説明

モチリン受容体作動活性を有するオキシインドール誘導体

本発明は、式(I)の新規オキシインドール誘導体または薬学的に許容されるその塩、それらの製造方法、それらを含む医薬組成物、およびモチリン受容体(GPR38)を介した種々の疾患の治療におけるそれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の新規オキシインドール誘導体または薬学的に許容されるその塩、それらの製造方法、それらを含有する医薬組成物、およびモチリン受容体(GPR38)を介した種々の疾患の治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
GPR38は、ペプチドであるモチリンと親和性の高い7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体であり[Feighnerら,Science 1999,284,2184]、このことは、内因性モチリンが活性のすべてあるいはほとんどをこの受容体を介して発揮していることを示唆している。
【0003】
モチリンは、胃腸(GI)管、特に十二指腸から空腸部位の内分泌様細胞内に多く存在する、22個のアミノ酸からなるペプチドである。該ペプチドは、空腹時の胃における伝播性収縮運動活性のフェーズIIIの発現に関連することが知られており[Boivinら,Dig. Dis.Sci.1992,37,1562]、このことは、モチリンが消化管運動促進活性のメカニズムに関与することを示唆している。モチリンはまた、摂食、偽摂食、胃伸展、または経口・静脈内栄養投与時に腸から放出され[Christofidesら,Gut 1979,20,102;Bormansら,Scand.J.Gastroenterol.1987,22,781]、このことは、このペプチドが摂食下の運動パターンの調節にも関与することを示唆している。
【0004】
動物またはヒトにおいて、モチリンは、空腹状態および摂食状態のいずれにおいても、胃腸運動を促進すること、ならびに胃排出および肛門方向への腸推進力を促進することが以前から知られている。この活性は、主として、腸のコリン作動性興奮機能の促進を介すると考えられているが[Van Asscheら,Eur.J.Pharmacol.1997,337,267]、恐らく、迷走神経の活性化も関与している[Mathis&Malbert,Am.J.Physiol.1998,274,G80]。加えて、高濃度のモチリンは、筋肉の僅かな収縮を直接誘起する[Van Asscheら,Eur.J.Pharmacol.1997,337,267]。
【0005】
抗生物質エリスロマイシンは、従来知られている抗生物質特性に加えて、モチリンの胃腸に対する活性作用を摸倣することが示された[Peeters,in Problems of the Gastrointestinal Tract in Anaesthesia Ed.,Herbert MKら,Springer− Verlag,Berlin,Heidelberg 1999,pp39−51参照]。より最近になって、エリスロマイシンは、GPR38受容体を活性化することが示され、モチリンの機能を摸倣する能力を有することが確認されている[Carrerasら,Analyt.Biochem.2002,300,146]。加えて、この非ペプチドモチリン受容体作動薬は入手しやすいことから、モチリン受容体作動薬の臨床的可能性の探索を目的に、少なくともいくつかの臨床試験が行われている。これらの試験では、機能性胃腸症(FD)や糖尿病性胃不全麻痺のような胃不全麻痺に伴う種々の病態において、胃排出を促進する能力が一貫して示されている。さらに、エリスロマイシンは、ヒトにおいて下部食道括約筋圧を高め、同時に胃排出を促進させることが示されており、これは、エリスロマイシンが、胃食道逆流症(GERD)の治療に使用できることを示唆している。さらに、エリスロマイシンは、腸推進活性を促進するために使用されており、偽性閉塞や結腸運動障害を伴う病態の治療において臨床的に有用性がある[Peeters,in Problems of the Gastrointestinal Tract in Anaesthesia Ed.,Herbert MKら,Springer−Verlag,Berlin,Heidelberg 1999,pp39−51]。
【0006】
したがって、GPR38受容体の作動薬は、モチリンまたはエリスロマイシンのようなこの受容体に作用する他の物質の活性を摸倣し、運動性低下に関連する胃腸障害、特に、GERD、FDおよび過敏性腸症候群(IBS)のような機能性腸障害の治療において臨床的に有用であると考えられる。該化合物は、原因が判明しており、かつ、胃腸運動が低下している他の胃腸病態の治療にも有用であろう。かかる病態としては、ニューロパシーを伴う種々の疾患および/または他の薬物の投与により引き起こされる便秘症;偽性腸閉塞;術後もしくは他の処置後の麻痺性イレウス;糖尿病などの種々の疾患および/または他の薬物の投与、または経腸栄養療法を受けている患者において引き起こされる胃内容うっ滞もしくは胃運動低下が挙げられる。興味深いことに、モチリンまたはエリスロマイシンの迷走神経活性能、迷走神経と摂食行動の変化との関連性[例えば、Furnessら,Auton.Neurosci.2001,92,28]、および肥満に関連する遺伝子座マーカー(D13S257−13q14.11〜13q21.33のD13S258)内のGPR38の染色体位置[Ensemblに基づく:13q21.1(58.46 − 59.46Mb)][Feitosaら,Am.J.Hum.Genet.2002,70,72]はまた、GPR38受容体で活性を示す作動薬が、胃腸運動を促進することに加えて、少なくともある程度の食欲抑制または悪液質を有する患者において摂食行動を促進することも示唆している。このような作用は、この受容体の作動薬が、例えば、がんの治療またはがん自体の存在に関連する症状の治療において、臨床的に有用性であることを示している。
【0007】
モチリン受容体作動薬の胃腸運動を促進する能力に加えて、モチリン遺伝子多型とクローン病との関連性[Anneseら,Dig.Dis.Sci.1998,43,715−710]および結腸炎におけるモチリン受容体密度の変化[Depoortereら,Neurogastroenterol.Motil.2001,13,55]といったことは、一般的な炎症性腸病態の治療におけるモチリン受容体作動薬の有用性を示唆している。
【0008】
さらに、GPR38はまた、胃腸管以外の領域にも見られる。これらの領域としては、下垂体、脂肪組織、膀胱、および脳の特定の部位が挙げられる。下垂体内に存在することは、成長ホルモン分泌促進因子の放出のような下垂体機能の促進における臨床的有用性を示唆しており、脂肪組織内に存在することは、体重管理に使用できることを再度示唆しており、膀胱内に存在することは、この受容体の作動薬として失禁の治療に使用できることを示唆している。脳内にGPR38が存在することは、上述した、胃腸および摂食における有用性を裏付けているが、加えて、広範囲に及ぶ迷走神経−視床下部機能における該受容体の関与を示唆している。
【0009】
WO9410185、EP838469、WO9823629、DE19805822、およびUS6165985には、胃腸運動に関する障害に使用するための、GPR38を標的とするエリスロマイシン誘導体が特許請求の範囲に記載されている。WO9921846、WO0185694、WO0168620、WO0168621、およびWO0168622には、一連のGPR38受容体低分子アンタゴニストが開示されている。JP07138284およびEP807639には、ペプチド作動薬が開示されている。JP09249620、WO02092592、WO05027637、US2005065156、およびLiら,(2004,Journal of Medicinal Chemistry,47(7)p1704−1708)には、一連の低分子作動薬が開示されている。WO05012331およびWO05012332には、哺乳動物のモチリンまたはグレリン受容体の作動薬またはアンタゴニストである大環状化合物が開示されている。WO06127252には、エリスロマイシン誘導体が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
優れた薬物となり得る新規のモチリン作動薬の提供が求められている。新規のモチリン作動薬は、胃腸管から良好に吸収され、代謝的に安定であり、好ましい薬物動態特性を有するべきである。また、新規のモチリン作動薬は、非毒性であるべきである。さらに、理想的な薬物候補は、安定かつ非吸湿性であり、容易に製剤化される物理的形態である。具体的には、化合物が、モチリン受容体と強く結合し、作動薬としての機能活性を示すことが望まれている。本発明は、優れたモチリン作動活性を有する新規化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
WO08/000729、WO07/007018、およびWO07/012479には、一連の低分子作動薬が開示されている。
【0012】
本発明の化合物は、オキシインドールを含むという点で、引用された文献の既知化合物とは構造的に異なるものである。
【0013】
WO96/13265には、形式的にオキシインドール化合物が開示されている。しかしながら、この化合物は、成長ホルモン分泌促進因子であり、モチリン作動薬とは異なるものである。加えて、この発明で開示されている化合物はすべて、D−アミノ酸を分子内に導入したものと考えられるのに対して、本発明の化合物はL−(アルファ、ベータ、またはガンマ)アミノ酸が分子内に導入されていることを特徴とする。
【0014】
WO96/13265に開示されている化合物は、L−アミノ酸部分もモチリン作動活性も有さない。
【0015】
本発明において、L型アミノ酸部分を分子内に有する構造的に新規な化合物群が見出され、これによりモチリン受容体(GPR38)の作動薬が提供される。
【0016】
したがって本発明は、式(I)の化合物およびその塩を提供する:
【化1】

(式中、
およびRは独立して、水素、C−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルからなる群より選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合している原子と共に、酸素を含んでもよい3〜6員環を形成し;該環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシからなる群から独立して選択された1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
およびRは、独立に水素またはC−Cアルキルであり;
は水素、C−Cアルキル、またはC−CアルコキシC−Cアルキルであり;これらのうち、Rとしては水素またはC−Cアルキルが好ましく;
およびRは独立して、水素、C−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、アミノC−Cアルキル、C−Cアルキルアミノ C−Cアルキル、ジ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルキル、飽和ヘテロシクリル、および飽和ヘテロシクリルC−Cアルキルから選択され;該飽和ヘテロシクリルおよびアルキルは独立に1〜4個のC−Cアルキルを有してもよく;またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と共に、窒素または酸素を含んでもよい4〜6員環を形成し、該4〜6員環は、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、アミノ、C−Cアルキルアミノ、およびジ(C−Cアルキル)アミノからなる群から独立して選択された1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
Aは、
【化2】

で表され、
(式中、p、qおよびrは、独立に0、1、2または3であり;
およびRは、独立に水素、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;該アルキルおよびシクロアルキルは、ヒドロキシ、C−Cアルキル、アミノ、C−Cアルキルアミノ、およびジ(C−Cアルキル)アミノで置換されていてもよく;またはRおよびRは、一緒になって、酸素を含んでもよいC−C員環を形成してもよく;またはRおよびRは、いずれかまたはいずれもが、末端窒素とRまたはRアルキル部分との間でアルキレン橋を形成してもよく、該アルキレン橋は1〜5個の炭素原子を含み、窒素または酸素を含んでもよく;該アルキレン橋は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、ハロC−Cアルキル、およびC−Cアルコキシからなる群から独立して選択された1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
WはN−R10であり、該R10は水素またはC−Cアルキルである);
XはC−Cアルキレン、またはC−Cアルキレン−K−C−Cアルキレンであり、Kは−O−、−NH−、NR−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−OCO−、−C(O)O−、−CR11=CR12−、
【化3】

−NR11CO−、または−CONR11−であり;該アルキレンはC−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、アミノC−Cアルキル、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、ジ(C−C)アルキルアミノC−Cアルキル、またはC−CアルコキシC−Cアルキルで置換されてもよく;これらのうち、Kとしては、−O−、−NH−またはNR−が好ましく;これらのうち、該アルキレンとしては、C−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、またはC−CアルコキシC−Cアルキルで置換されてもよいアルキレンが好ましく;
11は水素またはC−Cアルキルであり;
Yは水素、ハロゲン、または5〜10員環であり;該環はヒドロキシ、ハロゲン、ハロC−Cアルキル、C−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、アミノC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはC−CアルコキシC−Cアルキルで置換されてもよく;これらのうち、Yとしては、水素または5〜10員環が好ましく;これらのうち、該環としては、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロC−Cアルキル、C−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはC−CアルコキシC−Cアルキルで置換されてもよい該環が好ましく;
Zはハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはヒドロキシであり;
mは0、1、2、3、または4であり;これらのうち、mとしては、0、1または2が好ましく;
nは0、1、または2であり;これらのうち、nとしては、0または1が好ましい)。
【0017】
本発明はまた、モチリン受容体活性、特にモチリン作動活性を介した病態の治療薬を製造するための、本明細書に記載の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0018】
好ましくは、本発明はまた、モチリン関連疾患から選択された疾患の治療薬を製造するための、本明細書に記載の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用をも提供する。
【0019】
本発明はまた、本明細書に記載の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される該化合物の担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0020】
本発明はまた、本明細書に記載の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される該化合物の担体と、他の薬理学的に活性な薬剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0021】
本発明はさらに、哺乳動物被験体における、モチリン受容体活性を介した病態の治療方法であって、治療有効量の本明細書に記載の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を治療が必要な哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0022】
モチリン受容体活性を介した病態としては、モチリン関連疾患が包含されるが、これらに限定されない。本発明の化合物は、モチリン受容体作動活性を示す。本発明の化合物は、低い毒性、良好な吸収、分布、良好な溶解性、モチリン受容体以外のタンパク質に対する低い結合親和性、低い薬物−薬物相互作用、および良好な代謝安定性を示しうるものである。
【発明の効果】
【0023】
実際のところ、本発明において、L型アミノ酸部分をD型アミノ酸で置き換えると、モチリン作動活性は劇的に減少することが確かめられている。実施例の表に示されているように、モチリン受容体に対する機能活性は、アミノ酸リンカー部分の絶対配置に影響され、L−アミノ酸部分を有する化合物とそれに対応するD−アミノ酸部分を有する化合物との間で、その差は少なくとも100〜1000倍にも達する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書において、例えば、アルコキシやヒドロキシアルキルのような基または基の一部としての「アルキル」は、あらゆる異性体形態の直鎖または分枝鎖アルキル基を指す。「C−Cアルキル」は、上述したように、少なくとも1個、多くとも4個の炭素原子を含有するアルキル基を指す。このようなアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec-ブチルまたはtert−ブチルが挙げられる。このようなアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、iso−プロポキシ、ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシが挙げられる。
【0025】
本明細書において、「シクロアルキル」は、好適には、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を指し、その例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、シクロヘプチルが挙げられる。
「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)を指し、「ハロ」は、上記ハロゲン、すなわち、フルオロ(−F)、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)およびヨード(−I)を指す。
【0026】
「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含む5〜6員環を表す。このようなヘテロシクリル基としては、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびモルホリニルが挙げられる。
【0027】
式(I)の化合物には、Xに結合するキラル炭素原子が存在し、したがって、平面構造において式(I)の化合物には、立体異性体が存在する。本発明は、式(I)の化合物中に、C−X結合の点線で図示されている、Xに結合する炭素原子における立体異性体形態のうち1種の光学異性体を有することを特徴とする。所望の立体異性体形態は、慣用の方法により他のものから分離または分割されてもよいし、慣用の立体選択的合成法または不斉合成法により任意の異性体を得てもよい。
【0028】
式(I)で示される化合物には、Xに結合した炭素原子以外にキラル炭素原子が存在するものがある。この場合、式(I)で示される化合物には、立体異性体が存在する。本発明は、エナンチオマー、ジアステレオマーおよびそれらの混合物、例えば、ラセミ化合物を包含する式(I)で示される化合物の立体異性体のようなあらゆる光学異性体に及ぶものである。異なる立体異性体形態は、慣用の方法により他のものから分離または分割されてもよいし、慣用の立体選択的合成法または不斉合成法により任意の異性体を得てもよい。
【0029】
本明細書の化合物には、種々の互変異性体形態で存在し得るものがあり、本発明は、かかる互変異性体すべてを包含するものと解される。
【0030】
本発明の好適な化合物は以下のものである:
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−2−カルボキサミド;
(S)−2−アミノ−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3,3−ジメチルブタンアミド;
(S)−2−(1−アミノシクロブチル)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)アセトアミド;
(S)−1−(アミノメチル)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)アゼチジン−3−カルボキサミド;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド;
(S)−2−(1−アミノシクロペンチル)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)アセトアミド;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−メチル−3−(メチルアミノ)ブタンアミド;
(S)−3−(シクロペンチルアミノ)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)プロパンアミド;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((2−メトキシエチル)(メチル)アミノ)プロパンアミド;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−1−メチルピペリジン−3−カルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−3−シクロヘキシル−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(ナフタレン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−3−(2−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−O−トリルプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(3−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−3−(3−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(2−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェノキシプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−3−(2−クロロフェノキシ)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−4−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−オキソ−1−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(S)−N−(1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−メチル−3−(メチルアミノ)ブタンアミド;
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((S)−ピロリジン−2−イルメチル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((R)−ピペリジン−3−イル)ウレア;
3−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−1−メチル−1−((S)−ピロリジン−2−イルメチル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((R)−ピロリジン−2−イルメチル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((R)−ピロリジン−3−イル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((R)−ピロリジン−3−イルメチル)ウレア;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキサミド;
(S)−1−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(4−エチルピペリジン−4−イル)ウレア;
(S)−1−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(4−メチルピペリジン−4−イル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((S)−ピロリジン−3−イル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((S)−ピペリジン−2−イルメチル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((R)−ピペリジン−3−イルメチル)ウレア;
(S)−1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−3−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ウレア;
(S)−3−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(S)−1−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)ウレア;
(S)−1−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(2−(ジメチルアミノ)エチル)ウレア;
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)ウレア;
(S)−1−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(1,4−ジメチルピペリジン−4−イル)ウレア;
(S)−N−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
1−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((S)−ピロリジン−2−イルメチル)ウレア;
(S)−1−(1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(4−メチルピペリジン−4−イル)ウレア;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド;
(S)−N−(3−(2−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド;
(S)−N−(3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(2−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(3−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−3−(2−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(3−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−3−(2−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
およびこれらの塩。
【0031】
「本発明の化合物」の範囲内には、式(I)で示される化合物の、あらゆる塩、溶媒和物、水和物、錯体、多形体、プロドラッグ、放射能標識誘導体、立体異性体および光学異性体が包含される。
【0032】
式(I)で示される化合物は、その酸付加塩を形成することができる。式(I)で示される化合物の塩は、医薬用途において薬学的に許容されると見なされる。好適な薬学的に許容される塩は、当業者には明らかであり、J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19に記載されている塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成される酸付加塩;および、コハク酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機酸で形成される酸付加塩が挙げられる。式(I)で示される化合物には、1当量以上の上記酸で酸付加塩を形成するものが含まれてもよい。本発明は、可能な限りのあらゆる化学量論形態および非化学量論形態をその範囲内に包含する。加えて、カルボキシ基のような酸性官能基を含む化合物には、対イオンが、有機塩基のみならず、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなどから選択することができる無機塩の形態で単離されうるものも含まれる。
【0033】
式(I)で示される化合物およびその塩は、結晶形または非結晶形で製造されてもよく、結晶形の場合、水和化または溶媒和化されてもよい。本発明は、化学量論的水和物または溶媒和物、ならびに様々な量の水および/または溶媒を含有する化合物をその範囲内に包含する。
【0034】
薬学的に許容されない対イオンまたは会合溶媒を有する塩および溶媒和物も、本発明の範囲内に包含され、例えば、式(I)で示される他の化合物および薬学的に許容されるその塩の製造における中間体として使用される場合が挙げられる。
【0035】
加えて、式(I)で示される化合物は、プロドラッグとして投与されてもよい。本明細書において、式(I)で示される化合物の「プロドラッグ」は、患者へ投与された後、インビボにて式(I)で示される化合物を最終的に遊離する化合物の機能的誘導体である。式(I)で示される化合物をプロドラッグとして投与することにより、当業者は、以下の1以上を行うことが可能になる:(a)インビボでの化合物の作用発現を変更する;(b)インビボでの化合物の作用時間を変更する;(c)インビボでの化合物の運搬または分布を変更する;(d)インビボでの化合物の溶解度を変更する;および(e)化合物の使用による副作用または他の問題を克服する。プロドラッグを製造するために使用される典型的な機能的誘導体としては、インビボにて化学的または酵素的に開裂される化合物の修飾が挙げられる。ホスフェート類、アミド類、エステル類、チオエステル類、カルボナート類、およびカルバマート類の製造を含むかかる修飾は、当業者に周知である。
【0036】
本発明はまた、1個以上の原子が、自然界にて通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子と置き換えられたこと以外は本明細書に記載されたものと同一である同位体標識化合物を含む。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体が挙げられ、例えば、H、11C、14C、18F、123Iおよび125Iが挙げられる。上記同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物は、本発明の範囲内である。本発明の同位体標識化合物、例えば、H、14Cなどの放射性同位体が組み込まれている本発明の化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム同位体(H)および炭素14同位体(14C)は、製造および検出が容易であることから特に好ましい。11Cおよび18F同位体は、PET(陽電子放射断層撮影)において特に有用であり、125I同位体は、SPECT(シングルフォトンエミッションCT)において特に有用であり、これらの同位体はすべて脳画像診断において有用である。さらに、重水素(H)のような重い同位体で置換すると、代謝安定性が大きいことから、例えば、インビボ半減期の増加や必要用量の減少などの治療的利点がもたらされ、故に、状況によっては好ましいことがある。本発明の同位体標識化合物は、一般に、下記のスキームおよび/または実施例に記載されている手順を実施し、次いで、同位体標識されていない試薬の代わりに、容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることにより製造され得る。
【0037】
GPR38に対する本発明の化合物の作用強度および有効性は、本明細書に記載されているように、ヒトクローン化受容体に対して行われるレポーターアッセイによって測定することができる。本明細書に記載の機能アッセイを用いることにより、式(I)で示される化合物がGPR38受容体の作動活性を有することが実証されている。
【0038】
したがって、式(I)で示される化合物および薬学的に許容されるその塩は、GPR38受容体を介した病態または障害の治療において有用である。特に、式(I)で示される化合物および薬学的に許容されるその塩は、ある種の胃腸障害、例えば、胃食道逆流症;機能性胃腸症;過敏性腸症候群;便秘症;偽性腸閉塞;術後または他の処置後の麻痺性イレウス;嘔吐;糖尿病などの種々の疾患および/または薬物の投与、または経腸栄養療法を受けている患者において引き起こされる胃内容うっ滞もしくは胃運動低下;クローン病;結腸炎;がんなどの進行性疾患および/またはその治療に伴う悪液質;ならびに失禁のような他の障害(以下、「本発明における障害」と記す)の治療において有用である。
【0039】
本明細書において、「治療」とは、確定した症状の軽減だけでなく、予防をも含むものとして解される。
【0040】
したがって、本発明はまた、特にGPR38受容体を介した病態または障害の治療において、治療物質として使用するための式(I)で示される化合物および薬学的に許容されるその塩を提供する。特に、本発明は、「本発明における障害」の治療において、治療物質として使用するための式(I)で示される化合物および薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0041】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における、GPR38受容体を介し得る病態または障害の治療方法であって、治療上安全かつ有効な量の式(I)で示される化合物または薬学的に許容されるその塩を該患畜・患者に投与することを含む方法を提供する。
【0042】
別の態様では、本発明は、GPR38受容体を介した病態または障害の治療薬の製造における、式(I)で示される化合物およびその薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0043】
式(I)で示される化合物および薬学的に許容されるその塩を治療に使用するためには、該化合物およびその塩は、通常、標準的な製剤実務に従って医薬組成物に製剤化される。本発明はまた、式(I)で示される化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0044】
さらなる態様では、本発明は、式(I)で示される化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体または賦形剤とを混合することを含む、医薬組成物の製造方法を提供する。
【0045】
好適には周囲温度および大気圧において、混合することにより製造してもよい本発明の医薬組成物は、通常、経口投与、非経口投与または直腸投与に適しており、錠剤、カプセル剤、経口液体製剤、散剤、顆粒剤、ロゼンジ剤、復元可能な散剤、注射可能もしくは点滴可能な液剤または懸濁剤、または坐剤の剤形であってよい。経口投与用組成物が一般に好ましい。経口投与のための錠剤およびカプセル剤は、単位用量形態であってよく、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム);打錠用滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);許容される湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの慣用の賦形剤を含有してもよい。錠剤は、通常の製剤実務において周知の方法に従ってコーティングしてもよい。
【0046】
経口液体製剤は、例えば、水性もしくは油性の懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤またはエリキシル剤の剤形でもよく、使用前に水または他の適当なベヒクルにより復元される乾燥製剤の剤形でもよい。このような液体製剤は、慣用の添加剤、例えば、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または硬化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水性ベヒクル(例えば、扁桃油、油性エステル、エチルアルコール、精製植物油などの食用油を包含してもよい)、保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸)、必要に応じて慣用のフレーバー剤または着色剤、ならびに必要に応じて緩衝塩および甘味剤を含有してもよい。経口投与用製剤は、好適には、活性化合物または薬学的に許容されるその塩を制御放出するように製剤化してもよい。
【0047】
非経口投与のための、流体単位用量形態は、式(I)で示される化合物または薬学的に許容されるその塩と、滅菌ベヒクルとを使用して製造される。注射用製剤は、必要に応じて保存剤を添加し、式(I)で示される化合物または薬学的に許容されるその塩と、滅菌ベヒクルとを使用して、アンプル剤のような単位用量形態、または複数用量形態で提供されてもよい。当該組成物は、油性または水性ベヒクル中の懸濁液、溶液または乳化液のような形態をとってもよく、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤のような製剤化剤を含有してもよい。別法として、本発明の活性成分は、使用前に好適なベヒクル(例えば、パイロジェンを含まない滅菌水)で復元される粉末形態であってよい。当該化合物は、ベヒクルおよび使用濃度に応じて、ベヒクルに懸濁もしくは溶解することができる。液剤の製造において、当該化合物は、注射用に溶解し、濾過滅菌した後、好適なバイアルまたはアンプルに充填し、密封することができる。有利には、ベヒクルに局所麻酔薬、保存剤および緩衝剤のような補助剤を溶解する。安定性を増強するために、当該組成物をバイアルに充填した後に凍結し、水を減圧除去することができる。非経口懸濁剤は、当該化合物をベヒクルに溶解させる代わりに懸濁させること、および濾過によって滅菌できないこと以外は実質的に同様の方法で製造される。当該化合物は、滅菌ベヒクルに懸濁させる前にエチレンオキシドに晒すことによって滅菌することができる。有利には、当該組成物に界面活性剤または湿潤剤を含ませると、当該化合物を均一に分布させることが容易となる。
【0048】
ローション剤は、水性または油性基剤を用いて製剤化でき、一般に、1種以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、または着色剤も含有する。滴剤は、1種以上の分散剤、安定剤、可溶化剤または懸濁化剤をも含む水性または非水性基剤を用いて製剤化できる。これらのローション剤および滴剤はまた、保存剤を含有していてもよい。
【0049】
式(I)で示される化合物または薬学的に許容されるその塩はまた、例えばカカオ脂または他のグリセリドのような慣用の坐剤基剤を含有する、坐剤または停留浣腸剤のような直腸用組成物に製剤化されてもよい。
【0050】
式(I)で示される化合物または薬学的に許容される塩はまた、デポー製剤としても製剤化されてもよい。かかる長期作用性製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉注射により投与してもよい。したがって、例えば、式(I)で示される化合物または薬学的に許容される塩は、好適な高分子材料または疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)またはイオン交換樹脂を用いて製剤化されてもよく、例えば、難溶性塩のような難溶性誘導体として製剤化されてもよい。
【0051】
鼻腔内投与のための、式(I)で示される化合物または薬学的に許容されるその塩は、好適な定量型または単位用量型装置を介して投与される液剤として、または、別法として、好適な送達装置を用いて投与される好適な担体との混合粉末として製剤化されてもよい。したがって、式(I)で示される化合物または薬学的に許容されるその塩は、経口投与、頬側投与、非経口投与、局所投与(眼および鼻を含む)、デポー投与、直腸投与に適するように、または、吸入もしくは吹送による投与(口または鼻を介する)に適当な剤形に製剤化されてもよい。式(I)で示される化合物および薬学的に許容されるその塩は、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、ペッサリー剤、エアゾール剤、または滴剤(例えば、点眼剤、点耳剤または点鼻剤)の剤形で局所投与に適するように製剤化されてもよい。軟膏剤およびクリーム剤は、例えば、好適な増粘剤および/またはゲル化剤を添加し、水性または油性基剤を用いて製剤化してもよい。目に投与するための軟膏剤は、滅菌した成分を使用して滅菌状態で製造してもよい。
【0052】
当該組成物は、投与方法に応じて、0.1〜99重量%、好ましくは10〜60重量%の本発明の活性物質を含有してもよい。上記障害の治療に使用する化合物の用量は、通常のように、障害の重篤度、患畜・患者の体重、および他の類似の因子に伴って変化する。しかしながら、概括的な基準として、好適な単位用量は、0.05〜1000mg、より好適には、1.0〜500mgまたは1.0〜200mgであってよく、かかる単位用量は、1日1回、または1日1回よりも多く、例えば、1日2回または3回投与してもよい。
【0053】
式(I)で示される化合物および薬学的に許容されるその塩は、配合剤において使用してもよい。例えば、式(I)で示される化合物および薬学的に許容されるその塩は、胃酸を減少させる活性をもつ1種以上の化合物;胃食道逆流を軽減する活性をもつ1種以上の化合物;特にびらん性または非びらん性食道炎を軽減するために使用する場合には、食道−胃における刺激または炎症を軽減する活性をもつ1種以上の化合物;鎮痛活性をもつ1種以上の化合物;および/または運動性および疼痛に対する混合活性をもつ1種以上の化合物と併用してもよい。
【0054】
胃酸を軽減する活性をもつ化合物としては、H2受容体アンタゴニスト、アシッドポンプアンタゴニストおよびプロトンポンプ阻害剤が挙げられる。胃食道逆流を軽減する活性をもつ化合物としては、GABA−Bの作動薬が挙げられる。鎮痛活性をもつ化合物としては、ニューロキニン受容体(NK1、2、3)、TRPV1およびナトリウムチャネルにて活性な化合物が挙げられる。運動性および疼痛に対する混合活性をもつ化合物としては、CRF2アンタゴニスト、5−HT3アンタゴニストもしくはオクトレオチド、またはsst2受容体にて活性な他の分子が挙げられる。
【0055】
本明細書にて引用したすべての刊行物(特許および特許出願を含むがこれらに限定されない)は、参照によって、具体的かつ個別に十分な説明がなされたものと同様に本明細書に組み込まれるものである。以下の詳細な説明および実施例により、本発明の化合物の製造を例示する。
【0056】
一般合成
本願を通して、以下の略号は、以下の意味で用いられる:
BOC:t−ブチルオキシカルボニル
BOP:1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
CBZ:ベンジルオキシカルボニル
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
FMOC:9−フルオレニルメトキシカルボニル
HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
MHz:メガヘルツ
NMR:核磁気共鳴
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
【0057】
本願発明の化合物はすべて、次の構造式Iにアスタリスク(*)で示される少なくとも1つの不斉中心を有する:
【化4】

【0058】
本発明は、アスタリスクをつけた炭素原子において、立体異性体形態のうち1種の光学異性体を有することで特徴づけられる。さらなる不斉中心が、分子上の種々の置換基の性質に依存して、分子上に存在しうる。このような不斉中心はそれぞれ、2種以上の光学活性体を生成する。、このような光学活性体はすべて、分離された純粋な異性体として本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0059】
モチリン受容体作動薬として約10強い活性を有する化合物が望ましい。このような化合物では、式Iで表わされる構造平面に対して―X−Yの置換基は下方向で、水素原子は上方向である。
【0060】
この立体配置は、L−アミノ酸の立体配置に対応しているが、式Iのnが1、2、または3の場合、この立体配置は、それぞれアルファアミノ酸、ベータアミノ酸、またはガンマアミノ酸を含む。この立体配置は、RまたはS立体配置の帰属を決定する−X−Yの置換基の優先順位にしたがって変わるが、多くの場合、S−立体配置を有する。これらの絶対立体配置は、必要であれば立体配置が既知である不斉中心を含む誘導された結晶産物または結晶中間体をX線結晶構造解析することによって決定してもよい。
【0061】
本発明の式Iの化合物の製造は、逐次的または収束的な合成経路で実施できる。
【0062】
式Iの化合物の逐次的な合成の詳細は、以下の反応スキームで表わされる。
【0063】
「標準ペプチドカップリング反応条件」という用語は、本明細書で繰り返し使われ、これは、HOBTなどの触媒の存在下および/またはジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンなどの塩基の存在下、DMF、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中、EDC、DCC、HBTU、BOPなどの酸活性化剤を用いたカルボン酸とアミンとのカップリングを意味する。
【0064】
「PG1」という用語は、以後本明細書において使用されるように、T.W.Greenらにより著されたProtective Groups in Organic Snthesisに記載された典型的なアミノ保護基から選ばれるアミノ保護基を意味する(John Wiley & Sons、1999)。典型的なアミノ保護基は、ベンジル、CBZ、FMOC およびBOCを含む。この基の内、ベンジル、CBZおよびBOCが好ましい。
【0065】
BOCおよびベンジルは、本発明における合成において広く用いられた。それらの脱離条件は当業者に良く知られている。BOC保護基の脱離は、塩化メチレンまたはメタノールなどの溶媒中、トリフルオロ酢酸(TFA)または塩酸(HCl)のような強酸で行われる。ベンジルおよびCBZ基の脱離は、多くの方法で行うことができ、例えば、エタノールなどのプロトン性溶媒中、パラジウム触媒の存在下、水素で触媒水素化することにより達成できる。他の反応を起こす可能性のある他の官能基が存在することにより触媒水素化が使えないときは、CBZ基の除去は、酢酸中臭化水素溶液で処理することにより、またはTFAとジメチルスルフィドとの混合物で処理することにより達成される。
【0066】
保護されたアミノ酸誘導体IVは、多くの場合、アミノ保護基がPG1である市販品として入手できる。市販品以外の保護されたアミノ酸誘導体IVは、文献の方法(Williams,R.M.Synthesis of Optically Active Amino Acids,Pergamon Press:Oxford,1989)で製造できる。
【0067】
式IIのオキシインドールピペリジン類の多くは、スキーム13、14、および15に記載された以下の方法で製造できる。得られた生成物の反応および精製に必要な技術は、当業者に知られている。精製の手順には、結晶化、順相および/または逆相クロマトグラフィーが含まれる。
【化5】

【0068】
式IIIの中間体は、スキーム1に記載されたように合成されうる。式IIのアミン(市販品として入手できない場合の製造方法は後述する)とPG1に適切な保護基を有する式IVの保護されたアミノ酸とのカップリングは標準的なペプチドカップリング条件下で簡便に行われる。
【0069】
【化6】

【0070】
IIIから中間体Vへの変換は、アミノ保護基であるPG1(CBZ、BOCなど)の脱離により、スキーム2に描かれているように実行されうる。
【0071】
【化7】

【0072】
スキーム3に示されるように、Aが−(CH)pCRq(CH)r−の炭素原子によってカルボニルに結合している式Vの中間体は、標準的なペプチドカップリング反応条件下、式Vの中間体とカップリングされる。アミノ酸VIは、アミノ酸VIIのような形態で市販されているか、当技術分野で周知の手順にしたがって合成されうる。この手順のひとつが実施例21に記載されている。RまたはRが水素の場合、上述されたようにPG1がアミノ保護基である保護されたアミノ酸VIIがカップリング反応に供される。式VIIIからI(R=水素原子(H))を生じるPG1の脱離は、当技術分野で周知の条件で行われうる。
【0073】
【化8】

【0074】
式I(式中、Rおよび/またはRはH)の化合物は、さらに新しい化合物Iに誘導され、これは、スキーム4に記載されるようにアミノ基が置換されている。アルデヒド類によるIの還元的アルキル化は、当技術分野で周知の条件で行われる。例えば、単離またはin situで生成された対応するイミンもしくはイミニウム塩を、白金、パラジウム、もしくはニッケル触媒の存在下、水素で還元するか、、または、触媒量の酸の存在下、メタノール、エタノール、もしくは2−プロパノールなどのプロトン性溶媒中で、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムもしくはシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような化学還元剤で還元することによって行われる。代替法としては、不活性溶媒中、適切な塩基の存在下、エポキシドの開環反応を経由して同様な変換が達成される。さらに代替法としては、不活性溶媒中、適切な塩基の存在下、R−LG試薬でアルキル化することによって同様な変換が達成される。本明細書中において、LGは「脱離基」であり、アミン類、金属−アミド類のような求核基によって置換されうる基を意味し、このような脱離基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、およびアリールスルホニル基、ニトロベンゼンカルボニル基、過ハロベンゼンカルボニル基が挙げられる。これらのうち、ヨウ素原子、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、および4−メチルフェニルスルホニル基が好ましい。
【0075】
「塩基」という用語は、同様に、用いる塩基の性質に限定されないが、この種の反応で共通に用いられる塩基が、ここでも等しく用いられる。そのような塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化バリウムのような水酸化アルカリ金属類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、および水素化カリウムのような水素化アルカリ金属類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、またはカリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸セシウムのような炭酸アルカリ金属類;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸水素アルカリ金属類;N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、ルチジン、およびコリジンのようなアミン類;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属アミド類が挙げられる。これらのうち、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、DBN、DABCO、ピリジン、ルチジン、コリジン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、および炭酸セシウムが好ましい。
【0076】
この反応は、通常好ましくは不活性溶媒中で行われる。この反応または用いられる試薬に悪影響を及ぼさず、かつ試薬が少なくともある程度溶解する限り、用いる溶媒の性質に関して特別な限定はない。適した溶媒としては、これらに限られるわけではないが、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、およびジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、THF、およびジオキサンのようなエーテル類;ベンゼン、トルエン、およびニトロベンゼンのような芳香族炭化水素類;DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、およびヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、およびN,N−ジエチルアニリンのようなアミン類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およびブタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類;ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびスルホランのようなスルホキシド類;アセトン、およびジエチルケトンのようなケトン類が挙げられる。これらの溶媒の中で、これに限られるものではないが、DMF、DMSO、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、およびクロロホルムが好ましい。
【0077】
【化9】

【0078】
式Iの化合物は、スキーム5に示すように、式XIの中間体へのアミンIXの求核付加によって製造されうる。式XIの中間体は、式Vのアミンと式IXの酸のカップリング反応で製造されうる。これは標準的なカップリング反応条件下で行われ、ここでLG1は、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子である。あるいは、式XIの中間体は、不活性溶媒中、適当な塩の存在下で、式Vのアミンと式Xの活性化酸等価体とのカップリングで製造される。
【0079】
式XIの化合物は、不活性溶媒中、アミンXIIおよび適当な塩の存在下、式Iの目的化合物に変換される。
【0080】
【化10】

【0081】
LG1がヒドロキシ基の場合、式Iの目的化合物は、式XIII(式中、LGは上記スキーム6で示されるように定義される)の中間体を経由して製造されうる。ヒドロキシ基を有する式XIの化合物から式XIIIの中間体への変換は、当技術分野で周知の条件下で行われる。例えば、不活性溶媒中、トリフェニルホスフィンとテトラハロメタンまたはN−ハロコハク酸イミドとによる、ヒドロキシ基からLGへの変換により行われる。あるいは、式XIIIの求電子中間体は、スルホニル化によって製造されうる。式XIIIのアルキルスルホニルエステルまたはアリールスルホニルエステルへの変換は、不活性溶媒中、適切な塩基存在下、対応するスルホニルクロリドで行われうる。
【0082】
あるいは、式Iの化合物は、図6で示されるように、XIII(式中、A−LGは、−(CH)p−C{(R)(R)}q−(CH)r−1−CHOである)を試薬XIIと反応させることによって製造されうる。
【0083】
【化11】

【0084】
式I(式中、Aは、W−(CH)p−C{(R)(R)}q−(CH)r−であり、Wは、N−R10またはNHである)の化合物は、スキーム7で示されるように、Vを試薬XIV(式中、LG2はCl、Br、I、イミダゾール、またはo−ニトロベンゼンのような適切な脱離基である)と反応させることにより製造されうる。あるいは、1,2−ジクロロエタンのような不活性溶媒中、Vを式XVのイソシアネートと反応させ、式I(式中、WはNHである)の化合物を得ることができる。式Iの化合物は、式XVIIの中間体を経由して製造されうる。XVIIの中間体は、式Vの化合物と式XVI(式中、LGは上記で定義される)の試薬とを不活性溶媒中、適切な塩基の存在下、カップリング反応させることによって製造されうる。式XVIIの中間体は、in situで単離または生成されうる。式XVIIの中間体から式Iの目的化合物への変換は、不活性溶媒中、適切な塩基存在下、式XVIIIの求核置換反応によって行われる。
【0085】
【化12】

【0086】
スキーム8に示すように、式I(式中、Rは水素ではない)の化合物は、アミドのNH基が置換された新しい化合物Iへとさらに誘導されうる。式Iの化合物のアルキル化は、適切な塩基で処理した式Iの化合物を用いた、式XIX(式中、LGは上記で定義される)の試薬による求核置換反応によって行われうる。
【0087】
【化13】

【0088】
式V(式中、Rは水素ではない)の化合物は、スキーム9に示すように式XXのスルホンアミドを経由して製造されうる。化合物XXのスルホンアミドの製造は、式Vの化合物とアルキルスルホニルハライドまたはアリールスルホニルハライドとの反応によって行われる。式中、R12は、T.W.Greeneらによって著されたProtective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons,1999)中に記載されている典型的なスルホニル保護基から選ばれる。適切な保護基としては、これらに限定されるわけではないが、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、2−もしくは4−ニトロベンゼンスルホニル基、および2,4−ジニトロベンゼンスルホニル基が挙げられる。この基の内、2−もしくは4−ニトロベンゼンスルホニル基、および2,4−ジニトロベンゼンスルホニル基が好ましい。式XXIIの化合物からスルホニル基の脱離は、上記文献に引用されている既知の方法の条件下で行われる。
【0089】
式XXIの化合物は、後述されるように、光延反応条件下、式XXIのスルホンアミドおよびR−OHから製造されうる。あるいは、式XXIの化合物は、スキーム8で示される手順と同じ手順によって、式XXの化合物から製造されうる。
【0090】
光延反応は、試薬の存在下で行われる。使用する試薬の性質も同様に、限定されないが、この種の反応で共通に用いられる試薬であればどのような試薬も上記反応にて等しく用いられる。このような試薬としては、これらに限定されるわけではないが、以下のものが挙げられる:
【0091】
(a)(a1)ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)、ジメチルアゾジカルボキシレート(DMAD)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)などのジアルキルアゾジカルボキシレートと、(a2)トリブチルホスフィン(TBP)などのトリアルキルホスフィンまたはトリフェニルホスフィン(TPP)などのトリアリールホスフィンとの組み合わせ;
【0092】
(b)(b1)N,N,N’,N’−テトライソプロピルアゾジカルボキサミド(TIPA)、N,N,N’,N’−テトラメチルアゾジカルボキサミド(TMAD)などのテトラアルキルジアゾカルボキサミドと、(b2)トリブチルホスフィン(TBP)などのトリアルキルホスフィンまたはトリフェニルホスフィン(TPP)などのトリアリールホスフィンとの組み合わせ;
【0093】
(c)シアノメチレントリブチルホスホラン(CMBP)、シアノメチレントリメチルホスホラン、ジメチル(トリブチルホスホラニリデン)マロネート(DMTP)などのホスホラン。
【0094】
上記反応は、通常および好ましくは、溶媒の存在下で行われる。上記反応または用いられる試薬に悪影響を及ぼさず、かつ試薬が少なくともある程度溶解する限り、用いられる溶媒の性質に特定の制限はない。適切な溶媒としては、これらに限られるものではないが、脂肪族炭化水素類、例えばヘキサン、ヘプタン、および石油エーテルなど;ハロゲン化炭化水素類、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、およびジクロロエタンなど;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、THF、ジメトキシエタン、およびジオキサンなど;芳香族炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、およびニトロベンゼンなど;アミド類、例えばホルムアミド、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、およびヘキサメチルリン酸トリアミドなど;アミン類、例えばN−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、およびN,N−ジエチルアニリンなど;ニトリル類、例えばアセトニトリルおよびベンゾニトリルなど;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシドおよびスルホランなどが挙げられる。これらの溶媒のなかで、トルエン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、およびクロロホルムが好ましい。
【0095】
スキーム9で示されるように、式Vの化合物は、T.W.Greeneらによって著されたProtective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons,1999)に記載された手順と同様な手順にしたがって、式XXIの中間体から、スルホニル保護基の脱離によって製造される。用いた保護基の脱離の典型的な条件を以下に述べるが、これらに限定されない:
【0096】
(a)強酸、例えば臭化水素(HBr)(Haskell,B.,E.ら,J.Org.Chem,41,159(1976))など。
【0097】
(b)強求核試薬、例えば過剰量のプロピルアミン、チオベンゼン、チオ酢酸(Fukuyama,T.ら,Tetrahedron Lett.,36,6373(1995)、Fukuyama,T.ら,Tetrahedron Lett.,38,5831(1997))など。
【0098】
(c)還元剤、例えば、tert−ブタノールに溶解させたナトリウムなどの金属(Merlin,P.ら,Tetrahedron Lett.,29,1691(1988)または液体アンモニアに溶解したリチウム(Heathcock,C.H.ら,J.Am.Chem.Soc.,108,5022(1986)、水素化リチウムアルミニウムのような水素化試薬(Bell,K.E.ら,Tetrahedron Lett.,36,8681(1995))など。
【0099】
本発明の一般式Iの化合物は、反応スキーム10、11および12に記載されているように、収束的な方法でも製造される。カルボン酸部分が保護されたアミノ酸誘導体XXIは、多くの場合、市販されている。反応スキーム10で、PG2はカルボキシ保護基である。本明細書で使用される「カルボキシ保護基」という用語は、 水素化分解、加水分解、電気分解または光分解のような化学的手段によって開裂できる保護基を意味し、このようなカルボキシ保護基は、T.W.Greeneらによって著されたProtective Groups in Organic Synthesis(John Wiley&Sons,1999)に記載されている。典型的なカルボキシ保護基としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、t−ブチル、メトキシメチル、2,2,2−トリクロロエチル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリルおよびアリルが挙げられる。これらの基の内、t−ブチルまたはメチルが好ましい。
【0100】
【化14】

【0101】
式XXIIIまたはXXIIIaの中間体は、スキーム10で示されるように、アミノ酸エステルXXIIを式VIまたはVIIのアミノ酸にカップリングさせることによって製造されうる。ウレア結合がXXIIIまたはXXIIIaに存在する場合、このウレア結合はスキーム7に示されるように導入されうる。
【0102】
【化15】

【0103】
エステルXXIVまたはXXIVaから中間体である酸XXIIIまたはXXIIIaへの変換は、スキーム11に記載されるように、当技術分野で周知の数多くの方法によって達成される。例えば、メチルエステルおよびエチルエステルは、メタノール、エタノール、および2−プロパノールなどの水溶性アルコールのようなプロトン性溶媒中、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムで加水分解されうる。加えて、ベンジル基の脱離は、メタノールのようなプロトン性溶媒中、パラジウム触媒下における水素化を含む数多くの還元方法で行われうる。アリルエステルは、2−エチルヘキサン酸の存在下、酢酸エチルおよびジクロロメタンなどの種々の溶媒中、テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム触媒を用いて開裂されうる(J.Org.Chem.,42,587(1982)参照)。
【0104】
【化16】

【0105】
次いで、酸XXIVまたはXXIVaは、スキーム12に記載されているように、化合物Iまたは化合物VIIIへ誘導されうる。式IIのピペリジン類と式XXIVまたはXXIVa(式中、PG1は、上記で定義されたように、適切な保護基である)の酸とのカップリングは、標準的なペプチドカップリング反応条件下で慣用的に行われる。VIIIからIへの変換は、保護基PG1を脱離することによって達成される。Rおよび/またはRが水素の場合、スキーム4に記載されているように、置換されたアルキル基が窒素原子に付加されていてもよい。
【0106】
【化17】

【0107】
および/またはRが水素の場合、スキーム13に示されるように、式IIのピペリジンは、中間体XXVaをアルキル化した後、保護基PG1を脱離することによって製造されうる。式中、脱離基であるLGおよびアミノ保護基であるPG1は上記で定義される。
【0108】
アルキル化プロトコルの手順はDounayらによって詳述されている(J.Am.Chem.Soc.,125,6261−6271(2003))。
【化18】

【0109】
式XXVの化合物は、スキーム14に示されるように、分子間パラジウムカップリングによって製造されうる。式XXVIIIの中間体は、式XXVIの酸と式XXVIIのピペリジン類との標準的なペプチドカップリング反応によって製造される。パラジウム触媒カップリング反応は、既知の手順で行われる(Hoogenbandら,Tetrahedron Lett.,45(2004) 8535)。
【0110】
【化19】

【0111】
式XXVの化合物は、スキーム15に示すように、フリーデルクラフツ反応、または分子間パラジウムカップリングによって製造されうる。式XXIXおよび式XXXのフリーデルクラフツ反応および分子間パラジウムカップリングのプロトコルは、既知の手順で行われる(Zaveri,N.ら,J.Med.Chem.,47,(2004),2973−2976.,Buchwald,S.,J.Am.Chem.Soc.,125(2003),12084−12085.,Lee,S.ら,J.Org.Chem.66(2001),3402−3415.)。式XXIXおよび式XXXの中間体の製造は、上記の文献より引用したプロトコルにしたがって行われる。
【実施例】
【0112】
本発明を以下の非限定的な実施例に例示するが、他に記述のないかぎり、以下の条件で行った。試薬はすべて市販されており、操作はすべて室温または周囲温度、すなわち約18〜25℃の範囲で行った。溶媒の留去は、約60℃以下の浴温、減圧下で、ロータリーエバポレータを用いて行った。反応は薄層クロマトグラフィー(tlc)でモニターしたが、反応時間は例示に過ぎない。単離された化合物の構造および純度はすべて、tlc(Merck シリカゲル60F254プレコートTLCプレート、またはMerck NH254プレコートHPTLCプレート)、マススペクトロメトリー、または核磁気共鳴(NMR)のうちのいずれかによって確認した。収率は、例示のためだけに示す。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Merckシリカゲル60(230〜400メッシュ(ASTM))、またはFuji Silysia Chromatorex(登録商標)DU3050(アミノタイプ、30〜50μm)またはBiotage silica(32〜63mm、KP−Sil)またはBiotage amino bounded silica(35〜75μm、KP−NH)を用いて行った。HPLCを用いた化合物の精製は、以下の装置と条件(以下、「プロセスA」と略す)で実施した。
装置:Waters MS−trigger AutoPurification(登録商標)system、
カラム:Waters XTerra C18,19×50mm,5μm particle、
方法A:メタノールまたはアセトニトリル/0.05%(v/v)ギ酸水溶液、
方法B:メタノールまたはアセトニトリル/0.01%(v/v)アンモニア水溶液。
HPLCを用いた精製(以下、「プロセスB」と略す)は、以下の装置と条件で実施した:
装置:UV−trigger 分取HPLCシステム、Waters(カラム;XTerra MS C18、5μm、19×50mmまたは30×50mm)、
検出器:UV 254nm、
条件:アセトニトリル:0.05% ギ酸水溶液、またはアセトニトリル:0.01%アンモニア水溶液、20mL/分(19×50mm)または40mL/分(30×50mm)、室温。
低分解能マススペクトルデータ(ESI)は、次の装置と条件で得た。
装置:ZQまたはZMDマススペクトロメーターとUV検出器付きWaters Alliance HPLC system。NMRデータは、特に明示しない限り、溶媒として重水素化クロロホルム(99.8%D)またはジメチルスルホキシド(99.9%D)を用いて270MHz(JEOL JNM−LA 270分光計)、または300MHz(JEOL JNM−LA300分光計)で測定し、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対して、parts per million(ppm)で示した。使用した慣用略語は、s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、br.=ブロードなどである。化学的記号は、microL(マイクロリットル)、microg(マイクログラム)、M(モル/リットル)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)の通常の意味を示す。
【0113】
HPLC保持時間の測定条件:
方法A:
装置:TUV検出器およびZQマススペクトルメーター付きWaters Acquity Ultra Performance LC
カラム:Waters ACQUITY C18、2.1×50mm、1.7μm粒子。
カラム温度:60℃
溶媒:
A1:10mM酢酸アンモニウム水溶液
B1:アセトニトリル
【0114】
【表1】

【0115】
方法B:
装置:TUV検出器およびZQマススペクトルメーター付きWaters Acquity Ultra Performance LC
カラム:Waters SunFire C18、2.1×50mm、3.5μm粒子
カラム温度:40℃
溶媒:
A:水
B:アセトニトリル
C:1%(v/v)ギ酸水溶液
【0116】
【表2】

【0117】
方法C:
装置:TUV検出器およびZQマススペクトルメーター付きWaters Acquity Ultra Performance LC
カラム:Waters ACQUITY C18、2.1×100mm、1.7μm粒子
カラム温度:60℃
溶媒:
A1:10mM酢酸アンモニウム水溶液
B1:アセトニトリル
【0118】
【表3】

【0119】
実施例1
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド
【化20】

【0120】
工程1.
1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
【0121】
−78℃に冷やした、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(28.9mL、205mmol)と乾燥テトラヒドロフラン(446mL)との撹拌溶液に、n−ブチルリチウム(82.3mL、205mmol)を窒素雰囲気下で滴下して加えた。反応混合物を、−78℃で10分間撹拌し、次いで、1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)インドリン−2−オン(21.0g、68.0mmol、Tetrahedron Letters,2004,50,8535−8537)のテトラヒドロフラン(258mL)溶液を滴下して加えた。反応混合物をさらに30分間撹拌し、ヨウ化メチル(12.8mL、205mmol)を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、終夜撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。水層を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣は10%酢酸エチルのヘキサン溶液を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(19.0g、83%)を得た。
【0122】
HNMR(CDCl)δ:7.31−7.25(4H,m),7.21−7.10(4H,m),7.10−6.94(1H,m),4.27−4.21(1H,m),3.49(2H,s),2.97−2.94(2H,m),2.44−2.36(2H,m),2.11−2.05(2H,m),1.62−1.58(2H,m),1.28(6H,s).
【0123】
工程2.
3,3−ジメチル−1−(ピペリジン−4−イル)インドリン−2−オン塩酸塩
【0124】
1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン(17.0g、50.8mmol、工程1)とパラジウム炭素(19.7g)をエタノール(442mL)に加えた。反応混合物を水素雰囲気下で10時間、60℃に加熱した。反応混合物をろ過し、ろ液を約50mLに濃縮した。ジエチルエーテル(200mL)を加え、得られた混合物を飽和塩化水素メタノール溶液でpH3に調整した。白色固体をろ過し、減圧下で乾燥し、表題化合物(7.5g、53%)を得た。
【0125】
HNMR(CDCl)δ:7.33−7.29(2H,m),7.23−7.21(1H,m),7.13−7.09(1H,m),4.46−4.40(1H,m),3.59−3.56(2H,m),3.26−3.18(2H,m),2.83−2.72(2H,m),2.01−1.98(2H,m),1.34(6H,s).
【0126】
工程3.
(S)−tert−ブチル1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバマート
【0127】
3,3−ジメチル−1−(ピペリジン−4−イル)インドリン−2−オン塩酸塩(2.00g、7.12mmol、実施例1、工程2)と(S)−N−tert−ブトキシカルボニル−ホモフェニルアラニン(2.09g、7.48mmol)とのジクロロメタン(30mL)混合溶液に、トリエチルアミン(3.50mL、24.9mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(1.64g、8.55mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(1.16g、8.55mmol)を0℃にて加えた。次いで混合物を24時間撹拌した。水で反応を停止し、揮発物を減圧留去した。残渣を、酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層を0.5mol/L塩酸(40mL×3)、0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(40mL×2)、食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して表題化合物(2.79g、77%)を固体として得た。
【0128】
HNMR(CDCl)δ:7.25−7.08(7H,m),7.00−6.95(2H,m),5.45−5.35(1H,m),4.75−4.25(3H,m),3.80−3.60(1H,m),3.09−2.90(1H,m),2.70−2.55(3H,m),2.35−2.15(2H,m),2.00−1.60(4H,m),1.43−1.41(9H,pseudo d),1.29−1.22(6H,pseudo d).
【0129】
工程4.
(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩
【0130】
(S)−tert−ブチル1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバマート(2.79g、5.52mmol、実施例1、工程3)と1mol/L塩化水素ジエチルエーテル溶液(25mL)との混合物を、室温で撹拌した。4時間後、クロロトリメチルシラン(2mL)とメタノール(4mL)との混合物を反応懸濁液に加えた。混合物全体が透明の溶液に変化した後、3時間撹拌した。混合物を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテルで希釈し、再度濃縮してメタノールを完全に除去した。得られた固体をジエチルエーテルで洗浄し、表題化合物(2.05g、84%)を得た。
【0131】
HNMR(CDCl)δ:8.38−8.25(3H,m),7.45−6.74(9H,m),4.68−4.56(2H,m),4.45−4.10(1H,m),3.63−3.44(1H,m),3.05−2.75(3H,m),2.57−2.05(5H,m),1.65−1.44(2H,m),1.26−1.23(6H,pseudo d).
MS(ESI)m/z:406(M+H)
【0132】
工程5.
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド
【0133】
(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩(45mg、0.10mmol、実施例1、工程4)の溶液に、(R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボン酸(31mg、0.14mmol)と2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(53mg、0.14mmol)とを加え、混合物を60℃で6時間、次に室温で13時間撹拌した。揮発物を減圧留去した。
【0134】
1,2−ジクロロエタン(1mL)に溶解した残渣に2,2,2−トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、混合物を減圧濃縮した。残渣をメタノールで希釈し、強陽イオン交換カートリッジ(BondElute(登録商標)SCX、1g/6mL、バリアン社)に供し、固相マトリクスをメタノール(6mL)で洗浄した。粗混合物を、1mol/Lアンモニアメタノール溶液(6mL)で回収用試験管に溶出し、減圧濃縮した。残渣を分取LC−MSで精製し、表題化合物(22.7mg、44%)を得た。
【0135】
MS(ESI)m/z:517(M+H)
HPLC保持時間:0.72分(方法A).
【0136】
実施例1:別方法
【0137】
工程1.
(R)−tert−ブチル3−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【0138】
(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩(500mg、1.13mmol、実施例1、工程4)と、(R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボン酸(389mg、1.70mmol)と、トリエチルアミン(556μL、3.96mmol)のジメチルホルムアミド(8mL)混合溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド塩酸塩(347mg、1.81mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(277mg、1.81mmol)を加えた。17時間撹拌後、混合物を、酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)およびアミンゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物を非晶質固体(615mg、88%)として得た。
【0139】
HNMR(CDCl)δ:7.33−7.08(m,7H),7.01−6.85(m,2H),6.68−6.58(m,1H),5.03−4.93(m,1H),4.83−4.70(m,1H),4.52−4.30(m,1H),4.23−4.06(m,2H),4.04−3.88(m,1H),3.76(m,1H),3.11−2.56(m,5H),2.43−2.18(m,3H),2.09−1.57(m,8H),1.48(s,9H),1.38−1.30(m,6H).
MS(ESI)m/z:617(M+H)
【0140】
工程2.
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド
【0141】
(R)−tert−ブチル3−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレート(615mg、0.997mmol、実施例1、別方法、工程1)とトリフルオロ酢酸(2mL)との混合物を20分間撹拌し、濃縮した。残渣をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にした。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物を、アミンゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール濃度勾配溶出法)で精製し、表題化合物を非晶質固体(430mg、83%)として得た。
【0142】
HNMR(CDCl)δ:8.16−7.84(m,1H),7.55−6.77(m,9H),5.16−4.97(m,1H),4.88−4.71(m,1H),4.58−4.26(m,1H),3.96−3.77(m,1H),3.26−2.54(m,9H),2.48−2.19(m,3H),2.18−1.18(m,14H).
MS(ESI)m/z:517(M+H)
【0143】
実施例2〜16
【化21】

【0144】
以下の実施例2〜16は、(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸の代わりに適切な前駆体を用いて、実施例1の工程5に記載した手順と同様の手順で製造した。
【0145】

【表4−A】

【表4−B】

【表4−C】

【0146】
実施例17
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド
【化22】

【0147】
工程1.
(S)−2−クロロ−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)アセトアミド
【0148】
クロロアセチルクロリド(120μL、1.49mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩(600mg、1.36mmol、実施例1、工程4)とトリエチルアミン(420μL、2.99mmol)とのジクロロメタン(4mL)混合溶液を0℃でゆっくり加えた。5分後、水で反応を停止し、混合物を酢酸エチルで希釈して分離した。有機層を水(×2)および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥・濃縮し、表題化合物を得た。生成物を、テトラヒドロフラン6.0mLで希釈し、100%変換されたと仮定して、0.226mol/Lテトラヒドロフラン溶液を得た。保管溶液は、さらに精製することなく次の工程に用いた。
【0149】
MS(ESI)m/z:482M(35Cl)、484M(37Cl)
【0150】
工程2.
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド
【0151】
ピロリジン(16.9μL、0.204mmol)溶液に、(S)−2−クロロ−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)アセトアミド(0.226mol/Lテトラヒドロフラン溶液、300μL、0.0679mmol、実施例17、工程1)を室温で加えた。60℃で2時間撹拌後、混合物を濃縮した。残渣をメタノール(4mL)で希釈し、強陽イオン交換カートリッジ(BondElute(登録商標)SCX、1g/6mL、バリアン社)に供し、固相マトリクスをメタノール(6mL)で洗浄した。粗混合物を、1mol/Lアンモニアメタノール溶液(6mL)で回収用試験管に溶出し、減圧濃縮した。残渣を分取LC−MSで精製し、表題化合物(12.2mg、35%)を得た。
【0152】
MS(ESI)m/z:517(M+H)
HPLC保持時間:2.19分(方法B).
【0153】
実施例18〜19
【化23】

【0154】
以下の実施例18〜19は、ピロリジンの代わりに適切な前駆体を用いて、実施例17の工程1〜2に記載した手順と同様の手順で製造した。
【0155】
【表5】

【0156】
実施例20
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−1−メチルピペリジン−3−カルボキサミド
【化24】

【0157】
工程1
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−1−メチルピペリジン−3−カルボキサミド
【0158】
(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩(30mg、0.068mmol)と、(R)−N−Boc−ピペリジン−3−カルボン酸(31mg、0.14mmol)と、トリエチルアミン(29μL、0.20mmol)と、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(52mg、0.14mmol)とのジメチルホルムアミド(1mL)混合溶液を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を、水(2mL)および酢酸エチル(6mL)で希釈した。有機層を、炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL×2)で洗浄し、硫酸マグネシウムカラムを通してろ過し、濃縮した。残渣にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、10分間撹拌した。
【0159】
トリフルオロ酢酸を留去後、残渣をメタノール(4mL)で希釈し、得られた溶液を強陽イオン交換カートリッジ(BondElute(登録商標)SCX、1g/6mL、バリアン社)に通してろ過した。カラムを1mol/Lアンモニアメタノール溶液(2mL×3)で洗浄し、ろ液を濃縮した。残渣をジクロロメタン(1.5mL)およびメタノール(0.15mL)に溶解した。得られた溶液にパラホルムアルデヒド(6.1mg、0.20mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(43mg、0.20mmol)を室温で加えた。1時間後、さらにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(200mg)を混合物に加え、混合物を撹拌した。10分後、混合物を濃縮し、残渣を炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にし、酢酸エチル(3mL×2)で抽出した。有機層を、硫酸マグネシウムカラムに通してろ過し、ろ液を減圧濃縮した。粗生成物を分取LC−MSで精製し、表題化合物(17.4mg、48%)を得た。
【0160】
MS(ESI)m/z:531(M+H)
HPLC保持時間:0.75分(方法A).
【0161】
実施例21
(1S,3R)−N−((S)−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド
【化25】

【0162】
工程1.
(1S,3R)−3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)シクロペンタンカルボン酸
【0163】
氷浴で冷却した、水素化ナトリウム(89mg、2.24mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液と、ジメチルホルムアミド(10mL)との撹拌懸濁液に、(1S,3R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンタンカルボン酸(427mg、1.86mmol、WO2006/011035)およびヨウ化メチル(128μL、2.05mmol)を加えた。得られた混合物を放置して室温に温めた後、20時間撹拌した。水素化ナトリウム(178mg、4.474mmol)およびヨウ化メチル(256μL、4.102mmol)を加え、反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物を1mol/L塩酸でpH3.5に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(1.5%酢酸を含む、50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、目的化合物を無色固体として得た(138.0mg、31%)。
【0164】
MS(ESI)m/z:242(M−H)
【0165】
工程2.
(S)−1−(1−(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
【0166】
3,3−ジメチル−1−(ピペリジン−4−イル)インドリン−2−オン塩酸塩(45mg、0.10mmol、実施例1、工程2)の3.75%トリエチルアミン/N,N−ジメチルアセトアミド(1.5mL)溶液に、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸(32.9mg、0.11mmol)および2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(38mg、0.15mmol)を加え、得られた混合物を60℃で6時間撹拌し、室温で13時間撹拌した。揮発物を減圧留去した。
【0167】
1,2−ジクロロエタン(1mL)に溶解した残渣に2,2,2−トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、混合物を減圧濃縮した。残渣をメタノールで希釈し、強陽イオン交換カートリッジ(BondElute(登録商標)SCX、1g/6mL、バリアン社)に供し、固相マトリクスをメタノール(6mL)で洗浄した。粗混合物を、1mol/Lアンモニアメタノール溶液(6mL)で回収用試験管に溶出し、減圧濃縮した。残渣は、さらに精製することなく次の工程に用いた。
【0168】
工程3.
(1S,3R)−N−((S)−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド
【0169】
(S)−1−(1−(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン(実施例21、工程2)溶液に、(1S,3R)−3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)シクロペンタンカルボン酸(26.7mg、0.11mmol、実施例21、工程1)および2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(53mg、0.14mmol)を加え、得られた混合物を60℃で6時間撹拌した。次いで室温で13時間撹拌した。揮発物を減圧留去した。
【0170】
1,2−ジクロロエタン(1mL)に溶解した残渣に、2,2,2−トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮した。残渣をメタノールで希釈し、強陽イオン交換カートリッジ(BondElute(登録商標)SCX、1g/6mL、バリアン社)に供し、固相マトリクスをメタノール(6mL)で洗浄した。粗混合物を、1mol/Lアンモニアメタノール溶液(6mL)で回収用試験管に溶出し、減圧濃縮した。残渣を分取LC−MSで精製し、表題化合物(16.2mg、29%)を得た。
【0171】
MS(ESI)m/z:551(M+H)
HPLC保持時間:0.74分(方法A).
【0172】
実施例22〜43
【化26】

【0173】
以下の実施例22〜43は、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸の代わりに適切なアミノ酸前駆体を用い、実施例21の工程2〜3に記載された手順にしたがって製造した。
【0174】

【表6−A】

【表6−B】

【表6−C】

【表6−D】

【表6−E】

【表6−F】

【0175】
実施例44
(R)−N−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド
【化27】

【0176】
工程1.
2−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−メチルプロパン酸
【0177】
メチル2−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−メチルプロパノエート(0.529g、3.12mmol、J.Am.Chem.Soc.,2008,130,15157−15166)と、水酸化カリウム(3.2g、57mmol)と、水(10mL)と、エタノール(30mL)との混合物を20時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、約10mLに濃縮した。得られた混合物を濃塩酸でpH4に調整し、ジクロロメタン(200mL)で抽出した。有機層を、水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、表題化合物(0.510g、100%)を得た。
【0178】
HNMR(CDCl)δ:7.55−7.51(1H,m),7.18−7.13(1H,m),6.90−6.84(1H,m),1.67(6H,s).
【0179】
工程2.
N−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−2−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−メチルプロパンアミド
【0180】
2−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−メチルプロパン酸(510mg、1.95mmol、実施例44、工程1)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、トリホスゲン(197mg、0.66mmol)およびトリエチルアミン(0.288mL、2.05mmol)を加えた。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、ろ過した。ろ液を1−ベンジル−4−アミノピペリジン(372mg、1.95mmol)とトリエチルアミン(0.288mL、2.05mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に滴下した。混合物を室温で終夜撹拌した。
【0181】
沈殿物をろ去し、ろ液を濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈した。有機層を、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液、水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜100%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、表題化合物(275mg、33%)を得た。
【0182】
HNMR(CDCl)δ:7.56−7.52(1H,m),7.32−7.19(6H,m),6.92−6.86(1H,m),4.94−4.91(1H,m),3.81−3.78(1H,m),3.45(2H,s),2.75−2.71(2H,m),2.12−2.04(2H,m),1.91−1.86(2H,m),1.61(6H,s),1.38−1.23(2H,m).
MS(ESI)m/z:433(M+H)
【0183】
工程3.
1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
【0184】
N−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−2−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−メチルプロパンアミド(275mg、0.635mmol、実施例44、工程2)と、酢酸パラジウム(14mg、0.063mmol)と、フェニルボロン酸(15mg、0.13mmol)と、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(30mg、0.063mmol)と、炭酸カリウム(220mg、1.6mmol)と、t−ブチルアルコール(15mL)との混合物を、窒素雰囲気下、14時間加熱還流した。得られた混合物を室温に冷却し、ろ過後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8〜66%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、表題化合物(171mg、76%)を得た。
【0185】
HNMR(CDCl)δ:7.35−7.26(5H,m),7.11−7.07(1H,m),6.94−6.89(2H,m),4.35−4.25(1H,m),3.56(2H,s),3.05−2.98(2H,m),2.50−2.34(2H,m),2.19−2.09(2H,m),1.70−1.63(2H,m),1.32(6H,s).
MS(ESI)m/z:353(M+H)
TLC Rf:0.25(酢酸エチル/ヘキサン=1:2).
【0186】
工程4.
5−フルオロ−3,3−ジメチル−1−(ピペリジン−4−イル)インドリン−2−オン
【0187】
1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−3,3−ジメチルインドリン−2−オン(171mg、0.485mmol、実施例44、工程3)と、水酸化パラジウム(水酸化パラジウム炭素(20重量%))(85mg)と、ギ酸(0.372mL、9.7mmol)と、エタノール(20mL)との混合物を50℃で1時間撹拌した。
【0188】
得られた混合物を室温に冷却し、セライト(登録商標)に通してろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1mL)および水(15mL)を加えた。得られた水系混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、表題化合物(124mg、86%)を固体として得た。
【0189】
HNMR(CDCl)δ:7.12−7.07(1H,m),6.98−6.88(2H,m),4.40−4.30(1H,m),3.28−3.23(2H,m),2.80−2.72(2H,m),2.35−2.29(2H,m),1.73−1.65(4H,m),1.35(6H,s).
MS(ESI)m/z:263(M+H)
【0190】
工程5.
(S)−tert−ブチル1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバマート
【0191】
3,3−ジメチル−1−(ピペリジン−4−イル)インドリン−2−オン塩酸塩の代わりに5−フルオロ−3,3−ジメチル−1−(ピペリジン−4−イル)インドリン−2−オン(実施例44、工程4)を用いて、実施例1の工程3に記載した手順にしたがって表題化合物を製造した。
【0192】
HNMR(CDCl)δ:7.32−7.19(5H,m),6.95−6.73(3H,m),5.50−5.37(1H,m),4.80−4.32(3H,m),3.78−3.65(1H,m),3.05−2.90(1H,m),2.73−2.63(3H,m),2.28−2.17(2H,m),1.96−1.67(4H,m),1.49−1.46(9H,pseudo d),1.34−1.33(6H,d).
MS(ESI)m/z:524(M+H)
【0193】
工程6.
(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
【0194】
1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバマートの代わりに1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバマート(実施例44、工程5)を用いて、実施例1の工程4に記載した手順にしたがって表題化合物を製造した。
MS(ESI)m/z:424(M+H)
【0195】
工程7.
(R)−N−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド
【0196】
1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバマートの代わりに1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバマート(実施例44、工程6)を用いて、実施例1の工程5に記載した手順にしたがって表題化合物を製造した。
【0197】
MS(ESI)m/z:535(M+H)
HPLC保持時間:0.73分(方法A).
【0198】
実施例45〜46
【化28】

【0199】
以下の実施例45〜46は、(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸の代わりに適切な前駆体を用いて、実施例44の工程7に記載した手順と同様の手順で製造した。
【0200】
【表7】

【0201】
実施例47
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
【化29】

【0202】
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
4−ニトロフェニルクロロホルマート(15mg、0.075mmol)のジクロロメタン(0.5mL)溶液に、(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩(30mg、0.068mmol)と、トリエチルアミン(20μL、0.143mmol)とのジクロロメタン(1mL)混合溶液を室温で加えた。5分間撹拌後、得られた混合物に(S)−tert−ブチルメチル(ピロリジン−3−イル)カルバマート(27mg、0.136mmol、Bioorg.Med.Chem.Lett.,2006,16,4922−4930)とトリエチルアミン(19μL、0.136mmol)とのジクロロメタン(1mL)溶液を加えた。混合物全体を室温で20分間撹拌し、次いで減圧濃縮した。
【0203】
残渣にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、得られた溶液を20分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮した。残渣をメタノールで希釈し、強陽イオン交換カートリッジ(BondElute(登録商標)SCX、1g/6mL、バリアン社)に供し、固相マトリクスをメタノール(6mL)で洗浄した。粗混合物を、1mol/Lアンモニアメタノール溶液(6mL)で回収用試験管に溶出し、減圧濃縮した。残渣を分取LC−MSで精製し、表題化合物(13.6mg、38%)を得た。
【0204】
MS(ESI)m/z:532(M+H)
HPLC保持時間:0.72分(方法A).
【0205】
実施例47:別方法
【0206】
工程1.
tert−ブチル(S)−1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート
【0207】
4−ニトロフェニルクロロホルマート(227mg、1.13mmol)のジクロロメタン(3mL)混合溶液に、(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン(500mg、1.13mmol)とトリエチルアミン(0.32mL、2.26mmol)とのジクロロメタン(6mL)混合溶液を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌した。
【0208】
次いで、得られた混合物に、(S)−tert−ブチルメチル(ピロリジン−3−イル)カルバマート(239mg、1.13mmol、Bioorg.Med.Chem.Lett.,2006,16,4922−4930)とトリエチルアミン(0.32mL、2.26mmol)とのジクロロメタン(6mL)混合溶液を加え、得られた溶液を室温で20分間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣の油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(475mg、67%)を無色の油状物として得た。
【0209】
HNMR(CDCl)δ:7.34−7.12(7H,m),7.09−6.83(2H,m),5.29−5.20(1H,m),4.98−4.68(2H,m),4.59−4.27(1H,m),3.85−3.71(1H,m),3.68−3.50(2H,m),3.39−3.17(2H,m),3.12−2.92(1H,m),2.87−2.58(7H,m),2.46−2.18(2H,m),2.18−1.60(6H,m),1.48(9H,s),1.35(6H,br s).
MS(ESI)m/z:632(M+H),630(M−H)
【0210】
工程2.
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
【0211】
tert−ブチル(S)−1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート(267mg、0.42mmol、実施例47:別方法、工程1)をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸(1:1、6mL)混合溶液中、室温で1時間撹拌した。得られた混合物を濃縮し、ジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣の油状物は、分取HPLC(0.01%アンモニア水溶液を含む32〜96%メタノール)およびアミノゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を無色の油状物(209mg、93%)として得た。
【0212】
HNMR(CDCl)δ:7.34−7.11(7H,m),7.10−6.82(2H,m),5.29−5.18(1H,m),5.00−4.88(1H,m),4.80−4.72(1H,m),4.59−4.27(1H,m),3.85−3.74(1H,m),3.66−3.45(2H,m),3.45−3.10(3H,m),3.10−2.94(1H,m),2.83−2.57(3H,m),2.46(3H,br s),2.45−1.55(9H,m),1.34(6H,br s).
MS(ESI)m/z:532(M+H),530(M−H)
【0213】
実施例48〜66
以下の実施例48〜66は、(S)−tert−ブチルメチル(ピロリジン−3−イル)カルバマートの代わりに適切な前駆体を用いて、実施例47に記載した手順と同様の手順で製造した。
【0214】
【化30】

【0215】

【表8−A】

【表8−B】

【表8−C】

【表8−D】

【0216】
実施例67
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
【化31】

【0217】
工程1.
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
【0218】
4−ニトロフェニルクロロホルマート(15mg、0.075mmol)のジクロロメタン(0.5mL)溶液に、(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩(30mg、0.068mmol)とトリエチルアミン(20μL、0.143mmol)とのジクロロメタン(1mL)混合溶液を室温で加えた。5分間撹拌後、得られた混合物に(S)−tert−ブチルメチル(ピロリジン−3−イル)カルバマート(27mg、0.136mmol、Bioorg.Med.Chem.Lett.,2006,16,4922−4930)とトリエチルアミン(19μL、0.136mmol)とのジクロロメタン(1mL)溶液を加えた。混合物全体を室温で20分間撹拌した。混合物を濃縮した。残渣にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、得られた溶液を20分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮した。残渣をメタノールで希釈し、強陽イオン交換カートリッジ(BondElute(登録商標)SCX、1g/6mL、バリアン社)に供し、固相マトリクスをメタノール(6mL)で洗浄した。粗混合物を、1mol/Lアンモニアメタノール溶液(6mL)で回収用試験管に溶出し、減圧濃縮した。
【0219】
残渣をメタノール(2mL)に溶解した。この溶液にパラホルムアルデヒド(20mg、0.68mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(72mg、0.34mmol)を室温で加えた。2時間後、酢酸2滴を混合物に加え、トリアセトキシ水素化ホウ素物(72mg、0.34mmol)を加えた。1時間後、混合物を濃縮し、残渣を炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にし、酢酸エチル(2mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムカラムに通してろ過し、ろ液を減圧濃縮した。粗生成物を分取LC−MSで精製し、表題化合物(10.4mg、28%)を得た。
【0220】
MS(ESI)m/z:546(M+H)
HPLC保持時間:0.75分(方法A).
【0221】
実施例68〜69
【化32】

【0222】
以下の実施例68〜69は、(S)−tert−ブチルメチル(ピロリジン−3−イル)カルバマートの代わりに適切な前駆体を用いて、実施例67に記載した手順と同様の手順で製造した。
【0223】
【表9】

【0224】
実施例70
(S)−N−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
【化33】

【0225】
(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩の代わりに(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−3,3−ジメチルインドリン−2−オン(実施例44、工程6)を用いて、実施例47の工程1に記載した手順にしたがって表題化合物を製造した。
【0226】
MS(ESI)m/z:550(M+H)
HPLC保持時間:0.73分(方法A).
【0227】
実施例71〜72
【化34】

【0228】
以下の実施例71〜72は、(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩および(S)−tert−ブチルメチル(ピロリジン−3−イル)カルバマートそれぞれの代わりに、(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−3,3−ジメチルインドリン−2−オン(実施例44、工程6)および適切なアミン前駆体を用いて、実施例67の工程1に記載した手順と同様の手順で製造した。
【0229】
【表10】

【0230】
実施例73
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−N−メチルピペリジン−3−カルボキサミド
【化35】

【0231】
工程1.
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミド
【0232】
(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩(1.00g、2.26mmol、実施例1、工程4)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリエチルアミン(954μL、6.79mmol)および2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(501mg、2.26mmol)を0℃で加えた。室温で20分間撹拌後、水および酢酸エチルを得られた混合物に加えた。有機層を、炭酸水素ナトリウム水溶液、1mol/L塩酸、および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル濃度勾配溶出法)で精製し、表題化合物を非晶質固体(1.26g、94%)として得た。
【0233】
HNMR(CDCl)δ:8.20−7.62(m,4H),7.39−7.10(m,7H),6.84−6.78(m,1H),6.66−6.48(m,1H),4.56−3.97(m,3H),3.50−3.30(m,1H),3.00−2.73(m,3H),2.56−1.80(m,8H),1.46−1.31(m,6H).
【0234】
工程2.
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド
【0235】
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(1.26g、2.13mmol、実施例73、工程1)と、メタノール(519μL、12.8mmol)と、トリフェニルホスフィン(1.12g、4.27mmol)とのテトラヒドロフラン(10mL)混合溶液に、ジエチルアゾジカルボキシレート(2.2mol/Lトルエン溶液、3.88mL、8.53mmol)を室温で加えた。3時間後、得られた混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル濃度勾配溶出法)で精製し、表題化合物とトリフェニルホスフィンオキシド(3.30g)との混合物を得た。
【0236】
MS(ESI)m/z:605(M+H)
【0237】
工程3.
(S)−3,3−ジメチル−1−(1−(2−(メチルアミノ)−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)インドリン−2−オン
【0238】
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(3.30g、トリフェニルホスフィンオキシドを不純物として含む、実施例73、工程2)のジメチルホルムアミド(10mL)溶液に、メルカプト酢酸(491mg、5.33mmol)および水酸化リチウム一水和物(447mg、10.7mmol)を室温で加えた。16時間撹拌後、得られた混合物を酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン(10mL)で希釈し、この溶液に塩化水素メタノール溶液を加えた。次いで混合物を濃縮した。残渣をメタノールで希釈し、強陽イオン交換ゲル(BondeSil(登録商標)SCX、40g、バリアン社)と混合した。このゲルをろ過し、1mol/Lアンモニアメタノール溶液で洗浄し、得られた溶液を濃縮して表題化合物(636mg、71%)を得た。
【0239】
MS(ESI)m/z:420(M+H)
HNMR(CDCl)δ:7.33−7.12(m,7H),7.09−7.00(m,1H),6.93−6.85(m,1H),4.94−4.79(m,1H),4.49−4.31(m,1H),3.68−3.51(m,1H),3.43−3.27(m,1H),3.07−2.55(m,4H),2.55−2.12(m,5H),1.94−1.51(m,5H),1.40−1.32(m,6H).
【0240】
工程4.
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−N−メチルピペリジン−3−カルボキサミド
【0241】
(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩(44mg、0.1mmol、実施例73、工程3)の3.75%トリエチルアミン/N,N−ジメチルアセトアミド(1.5mL)溶液に、(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−2−カルボン酸(25.2mg、0.110mmol)および2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(57mg、0.150mmol)を加え、得られた混合物を60℃で6時間撹拌した。次いで混合物を室温に冷却し、さらに13時間撹拌した。揮発物を減圧留去した。
【0242】
残渣を1,2−ジクロロエタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮した。残渣をメタノールで希釈し、強陽イオン交換カートリッジ(BondElute(登録商標)SCX、1g/6mL、バリアン社)に供し、固相マトリクスをメタノール(6mL)で洗浄した。粗混合物を、1mol/Lアンモニアメタノール溶液(6mL)で回収用試験管に溶出し、減圧濃縮した。残渣を分取LC−MSで精製し、表題化合物(4.3mg、8%)を得た。
【0243】
MS(ESI)m/z:531(M+H)
HPLC保持時間:0.74分(方法A).
【0244】
実施例74
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−1−メチル−3−((R)−ピペリジン−3−イル)ウレア
【化36】

【0245】
工程1.
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−1−メチル−3−((R)−ピペリジン−3−イル)ウレア
【0246】
4−ニトロフェニルクロロホルマート(14mg、0.072mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、(R)−tert−ブチル3−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(14mg、0.072mmol)とトリエチルアミン(10μL、0.072mmol)とのジクロロメタン(1mL)混合溶液を室温で加えた。5分間撹拌後、得られた溶液を、(S)−3,3−ジメチル−1−(1−(2−(メチルアミノ)−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)インドリン−2−オン(20mg、0.048mmol、実施例73、工程3)とトリエチルアミン(13μL、0.095mmol)とのジクロロメタン(1mL)溶液に加えた。混合物全体を、室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、得られた混合物を15分間撹拌した。混合物を減圧濃縮した。残渣をメタノールで希釈し、強陽イオン交換カートリッジ(BondElute(登録商標)SCX、1g/6mL、バリアン社)に供し、固相マトリクスをメタノール(6mL)で洗浄した。粗混合物は、1mol/Lアンモニアメタノール溶液(6mL)で回収用試験管に溶出し、減圧濃縮した。残渣を分取LC−MSで精製し、表題化合物(2.3mg、9%)を得た。
【0247】
MS(ESI)m/z:546(M+H)
HPLC保持時間:0.73分(方法A).
【0248】
実施例75〜81
【化37】

【0249】
以下の実施例75〜81は、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸および(1S,3R)−3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)シクロペンタンカルボン酸それぞれの代わりに、適切なアミノ酸前駆体および1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸を用いて、実施例21の工程2〜3に記載された手順にしたがって製造した。
【0250】

【表11−A】

【表11−B】

【0251】
実施例82〜88
【化38】

【0252】
以下の実施例82〜88は、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸および(1S,3R)−3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)シクロペンタンカルボン酸それぞれの代わりに、適切なアミノ酸前駆体および(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸を用いて、実施例21の工程2〜3に記載した手順にしたがって製造した。
【0253】

【表12−A】

【表12−B】

【0254】
実施例89
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
【化39】

【0255】
工程1.
(S)−1−(1−(2−アミノ−3−フェニルプロパノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
【0256】
(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸の代わりに(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパン酸を用いて、実施例21の工程2に記載した手順にしたがって表題化合物を製造した。
【0257】
MS(ESI)m/z:391(M+H)
HPLC保持時間:1.52分(方法C).
【0258】
工程2.
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
【0259】
(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン塩酸塩の代わりに(S)−1−(1−(2−アミノ−3−フェニルプロパノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オンを用いて、実施例47に記載した手順にしたがって表題化合物を製造した。
【0260】
MS(ESI)m/z:516(M+H)
HPLC保持時間:1.43分(方法C).
【0261】
実施例90〜94
【化40】

【0262】
以下の実施例90〜94は、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパン酸の代わりに適切なアミノ酸前駆体を用いて、実施例89に記載した手順にしたがって製造した。
【0263】

【表13−A】

【表13−B】

【0264】
実施例95〜97
【化41】

【0265】
以下の実施例95〜97は、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパン酸および(S)−tert−ブチルメチル(ピロリジン−3−イル)カルバマートそれぞれの代わりに、適切なアミノ酸前駆体およびtert−ブチル4−アミノ−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレートを用いて、実施例89に記載した手順にしたがって製造した。
【0266】
【表14】

【0267】
実施例98
(S)−N−((R)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
【化42】

【0268】
(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸および(1S,3R)−3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)シクロペンタンカルボン酸それぞれの代わりに、(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フェニルブタン酸および(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸を用いて、実施例21の工程2〜3に記載した手順と同様の手順で表題化合物を製造した。
【0269】
MS(ESI)m/z:517(M+H)
HPLC保持時間:1.50分(方法C).
【0270】
実施例99
(S)−N−((R)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
【化43】

【0271】
工程1.
(R)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
【0272】
(S)−N−tert−ブトキシカルボニル−ホモフェニルアラニンの代わりに(R)−N−tert−ブトキシカルボニル−ホモフェニルアラニンを用いて、実施例1の工程3〜4に記載した手順と同様の手順で表題化合物を製造した。
【0273】
MS(ESI)m/z:406(M+H)
【0274】
工程2.
(S)−N−((R)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
【0275】
(S)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オンの代わりに(R)−1−(1−(2−アミノ−4−フェニルブタノイル)ピペリジン−4−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン(実施例76、工程1)を用いて、実施例47の工程1に記載した手順と同様の手順で表題化合物を製造した。
【0276】
MS(ESI)m/z:532(M+H)
HPLC保持時間:1.49分(方法C).
【0277】
GPR38(モチリン受容体)機能アッセイ
【0278】
ヒトモチリン受容体遺伝子およびNFAT−β−ラクタマーゼレポーター遺伝子を安定発現させたCHO−K1株化細胞を使用した。細胞は、培養培地(ダルベッコの改変イーグル培地に、10%ウシ胎仔血清、1mMピルビン酸ナトリウム、0.1mM MEM非必須アミノ酸、25mM HEPES緩衝液、50単位/mLペニシリン、50μg/mLストレプトマイシン、100μg/mLゼオシン、および500μg/mL G418を含む)で培養した。細胞を0.05%トリプシンEDTAを用いて回収し、遠心分離した。細胞のペレットを、培養培地に再懸濁し、黒色/透明底384ウェルプレートに、1ウェルあたり8000個の細胞密度となるように播種し、次いで37℃、5%CO下で一晩(約20時間)インキュベートした。アッセイ実施の当日に、培養培地を吸引除去し、アッセイ培地20μL(ダルベッコの改変イーグル培地に、100単位/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンを含む)をそれぞれのウェルに加え、次いで細胞プレートを37℃、5%CO下で1.5時間培養器内に静置(インキュベート)した。化合物を100%DMSOに溶解し、アッセイ緩衝液(ハンクス平衡塩溶液、20mM HEPES、および0.1%BSA)で最終濃度の5倍高濃度に希釈し、次に、384ウェルプレートに添加した(5μL/ウェル)。37℃、5%CO下で、4.5時間インキュベート後、CCF4−AMローディング溶液(Invitrogen社)をそれぞれのウェルに加えた。室温で2時間インキュベート後、励起波長400nm、蛍光波長465nm/540nmで、プレートリーダーFDSS(浜松ホトニクス株式会社)によって測定した。作動活性(EC50)は、GraphPad Prism software(GraphPad Software,Inc.)を用いてシグモイド用量反応曲線から計算した。
【0279】
本発明の実施例1〜97は、上記機能アッセイにおいてEC50が100nM以下である。
【0280】
本発明の実施例1〜3、6〜7、9〜10、12〜15、17、20〜39、43〜57、60〜65、67〜72、78〜80、82〜87および91〜94は、上記機能アッセイにおいてEC50が10nM以下である。
【0281】
以下の表に示すように、GPR38(モチリン受容体)に対する機能活性は、アミノ酸リンカー部分の絶対立体配置に100〜10000倍もの影響を受ける。
【0282】

【表15】

【0283】
PAMPA(人工膜透過アッセイ)
【0284】
96ウェルのアクセプタープレート及びドナープレートを用いて実験を行った。このような96ウェルシステムは、J.Med.Chem.,1998,41,1007に開示されている。4%ホスファチジルコリンと1%ステアリン酸とを含むドデカン溶液を人工膜材料として使用した。人工膜材料5pLをフィルター上に添加することにより、アクセプタープレート(96ウェル疎水性フィルタープレート(MAIPN45、Millipore))を製造し、このプレートを2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)で緩衝処理したハンクス平衡塩溶液(HBSS)(pH6.5)250pLで満たした。ドナープレート(トランスポートレシーバープレート(MATRNPS50、Millipore))を、試験化合物10pMを含有する、MESで緩衝処理したHBSS(pH6.5)300pLで満たした。アクセプタープレートを「サンドイッチ」の形にドナープレート上に置き、30℃で2.5時間インキュベートした。インキュベート後、アクセプター溶液、ドナー溶液、および最初のドナー溶液(対照)をLC−MS/MSによって分析した。
【0285】
データは、cm×10−6/秒での有効な透過性値(Pe)および膜保持値として報告した。
【0286】
本発明の実施例1、3〜4、6〜7、13、17、20、22〜23、29、35〜36、39、44、47〜48、50、54、64〜66、68〜70、73〜74、85および92〜94は、上記の透過アッセイにおいてPeが2.0cm×10−6/秒以上である。
【0287】
本出願において引用されたすべての刊行物(登録特許、特許出願、および学術文献を含むが、これらに限定されない)は、参照によって本明細書中に組み込まれる。開示した実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は、詳述された具体的な実験が本発明を単に説明しているにすぎないことを容易に理解できるであろう。発明の趣旨から逸脱することなく、種々の変更がなされうると認識される。したがって、本発明は以下の請求項によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
およびRは独立して、水素、C−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルからなる群より選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合している原子と共に、酸素を含んでもよい3〜6員環を形成し;該環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシからなる群から独立して選択された1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
およびRは、独立に水素またはC−Cアルキルであり;
は、水素、C−Cアルキル、またはC−CアルコキシC−Cアルキルであり;
およびRは独立して、水素、C−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、アミノC−Cアルキル、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、ジ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルキル、飽和ヘテロシクリル、および飽和ヘテロシクリルC−Cアルキルから選択され;該飽和ヘテロシクリルおよびアルキルは独立に1〜4個のC−Cアルキルを有してもよく;またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と共に、窒素または酸素を含んでもよい4〜6員環を形成し、該4〜6員環は、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、アミノ、C−Cアルキルアミノ、およびジ(C−Cアルキル)アミノからなる群から独立して選択された1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
Aは、
【化2】

で表され
(式中、p、qおよびrは、独立に0、1、2または3であり;
およびRは、独立に水素、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;該アルキルおよびシクロアルキルは、ヒドロキシ、C−Cアルキル、アミノ、C−Cアルキルアミノ、およびジ(C−Cアルキル)アミノで置換されていてもよく;またはRおよびRは、一緒になって、酸素を含んでもよいC−C員環を形成してもよく;またはRおよびRは、いずれかまたはいずれもが、末端窒素とRまたはRアルキル部分との間でアルキレン橋を形成してもよく、該アルキレン橋は1〜5個の炭素原子を含み、窒素または酸素を含んでもよく;該アルキレン橋は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、ハロC−Cアルキル、およびC−Cアルコキシからなる群から独立して選択された1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
Wは、N−R10であり、該R10は水素またはC−Cアルキルである);
Xは、C−Cアルキレン、またはC−Cアルキレン−K−C−Cアルキレンであり、Kは、−O−、−NH−、NR−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−OCO−、−C(O)O−、−CR11=CR12−、
【化3】

−NR11CO−、または−CONR11−であり;該アルキレンは、C−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、アミノC−Cアルキル、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、ジ(C−C)アルキルアミノC−Cアルキル、またはC−CアルコキシC−Cアルキルで置換されてもよく;
11は、水素またはC−Cアルキルであり;
Yは、水素、ハロゲン、または5〜10員環であり;該環はヒドロキシ、ハロゲン、ハロC−Cアルキル、C−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、アミノC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはC−CアルコキシC−Cアルキルで置換されてもよく;
Zは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはヒドロキシであり;
mは、0、1、2、3、または4であり;
nは、0、1、または2である)
の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
が、水素またはC−Cアルキル;
Xが、C−Cアルキレン、またはC−Cアルキレン−K−C−Cアルキレンであり;Kが、−O−、−NH−またはNR−であり;該アルキレンが、C−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、またはC−CアルコキシC−Cアルキルで置換されてもよく;
Yが、水素または5〜10員環であり;該環が、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロC−Cアルキル、C−Cアルキル、ヒドロキシC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはC−CアルコキシC−Cアルキルで置換されてもよく;
mが、0、1、または2であり;
nが、0または1であること
を特徴とする請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−2−カルボキサミド;
(S)−2−アミノ−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3,3−ジメチルブタンアミド;
(S)−2−(1−アミノシクロブチル)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)アセトアミド;
(S)−1−(アミノメチル)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)アゼチジン−3−カルボキサミド;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド;
(S)−2−(1−アミノシクロペンチル)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)アセトアミド;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−メチル−3−(メチルアミノ)ブタンアミド;
(S)−3−(シクロペンチルアミノ)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)プロパンアミド;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((2−メトキシエチル)(メチル)アミノ)プロパンアミド;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−1−メチルピペリジン−3−カルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−3−シクロヘキシル−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(ナフタレン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−3−(2−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−O−トリルプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(3−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−3−(3−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(2−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェノキシプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−3−(2−クロロフェノキシ)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−4−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−オキソ−1−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(1S,3R)−N−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド;
(S)−N−(1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−メチル−3−(メチルアミノ)ブタンアミド;
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((S)−ピロリジン−2−イルメチル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((R)−ピペリジン−3−イル)ウレア;
3−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−1−メチル−1−((S)−ピロリジン−2−イルメチル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((R)−ピロリジン−2−イルメチル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((R)−ピロリジン−3−イル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((R)−ピロリジン−3−イルメチル)ウレア;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキサミド;
(S)−1−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(4−エチルピペリジン−4−イル)ウレア;
(S)−1−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(4−メチルピペリジン−4−イル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((S)−ピロリジン−3−イル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((S)−ピペリジン−2−イルメチル)ウレア;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((R)−ピペリジン−3−イルメチル)ウレア;
(S)−1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−3−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ウレア;
(S)−3−(シクロプロピル(メチル)アミノ)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(S)−1−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)ウレア;
(S)−1−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(2−(ジメチルアミノ)エチル)ウレア;
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
1−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)ウレア;
(S)−1−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(1,4−ジメチルピペリジン−4−イル)ウレア;
(S)−N−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
1−((S)−1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−((S)−ピロリジン−2−イルメチル)ウレア;
(S)−1−(1−(4−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)−3−(4−メチルピペリジン−4−イル)ウレア;
(S)−N−(1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド;
(S)−N−(3−(2−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド;
(S)−N−(3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(2−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(3−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−3−(2−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(3−フルオロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−3−(2−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド;および
(S)−N−((S)−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3,3−ジメチル−2−オキソインドリン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−カルボキサミド
から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項5】
さらに他の薬理学的に活性な薬剤を含むことを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
ヒトを含む哺乳動物被験体における、モチリン受容体作動活性を介した病態の治療方法であって、治療有効量の請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を、治療が必要な哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項7】
前記病態または障害が、胃食道逆流症;機能性胃腸症;過敏性腸症候群;便秘症;偽性腸閉塞;術後または他の処置後の麻痺性イレウス;嘔吐;糖尿病などの種々の疾患および/または他の薬物の投与、経腸栄養療法を受けている患者において引き起こされる胃内容うっ滞もしくは胃運動低下;クローン病;結腸炎;がんなどの進行性疾患および/またはその治療に伴う悪液質;食欲/代謝関連悪液質;ならびに失禁などの他の障害であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
モチリン受容体作動活性を介した病態の治療に使用するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項9】
モチリン受容体作動活性を介した病態の治療薬を製造するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用。
【請求項10】
前記病態または障害が、胃食道逆流症;機能性胃腸症;過敏性腸症候群;便秘症;偽性腸閉塞;術後または他の処置後の麻痺性イレウス;嘔吐;糖尿病などの種々の疾患および/または他の薬物の投与、経腸栄養療法を受けている患者において引き起こされる胃内容うっ滞もしくは胃運動低下;クローン病;結腸炎;がんのような進行性疾患および/またはその治療に伴う悪液質;食欲/代謝関連悪液質;ならびに失禁などの他の障害であることを特徴とする請求項9に記載の使用。

【公表番号】特表2012−519153(P2012−519153A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536661(P2011−536661)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【国際出願番号】PCT/JP2010/001368
【国際公開番号】WO2010/098145
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(508065961)ラクオリア創薬株式会社 (12)
【Fターム(参考)】