説明

ポート、容器およびポートにアクセスする方法

【課題】容器から液体を注入または取出すための薬物投与ポート、容器および薬物投与ポートにアクセスする方法を提供すること。
【解決手段】ポートは、例えば薬物を患者に薬物投与することを可能にし、容器に設置され得る。ポートは、標的領域を有する隔壁を有する。ポートはまた、隔壁と接触して支持リングを有する。隔壁を保護するためカバーが具設される。キャップはリングハンドルを有し、取除いて隔壁の標的領域を露出させることができる。例えば針を隔壁を通すために使用することができ、溶液や他の薬品を容器に注入または抜出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に容器から液体を注入または取出すための薬物投与ポート、薬物投与ポートを使用する装置および方法に関する。より具体的には、本発明は薬物投与ポートを経由して容器から液体を注入または取出すための方法に関する。加えて、本発明は薬物の静脈内投与のために使われ得る装置および方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
個人には薬物投与の様式が必要である場合があることは一般に知られている。しばしば、患者に静脈内で薬物投与を行はなければならない。例えば、患者が意識不明のときに、患者に薬物投与を行うことは非現実的で不可能な場合がある。その上、ある場合には患者に経口で薬物を投与することはまた困難なことがある。更に、患者は静脈内で薬物投与されるだけが可能な持続的な、一定の、および/または緊急の薬物投与を必要とする場合がある。勿論、患者に静脈内投与で薬物を投与する多くの他の理由が存在する。
【0003】
液体は、例えば可撓性のプラスチックまたはガラスから構成される容器にしばしば貯蔵され、例えば、しばしば生理食塩水、ブドウ糖または乳酸化リンゲル液の溶液を含む。静脈内(IV)点滴は、一般に患者の動脈と容器の薬品投与ポートを結合する。それから混合溶液は、薬品投与ポートから、IVを通過し、患者の血流へ流れる。
【0004】
更に、容器から液体を注入または取出す薬物投与ポートを提供することは一般に知られている。例えば、それを経由し薬物および/または他の溶液が投与される薬物投与ポートを容器に提供することは知られている。針またはカニューレは、一般に容器の薬物投与ポート内の隔壁または膜を穿孔して実装される。
【0005】
公知の薬物投与ポートは、しばしば一方向弁として構成され、容器へ薬物を追加することを可能にする。しかしながら、公知の薬物投与ポートは、しばしば無菌状態に維持するのが困難で、したがって安全でない場合がある。バクテリア、ウイルスおよび/または例えば埃のような他の有害物質が、隔壁、膜または容器の表面に存在し得る。その結果、この種の物質は、不注意に溶液内へ導入され得る。
【0006】
典型的には、薬物投与ポートは、上部ポートとしてか側部ポートとして容器に構成されるか取付けられる。一般に上部ポートは容器の遠位端に位置する一方、側部ポートは容器の側壁に位置する。
【0007】
容器の開口部またはポート内に、栓とも称さる隔壁を備えることも一般に知られている。隔壁は、容器内部の液体が容器から流出するのを防止する。更に、隔壁は異物が容器に混入する危険を減少させる。更に、公知の隔壁は、液体が容器中の溶液との連通を確保するために針または他の物質によってしばしば穿設され得る。
【0008】
キャップは隔壁を囲むためにしばしばポートに組み込まれる。しかしキャップはしばしば容器の開口全部を包囲する。その結果、公知のキャップは、しばしば大きくて、費用が掛かり非効率的である。例えば、より大きいキャップは、生産の際より多くの材料を必要とし、全体の装置の重さおよび/または複雑さが増す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、公知のポート、そのようなポートを用いる装置および方法の欠点を克服するために、容器から液体を注入または抜出すための薬物投与ポート並びに装置と方法に対する要求がある。加えて、無菌の環境で容器に液体が導入できる薬物投与ポートに対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、容器から液体を注入または取出すための薬物投与ポート、薬物投与ポートを使用する装置および方法を提供する。本容器は、患者に投与される溶液を含むことができる。加えて本発明は、効率的で無菌状態で薬物投与ポートを経由して容器から液体を注入または取出す方法を提供する。より具体的には、本発明は薬物の静脈内投与のために使われ得る。本発明は、また、容器から液体を注入または取出すための薬物投与ポートを有する容器を提供する。
【0011】
このために、本発明の実施形態では、容器から溶液を注入または抜出す装置が提供される。ポートは、第1端部と第2端部との間で延びている周辺壁によって規定される内部を有するハウジングを有する。ポートは、ハウジングの第1端部の内部の中に隔壁を有する。ポートは、更にハウジングの周辺壁の第1端部にキャップを有し、そこで、キャップはハウジングの第1端部を囲み隔壁を覆う。キャップとハウジングの周辺壁との間に分離線が具設されている。
【0012】
実施形態において、ポートは周辺壁とハウジングの第1端部のキャップとの間を延びる唇部分(lip)を有する。
【0013】
実施形態において、ポートは隔壁内に形成された凹部を有し、凹部はスリットを含む。
【0014】
実施形態において、ポートはハウジングの内部に支持リングを有し、支持リングは、隔壁とハウジングの第2端部との間にある。
【0015】
実施形態において、リングはキャップに取り付けられており、リングは該リングとキャップとの間に開口を形成する。
【0016】
実施形態において、隔壁はハウジングの内部内に確保されたテーパーの付いた外壁を有する。
【0017】
実施形態において、キャップは隔壁の直径より小さい直径を有する。
【0018】
実施形態において、支持リングは隔壁の直径より大きい直径を有する。
【0019】
他の実施形態では、溶液を保持する内部を規定する周囲壁を有する容器が提供される。容器は第1端部と内部を有するハウジングの壁に取り付けられた第2端部との間に規定される壁を有しているポートを有する。隔壁は、ポートの内部に設けられている。更に、支持リングはポートの内部の中に設けられており、隔壁はポートの支持リングと第1端部とハウジングの第1端部を囲うキャップとの間にあり、キャップは隔壁を囲う。
【0020】
他の実施形態では、容器はキャップとハウジングの第1端部の間に分離線を有する。
【0021】
他の実施形態では、容器は隔壁の中に形成された凹部によって規定される隔壁の中に標的領域を有する。
【0022】
また更なる実施形態において、容器は隔壁にスリットを有する。
【0023】
実施形態において、容器はキャップと一体的に形成されたポートを有する。
【0024】
実施形態において、容器はリングが開口部を規定する容器の第1端部から延びるリングを有する。
【0025】
本発明の他の実施形態において、容器にアクセスする方法が提供される。
該方法は、第1端部と第2端部との間に規定された壁を有するポートを取り付けることであって、該第2端部は該容器の該壁に取付けられ、さらに該ポートは該ポートの第1端部においてキャップを有する、ポートを取り付けること、該ハウジング内に隔壁を確保すること、該ハウジング内に支持リングを確保することであって、該隔壁は該支持リングと該ポートの該第1端部の間にある、支持リングを確保すること、および隔壁の部分だけを露出するために該キャップを取除くこと、のステップを包含する。
【0026】
実施形態において、針は隔壁を通して挿入される。
【0027】
実施形態において、キャップは分離線でポートから切り離される。
【0028】
実施形態において、ポートからキャップを取除くためにキャップに取り付けた開口をもつリングが引かれる。
【0029】
実施形態において、凹部領域は隔壁に形成され、そこでは隔壁がスリットを有する。
【0030】
実施形態において、ポートの壁は、隔壁と支持リングとの結合幅より大きい第1端部と第2端部との長さを有する。
【0031】
それ故、本発明の効果は、容器から溶液を注入または取出すために容器にアクセスするポート、容器および容器にアクセスする方法を提供することである。
【0032】
本発明の他の効果は、キャップの下に位置する標的領域を持つ薬物投与ポートを利用するポート、容器およびポートにアクセスする方法を提供することである。
【0033】
本発明の更なる効果は、カニューレや針ゲージと長さの範囲と同様にインシュリンペンの範囲に両立できるポート、容器および容器にアクセスする方法を提供することである。
【0034】
両ポートに簡単にアクセスできて、または他のポートからの干渉がなく投入ポートから離れて位置するポートを与えるポート、容器および容器にアクセスする方法を提供することは、本発明の他の更なる利点である。
【0035】
更に、汚染の危険を減少する薬物投与ポートを利用するポート、容器および容器にアクセスする方法を提供することは、本発明の1つの利点である。
【0036】
キャップを有する薬物投与ポートを利用するポート、容器および容器にアクセスする方法を提供することは、本発明の1つの利点である。
【0037】
カニューレや針が固着する危険を減少する強固なハウジングを有するポート、容器および容器にアクセスする方法を提供することは、本発明の更なる利点である。
【0038】
本発明は、さらに以下を提供する。
(項目1)
第1端部と第2端部との間に延びる周辺壁によって規定される内部を有するハウジングと、
該ハウジングの該第1端部において該内部の中にある隔壁と、
該ハウジングの該周辺壁の該第1端部上のキャップであって、該キャップは該ハウジングの該第1端部を囲み該隔壁をカバーするキャップと、
該キャップと該ハウジングの該周辺壁との間の分離線と、
を備えたポート。
(項目2)
前記ハウジングの前記第1端部において前記周辺壁と前記キャップとの間に延びる唇部分を更に備える、項目1に記載の薬物投与ポート。
(項目3)
前記隔壁に形成された凹部を更に備え、該凹部はスリットを含む、項目1に記載の薬物投与ポート。
(項目4)
前記ハウジングの前記内部の中の支持リングであって、該支持リングは前記隔壁と前記ハウジングの前記第2端部との間にある支持リングを更に備える、項目1に記載の薬物投与ポート。
(項目5)
前記キャップに取り付けられたリングであって、該リングは該リングと前記キャップとの間に開口を形成するリングを更に備える、項目1に記載の薬物投与ポート。
(項目6)
前記隔壁は、前記ハウジングの前記内部に確保されたテーパー付きの外壁を有する、項目1に記載の薬物投与ポート。
(項目7)
前記キャップは、前記隔壁の直径より小さな直径を有する、項目1に記載の薬物投与ポート。
(項目8)
前記支持リングは、前記隔壁の直径よりも大きな直径を有する、項目4に記載の薬物投与ポート。
(項目9)
内部を規定する周囲壁であって、該内部は溶液を保持する周囲壁と、
第1端部と第2端部との間の内部を規定する壁を有するポートであって、該ポートはハウジングの外壁に取り付けられたポートと、
該ポートの該内部の中の隔壁と、
該ポートの該内部の中の支持リングであって、該隔壁は該支持リングと該ポートの該第1端部との間にある支持リングと、
該ハウジングの該第1端部を囲んでいるキャップであって、該キャップは該隔壁をカバーするキャップと、を備えた容器。
(項目10)
前記キャップと前記ハウジングの前記第1端部との間の分離線を更に備える、項目9に記載の容器。
(項目11)
前記隔壁の中に形成される凹部によって規定される前記隔壁中の標的領域を更に備える、項目9に記載の容器。
(項目12)
前記隔壁の中にスリットを更に備える、項目9に記載の容器。
(項目13)
前記ポートは、前記キャップと一体に形成された、項目9に記載の容器。
(項目14)
前記容器の前記第1端部から延びているリングを更に備え、該リングは開口を規定する、項目9に記載の容器。
(項目15)
容器にアクセスする方法であって、該容器は内部を規定する壁を有し、
該方法は、
第1端部と第2端部との間で規定された壁を有するポートを取付けることであって、該第2端部は該容器の該壁に取付けられ、さらに該ポートは該ポートの該第1端部においてキャップを有する、ポートを取付けること、
該ハウジング内に隔壁を確保すること、
該ハウジング内に支持リングを確保することであって、該隔壁は該支持リングと該ポートの該第1端部の間にある、支持リングを確保すること、
隔壁の部分だけを露出するために該キャップを取除くこと、
を包含する方法。
(項目16)
前記隔壁を通して針を挿入する工程を更に包含する項目15に記載の方法。
(項目17)
分離線において前記ポートから前記キャップを分離する工程を更に包含する項目15に記載の方法。
(項目18)
前記ポートから前記キャップを取除くために、前記キャップに取付けた開口を有するリングを引く工程を更に包含する項目15に記載の方法。
(項目19)
前記隔壁はスリットを有する前記隔壁に凹部領域を形成する工程を更に包含する項目15に記載の方法。
(項目20)
前記ポートの前記壁は、前記隔壁と前記支持リングの結合した幅よりも大きい前記第1端部と前記第2端部との間の長さを有する項目15に記載の方法。
【0039】
本発明の追加の特徴および利点は、本発明の好ましい実施形態の詳細な記載および図面に記載されており、それらの記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態のポートを有する容器の斜視図を示す。
【図2】本発明の実施形態のポートの組立分解等角図を示す。
【図3】本発明の実施形態のポート上のキャップの断面図を示す。
【図4】本発明の実施形態のポートのキャップを使用者が取り外している断面図を示す。
【図5】本発明の実施形態のポートに針が挿入されている断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
(発明の詳細な説明)
本発明は、一般にポート、容器および容器に注入するかまたは容器から液体を取り出すために容器にアクセスする方法に関する。加えて、本発明はポートを有する容器に関する。より具体的には、本発明はポート、容器および薬物をポートに導入するために容器にアクセスする方法に関する。
【0042】
ここで図面を参照すると、図中において同種の数字は同種の部品を表示する。図1は、第1端部23と第2端部24とを有する容器1の斜視図を一般的に図示する。容器1は、周囲を密封され、容器1の内部に液体5または他の溶液を保持し得る。容器1は、PVCや非PVC材料などの可撓性材料で構成され得る。このように、この種の容器は一般に知られているので本願明細書では更に詳細には記載しない。
【0043】
容器1は、第1端部18と第2端部19とを有するポート2を有し得る。本発明の薬物投与ポート2は、上部ポートまたは側部ポートであり得る。図1に示した実施形態において、薬物投与ポート2は、側部ポートである。容器1は、実際の使用の際一般的である位置に図示されている。より具体的には、実際の使用の際に容器1は、直立に配置し得、投与ポート15より上になるように薬物投与ポート2を有し得る。加えて、例えば、患者かまたはその近傍の高い位置に容器1を吊下げるために例えばフックのようなストラップを具設し得る。 容器1が患者かまたはその近傍の高い位置に吊下げられる場合、容器1内部の液体5は重力により投与ポート15を通って患者に流入し得る。好ましくは、投与ポート15は、図1に示した実施形態に図示したように薬物投与ポート2から離れた位置に配置し得る。
【0044】
図2をここで参照すると、ポート2は壁25を有するハウジング3を有し得る。望ましくは、ポート2は、薬物投与ポートであり、そこを通じ薬剤が容器1に加えられるか、溶液が容器1から除去される。ハウジング3と壁25は、例えばゴム、プラスチック、または当業者に一般的に知られている他のいかなる材料からも構成され得る。加えて、ハウジング3は、針7が壁25を穿孔する危険を減少するように堅固なポリプロピレンで構成し得る。更にハウジング3は、製造工程の最終段階で殺菌に先行してガンマ線照射に耐えることが認められているガンマ級材料を使用して構成することができる。ガンマ級材料は、「pre−滅菌」と加圧蒸気殺菌露出時間の減少を可能にする。
【0045】
図2に図示するように、壁25は環状であり得る。ハウジング3の壁25は、第1端部26と第2端部27を有し得る。壁25の第2端部27は、薬物投与ポート2の第2端部19と一体に形成し得る。その上、壁25の第1端部26は、キャップ9と一体に形成し得る。キャップ9は、以下に詳細に記述する第1端部26から分離し得る。
【0046】
壁25の第1端部26は、また、ハウジング3の中心の方へ突出している唇部分39を有し得る。該唇部分39は隔壁4と接触し得る。唇部分39は、ハウジング3内に摩擦により隔壁4を固定でき得、又は代替として隔壁4は唇部分39に密封され得る。図2に示すように、壁25の唇部分39は、内円周47と外円周14を有し得る。
【0047】
壁25は高さ28を有し、第1端部26に第1円周30を有し、第2端部27に第2円周32を有し得る。加えて、壁25の第1端部26の第1円周30は、壁25の第2端部27の第2円周32より小さくても良い。壁25の第1端部26のより小さい第1円周30は、壁25がテーパーされた結果でも良い。より具体的には、テーパー31は、壁25がハウジング3の中心に向かって内側に傾いた結果でも良い。薬物投与ポート2の隔壁4はハウジング3の壁25の内側に位置し得る。加えて、図3に示すように、隔壁4はハウジング3の内壁50と接触し得る。隔壁4は、例えばゴム、プラスチックまたは当業者に一般に知られている材料で構成し得る。加えて、隔壁4は、例えば針7によって隔壁4が穿孔された後に隔壁4を再シールできるようにポリイソプレン材料で構成し得る。
【0048】
図2に示すように、隔壁4は円形であり得る。隔壁4は高さ35を有し第1円周36と第2円周37を有し得る。加えて隔壁4は第1端部33と第2端部34を有し得る。隔壁4の第1端部33の第1円周36は、第2端部34の第2円周37より小さくても良い。第1端部33のより小さい円周36は、隔壁4がテーパーされた結果でも良い。より具体的には、テーパー壁38は図2に示す結果でも良い。そこでは、隔壁4の上部の開口は隔壁4の中央におけるよりも大きい。
【0049】
隔壁4の第1端部33は、壁25の唇部分39に接触し得る。唇部分39はハウジング3の中の適切な位置に隔壁4を固定し、隔壁4とハウジング3の壁25との間に液封を提供し得る。
【0050】
隔壁4はまた、ヘルスケアプロバイダーや他の者が例えば針7を隔壁4に挿入するのを助ける標的領域16を有する場合がある。勿論カニューレや他の物体が隔壁4を穿孔するのに使用し得る。標的領域16は、ハウジング3の例えば黒色と対照するために例えば赤に着色し得る。他の色を使うことは標的領域16がヘルスケアプロバイダーや他の者にとってより見易くまた識別し易い結果となり得る。
【0051】
図2に更に図示するように、凹部21は、隔壁4の第1端部33の標的領域16の中に位置しても良い。凹部21は、ヘルスケアプロバイダーや他の者が隔壁4を通して針7を挿入する抵抗を減じる位置を提供する助けとなり得る。標的領域16は、またスリット54を凹部21に代わって、又は加えて有し得る。
【0052】
凹部21は、隔壁4の標的領域16の内部壁8によって形成され得る。より具体的には、壁8は隔壁の第1端部33で第1周囲51を有し、隔壁4内の谷53で第2周囲52を有し得る。隔壁4の第1端部33の第1の周囲51は、隔壁4の谷53における第2の周囲52より大きい場合がある。内部壁8の周囲の違いは、内部壁8にテーパーを付けられている結果である場合がある。
【0053】
ヘルスケアプロバイダまたは他の者は、容器1の液体5と流体連通を確保するために隔壁4に穴を穿孔し得る。支持リング17は例えば針などの物体が隔壁4に押し付けられた際に隔壁4を支持し得る。図2にて図示したように、支持リング17は例えばリングに類似し得る。
【0054】
より具体的には、ヘルスケアプロバイダまたは他の者が隔壁4を通して物体を挿入する際に、隔壁4表面に圧力が生じる。支持リング17は、圧力が隔壁4の外面から支持リング17の表面に変換させることができる場合がある。その結果、隔壁4は支持リング17があることにより支持リング17がない場合よりもより大きな圧力に耐えることができ得る。支持リング17は、例えばゴム、プラスチックまたは当業者が一般により通常公知の他のいかなる材料からも構成し得る。
【0055】
支持リング17は環状であって第1外円周44、第2外円周49および内周部45を有し得る。その上、支持リング17は第1端部40および第2端部41を有し得る。第1外円周44は第1端部40にあることができ、第2外円周49は第2端部41にあることができる。第1外円周44は、第2外円周49より大きくし得る。その結果、支持リング17は下方へテーパーを付けることができる。より具体的には、支持リング17はテーパー48を有し得る。支持リング17の第1外円周44および第2外円周49は、図3に示すようにハウジング3の内壁50と接触し得る。
【0056】
支持リング17は、また、壁25の高さ28より小さい高さ42を有し得る。支持リング17の内周部45は、針7または他の物体が隔壁4を穿設した後に延びて通過する中空の内部エリア43を形成し得る。
【0057】
支持リング17の第1端部40は、隔壁4の第2端部34と接触し得る。その上、支持リング17の第2端部41は、容器1の唇部分13と接触し得る。
【0058】
ハウジング3は、例えばゴム、プラスチックまたは当業者に一般的に知られている他の材料で構成されるキャップ9を有し得る。ハウジング3のキャップ9は、周囲46を有するカバー11を有し得る。キャップ9は、また、リングハンドル10を有し得る。図2に図示したように、リングハンドル10およびカバー11は円である場合がある。キャップ9のリングハンドル10は、ユーザーが例えば 指やフックを挿入する中空の開口部6を有し得る。
【0059】
キャップ9のカバー11はまた、分離線20を有し得る。分離線20は、穴あけ、スコア線またはカバー11と壁25の唇部分39との間に形成される他の強度の弱い線であっても良い。分離線20は、カバー11の周囲46に形成され得る。より具体的には、分離線20は、カバー11がハウジング3の残りから取り除かれる周囲の点を提供し得る。
【0060】
カバー11は一般に、図2に示されるようにコネクター22によってリングハンドル10と一体的に形成され得る。コネクター22は、牽引力が分離線20を壊すようにカバー11およびリングハンドル10に固定され得る。
【0061】
図3は、ハウジング3の壁25に固定したキャップ9を有する本発明の薬物投与ポート2の実施形態を図示する。より具体的には、図3はキャップ9を取り除く前の薬物投与ポート2を示す。
【0062】
キャップ9がハウジング3の上にあるとき、キャップ9は隔壁4を保護し得て、周囲の環境から隔壁4を密封することによって隔壁4のための無菌の環境を創生し得る。より具体的には、キャップ9がハウジング3の壁25に固定しているとき、埃、病原体および他の有害な物質はハウジング3の内側に位置している隔壁4にアクセスし得ない。
【0063】
その上、キャップ9が密封位置にあるときに、隔壁4は物理的な損傷から保護され得る。キャップ9は、もしも隔壁4が保護されていない場合隔壁4に発生しうる事故的損傷を防止し得る。
【0064】
図4は、薬物投与ポートのキャップ9が部分的に取除かれている本発明の実施形態を図示する。キャップ9のリングハンドル10は例えば使用者の指やフックで持ち上げ得る。使用者がリングハンドル10を引くと、分離線20が破れ、使用者はキャップ9を取除き得る。キャップ9が取除かれると、隔壁4は露出され得る。キャップ9を取除くと、隔壁4は例えば針7によって隔壁4を通して使用可能な状態になり得る。
【0065】
図5は、ハウジング3の壁25からキャップ9が取除かれた本発明の薬物投与ポート2の実施形態を示す。図5はまた容器1の内部の液体5に流体を連通させるように隔壁4を通して挿入された針7を示す。隔壁4は、針7またはカニューレ(図示せず)によって穿孔し得る。針7または他の物体は、隔壁4の標的領域16を通して隔壁4に穿設し得る。
【0066】
針7または他の物体はそれから、支持リング17の中空内部43を通過し得る。針または他の物体が容器1に嵌入されたあと、必要に応じ流体が容器に加えられるか、容器から抜出され得る。
【0067】
本願明細書において記載されている好ましい実施形態に対するさまざまな変更と修正が当該技術分野における当業者にとって明らかであることが理解されなければならない。このような変更と修正は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、その効果を減弱させることなく行われ得る。従って、このような変更及び修正が、添付した項目により保護されるように意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器にアクセスする方法であって、該容器は内部を規定する壁を有し、
該方法は、
第1端部と第2端部との間で規定された壁を有するポートを取付けることであって、該第2端部は該容器の該壁に取付けられ、さらに該ポートは該ポートの該第1端部においてキャップを有する、ポートを取付けること、
該ハウジング内に隔壁を確保すること、
該ハウジング内に支持リングを確保することであって、該隔壁は該支持リングと該ポートの該第1端部の間にある、支持リングを確保すること、
隔壁の部分だけを露出するために該キャップを取除くこと、
を包含する方法。
【請求項2】
前記隔壁を通して針を挿入する工程を更に包含する請求項に記載の方法。
【請求項3】
分離線において前記ポートから前記キャップを分離する工程を更に包含する請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ポートから前記キャップを取除くために、前記キャップに取付けた開口を有するリングを引く工程を更に包含する請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記隔壁はスリットを有する前記隔壁に凹部領域を形成する工程を更に包含する請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポートの前記壁は、前記隔壁と前記支持リングの結合した幅よりも大きい前記第1端部と前記第2端部との間の長さを有する請求項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−189861(P2009−189861A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126953(P2009−126953)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【分割の表示】特願2004−512657(P2004−512657)の分割
【原出願日】平成15年5月28日(2003.5.28)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】