説明

マルチセル協調伝送方法、中央コントローラおよびユーザ機器

【課題】協調伝送の性能及び複雑度の影響を総合的に考慮して、スーパーセルにおいて協調伝送に参加するセルとユーザを動的に決定する。
【解決手段】中央コントローラが、スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内で1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのUEに放送し、UEが、候補協調伝送グループの中から自局の協調伝送グループを選択し、選択された協調伝送グループの情報をスーパーセルの中央コントローラにフィードバックし、中央コントローラが、前記UEで選択された協調伝送グループの情報に従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内のUEを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術分野に関し、特に、改善された長期的な進化(LTE−A:Long Term Evolution−Advanced)無線通信システムにおけるマルチセル協調伝送方法、スーパーセルにおける中央コントローラおよびユーザ機器(UE)に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE−Aシステムにおいて、セルのカバレッジ範囲が次第に狭くなること、および周波数多重因子が次第に1に近づくことにつれて、セル間干渉は、次第にセル容量を制限する肝心な問題になっている。周波数利用効率を向上させるために、マルチセル協調伝送技術が提案されている。この技術は、マルチポイント協調伝送(CoMP:Coordinated Multi−Point Transmission)技術と呼ばれてもよい。
【0003】
マルチセル協調伝送技術は、複数のセルを連合して信号を送信し、光ファイバなどの有線チャネルを利用して、連合された各セル内のユーザのチャネルとデータ情報を共有することを基本思想として、セル間の直交性を確立することで、セル間干渉を効果的に解消し、システムのスループットを向上させることを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明において、説明の便宜上、光ファイバなどの有線チャネルを介して接続された複数のセルの全ての集合をスーパーセル(Super−cell)と定義する。通常、スーパーセル内には、コア制御機能を持って複数のセル間の協調伝送を協調するための少なくとも1つの中央コントローラが設けられる。中央コントローラを除いて、他のセルの基地局は、コア制御機能を持たないリモート無線機器(RRE)であるように設けられてよい。セル間干渉を解消し、スーパーセルのスループットを向上させるために、スーパーセル内の全てのセルはいずれも同時に協調伝送に参加できる、ということが理解できる。しかし、このように、スーパーセル内の全てのセルはいずれも大量のチャネルとユーザデータ情報を共有する必要があることにより、協調処理の複雑度が高くなり、かつ、得られた協調利得が十分に大きいとは限らない。
【0005】
上記協調処理の複雑度が高いという問題を解決するために、スーパーセル内のセルを予め1つ以上の協調伝送グループ(Cooperating Set)に分けて、別々に協調伝送に参加させるようにしてよい。従来のLTE−Aシステムにおいて、スーパーセル内で1つ以上の協調伝送グループを予め定義する方式を採用するようにしてよい。しかし、スーパーセル内の異なるユーザのチャネル状況が異なって、そして、同一ユーザのチャネル情報も時間変動のものであるため、このような協調伝送グループを予め定義する方式は、柔軟性に欠け、大きい協調利得を得られない。それ以外、各ユーザがそれぞれ自局のチャネル状況に従って、1つ以上のセルを自ら選択して協調伝送グループを構成する方式を採用するようにしてもよい。しかしながら、上記の方式を採用する場合、各ユーザで選択された協調伝送グループは異なる可能性があるため、協調伝送グループの数が非常に多くなり、協調伝送グループのスケジューリングの複雑度が非常に高くなることを直接的に引き起こす。従って、如何に協調伝送の性能および複雑度の影響を総合的に考慮して、スーパーセルにおいて協調伝送に参加するセルとユーザを動的に決定するかが、マルチセル協調伝送技術で解決すべき問題の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、協調伝送の性能および複雑度の影響を総合的に考慮した場合で、スーパーセルにおいて協調伝送に参加するセルとユーザを動的に決定するマルチセル協調伝送方法を提供している。
【0007】
本発明の実施例に係るマルチセル協調伝送方法は、
中央コントローラが、スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内で1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのUEに放送し、
前記UEが、前記候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとし、選択された協調伝送グループの情報を前記中央コントローラにフィードバックし、
前記中央コントローラが、前記UEで選択された協調伝送グループの情報に従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定する、ことを含む。
【0008】
UEが、前記候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとすることは、UEが、自局の所在地理位置に従って、自局の属する候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとする、ことを含む。
【0009】
UEが、前記候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとすることは、UEが、前記候補協調伝送グループのそれぞれに対して測定を行い、測定して得られたチャネル情報に従って、前記候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとする、ことを含む。
【0010】
前記チャネル情報は、長期チャネル統計値または瞬時チャネル情報を含み、前記測定して得られたチャネル情報に従って、前記候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとすることは、信号対干渉雑音比が最大となる協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとする、ことを含む。
【0011】
本発明のほかの実施例に係るマルチセル協調伝送方法は、
中央コントローラが、スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内に1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのUEに放送し、
前記UEが、前記候補協調伝送グループのそれぞれに対して測定を行い、測定して得られたチャネル情報を前記中央コントローラにフィードバックし、
前記中央コントローラが、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各UEのそれぞれに対して、候補協調伝送グループの中から1つの協調伝送グループを選択して、各UEに対して選択された協調伝送グループに従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定する、ことを含む。
【0012】
前記チャネル情報は、長期チャネル統計値または瞬時チャネル情報を含み、前記中央コントローラが、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各UEのそれぞれに対して、候補協調伝送グループの中から1つの協調伝送グループを選択することは、各UEのそれぞれに対して、信号対干渉雑音比が最大となる協調伝送グループを選択して該UEの協調伝送グループとする、ことを含む。
【0013】
スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定することは、選択された各UEの協調伝送グループの情報、および、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行い、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEのスループットまたは重み付けスループットを最大化するように、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するステップと、全ての候補協調伝送グループからなる集合を第1集合とするステップと、最大優先度を有する候補協調伝送グループを第1集合から選択して、スーパーセルの協調伝送グループとして、第2集合に追加するステップa1と、ステップa1において第2集合に追加された候補協調伝送グループと直交しない全ての候補協調伝送グループを第1集合から削除して、第1集合が空になるまで、ステップa1に戻るステップと、を含む。
【0014】
前記優先度は、候補協調伝送グループのスループット、または候補協調伝送グループの重み付けスループットである。
【0015】
スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定することは、スーパーセル内の全ての候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、かつ、各候補協調伝送グループ集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとし、時分割多重方式を採用して上記少なくとも2つの協調伝送モードを多重化し、各協調伝送モードのそれぞれに対して、下りタイムスロットを割り当て、1つの協調伝送モードに対応するタイムスロット内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEのスループットまたは重み付けスループットを最大化する、ことを含む。
【0016】
スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定することは、
スーパーセル内の全ての候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、かつ、各候補協調伝送グループ集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとし、
周波数分割多重方式を採用して上記少なくとも2つの協調伝送モードを多重化し、各協調伝送モードのそれぞれに対して、下り周波数帯域を割り当て、1つの協調伝送モードに対応する下り周波数帯域内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEのスループットまたは重み付けスループットを最大化する、ことを含む。
【0017】
本発明の実施例に係るスーパーセルの中央コントローラは、
スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内で1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのユーザ機器(UE)に放送する候補協調伝送グループ決定手段と、
UEからフィードバックされた、該UEの協調伝送グループの情報を受信する協調伝送グループ情報取得手段と、
全てのUEで選択された協調伝送グループの情報に従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するスケジューリング手段と、を含む。
【0018】
本発明のほかの実施例に係るスーパーセルの中央コントローラは、
スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内で1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのユーザ機器(UE)に放送する候補協調伝送グループ決定手段と、
UEからフィードバックされたチャネル情報を受信するチャネル情報取得手段と、
各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各UEのそれぞれに対して、候補協調伝送グループの中から1つの協調伝送グループを選択する協調伝送グループ選択手段と、
各UEに対して選択された協調伝送グループの情報に従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するスケジューリング手段と、を含む。
【0019】
前記スケジューリング手段は、
選択された各UEの協調伝送グループ情報、および、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行い、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEの重み付けスループットを最大化するように、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するUEスケジューリングモジュールと、
全ての候補協調伝送グループからなる集合を第1集合とし、最大優先度を有する候補協調伝送グループを第1集合から選択して、該スーパーセル内の協調伝送グループとして、第2集合に追加し、第2集合に追加された候補協調伝送グループと直交しない全ての候補協調伝送グループを第1集合から削除して、第1集合が空になるまで、最大優先度を有する候補協調伝送グループを第1集合から選択するステップに戻る協調伝送グループ選択モジュールと、を含む。
【0020】
あるいは、前記スケジューリング手段は、
全てのスーパーセル内の候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、かつ、各候補協調伝送グループ集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとする協調伝送モード区分モジュールと、
各協調伝送モードのそれぞれに対して、下りタイムスロットを割り当て、1つの協調伝送モードに対応するタイムスロット内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEの重み付けスループットを最大化するUEスケジューリングモジュールと、を含む。
【0021】
あるいは、前記スケジューリング手段は、
全てのスーパーセル内の候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、かつ、各候補協調伝送グループ集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとする協調伝送モード区分モジュールと、
各協調伝送モードのそれぞれに対して、下り周波数帯域を割り当て、1つの協調伝送モードに対応する下り周波数帯域内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEの重み付けスループットを最大化するUEスケジューリングモジュールと、を含む。
【0022】
本発明の実施例に係るUEは、
スーパーセルの中央コントローラから放送された全ての候補協調伝送グループの中から、1つの協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとする協調伝送グループ選択手段と、
選択された協調伝送グループの情報を、スーパーセルの中央コントローラにフィードバックする協調伝送グループ情報フィードバック手段と、を含む。
【0023】
上記UEは、自局のチャネル状況を動的に測定して、得られたチャネル情報を中央コントローラにフィードバックするチャネル情報フィードバック手段をさらに含む。
【0024】
本発明のほかの実施例に係るUEは、
スーパーセルの中央コントローラから放送された全ての候補協調伝送グループの情報を受信する候補協調伝送グループ情報受信手段と、
前記候補協調伝送グループに対して測定を行う測定手段と、
測定して得られたチャネル情報を前記中央コントローラにフィードバックするチャネル情報フィードバック手段と、を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例により提供されたマルチセル協調伝送方法は、UEが、まず自局のチャネル情報または地理位置に従って、スーパーセルの中央コントローラで決定された有限数の候補協調伝送グループの中から、自局の協調伝送グループを選択することができるため、協調伝送グループが予め定義される方式に比べて、さらに柔軟に実現でき、かつ、比較的大きい協調利得を得ることができ、一方、スケジューリングに参加する候補協調伝送グループが、中央コントローラにより決定されるものであり、その数が有限であるため、協調伝送グループが完全的にUEにより決定される方式に比べて、協調伝送グループのスケジューリングの複雑度を大幅に低下させる。ここから分かるように、本実施例に係るスーパーセルにおいて協調伝送に参加するセルおよび協調に参加するUEを動的に決定する方法、中央コントローラおよびUEは、協調伝送の性能および協調伝送のスケジューリング複雑度の影響を総合的に考慮と、比較的高い協調伝送性能を有するとともに、比較的低い複雑度を有するため、適切で実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例で提供されたマルチセル協調伝送方法のフローチャートである。
【図2】本発明の実施例に係る1つのスーパーセルの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る1つの協調伝送モードを示す図である。
【図4】本発明の実施例に係るほかの協調伝送モードを示す図である。
【図5】本発明の実施例に係るスーパーセル内の中央コントローラの構成を示す図である。
【図6】本発明のほかの実施例に係るスーパーセル内の中央コントローラの構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例に係るUEの構成を示す図である。
【図8】本発明のほかの実施例に係るUEの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施例では、マルチセル協調伝送方法が提供されている。該方法の実行プロセスは、図1に示すように、主に以下のステップを含む。
【0028】
ステップ101で、中央コントローラは、スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内で1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、それから、中央コントローラは、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのUEに放送する。
【0029】
ステップ102で、スーパーセル内の全てのUEは、それぞれ、スーパーセルの候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとし、かつ、自局で選択された協調伝送グループの情報を中央コントローラにフィードバックする。
【0030】
本ステップにおいて、UEは、複数種類の異なる方法を採用して、自局の協調伝送グループを選択することができる。例えば、UEは、まず、スーパーセル内の候補協調伝送グループに対して測定を行って、測定して得られた長期チャネル統計値(Long−Term Channel Statistics)、または、瞬時チャネル情報に従って、信号対干渉雑音比(SINR)が最大となる協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとするようにしてもよい。あるいは、UEは、自局の所在地理位置に従って、自局の属する候補協調伝送グループを直接的に選択して、自局の協調伝送グループとするようにしてもよい。
【0031】
上記ステップ102の代替案として、上記ステップ101を実行した後、以下のステップ102’を実行してもよい。
【0032】
ステップ102’で、スーパーセル内の全てのUEは、それぞれスーパーセル内の候補協調伝送グループに対して測定を行って、測定して得られたチャネル情報を中央コントローラにフィードバックし、中央コントローラは、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各UEのそれぞれ対して、1つの候補協調伝送グループを選択して、該UEの協調伝送グループとする。
【0033】
上記ステップ102’において、前記チャネル情報は、測定して得られた長期チャネル統計値または瞬時チャネル情報であってよい。中央コントローラは、各UEからフィードバックされた長期チャネル統計値または瞬時チャネル情報に従って、各UEのそれぞれ対して、信号対干渉雑音比が最大となる協調伝送グループを選択して、該UEの協調伝送グループとする。
【0034】
上記ステップ102または102’の実行終了後、以下のステップ103を引き続き実行する。
【0035】
ステップ103で、中央コントローラは、全てのUEで選択された協調伝送グループの情報、または、各UEに対して中央コントローラにより選択された協調伝送グループの情報に従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定する。
【0036】
ステップ103において、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定した後、各協調伝送グループは、該協調伝送グループ内の協調に参加するUEに、下りシグナリングおよびデータを送信することが可能になる。これにより、マルチセルの協調伝送を実現する。
【0037】
上記ステップ103を実現するために、スーパーセル内の中央コントローラは、各UEのチャネル状況を知る必要がある。これによって、スーパーセル内の全てのUEは、自局のチャネル状況を動的に測定して、得られたチャネル情報を中央コントローラにフィードバックする必要がある。それから、ステップ103において、中央コントローラは、UEからフィードバックされたチャネル情報に従う一方、UEで選択された協調伝送グループの情報に従って、統合スケジューリングを行うことにより、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定する。
【0038】
本発明の1つの実施例によれば、上記ステップ103において、中央コントローラが、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定することは、以下のステップを含む。
【0039】
ステップ201で、選択された各UEの協調伝送グループの情報、および、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行い、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEのスループットまたは重み付けスループットを最大化するように、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定する。
【0040】
本ステップにおいて、各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことは、従来のスケジューリング方法、例えば、貪欲法や全数探索法などを採用するようにしてよい。ところで、説明すべきものとして、各候補協調伝送グループに対してUEスケジューリングを行う過程において、1つの候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEは、該候補協調伝送グループを選択して自局の協調伝送グループとするUEであるべきであり、つまり、1つの候補協調伝送グループのスケジューリング可能なUEは、該候補協調伝送グループを選択して自局の協調伝送グループとすべきである。
【0041】
ステップ202で、全ての候補協調伝送グループからなる集合を第1集合とする。
【0042】
ステップ203で、最大優先度を有する候補協調伝送グループを、第1集合から選択して、第2集合に追加する。
【0043】
本ステップにおける前記優先度は、候補協調伝送グループのスループット、または、候補協調伝送グループの重み付けスループットであってよい。
【0044】
ステップ204で、ステップ203において第2集合に追加された候補協調伝送グループと直交しない全ての候補協調伝送グループを、第1集合から削除する。
【0045】
ここで、直交しない候補協調伝送グループとは、同一の時間および同一のリソースブロックに共存できない協調伝送グループを指す。
【0046】
ステップ205で、第1集合が空であるかどうかを判断し、空である場合、今回の統合スケジューリングを終了し、上記第2集合内の候補協調伝送グループを、決定された該スーパーセル内の全ての協調伝送グループとし、空ではない場合、ステップ203に戻る。
【0047】
上記ステップ201において、各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことにより、全ての協調伝送グループ内の協調に参加するUEが決定される。従って、スーパーセル内の協調伝送グループを決定した後、ステップ201のUEスケジューリングの結果に従って、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定することができる。
【0048】
以下、具体的な一例を挙げながら、本発明の実施例に係るマルチセル協調伝送方法を詳しく説明する。
【0049】
図2は本発明の実施例に係る1つのスーパーセルの構成を示す。図2に示すように、該スーパーセルは57個のセルを含み、かつ、該スーパーセルの中央コントローラは38個の候補協調伝送グループを定義しており、各セルはそれぞれ2つの候補協調伝送グループに属する。例えば、図2におけるセルaは、それぞれ協調伝送グループ1および協調伝送グループ2に属する。ここで、協調伝送グループ1はセルa、bおよびcを含み、協調伝送グループ2はセルa、dおよびeを含む。スーパーセルの中央コントローラが上記候補協調伝送グループの情報をスーパーセル内の全てのUEに放送した後、UEは、大規模チャネル情報または自局の地理位置に従って、38個の候補協調伝送グループの中から、1つの協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとする。例えば、図2におけるセルaのカバレッジ範囲内のUE1は、Set1を選択して自局の協調伝送グループとすることができる。中央コントローラは、全てのUEで選択された協調伝送グループが分かった後、UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、38個の候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行い、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定する。最後に、中央コントローラは、各候補協調伝送グループの優先度(例えば、候補協調伝送グループのスループットまたは重み付けスループット)に従って、38個の候補協調伝送グループの中から、直交する19個の協調伝送グループ、および、該19個の協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定する。これにより、マルチセル協調伝送を実現する。
【0050】
ここから分かるように、本実施例により提供されたマルチセル協調伝送方法は、UEが、まず自局のチャネル情報または地理位置に従って、スーパーセルの中央コントローラで決定された有限数の候補協調伝送グループの中から、自局の協調伝送グループを選択することができるため、協調伝送グループが予め定義される方式に比べて、さらに柔軟に実現でき、かつ、比較的大きい協調利得を得ることができ、一方、スケジューリングに参加する候補協調伝送グループが、中央コントローラにより決定されるものであり、その数が有限であるため、協調伝送グループが完全的にUEにより決定される方式に比べて、協調伝送グループのスケジューリングの複雑度を大幅に低下させる。ここから分かるように、本実施例に係るスーパーセルにおいて協調伝送に参加するセルおよび協調に参加するUEを動的に決定する方法は、協調伝送の性能および協調伝送のスケジューリング複雑度の影響を総合的に考慮すると、比較的高い協調伝送性能を有するとともに、比較的低い複雑度を有するため、適切で実行可能な方法である。
【0051】
本発明のほかの1つの実施例において、上記ステップ103における、中央コントローラが、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定することは、以下のステップを含む。
【0052】
ステップ211で、全てのスーパーセル内の候補協調伝送グループを、少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、ここで、各候補協調伝送グループの集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとする。
【0053】
ステップ212で、時分割多重(TDM)方式を採用して上記少なくとも2つの協調伝送モードを多重化する。具体的に、下記のステップを含む。即ち、各協調伝送モードのそれぞれに対して下りタイムスロットを割り当て、1つの協調伝送モードに対応する下りタイムスロット内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEの重み付けスループットを最大化する。これにより、該協調伝送モードに対応する下りタイムスロット内で、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内のUEを決定する。
【0054】
説明すべきものとして、上記ステップ212における各候補協調伝送グループに対してUEスケジューリングを行う過程においても、スケジューリングに参加するUEは、該候補協調伝送グループを選択して自局の協調伝送グループとするUEであるべきである。
【0055】
今、図2に示すようなスーパーセルは57個のセルを含み、かつ、該スーパーセルの中央コントローラは38個の候補協調伝送グループを定義しており、各セルはそれぞれ2つの候補協調伝送グループに属することを依然として仮定する。中央コントローラは、上記の38個の候補協調伝送グループを2つの協調伝送モードに分ける。図3は本実施例に係る1つの協調伝送モードを示す。図4は本実施例に係るほかの1つの協調伝送モードを示す。図3および図4から分かるように、本発明の実施例に係る2つの協調伝送モードは、それぞれ19個の協調伝送グループを含む。本実施例では、時分割多重方式により、1つの下りタイムスロット内で、LTE−Aシステムはそのうちの1つの協調伝送モードを採用し、即ち、1つの下りタイムスロット内で、中央コントローラは、そのうちの1つの協調伝送モードでの19個の協調伝送グループに対してUEスケジューリングを行うだけでよい一方、全ての38個の協調伝送グループに対して、UEスケジューリングを行う必要がない。従って、本実施例に係るマルチセル協調伝送方法は、協調伝送グループのスケジューリングの複雑度を、さらに低下させることができる。
【0056】
本発明の別の1つの実施例において、上記ステップ103における、中央コントローラが、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定することは、以下のステップを含む。
【0057】
ステップ221で、全てのスーパーセル内の候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、ここで、各候補協調伝送グループ集合を1つの協調伝送モードとする。
【0058】
ステップ222で、周波数多重(FDM)方式を採用して上記少なくとも2つの協調伝送モードを多重化する。具体的に、下記のステップを含む。即ち、各協調伝送モードのそれぞれに対して下り周波数帯域を割り当て、1つの協調伝送モードに対応する下り周波数帯域内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEの重み付けスループットを最大化する。これにより、該協調伝送モードに対応する下り周波数帯域内で、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内のUEを決定する。
【0059】
同様に、上記ステップ222における各候補協調伝送グループに対してUEスケジューリングを行う過程においても、スケジューリングに参加するUEは、該候補協調伝送グループを選択して自局の協調伝送グループとするUEであるべきである。
【0060】
今、図2に示すようなスーパーセルは57個のセルを含み、かつ、該スーパーセルの中央コントローラは38個の候補協調伝送グループを定義しており、各セルはそれぞれ2つの候補協調伝送グループに属することを依然として仮定する。中央コントローラは、上記の38個の候補協調伝送グループを2つの協調伝送モードに分ける。図3は本実施例に係る1つの協調伝送モードを示す。図4は本実施例に係るほかの1つの協調伝送モードを示す。図3および図4から分かるように、本発明の実施例に係る2つの協調伝送モードは、それぞれ19個の協調伝送グループを含む。各協調伝送モードは異なる下り周波数帯域を使用する。本実施例は、周波数多重方式により、1つの周波数帯域内で、中央コントローラが、そのうちの1つの協調伝送モードでの19個の協調伝送グループに対して、UEスケジューリングを行うだけでよい一方、全ての38個の協調伝送グループに対して、UEスケジューリングを行う必要がない。従って、本実施例によれば、協調伝送グループのスケジューリングの複雑度を、さらに低下させることができる。
【0061】
上記実施例に係るマルチセル協調伝送方法を除いて、本発明の実施例では、また、スーパーセル協調伝送を実現するスーパーセルの中央コントローラが提供されている。該中央コントローラの内部構成は、図5に示すように、主に、
スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内で1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのUEに放送する候補協調伝送グループ決定手段と、
UEからフィードバックされた該UEの協調伝送グループの情報を受信する協調伝送グループ情報取得手段と、
全てのUEで選択された協調伝送グループの情報に従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するスケジューリング手段と、を含む。
【0062】
また、本発明の実施例では、スーパーセル協調伝送を実現するほかのスーパーセルの中央コントローラが提供されている。該中央コントローラの内部構成は、図6に示すように、主に、
スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内で1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのユーザ機器(UE)に放送する候補協調伝送グループ決定手段と、
UEからフィードバックされたチャネル情報を受信するチャネル情報取得手段と、
各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各UEのそれぞれ対して、候補協調伝送グループの中から1つの協調伝送グループを選択する協調伝送グループ選択手段と、
各UEに対して選択された協調伝送グループの情報に従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するスケジューリング手段と、を含む。
【0063】
上記2つの実施例により提供された中央コントローラの内部のスケジューリング手段は、
選択された各UEの協調伝送グループ情報、および、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行い、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEの重み付けスループットを最大化するように、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するUEスケジューリングモジュールと、
全ての候補協調伝送グループからなる集合を第1集合とし、最大優先度を有する候補協調伝送グループを第1集合から選択して、該スーパーセル内の協調伝送グループとして、第2集合に追加し、第2集合に追加された候補協調伝送グループと直交しない全ての候補協調伝送グループを、第1集合から削除し、それから、第1集合が空になるまで、最大優先度を有する協調伝送グループを第1集合から選択するステップに戻る協調伝送グループ選択モジュールと、を含んでもよい。
【0064】
本発明のほかの実施例による上記スケジューリング手段は、
全てのスーパーセル内の候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、かつ、各候補協調伝送グループの集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとする協調伝送モード区分モジュールと、
各協調伝送モードのそれぞれに対して、下りタイムスロットを割り当て、1つの協調伝送モードに対応するタイムスロット内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEの重み付けスループットを最大化するUEスケジューリングモジュールと、を含んでもよい。
【0065】
本発明の別の実施例による上記スケジューリング手段は、
全てのスーパーセル内の候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、かつ、各候補協調伝送グループの集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとする協調伝送モード区分モジュールと、
各協調伝送モードのそれぞれに対して、下り周波数帯域を割り当て、1つの協調伝送モードに対応する下り周波数帯域内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEの重み付けスループットを最大化するUEスケジューリングモジュールと、を含んでもよい。
【0066】
また、本発明の実施例では、上記中央コントローラとの通信を行うUEが提供されている。該UEの内部構成は、図7に示すように、主に、
スーパーセルの中央コントローラから放送された全ての候補協調伝送グループの中から、1つの協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとする協調伝送グループ選択手段と、
選択された協調伝送グループの情報を、スーパーセルの中央コントローラにフィードバックする協調伝送グループ情報フィードバック手段と、を含む。
【0067】
また、上記UEは、自局のチャネル状況を動的に測定して、得られたチャネル情報を中央コントローラにフィードバックするチャネル情報フィードバック手段を、さらに含むべきである。
【0068】
本発明のほかの実施例では、上記中央コントローラとの通信を行うほかのUEが提供されている。該UEの内部構成は、図8に示すように、主に、
スーパーセルの中央コントローラから放送された全ての候補協調伝送グループの情報を受信する候補協調伝送グループ情報受信手段と、
前記候補協調伝送グループに対して測定を行う測定手段と、
測定して得られたチャネル情報を前記中央コントローラにフィードバックするチャネル情報フィードバック手段と、を含む。
【0069】
上記チャネル情報フィードバック手段は、さらに、自局のチャネル状況を動的に測定して、得られたチャネル情報を中央コントローラにフィードバックする。
【0070】
上記中央コントローラとUEとの協力により、マルチセル協調伝送を実現することができ、かつ、協調伝送の性能および協調伝送のスケジューリング複雑度の影響を総合的に考慮すると、本発明の実施例は、比較的高い協調伝送性能を有するとともに、比較的低い複雑度を有するため、適切で実行可能な方法である。
【0071】
上記は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神と原則内で行われる種々の修正、均等置換え、改善などは全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチセル協調伝送方法であって、
中央コントローラが、スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内で1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのユーザ機器(UE)に放送し、
前記UEが、前記候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとし、選択された協調伝送グループの情報を前記中央コントローラにフィードバックし、
前記中央コントローラが、前記UEで選択された協調伝送グループの情報に従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定する、
ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
UEが、前記候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとすることは、
UEが、自局の所在地理位置に従って、自局の属する候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとする、
ことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
UEが、前記候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとすることは、
UEが、前記候補協調伝送グループのそれぞれに対して測定を行い、測定して得られたチャネル情報に従って、前記候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとする、
ことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記チャネル情報は、長期チャネル統計値(Long−Term Channel Statistics)または瞬時チャネル情報を含み、
前記測定して得られたチャネル情報に従って、前記候補協調伝送グループの中から、1つの候補協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとすることは、信号対干渉雑音比が最大となる協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとする、ことを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
マルチセル協調伝送方法であって、
中央コントローラが、スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内に1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのユーザ機器(UE)に放送し、
前記UEが、前記候補協調伝送グループのそれぞれに対して測定を行い、測定して得られたチャネル情報を前記中央コントローラにフィードバックし、
前記中央コントローラが、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各UEのそれぞれに対して、候補協調伝送グループの中から1つの協調伝送グループを選択して、各UEに対して選択された協調伝送グループに従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定する、
ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記チャネル情報は、長期チャネル統計値(Long−Term Channel Statistics)または瞬時チャネル情報を含み、
前記中央コントローラが、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各UEのそれぞれに対して、候補協調伝送グループの中から1つの協調伝送グループを選択することは、各UEのそれぞれに対して、信号対干渉雑音比が最大となる協調伝送グループを選択して該UEの協調伝送グループとする、ことを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定することは、
選択された各UEの協調伝送グループの情報、および、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行い、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEのスループットまたは重み付けスループットを最大化するように、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するステップと、
全ての候補協調伝送グループからなる集合を第1集合とするステップと、
最大優先度を有する候補協調伝送グループを第1集合から選択して、スーパーセルの協調伝送グループとして、第2集合に追加するステップa1と、
ステップa1において第2集合に追加された候補協調伝送グループと直交しない全ての候補協調伝送グループを第1集合から削除して、第1集合が空になるまで、ステップa1に戻るステップと、
を含むことを特徴とする請求項1または5に記載の方法。
【請求項8】
前記優先度は、候補協調伝送グループのスループット、または候補協調伝送グループの重み付けスループットである、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定することは、
スーパーセル内の全ての候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、かつ、各候補協調伝送グループ集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとし、
時分割多重方式を採用して上記少なくとも2つの協調伝送モードを多重化し、各協調伝送モードのそれぞれに対して、下りタイムスロットを割り当て、1つの協調伝送モードに対応するタイムスロット内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEのスループットまたは重み付けスループットを最大化する、
ことを含むことを特徴とする請求項1または5に記載の方法。
【請求項10】
スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定することは、
スーパーセル内の全ての候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、かつ、各候補協調伝送グループ集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとし、
周波数分割多重方式を採用して上記少なくとも2つの協調伝送モードを多重化し、各協調伝送モードのそれぞれに対して、下り周波数帯域を割り当て、1つの協調伝送モードに対応する下り周波数帯域内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEのスループットまたは重み付けスループットを最大化する、
ことを含むことを特徴とする請求項1または5に記載の方法。
【請求項11】
スーパーセルの中央コントローラであって、
スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内で1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのユーザ機器(UE)に放送する候補協調伝送グループ決定手段と、
UEからフィードバックされた、該UEの協調伝送グループの情報を受信する協調伝送グループ情報取得手段と、
全てのUEで選択された協調伝送グループの情報に従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するスケジューリング手段と、
を含むことを特徴とする中央コントローラ。
【請求項12】
スーパーセルの中央コントローラであって、
スーパーセル内の各セルがそれぞれ少なくとも1つの候補協調伝送グループに属するように、スーパーセル内で1つ以上の候補協調伝送グループを決定し、決定された候補協調伝送グループの情報を、スーパーセル内の全てのユーザ機器(UE)に放送する候補協調伝送グループ決定手段と、
UEからフィードバックされたチャネル情報を受信するチャネル情報取得手段と、
各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各UEのそれぞれに対して、候補協調伝送グループの中から1つの協調伝送グループを選択する協調伝送グループ選択手段と、
各UEに対して選択された協調伝送グループの情報に従って、スーパーセル内の全ての協調伝送グループ、および、各協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するスケジューリング手段と、
を含むことを特徴とする中央コントローラ。
【請求項13】
前記スケジューリング手段は、
選択された各UEの協調伝送グループ情報、および、各UEからフィードバックされたチャネル情報に従って、各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行い、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEの重み付けスループットを最大化するように、各候補協調伝送グループ内の協調に参加するUEを決定するUEスケジューリングモジュールと、
全ての候補協調伝送グループからなる集合を第1集合とし、最大優先度を有する候補協調伝送グループを第1集合から選択して、該スーパーセル内の協調伝送グループとして、第2集合に追加し、第2集合に追加された候補協調伝送グループと直交しない全ての候補協調伝送グループを第1集合から削除して、第1集合が空になるまで、最大優先度を有する候補協調伝送グループを第1集合から選択するステップに戻る協調伝送グループ選択モジュールと、
を含むことを特徴とする請求項11または12に記載の中央コントローラ。
【請求項14】
前記スケジューリング手段は、
全てのスーパーセル内の候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、かつ、各候補協調伝送グループ集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとする協調伝送モード区分モジュールと、
各協調伝送モードのそれぞれに対して、下りタイムスロットを割り当て、1つの協調伝送モードに対応するタイムスロット内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEの重み付けスループットを最大化するUEスケジューリングモジュールと、
を含むことを特徴とする請求項11または12に記載の中央コントローラ。
【請求項15】
前記スケジューリング手段は、
全てのスーパーセル内の候補協調伝送グループを少なくとも2つの集合に分けることで、各集合内の全ての候補協調伝送グループがいずれも直交することを保証し、かつ、各候補協調伝送グループ集合をそれぞれ1つの協調伝送モードとする協調伝送モード区分モジュールと、
各協調伝送モードのそれぞれに対して、下り周波数帯域を割り当て、1つの協調伝送モードに対応する下り周波数帯域内で、選択された全てのUEの協調伝送グループの情報、および、全てのUEからフィードバックされたチャネル情報に従って、該協調伝送モードでの各候補協調伝送グループに対して、それぞれUEスケジューリングを行うことで、各候補協調伝送グループ内のスケジューリングされた全てのUEの重み付けスループットを最大化するUEスケジューリングモジュールと、
を含むことを特徴とする請求項11または12に記載の中央コントローラ。
【請求項16】
ユーザ機器(UE)であって、
スーパーセルの中央コントローラから放送された全ての候補協調伝送グループの中から、1つの協調伝送グループを選択して、自局の協調伝送グループとする協調伝送グループ選択手段と、
選択された協調伝送グループの情報を、スーパーセルの中央コントローラにフィードバックする協調伝送グループ情報フィードバック手段と、
を含むことを特徴とするUE。
【請求項17】
自局のチャネル状況を動的に測定して、得られたチャネル情報を中央コントローラにフィードバックするチャネル情報フィードバック手段をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のUE。
【請求項18】
ユーザ機器(UE)であって、
スーパーセルの中央コントローラから放送された全ての候補協調伝送グループの情報を受信する候補協調伝送グループ情報受信手段と、
前記候補協調伝送グループに対して測定を行う測定手段と、
測定して得られたチャネル情報を前記中央コントローラにフィードバックするチャネル情報フィードバック手段と、
を含むことを特徴とするUE。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−35910(P2011−35910A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176466(P2010−176466)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】