて、前記ロール間のポリマーフィルムに張力を加えて延伸することを特徴とする。
【0005】
また、本発明の偏光子の製造方法は、
親水性ポリマーフィルムを二色性物質で染色する染色工程と、前記親水性ポリマーフィルムを延伸する延伸工程を有する偏光子の製造方法であって、
前記延伸工程が、前記染色工程および前記染色工程とは別の工程の少なくとも一つの工程で実施され、
前記延伸工程が、本発明のポリマーフィルムの延伸方法により実施されることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の延伸ポリマーフィルムの製造方法は、ポリマーフィルムの延伸が、前記本発明のポリマーフィルムの延伸方法により実施されることを特徴とする。
【0007】
本発明の偏光子は、前記本発明の偏光子の製造方法により製造された偏光子である。
【0008】
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の表面に保護層が積層された偏光板であって、前記偏光子が、前記本発明の偏光子であることを特徴とする。
【0009】
本発明の光学フィルムは、偏光子または偏光板の表面に位相差板が積層された光学フィルムであって、前記偏光子が、前記本発明の偏光子であり、前記偏光板が、前記本発明の偏光板であることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像表示装置は、偏光子、偏光板および光学フィルムの少なくとも一つを含む画像表示装置であって、前記偏光子が、前記本発明の偏光子であり、前記偏光板が、前記本発明の偏光板であり、前記光学フィルムが、前記本発明の光学フィルムであることを特徴とする。
【0011】
本発明の延伸装置は、前記本発明のポリマーフィルムの延伸方法に使用する延伸装置であって、一定の距離をおいて配置された一対のロールを含む延伸装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のポリマーフィルムの延伸方法では、一対のロールの各ロールを回転させて、前記ロール間のポリマーフィルムに張力を加えて延伸する。このため、本発明のポリマーフィルムの延伸方法によれば、ネッキングの発生を抑制可能である。このように、本発明のポリマーフィルムの延伸方法では、ネッキングの発生を抑制可能であることから、これを用いた本発明の偏光子の製造方法によれば、例えば、配向精度や偏光度等の光学特性に優れた偏光子を製造できる。また、本発明の偏光子の製造方法では、例えば、親水性ポリマーフィルムの長手方向を、前記各ロールの軸方向とすることで、前記親水性ポリマーフィルムを幅方向に延伸することが可能である。このため、本発明のポリマーフィルムの延伸方法を利用した偏光子の製造方法によれば、前記各ロールの軸方向の長さを伸ばしていくことで、原反フィルム(親水性ポリマーフィルム)の幅に制限されることなく、大型の偏光子を製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(1)ポリマーフィルムの延伸方法
前述の通り、本発明のポリマーフィルムの延伸方法は、一定の距離を置いて配置された一対のロール間に、前記ポリマーフィルムを掛け渡し、前記一対のロールの各ロールを回転させて、前記ロール間のポリマーフィルムに張力を加えて延伸することを特徴とする。また、本発明の延伸装置は、前記本発明のポリマーフィルムの延伸方法に使用する延伸装置であって、一定の距離をおいて配置された一対のロールを含む延伸装置であることを特徴とする。
【0014】
本発明のポリマーフィルムの延伸方法は、どのような装置により行ってもよいが、前記本発明の延伸装置により行うことが好ましい。以下、本発明の延伸装置およびそれを用いた本発明の延伸方法について、例を挙げて説明する。
【0015】
図1(A)の斜視図に、本発明の延伸装置の一例を模式的に示す。図示の通り、この装置は、一定の距離を置いて配置された一対のロール2a(図において左側のロール)および2b(図において右側のロール)を主要構成要素とする。ロール2aと2bとは互いに並行に配置されている。この装置は、前記一対のロールの各ロール2aおよび2bを回転させることにより、前記一対のロール間に掛け渡したポリマーフィルムに張力を加えて延伸することが可能である。前記一対のロール間の距離および前記各ロールの軸方向の長さは、特に制限されず、所望の延伸ポリマーフィルムの大きさに応じて適宜決定できる。前記各ロールのロール径は、特に制限されないが、例えば、30〜400mmの範囲であり、好ましくは、50〜300mmの範囲であり、より好ましくは、70〜200mmの範囲である。また、この装置において、その他の構成要素(図示せず)は、特に制限されない。
【0016】
図1(A)の装置を用いた本発明の延伸方法は、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、同図に示す通り、ポリマーフィルム1を、前記一対のロール2aの上部および2bの上部に引っ掛け、前記各ロール2aおよび2bの間に掛け渡す。図中、3aは、ロール2aとポリマーフィルム1との接線であり、3bは、ロール2bとポリマーフィルム1との接線である。この接線3aと3bとの間の区間が、延伸区間Dとなる。また、図中、dは、前記延伸区間Dの幅すなわち前記接線3aと3bとの間の距離を表す。Sは、前記延伸区間Dの中心線を表す。
【0017】
つぎに、一方のロール2aを反時計回りすなわち左方向(図中の矢印R1方向)に、他方のロール2bを時計回りすなわち右方向(図中の矢印R2方向)に、それぞれ回転させることにより、前記一対のロール2aおよび2b間に掛け渡したポリマーフィルム1に張力を加えて延伸する。前記各ロールの回転速度は、特に制限されないが、例えば、1〜100mm/秒の範囲であり、好ましくは、1〜50mm/秒の範囲であり、より好ましくは、1〜20mm/秒の範囲である。延伸されたポリマーフィルム1は、前記一対のロールの外側方向に搬送され、図1(B)に示すとおり、ロール2aおよび2bにそれぞれ巻き取られる。延伸後、最終的に前記延伸区間Dの位置にあるポリマーフィルム1が、所望の延伸倍率に延伸された本発明の延伸ポリマーフィルムである。前記延伸倍率は、特に制限されないが、例えば、2〜12倍の範囲であり、好ましくは、3〜10倍の範囲であり、より好ましくは、4〜8倍の範囲である。
【0018】
つぎに、本発明の延伸装置およびポリマーフィルムの延伸方法のその他の例について説明する。
【0019】
図2(A)の側面図に、本発明の延伸装置の別の一例を模式的に示す。同図中、図1と同じ部分は、同一の符号で示している。図示の通り、この装置は、ロール2a(図において左側のロール)および2b(図において右側のロール)上部に掛け渡したポリマーフィルム1をロール2aおよび2bで巻き取らない以外は、図1に示す装置と同様である。この装置を用いた本発明のポリマーフィルムの延伸方法は、延伸と同時に外側に搬送したポリマーフィルム1をロール2aおよび2bで巻き取らない以外は、図1の装置を用いる方法と同様にして行うことができる。外側に搬送したポリマーフィルム1の処理方法は特に制限されず、例えば、ロール2aおよび2bとは別のロール(図示せず)により適宜巻き取ってもよい。
【0020】
なお、図2(A)中、Lは、一方のロール2aの回転によりポリマーフィルム1が外側方向に搬送された距離を示す。Lは、他方のロール2bの回転によりポリマーフィルム1が外側方向に搬送された距離を示す。
【0021】
本発明のポリマーフィルムの延伸方法において、前記一対のロールの回転により外側方向に搬送されたポリマーフィルムは、例えば図1(A)および図1(B)に示したように、前記一対のロールの各ロールに巻き取ることが好ましい。このようにすれば、前記ポリマーフィルムの延伸に必要なスペースを小さくできる。しかし、本発明のポリマーフィルムの延伸方法はこれに限定されず、例えば、図2(A)に示したように、外側方向に搬送されたポリマーフィルムを前記一対のロールの各ロールに巻き取らなくてもよい。
【0022】
本発明のポリマーフィルムの延伸方法において、前記一対のロールにて、
一方のロールの回転により前記ポリマーフィルムが外側方向に搬送された長さLと、
他方のロールの回転により前記ポリマーフィルムが外側方向に搬送された長さLと、
前記一対のロール間の距離dとが、下記式(1)で示す条件を満たすように延伸することが好ましい。

|L−L|<d/2 (1)

前記式(1)中、前記一対のロール間の距離dとは、例えば、図1(A)および(B)ならびに図2(A)に示す通りである。図中、dは、前述の通り、一方のロール2aとポリマーフィルム1との接線3aと、他方のロール2bとポリマーフィルム1との接線3bとの間の距離である。また、LおよびLは、例えば、図2(A)に示すとおりである。同図中、Lは、前述の通り、一方のロール2aの回転によりポリマーフィルム1が外側方向に搬送された距離を示す。Lは、前述の通り、他方のロール2bの回転によりポリマーフィルム1が外側方向に搬送された距離を示す。前記式(1)の条件を満たせば、延伸前における前記一対のロール間Dにおける前記ポリマーフィルム1の中心線S(図1(A))が、延伸中に前記各ロール2a、2bの外に出ることがなく、前記延伸区間Dにおいて、前記ポリマーフィルム1を好ましく延伸できる。
【0023】
なお、本発明のポリマーフィルムの延伸方法において、ネッキングの発生が抑制されるメカニズムは、例えば、つぎのように推測される。すなわち、本発明のポリマーフィルムの延伸では、ポリマーフィルム1が、前記各ロール2a、2bとの接線3a、3bで常に固定されている。このため、本発明のポリマーフィルムの延伸では、固定端延伸の原理が働き、軸方向の収縮が低減ないし防止され、ネッキングの発生が抑制されると考えられる。ただし、このメカニズムは推測であり、本発明を何ら限定しない。
【0024】
図2(B)の側面図に、本発明の延伸装置のさらに別の一例を模式的に示す。同図中、図2(A)と同じ部分は、同一の符号で示している。図示の通り、この装置は、ポリマーフィルム1を、ロール2a(図において左側のロール)下部とロール2b(図において右側のロール)上部にかかるように斜めに掛け渡すことと、前記ロール2aの回転方向R1が時計回り(右回転)であること以外は、図2(A)の装置と同様である。この装置を用いた本発明のポリマーフィルムの延伸方法も、ロール2aの回転方向以外は、図2(A)の装置を用いた方法と同様にして行うことができる。
【0025】
つぎに、本発明のポリマーフィルムの延伸方法において、前記一対のロールの少なくとも一方のロールが、二つのロールが圧接したピンチロールの一方のロールであり、前記ピンチロール間に前記フィルムを挟み込んだ状態で前記一対のロールの各ロールを回転させることが好ましい。このような形態であれば、ネッキングの発生を、より好適に抑制可能である。また、このような形態の延伸方法を行うことが可能であるという理由から、本発明の延伸装置は、ピンチロールを含み、前記一対のロールの少なくとも一方のロールが、二つのロールが圧接したピンチロールの一方のロールであることが好ましい。
【0026】
図3の斜視図に、そのような本発明の延伸装置の例を示す。なお、同図において、図1と同一部分には、同一符号を付している。図示のとおり、本例の延伸装置は、前記一対のロール2a、2bの双方が、二つのロールが圧接したピンチロール4a、4bの一方のロールであること以外、図1に示した延伸装置と同様である。本例の延伸装置を用いたポリマーフィルムの延伸方法は、ポリマーフィルム1を、ピンチロール4aおよび4bで挟んでピンチ圧をかけながら延伸する以外は、図1の装置を用いた延伸方法と同様にして行うことができる。前記ピンチ圧は、特に制限されないが、例えば、1〜1000N/mの範囲であり、好ましくは、1〜500N/mの範囲であり、より好ましくは、1〜100N/mの範囲である。このような延伸方法によれば、前記ポリマーフィルム1と前記各ロール2a、2bとの接線3a、3bにおけるポリマーフィルム1の固定がより強固なものとなるため、ネッキングの発生を、より好適に抑制可能である。なお、図3においては、前記一対のロールの双方が、二つのロールが圧接したピンチロールの一方のロールである場合を示したが、本発明はこれに限定されず、前記一対のロールの一方のみが、二つのロールが圧接したピンチロールの一方のロールであってもよい。
【0027】
なお、本発明のポリマーフィルムの延伸方法においては、上記のように、例えば、前記ポリマーフィルムを、前記一対のロールの軸方向と垂直方向に延伸する。本発明の延伸方法は、例えば、前記一対のロールの軸方向と垂直方向への延伸のみ行う一軸延伸であっても良いし、前記ロールの軸方向への延伸を併せて行う二軸延伸であっても良い。前記ロールの軸方向への延伸方法は、特に制限されない。また、前記ロールの軸方向への延伸は、前記ロールの軸方向と垂直方向への延伸と同時に行ってもよいし、別途行っても良い。
【0028】
また、本発明の延伸ポリマーフィルムの製造方法は、前述の通り、ポリマーフィルムの延伸が、本発明のポリマーフィルムの製造方法により実施されることを特徴とする。これ以外は、本発明の延伸ポリマーフィルムの製造方法は、特に制限されない。
【0029】
(2)ポリマーフィルム
つぎに、本発明に用いるポリマーフィルムについて説明する。
【0030】
本発明のポリマーフィルムの延伸方法において、前記ポリマーフィルムとしては、延伸が可能なものであれば、その材質は特に制限されず、従来公知のフィルムが使用できる。前記ポリマーフィルムは、適当な大きさにカットして使用される。前記ポリマーフィルムの大きさは、前記一対のロール間の距離および前記各ロールの軸方向の長さ等に応じて適宜決定すればよい。前記ポリマーフィルムの厚みは、特に制限されないが、例えば、15〜110μmの範囲であり、好ましくは、38〜110μmの範囲であり、より好ましくは、50〜100μmの範囲であり、さらに好ましくは、60〜80μmの範囲である。
【0031】
本発明のポリマーフィルムの延伸方法を、本発明の偏光子の製造方法に用いる場合は、前記ポリマーフィルムは、親水性ポリマーフィルムである。前記親水性ポリマーフィルムとしては、特に制限されず、従来公知のフィルムが使用できる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系フィルムや、これらの部分ケン化フィルム等の親水性ポリマーフィルム等が挙げられる。また、これらの他にも、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム、延伸配向されたポリビニレン系フィルム等も使用できる。これらの中でも、後述する二色性物質であるヨウ素による染色性に優れることから、PVA系ポリマーフィルムが好ましい。
【0032】
前記PVA系ポリマーフィルムの原料ポリマーとしては、例えば、酢酸ビニルを重合した後にケン化したものや、酢酸ビニルに対して、少量の不飽和カルボン酸や不飽和スルホン酸等の共重合可能なモノマーを共重合したポリマー等が挙げられる。前記PVA系ポリマーの重合度は、特に制限されないが、水に対する溶解度の点等から、500〜10000の範囲が好ましく、より好ましくは、1000〜6000の範囲である。また、前記PVA系ポリマーのケン化度は、75モル%以上が好ましく、より好ましくは、98〜100モル%の範囲である。
【0033】
(3)処理液の接触方法
つぎに、本発明の偏光子の製造方法において、前記親水性ポリマーフィルムを処理液に接触させる場合があるので、その処理液の接触方法について説明する。なお、前記処理液の種類は特に制限されず、例えば、後述の膨潤液、染色液、架橋液、延伸液、調製液等が挙げられる。
【0034】
前記処理液の接触は、例えば、噴霧により実施されてもよい。前記親水性ポリマーフィルムに前記処理液を噴霧する手段としては、任意の適切な噴霧装置が用いられる。前記噴霧装置としては、例えば、扶桑精機(株)製の商品名「MKシリーズ」、DeVILBISS社製の商品名「T−AFPV」、ACCUSPRAY社製の商品名「56シリーズ」等が挙げられる。前記噴霧装置において、噴霧用ノズルの数は、例えば、1〜10個の範囲であり、好ましくは、1〜8個の範囲であり、より好ましくは、1〜4個の範囲であり、前記噴霧用ノズルの孔径は、例えば、0.3〜2mmの範囲であり、好ましくは、0.5〜1.5mmの範囲であり、より好ましくは、0.75〜1mmの範囲であり、前記噴霧用ノズル1個当たりの流量は、例えば、10〜1200mL/秒の範囲であり、好ましくは、10〜700mL/秒の範囲であり、より好ましくは、50〜400mL/秒の範囲であり、噴霧空気圧力は、例えば、0.03〜3MPaの範囲であり、好ましくは、0.1〜1MPaの範囲であり、より好ましくは、0.2〜0.5MPaの範囲であり、噴霧角度は、例えば、45°〜135°の範囲であり、好ましくは、60°〜120°の範囲であり、より好ましくは、80°〜100°の範囲である。
【0035】
前記処理液の噴霧において、前記噴霧用ノズルと前記親水性ポリマーフィルムとの間の距離は、前記噴霧空気圧力等に応じて適宜に決定することができるが、15cm以下の範囲が好ましい。前記距離を前記範囲とすることで、前記処理液をロスなく、確実に前記親水性ポリマーフィルムに接触させることができる。
【0036】
前記親水性ポリマーフィルムに前記処理液が噴霧される時間は、特に制限されないが、20秒以上が好ましく、より好ましくは、30〜120秒の範囲であり、さらに好ましくは、40〜60秒の範囲である。また、前記親水性ポリマーフィルムへの前記処理液の噴霧量は、特に制限されないが、0.06〜0.19mL/cmの範囲が好ましい。そして、前記処理液の温度は、特に制限されないが、例えば、40〜70℃の範囲であり、好ましくは、50〜70℃の範囲であり、より好ましくは、60〜70℃の範囲である。
【0037】
前記親水性ポリマーフィルムに対する前記処理液の接触は、例えば、塗布により実施されてもよい。前記親水性ポリマーフィルムに前記処理液を塗布する手段としては、例えば、ロールコータ、ダイコータ、バーコータ、スライドコータ、カーテンコータ等、従来公知の手段を取ることができる。なお、前記処理液の接触においては、前記処理液の噴霧および塗布を併用してもよい。
【0038】
前記親水性ポリマーフィルムに対する前記処理液の接触は、例えば、前記処理液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により実施されてもよい。この場合には、浸漬浴を用い、例えば、前記本発明の延伸装置ごと前記親水性ポリマーフィルムを前記浸漬浴に浸漬させることで、前記親水性ポリマーフィルムに前記処理液を接触させる。この場合における前記浸漬浴への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間、前記浸漬浴の温度については、特に制限されないが、例えば、後述の、本発明の偏光子の製造方法の各工程において説明するとおりである。
【0039】
(4)偏光子の製造方法
本発明の偏光子の製造方法は、前述の通り、親水性ポリマーフィルムを二色性物質で染色する工程と、前記親水性ポリマーフィルムを延伸する延伸工程を有する偏光子の製造方法であって、前記延伸工程が、前記染色工程および前記染色工程とは別の工程の少なくとも一つの工程で実施され、前記延伸工程が、本発明のポリマーフィルムの延伸方法により実施されることを特徴とする。これ以外は、本発明の偏光子の製造方法は、特に制限されない。例えば、本発明の偏光子の製造方法は、前記染色工程および前記延伸工程以外の別の工程を適宜有していてもよいし、有していなくてもよい。前記別の工程は、特に制限されないが、例えば、前記親水性ポリマーフィルムを膨潤させる膨潤工程、および前記親水性ポリマーフィルムを架橋する架橋工程等がある。また、後述の調整工程、乾燥工程等も挙げられる。
【0040】
本発明の偏光子の製造方法において、前記染色工程、前記延伸工程および前記別の工程の少なくとも一つの工程を、各工程の処理液を前記親水性ポリマーフィルムに接触させて実施することが好ましい。
【0041】
本発明の偏光子の製造方法において、前記別の工程が、さらに、乾燥工程を有し、前記乾燥工程において、前記親水性ポリマーフィルムを、前記延伸工程における延伸方向に延伸しない程度の張力を付した状態で乾燥させることが好ましい。これにより、前記乾燥工程におけるネッキングの発生を、好適に抑制可能である。
【0042】
前記親水性ポリマーフィルムの大きさおよび厚みは、前記ポリマーフィルムの延伸方法において説明したとおりである。
【0043】
本発明の偏光子の製造方法において、前記親水性ポリマーフィルムが、長尺フィルムであり、前記延伸工程において、前記親水性ポリマーフィルムを、前記長尺フィルムの幅方向に延伸することが好ましい。これにより、大型の偏光子の製造に好ましく対応できる。
【0044】
本発明の偏光子の製造方法は、例えば、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、調整工程および乾燥工程の一連の工程で実施される。前記延伸工程は、前記本発明のポリマーフィルムの延伸方法により実施される。これ以外の工程の実施方法は、特に制限されない。以下、これら各工程について説明する。
【0045】
(4−1)膨潤工程
前記親水性ポリマーフィルムを、まず、膨潤液に接触させて膨潤させる。
【0046】
前記膨潤液としては、例えば、水、グリセリン水溶液、ヨウ化カリウム水溶液等が使用できる。
【0047】
本工程において、前記膨潤液の接触は、例えば、前記膨潤液の噴霧および塗布の少なくとも一方により実施されてもよい。前記膨潤液を噴霧または塗布する手段および条件等については、例えば、前述の通りである。
【0048】
本工程において、前記膨潤液の接触は、例えば、前記膨潤液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により実施されてもよい。この場合には、膨潤浴が用いられる。この場合における前記膨潤液(膨潤浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、20〜300秒の範囲であり、好ましくは、30〜200秒の範囲であり、より好ましくは、30〜120秒の範囲であり、前記膨潤液(膨潤浴)の温度は、例えば、20〜45℃の範囲であり、好ましくは、25〜40℃の範囲であり、より好ましくは、27〜37℃の範囲である。
【0049】
また、この膨潤工程と同時に前記延伸工程を行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0050】
(4−2)染色工程
つぎに、前記膨潤後の親水性ポリマーフィルムを、二色性物質を含む染色液に接触させる。
【0051】
前記二色性物質としては、従来公知の物質が使用でき、例えば、ヨウ素や有機染料等が挙げられる。前記有機染料を使用する場合には、例えば、可視光領域のニュートラル化を図る点より、二種類以上を組み合わせることが好ましい。
【0052】
前記染色液としては、前記二色性物質を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、例えば、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。前記溶液における二色性物質の濃度は、特に制限されないが、例えば、0.005〜0.40重量%の範囲であり、好ましくは、0.01〜0.30重量%の範囲である。
【0053】
また、前記二色性物質としてヨウ素を使用する場合、溶解度、染色効率等をより一層向上できることから、ヨウ素に加えて、助剤としてヨウ化物をさらに添加することが好ましい。前記ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等があげられる。これらのヨウ化物の添加割合は、前記染色液において、0.05〜10重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.10〜5重量%の範囲である。
【0054】
例えば、ヨウ素とヨウ化カリウムとを組み合わせて使用する場合、前記溶液におけるヨウ素(A)とヨウ化カリウム(B)の割合(A:B(重量比))は、例えば、A:B=1:5〜1:100の範囲であり、好ましくは、A:B=1:7〜1:50の範囲であり、より好ましくは、A:B=1:10〜1:30の範囲である。
【0055】
本工程において、前記染色液の接触は、例えば、前記染色液の噴霧および塗布の少なくとも一方により実施されてもよい。前記染色液を噴霧または塗布する手段および条件等については、例えば、前述の通りである。
【0056】
本工程において、前記染色液の接触は、例えば、前記染色液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により実施されてもよい。この場合には、染色浴が用いられる。この場合における前記染色液(染色浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、10〜90秒の範囲であり、好ましくは、15〜60秒の範囲であり、より好ましくは、20〜45秒の範囲であり、前記染色液(染色浴)の温度は、例えば、5〜42℃の範囲であり、好ましくは、10〜35℃の範囲であり、より好ましくは、12〜30℃の範囲である。
【0057】
また、この染色工程と同時に前記延伸工程を行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0058】
(4−3)架橋工程
つぎに、前記染色処理後の親水性ポリマーフィルムを、架橋剤を含む架橋液に接触させる。
【0059】
前記架橋剤としては、従来公知の物質が使用でき、例えば、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物等があげられる。これらは一種類で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。前記架橋液としては、前記架橋剤を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、例えば、水が使用できるが、さらに水と相溶性のある有機溶媒を含んでもよい。
【0060】
前記溶液における架橋剤の濃度は、特に制限されないが、例えば、前記溶媒(例えば、水)100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、1.5〜8重量部の範囲であり、さらに好ましくは、2〜6重量部の範囲である。
【0061】
前記架橋液は、偏光子の面内の均一な特性が得られる点から、前記ホウ素化合物の他に、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等のヨウ化物等の助剤を含んでいてもよい。これらの中でもホウ酸とヨウ化カリウムとの組み合わせが好ましい。前記溶液における前記助剤の含有量は、例えば、0.05〜15重量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜8重量%の範囲である。
【0062】
本工程において、前記架橋液の接触は、例えば、前記架橋液の噴霧および塗布の少なくとも一方により実施されてもよい。前記架橋液を噴霧または塗布する手段および条件等については、例えば、前述の通りである。
【0063】
本工程において、前記架橋液の接触は、例えば、前記架橋液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により実施されてもよい。この場合には、架橋浴が用いられる。この場合における前記架橋液(架橋浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、5〜150秒の範囲であり、好ましくは、10〜90秒の範囲であり、より好ましくは、20〜40秒の範囲であり、前記架橋液(架橋浴)の温度は、例えば、20〜70℃の範囲であり、好ましくは、40〜60℃の範囲である。
【0064】
また、この架橋工程と同時に前記延伸工程を行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0065】
(4−4)延伸工程
つぎに、前記延伸工程について説明する。本工程は、他の工程のうち少なくとも一つと同時に実施してもよいし、別個独立に実施してもよい。例えば、前記膨潤工程、染色工程、架橋工程、調整工程等の各工程のうち一つまたは複数の工程と同時に本工程(延伸工程)を行ってもよいし、行わなくてもよい。前述のとおり、本工程は、前記本発明のポリマーフィルムの延伸方法により実施される。本工程における前記親水性ポリマーフィルムの延伸方法については、前記ポリマーフィルムの延伸方法で述べたとおりである。
【0066】
本工程を、他の工程、例えば、膨潤工程、染色工程、架橋工程、調整工程等の各工程と別個独立に実施する場合には、例えば、前記親水性ポリマーフィルムを、延伸液に接触させながら延伸してもよい。
【0067】
前記延伸液としては、特に制限されないが、例えば、ホウ酸、ヨウ化カリウム、各種金属塩やその他のヨウ化化合物、亜鉛化合物等を含む溶液が使用できる。この溶液の溶媒としては、例えば、水、エタノール等が使用できる。具体的には、例えば、ホウ酸およびヨウ化カリウムを含むことが好ましく、前記両者の含有量は、例えば、合計で2〜18重量%の範囲であり、好ましくは、合計で4〜17重量%の範囲であり、より好ましくは、合計で6〜15重量%の範囲である。また、前記ホウ酸(A)とヨウ化カリウム(B)との含有割合(A:B(重量比))は、例えば、A:B=1:0.1〜1:4の範囲であり、好ましくは、A:B=1:0.2〜1:3.5の範囲であり、より好ましくは、A:B=1:0.5〜1:3の範囲である。
【0068】
本工程において、前記親水性ポリマーフィルムへの延伸液の接触が、前記浸漬で実施される場合には、延伸浴が用いられる。前記延伸液(延伸浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、5〜200秒の範囲であり、好ましくは、10〜150秒の範囲であり、より好ましくは、15〜100秒の範囲であり、前記延伸液(延伸浴)の温度は、例えば、30〜70℃の範囲であり、好ましくは、35〜65℃の範囲であり、より好ましくは、40〜60℃の範囲である。
【0069】
(4−5)調整工程
つぎに、前記親水性ポリマーフィルムをヨウ化物含有水溶液(調整液)に接触させる。
【0070】
前記ヨウ化物含有水溶液におけるヨウ化物としては、前述のものが使用でき、その中でも、例えば、ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウム等が好ましい。このヨウ化物含有水溶液によって、例えば、前記架橋浴、延伸浴等において使用した残存するホウ酸を、親水性ポリマーフィルムから洗い流すことができる。
【0071】
前記水溶液が、ヨウ化カリウム水溶液の場合、その濃度は、例えば、0.5〜20重量%の範囲であり、好ましくは、1〜15重量%の範囲であり、より好ましくは、1.5〜7重量%の範囲である。
【0072】
本工程において、前記調整液の接触は、例えば、前記調整液の噴霧および塗布の少なくとも一方により実施されてもよい。前記調整液を噴霧または塗布する手段および条件等については、例えば、前述の通りである。
【0073】
本工程において、前記調整液の接触は、例えば、前記調整液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により実施されてもよい。この場合には、調整浴が用いられる。この場合における前記調整液(調整浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、2〜15秒の範囲であり、好ましくは、3〜12秒の範囲であり、前記調整液(調整浴)の温度は、例えば、15〜40℃の範囲であり、好ましくは、20〜35℃の範囲である。
【0074】
また、この調整工程と同時に前記延伸工程を行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0075】
(4−6)乾燥工程
つぎに、前記親水性ポリマーフィルムを乾燥することにより、偏光子を得ることができる。
【0076】
前述のように、本工程において、前記親水性ポリマーフィルムを、前記延伸工程における延伸方向に延伸しない程度の張力を付した状態で乾燥させることが好ましい。これは、例えば、本工程に至るまで、前記親水性ポリマーフィルムを前記本発明の延伸装置に取り付けたままとしておき、前記本発明の延伸装置の前記各ロールを回転させない状態とすることで実施可能である。これにより、本工程におけるネッキングの発生を、好適に抑制可能である。
【0077】
乾燥は、例えば、自然乾燥、風乾、加熱乾燥等、従来公知の方法で実施すればよい。加熱乾燥の場合は、特に制限されないが、温度25〜60℃の範囲が好ましく、より好ましくは、30〜50℃の範囲であり、さらに好ましくは、30〜45℃の範囲である。
【0078】
以上、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、調整工程および乾燥工程について、説明してきた。これらの工程は、別々に実施してもよいが、一工程にまとめることが可能な工程は、まとめて実施してもよい。また、各工程終了ごとに、調整工程および乾燥工程を実施してもよい。
【0079】
このような一連の工程を経て、偏光子を製造することができる。
【0080】
(5)偏光子
本発明の偏光子の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜40μmの範囲であり、好ましくは、7〜37μmの範囲であり、より好ましくは、10〜35μmの範囲であり、さらに好ましくは、15〜35μmの範囲である。
【0081】
(6)偏光板
つぎに、本発明の偏光板は、前記本発明の偏光子の少なくとも一方の表面に保護層が積層された構成である。前記保護層は、前記偏光子の片面のみに積層されてもよいし、両面に積層されてもよい。両面に積層する場合には、例えば、同じ種類の保護層を使用してもよいし、異なる種類の保護層を使用してもよい。
【0082】
図4に、本発明の偏光板の一例の断面図を示す。図示のように、この偏光板40は、前記偏光子41の両面に保護層42がそれぞれ積層されている。
【0083】
前記保護層42としては、特に制限されず、従来公知の保護フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロール(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、アクリル系、アセテート系、ポリオレフィン系等の樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。
【0084】
この他にも、特開2001−343529号公報やWO 01/37007号公報に記載されているような、例えば、イソブテンおよびN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物の混合押出物からなるフィルム等も使用できる。
【0085】
さらに、これらの保護フィルムは、例えば、その表面が、アルカリ等によってケン化処理されてもよい。これらの中でも、偏光特性や耐久性等の点から、TACフィルムが好ましく、より好ましくは、その表面がケン化処理されたTACフィルムである。
【0086】
前記保護層の厚みは、例えば、1〜500μmの範囲であり、好ましくは、5〜200μmの範囲であり、より好ましくは、10〜150μmの範囲である。
【0087】
前記保護層の位相差値としては、フィルム面内の位相差値(Re)が、好ましくは、0〜5nmの範囲であり、より好ましくは、0〜3nmの範囲であり、さらに好ましくは、0〜1nmの範囲であり、厚み方向の位相差値(Rth)が、好ましくは、0〜15nmの範囲であり、より好ましくは、0〜12nmの範囲であり、さらに好ましくは、0〜5nmの範囲であり、最も好ましくは、0〜3nmの範囲である。
【0088】
前記保護層は、例えば、偏光子に前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光子に前記樹脂製フィルム等を積層する方法等、従来公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
【0089】
また、前記保護層は、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、拡散やアンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよい。
【0090】
前記偏光子と前記保護層との接着方法は、例えば、粘着剤やその他の接着剤等が使用され、その種類は、偏光子や保護層の種類等によって適宜決定できる。接着層や粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、例えば、1〜500nmの範囲であり、好ましくは、10〜300nmの範囲であり、より好ましくは、20〜100nmの範囲である。
【0091】
また、本発明の偏光板は、例えば、液晶セル等への積層が容易になることから、その最外層に、さらに粘着剤層を有していることが好ましい。図5に、このような粘着剤層を有する偏光板の断面図を示す。図5において、図4と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、偏光板50は、前記偏光板40の一方の保護層42の表面にさらに粘着剤層51が配置されているという構成である。
【0092】
前記保護層表面への前記粘着剤層の形成は、例えば、粘着剤の溶液または溶融液を、流延や塗工等の展開方式により、前記保護層の所定の面に直接添加して層を形成する方式や、同様にして後述するセパレータ上に粘着剤層を形成させて、それを前記保護層の所定面に移着する方式等によって行うことができる。なお、このような粘着剤層は、前記図5のように偏光板のいずれか一方の表面に形成してもよいが、これには限定されず、必要に応じて両面に配置してもよい。
【0093】
前記粘着剤層としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等の従来公知の粘着剤を適宜使用して形成できる。前記粘着剤層の表面は、汚染防止等を目的として、セパレータによってカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記保護フィルム等のような薄層のフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。
【0094】
前記粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜35μmの範囲であり、好ましくは、10〜25μmの範囲であり、より好ましくは、15〜25μmの範囲である。
【0095】
(7)光学フィルム
つぎに、本発明の光学フィルムは、前記本発明の偏光子または前記本発明の偏光板の少なくとも一方の表面に位相差板が積層された構成である。
【0096】
前記位相差板の種類は、例えば、1/2λ板や1/4λ板等の各種波長板、液晶層の複屈折による着色の補償や視野角拡大等の視覚の補償を目的にしたもの等、使用目的に応じた位相差を有するものでもよく、厚み方向の屈折率を制御した傾斜配向フィルムであってもよい。また、2種以上の位相差板を積層し、位相差等の光学特性を制御した積層体等でもよい。
【0097】
前記位相差板の材料としては、例えば、ポリカーボネート、PVA、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリノルボルネン等のポリマーフィルムを延伸処理した複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムで支持した積層体等が挙げられる。
【0098】
前記傾斜配向フィルムは、例えば、ポリマーフィルムに熱収縮性フィルムを接着して、加熱によるその収縮力の作用の下に、前記ポリマーフィルムに延伸処理や収縮処理を施す方法や、液晶ポリマーを斜め配向させる方法等により得ることができる。
【0099】
前記位相差板は、自作してもよいし、市販品を用いてもよい。
【0100】
(8)用途
本発明の偏光子、偏光板および光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)やELディスプレイ(ELD)等の各種の画像表示装置に好ましく用いることができる。本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光子、偏光板および光学フィルムの少なくとも一つを用いること以外は、従来の液晶表示装置と同様の構成である。本発明の液晶表示装置は、例えば、液晶セル、本発明の偏光子等の光学部材、および必要に応じて照明システム(バックライト等)等の各構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むこと等により製造できる。
【0101】
本発明の画像表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等が挙げられる。
【実施例】
【0102】
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例および比較例によってなんら限定ないし制限されない。
【0103】
[実施例1]
(PVAフィルムの準備)
PVAフィルム((株)クラレ製、商品名「VF−PS」)を130mm×400mmの長方形となるようにカットし、サンプルのPVAフィルムを作製した。図3に示す延伸装置に、前記PVAフィルム1の130mmの辺を各ロール2a、2bの軸方向とし、前記一対のロール間の距離dを250mmとして、各ピンチロール4a、4b間に前記PVAフィルム1を挟み込んだ(延伸方向長さ/非延伸方向長さ(250/130)=1.92)。
【0104】
(偏光子の作製)
(1)膨潤工程および延伸工程
まず、前記PVAフィルム1を、水浴(膨潤浴:温度30℃)に前記延伸装置ごと浸漬させた。この膨潤浴中で、前記各ロール2a、2bを、それぞれ、前記PVAフィルム1を外側方向に搬送するように99.9mm回転させることにより、前記PVAフィルム1に張力をかけて延伸しながら、前記各ロール2a、2bにより巻き取った。前記各ロール2a、2bの回転速度は、それぞれ、3.3mm/秒とした。
【0105】
(2)染色工程および延伸工程
つぎに、前記膨潤処理されたPVAフィルム1を、0.04重量%のヨウ素を含む水溶液(染色浴:温度30℃)に前記延伸装置ごと浸漬させた。この染色浴中で、前記各ロール2a、2bを、それぞれ、前記PVAフィルム1を外側方向に搬送するように51.1mm回転させることにより、前記PVAフィルム1に張力をかけて延伸しながら、前記各ロール2a、2bにより巻き取った。前記各ロール2a、2bの回転速度は、それぞれ、1.9mm/秒とした。
【0106】
(3)架橋工程および延伸工程
つぎに、前記染色処理されたPVAフィルム1を、4重量%のヨウ化カリウムと、4重量%のホウ酸とを含む水溶液(架橋浴:温度60℃)に前記延伸装置ごと浸漬させた。この架橋浴中で、前記各ロール2a、2bを、それぞれ、前記PVAフィルム1を外側方向に搬送するように73mm回転することにより、前記PVAフィルム1に張力をかけて延伸しながら、前記各ロール2a、2bにより巻き取った。前記各ロール2a、2bの回転速度は、1.1mm/秒とした。なお、本実施例における合計延伸倍率は、6倍である。
【0107】
(4)調整工程
つぎに、前記架橋処理されたPVAフィルム1を、4重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液(調整浴:温度30℃)に、前記延伸装置ごと浸漬し、洗浄処理を施した。
【0108】
(5)乾燥工程
つぎに、前記洗浄処理されたPVAフィルム1を、前記延伸装置の前記各ロール2a、2bを回転させない状態で、ドライヤーを用いて乾燥処理を施した。最後に、前記延伸装置の延伸区間Dに位置するPVAフィルム1を切り出すことで、本実施例の偏光子を得た。
【0109】
[実施例2]
前記PVAフィルム((株)クラレ製、商品名「VF−PS」)を600mm×400mmの長方形となるようにカットし、サンプルのPVAフィルムを作製したこと、および前記PVAフィルム1の600mmの辺を各ロール2a、2bの軸方向とし、前記一対のロール間の距離dを250mmとして、各ピンチロール4a、4b間に前記PVAフィルム1を挟み込んだ(延伸方向長さ/非延伸方向長さ(250/600)=0.42)こと以外は、実施例1と同様にして、本実施例の偏光子を得た。
【0110】
[比較例1]
(PVAフィルムの準備)
前記PVAフィルム((株)クラレ製、商品名「VF−PS」)を26mm×100mmの長方形となるようにカットし、サンプルのPVAフィルムを作製した。自由端一軸延伸用の手延伸装置(ファインメタル社製)の2つのチャックにより、前記PVAフィルムの26mmの辺の両端を、それぞれ把持した。前記手延伸機の2つのチャック間の距離は、50mmとした(延伸方向長さ/非延伸方向長さ(50/26)=1.92)。
【0111】
(偏光子の作製)
(1)膨潤工程および延伸工程
まず、前記PVAフィルムを、水浴(膨潤浴:温度30℃)に前記手延伸装置ごと浸漬すると共に、前記2つのチャックにより、前記PVAフィルムを60mm延伸した。前記2つのチャックによる延伸速度は、2mm/秒とした。
【0112】
(2)染色工程および延伸工程
つぎに、前記膨潤処理されたPVAフィルムを、0.04重量%のヨウ素を含む水溶液(染色浴:温度30℃)に前記手延伸装置ごと浸漬すると共に、前記2つのチャックにより、前記PVAフィルムを54mm延伸した。前記2つのチャックによる延伸速度は、2mm/秒とした。
【0113】
(3)架橋工程および延伸工程
つぎに、前記染色処理されたPVAフィルムを、4重量%のヨウ化カリウムと、4重量%のホウ酸とを含む水溶液(架橋浴:温度60℃)に前記手延伸装置ごと浸漬すると共に、前記2つのチャックにより、前記PVAフィルムを132mm延伸した。前記2つのチャックによる延伸速度は、2mm/秒とした。なお、本比較例における合計延伸倍率は、6倍である。
【0114】
(4)調整工程
つぎに、前記架橋処理されたPVAフィルムを、4重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液(調整浴:温度30℃)に、前記手延伸装置ごと10秒間浸漬し、洗浄処理を施した。
【0115】
(5)乾燥工程
つぎに、前記洗浄処理されたPVAフィルムを、前記2つのチャックにより前記PVAフィルムを把持したままの状態で、ドライヤーを用いて乾燥処理を施した。最後に、前記2つのチャック間のPVAフィルムを切り出すことで、本比較例の偏光子を得た。
【0116】
[比較例2]
前記PVAフィルム((株)クラレ製、商品名「VF−PS」)を120mm×100mmの長方形となるようにカットし、サンプルのPVAフィルムを作製したこと、前記手延伸装置の2つのチャックにより、前記PVAフィルムの120mmの辺の両端を、それぞれ把持し、前記2つのチャック間の距離を50mmとした(延伸方向長さ/非延伸方向長さ(50/120)=0.42)こと以外は、比較例1と同様にして、本比較例の偏光子を得た。
【0117】
[ネッキング率の評価]
前記各実施例および各比較例で作製した偏光子の中央部の非延伸方向の長さをそれぞれ測定し、初期長との比(ネッキング率(%))を求めた。なお、前記ネッキング率が大きいほど、ネッキングの発生が抑制されたこととなる。また、各実施例の偏光子におけるネッキング率の評価は、延伸前PVAフィルムの延伸方向長さ/非延伸方向長さの比率が同じである比較例との対比により行った。すなわち、実施例1の偏光子におけるネッキング率の評価は、比較例1の偏光子におけるネッキング率との対比により行った。そして、実施例2の偏光子におけるネッキング率の評価は、比較例2の偏光子におけるネッキング率との対比により行った。
【0118】
図6のグラフに、実施例1の偏光子のネッキング率と比較例1の偏光子のネッキング率とを示す。なお、実施例1のネッキング率は、実施例1を16回実施した(n=16)平均値として、比較例1のネッキング率は、比較例1を2回実施した(n=2)平均値として求めた。図示のように、実施例1では、ネッキング率が53.4%と、比較例1のネッキング率39.4%と比べて大きかった。
【0119】
図7のグラフに、実施例2の偏光子のネッキング率と比較例2の偏光子のネッキング率とを示す。なお、実施例2のネッキング率は、実施例2を16回実施した(n=16)平均値として、比較例2のネッキング率は、比較例2を6回実施した(n=6)平均値として求めた。図示のように、実施例2では、ネッキング率が80.1%と、比較例2のネッキング率53.2%と比べて大きかった。
【産業上の利用可能性】
【0120】
以上のように、本発明のポリマーフィルムの延伸方法によれば、ネッキングの発生が抑制されたポリマーフィルムを製造することができる。また、本発明のポリマーフィルムの延伸方法を用いた本発明の偏光子の製造方法によれば、例えば、光学特性に優れた偏光子を製造することが可能である。さらに、本発明のポリマーフィルムの延伸方法を利用した偏光子の製造方法によれば、前記各ロールの軸方向の長さを伸ばしていくことで、原反フィルム(親水性ポリマーフィルム)の幅に制限されることなく、大型の偏光子を製造できる。本発明の偏光子およびそれを用いた偏光板、光学フィルム、画像表示装置の用途は、例えば前述の用途があり、その用途は限定されず、広い分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、本発明の延伸装置の一例を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の延伸装置のその他の例を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の延伸装置のさらにその他の例を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の偏光板の構成の一例を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の偏光板の構成のその他の例を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例におけるネッキング率の測定結果を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明のその他の実施例におけるネッキング率の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0122】
1 親水性ポリマーフィルム
2a、2b ロール
3a、3b 接線
4a、4b ピンチロール
40、50 偏光板
41 偏光子
42 保護層
51 粘着剤層
D 延伸区間
S 中心線
R1、R2 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーフィルムの延伸方法であって、
一定の距離を置いて配置された一対のロール間に、前記ポリマーフィルムを掛け渡し、
前記一対のロールの各ロールを回転させて、前記ロール間の前記ポリマーフィルムに張力を加えて延伸することを特徴とするポリマーフィルムの延伸方法。
【請求項2】
前記一対のロールにて、
一方のロールの回転により前記ポリマーフィルムが外側方向に搬送された長さLと、
他方のロールの回転により前記ポリマーフィルムが外側方向に搬送された長さLと、
前記一対のロール間の距離dとが、
下記式(1)で示す条件を満たすように延伸する請求項1記載のポリマーフィルムの延伸方法。

|L−L|<d/2 (1)

【請求項3】
前記一対のロールの少なくとも一方のロールが、二つのロールが圧接したピンチロールの一方のロールであり、前記ピンチロール間に前記フィルムを挟み込んだ状態で前記一対のロールの各ロールを回転させる請求項1または2記載のポリマーフィルムの延伸方法。
【請求項4】
延伸ポリマーフィルムの製造方法であって、ポリマーフィルムの延伸が、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリマーフィルムの延伸方法により実施されることを特徴とする延伸ポリマーフィルムの製造方法。
【請求項5】
親水性ポリマーフィルムを二色性物質で染色する染色工程と、前記親水性ポリマーフィルムを延伸する延伸工程とを有する偏光子の製造方法であって、
前記延伸工程が、前記染色工程および前記染色工程とは別の工程の少なくとも一つの工程で実施され、
前記延伸工程が、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリマーフィルムの延伸方法により実施されることを特徴とする偏光子の製造方法。
【請求項6】
前記別の工程が、前記親水性ポリマーフィルムを膨潤させる膨潤工程および前記親水性ポリマーフィルムを架橋する架橋工程の少なくとも一方を含む請求項5記載の偏光子の製造方法。
【請求項7】
前記染色工程、前記延伸工程および前記別の工程の少なくとも一つの工程を、各工程の処理液を前記親水性ポリマーフィルムに接触させて実施する請求項5または6記載の偏光子の製造方法。
【請求項8】
前記別の工程が、さらに、乾燥工程を有し、前記乾燥工程において、前記親水性ポリマーフィルムを、前記延伸工程における延伸方向に延伸しない程度の張力を付した状態で乾燥させる請求項7記載の偏光子の製造方法。
【請求項9】
前記親水性ポリマーフィルムが、長尺フィルムであり、前記延伸工程において、前記親水性ポリマーフィルムを、前記長尺フィルムの幅方向に延伸する請求項5から8のいずれか一項に記載の偏光子の製造方法。
【請求項10】
請求項5から9のいずれか一項に記載の製造方法により製造された偏光子。
【請求項11】
偏光子の少なくとも一方の表面に保護層が積層された偏光板であって、前記偏光子が、請求項10記載の偏光子である偏光板。
【請求項12】
偏光子または偏光板の表面に位相差板が積層された光学フィルムであって、前記偏光子が、請求項10記載の偏光子であり、前記偏光板が、請求項11記載の偏光板である光学フィルム。
【請求項13】
偏光子、偏光板および光学フィルムの少なくとも一つを含む画像表示装置であって、前記偏光子が、請求項10記載の偏光子であり、前記偏光板が、請求項11記載の偏光板であり、前記光学フィルムが、請求項12記載の光学フィルムである画像表示装置。
【請求項14】
請求項1記載のポリマーフィルムの延伸方法に使用する延伸装置であって、一定の距離をおいて配置された一対のロールを含む延伸装置。
【請求項15】
ピンチロールを含み、前記一対のロールの少なくとも一方のロールが、二つのロールが圧接したピンチロールの一方のロールである請求項14記載の延伸装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−39983(P2009−39983A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−208851(P2007−208851)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】