説明

ミリ波レーダ装置

【課題】 アンテナに向って送受信される不要電波を遮断するばかりでなく、制御装置等から発生する不要電波を遮蔽することにより、検出精度を向上させると共に、薄型で軽量かつ耐候性に優れたミリ波レーダ装置を提供する。
【解決手段】 電波を送受信するアンテナ12と、前記電波の制御を行う制御回路20と、前記アンテナ12及び前記制御回路20を収納するハウジング30と、前記アンテナ12を覆うレドーム15と、を備えたミリ波レーダ装置1であって、該ミリ波レーダ装置1は、前記アンテナ12と前記制御回路20との間に、電波を遮蔽する遮蔽部材40を備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の運転を安全に制御すべく、車両の前面に取り付けて、前方の物体の相対距離、相対速度等を検出するミリ波レーダ装置であって、特に、装置に受信される電波のノイズを低減すると共に、装置を小型化することができるミリ波レーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の自動運転や衝突防止を目的として、ミリ波レーダ装置が利用されている。図5、6に示すように、ミリ波レーダ装置50は、自車両70の前面に取り付けられており、電波を送受信するアンテナ12が組み込まれた高周波モジュール11と、該電波を制御する制御回路20と、アンテナ12及び制御回路20を収納するハウジング30と、アンテナ12の電波の送受信を覆うレドーム15と、を主に備えている。そして、このアンテナ12は、ハウジング30に設けられた開口部30bの近傍の、ハウジング内面に配置されており、レドーム15は、この開口部30bを覆うように、ハウジング30から突出して形成されている。
【0003】
このように構成されたミリ波レーダ装置50は、図5,6に示すように、アンテナ12から、送信メインビームa1となる電波を、車両前方に送信し、送信メインビームa1の一部は、前方の車両80に反射して、受信メインビームa2としてアンテナ12に受信される。そして、ミリ波レーダ装置50は、受信メインビームa2に基づいて、自車両70と前方を走行する車両80との相対距離、相対速度等を検出する。
【0004】
一方、送信メインビームa1の一部は、前方の車両80に反射後、さらに、路面90を反射して、受信サイドローブb2としてアンテナ12に受信されてしまう。また、アンテナ12から送信された送信サイドローブb1は、バンパー51及びフロントグリル52等の部材に反射し、受信サイドローブb2として、アンテナ12に受信されてしまう。このような受信サイドローブb2は、受信メインビームa2に対するノイズとなり、装置の検出精度を低下させてしまう。特に自車両の走行時には、受信サイドローブb2は増加する傾向にあり、このサイドローブb2の増加に伴い装置の検出精度はさらに低下する。
【0005】
このような問題を鑑みて、アンテナユニット内の送受信アンテナ面の周囲に、送受信アンテナ表面より突出させた金属板または吸収体を取り付けたミリ波平面アンテナが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、送受信アンテナと、該送受信アンテナを収納するケーシングと、前記送受信アンテナを保護するためのレドームとを備え、前記送受信アンテナのサイドローブによるグランドクラッタを遮断する遮蔽部材がレドームの外側で送受信アンテナ前方下部に突出するように設けられたミリ波レーダも提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
さらに、電波を受信するアンテナと、アンテナの前に配置されたレドームとを備える電波受信装置において、アンテナの正面に対して所定の角度の範囲外から入射される電波の受信アンテナへの供給を制限するために、レドームに電波吸収体を配置する電波受信装置も提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平10−126146号公報
【特許文献2】特開2000−201557号公報
【特許文献3】特開2000−091839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このような装置は、ハウジングから突出したレドームの壁面に電波吸収体等を設けることにより、アンテナが送受信するサイドローブを低減させて、検出精度の向上を図ったものであるが、装置を使用する際には、制御回路から約数100KHzの周波数の電波が、図6に示すようなノイズcとして発生する。そして、このノイズcが、装置の高周波モジュールに伝搬することになり、メインビームの検出電波のノイズレベルが増加し、検出精度を低下させてしまうことがあった。
【0009】
さらに、特許文献1に記載したような装置は、送受信アンテナの周囲に取り付けられた金属板あるいは吸収体が、レドームと分離した構造となっており、アンテナユニットの構造が複雑化し、製造工程も煩雑なものとなる。また、金属板あるいは吸収体は、それ自身で、ある程度の強度を持たせなくてはならないため、金属板あるいは吸収体の肉厚を、厚くしなければならず、肉厚の増加に伴い、装置の重量が増加してしまう。さらには、これらの金属板あるいは吸収体が風雨に曝されるため、耐候性も問題が生じる虞があった。
【0010】
また、特許文献2に記載したような装置は、アンテナユニットの前方下部に遮蔽部材を突出させているため、装置を車両に搭載するにあたって、その取り付けが困難となる。また、特許文献1に記載したような装置と同様に、遮蔽部材は露出しているため、風雨に曝され、遮蔽版を構成する金属板が腐食されたり、電波吸収体が劣化したりし、遮蔽部材の遮蔽特性あるいは吸収特性が低下してしまう虞があった。
【0011】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、アンテナに向って送受信される不要電波を遮断するばかりでなく、制御回路等から発生する不要電波を遮蔽することにより、検出精度を向上させると共に、薄型で軽量かつ耐候性に優れたミリ波レーダ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成すべく、本発明に係るミリ波レーダ装置は、電波を送受信するアンテナと、前記電波の制御を行う制御回路と、前記アンテナ及び前記制御回路を収納するハウジングと、前記アンテナを覆うレドームと、を備えたミリ波レーダ装置であって、該ミリ波レーダ装置は、前記アンテナと前記制御回路との間に、電波を遮蔽する遮蔽部材を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の如きミリ波レーダ装置は、前記アンテナと前記制御回路との間に、電波を遮蔽する遮蔽部材を設けたので、制御回路からの電源のノイズ等の不要電波を遮断することができ、検出精度を向上させることができる。
【0014】
本発明に係るミリ波レーダ装置は、前記遮蔽部材が、前記アンテナの周囲で、前記電波の送受信方向に沿って延在していることを特徴としている。本発明の如きミリ波レーダ装置は、このような遮蔽部材を設けることにより、サイドローブとなる不要電波を、アンテナに送受信されることを低減することができる。
【0015】
本発明に係るミリ波レーダ装置は、前記延在した遮蔽部材の前記送受信方向の厚さが、前記アンテナの検知範囲を確保する厚さに設定されていることを特徴としており、さらに前記遮蔽部材は、筒状に形成れており、前記アンテナの検知角度をθ、該アンテナ検知角の中心から前記筒状の遮蔽部材の内壁までの距離をL、としたときに、前記遮蔽部材の前記送受信方向の厚さTは、
【0016】
【数1】

の関係を満たすものであることを特徴としている。
【0017】
本発明の如きミリ波レーダ装置は、このように遮蔽部材を最適な厚さにすることにより、アンテナから送受信された電波のうち、必要な電波のみをメインビームとして送信し、外部から入射される不要な電波を遮蔽部材が遮蔽するので、アンテナのノイズ受信を低減し、装置の検出精度を向上させることができる。
【0018】
本発明に係るミリ波レーダ装置は、前記ハウジングが、前記電波送受信方向のハウジング面に開口部を有しており、前記遮蔽部材は、前記電波送受信方向に沿って、前記開口部まで延在していることを特徴としている。
【0019】
本発明の如きミリ波レーダ装置は、遮蔽部材の厚さを、アンテナばかりでなく遮蔽部材をもハウジング内に収納することで、アンテナを保護し、電波の送受信方向の装置厚みを小さくすることができ、装置の薄型化、軽量化を図ることができる。これに加え、遮蔽部材は、風雨に曝されることがないので、装置の耐候性が向上する。
【0020】
さらに、本発明に係るミリ波レーダ装置は、前記制御回路が、前記アンテナの前記電波送受信方向に対して垂直な面上に、前記アンテナと並列に配置されていること特徴とする。本発明の如きミリ波レーダ装置は、ハウジング内において、アンテナと制御回路を並列に配置することにより、装置構成を単純化することができ、装置の軽量化を図ることができる。
【0021】
本発明に係るミリ波レーダ装置は、前記遮蔽部材が、電波吸収材を備えることを特徴とする。本発明の如きミリ波レーダ装置は、電波吸収材が、ノイズとなる不要な電波を吸収することができる。
【0022】
本発明に係るミリ波レーダ装置は、前記電波吸収材が、前記レドームよりも誘電損失の大きい誘電損失層または磁気損失層のいずれかの層に導電体層を積層させていることを特徴とする。本発明の如きミリ波レーダ装置は、レドームよりも誘電損失の大きい層を設けたことにより、必要な電波はレドームを通過させ、不要な電波は、誘電損失層において吸収することができる。また、電波吸収体の磁気損失層の場合であっても、遮蔽部材に入射された不要電波を吸収することができる。さらに、誘電体層が、誘電損失層または磁気損失層で吸収しきれなかった不要電波を吸収することができる。
【0023】
本発明に係るミリ波レーダ装置は、前記誘電損失層が、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、シュンガイトカーボン、カーボンブラック、膨張黒鉛、カーボンファイバーのうちの少なくとも一つから選択されたカーボン材料からなることを特徴とする。さらに、本発明に係るミリ波レーダ装置は、前記磁気損失層が、六方晶フェライトからなることを特徴とする。本発明の如きミリ波レーダ装置は、このような材料を用いることにより、優れた電磁波吸収特性を有することができる。
【0024】
また、別の態様では、前記誘電損失層または前記磁気損失層が、前記カーボン材料または前記六方晶フェライトよりも高電気抵抗率を有する物質を含有していることを特徴としており、前記高電気抵抗率を有する物質が、絶縁性高分子材料または絶縁性無機材料であることを特徴とする。本発明の如きミリ波レーダ装置は、このような材料を用いた場合において、さらに電波吸収特性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、制御装置とアンテナとの間に遮蔽部材を設けたことにより、制御装置等から発生する不要電波を遮蔽でき検出精度を向上させることができる。さらに、このような遮蔽部材をハウジング内に備えることにより、薄型で軽量かつ耐候性に優れた装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面に基づき本発明に係るミリ波レーダ装置の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るミリ波レーダ装置の全体構成図であり、(a)は、装置断面図であり、(b)は、装置を正面から見た図である。また、図2は、図1に示すミリ波レーダ装置の遮蔽部材の最適な厚さを説明するための図である。尚、このミリ波レーダ装置を構成するアンテナ、制御回路等、先に示した図5と同じ機能を有する構成は、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係るミリ波レーダ装置1は、電波を送受信するアンテナ12が組み込まれた高周波モジュール11と、前記電波の制御を行う制御回路20と、前記高周波モジュール11及び前記制御回路20を収納するハウジング30と、前記アンテナ12を覆うレドーム15と、を主に備えている。
【0028】
ハウジング30は、ベースプレート部31と、ハウジング内に内部空間30aを形成するように、ベースプレート部31から延在した筐体部32と、ベースプレート部31に対向して筐体部32を覆う蓋体部33と、を備えている。さらに、該蓋体部33の電波送受信方向の上面(ハウジング面)30cには、内部空間30aに連通した開口部30bが形成されており、さらに開口部30bを覆うように、後述するレドーム15が配置されている。このように、蓋体部33及びレドーム15を設けることにより、制御回路20及びアンテナ12を含む高周波モジュール11等を、石はねや雨等から保護することができる。
【0029】
そして、ハウジング30の内部空間30aのベースプレート部31の上方のアンテナの電波の送受信方向に対して垂直な同一面上には、制御回路20と、高周波モジュール11と、が並列に配置されており、アンテナ12の電波の送受信が可能なように、高周波モジュール11のアンテナ12の周囲から、ハウジング30の開口部30bまで、電波の送受信方向に沿って、筒状の遮蔽部材40が、延在している。このような筒状に形成された遮蔽部材40を配置することにより、前記アンテナ12と前記制御回路20との間は、遮蔽部材40によって、遮蔽されることになる。
【0030】
また、図2に示すように、前記アンテナ12の検知角度をθ、該アンテナ検知角θの中心から筒状の遮蔽部材40の内壁までの距離をL、としたときに、前記遮蔽部材40の前記送受信方向の厚さTは、
【0031】
【数2】

の関係を満たすようになっている。
【0032】
このように遮蔽部材40の厚さTに合わせて、ハウジング30の筐体部32の厚さを決定し、電波吸収特性を損なわず、遮蔽部材40の厚さ分だけ、アンテナ12をハウジング内部に沈み込ませることができるので、ミリ波レーダ装置1の薄型化、小型化を図ることができる。
【0033】
また遮蔽部材40は、電波を吸収するための電波吸収材からなり、この電波吸収材は、前記レドーム15よりも誘電損失の大きい誘電損失層または磁気損失層のいずれかの層を備えており、さらに、電波吸収特性を向上させるために外側側面に導電体層42を積層している。
【0034】
そして、この誘電損失層を備えた場合には、この誘電損失層は、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、シュンガイトカーボン、カーボンブラック、膨張黒鉛、カーボンファイバーのうちの少なくとも一つから選択されたカーボン材料から構成されることが好ましい。また、磁気損失層を備えた場合は、この磁気損失層は、六方晶フェライトから構成されることが好ましい。より好ましい態様としては、前記誘電損失層または前記磁気損失層は、前記カーボン材料または前記六方晶フェライトよりも高電気抵抗率を有する物質を含有しており、この高電気抵抗率を有する物質は、絶縁性高分子材料あるいは絶縁性無機材料のいずれかから選ばれることが望ましい。また、高電気抵抗率を有する物質が、レドーム15と同一材質であってもよく、この場合、レドームと遮蔽部材とを一体成形することが可能であり、製造上、好都合である。
【0035】
このような装置構成にすることにより、図3に示すように、アンテナから送信された送信メインビームa1はレドーム15を介して前方車両80に到達し、対象物から反射した受信メインビームa2は、アンテナ12により受信され、対象物までの距離等を検出することができる。
【0036】
さらに、遮蔽部材40が、アンテナ12から送信される送信サイドローブb1、及び、路面90を反射する受信サイドローブb2を遮蔽することができるばかりでなく、アンテナ12と制御回路20との間にも、遮断部材40が配置されるので、制御回路20からの電源のノイズ等の不要電波も遮断することができ、レーダの検出精度を向上させることができる。
【0037】
図4は、本実施形態に係るミリ波レーダを車両に取付けてクラッタノイズの特性評価を行った結果を説明するための図であり、横軸の正規化周波数は、検知物の相対速度によるドップラ周波数を自車速に相当するドップラ周波数で正規化したものであり、縦軸は、ミリ波レーダ装置1の受信信号強度を示している。
【0038】
図6に示すように、レーダを搭載した車両が静止しているときには、路面との相対速度が発生しないため、受信信号強度は低い状態となる。しかし、車両が速度Vで走行時には、路面との相対速度成分(Vcosφ)の電波が発生し、遮蔽部材40が無い場合には、この路面からの相対速度成分の電波信号(サイドローブ)がノイズとして受信されてしまうが、図4に示すように、本実施形態に係るミリ波レーダ装置1は、遮蔽部材40を設けることにより、先に示した相対速度成分Vcosφ=0V〜0.45V(自車速の45%の速度成分)までの不要電波の信号は、確実に低減することができるので、この間の検出精度は低下しておらず、静止時と同等の検出精度を得ることができ、装置全体としての検出精度が向上する。
【0039】
以上、本発明に係るミリ波レーダ装置のいくつかの実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【0040】
たとえば、本発明では、ハウジング内に遮蔽部材を配置したが、これとは別に、ハウジングの上下方向に、さらに、電波を遮蔽する遮蔽プレートを設けてもよく、このようなプレートを設けることにより、車両走行時のロードクラッタをさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施形態に係るミリ波レーダ装置の全体構成図であり、(a)は、装置断面図であり、(b)は、装置を正面から見た図。
【図2】図1に示すミリ波レーダ装置の遮蔽部材の最適厚さを説明するための図。
【図3】図1に示すミリ波レーダ装置の電波の送受信を説明するための図。
【図4】本実施形態に係るミリ波レーダ装置を実車に取付けてクラッタノイズの特性評価を行った結果を説明するための図。
【図5】従来のミリ波レーダ装置を用いた車両において、送受信される電波を説明するための図。
【図6】従来のミリ波レーダ装置の全体構成図。
【符号の説明】
【0042】
11…高周波モジュール,12…アンテナ,15…レドーム,20…制御回路,30…ハウジング,30a…内部空間,30b…開口部,30c…ハウジング面,31…ベースプレート部,32…筐体部,33…蓋体部,40…遮蔽部材,51…バンパー,52…フロントグリル,80…車両,90…路面,a1…送信メインビーム,a2…受信メインビーム,b1送信サイドローブ,b2…受信サイドローブ,c…ノイズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を送受信するアンテナと、前記電波の制御を行う制御回路と、前記アンテナ及び前記制御回路を収納するハウジングと、前記アンテナを覆うレドームと、を備えたミリ波レーダ装置であって、
該ミリ波レーダ装置は、前記アンテナと前記制御回路との間に、電波を遮蔽する遮蔽部材を備えることを特徴とするミリ波レーダ装置。
【請求項2】
前記遮蔽部材は、前記アンテナの周囲で、前記電波の送受信方向に沿って延在していることを特徴とする請求項1に記載のミリ波レーダ装置。
【請求項3】
前記延在した遮蔽部材の前記送受信方向の厚さは、前記アンテナの検知範囲を確保する厚さに設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のミリ波レーダ装置。
【請求項4】
前記遮蔽部材は、筒状に形成されており、前記アンテナの検知角度をθ、該アンテナ検知角の中心から前記筒状の遮蔽部材の内壁までの距離をL、としたときに、前記遮蔽部材の厚さTは、
【数1】

の関係を満たすものであることを特徴とする請求項3に記載のミリ波レーダ装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記電波送受信方向のハウジング面に開口部を有しており、前記遮蔽部材は、前記電波送受信方向に沿って、前記開口部まで延在していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のミリ波レーダ装置。
【請求項6】
前記制御回路は、前記アンテナの前記電波送受信方向に対して垂直な面上に、前記アンテナと並列に配置されていること特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のミリ波レーダ装置。
【請求項7】
前記遮蔽部材は、電波吸収材を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のミリ波レーダ装置。
【請求項8】
前記電波吸収材は、前記レドームよりも誘電損失の大きい誘電損失層または磁気損失層のいずれかの層に導電体層を積層させていることを特徴とする請求項7に記載のミリ波レーダ装置。
【請求項9】
前記誘電損失層は、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、シュンガイトカーボン、カーボンブラック、膨張黒鉛、カーボンファイバーのうちの少なくとも一つから選択されたカーボン材料からなることを特徴とする請求項8に記載のミリ波レーダ装置。
【請求項10】
前記磁気損失層は、六方晶フェライトからなることを特徴とする請求項8に記載のミリ波レーダ装置。
【請求項11】
前記誘電損失層または前記磁気損失層は、前記カーボン材料または前記六方晶フェライトよりも高電気抵抗率を有する物質を含有していることを特徴とする請求項10に記載のミリ波レーダ装置。
【請求項12】
前記高電気抵抗率を有する物質は、絶縁性高分子材料または絶縁性無機材料であることを特徴とする請求項11に記載のミリ波レーダ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−74662(P2007−74662A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−262390(P2005−262390)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】