説明

ムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニスト

ムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニストおよびその使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンのカーバメート誘導体、その医薬組成物、および気道のムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患を治療するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
末梢神経系および中枢神経系中のコリン作動性ニューロンから放出されるアセチルコリンは、アセチルコリン受容体の2つの主要な部類、すなわち、ニコチン性アセチルコリン受容体とムスカリン性アセチルコリン受容体との相互作用を介して、多くの様々な生物学的プロセスに影響を及ぼす。ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)は7つの膜貫通領域を有するG−タンパク質結合受容体のスーパーファミリーに属する。mAChRには、M〜Mと呼ばれる5つのサブタイプがあり、それぞれは別個の遺伝子の産物である。これら5つのサブタイプはそれぞれ独特の薬理的特性を示す。ムスカリン性アセチルコリン受容体は脊椎動物の器官中に広く分布しており、その受容体はそこで生体機能の多くを媒介する。ムスカリン性受容体は阻害作用と興奮作用の両方を媒介することができる。例えば、気道中に見られる平滑筋では、M mAChRは収縮性応答を媒介する。概説として、Caulfield(1993 Pharmac.Ther.58:319〜79頁)を参照されたい。
【0003】
肺の中では、mAChRは気管および気管支中の平滑筋、粘膜下腺ならびに副交感神経節に局在している。ムスカリン性受容体密度は、副交感神経節中が最も高く、次いで、粘膜下腺から気管、次いで気管支平滑筋の順に密度は減少する。ムスカリン性受容体は肺胞中には殆んど存在しない。肺におけるmAChRの発現および機能の概説として、FryerおよびJacoby(1998 Am J Respir Crit Care Med 158(5,pt3)S154〜60頁)を参照されたい。
【0004】
mAChRの3つのサブタイプは、肺における重要なものとして、M、MおよびM mAChRが特定されている。気道平滑筋に局在するM mAChRは筋肉収縮を媒介する。M mAChRの刺激は、刺激性Gタンパク質Gq/11(Gs)の結合によって酵素ホスホリパーゼCを活性化し、ホスファチジルイノシトール−4,5−二リン酸を遊離させ、収縮性タンパク質のリン酸化をもたらす。M mAChRは肺粘膜下腺でも見出される。M mAChRのこの個体群の刺激によって粘液分泌がもたらされる。
【0005】
mAChRは、気道平滑筋でのコリン作動性受容体個体群の約50〜80%を占める。正確な機能はまだわかっていないが、これらは、cAMP生成の阻害によって気道平滑筋のカテコールアミン作用性弛緩を阻害する。ニューロンM mAChRは節後副交感神経に局在化している。正常な生理的条件下で、ニューロンM mAChRは副交感神経からのアセチルコリン放出の厳しい制御を行う。阻害性M mAChRは、いくつかの種の肺の中の交感神経でも明らかにされている。これらの受容体はノルアドレナリンの放出を阻害し、それによって肺の中への交感神経インプットを低下させる。
【0006】
mAChRは、神経伝達を高めるように機能する肺副交感神経節中に見出される。これらの受容体も末梢肺実質に局在化しているが、実質におけるその機能は知られていない。
【0007】
肺におけるムスカリン性アセチルコリン受容体機能障害は、様々な病態生理学的状態で知られている。特に、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)においては、炎症状態が、肺平滑筋を供給する副交感神経に対する阻害性Mムスカリン性アセチルコリンの自己受容体機能の損失をもたらし、迷走神経刺激の増大に続いてアセチルコリン放出の増大を引き起こす(Fryer等、1999 Life Sci 64(6−7)449〜55頁)。このmAChR機能障害は、M mAChRの刺激の増大により媒介された気道過敏性および応答性亢進をもたらす。したがって、効力のあるmAChRアンタゴニストの特定は、これらのmAChR−媒介の病態の治療に有用である。
【0008】
COPDは、慢性気管支炎、慢性気管支梢炎および気腫を含む様々な進行性の健康障害を包含する不正確な用語であり、これは世界における死亡および罹患の主要な原因である。喫煙はCOPDの進展の主要な危険因子である。米国だけでもほぼ5,000万人の人がたばこを吸っており、毎日推定3,000人がその習慣に染まっている。その結果、COPDは2020年までに世界の健康負荷としての上位5番以内にランクすると予想されている。吸入抗コリン作用療法は現在、COPDのための一次治療としての「判断基準(gold standard)」と考えられている(Pauwels等、2001 Am.J.Respir.Crit.Care Med.163:1256〜1276頁)。
【0009】
気道過敏性疾患の治療への抗コリン作用療法の使用を支持する多くの証拠があるにもかかわらず、病院で肺性の徴候のために使用可能な抗コリン作用性化合物はほとんどない。より具体的には、米国では、臭化イプラトロピウム(Atrovent(登録商標)およびCombivent(登録商標)、アルブテロールと併用して)が気道過敏性疾患の治療のために現在市販されている唯一の吸入抗コリン作用薬である。この化合物は効力のある抗コリン作用薬であるが、これは短時間作用性であり、したがって、COPD患者の症状の軽減をもたらすために、日に4回も投与しなければならない。ヨーロッパやアジアでは、長時間作用性の抗コリン作用性の臭化チオトロピウム(Spiriva(登録商標))が最近承認されたが、この製品は米国では現在入手できない。したがって、長時間作用性であり、かつ、喘息やCOPDなどの気道過敏性疾患の治療に日に1回の投与でよい、mAChRでの遮断をもたらすことができる新規の化合物の必要性がある。mAChRは身体全体に広く分布しているため、抗コリン作用薬を局所的かつ/または全身的に気道へ施用できることは、より少ない用量の薬物を用いることができると、特に有利である。さらに、長期の作用期間を有し、特に、受容体において保持されるかまたは肺によって保持される局所的活性な薬物を設計できることによって、全身性抗コリン作用薬の使用で見られる望ましくない副作用の回避が可能になる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)媒介疾患を治療する方法であって、アセチルコリンがmAChRと結合しており、効果的な量の式(I)の化合物または医薬上許容されるその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0011】
本発明は、それを必要とする哺乳動物においてアセチルコリンのその受容体との結合を阻害する方法であって、効果的な量の式(I)の化合物を上記哺乳動物に投与することを含む方法にも関する。
【0012】
本発明は、新規の式(I)化合物ならびに式(I)の化合物および薬剤用の担体または希釈剤を含む医薬組成物も提供する。
【0013】
本発明で有用な式(I)化合物は以下の構造式で表される。
【0014】
【化1】

(I)
(式中、
R1は結合手、水素またはC1〜4アルキルであり、
R2は水素、C1〜10アルキル、ハロ置換C1〜10アルキル、C1〜10アルキルシアノ、C2〜10アルケニル、シクロアルキル、C1〜10アルキルシクロアルキル、シクロアキル(cycloakyl)C1〜10アルキル、および(CR8R8)q−ORaからなる群から選択され、
R3およびR4は
【0015】
【化2】


からなる群から独立に選択され、
ここで、R5、R6およびR7は独立に、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜5アルケニル、C1〜4アルコキシ、ハロ置換C1〜4アルコキシ、ハロ置換C1〜4アルキル、ヒドロキシ、およびシアノからなる群から選択され、
nは0から2の値を有する整数であり、
pは0から3の値を有する整数であり、
qは2から10の値を有する整数であり、
Raは水素、C1〜10アルキル、アリール、アリールC1〜10アルキル、C1〜4アルキルアリール、ハロ置換C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、ハロ置換C1〜10アルコキシ、C1〜10アルキルシアノおよびC2〜10アルケニルからなる群から選択され、
R8は水素、ハロゲンまたはC1〜4アルキルであり、
X−は、塩素基、臭素基、ヨウ素基、水酸基、硫酸基、硝酸基、リン酸基、酢酸基、トリフルオロ酢酸基、フマル酸基、クエン酸基、酒石酸基、シュウ酸基、コハク酸基、マンデル酸基、メタンスルホン酸基およびp−トルエンスルホン酸基などの生理学的に許容されるアニオンである)
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、新規な8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンカルバメート化合物、医薬組成物、その製法およびmAChR介在疾患の治療におけるその使用に関する。
【0017】
本発明の好ましい実施形態において、化合物は、式(I):
【化3】

(I)
【0018】
[式中、
R1は結合手、水素またはC1〜4アルキルであり;
R2は水素、C1〜4アルキル、C2〜5アルケニル、C1〜4アルキルシクロアルキルおよび(CR8R8)q−ORaからなる群から選択され;
R3およびR4は、独立して、
【0019】
【化4】


からなる群から独立に選択され、
ここで、R5、R6およびR7は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜5アルケニル、C1〜4アルコキシおよびシアノからなる群から選択され;
nは0または1の値を有する整数であり、
pは1または2の値を有する整数であり、
qは2から4の値を有する整数であり、
Raは水素、C1〜4アルキル、アリール、アリールC1〜4アルキル、C1〜4アルキルアリールおよびC1〜10アルキルからなる群から選択され;
R8は水素であり;
X−は塩素基、臭素基、ヨウ素基、水酸基、硫酸基、硝酸基、リン酸基、酢酸基、トリフルオロ酢酸基、フマル酸基、クエン酸基、酒石酸基、シュウ酸基、コハク酸基、マンデル酸基、メタンスルホン酸基およびp−トルエンスルホン酸基などの生理学的に許容されるアニオンである]
で示される式(I)の化合物である。
【0020】
アリール、ヘテロアリール、および複素環を含有する部分はすべて以下に記載するように所望により置換されていてもよい。
本明細書で用いる場合の「アリール、ヘテロアリール、および複素環を含有する部分」なる語は、環、およびアルキル環、または含むとすれば、アルケニル環、例えば、アリール、アリールアルキルおよびアリールアルケニル環の両方をいう。
【0021】
本明細書で用いる場合、「置換されていてもよい」なる語は、特に限定しない限り、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲン;ヒドロキシ;ヒドロキシ置換のC1−10アルキル;メトキシまたはエトキシなどのC1−10アルコキシ;メチルチオ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルなどのS(O)m’C1−10アルキル(m’は0、1または2である);NR10R11基にて示されるようなアミノ、モノ&ジ−置換アミノ;NHC(O)R9;C(O)NR10R11;C(O)OH;S(O)2NR10T11;NHS(O)2R9、C1−10アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはt−ブチル;ハロ置換C1−10アルキル、例えばCF3;所望により置換されていてもよいアリール、例えばフェニル、または所望により置換されていてもよいアリールアルキル、例えばベンジルまたはフェネチル、所望により置換されていてもよい複素環、所望により置換されていてもよい複素環状アルキル、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキル(ここで、これらのアリール、ヘテロアリールまたは複素環状部分はハロゲンで1回ないし2回置換されていてもよい);ヒドロキシ;ヒドロキシ置換アルキル;C1−10アルコキシ;S(O)m’C1−10アルキル;NR10R11基にて示されるようなアミノ、モノ&ジ−置換アルキルアミノ;C1−10アルキルまたはCF3などのハロ置換C1−10アルキルで置換されていてもよいことを意味する。
【0022】
本明細書にて用いられる、以下の語は、次のことを意味する:
・「ハロ」は、すべてのハロゲン、すなわち、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードをいう。
「C1−10アルキル」または「アルキル」は、鎖長を限定しない限り、炭素数1ないし10の直鎖および分岐鎖部分の両方をいい、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル等を包含するが、これらに限定されるものではない。
「シクロアルキル」は、本明細書にて、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を包含する、好ましくは3ないし8個の炭素を有する環状部分をいうのに用いられる。
【0023】
「アルケニル」は、本明細書にて、いずれの場合にも、鎖長が限定されない限り、限定されるものではないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル等を含む、炭素数2−10の直鎖または分岐鎖部分を意味するのに用いられる。
「アリール」とはフェニルおよびナフチルをいう。
「ヘテロアリール」(それ単独で、または「ヘテロアリールオキシ」または「ヘテロアリールアルキル」のような組み合わせにおける語)は、1個またはそれ以上の環がN、OおよびSからなる群より選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する、ピロール、ピラゾール、フラン、チオフェン、キノリン、イソキノリン、キナゾリニル、ピリジン、ピリミジン、オキサゾール、テトラゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、イミダゾールまたはベンズイミダゾールなどの5−10員の芳香族環系をいうが、これらに限定されるものではない。
【0024】
「複素環状」(それ単独で、または「複素環状アルキル」のような組み合わせにおける語)は、1個またはそれ以上の環がN、OおよびSからなる群より選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、チオモルホリンまたはイミダゾリジンなどの飽和または部分的に不飽和の4−10員の環系をいうが、これらに限定されるものではない。さらには、硫黄は所望によりスルホンまたはスルホキシドに酸化されていてもよい。
「アリールアルキル」または「ヘテロアリールアルキル」または「複素環状アルキル」は、本明細書にて、特に限定されない限り、本明細書にて定義したようなアリール、ヘテロアリールまたは複素環状部分に結合した、上記したようなC1−10アルキルを意味するのに用いられる。
【0025】
「スルフィニル」とは対応するスルフィドのオキシドS(O)をいい、「チオ」なる語はスルフィドをいい、「スルホニル」なる語は完全に酸化されたS(O)2部分をいう。
「2個のR1部分(または2個のY部分)が一緒になって5または6員の飽和または不飽和環を形成する」なる語は、本明細書にて、ナフタレンなどの芳香族環系を形成することをいうのに使用されるか、あるいはC6シクロアルケニル、すなわちヘキセンなどの6員の部分飽和または不飽和の環、またはC5シクロアルケニル部分、例えばシクロペンテンの結合したフェニル部分をいうのに使用される。
【0026】
式(I)の代表的化合物は:
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[3−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[(フェニルメチル)(3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(2−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(4−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
【0027】
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[(フェニルメチル)(2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(4−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(フェニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[2−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンヨーダイド;
【0028】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル2−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメート トリフルオロアセテート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメート トリフルオロアセテート;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[[(5−メチル−2−チエニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(フェニルメチル)2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(4−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル(フェニルメチル)3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−3−({[(シクロヘキシルメチル)(3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(4−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
【0029】
(3−エンド)−8−(6−ヒドロキシヘキシル)−8−メチル−3−({[3−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−3−({[[(2−フルオロフェニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル 3−チエニル[(2,4,5−トリフルオロフェニル)メチル]カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(3−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−3−({[(3−フラニルメチル)(フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
【0030】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2,5−ジフルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル フェニル(フェニルメチル)カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルフェニル(2−チエニルメチル)カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(2−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[[(3−メチル−2−チエニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル2−チエニル[(2,3,4−トリフルオロフェニル)メチル]カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル(フェニルメチル)2−チエニルカルバメート;
【0031】
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(3−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルフェニル(3−チエニルメチル)カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(4−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−(6−ヒドロキシヘキシル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(2−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−3−({[[(4−ブロモフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;および
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[[(5−メチル−2−フラニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
を包含する。
【0032】
本発明にて有用な好ましい化合物は:
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[3−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[(フェニルメチル)(3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(2−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(4−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[(フェニルメチル)(2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
【0033】
(3−エンド)−3−({[[(4−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
【0034】
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(フェニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[2−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンヨーダイド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル2−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメート トリフルオロアセテート;および
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメート トリフルオロアセテート.
【0035】
調製方法
式(I)化合物は合成手順を適用することによって得ることができる。その手順のいくつかを以下のスキームに示す。これらのスキームで示す合成方法は、様々な異なるR1、R2、R3およびR4基を有する式(I)化合物を作製するために適用することができる。それらの基を、適切に保護された置換基を用いて反応させて、本明細書で概説した反応での互換性をもたせることができる。その場合、次いで後続する脱保護によって、包括的に開示した性質の化合物を得ることができる。スキームは式(I)の化合物だけを用いて示しているが、これは単に例示のためだけである。
【0036】
【化5】

スキーム1:試薬および条件:a)DPPA、トルエン、還流;b)NaH、DMF;c)酸処理;d)NaH、R1CHXまたはアルデヒドR1CHO 8、シアノ水素化ホウ素ナトリウム;e)R2X、DCM/アセトニトリル。
【0037】
スキーム1に概要を示したように、所望の式(I)化合物を、3工程から5工程で適切なカルボン酸またはアリール酸1から調製することができる。まず、市販されているジフェニルホスホリルアジド(DPPA)試薬などの当技術分野で周知の標準的試薬を用いて、化合物1と、適切に保護した[3.2.1]二環式アルコール2とのCurtius反応を行って、カーバメート中間体3を得る。DMF中の水素化ナトリウムなどの標準的反応条件を用いて、アルキルハライドなどの適切なアルキル化剤で化合物3をN−アルキル化して対応するアルキル化されたカーバメート4を得る。アセトニトリル中のp−トルエンスルホン酸、またはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸による処理などの標準的条件を用いて、4のBOC保護基を除去して式(I)の化合物5(R1=R2=H)を得る。5のさらなる官能化は、この分子を、臭化アルキルなどの適切なアルキル化剤でアルキル化するか、または、市販の固体担持シアノ水素化ホウ素樹脂などの当技術分野で周知の適切な試薬を用いて、アルデヒド8で還元的アミノ化反応ことによって実施して、式(I)の第三級アミン6(R1=H、R2はHではない)を得る。他のアルキル化剤R2Xを用いた続く6の反応によって式(I)の関連する四級アンモニウム塩7を得る(R1およびR2はHでない)。
【0038】
必要とする[3.2.1]二環式アルコール2(n=1)は市販されていないが、先に文献で記載されている化合物9(T.Momone等、J.C.S.Perkin.Trans.1、9、1997、1307〜14頁)から調製することができる。スキーム2に示すように、化合物9を、メチルトリフェニルホスホニウムブロミドおよびカリウムtert−ブトキシドなどの標準的試薬を用いてWittig反応にかけて中間体アルケン10を得ることができる。ジシアミルボランを用いた化合物10のヒドロホウ素化、続く酸化によって対応するアルコール11を得る。続いて、水素化条件下で11のベンジル部分を除去し、続いて水酸化ナトリウム等の塩基の存在下でジ−tert−ブチルジカーボネートで処理するなどの標準的条件を用いて、環窒素をBOC基で保護して、所望のアルコール2(n=1)を得る。
【0039】
【化6】

【0040】
必要とする[3.2.1]二環式アルコール2(n=0)は市販されていないが、文献に例示されている方法を用いて(Tetrahedron、1998(54)、10899〜10914頁)、市販の(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オル12(a.k.a.トロピン)から調製することができる。
【0041】
【化7】

【0042】
あるいは、所望の式(I)の化合物はスキーム3に概要を示したようにして調製することができる。市販されているジフェニルホスホリルアジド(DPPA)試薬などの当技術分野で周知の標準的試薬を用いて、適切なカルボン酸1とエタノールなどのアルコールとのCurtius反応によって、対応するエチルカーバメート13を得る。適切なアルキルハライドと、DMF中の水素化ナトリウムなどの当技術分野で周知の標準的方法を用いて、化合物13をアルキル化し、分岐アルキルカーバメート14を得る。これらの中間体は、トルエン中の水素化ナトリウムなどの標準的塩基性条件下で、アルコキシ部分を市販の化合物12で置き換えて式(I)の化合物15に転換することができる(R1=CH、R2=なし)。続く15の臭化メチルなどの他のアルキル化剤を用いた反応によって、関連する式(I)の四級アンモニウム塩16を得る(R1およびR2=CH)。
【0043】
【化8】

【0044】
あるいは、カーバメート誘導体14は、スキーム4に示すようにして適切なアミン17から調製することができる。市販の固体担持のシアノ水素化ホウ素樹脂などの当技術分野で周知の適切な試薬を用いて、アミン17とアルデヒド18との還元的アミノ化反応によって第二級アミン19を得る。続いて、19を適当な塩基性条件下で、市販のエチルクロロホーメートと反応させて適切なエチルカーバメート14を得ることができる。
【0045】
(合成実施例)
次に、以下の実施例を参照することによって本発明を説明する。これらの実施例は、単に例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきものではない。ほとんどの試薬および中間体は市販されているか、または文献にある手順によって調製することができる。文献に記載されていない中間体の調製も以下で説明する。
【0046】
別段の記述のない限り、フラッシュカラムクロマトグラフィーはMerck9385シリカを用いて実施した。
【0047】
LC/MS分析は以下の条件下で実施した。
・ カラム:3.3cm×4.6mm ID、3um ABZ+PLUS
・ 流速:3ml/分
・ 注入容量:5μl
・ 温度:室温
・ 溶媒:A:0.1%ギ酸+10mモルの酢酸アンモニウム。
B:95%アセトニトリル+0.05%ギ酸
・ 勾配: 時間 A% B%
0.00 100 0
0.70 100 0
4.20 0 100
5.30 0 100
5.50 100 0
【0048】
Gilson分取HPLCは以下の条件下で実施した。
・ カラム:75×33mm I.D.、S−5um、12nm
・ 流速:30mL/分
・ 注入容量:0.800mL
・ 室温
・ 溶媒A:水の中に0.1%トリフルオロ酢酸
・ 溶媒B:アセトニトリル中に0.1%トリフルオロ酢酸
【0049】
1,1−ジメチルエチル−(3−エンド)−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートの調製
この化合物を3つの工程で調製した。
工程a:3−メチリデン−8−(フェニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンの調製
側部アーム、攪拌子、N入口および隔壁ストッパーを備えた500mlフラスコに、THF(82ml、1M)中のカリウムtert−ブトキシドの溶液とメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(29.2g、82ミリモル)をチャージした。これを乾燥N雰囲気下で0℃に冷却し、0℃で無水THF(100ml)をシリンジで加えた。イリド溶液を20分間攪拌した。無水THF(40ml)中の8−(フェニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オン(14.0g、65ミリモル)を0℃でシリンジで加え、溶液を室温で1時間攪拌し、次いで水(6ml)でクエンチした。混合物に希釈HCl水溶液を加えて酸性化してpH1にし、真空下30℃でTHFを除去した。残留物を水(450ml)で希釈し、トルエン(3×200ml)でPhPOを抽出した。水溶液を6N NaOH(約35ml)で塩基性にし、酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。有機層を一緒にして飽和NaCl(3×100ml)で洗浄し、NaSOで脱水し、蒸発させて粗生成物を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(400gのシリカ、0.1%TEA含有酢酸エチル)で精製した。3−メチリデン−8−(フェニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを黄色の油状物(11.3g、81.5%)として回収した。LC/MS ESI R1.27分、MH214。NMR(CDCl、400MHz;δ):1.58ppm(q,2H)、1.80〜2.05ppm(m,4H)、2.55ppm(d,2H)、3.28ppm(s,2H)、3.65ppm(s,2H)、4.80ppm(s,2H)、7.29ppm(t,1H)、7.35ppm(t,2H)、7.46ppm(d,2H)。
【0050】
工程b:(3−エンド)−8−(フェニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]メタノールの調製
ジシアミルボランの溶液を、N雰囲気下で0℃で、THF(20ml、20ミリモル)中の1.0MボランをTHF(20ml、40ミリモル)中の2−メチル−ブタ−2−エンの2.0M溶液に加えて調製した。溶液を0℃で1時間攪拌し、次いで10ml無水THF中の3−メチリデン−8−(フェニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(1.07g、5ミリモル)を加えた。0℃で30分間攪拌後、反応混合物を室温まで加温し、終夜攪拌した。水(2ml)を加えて過剰のボランを慎重にクエンチした。次いで30%H(3.87ml、45ミリモル)の水溶液を30分間かけて滴下して攪拌溶液を0℃で酸化した。反応混合物を3N HClで中和し、溶媒を蒸発させた。残留物を酢酸エチルにとった。蒸発させて粘性の粗油状物を得た。これを工程cで直接用いた。
【0051】
工程c:ベンジル基の除去およびBOC基による保護
エタノール(20ml)中の(3−エンド)−8−(フェニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]メタノール(1.16g)(Schneider等、Arch.Pharm.、1975、308〜365頁)と、カーボン担持の水酸化パラジウムを含む6N HCl(1ml)(Pearlman触媒、2.27g、22%(重量/重量))の溶液を室温で2日間で水素化した(55psi H)。触媒をセライト(Celite)でろ別し、真空下でろ液を蒸発させた。残留物とジ−tert−ブチルジカーボネート(1.63g、7.5ミリモル)を30mlのジオキサン:1N NaOH(2:1)中に溶解させ、室温で14時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル(3×25ml)と水(25ml)に分配させた。一緒にした有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物油状物をフラッシュクロマトグラフィー(150gのシリカ、ヘキサン:酢酸エチル(1:1、メタノール中に0.1%の2.0M NHを含む))で精製して、標記化合物を無色の油状物(0.65g)として得た。LC/MS ESI R1.65分、MH242。NMR(CDCl、400MHz;δ)4.15ppm(ブロード,2H)、3.64ppm(d,2H)、2.20ppm(ブロード,2H)、1.97ppm(ブロード,2H)、1.85ppm(m,1H)、1.60ppm(m,2H)、1.40〜1.50ppm(s+ブロード,11H)。
【0052】
中間体1:1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート
無水THF(2ml)中の2−チオフェンカルボン酸(128mg、1ミリモル)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(0.28ml、2ミリモル)、ジフェニルホスホリルアジド(300mg、1.1ミリモル)および1,1−ジメチルエチル−(3−エンド)−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(361.5mg、1.5ミリモル)を室温で滴下した。N雰囲気下で、混合物を還流下で終夜加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル(30ml)と水(15ml)に分配させた。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(2×30ml)でさらに抽出した。有機層を一緒にしてNaSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で蒸発させて粗油状物を得た。この材料を、Gilson HPLCにより、アセトニトリル/水(10/90〜90/10、容量/容量、10分間かけて)で溶出させてさらに精製して、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(220mg)を得た。LC/MS:m/z、367(M+H)、2.35分。
【0053】
中間体2:1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(3−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート
中間体1について概要を述べた標準的手順にしたがって、3−チオフェンカルボン酸(128mg、1ミリモル)を、1,1−ジメチルエチル−(3−エンド)−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(361.5mg、1.5ミリモル)およびジフェニルホスホリルアジド(300mg、1.1ミリモル)と反応させて標記化合物(277mg、74%)を得た。LC/MS:m/z、367(M+H)、2.33分。
【0054】
中間体3:1,1−ジメチルエチル(3−エンド)3−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート
1,2−ジクロロエタン(150ml)中の(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オル(トロピンとしても知られている、Aldrich cat.# T8−940−0)(10g、71ミリモル)の攪拌溶液を4℃に冷却し、1−クロロエチルクロロホーメート(38.1ml、352ミリモル)を滴下し、溶液を16時間還流させた。室温に冷却後、溶媒を蒸発させ、残留物をMeOH中に溶解し、溶液を3時間さらに還流させた。室温に冷却後、溶媒を蒸発させ、残留物をt−BuOH(20ml)および6N NaOH(50ml)と一緒にして約15℃に冷却した。t−BuOH(35ml)中のジ−tert−ブチルジカーボネート(23.2g、107ミリモル)の溶液を加えた。混合物を室温で終夜攪拌した。混合物をEtOAc(500ml)で希釈し、水(200ml)、5%クエン酸(3×100ml)、水(100ml)および飽和NaCl(100ml)水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮した。残留物を、シリカゲル(300g)充てん物を用いて、MeOH中の2〜4%のメチレンジクロリドで溶出させて白色固形物(5.18g、32%を得た。LC/MS:228、1.76分。
【0055】
中間体4:1,1−ジメチルエチル(3−エンド)3−{[(3−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート
中間体1について概要を述べた標準的手順にしたがって、3−チオフェンカルボン酸(1.28g、10ミリモル)を1,1−ジメチルエチル(3−エンド)3−{[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(中間体3、3.41g、15ミリモル)と反応させて標記化合物(1.25g、36%)を得た。LC/MS:m/z、353(M+H)、2.25分。
【0056】
中間体5:1,1−ジメチルエチル(3−エンド)3−{[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート
中間体1について概要を述べた標準的手順にしたがって、2−チオフェンカルボン酸(0.64g、5ミリモル)を1,1−ジメチルエチル(3−エンド)3−{[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(中間体3、1.71g、7.5ミリモル)と反応させて標記化合物(1.27g、72%)を得た。LC/MS:m/z、353(M+H)、2.25分。
(実施例1)
【0057】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(フェニルメチル)2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート(caetate)
脱水DMF(1ml)中の1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(220mg、0.6ミリモル)の溶液に、95%NaHを0℃で加えた。溶液を10分間攪拌し、臭化ベンジル(308mg、1.8ミリモル)を加えた。反応混合物を室温に加温し、終夜攪拌した。一緒にした有機層をNaSOで乾燥させ、真空下で蒸発させた。残留油状物を無水ジクロロメタン(3ml)中の20%TFAと混合した。反応混合物を室温で30分間攪拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。残留物をGilson HPLCにより、アセトニトリル/水/0.1%TFA(10/90〜90/10、容量/容量、10分間かけて)で溶出させて精製して標記化合物(254mg、90%)を得た。LC/MS:m/z、357(M+H)、1.53分。
(実施例2)
【0058】
(3−エンド)−8,8−ジメチル3−[({[(フェニルメチル)(2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)メチル]−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンアイオダイド
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(フェニルメチル)2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテートを酢酸エチル(50ml)中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム(2×20ml)と水(2×20ml)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。残留固形物を塩化メチレン(2ml)とメタノール(1ml)の中に再溶解し、次いでヨウ化メチル(598mg、4.2ミリモル)で室温で処理し、続いてNaCO3(215mg)で処理した。室温で終夜攪拌した後、反応混合物をセライト充てん物でろ過して標記化合物を白色粉末(77.8mg)として得た。LC/MS:m/z、385(M+H)、1.67分。
(実施例3)
【0059】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル{[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]メチル}2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を4−tert−ブチルベンジルブロミド(75mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(26mg、57%)を得た。LC/MS:m/z、413(M+H)、2.08分。
(実施例4)
【0060】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を2−フルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(26mg、63%)を得た。LC/MS:m/z、375(M+H)、1.74分。
(実施例5)
【0061】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を3−フルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(12mg、31%)を得た。LC/MS:m/z、375(M+H)、1.78分。
(実施例6)
【0062】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(4−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を4−フルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(13mg、32%)を得た。LC/MS:m/z、375(M+H)、1.78分。
(実施例7)
【0063】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(4−シアノフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を4−シアノベンジルブロミド(65mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(28mg、67%)を得た。LC/MS:m/z、382(M+H)、1.63分。
(実施例8)
【0064】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を2,4−ジフルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(26mg、60%)を得た。LC/MS:m/z、393(M+H)、1.64分。
(実施例9)
【0065】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2,5−ジフルオロフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を2,5−ジフルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(28mg、65%)を得た。LC/MS:m/z、393(M+H)、1.63分。
(実施例10)
【0066】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を3,4−ジフルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(27mg、62%)を得た。LC/MS:m/z、393(M+H)、1.64分。
(実施例11)
【0067】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル2−チエニル[(2,3,6−トリフルオロフェニル)メチル]カーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を2,3,6−トリフルオロ−ベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(29mg、64%)を得た。LC/MS:m/z、411(M+H)、1.64分。
(実施例12)
【0068】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル2−チエニル[(2,3,4−トリフルオロフェニル)メチル]カーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を2,3,4−トリフルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(45mg、99%)を得た。LC/MS:m/z、411(M+H)、1.59分。
(実施例13)
【0069】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル2−チエニル[(2,4,6−トリフルオロフェニル)メチル]カーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を2,4,6−トリフルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(20mg、44%)を得た。LC/MS:m/z、411(M+H)、1.68分。
(実施例14)
【0070】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル{[3,5−ビス(メチルオキシ)フェニル]メチル}2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(220mg、0.60ミリモル)を3,5−ジメトキシベンジルブロミド(277mg、1.12ミリモル)と反応させて標記化合物(41mg、66%)を得た。LC/MS:m/z、417(M+H)、1.68分。
(実施例15)
【0071】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(220mg、0.60ミリモル)を3−メトキシベンジルブロミド(241mg、1.12ミリモル)と反応させて標記化合物(155mg、62%)を得た。LC/MS:m/z、387(M+H)、1.74分。
(実施例16)
【0072】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(3−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を2−フルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(17mg、41%)を得た。LC/MS:m/z、375(M+H)、1.57分。
(実施例17)
【0073】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(3−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を3−フルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(40mg、97%)を得た。LC/MS:m/z、375(M+H)、1.62分。
(実施例18)
【0074】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]3−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(3−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を2,3−ジフルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(45mg、100%)を得た。LC/MS:m/z、393(M+H)、1.64分。
(実施例19)
【0075】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]3−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(3−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を3,5−ジフルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(50mg、100%)を得た。LC/MS:m/z、393(M+H)、1.64分。
(実施例20)
【0076】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル3−チエニル[(2,3,6−トリフルオロフェニル)メチル]カーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(3−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を2,3,6−トリフルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(64mg、100%)を得た。LC/MS:m/z、411(M+H)、1.60分。
(実施例21)
【0077】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル3−チエニル[(2,4,5−トリフルオロフェニル)メチル]カーバメートトリフルオロアセテート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−({[(3−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(40mg、0.11ミリモル)を2,4,5−トリフルオロベンジルブロミド(62mg、0.33ミリモル)と反応させて標記化合物(58mg、100%)を得た。LC/MS:m/z、411(M+H)、1.65分。
(実施例22)
【0078】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(3−メチルフェニル)(フェニルメチル)カーバメートトリフルオロアセテート
22−a:3−メチル−N−(フェニルメチル)アニリンの調製
ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3.32g、15.6ミリモル)を、メタノール(15ml)中の3−メチルアニリン(398mg、3.7ミリモル)、ベンズアルデヒド(472mg、4.5ミリモル)および酢酸(630mg、10.5ミリモル)の氷冷溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、次いで、飽和NaHCO(10ml)水溶液でクエンチした。酢酸エチル(100ml)を加え、次いで、水層を分離し、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。一緒にした有機相をMgSOで脱水し、濃縮して3−メチル−N−(フェニルメチル)アニリン(350mg、47.5%)を得た。LC/MS:m/z、198.2(M+H)、1.82分。
【0079】
22−b 標記化合物の調製
脱水THF(40ml)中の1,1−ジメチルエチル−(3−エンド)−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(750mg、3.1ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(400mg、3.1ミリモル)の混合物を、窒素雰囲気下で0〜5℃で、脱水THF(10ml)中のトリホスゲン(360mg、1.24ミリモル)の溶液に滴下した。混合物を1.5時間攪拌し、次いで、脱水THF(10ml)中の3−メチル−N−(フェニルメチル)アニリン(99mg、0.51ミリモル)の溶液を滴下した。混合物を室温で16時間攪拌した。反応液に水(10ml)を加え、続いて酢酸エチルを加えた。有機相を分離し、水相を酢酸エチルでさらに抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空下で蒸発させて粗残留物を得た。シリカでのフラッシュクロマトグラフィーにより、最初にジクロロメタン、次いで酢酸エチルで溶出させて精製して標記化合物を淡黄色粉末(358mg)として得た。固形物をジクロロメタン(10ml)中に再溶解し、室温でTFA(4ml)で処理した。反応混合物を60℃に加熱し、0.5時間攪拌し、次いで真空下で濃縮した。残留物をDMSO(1.5ml)中に溶解し、分取HPLCにより、アセトニトリル/水/0.1%TFA(25/75容量/容量〜85/15容量/容量、10分間かけて)で溶出させて精製して標記化合物(250mg、70%)を得た。LC/MS:m/z 365.4、(M+H)、1.68分。
(実施例23)
【0080】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチルフェニル{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}カーバメートトリフルオロアセテート
23−a N−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アニリンの調製
実施例22aで概要を述べた標準的手順にしたがって、アニリン(346mg、3.7ミリモル)を、NaB(OAc)H(3.32g、15.6ミリモル)および酢酸(0.6ml、10.5ミリモル)の存在下で、4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(776mg、4.5ミリモル)と反応させてN−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アニリン(495mg)を得た。LC/MS:m/z、252.2(M+H)、2.37分。
【0081】
23−b 標記化合物の調製
実施例22bで概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル−(3−エンド)−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(750mg、3.1ミリモル)を、トリホスゲンの存在下で、N−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アニリン(126mg、0.51ミリモル)と反応させて標記化合物(216mg、62%)を得た。LC/MS:m/z、419.2(M+H)、1.73分。
(実施例24)
【0082】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル](3−メチルフェニル)カーバメートトリフルオロアセテート
24−a N−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]−3−メチルアニリン
実施例22aで概要を述べた標準的手順にしたがって、3−メチルアニリン(398mg、3.72mmol)を、NaB(OAc)H(3.32g、15.6ミリモル)と酢酸(0.6ml、10.5ミリモル)の存在下で、3,5−ジフルオロベンズアルデヒド(633mg、4.5ミリモル)と反応させてN−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]−3−メチルアニリン(578mg)を得た。LC/MS:m/z、233.8(M+H)、2.33分。
【0083】
24−b 標記化合物の調製
実施例22bで概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル−(3−エンド)−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(750mg、3.1ミリモル)を、トリホスゲンの存在下で、N−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]−3−メチルアニリン(116mg、0.51ミリモル)と反応させて標記化合物(245mg、71%)を得た。LC/MS:m/z、401.2(M+H)、1.88分。
(実施例25)
【0084】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(3−クロロフェニル)[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]カーバメートトリフルオロアセテート
25−a 3−クロロ−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]アニリン
実施例22aで概要を述べた標準的手順にしたがって、3−クロロアニリン(472mg、3.7ミリモル)を、NaB(OAc)H(3.32g、15.6ミリモル)および酢酸(0.6ml、10.5ミリモル)の存在下で、2,3−ジフルオロベンズアルデヒド(633mg、0.46ミリモル)と反応させて3−クロロ−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]アニリン(610mg、65%)を得た。LC/MS:m/z、254.2(M+H)、2.57分。
【0085】
25−b 標記化合物の調製
実施例22bで概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル−(3−エンド)−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(750mg、3.1ミリモル)を、トリホスゲンの存在下で、3−クロロ−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]アニリン(127mg、0.51ミリモル)と反応させて標記化合物(295mg、73%)を得た。LC/MS:m/z、421.4(M+H)、1.92分。
(実施例26)
【0086】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチルフェニル(フェニルメチル)カーバメートトリフルオロアセテート
実施例22で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル−(3−エンド)−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(750mg、3.1ミリモル)を、トリホスゲンの存在下で、N−(フェニルメチル)アニリン(0.42ml、4.5ミリモル)と反応させて標記化合物(108mg、21%)を得た。LC/MS:m/z、351(M+H)。
(実施例27)
【0087】
(3−エンド)−3−[({[[(2−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)メチル]−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
ジクロロメタン(0.1ml)およびアセトニトリル(0.1ml)中の(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテート(10.4mg)の溶液を重炭酸ナトリウム(5mg)で処理し、次いで臭化メチル(0.1mlのtert−ブチルメチルエーテル中の2M溶液)で処理した。室温で16時間攪拌後、反応混合物をろ過した。ろ液を真空下で蒸発させ標記化合物(3.0mg)を得た。LC/MS:m/z、403(M+)、1.84分。
(実施例28)
【0088】
(3−エンド)−3−[({[[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)メチル]−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
実施例27で概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]3−チエニルカーバメートトリフルオロアセテートを臭化メチルで処理して標記化合物(7.6mg)を得た。LC/MS:m/z、421.2(M+)、1.81分。
(実施例29)
【0089】
(3−エンド)−3−[({[[(3−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)メチル]−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
実施例27で概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカーバメートトリフルオロアセテートを臭化メチルで処理して標記化合物(6.0mg)を得た。LC/MS:m/z、403.5.2(M+)、1.78分。
(実施例30)
【0090】
(3−エンド)−3−[({[[(4−シアノフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)メチル]−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
実施例27で概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(4−シアノフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテートを臭化メチルで処理して標記化合物(4.0mg)を得た。LC/MS:m/z、410.4(M+)、1.89分。
(実施例31)
【0091】
(3−エンド)−3−[({[{[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]メチル}(2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)メチル]−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
実施例27で概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル{[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]メチル}2−チエニルカーバメートトリフルオロアセテートを臭化メチルで処理して標記化合物(4.6mg)を得た。LC/MS:m/z、441(M+)、2.19分。
(実施例32)
【0092】
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル(フェニルメチル)3−チエニルカーバメート
32a:エチル3−チエニルカーバメート
ジフェニルホスホリルアジド(6.5ml、30.2ミリモル)を、エタノール(3ml)およびトルエン(60ml)中の3−チエニルカルボン酸(3g、23.5ミリモル)とトリエチルアミン(6.5ml、46.9ミリモル)の混合物に加えた。得られた混合物を還流下で12時間攪拌した。室温に冷却後、シリカゲルを反応混合物に加えた。溶媒を真空下で蒸発させ、シリカに吸収されて得られた粗材料をフラッシュクロマトグラフィーにより、混合物酢酸エチル/ヘキサン1:9で溶出させて精製した。エチル3−チエニルカーバメートを白色固形物(2.4g)として回収した。LC/MS:m/z、172(M+)、1.61分。
【0093】
32b:エチル(フェニルメチル)3−チエニルカーバメート
水素化ナトリウム(33mg、0.88ミリモル)をDMF(2ml)中のエチル3−チエニルカーバメート(150mg、0.88ミリモル)の溶液に加えた。得られた混合物を室温でアルゴン雰囲気下で30分間攪拌し、次いで、DMF(1ml)中の臭化ベンジル(0.13ml、1.14ミリモル)の溶液に加えた。室温でアルゴン雰囲気下で18時間さらに攪拌した後、反応混合物を水(0.2ml)でクエンチし、溶媒を真空下で蒸発させて油状残留物を得た。これをDCM(2ml)および水(1ml)中に再溶解した。有機相を分離し、真空下で蒸発させてエチル(フェニルメチル)3−チエニルカーバメートを粗材料(245mg)として得た。
【0094】
32.c (3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル(フェニルメチル)3−チエニルカーバメート
トルエン(1.5ml)中の市販の(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オル(216mg、1.5ミリモル)の溶液を水素化ナトリウム(34mg、1.5ミリモル)でアルゴン雰囲気下で30分間処理し、次いで、先に調製した粗エチル(フェニルメチル)3−チエニルカーバメート(245mg)に加えた。得られた混合物を還流下で3時間攪拌し、次いで室温に冷却し2滴の水でクエンチした。溶媒を真空下で蒸発させ粗材料を得た。これをDCM(10ml)と水(5ml)に分配させた。疎水性フリットを用いて2つの相を分離した後、有機層を2gのアミノプロピルSPEカートリッジにロードし、トルエン(17ml)、酢酸エチル(10ml)およびメタノール(5ml)で順次溶出させた。酢酸エチル画分を真空下で蒸発させて標記化合物を白色固形物(35.5mg)として得た。LC/MS m/z、357.2(M+)、1.77分。
【0095】
表1にまとめた化合物を実施例32と同様の方法で進めて調製した。ただし、工程aについては3−チエニルカルボン酸を適当なカルボン酸で置き換え、工程bについては臭化ベンジルを適当なアルキルハライドで置き換えた。
【0096】
【化9】

【0097】
【表1】

(実施例58)
【0098】
(3−エンド)−8,8−ジメチル3−({[(フェニルメチル)(3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
臭化メチル(tert−ブチルメチルエーテル中に2.0M、0.8ml、1.6ミリモル)を、DCM(0.5ml)およびアセトニトリル(0.5ml)中の(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル(フェニルメチル)3−チエニルカーバメート(60mg、0.17ミリモル)の溶液に加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌し、次いで、真空下で蒸発させて標記化合物を白色固形物(72mg)として得た。LC/MS m/z、371.2(M+)、1.74分。
【0099】
表2にまとめた化合物を実施例58と同様の方法で進めて調製した。ただし、(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル(フェニルメチル)3−チエニルカーバメートを適当な第三級アミンで置き換えた。
【0100】
【化10】

【0101】
【表3】


(実施例86)
【0102】
3−(エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(2−フルオロ−5−メチルフェニル)(フェニルメチル)カーバメートトリフルオロアセテート
86−a 2−フルオロ−5−メチル−N−(フェニルメチル)アニリンの調製
実施例22aで概要を述べた標準的手順にしたがって、2−フルオロ−5−メチルアニリン(500mg、4ミリモル)を、NaB(OAc)H(3.6g、16.8ミリモル)および酢酸(680mg、11.3ミリモル)の存在下で、ベンズアルデヒド(473mg、4.5ミリモル)と反応させて2−フルオロ−5−メチル−N−(フェニルメチル)アニリン(500mg)を得た。LC/MS:m/z、216(M+H)。
【0103】
86−b 標記化合物の調製
実施例22bで概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル−(3−エンド)−3−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(72.3mg、0.3ミリモル)を、トリホスゲン(29.7mg、0.1ミリモル)の存在下で、2−フルオロ−5−メチル−N−(フェニルメチル)アニリン(64.5mg、0.3ミリモル)と反応させて標記化合物(50.4mg)を得た。LC/MS:m/z、383(M+H)、1.75分。
(実施例87)
【0104】
(3−エンド)−3−[({[(2−フルオロ−5−メチルフェニル)(フェニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)メチル]−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンアイオダイド
実施例2で概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(2−フルオロ−5−メチルフェニル)(フェニルメチル)カーバメートトリフルオロアセテート(50mg、0.13ミリモル)を、ヨードメタン(185mg、1.3ミリモル)およびNaCO(69mg、0.65ミリモル)と反応させて標記化合物(58.2mg、83%)を得た。LC/MS:m/z、367(M+H)、1.85分。
(実施例88)
【0105】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(3−クロロフェニル)(フェニルメチル)カーバメートトリフルオロアセテート
88−a 3−クロロ−N−(フェニルメチル)アニリンの調製
実施例22aで概要を述べた標準的手順にしたがって、3−クロロアニリン(472mg、3.70ミリモル)を、NaB(OAc)H(3.32g、15.6ミリモル)および酢酸(0.6ml、10.5ミリモル)の存在下で、ベンズアルデヒド(473mg、4.5ミリモル)と反応させて3−クロロ−N−(フェニルメチル)アニリン(690mg、85%)を得た。LC/MS:m/z、218(M+H)、2.43分。
【0106】
88−b 標記化合物の調製
実施例22bで概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(750mg、3.1ミリモル)を、トリホスゲン(360mg、1.24ミリモル)の存在下で、3−クロロ−N−(フェニルメチル)アニリン(218mg、1.0ミリモル)と反応させて標記化合物(120mg、37%)を得た。LC/MS:m/z、385(M+H)、1.68分。
(実施例89)
【0107】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートヒドロブロミド
DCM(1ml)中の(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}2−チエニルカーバメート(40mg、0.082ミリモル)の溶液を、0.2mlのDCM中に1MのB−ブロモ−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナニン(B−Br−9−BBN)と混合した。溶液を還流下で12時間加熱し、次いでメタノール(1ml)でクエンチした。冷却した溶液を真空下で蒸発させて粗黄色油状物を得た。これを、GilsonHPLCにより、アセトニトリル/水/0.1%TFA(10/90〜90/10、容量/容量、10分かけて)で溶出させてさらに精製して標記化合物(18mg、50%)を得た。LC/MS:m/z、373(M+H)、1.43分。
(実施例90)
【0108】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]2−チエニルカーバメートヒドロブロミド
実施例89で概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル{[3,5−ビス(メチルオキシ)フェニル]メチル}2−チエニルカーバメート(186mg、0.36ミリモル)を、DCM中のB−Br−9−BBN(2ミリモル)の1M溶液2mlと反応させて標記化合物(100mg、60%)を得た。LC/MS:m/z、389(M+H)、1.84分。
(実施例91)
【0109】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(3−ヒドロキシフェニル)[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]カーバメートヒドロブロミド
91−a 3−エンド−1,1−ジメチルエチル−3−{[({[3−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]メチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートの調製
中間体1について概要を述べた標準的手順にしたがって、3−(メチルオキシ)安息香酸(1.52g、10ミリモル)を、(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル3−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(3.62mg、15ミリモル)およびジフェニルホスホリルアジド(3.0g、11ミリモル)と反応させて3−エンド−1,1−ジメチルエチル−3−{[({[3−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]メチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(3.18g)を得た。LC/MS:m/z、391(M+H)、2.46分。
【0110】
91−b (3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−({[([3−(メチルオキシ)フェニル]{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートの調製
中間体2について概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−{[({[3−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]メチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(200mg、0.51ミリモル)を、1−(ブロモメチル)−3−(メチルオキシ)ベンゼン(206mg、1.02ミリモル)と反応させて(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−({[([3−(メチルオキシ)フェニル]{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(240mg)を得た。LC/MS:m/z、511(M+H)、2.73分。
【0111】
91−c 標記化合物の調製
実施例89で概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−({[([3−(メチルオキシ)フェニル]{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(240mg、0.47ミリモル)を2.6mlの1M B−Br−9−BBN(2.6ミリモル)と反応させて標記化合物(205mg、94%)を得た。LC/MS:m/z、383(M+H)、1.40分。
(実施例92)
【0112】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(4−シアノフェニル)メチル](2−ヒドロキシフェニル)カーバメートヒドロブロミド
92−a (3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−{[({[2−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]メチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートの調製
中間体1について概要を述べた標準的手順にしたがって、2−(メチルオキシ)安息香酸(1.52g、10ミリモル)を(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル3−(ヒドロキシメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(3.6mg、15ミリモル)およびジフェニルホスホリルアジド(3.0g、11ミリモル)と反応させて(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−{[({[2−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]メチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(3.1g)を得た。LC/MS:m/z、391(M+H)、2.59分。
【0113】
92−b (3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−{[({[(4−シアノフェニル)メチル][2−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]メチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートの調製
中間体2について概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−{[({[2−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]メチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(200mg、0.512ミリモル)を3−(ブロモメチル)ベンゾニトリル(196mg、1.02ミリモル)と反応させて3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−{[({[(4−シアノフェニル)メチル][2−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]メチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(250mg)を得た。LC/MS:m/z、506(M+H)。
【0114】
92−c 標記化合物の調製
実施例89で概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−{[({[(4−シアノフェニル)メチル][2−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]メチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(240mg、0.47ミリモル)をDCM中の1M B−Br−9−BBN(2.6ミリモル)の2.6mlの溶液と反応させて標記化合物(180mg、93%)を得た。LC/MS:m/z、392(M+H)、1.74分。
(実施例93)
【0115】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(2−ヒドロキシフェニル)[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]カーバメートヒドロブロミド
93−a (3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−({[([2−(メチルオキシ)フェニル]{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートの調製
中間体1について概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−{[({[2−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]メチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(200mg、0.512ミリモル)を1−(ブロモメチル)−3−(メチルオキシ)ベンゼン(196mg、1.02ミリモル)と反応させて(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−({[([2−(メチルオキシ)フェニル]{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(240mg)を得た。LC/MS:m/z、511(M+H)、2.88分。
【0116】
93−b 標記化合物の調製
実施例89で概要を述べた標準的手順にしたがって、(3−エンド)−1,1−ジメチルエチル−3−({[([2−(メチルオキシ)フェニル]{[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]オキシ}メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(240mg、0.47ミリモル)をDCM(2.6ミリモル)中の2.6mlのB−Br−9−BBNの1M溶液と反応させて標記化合物(172mg、96%)を得た。LC/MS:m/z、383(M+H)、1.64分。
(実施例94)
【0117】
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルシクロペンチル[(4−フルオロフェニル)メチル]カーバメート
シクロペンチルアミン(42.6mg、0.5ミリモル)とMP−シアノ水素化ホウ素(Argonaut Technologies Inc.、PN800406から)(400mg、1.0ミリモル)を、THF(3ml)および酢酸(1ml)中の4−フルオロベンズアルデヒド(53μl、0.5ミリモル)の溶液に順次加えた。アルゴン雰囲気下で室温で66時間攪拌後、反応混合物をろ別し、樹脂をTHF(2ml)で洗浄した。一緒にしたろ液を真空下で蒸発させて粗材料を得た。これをDCM(5ml)と2.5M NaOH水溶液(2ml)に分配させた。疎水性フリットを用いて有機相を分離し、水層をDCM(2ml)でさらに抽出した。有機層を一緒にしてDCM中の所望の第二級アミンを得た(LC/MSで評価して)。調製した溶液に、トリエチルアミン(0.11ml、1.11ミリモル)とエチルクロロホーメート(0.33ml、3.5ミリモル)を順次加えた。得られた混合物を室温で96時間攪拌した。さらにDCM(2ml)を加え、混合物を2gシリカSPEカートリッジにロードし、次いでDCM(10ml)で溶出させた。溶媒を真空下で蒸発させた後、対応するエチルカーバメートを含む粗材料を油状残留物として回収した。
【0118】
トルエン(1.0ml)中の市販の(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オル(トロピンとしても知られている、Aldrich cat.# T8−940−0)(144.2mg、1.0ミリモル)の溶液を、水素化ナトリウム(25mg、1.0ミリモル)を用いてアルゴン雰囲気下で0℃で10分間処理した。この混合物に、THF(1ml)中に溶解した先に調製の粗エチルカーバメートを加えた。反応混合物を電子レンジ(Emrys Optimizer)で140℃で50分間加熱し、次いで2滴の水でクエンチした。溶媒を真空下で蒸発させて残留物を得た。これをDCM(5ml)と水(3ml)に分配させた。疎水性フリットを用いて有機相を分離し、水層をDCM(3ml)で洗浄した。有機層を一緒にし、2gのアミノプロピルSPEカートリッジにロードし、DCM(20ml)、酢酸エチル(10ml)、酢酸エチル:メタノール9:1(10ml)およびメタノール(10ml)で順次溶出させた。酢酸エチル画分を一緒にし、蒸発させて標記化合物(55.2mg)を得た。LCMS:m/z、361(M+H)、1.76分。
【0119】
表3にまとめた化合物を実施例94と同様の方法で進めて調製した。ただし、4−フルオロベンズアルデヒドを適当な置換ベンズアルデヒドで置き換えた。
【0120】
【化11】

【0121】
【表5】

(実施例101)
【0122】
(3−エンド)−3−[({シクロペンチル[(4−フルオロフェニル)メチル]アミノ}カルボニル)オキシ]−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
臭化メチル(0.43ml、tert−ブチルメチルエーテル中に2.0M、0.86ミリモル)をDCM(1ml)およびアセトニトリル(1ml)中の(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルシクロペンチル[(4−フルオロフェニル)メチル]カーバメート(34.3mg、0.095ミリモル)の溶液に加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌し、次いで、真空下で蒸発させて標記化合物を白色固形物(43mg)として得た。LC/MS m/z、375.5(M+)、1.94分。
【0123】
表4にまとめた化合物を実施例101と同様の方法で進めて調製した。ただし、(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルシクロペンチル[(4−フルオロフェニル)メチル]カーバメートを適当な第三級アミンで置き換えた。
【0124】
【化12】

【0125】
【表7】

(実施例106)
【0126】
(3−エンド)−3−[({シクロヘキシル[(2−フルオロフェニル)メチル]アミノ}カルボニル)オキシ]−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
シクロヘキシルアミン(57μl、0.5ミリモル)とMP−シアノ水素化ホウ素(Argonaut Technologies Inc.、PN 800406から)(400mg、1.0ミリモル)を、THF(3ml)および酢酸(1ml)中の2−フルオロベンズアルデヒド(53μl、0.5ミリモル)の溶液に順次加えた。アルゴン雰囲気下で室温で17時間攪拌後、反応混合物をろ別し、樹脂をTHF(2ml)で洗浄した。一緒にしたろ液を真空下で蒸発させて粗材料を得た。これをDCM(5ml)と2.5M NaOH水溶液(2ml)に分配させた。疎水性フリットを用いて有機相分離し、水層をDCM(2ml)でさらに抽出した。有機層を一緒にしてDCM(LC/MSで評価して)中に所望の第二級アミンを得た。調製された溶液に、トリエチルアミン(0.17ml、1.25ミリモル)とエチルクロロホーメート(0.33ml、3.5ミリモル)を順次加えた。得られた混合物を室温で21時間攪拌し、次いで、2gのシリカSPEカートリッジにロードし、DCM(12ml)で溶出させた。溶媒を真空下で蒸発させた後、対応するエチルカーバメートを含む粗材料を油状残留物として回収した。
【0127】
トルエン(1.0ml)中の市販の(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オル(トロピンとしても知られている、Aldrich cat.# T8−940−0)(144.2mg、1.0ミリモル)の溶液を水素化ナトリウム(25mg、1.0ミリモル)を用いてアルゴン雰囲気下で0℃で30分間処理した。この混合物に、THF(2ml)中に溶解した先に調製の粗エチルカーバメートを加えた。反応混合物を電子レンジ(Emrys Optimizer)で140℃で50分間加熱し、次いで2滴の水でクエンチした。溶媒を真空下で蒸発させ残留物を得た。これをDCM(4ml)と水(4ml)に分配させた。疎水性フリットを用いて有機相分離し、水層をDCM(2ml)で洗浄した。有機層を一緒にし、2gのアミノプロピルSPEカートリッジにロードし、ヘキサン(10ml)、DCM(10ml)、ジエチルエーテル(10ml)、酢酸エチル(15ml)、酢酸エチル:メタノール9:1(10ml)およびメタノール(10ml)で順次溶出させた。TLCで評価された所望の生成物を含む画分を蒸発させて粗(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルシクロヘキシル[(2−フルオロフェニル)メチル]カーバメートを得た。DCM(1ml)およびアセトニトリル(1ml)中に溶解したこの材料に臭化メチル(0.5ml、tert−ブチルメチルエーテル中に2.0M、1.0ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌し、次いで、真空下で蒸発させて標記化合物を白色固形物(37mg)として得た。LC/MS m/z、389.2(M+)、1.91分。
【0128】
表5にまとめた化合物を実施例106と同様の方法で進めて調製した。ただし、2−フルオロベンズアルデヒドを適当な置換ベンズアルデヒドで置き換え、シクロヘキシルアミンを適当な置換シクロアルキルアミンで置き換えた。
【0129】
【化13】

【0130】
【表8】

(実施例110)
【0131】
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルフェニル(2−チエニルメチル)カーバメート
110−a:(2−チエニルメチル)フェニルアミンの調製
THF(3ml)および酢酸(1ml)中のアニリン(47mg、0.5ミリモル)と2−チオフェンカルボキシアルデヒド(56mg、0.5ミリモル)の溶液に、400mgのMP−シアノ水素化ホウ素樹脂(アルゴンaut、2.57ミリモル/g)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌した。ろ過した後、ろ液を蒸発させ、DCM(5ml)および2N NaOH水溶液(2ml)中に希釈した。疎水性フリットを用いて有機層を分離した。溶媒を除去して粗油状物を得た。これを次の工程で直接使用した。
【0132】
110−b:エチル(2−チエニルメチル)フェニルカーバメートの調製
上記粗製物を無水THF(5ml)溶解した。この溶液にトリエチルアミン(127mg、1.5ミリモル)とエチルクロロホーメート(380mg、3.5ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で18時間攪拌した。溶媒を除去し、残留物をDCM(5ml)および2N NaOH水溶液(2ml)中に希釈した。疎水性フリットを用いて有機層を分離した。溶媒を除去して粗材料を得た。これを次の工程で直接使用した。
【0133】
110−c:標記化合物の調製
無水トルエン(1ml)中のNaH(28mg、1.2ミリモル)の懸濁液に、脱水トルエン(1.5ml)中の(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オル(a.k.a.トロピン、1.0ミリモル)の溶液を0℃で加えた。混合物を30分間攪拌し、次いで、工程bで先に単離した粗残留物と混合した。溶液を還流下で1時間加熱し、室温に冷却した。1滴の水を加えて反応をクエンチさせた。反応混合物を水(1ml)で洗浄し、真空下で蒸発させて粗生成物を得た。これを、アミノプロピル固相抽出カートリッジ(Applied Separations、2g)を用い、DCM、酢酸エチル、次いで、メタノールで順次溶出させて精製した。酢酸エチル画分を蒸発させて標記化合物(53mg)を得た。LC/MS:m/z、357、1.63分。
【0134】
表6にまとめた化合物を実施例110と同様の方法で進めて調製した。ただし、2−チオフェンカルボキシアルデヒドを適当なアルデヒドで置き換えた。
【0135】
【化14】

【0136】
【表9】

(実施例117)
【0137】
(3−エンド)−8,8−ジメチル3−({[フェニル(2−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
アセトニトリル/DCM(1:1容量/容量)(1ml)中の(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルフェニル(2−チエニルメチル)カーバメート(50mg、0.14ミリモル)の溶液に、臭化メチル(tert−ブチルメチルエーテル中に2.0Mで1.4ml、2.8ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で60時間攪拌した。ろ過し、脱水エーテルで洗浄して標記化合物(29mg、46%)を得た。LC/MS:m/z、372、1.64分。
【0138】
表7にまとめた化合物を実施例117と同様の方法で進めて調製した。ただし、(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルフェニル(2−チエニルメチル)カーバメートを適当な第三級アミンで置き換えた。
【0139】
【化15】

【0140】
【表11】

(実施例124)
【0141】
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメート
標記化合物を実施例32と同様の方法で進めて調製した。ただし、(4−フルオロフェニル)メチルブロミドを3−ブロモメチルチオフェン(文献の方法により調製:J.Chem.Soc.、Perkin Trans.,I、1999、2639〜2644頁)で置き換えた。収率:25mg(18%)、LC/MS:m/z、363、1.64分。
(実施例125)
【0142】
(3−エンド)−8,8−ジメチル3−({[3−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
アセトン(1ml)中の(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメート(20mg、0.055ミリモル)の溶液に、臭化メチル(0.55ml、tert−ブチルメチルエーテル中に2.0M、1.1ミリモル)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。ろ過し、脱水エーテルで洗浄して標記化合物(24mg、96%)を得た。LC/MS:m/z、377、1.66分。
(実施例126)
【0143】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−3−{[(3−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(中間体4、1.0g、2.84ミリモル)を3−ブロモメチルチオフェン(603mg、3.4ミリモル、文献:J.Chem.Soc.、Perkin Trans.,I、1999、2639〜2644頁の方法によって調製)と反応させて標記化合物(920mg、93%)を得た。LC/MS:m/z、349、1.36分。
(実施例127)
【0144】
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル2−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメート
実施例1で概要を述べた標準的手順にしたがって、1,1−ジメチルエチル(3−エンド)−3−{[(2−チエニルアミノ)カルボニル]オキシ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(中間体5、200mg、0.568ミリモル)を3−ブロモメチルチオフェン(109mg、0.625ミリモル、文献:J.Chem.Soc.、Perkin Trans.,I、1999、2639〜2644頁の方法によって調製)と反応させて標記化合物(160mg、81%)を得た。LC/MS:m/z、349、1.49分。
(実施例128)
【0145】
(3−エンド)−8,8−ジメチル3−({[2−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンアイオダイド
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル2−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメート(50mg、0.144ミリモル)の溶液をメタノール(1ml)中に溶解し、それにヨウ化メチル(2.88ミリモル)とKCO(199mg、1.44ミリモル)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。ろ過し、脱水エーテルで洗浄して標記化合物(57mg、78%)を得た。LC/MS:m/z、377、1.66分。
(実施例129)
【0146】
(3−エンド)−8−(フェニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメート
無水アセトニトリル(2ml)中の(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメート(50mg、0.144ミリモル)の溶液に、ブロモメチルベンゼン(29mg、0.17ミリモル)とKCO(117mg、0.85ミリモル)を加えた。混合物を還流下で3時間加熱した。室温に冷却後、溶液をろ別し、ろ液を真空下で濃縮して粗材料を得た。これを、アミノプロピルSPEカートリッジ(Applied Separations、2g)を用いてさらに精製した。収率:47mg(76%)。LC/MS:m/z、439、1.97分。
【0147】
表8にまとめた化合物を実施例129と同様の方法で進めて調製した。ただし、ブロモメチルベンゼンを適当なアルキルハライドで置き換えた。
【0148】
【化16】

【0149】
【表13】

(実施例152)
【0150】
(3−エンド)−8−メチル−8−[3−(フェニルオキシ)プロピル]−3−({[3−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
アセトニトリル/DCM(1:1容量/容量)(1ml)中の(3−エンド)−8−[3−(フェニルオキシ)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメート(30mg、0.062ミリモル)の溶液に、臭化メチル(0.62mL、tert−ブチルメチルエーテル中に2.0M、1.24ミリモル)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。ろ過し、脱水エーテルで洗浄して標記化合物(31mg、74%)を得た。LC/MS:m/z、497、2.03分。
【0151】
表9にまとめた化合物を実施例152と同様の方法で進めて調製した。ただし、(3−エンド)−8−[3−(フェニルオキシ)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメートを適当な第三級アミンで置き換えた。
【0152】
【化17】

【0153】
【表14】

(実施例161)
【0154】
(3−エンド)−8−メチル−8−プロピル−3−({[2−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンアイオダイド
アセトニトリル/DCM(1:1容量/容量)(1ml)中の(3−エンド)−8−プロピル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル2−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメート(15mg、0.038ミリモル)の溶液にヨウ化メチル(0.76ミリモル)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。ろ過し、脱水エーテルで洗浄して標記化合物(15mg、74%)を得た。
【0155】
表10にまとめた化合物を実施例161と同様の方法で進めて調製した。ただし、(3−エンド)−8−プロピル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル2−チエニル(3−チエニルメチル)カーバメートを適当な第三級アミンで置き換えた。
【0156】
【化18】

【0157】
【表15】

【0158】
略語
A.k.a としても知られている
B−Br−9−BBN B−ブロモ−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン
BOC tert−ブチルオキシカルボニル
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
ESI エレクトロスプレーイオン化
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析
NMR 核磁気共鳴
SPE 固相抽出
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0159】
(生物学的実施例)
本発明のM mAChRでの化合物の阻害効果を、以下のインビトロおよびインビボでの機能アッセイによって測定する。
【0160】
カルシウム動員による受容体活性化の阻害の分析:
CHO細胞で発現したmAChRの刺激を、上述したようにして、受容体活性化カルシウム動員をモニタリングすることによって分析した(H.M.Sarau等、1999.Mol.Pharmacol.56、657〜663頁)。M mAChRを安定的に発現するCHO細胞を、96ウェルの黒壁/透明底部のプレートに蒔いた。18〜24時間後、培地を吸引し、100μlの負荷培地(Earl塩、0.1%RIAグレードBSA(Sigma、St.Louis)MOを有するEMEM)および4μMのフルオ−3−アセトキシメチルエステル蛍光指示染料(フルオ−3AM、分子プローブ、Eugene、OR)で置き換え、37℃で1時間インキュベートした。次いで染料含有培地を吸引し、新鮮な培地(フルオ−3AMを有していない)で置き換え、細胞を37℃で10分間インキュベートした。次いで、細胞を3回洗浄し、100μlのアッセイ緩衝剤(0.1%ゼラチン(Sigma)、120mM NaCl、4.6mM KCl、1mM KHPO、25mM NaHCO、1.0mM CaCl、1.1mM MgCl、11mMグルコース、20mM HEPES(pH7.4))中で37℃で10分間インキュベートした。50μlの化合物(1×10−11〜1×10−5M最終アッセイ)を加え、プレートを37℃で10分間インキュベートした。次いで、プレートを蛍光強度プレートリーダー(FLIPR、分子プローブ)中に置き、そこで、染料をロードした細胞を6ワットのアルゴンレーザーからの励起光(488nm)に曝した。0.1%BSAを含む緩衝剤中で調製した50μlのアセチルコリン(0.1〜10nM最終)を、50μl/秒の速度で加えて細胞を活性化させた。カルシウム動員を、細胞質内カルシウム濃度の変化としてモニターして566nm発光強度での変化として測定した。発光強度の変化は細胞質内カルシウムレベルと直接関係している。すべての96ウェルから発する蛍光を冷却したCCDカメラを用いて同時に測定する。1秒毎にデータポイントを集める。次いで、GraphPad PRISMソフトウェアを用いてこのデータをプロットし、解析した。
【0161】
メタコリン誘発による気管支収縮−作用の効力と持続期間
メタコリンに対する気道反応性を、覚醒している無拘束Balb Cマウス(各群、n=6)で測定した。気圧プレチスモグラフィー(Barometric plethysmography)を用いてメタコリン(2)による気管支攻撃の際に起こる気道抵抗の変化と相関することが分かっている無次元尺度であるポウズ強化(enhanced pause)(Penh)を測定した。マウスを50μlの媒体(10%DMSO)中の50μlの化合物(0.003〜10μg/マウス)で経鼻で(i.n.)事前処理し、次いで、プレチスモグラフィーチャンバー中に、薬物投与に続いて所与の時間量(15分〜96時間)で置いた。効力測定のために、所与の薬物に対する用量反応を実施し、すべての測定を経鼻での薬物投与に続いて15分で行った。作用持続期間の測定のために、経鼻での薬物投与に続く15分から96時間のどこにおいても測定を行った。
【0162】
チャンバーに入れたらマウスを10分間平衡化させ、次いで5分間ベースラインPenh測定を行った。次いでマウスをメタコリン(10mg/ml)のエアロゾルで2分間攻撃した。メタコリンエアロゾルの開始から始めて7分間Penhを連続的に記録し、その後5分間継続した。GraphPad PRISMソフトウェアを用いて各マウスのデータを解析し、プロットした。この実験により、投与された化合物の活性持続期間の測定が可能である。
【0163】
本発明の化合物は、これらに限定されないが、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫、およびアレルギー性鼻炎などの気道障害を含む様々な徴候を治療するのに有用である。
【0164】
処方−投与
したがって、本発明は、式(I)の化合物、あるいは医薬上許容されるその塩、溶媒和物または生理学的機能性誘導体(例えば、塩およびエステル)、ならびに医薬上許容される担体または賦形剤、および、所望により1種または複数の他の治療用成分を含む医薬処方剤をさらに提供する。
【0165】
以後、「有効成分」という用語は、式(I)の化合物、あるいは医薬上許容されるその塩、溶媒和物または生理学的機能性誘導体を意味する。
【0166】
式(I)化合物は、口または鼻を介した吸入により投与される。
【0167】
吸入による肺への局所デリバリーのための乾燥粉末組成物は、吸入器すなわち吹込器(insufflator)で使用するために、例えばゼラチンでできたカプセルやカートリッジ、または例えば積層アルミホイル製のブリスター中に入れることができる。粉末配合処方剤は一般に、本発明の化合物の吸入のための粉末ミックスと、単糖類、ニ糖類もしくは多糖類(例えば、乳糖またはでんぷん)、有機塩または無機塩(例えば、塩化カルシウム、リン酸カルシウムまたは塩化ナトリウム)、多価アルコール(例えば、マンニトール)またはその混合物などの適切な粉末ベース(担体/希釈剤/賦形剤物質)、あるいは、化学的安定性および/または物理的安定性または処方剤の性能を向上させるために配合処方剤中に含有させる以下で論じる添加剤もしくはその混合物のような1種または複数の追加の材料との混合物を含む。乳糖の使用が好ましい。それぞれのカプセルまたはカートリッジは、所望により別の治療用有効成分と組み合わせて、20μg〜10mgの式(I)の化合物を含むことができる。あるいは、本発明の化合物は賦形剤を含まないで提供することができ、また、共沈またはコーティングなどによって、化合物、所望により他の治療用活性材料、および賦形剤材料を含む粒子の形で形成させることができる。
【0168】
医薬品ディスペンサは、リザーバ乾燥粉末吸入器(RDPI)、多用量乾燥粉末吸入器(MDPI)および計量用量吸入器(MDI)からなる群から選択される種類のものが適切である。
【0169】
リザーバ乾燥粉末吸入器(RDPI)は、乾燥粉末形態で多数(非計量用量)の医薬品を含むのに適しており、デリバリーする位置へリザーバから医薬品用量を計量するための手段を備えたリザーバ型パックを有する吸入器を意味する。その計量手段は、例えば、リザーバからカップへ医薬品を充てんする第1の位置から、計量した医薬品用量を患者が吸入できるようにする第2の位置へ移動させることができる計量カップまたは多孔板を含むことができる。
【0170】
多用量乾燥粉末吸入器(MDPI)は乾燥粉末形態で医薬品を分注するのに適した吸入器を意味し、その医薬品は、複数の規定用量(define dose)(またはその部分)の医薬品を含む(あるいは担持する)多用量パック内に含まれる。好ましい態様では、担体はブリスターパックの形態を有するが、例えば、カプセルをベースとしたパックの形態、または印刷、塗装および真空吸蔵(vacuum occlusion)を含む任意の適切な方法で医薬品をその上に塗布した担体も含むことができる。
【0171】
処方剤は、予め計量するか(例えば、Diskusの英国特許第2242134号を参照されたい。またはDiskhalerの例えば英国特許第2178965号、同2129691号および同2169265号を参照されたい)または使用時に計量する(例えば、Turbuhalerの欧州特許第69715号を参照されたい)ことができる。単位用量装置の例はRotahalerである(英国特許第2064336号を参照されたい)。Diskus吸入装置は、その長さ方向に沿って間隔をおいた複数のくぼみを有するベースシートと、密封されているが剥がすことができるようにそのベースシートにシールされて、複数の容器を画成する蓋シートから形成された細長い帯状物であって、各容器が、好ましくは乳糖と一緒に、式(I)の化合物を含む吸入可能な処方剤をその中に有する細長い帯状物を含む。帯状物はロール状に巻くのに十分柔軟であることが好ましい。蓋シートとベースシートは、互いにシールされておらずかつその少なくとも1つが巻上げ手段に取り付けられるように構成されたリード用末端部分を有していることが好ましい。また、ベースシートと蓋シートとの間の密封シールはその幅全体に延在していることが好ましい。蓋シートはベースシートから、前記ベースシートの第1の末端から長手方向に剥がすことができることが好ましい。
【0172】
一態様では、多用量パックは医薬品を乾燥粉末形態で封入するための複数のブリスターを含むブリスターパックである。ブリスターは一般に、医薬品をそこから容易に放出するような通常の方法で配置される。
【0173】
一態様では、多用量ブリスターパックは、ディスク状のブリスターパック上に円形に配置された複数のブリスターを含む。別の態様では、多用量ブリスターパックは、例えば帯状物またはテープ状物を含む細長い形態である。
【0174】
多用量ブリスターパックは、剥離可能なように互いに取り付けられた2つの部材で画成されていることが好ましい。米国特許第号5860419号、同5873360号および同5590645号はこの一般型の医薬品パックを記載している。この態様では、その装置は、通常、部材を別々に剥がして各医薬品用量にアクセスするための剥離手段を含む開封ステーションを備えている。装置は、剥離可能な部材が、その長さ方向に沿って間隔をおいた複数の医薬品容器を画成する細長いシートである用途に適合されており、かつ、装置は、各容器を順に示すためのインデックス手段を備えていることが好ましい。装置は、シートの一方が複数のポケットをその中に有するベースシートであり、シートの他方が蓋シートであり、各ポケットとその蓋シートの隣接部がそれぞれ1つの容器を画成する用途に適合されており、かつ、装置は、開封ステーションで蓋シートとベースシートを引き離すための駆動手段を含むことがより好ましい。
【0175】
計量用量吸入器(MDI)は、エアロゾルの形態で医薬品を分注するのに適した医薬品ディスペンサを意味し、その医薬品は、噴射剤をベースとしたエアロゾル医薬品処方剤を含むのに適したエアロゾル容器中に含める。エアロゾル容器は、一般に、エアロゾル状の医薬品処方剤を患者へ放出するための計量弁、例えばスライド弁を備えている。エアロゾル容器は、通常、弁で作動させる毎に、所定用量の医薬品をデリバーするように設計されている。その弁は、容器を固定して保持しながら弁を押すか、または、弁を固定して保持しながら容器を押して開けることができる。
【0176】
吸入によって肺へ局所デリバリーするための噴霧組成物は、例えば、水溶液または懸濁液として、あるいは適切な液化噴射剤を使用して計量用量吸入器などの加圧パックからデリバーされるエアロゾルとして処方することができる。吸入に適したエアロゾル組成物は、懸濁液かまたは溶液であってよく、一般に式(I)の化合物(所望により他の治療用有効成分と一緒に)、およびフルオロカーボンもしくは水素含有クロロフルオロカーボンまたはその混合物、具体的には、ハイドロフルオロアルカン、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラ−フルオロエタン、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはその混合物などの適切な噴射剤を含むことができる。二酸化炭素または他の適切なガスも噴射剤として使用することができる。エアロゾル組成物は賦形剤を含まなくてもよく、また所望により、界面活性剤例えばオレイン酸またはレシチン、および共溶媒例えばエタノールなどの当技術分野で周知の追加の処方賦形剤を含むことができる。加圧処方剤は、通常、弁(例えば計量弁)で閉じられ、口金を備えた作動装置中に取り付けられた小型缶(例えばアルミニウム缶)の中に保持する。
【0177】
吸入による投与のための医薬品は、制御された粒径を有することが望ましい。肺へ局在化したデリバリーを行うために、気管支系へ吸入させる最適の空気力学的粒径は、通常1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。肺へ浸透デリバリーを行うために、肺胞領域中へ吸入させる最適の空気力学的粒径は約0.5〜3μm、好ましくは1〜3μmである。20μmを超える空気力学的サイズを有する粒子は吸入するのに大き過ぎて小さな気道に到達することができない。処方剤の平均の空気力学的粒径は、例えばカスケードインパクター法で測定することができる。平均の幾何学的粒径は、例えばレーザー回折や光学的手段によって測定することができる。
【0178】
所望の粒径を得るためには、作製された有効成分の粒子は、例えば制御結晶化、微粉化またはナノミリングなどの通常の手段によってサイズを小さくすることができる。空気分級によって所望の画分を分離することができる。あるいは、所望のサイズの粒子は、例えば、所望のサイズ範囲の粒子を生成するように噴霧乾燥パラメータを制御して、噴霧乾燥で直接作製することができる。粒子は結晶質であることが好ましいが、望むなら非晶質材料も用いることができる。乳糖などの賦形剤を用いる場合、一般に、その賦形剤の粒径は、本発明での吸入医薬品よりずっと大きく、したがって、そうした「粗い」担体は呼吸に適していない。賦形剤が乳糖である場合、一般に破砕した乳糖として提供され、乳糖粒子の多くて85%は60〜90μmのMMDを有し、その15%以上は15μm未満のMMDを有する。担体に加えた乾燥粉末配合物中の添加剤材料は、呼吸に適する、すなわち空気力学的に10ミクロン未満であってよく、また呼吸に適していない、すなわち空気力学的に10ミクロンを超えていてもよい。
【0179】
使用できる適切な添加剤材料には、ロイシンなどのアミノ酸、レシチン(例えば、大豆レシチン)および固体脂肪酸(例えば、ラウリン酸、パルミチン酸およびステアリン酸)およびその誘導体(塩およびエステルなど)などの水溶性または水不溶性の天然または合成界面活性剤、ホスファチジルコリン、シュガーエステルが含まれる。添加剤材料には、着色剤、味覚マスキング剤(例えば、サッカリン)、帯電防止剤、滑剤(例えば、公開のPCT特許出願番号WO87/905213を参照されたい。その教示を参照により本明細書に組み込む。)、化学安定剤、緩衝剤、保存剤、吸収促進剤および当分野の技術者に周知の他の材料も含むことができる。
【0180】
持続放出コーティング材料(例えば、ステアリン酸またはポリマー、例えばポリビニルピロリドン、ポリ乳酸)を、活性材料または活性材料含有粒子に施すこともできる(例えば、米国特許第3634582号、英国特許第1230087号、同1381872号を参照されたい。その教示を参照により本明細書に組み込む。)。
【0181】
経鼻噴霧は、水溶性または非水溶性媒体を、増粘剤、緩衝塩またはpHを調節するための酸もしくはアルカリ、等張性調節剤または酸化防止剤などの追加の薬剤と一緒に処方することができる。
【0182】
噴霧による吸入のための溶液は、水性媒体を、酸もしくはアルカリ、緩衝塩、等張性調節剤または抗菌薬などの追加の薬剤と一緒に処方することができる。これらは、ろ過するかまたはオートクレーブ中で加熱して殺菌するか、あるいは非滅菌製品として供することができる。
【0183】
好ましい単位投与処方剤は、本明細書で前述したような、効果的な用量の有効成分、またはその適切な画分を含むものである。
【0184】
上記明細書および特許請求の範囲を通して、文脈による別段の要求のない限り、「含む(comprise)」という用語および「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」などのその変更形態は、記述した整数もしくは工程または整数の群を含むが、任意の他の整数もしくは工程、または整数もしくは工程の群を排除するものではないことを意味するものと理解されたい。
【0185】
本明細書で参照した、これらに限定されないが、特許および特許出願を含むすべての出版物は、各個別の出版物が、具体的にかつ個別的に、完全に示されているかのように参照により本明細書に組み込まれていることを示しているように、その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0186】
上記説明はその好ましい実施形態も含めて本発明を完全に開示するものである。本明細書で具体的に開示した実施形態の改変形態および改良形態は、上記特許請求の範囲内にあるものとする。さらに詳細に述べるまでもなく、当分野の技術者は、上記説明を用いて、本発明を完全に利用できると考えられる。したがって、本明細書の実施例は、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないと解釈すべきものである。独占的な権利または特権を請求する本発明の実施形態を、上記の通り定義する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式:
【化1】

(I)
[式中、
R1は結合手、水素またはC1〜4アルキルであり;
R2は水素、C1〜10アルキル、ハロ置換C1〜10アルキル、C1〜10アルキルシアノ、C2〜10アルケニル、シクロアルキル、C1〜10アルキルシクロアルキル、シクロアキル(cycloakyl)C1〜10アルキル、および(CR8R8)q−ORaからなる群から選択され;
R3およびR4は
【化2】

からなる群から独立に選択され、
ここで、R5、R6およびR7は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜5アルケニル、C1〜4アルコキシ、ハロ置換C1〜4アルコキシ、ハロ置換C1〜4アルキル、ヒドロキシ、およびシアノからなる群から選択され;
nは0から2の値を有する整数であり;
pは0から3の値を有する整数であり;
qは2から10の値を有する整数であり;
Raは水素、C1〜10アルキル、アリール、アリールC1〜10アルキル、C1〜4アルキルアリール、ハロ置換C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、ハロ置換C1〜10アルコキシ、C1〜10アルキルシアノおよびC2〜10アルケニルからなる群から選択され;
R8は水素、ハロゲンまたはC1〜4アルキルであり;
X−は生理学的に許容されるアニオンである]
で示される式(I)の化合物。
【請求項2】
次式:
【化3】

(I)
[式中、
R1は結合手、水素またはC1〜4アルキルであり;
R2は水素、C1〜4アルキル、C2〜5アルケニル、C1〜4アルキルシクロアルキルおよび(CR8R8)q−ORaからなる群から選択され;
R3およびR4は
【化4】

からなる群から独立に選択され、
ここで、R5、R6およびR7は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜5アルケニル、C1〜4アルコキシおよびシアノからなる群から選択され;
nは0または1の値を有する整数であり、
pは1または2の値を有する整数であり、
qは2から4の値を有する整数であり、
Raは水素、C1〜4アルキル、アリール、アリールC1〜4アルキル、C1〜4アルキルアリールおよびC1〜10アルキルからなる群から選択され;
R8は水素であり;
X−は塩素基、臭素基、ヨウ素基、水酸基、硫酸基、硝酸基、リン酸基、酢酸基、トリフルオロ酢酸基、フマル酸基、クエン酸基、酒石酸基、シュウ酸基、コハク酸基、マンデル酸基、メタンスルホン酸基およびp−トルエンスルホン酸基からなる群から選択される]
で示される式(I)の請求項1記載の化合物。
【請求項3】
(3−エンド−8,8−ジメチル−3−({[3−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[(フェニルメチル)(3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(2−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(4−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[(フェニルメチル)(2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(4−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(フェニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[2−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンヨーダイド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル2−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメートトリフルオロアセテート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメートトリフルオロアセテート;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[[(5−メチル−2−チエニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル(フェニルメチル)2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(4−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル(フェニルメチル)3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−3−({[(シクロヘキシルメチル)(3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(4−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−(6−ヒドロキシヘキシル)−8−メチル−3−({[3−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−3−({[[(2−フルオロフェニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル3−チエニル[(2,4,5−トリフルオロフェニル)メチル]カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(3−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−3−({[(3−フラニルメチル)(フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル[(2,5−ジフルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチルフェニル(フェニルメチル)カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルフェニル(2−チエニルメチル)カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(2−フルオロフェニル)メチル]3−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[[(3−メチル−2−チエニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルメチル2−チエニル[(2,3,4−トリフルオロフェニル)メチル]カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル(フェニルメチル)2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(3−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルフェニル(3−チエニルメチル)カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(4−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−8−(6−ヒドロキシヘキシル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメート;
(3−エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル[(2−フルオロフェニル)メチル]2−チエニルカルバメート;
(3−エンド)−3−({[[(4−ブロモフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;および
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[[(5−メチル−2−フラニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
からなる群より選択される請求項1記載の化合物。
【請求項4】
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[3−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[(フェニルメチル)(3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(2−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(4−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[(フェニルメチル)(2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(4−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2−フルオロフェニル)メチル](3−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(3−フルオロフェニル)メチル](フェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2−フルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[フェニル(フェニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−3−({[[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル](2−チエニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−エンド)−8,8−ジメチル−3−({[2−チエニル(3−チエニルメチル)アミノ]カルボニル}オキシ)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンヨーダイド;
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル2−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメートトリフルオロアセテート;および
(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル3−チエニル(3−チエニルメチル)カルバメートトリフルオロアセテート
からなる群より選択される請求項3記載の化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物および医薬上許容されるその担体を含む、ムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患を治療するための医薬組成物。
【請求項6】
安全でかつ効果的な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、それを必要とする哺乳動物におけるアセチルコリンのその受容体との結合を阻害する方法。
【請求項7】
ムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患を治療する方法であって、アセチルコリンが前記前記受容体と結合しており、安全でかつ効果的な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項8】
前記疾患が慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー性鼻炎からなる群から選択される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
投与が口または鼻を介した吸入による請求項7に記載の方法。
【請求項10】
投与が、リザーバ乾燥粉末吸入器、多用量乾燥粉末吸入器または計量用量吸入器から選択される医薬品ディスペンサによる請求項7に記載の方法。

【公表番号】特表2007−538005(P2007−538005A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507532(P2007−507532)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/011975
【国際公開番号】WO2005/099706
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】