説明

モールドの製造方法

【課題】表面に小面積の微細凹凸構造を有する金型を用いたモールドの製造方法において、バッチ式での賦型・転写により表面平坦性が高い大面積モールドを製造可能なモールドの製造方法を提供すること。
【解決手段】金型32の微細凹凸部33に光硬化性樹脂を充填した後に、微細凹凸部の領域よりも相似的に縮小した開口部37aを有するマスク37を用い、微細凹凸部32の中心と開口部37aの中心とを概略一致させて、露光・硬化して微細凹凸構造部36を形成する第1転写工程と、前工程で形成した微細凹凸構造部36の端部に微細凹凸部32の境界33aが隣接するように金型32を配置した後に、微細凹凸部33の領域よりも相似的に縮小した開口部42aを有するマスク42を用い、微細凹凸部33の中心と開口部42aの中心とを概略一致させて、露光・硬化して微細凹凸構造部43を形成する第2転写工程と、を具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性樹脂を用いて金型表面の微細凹凸構造を転写するモールドの製造方法に関し、特に、ナノインプリントリソグラフィ用の大面積モールドとして好適に用いられるモールドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノインプリントリソグラフィ技術は、生産性が低い電子ビームリソグラフィや高価な光学リソグラフィに変わる技術として注目されている。特に、UV光を利用するUVナノインプリントは、その生産性の高さから電子ビームリソグラフィなどの生産性の問題を克服できる技術として近年脚光を浴びている。
【0003】
ナノインプリントリソグラフィ技術の一例として、電子ビームリソグラフィや他の方法を利用して作製した金型を用いる微細凹凸構造の転写方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる方法では、ナノスケールの微細凹凸構造を有する金型を製作し、金型の微細凹凸構造を基材上のUV硬化性樹脂膜に押し付けて硬化させることによりナノスケールの構造を転写する。上記工程を複数回繰り返すことで、一つの基材上に複数の金型の微細凹凸構造とは反転した微細凹凸構造を容易に作製することができる。
【0004】
図6(a)〜図6(c)にナノインプリントリソグラフィ技術を利用した微細凹凸構造の転写工程の概略を示す。図6(a)〜図6(c)に示すように、ナノインプリントでは、基材61に設けられたレジスト層62に金型63を押圧し、露光・硬化した後にレジスト層62から金型63を剥離してレジスト層62に微細凹凸構造を転写する。このように、ナノインプリントリソグラフィ技術を使用することで、ナノスケールの微細凹凸構造を容易に転写・複製することが可能となる。
【0005】
ナノインプリントリソグラフィ技術を用いて製品を製造する場合には、微細凹凸構造が転写されたレジスト層62をマスクとして基材61をエッチングする。エッチング工程では、レジスト層62に転写された微細凹凸構造の凹部底部62aのレジストを除去してからエッチングする。このため、微細凹凸構造転写後のレジスト層62の凹部底部62aと基材61表面との間の膜厚L1(以下、残膜L1という)を数ナノメートルから数十ナノメートルといった範囲で非常に小さくする必要がある。残膜L1を薄くするためには、基材61上に塗布されるレジスト層62の膜厚をサブミクロンスケールで薄く制御する必要があり、特に、大面積の微細凹凸構造を転写する場合などには金型63の平滑性が重要となる。
【0006】
ナノインプリントリソグラフィ技術により大面積の微細凹凸構造を転写するには、円筒状のモールドや大面積の平板モールドなどが必要となる。このようなモールドを使用する方法としては、外周面に微細凹凸構造を形成した円筒を金型として使用し、リール上への微細凹凸構造の転写を連続的に行う方法(例えば、非特許文献1参照)や、表面に大面積の微細凹凸構造を形成したリールを金型とし、リールからリールへ連続的に微細凹凸構造を転写する方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
【0007】
しかしながら、非特許文献1記載の方法では、電子ビームリソグラフィなどで円筒表面への微細凹凸構造の形成を大面積で行う必要がある。このため、金型の作製を含めると生産性はむしろ低下する問題がある。また微細凹凸構造を変更する場合には、再度生産性が低く、且つ高コストの電子ビームリソグラフィなどの方法により新たに微細凹凸構造を作製する必要がある。
【0008】
一方、特許文献2記載の方法では、リール状の金型を作製するための微細凹凸構造を表面に有する円筒状の金型が必要となる。このため、小面積の金型からの複数回の転写によりリールを形成する必要があることに加え、金型から転写した微細凹凸構造をリール上に貼り付けるなどの必要がある。
【0009】
電子ビームリソグラフィなどにより作製された小面積の金型を使用する場合、金型の耐久性が低く、金型が高価であるため、電鋳などにより金型のレプリカを作製し、そのレプリカが金型として使用されている(例えば、特許文献3参照)。レプリカを作製する場合、図7(a)に示すように、基材71上に、表面に凹凸構造を有する金型72の両端部を固定テープ73で固定する。次いで、Ni電鋳を行うことにより、図7(b)に示す成形体74を作製する。この成形体74には、微細凹凸構造部75に金型72及び固定テープ73に由来するミクロンスケールの高低差L2が生じる。この高低差L2をなくすため、微細凹凸構造部75の両端側を切り出した成形体74がレプリカとして用いられている。
【0010】
このように、小型の金型の微細凹凸構造を転写して大面積のモールドを製造する場合、小型の金型の微細凹凸構造部の面積を効率よく活かせないことや、サブミクロンスケールの段差まで転写される問題があった。そしてこのような段差を持ったままの状態の金型を用いて、ナノインプリントリソグラフィ法で転写、露光硬化といった工程を進めていくと、段差部分における感光性樹脂の硬化度の均一性が保てず、結果として未硬化樹脂を洗い流すための洗浄工程のような更なる工程を必要とし、煩雑な工程をとらざるを得なくなる。更には、このような小型の金型を用いて連続的に転写、露光硬化、といったナノインプリントリソグラフィ法を進めてモールドを製造すると、当然に、繰り返し転写する金型部分間の境界部分に段差も生じ、上記したのと同様な問題を生じせしめることとなる。以上のことから、小型の金型を使っても効率よく連続転写によって製造できる、大面積かつ表面平坦性が高い連続モールドの製造方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−203697号公報
【特許文献2】特開2009−158731号公報
【特許文献3】特開2009−218616号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Journal of Photopolymer Science and Technology Vol.20, No.4(2007) 559−562
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、表面に小面積の微細凹凸構造を有する金型を用いたモールドの製造方法において、バッチ式での賦型・転写により表面平坦性が高い大面積モールドを製造可能なモールドの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のモールドの製造方法は、金型の微細凹凸部に光硬化性樹脂を充填した後に、前記微細凹凸部の領域よりも相似的に縮小した開口部を有するマスクを用い、前記微細凹凸部の中心と前記開口部の中心とを概略一致させて、前記光硬化性樹脂を露光・硬化して微細凹凸構造部を形成する第1転写工程と、前工程で形成した微細凹凸構造部の端部に前記微細凹凸部の端部が隣接するように前記金型を配置した後に、前記微細凹凸部の領域よりも相似的に縮小した開口部を有するマスクを用い、前記微細凹凸部の中心と前記開口部の中心とを概略一致させて、前記光硬化性樹脂を露光・硬化して微細凹凸構造部を形成する第2転写工程と、を具備することを特徴とする。
【0015】
本発明のモールドの製造方法においては、前記マスクは、前記金型の微細凹凸構造部と相似形状を有し、前記金型の前記微細凹凸構造部の外周より内側に2mm以上4mm以下縮小した相似形状であることが好ましい。
【0016】
本発明のモールドの製造方法においては、前記微細構造形成部が平面視略矩形形状であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、表面に小面積の微細凹凸構造を有する金型を用いたモールドの製造方法において、バッチ式での賦型・転写により表面平坦性が高い大面積モールドを製造可能なモールドの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係るモールドの製造方法で製造されるモールドの一例を示す図である。
【図2】(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係るモールドの製造方法で製造されるモールドの断面模式図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態に係るモールドの製造方法の第1転写工程の概略図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態に係るモールドの製造方法の第2転写工程の概略図である。
【図5】(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係るモールドの製造方法で製造されたモールドの一例を示す図である。
【図6】(a)〜(c)は、ナノインプリントリソグラフィ技術を利用した微細凹凸構造の転写工程の概略を示す図である。
【図7】(a)、(b)は、Ni電鋳によりレプリカを作製する際に生じる高低差を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
なお、以下の説明での金型、モールド、マスク及び微細凹凸構造部等の数、形状、寸法比などは特に限定されない。
【0020】
本実施の形態に係るモールドの製造方法は、金型の表面に形成された微細凹凸構造を基材上に転写して第1微細凹凸構造を形成する第1転写工程と、第1微細構造に隣接する位置に金型の微細凹凸構造を転写して第2微細凹凸構造部を形成する第2転写工程と、を具備する。第1転写工程及び第2転写工程では、金型の微細凹凸部の領域より小さい開口部を有するマスクを用い、マスクの開口部中央と金型の微細凹凸部の中央とを概略一致させるようにマスクを設けてから、光硬化性樹脂を露光・硬化させる。このようにマスクを設けることにより、露光時のマスク開口部からマスク開口部外側への光の漏れを利用して光硬化性樹脂の重合を適度に制御することができ、複数回の転写によって樹脂モールドを形成する場合においても平坦な樹脂モールドを形成することができる。このため、小面積の金型を用いても大面積の光ナノインプリント用のモールドを製造することが可能となる。まず、図1を参照して本実施の形態に係るモールドの製造方法で製造されるモールドの一例について説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係るモールドの製造方法で製造されるモールドの一例を示す図である。図1に示すように、このモールド1は、基材11と、基材11中央部に基材11表面から突出するように設けられた平面視略矩形形状の微細凹凸構造部12とを備える。微細凹凸構造部12は、微細凹凸構造を有する金型を用いた2度の転写によって形成されており、基材11上部に設けられ、第1転写工程によって形成された第1微細凹凸構造部13と、第1微細凹凸構造部13に隣接して基材11下部に設けられ、第2転写工程によって形成された第2微細凹凸構造部14とからなる。第1微細凹凸構造部13と第2微細凹凸構造部14との間には、境界12aが形成されている。なお、図1においては、同一の金型を用いた2回の転写によって微細凹凸構造12を形成した例について示しているが、微細凹凸構造12は、金型の微細凹凸構造を2回以上転写して形成してもよい。
【0022】
第1微細凹凸構造部13は、中央部に形成された凹凸部13aと、凹凸部13aの外縁部に設けられ、凹凸部13aと基材11との間の段差を埋める傾斜部13b〜13dとから構成されている。第2微細凹凸構造部14は、中央部に形成された凹凸部14aと、凹凸部14aの外縁部に設けられ、凹凸部14aと基材11との間の段差を埋める傾斜部14b〜14dとから構成されている。
【0023】
図2(a)は、図1のA−A線矢視断面の模式図であり、図2(b)は、図1のB−B線矢視断面の模式図である。なお、図2(a)及び図2(b)においては、第1微細凹凸構造部13及び第2微細凹凸構造部14の幅寸法及び高さ寸法を拡大して示している。
【0024】
図2(a)及び図2(b)に示すように、凹凸部13a及び凹凸部14aは、略同一の高さを有しており、境界12aを介して隣接して設けられている。凹凸部13aの外縁部に設けられた傾斜部13b〜13dは、凹凸部13aから離れるにつれ、凹凸部13aの上面側から基材11表面に向けて高さが連続的に減少する傾斜構造を有している。また、凹凸部14aの外縁部に設けられた傾斜部14b〜14dは、凹凸部14aから離れるにつれ、凹凸部14aの上面側から基材11表面に向けて高さが連続的に減少する傾斜構造を有している。傾斜部13b〜13d及び傾斜部14b〜14dは、後述する金型の微細凹凸構造の転写時の露光条件により任意に形成可能であり、必ずしも凹凸部13a及び凹凸部14aの外縁部の全てに設ける必要はない。本実施の形態に係るモールドの製造方法では、隣接する第1微細凹凸構造部13と第2微細凹凸構造部14との間の高低差が2μm以下であり、微細凹凸構造部12と基材11表面との間の高低差が2μm以下である微細凹凸構造部12を備えたモールドを製造することが可能となる。
【0025】
次に、本実施の形態に係るモールドの製造方法の一実施の形態について説明する。本実施の形態に係るモールドの製造方法は、上述したように、光硬化性樹脂としてのUV硬化性樹脂を用い、基材上に金型の微細凹凸構造を転写して第1微細凹凸構造を形成する第1転写工程と、基材上の第1微細凹凸構造に隣接した位置に金型の微細凹凸構造を転写して第2微細凹凸構造部を形成する第2転写工程とを具備する。
【0026】
図3(a)〜図3(d)に第1転写工程の概略を示す。まず、図3(a)に示すように、基材31上の第1微細凹凸構造形成部位に金型32を配置する。金型32は、不図示の金型基板から突出するように設けられた平面視略矩形形状の微細凹凸部33と、境界33aを介して微細凹凸部33の外周縁部に設けられ、微細凹凸部33と金型基板との間を埋める段差部34とを備える。図3(a)では、微細凹凸部33に光硬化性樹脂(不図示)を充填してから微細凹凸部33と基材31表面とが対向するように金型32を配置した例を示している。なお、金型32は、少なくとも微細凹凸部33と基材31表面との間に光硬化性樹脂が存在した状態で基材31上に配置すればよく、例えば、図3(b)に示すように、基材31上の全面にUV硬化性樹脂膜35を形成してから、微細凹凸部33が基材31表面と対向するように配置してもよい。
【0027】
次いで、図3(c)に示すように、基材31を介して金型32の反対面側に露光用のマスク37を設ける。マスク37は、金型32の微細凹凸部33の領域に対して相似的に面積が縮小した開口部37aを有しており、この開口部37aの中心と、金型32の微細凹凸部33が形成された領域の中心とが概略一致するように設けられる。なお、マスク37は、後述する光の漏れを利用してUV硬化性樹脂を露光・硬化できる範囲であれば配置は特に限定されず、基材31に対して金型32と同一面側に設けてもよい。
【0028】
次に、マスク37を介して露光し、UV硬化性樹脂を硬化する。第1転写工程では、微細凹凸部33より相似的に面積が縮小した開口部37aを有するマスク37を用いるため、UV光を露光した際に、マスク37の開口部37aから漏れたUV光が金型32の境界33a側(開口部37aの外側)へ僅かに入り込む。このため、開口部37aと金型32の境界33aとの間の範囲R1では、UV硬化性樹脂の一部が硬化する。この範囲R1では、開口部37a側から境界33a側に向けて入り込むUV光が徐々に減少する。このため、UV光によって重合・硬化するUV硬化性樹脂が、開口部37a側から境界33a側に向けて徐々に減少する。
【0029】
次いで、図3(d)に示すように、マスク37を除去し、硬化したUV硬化樹脂から金型32を剥離してから未露光のUV硬化性樹脂を洗浄することにより、第1微細凹凸構造部36が形成される。ここで、開口部37aと金型32の境界33aとの間である範囲R1では、重合したUV硬化性樹脂の濃度が開口部37aから境界33a側に向けて減少しているので、開口部37aから境界33a側に向けて洗浄によって除去されるUV硬化性樹脂が増大する。このため、第1転写工程で製造される第1微細凹凸構造部36は、図2(a)、(b)に示した第1微細凹凸構造部13と同様に、中央部には高さが平坦な凹凸部36aが形成され、凹凸部36aの外縁部に凹凸部36aから離れるにつれて高さが連続的に減少する傾斜部36b〜36eが形成される。なお、第1微細凹凸構造部36の傾斜部36b〜36eのうち一部を設けない場合には、金型32の微細凹凸部33の段差部34が開口部37aから露出するようにマスク37を設ければよい。
【0030】
次に、図4(a)〜図4(d)を参照して、第2転写工程について説明する。第2転写工程では、第1微細凹凸構造部36と隣接する基材31上部に金型32の微細凹凸構造を転写する。まず、図4(a)に示すように、第1微細凹凸構造部36の凹凸部36aと傾斜部36eとの間の境界と、金型32の境界33aとが概略一致するように、微細凹凸部33に光硬化性樹脂を充填した金型32を配置する。なお、図4(b)に示すように、第1転写工程と同様に、基材31上の全面にUV硬化性樹脂膜41を形成してから、金型32を配置してもよい。
【0031】
次いで、図4(c)に示すように、基材31を介して金型32の反対面側に露光用のマスク42を設ける。マスク42は、マスク37と同様に金型32の微細凹凸部33の領域に対して相似的に縮小した開口部42aを有しており、開口部42aの中心と金型32の微細凹凸部33が形成された領域の中心とが概略一致するように設けられる。なお、マスク42は、マスク37と同様に基材31に対して金型32と同一面側に設けてもよい。
【0032】
次に、マスク42を介して露光し、UV硬化性樹脂を硬化する。第2転写工程では、微細凹凸部33より相似的に面積が縮小した開口部42aを有するマスク42を用いるため、UV光を露光した際に開口部42aから漏れたUV光がマスク42の開口部42aから金型32の境界33a側(開口部42aの外側)へ僅かに入り込む。このため、開口部42aと金型32の境界33aとの間の範囲R2では、UV硬化性樹脂の一部が硬化する。この範囲R2では、開口部42a側から境界33a側(開口部42aの外側)に向けて入り込むUV光が徐々に減少する。このため、UV光によって重合・硬化するUV硬化性樹脂が、開口部42a側から境界33a側に向けて徐々に減少する。
【0033】
次いで、図4(d)に示すように、UV硬化性樹脂を露光・硬化してからマスク42及び金型32を剥離して基材31を洗浄することにより、第2微細凹凸構造部43が形成される。ここで、開口部42aと金型32の境界33aとの間の範囲R2では、重合したUV硬化性樹脂の濃度が開口部42aから境界33a側に向けて減少しているので、開口部42aから境界33a側に向けて洗浄によって除去されるUV硬化性樹脂が増大する。このため、第2転写工程で製造される第2微細凹凸構造部43は、図2(a)、(b)に示した第2微細凹凸構造部14と同様に、中央部には高さが平坦な凹凸部43aが形成され、凹凸部43aの外縁部に凹凸部43aから離れるにつれて高さが連続的に減少する傾斜部43b〜43eが形成される。なお、第2微細凹凸構造部43の傾斜部43b〜43eのうち一部を設けない場合には、金型32の微細凹凸部33の段差部34が開口部42aから露出するようにマスク42を設ければよい。
【0034】
以上の第1転写工程及び第2転写工程により、第1微細凹凸構造部36と、第2微細凹凸構造部43とからなるモールド44を製造することができる。なお、2回以上の転写を行う場合には、前工程で形成された微細凹凸構造部の外縁部と金型32の微細凹凸部33の境界33aとが概略一致するように金型32を配置する。
【0035】
次に、図5(a)、図5(b)を参照して本実施の形態に係るモールドの製造方法によって製造されるモールドについて詳細に説明する。図5(a)は、上述した第1転写工程及び第2転写工程によって形成されたモールド44の断面模式図である。図5(a)に示すように、モールド44の第1微細凹凸構造部36の凹凸部36aと第2微細凹凸構造部43の凹凸部43aとの間の範囲R3(範囲R1と範囲R2が重なる範囲)では、第1転写工程で露光・硬化するUV硬化性樹脂の量は、点線36fに示すように凹凸部36aから凹凸部43aに向けて減少し、第2転写工程で硬化するUV公開性樹脂の量が、点線43fに示すように凹凸部36aから凹凸部43aに向けて増大する。このため、範囲R3内では、第1転写工程及び第2転写工程を通じて露光・硬化するUV硬化性樹脂の量が略一定となり、第1微細凹凸構造部36と第2微細凹凸構造部43との境界44aを平坦にできる。このようにして、本実施の形態に係るモールドの製造方法では、凹凸部36aと凹凸部43aとの間の境界44aが連続的であり、高低差が2μm以下であると共に、凹凸部36a及び凹凸部43aと基材31表面との間が連続的であり、高低差が2μm以下であるモールド44を製造できる。
【0036】
また、図5(b)示すように、UV硬化性樹脂を介してモールド44の第1微細凹凸構造部36及び第2微細凹凸構造部43を基材51上に転写することにより、モールド44と相補形状のモールド52を形成することもできる。このモールド52は、基材51の両端側に設けられ、基材51中央部に向けて基材51側に傾斜する傾斜部52a、52bと、傾斜部52aと傾斜部52bとの間に設けられた平坦な微細凹凸構造部53a、53bとを備える。このモールド52は、基材51としてUV透過性の材質を使用する場合にはモールド44側及び/又は基材51側からUV光を照射することで転写でき、基材51としてUV光を透過しない材質を用いる場合にはモールド44側からUV光を照射することで転写できる。
【0037】
なお、上述した実施の形態においては、第2転写工程において、第1微細凹凸構造部36の凹凸部36aと傾斜部36eとの間の境界と、金型32の境界33aの端部とが概略一致するようにして第2微細凹凸構造部43を転写する例について説明したが、第1微細凹凸構造部36と第2微細凹凸構造部43との間の境界44aを平坦に設けることがでれば第2転写工程における金型32の配置は特に限定されない。例えば、第1微細凹凸構造部36の傾斜部36eの端部と、金型32の境界33aの端部とが概略一致するようにして第2微細凹凸構造部43を転写してもよい。また、上述した実施の形態においては、第1微細凹凸構造部36の上方に第2微細凹凸構造部43を形成する例について説明したが、第2微細凹凸構造部43は、第1微細凹凸構造部36の左右方向に形成しても同様にして微細凹凸構造部を形成することができる。
【0038】
本実施の形態に係るモールドの製造方法において、基材31としては、ナノインプリントリソグラフィに適合すれば特に限定されるものではないが、特にUV光を透過するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂の一種であり分子配向の少ないポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリカーボネート(PC)樹脂などから成る基材を用いることができる。
【0039】
本実施の形態に係るモールド製造方法において、金型32の微細凹凸構造は、ナノインプリントリソグラフィに適合すれば特に限定されるものではないが、例えば、ナノスケールの円柱や円錐や半球などが規則的に配列した構造や、ナノスケールのワイヤーがほぼ平行に配列した構造やナノスケールの円や三角や四角などのホールが規則的に配列した構造や、ナノスケールの屈曲した配線が並んだ構造などが挙げられる。
【0040】
本実施の形態に係るモールド製造方法において、UV硬化性樹脂としては、ナノインプリントリソグラフィに適合すれば特に限定されるものではないが、例えば、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ECH変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(ジ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、EO変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、ベンジル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロヘンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシアクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリドデシル(メタ)アクリレート、p−イソプロペニルフェノール、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾールなどが挙げられる。なお、EO変性とはエチレンオキシド変性をECH変性とはエピクロロヒドリン変性を、PO変性とはプロピレンオキシド変性を意味する。
【0041】
また、UV硬化性樹脂は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、ナノインプリントリソグラフィに適合すれば特に限定されるものではないが、例えばCiba社製のIrgacure(登録商標)184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、Irgacure(登録商標)2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、Irgacure(登録商標)500(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン)、Irgacure(登録商標)369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1)、Irgacure(登録商標)907(2−メチル−1[4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、Irgacure(登録商標)651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、Irgacure(登録商標)819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、Irgacure(登録商標)1800(ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン)、Irgacure(登録商標)OXE01(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、Irgacure(登録商標)1800(ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、Darocur(登録商標)1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン)、Darocur(登録商標)1174、Darocure(登録商標)1116、Darocure(登録商標)1020及びDarocure(登録商標)1398、BASF社製のLucirin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)、Lucirin TPO−L(2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド)、三和ケミカル製のMP−トリアジン(2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン)、三和ケミカル社製のTFE−トリアジン(2−[2−(フラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン)、三和ケミカル社製のTME−トリアジン(2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン)、ミドリ化学社製のTAZ−113(2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン)、ミドリ化学社製のTAZ−108(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン)、ベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、エチルミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、4−フェニルベンゾフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、チオキサントンアンモニウム塩、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、4,4’−ジメトキシベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1,1,1−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン及びジベンゾスベロン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルジフェニルエーテル、1,4−ベンゾイルベンゼン、ベンジル、2−ベンゾイルナフタレン、2−エチルアントラキノン、2,2−ビス(2−クロロフェニル)4,4’,5,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)1,2’−ビイミダゾール、2,2−ビス(o−クロロフェニル)4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン)、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、ブトキシエチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエートなどが挙げられる。
【0042】
第1転写工程において、UV硬化性樹脂を金型32の微細凹凸部33と基材31との間に設ける方法としては、金型32の微細凹凸部33上にグラビアメッシュやスピンコーターなどの塗布器具を用いて均一に塗布(充填)した後に基材31を張り合わせる方法や、金型32の微細凹凸部33上にUV硬化性樹脂を滴下(充填)してから基材31を張り合わせると共にUV硬化性樹脂を引き延ばす方法や、基材31上にグラビアメッシュやスピンコーターなどの塗布器具を用いて均一に塗布(充填)した後に金型32へ張り合わせる方法などが挙げられる。
【0043】
第1転写工程において、金型32の微細凹凸部33と基材31との間に設けるUV硬化性樹脂の膜厚は、特に限定されないが、製造されたモールドをナノインプリントリソグラフィ用のモールドとして使用するため、また環境負荷を軽減させるためにUV硬化性樹脂膜の厚みが2μm以下になるように調整することが好ましい。
【0044】
第2転写工程おいて、基材31上にUV硬化性樹脂を形成する方法としては第1転写工程と同様の方法を用いることができる。また、第2転写工程において、第1微細凹凸構造部36が既に設けられた基材31上にUV硬化性樹脂膜41を形成する場合(図4(b)参照)には、金型32の微細凹凸部33上にグラビアメッシュやスピンコーターなどの塗布器具を用いて均一に塗布してから、第1微細凹凸構造部36を有する基材31を微細凹凸部33側から金型32を配置する方法や、金型32の微細凹凸部33上にUV硬化性樹脂を滴下し第1微細凹凸構造部36を有する基材31を張り合わせると共に、UV硬化性樹脂を引き延ばす方法や、第1微細凹凸構造部36を有する基材31の微細凹凸構造部36面上にグラビアメッシュやスピンコーターなどの塗布器具を用いて均一に塗布した後に金型32へ張り合わせる方法などが挙げられる。特に、環境負荷の低減の為、金型32の微細凹凸部33を完全に覆うことができるようにUV硬化性樹脂膜41を塗布することがより好ましい。
【0045】
第2転写工程において、金型32の微細凹凸部33と基材31との間に設けるUV硬化性樹脂の膜厚は、基材31上の第1微細凹凸構造部36と新たに形成される第2微細凹凸構造部43との間の接合状態を良好にするため、2μm以下であることが好ましい。また、第2転写工程では、第1微細凹凸構造部36を作製する際に用いたUV硬化性樹脂の膜厚と同程度の膜厚を形成することが好ましい。
【0046】
第2転写工程では、基材31上に既に形成されている第1微細凹凸構造部36と新たに形成される第2微細凹凸構造部43との間の接合状態を良好(平坦)にするため、第1微細凹凸構造部36が形成された基材31に金型32を配置する際、金型32の微細凹凸部33と段差部34との間の境界33aと、基材31上に既に形成されている第1微細凹凸構造部36の傾斜部36eの端部とを500μm以下の精度で一致させること好ましい。このように配置することにより、第1微細凹凸構造部36と第2微細凹凸構造部43との間の境界44aの連続性及び平坦性が向上する。
【0047】
第1転写工程及び第2転写工程では、金型32の微細凹凸部33と段差部34との間の境界33aから微細凹凸部33側へ5mm以下の位置に開口部37a、42aが位置するように、マスク37、42を設けることが好ましい。このようにマスク37、42を設けることにより、開口部37aからのUV光の漏れを効果的に利用することができると共に、転写に用いる金型32の微細凹凸部33の面積を最大限に利用することができる。また、マスク37は、基材31上に配置された金型32の境界33aから微細凹凸部33側へ2mm以下の位置を基準に設けることがより好ましい。
【0048】
第1転写工程及び第2転写工程で用いるマスク37、42としては、平面視略矩形形状の開口部37aを有することが好ましい。また、開口部37a、42aの形状としては、金型32の微細凹凸部33に対して、2mm以上10mm以下に相似的に縮小した形状であることが好ましい。特に、開口部37a、42aからのUV光の漏れを利用し、転写する微細凹凸部33の面積を最大限に利用するため、金型32の境界33aから微細凹凸部33側へ2mm以上4mm以下に相似的に縮小した形状の開口部37a、42aを有するマスク37、42を用いることがより好ましい。
【0049】
マスク37、42の材質としては、UV光を透過しない材質であれば特に限定されるものではないが、例えば、Al、Cu、Ag、Fe、Pb、Cr、Ti、Znなどやそれらの酸化物、トリアセチルセルロースやポリイミドといったUV吸収性の樹脂など、或いはベンゾトリアゾール、ベンゾエート、ベンゾフェノン、トリアジン系の紫外線吸収剤を含有する樹脂などが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばCiba社から入手可能なTINUVIN P、TINUVIN P FL、TINUVIN326、TINUVIN326 FL、TINUVIN234、TINUVIN328、TINUVIN329、TINUVIN329 FL、TINUVIN213、TINUVIN571、TINUVIN1577FF、CHIMASSORB81、CHIMASSORB81 FL、TINUVIN 120などや台湾永光化学工業股分有限公司社から入手可能なEVERSORB 10、EVERSORB 11、EVERSORB 12、EVERSORB 70、EVERSORB 71、EVERSORB 72、EVERSORB 73、EVERSORB 74、EVERSORB 75などが挙げられる。
【0050】
第1転写工程及び第2転写工程において、UV硬化樹脂を露光・硬化後の洗浄に用いる洗浄液としては、洗浄によりUV硬化性樹脂の未硬化部が除去され且つモールド支持基材の膨潤や溶解などが生じなければ特に限定されないが、例えばエタノールやプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、N−ブタノールエタノールなどを使用することが挙げられる。また、これらの洗浄液で洗浄した後に純水で洗浄してもよい。
【0051】
本実施の形態に係るモールドの製造方法において、モールド44からUV硬化性樹脂を介した転写により作製されるモールド52の基材51としては、特に限定されないが、例えばUV透過性の例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂の一種であり分子配向の少ないポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリカーボネート(PC)樹脂などから成る基材や、UVを透過しないトリアセチルセルロースやポリイミドからなる基材、Fe、Cu、Cr、Si、Niやそれらの酸化物、石英、ガラス、ステンレスなどが挙げられる。
【0052】
モールド44からモールド52を製造する際において、モールド44の第1微細凹凸構造部36及び第2微細凹凸構造部43と基材51との間にUV硬化性樹脂を設ける方法は特に限定されないが、例えばUV硬化性樹脂膜を形成してもよい。UV硬化性樹脂膜をモールド44の第1微細凹凸構造部36と基材51との間にUV硬化性樹脂膜を形成する方法としては、モールド52の微細凹凸構造部53a、53b上にグラビアメッシュやスピンコーターなどの塗布器具を用いて均一に塗布した後に基材51を張り合わせる方法や、モールド44の第1微細凹凸構造部36及び第2微細凹凸構造部43上にUV硬化性樹脂を滴下して基材51を張り合わせると同時にUV硬化性樹脂を引き延ばす方法や、基材51上にグラビアメッシュやスピンコーターなどの塗布器具を用いて均一に塗布した後にモールド44の第1微細凹凸構造部36及び第2微細凹凸構造部43へ張り合わせる方法などが挙げられる。また、UV硬化性樹脂膜は、製造されたモールド52をナノインプリントリソグラフィ用のモールドとして使用するため、また環境負荷を軽減させるため厚みが2μm以下になるように調整することが好ましい。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態によれば、表面に微細凹凸構造部を有する金型を用い、金型の微細凹凸部の領域より小さい開口部を有するマスクを用いて露光・硬化することにより、第1転写工程で作製される第1微細凹凸構造部の高さと第2微細凹凸構造部の高さとの差を低減することができる。特に、本実施の形態においては、マスクの開口部の中心と、金型の微細凹凸構造部の中心とを概略一致させて露光・硬化することにより、マスク開口部からの光の漏れを用いて露光・硬化するので、第1微細凹凸構造部の傾斜部及び第2微細凹凸構造部の境界の傾斜部の傾斜構造を利用することができ、境界を平坦にすることができる。このため、特にナノインプリント用途に用いられるモールドの製造において、小面積の金型を用いる場合においても、大面積のナノインプリント用モールドを製造することができる。
【0054】
(実施例)
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0055】
(実施例1)
大きさ(高さ)150nm、ピッチ140nmの微細凹凸構造(微細凹凸部)を表面に有するニッケル製金型に、ハーベス社製のDurasurf 2101Zを用いて離型処理を施した。次いで、金型の微細凹凸部にトリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製 M350)を主成分とするUV硬化性樹脂を滴下し、100μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り合わせると共に、ハンドローラーを用いてUV硬化性樹脂を引き延ばした。続いて、金型の微細凹凸部外周縁から微細凹凸部内側へ2mmの位置を基準に開口部が設けられるように、ポリイミドからなるテープにてPETフィルム上にアルミのマスクを固定した。次いで、100mJ/cmの光量を持つUV照射源を、1mm/sec.の速度でPETフィルム上を通過させて露光した。露光後、マスクとPETフィルムを剥離し、エタノールで十分にPETフィルムの微細凹凸構造形成面を洗浄し、続いて純水にて洗浄した。最後にエアーブローで乾燥させることにより、PETフィルム上にニッケル製金型の微細凹凸構造を転写して第1微細凹凸構造部を形成した。
【0056】
次に、上記ニッケル製金型にトリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製 M350)を主成分とするUV硬化性樹脂を滴下し、第1微細凹凸構造部が転写されたPETフィルムの微細凹凸構造形成面を貼り合わせると共に、ハンドローラーを用いてUV硬化性樹脂を引き延ばした。この際、既に形成されている第1微細凹凸構造部の端部と金型の微細凹凸部の外周縁とが一致するように、且つ金型の微細凹凸部とPETフィルム上の第1微細凹凸構造部とが重ならないようにアライメントした。続いて、金型の微細凹凸部外周縁から微細凹凸部内側へ2mmの位置を基準に開口部が設けられるように、ポリイミドから成るテープにてPETフィルム上にアルミのマスクを固定した。次いで、100mJ/cmの光量を持つUV照射源を、1mm/sec.の速度でPETフィルム上を通過させて露光した。露光後、マスクとPETフィルムを剥離し、エタノールで十分にPETフィルムの微細凹凸構造形成面を洗浄し、続いて純水にて洗浄した。最後にエアーブローで乾燥させることにより、PETフィルム上にニッケル製金型の微細凹凸構造を転写して第2微細凹凸構造部を形成した。以上の工程により、PETフィルム上にニッケル製金型の微細凹凸構造が二つ転写された第1微細凹凸構造部及び第2微細凹凸構造部を有するモールドを作製した。
【0057】
得られたモールドについて、原子間力顕微鏡及び接触式段差計を用いて、第1微細凹凸構造部と第2微細凹凸構造部との間の境界、第1微細凹凸構造部及び第2微細凹凸構造部とPETフィルム表面との境界を評価した。その結果、第1微細凹凸構造部及び第2微細凹凸構造部には、ニッケル製金型の微細凹凸構造のレプリカが形成されており、第1微細構造部と第2微細構造部との境界の最大高低差は1μmであり連続していた。また、第1微細凹凸部及び第2微細凹凸構造部とPETフィルム表面との境界には最大高低差が2μmである傾斜構造が形成されていた。
【0058】
次に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、プロピレングリコールモノメチルエーテルで3wt.%に希釈したトリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製 M350)溶液を、1000rpmで10秒、500rpmで20秒間スピンコーティングして膜厚100nmのトリメチロールプロパントリアクリレート膜を形成した。次いで、TACフィルムのトリメチロールプロパントリアクリレート膜形成面と、上記モールドの第1微細凹凸構造部及び第2微細凹凸構造部が形成された面とを貼り合わせ、100mJ/cmの光量を持つUV照射源を、1mm/sec.の速度でPETフィルム上を通過させ露光した。露光後、PETフィルムとTACフィルムを剥離し、エタノールで十分にTACフィルムの微細凹凸構造転写面を洗浄し、続いて純水にて洗浄した。最後にエアーブローで乾燥させ、TACフィルム上に上記モールドの第1微細凹凸構造部及び第2微細凹凸構造部を転写したモールドを作製した。
【0059】
得られたTACフィルムについて、単色光源、原子間力顕微鏡、及び接触式段差計を用いて、フィルム全面の様態、微細凹凸構造部及び微細凹凸構造部間の境界を評価した。その結果、フィルム全面に亘り視認できる欠陥は無く、ニッケル製金型の微細凹凸部と同様な微細凹凸構造が形成されており、隣接する微細構造部と微細構造部との境界の最大高低差は1μmであり連続していた。
【0060】
(比較例1)
大きさ(高さ)150nm、ピッチ140nmの微細凹凸部(微細凹凸構造)を表面に有するニッケル製金型に、ハーベス社製のDurasurf 2101Zを用い離型処理を施した。次いで、トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製 M350)を主成分とするUV硬化性樹脂を滴下し、100μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り合わせると同時にハンドローラーを用いてUV硬化性樹脂を引き延ばした。その後100mJ/cmの光量を持つUV照射源を、1mm/sec.の速度でPETフィルム上を通過させて露光した。露光後、マスクとPETフィルムを剥離し、エタノールで十分にPETフィルムの微細凹凸構造形成面を洗浄し、続いて純水にて洗浄した。最後にエアーブローで乾燥させ、PETフィルム上にニッケル製金型の微細凹凸構造を転写して微細凹凸構造部を形成した。
【0061】
得られた微細凹凸構造部を1つ含むPETフィルムについて、原子間力顕微鏡及び接触式段差計、デジタルノギスを用いて、微細凹凸構造部、及び微細凹凸構造部とPETフィルム表面との境界を評価した。その結果、ニッケル製金型の微細凹凸構造のレプリカが形成されており、微細凹凸構造部とPETフィルム表面との境界は最大高低差が80μmであり、境界が直角に近い構造が形成されていた。
【0062】
次に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、プロピレングリコールモノメチルエーテルで3wt.%に希釈したトリメチロールプロパントリアクリレートを主成分とする溶液から成る膜を、1000rpmで10秒、500rpmで20秒間スピンコーティングすることにより膜厚100nmのトリメチロールプロパントリアクリレート膜を形成した。TACフィルムのトリメチロールプロパントリアクリレート膜形面と、上記微細凹凸構造部を一つ含むPETフィルムの微細凹凸構造形成面とを貼り合わせ、続いて100mJ/cmの光量を持つUV照射源を、1mm/sec.の速度でPETフィルム上を通過させ露光した。露光後、PETフィルムとTACフィルムを剥離し、エタノールで十分にTACフィルムの微細凹凸構造が形成されている面を洗浄し、続いて純水にて洗浄した。最後にエアーブローで乾燥させ、TACフィルム上に上記微細凹凸構造部を一つ含むPETフィルムの微細凹凸構造面の構造を転写した構造を作製した。
【0063】
得られたTACフィルムについて、単色光源、原子間力顕微鏡及び接触式段差計を用いて評価した。その結果、ニッケル製金型の段差部に当たる部分に樹脂が塗布されておらず微細凹凸構造部の周縁部に欠陥が視認でき、一方で微細凹凸構造部の中央付近ではニッケル製金型と同様な微細凹凸構造が形成されていた。
【0064】
(比較例2)
大きさ(高さ)150nm、ピッチ140nmの微細凹凸部(微細凹凸構造)を表面に有するニッケル製金型に、ハーベス社製のDurasurf 2101Zを用い離型処理を施した。次いで、トリメチロールプロパントリアクリレートを主成分とするUV硬化性樹脂を少量滴下し、100μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り合わせると同時にハンドローラーを用いUV硬化性樹脂を引き延ばした。この際、金型の微細凹凸構造部のみにUV硬化性樹脂が引き延ばされるように樹脂量に調整した。続いて、100mJ/cmの光量を持つUV照射源を、1mm/sec.の速度でPETフィルム上を通過させ露光した。露光後、PETフィルムを剥離し、エタノールで十分にPETフィルムの微細凹凸構造が形成されている面を洗浄し、続いて純水にて洗浄した。最後にエアーブローで乾燥させ、PETフィルム上にニッケル製金型の微細凹凸構造が一つ転写された構造を作製した。
【0065】
得られたPETフィルムについて、原子間力顕微鏡及を用いて評価した。その結果、転写された微細凹凸構造の外周形状は楕円形状であり、一方で微細凹凸構造部にはニッケル製金型のもつ微細凹凸構造のレプリカとなる構造が形成されていた。
【0066】
次に、上記ニッケル製金型にトリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製 M350)を主成分とするUV硬化性樹脂を少量滴下し、上記の微細凹凸構造が一つ転写されたPETフィルムの微細凹凸構造部が形成された面を貼り合わせると同時にハンドローラーを用いニッケル製金型の微細凹凸構造方向へUV硬化性樹脂を引き延ばした。この際、ニッケル製金型の微細凹凸部のみにUV硬化性樹脂が引き延ばされるように樹脂量に調整した。また、既に形成されている微細凹凸構造部の端部とニッケル製金型の微細凹凸部の端部とが出来るだけ一致するように且つ金型の微細凹凸部の端部と、微細凹凸構造部の端部とが重ならないようにアライメントした。続いて、PETフィルム上に、金型の微細凹凸部外周縁から微細凹凸部内側へ2mmの位置を基準にアルミのマスクをポリイミドからなるテープにて固定し、その後100mJ/cmの光量を持つUV照射源を、1mm/sec.の速度でPETフィルム上を通過させ露光した。露光後、マスクとPETフィルムを剥離し、エタノールで十分にPETフィルムの微細凹凸構造部が形成されている面を洗浄し、続いて純水にて洗浄し、最後にエアーブローで乾燥させ、PETフィルム上にニッケル製金型の微細凹凸構造部が二つ転写されたモールドを作製した。
【0067】
得られたモールドについて、原子間力顕微鏡及び接触式段差計を用いて、微細凹凸構造部と微細凹凸構造部との間の境界、微細凹凸構造部とPETフィルム表面との境界を評価した。その結果、金型の微細凹凸構造のレプリカが形成されており、微細構造部と微細構造部との境界の最大高低差は1μmで連続しており、第1微細凹凸構造部及び第2微細凹凸構造部とPETフィルム表面との境界の最大高低差が2μmである傾斜構造が形成されていた。しかし、第1微細凹凸構造部及び第2微細凹凸構造部の外周の形状は、楕円が二つ繋がった形状をしており、また第1微細凹凸構造部と第2微細凹凸構造部の境界の長さは実施例1の場合と比較して16%程度であり、元のニッケル製金型の微細凹凸部を有効に活かしきれていなかった。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のモールド製造方法は、容易に小面積な金型から精度よく大面積のモールドをナノインプリントリソグラフィなどに適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
11、31、61、71 基材
12、13,14、36、43、53a、53b 微細凹凸構造部
12a、33a、44a 境界
13a、14a、36a、43a 凹凸部
13b〜13d、14b〜14d、36b〜36e、43b〜43e、51a、51b 傾斜部
32 金型
33 微細凹凸部
34 段差部
37、42 マスク
37a、42a 開口部
44、52 モールド
62 レジスト層
62a 凹部底部
63、72 金型
73 固定テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型の微細凹凸部に光硬化性樹脂を充填した後に、前記微細凹凸部の領域よりも相似的に縮小した開口部を有するマスクを用い、前記微細凹凸部の中心と前記開口部の中心とを概略一致させて、前記光硬化性樹脂を露光・硬化して微細凹凸構造部を形成する第1転写工程と、
前工程で形成した微細凹凸構造部の端部に前記微細凹凸部の端部が隣接するように前記金型を配置した後に、前記微細凹凸部の領域よりも相似的に縮小した開口部を有するマスクを用い、前記微細凹凸部の中心と前記開口部の中心とを概略一致させて、前記光硬化性樹脂を露光・硬化して微細凹凸構造部を形成する第2転写工程と、を具備することを特徴とするモールドの製造方法。
【請求項2】
前記マスクは、前記金型の微細凹凸構造部と相似形状を有し、前記金型の前記微細凹凸構造部の外周より内側に2mm以上4mm以下縮小した相似形状であることを特徴とする請求項1記載のモールドの製造方法。
【請求項3】
前記微細構造形成部が平面視略矩形形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のモールドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−222559(P2011−222559A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86401(P2010−86401)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】