説明

マイクロ波乾燥機

【課題】マイクロ波乾燥機において、マイクロ波の漏洩による気密性の低下と重量計測器への影響を防止して連続的で効率の良いマイクロ波による乾燥を実現する。
【解決手段】マイクロ波乾燥機1Aは、被乾燥物を収容する開口部3を備えた乾燥室本体5Aと、上記開口部3に開閉可能な状態で取り付けられる開閉扉7Aと、上記乾燥室本体5Aに取り付けられ、被乾燥物に向けてマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、上記開閉扉7Aが閉塞状態にある時、上記乾燥室本体5Aと開閉扉7Aの対向面に位置して乾燥室25A内を気密状態にするシール部材11を備えたシール構造13と、上記開口部3とシール構造13との中間経路63上に設けられ、第1チョーク17と第2チョーク19が向い合わせで周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構21と、を備えることによって構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被乾燥物にマイクロ波を照射して所定の含水率になるまで乾燥させるマイクロ波乾燥機に係り、特にマイクロ波の漏洩によるOリングやパッキン等によって構成されるシール部材の破壊と重量計測器への影響とを防止して連続的で効率の良いマイクロ波による乾燥を可能にしたマイクロ波乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波を利用した乾燥機にあっては、電子レンジの場合は、乾燥機本体の開口部と開閉扉を接触接合させてマイクロ波の漏洩を防止している。しかし、乾燥室内を加圧または減圧雰囲気下で乾燥を行うマイクロ波乾燥機の場合は、乾燥室内の気密性を保つために、乾燥室本体の開口部と開閉扉との間にOリングやパッキン等によって構成されるシール部材を配設したシール構造が設けられている。特に、マイクロ波を用いた減圧乾燥では効率よく低い温度で被乾燥物を乾燥させる必要から減圧雰囲気下での乾燥を行うので、シール構造が重要である。
【0003】
また、被乾燥物の乾燥状態を判断する指標として使用される含水率は、乾燥前の被乾燥物の重量と、乾燥中ないし乾燥後の被乾燥物の重量とに基づいて算出される。
【0004】
この含水率算出のための重量計測をする場合、被乾燥物の重量を計測するのは、熱風や冷風乾燥機では被乾燥物に強い風を送る必要上、不可能であるが、マイクロ波乾燥機の場合は、蒸発した水蒸気を移動するのに必要な微量な風があれば良いから乾燥中の重量計測が可能である。
【0005】
また、マイクロ波乾燥機では、効率よく被乾燥物を乾燥させるため、時々刻々変化する被乾燥物の含水率を重量変化等に基づいて計測する必要がある。従来、マイクロ波停止中に被乾燥物の重量を計測することができる家庭用電子レンジはあるが、乾燥中はロードセルがマイクロ波の影響を受けて正確な計量は望めず、被乾燥物の重量計測のその都度、マイクロ波による乾燥を一旦、中止して被乾燥物の重量を計測する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなシール構造を備えたマイクロ波乾燥機では、開閉扉は乾燥機本体の開口部から浮いた状態となり、両者の間に隙間が生じ、ここからマイクロ波が漏洩することになる。このため、マイクロ波の漏洩によるシール部材への影響を防止することはできず、上記シール部材が、乾燥中、マイクロ波に常時曝されるため加熱され、劣化し易く、早期に所定の気密性が発揮できなくなってしまうという問題があった。
【0007】
また、マイクロ波乾燥機にあっては、ロードセル等の重量計測器がマイクロ波に曝されると誤動作して正確な計測値を得られないため、被乾燥物の重量を計測する場合には、一旦マイクロ波による乾燥を中止して、乾燥中の被乾燥物を乾燥室外に取り出してからでなければ、被乾燥物の重量を計測することができず、連続的で効率の良いマイクロ波による被乾燥物の乾燥ができないという問題があった。
【0008】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、マイクロ波の遮蔽効率を高めてシール構造を備えたマイクロ波乾燥機にも対応できるようにし、マイクロ波の漏洩によるシール部材の破壊を防止して所望の気密性を長期に亘って維持するとともに、重量計測器へのマイクロ波の伝搬を防止することで、マイクロ波乾燥機への重量計測機器の設置を可能にして連続的で効率の良いマイクロ波による乾燥が可能なマイクロ波乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1によるマイクロ波乾燥機は、被乾燥物を収容する開口部を備えた乾燥室本体と、上記開口部に開閉可能な状態で取り付けられる開閉扉と、上記乾燥室本体に取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される被乾燥物に向けてマイクロ波を照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波照射装置と、上記開閉扉が閉塞状態にある時、上記開口部の外方の上記乾燥室本体と上記開閉扉の対向面に位置して上記乾燥室内を気密状態にするシール部材を備えたシール構造と、上記開口部と上記シール構造との中間経路上に設けられ、上記開口部側に位置する第1チョークと、上記シール構造側に位置する第2チョークと、が向い合わせになるように周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構と、を具備していることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2によるマイクロ波乾燥機は、請求項1記載のマイクロ波乾燥機において、上記マイクロ波漏洩防止機構は、先端部がL字状に折り曲げられた同形状、同サイズの第1チョークと第2チョークがそれぞれ対向する位置に配置されているものであることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3によるマイクロ波乾燥機は、請求項1または2記載のマイクロ波乾燥機において、上記乾燥室本体内には、被乾燥物が収容されたコンテナを支持する下端部に上面遮蔽板を備えたコンテナ支持フレームと、上記乾燥室本体内の底面に設けられ、上端部に下面遮蔽板を備えたベースフレームと、上記上面遮蔽板と上記下面遮蔽板とによって挟まれた遮蔽空間内に設けられ、乾燥室本体内に収容された被乾燥物の重量を計測する重量計測器と、が配置されており、上記重量計測器が配置されている上記遮蔽空間の外方側周部には、周方向に所定ピッチで連続的にチョークが配置されたチョーク構造を有するマイクロ波影響防止機構が配設されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4によるマイクロ波乾燥機は、請求項3記載のマイクロ波乾燥機において、上記マイクロ波影響防止機構は、請求項1または2記載のマイクロ波漏洩防止機構と同じダブルチョーク一体構造のシール構造であることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項5によるマイクロ波乾燥機は、請求項3または4記載のマイクロ波乾燥機において、上記遮蔽空間の外方には、上記上面遮蔽板と上記下面遮蔽板と上記マイクロ波影響防止機構とを被覆するマイクロ波遮断パネルが配設されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項6によるマイクロ波乾燥機は、請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機において、上記乾燥室本体には、被乾燥物の減圧雰囲気下での乾燥を可能にする減圧装置が接続されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項7によるマイクロ波乾燥機は、請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機おいて、上記開閉扉が閉塞状態にある時、上記開閉扉の前面を押して上記乾燥室本体側に押圧する押圧シリンダが設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
そして、上記手段によって以下のような作用が得られる。まず、シール部材を備えたシール構造を設けたことによって、乾燥室内の気密性が向上する。
また、上記開口部と上記シール構造との中間経路上に配置したダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構の採用によって、マイクロ波漏洩防止機構の外方へのマイクロ波の漏洩が高レベルで高周波回路的に防止される。従って、上記シール構造に対するマイクロ波の被曝が防止されるから該マイクロ波の被曝によって生ずるシール部材の劣化が防止される。
【0017】
また、上記マイクロ波漏洩防止機構を、同形状、同サイズの第1チョークと第2チョークがそれぞれ対向する位置に配置されたダブルチョーク一体構造によって構成した場合には、所望のマイクロ波の遮蔽効果を維持しつつ、より成形が容易で安価なマイクロ波漏洩防止機構が提供できるようになる。
【0018】
また、上記乾燥室本体内に上面遮蔽板を備えたコンテナ支持フレームと、下面遮蔽板を備えたベースフレームとを設け、上記上面遮蔽板と下面遮蔽板とによって挟まれた遮蔽空間内に重量計測器を配置した場合には、被乾燥物の乾燥を途中で中断することなく、被乾燥物の重量を計測して被乾燥物の乾燥状態を把握することが可能になる。
また、上記遮蔽空間の外方側周部にチョーク構造のマイクロ波影響防止機構を配置した場合には、乾燥室内に供給されたマイクロ波の遮蔽空間内への流入が防止されるから重量計測器に与えるマイクロ波の影響が防止されて被乾燥物の正確な重量計測結果が得られるようになる。
【0019】
また、上記マイクロ波影響防止機構を上記マイクロ波漏洩防止機構と同じダブルチョーク一体構造のシール構造にした場合には、マイクロ波の上記遮蔽空間内への流入が一層、確実に防止されて、より正確な重量計測結果が得られるようになる。
また、上記遮蔽空間の外方に上記上面遮蔽板と下面遮蔽板とマイクロ波影響防止機構とを被覆するマイクロ波遮断パネルを配設した場合には、遮蔽空間内へのマイクロ波の流入が構造的にも防止されるから、マイクロ波の遮蔽効果が一層高まって、更に正確な重量計測結果が得られるようになる。
【0020】
また、上記乾燥室本体に減圧装置を接続した場合には、減圧雰囲気下での被乾燥物のマイクロ波による乾燥が可能になるから、被乾燥物にダメージを与えないより低い温度での乾燥によって品質の良い被乾燥物を効率良く製造できるようになる。
また、上記開閉扉が閉塞状態にある時、開閉扉を押圧する押圧シリンダを設けた場合には、上記シール構造によるシール性が向上するから、乾燥室内部の気密性が高まって品質の良い被乾燥物を一層効率良く製造できるようになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のマイクロ波乾燥機によると、マイクロ波の遮蔽効率が高まるから、大型のマイクロ波乾燥機にも対応できるようになる。また、漏洩したマイクロ波がシール部材に作用することによって生ずるシール部材の劣化が防止されるから、所望の気密性を長期に亘って維持できるようになる。
また、重量計測器へのマイクロ波の影響が防止されるから被乾燥物の乾燥を途中で中断することなく、正確に被乾燥物の重量変化を計測しながら連続的で効率の良いマイクロ波による乾燥が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す左側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、乾燥室を示す正面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、乾燥室を示す右側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図5中の矢視Aから見た状態の開閉扉の背面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図5中のB部の拡大図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態を示す図で、開閉扉を拡開した状態の開閉扉の取付け部位を示す斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態の効果を試すために行った比較試験の結果を図表化して示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す正面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す右側面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す平面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態を示す図で、開閉扉と開閉扉の支持機構を示す正面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態を示す図で、開閉扉と開閉扉の支持機構を示す図13中のC−C断面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図14中のD部の押圧シリンダ収縮時の拡大図(a)と、押圧シリンダ伸長時の拡大図(b)である。
【図16】本発明の第2の実施の形態を示す図で、コンテナの支持構造と重量計測器を示す正面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態を示す図で、コンテナの支持構造と重量計測器を示す右側面図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態を示す図で、コンテナの支持構造と重量計測器を示す平面図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロ波影響防止機構を示す図16中の矢視Eから見た状態の底面図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図16中のE部の拡大図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態を示す図で、開閉扉を拡開した状態の乾燥室本体前面と内部を示す斜視図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態を示す図で、重量計測器と制御部との接続状態を示す配線図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図1〜図9に示す第1の実施の形態と、図10〜22に示す第2の実施に形態と、を例にとって本発明を実施するための形態を説明する。
尚、第1の実施に形態によるマイクロ波乾燥機1Aは、マイクロ波照射装置9の最大可変出力が1.9kw程度の小型、中型のマイクロ波乾燥機であり、第2の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Bは、マイクロ波照射装置9の最大可変出力が3.8kw程度の大型のマイクロ波乾燥機である。
【0024】
(1)第1の実施の形態(図1〜9参照)
本実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aは、被乾燥物Aを収容する一例として前面に開口部3を備えた乾燥室本体5Aと、上記開口部31に開閉可能な状態で取り付けられる回動片開き式の開閉扉7Aと、上記乾燥室本体5Aの一例として上面に取り付けられるマイクロ波照射装置9と、上記開口部3の外方における上記乾燥室本体5Aの前面に当接するように上記開閉扉7Aの一例として背面に設けられるシール部材11を備えたシール構造13と、上記開口部3と上記シール構造13との中間経路63上に設けられる第1チョーク17と第2チョーク19とを備えるダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構21と、を具備することによって基本的に構成されている。
【0025】
また、図示のマイクロ波乾燥機1Aにあっては、アングル材等を矩形枠状に組み立てることによって構成される支持架台23Aに対して、上記乾燥室本体5Aと開閉扉7Aとによって構成される乾燥室25Aを一例として前面左方寄りに配置しており、該乾燥室25の一例として右方には、前面に表示部27と操作ボタン29を備えた制御ボックス31が配置されている。
また、上記乾燥室25Aの一例として後方の空間には、上記乾燥室25A内の気圧を減圧する減圧装置の一例である真空ポンプ33が配置されており、上記乾燥室25Aと真空ポンプ33との間には図示しないエア配管が接続されている。
【0026】
また、上記開閉扉7Aの前面の中央には、点検窓39が設けられており、該点検窓39の左右に開閉扉7Aを開閉する際に手を掛ける一例としてアーチ型のグリップ41と、開閉扉7Aを乾燥室本体5Aの一例として前面に回動可能な状態で接続するヒンジ部43と、が設けられている。
また、上記開閉扉7Aの前面の上縁と下縁には、一例として2ヶ所ずつ回転式のロックハンドル45が設けられており、該ロックハンドル45の先端の係止爪47が上記乾燥室本体5の前面に設けられている係止フック49に係止されることによって開閉扉7Aの閉塞状態がロックできるように構成されている。
【0027】
また、図5に示すように上記乾燥室25Aの一例として側面には、乾燥室25A内に窒素ガスを充填するためのガス導入部35が設けられており、上記乾燥室25A内には、被乾燥物Aを載置した状態で回転する一例として円板状のターンテーブル37が水平姿勢で設けられている。
尚、上記ターンテーブル37の下面の中心には、乾燥室本体5Aの底面部に設けられる軸受ブロック51によって回転自在に支持されている回転軸53が鉛直方向下方に向けて延長形成されている。
そして、上記回転軸53の下端部には、カップリング55が配置されており、該カップリング55を介して、下方に設けられるギアモータ57の出力軸の回転が上記回転軸53に伝達されるように構成されている。
【0028】
また、上記ターンテーブル37上に配置される被乾燥物Aとしては、イチゴ、みかん、柿等の果物やトマトその他の野菜あるいは肉等、種々の食品が適用可能である。そして、これらの被乾燥物Aはコンテナ59等の容器に入れて上記ターンテーブル37上に載置される。
乾燥室本体5Aは、一例として前面に矩形状の開口部3が形成されている矩形筺体状の部材で、上記開口部3の周囲外方の前面が次に述べる開閉扉7Aの背面に設けられるシール構造13に対向するシール面61になっている。
【0029】
開閉扉7Aは、上記開口部3より一回り大きな矩形板状の部材で、該開閉扉7Aの背面の外周寄りには、開閉扉7Aを閉塞状態にした時、上記シール面61に当接する一例としてリング状のゴムパッキンによって構成されるシール部材11を備えるシール構造13が設けられている。
また、上記シール構造13の内方における開閉扉7Aの背面にはマイクロ波漏洩防止機構21が設けられている。
【0030】
マイクロ波漏洩防止機構21は、上記開口部3と上記シール構造13との中間経路63上に設けられており、上記開口部3側に位置する第1チョーク17と、上記シール構造13側に位置する第2チョーク19と、が向い合わせになるように周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のシール構造になっている。
具体的には、図8に示すように開閉扉7Aの背面から垂直に立ち上げられた長尺な遮蔽板65の上端縁に先端部67が基端部69に対して90°折り曲げられた断面L字形状の第1チョーク17を設け、該遮蔽板65の下端縁に上記第1チョーク17と同形状、同サイズの第2チョーク19を上記第1チョーク17と対向する位置に配置することによってマイクロ波漏洩防止機構21が構成されている。
【0031】
また、上記第1チョーク17の先端部67と第2チョーク19の先端部67との間には、ギャップGが形成されており、該ギャップGの中点Oから第1チョーク17及び第2チョーク19のそれぞれの先端部67と基端部69の接続点Bまでの距離L1は、上記中点Oから遮蔽板65側に下ろした垂線と遮蔽板65の対向面との接点Cまでの距離L2とほぼ等しく、共に使用するマイクロ波の波長λの1/4程度の長さになるように設定される。
因みに、このような寸法設定を採用することによって、上記中間経路63中に上記波長λの1/4の長さの迂回路が形成され、該迂回路での反射波と上記接続点Bから中点Oに向かう波との位相差が上記波長λの1/2になって互いに打ち消し合うことになり、乾燥室25外へのマイクロ波の漏洩が防止されるのである。
【0032】
次に、このようにして構成される第1の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aを使用して被乾燥物Aを乾燥する場合の作業手順と、上記シール構造13とマイクロ波漏洩防止機構21の作用について説明する。
まず、乾燥させる被乾燥物Aをコンテナ59等の容器に入れ、グリップ41を握って開閉扉7Aを手前に開き、開口部3から乾燥室本体5A内のターンテーブル37上に載置する。
次に、グリップ41を握り開閉扉7Aを閉めて開口部3を閉塞状態にする。続いて、ロックハンドル45を握り所定の方向にロックハンドル45を回してロックハンドル45の係止爪47を乾燥機本体5Aの前面に設けられている係止フック49に係止して開閉扉7Aの閉塞状態をロックする。
【0033】
次に、制御ボックス31前面の操作ボタン29を押して真空ポンプ33を起動して乾燥室25A内の気圧を所定の気圧に減圧するとともに、乾燥室本体5Aの側面のガス導入部35から窒素ガスを乾燥室25A内に充填する。
また、ギアモータ57を起動してターンテーブル37と該ターンテーブル37上に載置されているコンテナ59を被乾燥物Aとともに所定の回転数で回転させる。
更に、マイクロ波照射装置9を起動して乾燥室25A内の被乾燥物Aに向けてマイクロ波を照射し、図示しない冷却ファンを起動してマイクロ波照射装置9と乾燥室25A内の温度上昇を防止する。
【0034】
そして、設定した入力情報や乾燥室25内の温度等が表示部27に表示されるようになり、設定した乾燥時間の間、被乾燥物Aに対するマイクロ波による乾燥が実行される。
この時、乾燥室25内の気密性は、シール構造13により開閉扉7A背面のシール部材11が乾燥室本体5Aの前面のシール面61に圧接されることによって保たれており、マイクロ波の乾燥室25A外への漏洩は、上述したマイクロ波漏洩防止機構21による作用で高周波回路的に防止されている。
【0035】
次に、本実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aの効果を試すために行った比較試験の内容と結果について説明する。
この比較試験では、本実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aからマイクロ波漏洩防止機構21を取り除いたものと、そのまま取り付けたものの2種類について、マイクロ波周波数2.45GHz、マイクロ波出力が0.07Aの条件下で開閉扉7の全周について電力密度測定器を使用して電力密度の測定を行った。
【0036】
比較試験の結果は図9に示す通りであり、マイクロ波漏洩防止機構21を取り付けた場合の電力密度が0〜0.5mW/cmとなり、電波保護指針によって規定されている周波数1.5GHz〜300GHzにおける電力密度安全基準1mW/cmより小さく、上記電力密度安全基準を満足していることが確認された。
一方、マイクロ波漏洩防止機構21を取り外した場合の電力密度は8〜10mW/cm以上となり、上記電力密度安全基準に適合しないという結果が得られた。
【0037】
このように本実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aによれば、ダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構21の採用によって極めて高いマイクロ波の遮蔽効果が得られるため、マイクロ波の漏洩によるシール部材11の劣化を防止して所望の気密性を長期に亘って維持することが可能になる。
【0038】
(2)第2の実施の形態(図10〜22参照)
本実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Bは、前述した第1の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aよりも大型の大容量タイプのマイクロ波乾燥機になっている。尚、装置の大型化に伴なって形状、大きさ、構造及び配置が前記第1の実施の形態と相違するが、前記第1の実施の形態でも構成部材になっていた乾燥室本体5、開閉扉7B、マイクロ波照射装置9、シール構造13、マイクロ波漏洩防止機構21、真空ポンプ33等の基本的構成部材は、そのまま備えられている。
【0039】
また、本実施の形態では、前記第1の実施の形態では設けられていなかった重量計測器71が乾燥室25B内に設けられており、該重量計測器71が設けられている空間をチョーク構造を適用したマイクロ波影響防止機構73によって遮蔽空間75とすることによって、マイクロ波による乾燥を継続しながら時々刻々変化する被乾燥物Aの重量変化を同時に計測できるようにしたことが特徴になっている。
従って、ここでは、前記第1の実施の形態と構成を大きく異にする開閉扉7Bの構成と該開閉扉7Bの支持機構77と、シール構造13及びマイクロ波漏洩防止機構21の配設態様と、上記重量計測器71の構成及びその接続態様と、上記コンテナ59の支持構造79の構成を中心にして説明する。
【0040】
最初に本実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Bの全体構成の概略を説明する。
このマイクロ波乾燥機1Bは、横に長い矩形枠状の支持架台23Bに対して一例として向って右側の上部に前面が開放された角箱状の乾燥室本体5Bを備えている。また、該乾燥室本体5Bの前面の開口部3の前方には、図10中左方に延びるガイドレール81を備えた開閉扉7Bの支持機構77と、該支持機構77によって支持される左右スライド式の開閉扉7Bが配設されている。
【0041】
また、上記開閉扉7Bの前面の左右には前記第1の実施の形態と同様のグリップ41、41が設けられており、上記開閉扉7Bの前面の中央に同じく前記第1の実施の形態と同様の点検窓39が設けられている。
また、上記乾燥室本体5Bの上方には2基のマイクロ波照射装置9、9が左右に並設されており、乾燥室25Bの内部上方には2組のスターラー83、83が吊り下げられた状態で左右に並設されている。
【0042】
この他、支持架台23Bの一例として向って左側の下部には前後に2基の真空ポンプ33、33が設けられており、これら2基の真空ポンプ33、33と乾燥室本体5Bとの間には図示しないエア配管が接続されている。
また、本実施の形態では、開閉扉7Bの背面の外周部がシール面61になっており、該シール面61と対向する乾燥室本体5Bの前面に前記第1の実施の形態と同様のシール構造13とマイクロ波漏洩防止機構21が設けられている。
【0043】
尚、マイクロ波漏洩防止機構21の配設態様が前記第1の実施の形態と相違しており、遮蔽板65が乾燥室本体5Bの前面に密着した状態で取り付けられている。
従って、第1チョーク17と第2チョーク19が前方に張り出した状態でマイクロ波漏洩防止機構21は取り付けられている。また、シール構造13とマイクロ波漏洩防止機構21のその他の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0044】
また、本実施の形態では、開閉扉7Bがガイドレール81に沿って左右にスライドして開閉できるように構成されている。具体的には、以下詳述する開閉扉7Bの支持機構77によって、開閉扉7Bのスライド方向の動きが実現されている。
即ち、上記乾燥室本体5Bの前面の上下には図13に示すように左右方向に延びる長尺なガイドレール81、81が水平に設けられており、上記開閉扉7Bの上縁部と下縁部の左右に上記ガイドレール81、81と係合する自由回転可能なローラー87が一例として4個設けられている。
【0045】
また、上記開閉扉7Bの閉塞位置における上記乾燥室本体5Bの前面の上下には左右に1基ずつ計4基の押圧シリンダ89が設けられている。
これら4基の押圧シリンダ89は、上記ガイドレール81、81を跨ぐように上記乾燥室本体5Bの前面側から延びるL字形断面の保持ブラケット91によって保持されており、閉塞位置に来た開閉扉7Bを図15(a)(b)に示すように乾燥室本体5B側に所定の押圧力で押圧できるように構成されている。
【0046】
また、上記乾燥室本体5B内には、被乾燥物Aが収容されたコンテナ59を支持する支持構造79として下端部に矩形状の上面遮蔽板93を備えたコンテナ支持フレーム95と、上記乾燥室本体5B内の底面に設けられ、上端部に上記上面遮蔽板93とほぼ同じ大きさの下面遮蔽板97を備えたベースフレーム99と、が設けられている。
また、上記上面遮蔽板93と下面遮蔽板95によって挟まれた遮蔽空間75内には、被乾燥物Aの重量を計測する重量計測器として一例として3基のロードセル71が図18に示すように配置されており、遮蔽空間75の外周部にはチョーク構造のマイクロ波影響防止機構73が配設されている。
【0047】
また、上記乾燥室本体5B内の底面の前後から上方に向けてドレンパン101用の固定プレート103が一例として4枚立ち上げられており、これら4枚の固定プレート103の上端部に一例として底面が図16中、右方に傾斜している平面視矩形状のドレンパン101が取り付けられている。
上記ベースフレーム99は、乾燥室本体5B内の底面上に固定される一例として4個の固定ベース105と、該固定ベース105上に配置され、上記下面遮蔽板97の下面に取り付けられている4個のフット107と、上面にロードセル71の一端が固定されている上記下面遮蔽板97と、を備えることによって構成されている。
【0048】
一方、上記コンテナ支持フレーム95は、上記ロードセル71の他端が下面に固定されている上述した上面遮蔽板93と、該上面遮蔽板93の上方に立ち上げられている下部フレーム109と、該下部フレーム109の上端部に設けられ、前後方向に延びる2本のガイドレール111、111を左右両端に配置して支持する上部フレーム113とを備えることによって構成されている。
【0049】
また、ロードセル71は、起歪体と歪みゲージとブリッジ回路を備えた荷重を電気信号に変換する荷重変換器である。そして、本実施の形態では上述したように3基のロードセル71を使用して被乾燥物Aの重量変化を計測しており、図22に示すように各ロードセル71によって計測されたデータは電気信号として出力され、和算箱115において上記3つの計測データが和算され、和算されたデータが制御ボックス31に送信される。
尚、上記制御ボックス31に送信された和算されたデータは、制御ボックス31の前面に設けられている指示計としてのインジケータ127や表示部27となるモニタ上に数値として表示させたり、制御部117に送信されて乾燥時間やマイクロ波の照射量の制御に利用される。
【0050】
また、上記上面遮蔽板93の下面の外周部には、前記マイクロ波漏洩防止機構21と同じダブルチョーク一体構造の図19に示すマイクロ波影響防止機構73が設けられている。
具体的には、図16、17、20に示すように上面遮蔽板93の下面に必要に応じて適宜のスペーサ119を介してマイクロ波影響防止機構73の遮蔽板65を取り付け、第1チョーク17と第2チョーク19を下方の下面遮蔽板97の上面に臨ませた状態にする。
そして、このような配設態様をとることによってロードセル71が設けられている遮蔽空間75は、周りの乾燥室本体5の内部雰囲気と区画され、マイクロ波の流入が防止された空間になっている。
【0051】
更に、本実施の形態では、図16、17、20に示すように上記遮蔽空間75の外方に上記上面遮蔽板93と、下面遮蔽板97と、マイクロ波影響防止機構73とを被覆するマイクロ波遮断パネル121が配設されている。該マイクロ波遮断パネル121は、構造的に高周波回路的なマイクロ波の遮蔽効果を補助している。
従って、本実施の形態では上記マイクロ波影響防止機構73による高周波回路的なマイクロ波の遮蔽効果に加えてマイクロ波遮断パネル121による構造的なマイクロ波の遮蔽効果が発揮されるから遮蔽空間75内へのマイクロ波の漏洩がより一層、防止された構造になっている。
【0052】
次に、このようにして構成される第2の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Bを使用して被乾燥物Aを乾燥する場合の作業手順と上記シール構造13とマイクロ波漏洩防止機構21とマイクロ波影響防止機構73の作用について説明する。
まず、乾燥させる被乾燥物Aをコンテナ59等の容器に入れ、左右のグリップ41、41を握って開閉扉7Bを左方にスライドさせて開き、開口部3を拡開状態にする。次に、乾燥室本体5B内の左右のガイドレール111、111上にコンテナ59を手前側から滑らせるようにして載置し、上記と逆の手順で開閉扉7Bを右方にスライドさせて開口部3を閉塞状態にする。
【0053】
尚、この時開閉扉7Bの一部が乾燥室本体5Bの前面に設けられているショックアブソーバ123に当接することによってその衝撃が和らげられ、開閉扉7Bは緩やかに閉塞位置に移動する。
次に、制御ボックス31前面の操作ボタン29を押して押圧シリンダ89を作動させ、図15(a)(b)に示すように押圧シリンダ89のヒンジピン125を突出させて開閉扉7Bを乾燥室本体5B側に移動させる。
【0054】
開閉扉7Bが所定ストローク移動すると、図15(b)に示すように開閉扉7B背面のシール面61が乾燥室本体5Bの前面に取り付けられているシール部材11に当接して、シール構造13によって乾燥室25B内の気密性が確保される。
更に、制御ボックス31前面の操作ボタン29を押して真空ポンプ33を起動して乾燥室25B内の気圧を所定の気圧に減圧するとともに、乾燥室本体5Bの側面のガス導入部35から窒素ガスを乾燥室25B内に充填する。
【0055】
次に、マイクロ波照射装置9を起動して乾燥室25B内の被乾燥物Aに向けてマイクロ波を照射し、スターラー83を起動して乾燥室25B内のマイクロ波を撹拌しながらマイクロ波による乾燥を実行する。
この時、マイクロ波の乾燥室25B外への漏洩は、乾燥室本体5Bの開口部3の周囲に設けられているマイクロ波漏洩防止機構21による作用で高周波回路的に防止されている。
【0056】
また、乾燥室25B内のマイクロ波の遮蔽空間75内への漏洩は、遮蔽空間75の外周部に設けられているマイクロ波影響防止機構73による高周波回路的な遮蔽作用で防止され、更に該遮断空間75の外方に設けられているマイクロ波遮断パネル121による構造的な遮蔽作用でも防止されている。
そして、上記ロードセル71によって計測されたデータに基づいて乾燥中の被乾燥物Aの重量変化が算出され、乾燥時間の設定やマイクロ波照射量あるいは乾燥室25B内の温度の調節等の制御に利用される。
【0057】
そして、このような構成の第2の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Bによっても、前記第1の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aと同様の作用、効果が発揮される。
また、本実施の形態の特有の作用、効果として、ロードセル71へのマイクロ波の伝搬が防止されるから、マイクロ波のロードセル71への影響を回避して連続的で効率の良いマイクロ波による乾燥が可能になり、被乾燥物Aの乾燥品質の向上が期待できる。
【0058】
尚、本発明のマイクロ波乾燥機1は、上記の実施の形態のものに限定されずその発明の要旨内での変更が可能である。例えば、前記第1の実施の形態で開閉扉7A側に設けたシール構造13とマイクロ波漏洩防止機構21を乾燥室本体5側に設けたり、これらの双方に振り分けて設けることが可能である。
同様に、前記第2の実施の形態で乾燥室本体5B側に設けたシール構造13とマイクロ波漏洩防止機構21を開閉扉7B側に設けたり、これらの双方に振り分けて設けることが可能である。
【0059】
また、前記マイクロ波漏洩防止機構21とマイクロ波影響防止機構73において採用したダブルチョーク一体構造のシール構造において、第1チョーク17と第2チョーク19を半ピッチずらして互い違いになる配列で設けたり、前記マイクロ波影響防止機構73として遮蔽板65の長手方向の一方の側縁のみにチョークを設けたシングルチョーク構造のシール構造を採用することが可能である。
この他、本発明のマイクロ波乾燥機1の構成は、業務用の小型、中型、大型の乾燥機に適用される他、家庭用の電子レンジ等に適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のマイクロ波乾燥機は、種々の乾燥食品の製造、使用分野等で利用でき、特にマイクロ波の漏洩による気密性の低下と重量計測器への影響を防止して安全で効率的なマイクロ波による乾燥を実現したい場合に利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0061】
1 マイクロ波乾燥機
3 開口部
5 乾燥室本体
7 開閉扉
9 マイクロ波照射装置
11 シール部材
13 シール構造
17 第1チョーク
19 第2チョーク
21 マイクロ波漏洩防止機構
23 支持架台
25 乾燥室
27 表示部
29 操作ボタン
31 制御ボックス
33 真空ポンプ(減圧装置)
35 ガス導入部
37 ターンテーブル
39 点検窓
41 グリップ
43 ヒンジ部
45 ロックハンドル
47 係止爪
49 係止フック
51 軸受ブロック
53 回転軸
55 カップリング
57 ギアモータ
59 コンテナ
61 シール面
63 中間経路
65 遮蔽板
67 先端部
69 基端部
71 ロードセル(重量計測器)
73 マイクロ波影響防止機構
75 遮蔽空間
77 支持機構
79 支持構造
81 ガイドレール
83 スターラー
87 ローラー
89 押圧シリンダ
91 保持ブラケット
93 上面遮蔽板
95 コンテナ支持フレーム
97 下面遮蔽板
99 ベースフレーム
101 ドレンパン
103 固定プレート
105 固定ベース
107 フット
109 下部フレーム
111 ガイドレール
113 上部フレーム
115 和算箱
117 制御部
119 スペーサ
121 マイクロ波遮断パネル
123 ショックアブソーバ
125 ヒンジピン
127 インジケータ(指示計)
A 被乾燥物
G ギャップ
O 中点
B 接続点
C 接点
L 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物を収容する開口部を備えた乾燥室本体と、
上記開口部に開閉可能な状態で取り付けられる開閉扉と、
上記乾燥室本体に取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される被乾燥物に向けてマイクロ波を照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波照射装置と、
上記開閉扉が閉塞状態にある時、上記開口部の外方の上記乾燥室本体と上記開閉扉の対向面に位置して上記乾燥室内を気密状態にするシール部材を備えたシール構造と、
上記開口部と上記シール構造との中間経路上に設けられ、上記開口部側に位置する第1チョークと、上記シール構造側に位置する第2チョークと、が向い合わせになるように周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構と、を具備していることを特徴とするマイクロ波乾燥機。
【請求項2】
上記マイクロ波漏洩防止機構は、先端部がL字状に折り曲げられた同形状、同サイズの第1チョークと第2チョークがそれぞれ対向する位置に配置されているものであることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波乾燥機。
【請求項3】
上記乾燥室本体内には、被乾燥物が収容されたコンテナを支持する下端部に上面遮蔽板を備えたコンテナ支持フレームと、
上記乾燥室本体内の底面に設けられ、上端部に下面遮蔽板を備えたベースフレームと、
上記上面遮蔽板と上記下面遮蔽板とによって挟まれた遮蔽空間内に設けられ、乾燥室本体内に収容された被乾燥物の重量を計測する重量計測器と、が配置されており、
上記重量計測器が配置されている上記遮蔽空間の外方側周部には、周方向に所定ピッチで連続的にチョークが配置されたチョーク構造を有するマイクロ波影響防止機構が配設されていることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロ波乾燥機。
【請求項4】
上記マイクロ波影響防止機構は、請求項1または2記載のマイクロ波漏洩防止機構と同じダブルチョーク一体構造のシール構造であることを特徴とする請求項3記載のマイクロ波乾燥機。
【請求項5】
上記遮蔽空間の外方には、上記上面遮蔽板と上記下面遮蔽板と上記マイクロ波影響防止機構とを被覆するマイクロ波遮断パネルが配設されていることを特徴とする請求項3または4記載のマイクロ波乾燥機。
【請求項6】
上記乾燥室本体には、被乾燥物の減圧雰囲気下での乾燥を可能にする減圧装置が接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機。
【請求項7】
上記開閉扉が閉塞状態にある時、上記開閉扉の前面を押して上記乾燥室本体側に押圧する押圧シリンダが設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−172875(P2012−172875A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33782(P2011−33782)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(500360116)西光エンジニアリング株式会社 (6)
【Fターム(参考)】