説明

マニピュレータの制御方法及び管台内作業方法

【課題】マニピュレータを用いた管台内における作業に要する時間と労力を低減することができるマニピュレータの制御方法及び管台内作業方法を提供する。
【解決手段】マニピュレータ100にレーザセンサ121を設置し、第1の位置において回転させながら90°間隔で1a〜4a点の順に4点において距離を計測する第1の補正計測を行い、第1の補正計測の結果より、1a点と3a点の距離の差及び2a点と4a点の距離の差を管台16との中心位置のズレとして中心位置を補正する第1の補正を行い、第2の位置においてレーザセンサ121を回転させながら90°間隔で1b〜4b点の順に4点において距離を計測する第2の補正計測を行い、第2の補正計測の結果より、1b点と3b点の距離の差及び2b点と4b点の距離の差を管台16との傾きのズレとして傾きを補正する第2の補正を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニピュレータの制御方法及び管台内作業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気発生器や原子炉容器においては、管台に対する各種の作業部位が多く存在する。この作業は例えば管台内面肉盛溶接等があり、管台内面肉盛溶接を行うにはそれぞれの管台で専用の溶接ヘッドを開発し、製作している。この専用の溶接ヘッドは、管台の軸心を中心とした円軌道を描くように動作し(下記特許文献1参照)、溶接を行うことを特徴としている。しかし、専用の溶接ヘッドを用いた場合、管台の寸法等に応じて専用の溶接ヘッドを製作する必要があり、また、溶接ヘッドと管台との芯出し調整や溶接ヘッドの管台への固定が重要となるため、これらの作業に多くの時間と労力を要することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−3442号公報
【特許文献2】特開平1−255009号公報
【特許文献3】特許第3917915号公報
【特許文献4】特開2009−216310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、専用の溶接ヘッドを用いずに、汎用性の高いマニピュレータを用いて溶接を行うことが考えられるが、従来一般的なティーチングプレイバック制御のマニピュレータの制御方法(上記特許文献2参照)では、予め人手によりマニピュレータを動作させたい軌跡を登録(ティーチング)することにより、マニピュレータは登録された軌跡をリアルタイムで補正を行いながらならい動作(プレイバック)するため、ティーチングに多くの時間と労力を要することとなる。また、狭小な蒸気発生器や原子炉容器内において人手によりティーチングを行うことは困難であり、安全性の観点からも問題がある。
【0005】
以上のことから、本発明は、マニピュレータを用いた管台内における作業に要する時間と労力を低減することができるマニピュレータの制御方法及び管台内作業方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための第1の発明に係るマニピュレータの制御方法は、
マニピュレータに対象物との距離を測定する距離計測手段を設置し、前記距離計測手段を円筒の内部又は外部に位置させて該位置を第1の位置とし、前記距離計測手段を前記円筒の周方向に回転させながら90°間隔で1a,2a,3a及び4a点の順に4点において距離を計測する第1の補正計測を行い、
前記第1の補正計測の結果より、前記1a点と前記3a点の距離の差及び前記2a点と前記4a点の距離の差を前記円筒との中心位置のズレとして中心位置を補正する第1の補正を行い、
前記第1の位置から前記円筒の軸方向に移動した第2の位置において前記距離計測手段を前記円筒の周方向に回転させながら90°間隔で1b,2b,3b及び4b点の順に4点において距離を計測する第2の補正計測を行い、
前記第2の補正計測の結果より、前記1b点と前記3b点の距離の差及び前記2b点と前記4b点の距離の差を前記円筒との傾きのズレとして傾きを補正する第2の補正を行う
ことを特徴とする。
【0007】
上記の課題を解決するための第2の発明に係る管台内作業方法は、
旋回軸を有しマニピュレータを回転可能に支持する旋回支柱を容器内に搬入して該容器内に設置し、
前記旋回支柱に前記マニピュレータを取付け、
前記マニピュレータに実施する作業に応じた先端ヘッドを取付け、
前記マニピュレータを前記容器内に引込み、
前記旋回支柱の旋回軸を回転させ、
第1の発明に記載のマニピュレータの制御方法を実行し、
前記マニピュレータにより作業を実施する
ことを特徴とする。
【0008】
上記の課題を解決するための第3の発明に係る管台内作業方法は、
第2の発明に記載の管台内作業方法を実行し、
前記旋回支柱の旋回軸を回転させ、
前記マニピュレータを前記容器外に引出し、
前記マニピュレータの先端ヘッドを次に実施する作業に応じた先端ヘッドに交換する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、マニピュレータを用いた管台内における作業に要する時間と労力を低減することができるマニピュレータの制御方法及び管台内作業方法を提供することができるマニピュレータの制御方法及び管台内作業方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例に係るマニピュレータの制御方法を示したフロー図である。
【図2】本発明の実施例に係る芯出し手順における第1の補正計測の様子を示した模式図である。
【図3】本発明の実施例に係る芯出し手順における第1の座標補正の様子を示した模式図である。
【図4】本発明の実施例に係る芯出し手順における第2の補正計測の様子を示した模式図である。
【図5】本発明の実施例に係る芯出し手順における第2の座標補正の様子を示した模式図である。
【図6】本発明の実施例に係るマニピュレータの制御方法におけるマニピュレータの搬入手順を示したフロー図である。
【図7】本発明の実施例に係るマニピュレータの搬入手順における旋回支柱の搬入の様子を示した模式図である。
【図8】本発明の実施例に係るマニピュレータの搬入手順におけるスライドテーブルの搬入の様子を示した模式図である。
【図9】本発明の実施例に係るマニピュレータの搬入手順におけるマニピュレータの取付けの様子を示した模式図である。
【図10】本発明の実施例に係るマニピュレータの搬入手順における先端ヘッドの取付けの様子を示した模式図である。
【図11】本発明の実施例に係るマニピュレータの搬入手順におけるマニピュレータの引込みの様子を示した模式図である。
【図12】本発明の実施例に係るマニピュレータの搬入手順における旋回支柱の旋回軸の回転の様子を示した模式図である。
【図13】本発明の実施例に係るマニピュレータの搬入手順におけるマニピュレータの作業の様子を示した模式図である。
【図14】本発明の実施例に係るマニピュレータの制御方法におけるマニピュレータのヘッド部取替え手順を示したフロー図である。
【図15】本発明の実施例に係るマニピュレータのヘッド部取替え手順における旋回支柱の旋回軸の回転の様子を示した模式図である。
【図16】本発明の実施例に係るマニピュレータのヘッド部取替え手順におけるマニピュレータの引出しの様子を示した模式図である。
【図17】本発明の実施例に係るマニピュレータのヘッド部取替え手順における先端ヘッドの交換の様子を示した模式図である。
【図18】本発明の実施例に係るマニピュレータの制御方法において用いるマニピュレータの例を示した斜視図である。
【図19】本発明の実施例に係るマニピュレータの制御方法において用いるマニピュレータの例を示したスケルトン図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るマニピュレータの制御方法及び管台内作業方法を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の実施例に係るマニピュレータの制御方法及び管台内作業方法について説明する。
はじめに、本実施例に係るマニピュレータの制御方法及び管台内作業方法において用いるマニピュレータの構成例について説明する。
【0013】
図16,17に示すように、本実施例に係るマニピュレータの制御方法及び管台内作業方法においては7軸を有するマニピュレータ100(例えば、上記特許文献3参照)を用いた。マニピュレータ100は、肩部101、上腕部102、下腕部103及び手首部104から構成されている。
【0014】
マニピュレータ100は、矢印S1で示す腕の左右旋回を可能とする第1軸110、矢印S2で示す腕の上下旋回を可能とする第2軸111、矢印S3で示す腕の左右旋回を可能とする第3軸112、矢印E1で示す腕の回転を可能とする第4軸113、矢印E2で示す腕の回転を可能とする第5軸114、矢印W1で示す手の振りを可能とする第6軸115及び矢印W2で示す手の回転を可能とする第7軸116を備えている。マニピュレータ100は、図17中に示す(Xi,Yi,Zi)軸からなるベース座標系と、図17中に示す(Xm,Ym,Zm)軸からなるメカニカルインターフェース座標系とに基づき動作している。
【0015】
そして、マニピュレータ100の第7軸116の先端には、先端ヘッド120が取り付けられている。図16においては、例として、先端ヘッド120は、レーザにより距離を測定するためのレーザセンサ121と溶接を行うための溶接トーチ122を備えた先端ヘッド120を示している。
【0016】
なお、図16においては、管台を溶接するための溶接トーチを備えた先端ヘッド120を例として示したが、この他にも、管台16(図7参照)を研磨や切断するためのバフや超硬カッタを備える先端ヘッドや、管台16を検査するための超音波探傷検査(UT)装置、渦電流探傷検査(ECT)装置及び目視検査(VT)装置を備える先端ヘッド等、実施したい作業の内容に応じて様々な種類の先端ヘッド120を取り付けて、マニピュレータ100を用いて様々な作業を行うことができる。
【0017】
また、本実施例においては、先端ヘッド120側にレーザセンサ121を設置したが、マニピュレータ100側にレーザセンサ121を設置するようにしてもよい。さらに、マニピュレータ100の肩部101には、マニピュレータ100を後述する旋回支柱10側に取付けるためのコネクタ130が取り付けられている。
【0018】
次に、本実施例に係るマニピュレータの制御方法におけるマニピュレータの搬入手順について説明する。
蒸気発生器内でマニピュレータを用いて作業を行う場合、マニピュレータを蒸気発生器内の所定の位置に確実に設置する必要がある。このため、本実施例においては、以下の手順によりマニピュレータの搬入を行う。なお、本実施例においては、例として、蒸気発生器内にマニピュレータを搬入する場合について説明するが、この他にも原子炉容器内にマニピュレータを搬入する場合等にも同様の手順によりマニピュレータの搬入行うことが可能である。
【0019】
図6に示すように、はじめに、ステップP10において、図7に示すように、マニピュレータ100を旋回可能に支持することができる旋回支柱10(例えば、上記特許文献4参照)を蒸気発生器11に設けられた開口部11aを通して蒸気発生器11内に搬入する。このとき、蒸気発生器11の天井部11bの中央に滑車12を取り付け、この滑車12に旋回支柱10の上部に取り付けたロープ13を掛けて、このロープ13を蒸気発生器11の外部より引っ張ることにより旋回支柱10を蒸気発生器11内の中央に直立させる。なお、本実施例においては、蒸気発生器11内には管台16内にものが落下するのを防止するためホールドダウンリング17が設置されている。
【0020】
この旋回支柱10は伸縮可能となっており、旋回支柱10を蒸気発生器11内の中央に直立させた状態で旋回支柱10を伸長することにより、図8(a)に示すように、旋回支柱10を蒸気発生器11の中央に確実に取付ける。
【0021】
次に、ステップP11において、図8(a)に示すように、マニピュレータ100を旋回支柱10に取付けるためのスライドテーブル14を蒸気発生器11に設けられた開口部11aを通して蒸気発生器11内に搬入し、図8(b)に示すように、スライドテーブル14を旋回支柱10に取付ける。
【0022】
次に、ステップP12において、図9(a)に示すように、スライドテーブル14を立ち上げ、図9(b)に示すように、スライドテーブル14にマニピュレータ100を蒸気発生器11内に導入するための導入レール15を取付け、この導入レール15上を滑らせてマニピュレータ100を蒸気発生器11内に搬入しマニピュレータ100のコネクタ130(図18参照)をスライドテーブル14に結合してマニピュレータ100を旋回支柱10側に取付ける。
【0023】
次に、ステップP13において、図10に示すように、マニピュレータ100の第7軸116(図18参照)の先端に実施したい作業に応じた先端ヘッド120aを取付ける。
次に、ステップP14において、図11に示すように、蒸気発生器11の開口部11aからマニピュレータ100を引込む。
【0024】
次に、ステップP15において、図12に示すように、旋回支柱10の旋回軸を回転させる。
最後に、ステップP16において、図13に示すように、マニピュレータ100は円筒状の管台16内において作業を実施する。
【0025】
以上の手順によりマニピュレータ100を蒸気発生器11内に設置することにより、作業員が蒸気発生器11内に入ることなくマニピュレータ100を蒸気発生器11内に設置することができる。
【0026】
次に、本実施例に係るマニピュレータの制御方法について説明する。
上述した手順により蒸気発生器11内にマニピュレータ100の搬入が完了した後、マニピュレータ100により管台16に対して作業を実施する際、先端ヘッド120を円軌道で動作させる際の円軌道の中心と管台16の軸心とを正確に一致させる必要がある。このため、本実施例においては、以下の手順による芯出しを行う。
【0027】
図1に示すように、はじめに、ステップP1において、第1の補正計測として、先端ヘッド120の位置ズレを検出するため、第1の位置(図3(b)中にR1で示す位置)で図2(a)に示すように管台16の周方向(図2中に示すθ方向)に90°間隔で4点においてレーザセンサ121(図18参照)によるレーザ計測により管台16までの距離を計測する。なお、図2においては、実線により管台16、言い換えれば正しい円軌道を示し、破線により設置誤差等により中心位置がズレている状態の円軌道を示している。
【0028】
なお、図2(b)は計測開始点が図2(b)に示す位置からθ方向に45°ズレた位置を始点とした場合の第1の補正計測を示している。このように、第1の補正計測はどのような角度を始点としても同様に実施することが可能である。また、本実施例においては、計測箇所を4点としたが、5点以上計測するようにすることもできる。
【0029】
次に、ステップP2において、第1の補正として、第1の補正計測の結果より、図3(a)に示す上下の差及び左右の差を管台16との中心位置のズレとし、図3(b)に示すように中心位置の補正を行う。なお、図3(a)においては、実線で管台16、言い換えれば正しい円軌道を示し、破線で設置誤差等により中心位置がズレている状態の円軌道を示している。また、図3(b)においては、実線により管台16を示し、破線により設置誤差等により中心位置がズレている状態を示している。また、図3(b)中のRは、管台16の軸心を示している。
【0030】
次に、ステップP3において、第2の補正計測として、先端ヘッド120の傾きズレを検出するため、第2の位置(図3(b)中にR2で示す位置)で図4(a)に示すようにθ方向に90°間隔で4点においてレーザセンサ121によるレーザ計測により管台16までの距離を計測する。なお、図4においては、実線により管台16、言い換えれば正しい円軌道を示し、破線により設置誤差等により中心位置がズレている状態の円軌道を示している。
【0031】
なお、図4(b)は計測開始点が図4(a)に示す位置からθ方向に45°ズレた位置を始点とした場合の第2の補正計測を示している。このように、第2の補正計測はどのような角度を始点としても同様に実施することが可能である。また、本実施例においては、計測箇所を4点としたが、5点以上計測するようにすることもできる。
【0032】
最後に、ステップP4において、第2の補正として、第2の補正計測の結果より、図5(a)及び図5(b)に示す上下の差及び左右の差を管台16との傾きのズレとし、図5(c)に示すように傾きの補正を行う。なお、図5(a)は上下の傾きズレを示しており、実線により正しい傾きを示し、破線により設置誤差等により傾きがズレている状態を示している。また、5(b)は左右の傾きズレを示しており、実線により正しい傾きを示し、破線により設置誤差等により傾きがズレている状態を示している。また、図5(c)においては、実線により管台16を示し、破線により設置誤差等により傾きがズレている状態を示している。また、図4(c)中のRは、管台16の軸心を示している。
以上の手順により先端ヘッド120を動作させる際の芯出しを人手によらずに正確に行うことができる。
【0033】
なお、本実施例においては、円筒状の管台16の内側から管台16の周方向にレーザセンサ121により計測を行って芯出しを行った上で管台16の内面に対して作業を実施しているが、同様の考え方を用いることにより、管台16の外側からレーザセンサ121によりレーザ計測して芯出しを行った上で、管台16の外面に対して作業を実施するようにすることも可能である。
【0034】
すなわち、本実施例に係るマニピュレータの制御方法は、マニピュレータ100に対象物である円筒状の管台16との距離を測定する距離計測手段であるレーザセンサ121を設置し、レーザセンサ121を管台16の内部又は外部に位置させてこの位置を第1の位置とし、レーザセンサ121を管台16の周方向に回転させながら90°間隔で1a,2a,3a及び4a点の順に4点において距離を計測する第1の補正計測を行い、
第1の補正計測の結果より、1a点と3a点の距離の差及び2a点と4a点の距離の差を管台16との中心位置のズレとして中心位置を補正する第1の補正を行い、
第1の位置から管台16の軸方向に移動した第2の位置においてレーザセンサ121を管台16の周方向に回転させながら90°間隔で1b,2b,3b及び4b点の順に4点において距離を計測する第2の補正計測を行い、
第2の補正計測の結果より、1b点と3b点の距離の差及び2b点と4b点の距離の差を管台16との傾きのズレとして傾きを補正する第2の補正を行うことを特徴としている。
【0035】
このように、本実施例に係るマニピュレータの制御方法によれば、先端ヘッド120を動作させる際の芯出しを人手によらずに正確に行うことができるため、従来一般的なティーチングプレイバック制御のマニピュレータの制御方法に比べ、マニピュレータ100を用いた管台16内における作業に要する時間と労力を低減することができる。
【0036】
次に、本実施例に係るマニピュレータの制御方法におけるマニピュレータのヘッド部取替え手順について説明する。
マニピュレータ100により管台16の製作作業、管台16の補修作業、管台16の解体作業等における一連の作業を行うためには各作業の段階に応じて先端ヘッド120を交換する必要がある。このため、本実施例においては、以下の手順により先端ヘッド120の交換を行う。
【0037】
図14に示すように、はじめに、ステップP20において、図15に示すように、旋回支柱10の旋回軸を回転させる。
次に、ステップP21において、図16に示すように、蒸気発生器11の開口部11aからマニピュレータ100を引出す。
最後に、ステップP22において、図17に示すように、実施する作業内容に応じて先端ヘッド120aから別の先端ヘッド120bに交換する。
以上が本実施例に係るマニピュレータの制御方法におけるマニピュレータのヘッド部取替え手順である。
【0038】
以上の手順により各作業の段階に応じて先端ヘッド120を交換することができるため、管台16の製作作業、管台16の補修作業、管台16の解体作業等における一連の作業を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、例えば、蒸気発生器や原子炉容器等における管台に対する各種の作業に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 旋回支柱
11 蒸気発生器
12 滑車
13 ロープ
14 スライドテーブル
15 導入レール
16 管台
17 ホールドダウンリング
100 マニピュレータ
101 肩部
102 上腕部
103 下腕部
104 手首部
110 第1軸
111 第2軸
112 第3軸
113 第4軸
114 第5軸
115 第6軸
116 第7軸
120,120a,120b 先端ヘッド
121 レーザセンサ
122 溶接トーチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニピュレータに対象物との距離を測定する距離計測手段を設置し、前記距離計測手段を円筒の内部又は外部に位置させて該位置を第1の位置とし、前記距離計測手段を前記円筒の周方向に回転させながら90°間隔で1a,2a,3a及び4a点の順に4点において距離を計測する第1の補正計測を行い、
前記第1の補正計測の結果より、前記1a点と前記3a点の距離の差及び前記2a点と前記4a点の距離の差を前記円筒との中心位置のズレとして中心位置を補正する第1の補正を行い、
前記第1の位置から前記円筒の軸方向に移動した第2の位置において前記距離計測手段を前記円筒の周方向に回転させながら90°間隔で1b,2b,3b及び4b点の順に4点において距離を計測する第2の補正計測を行い、
前記第2の補正計測の結果より、前記1b点と前記3b点の距離の差及び前記2b点と前記4b点の距離の差を前記円筒との傾きのズレとして傾きを補正する第2の補正を行う
ことを特徴とするマニピュレータの制御方法。
【請求項2】
旋回軸を有しマニピュレータを回転可能に支持する旋回支柱を容器内に搬入して該容器内に設置し、
前記旋回支柱に前記マニピュレータを取付け、
前記マニピュレータに実施する作業に応じた先端ヘッドを取付け、
前記マニピュレータを前記容器内に引込み、
前記旋回支柱の旋回軸を回転させ、
請求項1に記載のマニピュレータの制御方法を実行し、
前記マニピュレータにより作業を実施する
ことを特徴とする管台内作業方法。
【請求項3】
請求項2に記載の管台内作業方法を実行し、
前記旋回支柱の旋回軸を回転させ、
前記マニピュレータを前記容器外に引出し、
前記マニピュレータの先端ヘッドを次に実施する作業に応じた先端ヘッドに交換する
ことを特徴とする管台内作業方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−93047(P2011−93047A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249807(P2009−249807)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】