ミロー型干渉対物レンズ、及び光学機器
【課題】干渉縞画像のコントラストを向上させることができるミロー型干渉対物レンズの提供。
【解決手段】ミロー型干渉対物レンズは、光源から出射される光を被検面に集光させるレンズと、レンズにて集光される光の一部を反射させるとともに、他を透過させるビームスプリッタと、レンズ、及びビームスプリッタの間に設けられる基板6と、基板6におけるレンズ側の面に設けられ、ビームスプリッタにて反射される光を反射させるミラー7とを備える。ミラー7は、ミラー7の上面に成膜される多層膜8と、多層膜8に成膜されるフッ化マグネシウム、酸化ケイ素、または酸化アルミニウムからなる被覆膜9とを備える。多層膜8は、ミラー7側から順にクロム膜81と、誘電体膜82とを交互に積層した少なくとも2層とされている。
【解決手段】ミロー型干渉対物レンズは、光源から出射される光を被検面に集光させるレンズと、レンズにて集光される光の一部を反射させるとともに、他を透過させるビームスプリッタと、レンズ、及びビームスプリッタの間に設けられる基板6と、基板6におけるレンズ側の面に設けられ、ビームスプリッタにて反射される光を反射させるミラー7とを備える。ミラー7は、ミラー7の上面に成膜される多層膜8と、多層膜8に成膜されるフッ化マグネシウム、酸化ケイ素、または酸化アルミニウムからなる被覆膜9とを備える。多層膜8は、ミラー7側から順にクロム膜81と、誘電体膜82とを交互に積層した少なくとも2層とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミロー型干渉対物レンズ、及びミロー型干渉対物レンズを備える光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射される光を被検面に集光させるレンズと、レンズにて集光される光の一部を反射させるとともに、他を透過させるビームスプリッタと、ビームスプリッタにて反射される光を反射させるミラーとを備え、被検面にて反射される光と、ミラーにて反射される光との干渉光を得るミロー型干渉対物レンズと、このミロー型干渉対物レンズを備える光学機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のミロー型顕微干渉計装置(光学機器)は、対物レンズユニット(ミロー型干渉対物レンズ)を備え、対物レンズユニットは、対物レンズ系(レンズ)と、ビームスプリッタと、参照ミラー(ミラー)とを備え、対物レンズユニットによって得られる干渉光をCCD(Charge Coupled Device)カメラにて撮像して干渉縞画像を取得し、この干渉縞画像を解析することで被検面の測定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−86148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなミロー型干渉対物レンズでは、ミラーは、レンズ、及びビームスプリッタの間に配設されているので、光源から出射され、レンズを介した光の一部は、ミラーにおけるレンズ側の面(以下、ミラーの上面とする)にて反射される。そして、ミラーの上面にて反射される光は、CCDカメラにて干渉縞画像を取得する際にレンズフレアを発生させる有害な光となるので、干渉縞画像のコントラストが低下し、ひいては光学機器の精度が低下するという問題がある。
【0006】
これに対して、特許文献1に記載のミロー型顕微干渉計装置は、リング状の照明光を出射する光源部を備え、光源部から出射される光を参照ミラーの上面を避けて対物レンズ系に入射させることによって、干渉縞画像のコントラストを向上させている。
しかしながら、このような構成では、光学機器は、リング状の照明光を出射する光源部を備える必要があるので、光学系の設計が煩雑化するとともに、製造コストが増加するという問題がある。
また、ミラーの上面の反射率を低くするために、ミラーの上面に塗料などを塗布することも考えられる。しかしながら、ミラーの面積は微小であるので、作業効率が悪く、塗料がはみ出すことで外観が悪くなるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、干渉縞画像のコントラストを向上させることができるミロー型干渉対物レンズ、及びミロー型干渉対物レンズを備える光学機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のミロー型干渉対物レンズは、光源から出射される光を被検面に集光させるレンズと、前記レンズにて集光される光の一部を反射させるとともに、他を透過させるビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにて反射される光を反射させるミラーとを備え、前記被検面にて反射される光と、前記ミラーにて反射される光との干渉光を得るミロー型干渉対物レンズであって、前記ミラーは、前記レンズ側の面に成膜される多層膜と、前記多層膜に成膜されるフッ化マグネシウム、酸化ケイ素、または酸化アルミニウムからなる被覆膜とを備え、前記多層膜は、前記ミラー側から順にクロム膜と、誘電体膜とを交互に積層した少なくとも2層とされることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、ミラーは、ミラーの上面に成膜される多層膜と、被覆膜とを備え、多層膜は、ミラー側から順にクロム膜と、誘電体膜とを交互に積層した少なくとも2層とされるので、光源から出射され、ミラーの上面に向かって入射する光は、被覆膜、及び誘電体膜を介してクロム膜にて吸収される。したがって、ミラーの上面の反射率を低くすることができるので、干渉縞画像のコントラストを向上させることができる。
また、多層膜、及び被覆膜は、ミラーの成膜に用いられる環境をそのまま利用して成膜することができるので、作業効率が良く、ミロー型干渉対物レンズの製造コストを抑制することができる。
【0010】
本発明では、前記多層膜は、4層とされることが好ましい。
ここで、ミラーの上面の反射率は、多層膜の層数を多くするに従って低くすることができる。しかしながら、ミラーの上面の反射率は、多層膜の層数を5層以上としても4層の場合と比較して大きく変化しなくなる。
本発明によれば、多層膜は、4層とされるので、干渉縞画像のコントラストを十分に向上させることができるとともに、ミロー型干渉対物レンズの製造コストを抑制することができる。
【0011】
本発明の光学機器は、前述したミロー型干渉対物レンズを備えることを特徴とする。
このような光学機器によれば、前述したミロー型干渉対物レンズと同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る光学機器に用いられるミロー型干渉対物レンズを示す図。
【図2】前記実施形態における基板、及びミラーを示す拡大図。
【図3】本発明の実施例1に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図4】本発明の実施例2に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図5】本発明の実施例3に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図6】本発明の実施例4に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図7】本発明の実施例5に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図8】本発明の実施例6に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図9】本発明の実施例6に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図10】本発明の比較例1に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図11】本発明の比較例2に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像測定機1に用いられるミロー型干渉対物レンズ2を示す図である。
光学機器としての画像測定機1は、図1に示すように、ミロー型干渉対物レンズ2を備え、ミロー型干渉対物レンズ2によって得られる干渉光をCCDカメラ(図示略)にて撮像して干渉縞画像を取得し、この干渉縞画像を解析することで被検面Sの測定を行うものである。
【0014】
ミロー型干渉対物レンズ2は、鏡筒3と、鏡筒3の図1中上方側に設けられ、光源(図示略)から出射される光を被検面Sに集光させるレンズ4と、鏡筒3の図1中下端に設けられ、レンズ4にて集光される光の一部を反射させるとともに、他を透過させるビームスプリッタ5と、レンズ4、及びビームスプリッタ5の間に設けられる基板6と、基板6におけるレンズ4側の面に設けられ、ビームスプリッタ5にて反射される光を反射させるミラー7とを備え、被検面Sにて反射される光と、ミラー7にて反射される光との干渉光を得るものである。
ここで、光源から出射され、レンズ4を介した光の一部は、ミラー7におけるレンズ4側の面(以下、ミラー7の上面とする)にて反射される(図1中一点鎖線)。そして、ミラー7の上面にて反射される光は、CCDカメラにて干渉縞画像を取得する際にレンズフレアを発生させる有害な光となる。
【0015】
図2は、基板6、及びミラー7を示す拡大図である。
基板6は、図2に示すように、BK−7、白板ガラス、または石英などからなるガラス基板61と、ガラス基板61の両面に成膜される反射防止膜62とを備える。
ミラー7は、ガラス基板61の中央に成膜されるアルミニウムであり、ミラー7の上面に成膜される多層膜8と、多層膜8に成膜される被覆膜9とを備える。なお、ミラー7、多層膜8、及び被覆膜9は、真空蒸着、イオンアシスト蒸着、またはスパッタリングなどの物理蒸着法で成膜されている。
多層膜8は、ミラー7側から順にクロム膜81と、誘電体膜82とを交互に積層した少なくとも2層とされている。なお、クロム膜81、誘電体膜82、及び被覆膜9の厚さは、シミュレーションによって最適化されている。
【0016】
このような本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)ミラー7は、ミラー7の上面に成膜される多層膜8と、被覆膜9とを備え、多層膜8は、ミラー7側から順にクロム膜81と、誘電体膜82とを交互に積層した少なくとも2層とされるので、光源から出射され、ミラー7の上面に向かって入射する光は、被覆膜9、及び誘電体膜82を介してクロム膜81にて吸収される。したがって、ミラー7の上面の反射率を低くすることができるので、干渉縞画像のコントラストを向上させることができる。
(2)また、多層膜8、及び被覆膜9は、ミラー7の成膜に用いられる環境をそのまま利用して成膜することができるので、作業効率が良く、ミロー型干渉対物レンズ2の製造コストを抑制することができる。
【実施例1】
【0017】
次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
図3は、本発明の実施例1に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。なお、図3(A)は、基板6、及びミラー7を示す拡大図であり、図3(B)は、400nm〜700nmの波長帯域でミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果である。また、図3(B)では、縦軸を反射率(%)とし、横軸を光の波長(nm)としている。以下の図面においても同様である。
本実施例1は、図3(A)に示すように、多層膜8を2層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9を酸化ケイ素としている。
本実施例1では、ミラー7の上面の反射率は、図3(B)に示すように、5%〜25%程度となっている。
【0018】
[実施例2]
図4は、本発明の実施例2に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例2は、図4(A)に示すように、多層膜8を3層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9を酸化ケイ素としている。
本実施例2では、ミラー7の上面の反射率は、図4(B)に示すように、0.5%〜1.5%程度となっている。
【0019】
[実施例3]
図5は、本発明の実施例3に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例3は、図5(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9を酸化ケイ素としている。
本実施例3では、ミラー7の上面の反射率は、図5(B)に示すように、1%以下となっている。
【0020】
実施例1〜3に示すように、ミラー7の上面の反射率は、多層膜8の層数を多くするに従って低くすることができる。また、多層膜8の層数を4層とすることでミラー7の上面の反射率を1%以下とすることができるので、干渉縞画像のコントラストを十分に向上させることができる。さらに、ミラー7の上面の反射率は、多層膜の層数を5層以上としても4層の場合と比較して大きく変化しなくなるので、多層膜8の層数を4層とすることでミロー型干渉対物レンズ2の製造コストを抑制することができる。
【0021】
[実施例4]
図6は、本発明の実施例4に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例4は、図6(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9をフッ化マグネシウムとしている。
本実施例4では、ミラー7の上面の反射率は、図6(B)に示すように、1%以下となっている。
【0022】
[実施例5]
図7は、本発明の実施例5に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例5は、図7(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9を酸化アルミニウムとしている。
本実施例5では、ミラー7の上面の反射率は、図7(B)に示すように、1%以下となっている。
【0023】
実施例3〜5に示すように、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、または酸化アルミニウムを被覆膜9とすることによって、ミラー7の上面の反射率を1%以下とすることができるので、干渉縞画像のコントラストを十分に向上させることができる。
【0024】
[実施例6]
図8は、本発明の実施例6に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例6は、図8(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82を酸化ケイ素としている。また、被覆膜9を酸化アルミニウムとしている。
本実施例6では、ミラー7の上面の反射率は、図8(B)に示すように、1%以下となっている。
【0025】
[実施例7]
図9は、本発明の実施例7に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例7は、図9(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82をフッ化マグネシウムとしている。また、被覆膜9を酸化アルミニウムとしている。
本実施例7では、ミラー7の上面の反射率は、図9(B)に示すように、1%以下となっている。
【0026】
実施例5〜7に示すように、酸化チタン、酸化ケイ素、またはフッ化マグネシウムを誘電体膜82とすることによって、ミラー7の上面の反射率を1%以下とすることができるので、干渉縞画像のコントラストを十分に向上させることができる。すなわち、誘電体膜82を酸化チタン以外の他の誘電体材料とした場合であってもミラー7の上面の反射率は大きく変化しないので、任意の誘電体材料を誘電体膜82として選択することができる。
【0027】
[比較例1]
図9は、本発明の比較例1に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本比較例1は、図9(A)に示すように、ミラー7は、多層膜8、及び被覆膜9を備えていない。
本比較例1では、ミラー7の上面の反射率は、図9(B)に示すように、90%程度となっている。
【0028】
実施例1〜3、及び比較例1に示すように、ミラー7は、多層膜8と、被覆膜9とを備えることによって、ミラー7の上面の反射率を低くすることができるので、干渉縞画像のコントラストを向上させることができる。
【0029】
[比較例2]
図10は、本発明の比較例2に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本比較例2は、図10(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9を酸化ハフニウムとしている。
本比較例2では、ミラー7の反射率は、図10(B)に示すように、0.5%〜3%程度となっている。
【0030】
実施例3〜5、及び比較例2に示すように、被覆膜9を、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、及び酸化アルミニウム以外とした場合には、ミラー7の上面の反射率は大きく変化するので、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、または酸化アルミニウムを被覆膜9として選択する必要がある。
【0031】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、多層膜8は、2〜4層としていたが、5層以上であってもよい。
前記実施形態では、誘電体膜82は、酸化チタン、酸化ケイ素、またはフッ化マグネシウムとしていたが、他の誘電体材料であってもよい。
前記実施形態では、光学機器として画像測定機1を例示していたが、光学顕微鏡などの他の光学機器に本発明のミロー型干渉対物レンズを適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、ミロー型干渉対物レンズ、及びミロー型干渉対物レンズを備える光学機器に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1…画像測定機(光学機器)
2…ミロー型干渉対物レンズ
4…レンズ
5…ビームスプリッタ
7…ミラー
8…多層膜
9…被覆膜
81…クロム膜
82…誘電体膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミロー型干渉対物レンズ、及びミロー型干渉対物レンズを備える光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射される光を被検面に集光させるレンズと、レンズにて集光される光の一部を反射させるとともに、他を透過させるビームスプリッタと、ビームスプリッタにて反射される光を反射させるミラーとを備え、被検面にて反射される光と、ミラーにて反射される光との干渉光を得るミロー型干渉対物レンズと、このミロー型干渉対物レンズを備える光学機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のミロー型顕微干渉計装置(光学機器)は、対物レンズユニット(ミロー型干渉対物レンズ)を備え、対物レンズユニットは、対物レンズ系(レンズ)と、ビームスプリッタと、参照ミラー(ミラー)とを備え、対物レンズユニットによって得られる干渉光をCCD(Charge Coupled Device)カメラにて撮像して干渉縞画像を取得し、この干渉縞画像を解析することで被検面の測定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−86148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなミロー型干渉対物レンズでは、ミラーは、レンズ、及びビームスプリッタの間に配設されているので、光源から出射され、レンズを介した光の一部は、ミラーにおけるレンズ側の面(以下、ミラーの上面とする)にて反射される。そして、ミラーの上面にて反射される光は、CCDカメラにて干渉縞画像を取得する際にレンズフレアを発生させる有害な光となるので、干渉縞画像のコントラストが低下し、ひいては光学機器の精度が低下するという問題がある。
【0006】
これに対して、特許文献1に記載のミロー型顕微干渉計装置は、リング状の照明光を出射する光源部を備え、光源部から出射される光を参照ミラーの上面を避けて対物レンズ系に入射させることによって、干渉縞画像のコントラストを向上させている。
しかしながら、このような構成では、光学機器は、リング状の照明光を出射する光源部を備える必要があるので、光学系の設計が煩雑化するとともに、製造コストが増加するという問題がある。
また、ミラーの上面の反射率を低くするために、ミラーの上面に塗料などを塗布することも考えられる。しかしながら、ミラーの面積は微小であるので、作業効率が悪く、塗料がはみ出すことで外観が悪くなるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、干渉縞画像のコントラストを向上させることができるミロー型干渉対物レンズ、及びミロー型干渉対物レンズを備える光学機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のミロー型干渉対物レンズは、光源から出射される光を被検面に集光させるレンズと、前記レンズにて集光される光の一部を反射させるとともに、他を透過させるビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにて反射される光を反射させるミラーとを備え、前記被検面にて反射される光と、前記ミラーにて反射される光との干渉光を得るミロー型干渉対物レンズであって、前記ミラーは、前記レンズ側の面に成膜される多層膜と、前記多層膜に成膜されるフッ化マグネシウム、酸化ケイ素、または酸化アルミニウムからなる被覆膜とを備え、前記多層膜は、前記ミラー側から順にクロム膜と、誘電体膜とを交互に積層した少なくとも2層とされることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、ミラーは、ミラーの上面に成膜される多層膜と、被覆膜とを備え、多層膜は、ミラー側から順にクロム膜と、誘電体膜とを交互に積層した少なくとも2層とされるので、光源から出射され、ミラーの上面に向かって入射する光は、被覆膜、及び誘電体膜を介してクロム膜にて吸収される。したがって、ミラーの上面の反射率を低くすることができるので、干渉縞画像のコントラストを向上させることができる。
また、多層膜、及び被覆膜は、ミラーの成膜に用いられる環境をそのまま利用して成膜することができるので、作業効率が良く、ミロー型干渉対物レンズの製造コストを抑制することができる。
【0010】
本発明では、前記多層膜は、4層とされることが好ましい。
ここで、ミラーの上面の反射率は、多層膜の層数を多くするに従って低くすることができる。しかしながら、ミラーの上面の反射率は、多層膜の層数を5層以上としても4層の場合と比較して大きく変化しなくなる。
本発明によれば、多層膜は、4層とされるので、干渉縞画像のコントラストを十分に向上させることができるとともに、ミロー型干渉対物レンズの製造コストを抑制することができる。
【0011】
本発明の光学機器は、前述したミロー型干渉対物レンズを備えることを特徴とする。
このような光学機器によれば、前述したミロー型干渉対物レンズと同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る光学機器に用いられるミロー型干渉対物レンズを示す図。
【図2】前記実施形態における基板、及びミラーを示す拡大図。
【図3】本発明の実施例1に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図4】本発明の実施例2に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図5】本発明の実施例3に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図6】本発明の実施例4に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図7】本発明の実施例5に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図8】本発明の実施例6に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図9】本発明の実施例6に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図10】本発明の比較例1に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図11】本発明の比較例2に係る基板、及びミラーを示す拡大図、並びにミラーの上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像測定機1に用いられるミロー型干渉対物レンズ2を示す図である。
光学機器としての画像測定機1は、図1に示すように、ミロー型干渉対物レンズ2を備え、ミロー型干渉対物レンズ2によって得られる干渉光をCCDカメラ(図示略)にて撮像して干渉縞画像を取得し、この干渉縞画像を解析することで被検面Sの測定を行うものである。
【0014】
ミロー型干渉対物レンズ2は、鏡筒3と、鏡筒3の図1中上方側に設けられ、光源(図示略)から出射される光を被検面Sに集光させるレンズ4と、鏡筒3の図1中下端に設けられ、レンズ4にて集光される光の一部を反射させるとともに、他を透過させるビームスプリッタ5と、レンズ4、及びビームスプリッタ5の間に設けられる基板6と、基板6におけるレンズ4側の面に設けられ、ビームスプリッタ5にて反射される光を反射させるミラー7とを備え、被検面Sにて反射される光と、ミラー7にて反射される光との干渉光を得るものである。
ここで、光源から出射され、レンズ4を介した光の一部は、ミラー7におけるレンズ4側の面(以下、ミラー7の上面とする)にて反射される(図1中一点鎖線)。そして、ミラー7の上面にて反射される光は、CCDカメラにて干渉縞画像を取得する際にレンズフレアを発生させる有害な光となる。
【0015】
図2は、基板6、及びミラー7を示す拡大図である。
基板6は、図2に示すように、BK−7、白板ガラス、または石英などからなるガラス基板61と、ガラス基板61の両面に成膜される反射防止膜62とを備える。
ミラー7は、ガラス基板61の中央に成膜されるアルミニウムであり、ミラー7の上面に成膜される多層膜8と、多層膜8に成膜される被覆膜9とを備える。なお、ミラー7、多層膜8、及び被覆膜9は、真空蒸着、イオンアシスト蒸着、またはスパッタリングなどの物理蒸着法で成膜されている。
多層膜8は、ミラー7側から順にクロム膜81と、誘電体膜82とを交互に積層した少なくとも2層とされている。なお、クロム膜81、誘電体膜82、及び被覆膜9の厚さは、シミュレーションによって最適化されている。
【0016】
このような本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)ミラー7は、ミラー7の上面に成膜される多層膜8と、被覆膜9とを備え、多層膜8は、ミラー7側から順にクロム膜81と、誘電体膜82とを交互に積層した少なくとも2層とされるので、光源から出射され、ミラー7の上面に向かって入射する光は、被覆膜9、及び誘電体膜82を介してクロム膜81にて吸収される。したがって、ミラー7の上面の反射率を低くすることができるので、干渉縞画像のコントラストを向上させることができる。
(2)また、多層膜8、及び被覆膜9は、ミラー7の成膜に用いられる環境をそのまま利用して成膜することができるので、作業効率が良く、ミロー型干渉対物レンズ2の製造コストを抑制することができる。
【実施例1】
【0017】
次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
図3は、本発明の実施例1に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。なお、図3(A)は、基板6、及びミラー7を示す拡大図であり、図3(B)は、400nm〜700nmの波長帯域でミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果である。また、図3(B)では、縦軸を反射率(%)とし、横軸を光の波長(nm)としている。以下の図面においても同様である。
本実施例1は、図3(A)に示すように、多層膜8を2層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9を酸化ケイ素としている。
本実施例1では、ミラー7の上面の反射率は、図3(B)に示すように、5%〜25%程度となっている。
【0018】
[実施例2]
図4は、本発明の実施例2に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例2は、図4(A)に示すように、多層膜8を3層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9を酸化ケイ素としている。
本実施例2では、ミラー7の上面の反射率は、図4(B)に示すように、0.5%〜1.5%程度となっている。
【0019】
[実施例3]
図5は、本発明の実施例3に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例3は、図5(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9を酸化ケイ素としている。
本実施例3では、ミラー7の上面の反射率は、図5(B)に示すように、1%以下となっている。
【0020】
実施例1〜3に示すように、ミラー7の上面の反射率は、多層膜8の層数を多くするに従って低くすることができる。また、多層膜8の層数を4層とすることでミラー7の上面の反射率を1%以下とすることができるので、干渉縞画像のコントラストを十分に向上させることができる。さらに、ミラー7の上面の反射率は、多層膜の層数を5層以上としても4層の場合と比較して大きく変化しなくなるので、多層膜8の層数を4層とすることでミロー型干渉対物レンズ2の製造コストを抑制することができる。
【0021】
[実施例4]
図6は、本発明の実施例4に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例4は、図6(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9をフッ化マグネシウムとしている。
本実施例4では、ミラー7の上面の反射率は、図6(B)に示すように、1%以下となっている。
【0022】
[実施例5]
図7は、本発明の実施例5に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例5は、図7(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9を酸化アルミニウムとしている。
本実施例5では、ミラー7の上面の反射率は、図7(B)に示すように、1%以下となっている。
【0023】
実施例3〜5に示すように、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、または酸化アルミニウムを被覆膜9とすることによって、ミラー7の上面の反射率を1%以下とすることができるので、干渉縞画像のコントラストを十分に向上させることができる。
【0024】
[実施例6]
図8は、本発明の実施例6に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例6は、図8(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82を酸化ケイ素としている。また、被覆膜9を酸化アルミニウムとしている。
本実施例6では、ミラー7の上面の反射率は、図8(B)に示すように、1%以下となっている。
【0025】
[実施例7]
図9は、本発明の実施例7に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本実施例7は、図9(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82をフッ化マグネシウムとしている。また、被覆膜9を酸化アルミニウムとしている。
本実施例7では、ミラー7の上面の反射率は、図9(B)に示すように、1%以下となっている。
【0026】
実施例5〜7に示すように、酸化チタン、酸化ケイ素、またはフッ化マグネシウムを誘電体膜82とすることによって、ミラー7の上面の反射率を1%以下とすることができるので、干渉縞画像のコントラストを十分に向上させることができる。すなわち、誘電体膜82を酸化チタン以外の他の誘電体材料とした場合であってもミラー7の上面の反射率は大きく変化しないので、任意の誘電体材料を誘電体膜82として選択することができる。
【0027】
[比較例1]
図9は、本発明の比較例1に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本比較例1は、図9(A)に示すように、ミラー7は、多層膜8、及び被覆膜9を備えていない。
本比較例1では、ミラー7の上面の反射率は、図9(B)に示すように、90%程度となっている。
【0028】
実施例1〜3、及び比較例1に示すように、ミラー7は、多層膜8と、被覆膜9とを備えることによって、ミラー7の上面の反射率を低くすることができるので、干渉縞画像のコントラストを向上させることができる。
【0029】
[比較例2]
図10は、本発明の比較例2に係る基板6、及びミラー7を示す拡大図、並びにミラー7の上面の反射率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
本比較例2は、図10(A)に示すように、多層膜8を4層とし、誘電体膜82を酸化チタンとしている。また、被覆膜9を酸化ハフニウムとしている。
本比較例2では、ミラー7の反射率は、図10(B)に示すように、0.5%〜3%程度となっている。
【0030】
実施例3〜5、及び比較例2に示すように、被覆膜9を、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、及び酸化アルミニウム以外とした場合には、ミラー7の上面の反射率は大きく変化するので、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、または酸化アルミニウムを被覆膜9として選択する必要がある。
【0031】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、多層膜8は、2〜4層としていたが、5層以上であってもよい。
前記実施形態では、誘電体膜82は、酸化チタン、酸化ケイ素、またはフッ化マグネシウムとしていたが、他の誘電体材料であってもよい。
前記実施形態では、光学機器として画像測定機1を例示していたが、光学顕微鏡などの他の光学機器に本発明のミロー型干渉対物レンズを適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、ミロー型干渉対物レンズ、及びミロー型干渉対物レンズを備える光学機器に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1…画像測定機(光学機器)
2…ミロー型干渉対物レンズ
4…レンズ
5…ビームスプリッタ
7…ミラー
8…多層膜
9…被覆膜
81…クロム膜
82…誘電体膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射される光を被検面に集光させるレンズと、前記レンズにて集光される光の一部を反射させるとともに、他を透過させるビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにて反射される光を反射させるミラーとを備え、前記被検面にて反射される光と、前記ミラーにて反射される光との干渉光を得るミロー型干渉対物レンズであって、
前記ミラーは、
前記レンズ側の面に成膜される多層膜と、
前記多層膜に成膜されるフッ化マグネシウム、酸化ケイ素、または酸化アルミニウムからなる被覆膜とを備え、
前記多層膜は、前記ミラー側から順にクロム膜と、誘電体膜とを交互に積層した少なくとも2層とされることを特徴とするミロー型干渉対物レンズ。
【請求項2】
請求項1に記載のミロー型干渉対物レンズにおいて、
前記多層膜は、4層とされることを特徴とするミロー型干渉対物レンズ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のミロー型干渉対物レンズを備えることを特徴とする光学機器。
【請求項1】
光源から出射される光を被検面に集光させるレンズと、前記レンズにて集光される光の一部を反射させるとともに、他を透過させるビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにて反射される光を反射させるミラーとを備え、前記被検面にて反射される光と、前記ミラーにて反射される光との干渉光を得るミロー型干渉対物レンズであって、
前記ミラーは、
前記レンズ側の面に成膜される多層膜と、
前記多層膜に成膜されるフッ化マグネシウム、酸化ケイ素、または酸化アルミニウムからなる被覆膜とを備え、
前記多層膜は、前記ミラー側から順にクロム膜と、誘電体膜とを交互に積層した少なくとも2層とされることを特徴とするミロー型干渉対物レンズ。
【請求項2】
請求項1に記載のミロー型干渉対物レンズにおいて、
前記多層膜は、4層とされることを特徴とするミロー型干渉対物レンズ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のミロー型干渉対物レンズを備えることを特徴とする光学機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−164382(P2011−164382A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27387(P2010−27387)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
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