説明

メディア攪拌型湿式分散機及び微粒子の分散方法

【課題】 ナノメータオーダーの分散が可能であり、大容量で分級性能に優れた連続式のメディア攪拌型湿式分散機を提供する。
【解決手段】分散タンク2(内径をA、軸方向の長さをDとする)と、回転軸3と、ブレード43を備えた外側ロータ4(外径をB、軸方向の長さをCとする)と、ブレード53を備えた内側ロータ5とを有し、式1〜3の関係がある。
0.7< B/A <0.96 …… 式1
0.2< D/A <1 …… 式2
0.2< C/B <1 …… 式3

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に分散処理を行うメディア攪拌型湿式分散機に関し、特に、ナノメーターオーダーの微粒子からなる分散液を得ることができるメディア攪拌型湿式分散機に関する。また、これを用いた微粒子の分散方法に関する。
【背景技術】
【0002】
湿式分散処理とは、スラリー中に含まれる固体粒子を微粉砕して、より細かい微粒子からなる分散液とする処理である。例えば、プリンター用インク、塗料、重合トナー、カラーレジスト、セラミックス微粒子、酸化チタン、金属粉末、医薬品等の広い分野においてよく行われている。すなわち、これらは無機質微粒子、有機質微粒子、無機有機複合微粒子又はこれらの混合物を含むスラリーである。
【0003】
これらの処理に使用される分散機の一つとして、メディア攪拌型の分散機がある。この分散機は、容器内でスラリー状の処理液とメディアとを一緒に攪拌し、メディアの剪断力によって粒子を粉砕すると共に分散するものである。分散後の処理液は、容器内に設けられたセパレータによりメディアと分離されて容器外に排出される。セパレータとしては、ギャップタイプやスクリーンタイプ等の篩式のものが多く使用されている。
【0004】
分散処理の性能は使用するメディアの直径に大きく影響され、メディアの直径が小さいほど、分散液中の微粒子径を小さくすることができる。従来、多く使用されているメディアの直径は0.3mm以上である。そして、通常得られる分散液の平均粒子径は100nm(ナノメートル)以上である。100nm未満の微粒子を得ることは困難であり、可能な場合でも非常に長時間を必要とする。
【0005】
そこで、直径が0.2mm以下のメディアを使用することにより、平均粒子径が100nm未満に微粒子化された分散液を得る方法が研究されている。例えば、特許文献1には、メディアとして直径が0.2mm以下の微小ビーズを用いる分散液の製法が記載され、メディアの素材として、セラミックス、硬質ガラス、硬質プラスチック、金属または金属化合物等が記載されている。
【0006】
しかしながら、メディアの直径を小さくすると、分散液とメディアとを分離するセパレータが問題となる。なぜならば、ギャップタイプやスクリーンタイプ等の篩式のものでは、篩目の隙間をメディア直径の1/3以下とする必要があり、したがって、セパレータの製作が困難となる。また、噛み込み、目詰まり等のトラブルが多発して、安定した連続運転を行うことができない。
【0007】
また、メディアの直径を小さくすると、スラリーの流れによって、メディアが排出側に押し付けられる偏析現象が問題となる。この現象により、供給側と排出側でメディアにかかる力の不均一が発生するが、特に、排出側で過度な力が働くことになり、異常磨耗や異常発熱を起こす結果となる。また、ナノメーターオーダーの分散では、粒子や分散剤がダメージを受けて再凝集現象等を起こすことも少なくない。
【0008】
この偏析現象は、メディアの直径が小さくなるほど起こり易く、また、分散機が大型化するほど起こり易く、さらに、分散タンクの長さと直径との比(D/A比)が大きいほど起こり易い。したがって、特に分散機を大型化する場合に大きな問題となる。押し付けられる力は、地下水の流れや、濾過層、触媒層等の粒子充填層を通過する流れにおける圧力損失とみなして考えることがでる。そして、Darcyの式(式6)及びKozeny−Carmanの式(式7)を用いて解析することができる。
u=K(ΔP/L) …… 式6
u=(1/k)(ε3/(1−ε)2)(1/μSv2) (ΔP/L) …… 式7
ここで、uは流速、ΔPは圧力損失、εは空隙率、μは粘度、Svは単位体積当りの表面積である。
【0009】
分散機のスケールアップを考える場合、分散タンクにおける滞留時間を一定にすると共に、分散タンクのD/A比を一定とすることが基本である。この結果、D及びuはAに比例することになり、式1より、ΔPはAの2乗に比例することが分かる。さらに、メディア径の影響はSvに注目して説明することができる。すなわち、Svはメディアの直径(dとする)に反比例するので、式7より、ΔPはdの2乗に反比例することが分かる。
【0010】
また、昨今では各分野において、分散液の微粒子径をナノメーターオーダーとする分散処理のニーズが高まっている。そして、メディア攪拌型湿式分散機においては、メディアの直径をさらに0.1mm以下とすることが求められている。このようにメディアの直径が小さくなると、もはやギャップタイプやスクリーンタイプ等の篩式を使用することは全く不可能である。そこで、これらとは違った、新しいタイプのセパレータが求められている。
【0011】
このような問題を解決するセパレータとして、遠心力によりメディアと分散液とを分離する遠心セパレータが提案されている(例えば、特許文献2。)。この遠心セパレータは、回転軸に二枚の円板を一定の間隔で併設し、両円板の間に複数の羽根を筒状に配列したものである。しかしながら、この分散機においては、粉砕用の羽根が分離用の羽根を兼ねている。そのため、分散(粉砕)機能と分離機能とのバランスを調整することが困難である。したがって、両方の機能を十分に発揮させることが難しいという問題を残している。
【特許文献1】特開平11−33377号公報
【特許文献2】特開2003−144950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、分散液中の微粒子をナノメーターオーダーとすることが可能なディア攪拌型湿式分散機を提供することである。すなわち、直径が0.1mm以下のメディアを使用可能なメディア攪拌型湿式分散機であって、強い攪拌力を備えて粉砕・分散機能に優れると共に、偏析現象による種々の問題を起こさずに大型機へのスケールアップが可能なメディア攪拌型湿式分散機を提供することである。また、分離機能に優れて、微粒子とメディアとの分離を確実に行うことができるメディア攪拌型湿式分散機を提供することである。そして、安定した連続運転が可能なメディア攪拌型湿式分散機を提供することである。さらに、スラリー中の微粒子径をナノメーターオーダーとする分散処理を経済的に行うことができる微粒子の分散方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような課題を解決するために、本発明の請求項1に係るメディア攪拌型湿式分散機は、一端が閉塞された円筒状の分散タンクと、前記分散タンクの他端側を挿通して回転自在に設けられる中空の回転軸と、筒状に配列された複数のブレードを備え前記回転軸に固定されて回転する外側ロータと、前記外側ロータの内側に位置して筒状に配列された複数のブレードを備え前記回転軸に固定されて回転する内側ロータとを備え、連続処理で使用するメディア攪拌型湿式分散機であって、前記分散タンクが、該分散タンク内外を連通する供給口を備え、前記回転軸の中空部が、前記内側ロータの内側に連通して排出口を形成し、前記分散タンク(内径をA、軸方向の長さをDとする)と前記外側ロータ(外径をB、軸方向の長さをCとする)との間に、式1、式2及び式3の関係があるという手段を採用している。
0.7< B/A <0.96 …… 式1
0.2< D/A <1 …… 式2
0.2< C/B <1 …… 式3
【0014】
また、本発明の請求項2に係るメディア攪拌型湿式分散機は、請求項1に記載のメディア攪拌型湿式分散機において、前記外側ロータと前記内側ロータ(外径をEとする)との間に、式4の関係があるという手段を採用している。
0.5< E/B <0.8 …… 式4
【0015】
また、本発明の請求項3に係るメディア攪拌型湿式分散機は、請求項1又は2に記載のメディア攪拌型湿式分散機において、前記外側ロータが前記ブレード間にメディア循環孔を形成し、該外側ロータの回転により該ブレードの内側にあるメディアが外側に排出されるという手段を採用している。
【0016】
また、本発明の請求項4に係るメディア攪拌型湿式分散機は、請求項3に記載のメディア攪拌型湿式分散機において、前記メディア循環孔は、相隣る二つのブレードの対向する二つの平面間に形成され、この二つの面が互いに平行であるという手段を採用している。
【0017】
また、本発明の請求項5に係るメディア攪拌型湿式分散機は、請求項3又は4に記載のメディア攪拌型湿式分散機において、前記メディア循環孔は、前記外側ロータの内周面から外周面へ向かう方向が、回転方向に対して後退する方向に傾斜しているという手段を採用している。
【0018】
また、本発明の請求項6に係るメディア攪拌型湿式分散機は、請求項1乃至5の何れかに記載のメディア攪拌型湿式分散機において、前記内側ロータの前記ブレードが、板状であるという手段を採用している。
【0019】
また、本発明の請求項7に係るメディア攪拌型湿式分散機は、請求項6に記載のメディア攪拌型湿式分散機において、前記内側ロータの前記ブレードは、前記内側ロータの内周面から外周面へ向かう方向が、回転方向に対して後退する方向に傾斜しているという手段を採用している。
【0020】
また、本発明の請求項8に係るメディア攪拌型湿式分散機は、請求項1乃至7の何れかに記載のメディア攪拌型湿式分散機において、前記外側ロータが外周部に複数の突起(高さをFとする)を備え、前記外径との間に式5の関係があるという手段を採用している。
0.02< F/B <0.2 …… 式5
【0021】
また、本発明の請求項9に係るメディア攪拌型湿式分散機は、請求項8に記載のメディア攪拌型湿式分散機において、前記突起が溝を備えているという手段を採用している。
【0022】
また、本発明の請求項10に係るメディア攪拌型湿式分散機は、請求項1乃至9の何れかに記載のメディア攪拌型湿式分散機において、前記分散タンクが、その外側に冷却用ジャケットを備えているという手段を採用している。
【0023】
また、本発明の請求項11に係る微粒子の分散方法は、無機質微粒子、有機質微粒子、無機有機複合微粒子又はこれらの混合物を含むスラリー状処理液の分散方法において、請求項1乃至10の何れかに記載のメディア攪拌型湿式分散機を用いるという手段を採用している。
【0024】
また、本発明の請求項12に係る微粒子の分散方法は、請求項11に記載の微粒子の分散方法において、前記メディア攪拌型湿式分散機と、ホールディングタンク及びポンプを備え、前記ホールディングタンクに貯えられた処理液を前記ポンプにより前記メディア攪拌型湿式分散機へ供給すると共に、前記メディア攪拌型湿式分散機から排出された前記処理液を前記ホールディングタンクへ戻し、循環処理を行うという手段を採用している。
【0025】
また、本発明の請求項13に係る微粒子の分散方法は、請求項11又は12に記載の微粒子の分散方法において、前記メディア攪拌型湿式分散機の前記分散タンクに設けられたジャケット及び/又はその他の冷却手段により処理液の温度調整を行うという手段を採用している。
【0026】
また、本発明の請求項14に係る微粒子の分散方法は、請求項13に記載の微粒子の分散方法において、前記処理液の温度を10〜80℃に調整して行うという手段を採用している。
【0027】
また、本発明の請求項15に係る微粒子の分散方法は、請求項11乃至14の何れかに記載の微粒子の分散方法において、直径が0.015〜0.3mmのメディアを使用して行うという手段を採用している。
【0028】
また、本発明の請求項16に係る微粒子の分散方法は、請求項11乃至15の何れかに記載の微粒子の分散方法において、前記メディアの充填率を、前記分散タンクの実容量に対して、30〜75%として行うという手段を採用している。
【0029】
また、本発明の請求項17に係る微粒子の分散方法は、請求項11乃至16の何れかに記載の微粒子の分散方法において、前記外側ロータの外周速度を、3〜20m/秒として行うという手段を採用している。
【0030】
また、本発明の請求項18に係る微粒子の分散方法は、請求項11乃至17の何れかに記載の微粒子の分散方法において、前記メディア攪拌型湿式分散機における処理液の平均滞留時間を、0.5〜10秒として行うという手段を採用している。
【発明の効果】
【0031】
本発明のメディア攪拌型湿式分散機は、前記のような構成としたことにより、外側ロータは固体粒子を粉砕及び分散する機能を備えることになる。また、内側ロータはメディアと処理液との分離機能、及び微粒子の分級機能を備えることになる。この結果、外側ロータの粉砕・分散機能と、内側ロータの分離・分級機能とのバランスを調整することが可能であり、両方の機能を十分に発揮させることができる。
【0032】
また、本発明のメディア攪拌型湿式分散機は、外側ロータの内外に循環流が形成され、メディアが処理液と共に循環流動するので、メディアの偏析現象を起こさない。したがって、異常磨耗や異常発熱を起こさないので、直径が0.1mm以下のメディアを使用しても再凝集等を起こすことなく、ナノメーターオーダーの処理を安定して行うことができる。また、大容量の大型機へのスケールアップを問題なく行うことができる。
【0033】
さらに、本発明のメディア攪拌型湿式分散機は、内側ロータが遠心セパレータを形成するので、直径が0.1mm以下のメディアを使用しても目詰まり等のトラブルを起こすことなく、処理液からメディアを確実に分離することができる。同時に、内側ロータは優れた分級機能を発揮して、処理液中の微粒子のみが内側ロータを通過して排出され、大きな粒子とメディアは、再びその循環流に戻される。以上の結果、粒子径をナノメーターオーダーとする分散処理を、安定した連続運転で経済的に行う微粒子の分散方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2には、本発明によるメディア攪拌型湿式分散機の実施形態が示されている。図1はメディア攪拌型湿式分散機の概略断面図、図2は図1に示すA―A線に沿って見た概略断面図である。
このメディア攪拌型湿式分散機1は、分散タンク2、回転軸3、外側ロータ4及び内側ロータ5等により構成されている。
【0035】
分散タンク2は、一端が閉塞した円筒状の容器である。その他端にはフランジ21を介して蓋部材22が取り付けられ、他端部が実質的に閉塞されるようになっている。そして、本発明のメディア攪拌型湿式分散機1は、分散タンク2の内径Aが軸方向の長さDよりも大きく、0.2<D/A<1となる関係があることを特徴としている。また、分散タンク2に設ける処理液の供給口23は、分散タンク2の他端近傍に取り付けることが好ましく、図に示すように、蓋部材22に設けることが特に好ましい。これは、後述する循環流と排出口との位置関係等により都合が良いからである。
【0036】
分散タンク2の軸方向の長さDと内径Aとの比D/Aが、0.2よりも小さい場合は、剪断力の発生に最も重要な、分散タンク2内壁部におけるメディア7の滞留時間が短くなり、十分な粉砕・分散機能を発揮することができない。逆に、D/Aが1よりも大きい場合は、分散タンク2内壁部におけるメディア7の循環流路が長くなり、メディア7の偏析現象を起こし易くなる。
【0037】
蓋部材22は略円筒状に形成されており、軸心にパイプ状の回転軸3が回転自在に設けられている。回転軸3の外周面と蓋部材22の内周面との間には軸シール34が介装され、分散タンク2を密閉することが可能になっている。回転軸3は、その軸心に中空部31が形成されたパイプ状であり、分散タンク2の他端を挿通してこれと同軸に設けられている。そして、分散タンク2内に位置する回転軸3の一端には、外側ロータ4及び内側ロータ5が取り付けられている。また、回転軸3の他端は分散タンク2の外部に位置して、駆動装置が取り付けられている(図示せず)。
【0038】
外側ロータ4は、円板状の保持部41の一面に、一定の間隔で筒状に配列された複数のブレード43からなる筒状部42を備えている。筒状部42の開放された一端は分散タンク2の一端側に位置し、保持部41で閉塞された他端は分散タンク2の他端側でキー45により回転軸3に取り付けられている。そして、本発明のメディア攪拌型湿式分散機1は、外側ロータ4の外径B及び軸方向の長さCについて、0.7<B/A<0.96、及び0.2<C/B<1となる関係があることを特徴としている。
【0039】
分散タンク2の内径Aと外側ロータ4の外径Bとの比B/Aが、0.7よりも小さい場合は、メディア7に十分な剪断力が働き難くなり、逆に0.96よりも大きい場合は、メディア7に過剰な剪断力が働いて、異常磨耗や異常発熱を起こし、再凝集現象を起こし易くなる。
【0040】
外側ロータ4の軸方向の長さCと外径Bとの比は、分散タンク2のD/Aとほぼ同じ比率にする必要があり、例えば、分散タンク2の比率が1/3であれば、外側ロータ4の比率も1/3に近い比率とする。両者の比率が異なる場合には、分散タンク2内に広い隙間が生ずることになり、粉砕・分散機能が低下する等の問題を起こす。
【0041】
外側ロータ4を図の矢印の方向に回転すると、ブレード43により遠心力を発生する。そして、メディア7及び処理液は、ブレード43間に形成されるメディア循環孔44を通って内側から外側に排出される。この結果、分散タンク2内の処理液及びメディア7は循環流を形成することになる。すなわち、ブレード43の外側では他端側から一端側に向かって流れ、開放された一端では外側から内側に向かって流れ、ブレード43の内側では一端側から他端側に向かって流れる。
【0042】
メディア循環孔44は、相隣る二つのブレード43の対向する二つの平面間に形成されることが好ましく、特に、この二つの面が互いに平行であることが好ましい。このような形状は製作が容易であり、例えば、管状の素材に削孔して製作することも可能である。また、耐磨耗性にも大きな効果がある。また、メディア循環孔44は、筒状部42における内周面から外周面へ向かう方向が、回転方向に対して後退する方向に傾斜していることが好ましい。すなわち、図3に具体例で示すように角αが0°〜90°であることが好ましく、45°〜90°がより好ましい。このような形状はメディア7の排出を容易にし、ブレード面にメディア7や粒子が付着堆積することを防ぐことができるからである。
【0043】
本発明のメディア攪拌型湿式分散機1は、分散タンク2と外側ロータ4を上記のように構成することにより、メディア7は処理液と共に外側ロータ4の内外を循環流動することになり、分散タンク2内で偏析現象を起こすことがない。この結果、異常磨耗や異常発熱を起こさず、直径が0.1mm以下のメディア7を使用してナノメーターオーダーの分散処理を安定して行うことができる。また、大容量の大型機へのスケールアップを問題なく行うことができる。
【0044】
上記の循環流動において、処理液はメディア7と共に攪拌されて粉砕・分散処理を受けることになる。特に、分散タンク2の内壁とブレード43との間に発生する剪断力によって、強い粉砕・分散処理を受ける。また、外側ロータ4は、図4(a)に示すように、外周部に複数の突起46を備えることにより、発生する剪断力を一層強力にすることができる。突起46の高さFは、外側ロータ4の外径Bに対して、0.02<F/B<0.2とすることが好ましい。
【0045】
また、図4(b)に示すように、突起46に溝47を付けることによりメディア7の偏りを無くし、メディア7の動きを滑らかにして効率良く粉砕・分散することができる。さらに、形成する溝47の方向を、図4(c)に示すように、少し傾斜のある傾斜溝とすることにより、ブレード43の他端側から一端側へ向かう循環流を促進することも可能である。また、突起46の形状をピンタイプとした場合には、メディア7のランダムな動きを促進することができる。
【0046】
内側ロータ5は、外側ロータ4の内側に位置し、円板状の保持部51の一面に一定の間隔で筒状に配列された複数のブレード53からなる筒状部52を備えている。そして、筒状部52の開放された側を外側ロータ4の保持部41の一面に密接させた状態で、ボルト55により回転軸3に固定されている。内側ロータ5の外径Eは、外側ロータ4の外径Bに対して、0.5<E/B<0.8の関係とすることが好ましい。
【0047】
E/Bが0.5よりも小さい場合は、内側ロータ5が小さくなるために、ブレード53の周速度が低下すると共に、分離面積が小さくなって処理物の流速が速くなり、この結果、分離機能が著しく低下する。逆に、E/Bが0.8よりも大きい場合には、外側ロータ4の筒状部42が薄くなって、ブレード43の粉砕・分散機能が低下する。或いは、外側ロータ4と内側ロータ5との間に形成する循環流の流路が十分に確保できないことになる。
【0048】
ブレード53は板状であることが好ましく、内側ロータ5の筒状部52の内周面から外周面へ向かう方向が、回転方向に対して後退する方向に傾斜していることが好ましい。すなわち、図3に具体例で示すように角βを0°〜90°とすることが好ましく、15°〜45°とすることが分離性能上特に好ましい。
【0049】
ブレード53の外周面は、外側ロータ4のブレード43の内周面から少し離れて位置し、その間隙は前述のように外側ロータ4の内外に形成される循環流の流路となり、分散タンク2の一端側から他端側に向かう流れが形成される。また、ブレード53の内周面は、回転軸3の外表面から少し離れて位置し、ブレード53の内側に空間部56が形成されている。回転軸3は、空間部56の位置に開口32が設けられており、中空部31が空間部56と連通している。この結果、回転軸3の中空部31は分散液の排出口33を形成することになる。すなわち、上記の循環流において粉砕・分散処理を受けた分散液は、ブレード53間の開口54を経由して空間部56に流入し、排出口33から排出される。
【0050】
内側ロータ5は、外側ロータ4と同様に、図に示す矢印の方向に回転すると、ブレード53によって遠心力を発生する。したがって、開口54を通過する粒子に対して分離機能及び分級機能を発揮することになる。すなわち、メディア7及び粒径の大きい粒子は空間部56に流入することができず、微粒子のみが空間部56を経て排出されることになる。空間部56に流入できなかったメディア7及び大きい粒子は直ちに外側ロータ4の内外に形成される循環流に戻される。そして、再び粉砕・分散処理を受けるので、分散処理及び分級処理が確実に行われることになる。
【0051】
内側ロータ5は外側ロータ4の内側に位置するので、内側ロータ5のブレード53と外側ロータ4のブレード43とは軸線方向に対してほぼ同じ位置となる。これによって、内側ロータ5で分離された大きな粒子を素早く外側ロータ4の循環流に戻すことができる。
【0052】
しかし、外側ロータ4のブレード43は、内側ロータ5のブレード53よりも分散タンク2の一端に少し近い位置に設けることが好ましい。なぜならば、ブレード53の外周面とブレード43の内周面との間隙は循環流の流路であり、分散タンク2の一端側から他端側に向かう流れを形成している。そこで、ブレード43がブレード53よりも分散タンク2の一端に近い場合には、ブレード43が循環流の上流側に位置し、ブレード53が循環流の下流側に位置することになる。したがって、上流のブレード43が予め大きな粒子を分離した後に、下流のブレード53が最終的な分離・分級を行うことになり、効率的な処理となるからである。
具体的には、図9に示すように外側ロータ4のブレード43の高さをH、内側ロータ5のブレード53の下端と外側ロータ4のブレード43の下端との高低差をLとしたとき、L/H比が0.2〜0.5の範囲にあることが好ましい。
【0053】
分散タンク2、外側ロータ4、及び内側ロータ5などの処理液と直接接触する部材は耐磨耗性の材質とすることが好ましく、アルミナ、アルミナジルコニア、炭化珪素などのセラミックを使用することが好ましい。これにより、製品に不純物が混入することを防止することができる。
【0054】
本発明のメディア攪拌型湿式分散機1は、比較的狭い分散タンク2内で強力な攪拌操作を行うことができる。したがって、図1に示すように分散タンク2の外側に冷却用ジャケット6を設け、分散タンク2を強制的に冷却することが好ましい。冷却用ジャケット6は、できる限り分散タンク2の全体を覆うとともに、冷却水が偏流しないように配慮して給水口61及び排水口62を設ける。ジャケット6により処理物の温度管理が可能となる。また、このジャケットは処理の初め等に、加熱用ジャケットとして用いることもできる。
【0055】
本発明の微粒子の分散方法は、重合トナー、カラーレジスト、プリンター用インク、セラミックス粉末、酸化チタン等の無機質微粒子、有機質微粒子、無機有機複合微粒子又はこれらの混合物を含むスラリー状処理液の分散方法において、本発明のメディア攪拌型湿式分散機1を用いることを特徴としている。
【0056】
また、本発明の微粒子の分散方法は、図5に示すように、本発明のメディア攪拌型湿式分散機1と、ホールディングタンク8及びポンプ9を備え、このホールディングタンク8に貯えられた処理液をポンプ9によりメディア攪拌型湿式分散機1へ供給すると共に、メディア攪拌型湿式分散機1から排出された処理液をホールディングタンク8へ戻し、循環処理を行うことを特徴としている。
【0057】
上述したように、通常、微粒子の分散処理においては処理液の冷却を行うことが必要である。処理液の冷却は、メディア攪拌型湿式分散機1に設けられたジャケット6に冷却水を流して行うことができる。しかし、循環処理を行う分散処理においては、ホールディングタンク8に冷却用のジャケットを設けて行うこともできる。また、図5に示すように、別途冷却器10を設けて冷却することもできる。或いは、これらの方法を組み合わせて行うこともできる。そして、温度調整システムを設けることにより、処理液の温度を10℃〜80℃に調整することができる。
【0058】
本発明の微粒子の分散方法は、分散液の微粒子径をナノメーターオーダーの分散液を可能とするものであり、このためメディア攪拌型湿式分散機1で使用するメディア7の直径は0.015〜0.3mmとすることが好ましい。0.3mm以上のメディアを使用する場合には、内側ロータ5と外側ロータ4の間の隙間等を十分な大きさとなるように留意する。また、0.015mm以下のメディアの使用は、分離機能が不十分となる可能性がある。
【0059】
メディア7の充填率は、分散タンク2の実容量に対して30〜75%とすることが好ましい。ここで、分散タンク2の実容量とは、分散タンク2の内容積から内外ロータ4、5等の容積を差し引いた容積とする。充填率が75%以上では、運転中にメディア7が流出する可能性が大きくなる。また、充填率が30%以下の場合は、粉砕・分散効率が低下するので好ましくない。
【0060】
本発明の微粒子の分散方法は、外側ロータ4の外周速度を、3〜20m/秒として行うことが好ましく、3〜18m/秒として行うことがより好ましい。処理物質により異なるが、3m/秒以下の速度では、十分なメディアの動きが得られないことが多い。また、20m/秒以上の速度とした場合には、著しい磨耗、発熱、過剰な力による再凝集等の問題を起こす恐れがある。
【0061】
本発明の微粒子の分散方法は連続式であり、通常、ホールディングタンク8及びポンプ9を設けて循環処理を行う。そして、メディア攪拌型湿式分散機1における処理液の平均滞留時間は処理物質により異なるが、一般に、0.5〜10秒の範囲とすることが好ましい。ここで、平均滞留時間は、分散タンク2内における処理液の滞留量を処理液の循環流量で割った値である。また、トータルの滞留時間は、30秒〜30分の範囲とすることが一般的である。したがって、平均滞留時間とトータルの滞留時間からメディア攪拌型湿式分散機1を通過するパス数を設定することができる。また、処理液の全量、循環流量、及びパス数から処理時間を設定することができる。
【実施例1】
【0062】
実施形態で示した本発明のメディア攪拌型湿式分散機を用いて、二次凝集している酸化チタンを以下に示す条件で分散する試験を行い、その性能を確認した。
ホールディングタンクに調製したスラリーを入れ、定量ポンプで分散機の供給口に導入し、分散機の排出口から排出されたスラリーを再びホールディングタンクに戻す循環系を形成し、この状態で分散機を起動して試験を行った。
分散機を起動した後、所定の時間ごとに分散機の排出口からサンプルを採取した。粒径の測定には、日機装(株)のマイクロトラックMKIIDRAを用い、レーザ回折、光散乱法により計測した。
【0063】
分散機: 図1及び2に示す分散機
分散タンク: 内径130mm、D/A=0.45
外側ロータ外径: 120mm
回転数: 2070rpm
メディア: 材質: ジルコニア
直径: 0.03mm、0.05mm、0.1mm
使用量: 0.84kg
処理物: 酸化チタンMT−150W(テイカ製)
一次粒子径: 15nm
二次凝集体径: 2.3μm
使用量: 300g
溶媒: 水、2700g
濃度: 10wt%
分散剤: ノプコスパース44−c、7g
処理流量: 1リットル/分
【0064】
各メディアについて、処理時間に対する平均粒子径の変化を図6示す。メディアの直径を0.03mmとした場合は、平均粒子径30nm以下の分散液を安定して得ることができる。そして、処理時間60分における分散液の粒度分布は、図7に示す通りであり、平均粒子径は24nmである。また、メディアの直径を0.05mmとした場合には、平均粒子径40nm以下の分散液を安定して得ることができる。また、メディアの直径を0.1mmとした場合には、平均粒子径60nm程度の分散液を安定して得ることができる。何れの場合も、処理時間の経過と共に若干の再凝集が見られるものの、平均粒子径は処理前(2.3μm)に比較して十分に分散されており、メディア径を小さくするほど1次粒子(15nm)に近づくことが確認された。なお、何れの場合も分散液中にメディアの混入は見られなかった。なお、図7におけるパラメータは下記の意味である。
(1)transparent particles 透過粒子の有無
(2)spherical particles 球形粒子の有無
(3)part refractive index 粒子屈折率
(4)part density 粒子の真密度
(5)fluid 分散媒種類
(6)fluid refractive index 分散媒屈折率
【0065】
この結果、本発明のメディア攪拌型湿式分散機は、直径が0.1mm以下のメディアを使用可能であり、分散液中の微粒子をナノメーターオーダーとすることが可能であることが確認された。また、微粒子とメディアとの分離を確実に行うことが可能であり、安定した連続運転が可能であることが確認された。
【実施例2】
【0066】
分散タンクの軸方向の長さDと内径Aとの比が分散性能に及ぼす影響を確認する試験を行った。試験は、実施例1と同様に(D/A=0.45)した場合と、これよりも大きく(D/A=1)した場合について、外側ロータの外周速度及びメディアの充填率を変えて行った。他の条件は実施例1と同様であり、分散タンクの内径A及び処理液の流量等も同一としている。
【0067】
各試験の処理時間に対する平均粒子径の変化を図8に示す。D/A=0.45の場合には、何れも平均粒子径40nm以下の良好な分散が安定して得られるのに対して、D/A=1の場合は、外周速度10m/秒では50nm程度で分散処理が進まなくなると共に、その後再凝集を起こして平均粒子径が大きくなることが分かる。これは、分散タンク内でメディアの偏析現象が発生し、メディアが過剰な力を受けるためと考えられる。したがって、この場合は外周速度を10m/秒以上とすることは好ましくない。
【0068】
また、D/A=1で、外周速度5m/秒とした場合には、再凝集は起こさないものの、D/A=0.45の場合と比較して約2.5倍の時間を必要とすることが分かる。しかも、分散タンクの容積(したがってメディアの充填量)は大きくなっているので、同じ容積では数倍の能力差があることを意味している。以上の結果から、本発明のメディア攪拌型湿式分散機は、D/A<1としたことにより、優れた分散性能を発揮できることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のメディア攪拌型湿式分散機の実施の一例を示す概略断面図である。
【図2】図1に示すA―A線に沿って見た概略断面図である。
【図3】外側ロータ及び内側ロータのブレード形状を示す説明図である。
【図4】外側ロータの突起の形状を示す概略図である。
【図5】循環処理を行う場合の概略構成図である。
【図6】実施例1の試験での平均粒子径の変化を示すグラフである。
【図7】実施例1で得られた分散液の粒度分布を示すグラフである。
【図8】実施例2の試験での平均粒子径の変化を示すグラフである。
【図9】外側ロータ及び内側ロータの配置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0070】
1 メディア攪拌型湿式分散機
2 分散タンク
3 回転軸
4 外側ロータ
5 内側ロータ
6 ジャケット
7 メディア
8 ホールディングタンク
9 ポンプ
10 冷却器
21 フランジ
22 蓋部材
23 供給口
31 中空部
32 開口
33 排出口
34 軸シール
41 保持部
42 筒状部
43 ブレード
44 メディア循環孔
45 キー
46 突起
47 溝
51 保持部
52 筒状部
53 ブレード
54 開口
55 ボルト
56 空間部
61 給水口
62 排水口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が閉塞された円筒状の分散タンクと、前記分散タンクの他端側を挿通して回転自在に設けられる中空の回転軸と、筒状に配列された複数のブレードを備え前記回転軸に固定されて回転する外側ロータと、前記外側ロータの内側に位置して筒状に配列された複数のブレードを備え前記回転軸に固定されて回転する内側ロータとを備え、連続処理で使用するメディア攪拌型湿式分散機であって、
前記分散タンクが、該分散タンク内外を連通する供給口を備え、
前記回転軸の中空部が、前記内側ロータの内側に連通して排出口を形成し、
前記分散タンク(内径をA、軸方向の長さをDとする)と前記外側ロータ(外径をB、軸方向の長さをCとする)との間に、式1、式2及び式3の関係があることを特徴とするメディア攪拌型湿式分散機。
0.7< B/A <0.96 …… 式1
0.2< D/A <1 …… 式2
0.2< C/B <1 …… 式3
【請求項2】
前記外側ロータと前記内側ロータ(外径をEとする)との間に、式4の関係があることを特徴とする請求項1に記載のメディア攪拌型湿式分散機。
0.5< E/B <0.8 …… 式4
【請求項3】
前記外側ロータが前記ブレード間にメディア循環孔を形成し、該外側ロータの回転により該ブレードの内側にあるメディアが外側に排出されることを特徴とする請求項1又は2に記載のメディア攪拌型湿式分散機。
【請求項4】
前記メディア循環孔は、相隣る二つのブレードの対向する二つの平面間に形成され、この二つの面が互いに平行であることを特徴とする請求項3に記載のメディア攪拌型湿式分散機。
【請求項5】
前記メディア循環孔は、前記外側ロータの内周面から外周面へ向かう方向が、回転方向に対して後退する方向に傾斜していることを特徴とする請求項3又は4に記載のメディア攪拌型湿式分散機。
【請求項6】
前記内側ロータの前記ブレードが、板状であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のメディア攪拌型湿式分散機。
【請求項7】
前記内側ロータの前記ブレードは、前記内側ロータの内周面から外周面へ向かう方向が、回転方向に対して後退する方向に傾斜していることを特徴とする請求項6に記載のメディア攪拌型湿式分散機。
【請求項8】
前記外側ロータが外周部に複数の突起(高さをFとする)を備え、前記外径との間に式5の関係があることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のメディア攪拌型湿式粉砕機。
0.02< F/B <0.2 …… 式5
【請求項9】
前記突起が溝を備えていることを特徴とする請求項8に記載のメディア攪拌型湿式分散機。
【請求項10】
前記分散タンクが、その外側に冷却用ジャケットを備えていることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のメディア攪拌型湿式分散機。
【請求項11】
無機質微粒子、有機質微粒子、無機有機複合微粒子又はこれらの混合物を含むスラリー状処理液の分散方法において、請求項1乃至10の何れかに記載のメディア攪拌型湿式分散機を用いることを特徴とする微粒子の分散方法。
【請求項12】
前記メディア攪拌型湿式分散機と、ホールディングタンク及びポンプを備え、前記ホールディングタンクに貯えられた処理液を前記ポンプにより前記メディア攪拌型湿式分散機へ供給すると共に、前記メディア攪拌型湿式分散機から排出された前記処理液を前記ホールディングタンクへ戻し、循環処理を行うことを特徴とする請求項11に記載の微粒子の分散方法。
【請求項13】
前記メディア攪拌型湿式分散機の前記分散タンクに設けられたジャケット及び/又はその他の冷却手段により処理液の温度調整を行うことを特徴とする請求項11又は12に記載の微粒子の分散方法。
【請求項14】
前記処理液の温度を10〜80℃に調整して行うことを特徴とする請求項13に記載の微粒子の分散方法。
【請求項15】
直径が0.015〜0.3mmのメディアを使用して行うことを特徴とする請求項11乃至14の何れかに記載の微粒子の分散方法。
【請求項16】
前記メディアの充填率を、前記分散タンクの実容量に対して、30〜75%として行うことを特徴とする請求項11乃至15の何れかに記載の微粒子の分散方法。
【請求項17】
前記外側ロータの外周速度を、3〜20m/秒として行うことを特徴とする請求項11乃至16の何れかに記載の微粒子の分散方法。
【請求項18】
前記メディア攪拌型湿式分散機における処理液の平均滞留時間を、0.5〜10秒として行うことを特徴とする請求項11乃至17の何れかに記載の微粒子の分散方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−229686(P2007−229686A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58180(P2006−58180)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000174965)三井鉱山株式会社 (42)
【Fターム(参考)】