マグネットローラの製造方法
【課題】 従来の軸一体型マグネットローラにおいては、反ゲート側付近の印加磁場時間が長く、また、冷却されやすいため、反ゲート側付近の軸方向磁束密度が高くなって、軸方向磁束密度バラツキが大きくなり、また、反ゲート側のリップル値が大きくなり、結果的に反ゲート側の画質が低下する場合があった。
【解決手段】 強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物をキャビティに注入しマグネットローラを磁場印加成形する工程において、上記マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体を配置した成形用金型を用いてマグネットローラを製造する方法により、上記課題が改善される。
【解決手段】 強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物をキャビティに注入しマグネットローラを磁場印加成形する工程において、上記マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体を配置した成形用金型を用いてマグネットローラを製造する方法により、上記課題が改善される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に組み込まれる現像ローラとして用いられるマグネットローラの製造方法に関する。さらに詳しくは、軸方向の磁束密度のバラツキを改善した軸部一体型マグネットローラの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マグネットローラとしては、金属シャフトの外周にマグネットピースを配置したマグネットローラ、あるいは、軸部と本体部が一体になった軸部一体型マグネットローラ等が知られている。特に、軸部一体型マグネットローラは低コストの利点を生かして、画像形成装置に組み込まれる現像ローラとして広く用いられている。
【0003】
軸部一体型マグネットローラを成形する方法としては、キャビティ内に溶融樹脂磁石材料を注入する前は、キャビティ内の容積を最小の状態で、前記溶融樹脂磁石材料を注入開始し、前記溶融樹脂磁石材料の注入に従ってスライド金型を後退させてキャビティ容積を増大させてマグネットローラを成形する方法(特許文献1)、及び、溶融粘度30ポアズから1000ポアズに調整された溶融樹脂磁石をキャビティ内へ射出してマグネットローラを成形する方法(特許文献2)が提案されている。
【特許文献1】特開平11−138562号公報。
【特許文献2】特開昭63−61274号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、スライド金型を後退させながら徐々に溶融樹脂磁石を注入しているが、ゲートから注入された溶融樹脂磁石材料は該スライド金型とともに反ゲート側に徐々に移動するので、反ゲート側付近の溶融樹脂磁石材料への磁場印加時間が長くなり、また、反ゲート側付近の溶融樹脂磁石材料から冷却されてしまうため、反ゲート側付近の磁束密度が高くなってしまう場合がある。
【0005】
また、特許文献2は、特許文献1のようなスライド金型は無いが、ゲート側から射出注入された溶融樹脂磁石材料は、反ゲート側から充填されるので、やはり反ゲート側の磁場印加時間が長くなり、また、反ゲート側付近から冷却されてしまうため、反ゲート側付近の磁束密度が高くなってしまう場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物をキャビティに注入しマグネットローラを磁場印加成形する工程において、上記マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体を配置した成形用金型を用いたマグネットローラの製造方法、である。
【0007】
また、本発明は、上記磁性体が可動金型に配置されたマグネットローラの製造方法、である。
【0008】
また、本発明は、上記磁性体がスライド金型に配置されたマグネットローラの製造方法である。
【0009】
さらに、本発明は、上記磁性体の軸方向長さを0.5mmから8mmとした成形用金型を用いたマグネットローラの製造方法、である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のマグネットローラ製造方法により、成形されるマグネットローラの反ゲート側付近への印加磁場を低下させることができる。これにより、該マグネットローラの反ゲート側の磁束密度が高くなることを防止でき、軸方向の磁束密度のバラツキを改善できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明のマグネットローラ製造方法について、1例をあげて詳細に説明する。
【0012】
本発明は、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体を配置した成形用金型を用いたマグネットローラの製造方法、である。
【0013】
図1に示すような成形装置を用いて、軸部一体型のマグネットローラを成形する。ゲート口(2)から溶融状態の樹脂磁石材料を射出注入し、励磁源(3)(5箇所)から発生させた磁場(240K・A/m〜2400K・A/m)により該溶融樹脂磁石材料を配向着磁し、冷却固化させて、図2に示すような軸一体型マグネットローラを形成する。この場合、図1に示すように、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体(6)を配置した可動金型を用いる。
【0014】
一方、従来は、例えば図3に示すように、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部は非磁性体で構成されているため、反ゲート側付近においても、励磁源(3)から発生する磁束はほとんどマグネットローラ側に流れていた。したがって、前記従来製法では、反ゲート側付近に存在する溶融樹脂磁石への磁場印加時間が長くなり、かつ、冷却時間が短くなっていた(すぐに冷却されてしまう)。図4に前記従来製法で形成された軸一体型マグネットローラを示す。形成されたマグネットローラの反ゲート側付近は、図5に示す軸方向磁束密度グラフのように、反ゲート側付近の磁束密度が高くなり、軸方向磁束密度のバラツキ(10)が大きくなったり、また、反ゲート側付近のリップル値(磁束密度変化量(12)/軸方向距離(11))が大きくなったりして、画像端部の濃度低下や現像剤こぼれ等の不具合が発生する場合があった。
【0015】
しかしながら、本発明では、反ゲート側付近の励磁源(3)から発生させた磁束は、磁性体で形成された反ゲート側の端面の方向へも流れ、該溶融樹脂磁石材料に磁束の流れが集中しないため、マグネットローラの反ゲート側付近への印加磁場が適度に低下することになり、該マグネットローラの反ゲート側の磁束密度が高くなることを防止できる。
【0016】
さらに本発明は、強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物を、スライド金型を後退させながら徐々にキャビティに注入し磁場印加成形するマグネットローラの製造方法にも適応できる。
【0017】
図6に示すような成形装置を用いて、軸部一体型のマグネットローラを成形する。まず、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体(6)を配置したスライド金型A(13)を、キャビティ容積が増大する方向に移動させながら、溶融状態の樹脂磁石材料を注入し、励磁源(3)(5箇所)から発生させた磁場(240K・A/m〜2400K・A/m)により該溶融樹脂磁石材料を配向着磁し、所定の位置で上記スライド金型A(13)の移動を停止し、冷却固化させて図7に示すような軸一体型マグネットローラを形成する。
【0018】
あるいは、図8に示すように、スライド金型B(14)(マグネットローラの反ゲート側の端部形成部には磁性体、非磁性体のどちらを配置してもよい)をキャビティ容積が増大する方向に移動させながら、溶融状態の樹脂磁石材料を注入し、所定の位置でスライド金型B(14)の移動を停止し、マグネットローラ径方向中心部(軸部)を形成し、その後、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部を磁性体(6)にて配置したスライド金型C(15)をキャビティ容積が増大する方向に移動させながら、溶融状態の樹脂磁石材料を注入し、励磁源(3)(5箇所)から発生させた磁場(240K・A/m〜2400K・A/m)により該溶融樹脂磁石材料を配向着磁し、所定の位置でスライド金型C(15)の移動を停止し、マグネットローラ径方向外周部(本体部)を形成し、冷却固化させて、図9に示すような軸一体型マグネットローラを形成する。上記工程において、マグネットローラ径方向中心部(軸部)を形成する際は、励磁源からの磁場の印加の有無はどちらでもよい。高磁束密度マグネットローラを形成する場合は、磁場を印加することが望ましく、軸部の強度向上させる場合は、低磁場を印加するか、あるいは磁場を印加せず、溶融樹脂磁石のキャビティ内の流動性を向上させることが望ましい。
【0019】
一方、従来は、例えば図10に示すように、非磁性体のスライド金型D(19)をキャビティ容積が増大する方向に移動させながら、溶融状態の樹脂磁石材料を注入し、所定の位置でスライド金型D(19)の移動を停止し、図11に示すような軸一体型マグネットローラの軸部および本体部を形成していた。したがって、従来製法では、反ゲート側付近に存在する溶融樹脂磁石への磁場印加時間が長くなり、かつ、冷却時間が短くなっていた。このため、形成されたマグネットローラの反ゲート付近の磁束密度が高くなり、軸方向磁束密度のバラツキが大きくなったり、また、反ゲート側付近のリップル値が大きくなったりして、画像端部の濃度低下や現像剤こぼれ等の不具合が発生する場合があった。
【0020】
しかしながら、本発明では、反ゲート側付近の励磁源から発生させた磁束は、磁性体で形成されたスライド金型(キャビティ側の先端部)の方向へも磁束が流れ、該溶融樹脂磁石材料に磁束の流れが集中しないため、マグネットローラの反ゲート側付近への印加磁場が適度に低下することになり、該マグネットローラの反ゲート側の磁束密度が高くなることを防止できる。
【0021】
また本発明において、上記磁性体の軸方向の長さは、0.5mmから8mmが好ましく、更には、1mm〜6mmがより好ましい。磁性体の軸方向の長さが0.5mm未満とすると、磁束を引きつける力が弱くなり所望の効果が発揮できない場合があり、また、8mmを超えると、該磁性体へ磁束が集中し過ぎ、マグネットローラの反ゲート側の磁束密度が所望の値よりさらに低下する場合がある。
【0022】
上記磁性体としては特に制限はないが、SUM系(SUM22、SUM24、等)、SC系(S50C、S55C、等)、SCM系(SCM435、440、等)、SKD11、SKD61、ハイス鋼、が好ましく、また、耐久性を向上させるため、焼き入れ処理や表面処理を施してもよい。
【0023】
上記発明では、マグネットローラ材料として、以下のような強磁性体粉末および樹脂バインダーを用いることができる。
【0024】
強磁性体粉末としては、MO・nFe2O3(nは自然数)で代表される化学式を持つ異方性フェライト磁性粉などがあげられる。式中のMとして、Sr、Baまたは鉛などの1種類または2種類以上が適宜選択して用いられる。
【0025】
また、強磁性体粉末として、異方性フェライト磁性粉、等方性フェライト磁性粉、異方性希土類磁性粉(例えばSmFeN系)、等方性希土類磁性粉(例えばNdFeB系)を単独または2種類以上を混合して用いてもよい。要求される磁束密度により適宜選択すればよい。
【0026】
樹脂バインダーとしては、ポリアミド樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスフィド)、EVA(エチレンー酢酸ビニル共重合体)、EVOH(エチレンービニルアルコール共重合体)及びPVC(ポリ塩化ビニル)などの1種類または2種類以上、もしくはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂の1種類または2種類以上を混合して用いることができる。
【0027】
上記に示した単独磁性粉あるいは混合磁性粉の含有率は50〜95重量%の範囲が好ましい。単独磁性粉あるいは混合磁性粉の含有率が50重量%未満では、磁性粉不足により、マグネットローラの磁気特性が低下して所望の磁力が得られにくくなり、また、それらの含有率が95重量%を超えると、樹脂バインダー不足となり成形性が損なわれるおそれがある。
【0028】
添加剤としては、磁性粉の表面処理剤としてシラン系やチタネート系等のカップリング剤、流動性を良好にするポリスチレン系・フッ素系滑剤等、安定剤、可塑剤、もしくは難燃剤などを添加する。
【実施例】
【0029】
以下に本発明を実施例および比較例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
図2のマグネットローラ用材料として、樹脂バインダーにナイロン6樹脂(ユニチカ製A1015P)を10重量%(滑剤、安定剤を含む)、強磁性体粉末に異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe2O3)粉末(日本弁柄工業製NF−350)を90重量%とし、これらを混合して溶融混練し、ペレット状に成形する。図1に示す成形装置を用いて、ゲート口(2)から上記ペレットを溶融状態にした樹脂磁石材料を射出注入し、励磁源(3)(5箇所)から発生させた磁場(240K・A/m〜2400K・A/m)により該溶融樹脂磁石材料を配向着磁し、冷却固化させて、図2に示すような軸一体型マグネットローラを形成する。この場合、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部にSUM22(磁性体)(6)を配置した可動金型を用い、該SUM22の軸方向長さを4mmとした。
【0031】
マグネットローラ本体部の外径をφ13.6mm、両端軸部の外径をφ5mmとし、マグネットローラ本体部の軸方向長さを320mm、両端軸部を含むマグネットローラの軸方向長さを355mmとした。
得られたマグネットローラを、マグネットローラの両端軸部を支持し、マグネットローラの中心からラジアル方向に8mm離し、かつマグネットローラ軸方向の中心にガウスメータ用プローブ(Bell社製磁束密度センサー)先端を設置し、マグネットローラを回転させ、該マグネットローラの周方向の磁束密度を測定し、主極の磁束密度ピーク位置を検知し、その位置にて主極の軸方向磁束密度を測定し、マグネットローラ本体部の軸方向両端10mmを除く領域において、最大磁束密度と最小磁束密度の差を軸方向磁束密度バラツキとし、局所的な磁束密度変化率(mT/mm:リップル)を測定した。なお、リップル値は(局所的な磁束密度変化量mT)/(軸方向距離mm)である。測定結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
ここで、主極磁束密度ピーク値は80mT以上が好ましい。また、軸方向磁束密度バラツキは6mT以下が好ましく、軸方向の局所的な磁束密度低下率(リップル)は0.5mT/mm以下が好ましい
(実施例2)
図7のマグネットローラ用材料として、樹脂バインダーにナイロン6樹脂(ユニチカ製A1015P)を10重量%(滑剤、安定剤を含む)、強磁性体粉末に異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe2O3)粉末(日本弁柄工業製NF−350)を90重量%とし、これらを混合して溶融混練し、ペレット状に成形する。図6の(a)のようにキャビティ容積が最小の状態で、ゲート口(2)から上記ペレットを溶融状態にしたものを注入し、該溶融樹脂磁石材料の注入とともにスライド金型A(13)を後退させてキャビティ容積を増大させ、240K・A/m〜2400K・A/mの磁場を印加(5箇所)しながら配向着磁して、該スライド金型A(13)を所定の位置まで後退させ、冷却固化させて図5のような軸一体型のマグネットローラを形成する。この場合、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部にSUM22(磁性体)(6)を配置したスライド金型A(13)を用い、該SUM22の軸方向長さを4mmとする以外はすべて実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0033】
(実施例3)
マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に配置したSUM22(磁性体)の軸方向長さを0.5mmとする以外はすべて実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0034】
(実施例4)
マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に配置したSUM22(磁性体)の軸方向長さを8mmとする以外はすべて実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0035】
(実施例5)
図8に示す様に、スライド金型C(15)に磁性体(6)を配置した成形装置を用いて、まずマグネットローラ径方向中心部(軸部)を成形し、その後マグネットローラ径方向外周部(本体部)を形成するという2工程にてマグネットローラを形成する以外はすべて実施例2と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0036】
(比較例1)
マグネットローラの反ゲート側の端部形成部の材質をSUS303(非磁性体)とする以外はすべて実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0037】
(比較例2)
スライド金型A(13)において、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部の材質をSUS303(非磁性体)とする以外はすべて実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0038】
(比較例3)
図8に示す成形装置において、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部の材質をSUS303(非磁性体)とする以外はすべて実施例5と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0039】
実施例1〜5と比較例1〜3(非磁性体)の主極軸方向磁束密度バラツキおよびリップル値を比べると、実施例1〜5は主極軸方向磁束密度バラツキおよびリップル値が小さくなっていることがわかる。比較例1〜3の主極軸方向磁束密度バラツキおよびリップル値は、一般的に好ましい範囲の上限ギリギリに入っているが、より高画質化を要求される場合は、上記バラツキおよびリップル値が更に小さい方が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のマグネットローラを成形する装置(金型)
【図2】本発明のマグネットローラ斜視図
【図3】従来のマグネットローラを成形する装置(金型)
【図4】従来のマグネットローラ斜視図
【図5】軸方向磁束密度(バラツキおよびリップルを説明する図)
【図6】本発明の別のマグネットローラを成形する装置(金型) (a)は溶融樹脂磁石材料注入前の状態 (b)は軸部への溶融樹脂磁石材料注入完了の状態 (c)は本体部への溶融樹脂磁石材料注入完了の状態
【図7】本発明の別のマグネットローラ斜視図
【図8】本発明の別のマグネットローラを成形する装置(金型)
【図9】本発明の別のマグネットローラ斜視図
【図10】従来の別のマグネットローラを成形する装置(金型)
【図11】従来の別のマグネットローラ斜視
【符号の説明】
【0041】
1 成形空間
2 ゲート口
3 励磁源
4 固定側金型(非磁性体)
5 可動側金型(非磁性体)
6 磁性体
7 マグネットローラ本体部
8 マグネットローラ軸部
9 軸方向磁束密度パターン
10 磁束密度バラツキ
11 軸方向距離(1mm)
12 磁束密度変化量(mT)
13 スライド金型A
14 スライド金型B
15 スライド金型C
16 成形空間
17 マグネットローラ本体部
18 マグネットローラ軸部
19 スライド金型D
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に組み込まれる現像ローラとして用いられるマグネットローラの製造方法に関する。さらに詳しくは、軸方向の磁束密度のバラツキを改善した軸部一体型マグネットローラの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マグネットローラとしては、金属シャフトの外周にマグネットピースを配置したマグネットローラ、あるいは、軸部と本体部が一体になった軸部一体型マグネットローラ等が知られている。特に、軸部一体型マグネットローラは低コストの利点を生かして、画像形成装置に組み込まれる現像ローラとして広く用いられている。
【0003】
軸部一体型マグネットローラを成形する方法としては、キャビティ内に溶融樹脂磁石材料を注入する前は、キャビティ内の容積を最小の状態で、前記溶融樹脂磁石材料を注入開始し、前記溶融樹脂磁石材料の注入に従ってスライド金型を後退させてキャビティ容積を増大させてマグネットローラを成形する方法(特許文献1)、及び、溶融粘度30ポアズから1000ポアズに調整された溶融樹脂磁石をキャビティ内へ射出してマグネットローラを成形する方法(特許文献2)が提案されている。
【特許文献1】特開平11−138562号公報。
【特許文献2】特開昭63−61274号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、スライド金型を後退させながら徐々に溶融樹脂磁石を注入しているが、ゲートから注入された溶融樹脂磁石材料は該スライド金型とともに反ゲート側に徐々に移動するので、反ゲート側付近の溶融樹脂磁石材料への磁場印加時間が長くなり、また、反ゲート側付近の溶融樹脂磁石材料から冷却されてしまうため、反ゲート側付近の磁束密度が高くなってしまう場合がある。
【0005】
また、特許文献2は、特許文献1のようなスライド金型は無いが、ゲート側から射出注入された溶融樹脂磁石材料は、反ゲート側から充填されるので、やはり反ゲート側の磁場印加時間が長くなり、また、反ゲート側付近から冷却されてしまうため、反ゲート側付近の磁束密度が高くなってしまう場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物をキャビティに注入しマグネットローラを磁場印加成形する工程において、上記マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体を配置した成形用金型を用いたマグネットローラの製造方法、である。
【0007】
また、本発明は、上記磁性体が可動金型に配置されたマグネットローラの製造方法、である。
【0008】
また、本発明は、上記磁性体がスライド金型に配置されたマグネットローラの製造方法である。
【0009】
さらに、本発明は、上記磁性体の軸方向長さを0.5mmから8mmとした成形用金型を用いたマグネットローラの製造方法、である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のマグネットローラ製造方法により、成形されるマグネットローラの反ゲート側付近への印加磁場を低下させることができる。これにより、該マグネットローラの反ゲート側の磁束密度が高くなることを防止でき、軸方向の磁束密度のバラツキを改善できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明のマグネットローラ製造方法について、1例をあげて詳細に説明する。
【0012】
本発明は、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体を配置した成形用金型を用いたマグネットローラの製造方法、である。
【0013】
図1に示すような成形装置を用いて、軸部一体型のマグネットローラを成形する。ゲート口(2)から溶融状態の樹脂磁石材料を射出注入し、励磁源(3)(5箇所)から発生させた磁場(240K・A/m〜2400K・A/m)により該溶融樹脂磁石材料を配向着磁し、冷却固化させて、図2に示すような軸一体型マグネットローラを形成する。この場合、図1に示すように、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体(6)を配置した可動金型を用いる。
【0014】
一方、従来は、例えば図3に示すように、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部は非磁性体で構成されているため、反ゲート側付近においても、励磁源(3)から発生する磁束はほとんどマグネットローラ側に流れていた。したがって、前記従来製法では、反ゲート側付近に存在する溶融樹脂磁石への磁場印加時間が長くなり、かつ、冷却時間が短くなっていた(すぐに冷却されてしまう)。図4に前記従来製法で形成された軸一体型マグネットローラを示す。形成されたマグネットローラの反ゲート側付近は、図5に示す軸方向磁束密度グラフのように、反ゲート側付近の磁束密度が高くなり、軸方向磁束密度のバラツキ(10)が大きくなったり、また、反ゲート側付近のリップル値(磁束密度変化量(12)/軸方向距離(11))が大きくなったりして、画像端部の濃度低下や現像剤こぼれ等の不具合が発生する場合があった。
【0015】
しかしながら、本発明では、反ゲート側付近の励磁源(3)から発生させた磁束は、磁性体で形成された反ゲート側の端面の方向へも流れ、該溶融樹脂磁石材料に磁束の流れが集中しないため、マグネットローラの反ゲート側付近への印加磁場が適度に低下することになり、該マグネットローラの反ゲート側の磁束密度が高くなることを防止できる。
【0016】
さらに本発明は、強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物を、スライド金型を後退させながら徐々にキャビティに注入し磁場印加成形するマグネットローラの製造方法にも適応できる。
【0017】
図6に示すような成形装置を用いて、軸部一体型のマグネットローラを成形する。まず、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体(6)を配置したスライド金型A(13)を、キャビティ容積が増大する方向に移動させながら、溶融状態の樹脂磁石材料を注入し、励磁源(3)(5箇所)から発生させた磁場(240K・A/m〜2400K・A/m)により該溶融樹脂磁石材料を配向着磁し、所定の位置で上記スライド金型A(13)の移動を停止し、冷却固化させて図7に示すような軸一体型マグネットローラを形成する。
【0018】
あるいは、図8に示すように、スライド金型B(14)(マグネットローラの反ゲート側の端部形成部には磁性体、非磁性体のどちらを配置してもよい)をキャビティ容積が増大する方向に移動させながら、溶融状態の樹脂磁石材料を注入し、所定の位置でスライド金型B(14)の移動を停止し、マグネットローラ径方向中心部(軸部)を形成し、その後、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部を磁性体(6)にて配置したスライド金型C(15)をキャビティ容積が増大する方向に移動させながら、溶融状態の樹脂磁石材料を注入し、励磁源(3)(5箇所)から発生させた磁場(240K・A/m〜2400K・A/m)により該溶融樹脂磁石材料を配向着磁し、所定の位置でスライド金型C(15)の移動を停止し、マグネットローラ径方向外周部(本体部)を形成し、冷却固化させて、図9に示すような軸一体型マグネットローラを形成する。上記工程において、マグネットローラ径方向中心部(軸部)を形成する際は、励磁源からの磁場の印加の有無はどちらでもよい。高磁束密度マグネットローラを形成する場合は、磁場を印加することが望ましく、軸部の強度向上させる場合は、低磁場を印加するか、あるいは磁場を印加せず、溶融樹脂磁石のキャビティ内の流動性を向上させることが望ましい。
【0019】
一方、従来は、例えば図10に示すように、非磁性体のスライド金型D(19)をキャビティ容積が増大する方向に移動させながら、溶融状態の樹脂磁石材料を注入し、所定の位置でスライド金型D(19)の移動を停止し、図11に示すような軸一体型マグネットローラの軸部および本体部を形成していた。したがって、従来製法では、反ゲート側付近に存在する溶融樹脂磁石への磁場印加時間が長くなり、かつ、冷却時間が短くなっていた。このため、形成されたマグネットローラの反ゲート付近の磁束密度が高くなり、軸方向磁束密度のバラツキが大きくなったり、また、反ゲート側付近のリップル値が大きくなったりして、画像端部の濃度低下や現像剤こぼれ等の不具合が発生する場合があった。
【0020】
しかしながら、本発明では、反ゲート側付近の励磁源から発生させた磁束は、磁性体で形成されたスライド金型(キャビティ側の先端部)の方向へも磁束が流れ、該溶融樹脂磁石材料に磁束の流れが集中しないため、マグネットローラの反ゲート側付近への印加磁場が適度に低下することになり、該マグネットローラの反ゲート側の磁束密度が高くなることを防止できる。
【0021】
また本発明において、上記磁性体の軸方向の長さは、0.5mmから8mmが好ましく、更には、1mm〜6mmがより好ましい。磁性体の軸方向の長さが0.5mm未満とすると、磁束を引きつける力が弱くなり所望の効果が発揮できない場合があり、また、8mmを超えると、該磁性体へ磁束が集中し過ぎ、マグネットローラの反ゲート側の磁束密度が所望の値よりさらに低下する場合がある。
【0022】
上記磁性体としては特に制限はないが、SUM系(SUM22、SUM24、等)、SC系(S50C、S55C、等)、SCM系(SCM435、440、等)、SKD11、SKD61、ハイス鋼、が好ましく、また、耐久性を向上させるため、焼き入れ処理や表面処理を施してもよい。
【0023】
上記発明では、マグネットローラ材料として、以下のような強磁性体粉末および樹脂バインダーを用いることができる。
【0024】
強磁性体粉末としては、MO・nFe2O3(nは自然数)で代表される化学式を持つ異方性フェライト磁性粉などがあげられる。式中のMとして、Sr、Baまたは鉛などの1種類または2種類以上が適宜選択して用いられる。
【0025】
また、強磁性体粉末として、異方性フェライト磁性粉、等方性フェライト磁性粉、異方性希土類磁性粉(例えばSmFeN系)、等方性希土類磁性粉(例えばNdFeB系)を単独または2種類以上を混合して用いてもよい。要求される磁束密度により適宜選択すればよい。
【0026】
樹脂バインダーとしては、ポリアミド樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスフィド)、EVA(エチレンー酢酸ビニル共重合体)、EVOH(エチレンービニルアルコール共重合体)及びPVC(ポリ塩化ビニル)などの1種類または2種類以上、もしくはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂の1種類または2種類以上を混合して用いることができる。
【0027】
上記に示した単独磁性粉あるいは混合磁性粉の含有率は50〜95重量%の範囲が好ましい。単独磁性粉あるいは混合磁性粉の含有率が50重量%未満では、磁性粉不足により、マグネットローラの磁気特性が低下して所望の磁力が得られにくくなり、また、それらの含有率が95重量%を超えると、樹脂バインダー不足となり成形性が損なわれるおそれがある。
【0028】
添加剤としては、磁性粉の表面処理剤としてシラン系やチタネート系等のカップリング剤、流動性を良好にするポリスチレン系・フッ素系滑剤等、安定剤、可塑剤、もしくは難燃剤などを添加する。
【実施例】
【0029】
以下に本発明を実施例および比較例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
図2のマグネットローラ用材料として、樹脂バインダーにナイロン6樹脂(ユニチカ製A1015P)を10重量%(滑剤、安定剤を含む)、強磁性体粉末に異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe2O3)粉末(日本弁柄工業製NF−350)を90重量%とし、これらを混合して溶融混練し、ペレット状に成形する。図1に示す成形装置を用いて、ゲート口(2)から上記ペレットを溶融状態にした樹脂磁石材料を射出注入し、励磁源(3)(5箇所)から発生させた磁場(240K・A/m〜2400K・A/m)により該溶融樹脂磁石材料を配向着磁し、冷却固化させて、図2に示すような軸一体型マグネットローラを形成する。この場合、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部にSUM22(磁性体)(6)を配置した可動金型を用い、該SUM22の軸方向長さを4mmとした。
【0031】
マグネットローラ本体部の外径をφ13.6mm、両端軸部の外径をφ5mmとし、マグネットローラ本体部の軸方向長さを320mm、両端軸部を含むマグネットローラの軸方向長さを355mmとした。
得られたマグネットローラを、マグネットローラの両端軸部を支持し、マグネットローラの中心からラジアル方向に8mm離し、かつマグネットローラ軸方向の中心にガウスメータ用プローブ(Bell社製磁束密度センサー)先端を設置し、マグネットローラを回転させ、該マグネットローラの周方向の磁束密度を測定し、主極の磁束密度ピーク位置を検知し、その位置にて主極の軸方向磁束密度を測定し、マグネットローラ本体部の軸方向両端10mmを除く領域において、最大磁束密度と最小磁束密度の差を軸方向磁束密度バラツキとし、局所的な磁束密度変化率(mT/mm:リップル)を測定した。なお、リップル値は(局所的な磁束密度変化量mT)/(軸方向距離mm)である。測定結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
ここで、主極磁束密度ピーク値は80mT以上が好ましい。また、軸方向磁束密度バラツキは6mT以下が好ましく、軸方向の局所的な磁束密度低下率(リップル)は0.5mT/mm以下が好ましい
(実施例2)
図7のマグネットローラ用材料として、樹脂バインダーにナイロン6樹脂(ユニチカ製A1015P)を10重量%(滑剤、安定剤を含む)、強磁性体粉末に異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe2O3)粉末(日本弁柄工業製NF−350)を90重量%とし、これらを混合して溶融混練し、ペレット状に成形する。図6の(a)のようにキャビティ容積が最小の状態で、ゲート口(2)から上記ペレットを溶融状態にしたものを注入し、該溶融樹脂磁石材料の注入とともにスライド金型A(13)を後退させてキャビティ容積を増大させ、240K・A/m〜2400K・A/mの磁場を印加(5箇所)しながら配向着磁して、該スライド金型A(13)を所定の位置まで後退させ、冷却固化させて図5のような軸一体型のマグネットローラを形成する。この場合、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部にSUM22(磁性体)(6)を配置したスライド金型A(13)を用い、該SUM22の軸方向長さを4mmとする以外はすべて実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0033】
(実施例3)
マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に配置したSUM22(磁性体)の軸方向長さを0.5mmとする以外はすべて実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0034】
(実施例4)
マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に配置したSUM22(磁性体)の軸方向長さを8mmとする以外はすべて実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0035】
(実施例5)
図8に示す様に、スライド金型C(15)に磁性体(6)を配置した成形装置を用いて、まずマグネットローラ径方向中心部(軸部)を成形し、その後マグネットローラ径方向外周部(本体部)を形成するという2工程にてマグネットローラを形成する以外はすべて実施例2と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0036】
(比較例1)
マグネットローラの反ゲート側の端部形成部の材質をSUS303(非磁性体)とする以外はすべて実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0037】
(比較例2)
スライド金型A(13)において、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部の材質をSUS303(非磁性体)とする以外はすべて実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0038】
(比較例3)
図8に示す成形装置において、マグネットローラの反ゲート側の端部形成部の材質をSUS303(非磁性体)とする以外はすべて実施例5と同様に行った。測定結果を表1に示す。
【0039】
実施例1〜5と比較例1〜3(非磁性体)の主極軸方向磁束密度バラツキおよびリップル値を比べると、実施例1〜5は主極軸方向磁束密度バラツキおよびリップル値が小さくなっていることがわかる。比較例1〜3の主極軸方向磁束密度バラツキおよびリップル値は、一般的に好ましい範囲の上限ギリギリに入っているが、より高画質化を要求される場合は、上記バラツキおよびリップル値が更に小さい方が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のマグネットローラを成形する装置(金型)
【図2】本発明のマグネットローラ斜視図
【図3】従来のマグネットローラを成形する装置(金型)
【図4】従来のマグネットローラ斜視図
【図5】軸方向磁束密度(バラツキおよびリップルを説明する図)
【図6】本発明の別のマグネットローラを成形する装置(金型) (a)は溶融樹脂磁石材料注入前の状態 (b)は軸部への溶融樹脂磁石材料注入完了の状態 (c)は本体部への溶融樹脂磁石材料注入完了の状態
【図7】本発明の別のマグネットローラ斜視図
【図8】本発明の別のマグネットローラを成形する装置(金型)
【図9】本発明の別のマグネットローラ斜視図
【図10】従来の別のマグネットローラを成形する装置(金型)
【図11】従来の別のマグネットローラ斜視
【符号の説明】
【0041】
1 成形空間
2 ゲート口
3 励磁源
4 固定側金型(非磁性体)
5 可動側金型(非磁性体)
6 磁性体
7 マグネットローラ本体部
8 マグネットローラ軸部
9 軸方向磁束密度パターン
10 磁束密度バラツキ
11 軸方向距離(1mm)
12 磁束密度変化量(mT)
13 スライド金型A
14 スライド金型B
15 スライド金型C
16 成形空間
17 マグネットローラ本体部
18 マグネットローラ軸部
19 スライド金型D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物をキャビティに注入しマグネットローラを磁場印加成形する工程において、上記マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体を配置した成形用金型を用いることを特徴とするマグネットローラの製造方法。
【請求項2】
磁性体が可動金型に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラの製造方法。
【請求項3】
磁性体がスライド金型に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラの製造方法。
【請求項4】
磁性体の軸方向長さを0.5mmから8mmとすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマグネットローラの製造方法。
【請求項1】
強磁性体粉末と樹脂バインダーとを含む溶融状態の混合物をキャビティに注入しマグネットローラを磁場印加成形する工程において、上記マグネットローラの反ゲート側の端部形成部に磁性体を配置した成形用金型を用いることを特徴とするマグネットローラの製造方法。
【請求項2】
磁性体が可動金型に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラの製造方法。
【請求項3】
磁性体がスライド金型に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラの製造方法。
【請求項4】
磁性体の軸方向長さを0.5mmから8mmとすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマグネットローラの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−122485(P2009−122485A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297646(P2007−297646)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【出願人】(596087214)栃木カネカ株式会社 (64)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【出願人】(596087214)栃木カネカ株式会社 (64)
【Fターム(参考)】
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