説明

メーキャップ化粧料

【課題】耐摩擦性、化粧持ちに優れ、しかも、塗布時の使用感が良好なメーキャップ化粧料を提供する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)正又は負イオン性基を有するフッ素含有ポリマー、
(B)(A)と逆電荷のイオン性基を有するシリコーンポリマー、
(C)水不溶性非イオン性ポリマー
を含有するメーキャップ化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐摩擦性、化粧持続性に優れ、しかも塗布時の使用感が良好なメーキャップ化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、顔料や有効成分等の化粧成分の効果が消失することを化粧崩れと呼ぶ。化粧崩れには、皮膚の動きによるヨレや、手、衣類、水等との接触による脱落等の外的要因と、皮脂、汗、涙等の人体分泌物により、べたつき、テカリ、油浮き、色くすみ、ヨレ等が発生する内的要因がある。このような化粧崩れを防止するため、撥水性、撥油性、耐摩擦性、表面非接着性及び柔軟性等に優れた皮膜形成剤を、化粧料に配合する方法が検討されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、ワックス状フッ素含有ポリマーを含む化粧料が記載されている。ここで用いられる長鎖アルキル(メタ)アクリレートと少なくとも1つの水素原子がフッ素で置換されていたアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体は、撥水性、撥油性、耐摩擦性、表面非接着性及び柔軟性に優れ、化粧持続性は高いものの、シリコーン系溶剤に溶解しないため、炭化水素系溶剤を使用する必要があり、使用感や化粧持続性が悪いという問題がある。
【0004】
また、特許文献2には、皮膜形成性含フッ素高分子物質を含有する化粧料が記載されている。ここで用いられるフルオロアルキル基含有重合性モノマーと分子鎖の末端に重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物又はメルカプト変性ジメチルポリシロキサンを構成モノマーとして含む共重合体や、フルオロアルキル基含有重合性モノマー等を分子内にアゾ基を有するジメチルポリシロキサン化合物を開始剤として重合した重合体等は、ポリマー分子中にシリコーン鎖を有するため、シリコーン系溶剤には溶解するものの、撥油性、表面非接着性が十分でなく、化粧持続性も満足できるものではなかった。
【特許文献1】特開平10−175817号公報
【特許文献2】特開平11−322543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、耐摩擦性、化粧持続性に優れ、しかも、塗布時の使用感を良好に保つことができる化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、イオン性基を有するフッ素含有ポリマーと、その逆電荷のイオン性基を有するシリコーン、及び水不溶性非イオン性ポリマーを組み合わせて用いれば、耐摩擦性、化粧持ちに優れ、しかも、塗布時の使用感が良好なメーキャップ化粧料が得られることを見出した。
【0007】
本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)正又は負イオン性基を有するフッ素含有ポリマー、
(B)(A)と逆電荷のイオン性基を有するシリコーン、
(C)水不溶性非イオン性ポリマー
を含有するメーキャップ化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のメーキャップ化粧料は、耐摩擦性、化粧持続性に優れ、しかも、塗布時の使用感が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で用いる成分(A)のイオン性基を有するフッ素含有ポリマーは、分子中にイオン性基とフッ素原子を含むポリマーであればいずれでもよい。例えば、分子中にフッ素原子を有するモノマーとイオン性基を生成するモノマーとの共重合が挙げられる。
フッ素原子は、ポリマー中にフルオロアルキル基として存在することが、撥水性、撥油性の点から好ましい。フルオロアルキル基としては、ポリフルオロアルキル基やパーフルオロアルキル基等が例示されるが、撥油性、表面非接着性等の観点から、炭素数4〜22のパーフルオロアルキル基が特に好ましい。フルオロアルキル基を有するモノマーとしては、例えば、フルオロアルキル(メタ)アクリレート、フルオロアルキル(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキルビニルエーテル、α−フルオロオレフィン等の重合性モノマーが挙げられ、フルオロアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらのモノマーは、共重合することでポリマーに導入することが好ましい。
【0010】
具体的には、例えば、CH2=CHCOOC2H4C6F13、CH2=CHCOOC2H4C8F17、CH2=CHCOOC2H4C10F21、CH2=CHCOOC2H4C12F25、CH2=C(CH3)COOC2H4C6F13、CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17、CH2=C(CH3)COOC2H4C10F21、CH2=C(CH3)COOC2H4C12F25、CH2=C(CH3)COOC2H4(CF2)6H、CH2=CHCOOC2H4(CF2)8H、CH2=C(CH3)COOC2H4(CF2)8H、CH2=CHCOOC2H4N(CH3)SO2C8F17、CH2=C(CH3)COOC2H4N(CH3)SO2C8F17、CH2=CHCOOC2H4N(n-C3H7)SO2C8F17、CH2=C(CH3)COOC2H4N(n-C3H7)SO2C8F17等が挙げられる。
特に耐皮脂性、及びシリコーン油/変性シリコーンとの相溶性からCH2=CHCOOC2H4C10F21、CH2=C(CH3)COOC2H4C10F21などが好ましい。
【0011】
これらのフルオロアルキル基を有するモノマーは、1種以上を用いることができ、ポリマー全体の1〜90質量%、特に10〜80質量%含有されるのが好ましい。
【0012】
一方、フッ素含有ポリマーのイオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン性基;アミノ基、アンモニウム基等のカチオン性基が挙げられる。これらのイオン性基は、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、スチレン、ビニルエーテル、オレフィン等の重合性基を合わせ持つモノマーを用い、共重合することでポリマーに導入することが好ましい。
具体的には、アニオン性基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性の不飽和基を有するカルボン酸モノマー及び/又はその酸無水物(1つのモノマー中に2つ以上のカルボキシル基を有する場合);スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−アルキル(炭素数1〜4)プロパンスルホン酸等の重合性の不飽和基を有するスルホン酸モノマー;ビニルホスホン酸、(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜4)リン酸等の重合性の不飽和基を有するリン酸モノマー等が挙げられる。
【0013】
また、カチオン性基を有するモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の総炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド;ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等の総炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有するスチレン;2−又は4−ビニルピリジン等のビニルピリジン;又はこれらのモノマーをハロゲン化アルキル(炭素数1〜22)、ハロゲン化ベンジル、アルキル(炭素数1〜18)もしくはアリール(炭素数6〜24)スルホン酸又は硫酸ジアルキル(総炭素数2〜8)等により4級化したもの;ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル型4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0014】
これらのイオン性基を有するモノマーのうち、合成のし易さや配合性、安定性等の観点から、カルボキシル基又はアミノ基を有するモノマーが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンカルボン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の総炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等の総炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有するスチレンが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。また、特には成分(B)との関係から、アニオン性基を有するモノマーが好ましい。
これらのイオン性基を有するモノマーは、1種以上を用いることができ、ポリマー全体の0.01〜20質量%、特に0.1〜10質量%含有されるのが好ましい。
【0015】
更に、フッ素含有ポリマーは、上記モノマー以外に他の共重合可能なモノマーを含むことができる。具体的には、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;t−ブチルアクリルアミド等の炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリルアミド;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等の炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するビニルエーテル;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン;酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、特に、炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのモノマーは、ポリマーの溶媒への溶解性、ガラス転移温度の調整、感触の調整のため、1種以上用いることができ、ポリマー全体の1〜90質量%含有されるのが好ましい。
【0016】
フッ素含有ポリマーは、ラジカル共重合することによって得ることが、合成のし易さや組成の自由度の観点から好ましい。重合は、一般的なラジカル重合開始剤(ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物、又は、2,2−アゾビス−2,4ジメチルバレロニトリル等のアゾ系化合物等が例示される)の存在下、溶液重合法等によって合成する。具体的には、溶液重合法の場合、有機溶媒中にモノマー及び開始剤を溶解させ、窒素等の不活性ガスによる置換等により系内の溶存酸素を除去した後、昇温して重合する方法が例示される。重合開始温度は通常30〜90℃程度であり、反応時間は1〜12時間程度である。
【0017】
また、フッ素含有ポリマーのGPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量は、2000〜1000000が好ましく、5000〜200000が特に好ましい。
【0018】
本発明のイオン性基を有するフッ素含有ポリマーは、水不溶性ポリマーであることが好ましい。水不溶性とは、25℃でpH3〜11の水への溶解性が0.1質量%以下であり、更には水中で均一分散しないことを指す。
【0019】
成分(A)のフッ素含有ポリマーは1種以上用いることができ、全組成中に0.01〜9質量%、特に0.05〜7質量%含有するのが撥油性、表面非接着性の点から好ましい。
【0020】
本発明で用いる成分(B)の(A)と逆電荷のイオン性基を有するシリコーンポリマーとしては、成分(A)のフッ素含有ポリマーがアニオン性基を有する場合はカチオン性基、カチオン性基を有する場合はアニオン性基を有するジメチルポリシロキサンであれば良い。
アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が、カチオン性基としては、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。これらのイオン性基の中でも、配合性や安定性、入手性等の観点から、アミノ基又はカルボキシル基が好ましく、アミノ基が特に好ましい。
また、イオン性基の結合部位は、側鎖型、片末端型、両末端型、両末端・側鎖型の何れでも良い。
【0021】
成分(B)のシリコーンは、25℃における粘度が、10〜100000mm2/s、特に20〜100000mm2/sであるのが好ましい。
また、GPCによるポリスチレン換算による重量平均分子量は、5000〜5万、特に8000〜4万であるのが、扱いやすさの点から好ましい。
【0022】
このようなシリコーンとしては、具体的には、KF−8004、KF−8005、KF−8015、KF−865、KF−867S、KF−868、KF−880(以上、アミノ変性シリコーン)、X−22−162C、X−22−3701E、X−22−3710(以上、カルボキシル基変性シリコーン)(以上、信越化学工業社製)、SF8417、SF8418、SF8451C、SF8452C、SF8457C(以上、アミノ変性シリコーン)、BY16−750、BY16−850、BY16−872(以上、カルボキシル基変性シリコーン)(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、XF42−B1989、TSF4700、TSF4701、TSF4702、TSF4703、TSF4704、TSF4705、TSF4706、TSF4707、TSF4708、TSF4709、TSF4770、(以上、アミノ変性シリコーン、ジーイー東芝シリコーン社製)等が例示される。これらのうち、SF8452C、KF−865、XF42−B1989が好ましい。
【0023】
成分(B)のシリコーンは、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜9質量%、特に0.05%〜7質量%含有するのが皮膚への接着性、及び被膜性の点で好ましい。
また、成分(A)と成分(B)の合計含有量は、全組成中に0.1〜10質量%、特に0.5〜9質量%とするのが、塗布時の使用感と化粧持続性の点から好ましい。
【0024】
本発明において、成分(A)と成分(B)は任意の混合比で使用することが可能であるが、成分(A)に対して成分(B)を相互作用させて用いるため、成分(A)と成分(B)のイオン性基のモル比が3/7〜9/1であるのが好ましく、特に4/6〜8/2が好ましい。また、成分(A)と成分(B)との質量比は、1/9〜8/2が好ましく、特に2/8〜7/3が好ましい。
【0025】
本発明で用いる成分(C)の水不溶性非イオン性ポリマーは、水を主成分とする溶剤にポリマーを分散させてなるエマルジョンであることが好ましく、乳化重合法によって得られるポリマーエマルジョンや、界面活性剤、高分子型乳化剤、反応型界面活性剤等の乳化剤を用いるポリマーエマルジョンでも良い。
【0026】
水不溶性非イオン性ポリマーとしては、例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、スチレン/アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、オレフィン樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
【0027】
市販の水不溶性非イオン性ポリマーエマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂系として、プライマル(ロースアンドハース社製)、アロンA(東亜合成化学社製)、ピナクリルR(大日本インキ化学工業社製)、ダウラテックス(ダウケミカル社製)、ハイカー(B.Fグッドリッチ社製)、ポリコA(デュポン社製)、ポリゾールA(高分子化学工業社製)、ダイヤナール(三菱レイヨン社製)、SF−500(住友化学社製)等が挙げられ;酢酸ビニル樹脂系として、ウォールポール、プライアミュール(以上、大日本インキ化学工業社製)、ポリコ(ボーデンケミカル社製)、セラニーズC1(セラニーズ社製)、エルバセット(デュポン社製)、ヨドゾール(カネボウNSC社製)、ビニゾール(大同化学工業社製)等が挙げられ;スチレン/ブタジエン樹脂系として、ダウラテックス512K(ダウケミカル社製)、ブタピレンBL(ファイアーストーンシンセティックラバーアンドテックス社製)、ブリオライトラテックス(グッドイヤータイヤアンドラバー社製)、ブタコン(インペリアルケミカルインダストリーズ社製)、ポロイコ(ホーデンケミカル社製)等が挙げられ;スチレン/アクリル樹脂系として、レジン12K(ナショナルスターチプロダクツ社製)、ゼオン450×3(B.Fグッドリッチ社製)、WC−140(ユニオンカーバイドアンドカーボン社製)、ピナクリル4130(大日本インキ化学工業社製)、フレックスボンド(コルトン社製)等が挙げられ;塩化ビニル樹脂及び塩化ビニリデン樹脂として、サランラックス(旭ダウ社製)、クレハロンラックス(呉羽化学工業社製)、アロンL(東亜合成化学社製)、ゼオン151(B.Fグッドリッチ社製)等が挙げられ;オレフィン樹脂系として、ピコペールエマルジョン(エッソS.A.F社製)等が挙げられ;アルキッド樹脂系として、ミンセミュール1505(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられ;ポリウレタン系として、アデカボンタイターHUX−260(旭電化工業社製)、スーパーフレックス100、128、410(以上、第一工業製薬社製)、ハイドランAP−30(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
【0028】
これらのうち、アクリル樹脂系の非イオン性ポリマーエマルジョンが、扱い易さの点から好ましい。
水不溶性非イオン性ポリマーは、耐水性、耐油性、化粧持ちの点から、全組成中に固形分換算で0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%含有するのが好ましい。
【0029】
本発明のメーキャップ化粧料は、更に(D)非イオン性のシリコーン油及び/又は変性シリコーン油を含有することができる。
シリコーン油及び/又は変性シリコーン油は、非イオン性で、主鎖骨格がジメチルポリシロキサンである通常化粧料等に使用される一般的な水不溶性のシリコーン油であれば良い。具体的には、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
これらのシリコーンの中でも、フッ素変性シリコーン、大気圧で沸点が250℃以下の揮発性シリコーンが、皮膜物性の観点から好ましい。フッ素変性シリコーンとしては、具体的には、以下の化合物(A)、(B)が挙げられる。
【0030】
【化1】

【0031】
(式中、Rは同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、Rfは直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜16のフッ素化炭化水素基を示し、mは0〜1000の数を示し、nは1〜1000の数を示す)
【0032】
揮発性シリコーンとしては、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
【0033】
これらのシリコーン油は1種又は2種以上を用いることができる。特に、フッ素変性シリコーン及び揮発性シリコーンを組み合わせて用いるのが好ましい。
(D)非イオン性のシリコーン油及び/又は変性シリコーン油の含有量は、皮膜物性及び乳化安定性の点から、5〜40質量%、特に10〜35質量%であるのが好ましい。
【0034】
本発明の成分(A)及び成分(B)と、成分(D)は任意の混合比で使用することが可能であるが、成分(A)及び成分(B)と、成分(D)の質量比((A)+(B)/(D))として、0.01/9.99〜5/5が好ましく、特に0.05/9.95〜4/6が好ましい。
【0035】
本発明においては、成分(A)と成分(B)を予め相互作用させておくことが好ましいので、先に成分(A)と成分(B)を共溶媒中(例えばn-ヘキサン)等で混合してポリマー組成物を得、これを成分(D)等の他の成分と混合して、調製することが好ましい。
【0036】
本発明のメーキャップ化粧料は、前記成分の他、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、粉体、液状油剤、固形・半固形油剤、溶剤、水、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、殺菌剤、抗菌剤、金属キレート剤、薬剤等を含有することができる。
【0037】
本発明に用いられる粉体としては、化粧持続性、シリコーン油等への分散性の点から疎水性粉体、もしくは母粉体の表面を疎水化処理した、いわゆる疎水化処理粉体が好ましい。特にその中でも疎水化処理粉体が好ましい。
疎水化処理される母粉体としてはとしては、顔料、紫外線散乱剤等の水及び油に実質的に不溶な物質で、化粧料に使用可能なものであれば特に制限されず、例えば、酸化チタン、酸化鉄、群青、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、マイカ、セリサイト、タルク、シリカ、カオリン、水酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料;ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリエチレン粉末等の有機粉体及び有機色素などが挙げられる。これらの粉体の一次粒子径は0.01〜80μm、特に0.05〜20μmであるのが好ましい。
【0038】
また、疎水化処理剤としては、例えば、シリコーン油、脂肪酸金属塩、アルキルリン酸、アルキルリン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩、N−モノ長鎖(炭素数8〜22)脂肪族アシル塩基性アミノ酸、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物が挙げられる。粉体に対する疎水化処理剤の処理量は0.05〜20質量%、特に1〜10質量%であるのが好ましい。この範囲内においては十分な疎水性、分散性が得られて好ましい。
【0039】
本発明のメーキャップ化粧料は、乳化組成物であり、O/W乳化系、W/O乳化系であることが好ましく、耐汗性、粉体の分散性など点からW/O乳化系が好ましい。これらは常法に従って製造することが可能であり、例えばファンデーション、口紅、アイライナー、アイブロウ、アイシャドウ等として適用することができ、汗、涙、水泳、皮脂などによる化粧崩れしにくい点で極めて優れた効果を発揮する。
【実施例】
【0040】
製造例1(ポリマー組成物1の製造)
フッ素含有モノマーとして、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(FLUOWET MAE800;クラリアントジャパン社製)36.00g、共重合可能なモノマーとして、ステアリルメタクリレート(NKエステル S;新中村化学工業社製)22.75g、イオン性モノマーとして、メタクリル酸(アクリルエステルMAA;三菱レイヨン社製)1.25g、n−ヘキサン54.0gを均一に混合し、内容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら60〜65℃付近まで昇温した。そこに重合開始剤として、2,2−アゾビス−2,4ジメチルバレロニトリル(V−65;和光純薬工業社製)0.37gをn−ヘキサン6.0gに溶解した溶液を添加し、60〜65℃付近で6時間重合・熟成した。この溶液の一部を採取し、乾燥後GPCにて平均分子量を測定した結果、ポリスチレン換算で6000であった。
n−ヘキサン120.0gを加えて希釈した後、60℃付近で撹拌しながら、逆電荷のイオン性基を有するシリコーンとして、アミノ変性シリコーン(KF−865;信越化学工業社製)63.80gを滴下し、1時間熟成した。反応溶液をメタノール2000.0g中に滴下して再沈殿精製し、沈殿物を乾燥して、ポリマー組成物1を得た。(イオン性基のモル比率は5.3/4.7)
【0041】
製造例2(ポリマー組成物2の製造)
製造例1において、ステアリルメタクリレートを20.55g、メタクリル酸を4.00g、2,2−アゾビス−2,4ジメチルバレロニトリルを0.42gに変更し、製造例1と同様に重合を行った。更にアミノ変性シリコーンを、XF42−B1989(ジーイー東芝シリコーン社製)64.10gに変更し、製造例1と同様にして、ポリマー組成物2を得た。重合終了時点での重量平均分子量は77000であった(イオン性基のモル比率は5.4/4.6)。
【0042】
製造例3(ポリマー組成物3の製造)
製造例1において、ステアリルメタクリレートを23.10g、メタクリル酸を0.90g、2,2−アゾビス−2,4ジメチルバレロニトリルを0.36gに変更し、製造例1と同様に重合を行った。更にアミノ変性シリコーンを、SF8452C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)67.20gに変更し、製造例1と同様にして、ポリマー組成物3を得た。重合終了時点での重量平均分子量62000であった(イオン性基のモル比は5.0/5.0)。
【0043】
実施例1〜6、比較例1〜3(油中水型乳液状ファンデーション)
表1に示す組成の油中水型乳液状ファンデーションを製造し、塗布時の使用感、皮膜感のなさ、化粧持続性、耐摩擦性を評価した。結果を表1に併せて示す。
【0044】
(製造方法)
(1)実施例1:
粉体成分(14)〜(20)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油性成分(1)〜(4)、(6)、(8)、(9)を混合し、40〜50℃に加熱溶解して油相成分とした。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散し、油相成分中に均一になることを確認した。水相成分(10)〜(13)を混合し、40〜50℃に加熱した後、油相成分に添加して乳化した。乳化組成物を25℃まで冷却して、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
【0045】
(2)実施例2及び実施例3は、実施例1と同様の製法で、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
【0046】
(3)実施例4:
粉体成分(14)〜(20)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油性成分(1)〜(4)、(7)〜(9)を混合し、40〜50℃に加熱溶解して油相成分とした。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散し、油相成分中に均一になることを確認した。水相成分(10)〜(13)を混合し、40〜50℃に加熱した後、油相成分に添加して乳化した。乳化組成物を25℃まで冷却して、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
【0047】
(4)実施例5及び実施例6は、実施例4と同様の製法で、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
【0048】
(5)比較例1:
粉体成分(14)〜(20)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油性成分(1)〜(5)、(8)、(9)を混合し、70〜80℃に加熱溶解して油相成分とした。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散し、粉体成分が油相成分中に均一になることを確認する。水相成分(10)、(11)、(13)を混合し、70〜80℃に加熱した後、油相成分に添加して乳化した。乳化組成物を25℃まで冷却して、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
【0049】
(6)比較例2:
粉体成分(14)〜(20)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油性成分(1)〜(4)、(6)、(8)、(9)を混合し、40℃〜50℃に加熱溶解して油相成分とした。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散し、粉体成分が油相成分中に均一になることを確認した。水相成分(10)、(11)、(13)を混合し、40〜50℃に加熱した後、油相成分に添加して乳化した。乳化組成物を25℃まで冷却して、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
【0050】
(7)比較例3:
粉体成分(14)〜(20)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油性成分(1)〜(4)、(8)、(9)を攪拌混合して油相成分とする。粉砕した粉体成分を油相成分に添加し、ディスパーで分散し、油相成分中に均一になることを確認した。水相成分(10)〜(13)を混合した後、油相成分に添加して乳化し、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
【0051】
(評価方法)
(1)塗布時の使用感:
女性専門パネル20名により、各ファンデーションを顔面の左右に塗布したときの使用感を官能評価し、使用感が良好と判断した人数を示した。
【0052】
(2)皮膜感のなさ:
女性専門パネル20名により、各ファンデーションを顔面の左右に塗布したときの皮膜感のなさを官能評価し、皮膜感が少ないと判断した人数を示した。
【0053】
(3)化粧持続性:
女性専門パネル20名により、各ファンデーションを顔面に塗布し、温度27℃、湿度50%、4時間後の状態を評価し、化粧持ちが良好と判断した人数を示した。
【0054】
(4)耐摩擦性:
各ファンデーションを人工皮革に均一に塗布(1mg/cm2)し、縦横3cm×3cmの木綿布で塗布した部分を、30gf/cm2の圧力下、表面性試験器を用いて2000mm/minの移動速度で2cm、5往復させた。そのときファンデーションが移行した部分を色差計で測色を行い、木綿布との色差を算出した(3点の平均値)。なお、色差計はミノルタCR400を用いた。値が小さいほど耐摩擦性が良好である。
【0055】
【表1】

【0056】
実施例7(クリーム状ファンデーション)
(組成)
(1)α−モノ(メチル分岐ステアリル)グリセリルエーテル(HLB1.8)
1.5(質量%)
(2)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体
(信越化学工業社製、KF−6015) 1.5
(3)ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製、KF-96A6cs) 9.0
(4)オクタメチルシクロテトラシロキサン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH244) 15.0
(5)フッ素変性シリコーン(信越化学工業社製、X22−820) 4.0
(6)ポリマー組成物1 2.0
(7)防腐剤 適量
(8)1,3−ブチレングリコール 3.0
(9)アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン(樹脂濃度40%)
(ダイトゾール5000AD、大東化成工業社製) 2.0
(10)精製水 残量
(11)香料 微量
(12)5%フッ素処理酸化チタン(平均粒子径0.1μm) 6.0
(13)5%フッ素処理ベンガラ(平均粒子径0.5μm) 0.9
(14)5%フッ素処理黄酸化鉄(平均粒子径0.5μm) 1.1
(15)5%フッ素処理マイカ(平均粒子径4.0μm) 4.0
【0057】
(製法)
粉体成分(12)〜(15)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油相成分(1)〜(7)を混合し、70〜80℃に加熱溶解して油相成分とした。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。水相成分(8)〜(10)を混合し、70〜80℃に加熱した後、油相成分に添加して乳化した。乳化物を25℃まで冷却し、成分(11)を添加した後、ホモミキサーで粘度調整して、クリーム状ファンデーションを得た。
【0058】
実施例8(水中油型乳液状ファンデーション)
(組成)
(1)α−モノ(メチル分岐ステアリル)グリセリルエーテル(HLB1.8)
0.5(質量%)
(2)オクタメチルシクロテトラシロキサン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH244) 15.0
(3)ジメチルポリシロキサン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH200C-6cs) 12.0
(4)フッ素変性シリコーン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 FS−1265) 3.0
(5)ポリマー組成物1 0.7
(6)水溶性アルキル変性多糖誘導体
(NATROSOL Plus 339、アクアロン・カンパニー社製) 0.5
(7)アクリル酸・アクリル酸アミドアクリル酸エチル共重体
(ウルトラホールド8、BASF社) 2.0
(8)精製水 残量
(9)エタノール 5.0
(10)3%シリコーン処理酸化チタン(平均粒子径0.2μm) 3.0
(11)3%シリコーン処理ベンガラ七宝(平均粒子径0.4μm) 0.3
(12)3%シリコーン処理黄酸化鉄(平均粒子径0.5μm) 1.0
(13)3%シリコーン処理ナイロンパウダー(平均粒子径6.0μm)
3.0
(14)3%シリコーン処理マイカ(平均粒子径5.0μm) 4.0
【0059】
(製法)
粉体成分(10)〜(14)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油相成分(1)〜(5)を70℃に加熱溶解して油相成分とする。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。次に水相成分(6)〜(8)を混合し、70℃に加熱して水相成分とした。水相成分に粉体成分を分散した油相成分を添加して、乳化した。乳化組成物を25℃まで冷却した後、成分(9)を添加し、ホモミキサーで粘度調整して、水中油型乳液状ファンデーションを得た。
【0060】
実施例9(アイライナー)
(組成)
(1)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH3775M) 2.5(質量%)
(2)ベントナイト(クニミネ工業社製、クニピア−G4) 3.0
(3)ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製、KF96L−10cs)
3.0
(4)スクワラン 0.5
(5)フッ素変性シリコーン(信越化学工業社製、X221−820)
2.0
(6)デカメチルシクロペンタシロキサン
(信越化学工業社製 KF−995) 17.0
(7)ポリマー組成物1 5.0
(8)ビタミンEアセテート 0.2
(9)ホホバ油 2.0
(10)1,3−ブチレングリコール 10.0
(11)アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン(樹脂濃度40%)
(ダイトゾール5000AD、大東化成工業社製) 2.0
(12)精製水 残量
(13)香料 0.1
(14)5%シリコーン処理黒酸化鉄(平均粒子径0.3μm) 20.0
【0061】
(製法)
油相成分(1)〜(9)を混合し、70〜80℃に加熱溶解して油相成分とした。粉体成分(14)を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。水相成分(10)〜(12)を混合し、70〜80℃に加熱した後、油相成分に添加し乳化した。乳化物を25℃まで冷却した後、成分(13)を添加し、ホモミキサーで粘度調整して、アイライナーを得た。
【0062】
実施例10(マスカラ)
(組成)
(1)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH3773M) 2.5(質量%)
(2)ミツロウ 2.0
(3)カルナバロウ 3.5
(4)ステアリン酸 1.0
(5)ミツロウ 1.5
(6)ジメチルポリシロキサン(信越化学社製、KF−96A 6cs)
2.0
(7)デカメチルシクロペンタシロキサン
(信越化学工業社製 KF−995) 10.0
(8)フッ素変性シリコーン(特開平7-330545号公報、製造例5) 2.0
(9)ポリマー組成物1 1.0
(10)防腐剤 0.1
(11)モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(HLB9.5)
4.0
(12)ベントナイト 1.5
(13)カルボメチルセルロース 3.0
(14)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョン(樹脂濃度45%)
(ヨドゾールG35、カネボウNSC社製) 5.0
(15)1,3−ブチレングリコール 1.2
(16)精製水 残量
(17)香料 0.1
(18)5%シリコーン処理黒酸化鉄(平均粒子径0.1μm) 2.5
(19)5%シリコーン処理グンジョウ(平均粒子径0.5μm) 1.5
【0063】
(製法)
粉体成分(18)、(19)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油性成分(1)〜(10)を混合し、70〜80℃に加熱溶解して油相成分とした。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。水相成分(11)〜(16)を混合し、70〜80℃に加熱した後、油相成分に添加して乳化した。乳化組成物を25℃まで冷却した後、成分(17)を添加し、ホモミキサーで粘度調整して、マスカラを得た。
【0064】
実施例11(アイシャドウ)
(組成)
(1)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH3775M) 2.5(質量%)
(2)ベントナイト系粘土鉱物
(ルーセンタイトSWN、コープケミカル社製) 1.5
(3)デカメチルテトラシロキサン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH200-1.5cs) 25.0
(4)スクワラン 1.5
(5)フッ素変性シリコーン(特開平7-330545号公報、製造例4) 1.0
(6)ポリマー組成物2 1.0
(7)防腐剤 0.1
(8)精製水 残量
(9)グリセリン 2.0
(10)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョン(樹脂濃度45%)
(ヨドゾールGH35、カネボウNSC社製) 2.8
(11)香料 0.1
(12)3%シリコーン処理タルク(平均粒子径5μm) 1.0
(13)3%シリコーン処理黄酸化鉄(平均粒子径0.5μm) 0.1
(14)3%シリコーン処理黒酸化鉄(平均粒子径0.2μm) 0.2
(15)3%シリコーン処理酸化チタン(平均粒子径0.1μm) 0.4
(16)3%シリコーン処理雲母チタン(平均粒子径7.0μm)
(エンゲルハード社製、フラメンコサミットグリーン) 9.0
(17)3%シリコーン処理雲母チタン(平均粒子径17.0μm)
(エッカート社製、プレステージシルクシルバー) 1.0
(18)3%シリコーン処理グンジョウ(平均粒子径0.7μm) 0.1
【0065】
(製法)
粉体成分(12)〜(18)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油性成分(1)〜(7)を混合し、40〜50℃に加熱溶解して油相成分とした。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。水相成分(8)〜(10)を混合し、40〜50℃に加熱した後、油相成分に添加して乳化した。乳化組成物を25℃まで冷却し、成分(11)を添加して、アイシャドウを得た。
【0066】
実施例12(プレメイクローション)
(組成)
(1)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体
(信越化学工業社製、 KF−6015) 1.0(質量%)
(2)フッ素変性シリコーン(信越化学工業社製、X22−820)10.0
(3)ポリマー組成物3 2.0
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH245) 25.0
(5)防腐剤 0.1
(6)ポリエチレングリコール 1.5
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)アクリル酸・アクリル酸アミドアクリル酸エチル共重体
(ウルトラホールド8、BASF社) 4.0
(9)精製水 残量
(10)エタノール 12.0
(11)香料 0.1
(12)3%フッ素処理タルク(平均粒子径6.0μm) 3.5
(13)3%フッ処理ナイロン(平均粒子径5.0μm) 0.5
【0067】
(製法)
粉体成分(12)、(13)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油性成分(1)〜(5)を混合し、40〜50℃に加熱溶解して油相成分とした。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。水相成分(6)〜(9)を混合し、40〜50℃に加熱した後、油相成分に徐々に添加して乳化した。乳化組成物を25℃まで冷却し、成分(10)、(11)を添加して、プレメイクローションを得た。
【0068】
実施例13(乳液状口紅)
(組成)
(1)モノ(メチル分岐ステアリル)グリセリルエーテル(HLB1.8)
1.0(質量%)
(2)メチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体
(信越化学工業社製、KF−6015) 1.0
(3)ベントナイト系粘土鉱物
(ルーセンタイトSWN、コープケミカル社製) 1.0
(4)ジチルポリシロキサン
(信越化学工業社製、KF−96A6cs) 3.0
(5)オクタメチルシクロテトラシロキサン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH244) 15.0
(6)フッ素変性シリコーン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、FS−1265) 10.0
(7)ポリマー組成物3 5.0
(8)防腐剤 適量
(9)グリセリン 10.0
(10)アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン(樹脂濃度40%)
(ダイトゾール5000AD、大東化成工業社製) 6.0
(11)精製水 残量
(12)香料 微量
(13)5%シリコーン処理雲母チタン(平均粒子径7.0μm)
(エンゲルハード社製、フラメンコサテンレッド) 1.5
(14)5%シリコーン処理酸化チタン(平均粒子径0.1μm) 1.5
【0069】
(製法)
粉体成分(13)、(14)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油性成分(1)〜(8)を混合し、40〜50℃に加熱溶解して油相成分とした。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。水相成分(9)〜(11)を混合し、40〜50℃に加熱した後、油相成分に添加して乳化した。乳化組成物を25℃まで冷却し、成分(12)を添加して、乳液状口紅を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)正又は負イオン性基を有するフッ素含有ポリマー、
(B)(A)と逆電荷のイオン性基を有するシリコーン、
(C)水不溶性非イオン性ポリマー
を含有するメーキャップ化粧料。
【請求項2】
次の成分(A)及び(B):
(A)正又は負イオン性基を有するフッ素含有ポリマー、
(B)(A)と逆電荷のイオン性基を有するシリコーン
を混合してなるポリマー組成物、
並びに、(C)水不溶性非イオン性ポリマー
を含有するメーキャップ化粧料。
【請求項3】
成分(A)と成分(B)のイオン性基のモル比が3/7〜9/1である請求項1又は2記載のメーキャップ化粧料。
【請求項4】
成分(A)及び成分(B)の合計含有量が、全組成中0.1〜10質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載のメーキャップ化粧料。
【請求項5】
成分(C)を、全組成中に固形物換算で0.1〜10質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項記載のメーキャップ化粧料。
【請求項6】
更に、(D)非イオン性のシリコーン油及び/又は変性シリコーン油を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載のメーキャップ化粧料。

【公開番号】特開2007−145735(P2007−145735A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339722(P2005−339722)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】