説明

メモリダンプ取得装置、メモリダンプ取得方法、およびプログラム

【課題】任意の時点でのメモリダンプを取得し得る、メモリダンプ取得装置、メモリダンプ取得方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】メモリダンプ取得装置2は、コンピュータ1においてメモリ書き換え命令が実行されたときに取得された、メモリ書き換え命令に関する情報と、メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する、情報記録部22と、情報記録部22に記録されている、メモリ書き換え情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成したメモリダンプを外部に出力する、メモリダンプ出力部23と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステムにおけるメモリダンプを取得する、メモリダンプ取得装置、メモリダンプ取得方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータシステムにおいては、障害が発生したときに、メモリ上のデータを、ファイルとして保存する処理が行われている。このような処理によって保存されるデータは、「メモリダンプ」と呼ばれている。稼働中のシステムのメモリダンプを取得することは、システム障害の原因解析などを行う際に有効な手段となる。
【0003】
但し、ある時点のシステム全体のメモリダンプを取得するためには、メモリ内容が書き換えられないように、システムのすべての処理を停止させてから行う必要がある。このため、メモリダンプを取得することには、システムへの影響が大きいという問題がある。また、障害発生時にメモリダンプを取得しても、取得したメモリダンプからは、障害の発生後のメモリ状態しか参照できないため、実際には、障害の解析が難しいという問題もある。
【0004】
このような問題を解決するため、従来から、メモリダンプの取得中であっても、システムの処理を継続できるようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。具体的には、特許文献1に開示された技術は、メモリ内容の書き換えが生じたときに、すべてのメモリ内容を別のメモリ装置にいったん待避させ、メモリ内容の変化を回避することで、システムを停止せずにメモリダンプを取得している。
【0005】
また、特許文献2に開示された技術は、メモリダンプの記録用の領域を用意し、障害が発生するまで、この記録用の領域とシステムのメモリとを同期しておくことで、システムを停止せずにメモリダンプを取得している。
【0006】
さらに、特許文献3に開示された技術は、メモリダンプが取得されている記憶領域に対して書き込み要求を受け付けた場合に、メモリダンプが取得されている記憶領域と異なる記憶領域を新たに割り当てることで、システムを停止せずにメモリダンプを取得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−154087号公報
【特許文献2】特開2004−102395号公報
【特許文献3】特開2009−140293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1〜特許文献3に開示された技術では、取得処理の実行時におけるメモリ状態のメモリダンプについては取得できるが、障害発生直前などのメモリ状態のメモリダンプを取得することは困難である。このため、上述した特許文献1〜特許文献3に開示された技術には、メモリ状態遷移を解析することができないという問題がある。
【0009】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、任意の時点でのメモリダンプを取得し得る、メモリダンプ取得装置、メモリダンプ取得方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるメモリダンプ取得装置は、
コンピュータにおいてメモリ書き換え命令が実行されたときに取得された、前記メモリ書き換え命令に関する情報と、前記メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する、情報記録部と、
前記情報記録部に記録されている、前記メモリ書き換え情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成した前記メモリダンプを外部に出力する、メモリダンプ出力部と、
を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるメモリダンプ取得方法は、
(a)コンピュータにおいてメモリ書き換え命令が実行されたときに取得された、前記メモリ書き換え命令に関する情報と、前記メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する、ステップと、
(b)前記(a)のステップで記録されている、前記メモリ書き換え命令に関する情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成した前記メモリダンプを外部に出力する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0012】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータにおけるメモリダンプを取得するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)メモリ書き換え命令が実行されたときに取得された、前記メモリ書き換え命令に関する情報と、前記メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する、ステップと、
(b)前記(a)のステップで記録されている、前記メモリ書き換え命令に関する情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成した前記メモリダンプを外部に出力する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明における、メモリダンプ取得装置、メモリダンプ取得方法、およびプログラムによれば、任意の時点でのメモリダンプを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置がメモリ書き換え情報の記録処理を実行する際の動作を示すフロー図である。
【図3】図3は、本実施の形態において取得されたメモリ書き換え情報の一例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置がメモリダンプの出力処理を実行する際の動作を示すフロー図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態において作成されたメモリダンプの一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置の他の例の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置、メモリダンプ取得方法、およびプログラムについて、図1〜6を参照しながら説明する。
【0016】
[装置構成]
最初に、図1を用いて、本実施の形態におけるメモリダンプ取得装置2の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示す本実施の形態におけるメモリダンプ取得装置2は、コンピュータ1におけるメモリダンプを取得する装置である。図1に示すように、メモリダンプ取得装置2は、情報取得部21と、情報記録部22と、メモリダンプ出力部23と、時刻情報取得部24とを備えている。
【0018】
情報取得部21は、コンピュータ1において、CPU(Central Processing Unit)11がメモリ12に対してメモリ書き換え命令を実行したときに、メモリ書き換え命令に関する情報(以下「メモリ書き換え情報」とする。)を取得する。また、情報取得部21は、取得したメモリ書き換え情報を情報記録部22に入力する。
【0019】
本実施の形態では、情報取得部21は、CPUとメモリとを結ぶバス上に配置された回路によって構成されている。回路は、CPUからメモリ12に出力されたメモリ書き換え命令を検知し、検知したメモリ書き換え命令に基づいて、メモリ書き換え情報を出力する。また、本実施の形態において、メモリ書き換え情報としては、インストラクションアドレス、書き換えアドレス、およびメモリ内容が挙げられる(後述の図3参照)。
【0020】
時刻情報取得部24は、情報取得部21から情報記録部22へとメモリ書き換え情報が出力されると、その時の現在時刻を特定する時刻情報を情報記録部22に入力する。この時刻情報によって特定される時刻は、メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻に相当する。
【0021】
情報記録部22は、メモリ書き換え情報と、時刻情報とを受け付け、これらを関連付けて記録する。即ち、情報記録部22は、メモリ書き換え情報と、メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する。
【0022】
メモリダンプ出力部23は、情報記録部22に記録されている、メモリ書き換え情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成したメモリダンプを外部の出力装置3に出力する。
【0023】
本実施の形態では、メモリダンプ出力部23は、外部の使用者から、時刻指定を伴ったメモリダンプ取得命令が入力されると、指定された時刻に関連づけられているメモリ書き換え情報を取得し、取得したメモリ書き換え情報に基づいて、指定された時刻におけるメモリダンプを作成する。そして、この場合は、メモリダンプ出力部23は、指定された時刻におけるメモリダンプを出力する。
【0024】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置2の動作について説明する。以下の説明においては、適宜図1を参酌する。また、本実施の形態では、メモリダンプ取得装置2を動作させることによって、メモリダンプ取得方法が実施される。よって、本実施の形態におけるメモリダンプ取得方法の説明は、以下のメモリダンプ取得装置2の動作説明に代える。
【0025】
[メモリ書き換え情報記録処理]
最初に、図2および図3を用いてメモリ書き換え情報の記録処理について説明する。図2は、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置がメモリ書き換え情報の記録処理を実行する際の動作を示すフロー図である。図3は、本実施の形態において取得されたメモリ書き換え情報の一例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、まず、CPU11がメモリ12に対してメモリ書き換え命令を発行すると、情報取得部21は、それを検知する(ステップA1)。そして、情報取得部21は、検知したメモリ書き換え命令に基づいて、インストラクションアドレス、書き換えアドレス、およびメモリ内容を、メモリ書き換え情報として取得する(ステップA2)。また、情報取得部21は、取得したメモリ書き換え情報を情報記録部22に入力する。
【0027】
次に、情報記録部22は、出力時刻情報取得部24から時刻情報を取得する。そして、図3に示すように、情報記録部22は、取得した時刻情報が示す時刻と入力されたメモリ書き換え情報とを関連付けて記録する(ステップA3)。以上のステップA1〜A3の実行により、時刻と共にメモリ書き換え情報が記録される。
【0028】
[メモリダンプ出力処理]
続いて、図4および図5を用いて、メモリダンプの出力処理について説明する。図4は、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置がメモリダンプの出力処理を実行する際の動作を示すフロー図である。図5は、本発明の実施の形態において作成されたメモリダンプの一例を示す図である。
【0029】
図4に示すように、まず、メモリダンプ出力部23は、使用者が、任意の時刻を指定したメモリダンプ取得命令を入力しているかどうかを判定する(ステップB1)。
【0030】
ステップB1の判定の結果、メモリダンプ取得命令が入力されていない場合は、メモリダンプ出力部23は、待機状態となる。一方、ステップB1の判定の結果、メモリダンプ取得命令が入力されている場合は、メモリダンプ出力部23は、情報記録部22にアクセスし、指定時刻に関連付けられたメモリ書き換え情報を取得する(ステップB2)。
【0031】
次に、メモリダンプ出力部23は、取得したメモリ書き換え情報に基づいて、メモリダンプを作成する(ステップB3)。具体的には、ステップB3では、メモリダンプ出力部23は、メモリ書き換え情報を参照し、初期状態の時点(コンピュータ1が立ち上がった時点)からステップB1で指定された時刻までのメモリの状態(メモリ変化)を復元する。この結果、図5に示すメモリダンプ(ファイル)が作成される。また、図5においては、指定された時刻は「1287030705.806108」である。その後、メモリダンプ出力部23は、作成したメモリダンプを出力し、使用者に提供する(ステップB4)。
【0032】
また、本実施の形態においては、使用者は、メモリダンプ出力部23に対して、任意の時刻を指定した上で、指定メモリアドレスのインストラクションアドレスを問い合わせる命令を入力することもできる。この場合、メモリダンプ出力部23は、指定時刻において最後に指定メモリアドレスを書き換えたインストラクションアドレスを、出力する。
【0033】
以上のステップB1〜B4の実行により、使用者は、障害発生から時間が経過し、解析対象となるコンピュータ1のメモリ12の状態が変化していても、障害発生の時刻を元にメモリダンプ出力部23から障害発生時のメモリダンプを取得でき、障害の解析を実施できる。また、使用者は、必要に応じて、障害発生前の任意の時点におけるメモリダンプ、及びメモリ書き換えを行ったインストラクションアドレスを参照できるので、迅速に障害を解析することができる。
【0034】
また、本発明の実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ1に、図2に示すステップA2〜A3、および図4に示すステップB1〜B4を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータ1にインストールし、実行することによって、本実施の形態におけるメモリダンプ取得装置2とメモリダンプ取得方法とを実現することができる。
【0035】
この場合、コンピュータのCPU11は、メモリダンプ出力部23として機能し、処理を行なう。さらに、メモリ12の空き領域、またはハードディスク等の記憶装置が、情報記録部22として機能し、コンピュータに備えられているリアルタイムクロックICが時刻情報取得部24として機能する。
【0036】
また、上述した例では、情報取得部21は、ハードゥエアによって実現されているが、本実施の形態においては、情報取得部21は、メモリダンプ出力部23と同様に、プログラムによって実現することもできる。この場合は、プログラムは図2に示すステップA1も実行する。
【0037】
[実施の形態における説明]
以上のように、本実施の形態では、任意の時点でのメモリダンプを取得できるため、障害発生直前から障害発生時までのメモリ状態遷移を参照し、詳細なシステム解析が可能になる。また、本実施の形態では、メモリ書き換え情報として、その書き換えを行ったインストラクションアドレスを記録しているため、問題発生時のメモリを書き換えた命令を特定することもできる。
【0038】
[変形例]
また、本実施の形態におけるメモリダンプ取得装置2は、仮想マシン環境に適用することもできる。この例について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置の他の例の構成を示すブロック図である。
【0039】
図6の例では、コンピュータ1は、ハイパーバイザー10を備えている。ハイパーバイザー10は、複数のゲストOSを実行して、仮想マシン14〜16を構築している。図6の例においては、メモリダンプの取得対象は、各仮想マシンである。そして、メモリ書き換え命令は、各仮想マシンのゲストOSによって実行されている。
【0040】
そして、図6に示す仮想マシン環境においては、ハイパーバイザー1は、ゲストOS管理部13によって、ゲストOSの命令をフックする機能を備えている。このため、この機能を利用し、ゲストOS管理部13に、ゲストOSがメモリ書き換え命令を実行した場合に、それをフックさせて、情報記録部22へとメモリ書き換え情報を出力させることができる。
【0041】
このように、図6に示す仮想マシン環境においては、ゲストOS管理部13を、図1に示した情報取得部21として機能させることができる。従って、図6に示すように、ハイパーバイザー1の管理下で、情報記録部22と、メモリダンプ出力部23と、事項情報取得部24とを構築すれば、仮想マシン環境下においても、上述した実施の形態における効果を得ることができる。つまり、本実施の形態におけるメモリダンプ取得装置2は、特別な装置を用いることなく、一般的なハイパーバイザー10のみによって、仮想環境にも適用できる。
【0042】
ここで、実施の形態におけるメモリダンプ取得装置2を実現するコンピュータ1について図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態におけるメモリダンプ取得装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0043】
図7に示すように、コンピュータ1は、CPU11と、メモリ12と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0044】
CPU11は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメモリ12に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メモリ12は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0045】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU11と、キーボード及びマウスといった入力装置4との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、出力装置(ディスプレイ装置)3と接続され、出力装置3での表示を制御する。データリーダ/ライタ116は、CPU11と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ1における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU11と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0046】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash)及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【0047】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記16)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0048】
(付記1)
コンピュータにおいてメモリ書き換え命令が実行されたときに取得された、前記メモリ書き換え命令に関する情報と、前記メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する、情報記録部と、
前記情報記録部に記録されている、前記メモリ書き換え情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成した前記メモリダンプを外部に出力する、メモリダンプ出力部と、
を備えていることを特徴とするメモリダンプ取得装置。
【0049】
(付記2)
コンピュータにおいてメモリ書き換え命令が実行されたときに、前記メモリ書き換え命令に関する情報を取得する、情報取得部を更に備えている、付記1に記載のメモリダンプ取得装置。
【0050】
(付記3)
前記情報取得部が、前記メモリ書き換え命令に関する情報として、インストラクションアドレス、書き換えアドレス、およびメモリ内容が取得されている、付記1または2に記載のメモリダンプ取得装置。
【0051】
(付記4)
前記メモリダンプ出力部が、外部から時刻が指定されたときに、指定された時刻に関連づけられているメモリ書き換え命令に関する情報を取得し、取得したメモリ書き換え命令に関する情報に基づいて、指定された時刻におけるメモリダンプを作成する、付記1〜3のいずれかに記載のメモリダンプ取得装置。
【0052】
(付記5)
前記メモリダンプ出力部が、外部から時刻が指定されたときに、指定された時刻に関連づけられているメモリ書き換え命令に関する情報を取得し、取得したメモリ書き換え情報を、外部に出力する、付記1〜4のいずれかに記載のメモリダンプ取得装置。
【0053】
(付記6)
前記コンピュータが、仮想環境においてゲストOSによって構築された仮想マシンであり、前記メモリ書き換え命令が、前記ゲストOSによって実行されている、付記1〜5のいずれかに記載のメモリダンプ取得装置。
【0054】
(付記7)
(a)コンピュータにおいてメモリ書き換え命令が実行されたときに取得された、前記メモリ書き換え命令に関する情報と、前記メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する、ステップと、
(b)前記(a)のステップで記録されている、前記メモリ書き換え命令に関する情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成した前記メモリダンプを外部に出力する、ステップと、
を有することを特徴とするメモリダンプ取得方法。
【0055】
(付記8)
前記(a)のステップにおいて、前記メモリ書き換え命令に関する情報として、インストラクションアドレス、書き換えアドレス、およびメモリ内容が取得されている、付記7に記載のメモリダンプ取得方法。
【0056】
(付記9)
前記(b)のステップにおいて、外部から時刻が指定されたときに、指定された時刻に関連づけられているメモリ書き換え命令に関する情報を取得し、取得したメモリ書き換え命令に関する情報に基づいて、指定された時刻におけるメモリダンプを作成する、付記7または8に記載のメモリダンプ取得方法。
【0057】
(付記10)
(d)外部から時刻が指定されたときに、指定された時刻に関連づけられているメモリ書き換え命令に関する情報を取得し、取得したメモリ書き換え命令に関する情報を、外部に出力する、ステップを更に有する、付記7〜9のいずれかに記載のメモリダンプ取得方法。
【0058】
(付記11)
前記コンピュータが、仮想環境においてゲストOSによって構築された仮想マシンであり、前記メモリ書き換え命令が、前記ゲストOSによって実行されている、付記7〜10のいずれかに記載のメモリダンプ取得方法。
【0059】
(付記12)
コンピュータにおけるメモリダンプを取得するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)メモリ書き換え命令が実行されたときに取得された、前記メモリ書き換え命令に関する情報と、前記メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する、ステップと、
(b)前記(a)のステップで記録されている、前記メモリ書き換え命令に関する情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成した前記メモリダンプを外部に出力する、ステップと、
を実行させるプログラム。
【0060】
(付記13)
前記(a)のステップにおいて、前記メモリ書き換え命令に関する情報として、インストラクションアドレス、書き換えアドレス、およびメモリ内容が取得されている、付記12に記載のプログラム。
【0061】
(付記14)
前記(b)のステップにおいて、外部から時刻が指定されたときに、指定された時刻に関連づけられているメモリ書き換え命令に関する情報を取得し、取得したメモリ書き換え命令に関する情報に基づいて、指定された時刻におけるメモリダンプを作成する、付記12または13に記載のプログラム。
【0062】
(付記15)
(d)外部から時刻が指定されたときに、指定された時刻に関連づけられているメモリ書き換え命令に関する情報を取得し、取得したメモリ書き換え命令に関する情報を、外部に出力する、ステップを更に前記コンピュータに実行させる、付記12〜14のいずれかに記載のプログラム。
【0063】
(付記16)
前記コンピュータが、仮想環境においてゲストOSによって構築された仮想マシンであり、前記メモリ書き換え命令が、前記ゲストOSによって実行されている、付記12〜15のいずれかに記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明によれば、任意の時点でのメモリダンプを取得することができ、メモリ状態遷移を解析することができる。本発明は、メモリダンプの取得が求められるコンピュータシステムに対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 コンピュータ
2 メモリダンプ取得装置
10 ハイパーバイザー
11 CPU
12 メモリ
13 ゲストOS管理部
14〜16 仮想マシン(ゲストOS)
21 情報取得部
22 情報記録部
23 メモリダンプ出力部
24 時刻情報取得部
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにおいてメモリ書き換え命令が実行されたときに取得された、前記メモリ書き換え命令に関する情報と、前記メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する、情報記録部と、
前記情報記録部に記録されている、前記メモリ書き換え情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成した前記メモリダンプを外部に出力する、メモリダンプ出力部と、
を備えていることを特徴とするメモリダンプ取得装置。
【請求項2】
コンピュータにおいてメモリ書き換え命令が実行されたときに、前記メモリ書き換え命令に関する情報を取得する、情報取得部を更に備えている、請求項1に記載のメモリダンプ取得装置。
【請求項3】
前記情報取得部が、前記メモリ書き換え命令に関する情報として、インストラクションアドレス、書き換えアドレス、およびメモリ内容が取得されている、請求項1または2に記載のメモリダンプ取得装置。
【請求項4】
前記メモリダンプ出力部が、外部から時刻が指定されたときに、指定された時刻に関連づけられているメモリ書き換え命令に関する情報を取得し、取得したメモリ書き換え命令に関する情報に基づいて、指定された時刻におけるメモリダンプを作成する、請求項1〜3のいずれかに記載のメモリダンプ取得装置。
【請求項5】
前記メモリダンプ出力部が、外部から時刻が指定されたときに、指定された時刻に関連づけられているメモリ書き換え命令に関する情報を取得し、取得したメモリ書き換え情報を、外部に出力する、請求項1〜4のいずれかに記載のメモリダンプ取得装置。
【請求項6】
前記コンピュータが、仮想環境においてゲストOSによって構築された仮想マシンであり、前記メモリ書き換え命令が、前記ゲストOSによって実行されている、請求項1〜5のいずれかに記載のメモリダンプ取得装置。
【請求項7】
(a)コンピュータにおいてメモリ書き換え命令が実行されたときに取得された、前記メモリ書き換え命令に関する情報と、前記メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する、ステップと、
(b)前記(a)のステップで記録されている、前記メモリ書き換え命令に関する情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成した前記メモリダンプを外部に出力する、ステップと、
を有することを特徴とするメモリダンプ取得方法。
【請求項8】
コンピュータにおけるメモリダンプを取得するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)メモリ書き換え命令が実行されたときに取得された、前記メモリ書き換え命令に関する情報と、前記メモリ書き換え命令が実行されたときの時刻とを関連付けて記録する、ステップと、
(b)前記(a)のステップで記録されている、前記メモリ書き換え命令に関する情報とそれに関連づけられている時刻とに基づいて、当該時刻におけるメモリダンプを作成し、作成した前記メモリダンプを外部に出力する、ステップと、
を実行させるプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−190120(P2012−190120A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51356(P2011−51356)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】