説明

モバイル無線サブスクライバの探索方法及び装置

【課題】モバイル無線ネットワークにおいて、少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する。
【解決手段】a)セルの送信ステーションまでの少なくとも1つの距離パラメータを各受信フィールド強度に割り当てるように、接続セットアップにより決まった情報からセル毎の表を作成する。b)受信フィールド強度に相関し、測定レポートにて送信された少なくとも1つの値に対して、各セルの送信ステーションに割り当てられた距離パラメータをステップaで作成された表から読み出す。ステップbで読み出した距離パラメータを満足する少なくとも1つのポイントを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アドレス可能な最小単位がセルであり、送信ステーションが各セルに関連し、少なくとも接続セットアップにおいて;受信フィールド強度に関する情報と、アクティブなセルの送信ステーションまでのモバイル無線サブスクライバ(加入者)の距離に相関するパラメータの情報とを決定し;アクティブなモバイル無線リンクを有するか有しないにかかわらず、モバイル無線サブスクライバが箇条書きの測定レポートを少なくとも1回送信し、上記測定レポートが少なくとも2つの送信ステーションを含み、各送信ステーションに対して、この送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値を割り当てるという特徴を少なくとも有するモバイル無線ネットワークにおいて;少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する方法に関する。さらに、本発明は、この方法を実行するために対応する探索装置及びコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本願において、アドレス可能な最小単位(ユニット)とは、モバイル無線領域において、この条件の割り当てとは無関係に、セルを意味する。例えば、UMTS(ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム)において、完全な放射環境、即ち、ノードB(NodeB)と呼ばれるベース・ステーション(基地局)の360度を6つの分割領域に分割する。各領域に割り当てられた送信ステーションが同じであっても、以下の説明の意味の範囲で、これら領域の各1つにある識別子を割り当てて、これら領域の各々をアドレス可能な最小ユニット、即ち、セルとする。これを他のネットワーク・スタンダード、例えば、GSMネットワークにも適用する。
【0003】
モバイル無線サブスクライバの位置を高精度に探索することは、種々の理由によりとても重要である。モバイル無線サブスクライバは、モバイル無線プロバイダのサービスを利用できる状態で、ある領域内でほとんど相関がない状態で移動する。リンクに伴う問題、例えば、コールの終了問題が生じた位置を探索することがプロバイダにとって非常に重要である。例えば、かかる問題は、期間適用範囲問題に含まれる。
【0004】
従来から知られたアプローチは、セルに関する指示を読み出すことであり、プロトコル・メッセージからモバイル無線サブスクライバを探索する。よって、セルの座標が登録されている外部データベースにより、モバイル無線サブスクライバの位置をセルのライティング・サイズ(cell lighting size)で比較的大雑把に求めることができる。
【0005】
GPS装置に結合したモバイル無線装置を車両によって移動するドライブ試験により、高い精度を達成できる。しかし、かかるドライブ試験は、時間がかかるので、経費がかかる。しかし、これは、単に試験ドライブ中の試験無線装置の位置が関係する。GPSを一緒に搬送しないネットワークの場合、実際のユーザを探索できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−032770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、少ない作業によりできるだけ正確にモバイル無線サブスクライバを探索できる方法、装置、及びこの方法を実行するために対応するコンピュータ・プログラム製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様は、以下の通りである。
(1)アドレス可能な最小単位がセル(BS1、Cell ID1;BS1、Cell ID2;BS1、Cell ID3)であり、送信ステーションが各セルに関連し;少なくとも接続セットアップにおいて、受信フィールド強度に関する情報と、アクティブなセルの送信ステーションまでのモバイル無線サブスクライバの距離に相関するパラメータの情報とを決定し;アクティブなモバイル無線リンクを有するか有しないにかかわらず、モバイル無線サブスクライバが箇条書きの測定レポートを少なくとも1回送信し、測定レポートが少なくとも2つの送信ステーションを含み、各送信ステーションに対して、この送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値を割り当てるモバイル無線ネットワークにおいて;少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する方法であって;a)セルの送信ステーションまでの少なくとも1つの距離パラメータを各受信フィールド強度に割り当てるように、接続セットアップにより決まった情報からセル毎の表を作成し;b)受信フィールド強度に相関し、測定レポートにて送信された少なくとも1つの値に対して、各セルの送信ステーションに割り当てられた距離パラメータを、ステップa)で作成された表から読み出し;c)ステップb)で読み出した距離パラメータを満足する少なくとも1つのポイントを決定することを特徴とするモバイル無線サブスクライバの探索方法。
(2)ステップc)において、セルの送信ステーションの少なくとも1つの開放角度を考慮する態様1の探索方法。
(3)ステップb)において、少なくとも2つの送信ステーションまでの距離パラメータを読み出し、ステップc)において、ポイントを求めるのにこの距離パラメータを用いる態様1又は2の探索方法。
(4)測定レポートを送信する時点の間に、少なくとも1つの更なる時点(tE)及び少なくとも1つの送信ステーションに対する受信フィールド強度及び/又は少なくとも1つの送信ステーションまでの距離パラメータを内挿法により求める態様1〜3の1つの探索方法。
(5)最後に送信した測定レポートにより求まる距離パラメータに基づいて接続が強制終了した後に、少なくとも1つの送信ステーションまでの距離、好ましくは少なくとも2つの送信ステーションまでの距離を時間(tCA)に対して外挿法により求める態様1〜4の1つの探索方法。
(6)測定レポートは、連続的に送信され、好ましくは、100ミリ秒から10秒ごとに定期的に送信されるか、事象に関連して送信され、特に、最強の受信フィールド強度で受信された送信ステーションの変化により送信される態様1〜5の1つの探索方法。
(7)G2モバイル無線ネットワークのタイミング・アドバンス・パラメータから、若しくは、G3ネットワーク又は対応するネットワークの伝搬遅延パラメータから距離パラメータを求める態様1〜6の1つの探索方法。
(8)異なるモバイル無線装置、特に、異なる形式のモバイル無線装置に対して、ステップa)による表を作成し、ステップb)による読み出し及びステップc)による決定をモバイル無線装置に特定して行う態様1〜7の探索方法。
(9)ステップa)による表を試験ドライブにより得る態様1〜8の探索方法。
(10)アドレス可能な最小単位がセル(BS1、Cell ID1;BS1、Cell ID2;BS1、Cell ID3)であり、送信ステーションが各セルに関連し;少なくとも接続セットアップにおいて、受信フィールド強度に関する情報と、アクティブなセルの送信ステーションまでのモバイル無線サブスクライバの距離に相関するパラメータの情報とを決定し;アクティブなモバイル無線リンクを有するか有しないにかかわらず、モバイル無線サブスクライバが箇条書きの測定レポートを少なくとも1回送信し、上記測定レポートが少なくとも2つの送信ステーションを含み、各送信ステーションに対して、この送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値を割り当てるモバイル無線ネットワークにおいて;少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する探索装置であって;セルの送信ステーションまでの少なくとも1つの距離パラメータを各受信フィールド強度に割り当てるように、接続セットアップにより決まった情報からセル毎の表を作成し;受信フィールド強度に相関し、測定レポートにて送信された少なくとも1つの値に対して、各セルの送信ステーションに割り当てられた距離パラメータを表から読み出し;この読み出した距離パラメータを満足する少なくとも1つのポイントを決定することを特徴とするモバイル無線サブスクライバの探索装置。
(11)表を作成する少なくとも1つの蓄積装置を含む態様10の探索装置。
(12)表示装置を含み、決定したポイントの位置座標を表示するように構成された態様10又は11の探索装置。
(13)決定したポイント及び受信可能な送信ステーションのマップを表示するように構成された態様12の探索装置。
(14)態様1〜9の1つにより方法を実行するコンピュータ・プログラム。
【0009】
いずれにせよ、ネットワークにて送信された情報を巧妙に評価することにより、ドライブ試験によらず、また専用測定装置によらずに、モバイル無線サブスクライバの探索を可能にすることに本発明が基づいている。このため、接続セットアップで決めたセル毎の情報から表を作成し、セルの送信ステーションまでの少なくとも1つの距離パラメータを各受信フィールド強度に割り当てる。その後、各セルの送信ステーションまでの割り当て済み距離パラメータを、受信フィールド強度に相関した表から得た少なくとも1つの値から読み出し、測定レポートで送信して、最終的に、読み出し距離パラメータを満足するポイントを決定する。
【0010】
いくつの距離パラメータをリンクするかにより、モバイル無線サブスクライバの位置を非常に正確に決定できる。アクティブ状態、即ち、話、データ又は制御データのアクティブ・モバイル・リンクが存在する状態と、アクティブ・モバイル無線リンクのないアイドリング状態の両方で位置を決定(特定)できる。さらに、この位置は、ある時にはあるポイント、例えば、コールの開始にて可能なばかりでなく、ある時には任意のポイントでも可能である。本発明は、セル・ライティング・サイズに対してモバイル無線サブスクライバの位置を決定するための従来技術のアプローチに基づいている。しかし、これは、更に正確な探索のためのパラメータを用い、各セルの対の値との新たな相関により、種々のセルにおける特定のフィールド伝搬状態を考慮する。
【0011】
トポロジーと、特定開発によるフィールド伝搬状態とがセル毎に変化するので、データベースを受信パラメータから各セル用に作成し、距離パラメータ、例えば、TA(GSMスタンダードのタイミング・アドバンス、又はUMTSスタンダードの伝搬遅延)をレポートする。この方法は、各セルに対して、ほぼ可能な対の値を提供できるアルゴリズムを用いる。近隣のセルから収集したデータを考慮することにより、正しい対を見つけ、誤った対を除外できる。例えば、これは、三角法により実行できる。
【0012】
このアプローチにより、受動的に測定したフィールド強度によって、例えば、モバイル無線サブスクライバから受信したメッセージによって、モバイル無線サブスクライバの距離を決定できる。好ましくは、近隣のセルから収集されたデータに対しても三角法により、位置決定が可能である。さらに、その時の不連続な測定値から、内挿法又は外挿法により、連続な探索が可能となる。各セルにおける特定の受動的な測定により、即ち、判った位相により、かなり異なる展開に対しても、典型的な結果を得ることが可能である。
【0013】
例えば、UMTSスタンダードにて、幅が210m(+/−105m)のセル内において、「ケーキのスライス」の精度で、少なくとも1つの距離パラメータを評価できる。一方、このパラメータは、従来技術を大幅に改善しているが、位置を決めるために、少なくとも2つの送信ステーションに対する距離パラメータを読み出して用いると、一層正確な結果を達成できる。ここで、特に都合よく、セルの送信ステーションの開放角度(opening angle)を考慮できる。よって、不正確に決定したポイントを除外できる。すなわち、セルの各送信ステーションの周りの2つの円により、2つの距離パラメータを評価すると、交差の2つのポイントが得られる。1つのポイントが2つのセルの一方の考慮すべき開放角度の外側の場合、このポイントが除外されて、他のポイントを正確なものとして決定できる。
【0014】
特に望ましいモバイル無線サブスクライバの位置では、測定レポートを伝送する時点と事象が必然的に一致しないので、この事象の時点でモバイル無線サブスクライバが配置される位置を内挿法により特に巧みに決定できる。このため、その時点のポイント及び少なくとも1つの送信ステーションに対する内挿法により、受信フィールド強度及び/又は少なくとも1つの送信ステーションまでの距離パラメータを決定する。種々の線形又は非線型方法を内挿法に適用できる。
【0015】
例えば、最後の送信済み測定レポートによって決定した距離パラメータにより、特定の事象が接続中止ならば、少なくとも1つの送信ステーション、好ましくは、少なくとも2つの送信ステーションまでの距離パラメータを外挿法による接続中止の時間に決定できる。種々の線形又は非線型アルゴリズムをこれに用いることができる。
【0016】
好ましくは、例えば、通常は、100ミリ秒から10秒ごとに、又は、事象に関連して、特に、最強の受信フィールド強度で受信される送信ステーションの変化に応じて、測定試験ポイントが連続的に送信される。よって、低い帯域幅でモバイル無線サブスクライバを非常に正確に探索できる。特別な問題の場合、エア・インタフェースのプロトコルの作用により、測定レポートが送信されるレートを一時的に増加できる。
【0017】
特に、G2モバイル無線ネットワークのタイミング・アドバンス・パラメータから、若しくは、G3ネットワーク又はこれに対応する伝搬遅延パラメータから、供給パラメータを決定する。伝搬遅延パラメータにより1ビットが78mに対応して、距離の分解能は、理想的な場合に+/−39mである。いくつかの場合、最小3ビットの精度でレポートし、いずれにせよ、これが+/−117mの精度に対応する。
【0018】
異なるモバイル無線装置、特に異なる形式のモバイル無線装置用に表を作成できる。ここで、モバイル無線サブスクライバの位置を読み出し、及び/又は決定することは、モバイル無線装置に特に影響する。試験ドライブにより表を得ることができる。従来技術に対して、ここでは、GPS装置のない従来のモバイル無線装置を用いることができる。よって、品質、即ち、表の分解能を適切に改善できる。
【0019】
本発明の方法に基づいた好適な実施例とその利点は、可能ならば、同様に、本発明の探索装置と、本発明によるコンピュータ・プログラムに適用される。
【0020】
本発明の探索装置の好適な実現には、表を作成するために少なくとも1つの蓄積装置を含む。好ましくは、本発明の探索装置は、表示装置を更に含み、決定したポイントの位置座標を表示するように構成されている。特に好適には、決定ポイント及び受信可能な送信ステーションのマップを表示するように構成されている。よって、ユーザは、決定した位置及びその環境を特に迅速且つ安定的に認識できる。好適な実施例は、後述から更に明らかになろう。本発明の方法による実施例は、添付図を参照して詳細に後述する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】距離が異なるセルの受信フィールド強度に割り当てられた表を示す図である。
【図2】モバイル無線サブスクライバXが時点t1にアクティブ・セルに送信する第1測定レポートと、例えば表1を適用して決定された2つの送信ステーションの距離パラメータを示す図である。
【図3】第1の探索例を示し、2つの距離パラメータと開放角度を用いて、図2の測定レポートに対してモバイル無線サブスクライバの位置を決定することを説明する図である。
【図4】モバイル無線サブスクライバXが時点t2にアクティブ・セルに送信する第2測定レポートと、例えば表1を適用して決定された3つの送信ステーションの距離パラメータを示す図である。
【図5】第2の探索例を示し、4つの距離パラメータを用いて、図4の測定レポートに対してモバイル無線サブスクライバの位置を決定することを説明する図である。
【図6】時点tEにて内挿法により、時点tCAにて外挿法によりモバイル無線サブスクライバの位置を決定する例を説明する図である。
【図7】特定の場所に集中したモバイル無線サブスクライバと基地局(ベース・ステーション)を示すスクリーンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、各セル用に対の値が蓄積された表を示し、値の各対は、そこに送信される接続セットアップ及び距離パラメータにおける受信フィールド強度を表す。実際には、理解を助けるために、距離パラメータを、対応セルの送信ステーションまでのモバイル無線サブスクライバの距離に変換する。GSMネットワークにおいて、距離パラメータは、タイミング・アドバンス・パラメータである一方、UMTSネットワークにおいて、距離パラメータは、伝搬遅延パラメータである。パラメータが送信され、そこから、モバイル無線サブスクライバ及びアクティブな送信ステーションの間の距離が決まれば、本発明は、勿論、他のネットワーク・スタンダードにも適用可能である。
【0023】
好ましくは、本発明の探索装置において、この表を作成する。例えば、GSMのベース・ステーション又はUMTSネットワークのノードBにて、箇条書きの測定レポートの受動的なモニタ用のエア・インタフェースの前で、ネットワークの最も外側のノードに探索装置が接続される。しかし、階層の高いネットワーク要素にも、探索装置を接続できる。
【0024】
この表から明らかなように、2つの距離は、セルBS1, Cell ID1の−70dBm、即ち、150m及び300mの受信フィールド強度が対象となる。
【0025】
図2は、第1例として、測定レポート、即ち、モバイル無線サブスクライバ(MFT)Xがアクティブなセル、実際には、BS1, Cell ID1に時点t1にて送信するいわゆる箇条書きの測定レポートを示す。この測定レポートは、好ましくは受信フィールド強度により構成され、基準信号、例えば、全ての受信可能な送信ステーションの内の一定パワーの送信ステーションから放射されたCPiCh(= Common Pilot Channel)信号の受信フィールド強度を含む。よって、送信ステーションBS1, Cell ID1が−87dBmで受信され、BS2, Cell ID1が−88dBmである。図1の表における各送信ステーション用の対応受信フィールド強度を探索すると、時点t1にて、モバイル無線サブスクライバXがセルBS1, Cell ID1の送信ステーションから520m離れており、セルBS2, Cell ID1の送信ステーションから600m離れていることが明らかになる。
【0026】
図3は、第1〜第4ベース・ステーションBS1〜BS4が登録されたマップを示す。実際には、各ベース・ステーションは、Cell ID1〜Cell ID3と例示的に示す3つのステーションを有する。したがって、各Cell IDは、関連したベース・ステーションに配置された送信ステーションから開始する120度の開放角度を有する。実際には、各Cell IDの送信ステーションを関連したベース・ステーションに配置している。
【0027】
図2に応じて決定した値が図3のマップに入れると、その結果は、ベース・ステーションBS1の周囲で半径520mの円と、ベース・ステーションBS2の周囲で半径600mの円となる。これら2つの円がポイントP1及びP2と交差する。第1に、時点t1にてモバイル無線サブスクライバX用の位置として、これら2つのポイントP1、P2を考慮する。セルBS2, Cell ID1の開放角度を追加的に考慮すると、ポイントP1を除外できる。よって、時点t1でのモバイル無線サブスクライバXの実際の位置は、ポイントP2である。
【0028】
図4は、時点t2にてアクティブなセルBS2, Cell ID1に送信されたモバイル無線サブスクライバX用の第2の箇条書きの測定レポートを示す。図1の表にて探索することにより、モバイル無線サブスクライバXの距離の結果は、時点t2にてセルBS2, Cell ID1の送信ステーションから600mであり、セルBS1, Cell ID1の送信ステーションから150m又は300mであり、セルCell BS3, Cell ID2の送信ステーションから250mである。
【0029】
図5は、この例の結果としてのコンステレーションを示す。まず、セルBS2, Cell ID1及びBS1, Cell ID1の送信ステーションからの距離を評価すると、その結果は、2つの可能なポイントP1及びP2である。これとは対照的に、セルBS3, Cell ID2の送信ステーションからのモバイル無線サブスクライバの距離を更に評価すると、その結果には、交差する他のポイントP3であるが、ポイントP1が3つの距離条件の全てを満足する。よって、ポイントP1は、時点t2におけるモバイル無線サブスクライバXの位置である。
【0030】
図6は、セルBS1, Cell ID1の送信ステーションとセルBS2, Cell ID2の送信ステーションまでのモバイル無線サブスクライバXの距離の時間的経過を示す。まず、測定レポートにて送信された情報により、結果のポイントが登録される。これらは、小さな×印により識別される。内挿法により、測定レポートを送信した時点の間の時間に対する距離を決定できる。よって、ある事象が生じた時点tEにて、高精度で、距離の内挿法によりモバイル無線サブスクライバXの位置を決定できる。よって、モバイル無線サブスクライバXは、時点tEにてセルBS1, Cell ID1の送信ステーションからX1mだけ離れており、セルBS2, Cell ID2の送信ステーションからX2mだけ離れている。コールが終了すると、内挿法が有効でなくなる。コール終了の時点tCAでの距離は、外挿法により正確に決定できる。よって、モバイル無線サブスクライバXは、時点tCAにてセルBS1, Cell ID1の送信ステーションからY1mだけ離れ、セルBS2, Cell ID2の送信ステーションからY2mだけ離れている。勿論、このアプローチにおいて、更なる送信ステーションまでの距離も決定でき、位置の決定に考慮できる。
【0031】
図7は、本発明による探索装置の表示装置20のスクリーン上に描かれたマップを示す。ここで、探索されたモバイル無線サブスクライバ(小さな矩形示される22)と、表示された図形領域内に配置されたベース・ステーション24i及びその結果のセルとは、実際の開放角度を考慮して、マップ内に登録される。これら矩形22iの1つで又はこれら登録されたベース・ステーション24iの1つがカーソルにより移動すると、対応するモバイル無線リンク又は対応するベース・ステーションへのモバイル無線サブスクライバ(特に、リンクなどへの指示による識別)への更なる情報を夫々ポップ・アップ・ウィンドウに表示する。
【0032】
必要に応じて、更に微細なスクリーニング及びモバイル無線サブスクライバの更に詳細な位置探索を可能にするため、ドライブ試験により、更なる入力によって図1の表を埋めることができる。上述の如く、本発明による測定装置は、UMTSスタンダードに応じたモバイル無線ネットワークのluBインタフェースに好ましくは配置される。
【符号の説明】
【0033】
20 表示装置
22i 矩形
24i ベース・ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アドレス可能な最小単位がセルであり、送信ステーションが各セルに関連し;少なくとも接続セットアップにおける受信フィールド強度に関する情報と、アクティブなセルの上記送信ステーションまでのモバイル無線サブスクライバの距離に相関するパラメータの情報とを決定し;アクティブなモバイル無線リンクを有するか有しないにかかわらず、モバイル無線サブスクライバが箇条書きの測定レポートを少なくとも1回送信し、上記測定レポートが少なくとも2つの送信ステーションを含み、各送信ステーションに対してこの送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値を割り当てるモバイル無線ネットワークにおいて;少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する方法であって、
a)上記セルの上記送信ステーションまでの少なくとも1つの距離パラメータを各受信フィールド強度に割り当てるように、接続セットアップにより決まった上記情報からセル毎の表を作成し、
b)上記受信フィールド強度に相関し、上記測定レポートにて送信された少なくとも1つの値に対して、上記各セルの上記送信ステーションに割り当てられた距離パラメータを、上記ステップa)で作成された上記表から読み出し、
c)上記ステップb)で読み出した距離パラメータを満足する少なくとも1つのポイントを決定する
ことを特徴とするモバイル無線サブスクライバの探索方法。
【請求項2】
アドレス可能な最小単位がセルであり、送信ステーションが各セルに関連し、少なくとも接続セットアップにおいて、受信フィールド強度に関する情報と、アクティブなセルの上記送信ステーションまでのモバイル無線サブスクライバの距離に相関するパラメータの情報とを決定し、アクティブなモバイル無線リンクを有するか有しないにかかわらず、モバイル無線サブスクライバが箇条書きの測定レポートを少なくとも1回送信し、上記測定レポートが少なくとも2つの送信ステーションを含み、各送信ステーションに対して、この送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値を割り当てるモバイル無線ネットワークにおいて、少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する探索装置であって、
上記セルの上記送信ステーションまでの少なくとも1つの距離パラメータを各受信フィールド強度に割り当てるように、接続セットアップにより決まった上記情報からセル毎の表を作成し、
上記受信フィールド強度に相関し、上記測定レポートにて送信された少なくとも1つの値に対して、上記各セルの上記送信ステーションに割り当てられた距離パラメータを上記表から読み出し、
この読み出した距離パラメータを満足する少なくとも1つのポイントを決定する
ことを特徴とするモバイル無線サブスクライバの探索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−57176(P2010−57176A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185903(P2009−185903)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(503050951)テクトロニクス・インターナショナル・セールス・ゲーエムベーハー (35)
【Fターム(参考)】