説明

メディアアイテム収納装置

【課題】ATM等のセルフサービス端末装置に用いられるメディアアイテムの収納装置を提供する。
【解決手段】メディアアイテム収納装置は、振り分けられたメディアアイテムをメディアアイテムのスタッキングの前に受領するダイバータ入口と、メディアアイテムのスタッキング後、メディアアイテムのスタックの顧客への提示前にメディアアイテムのスタックを受領する非提示スタック入口と、メディアアイテムのスタックの顧客への提示後にメディアアイテムのスタックを受領する提示スタック入口とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱式のメディアアイテム収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
着脱式のメディアアイテム収納装置の1つのタイプが、パージドメディアアイテム収納装置である。パージドメディアアイテム収納装置は、現金自動預払機(ATM)などのセルフサービス端末(SST)内に着脱可能に位置し、顧客に提示されなかった、及び/又は顧客に提示されたがその顧客によって取り除かれなかったメディアアイテム(例えば、紙幣)を受け取る。
【0003】
メディアアイテムがパージドメディアアイテム収納装置へ送られるのにはさまざまな理由がある。
【0004】
噴射提示装置又は束提示装置を有するSSTでは、1回の動作で単一のメディアアイテムではなく複数のメディアアイテムが取得される場合、それらの複数のメディアアイテムは、通常、パージドメディアアイテム収納装置へ搬送される。
【0005】
束提示装置を有するSSTでは、メディアアイテムの束を作成する際にエラーがあれば、束がパージドメディアアイテム収納装置へ送られる結果となる。例えば、完全な束を作成するのに十分なメディアアイテムが得られない場合、束の作成時に一時的な停電が発生した場合などである。さらに、束提示装置SSTは、顧客が提示されたメディアアイテムを取り除かない場合には、そのメディアアイテムの束を引っ込めることができる。引っ込められたメディアアイテムは、パージドメディアアイテム収納装置へ搬送される。
【0006】
パージドメディアアイテム収納装置の1つの問題は、メディアアイテムが大きい領域内に格納されているため、メディアアイテムを特定の取引に関連付けることが困難で、これが調停を困難にするということである。1つのタイプの不正は、顧客がある取引中に提示されたメディアアイテムの一部を取り出したが全部は取り出さないという行為を含む。取り出されなかったメディアアイテムは、通常、パージドメディアアイテム収納装置へ搬送される。しかし、例えば、複数のメディアアイテムを同時に取得してパージするという理由で複数のメディアアイテムが存在するために、ある取引の全メディアアイテムがパージドメディアアイテム収納装置へ送達されたか否かを確認することは困難である。
【0007】
改良型パージドメディアアイテム収納装置を提供することが望ましい。また、上記の欠点の1つ以上又はメディアアイテム収納装置に関連付けられたその他の欠点を未然に防止するか又は緩和するパージドメディアアイテム収納装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、概して、改良型メディアアイテム収納装置のための方法、システム、及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の「発明の概要」と下記の「発明を実施するための形態」で開示する主題に加えて、この項の以下の各節では、必要に応じて、本出願の手続中に使用することがある代替の請求項表現をさらに基礎固めすることが意図されている。本出願が認可された場合、いくつかの態様は本出願の手続中に追加された請求項に関連する可能性があり、別の態様は本出願の手続中に削除された請求項に関連する可能性があり、また別の態様は請求項に記載しなかった主題に関連する可能性がある。さらに、以下に詳細に説明するさまざまな態様は、他に別段の記載がない限り、互いに独立している。1つの態様に対応するいかなる請求項も、請求項に明記しない限り、残りの態様のいかなる要素又は特徴も組み込んでいると解釈すべきではない。
【0010】
第1の態様によれば、メディアディスペンサ内で使用する着脱式のメディアアイテム収納装置であって、
振り分けられたメディアアイテムをメディアアイテムのスタッキングの前に受領するダイバータ入口と、
メディアアイテムのスタッキング後、メディアアイテムのスタックの顧客への提示前にメディアアイテムのスタックを受領する非提示スタック入口と、
メディアアイテムのスタックの顧客への提示後にメディアアイテムのスタックを受領する提示スタック入口と
を備える着脱式のメディアアイテム収納装置が提供される。
【0011】
着脱式のメディアアイテム収納装置は、容器内に旋回可能に取り付けられ、閉位置側へ付勢したダイバータ入口シャッターと、ダイバータ入口シャッターを閉位置に維持する戻り止めと、容器がメディア提示装置内に取り付けられた時に爪を収容するチャネルと、リンクアームによってダイバータ入口シャッターに結合されたコグであって、チャネルに整列して、爪がチャネル内に収容された時に、ダイバータ入口シャッターを開位置へ駆動するように動作するコグとをさらに備える。
【0012】
着脱式のメディアアイテム収納装置は、第1のチャネルに平行で、容器がメディア提示装置内に取り付けられた時に爪を収容する第2のチャネルと、第2のリンクアームによってダイバータ入口シャッターに結合された第2のコグであって、第2のチャネルに整列して、爪が各チャネル内に収容された時に、ダイバータ入口シャッターを開位置へ駆動するように動作する第2のコグとをさらに含む。
【0013】
非提示スタック入口及び提示スタック入口の各々は、アパーチャを有してもよく、非提示スタック入口及び提示スタック入口は、非提示及び提示アパーチャの各々の幅にほぼ等しい距離だけ離間してもよい。
【0014】
容器は、容器の上面に摺動可能に取り付けられたフレームをさらに備えてもよく、該フレームは、非提示アパーチャの幅に対応する寸法を有し、板によって各々の側に画定された非提示スロットを画定し、板の1つが少なくとも非提示アパーチャの幅に等しい幅を有し、板が閉位置側へ付勢された時に、非提示及び提示アパーチャの両方は、フレームによって閉鎖され、フレームが開位置側へ付勢された時に非提示アパーチャは非提示スロットに整列し、フレームの縁部は非提示アパーチャと提示アパーチャの間の領域の下に位置する。
【0015】
旋回軸によってフレームに歯止めを旋回可能に結合できるため、爪が歯止めを下方に付勢し、爪による歯止めのさらなる付勢によってフレームは後方へ付勢される。戻り止めを提供してフレームが終端位置から先へ移動することを防止してもよい。
【0016】
メディアアイテム収納装置は、ダイバータ入口と反対側のアクセスドアを含んでもよい。アクセスドアは、留め金で閉止してもよい。
【0017】
メディアアイテム収納装置は、下面、下面の第1の部分と反対側に延在する中上面、及び下面の第2の部分の反対側に延在する上面を画定するスプリットレベルハウジングを含んでもよく、容器は、中上面と下面との間に結合し下面と中上面とによって画定されたダイバータコンパートメントを下面と上面とによって画定されたパージコンパートメントから分離する分割器をさらに含んでもよい。
【0018】
メディアアイテム収納装置は、(i)中上面と下面との間に結合された第1の部分と、(ii)非提示入口と提示入口との間の地点で第1の部分と上面との間に結合された第2の部分とを含み、ダイバータコンパートメント、提示パージコンパートメント、及び非提示パージコンパートメントを提供する3ウェイ分割器をさらに備えてもよい。
【0019】
第1の部分は中上面に旋回可能に結合されてもよく、下面にスナップ嵌め結合を有してもよく、したがって、第1の部分は上方に(中上面へ向かって)旋回してダイバータコンパートメントへのアクセスを提供できる。
【0020】
第2の部分は第1の部分に旋回可能に結合されてもよい。第2の部分は第1の部分に蝶着可能に結合してもよく、上面にスナップ嵌め結合を有してもよく、したがって、第2の部分を下面へ向けて下方に蝶着して提示パージコンパートメントへのアクセスを提供してもよい。
【0021】
第2の部分は、着脱式で、提示パージコンパートメントと非提示パージコンパートメントとの代わりに単一のパージコンパートメントを作成してもよい。
【0022】
メディアアイテム収納装置は、ダイバータ入口と反対側にあってアクセスドアアパーチャを閉鎖するように動作可能なアクセスドアと、第2の部分が上面に結合されていない場合にアクセスドアが閉じることを防止するように動作可能な警告機構をさらに備えてもよい。
【0023】
第2の部分は、(i)アクセスドアアパーチャと、(ii)第2の部分が第1の部分に結合する地点との間の距離を超える長さを含んでもよく、したがって、第2の部分が上面に結合していない場合(例えば、スナップ嵌め結合により)、第2の部分はアクセスドアアパーチャより先に突き出すため、アクセスドアは所定位置に配置できない。これは、補充器に対するメディアアイテム収納装置が正確に構成されていないという表示としての役割を果たすはずである。
【0024】
第2の態様によれば、
メディア提示装置であって、自身に結合されたノーズを含むシャーシであって、(i)シャーシから遠位側の提示端部と、(ii)シャーシから提示端部へ延在する提示トラックとを含むシャーシと、提示トラック上に取り付けられ、それに沿って移動するキャリッジであって、該キャリッジが、キャリッジ板に結合されたキャリッジ本体を備え、キャリッジがメディアアイテムの束を、(i)パージ端、又は(ii)パージ端と反対側の積載端のいずれかから搬送するように動作するキャリッジと、 カムトラックを画定し、カムフォロワに係合してメディアアイテムをキャリッジ板上に配置できる開位置と、キャリッジ板とキャリッジ本体との間にメディアアイテムをクランプする閉位置との間でキャリッジを移動させるカムブロックとを備え、 キャリッジは、(i)メディアアイテムの束が顧客に提示される提示位置と、(ii)パージ端が提示スタック入口に整列する提示パージ位置と、(iii)パージ端が非提示スタック入口に整列する非提示パージ位置との間で移動可能であるメディア提示装置が提供される。
【0025】
提示位置、提示パージ位置、及び非提示パージ位置は、提示トラックに沿って長手方向に離間していてもよい。
【0026】
第3の態様によれば、キャリッジ内に位置するメディアアイテムの束をメディアアイテム収納装置へ搬送する方法であって、メディアアイテムの束をメディアアイテム収納装置へ搬送することを確認するステップと、(i)メディアアイテムの束が顧客に提示されていない場合、(a)キャリッジを非提示パージ位置へ搬送し、(b)非提示スタック入口を通してメディアアイテムの束を非提示パージコンパートメント内に排出するステップ、又は(ii)メディアアイテムの束が顧客に提示されている場合、(a)キャリッジを非提示パージ位置から空間的に離れた提示パージ位置へ搬送し、(b)提示スタック入口を通してメディアアイテムの束を提示パージコンパートメント内に排出するステップとを含む方法が提供される。
【0027】
提示パージ位置は、非提示パージ位置から提示トラックに沿って横方向にオフセットされてもよい。
【0028】
この態様は、顧客に提示され、次に後退してパージされたメディアアイテムの束が、顧客に提示されずにパージされたメディアアイテムの束と別のコンパートメント内に保管されるという利点を有する。
【0029】
第4の態様によれば、メディア提示装置であって、自身に結合されたノーズを含むシャーシであって、シャーシ及びノーズが、(i)シャーシから遠位側の提示端部と、(ii)シャーシから提示端部へ延在する提示トラックとを含むシャーシと、提示トラック上に取り付けられ、それに沿って移動するキャリッジであって、リンク機構によってキャリッジ板に結合されたキャリッジ本体を備え、メディアアイテムをキャリッジ板上に配置できる開位置と、キャリッジ板とキャリッジ本体との間にメディアアイテムをクランプする閉位置との間でキャリッジ板が移動可能なキャリッジとを備えるメディア提示装置が提供される。
【0030】
キャリッジ本体は、キャリッジシャーシと、キャリッジシャーシ上に取り付けられ、キャリッジ板側に弾力的に付勢された上板と、上板に取り付けられ、複数の伸縮式ベルトを含む上部搬送部と、キャリッジシャーシ上の上板より上方に取り付けられたモータとを備えてもよい。
【0031】
キャリッジ板は、複数の伸縮式ベルトを含む下部搬送部をさらに備えてもよく、モータは上部搬送部及び下部搬送部を制御してキャリッジの取得端又はキャリッジの取得端と反対側の操作端からメディアアイテムの束を搬送させるように動作可能である。
【0032】
モータは、(i)メディアアイテムの束をパージ容器へ搬送する時には操作端、(ii)メディアアイテムの束を顧客に提示する時には取得端からメディアアイテムの束を搬送するように動作可能であってもよい。
【0033】
リンク機構は、(i)キャリッジ板をメディア入口端でキャリッジ本体に結合する第1の1対のリンクアームと、(ii)キャリッジ板を入口端と反対側の非入口端でキャリッジ本体に結合する第2の1対のリンクアームとを備えてもよい。
【0034】
モータは、キャリッジのメディア入口端の遠位側で、キャリッジの非入口端の近位側の取付点でシャーシに取り付けてもよい。
【0035】
キャリッジシャーシは、キャリッジシャーシを反転すると、モータ取付点がメディア入口端の近位側でキャリッジの非入口端の遠位側になるように反転可能であってもよい。
【0036】
メディア提示装置は、シャーシに結合され、キャリッジ板が開位置にある時にキャリッジ板上に配置されたメディアアイテムを整列状態に維持する位置合わせデバイスをさらに備えてもよい。
【0037】
位置合わせデバイスは、キャリッジ板が開位置にある時にキャリッジ板の上方に延在する複数のフィンガを備えてもよく、複数のフィンガは、(i)シャーシに旋回可能に結合され、(ii)キャリッジ板側へ弾力的に付勢されている。
【0038】
キャリッジ板は、キャリッジ板が開位置へ移動した時に複数のフィンガを偏向させてメディアアイテムを複数のフィンガの上方で搬送し、キャリッジ板上に配置するように構成されたバンパーをメディア入口端にさらに備えてもよい。
【0039】
フィンガは、バンパーによって十分に偏向させられた時に、フィンガがメディアアイテムがキャリッジ板上に配置された後に対向する位置合わせ縁部を提供するように配置され構成されてもよい。
【0040】
キャリッジ板は、閉鎖位置に戻る時に閉鎖経路を横切ってもよく、フィンガはバンパーに付勢され、閉鎖経路の第1の部分中にキャリッジ板上に位置合わせした束としてメディアアイテムを維持してもよく、フィンガは、閉鎖経路の第2の部分中にバンパー及びメディアアイテムスタックとの接触を停止してもよい。
【0041】
リンク機構は、(i)閉鎖経路の第1の部分中にメディアアイテムが重力によって滑落する比較的急峻な角度から、(ii)閉鎖経路の第2の部分中にメディアアイテムが重力によって滑落しない比較的浅い角度へキャリッジ板を移動させてもよい。
【0042】
第5の態様によれば、キャリッジから顧客にメディアアイテムの束を提示する方法であって、キャリッジが積載位置に達するまで提示トラックに沿ってキャリッジを移動させるステップと、キャリッジを開いてキャリッジ本体から空間的に分離したキャリッジ板の上面を露出させるステップと、位置合わせ縁部を偏向させてメディアアイテム搬送部の出口部分をキャリッジ板に整列させるステップと、個々のメディアアイテムをキャリッジ板の上面へ搬送してメディアアイテムの束を形成するステップと、キャリッジを閉じてキャリッジ板の上面とキャリッジ本体の下面との間にメディアアイテムの束を挟持するステップと、キャリッジが提示位置に達するまで提示トラックに沿ってキャリッジを移動させるステップと、メディアアイテムの束をキャリッジから顧客へ搬送するステップとを含む方法が提供される。
【0043】
位置合わせ縁部を偏向させるステップは、キャリッジ板が開位置へ移動する時にキャリッジ板を用いて複数の弾性フィンガを偏向させるサブステップを含んでもよい。
【0044】
メディアアイテムは、紙幣、チケット、クーポンなどを含んでもよい。
【0045】
第6の態様によれば、第2の態様のメディア提示装置に結合されたピックユニットを備えるメディアディスペンサが提供される。
【0046】
第7の態様によれば、第6の態様のメディアディスペンサを組み込むセルフサービス端末が提供される。セルフサービス端末は現金自動預払機であってもよい。
【0047】
第8の態様によれば、メディアアイテムの束を顧客に提示する方法であって、キャリッジが積載位置に達するまで提示トラックに沿ってキャリッジを移動させるステップと、カムトラックに沿ってキャリッジ上のカムフォロワを第1の方向に案内してキャリッジを開いてキャリッジ本体から空間的に分離したキャリッジ板の上面を露出させるステップと、個々のメディアアイテムをキャリッジ板の上面へ搬送してメディアアイテムの束を形成するステップと、カムトラックに沿ってキャリッジ上のカムフォロワを第1の方向と逆の第2の方向に案内してキャリッジを閉じてキャリッジ板の上面とキャリッジ本体の下面との間にメディアアイテムの束を挟持するステップと、キャリッジが提示位置に達するまで提示トラックに沿ってキャリッジを移動させるステップと、メディアアイテムの束をキャリッジから顧客へ搬送するステップとを含む方法が提供される。
【0048】
この方法は、キャリッジ板を用いてキャリッジ板が開位置へ移動する時に複数の弾性フィンガを偏向させるステップをさらに含んでもよい。
【0049】
この方法は、メディアアイテムがキャリッジ板の上面に配置された後に対向する縁部を提供するように、弾性フィンガを用いて、キャリッジ板の上面に搬送された個々のメディアアイテムをキャリッジ板の上面に位置合わせした状態で維持するステップをさらに含んでもよい。
【0050】
この方法は、メディアアイテムの束内の1つ又は複数のメディアアイテムが顧客によって取り除かれていないことを検出するステップと、キャリッジが積載位置にある時にカムトラックに沿ってカムフォロワが案内されないようにカムトラックへのリードイントラックがレッジトラックに引き継がれるレッジ位置へカムトラックを回転させるステップと、現在位置から積載位置より先に提示トラックに沿ってキャリッジを移動させるステップと、残りのメディアアイテムをキャリッジからパージドメディアアイテム収納装置内へ搬送するステップとをさらに含んでもよい。
【0051】
第9の態様によれば、第3の態様のステップを実施するようにプログラミングされたコントローラが提供される。
【0052】
説明を分かりやすく簡潔にするために、上記の態様で提供された要素はそのすべての組合せを明示しているわけではない。それにもかかわらず、技術的に不可能でない限り、又はその逆の内容が明示されていない限り、1つの態様を指すコンシストリクローズ(consistory clause)は、それらのコンシストリクローズが関連する可能性があるすべての他の態様のオプションの特徴として準用されることを当業者であれば直接かつ明確に認識することができるであろう。
【0053】
上記及びその他の態様は、添付の図面を参照しながら以下の具体的な説明を読むことで明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態によるメディアアイテム収納装置の簡略化した斜視図である。
【図2】見やすくするために図1のメディアアイテム収納装置の側壁の1つを取り除いた側面図である。
【図3】Aはメディアディスペンサの一部(下部歯付き爪)に接近する図1のメディアアイテム収納装置の下部の前部の斜視図であり、BはAの下部歯付き爪に係合するAに示すメディアアイテム収納装置の下部の前部の斜視図である。
【図4】係合解除と係合との間のさまざまな位置でのメディアアイテム収納装置の下部の前部とメディアディスペンサの下部歯付き爪の側面断面図(陰影付けなし)である。
【図5】Aはメディアディスペンサの一部(上部係合爪)に接近する図1のメディアアイテム収納装置の上部の前部の斜視図であり、BはAの上部係合爪に係合するメディアアイテム収納装置の上部の前部の斜視図である。
【図6】係合解除と係合との間のさまざまな位置でのメディアアイテム収納装置の上部の前部とメディアディスペンサの上部係合爪の側面図である。
【図7】図1のメディアアイテム収納装置を含むメディア提示装置の概略側面図である。
【図8A】5つの異なる位置にある図7のメディアアイテム提示装置の一部(提示トラック、カムブロック及びキャリッジ)を示す図である。
【図8B】5つの異なる位置にある図7のメディアアイテム提示装置の一部(提示トラック、カムブロック及びキャリッジ)を示す図である。
【図8C】5つの異なる位置にある図7のメディアアイテム提示装置の一部(提示トラック、カムブロック及びキャリッジ)を示す図である。
【図8D】5つの異なる位置にある図7のメディアアイテム提示装置の一部(提示トラック、カムブロック及びキャリッジ)を示す図である。
【図8E】5つの異なる位置にある図7のメディアアイテム提示装置の一部(提示トラック、カムブロック及びキャリッジ)を示す図である。
【図9】本発明の別の実施形態によるメディアアイテム収納装置の側面図である。
【0055】
提供された図面のいくつかは、実際の物理的な実施形態を生成できるコンピュータ図面に基づいていることを理解されたい。したがって、これらの図面のいくつかはこれらの実施形態の理解に必須ではない込み入った詳細内容を収めているが、当業者には有益な情報を伝える。したがって、図面に示すすべての部分を具体的に参照しているわけではない。さらに、図を見やすくし、多数の引き出し線を図面に詰め込むことを回避するために、すべての図面で全参照番号を示しているわけではない。さらに、いくつかの図では特徴を一部削除してさらに見すやさを高めている。
【発明を実施するための形態】
【0056】
着脱式のメディアアイテム収納装置10(パージド紙幣容器の形態の)のそれぞれ簡略化した斜視図と側面図である図1及び図2をまず参照する。
【0057】
パージド紙幣容器10は、下面14を画定するスプリットレベルハウジング12と、下面14を横断し、そこから上方に延在する下部前面16と、下面14を横断する上部前面18と、下部前面16を上部前面18に接続する中上面20と、下面14から上部前面18を背面22に接続する上面24まで上方に延在する背面22とを有する。
【0058】
下部前面16は、ダイバータ入口30を画定する。上面24は、平行なスロットの形態の提示スタック入口32と非提示スタック入口34とを画定する。背面22のアクセスアパーチャを閉じるアクセスドア36が提供される。アクセスドア36は、プラスチック製留め金の背面に結合されている。
【0059】
ダイバータ入口30は、1対のシャッター軸42によって旋回可能に結合された弓状の入口シャッター40によって閉鎖されている。1対のコグ44が1対のリンクアーム46によって入口シャッター40に結合され、1対の戻り止め48が提供されてリンクアーム46が弓状の入口シャッター40を開こうとする試みによって後方へ押されるのを防止する。スプリットレベルハウジング12は、コグ44の下に延在する1対のチャネル50を画定する。
【0060】
紙幣ディスペンサ(図示せず)内に取り付けられた1対の下部歯付き爪52に対して下部前面16を示す斜視図である図3A及び図3Bを参照する。パージド紙幣容器10は、紙幣ディスペンサ内に着脱可能に挿入できる。パージド紙幣容器10はこの紙幣ディスペンサ内に挿入されるため、歯付き爪52は1対のチャネル50に整列する。
【0061】
さらに、コグ44との係合の4つの異なる段階にある1対の歯付き爪52を示す側面図(陰影付けなし)である図4A〜図4Dを参照する。
【0062】
図4Aで、歯付き爪52はチャネル50内に入っていないので、弓状の入口シャッター40はダイバータ入口30を閉塞し、リンクアーム46は戻り止め48に押し付けられて弓状の入口シャッター40が開かれるのを防止する。
【0063】
図4Bで、パージド紙幣容器10は、ディスペンサ内にさらに挿入されているため、歯付き爪52はチャネル50内に進入し、歯付き爪52の各々の先頭の歯がコグ44の各々の下部の歯に係合してコグ44を反時計回りに回転させる。これによって、リンクアーム46は、弓状の入口シャッター40を引き降ろす動作を開始する。
【0064】
図4Cで、パージド紙幣容器10はディスペンサ内にほぼ完全に挿入されているため、歯付き爪52はコグ44をほぼ完全に回転させ、リンクアーム46を介して、弓状の入口シャッター40を全開位置の方へ引き降ろす。
【0065】
図4Dで、パージド紙幣容器10はディスペンサ内に完全に挿入されているため、歯付き爪52はコグ44を完全に回転させ、リンクアーム46を介して、弓状の入口シャッター40を全開位置まで引き降ろし、ダイバータ入口30が露出される。
【0066】
パージド紙幣容器10がディスペンサから離脱すると、コグ44は歯付き爪52によって時計回りに回転して弓状の入口シャッター40を閉位置に復帰させる。閉位置で、弓状の入口シャッター40は、ダイバータ入口30を完全に閉鎖する。
【0067】
次に、ディスペンサの1対の上部爪54に接近し(図5A)、係合する(図5B)パージド紙幣容器10の上部前面18の斜視図である図5A及び図5Bを参照する。
【0068】
上部前面18は、パージド紙幣容器10がディスペンサ内に挿入された時に1対の上部爪54に整列する1対の上部チャネル56を画定する。
【0069】
また、パージド紙幣容器10内のマルチスロット閉鎖機構58との係合の5つの異なる段階にある1対の上部爪54を示す側面断面図(陰影付けなし)である図6A〜図6Eを参照する。以下に言及する構成要素の多くが対として構成されるが、図6A〜図6Eは断面図であるためにその一方だけが示されている。
【0070】
マルチスロット閉鎖機構58は、1対の歯止め60と、歯止め60が旋回軸64によって結合するn字形フレーム62と、1対の板ばねの形態の付勢部材66と、板ばね66によって上方に付勢される1対のロッド68と、歯止め60が後方に動くことを防止する上部戻り止め面71を提供する1対の戻り止めブロック70とを備える。歯止め60は戻り止めブロック70から横方向にオフセットされているが、1対のロッド68は歯止め60から横方向に延在するため、戻り止めブロック70に係合できる。
【0071】
図6Aに示すように、戻りばね(図示せず)がn字形フレーム62に結合され、n字形フレーム62を閉位置に付勢する。n字形フレーム62はその上面にある非提示アパーチャ72を画定する。閉位置では、非提示アパーチャ72は提示スタック入口32と非提示スタック入口34との間に位置し、これらの入口32、34はn字形フレーム62の上面によって閉鎖される。
【0072】
図6Bで、パージド紙幣容器10は一部が収容されており、1対の上部爪54は上部チャネル56内に進入し、上部爪54の前縁が歯止め60と係合する。
【0073】
図6Cで、パージド紙幣容器10はさらに収容され、したがって、1対の上部爪54は上部チャネル56内にさらに進入し、上部爪54の前縁が歯止め60を下方に旋回している。これによってロッド68は戻り止めブロック70から解放され、歯止め60とn字形フレーム62は上部爪54によって後方へ押し込まれる。
【0074】
図6Dで、パージド紙幣容器10はほぼ完全に収容され、したがって、1対の上部爪54は歯止め60及びn字形フレーム62を後方に動かし、提示スタック入口32と非提示スタック入口34とを部分的に開放する。板ばね66は、ロッド68に作用してそれを戻り止めブロック70の中下面74に接触させた状態に維持する。
【0075】
図6Eで、パージド紙幣容器10は完全に収容され、したがって、1対の上部爪54は歯止め60及びn字形フレーム62を後方の開位置まで動かし、提示スタック入口32と非提示スタック入口34とを完全に開放する。戻り止めブロック70の下部戻り止め表面76は、歯止め60及びn字形フレーム62の後方へのこれ以上の移動を阻止する。
【0076】
パージド紙幣容器10がディスペンサ内に完全に挿入されると、ダイバータ入口30、提示スタック入口32、及び非提示スタック入口34は全開状態になる。
【0077】
図2を再度参照すると、パージド紙幣容器10は、下面14と中上面20との間に結合された第1の部分(ダイバータセパレータ)82と、第1の部分の途中から上面24へ延在する第2の部分(パージセパレータ)84とを有する連節分割器80をさらに含む。連節分割器80は、パージド紙幣容器10内に3つのコンパートメント、すなわち、ダイバータコンパートメント86と、提示パージコンパートメント88と、非提示パージコンパートメント90とを作成する。
【0078】
ダイバータセパレータ82は、中上面20に旋回可能に結合され、下面14にスナップ嵌め接続(図示せず)によって結合されている。パージセパレータ84は、ダイバータセパレータ82に蝶着可能に結合され、上面24にスナップ嵌め接続(図示せず)によって結合されている。所望に応じて、パージセパレータ84はダイバータセパレータ82から分離できる。
【0079】
この3つのコンパートメント容器10の使用について、紙幣提示装置の形態のメディア提示装置100の概略側面図である図7を参照しながら説明する。
【0080】
紙幣提示装置100は、シャーシ102と、着脱式ノーズ104と、ディスペンサ(図示せず)のピックユニット(図示せず)に結合する紙幣搬送ユニット106と、三重コンパートメントパージ容器10と、キャリッジ110と、カムブロック112と、位置合わせデバイス114と、着脱式トラック116と、制御盤(点線118で示す)とを備える。
【0081】
シャーシ102は、その上部領域に位置する中心トラック120を含む。着脱式ノーズ104は、ノーズ104の結合端部130からノーズ104の提示端部132へ延在し、中心トラック120に整列して連続トラックを提供するノーズトラック122を含む。着脱式トラック116は、シャーシ102の非提示端部(本明細書では空き端部と呼ぶ)134に位置する。空き端部134は、ノーズ104が延在するシャーシ102の端部(本明細書ではノーズ端部136と呼ぶ)と反対側の端部である。結合端部130とノーズ端部136との間の距離は、着脱式トラック116の長さにほぼ等しい。
【0082】
着脱式トラック116、中心トラック120、及びノーズトラック122はすべて直線的に整列して結合し、組み合わさってシャーシ102の空き端部134からノーズ104の提示端部132へ延在する提示トラック(矢印138で示す)を提供する。キャリッジ110は、提示トラック138の全長にわたって直線的に移動可能である。
【0083】
提示トラック138は1つしか示していないが、提示装置100は2つの着脱式トラック116と、2つの中心トラック120とを含み、着脱式ノーズ104は2つのノーズトラック122を含み、したがってシャーシ102は各々がシャーシ102の反対側に位置する2つの平行な提示トラック138を含む。キャリッジ110は、両方の提示トラック138に同時に係合する(キャリッジ110の対向する側の各々は別々の提示トラック138に係合する)。しかし、図を見やすくするために図7では1つの提示トラック138だけを示している。
【0084】
さらに、提示トラック138、カムブロック128、及び5つの異なる位置にあるキャリッジ110を示す図である図8A〜図8Eを参照する。5つの位置とは、キャリッジ閉鎖積載位置(図8A)、キャリッジ開放積載位置(図8B)、提示位置(図8C)、提示パージ位置(図8D)、及び非提示パージ位置(図8E)である。
【0085】
図8A〜図8Eは、提示トラック138(ノーズトラック122、中心トラック120、及び着脱式トラック116によって形成される)と、カムブロック112と、提示トラック138上に取り付けられ、それに沿って直線移動するキャリッジ110とを示す。
【0086】
非提示パージ位置(図8E)は、紙幣の束が顧客に提示されなかった紙幣の束をパージド紙幣容器10へ搬送するために使用される。これとは対照的に、提示パージ位置(図8D)は、以下に詳述するように、紙幣の束が顧客に提示されたが顧客によって取り出されなかった紙幣の束をパージド紙幣容器10へ搬送するために使用される。
【0087】
図8Aは、キャリッジ110が閉位置にある積載位置のキャリッジ110を示す。紙幣をキャリッジ110に積載するために、キャリッジ110は開放される(図8Bに示すように)。紙幣搬送ユニット106は、主紙幣経路162に沿って紙幣をキャリッジ110に積載する。
【0088】
紙幣搬送ユニット106は、搬送中の各々の紙幣の厚さを検知し、搬送中の紙幣の傾きを検出する従来の紙幣(銀行券)厚さセンサ(NTS)164を含む。また紙幣搬送ユニット106は、振り分けゲート166を含む。振り分けゲート166は、作動して紙幣厚さセンサ試験(NTS164によって実施される)に不合格になった紙幣をすべて容器10のダイバータ入口30を通して振り分け経路168に沿ってダイバータコンパートメント86内へ振り分ける。
【0089】
紙幣は、例えば、紙幣に許容できない大きさの穴が開いているために、又は紙幣が許容できないほど傾いているために紙幣厚さセンサ試験に不合格になることがある。
【0090】
紙幣が主搬送経路162から振り分けられない場合、主紙幣経路162の出口ポート170からキャリッジ110上に排出される。これは必要な紙幣がすべて束としてキャリッジ110上に積載されるまで継続する。次に、キャリッジ110は、カムブロック112を回転させることで閉鎖できる。
【0091】
次に、紙幣の束が顧客に提示される。これは、キャリッジ110を提示位置(図8C)へ移動させることで実施される。キャリッジ110が提示位置に達する(位置センサ(図示せず)が確認する)と、キャリッジ110は紙幣の束176を一部外側に搬送して顧客が取り出せるようにする。
【0092】
図8Aに示すように、顧客が紙幣の束を取り出した場合、キャリッジ110は積載位置へ戻る。
【0093】
顧客が紙幣の束を取り出さない場合(又は束になった紙幣の一部だけを取り出した場合)、紙幣の束176はキャリッジ110へ引き戻される。次に、制御盤118は、キャリッジ110を提示パージ位置へ移動させる(図8D)。
【0094】
提示パージ位置にある時に、キャリッジ110は紙幣の束176を提示パージコンパートメント88内に搬送する。
【0095】
この実施形態では、提示パージ位置よりも空き端部134に近い第2のパージ位置(図8Eに示すように、非提示パージ位置)がある。これは、紙幣の束が顧客に提示されない(したがって、顧客の不正の可能性がない)パージ動作に使用される。
【0096】
キャリッジ板110の非入口端180(図7)が非提示パージコンパートメント90の上部の非提示スタック入口34に整列した時に、キャリッジ110は第2のパージ位置にある。
【0097】
非提示パージコンパートメント90を使用する理由はいくつかある。例えば、一束の紙幣を完成するのに紙幣が足りない場合、スタック動作中に停電になった場合、単一の紙幣パージコンパートメント86が満杯で紙幣搬送ユニット106内の搬送された紙幣をパージド紙幣容器10へ振り分ける必要がある場合、束を提示する前に顧客が取引を取り消した場合、構成要素の1つに障害があって自動復旧工程を実施する必要がある場合、又は束を提示する前に不正が試みられた場合がそれにあたる。
【0098】
日常の補充動作中に、又はパージド紙幣容器10が満杯になった場合に、補充器はパージド紙幣容器10を取り出すことができる。パージド紙幣容器10の取り出しによって、(i)ダイバータ入口30が下部歯付き爪52によって閉鎖され、弓状の入口シャッター40は閉位置へ復帰し、(ii)提示スタック入口32及び非提示スタック入口34は上部爪54によって閉鎖され、歯止め60とn字形フレーム62は閉位置へ復帰する。
【0099】
次に、3つの別々のコンパートメント86、88、90からの内容物が混合することなくパージド紙幣容器10を移送できる。パージド紙幣容器10の内容物へのアクセスは、留め金38を解除してアクセスドア36を開放することで提供される。これによって、補充器は非提示コンパートメント90内の紙幣、すなわち、提示されずにパージされた紙幣にアクセスできる。これらの紙幣が取り除かれて数えられると、連節分割器80のパージセパレータ84を下方にフリップでき(上面24から)、提示パージコンパートメント88内の紙幣、すなわち、顧客に提示された後にパージされた紙幣にアクセスできる。これらの紙幣が取り除かれて数えられると、ダイバータセパレータ82(及びそれに接続されたパージセパレータ84)を上方に旋回させてダイバータコンパートメント86内の紙幣、すなわち、紙幣の束のスタッキング中にパージされた紙幣にアクセスできる。
【0100】
顧客によって取り出されなかったためにパージされた紙幣の束、またキャッシュディスペンサの内部的な問題のためにパージされた紙幣の束のために別のコンパートメントを用意することで、顧客の不正による可能性がある(すなわち、束の紙幣の一部を取り出したが全部は取り出さない場合)取引を識別し調停することが容易になる。これは、提示後にパージされた紙幣をパージされた他のすべての紙幣から分離するという利点を有する。
【0101】
図1〜図6の実施形態とほぼ同じ代替実施形態を図9に示す。この代替実施形態は、2重コンパートメントのパージド紙幣容器92を備える。容器10と容器92との唯一の差は、容器10内で使用される連節分割器80の代わりに容器92内では直線分割器94が使用されるという点である。その結果、容器92は2つのコンパートメント、すなわち、ダイバータコンパートメント86とパージコンパートメント96しか有さない。直線分割器94は、実際にはダイバータセパレータ82であってもよい(すなわち、図9の実施形態は図2の実施形態からパージセパレータ84を除去することで作成できる)。
【0102】
本発明の範囲内で上記実施形態にさまざまな修正を加えることができる。例えば、別の実施形態では、クーポン、チケット、パス、引換券などの紙幣以外のメディアアイテムに提示装置を使用してもよい。
【0103】
別の実施形態では、パージセパレータ84をばねなどの弾性部材によって下面14側へ付勢させてもよく、これによって、パージセパレータがスナップ嵌めコネクタによって上面24に結合していない場合に弾性部材によってパージセパレータ84が背面22のアクセスアパーチャから確実に突き出て、これによりアクセスドア36が閉鎖することを防止できる。
【0104】
同様に、別の実施形態では、直線分割器94をばねなどの弾性部材によって下面14側へ付勢させることができる。
【0105】
本明細書に記載した方法ステップは、適宜、任意の好適な順序で、又は同時に実行してもよい。
【0106】
本明細書では、「備える」、「含む」、「組み込む」及び「有する」という用語は、限定されたリストではなく、1つ又は複数の要素又はステップの拡張可能なリストを記載するために使用される。そのような用語が使用される時には、リスト内に記載した要素又はステップはリストに追加できる他の要素又はステップを除外するものではない。
【0107】
文脈によって別の意味になる場合を除き、「ある」という用語はそれに続く少なくとも1つの要素、整数、ステップ、特徴、動作、又は構成要素を示すために使用されるが、追加の要素、整数、ステップ、特徴、動作、又は構成要素を除外するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアディスペンサ内で使用する着脱式のメディアアイテム収納装置であって、
振り分けられたメディアアイテムを前記メディアアイテムのスタッキングの前に受領するダイバータ入口と、
前記メディアアイテムのスタッキング後、メディアアイテムのスタックの顧客への提示前に前記メディアアイテムのスタックを受領する非提示スタック入口と、
メディアアイテムのスタックの顧客への提示後に前記メディアアイテムのスタックを受領する提示スタック入口と
を備える着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項2】
前記容器内に旋回可能に取り付けられ、閉位置側へ付勢したダイバータ入口シャッターと、前記ダイバータ入口シャッターを前記閉位置に維持する戻り止めと、前記容器がメディア提示装置内に取り付けられた時に爪を収容するチャネルと、リンクアームによって前記ダイバータ入口シャッターに結合されたコグであって、前記チャネルに整列して、爪が前記チャネル内に収容された時に、前記ダイバータ入口シャッターを開位置へ駆動するように動作するコグとをさらに備える、請求項1に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項3】
前記第1のチャネルに平行で、前記容器がメディア提示装置内に取り付けられた時に爪を収容する第2のチャネルと、第2のリンクアームによって前記ダイバータ入口シャッターに結合された第2のコグであって、前記第2のチャネルに整列して、爪が各チャネル内に収容された時に、前記ダイバータ入口シャッターを開位置へ駆動するように動作する第2のコグとをさらに含む、請求項2に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項4】
前記非提示スタック入口と前記提示スタック入口の各々がアパーチャを有し、前記非提示スタック入口と提示スタック入口とが前記非提示及び提示アパーチャの各々の幅にほぼ等しい距離だけ離間する、請求項1に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項5】
前記容器が、前記容器の上面に摺動可能に取り付けられたフレームをさらに備え、該フレームが前記非提示アパーチャの幅に対応する寸法を有し、板によって各々の側に画定された非提示スロットを画定し、前記板の1つが少なくとも前記非提示アパーチャの幅に等しい幅を有し、前記板が閉位置側へ付勢された時に、前記非提示及び提示アパーチャの両方が前記フレームによって閉鎖され、前記フレームが開位置側へ付勢された時に前記非提示アパーチャが前記非提示スロットに整列し、前記フレームの縁部が前記非提示アパーチャと前記提示アパーチャの間の領域の下に位置する、請求項4に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項6】
前記メディアアイテム収納装置が、前記フレームに旋回可能に結合された歯止めを含む、請求項5に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項7】
前記容器が、前記歯止めから横方向にオフセットされた戻り止めブロックをさらに含む、請求項6に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項8】
前記メディアアイテム収納装置が、下面を画定するスプリットレベルハウジングと、前記下面の第1の部分と反対側に延在する中上面と、前記下面の第2の部分と反対側に延在する上面とを備え、前記容器が、前記中上面と前記下面との間に結合し、前記下面と前記中上面とによって画定されたダイバータコンパートメントを前記下面と前記上面とによって画定されたパージコンパートメントから分離する分割器をさらに備える、請求項1に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項9】
前記メディアアイテム収納装置が、下面を画定するスプリットレベルハウジングと、前記下面の第1の部分と反対側に延在する中上面と、前記下面の第2の部分と反対側に延在する上面とを備え、前記容器が、(i)前記中上面と前記下面との間に結合された第1の部分と、(ii)前記非提示入口と前記提示入口との間の地点で前記第1の部分と前記上面との間に結合された第2の部分とを有し、これによりダイバータコンパートメント、提示パージコンパートメント、及び非提示パージコンパートメントを提供する3ウェイ分割器をさらに備える、請求項1に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項10】
前記第2の部分が、前記第1の部分に着脱可能に結合され、したがって前記第2の部分を取り外して単一のパージコンパートメントを作成できる、請求項9に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項11】
前記メディアアイテム収納装置が、前記ダイバータ入口と反対側にあって、アクセスドアアパーチャを閉鎖するように動作可能なアクセスドアと、前記第2の部分が前記上面に結合されていない場合に前記アクセスドアが閉じることを防止するように動作する警告機構をさらに備える、請求項9に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項12】
前記第2の部分が、(i)前記アクセスドアアパーチャと、(ii)前記第2の部分が前記第1の部分に結合する地点との間の距離を超える長さを含み、したがって前記第2の部分が前記上面に結合していない場合、前記第2の部分が前記アクセスドアアパーチャより先に突き出して前記アクセスドアが所定位置に配置できない、請求項11に記載の着脱式メディアアイテム収納装置。
【請求項13】
メディア提示装置であって、
自身に結合されたノーズを含むシャーシであって、(i)前記シャーシから遠位側の提示端部と、(ii)前記シャーシから提示端部へ延在する提示トラックとを含むシャーシと、
前記提示トラック上に取り付けられ、それに沿って移動するキャリッジであって、該キャリッジがキャリッジ板に結合されたキャリッジ本体を備え、前記キャリッジがメディアアイテムの束を、(i)パージ端、又は(ii)前記パージ端と反対側の積載端のいずれかから搬送するように動作するキャリッジと、
カムトラックを画定し、前記カムフォロワに係合して前記メディアアイテムを前記キャリッジ板上に配置できる開位置と、前記キャリッジ板と前記キャリッジ本体との間にメディアアイテムをクランプする閉位置との間で前記キャリッジを移動させるカムブロックとを備え、
前記キャリッジが、(i)前記メディアアイテムの束が顧客に提示される提示位置と、(ii)前記パージ端が提示スタック入口に整列する提示パージ位置と、(iii)前記パージ端が非提示スタック入口に整列する非提示パージ位置との間で移動可能であるメディア提示装置。
【請求項14】
前記提示位置、前記提示パージ位置、及び前記非提示パージ位置が、前記提示トラックに沿って長手方向に離間している、請求項13に記載のメディア提示装置。
【請求項15】
キャリッジ内に位置するメディアアイテムの束をメディアアイテム収納装置へ搬送する方法であって、該方法が、
メディアアイテムの束をメディアアイテム収納装置へ搬送することを確認するステップと、
(i)前記メディアアイテムの束が顧客に提示されていない場合、
(a)前記キャリッジを非提示パージ位置へ搬送し、
(b)非提示スタック入口を通して前記メディアアイテムの束を非提示パージコンパートメント内に排出するステップ、又は
(ii)前記メディアアイテムの束が顧客に提示されている場合、
(a)前記キャリッジを前記非提示パージ位置から空間的に離れた提示パージ位置へ搬送し、
(b)提示スタック入口を通して前記メディアアイテムの束を提示パージコンパートメント内に排出するステップと
の各ステップを含む、メディアアイテムの搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−48721(P2012−48721A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183927(P2011−183927)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】