説明

マッサージ機

【課題】背もたれ部における施療子の支持部分の支持中心位置を施療子の駆動機構部の傾動中心と一致させ、施療子に加わる力を無理なく受けて、施療動作の信頼性や安全性を確保すると共に、駆動機構部の傾動機構を簡略化できるマッサージ機を提供する。
【解決手段】背もたれ部13内部に施療子の駆動機構部60を傾動可能に配設する一方、この駆動機構部60における施療子を取付けた施療子支持アームを傾動軸53で支持し、施療子に加わる力を傾動軸53にそのまま伝えることから、駆動機構部60の傾動機構に不要な力が加わらず、施療子と駆動機構部60の傾動動作及び施療動作の信頼性や安全性を高められると共に、傾動機構を高い強度のあるものとする必要が無く、この傾動機構を簡略化でき、施療子に係る機構部分全体の小型化が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揉み玉等の施療子の被施療者側への突出量を調整可能なマッサージ機に関し、特に施療子やその駆動機構を支持する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
被施療者の身体を支持しつつマッサージ動作を実行する椅子型のマッサージ機では、通常、その背もたれ部に設けられる施療子としての揉み玉を、背もたれ部にもたれた被施療者に対し進退可能とし、被施療者の所望する施療の強さが得られる構成を有している。こうしたマッサージ機で、揉み玉を進退させる機構としては、揉み玉をその駆動機構部ごと傾動可能に支持し、駆動機構部を所定の傾動機構で傾動させることで一体の揉み玉も傾動させ、これにより揉み玉を被施療者の前後方向に位置変化させて、揉み玉が被施療者に対し進退調整される状況を得る仕組みが一般的に用いられていた。このような揉み玉の進退機構を採用したマッサージ機の一例として、特開2002−159549号公報に開示されるものがある。
【0003】
前記従来のマッサージ機における施療子としての揉み玉を被施療者に対し進退させる機構は、傾動機構として駆動機構部にラック状の部分歯車を設けると共に、これと噛合して駆動源からの駆動力を伝達するピニオンギヤを配設し、これらの歯車列を用いて、揉み玉及びその駆動機構部を傾動させて、揉み玉を進退可能とする仕組みである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−159549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のマッサージ機における施療子としての揉み玉を被施療者に対し進退させる機構は、前記特許文献に示される構成とされているが、こうした傾動機構や揉み玉の駆動機構部のような機構部分は、マッサージ機全体の軽量化や低コスト化等の要求から、さらなる小型、軽量化が求められている。
【0006】
前記特許文献のような部分歯車とこれを駆動するピニオンギヤの傾動機構の場合、駆動機構部の傾動中心位置から最も離れた外周部分に部分歯車及びピニオンギヤが配置され、またピニオンギヤは駆動機構部の上方に掛渡された回転軸に取付けられることから、これら傾動機構は機構部分全体の配置スペースの大小に大きく影響を与えるものとなっている。従って、ピニオンギヤを片持ち支持としてその回転軸を大きく掛渡して軸支する必要性を無くし、且つ部分歯車及びピニオンギヤを傾動中心位置にできるだけ近付けるなどして、傾動機構の構造簡略化、省スペース化と共に機構部分全体の構成の自由度を高くして小型化を図ることが考えられる。
【0007】
一方、前記特許文献において、駆動機構部で揉み玉を支持するアーム部は、傾動する駆動機構部の中央付近に軸支されている。マッサージ機の使用時に、揉み玉には背もたれ部にもたれた被施療者の背面から後ろ向きの押圧力が相対的に加わった状態となり、この押圧力はアーム部を介して駆動機構部に伝わるが、アーム部の軸支位置が駆動機構部の中央付近となっていることで、押圧力のうち、駆動機構部を後方に平行移動させようとする力の成分は、駆動機構部の傾動中心軸と、傾動機構をなす部分歯車及びピニオンギヤとに分散して加わる。
【0008】
このため、ピニオンギヤに加わる負荷は比較的大きく、このピニオンギヤが仮に片持ち支持であると、強度不足で機構の破損につながるおそれがある。このように駆動機構部が従来構成のままでピニオンギヤを片持ち支持とすることには困難が伴うなど、傾動機構のみの見直しで前記機構部分全体の小型化や簡略化を図ることは容易ではないという課題を有していた。
【0009】
この他、前記特許文献のような部分歯車とピニオンギヤの傾動機構の場合、駆動機構部の傾動中心位置から最も離れた外周部分に部分歯車及びピニオンギヤが配置されており、駆動機構部の傾動角度範囲を規定する部分歯車の周方向長さを長くすると、駆動機構部の傾動の際に、背もたれ部内の各部に部分歯車が接触して不都合を生じてしまうことから、部分歯車の周方向長さを短く制限せざるを得ず、駆動機構部の傾動角度範囲をあまり大きくとることができなかった。このため、駆動機構部の傾動角度範囲に基づく揉み玉の進退範囲も限られたものとなり、揉み玉の被施療者側への突出量を大きくすることができず、揉み玉の使用は背もたれ部に面する身体背面部分のマッサージに限られるという課題を有していた。
【0010】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、背もたれ部における施療子の支持部分の支持中心位置を施療子の駆動機構部の傾動中心と一致させ、施療子に加わる力を無理なく受けて、施療動作の信頼性や安全性を確保すると共に、駆動機構部の傾動機構を簡略化でき、また、施療子の突出量を確保しやすく、施療子でのより効果的なマッサージを可能にするマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るマッサージ機は、背もたれ部に配置される施療子を、当該施療子の駆動機構部ごと背もたれ部上下方向に移動可能とする昇降機構を有すると共に、背もたれ部に対して施療子及び駆動機構部を所定の傾動軸を中心に傾動させて、施療子の被施療者側への突出量を調整可能とする傾動機構を有するマッサージ機において、前記傾動軸が、施療子を一端に取付けられてなる施療子支持アームを少なくとも揺動可能に支持し、前記駆動機構部の一部をなすものである。
【0012】
このように本発明によれば、背もたれ部内部に施療子の駆動機構部を傾動可能に配設する一方、この駆動機構部における施療子を取付けた施療子支持アームを傾動軸で支持し、施療子に加わる力が施療子支持アームを介して傾動軸にそのまま伝わるようにすることにより、駆動機構部の傾動機構に不要な力が加わらず、施療子と駆動機構部の傾動動作や傾動停止時における施療動作の信頼性や安全性を高められると共に、駆動機構部の傾動機構を高い強度のあるものとする必要が無く、この傾動機構を簡略化でき、施療子に係る機構部分全体の小型化が図れる。
【0013】
また、施療子支持アームが傾動軸に揺動可能に支持されることで、駆動機構部で施療子を動かす施療動作、例えば揉みや叩き等の動作のうち、施療子支持アームの揺動に伴う施療子の被施療者側へ突出する動き及び逆に被施療者から離れる動きの成分が、傾動機構による駆動機構部全体の傾動に伴う施療子の移動と、その運動の向きをほぼ一致させることから、施療動作と傾動機構による傾動動作とを適切に連係制御することで、施療動作における施療子の被施療者側へ突出する動きを自由に調整して、施療子による施療のバリエーションを広げ、より変化に富んだマッサージ効果を付与できることとなる。
【0014】
例えば、施療動作が、駆動機構部で被施療者に対する突出方向と幅方向の少なくとも二つの成分を有する動きを施療子に行わせ、被施療者に刺激を与える、いわゆる揉み動作である場合、この揉み動作中に、駆動機構部により生じる施療子の被施療者側へ突出する動
きと傾動機構による傾動動作とを合わせて実行することで、揉み動作における施療子の被施療者に対する突出量を調整でき、特に、駆動機構部による施療子の揉み動作のうち被施療者側へ突出する動きの成分のみを、傾動機構による逆方向への同程度の傾動動作でキャンセルできることとなり、これにより被施療者の身体に押圧力の加わらないいわゆる「さすり」のような動きを施療子に行わせることができる。さらに、施療動作が、主に被施療者に対する突出方向への動きを施療子に行わせて刺激を与える、いわゆる叩き動作である場合には、この叩き動作中に、駆動機構部により生じる施療子の被施療者側へ突出する動きと傾動機構による傾動動作とを合わせて実行することで、叩き動作における施療子の被施療者に対する突出量、すなわち叩きのストロークを自由に調整することができる他、駆動機構部による施療子の突出方向への動きで施療子から被施療者に加わる押圧力を、傾動機構による傾動動作の同時実行で強めたり弱めたりするなど、叩きの強弱の調整も行えることとなり、以上のような単純な揉み、叩きにとどまらない複雑な施療動作も容易に且つ被施療者に違和感を与えることなく実現できる。
【0015】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記施療子支持アームが、前記傾動軸に支持される部位から施療子取付位置までの長さを、少なくとも施療子及び駆動機構部が被施療者側へ最大限傾動した状態で、被施療者が背もたれ部にもたれた場合の被施療者の背面位置、及び駆動機構部における最も被施療者寄りの位置をそれぞれ施療子が越えて突出可能となる寸法として形成されるものである。
【0016】
このように本発明によれば、施療子支持アームを十分な長さとして、駆動機構部と共に傾動する揉み玉の最大突出量を、背もたれにもたれた被施療者の背面位置を越えるものとすることにより、突出状態とされた施療子が被施療者に対し肩の上方や腰の下方から接近することができ、施療子を用いた被施療者の身体各位置の検出や、施療子でのマッサージをより効率的に実行でき、施療子によるマッサージ位置を適切に設定できると共に、施療子から変化に富んだマッサージ効果を与えられる。
【0017】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記駆動機構部の傾動及び上下移動を制御する制御部を備え、当該制御部が、駆動機構部を傾動させ、施療子の被施療者側への突出量を背もたれ部にもたれた被施療者の背面位置を越える大きさとした上で、施療子を被施療者の肩より上方から駆動機構部ごと下降させ、施療子が肩上側に到達した状態を検出して被施療者の肩位置を認定するものである。
【0018】
このように本発明によれば、制御部の制御に基づいて駆動機構部を傾動させ、突出させた施療子を被施療者の肩より上方から肩に近付け、肩上側に施療子が到達した状態から肩位置を得ることにより、肩位置を被施療者が指定することなく設定でき、操作の手間を省いて使い勝手を大きく高められると共に、背面側からのみの位置検出の場合よりも正確な肩位置を認識でき、被施療者の身体の位置関係を制御部側で的確に把握できることとなり、施療子での身体各位置に対応したマッサージを確実に実行できる。
【0019】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記駆動機構部の傾動及び上下移動を制御する制御部を備え、当該制御部が、駆動機構部を傾動させ、施療子の被施療者側への突出量を背もたれ部にもたれた被施療者の背面位置を越える大きさとした上で、施療子を被施療者の肩より上方から駆動機構部ごと下降させ、施療子を肩上側に到達させて、施療子の肩上側部分に対するマッサージ動作を実行させるものである。
【0020】
このように本発明によれば、制御部の制御に基づいて駆動機構部を傾動させ、被施療者の背面位置より大きく突出させた施療子を被施療者の肩より上方から肩に近付け、肩上側に揉み玉を到達させて施療子でのマッサージを行うことにより、被施療者の肩に対する施療子での揉みやたたき等のマッサージを、背面側からだけでなく肩上側から行って新たな
マッサージ効果を付与することができ、肩へのマッサージによる施療効果を高められる。
【0021】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記駆動機構部の傾動及び上下移動を制御する制御部を備え、当該制御部が、駆動機構部を傾動させ、施療子の被施療者側への突出量を背もたれ部にもたれた被施療者の背面位置を越える大きさとした上で、施療子を被施療者の腰より下方から駆動機構部ごと上昇させ、施療子を腰下側に到達させて、施療子の腰下側部分に対するマッサージ動作を実行させるものである。
【0022】
このように本発明によれば、制御部の制御に基づいて駆動機構部を傾動させ、被施療者の背面位置より大きく突出させた施療子を被施療者の腰より下方から腰に近付け、腰下側に揉み玉を到達させて施療子でのマッサージを行うことにより、被施療者の腰に対する施療子での揉みやたたき等のマッサージを、背面側からだけでなく腰下側から行って新たなマッサージ効果を付与することができ、腰へのマッサージによる施療効果を高められる。
【0023】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記傾動軸を回動可能に軸支して前記駆動機構部を傾動可能に支持するベース部と、前記傾動軸に歯車中心を一致させて前記駆動機構部の側部に固定配設される部分歯車と、前記ベース部に回動可能として配設され、ベース部側から前記駆動機構部側に片持ち支持状態で突出して前記部分歯車に噛合し、所定の駆動源により回転駆動されて部分歯車を動かすピニオンギヤとを備え、前記部分歯車とピニオンギヤで前記傾動機構をなすものである。
【0024】
このように本発明によれば、ベース部で駆動機構部を傾動軸を中心に傾動可能に支持する一方、駆動機構部側に固定配設した部分歯車とベース部側に配設したピニオンギヤとで、施療子及び駆動機構部の傾動機構を構成し、ベース部側から部分歯車と噛合する位置まで片持ち支持状態で突出するピニオンギヤを回転駆動して、部分歯車及びこれと一体の駆動機構部をベース部に対し傾動させることにより、被施療者側から揉み玉に加わる力は傾動軸で支えて、ピニオンギヤには力が加わらないこととなり、ピニオンギヤを片持ち支持としても問題なく動作させられ、傾動機構を簡略且つコンパクト化できる。また、片持ち支持の状態で配設されるピニオンギヤと部分歯車以外の駆動機構部各部との接触を考慮せずに済み、部分歯車及びピニオンギヤを傾動軸に近い部位に配置でき、従来のような駆動機構部の傾動機構を傾動の中心軸に対し駆動機構部より外周側となる位置に配置していた場合と比べて、傾動機構を含む駆動機構部全体の小型化が図れると共に、周囲に影響を与えることなく容易に部分歯車の長さを確保して揉み玉の突出量を大きくできる構造が得られ、部分歯車を十分な長さとして、ピニオンギヤと部分歯車の噛合状態変化で傾動する揉み玉の最大突出量を、背もたれにもたれた被施療者の背面位置を越えるものとすれば、突出状態とされた施療子を被施療者の肩上方や腰下方から被施療者に接近させて、被施療者の身体各位置の検出やマッサージを効率的に実行できる。
【0025】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記傾動軸を回動可能に軸支して前記駆動機構部を傾動可能に支持するベース部と、前記背もたれ部内部に配設され、前記ベース部を背もたれ部上下方向に移動可能とし且つ他方向への動きは拘束して支持する複数のガイドフレームと、前記ベース部の背もたれ部上下方向への移動の向きに直交する中心軸を中心に回動可能としてベース部側端部に配設され、所定の駆動源により回転駆動されてガイドフレームを上下に走行し、ベース部をガイドフレームに対し移動させる回転体とを備え、前記ベース部、ガイドフレーム、及び回転体で前記昇降機構をなし、前記駆動機構部が、前記傾動軸に相対回動可能として取付けられて配設され、前記傾動軸が、前記回転体の中心軸を兼ねるものである。
【0026】
このように本発明によれば、駆動機構部の傾動の中心となる傾動軸が、駆動機構部を支持する状態でこの駆動機構部に対し回動可能とされると共に、ガイドフレームを走行して
駆動機構部と一体に上下する回転体の中心軸を兼ねて、駆動機構部及びベース部をガイドフレームに対し上下移動可能に支持する状態を得られることにより、傾動軸に複数の機能を与えて全体として簡略な昇降機構を実現できると共に、駆動機構部の傾動の中心となる傾動軸と上下移動用の回転体の中心軸とを別に配置せずに済み、ベース部におけるスペースの使用効率を高めて、駆動機構部とベース部からなる上下移動部分のコンパクト化も実現できることとなり、昇降機構及び傾動機構のコストダウンが図れる。
【0027】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記ガイドフレームが、略コ字状断面形状として形成されると共に、内周部分にラックを配設されてなり、前記回転体が、前記傾動軸の端部に取付けられ、少なくとも一部を前記ガイドフレームのラックと噛合するピニオンギヤ部とされ、前記ベース部に前記傾動軸と平行な軸線を中心に回動可能として取付けられ、前記回転体がラックと噛合する状態で前記ガイドフレームにおけるラックのある面の裏側にあたる外周面に転がり接触し、ガイドフレームに対しベース部及び回転体と共に上下に移動可能とされるローラを備えるものである。
【0028】
このように本発明によれば、ラックに噛合う回転体と所定間隔をなして配置されるローラがラック裏側でガイドフレームに接し、回転体のピニオンギヤ部とガイドフレーム側のラックとがローラで位置関係を保持されて離隔せずに確実に噛合することにより、回転体がラックとの噛合を常に維持してガイドフレームに対し確実に上下動可能となり、施療子を正確に上下動させて所望の位置に施療子のマッサージを的確に実行できると共に、ローラの存在でガイドフレームの形状精度に関わりなく回転体とラックの噛合状態をベース部の上下動可能範囲にわたり維持でき、ガイドフレームを高精度に形成し且つ外力に対しその形状を厳密に維持できる剛性を確保する必要がなく、ガイドフレームの構造を簡略化、軽量化してコストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るマッサージ機のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るマッサージ機のメカユニットにおける揉み玉及び駆動機構部の傾動状態説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るマッサージ機におけるメカユニットの正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るマッサージ機におけるメカユニットの背面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るマッサージ機におけるメカユニットの左側面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るマッサージ機におけるメカユニットの平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るマッサージ機におけるガイドフレームとメカユニット側端部との位置関係説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るマッサージ機におけるガイドフレームのラックとメカユニットの回転体との噛合状態説明図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るマッサージ機における駆動機構部の内部構造説明図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るマッサージ機における揉み玉の突出量小状態説明図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るマッサージ機における揉み玉の突出量大状態説明図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るマッサージ機における揉み玉での肩上側部分及び腰下側部分に対するマッサージ状態説明図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るマッサージ機における肩位置検出動作のフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の肩位置検出動作時における揉み玉上昇状態説明図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の肩位置検出動作時における肩仮位置認定以降の揉み玉上昇状態説明図である。
【図17】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の肩位置検出動作時における突出した揉み玉の肩上側接近状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態に係るマッサージ機を前記図1ないし図17に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機1は、着座した被施療者を支える椅子状とされ、背もたれ部13に配置される施療子としての揉み玉51をその駆動機構部60ごと背もたれ部13上下方向に移動可能とし、且つ背もたれ部13に対して揉み玉51及び駆動機構部60を、傾動軸53を中心に傾動させて、揉み玉51の被施療者側への突出量を調整可能とする構成であり、特に、傾動軸53に回動可能に取付けられる揉み軸部63を備え、傾動軸53がこの揉み軸部63を介して、揉み玉51を一端に取付けられてなる前記施療子支持アームとしての揉み玉支持アーム52を相対回動可能に支持するものである。
【0031】
この本実施形態に係るマッサージ機1の全体の構造は、床面上に載置されてマッサージ機全体を安定的に支持する基台部11と、この基台部11の上方で被施療者の臀部を支える座部12と、この座部12の後側で被施療者の背中を支える背もたれ部13と、座部12の左右両側で被施療者の肘や前腕部を支える肘掛部14と、座部12の前側で被施療者の脚を支える脚支持部15と、揉み玉51及び駆動機構部60を有して背もたれ部内部で上下動可能とされるメカユニット50と、マッサージ動作に係る各種操作入力を受付ける操作手段としてのリモコン30と、駆動機構部60の傾動及び上下移動を制御すると共に、揉み玉51をはじめとする施療機構によるマッサージ動作を操作入力や記録情報等の内容に基づいて制御する制御部40とを備える構成である。
【0032】
前記基台部11は、椅子各部をなす前記座部12、背もたれ部13、肘掛部14、及び脚支持部15を一体に取付けられてこれらを支持するものである。また、前記座部12は、基台部11に対し座面の傾斜角度を調整可能として取付けられ、座面にて被施療者の臀部を支えつつ内蔵の施療機構でマッサージを実行するものであり、この施療機構として、空気の給排で動作する臀部用エアセル71、及び太腿用エアセル72を備える構成である。これらエアセルを空気の給排で動作させるエアポンプ70が座部12下側のスペースに配設される。
【0033】
前記背もたれ部13は、前記基台部11及び座部12に対し傾斜角度を調整可能として
配設され、その内部に、前記メカユニット50を備える一方、この他に、メカユニット50を背もたれ部13上下方向に移動可能とし且つ他方向への動きは拘束して支持する左右一対のガイドフレーム20と、前記エアポンプ70による空気の給排で動作する背中用エアセル73及び腰用エアセル74と、背もたれ部内部上下にそれぞれ配置されてガイドフレーム20と共に枠状をなして背もたれ部の形状を維持するフレーム17とを備える構成であり、このうちメカユニット50、背中用エアセル73、及び腰用エアセル74が、それぞれマッサージを実行する施療機構をなす。なお、この背もたれ部13の左右両側部には、被施療者に面する内面側にエアセル等の施療機構を設けた一対の側壁部を突出配設して、被施療者の上腕部等に対して側方からマッサージを行えるようにすることもできる。
【0034】
前記ガイドフレーム20は、略コ字状の断面形状を有すると共に、人の背中形状に合せた背もたれ部13の表面に沿う長手方向形状とされてなり、一対を背もたれ部内部左右にそれぞれ配設される構成である。この対をなす二つのガイドフレーム20に挟まれる配置で、前記メカユニット50がガイドフレーム20に沿って移動可能に配設される。このガイドフレーム20の内周に、樹脂製のラック21がメカユニット50の上下動範囲にわたる長さとして配設される。ラック21はガイドフレーム20内周側に配設されることで、メカユニット50各部との物理的干渉を避けつつ横幅を十分に確保できる。
【0035】
前記メカユニット50は、背もたれ部13で揉み、叩き等の刺激を被施療者に与える施療子としての左右一対の揉み玉51と、この揉み玉51を突出状態で支持する前記施療子支持アームとしての左右一対の揉み玉支持アーム52と、この揉み玉支持アーム52を介して揉み玉51を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部60と、背もたれ部上下方向に直交して配置され、駆動機構部60を相対回動可能に支持する傾動軸53と、この傾動軸53を回動可能に軸支して駆動機構部60を傾動可能に支持するベース部54と、傾動軸53を中心に回動可能としてベース部54側端部に配設され、駆動源としての昇降モータ57により回転駆動されてガイドフレーム20を上下に走行し、ベース部54をガイドフレーム20に対し移動させる回転体55と、ベース部54側部に傾動軸53と平行な軸を中心に回動可能として取付けられ、ガイドフレーム20の外周面に転がり接触する弾性材製のローラ56とを備える構成である。このメカユニット50におけるベース部54と回転体55、並びに前記ガイドフレーム20が、前記昇降機構をなしている。
【0036】
前記駆動機構部60は、傾動軸53に相対回動可能に支持されて配設され、この傾動軸53を中心に傾動可能とされるものであり、詳細には、傾動軸53に回動可能として取付けられるハウジング61と、このハウジング61内に設けられ、揉み玉51に揉み動作を行わせるための駆動力を与える揉みモータ62と、同じくハウジング61内に設けられ、揉み玉51に叩き動作を行わせるための駆動力を与える叩きモータ64と、ハウジング61内でこれら揉みモータ62、叩きモータ64からの運動を揉み玉51に伝達する揉み機構及び叩き機構とを備える構成である。
【0037】
この駆動機構部60が、揉み玉51が取付けられた揉み玉支持アーム52を可動状態で支持しつつ、ベース部54に対し傾動軸53を中心に傾動可能とされることで、揉み玉51を背もたれ部上の被施療者に対し進退させ、揉み玉51の被施療者側への突出量を調整できる仕組みである。こうした駆動機構部60の傾動のために、ハウジング61の側部には、傾動軸53を中心とする所定ピッチ円径で且つ所定円弧長の部分歯車67が固定配設される。また、揉みモータ62と叩きモータ64は、それぞれ制御部40から出力される制御信号を受けて作動し、揉み玉51による各種マッサージ機能を被施療者に対して提供することとなる。
【0038】
駆動機構部60の前記揉み機構としては、ハウジング61内で傾動軸53上に回動可能
に支持され、揉みモータ62で回転駆動される揉み軸部63と、この揉み軸部63上に形成された偏心ロータ部63aに相対回動可能として取付けられる揉み玉支持アーム52とを備える構成である。なお、揉み玉支持アーム52は、揉み軸部63に支持される部位から揉み玉取付位置までの長さを、少なくとも揉み玉51及び駆動機構部60が最大限傾動した状態で、被施療者が背もたれ部13にもたれた場合の被施療者の背面位置、及び駆動機構部60における最も被施療者寄りの位置をそれぞれ揉み玉51が越えて突出可能となる寸法として形成される。
【0039】
また、駆動機構部60の前記叩き機構としては、ハウジング61内に傾動軸53と平行な向きで回動可能として配設される叩き軸65と、この叩き軸65上に形成された偏心ロータ部65aに一端部を相対回動可能に取付られると共に、他端部を揉み玉支持アーム52の一部に揺動可能に取付けられるロッド66と、叩きモータ64の駆動力を叩き軸65に伝達する原動プーリ64a、伝動ベルト64b、及び従動プーリ64cとを備える構成である。
【0040】
前記揉み機構では、揉みモータ62の回転が減速機構(図示を省略)を介して揉み軸部63に伝えられ、揉み軸部63が回転することで、揉み軸部63上で傾動軸53に対し斜め向きとなっている偏心ロータ部63aが傾動軸53の周りで偏心した回転を行い、この偏心ロータ部63a周りに取付けられた揉み玉支持アーム52が、叩き機構側のロッド66との連結による拘束を受けつつ、偏心ロータ部63aの回転で連続して揺れる状態となる。これに伴い、揉み玉支持アーム52の一端部に取付けられた揉み玉51が連続する軌跡を描きつつ上下、左右及び前後に揺動することで、施療動作としての揉みを実現する仕組みである。
【0041】
この揉み玉51の揉み動作に係る上下、左右及び前後の動きのうち、前後の動き成分、すなわち揉み玉51の被施療者側へ突出する動き及び逆に被施療者から離れる動きの成分については、傾動軸53を中心とした駆動機構部60の傾動に伴う揉み玉51の被施療者に対する進退移動と、その運動の向きをほぼ一致させることから、駆動機構部60の前記揉み機構による揉み動作と、傾動機構による駆動機構部60及び揉み玉51の傾動動作との複合により、揉み玉51における前後の動きの大きさ、すなわち揉み動作における揉み玉51の被施療者に対する突出量を任意に調整できる。そして、例えば、被施療者の身体に接した揉み玉51が前後の動きを伴わず押圧力を加えない状態で動く、いわゆる「さすり」のような動きを施療動作として実行する場合、揉み機構と傾動機構の複合動作により、揉み動作のうち揉み玉51の前後の動きの成分を打消してこれを実現でき、この際、傾動機構による傾動動作では揉み動作における揉み玉51の前後の動きの成分のみを打消せることで、揉み玉51の他の動き成分への影響を考慮せずに済むこととなり、制御を簡略に行えると共に、揉み玉が不自然な動きにならず被施療者に違和感を与えることもない。
【0042】
また、叩き機構では、叩き軸65上の偏心ロータ部65aと揉み玉支持アーム52の他端部とをロッド66で連結することで、偏心ロータ部65aの回転によりロッド66が動いて、揉み玉支持アーム52を揉み軸部63上の偏心ロータ部63aを中心に揺動させる一種のクランク機構が構成されており、揉み玉支持アーム52の揺動でアーム一端部の揉み玉51も揺動して、施療動作としての叩きを実現する仕組みである。
【0043】
この揉み玉51の叩き動作に係る揉み玉51の被施療者側へ突出する動き及び逆に被施療者から離れる動きについても、傾動軸53を中心とした駆動機構部60の傾動に伴う揉み玉51の被施療者に対する進退移動と、その運動の向きをほぼ一致させることから、駆動機構部60の前記叩き機構による叩き動作と、傾動機構による駆動機構部60及び揉み玉51の傾動動作との複合により、叩き動作における揉み玉51の被施療者に対する突出量、すなわち叩きのストロークを任意に調整できる。さらに、叩き動作に伴う揉み玉51
の動きに合せて、傾動機構による傾動動作を適切なタイミングで実行することで、被施療者に対する揉み玉51の叩きの強弱調整も行える。
【0044】
前記ベース部54は、傾動軸53を軸支することで駆動機構部60を傾動可能に支持するものであり、この他、傾動軸53を減速機構を介して回転駆動する昇降モータ57と、駆動機構部60を傾動させて揉み玉51を被施療者に対し進退させ、施療の強さを調整する進退モータ58とを備える構成である。
【0045】
進退モータ58は、駆動機構部60におけるハウジング61側部の部分歯車67と噛合させたピニオンギヤ58aに減速機構を介して回転駆動力を与え、ピニオンギヤ58aを回転させ、部分歯車67を傾動軸53を中心として移動させることで、駆動機構部60の傾動軸53を中心とした傾動を実現するものである。この進退モータ58は、あらかじめ施療開始前に被施療者の身体(例えば、肩から腰までのカーブ)を調査して得られた情報に基づく制御部40の制御により、その駆動状態を変化させて駆動機構部60を傾動させ、揉み玉51を進退させて揉み玉51の被施療者に対する突出量を調整し、被施療者ごとに最適な施療を提供できるようにしている。
【0046】
なお、ハウジング61側部の部分歯車67は、可能な限りそのピッチ円半径を小さく形成され、且つ、駆動機構部60と一体に傾動する揉み玉51に対し、背もたれ部13にもたれた場合の被施療者の背面位置を越えて突出可能となる傾動範囲を与えることのできる、十分な周方向長さとして形成されて、中心の傾動軸53に近い位置に配設される。また、この部分歯車67と噛合するピニオンギヤ58aは、ベース部54側の進退モータ58及び減速機構から部分歯車67と噛合可能な位置まで突出した片持ち支持の状態で配設されており、このピニオンギヤ58aをはじめとする部分歯車67の駆動機構とハウジング61との接触はない。
【0047】
こうして部分歯車67及びピニオンギヤ58aを用いて、駆動機構部60の傾動機構をコンパクトに構成しているが、これは、揉み玉51を取付けた揉み玉支持アーム52を揉み軸部63で支持すると共に、揉み軸部63を傾動軸53上に取付けて、揉み軸部63の中心位置を駆動機構部60の傾動中心である傾動軸53と一致させ、外部から揉み玉51に加わる力が揉み玉支持アーム52及び揉み軸部63を介して傾動軸53にそのまま伝わるようにしていることによるもので、駆動機構部60の傾動機構に不要な力が加わらず、部分歯車67及びピニオンギヤ58aを強度の高い構造とする必要が無く、特に、ピニオンギヤ58aを片持ち支持としても問題なく動作させられることで、簡略な傾動機構が実現している。
【0048】
また、簡略で且つ駆動機構部60との物理的干渉をほとんど考慮せずに済む機構となっている部分歯車67及びピニオンギヤ58aを、駆動機構部60横の傾動軸53に近い部位に配置できることで、駆動機構部の傾動機構を傾動軸に対し駆動機構部より外周側となる位置に配置していた場合と比べて、駆動機構部60全体の小型化が図れると共に、容易に部分歯車67の周方向長さを確保して、揉み玉の突出量を大きくできる構造が無理なく得られる。こうした揉み玉51の突出量を大きくできる構造では、突出状態とされた揉み玉51が被施療者に対し背面側からだけでなく上方や下方から接近することができ、被施療者の身体各位置の検出や揉み玉51によるマッサージ動作を効率的に実行でき、特にマッサージにおいてはそのバリエーションを増大させて、変化に富んだマッサージ効果を与えられる。
【0049】
前記回転体55は、一部を円筒面状、他部を歯車状として形成され、ベース部54の側端部下寄りで回転の中心軸となる傾動軸53の軸端に固定支持されて、それぞれ傾動軸53と共にベース部54に対し回動可能として配設され、歯車状部分をピニオンギヤ部55
aとしてガイドフレーム20のラック21と噛合させる構成である。この回転体55のピニオンギヤ部55aと、十分な幅として形成された樹脂製のラック21とが広い接触面積を確保しつつ噛合することで、回転体55が回転してピニオンギヤ部55aとラック21との噛合状態を変化させても異音が生じにくく、また接触に伴う摩擦も小さく抑えられる。
【0050】
この回転体55に加え、ベース部54の側端部上側にはガイドローラ59がそれぞれ回動可能に取付けられており、これらのガイドローラ59がガイドフレーム20に挿嵌されて回転体55と共にガイドフレーム20長手方向以外の動きを拘束されることで、ベース部54が一対のガイドフレーム20に背もたれ部上下方向に移動可能で且つ他方向への動きを拘束されて支持されることとなる。
【0051】
そして、回転体55が、昇降モータ57による傾動軸53の駆動に伴って回転することで、ラック21との噛合位置を変えてガイドフレーム20を走行する状態となり、同時にベース部54をはじめとするメカユニット50全体をガイドフレーム20に沿って背もたれ部13の上下に移動させる仕組みとなっており、これにより揉み玉51による被施療部位を上下に変えることができる。このメカユニット50の上下移動に際し、昇降モータ57は、制御部40から出力される制御信号を受けて作動しており、揉み玉51を背もたれ部13でこの揉み玉51による各種マッサージを被施療者に対し提供するのに最適な箇所にそれぞれ位置させることとなる。
【0052】
さらに、ベース部54側端部には複数のローラ56も配設されており、これらローラ56が、回転体55との間隔を維持したまま、回転体55のピニオンギヤ部55aがラック21と噛合する状態で、ガイドフレーム20におけるラック21のある面の裏側にあたる外周面に転がり接触して、回転体55とローラ56がガイドフレーム20の一部を挟んだ状態を保ちながら、ガイドフレーム20に対し上下に移動することで、回転体55とラック21とがこのローラ56で離隔を阻止されて噛合状態を確実に維持し、回転する回転体55がガイドフレーム20に対し確実に上下動できることとなり、メカユニット50全体を正確に上下動させられ、施療子である揉み玉51を正確に所望の上下方向位置に調整できる。また、このローラ56の存在でガイドフレーム20の形状精度に関わりなく回転体55をラック21寄りに位置させてピニオンギヤ部55aとラック21の噛合状態を維持でき、ガイドフレームを高精度に形成し且つ外力に対しその形状を厳密に維持できる高い剛性を確保する必要がなく、ガイドフレームの構造を簡略化、軽量化することもできる。
【0053】
前記肘掛部14は、座部12の両側に位置して基台部11と一体に連結し、背もたれ部13がリクライニング角度を変化させたり、座部12が傾動しても、被施療者の前腕を安定的に支持するよう形成される構成である。この肘掛部14にも、前記エアポンプ70による空気の給排で動作するエアセルを配設して、被施療者の前腕部に対しマッサージを行える構成としてかまわない。
【0054】
前記脚支持部15は、座部12の前側に位置し、座部12前端付近を中心として傾動可能に配設され、内蔵のアクチュエータ(図示を省略)により傾斜角度を調整されるものである。この脚支持部15にも、前記エアポンプ70による空気の給排で動作する脚用エアセルや、上下に移動しつつ脚を押圧するローラ等の施療機構を配設するようにしてかまわない。
【0055】
前記リモコン30は、マッサージ機に対する各種操作入力を受付ける多数のスイッチや表示部を備え、マッサージ機1の側部におけるスタンド16に着脱自在に設置され、マッサージに係る操作入力を制御部40に送信するものである。なお、リモコン30のスイッチや表示部の位置を被施療者にとって最適位置とするために、スタンド16の位置は調整
可能となっている。
【0056】
前記制御部40は、揉み玉51をはじめとするメカユニット50を用いて被施療者の身体各部位置検出を実行し、その検出結果に基づいて、施療機構やマッサージ機の他の各可動部分を被施療者に対応した状態に調整すると共に、施療機構や他の各可動部分に対し、リモコン操作やあらかじめ記録設定されたマッサージ内容、また前記検出結果の情報に基づいて、適切なマッサージの実行のための動作制御を行うものである。
【0057】
この制御部40は、そのハードウェア構成として、CPUやメモリ、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、メモリ等に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部40として動作させる仕組みである。この制御部40をなすコンピュータは、CPUやメモリ、ROM等を一体的に形成されたマイクロコンピュータとしてもかまわない。
【0058】
この制御部40をなすコンピュータのユニットは、座部12直下等のマッサージ機1内部の所定のスペースに配設され、リモコン30と通信可能な状態とされると共に、メカユニット50や、背もたれ部13や脚支持部15の各アクチュエータ、エアポンプ70とそれぞれ電気的に接続され、被施療者の身体各部位置検出の際にはあらかじめ設定された位置検出用プログラムに基づく制御信号出力により、また、マッサージ実行の際には設定されたマッサージのデータに基づく制御信号出力により、これらの駆動機構を動作させる。さらに制御部40は、メカユニット50や各アクチュエータの変位量を出力するエンコーダ等の信号出力手段とも電気的に接続されており、メカユニット50の状態や、背もたれ部13及び脚支持部15の傾斜等の状態を把握しつつこれらの動作制御を行うこととなる。
【0059】
制御部40は、マッサージに先立つ被施療者の身体各部位置検出として、メカユニット50を制御して、メカユニット50を背もたれ部13における初期位置からガイドフレーム20に沿って移動させつつ駆動機構部60を傾動させて、揉み玉51を被施療者に沿って動かす過程で、背もたれ部13にもたれた被施療者側からの揉み玉51に対する圧力の変化や揉み玉51の傾き変化等を順次取得し、この情報に基づいて、被施療者の肩位置、背骨のライン、腰位置を検出する仕組みである。特に、肩位置を検出する場合、制御部40は、揉み玉51をいったん肩より上方に位置させ、さらに、駆動機構部60を傾動させ、揉み玉51の被施療者側への突出量を背もたれ部13にもたれた被施療者の背面位置を越える大きさとした上で、揉み玉51を被施療者の肩より上方から駆動機構部60ごと下降させ(図17(A)参照)、揉み玉51が肩上側に到達した状態(図17(B)参照)を検出することで、被施療者の肩位置を検出、認定することとなる。
【0060】
一方、マッサージの場合においても、揉み玉51が背もたれ部13にもたれた被施療者の背面位置を越えて突出可能な機構を有していることで、制御部40はこれを利用したマッサージを実行させることもでき、例えば、制御部40は揉み玉51をいったん被施療者の肩より上方に位置させた後、駆動機構部60を傾動させ、揉み玉51の被施療者側への突出量を背もたれ部13にもたれた被施療者の背面位置を越える大きさとした上で、揉み玉51を被施療者の肩より上方から駆動機構部60ごと下降させ、揉み玉51を肩上側に到達させて、揉み玉51の肩上側部分に対するマッサージ動作を実行させることができる(図13(A)参照)。
【0061】
また逆に、制御部40は揉み玉51をいったん背もたれ部13最下部の被施療者の腰より下側に位置させた後、駆動機構部60を傾動させ、揉み玉51の被施療者側への突出量を背もたれ部13にもたれた被施療者の背面位置を越える大きさとした上で、揉み玉51を被施療者の腰部より下方から駆動機構部60ごと上昇させ、揉み玉51を腰部下側に到
達させて、揉み玉51の腰部下側部分に対するマッサージ動作を実行させることもできる(図13(B)参照)。
【0062】
次に、本実施形態に係るマッサージ機における被施療者の肩位置検出動作及び突出状態の揉み玉によるマッサージ動作について説明する。はじめに、被施療者の肩位置検出動作について、図14のフローチャートを用いて説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動したものとする。
【0063】
まず、制御部40は、背もたれ部13下方の初期位置にあるメカユニット50において、進退モータ58を作動させ、ピニオンギヤ58aを駆動して部分歯車67を動かし、揉み玉51と駆動制御部60を傾動させて、揉み玉51を被施療者側に向わせる(ステップS001)。また、制御部40は昇降モータ57も作動させ、回転体55を回転させてガイドフレーム20に対しメカユニット50全体を上に動かす(ステップS002)。こうして、揉み玉51を被施療者の背中に押付けながら、揉み玉51を背もたれ部13の下方から上昇させる状態が得られる(図15参照)。この時、揉み玉51が被施療者の背中で突出を阻止され、それ以上前方へ進めないので、駆動機構部60も傾動できず、作動中の進退モータ58には大きな負荷がかかった状態となっている。
【0064】
揉み玉51が上昇を続けて、肩を越えた位置に達すると(図16(A)参照)、揉み玉51が被施療者の背中を押さない状態となり、揉み玉51が被施療者の背面位置を越えて前方へ進めることで、駆動機構部60が傾動を開始し、進退モータ58の負荷が急減することとなる。制御部40はこの進退モータ58の負荷を監視して(ステップS003)、負荷が急減する状態に達したか否かを判定する(ステップS004)。負荷が急減する状態に達したと判定したら、制御部40はその時点の揉み玉51の位置を肩の仮位置と認定し、同時に進退モータ58を停止させ、揉み玉51と駆動制御部60が傾動しないようにして、揉み玉51がそれ以上突出しないようにする(ステップS005)。一方、前記ステップS004で負荷が急減する状態に達していない場合は、再びステップS003に戻って、進退モータ58の負荷の監視を繰返す。
【0065】
肩の仮位置認定後、制御部40はさらに昇降モータ57の作動を継続させ、メカユニット50を上に移動させる一方(図16(B)参照)、進退モータ58は停止したままとして、揉み玉51を進退させない状態で所定距離、例えば10cm程度上昇させる(ステップS006)。上昇後、制御部40は、昇降モータ57をいったん停止させると共に、進退モータ58を作動させて揉み玉51と駆動制御部60を再び傾動させ、揉み玉51を背もたれ部13前方側へ最大限突出させる(ステップS007)。
【0066】
揉み玉51を突出させたら(図17(A)参照)、制御部40は進退モータ58を停止させる一方、昇降モータ57を作動させ、回転体55を前記上移動の場合とは逆方向に回転させて、メカユニット50と共に揉み玉51を下降させていく(ステップS008)。揉み玉51が肩上側に近接すると(図17(B)参照)、揉み玉51の下降速度が低下するのに伴い、昇降モータ57の負荷が急増するため、制御部40はこの昇降モータ57の負荷を監視して(ステップS009)、負荷が急増する状態に達したか否かを判定する(ステップS010)。負荷が急増する状態に達したと判定したら、制御部40は、その時点の揉み玉位置を取得し、この揉み玉位置を真の肩位置として認定する(ステップS011)。一方、前記ステップS010で負荷が急増する状態に達していない場合は、再びステップS009に戻って、昇降モータ57の負荷の監視を繰返す。
【0067】
真の肩位置を認定したら、制御部40は昇降モータ57を一旦停止させた後逆転させ、メカユニット50と共に揉み玉51を上昇させて、揉み玉51を肩上側から離隔させる(
ステップS012)と共に、進退モータ58を作動させて揉み玉51と駆動制御部60を傾動させ、揉み玉51を被施療者から離れる向きに移動させ、メカユニットの上下動に際し揉み玉が背もたれ部13にもたれた被施療者の背面と物理的に干渉しない位置まで後退させる(ステップS013)。この後、制御部40が、昇降モータ57を一旦停止させた後再び作動させ、メカユニット50を下に移動させて初期位置まで戻す(ステップS014)と、一連の肩検出動作が完了となる。
【0068】
こうして正確な肩位置の情報が得られた後、必要に応じて、体重測定や腰位置などの身体他部分の位置検出などのマッサージ開始前の準備動作が制御部40により実行された後、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力され、制御部40が入力を受けて、各施療機構によるマッサージ動作が開始することとなる。揉み玉51によるマッサージの場合、設定されたマッサージの内容に応じて、制御部40は、昇降モータ57を作動させて各回転体55を回転させ、ガイドフレーム20に対しメカユニット50全体を上下に移動させ、揉み玉51の上下位置を調整すると共に、進退モータ58を作動させて揉み玉51と駆動制御部60を傾動させ、揉み玉51の被施療者側への突出量を調整して、揉み玉51をマッサージの対象箇所に位置させる。この後、又はこうした揉み玉51の移動と並行して、制御部40は、マッサージの種類に応じて、揉みモータ62及び/又は叩きモータ64を作動させ、揉み玉51に設定された揉みや叩き等のマッサージに対応した動きを行わせることとなる。
【0069】
このようにマッサージを行う中、揉み玉51は被施療者側から相対的に押される状態となって、揉み玉51には押圧力が加わるが、揉み玉51を取付けた揉み玉支持アーム52を揉み軸部63で支持すると共に、この揉み軸部63を傾動軸53上にその中心を一致させて取付け、揉み玉51に加わる力が揉み玉支持アーム52及び揉み軸部63を介して傾動軸53にそのまま伝わるようにしていることで、傾動軸53以外の、駆動機構部60の傾動機構をなすピニオンギヤ58aに駆動機構部60を介して強い力が加わることはなく、ピニオンギヤ58aで部分歯車67を無理なく動作させて、駆動機構部60のスムーズな傾動を実現できる。
【0070】
続いて、被施療者が背もたれ部13にもたれた場合の被施療者の背面位置を揉み玉51が大きく越えて突出した状態での、揉み玉による被施療者に対する上方や下方からのマッサージ動作について説明する。
【0071】
まず、揉み玉51で被施療者の肩に対し上方からマッサージを行う場合、制御部40は、揉み玉51が被施療者の肩位置より上方に存在するように、必要に応じて、昇降モータ57を作動させ、回転体55を回転させてガイドフレーム20に対しメカユニット50全体を上に移動させ、揉み玉51を上昇させる(図16(B)参照)。そして、揉み玉51が被施療者の肩位置より上方に存在する状態で、制御部40は、進退モータ58を作動させて揉み玉51と駆動制御部60を傾動させ、揉み玉51の被施療者側への突出量を背もたれ部13にもたれた被施療者の背面位置より大きくする(図17(A)参照)。
【0072】
さらに制御部40は、進退モータ58を停止させる一方、昇降モータ57を作動させて、メカユニット50と共に揉み玉51を下降させ、揉み玉51を被施療者の肩より上の位置から、あらかじめ検出した肩位置に到達させる(図17(B)参照)。この状態で、制御部40は駆動機構部60の揉みモータ62及び/又は叩きモータ64を作動させて、揉み玉51の肩上側部分に対する揉み及び/又は叩きのマッサージ動作を実行する(図13(A)参照)。こうして肩に対する揉み玉51での揉みや叩き等のマッサージを肩上側から行うことで、背面側からのマッサージとは異なる新たなマッサージ効果を付与することができ、施療効果を高められることとなる。
【0073】
また、揉み玉51で被施療者の腰に対し下方からマッサージを行う場合、制御部40は、揉み玉51が被施療者の腰位置より下方に存在するように、必要に応じて、昇降モータ57を作動させ、回転体55を回転させてガイドフレーム20に対しメカユニット50全体を下に移動させ、揉み玉51を下降させる。そして、揉み玉51が被施療者の腰位置より下方に存在する状態で、制御部40は、進退モータ58を作動させて揉み玉51と駆動機構部60を傾動させ、揉み玉51の被施療者側への突出量を背もたれ部13にもたれた被施療者の背面位置より大きくする。
【0074】
さらに制御部40は、進退モータ58を停止させる一方、昇降モータ57を作動させて、メカユニット50と共に揉み玉51を上昇させ、揉み玉51を腰直下に到達させる。この状態で、制御部40は駆動機構部60の揉みモータ62及び/又は叩きモータ64を作動させて、揉み玉51の腰下側部分に対する揉み及び/又は叩きのマッサージ動作を実行する(図13(B)参照)。こうして腰に対する揉み玉51での揉みや叩き等のマッサージを腰下側から行うことで、背面側からのマッサージとは異なる新たなマッサージ効果を付与することができ、施療効果を高められることとなる。
【0075】
このように、本実施形態に係るマッサージ機は、背もたれ部13内部に揉み玉51の駆動機構部60を傾動可能に配設する一方、この駆動機構部60における揉み玉支持アーム52を揉み軸部63で支持すると共に、揉み軸部63を傾動軸53上に取付けて、揉み軸部63の中心位置を駆動機構部60の傾動中心である傾動軸53と一致させ、揉み玉51に加わる力が揉み玉支持アーム52及び揉み軸部63を介して傾動軸53にそのまま伝わるようにすることで、揉み玉51側から駆動機構部60を傾動させる駆動部分に不要な力が加わらず、ピニオンギヤ58aをはじめとする傾動用の駆動機構を高い強度のあるものとする必要が無く、この傾動用の駆動機構を簡略化でき、メカユニット50を小型化できると共に、大幅なコストダウンが図れる。
【0076】
なお、前記実施形態に係るマッサージ機においては、駆動機構部60で揉み機構をなす揉み軸部63に揉み玉支持アーム52を相対回動可能として取付けると共に、揉み軸部63を傾動軸53上に回動可能に取付けて、傾動軸53が揉み軸部63を介して揉み玉支持アーム52を揺動可能に支持する構成としているが、これに限らず、マッサージ機に揉み機能が無く、駆動機構部60が揉み機構を有しない場合などは、傾動軸に揉み玉支持アームを直接取付けて、傾動軸が揉み玉支持アームを揺動可能に支持する構成とすることもでき、前記同様、施療子としての揉み玉に加わる力が揉み玉支持アームを介して傾動軸にそのまま伝わるようにすることで、駆動機構部の傾動機構に不要な力が加わらず、揉み玉と駆動機構部の傾動動作や傾動停止時における施療動作の信頼性や安全性を高められると共に、駆動機構部の傾動機構を高い強度のあるものとする必要が無く、傾動機構を簡略化でき、メカユニット全体の小型化が図れる。
【0077】
また、前記実施形態に係るマッサージ機においては、メカユニット50の回転体55にピニオンギヤ部55aを設ける一方、ガイドフレーム20にはラック21を設け、ピニオンギヤ部55aとラック21とを噛合させて、回転する回転体55がガイドフレーム20を上下に走行可能とされる構成としているが、これに限らず、歯車とラックの組合せを用いる以外で、メカユニットの荷重の加わる回転体が、ガイドフレームに対し滑ってずれることなくガイドフレームを上下に走行可能となる構成、例えば、回転体に形成した凹凸に対応する逆の凹凸をガイドフレームに設けて、凹凸の係合で回転体がずれなくガイドフレームを上下に走行可能となるような構成としてもかまわない。
【符号の説明】
【0078】
1 マッサージ機
11 基台部
12 座部
13 背もたれ部
14 肘掛部
15 脚支持部
16 スタンド
17 フレーム
20 ガイドフレーム
21 ラック
30 リモコン
40 制御部
50 メカユニット
51 揉み玉
52 揉み玉支持アーム
53 傾動軸
54 ベース部
55 回転体
55a ピニオンギヤ部
56 ローラ
57 昇降モータ
58 進退モータ
58a ピニオンギヤ
59 ガイドローラ
60 駆動機構部
61 ハウジング
62 揉みモータ
63 揉み軸部
63a 偏心ロータ部
64 叩きモータ
64a 原動プーリ
64b 伝動ベルト
64c 従動プーリ
65 叩き軸
65a 偏心ロータ部
66 ロッド
67 部分歯車
70 エアポンプ
71 臀部用エアセル
72 太腿用エアセル
73 背中用エアセル
74 腰用エアセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背もたれ部に配置される施療子を、当該施療子の駆動機構部ごと背もたれ部上下方向に移動可能とする昇降機構を有すると共に、背もたれ部に対して施療子及び駆動機構部を所定の傾動軸を中心に傾動させて、施療子の被施療者側への突出量を調整可能とする傾動機構を有するマッサージ機において、
前記傾動軸が、前記施療子を一端に取付けられてなる施療子支持アームを少なくとも揺動可能に支持し、前記駆動機構部の一部をなすことを
特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記請求項1に記載のマッサージ機において、
前記施療子支持アームが、前記傾動軸に支持される部位から施療子取付位置までの長さを、少なくとも施療子及び駆動機構部が被施療者側へ最大限傾動した状態で、被施療者が背もたれ部にもたれた場合の被施療者の背面位置、及び駆動機構部における最も被施療者寄りの位置をそれぞれ施療子が越えて突出可能となる寸法として形成されることを
特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載のマッサージ機において、
前記駆動機構部の傾動及び上下移動を制御する制御部を備え、
当該制御部が、駆動機構部を傾動させ、施療子の被施療者側への突出量を背もたれ部にもたれた被施療者の背面位置を越える大きさとした上で、施療子を被施療者の肩より上方から駆動機構部ごと下降させ、施療子が肩上側に到達した状態を検出して被施療者の肩位置を認定することを
特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
前記請求項1又は2に記載のマッサージ機において、
前記駆動機構部の傾動及び上下移動を制御する制御部を備え、
当該制御部が、駆動機構部を傾動させ、施療子の被施療者側への突出量を背もたれ部にもたれた被施療者の背面位置を越える大きさとした上で、施療子を被施療者の肩より上方から駆動機構部ごと下降させ、施療子を肩上側に到達させて、施療子の肩上側部分に対するマッサージ動作を実行させることを
特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
前記請求項1又は2に記載のマッサージ機において、
前記駆動機構部の傾動及び上下移動を制御する制御部を備え、
当該制御部が、駆動機構部を傾動させ、施療子の被施療者側への突出量を背もたれ部にもたれた被施療者の背面位置を越える大きさとした上で、施療子を被施療者の腰より下方から駆動機構部ごと上昇させ、施療子を腰下側に到達させて、施療子の腰下側部分に対するマッサージ動作を実行させることを
特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
前記請求項1ないし5のいずれかに記載のマッサージ機において、
前記傾動軸を回動可能に軸支して前記駆動機構部を傾動可能に支持するベース部と、
前記傾動軸に歯車中心を一致させて前記駆動機構部の側部に固定配設される部分歯車と、
前記ベース部に回動可能として配設され、ベース部側から前記駆動機構部側に片持ち支持状態で突出して前記部分歯車に噛合し、所定の駆動源により回転駆動されて部分歯車を動かすピニオンギヤとを備え、
前記部分歯車とピニオンギヤで前記傾動機構をなすことを
特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
前記請求項1ないし5のいずれかに記載のマッサージ機において、
前記傾動軸を回動可能に軸支して前記駆動機構部を傾動可能に支持するベース部と、
前記背もたれ部内部に配設され、前記ベース部を背もたれ部上下方向に移動可能とし且つ他方向への動きは拘束して支持する複数のガイドフレームと、
前記ベース部の背もたれ部上下方向への移動の向きに直交する中心軸を中心に回動可能としてベース部側端部に配設され、所定の駆動源により回転駆動されてガイドフレームを上下に走行し、ベース部をガイドフレームに対し移動させる回転体とを備え、
前記ベース部、ガイドフレーム、及び回転体で前記昇降機構をなし、
前記駆動機構部が、前記傾動軸に相対回動可能として取付けられて配設され、
前記傾動軸が、前記回転体の中心軸を兼ねることを
特徴とするマッサージ機。
【請求項8】
前記請求項7に記載のマッサージ機において、
前記ガイドフレームが、略コ字状断面形状として形成されると共に、内周部分にラックを配設されてなり、
前記回転体が、前記傾動軸の端部に取付けられ、少なくとも一部を前記ガイドフレームのラックと噛合するピニオンギヤ部とされ、
前記ベース部に前記傾動軸と平行な軸線を中心に回動可能として取付けられ、前記回転体がラックと噛合する状態で前記ガイドフレームにおけるラックのある面の裏側にあたる外周面に転がり接触し、ガイドフレームに対しベース部及び回転体と共に上下に移動可能とされるローラを備えることを
特徴とするマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−105812(P2012−105812A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256841(P2010−256841)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】