説明

ミルクフォーマー

【課題】高品質なミルクフォームを生成するとともに減圧した状態でミルクフォームを吐出することができる攪拌装置を備えたミルクフォーマーを提供することを目的とする。
【解決手段】攪拌装置20は、円筒形状の周壁35に鉛直の複数のリブ状突起36を設けた回転子34と、上面を開口22として底面23を閉塞させた略円筒の形状からなり、この円筒の内壁24には、リブ状突起36に相対するように複数のリブ状突起25と流入部26の流入口26aを、底面23にはミルクフォームを排出させる排出口27を設けた本体21と、本体21に回転子34を内設して開口22に取り付ける蓋体31と、から構成され、流入部26にはミルク容器13に管路14で連通し、ミルクを負圧吸引するためのミルク吸引口26bが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミルク等の液体を攪拌してミルクフォーム等の発泡物を生成する攪拌装置を備えたミルクフォーマーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からカップ式自動販売機では、コーヒー抽出装置で抽出したコーヒー液にクリームを加えたカプチーノ等のコーヒー飲料を調製して提供している。具体的には、ミキシングボウルに投入した粉末ミルク原料と湯を攪拌して生成したクリームをカップに供給し、これにコーヒー抽出装置で抽出したコーヒー液を注いでカプチーノ等のカップ入りコーヒー飲料を調製して利用者に提供するようにしている。
近年、飲料品質の向上を求める利用者の要望に沿って、ミルク(生乳)を泡立ててミルクフォームを生成するミルクフォーマーが提案されている。ミルクフォーマーは、ミルクを泡立ててミルクフォームを生成するもので、蒸気発生器で発生させた蒸気と冷却装置で冷蔵保存されているミルクをうずミキサで泡立ててミルクフォームを生成するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、湯タンク内の高温(例えば97℃)の湯を蒸気ボイラに所定時間供給し、蒸気ボイラではさらに加熱してミルクフォームを生成するのに適した温度(例えば170℃)の蒸気にしてミルクフォーム生成装置(ミルカー)内に吐出するようにしている。蒸気がミルクフォーム生成装置内に吐出されると吐出部内のミルク吸込ノズル及び空気吸込ノズル近傍の圧力が下がり、ミルク吸込ノズルからはミルクが吐出部内に吸い込まれ、空気吸込ノズルからは外部の空気が吐出部内に吸い込まれる。
そして、吐出部内を通過する蒸気によって吐出部内に吸引されたミルク(吸引ミルク)と空気(吸引空気)は、吐出部の内壁に沿ってミルクフォーム生成装置本体内に吐出され、吐出されたミルクと空気は蒸気の圧力により本体内壁面に沿って旋回する。この旋回により、ミルクと空気とが混合されて泡立てられたミルクフォームとなり、本体の底面に形成された吐出ノズルから吐出され、吐出ノズルの下方に載置されたカップに供給するようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−22856号公報
【特許文献2】特開2005−73869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ミルクフォーム生成装置本体内に吐出されたミルクと空気は蒸気の圧力により本体内壁に沿って旋回して攪拌される、所謂空気攪拌のため、その運動エネルギーが十分有効に使われることなくミルクフォームが吐出ノズルからカップに注がれるため、吐出ノズルから吐出されるときのミルクフォームの飛び散りが多く、カップを汚すという問題があった。また、ミルクと空気の攪拌が不十分な状態で吐出されるため、フォーミングが不十分であり、泡が十分に形成されないことから、ミルクフォームが供給された飲料の品質が低くなるという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みて、簡単な構成により高圧空気のエネルギーをミルクフォーミングのために費やして高品質なミルクフォームを生成するとともに減圧した状態でミルクフォームを吐出することができる攪拌手段を備えたミルクフォーマーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るミルクフォーマーは、高圧気体を発生させる高圧気体発生手段に流入部を介して連通し、前記高圧気体を流入させることにより前記流入部で負圧吸引させた液体と前記高圧気体との混合物を攪拌して気泡を有する発泡物を生成する攪拌手段を備えたミルクフォーマーにおいて、
上面を開口として底面を閉塞させた略円筒の形状からなり、この円筒の内壁には固定翼と前記流入部の流入口を、前記底面には前記発泡物を排出させる排出口を、設けた本体と、前記本体に内設された回転翼とにより前記攪拌手段を構成し、
前記流入部を介して前記流入口から前記本体内に流入した前記混合物により前記回転翼を旋回させることにより前記固定翼と前記回転翼との間に絞り部が形成されてなることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に係るミルクフォーマーは、上述した請求項1において、前記回転翼は円筒形状の周壁に第1のリブ状突起を設けた回転子からなり、前記固定翼は前記本体の内壁に形成した前記第1のリブ状突起に相対するように設けた第2のリブ状突起からなることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るミルクフォーマーは、上述した請求項1または請求項2において、前記第2のリブ状突起は前記排出口まで延長して設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係るミルクフォーマーは、上述した請求項1乃至請求項3の何れかにおいて、前記本体の開口を閉塞するための蓋体が設けられ、
前記本体内底面には、前記回転子を軸着させるための第1の凸部が設けられ、
前記回転子には、前記第1の凸部に軸着させるための第1の凹部と、前記蓋体に軸着させるための第2の凸部が設けられ、
前記蓋体には、前記第2の凸部を軸着させるための第2の凹部が設けられ、
前記本体に前記回転子を内設して前記開口に前記蓋体を取り付けることで、前記回転子が回転自由に軸着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、高圧気体を発生させる高圧気体発生手段に流入部を介して連通し、高圧気体を流入させることにより流入部で負圧吸引させた液体と高圧気体との混合物を攪拌して気泡を有する発泡物を生成する攪拌手段を備えたミルクフォーマーにおいて、上面を開口として底面を閉塞させた略円筒の形状からなり、この円筒の内壁には固定翼と流入部の流入口を、底面には発泡物を排出させる排出口を、設けた本体と、本体に内設された回転翼とにより攪拌手段を構成し、流入部を介して流入口から本体内に流入した混合物により回転翼を旋回させることにより固定翼と回転翼との間に絞り部が形成されてなることにより、固定翼により混合物のせん断攪拌が効果的に促進され、良質なミルクフォームを生成することができる。さらに、絞り部により高圧気体のエネルギーの減圧が効果的に進むことから、ミルクフォームの飛び散りによるカップ汚れがなくなる。また、外部に駆動装置を必要としない間接駆動になるため、簡単な構成により高圧空気のエネルギーをミルクフォーミングのために費やして高品質なミルクフォームを生成するとともに減圧した状態でミルクフォームを吐出することができる攪拌手段を備えたミルクフォーマーを提供することが可能となる。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、回転翼は円筒形状の周壁に第1のリブ状突起を設けた回転子からなり、固定翼は本体の内壁に形成した第1のリブ状突起に相対するように設けた第2のリブ状突起からなることにより、洗浄を容易に行えるようになり、簡単な構成で清潔にして衛生的な攪拌手段を備えたミルクフォーマーを提供することが可能となる。
また、請求項3の発明によれば、第2のリブ状突起は排出口まで延長して設けられていることにより、ミルクフォームの排出時の乱流による飛び散りがなくなり、ノズル周辺やカップの汚れを防ぐことができる。
また、請求項4の発明によれば、本体の開口を閉塞するための蓋体が設けられ、本体内底面には、回転子を軸着させるための第1の凸部が設けられ、回転子には、第1の凸部に軸着させるための第1の凹部と、蓋体に軸着させるための第2の凸部が設けられ、蓋体には、第2の凸部を軸着させるための第2の凹部が設けられ、本体に回転子を内設して開口に蓋体を取り付けることで、回転子が回転自由に軸着されることにより、高圧気体発生手段が運転され、流入部を介して流入口から本体内に流入した液体と高圧気体との混合物が第1のリブ状突起に衝突して回転子を回転させることにより、外部に駆動装置を必要としない間接駆動になるため、簡単な構成により高圧空気のエネルギーをミルクフォーミングのために費やして高品質なミルクフォームを生成することができるとともに、洗浄を容易に行えることにより、清潔にして衛生的な攪拌手段を備えたミルクフォーマーを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る攪拌手段を備えたミルクフォーマーの概念図である。
【図2】図1に示した攪拌手段の正面図である。
【図3】図1に示した攪拌手段の側面図である。
【図4】図1に示した攪拌手段の平面図である。
【図5】図4に示した攪拌手段の蓋体を取り外した平面図である。
【図6】図1に示した攪拌手段を斜め上から見た鳥瞰図である。
【図7】図6に示した攪拌手段の蓋体を取り外した鳥瞰図である。
【図8】図6に示した攪拌手段の回転子の鳥瞰図である。
【図9】図6に示した攪拌手段の本体の鳥瞰図である。
【図10】図2のA−A断面図である。
【図11】図2のB−B断面図である。
【図12】図3のC−C断面図である。
【図13】図3のD−D断面図である。
【図14】図3のE−E断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明のミルクフォーマーの好ましい実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は攪拌装置(攪拌手段)20を備えたミルクフォーマー10で生成したミルクフォーム(気泡を有する発泡物)と、コーヒー抽出装置40で抽出したコーヒー液とでコーヒー飲料を調製して供給する飲料供給装置1を示す概念図である。
ミルクフォーマー10は、攪拌装置20に蒸気(高圧気体)を供給するため、温水タンク50から供給される高温の湯を圧送する加圧ポンプ11と、加圧ポンプ11から圧送された高温の湯をさらに加熱して高温高圧の蒸気を発生させる蒸気発生装置(高圧気体発生手段)12を備えている。また、図示しない冷却装置で庫内が冷やされ、ミルク(液体、例えば生乳)が収容されているミルク容器13を冷蔵する保冷庫15を備え、ミルクは常に適切な温度に冷されて保存されている。
【0012】
温水タンク50は、例えば水道から供給された飲用水をヒータ(図示せず)で加熱した高温(例えば97℃)の湯を貯留し、電磁弁55が開かれ、加圧ポンプ11が運転されると、管路56を介して高温の湯が蒸気発生装置12に供給される。蒸気発生装置12は供給された高温の湯をヒータ(図示せず)でさらに加熱して高温(例えば170℃)、高圧(例えば0.8MPa)の蒸気を発生させて攪拌装置20に供給する。
攪拌装置20は、流入部26を介して蒸気発生装置12に連通し、供給された蒸気が流入部26に流入してその内壁を高速で通過することでミルク容器13に管路14で連通しているミルク吸引口26b近傍の圧力が下がることにより、ミルク吸引口26bからミルクを負圧吸引する。吸引されたミルクと蒸気(空気)との混合物はその本体内部で攪拌されてミルクフォームが生成されて排出口27から排出され、ノズル16からカップ60に注がれる。
【0013】
コーヒー抽出装置40は、コーヒー豆を貯蔵しているコーヒー豆キャニスタ41と、コーヒー豆キャニスタ41から供給されるコーヒー豆を挽いて挽き豆とするコーヒーミル42と、コーヒーミル42から供給される挽き豆と電磁弁53を開いて温水タンク50から管路54を介して供給される高温の湯の混合液からコーヒー液を抽出するコーヒーブリュア43とを備えている。そして、コーヒーブリュア43で抽出されたコーヒー液は管路44を介してミキシングボウル47に供給される。
ミキシングボウル47には粉末原料を貯蔵する複数の粉末原料キャニスタ45が備えられ、例えば、砂糖、ミルク入りコーヒー飲料を調製するときは、粉末砂糖および粉末ミルクがシュート46を介してミキシングボウル47に供給されてコーヒー液と混合されると、砂糖、ミルク入りコーヒー飲料となり、ノズル48からカップ60に注がれる。また、ココア飲料を調製するときは、粉末原料キャニスタ45から供給された粉末ココアに電磁弁51を開いて管路52を介して供給された湯が混合されるとココア飲料となり、ノズル48からカップ60に注がれる。さらに、コーヒー液にミルクフォームを浮かべたカプチーノを調製するには、先ず、ミルクフォーマー10でミルクフォームを生成してノズル16からカップ60に注ぎ込む。そして、コーヒーブリュア43で抽出したコーヒー液を管路44、ミキシングボウル47を介してノズル48からミルクフォームが注ぎ込まれているカップ60に注ぎ入れるとミルクフォームがコーヒー液に浮いているカプチーノが出来上がる。
【0014】
次に図2から図14を用いて木目細かな気泡を有するミルクフォームを生成する攪拌装置20を詳細に説明する。図2は攪拌装置20の正面図、図3は攪拌装置20の側面図、図4は攪拌装置20の平面図、図5は図4に示した攪拌装置20の蓋体31を取り外した平面図、図6は攪拌装置20を斜め上から見た鳥瞰図、図7は図6に示した攪拌装置20の蓋体31を取り外した鳥瞰図、図8は回転子34の鳥瞰図、図9は本体21の鳥瞰図、図10は図2のA−A断面図、図11は図2のB−B断面図、図12は図3のC−C断面図、図13は図3のD−D断面図、図14は図3のE−E断面図を示している。
図に示しているように、攪拌装置20は、円筒形状の周壁35に鉛直の複数のリブ状突起(第1のリブ状突起、回転翼)36を設けた回転子(回転翼)34と(主に図8を参照)、上面を開口22として底面23を閉塞させた略円筒の形状からなり、この円筒の内壁24には、リブ状突起36に相対するように複数のリブ状突起(第2のリブ状突起、固定翼)25と流入部26の流入口26aを、底面23にはミルクフォームを排出させる排出口27を設けた本体21と(主に図5、図7、図9、図11、図12を参照)、本体21に回転子34を内設して開口22に取り付ける蓋体31と(主に図12を参照)、から構成され、流入部26にはミルク容器13に管路14で連通し、ミルクを負圧吸引するためのミルク吸引口26bが設けられている。さらに、リブ状突起25は排出口27の位置にも設けられ、その下部は排出口27の出口まで延長した排出口リブ状突起25aとして設けられている(主に図12を参照)。
【0015】
また、本体21内底面23には、回転子34を軸着させるための凸部(第1の凸部)28が設けられ、回転子34には、凸部28に軸着させるための凹部(第1の凹部)37と、蓋体31に軸着させるための凸部(第2の凸部)38が設けられ、蓋体31には、凸部38を軸着させるための凹部(第2の凹部)32が設けられ、本体21に回転子34を内設して開口22に蓋体31を取り付けることで、回転子34が回転自由に軸着される(主に図12を参照)。
そして、蒸気(高圧気体)を発生させる蒸気発生装置(高圧気体発生手段)12が運転されると、流入部26を介して流入口26aから本体21内に蒸気が高速で流入する。このようにして流入した蒸気が流入部26内壁を高速で通過するとミルク吸引口26b近傍の圧力が下がり、ミルク容器13に収容されているミルクがミルク吸引口26bから負圧吸引されて流入部26内に流入する。このようにして流入口26aから本体21内に流入したミルクと蒸気(空気)の混合物がリブ状突起36に衝突することにより回転子34が図中右方向に回転(回転翼が旋回)して混合物は回転子34とともに旋回流となる。このようにして回転子34を回転させて旋回流となった混合物がリブ状突起25に衝突しながら旋回して攪拌が繰り返し行われることにより混合物のせん断攪拌が効果的に促進され、木目細かな気泡を有する良質なミルクフォームとなる。また、回転子34が回転することにより、リブ状突起25とリブ状突起36との間に形成される絞り部39を混合物が通過することで蒸気のエネルギーが効果的に減圧されて旋回の流れが弱まったミルクフォームは排出口27から排出口リブ状突起25aで排出時の乱流が整流されて排出される(主に図11、図12を参照)。
【0016】
以上、本発明の、蒸気を発生させる蒸気発生装置12に連通し、蒸気が流入することで負圧吸引されたミルクと蒸気に含まれる空気との混合物を攪拌して気泡を有するミルクフォームを生成する攪拌装置20を備えたミルクフォーマー10について説明したが、次にその作用について説明する。
ミルクフォームを使用する飲料、例えばカプチーノの選択ボタン(図示せず)が選択されると、制御装置(図示せず)により、所定時間、例えば10秒間、電磁弁55が開かれ、加圧ポンプ11が運転されると、温水タンク50に貯留されている高温の湯が加圧ポンプ11によって加圧されて蒸気発生装置12に供給される。蒸気発生装置12では、供給された高温の湯をヒータで加熱して高温(例えば170℃)、高圧(例えば0.8MPa)の蒸気を発生させて攪拌装置20の流入部26に供給する。
【0017】
攪拌装置20の流入部26に供給された蒸気がその管内を高速で通過すると、ミルク容器13で冷されて保存されているミルクがミルク吸引口26bから負圧吸引され、蒸気(空気)とともに本体21内に噴出される。本体21内では回転自由に軸着されている回転子34のリブ状突起36に噴出されたミルクと蒸気の混合物が衝突して回転子34を回転させて旋回流となる。回転子34とともに本体21内を旋回する旋回流となった混合物は本体21内壁24に設けたリブ状突起25に衝突しながら旋回して攪拌されることで混合物のせん断攪拌が効果的に促進され、木目細かな気泡を有する良質なミルクフォームとなる。また、回転子34が回転することにより、リブ状突起25とリブ状突起36との間に形成される絞り部39を混合物が通過することで蒸気のエネルギーが効果的に減圧されて旋回の流れが弱まったミルクフォームは排出口27から排出される。排出口27から排出されるミルクフォームは旋回流(乱流)となっているが、排出口リブ状突起25aで排出時の乱流が整流されるので飛び散りがなくなり、ノズル16周辺やカップ60の汚れを防ぐことができる。
【0018】
このように、蒸気を発生させる蒸気発生装置12に流入部26を介して連通し、蒸気を流入させることにより流入部26で負圧吸引させたミルクと蒸気との混合物を攪拌して気泡を有するミルクフォームを生成する攪拌装置20を備えたミルクフォーマー10において、上面を開口22として底面23を閉塞させた略円筒の形状からなり、この円筒の内壁24には固定翼(リブ状突起25)と流入部26の流入口26aを、底面23にはミルクフォームを排出させる排出口27を、設けた本体21と、本体21に内設された回転翼(円筒形状の周壁35にリブ状突起36を設けた回転子34)とにより攪拌装置20を構成し、流入部26を介して流入口26aから本体21内に流入した混合物により回転子34を旋回させることによりリブ状突起25とリブ状突起36との間に絞り部39が形成されてなることにより、リブ状突起25により混合物のせん断攪拌が効果的に促進され、良質なミルクフォームを生成することができる。さらに、絞り部39により蒸気のエネルギーの減圧も効果的に進むことから、ミルクフォームの飛び散りによるカップ60の汚れがなくなる。また、外部に駆動装置を必要としない間接駆動になるため、簡単な構成により蒸気のエネルギーをミルクフォーミングのために費やして高品質なミルクフォームを生成するとともに減圧した状態でミルクフォームを吐出することができる攪拌装置20を備えたミルクフォーマー10を提供することが可能となる。
【0019】
また、回転翼は円筒形状の周壁35にリブ状突起36を設けた回転子34からなり、固定翼は本体21の内壁24に形成したリブ状突起36に相対するように設けたリブ状突起25からなることにより、洗浄を容易に行えるようになり、簡単な構成で清潔にして衛生的な攪拌装置20を備えたミルクフォーマー10を提供することが可能となる。
また、リブ状突起25は排出口27出口まで延長されて排出口リブ状突起25aとして設けられていることにより、ミルクフォームの排出時の乱流による飛び散りがなくなり、ノズル16周辺やカップ60の汚れを防ぐことができる。
また、本体21の開口22を閉塞するための蓋体31が設けられ、本体21内底面23には、回転子34を軸着させるための凸部28が設けられ、回転子34には、凸部28に軸着させるための凹部37と、蓋体31に軸着させるための凸部38が設けられ、蓋体31には、凸部38を軸着させるための凹部32が設けられ、本体21に回転子34を内設して開口22に蓋体31を取り付けることで、回転子34が回転自由に軸着されることにより、蒸気発生装置12が運転され、流入部26を介して流入口26aから本体21内に流入したミルクと蒸気との混合物がリブ状突起36に衝突して回転子34を回転させることにより、外部に駆動装置を必要としない間接駆動になるため、簡単な構成により蒸気のエネルギーをミルクフォーミングのために費やして高品質なミルクフォームを生成することができるとともに、洗浄を容易に行えることにより、清潔にして衛生的な攪拌装置20を備えたミルクフォーマー10を提供することが可能となる。
【0020】
尚、上述した攪拌手段はミルクと蒸気(空気)の混合物を攪拌してミルクフォームを生成するミルクフォーマーに限定されることなく、例えば、油や卵等と空気とを攪拌した発泡物を生成する発泡物生成装置に応用することが可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 飲料供給装置
10 ミルクフォーマー
11 加圧ポンプ
12 蒸気発生装置(高圧気体発生手段)
13 ミルク容器
15 保冷庫
16 ノズル
20 攪拌装置(攪拌手段)
21 本体
22 開口
23 底面
24 内壁
25 リブ状突起(第2のリブ状突起、固定翼)
25a 排出口リブ状突起
26 流入部
26a 流入口
26b ミルク吸引口
27 排出口
28 凸部(第1の凸部)
31 蓋体
32 凹部(第2の凹部)
34 回転子(回転翼)
35 周壁
36 リブ状突起(第1のリブ状突起、回転翼)
37 凹部(第1の凹部)
38 凸部(第2の凸部)
39 絞り部
40 コーヒー抽出装置
43 コーヒーブリュア
47 ミキシングボウル
48 ノズル
50 温水タンク
60 カップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧気体を発生させる高圧気体発生手段に流入部を介して連通し、前記高圧気体を流入させることにより前記流入部で負圧吸引させた液体と前記高圧気体との混合物を攪拌して気泡を有する発泡物を生成する攪拌手段を備えたミルクフォーマーにおいて、
上面を開口として底面を閉塞させた略円筒の形状からなり、この円筒の内壁には固定翼と前記流入部の流入口を、前記底面には前記発泡物を排出させる排出口を、設けた本体と、前記本体に内設された回転翼とにより前記攪拌手段を構成し、
前記流入部を介して前記流入口から前記本体内に流入した前記混合物により前記回転翼を旋回させることにより前記固定翼と前記回転翼との間に絞り部が形成されてなることを特徴とするミルクフォーマー。
【請求項2】
前記回転翼は円筒形状の周壁に第1のリブ状突起を設けた回転子からなり、前記固定翼は前記本体の内壁に形成した前記第1のリブ状突起に相対するように設けた第2のリブ状突起からなることを特徴とする請求項1に記載のミルクフォーマー。
【請求項3】
前記第2のリブ状突起は前記排出口まで延長して設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミルクフォーマー。
【請求項4】
前記本体の開口を閉塞するための蓋体が設けられ、
前記本体内底面には、前記回転子を軸着させるための第1の凸部が設けられ、
前記回転子には、前記第1の凸部に軸着させるための第1の凹部と、前記蓋体に軸着させるための第2の凸部が設けられ、
前記蓋体には、前記第2の凸部を軸着させるための第2の凹部が設けられ、
前記本体に前記回転子を内設して前記開口に前記蓋体を取り付けることで、前記回転子が回転自由に軸着されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のミルクフォーマー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−273744(P2010−273744A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127131(P2009−127131)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】