説明

マルチ放射線発生装置を用いた放射線撮影制御装置

【課題】コーン角の増加による画質低下を抑制し、被検体の領域毎に適切な照射線量の設定が可能な制御装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置であって、被検体の部位に関する情報を入力する入力デバイスと、入力デバイスによって入力された被検体の部位または体格に関する情報に基づいて、複数の放射線発生デバイスから照射される放射線の強度を設定する。また、放射線の照射命令に応じて、複数の放射線発生デバイスのうち、ある時刻に互いに隣接する放射線発生デバイスの両方から放射線が照射されないように、複数の放射線発生デバイスからのX線の照射を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチ放射線発生装置を用いた放射線撮影制御装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大画面のデジタルデータを取得するために、X線撮影用の二次元X線センサ(FPD:FlatPanel Detector)の開発が進んでいる。特に、単純撮影用に43cm×43cmの大受光面を有する二次元X線センサを用いた撮影装置が実用化されている状況にある。
【0003】
また、二次元X線センサを用いて三次元画像データを取得するCT装置が開発されている。このCT装置は3次元的な広がりを有するコーンビームと称するX線ビームを二次元X線センサで受像する。
【0004】
2次元的な広がりのファンビームを用いたCT装置に比較して、コーンビームでは1回転での走査で被検体を撮影できる範囲が広い。そのため、撮影の効率化が図れる利点がある。
【0005】
しかしながら、X線を照射するZ軸方向のコーン角の増加に伴い、散乱線の影響及び再構成演算における誤差が増大し、画質低下を引き起こす問題が指摘されている。
【0006】
従来技術の放射線の静止画撮影技術として特開2003−209746号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、センサ出力が飽和しているときに、その飽和が生ずる前後のセンサ出力の立ち上がり又は減衰領域の信号から当該飽和領域における推定出力を算出することが開示されている。そして、これらの定常出力と推定出力を合成して、画像データを作成する撮影装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−209746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コーンビームを用いたCT装置は、前述したように1回転での走査で被検体を撮影できる範囲が広いため、回転数が少なくて済み、撮影の効率化が図れる利点がある。しかし、X線を照射するZ軸方向のコーン角の増加に伴い、散乱線の影響及び再構成演算における誤差が増大し、画質低下を引き起こす問題が指摘されている。
【0009】
また、被検体には肺領域のようにX線の透過率が良い領域と、腹部のようにX線の透過率が悪い領域があるが、コーンビームを用いたCT装置では領域ごとに照射線量を変化させることは困難である。
【0010】
一方、特許文献1に記載されている飽和又はオーバフロー領域における推定出力を算出する方法では、仮に各投影画像においては僅かな推定誤差であっても、断層再構成の原理上、再構成画像に対して大きな影響を与える可能性が高い。
【0011】
本発明は、上述した課題を考慮したものであり、上述の課題を解消し、コーン角の増加による画質低下を抑制し、被検体の領域毎に適切な照射線量の設定が可能な制御装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、隣接する放射線発生デバイスからの放射線の影響を抑制する制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した少なくとも1つの目的を達成するため、本発明の一態様による制御装置は以下の構成を備える。すなわち、
放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置であって、
被検体の部位に関する情報を入力する入力デバイスと、
前記入力デバイスによって入力された前記被検体の部位に関する情報に基づいて、前記マルチ放射線発生装置を制御するコントローラとを備える。
【0014】
また、他の態様による制御装置は、以下の構成を備える。
放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置であって、
被検体の体格に関する情報を入力する入力デバイスと、
前記入力デバイスによって入力された前記被検体の体格に関する情報に基づいて、前記マルチ放射線発生装置を制御するコントローラとを備える。
【0015】
また、更に他の態様による制御装置は、以下の構成を備える。
放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置であって、
放射線の照射命令を入力する入力デバイスと、
前記放射線の照射命令に応じて、複数の放射線発生デバイスのうち、ある時刻に互いに隣接する放射線発生デバイスの両方から放射線が照射されないように、前記複数の放射線発生デバイスからのX線の照射を制御するコントローラとを備える。
【0016】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の好適な実施形態の説明(及び添付図面の参照)により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態におけるシステムの構成図である。
【図2】X線放射の模式図である。
【図3】マルチX線発生装置の構成図である。
【図4】(a)〜(d)はX線発生デバイスの切換順序の説明図である。
【図5】(a),(b)は、X線発生デバイスの切換順序の説明図である。
【図6】二次元X線センサの撮像領域の説明図である。
【図7】投影画像のフレームの説明図である。
【図8】CT画像の説明図である。
【図9】放射線撮影制御装置の画像処理フローチャートである。
【図10】第2実施形態におけるシステムの構成図である。
【図11】X線源と二次元X線センサの撮像領域との対応関係の模式図である。
【図12】投影画像のフレームの説明図である。
【図13】放射線撮影制御装置の画像処理フローチャート図である。
【図14】被検体の体格に対応するX線の強度および照射範囲を説明するための図である。
【図15】実施形態1のシステムにおいて、ソフトウェアを用いて放射線制御装置を制御したときの構成図である。
【図16】実施形態2のシステムにおいて、ソフトウェアを用いて放射線制御装置を制御したときの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施例を説明する。
【0019】
本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態による放射線撮影制御装置を含むシステムを示す。複数のX線発生デバイスを一次元配置したマルチX線発生装置1から、放射線としてのX線ビームxが二次元X線センサ3に照射される。そして、X線ビームxは、回転装置2上の被検体(物体)Pを透過して二次元放射線検出センサである二次元X線センサ3に達する。X線ビームxは、3次元的な広がりを有するコーンビームである。
【0021】
マルチX線発生装置1には、X線発生回路4が内蔵または接続されている。X線発生回路4はインターフェース回路5に接続されている。また、インターフェース回路5は、回転装置2、二次元X線センサ3に接続されている。インターフェース回路5は、バス7に接続されている。
【0022】
バス7には、その他にコントローラであるCPU8、メインメモリ9、操作パネル10、ディスプレイ11、X線強度設定回路12、画像処理回路13が接続されている。これらは、バス7を介して互いにデータを授受できるようにされている。画像処理回路13は、投影画像取得回路14、スライス設定回路15、投影画像抽出回路16
再構成回路17から成り、これらの回路がバス7に接続されている。
【0023】
この放射線撮影制御装置において、メインメモリ9にはCPU8での処理に必要な各種のデータなどが記憶されている。また、メインメモリ9には、CPU8が各回路を制御するためのプログラムが格納される。メインメモリ9は、CPU8の作業用としてのメモリを含む。CPU8はメインメモリ9を用いて、操作パネル10からの操作に従って装置全体の動作制御等を行う。
【0024】
図2に示すように、マルチX線発生装置1は、一次元方向に並んだX線発生デバイス1a〜1dを備えている。各X線発生デバイス1a〜1dは、X線発生回路4から供給される電流にしたがって、それぞれ照射するX線の強度を個別に可変できる。X線発生回路4は、CPU8による制御命令に基づいて、それぞれの各X線発生デバイス1a〜1dに供給する電流値を決定する。
【0025】
図3はマルチX線発生装置1の具体的な構成図を示している。図3において、X線ビームxは各X線取出窓21から出射するようになっている。なお、この例では5個のX線取出窓21が設けられているが、図2のマルチX線発生装置1のように4個であってもよい。マルチX線発生装置1の真空室22中のマルチ電子ビーム発生部23から複数の電子ビームeが取り出され、アノード電極24に照射することによりX線が発生される。真空室22で発生したX線は、真空壁25に設けられたX線取出窓21を通して、マルチX線ビームのX線ビームxとして大気中に放射される。
【0026】
マルチ電子ビーム発生部23は、マルチ電子ビーム素子基板26と、その上にマルチ電子ビーム素子27が配列されたマルチ電子ビーム素子アレイ28とにより構成されている。マルチ電子ビーム素子アレイ28から取り出された電子ビームeは、絶縁体29に固定されたレンズ電極30でレンズ作用を受け、アノード電極24の透過ターゲット31の部分で最終電位の高さに加速される。これらのレンズ電極30とアノード電極24への高電圧の供給は、高電圧導入部32、33を介して行われる。透過ターゲット31はマルチ電子ビームeに対応して離散的に配置されており、透過ターゲット31で発生したX線は、X線取出部34を通り、更にX線透過膜35が取り付けられたX線取出窓21から大気中に放射される。
【0027】
この放射線撮影制御装置を用いた撮影の実行の始めとして、CPU8は、被検体(物体)Pの撮影部位情報及び体格情報(大きさ情報)に従って、X線強度設定回路12にX線の強度を設定するように制御する。具体的には、X線強度設定回路12は、X線強度設定回路12が有するメモリに記憶された強度設定テーブルを参照し、被検体(物体)Pの撮影部位情報及び体格情報(大きさ情報)に対応するマルチX線発生装置1の各X線発生デバイス1a〜1dの出力強度を設定する。被検体(物体)Pの撮影部位情報及び体格情報(大きさ情報)は、操作パネル10を介して入力されたものとする。
【0028】
そして、メインメモリ9には、X線強度設定回路12によって設定されたX線の出力強度に関する情報(電流値)が保持される。X線強度設定回路12が有するメモリには、例えば表1に示すような強度テーブルが保持される。
【0029】
表1
撮影部位 頭部
体格 標準より小柄な体格 標準体格 標準より大柄な体格
1a:0mA 1a:0mA 1a:0mA
1b:10mA 1b:15mA 1b:20mA
1c:10mA 1c:15mA 1c:20mA
1d:0mA 1d:0mA 1d:0mA

撮影部位 頭部〜胸部
体格 標準より小柄な体格 標準体格 標準より大柄な体格
1a:10mA 1a:15mA 1a:20mA
1b:10mA 1b:15mA 1b:20mA
1c:8mA 1c:10mA 1c:15mA
1d:8mA 1d:10mA 1d:15mA

撮影部位 胸部
体格 標準より小柄な体格 標準体格 標準より大柄な体格
1a:8mA 1a:10mA 1a:15mA
1b:8mA 1b:10mA 1b:15mA
1c:8mA 1c:10mA 1c:15mA
1d:10mA 1d:15mA 1d:20mA

撮影部位 胸部〜腹部
体格 標準より小柄な体格 標準体格 標準より大柄な体格
1a:8mA 1a:10mA 1a:15mA
1b:8mA 1b:10mA 1b:15mA
1c:10mA 1c:15mA 1c:20mA
1d:15mA 1d:20mA 1d:30mA

撮影部位 腹部
体格 標準より小柄な体格 標準体格 標準より大柄な体格
1a:10mA 1a:15mA 1a:20mA
1b:15mA 1b:20mA 1b:30mA
1c:15mA 1c:20mA 1c:30mA
1d:15mA 1d:20mA 1d:30mA
【0030】
例えば、撮影部位が胸部〜腹部で、体格が標準的である場合、CPU8は、第1のX線発生デバイス1aに流す電流値を10mA、第2のX線発生デバイス1bに流す電流値を10mA、第3のX線発生デバイス1cに流す電流値を15mA、第4のX線発生デバイス1dに流す電流値を20mAなどに設定する。すなわち、本実施形態によれば、適切なX線強度が異なる複数の部位を一度に撮影することが可能となる。
【0031】
また、例えば、撮影部位が頭部の場合、頭部以外を照射するX線発生デバイス1a,1dの照射を禁止している。すなわち、撮影対象の部位以外にX線を照射することになるX線発生デバイスのX線の照射を制限しているため、照射絞りなどの部材を用いることなくX線の照射範囲を制限することができる。
【0032】
ここで、撮影部位情報及び体格情報の入力方法は、例えば操作者が操作パネル10から手動で入力する方法が考えられる。この場合、操作パネル10が入力デバイスとなる。また、これらの情報は、放射線撮影制御装置とネットワークを介して接続された撮影検査オーダシステムから入力することもできる。この場合、不図示のネットワークインターフェースが入力デバイスとなる。
【0033】
また、被検体(物体)Pの撮影部位情報及び体格情報(大きさ情報)は、被検体(物体)Pを不図示のカメラを用いて撮影することにより得られる被検体(物体)Pの輪郭情報から体格情報(大きさ情報)を取得してもよい。また、二次元X線センサ3上に載置された被検体(物体)Pの撮影対象の部位を不図示のカメラを用いて撮影し、撮影された物体の形状から撮影対象の部位情報を取得してもよい。この場合、カメラと接続されるためのインターフェース(例えばインターフェース回路5)が入力デバイスとなる。
【0034】
CPU8は、これらの入力信号を検出することにより、検出された入力信号に対応する表1のマルチX線発生装置1の各X線発生デバイス1a〜1dの出力強度をメインメモリ9に設定するようX線強度設定回路12を制御する。なお、物体の大きさが予め規定されているものを撮影する場合には、撮影部位情報を設定するだけでよい。
【0035】
次に、CPU8は、インターフェース回路5を介して回転装置2を作動状態にし、被検体Pを回転させる。CPU8の命令に基づいて、X線発生回路4は被検体Pに対してマルチX線発生装置1の4個のX線発生デバイス1a〜1dを順次に切換えながら、X線強度設定回路12が定めた各出力強度でX線ビームxを放射する。マルチX線発生装置1から照射されたX線ビームxは、被検体P中を減衰しながら透過して二次元X線センサ3に到達する。二次元X線センサ3は放射線を電気的な信号に変換することによって投影画像を得る。
【0036】
本実施形態において、上述したようにマルチX線発生装置1のX線発生デバイス1a〜1dの切換え順序は、例えば図4の(a)、(b)、(c)、(d)、(a)、(b)、・・・のようになされる。図4の(a)はX線発生デバイス1aからX線が照射している状態を示している。図4の(b)はX線発生デバイス1bからX線が照射されている状態を示している。図4の(c)はX線発生デバイス1cからX線が照射されている状態を示している。図4の(d)はX線発生デバイス1dからX線が照射されている状態を示している。
【0037】
更に時間の効率化を測るためには、複数のX線発生デバイス1a〜1dを同時に使用することが考えられる。しかしながら、X線発生デバイス1a〜1dのうち隣接するX線発生デバイスを同時に使用すると、二次元X線センサ3に到達するX線に重なり合う領域が発生し、投影画像データの補正を複雑にする問題や、X線センサ3のダイナミックレンジを越える虞れがある。そのため、少なくとも隣接するX線発生デバイス1a〜1dを同時に使用しないように、図5の(a)、(b)、(a)、(b)、・・・のようなX線照射順序が好適である。図5の(a)はX線発生デバイス1a及び1cからX線が照射されている状態を示している。図5の(b)は、X線発生デバイス1b及び1dからX線が照射されている状態を示している。
【0038】
インターフェース回路5は、二次元X線センサ3から出力された投影画像を前処理回路6に供給する。前処理回路6は投影画像に対して、オフセット補正処理やゲイン補正処理等の前処理を行う。この前処理回路6で前処理が行われた投影画像は、CPU8の制御により、バス7を介してメインメモリ9、画像処理回路13に転送される。
【0039】
なお本実施形態では、二次元X線センサ3及び前処理回路6は分離した構成となっているが、二次元X線センサ3及び前処理回路6を同一のセンサユニット内に構成してもよい。
【0040】
CPU8は、回転装置2を駆動して被検体Pを回転させながら、X線発生デバイス1a〜1dを順次に切換え、X線ビームxを放射するようにX線発生回路4を介してマルチX線発生装置1を制御する。この動作状態つまりCT走査状態中に、二次元X線センサ3は逐次に投影画像を取得し、取得した投影画像を順次インターフェース回路5に出力する。例えば、被検体Pが360度回転する間に1000枚の投影画像が二次元X線センサ3から出力されると、これらの投影画像はインターフェース回路5を介して前処理回路6に入力される。前処理回路6は投影画像に対して上述の処理を行って、処理した投影画像を画像処理回路13及びメインメモリ9に出力する。この撮影動作により、複数のX線発生デバイス1a〜1dを用いて、異なる方向から撮影した良好なX線撮影画像が得られる。
【0041】
画像処理回路13において、投影画像取得回路14はCT走査中に前処理回路6により処理された投影画像を順次に取得する。スライス設定回路15は操作パネル10からの入力に基づいてCT再構成する被検体領域を設定する。投影画像抽出回路16は、スライス設定回路15によって設定された被検体領域に基づいてCT再構成に用いる投影画像を抽出する。再構成回路17は抽出された複数の投影画像からCT画像を再構成する。
【0042】
図6において、二次元X線センサ3の第1、第2、第3、第4の撮像領域(ピクセル)3a、3b、3c、3dは、それぞれX線発生デバイス1a〜1dから照射されたX線ビームxが到達する領域である。また、図7において、投影画像のフレームF1〜F4は、CT走査中にX線発生デバイス1a〜1dから被検体Pに対してX線を照射することにより順次に取得した撮影された画像を示している。更に、図8に示す画像FFは、CT再構成処理により再構成されたCT画像である。
【0043】
図9は、画像処理回路13の動作処理フローチャートである。このフローチャートのプログラムコードは、メインメモリ9又は図示しないROMに格納され、CPU8により読み出され実行される。
【0044】
まず、CPU8は、入力デバイスである操作パネル10から撮影開始命令(X線の照射命令)を受信する。この撮影開始命令に応じてCT走査を実施すると、先ず投影画像取得回路14はバス7を介して前処理回路6で処理された投影画像の第1フレームF1を取得する。続いて、投影画像取得回路14は、同様に投影画像の第2フレームF2を取得し、更に図示しない第1000フレームまで順次に取得する(ステップS1)。このように4つのX線発生デバイス1a〜1dによるX線ビームxの照射を順次に切換え制御されている間、投影画像取得回路14は投影画像を取得する。
【0045】
従って、例えば投影画像の第1フレームF1、第5フレームF5、第9フレームF9などの第4n+1フレーム(n=0〜249)は、第1のX線発生デバイス1aからX線ビームxが照射されたときの投影画像となる。同様に、第4n+2フレーム(n=0〜249)は第2のX線発生デバイス1bからX線ビームxが照射されたときの投影画像である。更に、第4n+3フレーム(n=0〜249)、第4n+4フレーム(n=0〜249)はそれぞれ第3、第4のX線発生デバイス1c、1dからX線ビームxが照射されたときの投影画像である。
【0046】
次に、CPU8は、例えば操作パネル10から入力されたスライスすべき位置の座標に基づいて、入力座標に対応する断層画像を生成するためのCT再構成処理を、スライス設定回路15に設定する(ステップS2)。なお、スライスすべき位置(範囲)の入力は、例えばディスプレイ11に表示した任意の投影画像に対して、ポインティングデバイスを利用して入力する方法なども考えられる。
【0047】
続いて、投影画像抽出回路16は、図8に示されるような、前記処理ステップS2で設定されたスライス位置のCT画像FFを再構成するために必要な投影画像を抽出する(ステップS3、S4)。
【0048】
処理ステップS2で設定したスライス位置が二次元X線センサ3の第1の撮像領域3aに属すると、投影画像抽出回路16は、投影画像の第1フレームF1、第5フレームF5などの第4n+1フレーム(n=0〜249)を抽出する(ステップS4a)。同様に、第2、第3、第4の撮像領域3b、3c、3dに属する場合に、投影画像抽出回路16は、それぞれ投影画像の第4n+2フレーム、第4n+3フレーム、第4n+4フレーム(n=0〜249)を抽出する(ステップS4b〜S4d)。
【0049】
最後に、再構成回路17は、抽出した投影画像からCT画像FFを再構成し(ステップS5)、画像処理回路13の動作を終了する。なお、投影画像から再構成によりCT画像を取得する方法は周知のため説明を省略する。
【0050】
また本実施形態では、被検体Pが回転する構成としたが、被検体Pの周囲をマルチX線発生装置1と二次元X線センサ3を回転する構成にしても、同様の効果を得ることができる。
【0051】
このように第1実施形態によれば、マルチX線発生装置1を利用して被検体Pの各領域に応じた最適な照射線量を放射することが可能である。そのため、画質を維持しながら被曝量を低減する効果、或いは被曝量を維持しながら画質を向上させる効果が得られる。更に、X線ビームxの放射コーン角を小さくすることが可能であり、その結果、散乱線の影響及び再構成演算における誤差を低減し、画質低下を抑制することができる。
【0052】
なお、図1に示す前処理回路6,X線強度設定回路12,投影画像取得回路14,スライス設定回路15,投影画像抽出回路16,再構成回路17をソフトウェア的な機能としてCPU8に実行させてもよい。
【0053】
図15に示す放射線撮影制御装置は、前処理回路6,X線強度設定回路12,投影画像取得回路14,スライス設定回路15,投影画像抽出回路16,再構成回路17の機能をそれぞれCPU8の機能として実行させる形態である。図15において、CPU8が実行する機能である前処理部6´,X線強度設定部12´,投影画像取得部14´,スライス設定部15´,投影画像抽出部16´,再構成部17´は、それぞれ図1の前処理回路6,X線強度設定回路12,投影画像取得回路14,スライス設定回路15,投影画像抽出回路16,再構成回路17に対応する。図15に示す形態の場合、上述した各機能をCPU8に実行させるプログラムがメインメモリ9に格納される。
【0054】
[第2実施形態]
図10は第2実施形態の放射線撮影制御装置の構成図を示している。第1実施形態の放射線撮影制御装置との相違は、マルチX線発生装置1’のX線発生デバイスが二次元配置とされ、二次元X線センサ3’の撮像領域数と同数のX線源を備えている。また、画像処理回路13においては、投影画像抽出回路16が省略されている。
【0055】
図11はマルチX線発生装置1’の2次元的に配置されたX線発生デバイス1a’、1b’、1c’、・・と、二次元X線センサ3’の各撮像領域3a’、3b’、3c’、・・の幾何学的配置の模式図を示している。なお、X線発生デバイス1a’、・・と撮像領域3a’、・・は、1対1に対応している。X線発生デバイス1a’、1b’、・・は非常に細いX線ビームxつまりペンシルビームを照射し、照射されたX線ビームxは被検体Pを透過して二次元X線センサ3’の対応する撮像領域3a’、3b’、・・の1つに到達するようにされている。
【0056】
このように、それぞれのX線発生デバイス1a’、1b’、・・が、対向する撮像領域3a’、3b’、・・と1対1で対応するため、第1実施形態のようにX線発生デバイス1a’、1b’、・・を順次に切換えながらX線ビームxを照射する必要はない。従って、全てのX線発生デバイス1a’、1b’、・・から、同時にX線ビームxを撮像領域3a’、3b’、・・に放射することができる。このため、前処理回路6から画像処理回路13に転送される投影画像F1、F2、F3、・・は、図12に示すように全ての撮影領域を含んだものとなる。
【0057】
図11に示すような多数のX線発生デバイスを用いてX線を照射する場合、被検体Pの体格に応じてX線を照射する範囲を設定することが容易にできる。この場合、CPU8は、操作パネル10を介して入力された撮影部位情報および被検体Pの体格情報(大きさ情報)に基づいて、X線が照射される範囲および強度を設定するようX線強度設定回路12を制御する。X線強度設定回路12が有するメモリには、被検体Pの体格に対応するX線の照射範囲を考慮したX線の強度に関する情報が強度テーブルとして格納される。
【0058】
図14は、撮影部位が胸部〜腹部の場合において、二次元X線センサ3にX線が照射される範囲および強度が設定される一例を示すものである。図14において、参照番号14A〜14Cに示すとおり、被検体Pの体格が小柄になるに従って、X線を照射するX線発生デバイスの数を少なくする。これによって、被検体Pの体格が小柄になるに従って、X線の照射範囲が狭く設定される。すなわち、被検体Pの範囲外を照射することになるX線発生デバイスのX線の照射を制限しているため、無駄なX線の照射を制限することが可能になる。被検体Pの体格が小柄になるに従って、X線発生デバイスから照射されるX線の強度がそれぞれ弱く設定される。
【0059】
胸部〜腹部と同様に、他の撮影部位においても被検体Pの体格に対応するX線の照射範囲を考慮したX線の強度に関する情報が強度テーブルとしてX線強度設定回路12が有するメモリに格納される。
【0060】
図13はこの第2実施形態における画像処理回路13の処理フローチャート図である。CT走査を実施すると、画像処理回路13が有する投影画像取得回路14は、前処理回路6によって処理された第1フレーム〜第1000フレームまでの投影画像を順次に取得する(ステップS11)。
【0061】
次に、スライス設定回路15は操作パネル10から入力されたCT再構成処理により再構成する再構成画像のスライス位置の座標を設定する(ステップS12)が、この設定方法は第1実施形態と同様である。最後に、再構成回路17の作用により、処理ステップS11において取得した投影画像からCT画像FFを再構成し(ステップS13)、画像処理回路13の動作を終了する。
【0062】
このように第2実施形態によれば、X線発生デバイス1a’、1b’、・・と、二次元X線センサ3’の各撮像領域3a’、3b’、・・とを、同一の二次元配列で同数配置し、各X線源と各撮像領域が1対1に対応している。従って、回転軸と平行な方向に関しても被検体Pの各領域に応じた最適な照射線量を放射することが可能であり、その結果、画質を維持しながら被曝量を更に低減する効果、或いは被曝量を維持しながら画質を更に向上させる効果がある。また、X線ビームxは略平行ビームとなるため、従来装置と比較して再構成空間(FOV)を広くすることができる。
【0063】
なお、図10に示す前処理回路6,X線強度設定回路12,投影画像取得回路14,スライス設定回路15,再構成回路17をソフトウェア的な機能としてCPU8に実行させてもよい。
また、上記実施形態によれば、表1や図14に示したように体格に応じて管電流が変更されるが、これに限られるものではない。管電流に代えて、或いはそれに加えて、体格にしたがって管電圧を変更するようにしてもよい。
【0064】
図16に示す放射線撮影制御装置は、前処理回路6,X線強度設定回路12,投影画像取得回路14,スライス設定回路15,再構成回路17の機能をそれぞれCPU8の機能として実行させる形態である。図16において、CPU8が実行する機能である前処理部6´,X線強度設定部12´,投影画像取得部14´,スライス設定部15´,再構成部17´は、それぞれ図1の前処理回路6,X線強度設定回路12,投影画像取得回路14,スライス設定回路15,再構成回路17に対応する。図16に示す放射線撮影制御装置の場合、上述した各機能をCPU8に実行させるプログラムがメインメモリ9に格納される。
【0065】
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0066】
尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したコンピュータプログラムである。
【0067】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0068】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0069】
コンピュータプログラムを供給するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としては以下が挙げられる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などである。
【0070】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることが挙げられる。この場合、ダウンロードされるプログラムは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0071】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布するという形態をとることもできる。この場合、所定の条件をクリアしたユーザに、インターネットを介してホームページから暗号を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用して暗号化されたプログラムを実行し、プログラムをコンピュータにインストールさせるようにもできる。
【0072】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0073】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部或いは全てが実現されてもよい。この場合、機能拡張ボードや機能拡張ユニットにプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行なう。
【0074】
以上、好適な実施形態により本発明を説明したが、本発明は開示された好適な実施形態に限定されるものではないことは理解されるべきである。全ての変形及び等価な構成と機能をその範疇とするために、最も広い解釈が添付の特許請求の範囲に与えられるべきである。
【0075】
本願は、2006年11月9日提出の日本国特許出願特願2006−303538を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置であって、
被検体の部位に関する情報を入力する入力デバイスと、
前記入力デバイスによって入力された前記被検体の部位に関する情報に基づいて、前記マルチ放射線発生装置を制御するコントローラとを備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記複数の放射線発生デバイスから照射される放射線の強度を、前記入力デバイスによって入力された前記被検体の部位に対応させるために、前記マルチ放射線発生装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記複数の放射線発生デバイスのうち、前記入力デバイスによって入力された前記被検体の部位以外に照射することになるX線発生デバイスの照射を禁止することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置であって、
被検体の体格に関する情報を入力する入力デバイスと、
前記入力デバイスによって入力された前記被検体の体格に関する情報に基づいて、前記マルチ放射線発生装置を制御するコントローラとを備えることを特徴とする制御装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記入力デバイスによって入力される前記被検体の体格が小さくなるに従って、放射線の照射範囲を狭くするために、前記複数の放射線発生デバイスのうち放射線を照射する放射線発生デバイスの数を少なくすることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記入力デバイスによって入力される前記被検体の体格が小さくなるに従って、前記複数の放射線発生デバイスから照射されるX線の強度を小さくすることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項7】
放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置であって、
放射線の照射命令を入力する入力デバイスと、
前記放射線の照射命令に応じて、複数の放射線発生デバイスのうち、ある時刻に互いに隣接する放射線発生デバイスの両方から放射線が照射されないように、前記複数の放射線発生デバイスからのX線の照射を制御するコントローラとを備えることを特徴とする制御装置。
【請求項8】
放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置の制御方法であって、
被検体の部位に関する情報を入力デバイスから入力するステップと、
前記入力デバイスによって入力された前記被検体の部位に関する情報に基づいて、コントローラが前記マルチ放射線発生装置を制御するステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
前記コントローラは、前記複数の放射線発生デバイスから照射される放射線の強度を、前記入力デバイスによって入力された前記被検体の部位に対応させるために、前記マルチ放射線発生装置を制御することを特徴とする請求項8に記載の制御装置の制御方法。
【請求項10】
前記コントローラは、前記複数の放射線発生デバイスのうち、前記入力デバイスによって入力された前記被検体の部位以外に照射することになるX線発生デバイスの照射を禁止することを特徴とする請求項8に記載の制御装置の制御方法。
【請求項11】
放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置の制御方法であって、
被検体の体格に関する情報を入力デバイスから入力するステップと、
前記入力デバイスによって入力された前記被検体の体格に関する情報に基づいて、コントローラが前記マルチ放射線発生装置を制御するステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項12】
前記コントローラは、前記入力デバイスによって入力される前記被検体の体格が小さくなるに従って、放射線の照射範囲を狭くするために、前記複数の放射線発生デバイスのうち放射線を照射する放射線発生デバイスの数を少なくすることを特徴とする請求項11に記載の制御装置の制御方法。
【請求項13】
前記コントローラは、前記入力デバイスによって入力される前記被検体の体格が小さくなるに従って、前記複数の放射線発生デバイスから照射されるX線の強度を小さくすることを特徴とする請求項11に記載の制御装置の制御方法。
【請求項14】
複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置から2次元平面センサに照射する放射線を制御する制御装置の制御方法であって、
放射線の照射命令を入力デバイスから入力するステップと、
前記放射線の照射命令に応じて、複数の放射線発生デバイスのうち、ある時刻に互いに隣接する放射線発生デバイスの両方から放射線が照射されないように、コントローラが前記複数の放射線発生デバイスからのX線の照射を制御するステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置の制御方法を実行するプログラムを記憶したコンピュータ可読メモリであって、前記制御方法は、
被検体の部位に関する情報を入力デバイスから入力するステップと、
前記入力デバイスによって入力された前記被検体の部位に関する情報に基づいて、コントローラが前記マルチ放射線発生装置を制御するステップとを有することを特徴とするコンピュータ可読メモリ。
【請求項16】
前記コントローラは、前記複数の放射線発生デバイスから照射される放射線の強度を、前記入力デバイスによって入力された前記被検体の部位に対応させるために、前記マルチ放射線発生装置を制御することを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ可読メモリ。
【請求項17】
前記コントローラは、前記複数の放射線発生デバイスのうち、前記入力デバイスによって入力された前記被検体の部位以外に照射することになるX線発生デバイスの照射を禁止することを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ可読メモリ。
【請求項18】
放射線を2次元平面センサに照射する複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置を制御する制御装置の制御方法を実行するプログラムを記憶したコンピュータ可読メモリであって、前記制御方法は、
被検体の体格に関する情報を入力デバイスから入力するステップ
前記入力デバイスによって入力された前記被検体の体格に関する情報に基づいて、コントローラが前記マルチ放射線発生装置を制御するステップとを有することを特徴とするコンピュータ可読メモリ。
【請求項19】
前記コントローラは、前記入力デバイスによって入力される前記被検体の体格が小さくなるに従って、放射線の照射範囲を狭くするために、前記複数の放射線発生デバイスのうち放射線を照射する放射線発生デバイスの数を少なくすることを特徴とする請求項18に記載のコンピュータ可読メモリ。
【請求項20】
前記コントローラは、前記入力デバイスによって入力される前記被検体の体格が小さくなるに従って、前記複数の放射線発生デバイスから照射されるX線の強度を小さくすることを特徴とする請求項18に記載のコンピュータ可読メモリ。
【請求項21】
複数の放射線発生デバイスを有するマルチ放射線発生装置から2次元平面センサに照射する放射線を制御する制御装置の制御方法を実行するプログラムを記憶したコンピュータ可読メモリであって、前記制御方法は、
放射線の照射命令を入力デバイスから入力するステップと、
前記放射線の照射命令に応じて、複数の放射線発生デバイスのうち、ある時刻に互いに隣接する放射線発生デバイスの両方から放射線が照射されないように、コントローラが前記複数の放射線発生デバイスからのX線の照射を制御するステップとを有することを特徴とするコンピュータ可読メモリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−50848(P2012−50848A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236473(P2011−236473)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2009−515367(P2009−515367)の分割
【原出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】