マイクロコンピュータ、その制御方法及び電子機器
【課題】電源電圧が低下した場合でも、システム動作が不安定になる事態をできるだけ回避することができるマイクロコンピュータ等を提供する。
【解決手段】互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータ100は、CPU110と、CPU110によって制御され、液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路200と、マイクロコンピュータ100の電源電圧の低下を検出する電源電圧検出回路140とを含み、電源電圧検出回路140が、電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路200が、電源電圧検出回路140による検出前の液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように液晶表示装置を駆動する。
【解決手段】互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータ100は、CPU110と、CPU110によって制御され、液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路200と、マイクロコンピュータ100の電源電圧の低下を検出する電源電圧検出回路140とを含み、電源電圧検出回路140が、電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路200が、電源電圧検出回路140による検出前の液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように液晶表示装置を駆動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロコンピュータ、マイクロコンピュータの制御方法及びマイクロコンピュータを内蔵する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
時計や携帯電話機等に代表される携帯型の電子機器の表示装置として、小型化及び低消費電力化が可能で、種々の画像を表示できるドットマトリクス型の液晶表示パネル(広義には液晶表示装置)が採用されることが多い。このような電子機器を制御するマイクロコンピュータに、液晶表示パネルを駆動する液晶駆動回路を内蔵することで、低消費電力化及び低コスト化を図ることができる。
【0003】
マイクロコンピュータに内蔵される液晶駆動回路の低消費電力化を図る技術については、例えば特許文献1〜特許文献7に開示されている。特許文献1には、画面内の一部領域を表示領域とし、他の領域を非表示領域とし、一部領域の位置、面積や表示内容を任意の時間間隔で変化させることで、低消費電力を維持した状態で表示の面白みを持たせる技術が開示されている。特許文献2には、省電力動作モードの時にはアイコン部分のみを表示することで、消費電力を大幅に低減できるようにした技術が開示されている。また、特許文献3〜特許文献7には、全面表示から一部の行のみの表示に切り替え、液晶表示パネルの一部に選択的に低電圧、低デューティ駆動で表示を行うようにすることで、低消費電力化を図る技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−112435号公報
【特許文献2】特開平10−207438号公報
【特許文献3】特開平10−214063号公報
【特許文献4】特開平11−311980号公報
【特許文献5】特開2004−4816号公報
【特許文献6】特開2006−133804号公報
【特許文献7】特開2006−317971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータは、バッテリ駆動の電子機器に搭載されることが多い。しかしながら、バッテリから供給される電源電圧が低下してしまうと、特許文献1〜特許文献7に開示された技術であっても、突然の電源電圧の低下によってシステム動作が不安定となる可能性がある。また、特許文献2では、昇圧回路、電圧調整回路、バイアス電圧発生回路や電圧安定化回路等を使用しないことで、電圧レベルを下げたり回路自体の消費電力を削減したりして低消費電力化を図るため、液晶表示パネルの表示サイズが大きくなっても、低消費電力の効果を十分に得ることができない。
【0006】
このように特許文献1〜7に開示された技術では、液晶表示パネルに接続されバッテリ駆動のマイクロコンピュータの電源電圧が突然低下した場合に、バッテリを交換するまでの時間がないままにシステム動作が不安定になったりしてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、電源電圧が低下した場合でも、システム動作が不安定になる事態をできるだけ回避することができるマイクロコンピュータ、その制御方法及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータであって、中央演算処理装置と、前記中央演算処理装置によって制御され、前記液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路と、前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出回路とを含み、前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、前記電源電圧検出回路による検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータに関係する。
【0009】
本発明によれば、電源電圧検出回路が、マイクロコンピュータに供給される電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路が、検出前の液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように該液晶表示装置を駆動するようにしたので、液晶表示装置の各コモンラインを駆動する回路の充放電電流を削減することができる。これにより、表示領域が小さくなるように駆動を開始した後は、液晶表示装置の表示エリアである表示サイズの大きさにかかわらず、例えばバッテリで動作するマイクロコンピュータの動作時間を長くすることができるようになる。従って、それまでの間にユーザがバッテリを交換できる期間が長くなり、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0010】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、変更後の表示領域に対応したコモンラインのみ選択するように前記液晶表示装置を駆動することができる。
【0011】
本発明によれば、表示領域に対応したコモンラインのみを選択して、検出前の表示領域より小さくなるように表示するようにしたので、簡素な制御で、ユーザがバッテリを交換できる期間を長くして、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0012】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記液晶駆動回路は、1又は複数のコモンライン毎にその出力がマスクされる複数のコモンラインマスク回路を含み、前記複数のコモンラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したコモンラインに所与のオフ電圧を出力することができる。
【0013】
本発明によれば、簡素な構成で、表示領域に対応したコモンラインのみを選択できるようになる。
【0014】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、表示データに対応した電圧を、変更後の表示領域に対応したセグメントラインのみに供給して前記液晶表示装置を駆動することができる。
【0015】
本発明によれば、表示領域に対応したセグメントラインのみに、表示データに対応した電圧を供給するようにして、検出前の表示領域より小さくなるように表示するようにしたので、簡素な制御で、ユーザがバッテリを交換できる期間を長くして、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0016】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記液晶駆動回路は、1又は複数のセグメントライン毎にその出力がマスクされる複数のセグメントラインマスク回路を含み、前記複数のセグメントラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したセグメントラインに所与のオフ電圧を出力することができる。
【0017】
本発明によれば、簡素な構成で、表示領域に対応したセグメントラインに、表示データに対応した電圧を出力できるようになる。
【0018】
また本発明は、互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータであって、中央演算処理装置と、前記中央演算処理装置によって制御され、前記液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路と、前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出回路とを含み、前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、正転表示と反転表示とを繰り返すように前記液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータに関係する。
【0019】
本発明によれば、電源電圧検出回路が、マイクロコンピュータに供給される電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路が、正転表示と反転表示とを交互に繰り返すように該液晶表示装置を駆動するようにしたので、複雑な処理を行うことなく低消費電力で、ユーザに対して、システム動作が不安定になるまでの間にバッテリの交換を促すことができ、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0020】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記液晶駆動回路が、正転反転制御信号に基づいて、セグメントラインに対応する表示データの正転出力と反転出力とを交互に出力する表示データ反転回路を含むことができる。
【0021】
本発明によれば、簡素な構成で、正転表示と反転表示とを交互に繰り返すように該液晶表示装置を駆動することができるようになる。
【0022】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記電源電圧検出回路が、前記マイクロコンピュータの電源電圧と前記閾値電圧とを比較する電圧比較回路と、前記電圧比較回路による比較結果をラッチする出力ラッチ回路とを含み、前記液晶駆動回路が、前記出力ラッチ回路にラッチされた前記比較結果に基づいて、前記電源電圧検出回路による検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動することができる。
【0023】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記電源電圧検出回路は、前記閾値電圧が設定される比較電圧設定回路と、前記電圧比較回路の動作をイネーブル状態に設定するための動作設定レジスタとを含み、前記電圧比較回路が、前記マイクロコンピュータの電源電圧と前記比較電圧設定回路に設定された前記閾値電圧とを比較することができる。
【0024】
上記のいずれかの発明によれば、ハードウェアを用いた処理又はソフトウェア処理によって、電源電圧検出回路の検出結果を容易に取得できるようになり、マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出したときの制御を簡素な構成で実現できるようになる。
【0025】
また本発明は、互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータの制御方法であって、前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出ステップと、前記電源電圧検出ステップにおいて、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、前記電源電圧検出ステップによる検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動する駆動制御ステップとを含むマイクロコンピュータの制御方法に関係する。
【0026】
本発明によれば、マイクロコンピュータに供給される電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、検出前の液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように該液晶表示装置を駆動するようにしたので、液晶表示装置の各コモンラインを駆動する回路の充放電電流を削減することができる。これにより、表示領域が小さくなるように駆動を開始した後は、液晶表示装置の表示エリアである表示サイズの大きさにかかわらず、例えばバッテリで動作するマイクロコンピュータの動作時間を長くすることができるようになる。従って、それまでの間にユーザがバッテリを交換できる期間が長くなり、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0027】
また本発明に係るマイクロコンピュータの制御方法では、前記駆動制御ステップにおいて、前記液晶駆動回路が、変更後の表示領域に対応したコモンラインのみを選択するように前記液晶表示装置を駆動することができる。
【0028】
本発明によれば、表示領域に対応したコモンラインのみを選択して、検出前の表示領域より小さくなるように表示するようにしたので、簡素な制御で、ユーザがバッテリを交換できる期間を長くして、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0029】
また本発明に係るマイクロコンピュータの制御方法では、前記駆動制御ステップにおいて、前記液晶駆動回路が、表示データに対応した電圧を、変更後の表示領域に対応したセグメントラインのみに供給して前記液晶表示装置を駆動することができる。
【0030】
本発明によれば、表示領域に対応したセグメントラインのみに、表示データに対応した電圧を供給するようにして、検出前の表示領域より小さくなるように表示するようにしたので、簡素な制御で、ユーザがバッテリを交換できる期間を長くして、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0031】
また本発明は、互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータの制御方法であって、前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出ステップと、前記電源電圧検出ステップにおいて、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、正転表示と反転表示とを繰り返すように前記液晶表示装置を駆動する駆動制御ステップとを含むマイクロコンピュータの制御方法に関係する。
【0032】
本発明によれば、マイクロコンピュータに供給される電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、正転表示と反転表示とを交互に繰り返すように該液晶表示装置を駆動するようにしたので、複雑な処理を行うことなく低消費電力で、ユーザに対して、システム動作が不安定になるまでの間にバッテリの交換を促すことができ、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0033】
また本発明は、バッテリと、前記バッテリにより電源電圧が供給される上記のいずれか記載のマイクロコンピュータと、互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置とを含み、前記マクロコンピュータが、前記コモンライン及び前記セグメントラインを駆動する電子機器に関係する。
【0034】
本発明によれば、バッテリの電源電圧が低下した場合でも、システム動作が不安定になる事態をできるだけ回避することができる電子機器を提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0036】
1. マイクロコンピュータ
〔第1の実施形態〕
図1に、本発明に係る第1の実施形態におけるマイクロコンピュータの構成例のブロック図を示す。
【0037】
第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ100は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下、CPUと略す)110、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)114、第1及び第2の周辺回路116、118、I/O(Input/Output)ポート120、表示メモリ122、電源電圧検出回路140、液晶駆動回路200、電源回路126、及びバス130を含む。これらの回路ブロックは、半導体基板(広義には基板、チップ)に形成される。CPU110、ROM112、RAM114、第1及び第2の周辺回路116、118、I/Oポート120、表示メモリ122、電源電圧検出回路140、液晶駆動回路200、及び電源回路126は、バス130を介し電気的に接続される。
【0038】
このマイクロコンピュータ100は、外部端子群P1、P2、外部端子P3を有する。外部端子群P1、P2は、それぞれ複数の端子により構成される。外部端子群P1、P2を構成する各端子、外部端子P3は、当該端子に対応して設けられたI/O(Input/Output)回路と電気的に接続され半導体基板(チップ)上に形成されたパッドを有する。各パッドとこれに対応するIC(Integrated Circuit)パッケージのピンとがボンディングワイヤを介して電気的に接続される。
【0039】
CPU110は、ROM112又はRAM114に記憶されたプログラムをバス130を介して読み出し、該プログラムに対応した処理を実行することで、マイクロコンピュータ100の全体の制御を司る。
【0040】
ROM112には、CPU110のプログラム又は各種の制御データが予め記憶されており、CPU110又は他の回路がバス130を介してROM112からプログラム又は制御データを読み出す。
【0041】
RAM114には、CPU110、第1及び第2の周辺回路116、118、及びI/Oポート120のワークエリアとして、データが一時的に格納されたり、表示メモリ122に格納される表示データが一時的に格納されたりする。
【0042】
第1の周辺回路116は、例えば割り込みコントローラ、タイマ回路やウオッチドッグタイマにより構成され、バス130を介してCPU110により設定された条件で動作し、その動作結果をCPU110に通知することができるようになっている。
【0043】
第2の周辺回路118は、例えばプログラマブルタイマやシリアルインターフェス回路により構成され、バス130を介してCPU110により設定された条件で動作し、I/Oポート120を経由して、外部端子群P2を介して信号が入力又は出力されるようになっている。
【0044】
I/Oポート120は、汎用ポートとして機能し、外部端子群P2を構成する端子のいずれかを介して信号の入力や出力が行われる。
【0045】
表示メモリ122には、CPU110により生成された図示しない液晶表示パネル(広義には、液晶表示装置)の1画面分の表示データが記憶される。表示メモリ122に記憶された表示データは、液晶駆動回路200に送られる。外部端子群P1には、液晶表示パネルのコモンラインやセグメントラインが電気的に接続される。液晶駆動回路200は、CPU110により設定された表示駆動条件で、外部端子群P1を介して液晶表示パネルを駆動する制御を行う。
【0046】
電源回路126は、外部端子P3を介して外部から供給される電源電圧に基づいて、マイクロコンピュータ100を構成する各回路ブロックの電源を生成する。この電源回路126は、バス130を介してCPU110により設定された条件で、各回路ブロックの電源電圧を生成する。
【0047】
電源電圧検出回路140は、マイクロコンピュータ100の電源電圧の低下を検出する。より具体的には、電源電圧検出回路140は、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したか否かを検出する。この電源電圧検出回路140の検出結果は、バス130を介してCPU110に取得されてもよいし、該検出結果に対応した検出信号が、マイクロコンピュータ100のCPU110又は液晶駆動回路200にそのまま入力されてもよい。
【0048】
このようなマイクロコンピュータ100は、ROM112又はRAM114から読み出されたプログラムに従って1画面の表示データを生成し、該表示データを表示メモリ122に格納する。そして、液晶駆動回路200は、表示メモリ122に格納された表示データを読み出し、該表示データ(画像信号)に対応した駆動信号を用いて、互いに交差する複数のコモンライン及び複数のセグメントラインを有するドットマトリクス型の液晶表示パネルを駆動する制御を行う。即ち、マイクロコンピュータ100では、内蔵する液晶駆動回路200が、CPU110によって生成された表示データに対応した駆動信号を用いて、液晶表示パネルを駆動することができる。
【0049】
図2に、図1の電源電圧検出回路140の構成例のブロック図を示す。図2において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0050】
電源電圧検出回路140は、電圧比較回路142、出力ラッチ回路144、比較電圧設定回路146、動作設定レジスタ148、動作スイッチ150を含む。電圧比較回路142は、外部端子P3を介して外部から供給されるマイクロコンピュータ100の電源電圧VDDと、閾値電圧として設定された比較電圧とを比較する。この電圧比較回路142の比較結果は出力ラッチ回路144にラッチされ、出力ラッチ回路144のラッチ信号が検出信号SVDetとして出力される。
【0051】
比較電圧設定回路146には、バス130を介してCPU110により比較電圧が設定される。動作設定レジスタ148は、電圧比較回路142の動作をイネーブル状態に設定したり出力ラッチ回路144のラッチ信号を初期化したりするための制御レジスタであり、バス130を介してCPU110によりアクセスされる。動作スイッチ150は、ソースに接地電圧VSSが供給され、ゲートに動作設定レジスタ148からの制御信号が供給されるn型の金属酸化膜半導体(Metal Oxide Semiconductor:以下、MOSと略す)トランジスタにより構成される。
【0052】
動作設定レジスタ148によりイネーブル状態が設定されると、動作スイッチ150が導通状態となり、電圧比較回路142の比較動作を行う。このような電圧比較回路142の機能は、例えば演算増幅器により構成されるコンパレータにより実現される。また、動作設定レジスタ148にアクセスすることにより出力ラッチ回路144の初期化が指示されると、出力ラッチ回路144は、ラッチデータを初期化する。
【0053】
このように、電源電圧検出回路140では、電源電圧VDDが比較電圧設定回路146により設定された比較電圧以下の電位となったときに検出信号SVDetがアクティブとなる。そのため、検出信号SVDetが入力される回路において、電源電圧VDDの電位が低下したときの制御を行うことができる。
【0054】
なお、電源電圧検出回路140からの検出信号SVDetをCPU110の割り込み信号として採用することで、CPU110によるソフトウェア処理によって、マイクロコンピュータ100の各部を制御する割り込み制御を行ってもよい。また、電源電圧検出回路140において、出力ラッチ回路144のラッチデータを、バス130を介してCPU110が取得可能に構成することで、ソフトウェア処理によって、電源電圧VDDの電位が低下したときの制御を、ポーリング制御によって実現してもよい。
【0055】
第1の実施形態では、電源電圧検出回路140が、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路200が、電源電圧検出回路140による検出前の液晶表示パネルの表示領域より小さい表示領域となるように該液晶表示パネルを駆動する。このように、通常動作状態である検出前の表示領域より小さい表示領域となるように駆動することで、液晶表示装置の各コモンラインや各セグメントラインを駆動する回路の充放電電流を削減することができる。
【0056】
図3に、図1の液晶駆動回路200の構成例のブロック図を示す。図3において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図3では、液晶駆動回路200が駆動する液晶表示パネルがコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47を有するものとして説明する。また、図3では、液晶駆動回路200が、モノクロの液晶表示パネルを駆動するものとする。
【0057】
液晶駆動回路200は、モード設定レジスタ210、タイミング生成回路220、コモン信号生成回路230、制御信号生成回路240、コモン出力選択回路250、駆動電圧生成回路260、コモンライン駆動回路270、セグメントライン駆動回路280を含む。
【0058】
モード設定レジスタ210は、バス130を介してCPU110によりアクセス可能により構成される制御レジスタであり、このモード設定レジスタ210により液晶表示パネルの表示領域(非表示領域の大きさ、形状)が指定されると共に、その他の駆動条件や駆動電圧の生成条件等が設定される。
【0059】
タイミング生成回路220は、コモン信号生成回路230によって生成されるコモン信号COMD0〜COMD31の基準タイミング信号を生成する。タイミング生成回路220は、基準クロックCLK0に基づいて複数の基準タイミング信号を生成する。
【0060】
コモン信号生成回路230は、モード設定レジスタ210に設定された設定内容に従って、タイミング生成回路220によって生成された複数の基準タイミング信号を用いて、液晶表示装置のコモンラインの選択期間を指定するコモン信号COMD0〜COMD31を生成する。
【0061】
制御信号生成回路240は、モード設定レジスタ210に設定された設定内容に従って、液晶駆動回路200の各部を制御する制御信号を生成する。例えば、モード設定レジスタ210に、電源電圧VDDが低下したときにその表示領域が変更される液晶表示パネルの表示領域に対応したコモンラインが指定されたとき、制御信号生成回路240は、このモード設定レジスタ210の設定内容にしたがって制御信号COM0−7OFF、COM8−31OFFを生成する。第1の実施形態では、制御信号COM0−7OFFは、コモンラインCOM0〜COM7の出力制御(マスク制御)を行うための制御信号であり、制御信号COM8−31OFFは、コモンラインCOM8〜COM31の出力制御を行うための制御信号であるものとする。
【0062】
コモン出力選択回路250は、制御信号生成回路240によって生成された制御信号COM0−7OFF、COM8−31OFFを用いて、コモン信号COMD0〜COMD31のマスク制御を行う。より具体的には、コモン出力選択回路250は、制御信号COM0−7OFFに基づいて、コモン信号COMD0〜COMD7をマスク制御したコモン信号com0〜com7を出力する。また、コモン出力選択回路250は、制御信号COM8−31OFFと検出信号SVDetとの論理和演算結果に基づいて、コモン信号COMD8〜COMD31をマスク制御したコモン信号com8〜com31を出力する。
【0063】
駆動電圧生成回路260は、モード設定レジスタ210の設定内容にしたがって、コモンラインCOM0〜COM31に出力する複数種類の駆動電圧と、セグメントラインSEG0〜SEG47に出力する複数種類の駆動電圧とを生成する。駆動電圧生成回路260は、例えばモード設定レジスタ210に設定されたバイアス比に対応した複数種類の駆動電圧を生成することができる。このような駆動電圧生成回路260によって生成されたコモンライン用の複数種類の駆動電圧は、コモンライン駆動回路270に供給される。また駆動電圧生成回路260によって生成されたセグメントライン用の複数種類の駆動電圧は、セグメントライン駆動回路280に供給される。
【0064】
コモンライン駆動回路270は、液晶表示パネルのコモンラインCOM0〜COM31の各コモンラインに対応して設けられる複数のコモン出力回路を有する。各コモン出力回路には、駆動電圧生成回路260からのコモンライン用の駆動電圧が供給され、各コモンラインに対応したコモン信号により選択される駆動電圧を各コモンラインに出力する。
【0065】
表示メモリ122には、例えばCPU110によって生成された1画面分の表示データが記憶されており、コモン信号生成回路230からのコモン信号COMD0〜COMD31に対応したセグメント信号seg0〜seg47を出力する。
【0066】
セグメントライン駆動回路280は、液晶表示パネルのセグメントラインSEG0〜SEG47の各セグメントラインに対応して設けられる複数のセグメント出力回路を有する。各セグメント出力回路には、駆動電圧生成回路260からのセグメントライン用の駆動電圧が供給され、各セグメントラインに対応したセグメント信号により選択される駆動電圧を各セグメントラインに出力する。
【0067】
以下では、図3の液晶駆動回路200の各部について説明する。
【0068】
図4に、図3のタイミング生成回路220の構成例のブロック図を示す。
【0069】
タイミング生成回路220は、位相調整回路222と、縦続接続された複数の1/2分周回路224と、1/3分周回路226と、1/2分周回路228とを含む。位相調整回路222は、基準クロックCLK0又はその分周クロックのいずれかを出力することで、複数の1/2分周回路224から出力される複数の基準タイミング信号の位相を調整することができる。
【0070】
例えば、周波数が2kHzの基準クロックCLK0が入力されるタイミング生成回路220は、複数の1/2分周回路224によって基準タイミング信号CLK1〜CLK5が生成され、1/3分周回路226及び1/2分周回路228によって基準タイミング信号CLK6が生成される。ここで、基準タイミング信号CLK1の周波数は32Hz、基準タイミング信号CLK2の周波数は2kHz、基準タイミング信号CLK3の周波数は512Hz、基準タイミング信号CLK4の周波数は128Hz、基準タイミング信号CLK5の周波数は64Hzであり、複数の1/2分周回路224から256Hzの周波数の分周出力が入力される1/3分周回路226とその出力が入力される1/2分周回路228により、43Hzの周波数を有する基準タイミング信号CLK6が生成される。
【0071】
タイミング生成回路220によって生成された基準タイミング信号CLK1〜CLK6は、コモン信号生成回路230に供給される。
【0072】
図5に、図3のコモン信号生成回路230の構成例のブロック図を示す。
【0073】
コモン信号生成回路230は、デコード回路232、選択パルス生成回路234を含む。デコード回路232は、タイミング生成回路220によって生成された基準タイミング信号CLK1〜CLK6をデコードし、デコード結果を選択パルス生成回路234に出力する。選択パルス生成回路234は、デコード回路232のデコード結果と、基準タイミング信号CLK1〜CLK6とを入力する組み合わせ論理回路により構成される。そして、選択パルス生成回路234は、デコード回路232のデコード結果に基づいて、基準タイミング信号CLK1〜CLK6の論理演算結果として、フレーム信号FR、コモン信号COMD0〜COMD31を生成する。
【0074】
図6に、図5のコモン信号生成回路230の動作例の波形図を示す。図6は、1フレーム期間(1垂直走査期間)にコモン信号COMD0〜COMD31を生成する波形例を表す。
【0075】
コモン信号生成回路230は、基準タイミング信号CLK1〜CLK6のいずれかを用いてフレーム信号FRを生成し、該フレーム信号FRにより規定される1フレーム期間内の極性反転周期を分割した各コモンラインの選択期間にアクティブとなるコモン信号COMD0〜COMD31を生成する。このとき、コモン信号生成回路230は、基準タイミング信号CLK1〜CLK6を用いて例えば図6に示すような内部タイミングCLK5_A等を生成し、デコード回路232からのデコード結果に基づいてこれら内部タイミングの論理演算結果により、コモン信号COMD0〜COMD31を生成する。
【0076】
図7に、図5のコモン信号生成回路230の別の動作例の波形図を示す。図7は、1フレーム期間にコモン信号COMD0〜COMD23を生成する波形例を表す。
【0077】
コモン信号生成回路230は、基準タイミング信号CLK1〜CLK6のいずれかを用いてフレーム信号FRを生成し、該フレーム信号FRにより規定される1フレーム期間を分割した各コモンラインの選択期間にアクティブとなるコモン信号COMD0〜COMD23を生成する。このとき、コモン信号生成回路230は、基準タイミング信号CLK1〜CLK6を用いて例えば図7に示すような内部タイミングCLK5_A等を生成し、デコード回路232からのデコード結果に基づいてこれら内部タイミングの論理演算結果により、コモン信号COMD0〜COMD23を生成する。
【0078】
このようにコモン信号生成回路230は、任意のフレーム期間又は極性反転周期内に、任意の数のコモンラインの選択期間に対応したコモン信号を生成することができるようになっている。このようなコモン信号生成回路230によって生成されたコモン信号COMD0〜COMD23は、コモン出力選択回路250に供給される。
【0079】
図8に、図3のコモン出力選択回路250の構成例の回路図を示す。図8において、図3と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0080】
コモン出力選択回路250は、1又は複数のコモンライン毎にその出力がマスクされるコモンラインマスク回路252、254を含む。コモンラインマスク回路252は、制御信号COM0−7OFFにより、コモン信号COMD0〜COMD7に対してマスク制御を行ったコモン信号com0〜com7を出力する。コモンラインマスク回路254は、制御信号COM8−31OFFと検出信号SVDetの論理和演算結果である制御信号COM8−31OFFDにより、コモン信号COMD8〜COMD31に対してマスク制御を行ったコモン信号com8〜com31を出力する。
【0081】
即ち、液晶駆動回路200のコモン出力選択回路250は、1又は複数のコモンライン毎にその出力がマスクされる複数のコモンラインマスク回路を含み、複数のコモンラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したコモンラインに所与のオフ電圧を出力する。このようなコモン出力選択回路250によりマスク制御が行われたコモン信号com0〜com31は、コモンライン駆動回路270に供給される。
【0082】
図9(A)に、コモンライン駆動回路270を構成するコモン出力回路の構成例の回路図を示す。図9(A)は、コモンラインCOM0に駆動電圧を出力するコモン出力回路の構成例を表すが、他のコモンラインに駆動電圧としての選択電圧を出力するコモン出力回路も図9(A)と同様の構成を有する。
図9(B)に、セグメントライン駆動回路280を構成するセグメント出力回路の構成例の回路図を示す。図9(B)は、セグメントラインSEG0に駆動電圧を出力するセグメント出力回路の構成例を表すが、他のセグメントラインに駆動電圧を出力するセグメント出力回路も図9(B)と同様の構成を有する。
【0083】
図9(A)に示すように、コモン出力回路は、p型MOSトランジスタPTrC0と、n型MOSトランジスタNTrC0とを含み、両トランジスタのドレイン同士が接続される。この接続ノードの電圧が、液晶表示パネルのコモンラインCOM0に供給される。p型MOSトランジスタPTrC0のゲートにはコモン信号com0が供給され、ソースには駆動電圧VConが供給される。n型MOSトランジスタNTrC0のゲートにはコモン信号com0が供給され、ソースには駆動電圧VCoffが供給される。駆動電圧VConは、コモンラインCOM0の選択電圧であり、駆動電圧VCoffは、コモンラインCOM0の非選択電圧(オフ電圧)である。この駆動電圧VCon、VCoffが、駆動電圧生成回路260から供給される。
【0084】
このように、第1の実施形態では、コモンラインCOM0〜COM7とコモンラインCOM8〜COM31とを個別にマスク制御を行うことができるので、コモンラインCOM7とコモンラインCOM8とを境界に、液晶表示パネルの表示領域と非表示領域とを区分することができる。
【0085】
図9(B)に示すように、セグメント出力回路は、p型MOSトランジスタPTrS0と、n型MOSトランジスタNTrS0とを含み、両トランジスタのドレイン同士が接続される。この接続ノードの電圧が、液晶表示パネルのセグメントラインSEG0に供給される。p型MOSトランジスタPTrS0のゲートにはセグメント信号seg0が供給され、ソースには駆動電圧VSonが供給される。n型MOSトランジスタNTrS0のゲートにはセグメント信号seg0が供給され、ソースには駆動電圧VSoffが供給される。駆動電圧VSon、VSoffは、セグメントラインSEG0の駆動電圧であり、この駆動電圧VSon、VSoffが、駆動電圧生成回路260から供給される。
【0086】
図10(A)に、図9(A)のコモン出力回路により出力される駆動電圧の説明図を示す。
図10(B)に、図9(B)のセグメント出力回路により出力される駆動電圧の説明図を示す。
【0087】
図10(A)、図10(B)では、図3の駆動電圧生成回路260が駆動電圧VC5、VC4、VC3、VC2、VC1、VSSを生成するものとして説明する。ここで、駆動電圧VC5が最も電位が高く、駆動電圧VC4、VC3、VC2、VC1の順に電位が低くなり、駆動電圧VSSが最も電位が低いものとする。
【0088】
図10(A)に示すように、コモンラインCOM0〜COM31には、フレーム信号FR及びコモン信号com0〜com31の論理レベルの組み合わせに応じて駆動電圧が出力される。例えば、コモンラインCOM0には、フレーム信号FRの論理レベルと、コモンラインCOM0に対応したコモン信号com0の論理レベルとの組み合わせに応じて、駆動電圧VC1、VC5、VSS、VC4のいずれかが出力される。
【0089】
即ち、フレーム信号FRが「1」(=Hレベル)のとき、駆動電圧生成回路260からの駆動電圧VConとして駆動電圧VC5、駆動電圧VCoffとして駆動電圧VC1が供給される。また、フレーム信号FRが「0」(=Lレベル)のとき、駆動電圧生成回路260からの駆動電圧VConとして駆動電圧VC4、駆動電圧VCoffとして駆動電圧VSSが供給される。従って、フレーム信号FRが「1」で、コモン信号com0が「1」のとき、駆動電圧VC5が出力され、コモン信号com0が「0」のとき、駆動電圧VC1が出力される。また、フレーム信号FRが「0」で、コモン信号com0が「1」のとき、駆動電圧VC4が出力され、コモン信号com0が「0」のとき、駆動電圧VSSが出力される。
【0090】
同様に、例えばコモンラインCOM1には、フレーム信号FRの論理レベルと、コモン信号com1の論理レベルとの組み合わせに応じて、駆動電圧VC1、VC5、VSS、VC4のいずれかが出力される。
【0091】
第1の実施形態では、コモン信号生成回路230によって生成されたコモン信号が当該コモンラインを選択した場合であっても、コモンラインCOM8−COM31に対しては、検出信号SVDetによりマスク制御が行われて、当該コモンラインが非選択状態と同じ駆動電圧(オフ電圧)を出力することになる。
【0092】
図10(B)に示すように、セグメントラインSEG0〜SEG47には、フレーム信号FR及びセグメント信号seg0〜seg47の論理レベルの組み合わせに応じて駆動電圧が出力される。例えば、セグメントラインSEG0には、フレーム信号FRの論理レベルと、セグメントラインSEG0に対応したセグメント信号seg0の論理レベルとの組み合わせに応じて、駆動電圧VSS、VC2、VC3、VC5のいずれかが出力される。
【0093】
即ち、フレーム信号FRが「1」のとき、駆動電圧生成回路260からの駆動電圧VSonとして駆動電圧VC2、駆動電圧VSoffとして駆動電圧VSSが供給される。また、フレーム信号FRが「0」のとき、駆動電圧生成回路260からの駆動電圧VSonとして駆動電圧VC5、駆動電圧VSoffとして駆動電圧VC3が供給される。従って、フレーム信号FRが「1」で、セグメント信号seg0が「1」のとき、駆動電圧VC2が出力され、セグメント信号seg0が「0」のとき、駆動電圧VSSが出力される。また、フレーム信号FRが「0」で、セグメント信号seg0が「1」のとき、駆動電圧VC5が出力され、セグメント信号seg0が「0」のとき、駆動電圧VC3が出力される。
【0094】
同様に、例えばセグメントラインSEG1には、フレーム信号FRの論理レベルと、セグメント信号seg1の論理レベルとの組み合わせに応じて、駆動電圧VSS、VC2、VC3、VC5のいずれかが出力される。
【0095】
図11に、第1の実施形態における液晶駆動回路200が出力する駆動電圧の波形の一例を示す。図11では、液晶駆動回路200が出力する駆動電圧のうちコモンラインCOM0〜COM2、セグメントラインSEG0、SEG1の波形のみを示している。
【0096】
図11に示すように、コモン信号生成回路230の選択パルス生成回路234は、極性反転周期の1つの期間を複数の期間に分割し、各期間にコモンラインを順次選択するようにコモン信号com0〜com31を生成する。そして、各コモンラインの選択期間において、対向するセグメントラインの点灯、非点灯を指定するセグメント信号seg0〜seg47が表示メモリ122から読み出される。液晶表示パネルでは、例えばコモンラインとセグメントラインとの交差位置に対応した画素において、両ラインの電位差が閾値を超えると点灯状態となり、該閾値を超えないときに非点灯状態となる。
【0097】
例えばコモンラインCOM0とセグメントラインSEG0との交差位置に対応した画素では、図11に示す電位差となり、非点灯状態となる。一方、コモンラインCOM0とセグメントラインSEG1との交差位置に対応した画素では、図11に示す電位差となり、点灯状態となる。
【0098】
図12に、第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ100の処理例のフロー図を示す。
【0099】
例えば、ROM112には、予め図12に示す処理を実現するためのプログラムが格納されており、CPU110がROM112に格納されたプログラムを読み出して該プログラムに対応した処理を実行することで、図12に示す処理をソフトウェア処理により実現できる。或いは、電源電圧検出回路140からの検出信号SVDetが液晶駆動回路200に入力され、図12に示す処理をハードウェアで実現してもよい。
【0100】
まず、マイクロコンピュータ100では、電源電圧検出ステップとして、電源電圧検出回路140において、マイクロコンピュータ100の電源電圧VDDの低下を検出する(ステップS10)。
【0101】
次に、マイクロコンピュータ100では、駆動制御ステップとして、ステップS10において、電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき(ステップS10:Y)、液晶駆動回路200が、ステップS10ステップによる検出前の液晶表示パネルの表示領域より小さい表示領域となるように液晶表示パネルを駆動し(ステップS12)、一連の処理を終了する(エンド)。一方、マイクロコンピュータ100は、ステップS10において、電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出しなかったとき(ステップS10:N)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0102】
図13(A)、図13(B)に、第1の実施形態における液晶駆動回路200の動作例の説明図を示す。図13(A)は、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧より高い電圧である通常動作時における駆動状態を示す。図13(B)は、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧となり、液晶表示パネルの表示領域を小さくしたときの駆動状態を示す。
【0103】
図13(A)に示すように、液晶表示パネルの全コモンラインを順次選択して全画面表示を行う通常動作時に、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下となるものとする。このとき、検出信号SVDetがアクティブとなって、コモンラインCOM8〜COM31に、強制的に、いわゆる非選択電圧を出力する。
【0104】
これにより、図13(B)に示すように、セグメントラインSEG0〜SEG47に供給される駆動電圧にかかわらず、コモンラインCOM8〜COM31に対応した領域の画素を非点灯状態とすることができ、液晶表示パネルの表示領域を小さくできるようになる。
【0105】
以上のように、第1の実施形態では、電源電圧検出回路140が、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路200が、検出前の液晶表示パネルの表示領域より小さい表示領域となるように該液晶表示パネルを駆動する。こうすることで、液晶表示パネルの各コモンラインを駆動する回路の充放電電流を削減することができる。
【0106】
これにより、表示領域が小さくなるように駆動を開始した後は、液晶表示パネルの表示エリアである表示サイズの大きさにかかわらず、例えばバッテリで動作するマイクロコンピュータ100の動作時間を長くすることができるようになる。従って、それまでの間にユーザがバッテリを交換できる期間が長くなり、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0107】
また、例えば非表示領域に対応したコモンラインについては、表示メモリ122のアクセスを停止させるようにすれば、より一層、消費電力も削減できるようになる。
【0108】
なお、第1の実施形態では、マイクロコンピュータ100の構成が図1に示す構成であるものとして説明したが、本発明に係るマイクロコンピュータの構成が図1に示す構成に限定されるものではない。
【0109】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、コモンラインの駆動制御により、液晶表示パネルの表示領域を小さくする制御を行っていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第2の実施形態では、コモンラインの駆動制御のみならず、セグメントラインの駆動制御を行って、液晶表示パネルの表示領域を小さくする制御を行う。
【0110】
このような本発明に係る第2の実施形態におけるマイクロコンピュータの構成は、図1と同様であるため、図示及び説明を省略する。第2の実施形態におけるマイクロコンピュータが第1の実施形態におけるマイクロコンピュータと異なる点は、マイクロコンピュータが内蔵する液晶駆動回路の構成である。
【0111】
図14に、本発明に係る第2の実施形態における液晶駆動回路の構成例のブロック図を示す。図14において、図3と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図14においても、液晶駆動回路が駆動する液晶表示パネルがコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47を有するものとして説明する。また、図14では、液晶駆動回路が、モノクロの液晶表示パネルを駆動するものとする。
【0112】
第2の実施形態における液晶駆動回路300は、モード設定レジスタ310、タイミング生成回路220、コモン信号生成回路230、制御信号生成回路320、コモン出力選択回路250、セグメント出力選択回路330、駆動電圧生成回路260、コモンライン駆動回路270、セグメントライン駆動回路280を含む。
【0113】
モード設定レジスタ310は、バス130を介してCPU110によりアクセス可能に構成される制御レジスタであり、このモード設定レジスタ310により液晶表示パネルの表示領域(非表示領域の大きさ、形状)が指定されると共に、その他の駆動条件や駆動電圧の生成条件等が設定される。
【0114】
制御信号生成回路320は、モード設定レジスタ310に設定された設定内容に従って、液晶駆動回路300の各部を制御する制御信号を生成する。例えば、モード設定レジスタ310に、電源電圧VDDが低下したときにその表示領域が変更される液晶表示パネルの表示領域に対応したコモンラインやセグメントラインが指定されたとき、制御信号生成回路320は、このモード設定レジスタ310の設定内容にしたがって制御信号COM0−7OFF、COM8−31OFF、SEG0−7OFF、SEG8−23OFF、SEG24−47OFFを生成する。
【0115】
第2の実施形態では、制御信号COM0−7OFFは、コモンラインCOM0〜COM7の出力制御を行うための制御信号であり、制御信号COM8−31OFFは、コモンラインCOM8〜COM31の出力制御を行うための制御信号であるものとする。また、制御信号SEG0−7OFFは、セグメントラインSEG0〜SEG7の出力制御(マスク制御)を行うための制御信号であり、SEG8−23OFFは、セグメントラインSEG8〜SEG23の出力制御を行うための制御信号であり、SEG24−47OFFは、セグメントラインSEG24〜SEG47の出力制御を行うための制御信号である。
【0116】
表示メモリ122には、例えばCPU110によって生成された1画面分の表示データが記憶されており、コモン信号生成回路230からのコモン信号COMD0〜COMD31に対応したセグメント信号SEGD0〜SEGD47を出力する。
【0117】
セグメント出力選択回路330は、制御信号生成回路320によって生成された制御信号SEG0−7OFF、SEG8−23OFF、SEG24−47OFFを用いて、セグメント信号SEGD0〜SEGD47のマスク制御を行う。より具体的には、セグメント出力選択回路330は、制御信号SEG0−7OFFに基づいて、セグメント信号SEGD0〜SEGD7をマスク制御したセグメント信号seg0〜seg7を出力する。また、セグメント出力選択回路330は、制御信号SEG8−23OFFと検出信号SVDetとの論理和演算結果に基づいて、セグメント信号SEGD8〜SEGD23をマスク制御したセグメント信号seg8〜seg23を出力する。更に、セグメント出力選択回路330は、制御信号SEG24−47OFFと検出信号SVDetとの論理和演算結果に基づいて、セグメント信号SEGD24〜SEGD47をマスク制御したセグメント信号seg24〜seg47を出力する。
【0118】
図15に、図14のセグメント出力選択回路330の構成例の回路図を示す。
【0119】
セグメント出力選択回路330は、1又は複数のセグメントライン毎にその出力がマスクされるセグメントラインマスク回路332、334、336を含む。セグメントラインマスク回路332は、制御信号SEG0−7OFFにより、セグメント信号SEGD0〜SEGD7に対してマスク制御を行ったセグメント信号seg0〜seg7を出力する。セグメントラインマスク回路334は、制御信号SEG8−23OFFと検出信号SVDetの論理和演算結果である制御信号SEG8−23OFFDにより、セグメント信号SEGD8〜SEGD23に対してマスク制御を行ったセグメント信号seg8〜seg23を出力する。セグメントラインマスク回路336は、制御信号SEG24−47OFFと検出信号SVDetの論理和演算結果である制御信号SEG24−47OFFDにより、セグメント信号SEGD24〜SEGD47に対してマスク制御を行ったセグメント信号seg24〜seg47を出力する。
【0120】
即ち、液晶駆動回路300のセグメント出力選択回路330は、1又は複数のセグメントライン毎にその出力がマスクされる複数のセグメントラインマスク回路を含み、複数のセグメントラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したセグメントラインに所与のオフ電圧を出力する。このようなセグメント出力選択回路330によりマスク制御が行われたセグメント信号seg0〜seg47は、セグメントライン駆動回路280に供給される。
【0121】
従って、第2の実施形態では、コモンラインCOM0〜COM7とコモンラインCOM8〜COM31とを個別にマスク制御を行うと共に、セグメントラインSEG0〜SEG7とセグメントラインSEG8〜SEG23とセグメントラインSEG24〜SEG47とを個別にマスク制御を行うことができるので、コモンラインCOM7とコモンラインCOM8とを境界に、セグメントラインSEG7とセグメントラインSEG8とを境界に、又はセグメントラインSEG23とセグメントラインSEG24とを境界に、それぞれ液晶表示パネルの表示領域と非表示領域とを区分することができる。
【0122】
そして、第2の実施形態では、コモン信号生成回路230によって生成されたコモン信号が当該コモンラインを選択した場合であっても、コモンラインCOM8〜COM31に対しては、検出信号SVDetによりマスク制御が行われて、当該コモンラインが非選択状態と同じ駆動電圧を出力することになる。また、表示メモリ122から表示データに対応したセグメント信号SEGD0〜SEGD47を読み出した場合であっても、セグメントラインSEG8〜SEG47に対しては、検出信号SVDetによりマスク制御が行われて、当該セグメントラインに非点灯状態となる駆動電圧(オフ電圧)を出力することになる。
【0123】
図16に、第2の実施形態におけるマイクロコンピュータの処理例のフロー図を示す。
【0124】
例えば、ROM112には、予め図16に示す処理を実現するためのプログラムが格納されており、CPU110がROM112に格納されたプログラムを読み出して該プログラムに対応した処理を実行することで、図16に示す処理をソフトウェア処理により実現できる。或いは、電源電圧検出回路140からの検出信号SVDetが液晶駆動回路300に入力され、図16に示す処理をハードウェアで実現してもよい。
【0125】
まず、第2の実施形態におけるマイクロコンピュータでは、電源電圧検出ステップとして、電源電圧検出回路140において、マイクロコンピュータの電源電圧VDDの低下を検出する(ステップS20)。
【0126】
次に、このマイクロコンピュータでは、駆動制御ステップとして、ステップS20において、電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき(ステップS20:Y)、液晶駆動回路300が、正転表示と反転表示とを繰り返すように液晶表示パネルを駆動し(ステップS22)、一連の処理を終了する(エンド)。一方、マイクロコンピュータは、ステップS20において、電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出しなかったとき(ステップS20:N)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0127】
図17(A)、図17(B)に、第2の実施形態における液晶駆動回路300の動作例の説明図を示す。図17(A)は、マイクロコンピュータに供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧より高い電圧である通常動作時における駆動状態を示す。図17(B)は、マイクロコンピュータに供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧となり、液晶表示パネルの表示領域を小さくしたときの駆動状態を示す。
【0128】
図17(A)に示すように、液晶表示パネルの全コモンラインを順次選択して全画面表示を行う通常動作時に、マイクロコンピュータに供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下となるものとする。このとき、検出信号SVDetがアクティブとなって、コモンラインCOM8〜COM31に、強制的にいわゆる非選択電圧を出力すると共に、セグメントラインSEG8〜SEG47に、強制的にいわゆる非点灯状態となる駆動電圧VSoffを出力する。
【0129】
これにより、図17(B)に示すように、セグメントラインSEG0〜SEG47に供給される駆動電圧にかかわらず、コモンラインCOM8〜COM31に対応した領域の画素を非点灯状態とすることができる。また、コモンラインCOM0〜COM7が選択されているにもかかわらず、セグメントラインSEG8〜SEG47に対応した領域の画素を非点灯状態とすることができる。
【0130】
このように、第2の実施形態では、電源電圧検出回路140が、電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路300が、検出前の液晶表示パネルの表示領域より小さくなるようにした表示領域に対応したセグメントラインのみに、表示データに対応した電圧を供給して液晶表示パネルを駆動することができる。
【0131】
なお、第2の実施形態では、検出信号SVDetがアクティブになったとき、所定のコモンラインを強制的に非選択状態とすることにより非表示領域を設けると共に、所定のセグメントラインに強制的に非点灯状態となる駆動電圧VSoffを供給することにより非表示領域を設けるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。検出信号SVDetがアクティブになったとき、コモンラインを強制的に非選択状態とすることなく、所定のセグメントラインに強制的に非点灯状態となる駆動電圧VSoffを供給するだけで非表示領域を設けるようにしてもよい。
【0132】
以上のように、第2の実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、セグメントライン毎に非表示領域を設けることで表示領域が小さくなるように駆動するようにしたので、液晶表示パネルの各セグメントラインを駆動する回路の充放電電流を削減することができる。
【0133】
これにより、表示領域が小さくなるように駆動を開始した後は、液晶表示パネルの表示エリアである表示サイズの大きさにかかわらず、例えばバッテリで動作するマイクロコンピュータの動作時間を長くすることができるようになる。従って、それまでの間にユーザがバッテリを交換できる期間が長くなり、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0134】
〔第3の実施形態〕
第1の実施形態における液晶駆動回路200と第2の実施形態における液晶駆動回路300では、マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出したとき、液晶表示パネルの表示領域を小さくすることで、消費電力を削減してバッテリの駆動時間を長くするようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第3の実施形態では、マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出したとき、簡素な制御で表示内容を変化させることで、ユーザにバッテリの交換を促すようにしている。
【0135】
図18に、本発明に係る第3の実施形態における液晶駆動回路の構成例のブロック図を示す。図18において、図14と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図18においても、液晶駆動回路が駆動する液晶表示パネルがコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47を有するものとして説明する。また、図18では、液晶駆動回路が、モノクロの液晶表示パネルを駆動するものとする。
【0136】
第3の実施形態における液晶駆動回路400は、モード設定レジスタ410、タイミング生成回路220、コモン信号生成回路230、制御信号生成回路420、コモン出力選択回路250、セグメント出力選択回路430、駆動電圧生成回路260、コモンライン駆動回路270、セグメントライン駆動回路280を含む。
【0137】
ここで、コモン出力選択回路250は、第2の実施形態のように制御信号COM8−31OFFと検出信号SVDetとの論理演算を行うことなく、制御信号COM8−31OFFのみに基づいて、コモン信号のマスク制御を行う。即ち、第3の実施形態では、マイクロコンピュータの電源電圧が低下して検出信号SVDetがアクティブになったとき、例えばCPU110の割り込み処理においてCPU110がモード設定レジスタ410にアクセスして、コモン信号やセグメント信号のマスク制御や、セグメント信号の正転出力と反転出力とを交互に出力させる。或いは、検出信号SVDetが制御信号生成回路420に入力されて、CPU110のソフトウェア処理を介在することなく、制御信号生成回路420が、コモン信号やセグメント信号のマスク制御や、セグメント信号の正転出力と反転出力とを交互に出力させるようにしてもよい。以下では、CPU110のソフトウェア処理によって、コモン信号やセグメント信号のマスク制御や、セグメント信号の正転出力と反転出力とを交互に出力させるものとする。
【0138】
モード設定レジスタ410は、バス130を介してCPU110によりアクセス可能に構成される制御レジスタであり、このモード設定レジスタ410により液晶表示パネルの表示領域(非表示領域の大きさ、形状)が指定されると共に、その他の駆動条件や駆動電圧の生成条件等が設定される。モード設定レジスタ410には、第2の実施形態と同様に表示領域を指定するための制御データが設定されると共に、電源電圧が低下したときに正転表示と反転表示とを繰り返す表示モードに設定するための制御データが設定される。
【0139】
制御信号生成回路420は、モード設定レジスタ410に設定された設定内容に従って、液晶駆動回路400の各部を制御する制御信号を生成する。例えば、モード設定レジスタ410に、マイクロコンピュータ100の電源電圧が低下したとき、液晶表示パネルの表示領域を正転表示と反転表示とを繰り返す表示モードが指定されたとき、制御信号生成回路420は、このモード設定レジスタ410の設定内容にしたがって制御信号XDISP(広義には正転反転制御信号)を生成する。
【0140】
なお、マイクロコンピュータ100の電源電圧が低下したとき、液晶表示パネルの表示領域を正転表示と反転表示とを繰り返すのではなく、表示領域を小さくするようにモード設定レジスタ410に指定された場合には、第2の実施形態と同様に、モード設定レジスタ410の設定内容にしたがって制御信号COM0−7OFF、COM8−31OFF、SEG0−7OFF、SEG8−23OFF、SEG24−47OFFを生成してもよい。
【0141】
セグメント出力選択回路430は、制御信号XDISPに基づいて、セグメントラインに対応する表示データの正転出力と反転出力とを交互に出力する。また、セグメント出力選択回路430は、制御信号生成回路420によって生成された制御信号SEG0−7OFF、SEG8−23OFF、SEG24−47OFFを用いて、セグメント信号SEGD0〜SEGD47のマスク制御を行う。より具体的には、セグメント出力選択回路430は、制御信号SEG0−7OFFに基づいて、セグメント信号SEGD0〜SEGD7をマスク制御したセグメント信号seg0〜seg7を出力する。また、セグメント出力選択回路430は、制御信号SEG8−23OFFと検出信号SVDetとの論理和演算結果に基づいて、セグメント信号SEGD8〜SEGD23をマスク制御したセグメント信号seg8〜seg23を出力する。更に、セグメント出力選択回路430は、制御信号SEG24−47OFFと検出信号SVDetとの論理和演算結果に基づいて、セグメント信号SEGD24〜SEGD47をマスク制御したセグメント信号seg24〜seg47を出力する。
【0142】
図19に、図18のセグメント出力選択回路430の構成例の回路図を示す。
【0143】
セグメント出力選択回路430では、制御信号XDISPに基づいて、セグメント信号SEGD0〜SEGD47の各ビットの信号の正転信号又は反転信号を生成する。そのため、セグメント出力選択回路430は、制御信号XDISPに基づいて、セグメントラインに対応する表示データの正転出力と反転出力とを交互に出力する表示データ反転回路としての排他的論理和回路を含む。各排他的論理和回路は、制御信号XDISPが「1」のとき、セグメント信号の反転信号を出力し、制御信号XDISPが「0」のとき、セグメント信号の正転信号を出力する。
【0144】
図19では、セグメント出力選択回路430は、更に、第2の実施形態と同様のセグメントラインマスク回路332、334、336を含むことができる。これにより、正転表示と反転表示を繰り返す表示モードが指定されない場合であっても、第2の実施形態と同様に、コモンラインCOM0〜COM7とコモンラインCOM8〜COM31とを個別にマスク制御を行うと共に、セグメントラインSEG0〜SEG7とセグメントラインSEG8〜SEG23とセグメントラインSEG24〜SEG47とを個別にマスク制御を行うことができる。この結果、コモンラインCOM7とコモンラインCOM8とを境界に、セグメントラインSEG7とセグメントラインSEG8とを境界に、又はセグメントラインSEG23とセグメントラインSEG24とを境界に、それぞれ液晶表示パネルの表示領域と非表示領域とを区分することができる。
【0145】
従って、第3の実施形態では、表示メモリ122から表示データに対応したセグメント信号SEGD0〜SEGD47を読み出した場合であっても、セグメントラインSEG8〜SEG47に対しては、制御信号XDISPにより表示データの正転出力と反転出力とが交互に出力されて、当該セグメントラインの正転表示と反転表示とを繰り返す制御が行われる。
【0146】
一方、正転表示と反転表示とを交互に繰り返す表示モードに設定されずに、表示領域を小さくするモードに設定された場合に、第2の実施形態と同様に、コモン信号生成回路230によって生成されたコモン信号が当該コモンラインを選択した場合であっても、コモンラインCOM8〜COM31に対してマスク制御が行われて、当該コモンラインが非選択状態と同じ駆動電圧を出力することになる。また、表示メモリ122から表示データに対応したセグメント信号SEGD0〜SEGD47を読み出した場合であっても、セグメントラインSEG8〜SEG47に対してマスク制御が行われて、当該セグメントラインに非点灯状態となる駆動電圧(オフ電圧)を出力することになる。
【0147】
以上のように、第3の実施形態では、電源電圧検出回路140が、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路400が、正転表示と反転表示とを交互に繰り返すように該液晶表示パネルを駆動する。こうすることで、複雑な処理を行うことなく低消費電力で、ユーザに対して、システム動作が不安定になるまでの間にバッテリの交換を促すことができ、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0148】
〔第4の実施形態〕
第1〜第3の実施形態では、マイクロコンピュータの電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下となったことが検出されたとき、非表示領域を設けるために、例えばコモンラインには駆動電圧VCoff、セグメントラインには駆動電圧VSoffを出力するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第4の実施形態では、非表示領域を設けるために、駆動電圧VCoff以外の電圧をコモンラインに出力したり、駆動電圧VSoff以外の電圧をセグメントラインに出力したりできる。
【0149】
このような第4の実施形態における液晶駆動回路の構成が第1〜第3の実施形態における液晶駆動回路の構成と異なる点は、コモンライン駆動回路を構成するコモン出力回路又はセグメントライン駆動回路を構成するセグメント出力回路である。その他の構成は、第1〜第3の実施形態と同様であるため、図示及び詳細な説明を省略する。
【0150】
図20(A)に、第4の実施形態におけるコモンライン駆動回路を構成するコモン出力回路の構成例の回路図を示す。図20(A)は、コモンラインCOM8に駆動電圧を出力するコモン出力回路の構成例を表すが、他のコモンラインに駆動電圧としての選択電圧を出力するコモン出力回路も図20(A)と同様の構成を有する。
図20(B)に、第4の実施形態におけるセグメントライン駆動回路を構成するセグメント出力回路の構成例の回路図を示す。図20(B)は、セグメントラインSEG8に駆動電圧を出力するセグメント出力回路の構成例を表すが、他のセグメントラインに駆動電圧を出力するセグメント出力回路も図20(B)と同様の構成を有する。
【0151】
図20(A)に示すように、コモン出力回路は、p型MOSトランジスタPTrC8と、n型MOSトランジスタNTrC8とを含み、両トランジスタのドレイン同士が接続される。この接続ノードの電圧が、液晶表示パネルのコモンラインCOM8に供給される。更に、このコモン出力回路は、第1及び第2のゲート制御回路GAC8、GDC8、出力トランジスタCTrC8を含む。第1のゲート制御回路GAC8は、制御信号COM8−31OFFの反転信号とコモン信号com8との論理積否定演算結果を、p型MOSトランジスタPTrC8のゲートに供給する。第2のゲート制御回路GDC8は、制御信号COM8−31OFFとコモン信号com8と論理和否定演算結果を、n型MOSトランジスタNTrC8のゲートに供給する。
【0152】
p型MOSトランジスタPTrC8のソースには駆動電圧VConが供給される。n型MOSトランジスタNTrC8のソースには駆動電圧VCoffが供給される。駆動電圧VConは、コモンラインCOM8の選択電圧であり、駆動電圧VCoffは、コモンラインCOM8の非選択電圧である。
【0153】
出力トランジスタCTrC8は、n型MOSトランジスタにより構成される。出力トランジスタCTrC8のソースには、オフ電圧VCcutが供給され、ドレインはp型MOSトランジスタPTrC8及びn型MOSトランジスタNTrC8の接続ノードに接続される。この出力トランジスタCTrC8のゲートには、制御信号COM8−31OFFが供給される。
【0154】
このコモン出力回路は、制御信号COM8−31OFFにより、コモン信号com8にかかわらず、オフ電圧VCcutが出力される。このように、非表示領域のコモンラインに、駆動電圧VCoffと異なるオフ電圧VCcutを出力できるので、オフ電圧VCcutを任意の電圧とすることができる。このようなオフ電圧VCcutとしては、駆動電圧VSS、VC2、VC3等の中間電位の電圧を採用することができる。
【0155】
図20(B)に示すように、セグメント出力回路は、p型MOSトランジスタPTrS8と、n型MOSトランジスタNTrS8とを含み、両トランジスタのドレイン同士が接続される。この接続ノードの電圧が、液晶表示パネルのセグメントラインSEG8に供給される。更に、このセグメント出力回路は、第1及び第2のゲート制御回路GAS8、GDS8、出力トランジスタCTrS8を含む。第1のゲート制御回路GAS8は、制御信号SEG8−23OFFの反転信号とセグメント信号seg8との論理積否定演算結果を、p型MOSトランジスタPTrS8のゲートに供給する。第2のゲート制御回路GDS8は、制御信号SEG8−23OFFとセグメント信号seg8と論理和否定演算結果を、n型MOSトランジスタNTrS8のゲートに供給する。
【0156】
p型MOSトランジスタPTrS8のソースには駆動電圧VSonが供給される。n型MOSトランジスタNTrS8のソースには駆動電圧VSoffが供給される。駆動電圧VSon、VSoffは、セグメントラインSEG8の駆動電圧であり、この駆動電圧VSon、VSoffが、駆動電圧生成回路260から供給される。
【0157】
出力トランジスタCTrS8は、n型MOSトランジスタにより構成される。出力トランジスタCTrS8のソースには、オフ電圧VScutが供給され、ドレインはp型MOSトランジスタPTrS8及びn型MOSトランジスタNTrS8の接続ノードに接続される。この出力トランジスタCTrS8のゲートには、制御信号SEG8−23OFFが供給される。
【0158】
このセグメント出力回路は、制御信号SEG8−23OFFにより、セグメント信号seg8にかかわらず、オフ電圧VScutを出力する。このように、非表示領域のセグメントラインに、駆動電圧VSoffと異なるオフ電圧VScutを出力できるので、オフ電圧VScutを任意の電圧とすることができる。このようなオフ電圧VScutとしては、駆動電圧VSS、VC2、VC3等の中間電位の電圧を採用することができる。
【0159】
また、駆動電圧VCoffと駆動電圧VSoffとが異なる電圧である場合であっても、コモンラインのオフ電圧VCcutとセグメントラインのオフ電圧VScutを共通の電圧とすることで、確実に非表示領域を設けることができるようになる。
【0160】
以上のように、第4の実施形態によれば、非表示領域に出力オフ電圧を、コモンラインの駆動電圧VCoffやセグメントラインの駆動電圧VSoffとは異なる電圧とすることができる。これにより、液晶表示パネルの種類に依存することなく、電源電圧が低下した場合でも、システム動作が不安定になる事態をできるだけ回避することができるマイクロコンピュータ等を提供できるようになる。
【0161】
2. 電子機器
以上の第1〜第4の実施形態における液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータは、時計や携帯電話機等に代表される携帯型の電子機器に搭載することができる。
【0162】
図21に、本発明に係る電子機器の構成例のブロック図を示す。図21は、第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ100が搭載される電子機器のブロック図を表す。
【0163】
以下では、図21の電子機器が、第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ100を搭載するものとして説明するが、図21のマイクロコンピュータに代えて、第2〜第4の実施形態のいずれかにおける液晶駆動回路を内蔵したマイクロコンピュータを搭載していてもよい。
【0164】
図21に示す電子機器600は、第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ100と、マイクロコンピュータ100の電源電圧を供給するバッテリ700と、マイクロコンピュータ100が内蔵する液晶駆動回路200によって駆動される液晶表示パネル800とを含む。液晶表示パネル800は、ドットマトリクス型の液晶表示パネルである。この構成を有する電子機器600は、バッテリ700が出力する電源電圧が低下した場合であっても、ユーザがバッテリを交換しやすくなって、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0165】
図22に、図21の液晶表示パネル800の概略構成図を示す。
【0166】
液晶表示パネル800は、コモンラインCOM0〜COM31、セグメントラインSEG0〜SEG47を有する。コモンラインCOM0〜COM31は、セグメントラインSEG0〜SEG47に交差するように配置されている。このような液晶表示パネル800は、一対の透明なガラス基板の間に、透明電極で形成され互いに交差するように配置されたコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47、配向膜及び液晶を封入して形成される。
【0167】
マイクロコンピュータ100が有するコモンライン用の出力電極及びセグメントライン用の出力電極が、図20のコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47と電気的に接続される。
【0168】
マイクロコンピュータ100は、液晶表示パネル800のコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47を駆動する。液晶表示パネル800では、各コモンラインと各セグメントラインとの交差位置に対応した画素において、両電極の電位差に応じてバックライトからの光の通過率が制御されて、点灯又は非点灯が行われる。
【0169】
以上、本発明に係るマイクロコンピュータ、その制御方法及び電子機器を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0170】
(1)上記の各実施形態では、液晶表示パネルが有する電極をコモンライン及びセグメントラインとして説明したが、本発明はこれらの電極の名称に限定されるものではない。
【0171】
(2)上記の各実施形態において、コモンライン数が「32」、セグメントライン数が「48」であるものとして説明したが、本発明は、コモンライン数やセグメントライン数に限定されるものではない。
【0172】
(3)上記の各実施形態において、本発明を、マイクロコンピュータ、その制御方法及び電子機器として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明を実現するためのマイクロコンピュータの制御方法の処理手順が記述されたプログラムや、該プログラムが記録された記録媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】本発明に係る第1の実施形態におけるマイクロコンピュータの構成例のブロック図。
【図2】図1の電源電圧検出回路の構成例のブロック図。
【図3】図1の液晶駆動回路の構成例のブロック図。
【図4】図3のタイミング生成回路の構成例のブロック図。
【図5】図3のコモン信号生成回路の構成例のブロック図。
【図6】図5のコモン信号生成回路の動作例の波形図。
【図7】図5のコモン信号生成回路の別の動作例の波形図。
【図8】図3のコモン出力選択回路の構成例の回路図。
【図9】図9(A)はコモンライン駆動回路を構成するコモン出力回路の構成例の回路図。図9(B)はセグメントライン駆動回路を構成するセグメント出力回路の構成例の回路図。
【図10】図10(A)は図9(A)のコモン出力回路により出力される駆動電圧の説明図。図10(B)は図9(B)のセグメント出力回路により出力される駆動電圧の説明図。
【図11】第1の実施形態における液晶駆動回路が出力する駆動電圧の波形の一例を示す図。
【図12】第1の実施形態におけるマイクロコンピュータの処理例のフロー図。
【図13】図13(A)、図13(B)は第1の実施形態における液晶駆動回路の動作例の説明図。
【図14】本発明に係る第2の実施形態における液晶駆動回路の構成例のブロック図。
【図15】図14のセグメント出力選択回路の構成例の回路図。
【図16】第2の実施形態におけるマイクロコンピュータの処理例のフロー図。
【図17】図17(A)、図17(B)は第2の実施形態における液晶駆動回路の動作例の説明図。
【図18】本発明に係る第3の実施形態における液晶駆動回路の構成例のブロック図。
【図19】図18のセグメント出力選択回路の構成例の回路図。
【図20】図20(A)は第4の実施形態におけるコモンライン駆動回路を構成するコモン出力回路の構成例の回路図。図20(B)は第4の実施形態におけるセグメントライン駆動回路を構成するセグメント出力回路の構成例の回路図。
【図21】本発明に係る電子機器の構成例のブロック図。
【図22】図21の液晶表示パネルの概略構成図。
【符号の説明】
【0174】
100…マイクロコンピュータ、 110…CPU、 112…ROM、
114…RAM、 116…第1の周辺回路、 118…第2の周辺回路、
120…I/Oポート、 122…表示メモリ、 126…電源回路、 130…バス、
140…電源電圧検出回路、 142…電圧比較回路、 144…出力ラッチ回路、
146…比較電圧設定回路、 148…動作設定レジスタ、 150…動作スイッチ、
200,300,400…液晶駆動回路、
210,310,410…モード設定レジスタ、
220…タイミング生成回路、 222…位相調整回路、
224…複数の1/2分周回路、 226…1/3分周回路、
228…1/2分周回路、 230…コモン信号生成回路、 232…デコード回路、
234…選択パルス生成回路、 240,320,420…制御信号生成回路、
250…コモン出力選択回路、 252,254…コモンラインマスク回路、
260…駆動電圧生成回路、 270…コモンライン駆動回路、
280…セグメントライン駆動回路、 330,430…セグメント出力選択回路、
332,334,336…セグメントラインマスク回路、 600…電子機器、
700…バッテリ、 800…液晶表示パネル、 CLK0…基準クロック、
CLK1〜CLK6…基準タイミング信号、 COM0〜COM31…コモンライン、
COM0−7OFF,COM8−31OFF,COM8−31OFFD,SEG0−7OFF,SEG8−23OFF,SEG8−23OFFD,SEG24−47OFF,SEG24−47OFFD,XDISP…制御信号、
COMD0〜COMD31,com0〜com31…コモン信号、
FR…フレーム信号、 SEG0〜SEG47…セグメントライン、
SEGD0〜SEGD47,seg0〜seg47…セグメント信号、
SVDet…検出信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロコンピュータ、マイクロコンピュータの制御方法及びマイクロコンピュータを内蔵する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
時計や携帯電話機等に代表される携帯型の電子機器の表示装置として、小型化及び低消費電力化が可能で、種々の画像を表示できるドットマトリクス型の液晶表示パネル(広義には液晶表示装置)が採用されることが多い。このような電子機器を制御するマイクロコンピュータに、液晶表示パネルを駆動する液晶駆動回路を内蔵することで、低消費電力化及び低コスト化を図ることができる。
【0003】
マイクロコンピュータに内蔵される液晶駆動回路の低消費電力化を図る技術については、例えば特許文献1〜特許文献7に開示されている。特許文献1には、画面内の一部領域を表示領域とし、他の領域を非表示領域とし、一部領域の位置、面積や表示内容を任意の時間間隔で変化させることで、低消費電力を維持した状態で表示の面白みを持たせる技術が開示されている。特許文献2には、省電力動作モードの時にはアイコン部分のみを表示することで、消費電力を大幅に低減できるようにした技術が開示されている。また、特許文献3〜特許文献7には、全面表示から一部の行のみの表示に切り替え、液晶表示パネルの一部に選択的に低電圧、低デューティ駆動で表示を行うようにすることで、低消費電力化を図る技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−112435号公報
【特許文献2】特開平10−207438号公報
【特許文献3】特開平10−214063号公報
【特許文献4】特開平11−311980号公報
【特許文献5】特開2004−4816号公報
【特許文献6】特開2006−133804号公報
【特許文献7】特開2006−317971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータは、バッテリ駆動の電子機器に搭載されることが多い。しかしながら、バッテリから供給される電源電圧が低下してしまうと、特許文献1〜特許文献7に開示された技術であっても、突然の電源電圧の低下によってシステム動作が不安定となる可能性がある。また、特許文献2では、昇圧回路、電圧調整回路、バイアス電圧発生回路や電圧安定化回路等を使用しないことで、電圧レベルを下げたり回路自体の消費電力を削減したりして低消費電力化を図るため、液晶表示パネルの表示サイズが大きくなっても、低消費電力の効果を十分に得ることができない。
【0006】
このように特許文献1〜7に開示された技術では、液晶表示パネルに接続されバッテリ駆動のマイクロコンピュータの電源電圧が突然低下した場合に、バッテリを交換するまでの時間がないままにシステム動作が不安定になったりしてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、電源電圧が低下した場合でも、システム動作が不安定になる事態をできるだけ回避することができるマイクロコンピュータ、その制御方法及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータであって、中央演算処理装置と、前記中央演算処理装置によって制御され、前記液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路と、前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出回路とを含み、前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、前記電源電圧検出回路による検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータに関係する。
【0009】
本発明によれば、電源電圧検出回路が、マイクロコンピュータに供給される電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路が、検出前の液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように該液晶表示装置を駆動するようにしたので、液晶表示装置の各コモンラインを駆動する回路の充放電電流を削減することができる。これにより、表示領域が小さくなるように駆動を開始した後は、液晶表示装置の表示エリアである表示サイズの大きさにかかわらず、例えばバッテリで動作するマイクロコンピュータの動作時間を長くすることができるようになる。従って、それまでの間にユーザがバッテリを交換できる期間が長くなり、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0010】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、変更後の表示領域に対応したコモンラインのみ選択するように前記液晶表示装置を駆動することができる。
【0011】
本発明によれば、表示領域に対応したコモンラインのみを選択して、検出前の表示領域より小さくなるように表示するようにしたので、簡素な制御で、ユーザがバッテリを交換できる期間を長くして、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0012】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記液晶駆動回路は、1又は複数のコモンライン毎にその出力がマスクされる複数のコモンラインマスク回路を含み、前記複数のコモンラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したコモンラインに所与のオフ電圧を出力することができる。
【0013】
本発明によれば、簡素な構成で、表示領域に対応したコモンラインのみを選択できるようになる。
【0014】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、表示データに対応した電圧を、変更後の表示領域に対応したセグメントラインのみに供給して前記液晶表示装置を駆動することができる。
【0015】
本発明によれば、表示領域に対応したセグメントラインのみに、表示データに対応した電圧を供給するようにして、検出前の表示領域より小さくなるように表示するようにしたので、簡素な制御で、ユーザがバッテリを交換できる期間を長くして、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0016】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記液晶駆動回路は、1又は複数のセグメントライン毎にその出力がマスクされる複数のセグメントラインマスク回路を含み、前記複数のセグメントラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したセグメントラインに所与のオフ電圧を出力することができる。
【0017】
本発明によれば、簡素な構成で、表示領域に対応したセグメントラインに、表示データに対応した電圧を出力できるようになる。
【0018】
また本発明は、互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータであって、中央演算処理装置と、前記中央演算処理装置によって制御され、前記液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路と、前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出回路とを含み、前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、正転表示と反転表示とを繰り返すように前記液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータに関係する。
【0019】
本発明によれば、電源電圧検出回路が、マイクロコンピュータに供給される電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路が、正転表示と反転表示とを交互に繰り返すように該液晶表示装置を駆動するようにしたので、複雑な処理を行うことなく低消費電力で、ユーザに対して、システム動作が不安定になるまでの間にバッテリの交換を促すことができ、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0020】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記液晶駆動回路が、正転反転制御信号に基づいて、セグメントラインに対応する表示データの正転出力と反転出力とを交互に出力する表示データ反転回路を含むことができる。
【0021】
本発明によれば、簡素な構成で、正転表示と反転表示とを交互に繰り返すように該液晶表示装置を駆動することができるようになる。
【0022】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記電源電圧検出回路が、前記マイクロコンピュータの電源電圧と前記閾値電圧とを比較する電圧比較回路と、前記電圧比較回路による比較結果をラッチする出力ラッチ回路とを含み、前記液晶駆動回路が、前記出力ラッチ回路にラッチされた前記比較結果に基づいて、前記電源電圧検出回路による検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動することができる。
【0023】
また本発明に係るマイクロコンピュータでは、前記電源電圧検出回路は、前記閾値電圧が設定される比較電圧設定回路と、前記電圧比較回路の動作をイネーブル状態に設定するための動作設定レジスタとを含み、前記電圧比較回路が、前記マイクロコンピュータの電源電圧と前記比較電圧設定回路に設定された前記閾値電圧とを比較することができる。
【0024】
上記のいずれかの発明によれば、ハードウェアを用いた処理又はソフトウェア処理によって、電源電圧検出回路の検出結果を容易に取得できるようになり、マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出したときの制御を簡素な構成で実現できるようになる。
【0025】
また本発明は、互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータの制御方法であって、前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出ステップと、前記電源電圧検出ステップにおいて、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、前記電源電圧検出ステップによる検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動する駆動制御ステップとを含むマイクロコンピュータの制御方法に関係する。
【0026】
本発明によれば、マイクロコンピュータに供給される電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、検出前の液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように該液晶表示装置を駆動するようにしたので、液晶表示装置の各コモンラインを駆動する回路の充放電電流を削減することができる。これにより、表示領域が小さくなるように駆動を開始した後は、液晶表示装置の表示エリアである表示サイズの大きさにかかわらず、例えばバッテリで動作するマイクロコンピュータの動作時間を長くすることができるようになる。従って、それまでの間にユーザがバッテリを交換できる期間が長くなり、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0027】
また本発明に係るマイクロコンピュータの制御方法では、前記駆動制御ステップにおいて、前記液晶駆動回路が、変更後の表示領域に対応したコモンラインのみを選択するように前記液晶表示装置を駆動することができる。
【0028】
本発明によれば、表示領域に対応したコモンラインのみを選択して、検出前の表示領域より小さくなるように表示するようにしたので、簡素な制御で、ユーザがバッテリを交換できる期間を長くして、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0029】
また本発明に係るマイクロコンピュータの制御方法では、前記駆動制御ステップにおいて、前記液晶駆動回路が、表示データに対応した電圧を、変更後の表示領域に対応したセグメントラインのみに供給して前記液晶表示装置を駆動することができる。
【0030】
本発明によれば、表示領域に対応したセグメントラインのみに、表示データに対応した電圧を供給するようにして、検出前の表示領域より小さくなるように表示するようにしたので、簡素な制御で、ユーザがバッテリを交換できる期間を長くして、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0031】
また本発明は、互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータの制御方法であって、前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出ステップと、前記電源電圧検出ステップにおいて、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、正転表示と反転表示とを繰り返すように前記液晶表示装置を駆動する駆動制御ステップとを含むマイクロコンピュータの制御方法に関係する。
【0032】
本発明によれば、マイクロコンピュータに供給される電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、正転表示と反転表示とを交互に繰り返すように該液晶表示装置を駆動するようにしたので、複雑な処理を行うことなく低消費電力で、ユーザに対して、システム動作が不安定になるまでの間にバッテリの交換を促すことができ、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0033】
また本発明は、バッテリと、前記バッテリにより電源電圧が供給される上記のいずれか記載のマイクロコンピュータと、互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置とを含み、前記マクロコンピュータが、前記コモンライン及び前記セグメントラインを駆動する電子機器に関係する。
【0034】
本発明によれば、バッテリの電源電圧が低下した場合でも、システム動作が不安定になる事態をできるだけ回避することができる電子機器を提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0036】
1. マイクロコンピュータ
〔第1の実施形態〕
図1に、本発明に係る第1の実施形態におけるマイクロコンピュータの構成例のブロック図を示す。
【0037】
第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ100は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下、CPUと略す)110、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)114、第1及び第2の周辺回路116、118、I/O(Input/Output)ポート120、表示メモリ122、電源電圧検出回路140、液晶駆動回路200、電源回路126、及びバス130を含む。これらの回路ブロックは、半導体基板(広義には基板、チップ)に形成される。CPU110、ROM112、RAM114、第1及び第2の周辺回路116、118、I/Oポート120、表示メモリ122、電源電圧検出回路140、液晶駆動回路200、及び電源回路126は、バス130を介し電気的に接続される。
【0038】
このマイクロコンピュータ100は、外部端子群P1、P2、外部端子P3を有する。外部端子群P1、P2は、それぞれ複数の端子により構成される。外部端子群P1、P2を構成する各端子、外部端子P3は、当該端子に対応して設けられたI/O(Input/Output)回路と電気的に接続され半導体基板(チップ)上に形成されたパッドを有する。各パッドとこれに対応するIC(Integrated Circuit)パッケージのピンとがボンディングワイヤを介して電気的に接続される。
【0039】
CPU110は、ROM112又はRAM114に記憶されたプログラムをバス130を介して読み出し、該プログラムに対応した処理を実行することで、マイクロコンピュータ100の全体の制御を司る。
【0040】
ROM112には、CPU110のプログラム又は各種の制御データが予め記憶されており、CPU110又は他の回路がバス130を介してROM112からプログラム又は制御データを読み出す。
【0041】
RAM114には、CPU110、第1及び第2の周辺回路116、118、及びI/Oポート120のワークエリアとして、データが一時的に格納されたり、表示メモリ122に格納される表示データが一時的に格納されたりする。
【0042】
第1の周辺回路116は、例えば割り込みコントローラ、タイマ回路やウオッチドッグタイマにより構成され、バス130を介してCPU110により設定された条件で動作し、その動作結果をCPU110に通知することができるようになっている。
【0043】
第2の周辺回路118は、例えばプログラマブルタイマやシリアルインターフェス回路により構成され、バス130を介してCPU110により設定された条件で動作し、I/Oポート120を経由して、外部端子群P2を介して信号が入力又は出力されるようになっている。
【0044】
I/Oポート120は、汎用ポートとして機能し、外部端子群P2を構成する端子のいずれかを介して信号の入力や出力が行われる。
【0045】
表示メモリ122には、CPU110により生成された図示しない液晶表示パネル(広義には、液晶表示装置)の1画面分の表示データが記憶される。表示メモリ122に記憶された表示データは、液晶駆動回路200に送られる。外部端子群P1には、液晶表示パネルのコモンラインやセグメントラインが電気的に接続される。液晶駆動回路200は、CPU110により設定された表示駆動条件で、外部端子群P1を介して液晶表示パネルを駆動する制御を行う。
【0046】
電源回路126は、外部端子P3を介して外部から供給される電源電圧に基づいて、マイクロコンピュータ100を構成する各回路ブロックの電源を生成する。この電源回路126は、バス130を介してCPU110により設定された条件で、各回路ブロックの電源電圧を生成する。
【0047】
電源電圧検出回路140は、マイクロコンピュータ100の電源電圧の低下を検出する。より具体的には、電源電圧検出回路140は、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したか否かを検出する。この電源電圧検出回路140の検出結果は、バス130を介してCPU110に取得されてもよいし、該検出結果に対応した検出信号が、マイクロコンピュータ100のCPU110又は液晶駆動回路200にそのまま入力されてもよい。
【0048】
このようなマイクロコンピュータ100は、ROM112又はRAM114から読み出されたプログラムに従って1画面の表示データを生成し、該表示データを表示メモリ122に格納する。そして、液晶駆動回路200は、表示メモリ122に格納された表示データを読み出し、該表示データ(画像信号)に対応した駆動信号を用いて、互いに交差する複数のコモンライン及び複数のセグメントラインを有するドットマトリクス型の液晶表示パネルを駆動する制御を行う。即ち、マイクロコンピュータ100では、内蔵する液晶駆動回路200が、CPU110によって生成された表示データに対応した駆動信号を用いて、液晶表示パネルを駆動することができる。
【0049】
図2に、図1の電源電圧検出回路140の構成例のブロック図を示す。図2において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0050】
電源電圧検出回路140は、電圧比較回路142、出力ラッチ回路144、比較電圧設定回路146、動作設定レジスタ148、動作スイッチ150を含む。電圧比較回路142は、外部端子P3を介して外部から供給されるマイクロコンピュータ100の電源電圧VDDと、閾値電圧として設定された比較電圧とを比較する。この電圧比較回路142の比較結果は出力ラッチ回路144にラッチされ、出力ラッチ回路144のラッチ信号が検出信号SVDetとして出力される。
【0051】
比較電圧設定回路146には、バス130を介してCPU110により比較電圧が設定される。動作設定レジスタ148は、電圧比較回路142の動作をイネーブル状態に設定したり出力ラッチ回路144のラッチ信号を初期化したりするための制御レジスタであり、バス130を介してCPU110によりアクセスされる。動作スイッチ150は、ソースに接地電圧VSSが供給され、ゲートに動作設定レジスタ148からの制御信号が供給されるn型の金属酸化膜半導体(Metal Oxide Semiconductor:以下、MOSと略す)トランジスタにより構成される。
【0052】
動作設定レジスタ148によりイネーブル状態が設定されると、動作スイッチ150が導通状態となり、電圧比較回路142の比較動作を行う。このような電圧比較回路142の機能は、例えば演算増幅器により構成されるコンパレータにより実現される。また、動作設定レジスタ148にアクセスすることにより出力ラッチ回路144の初期化が指示されると、出力ラッチ回路144は、ラッチデータを初期化する。
【0053】
このように、電源電圧検出回路140では、電源電圧VDDが比較電圧設定回路146により設定された比較電圧以下の電位となったときに検出信号SVDetがアクティブとなる。そのため、検出信号SVDetが入力される回路において、電源電圧VDDの電位が低下したときの制御を行うことができる。
【0054】
なお、電源電圧検出回路140からの検出信号SVDetをCPU110の割り込み信号として採用することで、CPU110によるソフトウェア処理によって、マイクロコンピュータ100の各部を制御する割り込み制御を行ってもよい。また、電源電圧検出回路140において、出力ラッチ回路144のラッチデータを、バス130を介してCPU110が取得可能に構成することで、ソフトウェア処理によって、電源電圧VDDの電位が低下したときの制御を、ポーリング制御によって実現してもよい。
【0055】
第1の実施形態では、電源電圧検出回路140が、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路200が、電源電圧検出回路140による検出前の液晶表示パネルの表示領域より小さい表示領域となるように該液晶表示パネルを駆動する。このように、通常動作状態である検出前の表示領域より小さい表示領域となるように駆動することで、液晶表示装置の各コモンラインや各セグメントラインを駆動する回路の充放電電流を削減することができる。
【0056】
図3に、図1の液晶駆動回路200の構成例のブロック図を示す。図3において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図3では、液晶駆動回路200が駆動する液晶表示パネルがコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47を有するものとして説明する。また、図3では、液晶駆動回路200が、モノクロの液晶表示パネルを駆動するものとする。
【0057】
液晶駆動回路200は、モード設定レジスタ210、タイミング生成回路220、コモン信号生成回路230、制御信号生成回路240、コモン出力選択回路250、駆動電圧生成回路260、コモンライン駆動回路270、セグメントライン駆動回路280を含む。
【0058】
モード設定レジスタ210は、バス130を介してCPU110によりアクセス可能により構成される制御レジスタであり、このモード設定レジスタ210により液晶表示パネルの表示領域(非表示領域の大きさ、形状)が指定されると共に、その他の駆動条件や駆動電圧の生成条件等が設定される。
【0059】
タイミング生成回路220は、コモン信号生成回路230によって生成されるコモン信号COMD0〜COMD31の基準タイミング信号を生成する。タイミング生成回路220は、基準クロックCLK0に基づいて複数の基準タイミング信号を生成する。
【0060】
コモン信号生成回路230は、モード設定レジスタ210に設定された設定内容に従って、タイミング生成回路220によって生成された複数の基準タイミング信号を用いて、液晶表示装置のコモンラインの選択期間を指定するコモン信号COMD0〜COMD31を生成する。
【0061】
制御信号生成回路240は、モード設定レジスタ210に設定された設定内容に従って、液晶駆動回路200の各部を制御する制御信号を生成する。例えば、モード設定レジスタ210に、電源電圧VDDが低下したときにその表示領域が変更される液晶表示パネルの表示領域に対応したコモンラインが指定されたとき、制御信号生成回路240は、このモード設定レジスタ210の設定内容にしたがって制御信号COM0−7OFF、COM8−31OFFを生成する。第1の実施形態では、制御信号COM0−7OFFは、コモンラインCOM0〜COM7の出力制御(マスク制御)を行うための制御信号であり、制御信号COM8−31OFFは、コモンラインCOM8〜COM31の出力制御を行うための制御信号であるものとする。
【0062】
コモン出力選択回路250は、制御信号生成回路240によって生成された制御信号COM0−7OFF、COM8−31OFFを用いて、コモン信号COMD0〜COMD31のマスク制御を行う。より具体的には、コモン出力選択回路250は、制御信号COM0−7OFFに基づいて、コモン信号COMD0〜COMD7をマスク制御したコモン信号com0〜com7を出力する。また、コモン出力選択回路250は、制御信号COM8−31OFFと検出信号SVDetとの論理和演算結果に基づいて、コモン信号COMD8〜COMD31をマスク制御したコモン信号com8〜com31を出力する。
【0063】
駆動電圧生成回路260は、モード設定レジスタ210の設定内容にしたがって、コモンラインCOM0〜COM31に出力する複数種類の駆動電圧と、セグメントラインSEG0〜SEG47に出力する複数種類の駆動電圧とを生成する。駆動電圧生成回路260は、例えばモード設定レジスタ210に設定されたバイアス比に対応した複数種類の駆動電圧を生成することができる。このような駆動電圧生成回路260によって生成されたコモンライン用の複数種類の駆動電圧は、コモンライン駆動回路270に供給される。また駆動電圧生成回路260によって生成されたセグメントライン用の複数種類の駆動電圧は、セグメントライン駆動回路280に供給される。
【0064】
コモンライン駆動回路270は、液晶表示パネルのコモンラインCOM0〜COM31の各コモンラインに対応して設けられる複数のコモン出力回路を有する。各コモン出力回路には、駆動電圧生成回路260からのコモンライン用の駆動電圧が供給され、各コモンラインに対応したコモン信号により選択される駆動電圧を各コモンラインに出力する。
【0065】
表示メモリ122には、例えばCPU110によって生成された1画面分の表示データが記憶されており、コモン信号生成回路230からのコモン信号COMD0〜COMD31に対応したセグメント信号seg0〜seg47を出力する。
【0066】
セグメントライン駆動回路280は、液晶表示パネルのセグメントラインSEG0〜SEG47の各セグメントラインに対応して設けられる複数のセグメント出力回路を有する。各セグメント出力回路には、駆動電圧生成回路260からのセグメントライン用の駆動電圧が供給され、各セグメントラインに対応したセグメント信号により選択される駆動電圧を各セグメントラインに出力する。
【0067】
以下では、図3の液晶駆動回路200の各部について説明する。
【0068】
図4に、図3のタイミング生成回路220の構成例のブロック図を示す。
【0069】
タイミング生成回路220は、位相調整回路222と、縦続接続された複数の1/2分周回路224と、1/3分周回路226と、1/2分周回路228とを含む。位相調整回路222は、基準クロックCLK0又はその分周クロックのいずれかを出力することで、複数の1/2分周回路224から出力される複数の基準タイミング信号の位相を調整することができる。
【0070】
例えば、周波数が2kHzの基準クロックCLK0が入力されるタイミング生成回路220は、複数の1/2分周回路224によって基準タイミング信号CLK1〜CLK5が生成され、1/3分周回路226及び1/2分周回路228によって基準タイミング信号CLK6が生成される。ここで、基準タイミング信号CLK1の周波数は32Hz、基準タイミング信号CLK2の周波数は2kHz、基準タイミング信号CLK3の周波数は512Hz、基準タイミング信号CLK4の周波数は128Hz、基準タイミング信号CLK5の周波数は64Hzであり、複数の1/2分周回路224から256Hzの周波数の分周出力が入力される1/3分周回路226とその出力が入力される1/2分周回路228により、43Hzの周波数を有する基準タイミング信号CLK6が生成される。
【0071】
タイミング生成回路220によって生成された基準タイミング信号CLK1〜CLK6は、コモン信号生成回路230に供給される。
【0072】
図5に、図3のコモン信号生成回路230の構成例のブロック図を示す。
【0073】
コモン信号生成回路230は、デコード回路232、選択パルス生成回路234を含む。デコード回路232は、タイミング生成回路220によって生成された基準タイミング信号CLK1〜CLK6をデコードし、デコード結果を選択パルス生成回路234に出力する。選択パルス生成回路234は、デコード回路232のデコード結果と、基準タイミング信号CLK1〜CLK6とを入力する組み合わせ論理回路により構成される。そして、選択パルス生成回路234は、デコード回路232のデコード結果に基づいて、基準タイミング信号CLK1〜CLK6の論理演算結果として、フレーム信号FR、コモン信号COMD0〜COMD31を生成する。
【0074】
図6に、図5のコモン信号生成回路230の動作例の波形図を示す。図6は、1フレーム期間(1垂直走査期間)にコモン信号COMD0〜COMD31を生成する波形例を表す。
【0075】
コモン信号生成回路230は、基準タイミング信号CLK1〜CLK6のいずれかを用いてフレーム信号FRを生成し、該フレーム信号FRにより規定される1フレーム期間内の極性反転周期を分割した各コモンラインの選択期間にアクティブとなるコモン信号COMD0〜COMD31を生成する。このとき、コモン信号生成回路230は、基準タイミング信号CLK1〜CLK6を用いて例えば図6に示すような内部タイミングCLK5_A等を生成し、デコード回路232からのデコード結果に基づいてこれら内部タイミングの論理演算結果により、コモン信号COMD0〜COMD31を生成する。
【0076】
図7に、図5のコモン信号生成回路230の別の動作例の波形図を示す。図7は、1フレーム期間にコモン信号COMD0〜COMD23を生成する波形例を表す。
【0077】
コモン信号生成回路230は、基準タイミング信号CLK1〜CLK6のいずれかを用いてフレーム信号FRを生成し、該フレーム信号FRにより規定される1フレーム期間を分割した各コモンラインの選択期間にアクティブとなるコモン信号COMD0〜COMD23を生成する。このとき、コモン信号生成回路230は、基準タイミング信号CLK1〜CLK6を用いて例えば図7に示すような内部タイミングCLK5_A等を生成し、デコード回路232からのデコード結果に基づいてこれら内部タイミングの論理演算結果により、コモン信号COMD0〜COMD23を生成する。
【0078】
このようにコモン信号生成回路230は、任意のフレーム期間又は極性反転周期内に、任意の数のコモンラインの選択期間に対応したコモン信号を生成することができるようになっている。このようなコモン信号生成回路230によって生成されたコモン信号COMD0〜COMD23は、コモン出力選択回路250に供給される。
【0079】
図8に、図3のコモン出力選択回路250の構成例の回路図を示す。図8において、図3と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0080】
コモン出力選択回路250は、1又は複数のコモンライン毎にその出力がマスクされるコモンラインマスク回路252、254を含む。コモンラインマスク回路252は、制御信号COM0−7OFFにより、コモン信号COMD0〜COMD7に対してマスク制御を行ったコモン信号com0〜com7を出力する。コモンラインマスク回路254は、制御信号COM8−31OFFと検出信号SVDetの論理和演算結果である制御信号COM8−31OFFDにより、コモン信号COMD8〜COMD31に対してマスク制御を行ったコモン信号com8〜com31を出力する。
【0081】
即ち、液晶駆動回路200のコモン出力選択回路250は、1又は複数のコモンライン毎にその出力がマスクされる複数のコモンラインマスク回路を含み、複数のコモンラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したコモンラインに所与のオフ電圧を出力する。このようなコモン出力選択回路250によりマスク制御が行われたコモン信号com0〜com31は、コモンライン駆動回路270に供給される。
【0082】
図9(A)に、コモンライン駆動回路270を構成するコモン出力回路の構成例の回路図を示す。図9(A)は、コモンラインCOM0に駆動電圧を出力するコモン出力回路の構成例を表すが、他のコモンラインに駆動電圧としての選択電圧を出力するコモン出力回路も図9(A)と同様の構成を有する。
図9(B)に、セグメントライン駆動回路280を構成するセグメント出力回路の構成例の回路図を示す。図9(B)は、セグメントラインSEG0に駆動電圧を出力するセグメント出力回路の構成例を表すが、他のセグメントラインに駆動電圧を出力するセグメント出力回路も図9(B)と同様の構成を有する。
【0083】
図9(A)に示すように、コモン出力回路は、p型MOSトランジスタPTrC0と、n型MOSトランジスタNTrC0とを含み、両トランジスタのドレイン同士が接続される。この接続ノードの電圧が、液晶表示パネルのコモンラインCOM0に供給される。p型MOSトランジスタPTrC0のゲートにはコモン信号com0が供給され、ソースには駆動電圧VConが供給される。n型MOSトランジスタNTrC0のゲートにはコモン信号com0が供給され、ソースには駆動電圧VCoffが供給される。駆動電圧VConは、コモンラインCOM0の選択電圧であり、駆動電圧VCoffは、コモンラインCOM0の非選択電圧(オフ電圧)である。この駆動電圧VCon、VCoffが、駆動電圧生成回路260から供給される。
【0084】
このように、第1の実施形態では、コモンラインCOM0〜COM7とコモンラインCOM8〜COM31とを個別にマスク制御を行うことができるので、コモンラインCOM7とコモンラインCOM8とを境界に、液晶表示パネルの表示領域と非表示領域とを区分することができる。
【0085】
図9(B)に示すように、セグメント出力回路は、p型MOSトランジスタPTrS0と、n型MOSトランジスタNTrS0とを含み、両トランジスタのドレイン同士が接続される。この接続ノードの電圧が、液晶表示パネルのセグメントラインSEG0に供給される。p型MOSトランジスタPTrS0のゲートにはセグメント信号seg0が供給され、ソースには駆動電圧VSonが供給される。n型MOSトランジスタNTrS0のゲートにはセグメント信号seg0が供給され、ソースには駆動電圧VSoffが供給される。駆動電圧VSon、VSoffは、セグメントラインSEG0の駆動電圧であり、この駆動電圧VSon、VSoffが、駆動電圧生成回路260から供給される。
【0086】
図10(A)に、図9(A)のコモン出力回路により出力される駆動電圧の説明図を示す。
図10(B)に、図9(B)のセグメント出力回路により出力される駆動電圧の説明図を示す。
【0087】
図10(A)、図10(B)では、図3の駆動電圧生成回路260が駆動電圧VC5、VC4、VC3、VC2、VC1、VSSを生成するものとして説明する。ここで、駆動電圧VC5が最も電位が高く、駆動電圧VC4、VC3、VC2、VC1の順に電位が低くなり、駆動電圧VSSが最も電位が低いものとする。
【0088】
図10(A)に示すように、コモンラインCOM0〜COM31には、フレーム信号FR及びコモン信号com0〜com31の論理レベルの組み合わせに応じて駆動電圧が出力される。例えば、コモンラインCOM0には、フレーム信号FRの論理レベルと、コモンラインCOM0に対応したコモン信号com0の論理レベルとの組み合わせに応じて、駆動電圧VC1、VC5、VSS、VC4のいずれかが出力される。
【0089】
即ち、フレーム信号FRが「1」(=Hレベル)のとき、駆動電圧生成回路260からの駆動電圧VConとして駆動電圧VC5、駆動電圧VCoffとして駆動電圧VC1が供給される。また、フレーム信号FRが「0」(=Lレベル)のとき、駆動電圧生成回路260からの駆動電圧VConとして駆動電圧VC4、駆動電圧VCoffとして駆動電圧VSSが供給される。従って、フレーム信号FRが「1」で、コモン信号com0が「1」のとき、駆動電圧VC5が出力され、コモン信号com0が「0」のとき、駆動電圧VC1が出力される。また、フレーム信号FRが「0」で、コモン信号com0が「1」のとき、駆動電圧VC4が出力され、コモン信号com0が「0」のとき、駆動電圧VSSが出力される。
【0090】
同様に、例えばコモンラインCOM1には、フレーム信号FRの論理レベルと、コモン信号com1の論理レベルとの組み合わせに応じて、駆動電圧VC1、VC5、VSS、VC4のいずれかが出力される。
【0091】
第1の実施形態では、コモン信号生成回路230によって生成されたコモン信号が当該コモンラインを選択した場合であっても、コモンラインCOM8−COM31に対しては、検出信号SVDetによりマスク制御が行われて、当該コモンラインが非選択状態と同じ駆動電圧(オフ電圧)を出力することになる。
【0092】
図10(B)に示すように、セグメントラインSEG0〜SEG47には、フレーム信号FR及びセグメント信号seg0〜seg47の論理レベルの組み合わせに応じて駆動電圧が出力される。例えば、セグメントラインSEG0には、フレーム信号FRの論理レベルと、セグメントラインSEG0に対応したセグメント信号seg0の論理レベルとの組み合わせに応じて、駆動電圧VSS、VC2、VC3、VC5のいずれかが出力される。
【0093】
即ち、フレーム信号FRが「1」のとき、駆動電圧生成回路260からの駆動電圧VSonとして駆動電圧VC2、駆動電圧VSoffとして駆動電圧VSSが供給される。また、フレーム信号FRが「0」のとき、駆動電圧生成回路260からの駆動電圧VSonとして駆動電圧VC5、駆動電圧VSoffとして駆動電圧VC3が供給される。従って、フレーム信号FRが「1」で、セグメント信号seg0が「1」のとき、駆動電圧VC2が出力され、セグメント信号seg0が「0」のとき、駆動電圧VSSが出力される。また、フレーム信号FRが「0」で、セグメント信号seg0が「1」のとき、駆動電圧VC5が出力され、セグメント信号seg0が「0」のとき、駆動電圧VC3が出力される。
【0094】
同様に、例えばセグメントラインSEG1には、フレーム信号FRの論理レベルと、セグメント信号seg1の論理レベルとの組み合わせに応じて、駆動電圧VSS、VC2、VC3、VC5のいずれかが出力される。
【0095】
図11に、第1の実施形態における液晶駆動回路200が出力する駆動電圧の波形の一例を示す。図11では、液晶駆動回路200が出力する駆動電圧のうちコモンラインCOM0〜COM2、セグメントラインSEG0、SEG1の波形のみを示している。
【0096】
図11に示すように、コモン信号生成回路230の選択パルス生成回路234は、極性反転周期の1つの期間を複数の期間に分割し、各期間にコモンラインを順次選択するようにコモン信号com0〜com31を生成する。そして、各コモンラインの選択期間において、対向するセグメントラインの点灯、非点灯を指定するセグメント信号seg0〜seg47が表示メモリ122から読み出される。液晶表示パネルでは、例えばコモンラインとセグメントラインとの交差位置に対応した画素において、両ラインの電位差が閾値を超えると点灯状態となり、該閾値を超えないときに非点灯状態となる。
【0097】
例えばコモンラインCOM0とセグメントラインSEG0との交差位置に対応した画素では、図11に示す電位差となり、非点灯状態となる。一方、コモンラインCOM0とセグメントラインSEG1との交差位置に対応した画素では、図11に示す電位差となり、点灯状態となる。
【0098】
図12に、第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ100の処理例のフロー図を示す。
【0099】
例えば、ROM112には、予め図12に示す処理を実現するためのプログラムが格納されており、CPU110がROM112に格納されたプログラムを読み出して該プログラムに対応した処理を実行することで、図12に示す処理をソフトウェア処理により実現できる。或いは、電源電圧検出回路140からの検出信号SVDetが液晶駆動回路200に入力され、図12に示す処理をハードウェアで実現してもよい。
【0100】
まず、マイクロコンピュータ100では、電源電圧検出ステップとして、電源電圧検出回路140において、マイクロコンピュータ100の電源電圧VDDの低下を検出する(ステップS10)。
【0101】
次に、マイクロコンピュータ100では、駆動制御ステップとして、ステップS10において、電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき(ステップS10:Y)、液晶駆動回路200が、ステップS10ステップによる検出前の液晶表示パネルの表示領域より小さい表示領域となるように液晶表示パネルを駆動し(ステップS12)、一連の処理を終了する(エンド)。一方、マイクロコンピュータ100は、ステップS10において、電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出しなかったとき(ステップS10:N)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0102】
図13(A)、図13(B)に、第1の実施形態における液晶駆動回路200の動作例の説明図を示す。図13(A)は、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧より高い電圧である通常動作時における駆動状態を示す。図13(B)は、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧となり、液晶表示パネルの表示領域を小さくしたときの駆動状態を示す。
【0103】
図13(A)に示すように、液晶表示パネルの全コモンラインを順次選択して全画面表示を行う通常動作時に、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下となるものとする。このとき、検出信号SVDetがアクティブとなって、コモンラインCOM8〜COM31に、強制的に、いわゆる非選択電圧を出力する。
【0104】
これにより、図13(B)に示すように、セグメントラインSEG0〜SEG47に供給される駆動電圧にかかわらず、コモンラインCOM8〜COM31に対応した領域の画素を非点灯状態とすることができ、液晶表示パネルの表示領域を小さくできるようになる。
【0105】
以上のように、第1の実施形態では、電源電圧検出回路140が、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路200が、検出前の液晶表示パネルの表示領域より小さい表示領域となるように該液晶表示パネルを駆動する。こうすることで、液晶表示パネルの各コモンラインを駆動する回路の充放電電流を削減することができる。
【0106】
これにより、表示領域が小さくなるように駆動を開始した後は、液晶表示パネルの表示エリアである表示サイズの大きさにかかわらず、例えばバッテリで動作するマイクロコンピュータ100の動作時間を長くすることができるようになる。従って、それまでの間にユーザがバッテリを交換できる期間が長くなり、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0107】
また、例えば非表示領域に対応したコモンラインについては、表示メモリ122のアクセスを停止させるようにすれば、より一層、消費電力も削減できるようになる。
【0108】
なお、第1の実施形態では、マイクロコンピュータ100の構成が図1に示す構成であるものとして説明したが、本発明に係るマイクロコンピュータの構成が図1に示す構成に限定されるものではない。
【0109】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、コモンラインの駆動制御により、液晶表示パネルの表示領域を小さくする制御を行っていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第2の実施形態では、コモンラインの駆動制御のみならず、セグメントラインの駆動制御を行って、液晶表示パネルの表示領域を小さくする制御を行う。
【0110】
このような本発明に係る第2の実施形態におけるマイクロコンピュータの構成は、図1と同様であるため、図示及び説明を省略する。第2の実施形態におけるマイクロコンピュータが第1の実施形態におけるマイクロコンピュータと異なる点は、マイクロコンピュータが内蔵する液晶駆動回路の構成である。
【0111】
図14に、本発明に係る第2の実施形態における液晶駆動回路の構成例のブロック図を示す。図14において、図3と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図14においても、液晶駆動回路が駆動する液晶表示パネルがコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47を有するものとして説明する。また、図14では、液晶駆動回路が、モノクロの液晶表示パネルを駆動するものとする。
【0112】
第2の実施形態における液晶駆動回路300は、モード設定レジスタ310、タイミング生成回路220、コモン信号生成回路230、制御信号生成回路320、コモン出力選択回路250、セグメント出力選択回路330、駆動電圧生成回路260、コモンライン駆動回路270、セグメントライン駆動回路280を含む。
【0113】
モード設定レジスタ310は、バス130を介してCPU110によりアクセス可能に構成される制御レジスタであり、このモード設定レジスタ310により液晶表示パネルの表示領域(非表示領域の大きさ、形状)が指定されると共に、その他の駆動条件や駆動電圧の生成条件等が設定される。
【0114】
制御信号生成回路320は、モード設定レジスタ310に設定された設定内容に従って、液晶駆動回路300の各部を制御する制御信号を生成する。例えば、モード設定レジスタ310に、電源電圧VDDが低下したときにその表示領域が変更される液晶表示パネルの表示領域に対応したコモンラインやセグメントラインが指定されたとき、制御信号生成回路320は、このモード設定レジスタ310の設定内容にしたがって制御信号COM0−7OFF、COM8−31OFF、SEG0−7OFF、SEG8−23OFF、SEG24−47OFFを生成する。
【0115】
第2の実施形態では、制御信号COM0−7OFFは、コモンラインCOM0〜COM7の出力制御を行うための制御信号であり、制御信号COM8−31OFFは、コモンラインCOM8〜COM31の出力制御を行うための制御信号であるものとする。また、制御信号SEG0−7OFFは、セグメントラインSEG0〜SEG7の出力制御(マスク制御)を行うための制御信号であり、SEG8−23OFFは、セグメントラインSEG8〜SEG23の出力制御を行うための制御信号であり、SEG24−47OFFは、セグメントラインSEG24〜SEG47の出力制御を行うための制御信号である。
【0116】
表示メモリ122には、例えばCPU110によって生成された1画面分の表示データが記憶されており、コモン信号生成回路230からのコモン信号COMD0〜COMD31に対応したセグメント信号SEGD0〜SEGD47を出力する。
【0117】
セグメント出力選択回路330は、制御信号生成回路320によって生成された制御信号SEG0−7OFF、SEG8−23OFF、SEG24−47OFFを用いて、セグメント信号SEGD0〜SEGD47のマスク制御を行う。より具体的には、セグメント出力選択回路330は、制御信号SEG0−7OFFに基づいて、セグメント信号SEGD0〜SEGD7をマスク制御したセグメント信号seg0〜seg7を出力する。また、セグメント出力選択回路330は、制御信号SEG8−23OFFと検出信号SVDetとの論理和演算結果に基づいて、セグメント信号SEGD8〜SEGD23をマスク制御したセグメント信号seg8〜seg23を出力する。更に、セグメント出力選択回路330は、制御信号SEG24−47OFFと検出信号SVDetとの論理和演算結果に基づいて、セグメント信号SEGD24〜SEGD47をマスク制御したセグメント信号seg24〜seg47を出力する。
【0118】
図15に、図14のセグメント出力選択回路330の構成例の回路図を示す。
【0119】
セグメント出力選択回路330は、1又は複数のセグメントライン毎にその出力がマスクされるセグメントラインマスク回路332、334、336を含む。セグメントラインマスク回路332は、制御信号SEG0−7OFFにより、セグメント信号SEGD0〜SEGD7に対してマスク制御を行ったセグメント信号seg0〜seg7を出力する。セグメントラインマスク回路334は、制御信号SEG8−23OFFと検出信号SVDetの論理和演算結果である制御信号SEG8−23OFFDにより、セグメント信号SEGD8〜SEGD23に対してマスク制御を行ったセグメント信号seg8〜seg23を出力する。セグメントラインマスク回路336は、制御信号SEG24−47OFFと検出信号SVDetの論理和演算結果である制御信号SEG24−47OFFDにより、セグメント信号SEGD24〜SEGD47に対してマスク制御を行ったセグメント信号seg24〜seg47を出力する。
【0120】
即ち、液晶駆動回路300のセグメント出力選択回路330は、1又は複数のセグメントライン毎にその出力がマスクされる複数のセグメントラインマスク回路を含み、複数のセグメントラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したセグメントラインに所与のオフ電圧を出力する。このようなセグメント出力選択回路330によりマスク制御が行われたセグメント信号seg0〜seg47は、セグメントライン駆動回路280に供給される。
【0121】
従って、第2の実施形態では、コモンラインCOM0〜COM7とコモンラインCOM8〜COM31とを個別にマスク制御を行うと共に、セグメントラインSEG0〜SEG7とセグメントラインSEG8〜SEG23とセグメントラインSEG24〜SEG47とを個別にマスク制御を行うことができるので、コモンラインCOM7とコモンラインCOM8とを境界に、セグメントラインSEG7とセグメントラインSEG8とを境界に、又はセグメントラインSEG23とセグメントラインSEG24とを境界に、それぞれ液晶表示パネルの表示領域と非表示領域とを区分することができる。
【0122】
そして、第2の実施形態では、コモン信号生成回路230によって生成されたコモン信号が当該コモンラインを選択した場合であっても、コモンラインCOM8〜COM31に対しては、検出信号SVDetによりマスク制御が行われて、当該コモンラインが非選択状態と同じ駆動電圧を出力することになる。また、表示メモリ122から表示データに対応したセグメント信号SEGD0〜SEGD47を読み出した場合であっても、セグメントラインSEG8〜SEG47に対しては、検出信号SVDetによりマスク制御が行われて、当該セグメントラインに非点灯状態となる駆動電圧(オフ電圧)を出力することになる。
【0123】
図16に、第2の実施形態におけるマイクロコンピュータの処理例のフロー図を示す。
【0124】
例えば、ROM112には、予め図16に示す処理を実現するためのプログラムが格納されており、CPU110がROM112に格納されたプログラムを読み出して該プログラムに対応した処理を実行することで、図16に示す処理をソフトウェア処理により実現できる。或いは、電源電圧検出回路140からの検出信号SVDetが液晶駆動回路300に入力され、図16に示す処理をハードウェアで実現してもよい。
【0125】
まず、第2の実施形態におけるマイクロコンピュータでは、電源電圧検出ステップとして、電源電圧検出回路140において、マイクロコンピュータの電源電圧VDDの低下を検出する(ステップS20)。
【0126】
次に、このマイクロコンピュータでは、駆動制御ステップとして、ステップS20において、電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき(ステップS20:Y)、液晶駆動回路300が、正転表示と反転表示とを繰り返すように液晶表示パネルを駆動し(ステップS22)、一連の処理を終了する(エンド)。一方、マイクロコンピュータは、ステップS20において、電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出しなかったとき(ステップS20:N)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0127】
図17(A)、図17(B)に、第2の実施形態における液晶駆動回路300の動作例の説明図を示す。図17(A)は、マイクロコンピュータに供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧より高い電圧である通常動作時における駆動状態を示す。図17(B)は、マイクロコンピュータに供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧となり、液晶表示パネルの表示領域を小さくしたときの駆動状態を示す。
【0128】
図17(A)に示すように、液晶表示パネルの全コモンラインを順次選択して全画面表示を行う通常動作時に、マイクロコンピュータに供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下となるものとする。このとき、検出信号SVDetがアクティブとなって、コモンラインCOM8〜COM31に、強制的にいわゆる非選択電圧を出力すると共に、セグメントラインSEG8〜SEG47に、強制的にいわゆる非点灯状態となる駆動電圧VSoffを出力する。
【0129】
これにより、図17(B)に示すように、セグメントラインSEG0〜SEG47に供給される駆動電圧にかかわらず、コモンラインCOM8〜COM31に対応した領域の画素を非点灯状態とすることができる。また、コモンラインCOM0〜COM7が選択されているにもかかわらず、セグメントラインSEG8〜SEG47に対応した領域の画素を非点灯状態とすることができる。
【0130】
このように、第2の実施形態では、電源電圧検出回路140が、電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路300が、検出前の液晶表示パネルの表示領域より小さくなるようにした表示領域に対応したセグメントラインのみに、表示データに対応した電圧を供給して液晶表示パネルを駆動することができる。
【0131】
なお、第2の実施形態では、検出信号SVDetがアクティブになったとき、所定のコモンラインを強制的に非選択状態とすることにより非表示領域を設けると共に、所定のセグメントラインに強制的に非点灯状態となる駆動電圧VSoffを供給することにより非表示領域を設けるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。検出信号SVDetがアクティブになったとき、コモンラインを強制的に非選択状態とすることなく、所定のセグメントラインに強制的に非点灯状態となる駆動電圧VSoffを供給するだけで非表示領域を設けるようにしてもよい。
【0132】
以上のように、第2の実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、セグメントライン毎に非表示領域を設けることで表示領域が小さくなるように駆動するようにしたので、液晶表示パネルの各セグメントラインを駆動する回路の充放電電流を削減することができる。
【0133】
これにより、表示領域が小さくなるように駆動を開始した後は、液晶表示パネルの表示エリアである表示サイズの大きさにかかわらず、例えばバッテリで動作するマイクロコンピュータの動作時間を長くすることができるようになる。従って、それまでの間にユーザがバッテリを交換できる期間が長くなり、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0134】
〔第3の実施形態〕
第1の実施形態における液晶駆動回路200と第2の実施形態における液晶駆動回路300では、マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出したとき、液晶表示パネルの表示領域を小さくすることで、消費電力を削減してバッテリの駆動時間を長くするようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第3の実施形態では、マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出したとき、簡素な制御で表示内容を変化させることで、ユーザにバッテリの交換を促すようにしている。
【0135】
図18に、本発明に係る第3の実施形態における液晶駆動回路の構成例のブロック図を示す。図18において、図14と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図18においても、液晶駆動回路が駆動する液晶表示パネルがコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47を有するものとして説明する。また、図18では、液晶駆動回路が、モノクロの液晶表示パネルを駆動するものとする。
【0136】
第3の実施形態における液晶駆動回路400は、モード設定レジスタ410、タイミング生成回路220、コモン信号生成回路230、制御信号生成回路420、コモン出力選択回路250、セグメント出力選択回路430、駆動電圧生成回路260、コモンライン駆動回路270、セグメントライン駆動回路280を含む。
【0137】
ここで、コモン出力選択回路250は、第2の実施形態のように制御信号COM8−31OFFと検出信号SVDetとの論理演算を行うことなく、制御信号COM8−31OFFのみに基づいて、コモン信号のマスク制御を行う。即ち、第3の実施形態では、マイクロコンピュータの電源電圧が低下して検出信号SVDetがアクティブになったとき、例えばCPU110の割り込み処理においてCPU110がモード設定レジスタ410にアクセスして、コモン信号やセグメント信号のマスク制御や、セグメント信号の正転出力と反転出力とを交互に出力させる。或いは、検出信号SVDetが制御信号生成回路420に入力されて、CPU110のソフトウェア処理を介在することなく、制御信号生成回路420が、コモン信号やセグメント信号のマスク制御や、セグメント信号の正転出力と反転出力とを交互に出力させるようにしてもよい。以下では、CPU110のソフトウェア処理によって、コモン信号やセグメント信号のマスク制御や、セグメント信号の正転出力と反転出力とを交互に出力させるものとする。
【0138】
モード設定レジスタ410は、バス130を介してCPU110によりアクセス可能に構成される制御レジスタであり、このモード設定レジスタ410により液晶表示パネルの表示領域(非表示領域の大きさ、形状)が指定されると共に、その他の駆動条件や駆動電圧の生成条件等が設定される。モード設定レジスタ410には、第2の実施形態と同様に表示領域を指定するための制御データが設定されると共に、電源電圧が低下したときに正転表示と反転表示とを繰り返す表示モードに設定するための制御データが設定される。
【0139】
制御信号生成回路420は、モード設定レジスタ410に設定された設定内容に従って、液晶駆動回路400の各部を制御する制御信号を生成する。例えば、モード設定レジスタ410に、マイクロコンピュータ100の電源電圧が低下したとき、液晶表示パネルの表示領域を正転表示と反転表示とを繰り返す表示モードが指定されたとき、制御信号生成回路420は、このモード設定レジスタ410の設定内容にしたがって制御信号XDISP(広義には正転反転制御信号)を生成する。
【0140】
なお、マイクロコンピュータ100の電源電圧が低下したとき、液晶表示パネルの表示領域を正転表示と反転表示とを繰り返すのではなく、表示領域を小さくするようにモード設定レジスタ410に指定された場合には、第2の実施形態と同様に、モード設定レジスタ410の設定内容にしたがって制御信号COM0−7OFF、COM8−31OFF、SEG0−7OFF、SEG8−23OFF、SEG24−47OFFを生成してもよい。
【0141】
セグメント出力選択回路430は、制御信号XDISPに基づいて、セグメントラインに対応する表示データの正転出力と反転出力とを交互に出力する。また、セグメント出力選択回路430は、制御信号生成回路420によって生成された制御信号SEG0−7OFF、SEG8−23OFF、SEG24−47OFFを用いて、セグメント信号SEGD0〜SEGD47のマスク制御を行う。より具体的には、セグメント出力選択回路430は、制御信号SEG0−7OFFに基づいて、セグメント信号SEGD0〜SEGD7をマスク制御したセグメント信号seg0〜seg7を出力する。また、セグメント出力選択回路430は、制御信号SEG8−23OFFと検出信号SVDetとの論理和演算結果に基づいて、セグメント信号SEGD8〜SEGD23をマスク制御したセグメント信号seg8〜seg23を出力する。更に、セグメント出力選択回路430は、制御信号SEG24−47OFFと検出信号SVDetとの論理和演算結果に基づいて、セグメント信号SEGD24〜SEGD47をマスク制御したセグメント信号seg24〜seg47を出力する。
【0142】
図19に、図18のセグメント出力選択回路430の構成例の回路図を示す。
【0143】
セグメント出力選択回路430では、制御信号XDISPに基づいて、セグメント信号SEGD0〜SEGD47の各ビットの信号の正転信号又は反転信号を生成する。そのため、セグメント出力選択回路430は、制御信号XDISPに基づいて、セグメントラインに対応する表示データの正転出力と反転出力とを交互に出力する表示データ反転回路としての排他的論理和回路を含む。各排他的論理和回路は、制御信号XDISPが「1」のとき、セグメント信号の反転信号を出力し、制御信号XDISPが「0」のとき、セグメント信号の正転信号を出力する。
【0144】
図19では、セグメント出力選択回路430は、更に、第2の実施形態と同様のセグメントラインマスク回路332、334、336を含むことができる。これにより、正転表示と反転表示を繰り返す表示モードが指定されない場合であっても、第2の実施形態と同様に、コモンラインCOM0〜COM7とコモンラインCOM8〜COM31とを個別にマスク制御を行うと共に、セグメントラインSEG0〜SEG7とセグメントラインSEG8〜SEG23とセグメントラインSEG24〜SEG47とを個別にマスク制御を行うことができる。この結果、コモンラインCOM7とコモンラインCOM8とを境界に、セグメントラインSEG7とセグメントラインSEG8とを境界に、又はセグメントラインSEG23とセグメントラインSEG24とを境界に、それぞれ液晶表示パネルの表示領域と非表示領域とを区分することができる。
【0145】
従って、第3の実施形態では、表示メモリ122から表示データに対応したセグメント信号SEGD0〜SEGD47を読み出した場合であっても、セグメントラインSEG8〜SEG47に対しては、制御信号XDISPにより表示データの正転出力と反転出力とが交互に出力されて、当該セグメントラインの正転表示と反転表示とを繰り返す制御が行われる。
【0146】
一方、正転表示と反転表示とを交互に繰り返す表示モードに設定されずに、表示領域を小さくするモードに設定された場合に、第2の実施形態と同様に、コモン信号生成回路230によって生成されたコモン信号が当該コモンラインを選択した場合であっても、コモンラインCOM8〜COM31に対してマスク制御が行われて、当該コモンラインが非選択状態と同じ駆動電圧を出力することになる。また、表示メモリ122から表示データに対応したセグメント信号SEGD0〜SEGD47を読み出した場合であっても、セグメントラインSEG8〜SEG47に対してマスク制御が行われて、当該セグメントラインに非点灯状態となる駆動電圧(オフ電圧)を出力することになる。
【0147】
以上のように、第3の実施形態では、電源電圧検出回路140が、マイクロコンピュータ100に供給される電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、液晶駆動回路400が、正転表示と反転表示とを交互に繰り返すように該液晶表示パネルを駆動する。こうすることで、複雑な処理を行うことなく低消費電力で、ユーザに対して、システム動作が不安定になるまでの間にバッテリの交換を促すことができ、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0148】
〔第4の実施形態〕
第1〜第3の実施形態では、マイクロコンピュータの電源電圧VDDが所与の閾値電圧以下となったことが検出されたとき、非表示領域を設けるために、例えばコモンラインには駆動電圧VCoff、セグメントラインには駆動電圧VSoffを出力するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第4の実施形態では、非表示領域を設けるために、駆動電圧VCoff以外の電圧をコモンラインに出力したり、駆動電圧VSoff以外の電圧をセグメントラインに出力したりできる。
【0149】
このような第4の実施形態における液晶駆動回路の構成が第1〜第3の実施形態における液晶駆動回路の構成と異なる点は、コモンライン駆動回路を構成するコモン出力回路又はセグメントライン駆動回路を構成するセグメント出力回路である。その他の構成は、第1〜第3の実施形態と同様であるため、図示及び詳細な説明を省略する。
【0150】
図20(A)に、第4の実施形態におけるコモンライン駆動回路を構成するコモン出力回路の構成例の回路図を示す。図20(A)は、コモンラインCOM8に駆動電圧を出力するコモン出力回路の構成例を表すが、他のコモンラインに駆動電圧としての選択電圧を出力するコモン出力回路も図20(A)と同様の構成を有する。
図20(B)に、第4の実施形態におけるセグメントライン駆動回路を構成するセグメント出力回路の構成例の回路図を示す。図20(B)は、セグメントラインSEG8に駆動電圧を出力するセグメント出力回路の構成例を表すが、他のセグメントラインに駆動電圧を出力するセグメント出力回路も図20(B)と同様の構成を有する。
【0151】
図20(A)に示すように、コモン出力回路は、p型MOSトランジスタPTrC8と、n型MOSトランジスタNTrC8とを含み、両トランジスタのドレイン同士が接続される。この接続ノードの電圧が、液晶表示パネルのコモンラインCOM8に供給される。更に、このコモン出力回路は、第1及び第2のゲート制御回路GAC8、GDC8、出力トランジスタCTrC8を含む。第1のゲート制御回路GAC8は、制御信号COM8−31OFFの反転信号とコモン信号com8との論理積否定演算結果を、p型MOSトランジスタPTrC8のゲートに供給する。第2のゲート制御回路GDC8は、制御信号COM8−31OFFとコモン信号com8と論理和否定演算結果を、n型MOSトランジスタNTrC8のゲートに供給する。
【0152】
p型MOSトランジスタPTrC8のソースには駆動電圧VConが供給される。n型MOSトランジスタNTrC8のソースには駆動電圧VCoffが供給される。駆動電圧VConは、コモンラインCOM8の選択電圧であり、駆動電圧VCoffは、コモンラインCOM8の非選択電圧である。
【0153】
出力トランジスタCTrC8は、n型MOSトランジスタにより構成される。出力トランジスタCTrC8のソースには、オフ電圧VCcutが供給され、ドレインはp型MOSトランジスタPTrC8及びn型MOSトランジスタNTrC8の接続ノードに接続される。この出力トランジスタCTrC8のゲートには、制御信号COM8−31OFFが供給される。
【0154】
このコモン出力回路は、制御信号COM8−31OFFにより、コモン信号com8にかかわらず、オフ電圧VCcutが出力される。このように、非表示領域のコモンラインに、駆動電圧VCoffと異なるオフ電圧VCcutを出力できるので、オフ電圧VCcutを任意の電圧とすることができる。このようなオフ電圧VCcutとしては、駆動電圧VSS、VC2、VC3等の中間電位の電圧を採用することができる。
【0155】
図20(B)に示すように、セグメント出力回路は、p型MOSトランジスタPTrS8と、n型MOSトランジスタNTrS8とを含み、両トランジスタのドレイン同士が接続される。この接続ノードの電圧が、液晶表示パネルのセグメントラインSEG8に供給される。更に、このセグメント出力回路は、第1及び第2のゲート制御回路GAS8、GDS8、出力トランジスタCTrS8を含む。第1のゲート制御回路GAS8は、制御信号SEG8−23OFFの反転信号とセグメント信号seg8との論理積否定演算結果を、p型MOSトランジスタPTrS8のゲートに供給する。第2のゲート制御回路GDS8は、制御信号SEG8−23OFFとセグメント信号seg8と論理和否定演算結果を、n型MOSトランジスタNTrS8のゲートに供給する。
【0156】
p型MOSトランジスタPTrS8のソースには駆動電圧VSonが供給される。n型MOSトランジスタNTrS8のソースには駆動電圧VSoffが供給される。駆動電圧VSon、VSoffは、セグメントラインSEG8の駆動電圧であり、この駆動電圧VSon、VSoffが、駆動電圧生成回路260から供給される。
【0157】
出力トランジスタCTrS8は、n型MOSトランジスタにより構成される。出力トランジスタCTrS8のソースには、オフ電圧VScutが供給され、ドレインはp型MOSトランジスタPTrS8及びn型MOSトランジスタNTrS8の接続ノードに接続される。この出力トランジスタCTrS8のゲートには、制御信号SEG8−23OFFが供給される。
【0158】
このセグメント出力回路は、制御信号SEG8−23OFFにより、セグメント信号seg8にかかわらず、オフ電圧VScutを出力する。このように、非表示領域のセグメントラインに、駆動電圧VSoffと異なるオフ電圧VScutを出力できるので、オフ電圧VScutを任意の電圧とすることができる。このようなオフ電圧VScutとしては、駆動電圧VSS、VC2、VC3等の中間電位の電圧を採用することができる。
【0159】
また、駆動電圧VCoffと駆動電圧VSoffとが異なる電圧である場合であっても、コモンラインのオフ電圧VCcutとセグメントラインのオフ電圧VScutを共通の電圧とすることで、確実に非表示領域を設けることができるようになる。
【0160】
以上のように、第4の実施形態によれば、非表示領域に出力オフ電圧を、コモンラインの駆動電圧VCoffやセグメントラインの駆動電圧VSoffとは異なる電圧とすることができる。これにより、液晶表示パネルの種類に依存することなく、電源電圧が低下した場合でも、システム動作が不安定になる事態をできるだけ回避することができるマイクロコンピュータ等を提供できるようになる。
【0161】
2. 電子機器
以上の第1〜第4の実施形態における液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータは、時計や携帯電話機等に代表される携帯型の電子機器に搭載することができる。
【0162】
図21に、本発明に係る電子機器の構成例のブロック図を示す。図21は、第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ100が搭載される電子機器のブロック図を表す。
【0163】
以下では、図21の電子機器が、第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ100を搭載するものとして説明するが、図21のマイクロコンピュータに代えて、第2〜第4の実施形態のいずれかにおける液晶駆動回路を内蔵したマイクロコンピュータを搭載していてもよい。
【0164】
図21に示す電子機器600は、第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ100と、マイクロコンピュータ100の電源電圧を供給するバッテリ700と、マイクロコンピュータ100が内蔵する液晶駆動回路200によって駆動される液晶表示パネル800とを含む。液晶表示パネル800は、ドットマトリクス型の液晶表示パネルである。この構成を有する電子機器600は、バッテリ700が出力する電源電圧が低下した場合であっても、ユーザがバッテリを交換しやすくなって、システム動作が不安定になる事態を回避できるようになる。
【0165】
図22に、図21の液晶表示パネル800の概略構成図を示す。
【0166】
液晶表示パネル800は、コモンラインCOM0〜COM31、セグメントラインSEG0〜SEG47を有する。コモンラインCOM0〜COM31は、セグメントラインSEG0〜SEG47に交差するように配置されている。このような液晶表示パネル800は、一対の透明なガラス基板の間に、透明電極で形成され互いに交差するように配置されたコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47、配向膜及び液晶を封入して形成される。
【0167】
マイクロコンピュータ100が有するコモンライン用の出力電極及びセグメントライン用の出力電極が、図20のコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47と電気的に接続される。
【0168】
マイクロコンピュータ100は、液晶表示パネル800のコモンラインCOM0〜COM31及びセグメントラインSEG0〜SEG47を駆動する。液晶表示パネル800では、各コモンラインと各セグメントラインとの交差位置に対応した画素において、両電極の電位差に応じてバックライトからの光の通過率が制御されて、点灯又は非点灯が行われる。
【0169】
以上、本発明に係るマイクロコンピュータ、その制御方法及び電子機器を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0170】
(1)上記の各実施形態では、液晶表示パネルが有する電極をコモンライン及びセグメントラインとして説明したが、本発明はこれらの電極の名称に限定されるものではない。
【0171】
(2)上記の各実施形態において、コモンライン数が「32」、セグメントライン数が「48」であるものとして説明したが、本発明は、コモンライン数やセグメントライン数に限定されるものではない。
【0172】
(3)上記の各実施形態において、本発明を、マイクロコンピュータ、その制御方法及び電子機器として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明を実現するためのマイクロコンピュータの制御方法の処理手順が記述されたプログラムや、該プログラムが記録された記録媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】本発明に係る第1の実施形態におけるマイクロコンピュータの構成例のブロック図。
【図2】図1の電源電圧検出回路の構成例のブロック図。
【図3】図1の液晶駆動回路の構成例のブロック図。
【図4】図3のタイミング生成回路の構成例のブロック図。
【図5】図3のコモン信号生成回路の構成例のブロック図。
【図6】図5のコモン信号生成回路の動作例の波形図。
【図7】図5のコモン信号生成回路の別の動作例の波形図。
【図8】図3のコモン出力選択回路の構成例の回路図。
【図9】図9(A)はコモンライン駆動回路を構成するコモン出力回路の構成例の回路図。図9(B)はセグメントライン駆動回路を構成するセグメント出力回路の構成例の回路図。
【図10】図10(A)は図9(A)のコモン出力回路により出力される駆動電圧の説明図。図10(B)は図9(B)のセグメント出力回路により出力される駆動電圧の説明図。
【図11】第1の実施形態における液晶駆動回路が出力する駆動電圧の波形の一例を示す図。
【図12】第1の実施形態におけるマイクロコンピュータの処理例のフロー図。
【図13】図13(A)、図13(B)は第1の実施形態における液晶駆動回路の動作例の説明図。
【図14】本発明に係る第2の実施形態における液晶駆動回路の構成例のブロック図。
【図15】図14のセグメント出力選択回路の構成例の回路図。
【図16】第2の実施形態におけるマイクロコンピュータの処理例のフロー図。
【図17】図17(A)、図17(B)は第2の実施形態における液晶駆動回路の動作例の説明図。
【図18】本発明に係る第3の実施形態における液晶駆動回路の構成例のブロック図。
【図19】図18のセグメント出力選択回路の構成例の回路図。
【図20】図20(A)は第4の実施形態におけるコモンライン駆動回路を構成するコモン出力回路の構成例の回路図。図20(B)は第4の実施形態におけるセグメントライン駆動回路を構成するセグメント出力回路の構成例の回路図。
【図21】本発明に係る電子機器の構成例のブロック図。
【図22】図21の液晶表示パネルの概略構成図。
【符号の説明】
【0174】
100…マイクロコンピュータ、 110…CPU、 112…ROM、
114…RAM、 116…第1の周辺回路、 118…第2の周辺回路、
120…I/Oポート、 122…表示メモリ、 126…電源回路、 130…バス、
140…電源電圧検出回路、 142…電圧比較回路、 144…出力ラッチ回路、
146…比較電圧設定回路、 148…動作設定レジスタ、 150…動作スイッチ、
200,300,400…液晶駆動回路、
210,310,410…モード設定レジスタ、
220…タイミング生成回路、 222…位相調整回路、
224…複数の1/2分周回路、 226…1/3分周回路、
228…1/2分周回路、 230…コモン信号生成回路、 232…デコード回路、
234…選択パルス生成回路、 240,320,420…制御信号生成回路、
250…コモン出力選択回路、 252,254…コモンラインマスク回路、
260…駆動電圧生成回路、 270…コモンライン駆動回路、
280…セグメントライン駆動回路、 330,430…セグメント出力選択回路、
332,334,336…セグメントラインマスク回路、 600…電子機器、
700…バッテリ、 800…液晶表示パネル、 CLK0…基準クロック、
CLK1〜CLK6…基準タイミング信号、 COM0〜COM31…コモンライン、
COM0−7OFF,COM8−31OFF,COM8−31OFFD,SEG0−7OFF,SEG8−23OFF,SEG8−23OFFD,SEG24−47OFF,SEG24−47OFFD,XDISP…制御信号、
COMD0〜COMD31,com0〜com31…コモン信号、
FR…フレーム信号、 SEG0〜SEG47…セグメントライン、
SEGD0〜SEGD47,seg0〜seg47…セグメント信号、
SVDet…検出信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータであって、
中央演算処理装置と、
前記中央演算処理装置によって制御され、前記液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路と、
前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出回路とを含み、
前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、
前記液晶駆動回路が、
前記電源電圧検出回路による検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項2】
請求項1において、
前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、
前記液晶駆動回路が、
変更後の表示領域に対応したコモンラインのみ選択するように前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項3】
請求項2において、
前記液晶駆動回路は、
1又は複数のコモンライン毎にその出力がマスクされる複数のコモンラインマスク回路を含み、
前記複数のコモンラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したコモンラインに所与のオフ電圧を出力することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、
前記液晶駆動回路が、
表示データに対応した電圧を、変更後の表示領域に対応したセグメントラインのみに供給して前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項5】
請求項4において、
前記液晶駆動回路は、
1又は複数のセグメントライン毎にその出力がマスクされる複数のセグメントラインマスク回路を含み、
前記複数のセグメントラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したセグメントラインに所与のオフ電圧を出力することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項6】
互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータであって、
中央演算処理装置と、
前記中央演算処理装置によって制御され、前記液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路と、
前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出回路とを含み、
前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、
前記液晶駆動回路が、
正転表示と反転表示とを繰り返すように前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項7】
請求項6において、
前記液晶駆動回路が、
正転反転制御信号に基づいて、セグメントラインに対応する表示データの正転出力と反転出力とを交互に出力する表示データ反転回路を含むことを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記電源電圧検出回路が、
前記マイクロコンピュータの電源電圧と前記閾値電圧とを比較する電圧比較回路と、
前記電圧比較回路による比較結果をラッチする出力ラッチ回路とを含み、
前記液晶駆動回路が、
前記出力ラッチ回路にラッチされた前記比較結果に基づいて、前記電源電圧検出回路による検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項9】
請求項8において、
前記電源電圧検出回路は、
前記閾値電圧が設定される比較電圧設定回路と、
前記電圧比較回路の動作をイネーブル状態に設定するための動作設定レジスタとを含み、
前記電圧比較回路が、
前記マイクロコンピュータの電源電圧と前記比較電圧設定回路に設定された前記閾値電圧とを比較することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項10】
互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータの制御方法であって、
前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出ステップと、
前記電源電圧検出ステップにおいて、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、前記電源電圧検出ステップによる検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動する駆動制御ステップとを含むことを特徴するマイクロコンピュータの制御方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記駆動制御ステップにおいて、
前記液晶駆動回路が、
変更後の表示領域に対応したコモンラインのみを選択するように前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータの制御方法。
【請求項12】
請求項10又は11において、
前記駆動制御ステップにおいて、
前記液晶駆動回路が、
表示データに対応した電圧を、変更後の表示領域に対応したセグメントラインのみに供給して前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータの制御方法。
【請求項13】
互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータの制御方法であって、
前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出ステップと、
前記電源電圧検出ステップにおいて、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、正転表示と反転表示とを繰り返すように前記液晶表示装置を駆動する駆動制御ステップとを含むことを特徴とするマイクロコンピュータの制御方法。
【請求項14】
バッテリと、
前記バッテリにより電源電圧が供給される請求項1乃至9のいずれか記載のマイクロコンピュータと、
互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置とを含み、
前記マクロコンピュータが、前記コモンライン及び前記セグメントラインを駆動することを特徴とする電子機器。
【請求項1】
互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータであって、
中央演算処理装置と、
前記中央演算処理装置によって制御され、前記液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路と、
前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出回路とを含み、
前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、
前記液晶駆動回路が、
前記電源電圧検出回路による検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項2】
請求項1において、
前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、
前記液晶駆動回路が、
変更後の表示領域に対応したコモンラインのみ選択するように前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項3】
請求項2において、
前記液晶駆動回路は、
1又は複数のコモンライン毎にその出力がマスクされる複数のコモンラインマスク回路を含み、
前記複数のコモンラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したコモンラインに所与のオフ電圧を出力することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、
前記液晶駆動回路が、
表示データに対応した電圧を、変更後の表示領域に対応したセグメントラインのみに供給して前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項5】
請求項4において、
前記液晶駆動回路は、
1又は複数のセグメントライン毎にその出力がマスクされる複数のセグメントラインマスク回路を含み、
前記複数のセグメントラインマスク回路の少なくとも1つの出力がマスクされ、マスクされた出力に対応したセグメントラインに所与のオフ電圧を出力することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項6】
互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動するマイクロコンピュータであって、
中央演算処理装置と、
前記中央演算処理装置によって制御され、前記液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路と、
前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出回路とを含み、
前記電源電圧検出回路が、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、
前記液晶駆動回路が、
正転表示と反転表示とを繰り返すように前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項7】
請求項6において、
前記液晶駆動回路が、
正転反転制御信号に基づいて、セグメントラインに対応する表示データの正転出力と反転出力とを交互に出力する表示データ反転回路を含むことを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記電源電圧検出回路が、
前記マイクロコンピュータの電源電圧と前記閾値電圧とを比較する電圧比較回路と、
前記電圧比較回路による比較結果をラッチする出力ラッチ回路とを含み、
前記液晶駆動回路が、
前記出力ラッチ回路にラッチされた前記比較結果に基づいて、前記電源電圧検出回路による検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項9】
請求項8において、
前記電源電圧検出回路は、
前記閾値電圧が設定される比較電圧設定回路と、
前記電圧比較回路の動作をイネーブル状態に設定するための動作設定レジスタとを含み、
前記電圧比較回路が、
前記マイクロコンピュータの電源電圧と前記比較電圧設定回路に設定された前記閾値電圧とを比較することを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項10】
互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータの制御方法であって、
前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出ステップと、
前記電源電圧検出ステップにおいて、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、前記電源電圧検出ステップによる検出前の前記液晶表示装置の表示領域より小さい表示領域となるように前記液晶表示装置を駆動する駆動制御ステップとを含むことを特徴するマイクロコンピュータの制御方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記駆動制御ステップにおいて、
前記液晶駆動回路が、
変更後の表示領域に対応したコモンラインのみを選択するように前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータの制御方法。
【請求項12】
請求項10又は11において、
前記駆動制御ステップにおいて、
前記液晶駆動回路が、
表示データに対応した電圧を、変更後の表示領域に対応したセグメントラインのみに供給して前記液晶表示装置を駆動することを特徴とするマイクロコンピュータの制御方法。
【請求項13】
互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置を駆動する液晶駆動回路を内蔵するマイクロコンピュータの制御方法であって、
前記マイクロコンピュータの電源電圧の低下を検出する電源電圧検出ステップと、
前記電源電圧検出ステップにおいて、前記電源電圧が所与の閾値電圧以下の電圧に低下したことを検出したとき、前記液晶駆動回路が、正転表示と反転表示とを繰り返すように前記液晶表示装置を駆動する駆動制御ステップとを含むことを特徴とするマイクロコンピュータの制御方法。
【請求項14】
バッテリと、
前記バッテリにより電源電圧が供給される請求項1乃至9のいずれか記載のマイクロコンピュータと、
互いに交差するコモンライン及びセグメントラインを有する液晶表示装置とを含み、
前記マクロコンピュータが、前記コモンライン及び前記セグメントラインを駆動することを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−32747(P2010−32747A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194498(P2008−194498)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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