説明

マルチホップブースタ

アップリンク信号の透かしを有する双方向無線リピータ、ブースタシステム等が開示される。リピータは、無線受信機および無線送信機を有してネットワーク送受信機と通信するネットワークユニットを含む。送受信機は、無線受信機および無線送信機を有してユーザ送受信機と通信するユーザユニットと、ネットワーク送受信機とネットワークユニットとの間、ユーザ送受信機とユーザユニットとの間、および、ネットワークユニットとユーザユニットとの間を含む自律ホップにおいてネットワーク送受信機とユーザ送受信機との間で信号を通信するためのネットワークユニットとユーザユニットとの間における双方向通信路とを含む。ネットワークユニットおよび/またはユーザユニットは、他方のユニットのチャネルイコライザをトレーニングするためにトレーニング系列をその他方のユニットに対して反復的に送信する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本特許出願は、合衆国法典第35巻第119条(e)のもとに、名称が「マルチホップブースタ」である2007年4月25日に出願された米国仮出願第60/926,273号(代理人整理番号35928−508−PRO)の恩恵を主張し、これは参照することによって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]この文書は、新規な双方向無線リピータおよびブースタを記載している。
【背景技術】
【0003】
[0003]大部分の3Gおよびいわゆる4Gシステム(4Gシステムは、大部分は直交周波数分割多重(OFDM)変調に基づいている)は、高いデータレートをサポートしており、それ自体はGSM等の2Gシステムと比較して帯域幅(BW)がより大きい通信チャネルを有する。例えば、5MHzにおける広帯域符号分割多重接続(WCDMA)チャネルは、200kHzのGSMよりも25倍大きい一方で、WiMaxチャネルのBWは、50倍以上大きい。
【0004】
[0004]上述した動作が単一の通信チャネルについて真実である一方で、グローバル・システム・フォー・モバイル(GSM)周波数ホッピング(FH)機能は、GSM装置が完全に割り当てられたスペクトルをホップするのを可能とし、これは、単一のGSMチャネルが、セッションの最中に、静的WCDMAまたはWiMaxチャネルよりも非常に広いBWで動作することを意味する。これは、事実上、FHアルゴリズムに追従する能力を有しないリピータまたはブースタ装置が、大抵は所定のオペレータに対して割り当てられた全体のスペクトルであるGSM通信チャネルが飛び越えることが可能とされるスペクトル全体を「通過」しなければならないことを意味する。
【0005】
[0005]さらに、所定のオペレータについてのGSMの割り当てスペクトルは、隣接していてもよく、または、隣接していなくてもよい。また、周波数が認可された「所望の」ネットワークプロバイダのみで動作して、「所望の」オペレータの認可されたスペクトルの外側にあるチャネルにおけるいかなる動作も回避することが、リピータおよびブースタ装置にとって望ましい。この要件は、リピータ(またはブースタ)が、隣接してもよくまたは隣接していなくてもよい特定のチャネルの組のみによって動作するように設計されていなければならないことを意味する。図2は、所定のエリアにおける所定のオペレータが、合計で30MHz(15MHzのアップリンクおよび15MHzのダウンリンク)となる3つの隣接しない10MHzの帯域を有し、GSM派生ネットワークが、任意の75個の利用可能なチャネルで周波数ホップすることができるような状況の例を図示している。理想的には、図2において示されるリピータは、示されているように、関心のあるチャネルのみを選択して増幅して反復する。
【0006】
[0006]さらに、反復されたスペクトルが、ここでは、所定の方向に15MHzであることから、ネットワークとユーザユニットとの間のディジタルリンクは、より非常に大きい動作BW(一方向で15×2×2×10=600Mbs/s)を必要とする。これは可能ではあるものの、小型の消費者装置にとって実用的ではないことがある。スペクトルの大部分が同時に使用される場合には、無認可の帯域における動的周波数選択(DFS)およびスペクトルのエミッションマスク等のスペクトル規制および規制要件を満たすこともまた困難であることがある。したがって、OFDMベースのリンク(または、任意の他のディジタル変調リンク)は、ネットワークとユーザユニットとの間の中間ホップについての最も適切な解決策ではあり得ない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]この文書は、ユーザと、無認可の帯域(ISMおよび/またはUNII)において動作し且つセルラー(または無線)ネットワーク通信チャネルをサポートするネットワークユニット(図1)との間における中間ホップ(図1におけるホップ2)についての新規な双方向通信システムおよび方法を開示する。本システムおよび本方法は、無認可の帯域(図1におけるホップ2)における所定の通信帯域幅についてのより広い反復スペクトル(帯域幅)のサポートを可能とする。また、ブースタが他の第三者ネットワーク周波数で動作せず、かつ反復しないことを意味するブースタの「ネットワークフレンドリー」動作を可能とするチャネルおよびスペクトル選択アルゴリズムが開示される。これは、事実上、他の第三者ネットワークにおけるリピータ動作によって引き起こされる任意の不測の不都合をなくす。最後に、コントロールおよびデータ通信チャネルおよび機構が、あらゆるプロトコル層(物理層およびMAC層を含む)におけるメッセージがリピータ(ブースタ)と動作ネットワークとの間で交換されるのを可能とするリピータについて定義される。
【0008】
[0008]この文書は、セルラー無線通信ネットワークにおいてネットワーク送受信機とユーザ送受信機との間におけるトラフィックを仲介するリピータを記載する。リピータは、少なくとも1つの無線受信機および少なくとも1つの無線送信機を有して上記ネットワーク送受信機と通信するように構成されているネットワークユニットを含む。送受信機は、さらに、少なくとも1つの無線受信機および少なくとも1つの無線送信機を有して上記ユーザ送受信機と通信するように構成されているユーザユニットと、上記ネットワーク送受信機と上記ネットワークユニットとの間、上記ユーザ送受信機と上記ユーザユニットとの間、および、上記ネットワークユニットと上記ユーザユニットとの間を含む自律ホップにおいて上記ネットワーク送受信機と上記ユーザ送受信機との間で信号を通信するための上記ネットワークユニットと上記ユーザユニットとの間における双方向通信路とを含む。上記ネットワークユニットと上記ユーザユニットとの間のホップは、信号を通信し、且つ、上記信号の伝搬チャネル時間分散およびフェージングを低減するために少なくとも1つのチャネルイコライザを使用する上記ユーザユニットおよび上記ネットワークユニットの各無線受信機を含む無線ホップである。上記ネットワークユニットおよび/または上記ユーザユニットは、さらに、他のユニットの上記少なくとも1つのチャネルイコライザをトレーニングするためにトレーニング系列を上記他のユニットに対して反復的に送信するように構成されている。
【0009】
[0009]1つ以上の実施形態の詳細が、添付図面および以下の記載において説明される。他の特徴および効果は、記載および図面から、ならびに、特許請求の範囲から明らかとなる。
【0010】
[0010]これらのおよび他の態様は、以下の図面を参照してここで詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】3ホップブースタシステムを示している。
【図2】新規のリピータまたはブースタ要件を図示している。
【図3】ネットワークユニットのダウンリンクデータパスを示している。
【図4】他のネットワークユニットのダウンリンクデータパスを示している。
【図5】ユーザユニットのダウンリンクデータパスを示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0016]様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示している。
【0013】
[0017]以下の記載は、PCS帯域において動作する北米のGSM派生ネットワークに基づいている。軽微な変更によって、以下に記載されたシステムおよび技術は、GSM/GPRS/EDGE、cdma2000、WCDMA、WiMax、ならびに、任意の他のセルラーおよび/または無線通信システムに適用されることができる。双方とも名称が「Short−Range Booster」であり、参照することによってその内容が全ての目的のために本明細書に組み込まれるMohebbiによって2003年9月3日に出願された国際公開第2005025078号、および、2004年1月12日に出願された国際公開第2005069249号は、3ホップ短距離ブースタまたはリピータを記載している。
【0014】
[0018]この文書は、アップリンク上のリピータによってサポートされる個々のチャネルまたはチャネルの群に透かしを入れるための新規な技術を記載する。そして、透かし情報は、リピータの位置がネットワークに知られていると仮定すれば、携帯電話の位置を確立するために、リピータの所在地(例えば住居)に基づく呼び出しの価格差別を行うために、および、リピータを介して呼び出しが行われ、したがってダウンリンク送信電力等のより少ないネットワーク資源を使用するのを確立するために使用されることができる。特定の呼び出しがリピータ(ブースタ)によってサポートされる場合には、呼び出しに必要なネットワーク資源はより少なくなることから、その呼び出しを価格差別することが可能である。情報に透かしを入れることはまた、電波到達時間差(TDOA)、アシスト型GPS(AGPS)等の他の位置決め技術を補助するために使用されることができる。
【0015】
[0019]図3は、ネットワークユニットについてのダウンリンクデータパス300を示しているブロック図である。データパスは、複雑なフォーマットである。ユーザユニットについての関連する複雑なダウンリンクデータパスが図5において示されている。ダウンリンクデータパス300において、リピータ(ブースタ)は、(RF FEにおいて)割り当てられたPCS帯域のダウンリンクスペクトル全体を周波数逓降し、アナログ・ディジタル変換器(ADC)302によってそれをディジタル化する。所定のオペレータについてのシステムがそれにわたって周波数ホップすると見込まれるPCSスペクトルの連続部分を周波数逓降してディジタル化することもまた可能である。場合によっては、スペクトルの関心のあるブロックをカバーするために、数個のRF送受信機を同時に使用することは、より実用的であり得る。
【0016】
[0020]図2を振り返ると、PCSスペクトルのE、FおよびC−4ブロックについて関心があり、他の全てのブロックは、ブースタのデータパスにおいて回避される。関心のある帯域を選択するために、他のチャネルを閉鎖するとともに、200kHzのチャネル化フィルタ、好ましくはFFT部306が後段に続く多相フィルタ304が、ADC302に接続されることができる。FFT部306の出力において、原スペクトルのBWに応じて、多くの200kHzチャネルがある。例えば、E、FおよびCブロックのみがディジタル化(すなわち25MHz)された場合には、125個のチャネルがあり、75個のみが選択されてユーザユニットまで通過されるべきである。スペクトルおよびチャネル選択のチャネル化が、ユーザユニットにおいて行われることができるが、これらのタスクがネットワークユニットにおいて実行されることは、それがまた125個のチャネルから75個のチャネルまで信号BWを削減してUNIIチャネルのBW要件を低減するため、好ましい。
【0017】
[0021]スペクトルのチャネル化の後、各チャネル(周波数制御チャネル(FCCH)、同期制御チャネル(SCH)、および、報知制御チャネル(BCCH))の平均受信信号強度(RSSI)が「FCCHおよびSCHおよびBCCH検出」モジュール308において測定されて記録され、これらのRSSIの測定値に基づいて、選択されたチャネルからの最も強い可能なBCCHキャリアが識別される。最も強いチャネルの選択の後、「クロック発生器」モジュール310および局部発振器(LO)312に基準周波数を出力するためにFCCHが使用され、発生された基準周波数が局部発振器周波数誤差を訂正するために使用され、LO312およびクロックをBTS周波数基準までロックする。
【0018】
[0022]この動作の後、同期チャネル(SCH)が検出され、BCCHメッセージが他のシステム報知情報とともにモバイルネットワークコード(MNC)および位置登録エリア識別子(LAI)を抽出するために復号される。復号されたMNCが所望のPLMNに属する場合には、LAIは、リピータ(ブースタ)によってサポートされなければならない所定のエリアにおけるアクティブチャネル(この例においては75個)のリストを決定するために使用される。所望のチャネルのリストは、サンプリングレートを高めて15MHzの総BWをサポートしながら、チャネルを選択して200kHz間隔であるキャリア上において隣同士のそれらを変調する「チャネル選択およびマルチプレクスおよび逆FFT」モジュール314(図4におけるモジュール412)に渡される。隣接するチャネルが互いと干渉しないように周波数計画が同じセルにおける隣接チャネルを回避するために使用されるため、それらが到達する際のチャネルの順序は追従されるべきである。
【0019】
[0023]不連続のスペクトル境界において、2つの強いチャネルが結局は隣同士になる場合には、チャネルの割り当て順序は、低いRSSIを有するチャネルによって変更されなければならないか、または、「ダミー」チャネルが2つの強いチャネル間に挿入されるのを必要とする。最終の波形がUNII帯域のスペクトルのエミッションマスクを妨害しないのを確認することにもまた注意を払う必要がある。この点における波形は、波形がセルラーRF FEに入るダウンリンク信号のものとは異なる場合であっても、少なくとも、全ての(75個の)GSMチャネルを含む。BTS(および、アップリンクにおけるMS)から送信される原信号において、8・1/4のシンボルデュレーション(−30μ秒)の電力傾斜間隔があり、情報は送信されない。
【0020】
[0024]タイムスロット(TS)境界、および、したがって間隔の始まりは、SCHから抽出されたTSタイミングによって検出されることができ、2つの目的のために使用されることができる。
【0021】
[0025]1)プリアンブルおよび制御チャネルシンボルの挿入−このタスクは、「プリアンブルおよびCCH挿入」モジュール316によって実行される。1つ、2つ、または、それ以上のシンボルが使用されることができるものの、プリアンブルは、802.11aのプリアンブルのロングシンボルと同様とすることができる。CCHシンボルはまた、ネットワークからユーザユニットまでシステム情報を運ぶ802.11aのOFDMシンボルと同様とすることができる。ここで留意すべきは、同様のリンクがユーザとネットワークユニットとの間におけるアップリンクに存在するということである。
【0022】
[0026]2)TxからRxおよびその逆のUNII帯域送受信機の切り替え−この動作は、レーダ探知のために必要とされ、次の送信期間(例えば1.154ミリ秒)のための第2のチャネルへの送信の切り替え、および、第1のチャネル上の送受信機をRxモードに切り替えて逆のリンク送信を受信してレーダパルスを探知する前に、短期間(例えば1.154ミリ秒)、UNIIチャネル上に送信することによって実行される。アップリンク送信がない場合には、送受信機の切り替えは、ダウンリンクのTS境界に基づく。しかしながら、MSがアップリンク上の送信を開始するとすぐに、TS転送時間が定められ、任意のアップリンクのタイムスロット中に切り替えを回避し、ダウンリンクのスロット境界のうちの1つにおいて切り替えを保つように切り替え時間を変動するために使用される。
【0023】
[0027]ディジタル・アナログ変換器(DAC)320よりも前段のローパスフィルタ(LPF)318は、たとえ合成アナログ波形スペクトルの形状が何であろうと、UNII帯域のためのスペクトルの送信マスクを確実に達成する。大方の場合、LPF318の効果は、図5において示される受信機側と等しくされることができる。
【0024】
[0028]ネットワークユニットのダウンリンクデータパスの他の実施形態が図4において示されている。この実施形態において、GSMベースバンド(BB)アルゴリズムの一部である図3の「FCCHおよびSCHおよびBCCH検出」モジュール308の代わりに、完全GSMモバイルBBモジュール408が、MACとともに使用され、ネットワークユニットが、全ての上述したチャネルと同様にトラフィック(TCH)および他のシステムチャネルを復号するのを可能とする。これらの追加のチャネルの復号は、ネットワークユニットがネットワークから「専用」メッセージを受信するのを可能とする。さらに、「ブースタアプリケーション」モジュール410とともに「GSM BBおよびMAC」モジュール408を含むことは、ネットワークユニットがPLMNネットワークによって専用の双方向通信リンクを構成するのを可能とし、リピータ(ブースタ)とネットワークとの間で制御および情報を(物理層メッセージと同様に)交換する。これらのメッセージは、アプリケーション層から物理層までの任意の層に属することができる。
【0025】
[0029]ユーザユニットのダウンリンクデータパスが図5において示されている。第2のホップにおけるフェージングの緩和が許容範囲にある性能に必須であるため、RxのSNRが十分に高い場合に、単一のブランチ受信機(ダイバーシティではない)によって動作するのが可能であっても、ユーザユニットのUNIIチャネル受信機は、好ましくは、最大比合成(MRC)等の少なくとも2ブランチのアンテナダイバーシティ配置を有する。
【0026】
[0030]各送受信機に接続されているADC506は、レーダ探知モジュール508、チャネル評価モジュール510、および、イコライザ512の3つのモジュールに順次接続されている。レーダ探知モジュール508は、レーダパルスを探知するためにレーダ探知アルゴリズムを実行する。このアルゴリズムは、GSMが最低9dBのSNRがリンクの全体にわたって維持されるのを必要とするため、単純なRSSIおよび所望の閾値に基づくことができる。閉ループ電力制御は、レーダ探知を可能とするUNII帯域におけるGSMチャネルの必要なSNRを維持するために使用されてもよい。
【0027】
[0031]信号が時間分散チャネルにおけるものであることから、任意のダイバーシティ合成の前に、受信機の各ブランチ上のチャネルイコライザ512を使用することは重要である。新たな送信時期のそれぞれの始まりに送信されるプリアンブルは、イコライザのトレーニングのために使用される。このプリアンブルは、チャネル評価モジュール510によって抽出される。与えられたプリアンブルの長さが十分でない場合には、より大きいプリアンブルを得るために、先に格納された送信時期からのプリアンブル履歴を使用することが可能である。一組のイコライザの重みに収束するために動作の始まりに長いプリアンブルを使用すること、及び、その後、より短い進行中のプリアンブルを使用することにより、各送信時期間の短時間に経験される小さい重み変更のために追跡して収束することもまた可能である。さらに、各GSMのTSが約577g秒であるため、送信デュレーションが数個のTSよりも長いと仮定するならば、1つの送信時期(例えば11.54ミリ秒)において、数個(例えば10個)のプリアンブルが送信されることが可能である。チャネルイコライザ512は、単純なゼロフォーシングアルゴリズムに基づくことができ、または、低いSNRにおけるより良好なノイズ特性のために、最小平均二乗誤差(MMSE)アルゴリズムが使用されることができる。他の等化技術もまた使用されることができる。イコライザ512は、時間分散を除去してSNRを改善し、コヒーレント合成についての各ブランチの位相を訂正する。
【0028】
[0032]コヒーレント合成の後、制御チャネル(CCH)デコーダ514が制御チャネルを復号し、メッセージが、多相フィルタ516、FFTモジュール518、および、「デマルチプレクスおよびチャネル選択および逆FFT」モジュール520を構成するために使用される。これらのモジュールのタスクは、200MHzチャネル内への入力信号をチャネル化し、サンプリングレートを変化させ、それらの原位置に対する入力チャネルを復調し、新たな信号BWをサポートするようにサンプリングレートを高め、逆FFTを実行することである。基準周波数信号を抽出するためにネットワークユニットにおいて使用された同じFCCHチャネルは、FCCH検出モジュール522によって検出されるのにともない、基準周波数を抽出するためにユーザユニットにおいて使用されることができる。他の方法では、プリアンブルおよび/またはCCHは、2つのネットワークおよびユーザユニットを周波数ロックするために使用されることができる。UNII送受信機を切り替えるための時間同期はまた、プリアンブルおよび/またはCCHシンボルタイミング、および/または、同様のSCH検出部(図5において示されていない)に基づくことができる。出力波形は、DACを介した送信のためにセルラー送受信機に対して送信される。
【0029】
[0033]アップリンクデータパスは、以下の差異を除いて、ダウンリンクデータパスと同様である。ユーザユニットにおいて、「FCCおよびSCHおよびBCCH検出」モジュールの必要がない。その代わり、RSSI評価部は、アップリンク送信のレベルおよびタイミングをみつけるために使用される。タイミングおよびRSSIレベル情報は、UNIIリンク上における最良の切り替え時間の選択のためにネットワークユニットに対して送信される。ネットワークユニットにおいて、双方のユニットがダウンリンクデータパスのおかげでBTSに完全に同期するため、「FCCH検出」モジュールの必要がない。
【0030】
[0034]アップリンク信号は、ユーザユニットもしくはネットワークユニットまたは双方において透かしを入れられることができる。与えられたチャネルまたはチャネルの群におけるアップリンク信号は、多くの様々な技術のいずれかにしたがって透かしを入れられることができる。まず、そのような技術は、可変遅延(または遅延ホッピング)透かしである。可変遅延透かしにおいて、アップリンクデータパスは、固定待ち時間を有する中間ホップ(図1におけるホップ2)を有する。この待ち時間は、信号がセル−Fiを介して送信された受信機側において指示を与える所定の方法で変動されることができる。可変待ち時間がGSM受信機のイコライザウィンドウ(WCDMAおよびCDMAのRAKE受信機の探索ウィンドウ、および、WiMax等のOFDMシステムのサイクリックプレフィックスまたはエクステンション)の範囲内に保たれる限り、受信機は、スロット毎ベースでさえも変動を追跡することができる。遅延変動がホッピング系列または情報データに基づいている場合には、リピータ識別子等の情報をネットワークに対して転送することもまた可能である。
【0031】
[0035]他の技術は、ブランクおよびバースト(blank−and−burst)透かしである。図3および図4を振り返ると、ダウンリンクデータパスの最初の3つの信号処理部は、多相フィルタ304、402、FFT306、406、ならびに、チャネル選択およびマルチプレクスおよび逆FFT314、412である。同じデータパスがリピータシステムのアップリンクについて使用されることができる。FFT306、406の出力(またはチャネル選択およびマルチプレクスおよび逆FFT314、412への入力)において、全ての関連するチャネルのRSSIが監視されることができ、アップリンクのタイムスロットの有無が全てのチャネルにおいて検出されることができる。この動作は、先に抽出されたスロットタイミング情報によって補助されることができる。一旦アップリンクのタイムスロット送信の存在が所定のチャネルにおいて検出されると、コードまたはデータである知られている系列が、携帯電話の原送信信号(バースト)の代わりに、アップリンク上に送信されることができる。置換バーストは、GSMの原通常バースト(または任意の他のバースト)と同様の構造を有することができるか、または、属性(例えば、同様の時間デュレーションや送信電力等)の全てではないが一部を共有してもよい。そして、これらの「置換」バーストは、所定のアップリンクのチャネルまたはチャネルの群に挿入された透かし情報を明らかにするために専用の受信機(または変更されたBTS受信機)において検出されることができる。これは、原アップリンク送信を除去するブランクおよびバースト動作であり、通信リンク品質の低下を引き起こす。しかしながら、この動作の反復率は、低下がエンドツーエンドのセルラーリンクの十分な動作のための許容レベルの範囲内であるようなものとすることができる。
【0032】
[0036]さらに他の透かし技術は、ディムおよびバースト(dim−and−burst)である。ディムおよびバースト技術の動作は、タイムスロットの一部のみが透かし信号によって置換されることを除いて、ブランクおよびバースト技術と同様である。例えば、透かし信号は、タイムスロットの半分まで占めることができ、データ部の正確な復号のために他の半分および中間アンブルをそのままにすることができる。この技術において、透かし信号のリンク品質への影響は、より少ない。
【0033】
[0037]他の透かし技術は、アンダーレイ署名である。GSM受信機は、許容BERおよびリンク品質を有する受信信号の十分な復調および復号のために12dBのSNR(または信号対雑音プラス干渉(SNRI))を必要とする。したがって、所定のバースト電力よりも15から20dB少ない電力を有するアンダーレイ署名信号は、リンクBERにおいてほとんど効果を有しないが、所定のチャネル上の透かし信号として使用されることができる。しかしながら、そのようなアンダーレイ署名を検出するために、通常は相関および/または平均化(コヒーレントまたは非コヒーレント)によって実現されるかなりの処理利得が必要とされる。そのような署名は、所定のチャネルにおいて(すなわち、図3におけるFFT部306の出力において)RSSI変動を最初に検出し、その後、タイムスロットと揃えられたコードを挿入することにより、ブランクおよびバースト技術と同様の方法で挿入されることができる。いくつかのタイムスロットにわたるコヒーレント相関を可能とするために、所定のアップリンクチャネルにおける受信タイムスロットの中間アンブル受信位相を検出すること、および、この位相情報を使用して、中間アンブルを有する位相において複雑なアンダーレイ署名を挿入することもまた可能である。これにより、受信機は容易に利用可能である中間アンブル位相を検出し、必要な処理利得が実現されるまで、受信タイムスロットをコヒーレントに合計し続けるために検出された中間アンブル位相を使用することが可能となる。中間アンブル位相の検出における待ち時間を低減するために、アンダーレイは、各バーストとともに並べられた最低60ビット長を与える時間バーストの第2のデータ部と揃えられることができる。
【0034】
[0038]いくつかの実施形態が詳細に上述されているが、他の変形例が可能である。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラー無線通信ネットワークにおいてネットワーク送受信機とユーザ送受信機との間におけるトラフィックを仲介するリピータであって、
少なくとも1つの無線受信機および少なくとも1つの無線送信機を有し、前記ネットワーク送受信機と通信するように構成されているネットワークユニットと、
少なくとも1つの無線受信機および少なくとも1つの無線送信機を有し、前記ユーザ送受信機と通信するように構成されているユーザユニットと、
前記ネットワーク送受信機と前記ネットワークユニットとの間、前記ユーザ送受信機と前記ユーザユニットとの間、および、前記ネットワークユニットと前記ユーザユニットとの間を含む自律ホップにおいて前記ネットワーク送受信機と前記ユーザ送受信機との間で信号を通信するための前記ネットワークユニットと前記ユーザユニットとの間における双方向通信路と、
を備え、
前記ネットワークユニットと前記ユーザユニットとの間の前記ホップは、信号を通信し、且つ、前記信号の伝搬チャネル時間分散およびフェージングを低減するために少なくとも1つのチャネルイコライザを使用する前記ユーザユニットおよび前記ネットワークユニットの各無線受信機を含むための無線であり、
前記ネットワークユニットおよび/または前記ユーザユニットは、さらに、他方のユニットの前記少なくとも1つのチャネルイコライザをトレーニングするためにトレーニング系列を前記他方のユニットに対して反復的に送信するように構成されている、リピータ。
【請求項2】
前記ネットワークユニットと前記ユーザユニットとの間の前記ホップのために使用される前記無線受信機が、信号の伝搬チャネルフェージングを低減するためにアンテナ空間ダイバーシティを使用する、請求項1に記載のリピータ。
【請求項3】
前記トレーニング系列が、前記ユーザユニットと前記ネットワークユニットとの間の前記ホップにおける通信のガード時間に送信される、請求項1に記載のリピータ。
【請求項4】
前記ガード時間は、GSM派生システムについてのタイムスロット間である、請求項3に記載のリピータ。
【請求項5】
双方向制御チャネル信号伝達が、前記ネットワークユニットと前記ユーザユニットとの間の前記ホップに与えられる、請求項1に記載のリピータ。
【請求項6】
前記双方向制御チャネル信号伝達は、GSM派生システムについてのタイムスロット間のガード時間に送信される、請求項5に記載のリピータ。
【請求項7】
前記ネットワークユニットおよび前記ユーザユニットのそれぞれが、さらに、
基地送受信機システムと通信するための第1の送受信機と、
前記第1の送受信機からの無線周波数信号をディジタル化するアナログ・ディジタル変換器と、
前記アナログ・ディジタル変換器からのディジタル化された無線周波数信号をフィルタリングするための多層フィルタモジュールと、
フィルタリングされてディジタル化された前記無線周波数信号にFFT演算を実行するための高速フーリエ変換(FFT)モジュールと、
全ての利用可能なチャネルから関心のあるチャネルのみを選択するために、送信側における前記高速フーリエ変換モジュールの出力をチャネル化してマルチプレクスして逆変換するチャネル選択、マルチプレクス、および、逆FFTモジュールと、
を備える、請求項1に記載のリピータ。
【請求項8】
前記ネットワークユニットおよび/または前記ユーザユニットは、前記ユーザユニットから前記ネットワークユニットまで通信されるアップリンク信号に透かしを入れるように構成されており、前記ネットワークユニットは、前記基地送受信機システムに対して前記透かしを入れられたアップリンク信号を送信するように構成されている、請求項7に記載のリピータ。
【請求項9】
前記透かしを入れられたアップリンク信号は、前記ユーザユニットと前記ネットワークユニットとの間における前記通信路の固定待ち時間を可変待ち時間に変化させることを含む透かし信号を有する、請求項8に記載のリピータ。
【請求項10】
前記ネットワークユニットおよび/または前記ユーザユニットは、前記可変待ち時間に透かし情報を入れるように構成されている、請求項9に記載のリピータ。
【請求項11】
前記ネットワークユニットが、さらに、
前記基地送受信機システムと通信するための第1の送受信機と、
前記第1の送受信機からの無線周波数信号をディジタル化するアナログ・ディジタル変換器と、
前記アナログ・ディジタル変換器からのディジタル化された前記無線周波数信号をフィルタリングするための多層フィルタモジュールと、
フィルタリングされてディジタル化された前記無線周波数信号にFFT演算を実行するための高速フーリエ変換(FFT)モジュールと、
前記高速フーリエ変換モジュールの出力をチャネル化してマルチプレクスして逆変換するためのチャネル選択、マルチプレクス、および、逆FFTモジュールと、
ダウンリンク信号バーストに基づいてアップリンクタイムスロットを検出するためにダウンリンクモードにおいて動作し、アップリンクタイムスロットの範囲内における少なくとも1つのアップリンク信号バーストを透かし信号に置換するように構成されているGSM FCCHおよびSCHおよびBCCH検出回路と、
を備える、請求項1に記載のリピータ。
【請求項12】
前記アップリンクタイムスロットの半分以下のみが、前記透かし信号によって置換される、請求項11に記載のリピータ。
【請求項13】
前記アップリンク信号の透かしが、アップリンク信号バーストに追加されたアンダーレイ署名を含む、請求項11に記載のリピータ。
【請求項14】
基地送受信機システムと通信するためのネットワークユニットと、
前記ネットワークユニットとモバイルユーザ装置との間で通信するためのユーザユニットと、
を備え、
前記ネットワークユニットおよび/または前記ユーザユニットは、前記ユーザユニットから前記ネットワークユニットまで通信されたアップリンク信号に透かし信号を追加するように構成されており、前記ネットワークユニットは、前記基地送受信機システムに対して前記透かし信号を有する前記アップリンク信号を送信するように構成されている、無線リピータ。
【請求項15】
前記透かし信号は、前記ユーザユニットと前記ネットワークユニットとの間における通信路の固定待ち時間に与えられた可変待ち時間を含む、請求項14に記載の無線リピータ。
【請求項16】
前記透かし信号は、さらに、前記可変待ち時間に追加された透かし情報を備える、請求項14に記載の無線リピータ。
【請求項17】
前記ネットワークユニットは、さらに、
前記基地送受信機システムと通信するための第1の送受信機と、
前記第1の送受信機からの無線周波数信号をディジタル化するアナログ・ディジタル変換器と、
前記アナログ・ディジタル変換器からのディジタル化された前記無線周波数信号をフィルタリングするための多層フィルタモジュールと、
フィルタリングされてディジタル化された前記無線周波数信号にFFT演算を実行するための高速フーリエ変換(FFT)モジュールと、
前記高速フーリエ変換モジュールの出力をチャネル化してマルチプレクスして逆変換するためのチャネル選択、マルチプレクス、および、逆FFTモジュールと、
ダウンリンク信号バーストに基づいてアップリンクタイムスロットを検出するためにダウンリンクモードにおいて動作し、アップリンクタイムスロットの範囲内における少なくとも1つのアップリンク信号バーストを透かし信号に置換するように構成されているGSM FCCHおよびSCHおよびBCCH検出回路と、
を備える、請求項14に記載の無線リピータ。
【請求項18】
前記アップリンクタイムスロットの半分以下のみが、前記透かし信号によって置換される、請求項17に記載の無線リピータ。
【請求項19】
前記透かし信号は、アップリンク信号バーストに追加されたアンダーレイ署名を含む、請求項17に記載の無線リピータ。
【請求項20】
前記透かし信号は、符号化されたデータを含む、請求項14に記載の無線リピータ。
【請求項21】
前記符号化されたデータは、前記ネットワークユニットおよび/または前記ユーザユニットの位置を示す、請求項20に記載の無線リピータ。
【請求項22】
前記符号化されたデータは、前記ネットワークユニットおよび/または前記ユーザユニットの識別子を示す、請求項20に記載の無線リピータ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2010−525765(P2010−525765A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506543(P2010−506543)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/061675
【国際公開番号】WO2008/134585
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509294276)ネクスティヴィティー インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】