説明

ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)紙を脂肪族ポリアミドバインダーと共に含むハニカム及びそれから作製された物品

本発明は、紙を含むセルを有するハニカムに関し、一実施形態において、紙は、3〜30重量部の脂肪族ポリアミドバインダーと、1デニール当たり600グラム(1dtex当たり550グラム)以上の弾性率を有する70〜97重量部のポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維とを、紙中の脂肪族ポリアミドバインダーとPPD−T繊維の総量に基づいて含み、紙の平均比引張り指数が60(lbs/in)/opsy(310Nm/g)以上である。他の実施形態において、ハニカムは、30〜50重量部の脂肪族ポリアミドバインダーと、1デニール当たり600グラム(1dtex当たり550グラム)以上の弾性率を有する50〜70重量部のポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維とを、紙中の脂肪族ポリアミドバインダーとPPD−T繊維の総量に基づいて含み、紙の平均比引張り指数が60(lbs/in)/opsy(310Nm/g)以上である。他の実施形態は、上述のハニカムを含む物品を含み、かかる物品としては、パネルや空力構造物が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維と脂肪族ポリアミドバインダーとを含有する紙から作製された改善された高性能ハニカム、および当該ハニカムから作製された物品に関する。
【背景技術】
【0002】
Linによる米国特許第5,137,768号明細書、Nomotoによる米国特許第5,789,059号明細書、Nomotoによる米国特許第6,544,622号明細書には、高弾性率パラ−アラミド材料から作製されたシートから作製されたハニカムが開示されている。これらのハニカムは、その高剛性および高強度対重量比のために、構造用途に極めて重要である。通常、これらのハニカムは、パラ−アラミドフロック、パルプおよび/またはその他繊維状材料とバインダーとを含む紙から作製される。最終ハニカムの弾性率は、紙組成中のパラ−アラミド繊維の比率に直接関係している。同時に、紙中のパラ−アラミド繊維の比率は、ある一定の程度に制限されている。なぜなら、紙をハニカムへと処理するのに適切な強度を紙に付与するためには、バインダーもまた存在しなければならないからである。具体的には、紙中におけるバインダーの繊維への接着力が、優れたハニカムの製造においては、非常に重要であると考えられている。紙のために選択されたバインダーが繊維によく接着しない場合には、得られる紙は、ハニカムの製造に耐えるだけの適切な強度を有していないし、また、得られるハニカムは統一された構造として機能しない。紙中の質の劣ったバインダーの量を単に増やすのでは、この接着力の欠如を適切に補えない。
【0003】
従って、必要とされているのは、繊維に対して優れた接着力を有し、処理のために適切な強度を有する紙を与えるバインダーである。かかるバインダーはまた、以下の点において、ハニカムの設計にこれまで以上に柔軟性を与える。すなわち、紙組成中のバインダーの総量を最小にする手段を提供し、その結果として紙組成およびハニカム中のパラ−アラミド繊維の量を増やすことができる点、あるいは、過剰のバインダーを用いた場合、ハニカム中の熱硬化性マトリックス樹脂の必要性が減じる、または排除される点。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、平均比引張り指数が60(lbs/in)/opsy(310Nm/g)以上の紙を含むセル壁を有するハニカムであって、紙が、3〜30重量部の脂肪族ポリアミドバインダーと、1デニール当たり600グラム(1dtex当たり550グラム)以上の弾性率を有する70〜97重量部のポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維とを、紙中の脂肪族ポリアミドバインダーとPPD−T繊維の総量に基づいて含み、紙の空隙が、熱硬化性樹脂で充填されている、ハニカムに関する。
【0005】
本発明はまた、平均比引張り指数が60(lbs/in)/opsy(310Nm/g)以上の紙を含むセル壁を有するハニカムであって、紙が、30〜50重量部の脂肪族ポリアミドバインダーと、1デニール当たり600グラム(1dtex当たり550グラム)以上の弾性率を有する50〜70重量部のポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維とを、紙中の脂肪族ポリアミドバインダーとPPD−T繊維の総量に基づいて含み、紙の空隙が、過剰の脂肪族ポリアミドバインダーで充填されている、ハニカムに関する。
【0006】
一実施形態には、上述のハニカムを含む物品が含まれ、かかる物品としては、パネルまたは空力構造物が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1a−1b】六角形ハニカムの図である。
【図2】六角セル形ハニカムの他の図である。
【図3】フェースシートを備えたハニカムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)(PPD−T)繊維と脂肪族ポリアミドバインダーとを含む紙から作製されたハニカムに関する。脂肪族ポリアミドバインダーから作製されたPPD−T紙は、他の熱可塑性バインダーに比べると、バインダーの単位量当たりの強度が高く、比引張り指数が高いと考えられる。
【0009】
図1aは、ハニカムの一例である。図1bは、図1aに図示したハニカムの直交図であり、図2は、ハニカムの三次元図である。図示されているのは、六角セル2を有するハニカム1である。六角セルが図示されているが、他の幾何学的配置も可能であり、四角およびフレックスコアセルが、他の最も一般的に可能な配置である。かかるセルタイプは本分野において周知であり、可能な幾何学セルタイプのさらなる情報については、T.BitzerによるHoneycomb Technology(Chapman&Hall,publishers,1997)を参照のこと。
【0010】
ある実施形態において、ハニカムは、3〜30重量部の脂肪族ポリアミドバインダーを含有する紙から作製される。これらの実施形態において同様にハニカムに存在しているのは、ハニカムのセル壁を完全に含浸、飽和および/または被覆する熱硬化性樹脂である。これは、紙の空隙を熱硬化性樹脂により充填し、好ましくは、紙の大量の空隙を充填する。全ての空隙の完全な充填が望ましい結果であるが、これを行うのは難しいと考えられる。従って、セル壁中の紙の適切な数の空隙を充填して、所望量の剛性または機械的な完全性を最終ハニカムに与えるのが望ましい。樹脂をさらに架橋または硬化して、ハニカムの最終特性(剛性および強度)を実現する。ある実施形態において、これらの構造用樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂およびこれらの混合物が挙げられる。
【0011】
ある実施形態において、ハニカムは、30〜50重量部の脂肪族ポリアミドバインダーを含有する紙から作製される。この紙は、過剰の脂肪族ポリアミドバインダーを有する、すなわち、繊維を単に結合するのに必要とされるよりも多いバインダーが紙に存在していると考えられる。本実施形態において、熱硬化性樹脂によるハニカムの後の含浸、飽和および/または被覆は必要ないか、または熱硬化性樹脂の量を大幅に減らすことができる。脂肪族バインダーリッチなハニカムへ熱を与えることによって、バインダーの一部が流れ、紙の空隙が充填される。前述のとおり、全ての空隙の完全な充填は、望ましい結果であるが、これを行うのは難しいと考えられる。従って、セル壁中の紙の適切な数の空隙を、脂肪族ポリアミドで充填して、所望量の剛性または機械的な完全性を最終ハニカムに与えるのが望ましい。
【0012】
ハニカムのセル壁は、PPD−T繊維と脂肪族ポリアミドバインダーとを含む紙から形成される。ある実施形態において、紙という用語は、その通常の意味で用いられており、従来のウェットレイ製紙プロセスおよび設備を用いて作製された不織シートを指す。しかしながら、ある実施形態における紙の定義には、一般に、バインダー材料を必要とし、適切なハニカム構造を与えるのに十分な特性を有する不織シートが含まれる。
【0013】
ある実施形態において、ハニカムが、追加の熱硬化性樹脂を有する場合には、ハニカムに用いる紙は、3〜30重量部の脂肪族ポリアミドバインダーと、70〜97重量部のPPD−T繊維とを、紙中の脂肪族ポリアミドバインダーとPPD−T繊維の総量に基づいて含む。ある好ましい実施形態において、紙は、3〜20重量部の脂肪族バインダーと、80〜97重量部のPPD−T繊維とを含む。
【0014】
ある実施形態において、ハニカムが、追加の熱硬化性樹脂の使用を必ずしも必要としない場合には、ハニカムに用いる紙は、30〜50重量部の脂肪族ポリアミドバインダーと、50〜70重量部のPPD−T繊維とを、紙中の脂肪族ポリアミドバインダーとPPD−T繊維の総量に基づいて含む。ある好ましい実施形態において、紙は、40〜50重量部の脂肪族バインダーと、50〜60重量部のPPD−T繊維とを含む。
【0015】
紙は、60(1インチ当たりのポンド)/(1平方ヤード当たりのオンス)または310Nm/g以上の平均比引張り指数を有する。平均比引張り指数は、紙の単位幅で測定され、坪量およびパーセントバインダーについて正規化された、紙の引張り強度の尺度である。平均比引張り指数は、紙の機械方向(MD)で測定された比引張り指数と、紙の交差方向(XD)で測定された比引張り指数の平均である。ある実施形態において、紙の平均比引張り指数は、75(lbs/in)/opsy(390Nm/g)以上である。
【0016】
本発明で用いる紙の厚さは、ハニカムの最終用途または所望の特性に応じて異なり、ある実施形態においては、典型的に、1〜5ミル(25〜130マイクロメートル)の厚さである。ある実施形態において、紙の坪量は、1平方ヤード当たり0.5〜6オンス(1平方メートル当たり15〜200グラム)である。紙の坪量が増えるにつれて、当業者は、適切な強度の紙に必要とされるバインダーのパーセンテージも増えるため、バインダーが繊維に対して優れた接着力を有する場合には、紙の単位面積または単位重量当たりに必要とされるバインダーは少なくなるということを理解する。
【0017】
紙はまた、無機粒子も含むことができ、代表的な粒子としては、マイカ、バーミキュライト等が挙げられ、これらの粒子を添加すると、改善された耐火性、熱伝導率、寸法安定性等の特性を、紙および最終ハニカムに付与することができる。
【0018】
本発明で用いる紙は、研究室スクリーンから、Fourdrinierまたはインクラインドワイヤ製紙機のような通常使用される機械を含む、商業的なサイズの製紙機器まで、任意の規模の機器で形成できる。典型的なプロセスには、フロックおよび/またはパルプ等のPPD−T繊維状材料と脂肪族ポリアミドバインダー材料との水性液体中での分散液を調製し、液体を分散液から流出させて、湿潤組成物とし、湿潤紙組成物を乾燥することが含まれる。分散液は、繊維を分散させてからバインダー材料を添加するか、またはバインダー材料を分散させてから繊維を添加するかのいずれかにより調製される。最終分散液はまた、繊維の分散液と、バインダー材料の分散液を混合することによっても調製することができ、分散液は任意により無機材料などの他の添加剤を含むことができる。脂肪族ポリアミドバインダー材料が繊維の場合には、PPD−T繊維との混合物をまず作製することにより、繊維を分散液に添加する、または繊維を分散液に別個に添加することができる。分散液中のすべての繊維の濃度は、分散液の総重量に基づいて、0.01〜1.0重量パーセントとすることができる。分散液中のバインダー材料の濃度は、固体の総重量に基づいて、50重量パーセントまでとすることができる。典型的なプロセスにおいて、分散液の水性液体は、通常、水であるが、pH調節材料、形成助剤、界面活性剤、消泡剤等の様々なその他の材料を挙げることができる。通常、分散液を、スクリーンまたはその他の穿孔支持体に導き、分散した固体を保持してから液体を通過させて、湿潤紙組成物を得ることにより、水性液体は分散液から流出される。湿潤組成物は、支持体に形成されると、通常、真空またはその他の圧力によりさらに脱水されて、残りの液体を蒸発させることによりさらに乾燥される。
【0019】
ある好ましい実施形態において、PPD−T繊維状材料および脂肪族ポリアミドバインダー、例えば、短繊維または短繊維とバインダー粒子の混合物を、一緒にスラリー化して、混合物を形成し、これを、ワイヤスクリーンまたはベルト上で紙へと変換することができる。様々な種類の繊維状材料およびバインダーから製紙する例示的なプロセスについては、米国特許第3,756,908号明細書(Gross)、同第4,698,267号明細書および同第4,729,921号明細書(Tokarsky)、同第5,026,456号明細書(Heslerら)、同第5,223,094号明細書(Kirayogluら)、同第5,314,742号明細書(Kirayogluら)、同第6,458,244号明細書および同第6,551,456号明細書(Wangら)および同第6,929,848号明細書および米国特許出願公開第2003−0082974号明細書(Samuelsら)を参照のこと。
【0020】
紙が形成されたら、ホットカレンダ加工するのが好ましい。これによって、紙の密度および強度が増大する。通常、紙の1つ以上の層を、金属−金属、金属−複合体または複合体−複合体ロール間のニップでカレンダ加工する。あるいは、紙の1つ以上の層を、プラテンプレスにおいて、特定の組成および最終用途にとって最適な圧力、温度および時間で圧縮することができる。このようにして紙をカレンダ加工するとまた、形成された紙の気孔率が減じる。ある実施形態においては、ハニカムで用いる紙はカレンダ加工された紙である。カレンダ加工もしくは圧縮の前、後、またはその代わりの独立した工程としての、放射ヒータやニップ式でないロール等での紙の熱処理は、緻密化なしで、または緻密化に加えて、強化またはその他特性修正が望ましい場合に実施することができる。
【0021】
紙は、2秒以上のガーレー気孔率を有する。ある実施形態において、紙のガーレー気孔率は、2〜約20秒、ある好ましい実施形態においては、紙のガーレー気孔率は、約5〜10秒である。熱硬化性樹脂による含浸、飽和および/または被覆を含む実施形態については、2秒未満の気孔率を有する紙だと、紙の含浸が制御できないと考えられ、一方、20秒を超える気孔率を有する紙だと、場合によっては、低気孔率によって、ハニカムの浸漬/含浸プロセスの速度が極めて実用的でない範囲まで、紙への構造用樹脂の含浸を遅くすると考えられるため、望ましくない。
【0022】
ハニカムは、1デニール当たり600グラム(1dtex当たり550グラム)以上の引張りまたはヤング率を有するPPD−T繊維を含む。PPD−T繊維の高弾性率によって、最終ハニカム構造および対応の物品の必要な剛性が与えられる。好ましい実施形態において、繊維のヤング率は、1デニール当たり900グラム(1dtex当たり820グラム)以上である。ある好ましい実施形態において、高レベルの機械的特性を最終ハニカム構造に与えるには、繊維強度は、1デニール当たり少なくとも21グラム(1dtex当たり19グラム)であり、その伸びは、少なくとも2%である。
【0023】
PPD−T繊維は、フロック、パルプまたはこれらの混合物の形態とすることができる。「フロック」とは、長さ2〜25ミリメートル、好ましくは3〜7ミリメートル、直径3〜20マイクロメートル、好ましくは5〜14マイクロメートルの繊維のことを意味する。フロックは、連続スパンフィラメントを特定の長さのピースに切断することによって一般に製造される。フロック長さが、2ミリメートル未満だと、通常、適切な長さの紙とするには短かすぎ、フロック長さが、25ミリメートルを超えると、均一なウェットレイドウェブを形成するのは非常に難しい。5マイクロメートル未満、特に、3マイクロメートル未満の直径を有するフロックは、適切な断面均一性および再現性で製造するのが難しい。フロック直径が、20マイクロメートルを超えると、軽〜中程度の坪量の均一な紙を形成するのは非常に難しい。
【0024】
本明細書で用いる際「パルプ」という用語は、茎と通常そこから延びるフィブリルとを有するPPD−T材料の粒子を意味し、茎は、通常、円柱で、直径は約10〜50マイクロメートル、フィブリルは、通常、茎に付加した微細な毛髪状部材であり、直径はマイクロメートルの僅か何分の一または数マイクロメートルであり、長さは約10〜100マイクロメートルである。
【0025】
本発明は、本明細書においてPPD−Tとも呼ばれるパラ−アラミド繊維ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)から作製された紙を利用する。本明細書で用いる際、アラミドという用語は、少なくとも85%のアミド(−CONH−)結合が、2つの芳香族環に直接付加したポリアミドのことを意味する。「パラ−アラミド」とは、2つの環またはラジカルが、分子鎖に沿って互いにパラ配位していることを意味する。添加剤をアラミドと共に用いることができる。実際、10重量パーセントまでの他のポリマー材料をアラミドとブレンドできる、またはアラミドのジアミンに代えて、10パーセントの他のジアミン、またはアラミドの二酸クロリドに代えて10パーセントの他の二酸クロリドを有するコポリマーを用いることができることを見出した。ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維を製造する、本発明に有用な方法は、概して、例えば、米国特許第3,869,430号明細書、同第3,869,429号明細書および同第3,767,756号明細書に開示されている。かかる芳香族ポリアミド繊維およびこれらの繊維の様々な形態は、E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,Delaware)から、Kevlar(登録商標)繊維という商品名および帝人株式会社(Teijin,Ltd.)からTwaron(登録商標)という商品名で入手可能である。
【0026】
ハニカムに用いる紙は、脂肪族ポリアミドバインダーを有する。かかるバインダーは熱可塑材であり、熱可塑材とは、通常のポリマーの定義を有することを意味し、これらの材料は、加熱すると、粘性液体のように流れ、冷却すると固化し、後の加熱および冷却工程において何回も可逆的にそうなる。ある実施形態において、脂肪族ポリアミドバインダーの融点は、120℃〜350℃である。ある他の好ましい実施形態において、脂肪族ポリアミドの融点は、180°〜300℃である。ある他の好ましい実施形態において、脂肪族ポリアミドの融点は、220°〜250℃である。融点が120℃未満の脂肪族ポリアミドバインダーで紙を作製することはできるが、この紙は、製紙後、望ましくないメルトフロー、貼り付きおよびその他問題を生じ易い。例えば、ハニカム製造中、交点線接着剤を紙に適用した後、通常、熱を与えて、溶剤を接着剤から除去する。他の工程において、紙のシートを一緒にプレスして、シートを交点線に接着する。これらの工程のいずれかの間、紙が低融点脂肪族ポリアミドバインダーを有する場合には、その材料は流れ、紙のシートを、製造設備および/またはその他シートに接着する可能性があって望ましくない。従って望ましくは、紙に用いる脂肪族ポリアミドバインダーは、紙の形成およびカレンダ加工中に溶融したり流れる可能性があるが、ハニカムの製造中には、あまり溶融したり流れたりしない。融点が350℃を超える脂肪族ポリアミドバインダーは望ましくない。軟化に高温を必要とすると、紙の他の成分が製紙中に分解し始める可能性があるからである。2種類以上の脂肪族ポリアミドバインダーが存在する実施形態においては、脂肪族ポリアミドバインダーの少なくとも30%は350℃を超えない融点を有するべきである。
【0027】
脂肪族ポリアミドバインダーは、ハニカムに用いる紙中のPPD−T繊維を結合する。ある好ましい実施形態において、脂肪族ポリアミドバインダーは、バインダー繊維またはフロックの形態にあるが、脂肪族ポリアミドバインダーは、フレーク、粒子、パルプ、フィブリドまたはこれらの混合物の形態とすることができる。紙に組み込むときは、ある実施形態において、これらの材料は、フィルム厚さが約0.1〜5マイクロメートルおよびその厚さに垂直な最低寸法が少なくとも30マイクロメートルである離散したフィルム状粒子を形成することができる。「離散した」とは、粒子が、PPD−T繊維の海に、フィルム状粒子の島を形成し、フィルム状粒子はある程度重なるものの、紙の面に脂肪族ポリアミドバインダーの連続したフィルムを形成しないことを意味する。ハニカムを熱硬化性またはマトリックス樹脂に含浸または浸漬するときは、紙から作製されたハニカムセル壁を含浸するのに用いるマトリックス樹脂が比較的に完全に移動できるという点で、これは有用である。紙とハニカムにこれらの粒子が存在することとその量は、好適に作製された紙またはハニカムの試料の適切な出力下で見た検査による等、光学的な方法により判断して、粒子のサイズを測定し、単位試料中の粒子の平均数を計数することができる。
【0028】
過剰の脂肪族ポリアミドバインダーがマトリックス樹脂である実施形態においては、脂肪族ポリアミドは、紙の広い領域を占め、離散したフィルム状粒子はあまり形成されない。紙の脂肪族ポリアミドの広い領域は、加熱すると、流れるように利用されて、空隙を均一に充填し、紙の表面を被覆する。
【0029】
本明細書で用いる際「フィブリド」という用語は、長さと幅が約100〜1000マイクロメートル、厚さが僅か約0.1〜1マイクロメートルとして知られる小さくフィルム状の実質的に二次元粒子の極微粉砕ポリマー生成物のことを意味する。フィブリドは、典型的に、ポリマー溶液を、溶液の溶剤と非混和性の液体の凝固浴へ流すことにより作製される。ポリマーが凝固する際、ポリマー溶液のストリームは、激しいせん断力および乱流を受ける。フィブリドを作製する例示的な方法は、米国特許第2,999,788号明細書に開示されている。
【0030】
本発明に有用な脂肪族ポリアミドバインダーとしては、ナイロンポリマーまたはコポリマーを含有する任意の種類の繊維が挙げられる。ナイロンは、ポリマー鎖の一体部分として、繰り返しアミド基(−NH−CO−)を有する長鎖合成ポリアミドであり、ナイロンの2つの一般例は、ポリヘキサメチレンジアミンアジパミドであるナイロン66と、ポリカプロラクタムであるナイロン6である。その他のナイロンとしては、11−アミノ−ウンデカン酸から製造されるナイロン11、およびヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮合生成物から製造されるナイロン610を挙げることができる。ある好ましい実施形態において、脂肪族ポリアミドは、ナイロン610、ナイロン6、ナイロン66またはこれらの混合物である。
【0031】
その他の材料、特に、熱可塑性組成物によく見出されるものや熱可塑性組成物での使用に好適なものが、脂肪族ポリアミドバインダーに存在していてもよい。これらの材料は、好ましくは、化学的に不活性で、ハニカムの操作環境で適切に熱的に安定でなければならない。かかる材料としては、例えば、フィラー、強化剤、顔料および核剤のうち1つ以上が挙げられる。その他のポリマーが存在していて、ポリマーブレンドを形成してもよい。ある実施形態において、組成物の25重量パーセント未満のその他のポリマーが存在しているのが好ましい。他の好ましい実施形態において、その他のポリマーは、潤滑剤や処理助剤として機能するような合計で少量(5重量パーセント未満)のポリマー以外は、脂肪族ポリアミドバインダーに存在しない。
【0032】
本発明の一実施形態は、PPD−T繊維と脂肪族ポリアミドバインダーとを含む紙で作製されたハニカムを含む物品である。好ましい実施形態において、脂肪族ポリアミドバインダーは、離散したフィルム状粒子の形態で紙に少なくとも部分的に存在している。物品に用いるとき、ハニカムは、所望であれば、構造用部品として機能し得る。ある好ましい実施形態において、ハニカムは、空力構造物の少なくとも一部に用いられる。ある実施形態において、ハニカムは、民間航空機の頭上収納棚やウィング−ボディフェアリング等の構造用部品として用いられる。ハニカムの軽量構造上の特性のために、ある好ましい用途は、軽量であることによって、空気を通して対象物を推進する必要のある燃料や出力を省力できる空力構造物である。
【0033】
本発明の他の実施形態は、PPD−T繊維と脂肪族ポリアミドバインダーとを含む紙で作製されたハニカムを含むパネルである。熱可塑性材料は、離散したフィルム状粒子の形態で紙に少なくとも部分的に存在している。1つ以上のフェースシートを、ハニカムの面に取り付けてパネルを形成してもよい。フェースシートによって、構造に一体性が与えられ、ハニカムコアの機械的特性を実現する補助となる。また、フェースシートは、ハニカムのセルをシールして、材料がセルから出ないようにするか、またはフェースシートが材料をセル中に保持するのを補助する。図3に、接着剤を用いて、一面に取り付けられたフェースシート6を有するハニカム5を示す。第2のフェースシート7は、ハニカムの反対の面に取り付けられており、2つの対向するフェースシートが取り付けられたハニカムでパネルを形成する。材料8の追加の層を、所望であればパネルのいずれかの側に取り付けることができる。ある好ましい実施形態において、ハニカムの両側に適用されたフェースシートは、材料の2層を含む。ある好ましい実施形態において、フェースシートは、織布またはクロスプライ単方向布を含む。ある実施形態において、クロスプライ単方向布は、0/90クロスプライである。所望であれば、フェースシートは、エンボス加工やその他処理等、装飾面を有していて、見た目の良い外側表面を形成してもよい。ガラス繊維および/または炭素繊維および/またはその他高強度およびPPD−T繊維を含む布が、フェースシート材料として有用である。
【0034】
ある実施形態において、ハニカムは、米国特許第5,137,768号明細書、米国特許第5,789,059号明細書、米国特許第6,544,622号明細書、米国特許第3,519,510号明細書および米国特許第5,514,444号明細書に記載されたような方法により作製することができる。ハニカムを作製するこれらの方法では、通常、数多くの接着剤の線(交点線)を、PPD−T紙の一表面にある幅およびピッチで適用または印刷した後、接着剤を乾燥する必要がある。典型的に、接着樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂およびその他樹脂から選択されるが、熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。
【0035】
交点線適用後、PPD−T紙を所定の間隔で切断して、複数のシートを形成する。切断したシートは、互いに積み重ねて、各シートが、適用された接着剤交点線のピッチの半分または間隔の半分、他のシートとずれるようにする。積み重ねたPPD−T繊維を含有する紙のシートを、圧力および熱を与えることにより、交点線に沿って互いにボンドする。ボンドしたシートを、シートの面に垂直な方向に引き離す、または膨張して、セルを有するハニカムを形成する。従って、形成されたハニカムセルは、数多くの線に沿って互いにボンドされ、膨張した紙シートで作製されたセル壁により分離された中空の円筒状セルの平面アセンブリで構成されている。
【0036】
所望なら、ハニカムは、膨張後、典型的に、構造用樹脂で含浸される。典型的に、これは、膨張したハニカムを、熱硬化性樹脂浴に浸漬することにより行われるが、他の樹脂またはスプレー等の手段を用いて、膨張したハニカムセル壁を被覆および完全に含浸したり、かつ/または飽和することもできる。ハニカムを樹脂で完全に含浸した後、飽和したハニカムを加熱して樹脂を架橋することにより、樹脂は硬化される。通常、この温度は、多くの熱硬化性樹脂について、150℃〜180℃の範囲である。
【0037】
ある実施形態において、脂肪族ポリアミドバインダーは、さらなる含浸なしで、構造用樹脂の機能を付与することができる。これらの実施形態において、紙は、交点線の適用前に、加熱またはカレンダ加工されて、脂肪族ポリアミドバインダーが、紙の空隙を完全に含浸および飽和する。また、紙の表面を被覆してもよい。
【0038】
樹脂含浸および硬化前または後、ハニカムをスライスへと切断してもよい。このようにして、大きなブロックのハニカムから、ハニカムの多数の薄片またはスライスを得ることができる。ハニカムは、通常、セルエッジの面に垂直にスライスにされるので、ハニカムの細胞状の特徴は保持される。
【0039】
ハニカムは、粒子形状、特定の紙組成および/またはその他理由に応じて、無機粒子をさらに含むことができ、これらの粒子を、製紙中に紙に組み込むか(例えば、マイカフレーク、バーミキュライト等)、またはマトリックスまたは構造用樹脂に組み込んでもよい(例えば、シリカ粉末、金属酸化物等)。
【0040】
試験方法
本発明の紙の比引張り指数は、次式による、紙組成中の脂肪族ポリアミドバインダーの重量分率で除算したASTM D828に従った紙の引張り指数と定義される。
比引張り指数=100*(引張り指数)/X
式中、Xは、紙組成中の熱可塑性バインダーのパーセントでの重量分率である。
【0041】
紙のガーレー気孔率は、TAPPI T460に従って、1.22kPaの圧力差を用いて、紙の約6.4平方センチメートルの円形領域に置き換わるシリンダの100ミリリットル当たりの秒での空気抵抗を測定することにより求める。
【0042】
繊維デニールは、ASTM D1907を用いて測定する。繊維弾性率、強度および伸びは、ASTM D885を用いて測定する。紙密度は、ASTM D374により測定される紙厚さおよびASTM D646により測定される坪量を用いて計算する。
【実施例】
【0043】
実施例1
52重量パーセントのパラ−アラミドフロック、18重量パーセントのパラ−アラミドパルプ、10重量パーセントの脂肪族ポリアミドフロックおよび20重量パーセントの脂肪族ポリアミドフィブリドの組成を有するアラミド/熱可塑性紙を、約150℃の温度の加熱シリンダ(缶)からなる乾燥セクションを備えた従来のウェットレイ製紙設備で形成する。従って、紙は、70重量パーセントのPPD−T繊維と30重量パーセントの脂肪族ポリアミドバインダーとを含有している。
【0044】
パラ−アラミドフロックは、E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE)(DuPont)より、KEVLAR(登録商標)49という商品名で販売されているポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド)繊維であり、公称フィラメント線密度は、1フィラメント当たり1.5デニール(1フィラメント当たり1.7dtex)、公称切断長さは、6.7mmである。この繊維の引張り係数は約930g/デニール(850グラム/dtex)、引張り強度は約24グラム/デニール(22グラム/dtex)、伸びは約2.5パーセントである。パラ−アラミドパルプは、同じく、DuPontよりKEVLAR(登録商標)という商品名で販売されているポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)パルプタイプ1F361である。脂肪族ポリアミドフロックは、William Barnet and Son,LLCより販売されている線密度が1フィラメント当たり1.8デニール(1フィラメント当たり2dtex)、公称切断長さが6.0mmのナイロン6,6フロックである。脂肪族ポリアミドフィブリドは、米国特許第2,999,788号明細書、実施例189に記載されたプロセスから得られる。フィブリドの平均厚さは、約1ミクロン、フィブリドのフィルム状面の最低寸法は、約40マイクロメートル、面の最大寸法は、約1.3mmである。
【0045】
形成後、紙を、260℃の温度で操作し、ニップの線圧力1200N/cmで、2つの金属カレンダロールのニップでカレンダ加工する。最終の紙の坪量は、31g/m2、厚さは1.5ミル(38マイクロメートル)、測定されたガーレー気孔率は5秒である。シートの機械と交差方向間のその比引張り指数の平均値は、70(lb./n.)/(opsy)=360N*m/gである。
【0046】
ハニカムを、以下のやり方で、カレンダ加工された紙から形成する。接着樹脂の交点線を、紙表面に適用し、接着剤の線の幅が1.78mmとなるようにする。1本の線の始まりと次の線との間のピッチまたは直線距離は、5.33mmである。接着樹脂は、Shell Chemical Co.より販売されているEpon826というエポキシ樹脂70重量部、Wilmington Chemical Corp(Wilmington,DE,USA)より販売されているHeloxy WC8006というエラストマー変性エポキシ樹脂30重量部、Union Carbide Corp.より販売されているUCAR BRWE 5400というビスフェノールA−ホルムアルデヒド樹脂硬化剤54重量部、Dow Chemical Companyより販売されているDowanol PMというグリコールエーテル溶剤中硬化触媒としての2−メチルイミダゾール0.6重量部、Miller−Stephenson Chemical Co.より販売されているEponol 55−B−40というポリエーテル樹脂7重量部、およびCabot Corpより販売されているCab−O−Silというヒュームドシリカ1.5重量部を含む50%固溶体である。接着剤を、紙の上で、130℃のオーブンにて6.5分間部分的に乾燥する。接着剤の紙への突き抜けは、観察されない。
【0047】
接着剤交点線のついたシートを、交点線に平行に切断して、50の小さなシートを形成する。切断したシートを他方の上部へ積み重ね、適用した接着剤交点線のピッチの半分または間隔の半分、他方とずれるようにする。ずれは、片側から他方へ交互になされ、最後のスタックが、均一に垂直になるようにする。積み重ねたシートを、345kPaで、第1の温度である140℃で30分間、次に、177℃で40分間ホットプレスすると、接着剤交点線が軟化し、熱を取り除くと、接着剤が硬化して、シートを互いにボンドする。膨張フレームを用いて、ボンドしたアラミドシートを、積み重ね方向とは逆の方向に膨張して、等辺断面を有するセルを形成する。各シートを、互いの間で伸長し、シートが、ボンドされた交点線のエッジに沿って折り曲げられ、ボンドされていない部分は、張力の方向に伸長されて、互いにシートが分離される。
【0048】
膨張したハニカムを、Durez Corporationより販売されているフェノール樹脂PLYOPHEN 23900の溶液を入れた含浸浴に入れる。樹脂で含浸した後、ハニカムを浴から取り出し、乾燥炉にて、ホットエアを用いて乾燥する。ハニカムを室温から82℃までこのようにして加熱し、この温度に15分間維持する。温度を121℃まで上げ、この温度にさらに15分間維持した後、182℃まで温度を上げ、この温度に60分間保持する。その後、含浸と乾燥プロセスをさらに1回繰り返す。最終ハニカムの嵩密度は約40kg/m3である。
【0049】
実施例2
50重量パーセントのパラ−アラミドフロックと50重量パーセントの脂肪族ポリアミドフロックを有するアラミド/熱可塑性紙を、約260℃の空気温度で操作される通気ドライヤーからなる乾燥セクションを備えた従来のウェットレイ製紙設備で形成する。従って、紙は、50重量パーセントのPPD−T繊維と50重量パーセントの脂肪族ポリアミドバインダーとを含有している。パラ−アラミドフロックと脂肪族ポリアミドフロックは実施例1と同様である。形成後、紙を実施例1と同様にしてカレンダ加工する。
【0050】
最終の紙の坪量は、85g/m2、厚さは4.0ミル(102マイクロメートル)である。シートの機械と交差方向間のその比引張り指数の平均値は、75(lb./n.)/(opsy)=390N*m/gである。
【0051】
実施例1の同じ接着剤の交点線を、適用された線の幅が2.67mm、ピッチが8.0mmである以外は、その実施例と同様にして、紙表面に適用する。実施例1の工程を繰り返して、ハニカムを膨張する。熱硬化性樹脂は適用しない。最終ハニカムの嵩密度は、約52kg/m3である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均比引張り指数が60(lbs/in)/opsy(310Nm/g)以上の紙を含むセル壁を有するハニカムであって、
前記紙が、脂肪族ポリアミドバインダー3〜30重量部と、1デニール当たり600グラム(1dtex当たり550グラム)以上の弾性率を有するポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維70〜97重量部とを、前記紙中の脂肪族ポリアミドバインダーとPPD−T繊維の総量に基づいて含み、前記紙の空隙が熱硬化性樹脂で充填されている、ハニカム。
【請求項2】
前記紙が、75(lbs/in)/opsy(390Nm/g)以上の平均比引張り指数を有する請求項1に記載のハニカム。
【請求項3】
前記ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維が、80〜97重量部の量で存在している請求項1に記載のハニカム。
【請求項4】
前記脂肪族ポリアミドバインダーが、3〜20重量部の量で存在している請求項1に記載のハニカム。
【請求項5】
前記脂肪族ポリアミドが、ナイロン610、ナイロン6、ナイロン66またはこれらの混合物を含む請求項1に記載のハニカム。
【請求項6】
熱硬化性樹脂のない前記紙のガーレー気孔率が、2〜20秒である請求項1に記載のハニカム。
【請求項7】
前記脂肪族ポリアミドバインダーの融点が、120℃〜350℃である請求項1に記載のハニカム。
【請求項8】
請求項1に記載のハニカムを含む物品。
【請求項9】
請求項1に記載のハニカムを含む空力構造物。
【請求項10】
請求項1に記載のハニカムと、前記ハニカムの面に取り付けられたフェースシートとを含むパネル。
【請求項11】
平均比引張り指数が60(lbs/in)/opsy(310Nm/g)以上の紙を含むセル壁を有するハニカムであって、
前記紙が、脂肪族ポリアミドバインダー30〜50重量部と、1デニール当たり600グラム(1dtex当たり550グラム)以上の弾性率を有するポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維50〜70重量部とを、前記紙中の脂肪族ポリアミドバインダーとPPD−T繊維の総量に基づいて含み、前記紙の空隙が脂肪族ポリアミドバインダーで充填されている、ハニカム。
【請求項12】
前記紙が、75(lbs/in)/opsy(390Nm/g)以上の平均比引張り指数を有する請求項11に記載のハニカム。
【請求項13】
前記脂肪族ポリアミドバインダーが、40〜50重量部の量で存在している請求項11に記載のハニカム。
【請求項14】
前記脂肪族ポリアミドが、ナイロン610、ナイロン6、ナイロン66またはこれらの混合物を含む請求項11に記載のハニカム。
【請求項15】
前記脂肪族ポリアミドバインダーの融点が、120℃〜350℃である請求項11に記載のハニカム。
【請求項16】
請求項11に記載のハニカムを含む物品。
【請求項17】
請求項11に記載のハニカムを含む空力構造物。
【請求項18】
請求項11のハニカムと、前記ハニカムの面に取り付けられたフェースシートとを含むパネル。

【公表番号】特表2010−513731(P2010−513731A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541409(P2009−541409)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/025703
【国際公開番号】WO2008/076397
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】