説明

マイクロ波支援化学反応のための分光器に基づくリアルタイム制御

【課題】マイクロ波支援化学合成の反応条件をリアルタイムで最適化できる器具及び方法を提供する。
【解決手段】マイクロ波エネルギーをサンプルに印加するためのマイクロ波放射源25と、サンプルを、マイクロ波エネルギー印加の間、保持するための、放射源と波動連通しているマイクロ波空洞27と、サンプルに実質的に単色の光を印加するための、前記空洞と電磁的に連通している実質的に単色の放射源40とを含む器具であり、更に、サンプルによる単色放射源からの光のラマン散乱を検出する検出器50により検出されたラマン散乱に基づき、マイクロ波照射源及びラマン散乱検出器と信号連通している制御器によりサンプルへ照射するマイクロ波エネルギーを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波支援化学反応に、より具体的には、進行中のマイクロ波支援化学反応の測定と制御に関する。
【背景技術】
【0002】
化学技術分野では広く理解されているように、反応物の温度を上げる(即ち加熱する)ことによって、多くの化学反応を開始させ、又は加速させることができる。従って、(周囲の温度以上に)温度を上げて化学反応を実行することは、多くの化学的プロセスでは一般的なことである。
【0003】
化学反応の温度を上げるためにマイクロ波エネルギーを使用する利点は、良く知られている。例えば、Jenningsへの米国特許第6,753,517号は、制御されたマイクロ波エネルギーを使用するマイクロ波支援化学合成器を開示している。
【0004】
更に、近年の開発によって、温度の上昇とは切り離して、化学反応を開始させ、加速させ、又は維持するために、マイクロ波エネルギーを使用することが増えている。マイクロ波は、反応温度を適度に保つか、極端な場合には低温(即ち、室温かそれ以下)に保ちながら、有用に印加される場合もある。
【0005】
マイクロ波支援化学反応の様々なパラメータを監視するのは、マイクロ波エネルギーの入力を制御するのに役立つ。例えば、Barclayらへの米国特許第5,972,711号は、試薬を所定の又はそれに近い温度に維持するため、試薬の混合物の温度を監視する段階を含むマイクロ波支援の化学的プロセスの方法について述べている。
【0006】
別の例では、Collinsらへの米国特許第6,227,041号は、サンプルの揮発成分を測定するための方法と装置について述べている。この方法は、マイクロ波エネルギーの印加中のサンプルの重量と温度を監視する段階を含んでいる。この方法は、更に、サンプルの燃焼を防ぐために、測定された温度に基づいて、マイクロ波出力の印加を調整する段階を含んでいる。
【0007】
更に別の例では、Greeneらへの米国特許第6,288,379号は、マイクロ波支援化学反応において連続可変出力を使用するための方法について述べている。この方法は、所定の設定点におけるサンプルの、選択されたパラメータの測定値に基づいて、印加されるマイクロ波出力のデューティサイクルを測定し調整する段階を含んでいる。好適な測定パラメータには、温度と圧力が含まれる。
【0008】
先に述べた器具と方法は、それぞれの用途における代表例である。また、全てがフィードバック制御機構からの恩恵を被っている。フィードバック制御機構は、例えば、温度、圧力、揮発成分含有率又は重量を含め、少なくとも1つの測定されたパラメータに基づいている。これらのパラメータは、標準的な器具、例えば、温度を測定するための赤外線高温計や、圧力を測定するための圧力変換器を使って測定される。
【0009】
化学的プロセスは、普通は汚染物質及び生成物の収量について評価される。この点で、化学物質のサンプル、プロセス、又はこれら及びこの他の基準の両方を評価し、監視するのに、分光計が良く知られている。一般的な用語に定義されているように、分光分析法は、物質と電磁放射の間の相互作用に関する理論と解釈の物理学である。電磁放射は、量子又は光子と呼ばれるエネルギーの流れと考えられる。各量子のエネルギーの量が、放射の波長を決める。
【0010】
電子が軌道を旋回している原子は、一般的に「基底状態」又は最低のエネルギーレベルにある。原子同士が結合して分子が形成され、新しい電子の基底状態のエネルギーレベルになる。或る条件の下で、電子は、高いエネルギーレベル(即ち、「励起状態」)まで電子を上昇させるエネルギーを獲得する。原子、官能基又は分子内の電子は、そのエネルギーレベルを、放射線の特異な量子が分子によって吸収されるか、放出される場合にのみ、変化させる。吸収されるか放出される放射線の周波数は、電子のエネルギーの変化の一次関数である。従って、分光分析は、吸収及び放出スペクトルを測定することである。吸収又は放出されるエネルギーの量は特定の原子、分子及び官能基の特性を示すので、分光分析法は、化学組成を識別し、定量するのに広く用いられる。
【0011】
波長、技法又はその両方に基づいて、多くの異なる種類の分光分析法が科学的に有用である。これには、限定するわけではないが、赤外線(IR)吸収分光分析法、蛍光分光分析法、紫外線/可視光線(UV/VIS)及びラマン分光分析法が含まれる。
【0012】
Brullへの米国特許公開第2003/0116027号は、分光分析法を使って凍結乾燥プロセスを監視する方法を開示している。Brullの特許公開は、凍結乾燥プロセスのリアルタイム分光分析が、温度及び水分含有量のような抽出された測定値に基づいて、プロセスのフィードバック制御に使用できることを開示している。
【0013】
マイクロ波支援化学合成は、普通は密閉された反応容器内で実行される。これは、或る反応パラメータ、例えば、副反応による汚染物質の形成と生成物の収量、を測定することに関し問題を提示する。現在、マイクロ波支援技法では、侵入的な技法、即ち容器又はその内容物との少なくともある種の物理的接触(例えば、圧力変換器)を使って、上記及びその他のパラメータを監視しなければならない。例えば、Jenningsへの米国特許第6,630,652号を参照されたい。
【0014】
分光分析法は、進行中の反応を非侵入的に監視する有用な方法である。反応容器は、通常、ガラス又は石英のようなマイクロ波透過性の材料で作られている。しかしながら、ガラスは、UV/VIS及びIRの波長に対しては不透明な遮蔽物となるので、これらを使った分光分析法のような幾つかの分光分析法は、ガラスによって妨げられる。従って、ガラス容器が望ましいか又は必要な場合は、UVとIR分光分析法は適さず、恐らく役に立たない。ガラスは、ラマン分光分析法で一般的に用いられる周波数の多くに対して実質的に透過性なので、この点で、ラマン分光分析法は、UV/VIS及びIRに替わる魅力的な策である。
【0015】
つまり、ラマン分光分析法は、他の分光分析法以とは違って、分子の振動エネルギーを測定する。ラマン分光分析法は、分子による光子の、弾性とは反対の非弾性的な散乱の測定に基づいている。散乱は、レーザーのようなエネルギー源からの入射光子エネルギーと分子との間の衝突に続いて起こる。光子の弾性的な散乱は、入射光子エネルギーが、衝突後に全方向に散乱した光子のエネルギーと等しい場合に起こる。この場合、散乱した光子は、分子に関する情報を提供しない。
【0016】
これに対し、非弾性的な散乱は、入射光子が分子との衝突でエネルギーを得るか又は失う場合に起こる。この場合、散乱した光子は分子に関する情報を提供する。ラマン分光分析法の理論と実践に関する詳細な調査が、「振動分光分析法の手引き(2001年、John Chalmers及びPeter Griffiths編集)」と「ラマン分光分析法の手引き:調査研究室からプロセスラインまで(2001年、Ian R.LewisとHowell G.M.Edward編集)」に記載されている。
【0017】
ラマン分光分析法は、マイクロ波支援技法で限界まで使用されている。Stellmanらは、アミン硬化性エポキシドのマイクロ波硬化を時間の関数として監視するため、ラマン分光分析法を使用した(Christopher M.Stellmanらによる「マイクロ波重合の現場分光分析的研究、応用分光分析法、(49)3、1995年」)。この研究で、マイクロ波硬化性エポキシのラマンスペクトルは、2.4分の硬化時間に亘って、連続して現場で取られた。この時間枠後に取り込まれたスペクトル(即ち、長い照射)は、サンプルが過剰な蓄熱で着火したため廃棄された。
【0018】
最近では、PivonkaとEmphieldが、マイクロ波支援反応における収量、機構及び動力学のリアルタイム現場分析のために、有機反応からのリアルタイムのスペクトルフィードバックを提供するため、ラマンプローブを市販のマイクロ波合成器に組み込んでいる(Don E.PivonkaとJames R.Empfield、「マイクロ波支援有機反応のリアルタイム現場ラマン分析、応用分光分析法(58)1、2004年」)。
【0019】
これらの参考文献に鑑み依然として存続している問題は、マイクロ波支援化学合成の非侵入性リアルタイムフィードバック制御のための市販の実用的な器具と方法がないことである。必然的に、それに続くもう1つの問題は、リアルタイムの非侵入性スペクトル分析に基づく自己最適化マイクロ波支援化学合成のための器具と方法がないことである。
【特許文献1】米国特許第6,753,517号
【特許文献2】米国特許第5,972,711号
【特許文献3】米国特許第6,227,041号
【特許文献4】米国特許第6,288,379号
【特許文献5】米国特許第2003/0116027号
【特許文献6】米国特許第6,630,652号
【特許文献7】米国特許第2003/0170149号
【特許文献8】米国特許第6,867,400号
【特許文献9】米国特許第2005/0045625A1号
【非特許文献1】「振動分光分析法の手引き(2001年、John Chalmers及びPeter Griffiths編集)」
【非特許文献2】「ラマン分光分析法の手引き:調査研究室からプロセスラインまで(2001年、Ian R.LewisとHowel G.M.Edward編集)」
【非特許文献3】「マイクロ波重合の現場分光分析法研究、応用分光分析法、(49)3、1995年」
【非特許文献4】「マイクロ波支援有機反応のリアルタイム現場ラマン分析、応用分光分析法(58)1、2004年」
【非特許文献5】Dorf「電気工学手引書 第2版」1997年、CRCプレスLLC
【非特許文献6】S.Wolf「VLSI時代のシリコン処理」1990年、Latticeプレス
【非特許文献7】Alfred S.Posamentier「高等ユークリッド幾何学:中等教育の教師と生徒のための演習」2005年、キーカリキュラムプレス
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、マイクロ波支援化学合成のための装置であり、マイクロ波エネルギーをサンプルに印加するためのマイクロ波放射源と、マイクロ波エネルギーを印加している間サンプルを保持するための、前記放射源と波動連通しているマイクロ波空洞と、実質的に単色の光をサンプルに印加するための、前記空洞と電磁的に連通している実質的に単色の放射源と、サンプルによる前記単色の放射源からの光のラマン散乱を検出するために配置されている検出器と、検出されたラマン散乱に基づいて、サンプルへのマイクロ波エネルギーの印加を調整するための、前記マイクロ波エネルギー放射源及び前記ラマン散乱検出器と信号連通している制御器を含んでいる。
【0021】
本発明は、更に、マイクロ波支援化学合成のための方法である。本方法は、サンプル反応物にマイクロ波エネルギーを印加する段階と、実質的に単色の放射線をサンプル反応物に伝播させる段階と、サンプルからの単色光のラマン散乱を測定する段階と、測定されたラマン散乱に基づいてサンプルへのマイクロ波エネルギーの印加を調整する段階を含んでいる。
【0022】
従って、本発明の目的は、サンプルに電磁放射線を放射(例えば、レーザー源からの放射)するマイクロ波支援化学合成器具と、サンプルからの放射線の少なくとも一部を検出するための検出器とを提供することがである。
【0023】
本発明の別の目的は、放射線検出器からのデータを受信して分析し、受信したデータに基づいてマイクロ波エネルギーの印加を制御するマイクロ波支援化学合成器具を提供することである。
【0024】
本発明の又別の目的は、受信し分析したデータに基づいて、反応条件(例えば、マイクロ波エネルギーの印加)をリアルタイムで最適化するマイクロ波支援化学合成器具を提供することである。
【0025】
本発明の又別の目的は、放射線検出器を使って散乱した光子を非侵入的に測定し、測定値に基づいてマイクロ波エネルギーの入力を制御することによって、反応条件をリアルタイムで自動的に最適化するマイクロ波支援化学合成法を提供することである。
【0026】
本発明の上記及びこの他の目的と利点、及び本発明を実現する方法は、添付図面と関連付けて以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
第1の実施形態では、本発明は、マイクロ波支援化学合成を実行するための器具10(図1)である。器具10は、通常は頑丈なプラスチック又は金属で作られているマイクロ波装置ハウジング11とラマン検出器ハウジング12を含んでいる。ハウジング11、12は、ここに記載している内部構成要素を保護する。ハウジング11、12の少なくとも一方は、内部構成要素を冷却し易くするため、細長い開口部13で通気されている。図1は、更に、電源スイッチ14、状態表示器15及びマイクロ波透過性反応容器20のような器具10の他の概略的特徴を示している。反応容器20は、減衰器16に取り囲まれており、供給管17を使って供給される。減衰器16は、マイクロ波エネルギーが容器20から逃げないようにする。
【0028】
図2は、マイクロ波装置ハウジング11と、その中の様々な内部構成要素の部分斜視図である。要するに、図2は、マイクロ波源25、導波管26、マイクロ波空洞27、撹拌モーター28、ファン30、ファンに付帯するハウジング31、圧力変換器33を示している。更に、反応容器20、供給管17、及び、例えば状態表示器15を制御する様々な電子機器35も示している。
【0029】
有用なマイクロ波源は、当業者には周知であり、マグネトロン、クライストロン及び半導体装置などがこれに含まれる。器具10では、マイクロ波は、マイクロ波源25から導波管26を通ってマイクロ波空洞27へと進む。エネルギーがマイクロ波空洞27に入ると、反応容器20内のサンプルはマイクロ波エネルギーを吸収する。このようにして、マイクロ波空洞27は、マイクロ波源25とマイクロ波連通している。
【0030】
導波管26は、マイクロ波を内向きに反射する材料で作られており、望ましくない様式でマイクロ波が逃げるのを防いでいる。一般的に、そのような材料は、マイクロ波を閉じ込めるための機能以外に、そのコスト、強度、成形性、耐腐蝕性、又は何らかの他の必要又は適切な基準に基づいて選択される。本発明の好適な実施形態では、導波管26と空洞の金属部分は、ステンレス鋼で形成されている。
【0031】
別の種類の化学反応の場合と同様に、マイクロ波支援有機化学反応でも、反応容器20内のサンプルを撹拌して混ぜ合わせるのが有効である。これは、例えばJenningsに発行の米国特許第2003/0170149号に記載されているように、モーター28を使って磁気撹拌器を駆動することで実現される。
【0032】
ファン30は、器具10の電子機器とマイクロ波源25の部分を冷却するばかりでなく、化学反応が進行している間に、マイクロ波空洞27が過熱しないように維持する働きをする。器具と空洞を適切に冷却できる容量を有していること以外は、ファン30の特性又は選択は、当業者の個々の判断に任せられている。或る典型的な実施形態では、ファン30はハウジング31に取り付けられており、電子機器とマイクロ波源25に空気の流れを送ってそれらを効果的に冷却するようになっている。
【0033】
図3は、サンプルをマイクロ波空洞27内に保持するための反応容器20の例を示している。反応容器20は、試験管形状の装置であってもよいが、丸底のフラスコか、他の適切なコンテナであってもよい。図3に示している容器20は事例であって、本発明を、容器20に関して特定の形状又は容積に限定するものではない。反応容器20は、マイクロ波透過性材料で形成されている。適切なマイクロ波透過性材料は当業者には周知であり、例えば、ガラス、石英、及びPYREX(登録商標)のようなホウケイ酸ガラスがこれに含まれる。好適な実施形態では、反応容器20は、卓上での実験には使い勝手の良い、少なくとも約0.25ミリリットルの容積(「作動容積」と呼ばれることが多い)を有している。
【0034】
これも図3に示しているように、反応容器20は、供給管17用の取り付け具21を含んでいる。取り付け具21は、サンプルが漏れないように、適切な密閉手段22(例えば、化学的に不活性な材料で作られたOリングシール)を含んでいる。適切な取り付け具は当業者には既知であり、例えば、ねじ付金具、弁、瞬間接続金具及びホースクランプがこれに含まれる。
【0035】
図4は、図2と共通の部品、並びに器具10の他の内部部品を示している。保持クリップ29は、器具のハウジング11の上部を所定の位置に保持する。マイクロ波空洞27、細長い開口13及び電源スイッチ14も図示されている。ラマン装置ハウジング39は、実質的に単色の放射源40も囲い込んでいる。放射源40は、実質的に単色の光をサンプルに印可するためマイクロ波空洞27と電磁的に連通している。或る好適な実施形態では、単色の放射源40はレーザーである。サンプルによる単色の放射源40からの光のラマン散乱を検出するために配置されているラマン検出器50も、ラマン装置ハウジング39に囲い込まれている。ラマン検出器は、例えば、光電子増倍管又は電荷結合素子(CCD)である。
【0036】
図4は、更に、様々なワイヤ36と電気コネクタ37を示している。本発明の器具と方法については、ワイヤ36と電気コネクタ37は、器具10の日常的な作動に関して当業者には既知であるので、ここでは詳細には論じない。
【0037】
器具10は、検出されたラマン散乱に基づいてサンプルへのマイクロ波エネルギーの印加を調整するために、マイクロ波エネルギー源25及びラマン検出器50と信号連通している制御器(図示せず)によって制御されている。例えば、制御器は、マイクロ波エネルギー源25及びラマン検出器と電気的に連通しているマイクロプロセッサである。マイクロプロセッサは、マイクロ波エネルギー源25を制御して、パルス状のマイクロ波エネルギーを印加させるのが望ましい。この様に、マイクロ波エネルギーをパルス状に印加することによって、サンプルの過熱が回避される。
【0038】
マイクロプロセッサは、当該技術及びその他の技術において、多くの型式の電子機器と機械装置を制御するために良く知られている。これらの装置へ半導体物理学とシリコン処理を適用することにおける最近の進歩によって、より小型で強力なマイクロプロセッサで複雑な機械とプロセスを制御できるようになった。限定するわけではないが、Dorfの「電気工学手引書 第2版」(1997)CRCプレスLLCと、S.Wolfの「VLSI時代のシリコン処理」(1990)Latticeプレス、にも論じられている。
【0039】
本発明の器具と方法に関し、マイクロプロセッサは、事前設定されたパラメータを定義するプログラムを実行するか、又はリアルタイムのオペレーター入力に応答する。例えば、本発明の器具及び方法は、コンピュータープログラムによって定義されたパラメータに基づいてサンプルの特性を測定する品質制御装置として有用である。事前設定されたパラメータからの偏差は、マイクロプロセッサを促してマイクロ波エネルギーの入力を調整させ、サンプルを仕様に沿わせる。代わりに、オペレーターが、検出されたラマン散乱に基づいて、マイクロ波エネルギーの印加をリアルタイムに「オンザフライ」で修正してもよい。
【0040】
マイクロプロセッサは、更に、圧力変換器33に関してマイクロ波エネルギーの印加を調整する(図2参照)。図2と図4に示すように、圧力変換器33は、サンプルによって誘起される反応容器20内の圧力に基づいてマイクロ波の印加を調整するため、反応容器20内のサンプルと圧力連通し、制御器と電子的に連通している。
【0041】
別の実施形態では、器具10は、マイクロ波源25と、マイクロ波源25からのマイクロ波エネルギーの印加を制御するための手段と、サンプルを保持するための、マイクロ波源25と波動連通しているマイクロ波透過性の容器20と、光増幅された放射線をサンプルに印加するための、容器20近くに配置されているレーザーエネルギー源40と、レーザーエネルギー源40からの光のサンプルによるラマン散乱を検出するための、容器20近くに配置されている検出器50と、を含むマイクロ波支援化学合成器具である。
【0042】
マイクロ波エネルギーの印加を制御するための手段は、ラマン検出器50からのデータを受信して分析し、同時にマイクロ波源25を制御するための、マイクロ波源25及びラマン検出器50と電子的に連通しているマイクロプロセッサ(図示せず)を含んでいる。従って、サンプルへのマイクロ波エネルギーの入力は、フィードバック制御方式で制御され、最適化される。
【0043】
レーザーエネルギー源40は、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、赤外線(IR)又は近赤外線(NIR)を生成することができる。当業者には理解頂けるように、UV光の波長範囲は約200ナノメーター(nm)から400nmであり、VIS光の波長範囲は約380nmから780nmであり、IR光の波長範囲は約0.75マイクロメーター(μm)から1000μmである。NIRは、VIS光に最も近いIRスペクトル(例えば、約785nm)を指す。或る好適な実施形態では、レーザーエネルギー源40は、約785ナノメーターの波長でNIR光を生成するレーザーダイオードである。レーザーエネルギー源40も、マイクロプロセッサと電子的に連通している。
【0044】
器具10は、更に、サンプルの温度を測定するため、反応容器20近くに温度センサーを含んでいる(図2に番号32で概略的に示している)。或る典型的な実施形態では、温度センサー32は、赤外線検出器、紫外線検出器及び光ファイバーセンサーから成るグループから選択される。温度センサー32は、マイクロプロセッサと電子的に連通しているのが望ましい。従って、マイクロプロセッサは、測定された温度に基づいて、マイクロ波源25からのマイクロ波の印加を制御する。
【0045】
図5は、図4と同様の様式で器具を示しているが、反応容器20、光学管42及び無線周波数スタブ46を示すためにマイクロ波空洞を取り除いている。無線周波数スタブ46は、先に述べた減衰器16と同様に、マイクロ波エネルギーがマイクロ波空洞27から逃げないようにしている(図4参照)。図5は、更に、ミラー(図示せず)を保持するためのミラー保持器41と、光学管42を通してレーザーの焦点をサンプルに合わせるための調整手段43と、様々な寸法の容器をマイクロ波空洞27内に収容できるように反応容器保持器47を調整するための駆動モーター44と、駆動モーター44を電気的に制御するための回路板45と、を示している。
【0046】
通常、レーザー源40、ミラー(図示せず)、ミラー保持器41、光学管42、回折格子(図示せず)及びラマン検出器50は、米国ワイオミング州ララミーのDeltaNu社(登録商標)から販売されているAdvantage NIRラマン分光計のような、パッケージユニットとして入手される。一般的な用語では、回折格子は、光を拡散させるために透過又は反射回折格子を採用している分光器である、と当業者は理解している。回折格子は、通常、スリットと、回折格子によって拡散された光の焦点をスペクトル線に合わせる(回折格子ミラーのような)焦点手段を有している。或る好適な実施形態では、光の焦点は、CCD検出器に合わせられている。
【0047】
図6は、幾つかの追加品目を示す器具のハウジング11、12の後方斜視図である。図6は、冷却ファン30、電源スイッチ14及び先に説明した圧力変換器33用のコネクタ34を示している。図6は、更に、電力コード入口66と、器具の全能力を利用するための周辺装置用の接続部を示している。好適な実施形態では、例えば、器具は、他の電子装置、具体的にはパーソナルコンピューター、パーソナルデジタルアシスタンツ又は他の適切な装置のようなマイクロプロセッサベースの装置から入力を受け取り、その装置へ出力を送るための、パラレルポート67、セリアルポート68及びユニバーサルセリアルバス(USB)ポート69を含んでいる。
【0048】
別の態様では、本発明は、マイクロ波支援化学合成のための方法であり、マイクロ波エネルギーをサンプル反応物に印加する段階と、実質的に単色の放射線をサンプル反応物に伝播させる段階と、サンプルからの単色の光のラマン散乱を測定する段階と、測定されたラマン散乱に基づいてサンプルへのマイクロ波エネルギーの印加を調整する段階とを含んでいる。或る好適な実施形態では、印加する段階、伝播させる段階、測定する段階及び調整する段階は、マイクロプロセッサによって同時に制御される。
【0049】
一例として、そして本発明の器具に関して、本方法は、サンプルへのマイクロ波エネルギーの印加前、印加中、印加後に、サンプルからの光のラマン散乱を測定し分析する段階を含んでいる。レーザー源からのレーザーエネルギーのパルスは、ミラーに向けて発射され、光学管を通ってサンプルへと進む。後に続く光のラマン散乱は、光学管を通して、回折格子に、そしてCCD検出器へと集められる。検出器からの生データは、マイクロプロセッサによって読み取られる。マイクロ波エネルギー入力は、サンプルからのリアルタイムのフィードバックに基づいて、マイクロプロセッサプログラムのパラメータに関して修正される。マイクロプロセッサは、更に、測定された情報(即ち、データ)を電子フォーマットで記憶する。この様にして、反応条件は、ラマン検出器からのリアルタイムのデータに基づいて最適化される。
【0050】
マイクロプロセッサプログラムのパラメータは、限定するわけではないが、温度、反応時間、圧力、サンプル反応物の減損、サンプル反応物が製品に変換された割合、及び望ましくない副産物の生成を監視し、調整する段階を含んでいる。この様に、サンプルへのマイクロ波エネルギーの印加を調整減する段階は、表示されるパラメータのリアルタイムの測定値を考慮して、上記パラメータに関する反応条件を自動的に最適化し、所望の結果を達成する。
【0051】
サンプル反応物の温度を監視する段階は、赤外線検出器、紫外線検出器及び光ファイバーセンサーから成るグループから選択された温度センサーを使って実現される。従って、マイクロ波エネルギー入力の調整は、監視された温度に基づいている。
【0052】
本発明の器具に関して、マイクロ波エネルギーをサンプル反応物に印加する段階は、マイクロ波エネルギーを、マイクロ波透過性反応容器内のサンプル反応物に印加する段階を含んでいる。更に、マイクロ波エネルギーは、サンプルの体積に依って印加時間の長さを変えてパルス化され得る。この様にして、サンプルの過熱が回避される。サンプルの過熱は、サンプルを積極的に冷却する(即ち、先に述べたファンを使ってサンプルを冷却する)ことによっても回避できる。
【0053】
実質的に単色の放射線をサンプル反応物に伝播させる段階は、レーザー光をサンプルに伝播させる段階を含んでいる。或る好適な実施形態では、レーザー光の波長は約785ナノメートルである。
【0054】
サンプルから可能な最高のデータを実現するために、本発明の方法は、更に、レーザーの焦点をサンプルに合わせる段階を含んでいる。焦点を合わせる段階は、手動又は自動で行うことができる。焦点距離は、標準対照、通常はシクロヘキサンを使って校正される。別の標準対照は、当業者には既知である。最良の結果は、焦点が反応容器の壁の僅かに内側にあるときに実現される。
【0055】
サンプルからの単色光のラマン散乱を測定する段階は、検出器とマイクロプロセッサの支援を受けて、サンプルから散乱した光を回収して分析することによって実現される。先に述べたように、検出器は、光電子増倍管でもCCDでもよい。
【0056】
光を強く放射すると、ラマン信号より強い蛍光が発生する。従って、サンプルから散乱された光を分析する段階は、蛍光情報を取り除く段階を含んでいる。場合によっては、蛍光データに有用な化学情報(例えばミネラル)が含まれていることもある。蛍光情報が必要ないか又はラマンデーターと干渉する場合、マイクロプロセッサは、蛍光情報を取り除くようプログラムされる。
【0057】
マイクロプロセッサは、少なくとも約毎秒一回、ラマン散乱測定値を変換して、スペクトル写真を生成する。通常、スペクトル写真は、マイクロプロセッサに付帯するメモリ内に電子フォーマットで記憶され、コンピュータモニターのような周辺装置に表示される。スペクトル写真は、マイクロプロセッサによって、ユークリッド幾何学、具体的には非線形曲線適合式を使って計算され生成される。つまり、非線形曲線適合式は、X及びY軸上の各点における変化を測定する。ユークリッドの原理を深く議論するには、Pasamentierによるこの主題についての適切なテキスト(Alfred S.Posamentier「高等ユークリッド幾何学:中等教育の教師と生徒のための演習」2005年、キーカリキュラムプレス)を参照されたい。しかしながら、この技法は、当業者には良く理解されている。
【0058】
先に述べたように、本発明の方法は、マイクロプロセッサのプログラムパラメータ関するマイクロ波エネルギー入力についてのリアルタイムの修正を提供している。これには、本方法の前、本方法中、及び本方法後に、必要に応じて液体又は固体を追加することが含まれる。例えば、限定するわけではないが、本方法は、サンプル反応物を製品に変換し易くするため、サンプルに連結試薬を加える段階を更に含んでいる。別の例は、反応速度を加速するため、サンプルに触媒試薬を加える段階を含んでいる。本発明の器具では、液体又は固体の追加は、先に述べた供給管を使って実現される。
【0059】
当業者には理解頂けるように、本発明の器具に関し、本方法は、液体又は固体を追加する直前又は直後に、基線スペクトルを減算することを考慮している。この様にして、液体又は固体の追加によって生じるどの様な影響も、「リセット」基線から測定することができる。更に、本発明の器具と方法は、マイクロ波支援化学反応における他の好都合なシステム及び技法と有用に上手く組み合わせることができる。これには、限定するわけではないが、一般に譲渡されている米国特許第6,867,400号に記載されているような連続流れシステム及び技法、及び一般に譲渡されている米国特許第2005/0045625A1号に記載されている器具及び方法のような不均一な又は極端に高粘性の開始物質を使用する合成(又は他の反応)のためのシステム及び技法も含まれる。
【0060】
明細書及び図面では、本発明の代表的且つ好適な実施形態を開示している。各専門用語は、包括的且つ説明的な意味で用いており、限定を課する目的で用いてはいない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載している。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による器具と容器のアッセンブリの斜視図である。
【図2】本発明のマイクロ波反応容器とマイクロ波空洞の部分斜視図である。
【図3】代表的な反応容器を示す斜視図である。
【図4】内部構成要素を示す、器具の斜視図である。
【図5】内部構成要素を更に示す、器具の斜視図である。
【図6】本発明による器具と容器のアッセンブリの後方斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
10 本発明の器具
17 供給管
21 管継手
25 マイクロ波放射源
26 導波管
27 マイクロ波空洞、
32 温度センサー
33 圧力変換器
40 単色放射線源(レーザーエネルギー源)
50 ラマン散乱検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波支援化学合成のための装置において、
マイクロ波エネルギーをサンプルに印加するためのマイクロ波放射源と、
マイクロ波エネルギーの印加中に前記サンプルを保持するための、前記放射源と波動連通しているマイクロ波空洞と、
実質的に単色の光を前記サンプルに印加するための、前記空洞と電磁的に連通している実質的に単色の放射源と、
前記サンプルによる前記単色の放射源からの光のラマン散乱を検出するために配置されている検出器と、
前記サンプルへのマイクロ波エネルギーの印加を前記検出されたラマン散乱に基づいて調整するための、前記マイクロ波エネルギー源及び前記ラマン散乱検出器と信号連通している制御器と、を備えている装置。
【請求項2】
更に、前記放射源と前記空洞の間に導波管を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検出器は、電荷結合素子である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記放射源は、光増幅された放射線を前記サンプルに印加するためのレーザーを備えており、
前記制御器は、前記検出器からのデータを受信して分析し、同時に、前記サンプルへのマイクロ波エネルギーの入力を最適化するため、前記マイクロ波源をフィードバック制御方式で制御するための、前記マイクロ波源及び前記検出器と電子的に連通しているマイクロプロセッサを備えており、
前記装置は、サンプルを前記レーザー源と波動連通して保持するためのマイクロ波透過性容器を更に備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記マイクロプロセッサは、前記マイクロ波放射源を制御してパルス状のマイクロ波エネルギーを印加する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記マイクロ波透過性容器は、前記容器の開口部を覆って密閉嵌合する取り付け具を更に備えており、前記取り付け具は、前記サンプルに液体又は固体を追加するための、前記取り付け具に取り付けられている少なくとも1つの供給管を有している、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記サンプルによって誘起された前記容器内の圧力に基づいて前記マイクロ波の印加を調整するために、前記容器内の前記サンプルと圧力連通し、且つ前記制御器と電子的に連通している圧力変換器を更に備えている、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記レーザーエネルギー源は、紫外線、可視光線、赤外線及び近赤外線から成るグループからの光を生成する、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記レーザーエネルギー源は、前記マイクロプロセッサと電子的に連通している、請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記サンプルの温度を測定するために、前記マイクロ波透過性容器の近くに温度センサーを更に備えている、請求項4に記載の装置。
【請求項11】
前記温度センサーは、前記マイクロプロセッサと電子的に連通している、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記マイクロプロセッサは、測定された温度に基づいて前記マイクロ波源からのマイクロ波の印加を制御する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記マイクロ波源は、マグネトロン、クリストロン及び半導体装置から成るグループから選択される、請求項1又は4に記載の装置。
【請求項14】
前記マイクロ波透過性容器は、ガラス、水晶及びホウケイ酸ガラスから成るグループから選択される、請求項4に記載の装置。
【請求項15】
前記検出器は光電子増倍管である、請求項1又は4に記載の装置。
【請求項16】
マイクロ波支援化学合成のための方法において、
マイクロ波エネルギーをサンプル反応物に印加する段階と、
実質的に単色の放射線を前記サンプル反応物に伝播させる段階と、
前記サンプルからの前記単色光のラマン散乱を測定する段階と、
測定されたラマン散乱に基づいて、前記サンプルへのマイクロ波エネルギーの印加を調整する段階と、から成る方法。
【請求項17】
マイクロ波エネルギーの印加を調整する前記段階は、監視されている温度に基づいて、マイクロ波の印加を調整する段階を含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
マイクロ波エネルギーを印加する前記段階は、パルス状のマイクロ波エネルギーを、前記サンプルの体積に依って印可する時間の長さを変えて印加する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
実質的に単色の光を伝播させる前記段階は、レーザー光を前記サンプルに伝播させる段階を含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記サンプルを積極的に冷却する段階を含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
ラマン散乱を測定する前記段階は、測定された情報を電子フォーマットで記憶する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
ラマン散乱を測定する前記段階は、蛍光情報を減算することによって、前記散乱測定値を補正する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
ラマン散乱を測定する前記段階は、前記測定値を、少なくとも約毎秒一回変換する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
ラマン散乱を測定する前記段階は、ユークリッド計算を実施してスペクトル写真を生成する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
サンプルにマイクロ波エネルギーを印加する前記段階は、前記反応容器内の圧力を監視する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
実質的に単色の放射線を伝播させる前記段階は、レーザーエネルギーの焦点を前記サンプルに合わせる段階を含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
焦点を合わせる前記段階は、標準対照を使って校正される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記標準対照としてシクロヘキサンを使って焦点を合わせる段階を含んでいる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
マイクロ波エネルギーの印加を調整する前記段階は、サンプル反応物の減損を示すラマン散乱が測定された場合は、マイクロ波エネルギーの入力を調整する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
マイクロ波エネルギーの印加を調整する前記段階は、製品に変換されたサンプル反応物の所望の割合を示すラマン散乱が測定された場合は、マイクロ波エネルギーの入力を調整する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
マイクロ波エネルギーの印加を調整する前記段階は、望ましくない副産物の生成を示すラマン散乱が測定された場合は、マイクロ波エネルギーの入力を調整する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項32】
マイクロ波エネルギーの印加を調整する前記段階は、特定の時間にマイクロ波エネルギーの入力を調整する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。
【請求項33】
マイクロ波エネルギーの印加を調整する前記段階は、特定の圧力でマイクロ波エネルギーの入力を調整する段階を更に含んでいる、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−281208(P2006−281208A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83073(P2006−83073)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(500119569)シーイーエム・コーポレーション (16)
【Fターム(参考)】