説明

モニタ表示制御システムおよびモニタ表示制御方法

【目的】本発明は、モニタ表示制御システムおよびモニタ表示制御方法に関し、離席前など迄での作業を再現表示して利用者に確認させて、作業を効率的かつ迅速に続行することを目的とする。
【構成】画面上で新たなウィンドウの開設あるいは他の開設済みのウィンドウへの移動が検出された場合に、開設あるいは移動したウィンドウの順番に履歴情報テーブルにウィンドウの画面履歴ファイルのIDおよび入力履歴ファイルのIDを格納すると共に、画面履歴ファイルにウィンドウのドットイメージを格納および入力履歴ファイルにウィンドウに入力された情報を格納する手段と、画面を表示しているシステムが所定モードに入ったときに履歴情報テーブル、画面履歴ファイルおよび入力履歴ファイルを退避する手段と、システムが所定モードから復帰したときに、退避した履歴情報テーブル、画面履歴ファイルおよび入力履歴ファイルをもとに画面上に復元する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面に表示された情報を退避し、復元時に元の状態に戻すモニタ表示制御システムおよびモニタ表示制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、節電機能を有する電子機器で、節電モードに移行時にアプリケーションやファイルの実行環境を退避しておき、節電モードから復帰時に退避したアプリケーションやファイルを復元して元の実行環境を戻す技術がある(特許文献1)。
【0003】
また、パソコンで所定時間の間、キーボードやマウスなどの入力装置から入力がないと、現在の実行環境を退避して節電モードに移行し、利用者が自席に戻ってきて入力装置を操作すると、節電モードが解除されて退避しておいた実行環境を復元して元の状態に戻す技術がある。
【特許文献1】特開平11−353048
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の技術は、節電前あるいは離席前のアプリケーションやファイルの実行環境を退避し、節電モードなどが解除されたときに退避しておいた実行環境を元の状態に戻すことを行っており、通常、節電直前の最終の実行環境を退避してこの最終の実行環境に戻し、続いて処理を続行できるようにしていた。このため、文書作成などのように一旦処理を中断し、復帰後に続きから継続して処理を行うことが可能な場合には別に問題はない。
【0005】
しかし、節電前や離席前の任意の段階の情報を表示させて利用者が認識・確認した上で次の処理を再開しようとした場合に、節電前の実行環境の遷移を順番に全て退避しておき、復帰時に、当該実行環境の遷移の順番に復元したのでは、実行環境の再現に多くの時間が必要になってしまうと共に、他のシステムと接続して処理を行う場合にセキュリティの関係から認証操作が再度要求されてしまい実行環境の再現に大変な手間・操作と時間が要求されてしまい、実用的ではなく、事実上、以前に処理した情報を知りえないという問題があった。
【0006】
また、節電前や離席前に処理した情報のうち任意の情報を提示させたり、どの順番に情報を処理したのかの確認を行い難いという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するため、画面に表示された情報を退避し、復元時に元の状態に戻すモニタ表示制御システムにおいて、画面上に表示されたウィンドウに対応づけてウィンドウ内に表示された情報のドットイメージを格納する画面履歴ファイルのIDおよび当該ウィンドウ内に入力された情報を格納する入力履歴ファイルのIDを格納する履歴情報テーブルと、画面上で新たなウィンドウの開設あるいは他の開設済みのウィンドウへの移動が検出された場合に、開設あるいは移動したウィンドウの順番に履歴情報テーブルにウィンドウの画面履歴ファイルのIDおよび入力履歴ファイルのIDを格納すると共に、画面履歴ファイルにウィンドウのドットイメージを格納および入力履歴ファイルにウィンドウに入力された情報を格納する手段と、画面を表示しているシステムが所定モードに入ったときに履歴情報テーブル、画面履歴ファイルおよび入力履歴ファイルを退避する手段と、システムが所定モードから復帰したときに、退避した履歴情報テーブル、画面履歴ファイルおよび入力履歴ファイルをもとに画面上に復元する手段とを備えるようにしている。
【0008】
この際、所定モードに入ったときは、利用者が画面を表示している計算機システムの入力装置が所定時間以上連続して入力されなかったと検出されたとき、あるいは利用者が所持するICタグ、IDカードから利用者の情報が所定時間以上連続して読み取れなかったときとするようにしている。
【0009】
また、復帰時に、退避直前の最終の状態あるいは予め指定された状態のウィンドウを表示した画面に復元するようにしている。
【0010】
また、画面履歴ファイルの一覧を提示し、任意に選択されたウィンドウの画面履歴ファイルをもとに画面上にドットイメージのウィンドウを復元表示、あるいはドットイメージの復元されたウィンドウ上に、更に任意に選択されたウィンドウの入力履歴ファイル中のテキストデータをもとに入力情報を再現表示するようにしている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、画面上に開設されたウィンドウに対応づけてウィンドウ内に表示された情報のドットイメージを格納する画面履歴ファイル、ウィンドウ内に入力された情報を格納する入力履歴ファイル、および、画面上で新たなウィンドウが開設あるいはウィンドウの遷移が検出される順番に画面履歴ファイル、入力履歴ファイルを登録する履歴情報ファイルを設け、利用者が離席などしたときにこれらファイルを退避し、離席などから戻ったときにこれらファイルをもとに画面上にウィンドウのドットイメージおよび入力情報を復元表示することにより、たとえ他のシステムに接続して認証要求される操作が含まれていたとしてもその認証操作することなく、退避したドットイメージをもとに画面上にウィンドウを表示すると共に退避した入力情報を当該ウィンドウの入力域に再現表示することが可能となり、離席前など迄での作業を再現表示して利用者に確認させて、作業を効率的かつ迅速に続行することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、画面履歴ファイル、入力履歴ファイル、およびウィンドウ開設や遷移順にこれらファイルを登録する履歴情報ファイルを設け、利用者が離席などしたときにこれらファイルを退避し、離席などから戻ったときにこれらファイルをもとに画面上にウィンドウのドットイメージおよび入力情報を復元表示し、たとえ他のシステムに接続して認証要求される操作が含まれていたとしてもその認証操作することなく、退避したドットイメージをもとに画面上にウィンドウ上に表示すると共に退避した入力情報をもとにウィンドウの入力域に入力情報を再現表示することが可能となり、離席前など迄での作業を再現表示して利用者に確認させて、作業を効率的かつ迅速に続行を図ることを実現した。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
【0014】
図1において、モニタ表示制御システム1は、画面29上にウィンドウを開設して表示すると共に開設したウィンドウの順番および遷移した順番の情報とウィンドウのドットイメージ、ウィンドウに入力された情報(データ)を退避し、復帰時に復元したりするものであって、ここでは、処理装置2、DB30,キーボード27、ICタグ又はICカード28、画面29などから構成されるものである。
【0015】
処理装置2は、計算機システムであって、プログラムに従い各種処理を実行するものであり、ここでは、入力制御手段21、利用者識別手段22、処理手段23、画面ロック・解放手段24、表示制御手段25、認証情報読取手段26、およびDB30などから構成されるものである。
【0016】
入力制御手段21は、キーボード27などから入力された情報を画面内のウィンドウの入力域に表示したり、入力域に入力して表示した状態で実行キーが押下されたときに当該入力域に入力された情報を取り込んだりするものである。
【0017】
利用者識別手段22は、利用者が画面上か入力した情報(例えばIDなど)を取り込んで登録されている情報(例えば利用者IDなど)と照合したり、ICタグ又はICカード28から利用者情報をリードして登録されている情報(例えばパスワード)と照合して認証したりなどするものである。
【0018】
処理手段23は、各種処理を実行するものである。
【0019】
画面ロック・解放手段24は、画面上のウィンドウをロックして入出力できなくかつ見えない状態に遷移させたり、ロックされて見えない状態から解放して画面上のウィンドウへの入出力が可能で見える状態に遷移させたりなどするものである。
【0020】
表示制御手段25は、画面上に1つあるいは複数のウィンドウを順次開設したり、いずれかのウィンドウに入力域を表示してカーソルを位置づけて入力を促し、入力されたときに当該入力域に表示したりなどするものである。
【0021】
認証情報読取手段26は、ICタグ又はICカード28から利用者の情報(例えば利用者を認証するパスワードなどの認証情報)281を読み取るものである。
【0022】
DB30は、各種テーブル、ファイルを格納したり、退避したりなどするものであって、ここでは、個人識別テーブル31、履歴情報テーブル32、記録設定情報テーブル33、入力履歴ファイル34、入力履歴ファイル35などから構成されるものである。
【0023】
個人識別テーブル31は、個人を識別する情報を登録したものである(図7の(a)参照)。
【0024】
履歴情報テーブル32は、画面上に開設したウィンドウおよび遷移したウィンドウの順番(ステップ)に対応づけてウィンドウのドットイメージを格納した画面履歴ファイル24およびウィンドウに入力された入力データを格納した入力履歴ファイル25の識別子(ファイル名、当該ファイルへのフルパス名など)を登録したものである(図4の(a)参照)。
【0025】
記憶認定情報テーブル33は、履歴モードの設定の有効、無効の区別を設定するものである(図7の(b)参照)。
【0026】
画面履歴ファイル34は、ウィンドウに表示された画像、データなどのドットイメージを格納したものである(図4の(c)参照)。
【0027】
入力履歴ファイル35は、ウィンドウに表示された入力域に入力されたデータ(テキストデータ)を格納したものである(図4の(b)参照)。
【0028】
キーボード27は、画面29上のウィンドウに表示された入力域にデータを入力したりなどするものである。
【0029】
ICタグ又はICカード29は、利用者が保持するICタグを埋め込んだカード又はICカードであって、当該利用者の情報である、認証情報281などを暗号化して記録したものである。
【0030】
画面29は、表示装置上に表示された画面であって、当該画面29上に複数のウィンドウ(子画面)を表示するためのものである。
【0031】
次に、図2のフローチャートの順番に従い、図1の構成のもとで、利用者がモニタ表示制御システム1にログインする場合の動作を詳細に説明する。
【0032】
図2は、本発明の動作説明フローチャート(ログイン)を示す。
【0033】
図2において、S1は、ユーザIDを要求する。これは、図1の利用者識別手段22が画面29上に「ユーザIDを入力して下さい。」というメッセージと当該ユーザIDの入力域を表示し、これを見た利用者がキーボード27を操作して自己のユーザIDを入力してENTERキーを押下する。
【0034】
S2は、ユーザIDを受信か判別する。これは、S1でユーザIDの入力を要求したことに対応して、利用者がキーボードを操作してユーザIDを入力してENTERキーを押下して入力された当該ユーザIDが受信されたか判別する。YESの場合には、S3に進む。NOの場合には、所定時間の間、待機する。所定時間待機してもユーザIDが受信されない場合には、S1に戻る。
【0035】
S3は、登録されているIDか判別する。これは、S2のYESでユーザIDが受信されたと判明したので、当該受信されたユーザIDについて、後述する図7の(a)の個人識別テーブル31を参照して、登録されているユーザIDか判別する。YESの場合には、S4に進む。NOの場合には、S8で未登録メッセージを画面29上に所定時間表示した後、S1に戻る。
【0036】
S4は、ICタグをリードする。これは、S3のYESで利用者が入力したユーザIDが登録されていると判明したので、次は、ICタグ28から当該利用者の情報(例えば認証情報281)をリード、例えば画面29上にメッセージ「ICタグ28をかざしてください。」を表示(あるいは音声で発声)し、利用者がICタグ28を認証情報読取手段26にかざしたことに対応して当該認証情報読取手段26がICタグ28中の認証情報281をリードする。
【0037】
S5は、登録データと比較する。これは、S4でICタグ28中からリードした認証情報281と、図7の「(a(の個人情報テーブル31中の該当利用者IDに対応づけて登録されている認証情報(例えばパスワード)とを比較する。
【0038】
S6は、一致か判別する。これは、S5で比較した結果、両者が一致し、当該利用者IDの認証がOKとなったか判別する。YESの場合には、S7でログイン処理を行い、当該利用者IDが現在ログイン中であることを記憶し、終了する。一方、NOの場合には、S9で不一致メッセージを所定時間表示した後、S1に戻る。
【0039】
以上によって、処理装置2を利用しようとする利用者がユーザIDを入力およびICタグ28をかざして当該ICタグ28から読み取られた認証情報がいずれも図7の(a)の個人識別テーブル31に登録されて一致した場合に認証OKとしてログイン処理を行い、一方、利用者ID,認証情報281のいずれかが不一致の場合には認証NGとすることにより、処理装置2を利用する資格のある利用者のみがログイン処理し、当該処理装置2を利用することが可能となる。
【0040】
次に、図3のフローチャートの順番に従い、図1の構成のもとでウィンドウを開設および他のウィンドウに遷移したときの画面履歴および入力履歴を保存するときの動作を詳細に説明する。
【0041】
図3は、本発明の動作説明フローチャートを示す。
【0042】
図3において、S11は、設定モードが1か判別する。YESの場合には、図2のフローチャートでログインした利用者の利用者IDに対応づけて設定モードが1(有)に設定されていると判明(例えば図7の(b)の記録設定情報テーブル33中の当該ログイン中の利用者IDについて設定モードが1(有)と設定されていると判明)したので、S12に進む。NOの場合には、設定モードが0(無)と設定されていると判明したので、画面遷移、入力遷移を保存することなく、ここでは、終了する。
【0043】
S12は、新規または別ウィンドウか判別する。これは、S11のYESで設定モードが1(有)と判明したログイン中の利用者IDの利用者が新規ウィンドウを開設あるいは開設済みの別のウィンドウに遷移したのいずか判別する。YESの場合には、ウィンドウを新規に開設あるいは別のウィンドウに遷移したと判明したので、S13に進む。一方、NOの場合には、新規ウィンドウを開設しなく、または、別のウィンドウに遷移したものでもなく、同じウィンドウで入力処理などを行っていると判明したので、S16に進む。
【0044】
S13は、新規ウィンドウを開設か判別する。YESの場合には、新規にウィンドウを開設したと判明したので、S14に進む。一方、NOの場合には、別のウィンドウに遷移したと判明したので、S16に進む。
【0045】
S14は、S13のYESで新規にウィンドを開設したと判明したので、ウィンドウを利用者IDに対応づけて記録する。
【0046】
S15は、ウィンドウに対応する履歴情報テーブルを作成する。これらS14、S15は、利用者Aが新規にウィンドウを開設、例えば後述する図5の(a)に示すように、ステップ1(画面29上に最初にウィンドウを開設した場合に付与するステップ1)で、新規にウィンドウ(当該ウィンドウID”画面a1”)を開設した場合には、図4の(a)の履歴情報テーブル32中の最上段のエントリに示すように、
・順番:ステップ1
・利用者ID:A
・画面履歴ファイル名:¥D¥x¥a1.bmp
・入力履歴ファイル名:¥D¥x¥a1.txt
を記録する。ここで、順番「ステップ1」は、画面29上に最初に今回、ウィンドウを新規に開設したので、「ステップ1」となったものである。利用者ID「A」 は、ウィンドウを新規に開設した現在の利用者IDが「A」であることを表す。画面履歴ファイル名、入力履歴ファイル名は、新規に開設したウィンドウIDが「a1」であるため、当該「a1」のファイルを格納するフルパスを当該画面履歴ファイル名、入力履歴ファイル名としたものである。
【0047】
S16は、入力ありか判別する。これは、S14、S15で新規に開設したウィンドウ、あるいは既に開設済みのウィンドウ上の入力域にデータの入力がありか判別する。YESの場合には、S17に進む。NOの場合には、ウィンドウの入力域に入力がないと判明したので、S19に進む。
【0048】
S17は、S16のYESでウィンドウの入力域にデータの入力があったと判明したので、利用者IDのチェックを行う。これは、現在のログイン中の利用者IDのチェックする。
【0049】
S18は、入力を利用者のアクティブのウィンドウに対応した入力履歴ファイル35に書く。これは、例えば現在ログイン中の利用者Aが後述する図5の(a)のステップ1でアクティブのウィンドウID=a1(画面a1)のウィンドウ上に表示された入力域に、キーボード27から
・商品名:A
・金額:xxx
・数量:2
を順次入力した後、画面上のENTERキーをマウスで押下(あるいはキーボード上のENTERキーを押下)した場合、S14、S15で作成した該当する図4の(b−1)の入力履歴ファイル(a1.txt)に、
・商品名_A_金額_xxx数量_2
というように、項目名(商品名、金額、数量)に対応づけてその値(A,xxx,2)を図示のようにテキストデータにしてそれぞれ書き込み保存する。これにより、復元する場合には、当該入力履歴ファイル(a1.txt)35に保存されたテキストデータをもとにウィンドウ上に図5の(a)に示すように、入力域に復元することが可能となる。尚、項目名、値を対応づけて保存する場合に、項目名と値がウィンドウ上のいずれの場所のものかを表す情報(X,Y座標あるいは行列位置など)も一緒に保存して復元できるようにする。
【0050】
S19は、ウィンドウ終了か判別する。YESの場合には、現在、アクティブのウィンドウについて終了すると利用者が指示したと判明したので、S20で履歴情報テーブル31中の当該ウィンドウをクローズに設定し、S21に進む。NOの場合には、S21に進む。
【0051】
S21は、アクティブのウィンドウが変わったか判別する。YESの場合には、アクティブのウィンドウが他のウィンドウに利用者によって変えられたと判明したので、S22で対応する履歴情報テーブル32をオープンに設定した後、S23に進む。一方、NOの場合には、S23に進む。
【0052】
S23は、記録終了か判別する。YESの場合には、終了する。NOの場合には、S12に戻り繰り返す。
【0053】
以上によって、利用者が設定モードを1(有)と設定していた場合には(S11のONの場合には)、S12以降の処理により、新規にウィンドウを開設した場合には図4の(a)の履歴情報テーブル32中にステップを追加してウィンドウのドットイメージを格納する画面履歴ファイル名、ウィンドウの入力域に入力したデータを保存する入力履歴ファイル名を作成して登録し、入力域に入力した場合には当該入力域に入力したデータをテキストデータとして図4の(b−1)の入力履歴ファイル35に示すように保存およびそのときのドットイメージを図4の(c)の画面履歴ファイル34に保存する。同様に、他のウィンドウへ遷移する場合にも、図4の(a)の履歴情報テーブル32中にステップを追加してウィンドウのドットイメージを格納する画面履歴ファイル名、ウィンドウの入力域に入力したデータを保存する入力履歴ファイル名を作成して登録し、入力域に入力した場合には当該入力域に入力したデータをテキストデータとして図4の(b−1)の入力履歴ファイル35の例えば番号2に保存およびそのときのドットイメージを図4の(c)の画面履歴ファイル34に示すように保存する。これらにより、利用者が画面29上で、ウィンドウを新規に開設あるいは他のウィンドウに遷移した場合に、図4の(a)の履歴情報テーブル32中のステップ1,2,3・・・という順番(開設、遷移の順番(時間順))に対応づけてそのときの画面履歴ファイル、入力履歴ファイルを登録し、ウィンドウの遷移を順番(時間順)に記録することが可能となる。
【0054】
図4は、本発明のテーブル/ファイル例を示す。
【0055】
図4の(a)は、履歴情報テーブル例を示す。履歴情報テーブル32は、図示の下記の情報を対応づけて登録するものである。
【0056】
・順番(ステップ):
・画面履歴ファイル名(画面履歴ファイルパス):
・入力履歴ファイル名(入力履歴ファイルパス):
・利用者ID:
・オープン/クローズの区別:
・その他:
ここで、順番(ステップ)は、ウィンドウ(画面29内に開設するウィンドウ(小画面))の表示順番(時間順)を表すステップ1,2,3・・・を付与したものである。画面履歴ファイル名(画面履歴ファイルパス)は、順番(ステップ)のウィンドウのドットイメージを格納する画面履歴ファイル名あるいは画面履歴ファイルのパスを登録するものであって、図示の状態で画面履歴ファイルパスを登録している。入力履歴ファイル名(入力履歴ファイルパス)は、順番(ステップ)のウィンドウ上の入力域に入力されたデータをテキストデータとして格納する入力履歴ファイル名あるいは入力履歴ファイルのパスを登録するものであって、図示の状態で入力履歴ファイルパスを登録している。ここで、テキストデータは、「項目名_値」の組を1つあるいは複数を順番に設定して格納すると共に図示しないが「項目名_値」のウィンドウ上の格納場所(X、Y座標、または、行列)も合わせて格納する。利用者IDはウィンドウを開設した利用者IDである。オープン/クローズは、現在(あるいは最終状態)でのウィンドウのオープンあるいはクローズの区別を登録し、復元時に、当該区別に設定されたオープンあるいはクローズに従い最終状態に戻すことが可能となる。
【0057】
図4の(b)は、入力履歴ファイル例を示す。これは、図4の(a)の履歴情報テーブル32中に設定された入力履歴ファイル名に対応する(あるいはパスでアクセスされる)ファイルの実体を登録したものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録したものである。
【0058】
・番号:
・入力データ:
・順番(ステップ):
・その他:
ここで、番号は入力履歴ファイル35に入力データが格納された順番である。入力データは、ウィンドウ上の入力域に入力されたデータを値として、項目名に対応づけてぞれぞれ図示のように格納したものである。順番は、図4の(a)の履歴情報テーブル32中の当該入力データが入力されたウィンドウの順番(ステップ)である。図示の状態では、ステップ1,4でそれぞれ図示の入力データがそれぞれ入力されている(図5の(a)のステップ1およびステップ4を参照)。
【0059】
図4の(b−1)、(b−2),(b−3)の各入力履歴ファイル35は、図4の(a)の履歴情報テーブル32中のステップ1とステップ4、ステップ2,ステップ3にそれぞれ対応するものである。同様に。図5の(a)のステップ1、図5の(b)のステップ2、図5の(c)のステップ3にそれぞれ対応するものである。
【0060】
図4の(c)は、画面履歴ファイル例を示す。これは、図4の(a)の履歴情報テーブル32の各ステップの画面履歴ファイル名(画面履歴ファイルパス)に対応するものであって、各ステップのウィンドウのドットイメージを格納するファイルである。
【0061】
図5は、本発明のウィンドウ開設/移動の遷移説明図を示す。ここでは、ステップ1,2,3、1の順番(ステップ)でウィンドウを開設あるいは移動した場合の様子を模式的に示したものである。
【0062】
図5の(a)のステップ1:利用者Aがウィンドウ(画面a1)を開設し、入力域、
・商品名:A
・金額:xxx円
・数量:2個
を入力した場合には、図4の(b−1)に示すように、
・商品名_A_金額_xxx_数量_2
というように「項目名_値_」という書式に従いテキストデータに変換して格納する。この際、ウィンドウ上のいずれの場所に「項目名_値_」を配置されてたかの場所情報(X、Y座標あるいは行列)を合わせて登録しておく。
【0063】
図5の(b)のステップ2:同様に、図4の(b−2)に示すように、入力域に入力されたデータを格納する。尚、入力域にデータを格納した利用者が利用者Bであるので、図4の(a)の履歴情報テーブル32中のステップ2のエントリの利用者ID欄に「B」を登録しておく。他のステップの場合には、全て利用者Aであるので、図4の(a)の履歴情報テーブル32中の他のステップ1,3,4の利用者ID欄に「A」と登録しておく。
【0064】
図5の(c)のステップ3:同様に、図4の(b−3)に示すように、入力域に入力されたデータを格納する。
【0065】
図5の(a)のステップ4:同様に、図4の(b−1)の番号2のエントリに示すように、入力域に入力されたデータを格納すると共に、図4の(a)の履歴情報テーブル32中のいずれのステップのウィンドウで入力されたかを表すステップ、ここでは、ステップ4を、順番欄に図示のように登録する。これにより、入力履歴ファイル35に複数の入力データが格納された場合に、図4の(a)の履歴情報テーブル32中のいずれのステップで入力された入力データであるかを記録し、復元時に再現することが可能となる。
【0066】
図6は、本発明の動作説明フローチャート(画面ロック/解除)を示す。
【0067】
図6において、S31は、操作有りか判別する。これは、利用者からキーボードやマススなどの入力装置の操作がありか判別する。YESの場合には、S34に進む。NOの場合には、利用者が入力装置の操作がないと判明したので、S32に進む。
【0068】
S32は、経過時間をチェックする。
【0069】
S33は、設定時間を経過か判別する。これは、利用者が入力装置を操作しなくなってから所定時間(予め設定した時間、例えば15分)を経過したか判別する。YESの場合には、S34に進む。NOの場合には、S31に戻り繰り返す。
【0070】
S34は、ICタグをリードする。これは、図1の認証情報読取手段26が利用者が所持するICタグ28をリードする。
【0071】
S35は、登録データと一致か判別する。これは、S34でICタグから認証情報281が読み取れた場合には、現在ログイン中の利用者の認証情報と比較して一致か、あるいはICタグから認証情報281が良い取れなかった場合には認証情報281なしとして現在ログイン中の利用者の認証情報と比較するがここでは一致しないと判別される。YESの場合、即ちICタグから認証情報が読み取れかつログイン中の利用者の認証情報と一致した場合には、S37に進む。それ以外の場合にはNOとなるので、S36でウィンドウのロック処理、即ち、ウィンドウの入出力を禁止かつ非表示にする処理を行い、S31に戻る。
【0072】
S37は、画面ロック中か判別する。これは、S35のYESでICタグがリードした認証情報281と現在ログイン中の利用者の認証情報とが一致して当該利用者が処理装置を利用中であると判明したので、更に、ウィンドウがロック中か判別する。YESの場合には、ウィンドウがロック中であると判明したので、S38でウィンドウのロックを解除し、S39でウィンドウおよび入力の最終から記録生成処理を行う。これにより、図4の(a)の履歴情報テーブル32中のロックを解除された当該利用者のエントリの情報(ステップに対応づけた画面履歴ファイル、入力履歴ファイルの情報)をもとに最終の状態に復元することが可能となる。
【0073】
S40は、S37のNOでロック中ではないと判明したので、終了処理を行うか判別する。YESの場合には、終了する。NOの場合には、S31に戻り繰り返す。
【0074】
以上によって、利用者が所定時間経過しても入力装置を操作しないと判明した場合にはICタグ中の認証情報281をリードして現在ログイン中の利用者の認証情報と一致しない場合には当該ウィンドウのロック処理を行って入出力禁止かつ非表示にして秘密保護することが可能となる(S31のNO,S32,S33のYES,S34,S35のNO,S36)。そして、ICタグ中の認証情報281をリードして現在ログイン中の利用者の認証情報と一致した場合には図4の(a)の履歴情報テーブル32中の当該利用者のウィンドウのロック解除処理を行って入出力可能かつウィンドウを表示にして元の状態に復元することが可能となる(S31のNO、S32、S33のYES,S34,S35のYES,S37のYES,S38,S39)。
【0075】
尚、復元時に、指定されていないときは退避された最終状態(図4の(a)の履歴情報テーブル32の最終状態)を復元表示する。また、図4の(a)の履歴情報テーブル32の一覧を表示し、利用者から選択されたステップ番号を最終状態とし、当該利用者IDの指定されたステップ番号までの全てのステップのエントリの情報を抽出して当該指定されたステップの状態を最終状態として復元表示する。
【0076】
図7は、本発明の他のテーブル例を示す。
【0077】
図7の(a)は、個人識別テーブル例を示す。個人識別テーブル31は、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録したものである。
【0078】
・ユーザID:
・認証情報:
・その他:
ここで、ユーザIDは、利用者に一意に付与したIDである。認証情報は、ユーザIDに対応づけて当該ユーザが本人であるか否かを識別するための認証情報であって、例えばパスワードなどである。
【0079】
図7の(b)は、記録設定情報テーブル例を示す。記録設定情報テーブル33は、ユーザIDに対応づけてウィンドウの画面履歴および入力履歴を記録するか否かを設定するものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録したものである。
【0080】
・ユーザID:
・設定モード:
・その他:
ここで、ユーザIDは利用者に付与した一意のIDである。設定モードは、ウィンドウの画面履歴および入力履歴を記録する場合に1(有)、記録しない場合に0(無)の区別を設定する欄である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、画面履歴ファイル、入力履歴ファイル、およびウィンドウ開設や遷移順にこれらファイルを登録する履歴情報ファイルを設け、利用者が離席などしたときにこれらファイルを退避し、離席などから戻ったときにこれらファイルをもとに画面上にウィンドウのドットイメージおよび入力情報を復元表示し、たとえ他のシステムに接続して認証要求される操作が含まれていたとしてもその認証操作することなく、退避したドットイメージをもとに画面上にウィンドウ上に表示すると共に退避した入力情報をもとにウィンドウの入力域に入力情報を再現表示でき、離席前など迄での作業を再現表示して利用者に確認させて、作業を効率的かつ迅速に続行を図るモニタ表示制御システムおよびモニタ表示制御方法に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明の動作説明フローチャート(ログイン)である。
【図3】本発明の動作説明フローチャート(ウィンドウ入力/記録)である。
【図4】本発明のテーブル/ファイル例である。
【図5】本発明のウィンドウの開設/移動の遷移説明図である。
【図6】本発明の動作説明フローチャート(ロック/解除)である。
【図7】本発明の他のテーブル例ある。
【符号の説明】
【0083】
1:モニタ表示制御システム
2:処理装置
21:入力制御手段
22:利用者識別手段
23:処理手段
24:画面ロック・解除手段
25:表示制御手段
26:認証情報読取手段
27:キーボード
28:ICタグ又はICカード
281:認証情報
29:画面(表示装置)
30:DB(データベース)
31:個人識別テーブル
32:履歴情報テーブル
33:記録設定情報テーブル
34:画面履歴ファイル
35:入力履歴ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に表示された情報を退避し、復元時に元の状態に戻すモニタ表示制御システムにおいて、
画面上に表示されたウィンドウに対応づけて当該ウィンドウ内に表示された情報のドットイメージを格納する画面履歴ファイルのIDおよび当該ウィンドウ内に入力された情報を格納する入力履歴ファイルのIDを格納する履歴情報テーブルと、
画面上で新たなウィンドウの開設あるいは他の開設済みのウィンドウへの移動が検出された場合に、開設あるいは移動したウィンドウの順番に前記履歴情報テーブルに当該ウィンドウの前記画面履歴ファイルのIDおよび前記入力履歴ファイルのIDを格納すると共に、画面履歴ファイルに当該ウィンドウのドットイメージを格納および入力履歴ファイルに当該ウィンドウに入力された情報を格納する手段と、
前記画面を表示しているシステムが所定モードに入ったときに前記履歴情報テーブル、前記画面履歴ファイルおよび前記入力履歴ファイルを退避する手段と、
前記システムが所定モードから復帰したときに、退避した前記履歴情報テーブル、前記画面履歴ファイルおよび前記入力履歴ファイルをもとに画面上に復元する手段と
を備えたことを特徴とするモニタ表示制御システム。
【請求項2】
前記所定モードに入ったときは、利用者が画面を表示している計算機システムの入力装置が所定時間以上連続して入力されなかったと検出されたとき、あるいは利用者が所持するICタグ、IDカードから当該利用者の情報が所定時間以上連続して読み取れなかったときとしたことを特徴とする請求項1記載のモニタ表示制御システム。
【請求項3】
前記復帰時に、退避直前の最終の状態あるいは予め指定された状態のウィンドウを表示した画面に復元することを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のモニタ表示制御システム。
【請求項4】
前記画面履歴ファイルの一覧を提示し、任意に選択されたウィンドウの前記画面履歴ファイルをもとに画面上にドットイメージのウィンドウを復元表示、あるいは当該ドットイメージの復元されたウィンドウ上に、更に前記任意に選択されたウィンドウの前記入力履歴ファイル中のテキストデータをもとに入力情報を再現表示することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のモニタ表示制御システム。
【請求項5】
画面に表示された情報を退避し、復元時に元の状態に戻すモニタ表示制御システムによって行われるモニタ表示制御方法において、
前記モニタ表示制御システムが、
画面上で新たなウィンドウの開設あるいは他の開設済みのウィンドウへの移動が検出された場合、開設あるいは移動したウィンドウの順番に、画面上に表示されたウィンドウに対応づけて当該ウィンドウ内に表示された情報のドットイメージを格納する画面履歴ファイルのIDおよび当該ウィンドウ内に入力された情報を格納する入力履歴ファイルのIDを格納する履歴情報テーブルに、当該ウィンドウの前記画面履歴ファイルのIDおよび前記入力履歴ファイルのIDを格納すると共に、画面履歴ファイルに当該ウィンドウのドットイメージを格納および入力履歴ファイルに当該ウィンドウに入力された情報を格納するステップと、
前記画面を表示しているシステムが所定モードに入ったときに前記履歴情報テーブル、前記画面履歴ファイルおよび前記入力履歴ファイルを退避するステップと、
前記システムが所定モードから復帰したときに、退避した前記履歴情報テーブル、前記画面履歴ファイルおよび前記入力履歴ファイルをもとに画面上に復元するステップと
を有することを特徴とするモニタ表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−26770(P2010−26770A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187168(P2008−187168)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】