説明

メモリカード用ソケット

【課題】組立作業の作業性を向上させたメモリカード用ソケットを提供する。
【解決手段】メモリカード用ソケットは、メモリカードMCの挿入時にスライダー5が所定位置でロックされるとメモリカードMCのロック用凹所101に係入してメモリカードMCをロックするカードロック手段を備える。カードロック手段は、一端側でカバーシェル2に連結されるとともに他端側にロック用凹所101に係入する係合片24bが設けられた弾性を有するロック体24で構成され、スライダー5が所定位置に移動した状態ではロック体24のレバー片24aがスライダー5の張出部29に押されて弾性変形することで、係合片24bをロック用凹所101内に進入させ、メモリカードMCの非挿入時にスライダー5が前方方向へ移動した状態ではロック体24のレバー片24aが張出部29から離れることで、係合片24bをロック用凹所101から後退させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SDメモリカード(登録商標)やマルチメディアカード(MMC)のようなメモリカードやSDメモリカード(登録商標)と同様の大きさおよび端子配列を有するSDIOカード(登録商標)を挿抜自在に接続するためのメモリカード用ソケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金属の薄板に打ち抜き加工および曲げ加工を施すことにより形成されたベースシェルおよびカバーシェルを結合することによって前部にカード挿入口を有する箱状に形成され、カード挿入口からメモリカードがスライドして挿抜されるソケット本体と、ソケット本体の後部に配置される樹脂製の基体に圧入により一体に保持されてメモリカードの複数のI/O接触面にそれぞれ接触する複数のコンタクトと、ソケット本体の内部に前後方向に移動自在に配置され、カード挿入口からのメモリカードの挿抜操作に伴ってメモリカードとともに前後方向に移動するスライダーと、このスライダーを前方方向へ常時付勢するコイルばねと、スライダーの最後部位置への移動後のメモリカードの押し込み力の解除時にスライダーを所定位置でロックし、該ロック後にメモリカードへの押し込み力が加わってスライダーが後方移動するときにロックを解除するスライダーロック手段と、スライダーが上記所定位置でロックされるとメモリカードのロック用凹所に係入してメモリカードをロックするカードロック手段とを備えたメモリカード用ソケットが提供されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このメモリカード用ソケットでは、メモリカードの装着時にメモリカードの抜けを防止するために、スライダーに一端が固定されて、他端側がソケット本体の内側方向に臨ませるように弾発するロック片を備えている。そして、メモリカードの非装着時にスライダーがカード挿入口側に移動した状態では、カバーシェルを切り起こすことによって突出形成した突片を上記ロック片の基部付近に当接させることで、ロック片を外側に撓ませ、ロック片の他端側がロック用凹所内に進入しない位置に後退させていた。一方、メモリカードの挿入時にメモリカードの前部でスライダーが押されることによって、スライダーがソケット本体の内部において後方へ移動すると、スライダーの移動に伴って、カバーシェルの突片がロック片の基部から離れるので、ロック片を外側に撓ませる力が無くなり、ロック片の他端側がメモリカードのロック用凹所内に進入して、メモリカードをロックすることになる。
【特許文献1】特開2003−217713号公報(段落[0039]−[0046]、[0051]−[0053]、及び、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のメモリカード用ソケットでは、メモリカードの非装着時にはカバーシェルの突片がロック片の基部を外側に撓めることによって、ロック片を外側に撓ませているので、ソケットの組立時にはロック片が突片により外側へ撓められた状態で、スライダーをソケット本体の内部に組み込む必要があり、組立作業の作業性が悪かった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、組立作業の作業性を向上させたメモリカード用ソケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、前面にカード挿入口が開口した箱状に形成され、カード挿入口を通してメモリカードがスライドして挿抜されるソケット本体と、ソケット本体の内部に配置されて、メモリカードの一面に設けた複数のI/O接触面にそれぞれ接触する複数のコンタクトと、ソケット本体の内部に前後方向に移動自在に配置され、カード挿入口からのメモリカードの挿抜操作に伴ってメモリカードとともに前後方向に移動するスライダーと、スライダーを前方方向へ常時付勢する付勢ばねと、スライダーの最後部位置への移動後のメモリカードの押し込み力の解除時にスライダーを所定位置でロックし、該ロック後にメモリカードへの押し込み力が加わってスライダーが後方移動するときにロックを解除するスライダーロック手段と、スライダーが上記所定位置でロックされるとメモリカードのロック用凹所に係入してメモリカードをロックするカードロック手段とを備え、当該カードロック手段を、一端側がソケット本体に保持されるとともに他端側にメモリカードのロック用凹所に係入する係合部が設けられた弾性を有するロック体で構成するとともに、スライダーが所定位置に移動した際にロック体をメモリカード側へ押圧する押圧部をスライダーに設け、スライダーが所定位置に移動した状態ではロック体がスライダーの押圧部に押されて弾性変形することで、係合部をメモリカードのロック用凹所内に進入させるとともに、メモリカードの非挿入時にスライダーが前方方向へ移動した状態ではロック体が押圧部から離れることで、ロック体の弾性復帰力により係合部をロック用凹所から後退させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、カードロック手段を、一端側がソケット本体に保持されるとともに他端側にメモリカードのロック用凹所に係入する係合部が設けられた弾性を有するロック体で構成し、スライダーが所定位置に移動した際にロック体をメモリカード側へ押圧する押圧部をスライダーに設け、スライダーが所定位置に移動した状態ではロック体がスライダーの押圧部に押されて弾性変形することで、係合部をメモリカードのロック用凹所内に進入させるとともに、メモリカードの非挿入時にスライダーが前方方向へ移動した状態ではロック体が押圧部から離れることで、ロック体の弾性復帰力により係合部をロック用凹所から後退させているので、本ソケットの組立時にはロック体が撓められていない状態で組立作業を行うことができ、ロック体にテンションをかけて撓ませながら組立作業を行う場合に比べて、組立作業の作業性が向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。尚、以下の説明では特に断りが無いかぎり、図2中の矢印a−bを上下方向、矢印c−dを左右方向、矢印e−fを前後方向として説明を行う。
【0009】
図1及び図2はSDメモリカード(登録商標)のようなメモリカードMCに対応した本実施形態の全体の分解斜視図及び全体斜視図を示しており、本実施形態のメモリカード用ソケットは、図示するように厚さが極薄いステンレス金属板に打ち抜き加工且つ曲げ加工を施すことにより形成されたベースシェル1と、このベースシェル1と同様に厚さが極薄いステンレス金属板に打ち抜き加工且つ曲げ加工を施すことによって形成され、ベースシェル1上に被着することで前面にカード挿入口3aが開口する扁平な箱状のソケット本体3をベースシェル1とで構成するカバーシェル2と、ソケット本体3の後部内に装着されるコンタクトブロック4と、コンタクトブロック4の前方側のソケット本体3内に前後方向に移動自在に配置されるL字型の樹脂成形品からなるスライダー5とを主要な構成要素としたものである。
【0010】
ベースシェル1は、図6(a)(b)に示すように矩形板状の金属板の左右両側に上面(ソケット本体3の内側に対応)側方向に折り曲げて形成した側片6a,6bを設けたもので、前後端が開放されている。ベースシェル1の後端には上面側方向に突出する突出片9が所定間隔で左右方向に4つ折り曲げ形成され、ベースシェル1の左端には上面側方向に突出する突出片9が所定間隔で前後方向に3つ折り曲げ形成されており、これらの突出片9を、コンタクトブロック4の樹脂製の基体7の下面に開口した圧入溝8(図8(b)参照)に下方から圧入することで、ベースシェル1の上面にコンタクトブロック4が圧入固定されるようになっている。
【0011】
またベースシェル1の後端よりやや前方には、コンタクトブロック4に保持される後述の各コンタクト10…を逃がすための孔11…を複数形成してある。
【0012】
またベースシェル1の前側縁の右端には、メモリカードMCの通過位置よりも外側位置から上側方向に突出し、さらにその先端側が後側方向に突出する側面視L字形の支持片12を折り曲げ形成することで、支持片12とベースシェル1とでコ字形に形成されており、支持片12の上面に設けた軸孔12aに、金属の丸棒の両端部を軸方向と直交する方向に折曲したカムピン16の一端側の軸部16bが係入され、支持片12に対してカムピン16が回動自在に軸支されている。また、ベースシェル1の右側縁には、後述するスライダー5の凹溝27に嵌ってスライダー5をガイドする突条部13,13が前後方向に並べて切り起こしによって形成されている。また、ベースシェル1の前側縁の左側には、後述する基体7の側部7b前端部と係合する係合片1aが折り曲げ形成されている。
【0013】
コンタクトブロック4は、図8に示すようにベースシェル1およびカバーシェル2の後側辺に沿って配置されて、ソケット本体3の後面を閉塞する側部7aと、該側部7aの左端部から前方に突出し、ベースシェル1の側片6bに沿って配置される側部7bとが一体に形成されたL字形の樹脂成型品からなる基体7を有し、側部7aの前面右端にはスライダー5を前方に付勢するコイルばね14(付勢ばね)の一端側を保持する丸棒状のばね受け突起7cが突設されるとともに、側部7aの上面右端には矩形状の嵌合突起7eが突設されている。また側部7bは、側部7aとの連結部位からメモリカードMCのスライド方向に沿って延び、メモリカードMCの裏面に対向する段部7dを一体に備えるとともに、側部7a前面の上側(カバーシェル2側)の角部には、後述するカバーシェル2の突出片20と係合する係合凹部17が左右方向に間隔を開けて3箇所設けられている。また側部7a後面の上側の角部には、後述するカバーシェル2の曲げ片19と係合する係合凹部18が左右方向の略全体に亘って形成されている。
【0014】
さらに基体7の側部7aには、メモリカードMCの後部裏面に複数(SDメモリでは9つ)並行形成したI/O接触面(図示せず)に夫々対応接触する9本のコンタクト10…が圧入固定され、各コンタクト10…の接触側を側部7aの前面(カード挿入口3a)側に突出させている。また側部7bの上面に設けた係合溝33には、共通端子板30と、共通端子板30とともにメモリカードMCの装着検出用接点を構成するスイッチ片31と、共通端子板30とともにメモリカードMCのライトプロテクトスイッチ100の位置検出用接点を構成するスイッチ片32とが上面側より圧入固定されており、各スイッチ片31,32の接触ばね部は側部7bに設けた凹欠部よりソケット本体3の内側方向(メモリカードMCの収容空間側)に突出させている。なお各コンタクト10…の半田付け端子10aは側部7aの後面から上方(実装基板側)に突出し、共通端子板30の半田付け端子30a、および、各スイッチ片31,32の半田付け端子31a,32aは側部7bの外側面から上方に突出している。
【0015】
一方、カバーシェル2は、図7に示すように矩形板状の金属板の後縁を主表面に対して略垂直な方向、すなわち下面(ソケット本体3の内側に対応)側方向に折り曲げて曲げ片19を形成したもので、曲げ片19よりもやや前端寄りには主表面に対して略垂直な方向、すなわち下面側方向に突出する3つの突出片20を折り曲げ形成してある。またカバーシェル2の後部右側には、基体7の嵌合突起7eが嵌合する嵌合孔2bが貫設されており、カバーシェル2の右端縁の前面部には、下向きに突出するL字形の溶接片2aが折り曲げ形成されている。
【0016】
また、カバーシェル2の前面側には、メモリカードMCの表面に弾性接触させてメモリカードMCを押さえるとともに、SDIOタイプのカードに対してはSDIOカードの上面に設けられたグランド端子に弾接する弾接ばね片21,21が打ち抜き加工および曲げ加工を行うことにより形成されるとともに、前面側の右端部には、ベースシェル1の支持片12に対向する部位にカムピン16の一端側の軸部16bを押さえて、軸部16bを支持片12側に付勢することで、軸部16bの脱落を防止する押さえ片22が切り起こしによって形成され、さらにカムピン16の他端側の軸部16aを押さえて、軸部16aの先端を後述するガイド溝15bの凹凸面15cに当接させるT字形の弾接ばね片23が打ち抜き加工および曲げ加工を行うことにより形成されている。
【0017】
さらに、カバーシェル2の右端部の後部寄りには、メモリカードMCの装着時にメモリカードMCのロック用凹所101に係合して抜けを防止するロック体24が打ち抜き加工および曲げ加工を行うことにより形成されている。ロック体24は弾性を有する細長い帯板状であって、ベースシェル1の側片6aと略並行し後端部がカバーシェル2(ソケット本体1)に連結されるとともに前端部が内側方向に屈曲されたレバー片24aと、レバー片24aの前端部から前方に向かって延長形成され、先端側が内側方向に向かって円弧状に湾曲するとともに、メモリカードMCのロック用凹所101内に係入される係合片24b(係合部)とで構成される(図7(b)参照)。ここに、ロック体24により、メモリカードMCの装着時にスライダー5が所定位置でロックされるとメモリカードMCのロック用凹所101に係入してメモリカードMCをロックするカードロック手段が構成される。
【0018】
スライダー5は合成樹脂成型品であって、図9に示すようにメモリカードMCの右側縁に当接する側部5aと、側部5aの後端部から側方に突出してメモリカードMCの前側縁に当接する側部5bとでL字形に形成されており、側部5aと側部5bとで囲まれる入り隅には、メモリカードMCの前部右側の角部を落として形成された傾斜カット部102と当接する傾斜面を前面に備える当接部5cが形成されている。また側部5aの内側面(図5(a)中の左側面)には、当接部5cからメモリカードMCのスライド方向に沿って延び、メモリカードMCの裏面に対向する段部5dを一体に備えている。そして、スライダー5の側部5bにメモリカードMCの前部を当接させた状態で、メモリカードMCの側面と対向する段部5dの側面には、メモリカードMCのロック用凹所101にメモリカードMCの側方(カード挿抜方向および厚み方向とそれぞれ直交する方向)から嵌合する嵌合突起34が突設されるとともに、段部5dの底面にはロック用凹所101にメモリカードMCの厚み方向から嵌合する嵌合突起35が突設されている。
【0019】
一方、側部5aの下面には、後端部から中央部にかけて外側と下側と後側とが開口した断面略円弧状の細溝26を形成してあり、この細溝26には上述したコイルばね14の他端部が収められ、細溝26の前端内面がコイルばね14の弾発力を受ける面となっている。また側部5aの下面には、前後両側および下側が開口し、ベースシェル1の突条部13,13が係入される凹溝27が前後方向に沿って形成されている。すなわち、組立完了時にはスライダー5は、ベースシェル1の主平面と側片6aと突条部13,13とカバーシェル2の主平面によって移動方向が規制され、ベースシェル1の支持片12に側部5aの前端部が当接することで前方方向へのそれ以上の移動が規制されている。そして、スライダー5はコイルばね14によって前方方向へ付勢されており、メモリカードMCがソケット本体3内に挿入されてメモリカードMCのI/O接触面がコンタクト10に接触する位置とメモリカードMCがソケット本体3から取り外し可能になる位置との間でスライダー5はスライドする。
【0020】
また側部5aの前側部の上面には、図1及び図9に示すようにカムピン16の軸部16aが移動自在に係入されるハートカム溝部15が形成され、ハートカム溝部15よりも後側にはカバーシェル2に設けたロック体24が挿入される凹溝25が形成されている。ハートカム溝部15は、図9(a)(d)に示すようにハートカム15aと、ハートカム15aの周部に形成されたガイド溝15bとで構成され、カムピン16の軸部16aをガイド溝15bに係入し、スライダー5の前後移動に伴い、ガイド溝15bとガイド溝15bの底面に形成した凹凸面15cとで、カムピン16の軸部16aのガイド溝15b内での相対的な移動がガイドされるようなっている。なおハートカム15aの前部には、前側に開放された凹部15dが形成されており、スライダー5の最後部位置への移動後のメモリカードMCの押し込み力の解除時にカムピン16の軸部16aが凹部15dに嵌り込むことで、スライダー5の前方方向への移動を規制し、スライダー5を所定位置に保持している。また側部5aの上面に設けた凹溝25の右側端面には、ソケット本体3の内側方向に突出する張出部29(押圧部)が前側部に形成してある。而して、図10(a)に示すようにスライダー5が上記所定位置まで移動すると、張出部29がロック体24のレバー片24aをソケット本体3の内側方向に押圧して、ロック体24を弾性変形させることで、ロック体24の先部(すなわち係合片24b)をメモリカードMCのロック用凹所101内に進入させ、メモリカードMCをロックする。一方、図10(b)に示すように、メモリカードMCの非挿入時にスライダー5がメモリカードMCの取出位置まで前方方向へ移動した状態では、張出部29がロック体24から離れるので、ロック体24を撓ませる力が無くなり、ロック体24の弾性復帰力によって係合片24bがロック用凹所101から後退して凹溝25内に退避し、メモリカードMCのロックを解除するようになっている。なお凹溝25は、嵌合突起34よりも上側に位置しているので、凹溝25内に配置されるロック体24はロック用凹所101の上側部分と係合し、嵌合突起34はロック用凹所101の下側部分と係合することになる。
【0021】
このメモリカード用ソケットを組み立てるに当たっては、先ず各コンタクト10…を基体7の後面に開口する圧入用孔に圧入するとともに、共通端子板30およびスイッチ片31,32を基体7の係合溝33に上方から圧入固定してコンタクトブロック4を組み立てた後、このコンタクトブロック4の基体7をベースシェル1の上面に載置し、ベースシェル1の突出片9を基体7の下面に開口する圧入溝8に圧入することによって、基体7をベースシェル1に固定する(図5(b)参照)。このとき、基体7の側部7bの前端部がベースシェル1の係合片1aと係合し、側部7bの前端部の位置ずれを規制している。そして、基体7のばね受け突起7cにコイルばね14の一端側を挿入保持させた状態で、コイルばね14の他端側を細溝26に挿入させるとともに、ベースシェル1の突条部13を凹溝27内に嵌入させるようにしてスライダー5をベースシェル1上に載置した後、カムピン16の一端側の軸部16bをベースシェルの支持片12に設けた軸孔12aに係入させるとともに、カムピン16の他端側の軸部16aをスライダー5のハートカム溝部15内に係入させる。その後、基体7の嵌合突起7eをカバーシェル2の嵌合孔2b内に嵌合させた状態で、ベースシェル1の両側片6a,6bの先端部間にカバーシェル2を橋架する形で載置し、ベースシェル1とカバーシェル2との接合部位(カバーシェル2の左右の側縁とベースシェル1の両側片6a,6bの先端部との突き合わせ部)をレーザ溶接により接合することで、前部にカード挿入口3aが開口した箱状のソケット本体3が形成され、メモリカード用ソケットの組立が完了する(図2および図5(a)参照)。
【0022】
ここで、カバーシェル3を組み込む際には、スライダー5がコイルばね14により付勢されて前方(カード挿入口3a側)へ押し動かされ、側部5aの前端部がベースシェル1の支持片12に衝合することによって、スライダー5のそれ以上の前方への移動が規制されており、この状態ではスライダー5に設けた張出部29がカバーシェル2に設けたロック体24から離れた位置に配置されるので、ロック体24にテンションをかけながらカバーシェル2を組み込む必要が無く、ロック体24すなわちカバーシェル2の組込作業の作業性が向上するという効果がある。なお、この状態ではカムピン16の一端がガイド溝15bの後端の位置A(図9(a)参照)に移動している。
【0023】
また、ベースシェル1の前側縁から後方に折り返して形成された支持片12の上面には側方に向かって突出する幅狭の突起12bが突設されており、この突起12bにカバーシェル2の溶接片2aの下向き段部を衝合させて(図3(b)参照)、レーザ溶接により接合することで、支持片12がカバーシェル2に連結されるから、カムピン16の一端側の軸部16bが軸支する軸孔12aが設けられた支持片12の強度を高めることができる。したがって、スライダー5の前後方向への移動に伴ってカムピン16がハートカム溝部15内を移動する動作を安定させることができ、その結果スライダー5の前後動作、すなわちメモリカードMCの挿抜動作が安定し、メモリカードMCの挿抜寿命を向上させることができる。またカバーシェル2の一部を切り起こして形成した押さえ片22により、カムピン16の一端側の軸部16bを支持片12側に押し付けているので、カムピン16の一端側の軸部16bが支持片12に設けた軸孔12aから脱落するのを防止することができる。
【0024】
ここで、ベースシェル1の支持片12と、基体7の側部7bとの間がカード挿入口3aに対応し、スライダー5の側部5aと側部7bとの段部5d,7dよりも上側の内側縁間の寸法をメモリカードMCの両側の最大幅寸法よりやや大きく設定し、またベースシェル1の上面と段部5d,7dの上向き面との間の寸法を、ベースシェル1の上面に裏面側を乗せた状態のメモリカードMCの裏面両側縁に前後方向の全長に亘って形成している下向き段部103(図3及び図4参照)の下向き面の高さ寸法よりやや小さい寸法に設定し、且つ、側部5a,7bの段部5d,7dより下側の内側縁間の寸法をメモリカードMCの下向き段部103より下方の両側幅の寸法よりやや大きく設定してある。
【0025】
これによりメモリカードMCの裏面(I/O接触面が形成された面)側をベースシェル1の上面側に載せる状態ではメモリカードMCの下向き段部103が側部5a,7bの段部5d,7d上を通過することができて上記カード挿入口3aからのメモリカードMCの挿入を可能とし、逆にメモリカードMCの表面(I/O接触面が形成された面と反対側の面)をベースシェル1の上面側に向けた場合にはメモリカードMCのベースシェル1側となった両側部が両段部5d,7dの内側縁間を通過できず、メモリカードMCの表裏方向の間違いによる誤挿入を防止するようなっている。
【0026】
また、ベースシェル1において右端のコンタクト10に対応して設けた右端の孔11の前側(カード挿入口3a側)の内側縁には、切り起こしによってストッパ片11aが形成されている(図6(b)参照)。つまりメモリカードMCの前後方向が正規の方向でカード挿入口3aに挿入される場合には、メモリカードMCの裏面に設けたI/O接触面へ誘い込む溝(図示せず)の開口を介して各コンタクト10が接触位置へ移動することができるが、前後方向を逆にしてメモリカードMCが挿入されようとした場合には挿入方向の前面部にストッパ片11aが衝合してそれ以上の移動を規制し、各コンタクト10の先部がメモリカードMCの挿入側の前面に当たって破損されるのを防ぐようになっている。
【0027】
次に本実施形態のメモリカード用ソケットにメモリカードMCを挿抜する動作について説明する。メモリカードMCを装着していない状態では、コイルばね14の弾発力を受けて、側部5aの前端部がベースシェル1の支持片12と衝合する位置までスライダー5が前方方向に移動している。この状態では、ロック体24の係合片24bが凹溝25内に退避しており、係合片24bの先端部が側部5aの内側面よりも内側へ突出しないようになっている(図10(b)参照)。
【0028】
この状態からメモリカードMCを前後方向及び表裏方向を正規の方向に向けてソケット本体3のカード挿入口3a内に挿入すると、メモリカードMCがスライダー5の側部5aと基体7の側部7bとの間に挿入されて、メモリカードMCの下面両側部の下向き段部103,103が、両側部5a,7bに設けた段部5d,7dの上側に乗ることになる。そして、メモリカードMCをソケット本体3内に更に挿入すると、メモリカードMCの前端部の右側に設けた傾斜カット部102がスライダー5の当接部5cに衝合してスライダー5を後方へ押すことになる。
【0029】
その後、スライダー5に加わるコイルばね14の弾発力に抗してメモリカードMCを更に内側へ押し入れると、メモリカードMCの移動に共動してスライダー5が後退することになる。このスライダー5の後退によりカムピン16の軸部16aはハートカム溝部15のガイド溝15b底部の凹凸面15cによってガイドされながら、ガイド溝15b内を図9(a)中の下側へ移動し、図9(a)中の位置Bに移動することになる(実際にはスライダー5が後方へ移動することによって、カムピン16の軸部16aがガイド溝15b内を前方(図9(a)中の下方)へ移動することになる)。そして、スライダー5の側部5bの後面がコンタクトブロック4の基体7の前面に当たる位置に近い位置までメモリカードMCを押し込むと、カムピン16の軸部16aがガイド溝15bの前端部に当たる位置Cに至ることになり、それ以上の押し込みができなくなる。またこの時、スライダー5の後方移動に伴って、凹溝25の内側端面に設けた張出部29がロック体24のレバー片24aと当接し、レバー片24aをソケット本体3の内側方向へ撓ませるので、ロック体24の係合片24bが側部5aの内側面よりも内側方向に突出し、メモリカードMCのロック用凹所101に係入することで、メモリカードMCをロックし、メモリカードMCの脱落が防止される(図10(b)参照)。
【0030】
そして、この位置でメモリカードMCに加えていた押し込み力を解除すると、コイルばね14の弾発力を受けてスライダー5がメモリカードMCと共に前方へ戻りかけるが、カムピン16の軸部16aがガイド溝15bに案内されながらハートカム15aの凹部15dに嵌り込む位置Dまで移動することになる。従ってカムピン16の軸部16aがハートカム15aの凹部15dに当接することで、これ以上のスライダー5の前方移動が規制され、ロック体24によりロックされたメモリカードMCもその位置でソケット本体3内に留まることになる。この時、コイルばね14のばね荷重がカムピン16を介して支持片12にかかっているが、上述のように本実施形態では支持片12をカバーシェル2に設けた溶接片2aと溶接接合することで、支持片12を補強しているので、コイルばね14のばね荷重が加わっても支持片12が変形することがなく、カムピン16を安定して動作させることができる。
【0031】
さて、メモリカードMCが、押し込みにより所定位置へ移動すると、スライダー5の側部7aから前方に突出する各コンタクト10…の先部がメモリカードMCの裏面に形成した対応するI/O接触面に順次接触することになる。またスライダー5の側部7bの内側面から内側方向に突出するスイッチ片31がメモリカードMCの先端部によって押されて、共通端子板30と接触することにより、スイッチ片31と共通端子板30との間(つまり装着検出用接点)が導通するので、このスイッチ信号を利用して外部の検出回路(図示せず)によりメモリカードMCが正規の位置に挿入されたことを検出することができる。
【0032】
また、スイッチ片32に対応するメモリカードMCの一側面にはライトプロテクトスイッチ100の摘み104が露出する凹部105を設けてあり、摘み104の凹部105内の移動位置により、スイッチ片32の先部が摘み104に乗り上げるか、又は、凹部105内に落ち込むことになり、それに応じてスイッチ片32と共通端子板30との間(つまりライトプロテクトスイッチ100の位置検出用接点)がオン/オフするから、このスイッチ信号を利用して外部の検出回路(図示せず)によりメモリカードMCがライトプロテクト状態にあるか否かを検出することができる。
【0033】
以上のようにして挿着されたメモリカードMCをソケットから取り出す際は、まずソケット本体3のカード挿入口3aより外部に露出するメモリカードMCの後部を挿入方向に押し、メモリカードMCと共にスライダー5を挿入方向へ移動させる。この移動によってカムピン16の軸部16aがハートカム15aの凹部15dから離脱するとともに、ガイド溝15bにガイドされて凹部15dより右側前方に出て、ガイド溝15b内の位置Eに移動する。
【0034】
その後、メモリカードMCの押し込み力を解除すると、スライダー5はコイルばね14の弾発力により前方へ移動することなる。スライダー5が前方へ移動すると、スライダー5の移動に伴ってカムピン16の軸部16aはガイド溝15bにガイドされながら、ハートカム15aの右側のガイド溝15b内の位置Fを通って、ガイド溝15bの後端部の位置Aまで移動する。またスライダー5の前方方向への移動に伴い、スライダー5の張出部29がロック体24のレバー片24aから離れるため、レバー片24aを撓める力がなくなってレバー片24aが初期位置に戻り、係合片24bの先端部が側部5aの凹溝25内に退避するため、係合片24bとロック用凹所101との係合状態が解除され、メモリカードMCのロックが解除される。そして、スライダー5がさらに前方方向へ移動し、側部5aの前端部が係止片12と当接した状態では、メモリカードMCの後部がソケット本体3のカード挿入口3aから外部へ大きく露出するので、メモリカードMCをソケット本体3から取り出すことが可能になる。ここにおいて、ハートカム溝部15とカムピン16とから、スライダー5の最後部位置への移動後のメモリカードMCの押し込み力の解除時にスライダー5を所定位置でロックし、該ロック後にメモリカードMCへの押し込み力が加わってスライダー5が後方移動するときにロックを解除するスライダーロック手段が構成される。
【0035】
ところで、メモリカードMCの取出時にスライダー5のロック状態が解除され、コイルばね14のばね力によってスライダー5が前方方向へ移動すると、スライダー5と共にメモリカードMCが前方方向へ移動するのであるが、メモリカードMCのロック用凹所101にはスライダー5の段部5dの側面および底面に設けた嵌合突起34,35が嵌合しているので、ロック体24によるメモリカードMCのロックが解除されたとしても、ロック用凹所101の端縁が嵌合突起34,35に当たることで、メモリカードMCの飛び出しを防止することができる。また、メモリカードMCの挿抜方向において各嵌合突起34,35の角部にはそれぞれ曲面を形成しているので、メモリカードMCの挿抜時にロック用凹所101が嵌合突起34,35を乗り越える際の動きをスムーズにでき、操作感触の向上を図ることができる。
【0036】
ここにおいて、メモリカードMCの幅方向(カード挿抜方向および厚み方向と直交する方向)における寸法公差は、I/O接触面の位置ずれを小さくして、電気的接続を確実にするなどの理由で、厚み方向に比べて厳しくなっており、スライダー5に設けた嵌合突起34は、寸法公差の小さい側方からロック用凹所101内に嵌合しているので、嵌合突起34とロック用凹所101とを確実に嵌合させて、飛び出し防止の効果を確実に得ることができる。なおロック用凹所101に対して側方から嵌合する嵌合突起34は、ロック用凹所101の厚み方向における下側部分と嵌合しており、厚み方向の全体でロック用凹所101と嵌合させる場合に比べてロック用凹所101と嵌合突起34とが係合することで発生する抵抗力を小さくでき、メモリカードMCを取り出す際の抵抗が大きくなりすぎるのを防止している。
【0037】
また本実施形態ではロック用凹所101に側方から嵌合する嵌合突起34に加えて、厚み方向からロック用凹所101に嵌合する嵌合突起35を設けているので、嵌合突起34,35の両方がロック用凹所101と嵌合することで、より確実にメモリカードMCの飛び出しを防止することができる。なお、寸法公差の厳しい幅方向からロック用凹所101に嵌合する嵌合突起34のみを設けるようにしても良く、メモリカードMCの幅方向における寸法精度のばらつきが小さいために、嵌合突起34とロック用凹所101との係合代のばらつきを小さくでき、嵌合突起34のみの場合でもメモリカードMCの飛び出し防止効果を充分に得ることができる。
【0038】
また本実施形態のメモリカード用ソケットは、上下の金属シェル(ベースシェル1およびカバーシェル2)のうち、一方のベースシェル1のみをコンタクトブロック4の基体7に圧入固定し、他方のカバーシェル2はベースシェル1との接合部位をレーザ溶接により接合しており、ベースシェル1が圧入固定された基体7にカバーシェル2を圧入固定する場合のように、カバーシェル2を基体7に圧入する力がベースシェル1に加わらないから、ベースシェル1の変形を防止することができる。またカバーシェル2は基体7に対して圧入固定されていないので、圧入固定した場合のように圧入箇所の位置ずれによって発生する捩り力がカバーシェル2に加わることがなく、カバーシェル2の変形を防止することができ、結果、ソケット本体3の変形が抑制されて、ソケット本体3の平坦度を向上させることができる。
【0039】
またカバーシェル2は、コンタクトブロック4の基体7に直接は固定されていないが、カバーシェル2の後端に設けた曲げ片19が基体7の後面側に設けた係合凹部18に後方から当接するとともに、曲げ片19よりもやや前端側に設けた突出片20が基体7の前面側に設けた係合凹部17に前方から当接している。したがって、メモリカードMCの取り出し時にメモリカードMCのI/O接触面とコンタクト10との間に発生する摩擦力によって基体7を前方に押す力が発生した場合には、基体7の上部を前方に押す力をカバーシェル2の突出片20で受けることで、基体7の前方への倒れを抑制することができる。また、メモリカードMCの挿入時にもメモリカードMCのI/O接触面とコンタクト10との間に発生する摩擦力によって基体7を後方に押す力が発生するが、基体7の上部を後方に押す力をカバーシェル2の曲げ片19で受けることで、基体7の後方への倒れを抑制することができる。またカバーシェル2は左右両側部のみでベースシェル1に溶接されているため、中央部分の強度が弱くなるが、カバーシェル2の後端縁に下向きに突出する曲げ片19を折り曲げ形成しているので、曲げ片19によりカバーシェル2の強度を高めることができる。
【0040】
また本実施形態では金属製のベースシェル1とカバーシェル2との接合部位をレーザ溶接により接合しているので、ベースシェル1とカバーシェル2とを完全に同電位とすることができ、ベースシェル1を接地することで、ソケット本体3の全体が確実に接地されるから、静電気や外部ノイズに強いものとなり、EMI性能を向上させることができる。
【0041】
なお本実施形態ではベースシェル1にコンタクトブロック4の基体7を圧入固定し、カバーシェル2をベースシェル1とレーザ溶接により接合しているが、メモリカードMCの表面および裏面にそれぞれ対向配置される2つの金属シェルのうちの一方を基体7に圧入固定し、他方を一方の金属シェルとレーザ溶接により接合すれば良く、カバーシェル2を基体7に圧入固定して、このカバーシェル2とベースシェル1とをレーザ溶接により接合するようにしても良い。
【0042】
また、本実施形態のメモリカード用ソケットは、各コンタクト10…、共通端子板30及びスイッチ片31、32の半田付け端子10a…,30a,31a,32aと、ベースシェル1の両側片6a,6bの上側縁から上方に突出する載置用突部6cの段部とを、カバーシェル2の上面よりも上方に突出させたスタンドオフ型のソケットであり、基板表面から浮かせた状態で実装基板に表面実装することで、ソケット本体3の下側部位に部品実装が行えるようになっているが、端子構造を他の形態にしても良いことは言うまでもない。また本実施形態ではメモリカードとしてSDメモリカード(登録商標)を例に説明を行ったが、ソケット内に挿入される部位の大きさがSDメモリカード(登録商標)と同様の大きさに形成されるとともに、SDメモリカード(登録商標)と同様の端子配列を有し、I/OインタフェースやPHSモジュールやGPSモジュールなどの機能部を搭載したSDIOカード(登録商標)を装着して使用することができる。すなわち本実施形態のメモリカード用ソケットは、SDメモリカード(登録商標)およびSDIOカード(登録商標)の両方に対応したSDカード用のソケットである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態のメモリカード用ソケットの分解斜視図である。
【図2】同上のカード取出時の外観斜視図である。
【図3】同上のカード装着時を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図、(d)は上面図、(e)は下面図である。
【図4】同上のカード装着時の背面図である。
【図5】(a)(b)は同上の外観斜視図である。
【図6】同上を構成するベースシェルを示し、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
【図7】同上を構成するカバーシェルを示し、(a)は表側から見た斜視図、(b)は裏側から見た斜視図である。
【図8】同上を構成するコンタクトブロックを示し、(a)は表側から見た斜視図、(b)は裏側から見た斜視図、(c)は背面図である。
【図9】同上を構成するスライダーを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は斜視図である。
【図10】(a)は同上のカード装着時を示した要部の平面図、(b)は同上のカード取出時を示した要部の平面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ベースシェル
2 カバーシェル
3 ソケット本体
3a カード挿入口
5 スライダー
7 基体
10 コンタクト
14 付勢ばね
15 ハートカム溝部(スライダーロック手段)
16 カムピン(スライダーロック手段)
16a,16b 軸部
24 ロック体(カードロック手段)
24a レバー片
24b 係合片(係合部)
29 張出部(押圧部)
101 ロック用凹所
MC メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面にカード挿入口が開口した箱状に形成され、カード挿入口を通してメモリカードがスライドして挿抜されるソケット本体と、
ソケット本体の内部に配置されて、メモリカードの一面に設けた複数のI/O接触面にそれぞれ接触する複数のコンタクトと、
ソケット本体の内部に前後方向に移動自在に配置され、カード挿入口からのメモリカードの挿抜操作に伴ってメモリカードとともに前後方向に移動するスライダーと、
スライダーを前方方向へ常時付勢する付勢ばねと、
スライダーの最後部位置への移動後のメモリカードの押し込み力の解除時にスライダーを所定位置でロックし、該ロック後にメモリカードへの押し込み力が加わってスライダーが後方移動するときにロックを解除するスライダーロック手段と、
スライダーが上記所定位置でロックされるとメモリカードのロック用凹所に係入してメモリカードをロックするカードロック手段とを備え、
当該カードロック手段を、一端側がソケット本体に保持されるとともに他端側にメモリカードのロック用凹所に係入する係合部が設けられた弾性を有するロック体で構成するとともに、スライダーが前記所定位置に移動した際にロック体をメモリカード側へ押圧する押圧部をスライダーに設け、
スライダーが前記所定位置に移動した状態ではロック体がスライダーの押圧部に押されて弾性変形することで、係合部をメモリカードのロック用凹所内に進入させるとともに、メモリカードの非挿入時にスライダーが前方方向へ移動した状態ではロック体が押圧部から離れることで、ロック体の弾性復帰力により係合部をロック用凹所から後退させることを特徴とするメモリカード用ソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−15778(P2009−15778A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180028(P2007−180028)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】