説明

ポンプモータ、及び、該ポンプモータを備えたキャンドポンプ、及び、該キャンドポンプを備えた食器洗浄器

【課題】マグネット部がひび割れ等に起因して飛散するのを防止しながら、位置検出センサによる、マグネット部の反インペラ側の端面の磁極の切り替わり位置の検出精度を向上させる。
【解決手段】ロータ7の樹脂部57は、外周側被覆部74と内周側被覆部73と両被覆部73,74を連結する連結部75とを有している。外周側被覆部74は、マグネット部9の外周側面9fにおける軸方向の反インペラ側の端部に形成された帯状溝部56に樹脂材を充填して形成され、内周側被覆部73は、マグネット部9の内周面全体を覆う樹脂材で形成され、連結部75は、マグネット部9の内周側面と帯状溝部56の底壁面56fとを連通する貫通孔47に樹脂を充填して形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプモータ、及び、該ポンプモータを備えたキャンドポンプ、及び、該キャンドポンプを備えた食器洗浄器に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インペラを有するロータと、ロータの外周を囲むステータとを備えたポンプモータは知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
上記ポンプモータのロータは、ステータからの磁力を受けて回転する略円筒状のマグネット部を有している。インペラは、このマグネット部に対して樹脂材で射出成型することで一体に形成されている。この樹脂材で構成される樹脂部は、ハブ板の上面に複数の羽根部を形成してなるインペラ部と、該インペラ部をマグネット部に固定するための固定用樹脂部とを有している。
【0004】
上記固定用樹脂部は、マグネット部の内周面全体を被覆する円筒状の内周側被覆部と、マグネット部の軸方向の両端面をそれぞれ被覆する一対の端面被覆部とで構成されている。この端面被覆部の径方向外側端部は、マグネット部の各端面の外周部に形成された溝部に掛合している。これにより、マグネット部にひび割れ等が生じたとしてもマグネット部が径方向外側に飛散しないようになっている。
【0005】
上記ポンプモータは、特許文献1及び2に示す例ではキャンドポンプに使用されている。このキャンドポンプは、ロータの回転位相を検出するために、ホール素子等の位置検出センサが使用されている。位置検出センサは、例えば、ロータのマグネット部の反インペラ側の端面に対向して(キャンの底壁部に対向して)配設されて、この端面における磁極の切り替わり位置を検出する。位置検出センサによる検出信号は制御基板に設けられた制御回路へと送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−100610号公報
【特許文献2】特開平11−13682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1及び2に示すキャンドポンプでは、マグネット部の反インペラ側の端面が端面被覆部(モールド樹脂)によって覆われているため、位置検出センサによる磁極の切り換わり位置の検出精度が低下するという問題がある。
【0008】
そこで、マグネット部の反インペラ側の端面の端面被覆部を廃止することが考えられる。しかし、そうすると、マグネット部の反インペラ側の端面が剥き出しになるため、マグネット部の軸方向のひび割れに対しての押さえが無くなる。この結果、例えば、キャンドポンプを食器洗浄器等に使用した場合に、その作動流体が温水から冷水に切り替える際に、マグネット部が急激な温度変化に晒されて、マグネット部の反インペラ側の端面にヒートショックによるひび割れが生じてマグネット部が飛散するという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、マグネット部がひび割れ等に起因して飛散するのを防止しながら、位置検出センサによる、マグネット部の反インペラ側の端面の磁極の切り替わり位置の検出精度を向上させようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
具体的には、本発明は、筒状のマグネット部に対してインペラを同軸に配設して非磁性部材により射出成型して一体形成されるロータと、上記マグネット部の外周を囲むように配設された環状のステータと、上記マグネット部における反インペラ側の端面に対向して配設され、該端面におけるN極とS極との切り替わり位置を検出する位置検出センサと、を備えたポンプモータを対象とする。
【0011】
そして、上記ロータにおける上記非磁性部材で構成される樹脂部は、上記マグネット部の外周側面における軸方向の中央部よりも反インペラ側の領域に形成され且つ該外周側面を覆う外周側被覆部と、上記マグネット部の内周面の少なくとも一部を覆う内周側被覆部と、上記外周側被覆部と上記内周側被覆部とを連結する連結部と、上記マグネット部の反インペラ側の端面における少なくとも磁極の切り替わり位置を露出させる露出部と、を有しているものとする。
【0012】
上記の構成によれば、マグネット部にひび割れ等が生じたとしても、該ひび割れたマグネット部を両被覆部間に挟みこんでその径方向への飛散を防止することができる。
【0013】
また、上記樹脂部は、磁極の切り替わり位置を露出させる露出部を有しているため、位置検出センサによって該磁極の切り替わり位置を精度良く検出することができる。
【0014】
しかし、このように樹脂部に露出部を設けた場合、マグネット部の反インペラ側の端面においてモールド樹脂によって被覆されない剥き出し領域が増加する。このため、マグネットにひび割れ等が生じると、マグネットを押さえるものがないため、マグネットが飛散する可能性がある。
【0015】
これに対して、本発明では、上記樹脂部の外周側被覆部を、マグネット部の外周側面における軸方向の中央部よりも反インペラ側(位置検出センサ側)の領域に形成するようにしたことで、この飛散し易い反インペラ側寄りの部分を外周側被覆によって径方向外側から確実に押さえることができる。これにより、樹脂部に露出部を設けることで生じる上述のマグネット部の飛散の問題を解決することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上より、本発明に係るポンプモータによれば、マグネット部がひび割れ等に起因して飛散するのを防止しながら、位置検出センサによる、マグネット部の反インペラ側の端面の磁極の切り替わり位置の検出精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るポンプモータを示す縦断面図である。
【図2】(a)はロータをインペラ側から見た平面図、(b)はロータの側面図、(c)はロータを反インペラ側から見た平面図である。
【図3】図2のIII-III線断面図である。
【図4】(a)はマグネット部をインペラ側から見た平面図、(b)はマグネット部の側面図、(c)はマグネット部を反インペラ側から見た平面図である。
【図5】図4のV-V線断面図である。
【図6】実施形態2における(a)はロータをインペラ側から見た平面図、(b)はロータの側面図、(c)はロータを反インペラ側から見た平面図である。
【図7】図6のVII-VII線断面図である。
【図8】実施形態2における(a)はマグネット部をインペラ側から見た平面図、(b)はマグネット部の側面図、(c)はマグネット部を反インペラ側から見た平面図である。
【図9】図8のIX-IX線断面図である。
【図10】実施形態2の変形例における(a)はロータをインペラ側から見た平面図、(b)はロータの側面図、(c)はロータを反インペラ側から見た平面図である。
【図11】図10のXI-XI線断面図である。
【図12】実施形態2の変形例における(a)はマグネット部をインペラ側から見た平面図、(b)はマグネット部の側面図、(c)はマグネット部を反インペラ側から見た平面図である。
【図13】図12のXIII-XIII線断面図である。
【図14】実施形態3における(a)はロータをインペラ側から見た平面図、(b)はロータの側面図、(c)はロータを反インペラ側から見た平面図である。
【図15】図14のXV-XV線断面図である。
【図16】実施形態3における(a)はマグネット部をインペラ側から見た平面図、(b)はマグネット部の側面図、(c)はマグネット部を反インペラ側から見た平面図である。
【図17】図16のXVII-XVII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係るポンプモータ1を備えたキャンドポンプ100を示す。このポンプモータ1は、後述するようにインペラ3とマグネット部9とを一体化している。キャンドポンプ100は、ポンプモータ1の他に、外部から流体を吸い込んでインペラ3に供給するための吸込み流路6と、インペラ3によって吐出された流体を外部に導く吐出流路(図示省略)とを備えている。キャンドポンプ100は、本実施形態では、食器用洗浄器(図示省略)に適用される。この食器洗浄器は、キャンドポンプ100の作動流体として、温水を使用する洗浄モードと、冷水を使用する排水モードとを切換え可能である。
【0019】
上記ポンプモータ1は、ロータ7と、ロータ7と同軸に配設された円環状のステータ8とを有している。ロータ7は、円筒状のマグネット部9と、該マグネット部9に固定されたインペラ3と、該インペラ3に固定された軸受15とを有している(図3参照)。ロータ7は、軸受15を貫通する固定軸16に対して回動可能に支持されている。固定軸16の両端部は、それぞれ、後述のキャン17及びポンプハウジング18に形成されたボス穴19,34に挿入支持されている。マグネット部9の両端面及び外周側面9f(図2参照)は、周方向においてN極とS極とが交互に並ぶように着磁されている。
【0020】
上記ステータ8は、電磁鋼板を積層してなるステータコア21(ティース部22)にインシュレータ23を介して巻線24を巻回して形成されている。ステータ8は、ティース部22の先端面を除く全体がモールド樹脂で覆われており、このモールド樹脂によって有底円筒状のモータケーシング25が形成されている。ステータ8は、ロータ7のマグネット部9の外周を囲むように配設されている。ステータ8の内周面とロータ7の外周側面との間には全周に亘って隙間(エアギャップ)31が形成されている。
【0021】
このステータ8とロータ7との間の隙間31には、軸方向の一側が閉塞された円筒状のキャン17が配設されている。すなわち、キャン17は有底円筒状をなしており、その内方空間がロータ挿入空間32を構成している。ロータ挿入空間32へのロータ7の挿入が完了した状態では、ロータ7のうちインペラ3を除く部分がロータ挿入空間32内に収容されている。キャン17の底壁部33の中心部は、ロータ挿入空間32の内方側に向かって円錐台状に隆起している。この隆起部43の先端面には、固定軸16の一端部が挿入支持されるボス孔19が形成されている。
【0022】
上記キャン17の軸方向の他側端部は、径方向外側に折れ曲がって延出部35を形成している。この延出部35の裏側面には複数のリブ36が形成されている。延出部35は、モータケーシング25における軸方向の他側の端面に該リブ36を介して当接支持されている。延出部35の軸方向の他側の面には、上記流体の吸込み流路6を形成するポンプハウジング18が取り付けられている。ポンプハウジング18はキャン17の延出部35に螺子37により固定されている。
【0023】
ポンプハウジング18は、固定軸16の他端部が挿入固定されるボス穴34を有するハウジング中心部38と、該ハウジング中心部38の先端部の外周を囲む環状壁部39と、ハウジング中心部38から径方向外側に延びる吸込み流路形成部41とを有している。ハウジング中心部38と環状壁部39との間の環状空間は、インペラ3が収容されるインペラ収容空間46を形成している。このインペラ収容空間46は、軸方向の一側に開放してロータ挿入空間32に連通している。また、インペラ収容空間46は、吸込み流路形成部41に設けられた貫通孔42を介して吸込み流路6に連通している。
【0024】
上記モータケーシング25の底壁部には、ロータ7のマグネット部9の端面の磁極の切り替わり位置(N極とS極との境界位置)を検出するための位置検出センサ48と制御用基板49とが埋設されている。この位置検出センサ48としては、例えばホール素子やホールICが用いられる。位置検出センサ48による位置検出信号は、制御用基板49に設けられた制御回路へと送信されて該制御回路によるモータ制御に利用される。
(ロータ7の構成)
次にロータ7の構成について、図2〜5を参照しながら詳細に説明する。ロータ7は、上述したように、マグネット部9とインペラ3と軸受15とを有している。
【0025】
マグネット部9は、プラスチック配合のマグネット樹脂からなるものであって射出成型により形成されている。
【0026】
マグネット部9を射出成型する際には、図4(a)に示すように、成型用金型に設けられた複数のゲート52(注入口)から、金型内のキャビティ53に溶融したマグネット樹脂を高圧で射出する。そうしてキャビティ53内に射出されたマグネット樹脂が固化することでマグネット部9が成型される。ここで、本実施形態では、成形用金型に設けられるゲート52は、図4(a)に示すように、キャビティ53の軸心回りに周方向に90°置きに合計4つ設けられている。各ゲート52からキャビティ53内に射出されたマグネット樹脂は、そこから周方向に二手に分かれて流れる。そして、各ゲート52とゲート52との間の周方向の中間位置で、相隣るゲート52から注入されたマグネット樹脂が合流することでウェルドライン54が形成される。こうして形成されるウェルドライン54は、マグネット部9の両端面においてその軸心部から径方向外側に向かって放射状に延びた後、その外周側面9fに沿って軸方向に延びている。また、マグネット部9の両端面には、ウェルドライン54の他にも、上記ゲート52に対応する位置にゲート跡55が形成されている。
【0027】
マグネット部9の外周側面9fにおける軸方向の中央部よりも反インペラ側の領域には、図5に示すように、周方向の全周に亘って延びる帯状溝部56が形成されている。本実施形態では、帯状溝部56は、マグネット部9の外周側面9fにおける反インペラ側の端部に形成されている。尚、帯状溝部56は、マグネット部9の外周側面9fにおける軸方向の中央部よりも反インペラ側の領域であればどの位置に形成してよく、必ずしも反インペラ側の端部に形成する必要はない。マグネット部9の内周面には、径方向外側に向かって延びて帯状溝部56の底壁面56fに開口する複数(本実施形態では8つ)の貫通孔47が形成されている。この複数の貫通孔47は、マグネット部9の軸方向から見て放射状に配置されている(図4参照)。
【0028】
上記インペラ3は、図3に示すように、非磁性部材からなる樹脂材を射出成型して、マグネット部9と一体に形成されている。ロータ7における樹脂材(非磁性部材)で構成された樹脂部57は、このインペラ3を形成するインペラ用樹脂部58と、軸受15を保持するための軸受用樹脂部59と、この軸受用樹脂部59をマグネット部9に固定支持するための固定用樹脂部61とを有している。
【0029】
インペラ用樹脂部58は、円板状の円板部71の一側面に複数の羽根72を立設して形成されている。軸受用樹脂部59は、円板部71の中心部を貫通する円筒状に形成されている。軸受用樹脂部59の筒孔には軸受15が内挿されて固定されている。
【0030】
上記固定用樹脂部61は、図2及び図3に示すように、マグネット部9のインペラ側の端面9bの全体を覆う端面被覆部76と、マグネット部9の内周側面を樹脂材で覆ってなる内周側被覆部73と、マグネット部9の外周側面9fにおける軸方向の中央部よりも反インペラ側の領域に形成され且つ該外周側面9fを覆う外周側被覆部74と、上記貫通孔47に樹脂材が充填されてなる連結部75とを有している。
【0031】
上記内周側被覆部73の内周面の反インペラ側の端部は、インペラ側に向かうにしたがって縮径するテーパ面状をなしていて、キャン17の底壁部33に設けられた隆起部43を受け入れ可能になっている。尚、内周側被覆部73は、マグネット部9の内周側面の一部のみを覆うように形成されていてもよい。
【0032】
上記外周側被覆部74は、マグネット部9の外周側面9fに形成された帯状溝部56に樹脂材を充填してなる。外周側被覆部74は、マグネット部9の外周側面9fにおける反インペラ側の端部を被覆する環状体からなる。外周側被覆部74の内周面は、マグネット部9の外周側面9fの一部である溝底面56f(図5参照)に密着して固定されている。すなわち、外周側被覆部74はマグネット部9の外周側面9fの一部を覆っている。外周側被覆部74の外周側面と、マグネット部9の外周側面9fにおける帯状溝部56を除く部分とは連続的に繋がって略面一な円筒面を形成している(図3参照)。
【0033】
上記連結部75は、内周側被覆部73と外周側被覆部74とを連結している。詳しくは、連結部75は、ロータ径方向外側の端部が外周側被覆部74に接続され且つ径方向内側の端部が内周側被覆部73に接続されている。
【0034】
上記内周側被覆部73の反インペラ側の端部は、径方向外側に延出して、マグネット部9の反インペラ側の端面9aの内周縁部を覆うフランジ部77を形成している。このフランジ部77は、この端面9aに形成された段差溝79を埋めるよう形成されている。マグネット部9の反インペラ側の端面9aのうちこのフランジ部77よりも径方向外側の部分は樹脂材によって被覆されておらず、そこからは磁極の切り替わり位置が露出している。すなわち、樹脂部57の反インペラ側の端部には、磁極の切り替わり位置を露出させる露出部81(フランジ部77よりも径方向外側の部分)が形成されていると言える。
【0035】
上記樹脂部57の端面被覆部76は、マグネット部9のインペラ側の端面9b全体を覆う円板状に形成されている。端面被覆部76の外周縁部は、この端面9bの外周縁部に形成された段差溝62に掛合している。この端面被覆部76は、マグネット部9のインペラ側の端面9bを被覆することによりマグネット部9の押さえとしての機能と、インペラ用樹脂部58をマグネット部9に対して支持する支持部としての機能と、マグネット部9の径方向への飛散を防止する機能とを併せ持っている。
【0036】
(キャンドポンプの運転動作)
以上のように構成されたキャンドポンプ100が作動すると、ポンプモータ1のロータ7に一体化されたインペラ3が回転することで負圧が発生し、ポンプ外の流体が吸込み流路6から貫通孔42を通ってインペラ3へと供給される(図1参照)。供給された流体はインペラ3によってインペラ収容空間46の外周部に吐出された後に吐出流路へと導かれる。
【0037】
ここで、上述の如く、インペラ収容空間46とロータ挿入空間32とは連通しているため、ポンプ作動中は、この両空間32,46全体が流体で満たされて、マグネット部9はロータ挿入空間32内の作動流体に浸漬された状態となる。
【0038】
したがって、キャンドポンプ100を本実施形態の如く食器洗浄器に適用した場合に、ポンプの作動流体が洗浄モードにおいて使用される温水から、排水モードにおいて使用される冷水に切り替わる際に、上記作動流体に浸漬されたマグネット部9は急激な温度変化に晒されることとなる。この結果、マグネット部9にヒートショックによるひび割れが生じてマグネット部9が飛散する可能性がある。
【0039】
特に、マグネット部9の反インペラ側の端面9aから磁極の切り替わり位置を露出させるようにしたものでは、該端面9a全体をモールド樹脂で被覆した場合に比べて、位置検出センサ48による磁極の切り替わり位置の検出精度は向上するものの、マグネット部9を押さえる箇所がないため、ヒートショックによってマグネット部9の反インペラ側の端面9aにウェルドライン54に沿ったひび割れが生じて、マグネット部9が飛散し易くなるという問題がある。
【0040】
これに対して、本実施形態では、仮にマグネット部9にひび割れ等が生じたとしても、マグネット部9の外周側面9fの帯状溝部56に設けられた外周側被覆部74によって、このマグネット部9を径方向外側から押さえ込むことで、マグネット部9の飛散を防止することができる。そうして、本実施形態では、位置検出センサ48による磁極境界の検出精度を向上させつつ、マグネット部9のひび割れ等による飛散を確実に防止することができる。
【0041】
しかも、上記実施形態では、マグネット部9の外周側面に帯状溝部56を形成するとともに、外周側被覆部74をこの帯状溝部56内に充填された樹脂材で形成するようにしたことで、この外周側被覆部74がマグネット部9の外周側面9fから径方向外側に膨出(突出)するのを防止することができる。したがって、マグネット部9とステータ8との間のエアギャップを極力小さくとることができ、モータ性能の向上を図ることができる。
【0042】
また、上記実施形態では、外周側被覆部74が設けられる帯状溝部56を、マグネット部9の反インペラ側の端部に形成するようにしたことで、外周側被覆部74を、マグネット部9の外周面におけるステータ8からの磁力が最も強くなる部分(マグネット部9の軸方向の中央部)から離れて配置することができる。これにより、マグネット部9の外周側面9fが外周側被覆部74によって被覆されることによるモータ性能の低下を抑制することができる。
【0043】
(実施形態2)
図6〜図9は、実施形態2を示し、ロータ7の構成を上記実施形態1とは異ならせたものである。尚、以下の実施形態において、図2〜図5と実質的に同じ構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明を適宜省略する。
【0044】
すなわち、本実施形態では、マグネット部9の反インペラ側の端面9aには、軸方向から見て、周方向に間隔を空けて円形に配置された複数(本実施形態では8つ)の円弧状の突起片(突起部)82が形成されている(図6参照)。この突起片82は、マグネット部9の反インペラ側の端面9aから軸方向の反インペラ側に向かって突出している。各突起片82は、4つのウェルドライン54のそれぞれの周方向の両側に配置されている(図6(c)参照)。円弧状突起片82の突出側の端面における周方向の略中央部にはN極とS極との境界が位置している。マグネット部9の反インペラ側の端面9aにおける、各突起片82よりも径方向外側の外周縁部には、周方向の全周に亘って径方向外側に開放する段差溝79が形成されている。尚、上記各突起片82は、必ずしも円弧状である必要はなく、例えば角柱状や円柱状であってもよい。
【0045】
上記ロータ7の樹脂部57は、上記実施形態1と同様に、インペラ用樹脂部58と軸受用樹脂部59と固定用樹脂部61とを有し、固定用樹脂部61は、端面被覆部76と外周側被覆部74と内周側被覆部73と該両被覆部73,74同士を連結する連結部75とを有している。
【0046】
本実施形態では、上記外周側被覆部74は、図6(c)に示すように、複数の突起片82の外側面82fに密着し且つマグネット部9の周方向の全周に亘って形成される環状の突起外面被覆部83と、上記段差溝79に樹脂が充填されて形成される環状の段差溝充填部84とを有している。上記突起片82の外側面82f及び上記段差溝79の周側面79fは共にマグネット部9の外周側面9fの一部を構成しており、段差溝充填部84は、マグネット部9の外周側面9fにおける段差溝79の周側面79fを形成する部分を被覆している。
【0047】
上記内周側被覆部73は、上記実施形態1と同様の形状を有している。上記連結部75は、複数の突起片82の内面に密着し且つマグネット部9の周方向の全周に亘って形成される環状の突起内面被覆部85と、突起内面被覆部85の外周部から上記各突起片82の間を通って突起外面被覆部83に接続される複数(8つ)の延設部86とを有している。上記マグネット部9の反インペラ側の端面に形成されたウェルドライン54は、この延設部86及び突起内面被覆部85とによって被覆されている。突起内面被覆部85の内周縁は、全周に亘って、上記内周側被覆部73の反インペラ側の端部に接続されている。そうして、上記外周側被覆部74は、延設部86及び突起内面被覆部85(つまり連結部75)を介して内周側被覆部73に連結されている。尚、突起内面被覆部85を設けずに、延設部86を直接、内周側被覆部73に接続するようにしてもよい。
【0048】
上記突起外面被覆部83と上記突起内面被覆部85と上記延設部86とによって囲まれた開口部87からは、円弧状突起片82の先端面が露出することにより磁極の境界位置が露出している。そして、この開口部87が、マグネット部9の反インペラ側の端面9aにおける磁極の切り替わり位置を露出させる露出部81を構成している。
【0049】
このように、樹脂部57に露出部81を設けることによって、位置検出センサ48による磁極境界の検出精度を向上させることができる。しかも、マグネット部9の端面9aに形成されたウェルドライン54は、延設部86及び突起内面被覆部85によって被覆されているため、マグネット部9が飛散する引き金となるウェルドライン54に沿ったひび割れを抑制することができる。また、仮にこのようなひび割れが生じたとしても、マグネット部9の段差溝79の周側面を覆う段差溝充填部84と、突起片82の外側面82fを覆う突起外面被覆部83とによって、マグネット部9を径方向外側から押さえ込むことで、マグネット部9の飛散を確実に防止することができる。
【0050】
また、上記実施形態2では、マグネット部9の反インペラ側の端面9aに形成した突起片82及び段差溝79を利用して、樹脂部57に内周側被覆部73及び外周側被覆部74及び連結部75を形成するようにしている。したがって、マグネット部9を射出成型する際にその端面9aに突起片82及び段差溝79を形成しておけば、その後、マグネット部9に後加工(機械加工)により貫通孔47を形成したりしなくてもよいため、実施形態1に比べて、モータ7の製造工程を簡素化して製品コストを低減することができる。
【0051】
(変形例)
図10〜図13は、実施形態2の変形例を示し、突起片82及び突起外面被覆部83の構成を上記実施形態2とは異ならせたものである。
【0052】
すなわち、この変形例では、複数の突起片82はそれぞれ、円弧状の突起本体部88と、突起本体部88の外周側面における周方向の中央部から径方向外側に膨出する中央膨出部89とを有している。磁極境界は、各突起片82の先端面の周方向の中央に位置している。
【0053】
上記中央膨出部89は、段差溝79の底壁面から反インペラ側に向かって立設されている。段差溝79は、この中央膨出部89によって複数の分割溝部90(図12参照)に区画されている。上記突起外面被覆部83(図10(c)参照)は、各突起本体部88の外周側面に密着した状態で、上記マグネット部9の周方向において、複数の突起片82の中央膨出部89をそれぞれ挟んで形成されている。延設部86及び突起内面被覆部85の構成は、上記実施形態2と同様である。
【0054】
本変形例では、マグネット部9の反インペラ側の端面9aに周方向に並ぶ複数の突起片82を形成するとともに、各突起片82の突出側の先端面に磁極の境界位置を形成しておき、樹脂部57には、この突起片82の先端面を露出させる露出部81を形成するようにしたことで、上記実施形態2と同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
さらに、本変形例では、各突起片82(突起本体部88)の外周側面における周方向の中央部に径方向外側に膨出する中央膨出部89を形成するようにしたことで、樹脂部57の露出部81から露出するマグネット部9の径方向の厚みを上記実施形態2に比べて大きくとることができる。これにより、位置検出センサ48により検出される磁束が増加するため、位置検出センサ48による磁極境界の検出精度をさらに向上させることができる。
【0056】
(実施形態3)
図14〜図17は、実施形態3を示し、ロータ7の構成を上記各実施形態とは異ならせたものである。
【0057】
すなわち、本実施形態では、マグネット部9の反インペラ側の端面9aには、その軸心を中心として径方向内側から径方向外側に向かって放射状に延びる複数(本実施形態では8つ)の放射状溝部91が形成されている。各放射状溝部91は、周方向に等間隔(本実施形態では45°ピッチ間隔)に配置されている。これら複数の放射状溝部91は、マグネット部9の反インペラ側の端面9aにおけるウェルドライン54に対応する部分に形成された4つの溝部91aと、該4つの溝部91aのそれぞれの間に形成された4つの溝部91bとからなる(図16(c)参照)。
【0058】
マグネット部9の外周側面9fには、軸方向の全体に亘って延びる複数(本実施形態では8つ)の縦溝部92が形成されている。これら複数の縦溝部92は、マグネット部9の外周側面9fにおけるウェルドライン54に対応する部分に形成された4つの縦溝部92aと、該4つの縦溝部92aのそれぞれの間に形成された4つの縦溝部92bとからなる。縦溝部92は周方向に等間隔に配置されており、各縦溝部92の反インペラ側の端部は各放射状溝部91の径方向外側端部に接続されている。
【0059】
上記ロータ7の樹脂部57は、上記各実施形態と同様に、インペラ用樹脂部58と軸受用樹脂部59と固定用樹脂部61とを有しており、固定用樹脂部61は、端面被覆部76と外周側被覆部74と内周側被覆部73と該両被覆部73,74を連結する連結部75とを有している。
【0060】
上記内周側被覆部73は上記各実施形態と同様の形状を有している。上記外周側被覆部74は、図15に示すように、各縦溝部92に樹脂材を充填してなる複数の縦溝充填体93を有している。各縦溝充填体93の径方向内側の面は、各縦溝部92の溝底面92fに密着して固定されている。この溝底面92fはマグネット部9の外周側面9fの一部を構成している。
【0061】
上記連結部75は、上記放射状溝部91に樹脂材を充填してなる複数の放射状溝充填体94からなる。各放射状溝充填体94の両端部はそれぞれ、内周側被覆部73の反インペラ側の端部に形成されたフランジ部77、及び、外周側被覆部74を形成する縦溝充填体93の反インペラ側の端部に接続されている(図15参照)。
【0062】
マグネット部9の反インペラ側の端面における磁極の切り替わり位置は、軸方向から見て、各放射状溝充填体94の間に位置している。そして、相隣る放射状溝充填体94の間の部分が露出部81を形成している(図14参照)。
【0063】
上記実施形態3では、マグネット部9の反インペラ側の端面9a及びマグネット部9の外周側面9fにそれぞれ、ウェルドライン54に沿って放射状溝部91a及び縦溝部92aを形成して、この放射状溝部91a及び縦溝部92aに樹脂材を充填するようにしている。これにより、マグネット部9の端面9aに形成されたウェルドライン54及び外周側面9fに形成されたウェルドライン54をそれぞれ、放射状溝充填体94及び縦溝充填体93によって被覆することができる。このため、温水及び冷水がウェルドライン54に直接浸水しないため、ヒートショック等に起因する、マグネット部9のウェルドライン54に沿ったひび割れを抑制することができる。また仮にマグネット部9にひび割れが生じたとしても、縦溝部92に樹脂材が充填されてなる縦溝充填体93(外周側被覆部74)によって、ひび割れたマグネット部9を径方向外側から押さえ込むことによってその飛散を確実に防止することができる。
【0064】
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。
【0065】
すなわち、上記各実施形態では、ポンプモータ1をキャンドポンプ100に適用した例を示したが、これに限ったものではなく、例えば、キャン17を有さないポンプにも適用することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、マグネット部9をマグネット樹脂で一体成型するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、複数に分割された焼結マグネットを、円筒状のヨークの外周側面に接着剤等により貼り合わせることでマグネット部9を形成してもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、マグネット部9を射出成形する際の金型のゲート数を4つとしているが、ゲート数は5つ以上であってもよいし3つ以下であってもよいことは言うまでもない。尚、ゲート数が一つの場合には、ウェルドライン54はこのゲート52に対して180°反対側の位置に形成される。
【0068】
また、上記実施形態1及び2では、外周側被覆部74をマグネット部9の外周側面9fにおける軸方向の中央部よりも反インペラ側の領域にのみ形成するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、マグネット部9の外周側面9fにおける軸方向の中央部よりもインペラ側の領域にさらに外周側被覆部74を形成するようにしてもよい。また、実施形態3のように、マグネット部9の外周側面9fにおけるインペラ側の領域と反インペラ側の領域とに跨って外周側被覆部74を形成するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態1の連結部75、実施形態2の延設部86(連結部75の一部)、及び実施形態3の放射状溝充填体94(連結部75の一部)は、マグネット部9の軸方向から見て径方向内側から径方向外側に向かって延設されているが、その延設方向は必ずしもマグネット部9の径方向に一致している必要はなく、例えばマグネット部9の径方向に対して交差する方向であってもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、マグネット部9の反インペラ側の端面9aの一部のみを露出させるようにしているが全体を露出させるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、マグネット部9に対してインペラ3を樹脂材で一体に射出成形しているが、マグネット部9とインペラ3とが別体で形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、ポンプモータ及び該ポンプモータを備えたキャンドポンプに有用であり、特に、作動流体として温水を使用する洗浄モードと、作動流体として冷水を使用する排水モードとを備えた食器洗浄器に有用である。
【符号の説明】
【0073】
1 ポンプモータ
3 インペラ
7 ロータ
8 ステータ
9 マグネット部
9a 端面
9b 溝部
9f 外周側面
17 キャン
24 巻線
25 ウェルドライン
25 モータケーシング
38 ハウジング中心部
47 貫通孔
48 位置検出センサ
54 ウェルドライン
56 帯状溝部
56f 溝底面
57 樹脂部
73 内周側被覆部
74 外周側被覆部
75 連結部
79 段差溝
81 露出部
82 円弧状突起片
83 突起外面被覆部
84 段差溝充填部
85 突起内面被覆部
86 延設部
88 突起本体部
89 中央膨出部
91 放射状溝部
92 縦溝部
93 縦溝充填体
94 放射状溝充填体
100 キャンドポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のマグネット部に対してインペラを同軸に配設して非磁性部材により射出成型して一体形成されるロータと、上記マグネット部の外周を囲むように配設された環状のステータと、上記マグネット部における反インペラ側の端面に対向して配設され、該端面におけるN極とS極との切り替わり位置を検出する位置検出センサと、を備えたポンプモータであって、
上記ロータにおける上記非磁性部材で構成される樹脂部は、
上記マグネット部の外周側面における軸方向の中央部よりも反インペラ側の領域に形成され且つ該外周側面を覆う外周側被覆部と、
上記マグネット部の内周側面の少なくとも一部を覆う内周側被覆部と、
上記外周側被覆部と上記内周側被覆部とを連結する連結部と、
上記マグネット部の反インペラ側の端面における少なくとも磁極の切り替わり位置を露出させる露出部と、を有しているポンプモータ。
【請求項2】
請求項1記載のポンプモータにおいて、
上記マグネット部は、その外周側面における軸方向の中央部よりも反インペラ側の領域に形成され且つ周方向に延びる帯状溝を有し、
上記外周側被覆部は、上記帯状溝に充填された非磁性部材からなるポンプモータ。
【請求項3】
請求項1記載のポンプモータにおいて、
上記マグネット部は、その少なくとも一方の端面に形成され且つ径方向外側に開放する段差溝を有し、
上記外周側被覆部は、上記段差溝に充填された非磁性部材からなっていて、上記マグネット部の外周側面における上記段差溝の周側面を形成する部分を覆うポンプモータ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポンプモータにおいて、
上記マグネット部は、樹脂を射出成型して形成されるものであり、
上記射出成形によりマグネット部に形成されるウェルドラインは、マグネット部の軸方向の両端面において該軸心を中心として径方向内側から径方向外側に向かって放射状に延びた後、マグネット部の外周面において軸方向に延びており、
上記外周側被覆部は、上記マグネット部の外周側面における少なくとも上記ウェルドラインに対応する部分を覆うポンプモータ。
【請求項5】
請求項2記載のポンプモータにおいて、
上記マグネット部は、その内周側面から外周側に向かって延びて上記帯状溝に貫通する貫通孔を有し、
上記連結部は、上記貫通孔に充填された非磁性部材からなるポンプモータ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポンプモータにおいて、
上記露出部は、上記マグネット部の反インペラ側の端面全体を露出させるポンプモータ。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポンプモータにおいて、
上記マグネット部は、該マグネット部における反インペラ側の端面から軸方向に突出し且つ周方向に互いに間隔を空けて並ぶ複数の突起部を有していて、上記複数の突起部の突出側の端面にN極とS極との境界が位置するように着磁されており、
上記外周側被覆部は、上記複数の突起部の外周側面に密着し且つ上記マグネット部の周方向の全周に亘って形成される環状の突起外面被覆部を有し、
上記連結部は、
上記複数の突起部の内周面に密着して上記マグネット部の周方向の全周に亘って形成され、内周縁が上記内周側被覆部に接続された環状の突起内面被覆部と、
上記突起内面被覆部の外周部から上記各突起部間を通って上記突起外面被覆部の内周部に接続される複数の延設部と、を有し、
上記樹脂部の露出部は、上記突起外面被覆部と上記突起内面被覆部と上記延設部とによって囲まれた部分であるポンプモータ。
【請求項8】
請求項7記載のポンプモータにおいて、
上記複数の突起部はそれぞれ、上記マグネット部の周方向に所定長さを有する突起本体部と、該突起本体部の周方向の中央部から径方向外側に膨出する中央膨出部とを有し、
上記突起外面被覆部は、上記突起本体部の外周側面に密着した状態で、上記マグネット部の周方向において、上記複数の突起部の中央膨出部をそれぞれ挟んで形成されているポンプモータ。
【請求項9】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポンプモータにおいて、
上記マグネット部の反インペラ側の端面には、その軸心を中心として径方向内側から径方向外側に向かって放射状に延びる複数の放射状溝部が形成され、
上記マグネット部の外周側面には、軸方向に延びるとともに、一端部が上記放射状溝部に接続された複数の縦溝部が形成され、
上記外周側被覆部は、上記各縦溝部に非磁性部材を充填してなる縦溝充填体からなり、
上記連結部は、上記各放射状溝部に非磁性部材を充填してなる放射状溝充填体からなり、
上記マグネット部の反インペラ側の端面における磁極の切り替わり位置は、軸方向から見て、上記各放射状溝充填体の間に位置しており、
上記露出部は、相隣る放射状溝充填体の間の部分であるポンプモータ。
【請求項10】
請求項7記載のポンプモータにおいて、
上記マグネット部は、樹脂を射出成型して形成されるものであり、
上記射出成形によりマグネット部に形成されるウェルドラインは、マグネット部の軸方向の両端面において該軸心を中心として径方向内側から径方向外側に向かって放射状に延びた後、マグネット部の外周面において軸方向に延びており、
上記延設部は、上記マグネット部の反インペラ側の端面に形成されたウェルドラインを覆うポンプモータ。
【請求項11】
請求項9記載のポンプモータにおいて、
上記マグネット部は、樹脂を射出成型して形成されるものであり、
上記射出成形によりマグネット部に形成されるウェルドラインは、マグネット部の軸方向の両端面において該軸心を中心として径方向内側から径方向外側に向かって放射状に延びた後、マグネット部の外周面において軸方向に延びており、
上記縦溝部は、上記マグネット部の外周側面において軸方向に延びるウェルドラインに対応する部分に形成され、
上記放射状溝部は、上記マグネット部の反インペラ側の端面において放射状に延びるウェルドラインに対応する部分に形成されているポンプモータ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のポンプモータにおいて、
上記ステータは、射出成型により上記ケーシングと一体に形成されたポンプモータ。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のポンプモータにおいて、
上記インペラは、上記非磁性部材で構成されていて、上記外周側被覆部及び上記内周側被覆部及び上記連結部と同一部材で一体に成型されているポンプモータ。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のポンプモータにおいて、
上記非磁性部材は樹脂からなるポンプモータ。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載のポンプモータを備えたキャンドポンプであって、
上記ステータを内蔵する有底円筒状のケーシングと、
上記ロータのマグネット部の外周側面と上記ステータの内周側面との間の隙間に配設される円筒状のキャンと、を備えたキャンドポンプ。
【請求項16】
請求項15記載のキャンドポンプを備えた食器洗浄器であって、
上記キャンドポンプの作動流体として温水を使用する洗浄モードと、
上記キャンドポンプの作動流体として冷水を使用する排水モードと、を備えている食器洗浄器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−76334(P2013−76334A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215151(P2011−215151)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】