説明

マイクロ波検出器

【課題】 薄型の筐体からなるマイクロ波検出器を提供すること
【解決手段】 マイクロ波を受信するパッチアンテナ11と、そのパッチアンテナで受信したマイクロ波が検出対象物からのものか否かを判断する制御部が実装されるメイン基板12と、その制御部が、検出対象物からのマイクロ波を受信したと判断した場合に、その制御部からの指令に伴い警報を表示する表示パネル13と、を備える。パッチアンテナと、メイン基板と、表示パネルとは、1つの筐体15内に、重なるように平行に配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両速度測定装置等の検出対象(目標物)から送出されるマイクロ波を検知して報知するマイクロ波検出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両速度測定装置から送出されるマイクロ波を検知して報知するマイクロ波検出器が知られている。このマイクロ波検出器は、当該マイクロ波を受信するためのアンテナが必須の構成となり、例えば特許文献1に開示されたようにホーンアンテナからなる立体アンテナが用いられている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−341113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、ホーンアンテナ1の一例を示している。図示するように、ホーンアンテナ1は、一面が開口された筒状の導体からなる本体1aを有し、その本体1aの開口側の面積が徐々に拡大する(この例では、上側に広がる)ように構成され、その先端の開口面1bがマイクロ波の入射面となる。図から明らかなように、立体回路であるため、ホーンアンテナ1全体の寸法形状が大きくなる。
【0005】
また、検出対象のマイクロ波を受信した場合に運転者等に対して警報を報知するための報知装置としては、音声やブザー等を出力するスピーカーや、LED等の警報ランプや、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等を用いた表示パネルなどがある。そして、昨今では、より多くの情報を報知したり、報知内容を見やすくしたりするために、表示パネルのサイズも大きくなる。
【0006】
その結果、表示パネルを内蔵する関係から、筐体の高さが高くなり、ホーンアンテナ等の受信機と、表示パネル並びに各種の制御を行なうための電子回路と、を、一体に構成しようとした場合、たとえば図2に示すように、表示パネルや、電子回路基板を起立した状態で収納する薄型(前後方向が短い)の矩形状の筐体3の背面側(車両の進行方向前側)に突出する扁平(高さの低い)の格納部4を一体に形成し、その格納部4内に、ホーンアンテナ1等を内蔵する構成を採る。この格納部4は、ホーンアンテナ1がある程度の長さを有するため、前後方向に突出し、装置全体としてみた場合、高さ方向並びに前後方向のいずれにも大きなものとなる。
【0007】
一方、この格納部4をなくすため、図3に示すように、ホーンアンテナ1を垂直になるように設置するとともに、ホーンアンテナ1の開口面1aへマイクロ波を入射させるための反射板6を45度傾斜して設置するようにしたマイクロ波検出器がある。このようにすると、図2に示す格納部4ほどは前後方向に突出することはないが、マイクロ波検出器として所望の感度を得るためには、ホーンアンテナ1の開口部に所定の厚みAが必要であり、また、反射板6も、ホーンの開口部の高さA(例えば1/2波長程度)以上にする必要がある。さらには、反射板6の支持機構等も必要となる。そのため、筐体の前後方向の厚さ(長さ)を薄くすることには限界がある。
【0008】
本発明は、薄型の筐体からなるマイクロ波検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明に係るマイクロ波検出器は、(1)マイクロ波を受信するパッチアンテナと、そのパッチアンテナで受信したマイクロ波が検出対象物からのものか否かを判断する制御部が実装される基板と、その制御部が、検出対象物からのマイクロ波を受信したと判断した場合に、その制御部からの指令に伴い警報を表示する表示パネルと、を備え、前記パッチアンテナと、前記基板と、前記表示パネルとは、同一平面或いは平行に配置するようにした。
【0010】
マイクロ波の受信アンテナを平面アンテナであるパッチアンテナにすることで、従来のホーンアンテナからなる立体回路に比べて薄型化を図るとともに、そのパッチアンテナと基板と表示パネルとを平行に配置するようなレイアウトを採ることで、それら各部品を収納する筐体を薄くすることができる。ここでいう平行とは、完全なる平行に限ることはなく、概ね平行(略平行)のように、本発明の目的(筐体の薄型化)を達成できる範囲内で各要素が若干の傾きを生じている場合も含む概念である。
【0011】
(2)前記パッチアンテナは、裏面がグランドとなる導体パターンが形成された両面プリント基板の表面に、矩形状のパッチアンテナ放射素子を設け、そのパッチアンテナ放射素子を構成する各辺が、前記パッチアンテナの設置時における垂直或いは水平方向に対して、傾斜配置するパターンとするとよい。
【0012】
係る構成を採ると、水平偏波と垂直偏波のいずれに対しても適度な利得を発揮でき、水平偏波のマイクロ波を出射する車両速度測定装置と、垂直偏波のマイクロ波を出射する車両速度測定装置のいずれに対しても検出することができるアンテナとなる。よって、マイクロ波を受信するアンテナが、1枚のアンテナ素子で構成できるので、筐体のさらなる薄型化が図れる。
【0013】
(3)前記表示パネルと、前記基板と、前記パッチアンテナは、同一の筐体内に格納し、その筐体を支える支持部は、前記パッチアンテナにかぶらないように配置するとよい。係る構成を採ると、支持部を含めた全体の厚さを薄くすることができるとともに、マイクロ波の受信感度の低下を防止できる。
【0014】
(4)前記基板上には、前記パッチアンテナからの信号を処理するための高周波回路を有し、その高周波回路はシールド部で覆われると共に、そのシールド部の表面に前記パッチアンテナを配置するとよい。係る構成を採ると、パッチアンテナの大きさを大きくすることができ、受信感度を高めることができる。
【0015】
(5)特定周波数帯域における電波を受信して無線受信部を設け、前記制御部は、その無線受信部で特定周波数帯域の電波を受信した場合に警報出力手段に警報を発する指令を送る機能を設け、前記基板上には、前記パッチアンテナからの信号を処理するための高周波回路を有するとともに、その高周波回路はシールド部で覆われ、前記シールド部を挟むように、前記制御部を構成するマイコンと、前記無線受信部を前記基板上に配置するとよい。係る構成を採ると、マイコンの発する電磁波が無線受信部に回り込むことを防止することができるとともに、薄型のマイクロ波検出器とすることができる。ここで、特定周波数帯域とは、例えば、150MHz〜470MHz等の帯域がある。これらの周波数帯域は、カーロケーターシステム,所轄系デジタル無線などに割り当てられている帯域である。カーロケーターシステム(カーロケ無線と呼ぶことにする)は、緊急車両の現在位置を動的に把握するためのシステムであり、これは移動する緊急車両から位置情報を407.725MHzの周波数によりデータ伝送し、それら位置情報データを受信した通信指令本部において地図画面上にリアルタイムで位置表示するようになっている。そこで、本機能により、カーロケ無線の搬送波(407.725MHz)をモニタし、そうした緊急車両が近辺に存在するか否かを検知することにより、緊急車両の走行の妨げにならないようにするなど、安全走行に役立てることができる。
【0016】
(6)特定周波数帯域における電波を受信して無線受信部を設け、前記制御部は、その無線受信部で特定周波数帯域の電波を受信した場合に警報出力手段に警報を発する指令を送る機能を設け、その無線受信部と、前記表示パネルの間に、前記制御部が実装される基板或いは他の基板を配置するとよい。係る構成を採ると、表示パネルから無線受信部(無線回路)へのノイズの回り込みを防止できる
【発明の効果】
【0017】
本発明では、薄型のマイクロ波検出器を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図4〜図6は、本発明の好適な一実施の形態を示している。図に示すように、マイクロ波の受信アンテナを、パッチアンテナ(平面アンテナ)11で構成する。そして、パッチアンテナ11と、メイン基板12と、報知装置の一態様である表示パネル13とを、三層に重ね合わせておおむね平行に配置した状態で、筐体15内に収納した。
【0019】
このように、マイクロ波を受信するアンテナとして、ホーンアンテナに替えてパッチアンテナ11とするとともに、その配置レイアウトを三層に重ね合わせるようにしたことにより、全体の面積(運転者側に対面する前面の表面積)を小さくすることができるとともに、厚さ(前後方向の長さ)を従来のホーンアンテナを使う場合に比べ大幅に小さくすることができる。
【0020】
この実施形態のマイクロ波検出器のより具体的な構成は、以下の通りである。まず、厚さの薄い略直方体からなる筐体15は、半割された前ケース15aと後ケース15bとを対向させた状態でネジ止めして一体化する。このネジ止めにより、内蔵するメイン基板12等も固定される。
【0021】
メイン基板12は、筐体15内よりも一回り小さい矩形状のプリント配線基板から構成され、パッチアンテナ11からの受信信号その他の情報に基づき、警報対象の検出対象物(目標物)の有無を判断し、報知装置に対する指示を出力したり、各種の演算処理を実行したりするための制御部(MPU)その他の回路を実装する電子回路基板である。このメイン基板12の上には、GPS信号を受信し、現在位置情報を求めることのできるGPSモジュール16や、所定の周波数帯の無線(電波)を受信する無線基板17も実装される。これらのGPSモジュール16や、無線基板17も、メイン基板12,表示パネル13と平行に配置される。
【0022】
一方、パッチアンテナ11は、矩形状の両面プリント基板11aの表面に所定形状の導体膜をパターンニングすることで形成される。具体的には、裏面の全面に導体膜が成膜されてグランドが構成され、表面の所定形状のパターンを、以下に示すようにしている。つまり、まず、両面プリント基板11aの長手方向に沿って、正方形のパッチアンテナ放射素子11bを2個形成する。このパッチアンテナ放射素子11bを、傾斜配置する。具体的には、アンテナの設置時における垂直方向(水平方向)に対して、その傾斜角度を27度とした。ここでは、両面プリント基板11aの長手方向が、設置時の水平方向になるようにしたので、図示するように、両面プリント基板11aの短手方向の軸から、パッチアンテナ放射素子11bの縦の辺が27度傾くように形成される。換言すると、両面プリント基板11aの長手方向の軸から、パッチアンテナ放射素子11bの横の辺が27度傾くように形成される。
【0023】
さらにこの傾斜角度であるが、本実施形態のように、最も望ましいのは27度である。ただし、27度±10までは、垂直偏波・水平偏波の双方の速度測定装置についての受信に好適であるので、当該範囲内とするのがよい。もちろん、アンテナ10で受信した信号を書する高周波回路の感度や、要求される仕様等に伴い、上記の範囲を超えた角度でも対応可能な場合もある。
【0024】
さらに、パッチアンテナ放射素子11bに対する給電は、それぞれ上下逆側から行なうようにした。すなわち、図中左側のパッチアンテナ放射素子11bに対しては、上側の辺から給電し、右側のパッチアンテナ放射素子11bに対しては、下側の辺から給電する。そして、それぞれに対して給電を行なうためのマイクロストリップライン11c,11dは、共通マイクロストリップライン11eの先端から分岐され、その長さが、マイクロストリップライン11cの先端とマイクロストリップライン11dの先端との位置において、位相が180度反転するような長さに設定されている。そして、それら両先端が、それぞれのパッチアンテナ放射素子11bにおける給電点Xに接続される。
【0025】
また、図から明らかなように、本実施形態では、パッチアンテナ放射素子11bの給電側の辺の中央付近から中心に向けて凹状(スリット状)の切込部11fを設け、マイクロストリップライン11c,11dは、それぞれその切込み部11f内に入り込み、その切込部11fの最深部の給電点Xで接続される。このようにすることで、マイクロストリップライン11c,11dとパッチアンテナ放射素子11bの接続部位でのインピーダンスを低くし、マッチングを採りやすくしている。
【0026】
共通マイクロストリップライン11eの一端(マイクロストリップライン11c,11dとの非接続側)は、両面プリント基板11aを貫通するスルーホール11gに接続され、そのスルーホール11gの図示省略する両面プリント基板11aの裏面側に設けられた端子(裏面のグランドとは非導通)と導通する。これにより、両パッチアンテナ放射素子11bで受信した信号は、それぞれのマイクロストリップライン11c,11dから共通マイクロストリップライン11eを経由してスルーホール11gに至り、両面プリント基板11aの裏面側の端子に伝えられる。
【0027】
上記の傾斜角度を27度にしたアンテナパターンとしたパッチアンテナでは、垂直利得が6dBで水平利得が−3dB程度となり、1枚の基板からなるパッチアンテナを用いつつ、垂直偏波はもちろん水平偏波のマイクロ波も受信可能となる。
【0028】
もちろん、本発明において用いられるパッチアンテナ11は、本実施形態のものに限られることはなく、矩形状のパッチアンテナ放射素子を傾けることなく、傾斜角度0度としてもよい。その場合には、水平偏波のマイクロ波を確実に受信することはできないか、しにくくなる。但し、例えば、パッチアンテナ11の前に所定の距離をおいて整波板を配置することで、水平偏波のマイクロ波を受信するようにすることもできる。この場合の整波板は、帯板状のプリント基板を用い、その表面に斜め45度に傾斜する導電性のストリップを形成することである。そして、そのストリップと、パッチアンテナ放射素子とが重なるように配置する。
【0029】
また、本実施形態では、パッチアンテナ11を、高周波回路を内蔵する扁平な直方体からなる箱状のシールド部18に取り付ける。このとき、上記の端子を介して高周波回路と接続を図り、パッチアンテナ11と高周波回路(受信回路)を備えたモジュールが構成される。そして、このシールド部18を、メイン基板12に実装する。これにより、パッチアンテナ11は、直方体形状のシールド部18を介してメイン基板12に取り付けられることになり、パッチアンテナ11とメイン基板12とが平行に保持される。また、表示パネル13は、表示パネルホルダ19に取り付けられ、その表示パネルホルダ19を介してメイン基板12と所定の間隔をおいて平行に配置されるようになる。
【0030】
係る構成を採ることで、本実施形態のマイクロ波検出器は、表示パネル13と、メイン基板12と、パッチアンテナ11を、重ね合わせ、しかも、相互に外側にはみ出ることなく、表示パネル13,パッチアンテナ11は、メイン基板12内に収まるように配置されることから、筐体15の前面の面積をメイン基板12よりも一回り大きい程度に抑えることができ、小さくすることができる。さらに、本実施形態のマイクロ波検出器は、表示パネル13と、メイン基板12と、パッチアンテナ11を、平行に配置したことで、筐体15の前後方向の長さを短く(筐体15を薄く)することができる。
【0031】
また、本実施形態では、UHF帯受信回路基板である無線基板17を備え、無線基板17と表示パネル13との間に他の基板(メイン基板12)を備えるようにしたので、このようにすれば、表示パネルから無線回路へのノイズの回り込みを防止できる。
【0032】
図7は、本発明の第2の実施形態を示している。第1実施形態では、パッチアンテナ11と、メイン基板12と、表示パネル13とを、三層に重ねるようにしてそれぞれを平行に配置したが、本実施形態では、表示パネルと基板とパッチアンテナをおおむね同一平面上に配置している。これにより、第1実施形態と比べてさらに極めて薄いマイクロ波検出器を構成することができる。係る構成のマイクロ波検出器は、例えばルームミラーに装着して利用するいわゆるミラータイプのマイクロ波検出器のように、運転者や同乗者の視線方向におおむね垂直な面を有する車両の既存の面に取り付けるマイクロ波検出器として有用である。
【0033】
そして、具体的な構成としては、図7に示すように、薄型の細長な前面開放したリアケース21内の右側に、表示基板22,表示パネルホルダ23,表示パネル26を積層して配置する。また、リアケース21内の中央には、メイン基板24を配置する。このメイン基板24の背面側に、パッチアンテナを取り付けている。もちろん、このメイン基板24上には、パッチアンテナからの信号を処理するための高周波回路を有し、その高周波回路はシールドされるようになっている。この高周波回路は、メイン基板24上に直接形成しても良いし、別基板で形成してモジュール化したものをメイン基板24上に実装しても良い。さらにリアケース21内の左側には、報知装置の一態様であるスピーカー25を配置する。さらにそのスピーカー25の手前側に、GPSモジュール29を配置する。そして、それらの前方にフロントケース27を配置し、フロントケース27とリアケース21とは、ネジにて固定され、両ケース21,27内の空間の適宜位置に、上述した各部品が内蔵される。これにより、表示パネル26と、メイン基板24と、パッチアンテナとを、ほぼ同一平面内に配置することが可能となる。
【0034】
さらに本実施形態では、ルームミラーを構成するため、フロントケース27の前面に、平面鏡28を取り付けている。そして、この平面鏡28の一部は、透明部28aとし、この透明部28aに対向するように表示パネル26を配置する。これにより、表示パネル26が外部から視認可能となる。
【0035】
上述した各実施形態のマイクロ波検出器は、支持部を介して車室内の所定位置に設置されることになる。第1実施形態のタイプでは、ダッシュボード上等に設置することになる。第2実施形態のものは、リアケース21の背面中央側の上下に配置したクリップ21a(図では上側のみ見えている)にてルームミラーを上下から挟み込むことで固定することになる。
【0036】
また、第1実施形態のものでは、小さく薄く扁平な筐体15となるので、支持部材は、筐体15の下面に取り付けるようにする。一例としては、図5に示すように、後ケース15bの背面下方に支持部材用の差込口15b′を設け、筐体15の下側から、この差込口15b′内に支持部材を差し込むことで支持することができる。つまり、パッチアンテナを用いることで、ホーンアンテナを利用する場合に比べ、マイクロ波検出器全体の重量が軽くなるため、ホーンアンテナを利用する場合には困難であった筐体の下面のみでの支持が容易にできるようになる。更に、差込口15b′を、図示するようにパッチアンテナ11(パッチアンテナ放射素子11b)よりも下方位置に配置することで、その差込口15b′に挿入した支持部材は、パッチアンテナ11にかぶらないように配置することができる。
【0037】
さらに、第1実施形態のように、パッチアンテナ11は筐体15の中心部より偏心した位置に設置することで、支持部は筐体15の中心部に設置することができ、安定して保持することができる。
【0038】
また、パッチアンテナが筐体のおおむね中心部に設置されている場合には、支持部はその中心部を避けるように二股分岐で支えるように構成することで、マイクロ波検出器を安定的に支持することができる。
【0039】
上述した各種の構成を採ることで、支持部を含めた全体の厚さを薄くすることができるとともに、支持部がパッチアンテナへのマイクロ波の飛来の邪魔をすることが無く、マイクロ波の受信感度の低下を防止できる。
【0040】
さらに上述した実施形態並びに変形例において、高周波回路をシールド部内に実装するに際し、高周波回路をメイン基板と別に構成し、シールド部にアンテナを装着してモジュール化したものをメイン基板上に実装しても良いし、メイン基板上に、パッチアンテナからの信号を処理するための高周波回路を直接形成し、その高周波回路を覆うように一面が開放した導体からなるシールド部を配置するようにしてもよい。そして、図8に示すように、そのシールド部31にかぶるように、パッチアンテナ30を配置するとよい。このようにすれば、パッチアンテナ30の大きさを大きくすることができ、受信感度を高めることができる。特に、図8(a)のように、4個のパッチアンテナ放射素子30aを配置すると、受信感度は更に高まる。また、図8(b)のように、パッチアンテナ放射素子30aを2個配置した場合、パッチアンテナ30の高さが小さくなるので、それらに合わせてシールド部31の形状も、厚みを減らすようにしてもよい。
【0041】
なお、この図示した例では、パッチアンテナ30のパッチアンテナ放射素子30aを、傾けることなく、傾斜角度0度としているが、上述した各実施形態等と同様に傾けても良いのはもちろんである。また、図示の状態において、その手前側に、所定の距離をおいて整波板を配置することで、水平偏波のマイクロ波を受信するようにすることもできる。
【0042】
また、メイン基板上に直接或いはモジュール化したシールドされた高周波回路を配置した場合において、その高周波回路をシールドするシールド部をはさむ形で、メイン基板上にマイコンと無線受信部とを備える配置レイアウトを採るとよい。このようにすれば、マイコンの発する電磁波が無線受信部に回り込むことを防止することができるとともに、薄型のマイクロ波検出器を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従来例を示す図である。
【図2】従来例を示す図である。
【図3】従来例を示す図である。
【図4】本発明のマイクロ波検出器の好適な第1実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明のマイクロ波検出器の好適な第1実施形態を示す背面側からの透視図である。
【図6】本発明のマイクロ波検出器の好適な第1実施形態を示す上面側からの透視図である。
【図7】本発明のマイクロ波検出器の好適な第2実施形態を示す分解斜視図である。
【図8】変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
11 パッチアンテナ
11a 両面プリント基板
11b パッチアンテナ放射素子
12 メイン基板
13 表示パネル
15 筐体
16 GPSモジュール
17 無線基板
18 シールド部
24 メイン基板
26 表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波を受信するパッチアンテナと、
そのパッチアンテナで受信したマイクロ波が検出対象物からのものか否かを判断する制御部が実装される基板と、
その制御部が、検出対象物からのマイクロ波を受信したと判断した場合に、その制御部からの指令に伴い警報を表示する表示パネルと、を備え、
前記パッチアンテナと、前記基板と、前記表示パネルとは、同一平面或いは平行に配置するようにしたことを特徴とするマイクロ波検出器。
【請求項2】
前記パッチアンテナは、
裏面がグランドとなる導体パターンが形成された両面プリント基板の表面に、矩形状のパッチアンテナ放射素子を設け、
そのパッチアンテナ放射素子を構成する各辺が、前記パッチアンテナの設置時における垂直或いは水平方向に対して、傾斜配置するパターンとしたことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波検出器。
【請求項3】
前記表示パネルと、前記基板と、前記パッチアンテナは、同一の筐体内に格納し、その筐体を支える支持部は、前記パッチアンテナにかぶらないように配置することを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ波検出器。
【請求項4】
前記基板上には、前記パッチアンテナからの信号を処理するための高周波回路を有し、
その高周波回路はシールド部で覆われると共に、そのシールド部の表面に前記パッチアンテナを配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項5】
特定周波数帯域における電波を受信する無線受信部を設け、前記制御部は、その無線受信部で特定周波数帯域の電波を受信した場合に警報出力手段に警報を発する指令を送る機能を設け、
前記基板上には、前記パッチアンテナからの信号を処理するための高周波回路を有するとともに、その高周波回路はシールド部で覆われ、
前記シールド部を挟むように、前記制御部を構成するマイコンと、前記無線受信部を前記基板上に配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項6】
特定周波数帯域における電波を受信する無線受信部を設け、前記制御部は、その無線受信部で特定周波数帯域の電波を受信した場合に警報出力手段に警報を発する指令を送る機能を設け、
その無線受信部と、前記表示パネルの間に、前記制御部が実装される基板或いは他の基板を配置することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−290846(P2009−290846A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144403(P2008−144403)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】