説明

メークアップ化粧料

【課題】 メークアップ化粧料に於いて、みずみずしさ、生き生きとした輝きなどの、好ましい表情感の創出しうる化粧料を提供する。
【解決手段】 1)板状粉体60〜85質量%と2)球状粉体10〜30質量%を化粧料に含有させる。前記球状粉体の90質量%以上が平均粒径2〜4μmの単分散球状粉体であることが必要である。更に、板状粉体として、樹脂被覆チタンマイカを1〜5質量%含有することことが好ましく、加えて、前記板状粉体として、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体で被覆された板状粉体を含むことが好ましく、仕上げ白粉であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細には、メークアップ化粧料に好適な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
メークアップ化粧料は、粉体の隠蔽力、着色力、光拡散作用などの光学効果を利用して、肌のトラブルなどを隠したり、肌色を美しく見せたりする化粧料である。メークアップ化粧料には、この様な光学効果故に、その仕上がりにおいては、自然な見え方から乖離する傾向が存し、これを是正する手段の開発が望まれていた。この様なニーズを背景に、カバー力を二酸化チタンや酸化亜鉛などに依存させずに、チタンマイカやチタンセリサイトに依存させ、これらの有する干渉光を利用して、自然なツヤを付与する方法や、二酸化チタンなどの隠蔽感をシリカなどの拡散透過性を有する粉体の拡散・乱反射作用を利用して和らげる方法などが開発された。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)しかしながら、これらの方法に於いて、不自然さは改善されたが、その一方で、みずみずしさ、生き生きとした輝きなどの、好ましい表情感の創出にまでは至っていなかった。
【0003】
粉体の光学効果をコントロールする技術として、球状粉体の粒度分布を揃えて単分散化する技術は知られており、その効果としては、顔料による演色性の均一化、化粧崩れの防止などが知られている。(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7を参照)しかしながら、みずみずしさ、生き生きとした輝きなどの、好ましい表情感の創出との関連は全く知られていなかったし、平均粒径2〜4μmの単分散球状粉体を化粧料原料として用いることも全く知られていなかった。従って、1)板状粉体60〜85質量%と2)球状粉体10〜30質量%含有する化粧料であって、前記球状粉体の90質量%以上が平均粒径2〜4μmの単分散球状粉体である化粧料も全く知られていなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2002−003341号公報
【特許文献2】特開平11−060444号公報
【特許文献3】特表2002−518420号公報
【特許文献4】特開2002−193727号公報
【特許文献5】特開2002−121116号公報
【特許文献6】特開2002−104932号公報
【特許文献7】特開平11−043419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、メークアップ化粧料に於いて、みずみずしさ、生き生きとした輝きなどの、好ましい表情感の創出しうる化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この様な状況に鑑みて、メークアップ化粧料に於いて、みずみずしさ、生き生きとした輝きなどの、好ましい表情感の創出しうる化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)板状粉体60〜85質量%と2)球状粉体10〜30質量%含有する化粧料であって、前記球状粉体の90質量%以上が平均粒径2〜4μmの単分散球状粉体であるメークアップ化粧料がその様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
(1)1)板状粉体60〜85質量%と2)球状粉体10〜30質量%含有する化粧料であって、前記球状粉体の90質量%以上が平均粒径2〜4μmの単分散球状粉体であることを特徴とする、メークアップ化粧料。
(2)更に、板状粉体として、樹脂被覆チタンマイカを1〜5質量%含有することを特徴とする、(1)に記載のメークアップ化粧料。
(3)更に、前記板状粉体として、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体で被覆された板状粉体を含むことを特徴とする、(1)又は(2)に記載のメークアップ化粧料。
(4)仕上げ白粉であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載のメークアップ化粧料。
(5)自然なツヤを具現化することを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載のメークアップ化粧料。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、メークアップ化粧料に於いて、みずみずしさ、生き生きとした輝きなどの、好ましい表情感の創出しうる化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(1)本発明の化粧料の必須成分である板状粉体
本発明の化粧料は、必須成分として、板状粉体を60〜85質量%、より好ましくは、62〜80質量%含有することを特徴とする。本発明で言う板状粉体とは、最も大きい面の表面積の平方根に対して、最も小さい線分値である、厚みが1/2以下の、全体の印象として板のイメージのある粉体の総称を意味し、具体的には、タルク、マイカ、セリサイト、チタンマイカ、チタンセリサイトなどの粉体を好適に例示できる。かかる粉体はそのまま含有させることも可能であるし、ハイドロジェンメチルポリシロキサンやシリル化剤などで表面処理を施した後、含有させることも可能である。表面処理は、粉体の質量に対して0.5〜10質量%の処理剤で処理することが適当である。本発明の化粧料に於いては、かかる板状粉体は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも可能である。本発明の化粧料に於いては、この様な板状粉体は、厚ぼったさをみせずに自然なカバー力を具現化する。かかる粉体の含有形態に於いて好ましい形態としては、化粧料全量に対して、1〜5質量%、より好ましくは2〜4質量%樹脂被覆チタンマイカを含有することである。かかる樹脂被覆チタンマイカは、市販品を用いることが出来、好ましい市販品としては、大東化成工業株式会社製のTPMパウダー2003が好ましく例示できる。更に、板状粉体として、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする、重合体乃至は共重合体で被覆した板状粉体を含有することも好ましい。この様な粉体を含有することにより、皮膚への保護作用を高めることが出来る。この様な共重合体、重合体としては、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチルコポリマー、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリルコポリマー等が例示できる。これらに被覆されるべき板状粉体としてはタルクが特に好適に例示できる。この様な処理粉体は、これらの板状粉体に、前記のポリマーを被覆した後使用することも出来るし、既に市販されている処理粉体を購入して使用することも出来る。市販の粉体としては、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリルコポリマーでタルクを被覆したリピジュアータルク(日本油脂株式会社製)が好ましく例示できる。かかる成分の好ましい含有量は、総量で5〜20質量%が好ましく、8〜15質量%が特に好ましい。
【0009】
(2)本発明の化粧料の必須成分である球状粉体
本発明の化粧料は、必須成分として球状粉体を10〜30質量%、より好ましくは12〜25質量%含有することを特徴とする。かかる球状粉体の90質量%以上、より好ましくは95質量%以上が平均粒径2〜4μm、より好ましくは2.5〜3.5μmの単分散のものであることを特徴とする。球状粉体の種類としては、球状であれば特段の限定はないが、例えば、無水珪酸、ナイロン、アクリル樹脂、メチルポリシロキサン網状重合体などが好ましく例示でき、無水珪酸が特に好ましい。単分散の球状粉体としては、粒度分布の存する球状粉体を、分級して単分散とすることも出来るし、既に分級されて市販されているものを購入して使用することも出来る。市販品としては「KP545/SA−単分散球状シリカ」(粒径3μmの単分散無水珪酸)が好ましく例示できる。かかる粉体は、板状粉体上に存すると、みずみずしいツヤを具現化する。この場合に於いて、粒径の異なる球状粉体が存すると、この効果が減じられるので、球状粉体の90質量%以上、より好ましくは95質量%以上が、同一粒径の、単分散の球状粉体で構成されていることが好ましい。
【0010】
(3)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記必須成分を含有し、メークアップ化粧料であることを特徴とする。メークアップ化粧料としては、特にベースメークアップ化粧料が好ましく、メークアップの最上部に位置するように適用される化粧料に適用することが特に好ましい。具体的には、メークアップの仕上げに用いる、フェイスパウダー或いはプレストパウダーなどが好適に例示できる。本発明の化粧料には、かかる必須成分以外に、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の必須成分に分類されない粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、断面が異形であっても良い、着色されていても良い繊維、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。これらの内、特に好ましいものとしては、100〜500μmの長さの繊維であり、外線医の断面形状としては、異形断面であることが好ましく、該異形断面の形状としては井型であることが好ましい。又、該繊維には赤い着色が施されていることが好ましい。該赤い着色としては赤色226号による着色であることが好ましい。該繊維の材質としては、ポリアミドであることが好ましく、ナイロンであることが特に好ましい。かかる繊維は、唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。かかる繊維の好ましい含有量は、0.01〜0.5質量%であり、0.05〜0.3質量%であることが好ましい。かかる成分は、メークアップに立体感のある仕上がりを付与する。本発明の化粧料は前記必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0011】
以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ、限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0012】
以下に示す処方に従って、本発明の仕上げ白粉を作成した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサーで混合し、0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーにて、攪拌しながら、ロの成分を噴霧して被覆し、1mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、これを容器に充填し、本発明の仕上げ白粉1を得た。
【0013】
【表1】

(注)
板状粉体:シリコーン処理セリサイト、リピジュアタルク、シリコーン処理マイカ、TPMマイカ、ラウロイルグルタミン酸アルミニウム処理タルク=79.4質量%
球状粉体:KP545/SA−単分散球状シリカ=15質量%
【0014】
<試験例1>
仕上げ白粉1のシリコーン処理セリサイトを、シリコーン処理シリカ(非板状)に置換した比較例1、KP545/SA−単分散球状シリカを非単分散の通常のシリカに置換した比較例2、シリコーン処理セリサイトを、シリコーン処理シリカ(非板状)に、且つ、KP545/SA−単分散球状シリカを非単分散の通常のシリカに置換した比較例3を作成し、これを用いて美容師に3人のモデルにそれぞれの化粧料を用いてメークアップしてもらい、メークアップ後に写真を撮影しておいた。尚、下地のファンデーションは次に示す処方のものを用いた。この3人×4種のメークアップ=12種のメーク仕上がりの写真について、美容スタッフ5名に仕上がりの評価をしてもらった。評価は、自然な仕上がりの程度を「非常に自然な感じがする」(評点5)〜「自然な感じが全くしない」(評点1)の5段階で、カバー力の程度を、「非常にカバー力に優れる」(評点5)〜「カバー力が全くない」(評点1)の5段階で、総合評価を「非常によい」(評点5)〜「非常に悪い」(評点1)の5段階で評点を付して評価してもらった。結果を表2に示す。これより、本発明の化粧料は、優れた仕上がりを提供していることが判る。
【0015】
(下地のファンデーション)
二酸化チタン 12 質量%
黄色酸化鉄 1 質量%
ベンガラ 0.2質量%
タルク 6.8質量%
スクワラン 3 質量%
マイクロクリスタリンワックス 1.5質量%
リンゴ酸ジイソステアリル 1.5質量%
ジメチコン 4 質量%
シクロメチコン 4 質量%
グリセリルモノステアレート 1.5質量%
POE(45)ステアリン酸 1.5質量%
ジグリセリルモノオレート 1.5質量%
ステアリン酸 1.5質量%
ブチルパラベン 0.1質量%
アルギニン 1.2質量%
1,3−ブタンジオール 5 質量%
キサンタンガム 0.1質量%
水 46.4質量%
【0016】
【表2】

【実施例2】
【0017】
実施例1と同様に、下記の処方に従って、本発明の化粧料である、仕上げ白粉2を作成した。試験例1と同様に、化粧料は比較例を交えず、モデルも1人だけで簡易的に評価を行った。結果を表4に示す。これより、本発明の化粧料としては、単分散の球状粉体が少なくとも10質量%は必要であることが判る。
【0018】
【表3】

(注)
板状粉体:シリコーン処理セリサイト、リピジュアタルク、シリコーン処理マイカ、TPMマイカ、ラウロイルグルタミン酸アルミニウム処理タルク=84.4質量%
球状粉体:KP545/SA−単分散球状シリカ=10質量%
【0019】
【表4】

【実施例3】
【0020】
球状シリカを分級し、3.5μmの単分散の球状シリカを製造し、実施例1と同様に、下記の示す表5に従って、本発明の化粧料である、仕上げ白粉3を得た。このものを実施例2と同様に評価した。結果を表6に示す。これより、単分散の球状粉体の平均粒径は3.5μmが最大値であることが判る。
【0021】
【表5】

(注)
板状粉体:シリコーン処理セリサイト、リピジュアタルク、シリコーン処理マイカ、TPMマイカ、ラウロイルグルタミン酸アルミニウム処理タルク=79.4質量%
球状粉体:単分散球状シリカ(粒径3.5μm)=15質量%
【0022】
【表6】

【実施例4】
【0023】
球状シリカを分級し、2.5μmの単分散の球状シリカを製造し、実施例1と同様に、下記の示す表7に従って、本発明の化粧料である、仕上げ白粉3を得た。このものを実施例2と同様に評価した。結果を表8に示す。これより、単分散の球状粉体の平均粒径は2.5μmが最小値であることが判る。
【0024】
【表7】

(注)
板状粉体:シリコーン処理セリサイト、リピジュアタルク、シリコーン処理マイカ、TPMマイカ、ラウロイルグルタミン酸アルミニウム処理タルク=79.4質量%
球状粉体:単分散球状シリカ(粒径2.5μm)=15質量%
【0025】
【表8】

【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、自然な仕上がりを創出する仕上げ化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)板状粉体60〜85質量%と2)球状粉体10〜30質量%含有する化粧料であって、前記球状粉体の90質量%以上が平均粒径2〜4μmの単分散球状粉体であることを特徴とする、メークアップ化粧料。
【請求項2】
更に、板状粉体として、樹脂被覆チタンマイカを1〜5質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載のメークアップ化粧料。
【請求項3】
更に、前記板状粉体として、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体で被覆された板状粉体を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のメークアップ化粧料。
【請求項4】
仕上げ白粉であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載のメークアップ化粧料。
【請求項5】
自然なツヤを具現化することを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載のメークアップ化粧料。

【公開番号】特開2006−160675(P2006−160675A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355286(P2004−355286)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】