マークカード及びマークカード読取システム
【課題】マークカードの原データの記述を確保すると共に、議決権行使の集計の正当であるとの証明性を確保できるマークカード及びマークカード読取システムを提供する。
【解決手段】
所定形状のマークカードCにおいて、受付番号の領域C1と、回答者が記入する領域C3と、第三者が目視判断して記入する領域C4と、を備えたマークカードである。回答者が記入する領域C3と第三者が目視判断して記入する領域C4と、を異なる位置に形成すると共に、回答者が記入する領域C3と第三者が目視判断して記入する領域C4を同じ内容にした。
【解決手段】
所定形状のマークカードCにおいて、受付番号の領域C1と、回答者が記入する領域C3と、第三者が目視判断して記入する領域C4と、を備えたマークカードである。回答者が記入する領域C3と第三者が目視判断して記入する領域C4と、を異なる位置に形成すると共に、回答者が記入する領域C3と第三者が目視判断して記入する領域C4を同じ内容にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマークカード及びマークカード読取システムに係り、特に株主総会において、議決権行使に好適なマークカード及びマークカード読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、株主総会は、株式会社の機関の一つであり、株主を構成員とし、会社の基本的な方針や重要な事項を決定するが、株主は、原則としてその所有する株式数に応じて一定の量の議決権を株主総会において行使できる。
【0003】
日本においては、例外的に、当該会社が保有する自己株式と、相互保有株式(4分の1以上保有される会社等の保有する株式)などは議決権がない(会社法308条1項及び2項)。また、種類株式のうち議決権制限株式については、その性質上は議決権が行使できると定めた事項以外について議決権がない。このように、議決権の行使には一定の条件等が存在する。そして、これらの株主の議決権の行使は、従来、マークカードを読み取ることによって、行う技術が知られている。
【0004】
例えば、画像読取装置によって読み取られた所定のシートの画像情報に基づいて前記シートに記載された情報データを出力する画像情報処理装置及び画像情報処理方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−132303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この技術では、予め、マークカード(或いはマークシート、以下同じ)等のレイアウト情報と、回答欄に記載される情報データのチェック条件とを記憶しておき、読み取りが行われたカードのレイアウト情報が存在するかどうか照合が行われ、該当するレイアウト情報があった場合には、このレイアウト情報に基づいて回答欄に記載された情報データを抽出し、チェックを行う。この判定結果に応じて、情報データを所定の形式の結果情報として出力する。これにより、関連性を有するマーク欄のチェックを行うことが可能で、複数の種類のカードを包括的に取り扱うことが可能な技術である。
【0007】
しかし、特許文献1の技術は、カードのレイアウト情報と、読み取った回答欄との照合によって判別する技術であるため、マークカードへの記述において、記述する人によりバラツキが発生したものに対応するためには、リーダーでの読み取りの精度を下げる必要があり、株主総会等の迅速に且つ正確に読み取って対処する必要のある場合には、対応することが困難であった。
【0008】
つまり、記述する人によるバラツキを吸収するためには、リーダーの読み取り精度を下げる必要があるため、結果的には、リーダーでの読み取り処理時間が長くなり、株主総会のような迅速且つ正確という要望を満たすことができず、株主総会の運営上のネックになっていた。
特に、マークカードへマーク記述をするときに、記述位置ずれ、記述の濃淡、汚れなどにより、リーダーで正確に読み取れない場合において、対応することが困難であった。
【0009】
一般に、株主総会受付システムとしては、図11で示すように、株主100が総会受付110で、議決権行使書(招集通知書)120の株主バーコードを読み取り、或いは議決権行使書(招集通知書)120の名前で照会し、総会受付110で直ちに株主100に受付票と議決権行使書(投票用紙)130を発行する。このとき、総会受付110では、コンピュータ装置(データベースサーバ)140で登録情報を照会し、受付情報を登録する。
【0010】
また、このとき、議決権行使書のない株主100は、コンピュータ装置(データベースサーバ)140で照会して確認する。また、コンピュータ装置(データベースサーバ)140から出力手段160としてのディスプレイに表示し、来場者状況(出席者総数、総票数)の即時把握を同時に行う。さらにコンピュータ装置(データベースサーバ)140からの出力により、携帯端末その他の通信手段170を用いて、VIP株主100の入場を即時表示し、関係部門へ知らせる等を行うものである。
【0011】
また、議決権行使書集計システムとしては、図12で示すように、マークカード方式の議決権行使書(投票用紙)130を総会終了後、直ちに回収し、即時に集計して、事前集計分と合わせて総トータルを計算し、出力手段160のディスプレイ等で表示し報告する。この集計手順としては、1.事前に株主100から受領した前日までの事前行使分(郵送投票+インターネット投票等)を、コンピュータ装置(データベースサーバ)140に登録する。2.当日行使分である株主100から回収した議決権行使書(投票用紙)130をOMR(マークシートリーダー)150で読み取る。3.事前行使分と当日行使分をコンピュータ装置(データベースサーバ)140で計算(合算)する。4.集計結果の賛成票数、反対票数およびその割合を、コンピュータ装置(データベースサーバ)140で計算して、出力手段160としてのディスプレイに表示し、報告する。
【0012】
ここで、議決権行使集計システムにおいて、リーダーで正確に読み取れないようなマークカードの記述データを入力する方法は、
A.目視により判断して、マークカードを正確に読み取れるように修正や加筆などをして、リーダーで再度読み取りをさせて入力する方法、
B.目視により判断して、手入力する方法、
等が知られている。ここで、大量にマークカードの読み取り処理を短時間で行う場合は、前者のリーダーで再度読み取りをさせる方法が有利である。
【0013】
例えば、上記のような議決権行使確認書集計システムで用いる従来の議決権行使書(投票用紙)130は、図13で示すように、各議案に対応するカラム131に、賛成或いは反対のマーク欄を塗り潰すものであった。賛成/反対の数をカウントするが、賛否両方にマークしてある場合、書き直しや一度消したものが中途半端であった場合などでは、エラーとなってしまう。なお図10符号131tはタイミングマークであり、符号132は氏名記述欄、符号136はバーコードエリアである。
【0014】
一般に、株主総会の議決権行使の場合、株主総会に出席した株主が、マークカードにマークを記述し、議決権行使する。このとき記述したマークを、リーダーで正確に読み取れない場合に、前記A方式の場合、第三者が目視判断してマークカードへ修正や加筆をすると、株主が議決権行使した原データが加工されてしまうことになり、後日何らかの理由で原データを確認する必要があったとしても元の状態にはならないという不都合があった。
【0015】
また、前記B方式の場合、目視により判断して、手入力するときは、原データは残っているが、手入力したデータとの整合チェックがしづらく、議決権行使の集計の正当であるとの証明性に欠けるという不都合があった。
【0016】
本発明の目的は、マークカードをリーダーで読み取りが困難な場合であっても、再度のリーダーで読み取りを可能にして、マークカードの原データの記述を確保すると共に、議決権行使の集計の正当であるとの証明性を確保できるマークカード及びマークカード読取システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題は、本発明のマークカードによれば、所定形状のマークカードにおいて、受付番号の領域と、回答者が記入する領域と、第三者が目視判断して記入する領域と、を備えたマークカードであって、前記回答者が記入する領域と前記第三者が目視判断して記入する領域と、を異なる位置に形成すると共に、前記回答者が記入する領域と第三者が目視判断して記入する領域を同じ内容にしたこと、により解決される。
【0018】
このように、回答者が記入する領域と第三者が目視判断して記入する領域と、を異なる位置に形成すると共に、回答者が記入する領域と第三者が目視判断して記入する領域を同じ内容にしたことにより、マークカードの回答者が記入する領域が、リーダーで正確に読み取れない場合に、第三者が目視判断して記入する領域に第三者が目視判断して修正内容を訂正・加筆することができる。そして、リーダーで読み取ったデータのうち、第三者が目視判断して記入する領域に記述したデータが存在している場合に、この第三者が目視判断して記入する領域の記述データを採用し、集計処理をすることが可能となる。しかも、マークカードには、原データと目視判断データが残っているので、後日何らかの理由で原データを確認する必要があった場合には、そのまま整合性のチェックができて、議決権行使集計の正当性の証明が可能となる。
【0019】
このとき、前記マークカードの第三者が目視判断して記入する領域は、前記回答者が記入する領域と隣接して設けられていると好適である。このように隣接しているので、確認領域の配置場所が、バーコードを目印として、確認作業をより確実にすることが可能となる。
【0020】
また、前記回答者が記入する領域と前記第三者が目視判断して記入する領域には、複数の項目と複数のマーク記入の欄とが形成され、前記回答者が記入する領域の複数のマーク記入の欄と前記第三者が目視判断して記入する領域には、前記回答者が記入する領域の複数のマーク記入の欄に対応した複数のマーク記入の欄が設けられていると好適である。
このように、回答者が記入する領域と第三者が目視判断して記入する領域とが対応しているので、対比が容易であり、明確に特定できる。
【0021】
前記課題は、本発明のマークカード読取システムによれば、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマークカードを読み取るマークカード読取システムであって、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄に読み取りできない項目が存在した場合に、前記第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄の情報より、優先して取り込んだこと、により解決される。
【0022】
より詳しくは、前記マークカード読取システムは、コンピュータ装置と、マークカードを読み取る読取装置と、を備え、前記コンピュータ装置は、中央演算装置と、出力手段と、記憶手段と、入力手段とを備え、前記中央演算装置は、前記マークカードを前記読取装置で読み込み、該読み込み込まれた情報を前記記憶手段に記憶させ、前記読取装置で読み込んだ前記マークカードと、前記記憶手段に事前に登録された議決権行使と合算して集計し、該集計の結果を前記出力手段によって出力する制御を行うものである。
【0023】
そして、前記マークカードを前記読取装置での読み込みは、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄を読み取り、読み取りができない項目が存在した場合に、前記第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄の情報より、優先して取り込み、同時に、前記第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を優先した場合に、前記マークカードの読み込みにフラグを立てるように構成することができる。
【0024】
以上のように、マークカード方式の議決権行使集計が容易となり、マークカードを手渡すことでスピーディーな受付処理や、出席者状況の即時把握が可能となり、マークカードが、エビデンスとして保管ができる等のマークカード読取システムを提供することが可能となる。さらに、第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を優先した場合に、フラグが立てられているので、データとしても抽出等が容易になる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明によれば、マークカードの回答者が記入する領域が、リーダーで正確に読み取れない場合に、第三者が目視判断して記入する領域に第三者が目視判断して修正内容を加筆することができる。そして、リーダーで読み取ったデータのうち、第三者が目視判断して記入する領域に記述したデータが存在している場合に、この第三者が目視判断して記入する領域の記述データを採用し、集計処理をすることが可能となる。しかも、マークカードには、原データと目視判断データが残っているので、後日何らかの理由で原データを確認する必要があった場合には、そのまま整合性のチェックができて、議決権行使集計の正当性の証明が可能となる。
また、マークカード読取システムによれば、マークカード方式の議決権行使集計が容易となり、マークカードを手渡すことでスピーディーな受付処理や、出席者状況の即時把握が可能となり、マークカードが、エビデンスとして保管でき、低コストで確実なサービスの提供を図ることが可能となる。さらに、第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を優先した場合に、フラグが立てられているので、データとしても抽出等が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】本発明に係るマークカードの一例を示す説明図である。
【図1B】本発明に係るマークカードの他の例を示す説明図である。
【図2】本発明に係るマークカード読取システムの構成図である。
【図3】マークカード及びマークカード読取システムの説明図である。
【図4】マークカード及びマークカード読取システムの説明図である。
【図5】マークカード読取システムを用いた集計状況の説明図である。
【図6】読取処理動作を示すフローチャートである。
【図7】読取処理動作を示すフローチャートである。
【図8A】読取処理動作を示すフローチャートである。
【図8B】読取処理動作を示すフローチャートである。
【図9A】マーク位置テーブルの説明図である。
【図9B】マーク位置テーブルの説明図である。
【図10】カード先端位置検出処理の説明図である。
【図11】従来の株主総会受付システムの説明図である。
【図12】従来の議決権行使書集計システムの説明図である。
【図13】従来のマークカードの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する構成、手順等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1A〜図10は本発明の実施形態に係るものであり、図1A及び図1Bはマークカードの例を示す説明図、図2はマークカード読取システムの構成図、図3及び図4はマークカード及びマークカード読取システムの説明図、図5はマークカード読取システムを用いた集計状況の説明図、図6乃至図8Bは読取処理動作を示すフローチャート、図9A及び図9Bはマーク位置テーブルの説明図、図10はカード先端位置検出処理の説明図である。
【0028】
図1Aは、マークカードの一例を示す説明図であり、マークカードCは、所定形状(本実施形態では縦長の長方形)をした、紙媒体から形成されている。なお紙媒体以外に合成樹脂シートその他の材料を用いることも可能である。そして、マークカードCには、受付番号の領域C1と、議案等の領域C2と、回答者が記入する領域C3と、第三者が目視判断して記入する領域C4と、受付番号に対応するマーカ(プレマーク)領域C5と、が印刷手段等により、各領域を分けて記載されている。ここで印刷手段としては、インク等を用いることは当然であるが、レーザーマーカーその他の手段によって行ってもよい。また上記マーカ(プレマーク)領域C5はバーコード領域としてもよい。なお、符号C6は切り欠き部あり、マークカード揃え用のコーナーカット部である。
【0029】
具体的には、マークカードCの上方に受付番号の領域C1として所定の番号(本例では0123)が記載され、この隣にマーカ(プレマーク)領域C5として受付番号に対応するカラムが2段、四角枠内に形成されている。
【0030】
そして、受付番号の領域C1の下方には、議案等の領域C2と、この議案等の領域C2に連続して、回答者が記入する領域C3と、第三者が目視判断して記入する領域C4とが、同一行であるが、異なる位置に形成されている。なお、前記回答者が記入する領域C3と第三者が目視判断して記入する領域C4は、同じ内容としている。より具体的には、回答者が記入する領域C3、つまり株主(回答者)が使用する領域と、第三者が目視判断して記入する領域C4、つまり目視判断して、加筆する領域には、それぞれ同じ内容で、複数のカラム11,12・・・が印刷等によって形成されている。
【0031】
ここで、マークカードCにおいて、タイミングマークに対応した列で記入空間のあるものをカラムと称し、図1Aを例にすると、先頭の記入用マーク欄の行から11,12,…としている。なお,図において、13tや31tは、カラムの記入用のタイミングではないが、例えば13tは受付番号の下に存在する記号Ztで示す線分を示すタイミングマークであり、31tは終了位置のタイミングマークである。
またマークカードCのカラム11,12・・・の一方の端(図1Aでは右端)には、各カラム11,12、・・・に合わせて、タイミングマーク11t,12t、・・・が印刷等によって形成されている。
【0032】
なお、図1Bで示すように、マークカードCの先端部に近い部分である先頭のタイミングマークと最後のタイミングマークのそれぞれにカード識別マークとしてのタイミングマークXt,Ytを別途、印刷しておくこともできる。
このカラム11,12・・・は、例えばカラム11(タイミングマーク14tに対応)には第1号議案、カラム12(タイミングマーク15tに対応)には第2号議案等のように所定数の議案が割り当てられ、例えば、信任或いは新任役員等についての記載等が割り当てられ、賛成・反対・棄権のマーキングができるように構成されている。
【0033】
また回答者が記入する領域C3と、第三者が目視判断して記入する領域C4は連続した一行に形成されており、異なる位置であるが、同じ数のカラムが形成されている。このように、回答者が記入する領域C3のマーク記入欄と、第三者が目視判断して記入する領域C4のマーク記入欄は同数形成されて、対応するようになっている。例えば上記カラム11(タイミングマーク14tに対応)の場合、回答者が記入する領域C3には「賛成」「反対」「棄権」に対応するマーク記入欄が設けられ、さらに同じ行で連続して、第三者が目視判断して記入する領域C4にマーク記入欄は同数形成されて「賛成」「反対」「棄権」に対応するように形成されている。
【0034】
次に、上記マークカードCを読み取るマークカード読取システムSについて説明する。
マークカード読取システムSは、図2で示すように、コンピュータ装置30と、マークカードCを読み取る読取装置40としてのOMRと、その他の公知の周辺機器により構成されるものである。
【0035】
コンピュータ装置30には、システム全体を制御する中央演算装置(CPU:マイクロプロセッサ)31と、出力手段32であるディスプレイ,プリンタ,外部出力(通信端部:有線無線を問わない)と、記憶手段33であるHDD,CD,DVD,BL,ROMその他の記憶装置と、入力手段34であるキーボード,タッチパネル,バーコードリーダー,外部信号入力(赤外線,ブルートゥース,電波、音波等の受信部)等を備えている。
そして、上記記憶手段33には、株主情報・事前議決権行使情報・来場者情報などを格納したデータベース(DB)、マークカードCの照合のためのマーク位置テーブル等が記憶されている。なお、中央演算装置(CPU:マイクロプロセッサ)31は、不図示のROM等にシステム全体を制御するプログラム等を読み込み制御するように構成されている。
【0036】
マークカードCを読み取る読取装置40としてのOMRの構成は、マーク検出部41と、読取部42と、マークカード挿入部43と、マークカードスタッカ44とを主要構成要素としている。
【0037】
読取装置40では、複数のマークカードCが、マークカード挿入部43の一括挿入部(不図示)から挿入され、この一括挿入部に投入されたマークカードCは、一枚繰り出し部から、1枚ずつ繰り出されて装置内に搬入される。そして、カード読み取りユニットのマーク検出部41で検出し、読取部42で光学的に読み取り処理される。そして、中央演算装置(CPU:マイクロプロセッサ)31によって、操作に関する情報や読み取られた情報は、出力手段32へ伝達され、例えば液晶表示パネルに表示される。なお液晶表示パネルをタッチパネルとすることにより、オペレータ等の指示を入力するためのキー機構としての役割を兼用することができる。
読み取られたマークカードCは、マークカードスタッカ44にスタックされる。このとき、マークカードスタッカ44には、読み取りできたものをスタッカする部分と、読み取りできない(後述のエラー処理をした)ものをスタッカする部分の2つのスタッカ部分を設けている。
【0038】
なお、上記例では2つのスタッカ部分を設けている例を示したが、読み取れない場合には、読取装置40を停止するように構成する変形例とすることもできる。この場合には、読み取りできない(後述のエラー処理をした)マークカードCは、読取装置40の所定場所で停止された状態に残存しており、これを手動等により、取出し、取り出したマークカードCは、エラー処理用として別の処理を行うように蓄積しておく。このような変形例の場合には、スタッカが一つであり、仕分け等が不要となり、装置自体が安価になると共に、読み取りできない(後述のエラー処理をした)マークカードCを確実に特定することができる。
【0039】
マーク検出部41は、読み取ったマークカードCのイメージから、図9A(A)で示すように、マークカードCの識別マークの位置についてマークの有無を検出し、マークのある部分(黒)を「1」、マークのない部分(マークカードCの地色)を「0」として、12ビットの有効情報を含むコードにコード化し、カード識別コードを得る。
このカード識別コードにより予め用意されたマーク位置テーブルが参照される。ここで、マーク位置テーブルは、図9A(B)に示すようなデータ構成になっており、マークの有無を検出する必要のあるマーク欄の位置を特定するための位置情報が記憶されている。このマーク位置テーブルは、マークカードCの特定および表面と裏面を識別するカード識別マークXt,Ytから得られるカード識別コードごとに設けられている。
また、マーク位置テーブルには,図9A(B)のように,各タイミングマークのカラムごとにマークの有無を検出すべきマーク欄の個数とそのマーク欄の位置が記憶されている。
【0040】
そして、Yn:タイミングマークの先端から各マーク欄までの距離、Hn:各マーク欄の基準位置(Zt)からの距離として、マーク欄の特定を行う。例えば、回答者が記入する領域C3及び第三者が目視判断して記入する領域C4についてのマーク位置テーブルでは、カラム11の場合、マークの有無を検出すべきマーク欄が6個(回答者が記入する領域C3が3個、第三者が目視判断して記入する領域C4が3個)である。その位置は,「賛成」の場合は、カラム11のタイミングマーク14tの先端からマーク欄までの距離(Y1)、基準位置(Zt)からのマーク欄の幅(H1:基準位置Ztからの距離)としている。このとき、特定された位置に記載幅α及び高さβを許容範囲として付加するようにすると好適である。
【0041】
また、「反対」の場合は、カラム11のタイミングマーク14tの先端からマーク欄までの距離(Y2)、基準位置(Zt)からのマーク欄の幅(H1:基準位置Ztからの距離)としている。同様に「棄権」の場合は、カラム11のタイミングマーク14tの先端からマーク欄までの距離(Y3)、基準位置(Zt)からのマーク欄の幅(H1:基準位置Ztからの距離)としている。このようにして、回答者が記入する領域C3の場合、マーク検出部41は、カラム11については、タイミングマーク14tの先端から距離Y1〜Y6、距離H1の分だけ、マークの有無を検出する。同様に、カラム12については、タイミングマーク15tの先端から距離Y1〜Y6、距離H2の分だけ、マークの有無を検出する。
このとき、上述のように、特定された位置に、記載幅α及び高さβを許容範囲として付加するようにすると好適である。
【0042】
そして、上記の「賛成」「反対」「棄権」に対応するように、第三者が目視判断して記入する領域C4については、図9A(A)(B)で示すように、Y4〜Y6、H1として、この範囲だけ、マークの有無を検出する。
第三者が目視判断して記入する領域C4の場合、マーク検出部41は、カラム11のマーク読み取りエリアの幅H1で、タイミングマーク14tの先端から距離Y4〜Y6の範囲で、各Y4,Y5,Y6の長さ分の範囲だけ、マークの有無を検出する。
そして、読み取ったマーク位置を、対象とするマーク位置テーブル(順方向あるいは逆方向)が適用されるように構成されている。
【0043】
なお、マークカードCの別例として図1Bで示されるように、マークカードCの先端部に近い部分に、前述した記載面の識別マークXt、Ytが記載されている場合には、マークカードCの表裏両面を読み取るために、マーク検出部41で検出したマークカードCの表裏のいずれか一方を読み取れるように、マークカードCに対して両面側(表裏側)に読取部42を2つ設けており、識別マークXt、Ytの位置で、後述するように、識別マークXt、Ytの有無を確認し、識別マークXt、Ytのある面側(つまりマークカードCの表面または裏面のいずれか一面)を読取部42で読み取る。読み取られたマークカードCは、マークカードスタッカ44へ格納される。また、識別マークXt、Ytの位置の範囲まで読み込んで、識別マークXt、Ytを検出できない場合には、マークカードCの印刷面が裏側にあるため、裏側の読取部42によって読み取るようになっている。さらに本実施形態では識別マークXtが順方向、識別マークYtは逆方向、というように、識別マークXt、Ytの検出によって、表と裏、順と逆というように、対象とするマーク位置テーブルが適用されるように構成されている。
【0044】
中央演算装置(CPU:マイクロプロセッサ)31は、2つの読取部42を制御し、これらから読み取られたイメージを解析して、マーク検出等を行う。なお、各装置間は、インタフェース・電源コネクタ等が設けられ、これらには,インタフェースケーブル,電源ケーブル等が接続される。
読取部42では、記憶手段33に格納されたマーク位置テーブルを参照して,参照したマーク位置テーブルと照合し、指定されているマーク欄についてのみマークの有無を検出する。検出したマークの有無の情報は,カード識別コードとともに,マークカードCの読み取り結果として出力手段32側へ出力する。マーク位置テーブルは、前述したように、表と裏、順と逆とに対応した複数のデータテーブルから構成されている。
【0045】
このとき、読み取った情報において、回答者が記入する領域C3に読み取りできない項目が存在した場合に、後述するように、第三者が目視判断して記入する領域C4に記入された複数の項目とマーク記入の欄から得た情報を、回答者が記入する領域C3の複数の項目とマーク記入の欄に記述された情報より、優先して取り込むものである。
【0046】
なお、マークカードCの読み取り結果から,必要なマークが記入されているか、マーク数が多過ぎないかなどの記入に関する論理チェック、存在しない部分が指定されていないかなどの運用に関する論理チェックを必要に応じて行うように構成されている。
【0047】
本発明に係る株主総会受付システムとしては、図3で示すように、株主50が総会受付51で、議決権行使書(招集通知書)52の株主バーコードを読み取り、或いは議決権行使書(招集通知書)52の名前で照会し、総会受付51で直ちに株主50に受付票と議決権行使確認書(投票用紙)であるマークカードCを発行する。このとき、総会受付51では、コンピュータ装置30に登録情報を照会し、受付情報を登録する。
【0048】
また、このとき、議決権行使確認書のない株主50は、コンピュータ装置30に照会して確認する。また、コンピュータ装置30の出力手段32としてのディスプレイに表示し、来場者状況(出席者総数、総票数)の即時把握を同時に行う。さらにコンピュータ装置30からの出力により、携帯端末その他の通信手段57を用いて、VIP株主50の入場を即時表示し、関係部門へ知らせる等を行うものである。株主総会受付システムとしては、前記した従来技術と同様である。
【0049】
議決権行使確認書集計システムとしては、図4で示すように、マークカードCを総会終了後、直ちに回収し、即時に集計して、事前集計分と合わせて総トータルを計算し、出力手段32のディスプレイ等で表示し報告する。集計手順としては、前記した従来技術と同様である。
以上のように、議決権行使確認書集計を表示報告する場合には、一例として、図5で示されるような表示で報告が行われる。
【0050】
図10は,マークカード読取システムSにおけるマークカードCの先端の検出処理を説明するための図である。マークカードCの読取部42(表裏のどちらでも対応可能にした場合は、表裏側で2箇所)では、イメージセンサ42aがマークカードCの搬送方向に対して垂直方向に設けられており、マークカードCの幅に対応する上下部分の特定の各8ビットのうち各4ビット以上のイメージセンサ42aの出力信号が変化した場合に、マークカードCの先端と判断する。この先端の検出により、マークカードCのイメージを二値入力する。これにより、マークカードCの先端の検出処理を行う。
【0051】
マークカード読取システムSの読み取り処理について、図6乃至図8の処理フローを参照して説明する。
先ずマークカードCを読取装置40の一括挿入部に配置して、読取装置40によって読み取り処理を開始すると、図6で示すように、ステップS1では、一括挿入部から挿入されたマークカードCを、読取部42に向かって搬送する。
【0052】
ステップS2では、読取部42におけるマークカードCの先端検出処理を行う。なお、この先端検出処理については,図10に基づいて既に説明した。読取部42(読取部は、表裏のどちらでも対応可能にした場合は、マークカードCを挟んで2個設けられている)において、マークカードCの先端を検出しない場合(S2:No)、検出するまでカード先端検出処理を行う。表面側だけを対応可能にした場合は、マークカードCの先端を検出したならば(S2:Yes)、ステップS10の処理を行う(図6の鎖線矢印参照)。
【0053】
一方、表裏のどちらでも対応可能にした場合は、マークカードCの先端を検出したならば(S2:Yes)、ステップS3で、記述面かどうか判断する。記述面(印刷面)である場合(S3:Yes)、裏面側マーク検出部を停止し(S4)、記述面でない場合(S3:No)、表面側マーク検出部を停止する(S5)。
【0054】
次に、ステップS6で、停止されていない読取部42を作動させ、マークカードCのイメージを光学的に読み取る。ステップS7では,読み取ったイメージからタイミングマークを検出する。なお,タイミングマークの検出処理は,イメージの読み取りを開始したならば、全部の読み取りが終了するのを待たずに開始し、イメージの読み取りと並行して実行することができる。
【0055】
ステップS7では、タイミングマークを検出した場合(S7:Yes)、ステップS8でマークカードCの表面側を読み取る読取部42によって読み取りを行う。一方、タイミングマークを検出しない場合(S7:No)、ステップS9で、マークカードCの裏面側を読み取る読取部42によって読み取りを行う。
また、ステップS8及びステップ9で検出したタイミングマークについて、ステップS10でマークカードCのイメージの下側にあるか上側にあるかを判別する。つまり、マークカードCが正方向か逆方向かを判定する。マークカードCが正方向であれば(S10:Yes)、ステップS11、S12の処理を行い、マークカードCが逆方向であれば(S10:No)ステップS13、S14の処理を行う。
【0056】
ステップS11では,正方向のマークカードCのイメージからカード識別マークを解析し,カード識別コードを得る。ステップS12では,カード識別コードに対応するマーク位置テーブルを選択する。
【0057】
ステップS13では,逆方向のマークカードCのイメージからカード識別マークを解析し,カード識別コードを得る。ステップS14では,カード識別コードに対応するマーク位置テーブルを選択する。
ステップS11またはステップS13によって,カード識別コードに対応するマーク位置テーブルが選択されるので,読み取ったマークカードCのイメージが正逆どちらでも,以下の処理において,一律に正しいマーク位置についてのマーク検出を行うことができることになる。
【0058】
ステップS15では,マークカードCのイメージから各カラム11,12,・・・を示すタイミングマーク14t,15t・・・を検出する処理を行う。タイミングマークを検出したならば、ステップS16では、マーク位置テーブルを参照し、該当するカラムにマークの有無を検出すべきマーク欄があるかどうかを判定する。マークの有無を検出すべきマーク欄があれば(S16:Yes)ステップS17の処理を行い、マーク欄がなければ(S16:No)ステップS19へ進む。
【0059】
次にステップS17のカラムの読み取り処理について、図8Aの処理フローに基づいて説明する。
カラムの読み取り処理は、図8Aで示すように、ステップS17aで、回答者が記入する領域C3において、読み取りができるかどうか判断する。ここで、読み取れる場合とは、前述したように、必要なマークが記入されているか、マーク数が多過ぎないかなどの記入に関する論理チェック、存在しない部分が指定されていないかなどの運用に関する論理チェックが正常に記載されている場合である。そして、読み取れる場合(ステップS17a:Yes)には、ステップ17bで回答者読み取り項目を採用し、ステップS17cで次項目あるかどうか判断し、次項目がある場合(ステップS17c:Yes)には、ステップS17aから処理を再度行う。
【0060】
一方、読み取れない場合(ステップS17a:No)、即ち、上述した論理チェックが正常でない場合には、ステップS17dで、第三者が目視判断して記入する領域C4において、読み取り項目にマーカーが付いているかどうか判断する。そして、マーカーが付いている場合(ステップS17d:Yes)、ステップS17eで第三者読み取り項目を採用して、ステップS17cの処理を行う。またマーカーが付いていない場合(ステップS17d:No)、ステップS17fでエラー処理を行う。エラー処理の場合、マークカードCを弾いて、マークカードスタッカ44に、読み取りできないものとして、排出される。
【0061】
このように、ステップS17の処理で、当該項目について、第三者が目視判断して記入する領域C4に記入された該当項目の内容を優先し、データ送信して記憶し、回答者が記入する領域C3に読み取りできない項目に代えて、第三者が目視判断して記入する領域C4に記入された該当項目の内容を採用するように処理される。
つまり、回答者が記入する領域C3に読み取りできない項目が存在する場合に、第三者が目視判断して記入する領域C4に記入された複数の項目とマーク記入の欄から得た情報を優先している。
【0062】
ステップS16及びステップ17では,マーク位置テーブルで指定された個数分のマーク欄についてマークの有無を検出する。マーク位置テーブル中で未処理の項目があるかどうか判別して、次項目がない場合に、読み取ったデータを、集計用の制御部へ送信する。
また、ステップS19では,カラムが終了したかどうかを判定する。カラムが残っていればステップS15の処理へ戻り、同様にマークの検出を繰り返す。カラムが全て終了したならば、読み取ったデータを、集計用の制御部へ送信して処理を終了する。
【0063】
図8Bは、ステップS17のカラムの読み取り処理について、別の処理フローを示したものである。基本的には、図8Aで示す処理が、回答者項目を最初に判断の対象にするのに対して、図8Bの処理が第三者が目視判断して記入する領域C4に記入された該当項目の内容を最初に判断の対象にした例を示すものである。なお、上記回答者項目か第三者の項目かの相違のみである。
【0064】
本発明では、読取装置40で正確に読み取れない場合に、第三者が目視判断してマークカードCの第三者枠へ加筆し、加筆したマークカードCの項目を読取装置40で読み取り、読取装置40で読み取ったデータのうち、第三者枠に記述データが存在したカラムは、第三者記述データを採用し、集計処理をする。このように、マークカードCに原データと目視判断データが残っているので、後日何らかの理由で原データを確認する必要があった場合には、そのまま整合性のチェックができて、議決権行使集計の正当性の証明ができる。
またマークカードCを読取装置40で読むときに、表裏、正逆などの方向を気にせずに一括して読取装置40に読み込ませることが可能となるので、迅速な集計処理が行える。
【符号の説明】
【0065】
C マークカード
C1 受付番号の領域
C2 議案等の領域
C3 回答者が記入する領域
C4 第三者が目視判断して記入する領域
C5 受付番号に対応するマーカ領域
C6 切り欠き部
11,12・・・ カラム
11t,12t・・・ タイミングマーク
Xt,Yt 識別マーク
S マークカード読取システム
30 コンピュータ装置
31 中央演算装置(CPU:マイクロプロセッサ)
32 出力手段
33 記憶手段
34 入力手段
40 読取装置
41 マーク検出部
42 読取部
42a イメージセンサ
43 マークカード挿入部
44 マークカードスタッカ
50 株主
51 総会受付
52 議決権行使書(招集通知書)
57 通信手段
【技術分野】
【0001】
本発明はマークカード及びマークカード読取システムに係り、特に株主総会において、議決権行使に好適なマークカード及びマークカード読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、株主総会は、株式会社の機関の一つであり、株主を構成員とし、会社の基本的な方針や重要な事項を決定するが、株主は、原則としてその所有する株式数に応じて一定の量の議決権を株主総会において行使できる。
【0003】
日本においては、例外的に、当該会社が保有する自己株式と、相互保有株式(4分の1以上保有される会社等の保有する株式)などは議決権がない(会社法308条1項及び2項)。また、種類株式のうち議決権制限株式については、その性質上は議決権が行使できると定めた事項以外について議決権がない。このように、議決権の行使には一定の条件等が存在する。そして、これらの株主の議決権の行使は、従来、マークカードを読み取ることによって、行う技術が知られている。
【0004】
例えば、画像読取装置によって読み取られた所定のシートの画像情報に基づいて前記シートに記載された情報データを出力する画像情報処理装置及び画像情報処理方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−132303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この技術では、予め、マークカード(或いはマークシート、以下同じ)等のレイアウト情報と、回答欄に記載される情報データのチェック条件とを記憶しておき、読み取りが行われたカードのレイアウト情報が存在するかどうか照合が行われ、該当するレイアウト情報があった場合には、このレイアウト情報に基づいて回答欄に記載された情報データを抽出し、チェックを行う。この判定結果に応じて、情報データを所定の形式の結果情報として出力する。これにより、関連性を有するマーク欄のチェックを行うことが可能で、複数の種類のカードを包括的に取り扱うことが可能な技術である。
【0007】
しかし、特許文献1の技術は、カードのレイアウト情報と、読み取った回答欄との照合によって判別する技術であるため、マークカードへの記述において、記述する人によりバラツキが発生したものに対応するためには、リーダーでの読み取りの精度を下げる必要があり、株主総会等の迅速に且つ正確に読み取って対処する必要のある場合には、対応することが困難であった。
【0008】
つまり、記述する人によるバラツキを吸収するためには、リーダーの読み取り精度を下げる必要があるため、結果的には、リーダーでの読み取り処理時間が長くなり、株主総会のような迅速且つ正確という要望を満たすことができず、株主総会の運営上のネックになっていた。
特に、マークカードへマーク記述をするときに、記述位置ずれ、記述の濃淡、汚れなどにより、リーダーで正確に読み取れない場合において、対応することが困難であった。
【0009】
一般に、株主総会受付システムとしては、図11で示すように、株主100が総会受付110で、議決権行使書(招集通知書)120の株主バーコードを読み取り、或いは議決権行使書(招集通知書)120の名前で照会し、総会受付110で直ちに株主100に受付票と議決権行使書(投票用紙)130を発行する。このとき、総会受付110では、コンピュータ装置(データベースサーバ)140で登録情報を照会し、受付情報を登録する。
【0010】
また、このとき、議決権行使書のない株主100は、コンピュータ装置(データベースサーバ)140で照会して確認する。また、コンピュータ装置(データベースサーバ)140から出力手段160としてのディスプレイに表示し、来場者状況(出席者総数、総票数)の即時把握を同時に行う。さらにコンピュータ装置(データベースサーバ)140からの出力により、携帯端末その他の通信手段170を用いて、VIP株主100の入場を即時表示し、関係部門へ知らせる等を行うものである。
【0011】
また、議決権行使書集計システムとしては、図12で示すように、マークカード方式の議決権行使書(投票用紙)130を総会終了後、直ちに回収し、即時に集計して、事前集計分と合わせて総トータルを計算し、出力手段160のディスプレイ等で表示し報告する。この集計手順としては、1.事前に株主100から受領した前日までの事前行使分(郵送投票+インターネット投票等)を、コンピュータ装置(データベースサーバ)140に登録する。2.当日行使分である株主100から回収した議決権行使書(投票用紙)130をOMR(マークシートリーダー)150で読み取る。3.事前行使分と当日行使分をコンピュータ装置(データベースサーバ)140で計算(合算)する。4.集計結果の賛成票数、反対票数およびその割合を、コンピュータ装置(データベースサーバ)140で計算して、出力手段160としてのディスプレイに表示し、報告する。
【0012】
ここで、議決権行使集計システムにおいて、リーダーで正確に読み取れないようなマークカードの記述データを入力する方法は、
A.目視により判断して、マークカードを正確に読み取れるように修正や加筆などをして、リーダーで再度読み取りをさせて入力する方法、
B.目視により判断して、手入力する方法、
等が知られている。ここで、大量にマークカードの読み取り処理を短時間で行う場合は、前者のリーダーで再度読み取りをさせる方法が有利である。
【0013】
例えば、上記のような議決権行使確認書集計システムで用いる従来の議決権行使書(投票用紙)130は、図13で示すように、各議案に対応するカラム131に、賛成或いは反対のマーク欄を塗り潰すものであった。賛成/反対の数をカウントするが、賛否両方にマークしてある場合、書き直しや一度消したものが中途半端であった場合などでは、エラーとなってしまう。なお図10符号131tはタイミングマークであり、符号132は氏名記述欄、符号136はバーコードエリアである。
【0014】
一般に、株主総会の議決権行使の場合、株主総会に出席した株主が、マークカードにマークを記述し、議決権行使する。このとき記述したマークを、リーダーで正確に読み取れない場合に、前記A方式の場合、第三者が目視判断してマークカードへ修正や加筆をすると、株主が議決権行使した原データが加工されてしまうことになり、後日何らかの理由で原データを確認する必要があったとしても元の状態にはならないという不都合があった。
【0015】
また、前記B方式の場合、目視により判断して、手入力するときは、原データは残っているが、手入力したデータとの整合チェックがしづらく、議決権行使の集計の正当であるとの証明性に欠けるという不都合があった。
【0016】
本発明の目的は、マークカードをリーダーで読み取りが困難な場合であっても、再度のリーダーで読み取りを可能にして、マークカードの原データの記述を確保すると共に、議決権行使の集計の正当であるとの証明性を確保できるマークカード及びマークカード読取システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題は、本発明のマークカードによれば、所定形状のマークカードにおいて、受付番号の領域と、回答者が記入する領域と、第三者が目視判断して記入する領域と、を備えたマークカードであって、前記回答者が記入する領域と前記第三者が目視判断して記入する領域と、を異なる位置に形成すると共に、前記回答者が記入する領域と第三者が目視判断して記入する領域を同じ内容にしたこと、により解決される。
【0018】
このように、回答者が記入する領域と第三者が目視判断して記入する領域と、を異なる位置に形成すると共に、回答者が記入する領域と第三者が目視判断して記入する領域を同じ内容にしたことにより、マークカードの回答者が記入する領域が、リーダーで正確に読み取れない場合に、第三者が目視判断して記入する領域に第三者が目視判断して修正内容を訂正・加筆することができる。そして、リーダーで読み取ったデータのうち、第三者が目視判断して記入する領域に記述したデータが存在している場合に、この第三者が目視判断して記入する領域の記述データを採用し、集計処理をすることが可能となる。しかも、マークカードには、原データと目視判断データが残っているので、後日何らかの理由で原データを確認する必要があった場合には、そのまま整合性のチェックができて、議決権行使集計の正当性の証明が可能となる。
【0019】
このとき、前記マークカードの第三者が目視判断して記入する領域は、前記回答者が記入する領域と隣接して設けられていると好適である。このように隣接しているので、確認領域の配置場所が、バーコードを目印として、確認作業をより確実にすることが可能となる。
【0020】
また、前記回答者が記入する領域と前記第三者が目視判断して記入する領域には、複数の項目と複数のマーク記入の欄とが形成され、前記回答者が記入する領域の複数のマーク記入の欄と前記第三者が目視判断して記入する領域には、前記回答者が記入する領域の複数のマーク記入の欄に対応した複数のマーク記入の欄が設けられていると好適である。
このように、回答者が記入する領域と第三者が目視判断して記入する領域とが対応しているので、対比が容易であり、明確に特定できる。
【0021】
前記課題は、本発明のマークカード読取システムによれば、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマークカードを読み取るマークカード読取システムであって、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄に読み取りできない項目が存在した場合に、前記第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄の情報より、優先して取り込んだこと、により解決される。
【0022】
より詳しくは、前記マークカード読取システムは、コンピュータ装置と、マークカードを読み取る読取装置と、を備え、前記コンピュータ装置は、中央演算装置と、出力手段と、記憶手段と、入力手段とを備え、前記中央演算装置は、前記マークカードを前記読取装置で読み込み、該読み込み込まれた情報を前記記憶手段に記憶させ、前記読取装置で読み込んだ前記マークカードと、前記記憶手段に事前に登録された議決権行使と合算して集計し、該集計の結果を前記出力手段によって出力する制御を行うものである。
【0023】
そして、前記マークカードを前記読取装置での読み込みは、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄を読み取り、読み取りができない項目が存在した場合に、前記第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄の情報より、優先して取り込み、同時に、前記第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を優先した場合に、前記マークカードの読み込みにフラグを立てるように構成することができる。
【0024】
以上のように、マークカード方式の議決権行使集計が容易となり、マークカードを手渡すことでスピーディーな受付処理や、出席者状況の即時把握が可能となり、マークカードが、エビデンスとして保管ができる等のマークカード読取システムを提供することが可能となる。さらに、第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を優先した場合に、フラグが立てられているので、データとしても抽出等が容易になる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明によれば、マークカードの回答者が記入する領域が、リーダーで正確に読み取れない場合に、第三者が目視判断して記入する領域に第三者が目視判断して修正内容を加筆することができる。そして、リーダーで読み取ったデータのうち、第三者が目視判断して記入する領域に記述したデータが存在している場合に、この第三者が目視判断して記入する領域の記述データを採用し、集計処理をすることが可能となる。しかも、マークカードには、原データと目視判断データが残っているので、後日何らかの理由で原データを確認する必要があった場合には、そのまま整合性のチェックができて、議決権行使集計の正当性の証明が可能となる。
また、マークカード読取システムによれば、マークカード方式の議決権行使集計が容易となり、マークカードを手渡すことでスピーディーな受付処理や、出席者状況の即時把握が可能となり、マークカードが、エビデンスとして保管でき、低コストで確実なサービスの提供を図ることが可能となる。さらに、第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を優先した場合に、フラグが立てられているので、データとしても抽出等が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】本発明に係るマークカードの一例を示す説明図である。
【図1B】本発明に係るマークカードの他の例を示す説明図である。
【図2】本発明に係るマークカード読取システムの構成図である。
【図3】マークカード及びマークカード読取システムの説明図である。
【図4】マークカード及びマークカード読取システムの説明図である。
【図5】マークカード読取システムを用いた集計状況の説明図である。
【図6】読取処理動作を示すフローチャートである。
【図7】読取処理動作を示すフローチャートである。
【図8A】読取処理動作を示すフローチャートである。
【図8B】読取処理動作を示すフローチャートである。
【図9A】マーク位置テーブルの説明図である。
【図9B】マーク位置テーブルの説明図である。
【図10】カード先端位置検出処理の説明図である。
【図11】従来の株主総会受付システムの説明図である。
【図12】従来の議決権行使書集計システムの説明図である。
【図13】従来のマークカードの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する構成、手順等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1A〜図10は本発明の実施形態に係るものであり、図1A及び図1Bはマークカードの例を示す説明図、図2はマークカード読取システムの構成図、図3及び図4はマークカード及びマークカード読取システムの説明図、図5はマークカード読取システムを用いた集計状況の説明図、図6乃至図8Bは読取処理動作を示すフローチャート、図9A及び図9Bはマーク位置テーブルの説明図、図10はカード先端位置検出処理の説明図である。
【0028】
図1Aは、マークカードの一例を示す説明図であり、マークカードCは、所定形状(本実施形態では縦長の長方形)をした、紙媒体から形成されている。なお紙媒体以外に合成樹脂シートその他の材料を用いることも可能である。そして、マークカードCには、受付番号の領域C1と、議案等の領域C2と、回答者が記入する領域C3と、第三者が目視判断して記入する領域C4と、受付番号に対応するマーカ(プレマーク)領域C5と、が印刷手段等により、各領域を分けて記載されている。ここで印刷手段としては、インク等を用いることは当然であるが、レーザーマーカーその他の手段によって行ってもよい。また上記マーカ(プレマーク)領域C5はバーコード領域としてもよい。なお、符号C6は切り欠き部あり、マークカード揃え用のコーナーカット部である。
【0029】
具体的には、マークカードCの上方に受付番号の領域C1として所定の番号(本例では0123)が記載され、この隣にマーカ(プレマーク)領域C5として受付番号に対応するカラムが2段、四角枠内に形成されている。
【0030】
そして、受付番号の領域C1の下方には、議案等の領域C2と、この議案等の領域C2に連続して、回答者が記入する領域C3と、第三者が目視判断して記入する領域C4とが、同一行であるが、異なる位置に形成されている。なお、前記回答者が記入する領域C3と第三者が目視判断して記入する領域C4は、同じ内容としている。より具体的には、回答者が記入する領域C3、つまり株主(回答者)が使用する領域と、第三者が目視判断して記入する領域C4、つまり目視判断して、加筆する領域には、それぞれ同じ内容で、複数のカラム11,12・・・が印刷等によって形成されている。
【0031】
ここで、マークカードCにおいて、タイミングマークに対応した列で記入空間のあるものをカラムと称し、図1Aを例にすると、先頭の記入用マーク欄の行から11,12,…としている。なお,図において、13tや31tは、カラムの記入用のタイミングではないが、例えば13tは受付番号の下に存在する記号Ztで示す線分を示すタイミングマークであり、31tは終了位置のタイミングマークである。
またマークカードCのカラム11,12・・・の一方の端(図1Aでは右端)には、各カラム11,12、・・・に合わせて、タイミングマーク11t,12t、・・・が印刷等によって形成されている。
【0032】
なお、図1Bで示すように、マークカードCの先端部に近い部分である先頭のタイミングマークと最後のタイミングマークのそれぞれにカード識別マークとしてのタイミングマークXt,Ytを別途、印刷しておくこともできる。
このカラム11,12・・・は、例えばカラム11(タイミングマーク14tに対応)には第1号議案、カラム12(タイミングマーク15tに対応)には第2号議案等のように所定数の議案が割り当てられ、例えば、信任或いは新任役員等についての記載等が割り当てられ、賛成・反対・棄権のマーキングができるように構成されている。
【0033】
また回答者が記入する領域C3と、第三者が目視判断して記入する領域C4は連続した一行に形成されており、異なる位置であるが、同じ数のカラムが形成されている。このように、回答者が記入する領域C3のマーク記入欄と、第三者が目視判断して記入する領域C4のマーク記入欄は同数形成されて、対応するようになっている。例えば上記カラム11(タイミングマーク14tに対応)の場合、回答者が記入する領域C3には「賛成」「反対」「棄権」に対応するマーク記入欄が設けられ、さらに同じ行で連続して、第三者が目視判断して記入する領域C4にマーク記入欄は同数形成されて「賛成」「反対」「棄権」に対応するように形成されている。
【0034】
次に、上記マークカードCを読み取るマークカード読取システムSについて説明する。
マークカード読取システムSは、図2で示すように、コンピュータ装置30と、マークカードCを読み取る読取装置40としてのOMRと、その他の公知の周辺機器により構成されるものである。
【0035】
コンピュータ装置30には、システム全体を制御する中央演算装置(CPU:マイクロプロセッサ)31と、出力手段32であるディスプレイ,プリンタ,外部出力(通信端部:有線無線を問わない)と、記憶手段33であるHDD,CD,DVD,BL,ROMその他の記憶装置と、入力手段34であるキーボード,タッチパネル,バーコードリーダー,外部信号入力(赤外線,ブルートゥース,電波、音波等の受信部)等を備えている。
そして、上記記憶手段33には、株主情報・事前議決権行使情報・来場者情報などを格納したデータベース(DB)、マークカードCの照合のためのマーク位置テーブル等が記憶されている。なお、中央演算装置(CPU:マイクロプロセッサ)31は、不図示のROM等にシステム全体を制御するプログラム等を読み込み制御するように構成されている。
【0036】
マークカードCを読み取る読取装置40としてのOMRの構成は、マーク検出部41と、読取部42と、マークカード挿入部43と、マークカードスタッカ44とを主要構成要素としている。
【0037】
読取装置40では、複数のマークカードCが、マークカード挿入部43の一括挿入部(不図示)から挿入され、この一括挿入部に投入されたマークカードCは、一枚繰り出し部から、1枚ずつ繰り出されて装置内に搬入される。そして、カード読み取りユニットのマーク検出部41で検出し、読取部42で光学的に読み取り処理される。そして、中央演算装置(CPU:マイクロプロセッサ)31によって、操作に関する情報や読み取られた情報は、出力手段32へ伝達され、例えば液晶表示パネルに表示される。なお液晶表示パネルをタッチパネルとすることにより、オペレータ等の指示を入力するためのキー機構としての役割を兼用することができる。
読み取られたマークカードCは、マークカードスタッカ44にスタックされる。このとき、マークカードスタッカ44には、読み取りできたものをスタッカする部分と、読み取りできない(後述のエラー処理をした)ものをスタッカする部分の2つのスタッカ部分を設けている。
【0038】
なお、上記例では2つのスタッカ部分を設けている例を示したが、読み取れない場合には、読取装置40を停止するように構成する変形例とすることもできる。この場合には、読み取りできない(後述のエラー処理をした)マークカードCは、読取装置40の所定場所で停止された状態に残存しており、これを手動等により、取出し、取り出したマークカードCは、エラー処理用として別の処理を行うように蓄積しておく。このような変形例の場合には、スタッカが一つであり、仕分け等が不要となり、装置自体が安価になると共に、読み取りできない(後述のエラー処理をした)マークカードCを確実に特定することができる。
【0039】
マーク検出部41は、読み取ったマークカードCのイメージから、図9A(A)で示すように、マークカードCの識別マークの位置についてマークの有無を検出し、マークのある部分(黒)を「1」、マークのない部分(マークカードCの地色)を「0」として、12ビットの有効情報を含むコードにコード化し、カード識別コードを得る。
このカード識別コードにより予め用意されたマーク位置テーブルが参照される。ここで、マーク位置テーブルは、図9A(B)に示すようなデータ構成になっており、マークの有無を検出する必要のあるマーク欄の位置を特定するための位置情報が記憶されている。このマーク位置テーブルは、マークカードCの特定および表面と裏面を識別するカード識別マークXt,Ytから得られるカード識別コードごとに設けられている。
また、マーク位置テーブルには,図9A(B)のように,各タイミングマークのカラムごとにマークの有無を検出すべきマーク欄の個数とそのマーク欄の位置が記憶されている。
【0040】
そして、Yn:タイミングマークの先端から各マーク欄までの距離、Hn:各マーク欄の基準位置(Zt)からの距離として、マーク欄の特定を行う。例えば、回答者が記入する領域C3及び第三者が目視判断して記入する領域C4についてのマーク位置テーブルでは、カラム11の場合、マークの有無を検出すべきマーク欄が6個(回答者が記入する領域C3が3個、第三者が目視判断して記入する領域C4が3個)である。その位置は,「賛成」の場合は、カラム11のタイミングマーク14tの先端からマーク欄までの距離(Y1)、基準位置(Zt)からのマーク欄の幅(H1:基準位置Ztからの距離)としている。このとき、特定された位置に記載幅α及び高さβを許容範囲として付加するようにすると好適である。
【0041】
また、「反対」の場合は、カラム11のタイミングマーク14tの先端からマーク欄までの距離(Y2)、基準位置(Zt)からのマーク欄の幅(H1:基準位置Ztからの距離)としている。同様に「棄権」の場合は、カラム11のタイミングマーク14tの先端からマーク欄までの距離(Y3)、基準位置(Zt)からのマーク欄の幅(H1:基準位置Ztからの距離)としている。このようにして、回答者が記入する領域C3の場合、マーク検出部41は、カラム11については、タイミングマーク14tの先端から距離Y1〜Y6、距離H1の分だけ、マークの有無を検出する。同様に、カラム12については、タイミングマーク15tの先端から距離Y1〜Y6、距離H2の分だけ、マークの有無を検出する。
このとき、上述のように、特定された位置に、記載幅α及び高さβを許容範囲として付加するようにすると好適である。
【0042】
そして、上記の「賛成」「反対」「棄権」に対応するように、第三者が目視判断して記入する領域C4については、図9A(A)(B)で示すように、Y4〜Y6、H1として、この範囲だけ、マークの有無を検出する。
第三者が目視判断して記入する領域C4の場合、マーク検出部41は、カラム11のマーク読み取りエリアの幅H1で、タイミングマーク14tの先端から距離Y4〜Y6の範囲で、各Y4,Y5,Y6の長さ分の範囲だけ、マークの有無を検出する。
そして、読み取ったマーク位置を、対象とするマーク位置テーブル(順方向あるいは逆方向)が適用されるように構成されている。
【0043】
なお、マークカードCの別例として図1Bで示されるように、マークカードCの先端部に近い部分に、前述した記載面の識別マークXt、Ytが記載されている場合には、マークカードCの表裏両面を読み取るために、マーク検出部41で検出したマークカードCの表裏のいずれか一方を読み取れるように、マークカードCに対して両面側(表裏側)に読取部42を2つ設けており、識別マークXt、Ytの位置で、後述するように、識別マークXt、Ytの有無を確認し、識別マークXt、Ytのある面側(つまりマークカードCの表面または裏面のいずれか一面)を読取部42で読み取る。読み取られたマークカードCは、マークカードスタッカ44へ格納される。また、識別マークXt、Ytの位置の範囲まで読み込んで、識別マークXt、Ytを検出できない場合には、マークカードCの印刷面が裏側にあるため、裏側の読取部42によって読み取るようになっている。さらに本実施形態では識別マークXtが順方向、識別マークYtは逆方向、というように、識別マークXt、Ytの検出によって、表と裏、順と逆というように、対象とするマーク位置テーブルが適用されるように構成されている。
【0044】
中央演算装置(CPU:マイクロプロセッサ)31は、2つの読取部42を制御し、これらから読み取られたイメージを解析して、マーク検出等を行う。なお、各装置間は、インタフェース・電源コネクタ等が設けられ、これらには,インタフェースケーブル,電源ケーブル等が接続される。
読取部42では、記憶手段33に格納されたマーク位置テーブルを参照して,参照したマーク位置テーブルと照合し、指定されているマーク欄についてのみマークの有無を検出する。検出したマークの有無の情報は,カード識別コードとともに,マークカードCの読み取り結果として出力手段32側へ出力する。マーク位置テーブルは、前述したように、表と裏、順と逆とに対応した複数のデータテーブルから構成されている。
【0045】
このとき、読み取った情報において、回答者が記入する領域C3に読み取りできない項目が存在した場合に、後述するように、第三者が目視判断して記入する領域C4に記入された複数の項目とマーク記入の欄から得た情報を、回答者が記入する領域C3の複数の項目とマーク記入の欄に記述された情報より、優先して取り込むものである。
【0046】
なお、マークカードCの読み取り結果から,必要なマークが記入されているか、マーク数が多過ぎないかなどの記入に関する論理チェック、存在しない部分が指定されていないかなどの運用に関する論理チェックを必要に応じて行うように構成されている。
【0047】
本発明に係る株主総会受付システムとしては、図3で示すように、株主50が総会受付51で、議決権行使書(招集通知書)52の株主バーコードを読み取り、或いは議決権行使書(招集通知書)52の名前で照会し、総会受付51で直ちに株主50に受付票と議決権行使確認書(投票用紙)であるマークカードCを発行する。このとき、総会受付51では、コンピュータ装置30に登録情報を照会し、受付情報を登録する。
【0048】
また、このとき、議決権行使確認書のない株主50は、コンピュータ装置30に照会して確認する。また、コンピュータ装置30の出力手段32としてのディスプレイに表示し、来場者状況(出席者総数、総票数)の即時把握を同時に行う。さらにコンピュータ装置30からの出力により、携帯端末その他の通信手段57を用いて、VIP株主50の入場を即時表示し、関係部門へ知らせる等を行うものである。株主総会受付システムとしては、前記した従来技術と同様である。
【0049】
議決権行使確認書集計システムとしては、図4で示すように、マークカードCを総会終了後、直ちに回収し、即時に集計して、事前集計分と合わせて総トータルを計算し、出力手段32のディスプレイ等で表示し報告する。集計手順としては、前記した従来技術と同様である。
以上のように、議決権行使確認書集計を表示報告する場合には、一例として、図5で示されるような表示で報告が行われる。
【0050】
図10は,マークカード読取システムSにおけるマークカードCの先端の検出処理を説明するための図である。マークカードCの読取部42(表裏のどちらでも対応可能にした場合は、表裏側で2箇所)では、イメージセンサ42aがマークカードCの搬送方向に対して垂直方向に設けられており、マークカードCの幅に対応する上下部分の特定の各8ビットのうち各4ビット以上のイメージセンサ42aの出力信号が変化した場合に、マークカードCの先端と判断する。この先端の検出により、マークカードCのイメージを二値入力する。これにより、マークカードCの先端の検出処理を行う。
【0051】
マークカード読取システムSの読み取り処理について、図6乃至図8の処理フローを参照して説明する。
先ずマークカードCを読取装置40の一括挿入部に配置して、読取装置40によって読み取り処理を開始すると、図6で示すように、ステップS1では、一括挿入部から挿入されたマークカードCを、読取部42に向かって搬送する。
【0052】
ステップS2では、読取部42におけるマークカードCの先端検出処理を行う。なお、この先端検出処理については,図10に基づいて既に説明した。読取部42(読取部は、表裏のどちらでも対応可能にした場合は、マークカードCを挟んで2個設けられている)において、マークカードCの先端を検出しない場合(S2:No)、検出するまでカード先端検出処理を行う。表面側だけを対応可能にした場合は、マークカードCの先端を検出したならば(S2:Yes)、ステップS10の処理を行う(図6の鎖線矢印参照)。
【0053】
一方、表裏のどちらでも対応可能にした場合は、マークカードCの先端を検出したならば(S2:Yes)、ステップS3で、記述面かどうか判断する。記述面(印刷面)である場合(S3:Yes)、裏面側マーク検出部を停止し(S4)、記述面でない場合(S3:No)、表面側マーク検出部を停止する(S5)。
【0054】
次に、ステップS6で、停止されていない読取部42を作動させ、マークカードCのイメージを光学的に読み取る。ステップS7では,読み取ったイメージからタイミングマークを検出する。なお,タイミングマークの検出処理は,イメージの読み取りを開始したならば、全部の読み取りが終了するのを待たずに開始し、イメージの読み取りと並行して実行することができる。
【0055】
ステップS7では、タイミングマークを検出した場合(S7:Yes)、ステップS8でマークカードCの表面側を読み取る読取部42によって読み取りを行う。一方、タイミングマークを検出しない場合(S7:No)、ステップS9で、マークカードCの裏面側を読み取る読取部42によって読み取りを行う。
また、ステップS8及びステップ9で検出したタイミングマークについて、ステップS10でマークカードCのイメージの下側にあるか上側にあるかを判別する。つまり、マークカードCが正方向か逆方向かを判定する。マークカードCが正方向であれば(S10:Yes)、ステップS11、S12の処理を行い、マークカードCが逆方向であれば(S10:No)ステップS13、S14の処理を行う。
【0056】
ステップS11では,正方向のマークカードCのイメージからカード識別マークを解析し,カード識別コードを得る。ステップS12では,カード識別コードに対応するマーク位置テーブルを選択する。
【0057】
ステップS13では,逆方向のマークカードCのイメージからカード識別マークを解析し,カード識別コードを得る。ステップS14では,カード識別コードに対応するマーク位置テーブルを選択する。
ステップS11またはステップS13によって,カード識別コードに対応するマーク位置テーブルが選択されるので,読み取ったマークカードCのイメージが正逆どちらでも,以下の処理において,一律に正しいマーク位置についてのマーク検出を行うことができることになる。
【0058】
ステップS15では,マークカードCのイメージから各カラム11,12,・・・を示すタイミングマーク14t,15t・・・を検出する処理を行う。タイミングマークを検出したならば、ステップS16では、マーク位置テーブルを参照し、該当するカラムにマークの有無を検出すべきマーク欄があるかどうかを判定する。マークの有無を検出すべきマーク欄があれば(S16:Yes)ステップS17の処理を行い、マーク欄がなければ(S16:No)ステップS19へ進む。
【0059】
次にステップS17のカラムの読み取り処理について、図8Aの処理フローに基づいて説明する。
カラムの読み取り処理は、図8Aで示すように、ステップS17aで、回答者が記入する領域C3において、読み取りができるかどうか判断する。ここで、読み取れる場合とは、前述したように、必要なマークが記入されているか、マーク数が多過ぎないかなどの記入に関する論理チェック、存在しない部分が指定されていないかなどの運用に関する論理チェックが正常に記載されている場合である。そして、読み取れる場合(ステップS17a:Yes)には、ステップ17bで回答者読み取り項目を採用し、ステップS17cで次項目あるかどうか判断し、次項目がある場合(ステップS17c:Yes)には、ステップS17aから処理を再度行う。
【0060】
一方、読み取れない場合(ステップS17a:No)、即ち、上述した論理チェックが正常でない場合には、ステップS17dで、第三者が目視判断して記入する領域C4において、読み取り項目にマーカーが付いているかどうか判断する。そして、マーカーが付いている場合(ステップS17d:Yes)、ステップS17eで第三者読み取り項目を採用して、ステップS17cの処理を行う。またマーカーが付いていない場合(ステップS17d:No)、ステップS17fでエラー処理を行う。エラー処理の場合、マークカードCを弾いて、マークカードスタッカ44に、読み取りできないものとして、排出される。
【0061】
このように、ステップS17の処理で、当該項目について、第三者が目視判断して記入する領域C4に記入された該当項目の内容を優先し、データ送信して記憶し、回答者が記入する領域C3に読み取りできない項目に代えて、第三者が目視判断して記入する領域C4に記入された該当項目の内容を採用するように処理される。
つまり、回答者が記入する領域C3に読み取りできない項目が存在する場合に、第三者が目視判断して記入する領域C4に記入された複数の項目とマーク記入の欄から得た情報を優先している。
【0062】
ステップS16及びステップ17では,マーク位置テーブルで指定された個数分のマーク欄についてマークの有無を検出する。マーク位置テーブル中で未処理の項目があるかどうか判別して、次項目がない場合に、読み取ったデータを、集計用の制御部へ送信する。
また、ステップS19では,カラムが終了したかどうかを判定する。カラムが残っていればステップS15の処理へ戻り、同様にマークの検出を繰り返す。カラムが全て終了したならば、読み取ったデータを、集計用の制御部へ送信して処理を終了する。
【0063】
図8Bは、ステップS17のカラムの読み取り処理について、別の処理フローを示したものである。基本的には、図8Aで示す処理が、回答者項目を最初に判断の対象にするのに対して、図8Bの処理が第三者が目視判断して記入する領域C4に記入された該当項目の内容を最初に判断の対象にした例を示すものである。なお、上記回答者項目か第三者の項目かの相違のみである。
【0064】
本発明では、読取装置40で正確に読み取れない場合に、第三者が目視判断してマークカードCの第三者枠へ加筆し、加筆したマークカードCの項目を読取装置40で読み取り、読取装置40で読み取ったデータのうち、第三者枠に記述データが存在したカラムは、第三者記述データを採用し、集計処理をする。このように、マークカードCに原データと目視判断データが残っているので、後日何らかの理由で原データを確認する必要があった場合には、そのまま整合性のチェックができて、議決権行使集計の正当性の証明ができる。
またマークカードCを読取装置40で読むときに、表裏、正逆などの方向を気にせずに一括して読取装置40に読み込ませることが可能となるので、迅速な集計処理が行える。
【符号の説明】
【0065】
C マークカード
C1 受付番号の領域
C2 議案等の領域
C3 回答者が記入する領域
C4 第三者が目視判断して記入する領域
C5 受付番号に対応するマーカ領域
C6 切り欠き部
11,12・・・ カラム
11t,12t・・・ タイミングマーク
Xt,Yt 識別マーク
S マークカード読取システム
30 コンピュータ装置
31 中央演算装置(CPU:マイクロプロセッサ)
32 出力手段
33 記憶手段
34 入力手段
40 読取装置
41 マーク検出部
42 読取部
42a イメージセンサ
43 マークカード挿入部
44 マークカードスタッカ
50 株主
51 総会受付
52 議決権行使書(招集通知書)
57 通信手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状のマークカードにおいて、受付番号の領域と、回答者が記入する領域と、第三者が目視判断して記入する領域と、を備えたマークカードであって、
前記回答者が記入する領域と前記第三者が目視判断して記入する領域と、を異なる位置に形成すると共に、前記回答者が記入する領域と第三者が目視判断して記入する領域を同じ内容にしたことを特徴とするマークカード。
【請求項2】
前記マークカードの第三者が目視判断して記入する領域は、前記回答者が記入する領域と隣接して設けられていることを特徴とする請求項1記載のマークカード。
【請求項3】
前記回答者が記入する領域と前記第三者が目視判断して記入する領域には、複数の項目と複数のマーク記入の欄とが形成され、
前記回答者が記入する領域の複数のマーク記入の欄と前記第三者が目視判断して記入する領域には、前記回答者が記入する領域の複数のマーク記入の欄に対応した複数のマーク記入の欄が設けられていることを特徴とする請求項1記載のマークカード。
【請求項4】
前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマークカードを読み取るマークカード読取システムであって、
前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄に読み取りできない項目が存在した場合に、前記第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄の情報より、優先して取り込んだことを特徴とするマークカード読取システム。
【請求項5】
前記マークカード読取システムは、コンピュータ装置と、マークカードを読み取る読取装置と、を備え、前記コンピュータ装置は、中央演算装置と、出力手段と、記憶手段と、入力手段とを備え、
前記中央演算装置は、前記マークカードを前記読取装置で読み込み、該読み込み込まれた情報を前記記憶手段に記憶させ、前記読取装置で読み込んだ前記マークカードと、前記記憶手段に事前に登録された議決権行使と合算して集計し、該集計の結果を前記出力手段によって出力する制御を行うことを特徴とする請求項4記載のマークカード読取システム。
【請求項6】
前記マークカードを前記読取装置での読み込みは、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄を読み取り、読み取りができない項目が存在した場合に、前記第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄の情報より、優先して取り込み、同時に、第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を優先した場合に、前記マークカードの読み込みにフラグを立てることを特徴とする請求項4記載のマークカード読取システム。
【請求項1】
所定形状のマークカードにおいて、受付番号の領域と、回答者が記入する領域と、第三者が目視判断して記入する領域と、を備えたマークカードであって、
前記回答者が記入する領域と前記第三者が目視判断して記入する領域と、を異なる位置に形成すると共に、前記回答者が記入する領域と第三者が目視判断して記入する領域を同じ内容にしたことを特徴とするマークカード。
【請求項2】
前記マークカードの第三者が目視判断して記入する領域は、前記回答者が記入する領域と隣接して設けられていることを特徴とする請求項1記載のマークカード。
【請求項3】
前記回答者が記入する領域と前記第三者が目視判断して記入する領域には、複数の項目と複数のマーク記入の欄とが形成され、
前記回答者が記入する領域の複数のマーク記入の欄と前記第三者が目視判断して記入する領域には、前記回答者が記入する領域の複数のマーク記入の欄に対応した複数のマーク記入の欄が設けられていることを特徴とする請求項1記載のマークカード。
【請求項4】
前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマークカードを読み取るマークカード読取システムであって、
前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄に読み取りできない項目が存在した場合に、前記第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄の情報より、優先して取り込んだことを特徴とするマークカード読取システム。
【請求項5】
前記マークカード読取システムは、コンピュータ装置と、マークカードを読み取る読取装置と、を備え、前記コンピュータ装置は、中央演算装置と、出力手段と、記憶手段と、入力手段とを備え、
前記中央演算装置は、前記マークカードを前記読取装置で読み込み、該読み込み込まれた情報を前記記憶手段に記憶させ、前記読取装置で読み込んだ前記マークカードと、前記記憶手段に事前に登録された議決権行使と合算して集計し、該集計の結果を前記出力手段によって出力する制御を行うことを特徴とする請求項4記載のマークカード読取システム。
【請求項6】
前記マークカードを前記読取装置での読み込みは、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄を読み取り、読み取りができない項目が存在した場合に、前記第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を、前記回答者が記入する領域のマーク記入の欄の情報より、優先して取り込み、同時に、第三者が目視判断して記入する領域のマーク記入の欄に記入された情報を優先した場合に、前記マークカードの読み込みにフラグを立てることを特徴とする請求項4記載のマークカード読取システム。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−68865(P2012−68865A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212654(P2010−212654)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(506290349)株式会社ユーリンク (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(506290349)株式会社ユーリンク (2)
【Fターム(参考)】
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