説明

モールド構造体、並びにそれを用いたインプリント方法及び磁気転写方法

【課題】モールド構造体の密着状態不良部分に対して選択的かつ能動的に外力を付与して均一かつ安定な密着状態を維持することできるモールド構造体、並びにそれを用いたインプリント方法及び磁気転写方法の提供。
【解決手段】円板状の基板と、該基板の一の表面に、該表面を基準として複数の凸部が配列されることによって形成された凹凸部を有するモールド構造体であって、前記モールド構造体が、外力により伸縮する部材を備えているモールド構造体である。該モールド構造体の凹凸部を有さない側の面に、外力により伸縮する部材を備えている態様、外力が、磁場及び電場のいずれかである態様、該外力により伸縮する部材が、ピエゾ素子及び超磁歪素子のいずれかである態様、などが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体に情報を転写するための凹凸状パターンを備えたモールド構造体、並びにそれを用いたインプリント方法及び磁気転写方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高記録密度媒体へのサーボ信号記録方式として磁気転写方法が提唱されている(特許文献1参照)。この提案の方式では一括かつ短時間でのサーボ信号記録が可能となる。
また、記録密度向上のために、磁性層を形状パターニングするDTM(ディスクリート・トラック・メディア)、及びBPM(ビット・パターンド・メディア)が提唱されている(特許文献2及び特許文献3参照)。これらのDTM及びBPMではデータ部に加えて、サーボ信号部に対しても磁性層の形状加工を実施する。
前記DTM及びBPMの両技術とも、磁気転写用マスター、或いはモールド構造体を加工対象物に対し広面積にて均一かつ極近接した密着状態を実現する必要がある。これまでは極平面に加工したホルダー上に弾性特性を有するクッション材と、磁気転写用マスター又はモールド構造体を加工対象物に対し配置し、力学的に高圧力を印加して、磁気転写用マスター又はモールド構造体を局所変形させることで、密着状態を維持していた。このような方式では密着状態がなりゆきとなるため、磁気転写用マスターの形状、或いはモールド構造体の形状、加工対象物の状態などの外乱要因が多く、均一かつ安定な密着状態を実現することは困難であるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−25455号公報
【特許文献2】特開平9−97419号公報
【特許文献3】特開2006−120299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、モールド構造体に外力により伸縮する部材を設けることにより、モールド構造体の密着状態不良部分に対して選択的かつ能動的に外力を付与して均一かつ安定な密着状態を維持することできるモールド構造体、並びに該モールド構造体を用いたインプリント方法及び磁気転写方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 円板状の基板と、該基板の一の表面に、該表面を基準として複数の凸部が配列されることによって形成された凹凸部を有するモールド構造体であって、
前記モールド構造体が、外力により伸縮する部材を備えていることを特徴とするモールド構造体である。
<2> モールド構造体の凹凸部を有さない側の面に、外力により伸縮する部材を備えている前記<1>に記載のモールド構造体である。
<3> 外力が、磁場及び電場のいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載のモールド構造体である。
<4> 外力により伸縮する部材が、ピエゾ素子及び超磁歪素子のいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載のモールド構造体である。
<5> モールド構造体が、磁気転写用マスター、DTM(ディスクリート・トラック・メディア)用インプリントモールド、及びBPM(ビット・パターンド・メディア)用インプリントモールドのいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載のモールド構造体である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のモールド構造体を、
基板と、該基板上に磁性層と、インプリントレジスト組成物からなるインプリントレジスト層とを有する磁気記録媒体中間体のインプリントレジスト層に押圧し、前記モールド構造体の外力により伸縮する部材に磁場及び、電場のいずれかをかけて該モールド構造体に形成された凹凸部に基づく凹凸パターンを転写する転写工程を少なくとも含むことを特徴とするインプリント方法である。
<7> 前記<6>に記載のインプリント方法を用いて、磁気記録媒体を製造することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
<8> 前記<7>に記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする磁気記録媒体である。
<9> 初期磁化後の磁気記録媒体と、前記<1>から<5>のいずれかに記載のモールド構造体とを重ね合わせ、該モールド構造体の外力により伸縮する部材に磁場及び電場のいずれかをかけて密着させた状態で、磁界を印加し、磁気情報を磁気記録媒体の磁性層に磁気転写する磁気転写工程を少なくとも含むことを特徴とする磁気転写方法である。
<10> 前記<9>に記載の磁気転写方法を用いて磁気転写されたことを特徴とする磁気記録媒体である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、モールド構造体に外力により伸縮する部材を設けることにより、モールド構造体の密着状態不良部分に対して選択的かつ能動的に外力を付与して均一かつ安定な密着状態を維持することできるモールド構造体、並びに該モールド構造体を用いたインプリント方法及び磁気転写方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明のモールド構造体の一例を示す部分斜視図である。
【図2A】図2Aは、本発明のモールド構造体の製造方法における原盤作製工程を示す工程図である。
【図2B】図2Bは、本発明のモールド構造体の製造方法における原盤作製工程を示す工程図である。
【図2C】図2Cは、本発明のモールド構造体の製造方法における原盤作製工程を示す工程図である。
【図2D】図2Dは、本発明のモールド構造体の製造方法における原盤作製工程を示す工程図である。
【図2E】図2Eは、本発明のモールド構造体の製造方法における原盤作製工程を示す工程図である。
【図3A】図3Aは、本発明のモールド構造体の製造方法におけるモールド作製工程を示す工程図である。
【図3B】図3Bは、本発明のモールド構造体の製造方法におけるモールド作製工程を示す工程図である。
【図3C】図3Cは、本発明のモールド構造体の製造方法におけるモールド作製工程を示す工程図である。
【図3D】図3Dは、本発明のモールド構造体の製造方法におけるモールド作製工程を示す工程図である。
【図3E】図3Eは、本発明のモールド構造体の製造方法におけるモールド作製工程を示す工程図である。
【図4A】図4Aは、磁気記録媒体の製造方法における、基板上にレジスト層を形成する工程を示す断面模式図である。
【図4B】図4Bは、磁気記録媒体の製造方法における、モールド構造体による転写工程を示す断面模式図である。
【図4C】図4Cは、磁気記録媒体の製造方法における、反応性イオンエッチング工程を示す断面模式図である。
【図4D】図4Dは、磁気記録媒体の製造方法における、磁性層の切削工程を示す断面模式図である。
【図4E】図4Eは、磁気記録媒体の製造方法における、磁性層上のレジスト層を除去して凹凸パターンを有する磁気記録媒体を作製する工程を示す断面模式図である。
【図5】図5は、初期磁化工程後の磁性層(記録層)の磁化方向を示した説明図である。
【図6】図6は、磁気転写工程を示す説明図である。
【図7】図7は、磁気転写工程に用いる磁気印加装置の概略構成図である。
【図8】図8は、磁気転写工程後の磁性層(記録層)の磁化方向を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(モールド構造体)
本発明のモールド構造体は、円板状の基板と、該基板の一の表面に、該表面を基準として複数の凸部が配列されることによって形成された凹凸部を有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
【0009】
前記モールド構造体としては、磁気転写用マスター、DTM(ディスクリート・トラック・メディア)用インプリントモールド、及びBPM(ビット・パターンド・メディア)用インプリントモールドのいずれをも含むものである。
【0010】
本発明においては、前記モールド構造体が、外力により伸縮する部材を備えており、該モールド構造体の凹凸部を有さない側の面に、外力により伸縮する部材を備えていることが好ましい。これにより、モールド構造体の密着状態不良部分に対して選択的かつ能動的に外力を付与して均一かつ安定な密着状態を維持することできる。
前記外力により伸縮する部材のモールド構造体への取り付け方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の真空成膜方法;外力により伸縮する部材がウエハ等のようにバルク的性質を持つ場合には粘着剤で貼り付ける方法、などが挙げられる。
【0011】
前記外力としては、磁場及び電場のいずれかであることが好ましく、外力により伸縮する部材としては、ピエゾ素子及び超磁歪素子のいずれかが好適に用いられる。
前記ピエゾ素子とは、圧電体に加えられた力を電圧に変換する、あるいは電圧を力に変換する、圧電効果を利用した受動素子を意味し、例えば石英、酸化亜鉛、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、などが好適に用いられる。
前記超磁歪素子とは、磁性体の磁化の強さを変化させるとひずみ(歪、形状変化)が現れる現象を応用したものであり、特に変位量が従来の1,000倍(1,000ppm)以上になる材料を意味し、例えばTb、Dy、Fe、及びGaから選択される少なくとも2種類の元素を含有する合金が好ましい。これらの中でも、Terfenol−D合金組成のDyTbFe合金材料が特に好ましい。この場合、磁歪効果を上げるために、Nb、Taなどの元素を少なくとも1種類含有する金属を用いた非磁性下地層などを介してもよい。
真空成膜の場合には、モールド構造体と伸縮部材の密着力を高めるために、部材形成前にArガス、酸素ガスなどを用い、モールド構造体表面のクリーニングを実施してもよい。また伸縮部材の電歪特性、あるいは磁歪特性を向上させるために非磁性の配向下地層を設けてもよい。
また、外力により伸縮する部材を貼り付ける場合には、種々の粘着シート、接着剤などが使用可能であるが、熱膨張係数が小さいエポキシ樹脂などを使用することが好ましい。
【0012】
ここで、前記モールド構造体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、石英、金属、及び樹脂のいずれかの材料が好適である。
前記金属としては、例えばNi、Cu、Al、Mo、Co、Cr、Ta、Pd、Pt、Au等の各種金属、又はこれらの合金を用いることができる。これらの中でも、Ni、Ni合金が特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、低融点フッ素樹脂などが挙げられる。
【0013】
ここで、図1は、本発明に係るモールド構造体の一実施形態における構成を示す部分斜視図である。
図1のモールド構造体1は、円板状をなす基板2の一の表面2a(以下、基準面2aということがある)に、複数の凸部3a及び凹部3bが同心円状に形成されてなる。この場合、凸部3aと、複数の凸部3a間に形成された凹部3bとを総称して凹凸部3とする。
基板の他の表面(凹凸部を有さない側の面)には、外力により伸縮する部材4がスパッタリング法により取り付けられている。
なお、前記凸部3aの配列方向における断面形状は、矩形に限られず、目的に応じて、後述するエッチング工程を制御することにより、任意の形状を選択することができる。
本発明において、前記凸部3aの「断面(形状)」とは、特に断りがない限り、凸部3aの配列方向(凸部3aが列設されている方向)における断面(形状)を指す。
また、基板2の厚みは、0.5mm以上10mm以下であることが好ましい。
【0014】
<モールド構造体の製造方法>
ここで、図2A〜図2E及び図3A〜図3Eは、本発明のモールド構造体の製造方法の一例を示す工程図であり、図2A〜図2Eは、原盤作製工程を示し、図3A〜図3Eは、モールド作製工程を示す。
図2Aに示されるように、表面が平滑なシリコンウエハである原板(Si基板)30を用意し、この原板30の上に、電子線レジスト液をスピンコート法等により塗布して、レジスト層32を形成し(図2B参照)、ベーキング処理(プレベーク)を行う。
【0015】
次いで、高精度な回転ステージ又はX−Yステージを備えた不図示の電子ビーム露光装置のステージ上に原板30をセットし、原板30を回転させながら、サーボ信号に対応して変調した電子ビームを照射し、レジスト層32の略全面に所定のパターン33、例えば各トラックに回転中心から半径方向に線状に延びるサーボ信号に相当するパターンを円周上の各フレームに対応する部分に描画露光(電子線描画)する(図2C参照)。
【0016】
次いで、図2Dに示されるように、レジスト層32を現像処理し、露光(描画)部分を除去して、残ったレジスト層32による所望厚みの被覆層を形成する。この被覆層が次工程(エッチング工程)のマスクとなる。なお、原板30上に塗布されるレジストはポジ型、ネガ型のどちらでも使用可能であるが、ポジ型とネガ型では、露光(描画)パターンが反転することになる。この現像処理の後には、レジスト層32と原板30との密着力を高めるためにベーキング処理(ポストベーク)を行う。
【0017】
次いで、図2Eに示されるように、レジスト層32の開口部より原板30を表面より所定深さだけ除去(エッチング)する。このエッチングにおいては、アンダーカット(サイドエッチ)を最小にすべく、異方性のエッチングが好ましい。このような、異方性のエッチングとしては、反応性イオンエッチング(RIE;Reactive Ion Etching)が好ましく採用できる。
【0018】
次いで、図3Aに示されるように、レジスト層32を除去する。レジスト層32の除去方法は、乾式法としてアッシングが採用でき、湿式法として剥離液による除去法が採用できる。以上のアッシング工程により、所望の凹凸状パターンの反転型が形成された原盤36が作製される。
ここで、原盤36を純水で洗浄し、乾燥する。
【0019】
次いで、図3Bに示されるように、原盤36の表面に均一厚みに導電層38を形成する。この導電層38の形成方法としては、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、イオンプレーティングを含む各種の金属成膜法等が適用できる。このように、導電層38を1層形成すれば、次工程(電鋳工程)の金属の電着が均一に行えるという効果が得られる。導電層38としては、Niを主成分とする膜であることが好ましい。このようなNiを主成分とする膜は、形成が容易であり、かつ硬質であるため、導電層として好ましい。前記導電層38の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、数十nm程度が一般的に採用できる。
なお、導電層形成においては最終品質(磁気記録媒体の品質)に影響を与えない範囲で剥離を補助する下地層(剥離層、無機・有機を問わない)を基板と導電層の界面に付与してもよい。
【0020】
次いで、図3Cに示されるように、原盤36の表面に、電鋳により所望の厚みの金属(ここでは、Ni)による金属盤40を積層する(反転板形成工程)。この工程は、電鋳装置の電解液中に原盤36を浸し、原盤36を陽極とし、陰極との間に通電することにより行われるが、このときの電解液の濃度、pH、電流のかけ方等は、積層された金属盤40に歪みのない最適条件で実施されることが求められる。
そして、前記のようにして金属盤40の積層された原盤36が電鋳装置の電解液から取り出され、剥離槽(不図示)内の純水に浸される。
【0021】
次いで、剥離槽内において、金属盤40を原盤36から剥離し(剥離工程)、図3Dに示すような、原盤36から反転した凹凸状パターンを有する複製金属盤42を得る。
ここで、剥離後の原盤は、純水で洗浄し、乾燥して再生する。再生した原盤は導電化処理からの工程を繰り返すことで同一原盤から複数の金属盤が作製できる。
以上により、モールド構造体としてのDTM(ディスクリート・トラック・メディア)用インプリントモールド、又はBPM(ビット・パターンド・メディア)用インプリントモールドが作製される。
【0022】
また、モールド構造体を磁気転写用マスターとして形成する場合には、図3Eに示されるように、複製金属盤42の凹凸表面上に磁性層48を形成する。前記磁性層の材料としては、例えば、CoPtなどが好ましい。前記磁性層48の厚みは、10nm〜320nmが好ましく、20nm〜300nmがより好ましく、30nm〜100nmが更に好ましい。前記磁性層48は、前記材料のターゲットを用いてスパッタリングにより形成される。
【0023】
その後、複製金属盤42の内径及び外径を、所定のサイズに打抜き加工する。以上のプロセスにより、図3Eに示すように、磁性層48が設けられた凹凸パターンを有するモールド構造体としての磁気転写用マスター20が作製される。
【0024】
モールド構造体としての磁気転写用マスター、DTM(ディスクリート・トラック・メディア)用インプリントモールド、及びBPM(ビット・パターンド・メディア)用インプリントモールドの表面には、凹凸パターンが形成される。また、図示を省略しているが、モールド構造体の上にダイヤモンドライクカーボン等の保護層や、更に、保護層上に潤滑剤層を設けてもよい。
前記保護層として、厚みが2nm〜30nmのカーボン膜を形成し、更にその上に潤滑剤層を形成した構成が好ましい。また、磁性層48と、保護層との密着性を強化するため、磁性層48上にSi等の密着強化層を形成し、その後に保護層を形成してもよい。
【0025】
次に、モールド構造体としての磁気転写用マスター、DTM(ディスクリート・トラック・メディア)用インプリントモールド、及びBPM(ビット・パターンド・メディア)用インプリントモールドの凹凸パターンを有さない側の面に、例えばスパッタリング法などにより外力により伸縮する部材を取り付ける。
【0026】
本発明のモールド構造体の製造方法により製造されたモールド構造体は、磁気転写用マスター、DTM(ディスクリート・トラック・メディア)用インプリントモールド、及びBPM(ビット・パターンド・メディア)用インプリントモールドのいずれかに好適に用いられる。
【0027】
−DTM(又はBPM)用インプリントモールド−
以上により得られたモールド構造体をDTM(又はBPM)用インプリントモールドとして利用する場合には金属盤のパターン面に離型処理(離型剤の薄膜形成)を行い、別途準備した基板上の樹脂膜と密着させてインプリント(加熱又は紫外線(UV)照射)処理を行ってパターン形状の転写を行う。
樹脂膜の凹パターンの底部の残膜をエッチングによって取り除き、更に樹脂膜パターンをマスクとしてエッチングを行って基板を加工する。アッシング処理によって樹脂膜を取り除き、必要に応じて平坦化処理(磁性層又は非磁性層をパターン溝内に充填し、CMPなどで表面を平坦化する)を行って磁気記録媒体(DTM又はBPM)を作製する。
【0028】
(インプリント方法)
本発明のインプリント方法は、本発明の前記モールド構造体を、基板と、該基板上に磁性層と、インプリントレジスト組成物からなるインプリントレジスト層とを有する磁気記録媒体中間体のインプリントレジスト層に押圧し、前記モールド構造体の外力により伸縮する部材に磁場及び電場のいずれかをかけて該モールド構造体に形成された凹凸部に基づく凹凸パターンを転写する転写工程を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
【0029】
前記前記モールド構造体の外力により伸縮する部材に磁場及び電場のいずれかをかける条件は、以下の通りである。
磁界を外力として印加する場合、電磁石、あるいは永久磁石より発生する磁界を用いる。磁界発生機構を回転させてホルダー全面に対して磁界を印加する。印加する磁界強度は超磁歪素子の磁界/磁歪曲線で、磁歪値が飽和する磁界値(Ha)に対して、1.1×Ha以上、1.9×Ha以下であることが好ましく、1.5×Ha以上、1.7×Ha以下であることがより好ましい。
電場を外部から印加する場合、モールド構造体、該モールド構造体を保持するホルダーに電位を印加し、電場を発生させる。電位量を変更することで電場量を調整する。印加する電圧は100Vである。
【0030】
ここで、図4A〜図4Eは、インプリント法による磁気記録媒体の製造方法を説明するための断面模式図である。
まず、図4Aに示すように、スピンコート法等により、表面に磁性層72を具備した磁気記録媒体用基板71上にレジスト層73を形成した(磁気記録媒体中間体75)後、このレジスト層73に本発明のモールド構造体50を押し付け、前記モールド構造体の外力により伸縮する部材4に磁場及び電場のいずれかをかけて凹凸形状を転写する。この際、レジスト層を形成している樹脂のガラス転移温度よりも高温に加熱処理することにより、レジスト層が軟化して容易に変形可能な状態となる。
前記磁気記録媒体中間体75は、基板71上に、磁性層72と、レジスト層73とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。
前記磁性層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、Fe、Co、Ni、FeCo、FeNi、CoNi、CoNiP、FePt、CoPt、NiPtなどが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記レジスト層の材料としては、ポジ型レジスト材料及びネガ型レジスト材料のいずれであってもよい。
【0031】
すると、図4Bに示すように、レジスト層73表面に本発明のモールド(スタンパー)50の凹凸形状が転写される。このとき、レジスト層73凹部底にはレジスト残渣が生じている。
次に、図4Cに示すように、反応性イオンエッチングを用いて、レジスト凹部底のレジスト残渣を除去し、磁性層72を露出させる。
次に、図4Dに示すように、Ar等のイオンミリングを用いて、レジスト層73の凹凸形状をマスクとし、磁性層露出部を凹部について基板垂直方向に切削する。
次に、図4Eに示すように、磁性層72凸部上のレジスト層73を除去することにより、凹凸パターンを有するディスクリート型の磁気記録媒体70を得る。前記磁性層の凹部をSiO、カーボン、アルミナ;ポリメタアクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)等のポリマー;円滑油等の非磁性材料で埋めてもよい。
次に、表面を平坦化する。平坦化した表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等で保護膜を形成し、最後に潤滑剤を塗布する。これにより、磁気記録媒体が作製される。
【0032】
前記インプリント法において、本発明の前記モールド構造体を用いることにより、正確な凹凸パターン(データ記録トラック)を高精度に形成することができる。
【0033】
−磁気転写用マスター−
前記モールド構造体を磁気転写用マスター(以下、マスターディスクと称することもある)として形成する場合には、前記金属盤の凹凸パターン表面に磁性層を有することが好ましい。
前記磁性層の磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばCo、Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTaN等)、Ni、Ni合金(NiFe等)などが挙げられる。これらの中でも、FeCo、FeCoNiが特に好ましい。
前記磁性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜法、メッキ法、塗布法などにより成膜することができる。
前記磁性層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5nm〜200nmが好ましく、10nm〜150nmがより好ましい。
なお、前記磁性層上に、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、スパッタカーボン等の保護膜を設けることが好ましく、該保護膜の上に更に潤滑剤層を設けてもよい。この場合、保護膜として厚みが3nm〜30nmのDLC膜と潤滑剤層とする構成が好ましい。また、磁性層と保護膜との間に、Si等の密着強化層を設けるようにしてもよい。潤滑剤はスレーブディスクとの接触過程で生じるずれを補正する際の、摩擦による傷の発生などの耐久性の劣化を改善する効果を有する。
【0034】
(磁気転写方法)
本発明の磁気転写方法は、初期磁化後の磁気記録媒体と、本発明の前記モールド構造体とを重ね合わせ、該モールド構造体の外力により伸縮する部材に磁場及び電場のいずれかをかけて密着させた状態で、磁界を印加し、磁気情報を磁気記録媒体の磁性層に磁気転写する磁気転写工程を少なくとも含み、初期磁化工程、密着工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
【0035】
前記前記モールド構造体の外力により伸縮する部材に磁場及び電場のいずれかをかける条件は、以下の通りである。
磁界を外力として印加する場合、電磁石、あるいは永久磁石より発生する磁界を用いる。磁界発生機構を回転させてホルダー全面に対して磁界を印加する。印加する磁界強度は超磁歪素子の磁界/磁歪曲線で、磁歪値が飽和する磁界値(Ha)に対して、1.1×Ha以上であることが好ましく、1.5×Ha以上がより好ましい。なお、磁気転写磁界を活用してもよい。
電場を外部から印加する場合、モールド構造体、モールド構造体を保持するホルダーに電位を印加し、電場を発生させる。電位量を変更することで電場量を調整する。印加する電圧は100Vである。
【0036】
<初期磁化工程>
前記初期磁化工程は、磁気記録媒体を、垂直方向に初期磁化させる工程である。
この初期磁化工程により、図5に示されるように、金属盤40と磁性層16を有する磁気記録媒体(以下、スレーブディスク10と称することもある)の磁性層16について、ディスク面と垂直な一方向に初期磁化Piさせる。なお、この初期磁化工程は、スレーブディスク10を磁界印加手段に対し相対的に回転させることにより行ってもよい。
【0037】
<密着工程>
前記密着工程は、前記初期磁化工程後の磁気記録媒体に対して、磁気転写用マスター(以下、マスターディスクと称することもある)を密着させる工程である。密着工程では、マスターディスクの突起状パターン(凹凸パターン)の形成されている面と、スレーブディスクの磁性層の形成されている面とを所定の押圧力で重ね合わせ、マスターディスクの外力により伸縮する部材(不図示)に磁場及び電場のいずれかをかけて密着させる。
スレーブディスクには、マスターディスクに密着させる前に、グライドヘッド、研磨体等により、表面の微少突起又は付着塵埃を除去するクリーニング処理(バーニッシング等)が必要に応じて施される。
【0038】
なお、密着工程は、スレーブディスクの片面のみにマスターディスクを密着させる場合と、両面に磁性層が形成された転写用磁気ディスクについて、両面からマスターディスクを密着させる場合とがある。後者の場合では、両面を同時転写することができる利点がある。
【0039】
<磁気転写工程>
前記磁気転写工程は、前記磁気記録媒体と前記磁気転写用マスターとを密着させた状態で、前記初期磁化と逆方向の垂直磁界を印加し、前記磁気記録媒体に磁気情報を転写する工程である。
【0040】
磁気転写は、スレーブディスク及びマスターディスクを密着させたものを不図示の回転手段により回転させつつ、磁界印加手段によって記録用磁界を印加し、マスターディスクに記録されている突起状のパターンからなる情報をスレーブディスクの磁性層に磁気転写する。なお、この構成以外にも、磁界印加手段を回転させる機構を設け、スレーブディスク及びマスターディスクに対し、相対的に回転させる手法であってもよい。
【0041】
磁気転写工程における、スレーブディスク10とマスターディスク80の断面の様子を図6に示す。この図6に示されるように、凹凸パターンを有するマスターディスク80をスレーブディスク10が密着させた状態で、記録用磁界Hdを印加すると、磁束Gは、マスターディスク80の凸領域とスレーブディスク10が接触している領域では強く、記録用磁界Hdにより、マスターディスク80の磁性層88の磁化向きが記録用磁界Hdの方向に揃い、スレーブディスク10の磁性層16に磁気情報が転写される。一方、マスターディスク80の凹領域は、記録用磁界Hdの印加によって生じる磁束Gが凸領域に比べて弱く、スレーブディスク10の磁性層16の磁化向きが変わることはなく、初期磁化の状態を保ったままである。
【0042】
図7は、磁気転写に用いられる磁気転写装置について詳細に示したものである。磁気転写装置は、コア62にコイル63が巻きつけられた電磁石からなる磁界印加手段60を有するものであり、このコイル63に電流を流すことによりギャップ64において、密着させたマスターディスク80とスレーブディスク10の磁性層16に対し垂直に磁界を発生する構造になっている。発生する磁界の向きは、コイル63に流す電流の向きによって変えることができる。従って、この磁気転写装置によって、スレーブディスク10の初期磁化を行うことも、磁気転写を行うことも可能である。
【0043】
この磁気転写装置により初期磁化させた後、磁気転写を行う場合には、磁界印加手段60のコイル63に、初期磁化したときにコイル63に流した電流の向きと逆向きの電流を流す。これにより、初期磁化の際の磁化向きとは反対の向きに記録用磁界を発生させることができる。磁気転写は、スレーブディスク10及びマスターディスク80を密着させたものを回転させつつ、磁界印加手段60によって記録用磁界Hdを印加し、マスターディスク80に記録されている突起状のパターンからなる情報をスレーブディスク10の磁性層16に磁気転写するため、不図示の回転手段が設けられている。なお、この構成以外にも、磁界印加手段60を回転させる機構を設け、スレーブディスク10及びマスターディスク80に対し、相対的に回転させる手法であってもよい。
【0044】
本実施形態では、記録用磁界Hdは、本実施の形態に用いられるスレーブディスク10の磁性層16の保磁力Hcの60%〜130%が好ましく、より好ましくは70%〜120%の強度の磁界を印加することにより磁気転写を行う。
これにより、スレーブディスク10の磁性層16には、サーボ信号等の磁気パターンの情報が、初期磁化Piの反対向きの磁化となる記録磁化Pdとして記録される(図8参照)。
【0045】
本発明の磁気転写方法により製造された磁気記録媒体は、例えば、ハードディスク装置等の磁気記録再生装置に組み込まれて使用される。これにより、サーボ精度が高く、良好な記録再生特性の高記録密度の磁気記録再生装置を得ることができる。
【実施例】
【0046】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)
−原盤の作製−
8インチのSi(シリコン)ウエハ(基板)上に、電子線レジストを、スピンコート法により、100nmの厚みで塗布した。塗布後、基板上の該レジストを、回転式電子線露光装置を用いて露光し、露光後の該レジストを現像して、凹凸パターンを有するレジストSi基板を作製した。
その後、該レジストをマスクとして用い、該基板に対して、反応性イオンエッチング処理を行い、凹凸パターンの凹部を掘り下げた。該エッチング処理後、該基板上に残存するレジストを可溶溶剤で洗浄した(アッシング処理)。次に、超純水で洗浄し、1,000rpmで回転させて2分間の振り切り乾燥し、60℃の乾燥炉内で30分間乾燥させた。以上により、原盤を作製した。
【0048】
−電鋳処理−
前記原盤上に、スパッタ法を用いてNi(ニッケル)導電性膜を厚み20nmに形成した。該導電性膜を形成した後の原盤を、55℃に保温されたスルファミン酸Ni浴に浸漬し、電解メッキにより、200μmの厚みのNi膜を形成した。その後、純水に浸漬し原盤よりNi膜を剥離した。以上により、Ni製モールド構造体を作製した。
【0049】
−磁性層の形成−
作製したNi製モールド構造体の凹凸パターン表面に、スパッタリング法にて、アルゴン圧力0.12Pa条件下で、Feを70at%及びCoを30at%からなる磁性層を厚み100nmに形成して、磁気転写用マスターを作製した。
【0050】
−超磁歪素子の取り付け−
超磁歪素子形成前に磁気転写用マスターの裏面(凹凸パターンを有しない側の面)に対して酸素プラズマによるクリーニングを実施した。クリーニング後に、非磁性下地層としてNb膜を形成した。Arガスを1.0Pa導入し、1,400Wの印加電圧とした。厚みは500nmであった。
次に、DCマグネトロンスパッタリングにより超磁歪素子を磁気転写用マスターの裏面に形成した。即ち、Arガスを1.0Paで導入し、1,400Wの印加電圧とし、DCマグネトロンスパッタリングにより、超磁歪素子材料としてDyTbFe合金(Terfenol−D合金)を厚み1μmに形成したものを用いた。
以上により、超磁歪素子付きの磁気転写用マスターを作製した。
【0051】
(比較例1)
実施例1において、超磁歪素子の取り付けを行わなかった以外は、実施例1と同様にして、磁気転写用マスターを作製した。即ち、外力により伸縮する部材を備えていない磁気転写用マスターを作製した。
【0052】
(実施例2)
実施例1で作製したNi製モールド構造体の裏面(凹凸パターンを有しない側の面)に対して酸素プラズマによるクリーニングを実施した。クリーニング後に、以下のようにしてピエゾ素子を取り付け、ピエゾ素子付きのDTM用インプリントモールドを作製した。
−ピエゾ素子の取り付け方法−
ピエゾ素子としての0.6mm厚の石英ウエハを、Ni製モールド構造体の裏面に貼り付けた。接着剤としてはエポキシ樹脂(商品名:アラルダイト)を用いた。
【0053】
(比較例2)
実施例2において、ピエゾ素子の取り付けを行わなかった以外は、実施例2と同様にして、DTM用インプリントモールドを作製した。即ち、外力により伸縮する部材を備えていないDTM用インプリントモールドを作製した。
【0054】
次に、実施例1及び比較例1の磁気転写用マスターについて、以下のようにして、磁気転写ディスクの信号品質を評価した。結果を表1に示す。
【0055】
<磁気転写ディスクの信号品質>
実施例1及び比較例1の磁気転写用マスターと初期磁化後の磁気記録媒体とを重ね合わせ、該磁気転写用マスターの外力により伸縮する部材(超磁歪素子)に磁場をかけて密着させた状態で、磁界を印加し、磁気情報を磁気記録媒体の磁性層に磁気転写した磁気記録媒体をドライブに組み込み、以下のようにしてRPE(Repeatable Position Error)を測定し、評価した。
100シリンダ毎に、100シリンダ中の1シリンダに対して50周分の復調軌跡を測定し、この復調軌跡の平均値を求め、平均復調軌跡の最大値(AM)を算出し、AMが15nmを超える測定箇所(エラー箇所)が5箇所以内であれば“○”、6箇所以上10箇所以下であれば“△”、11箇所以上であれば“×”とした。
【0056】
【表1】

( )内はエラーの発生数を表す。
【0057】
次に、実施例2及び比較例2のDTM用インプリントモールドについて、以下のようにして、DTMの信号品質を評価した。結果を表2に示す。
【0058】
<DTMの信号品質>
実施例2及び比較例2のDTM用インプリントモールドを、基板上に磁性層を有する磁気記録媒体中間体のインプリントレジスト組成物からなるインプリントレジスト層に押圧し、前記DTM用インプリントモールドの外力により伸縮する部材(ピエゾ素子)に電場をかけて該DTM用インプリントモールドに形成された凹凸部に基づく凹凸パターンを転写して作製したDTMをドライブに組み込んでサーボ信号を元に磁気ヘッドのトラッキングテストを実施した。前記磁気転写ディスクの信号品質と同様にして評価した。
【0059】
【表2】

( )内はエラーの発生数を表す。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のモールド構造体、並びにそれを用いたインプリント方法及び磁気転写方法は、モールド構造体の密着状態不良部分に対して選択的かつ能動的に外力を付与して均一な密着状態を維持することできるので、例えば磁気転写記録媒体の作製、ディスクリート・メディアの作製、パターンド・メディアの作製、などに好適である。
た。
【符号の説明】
【0061】
1 モールド構造体
2 基板
2a 一の表面
3a 凸部
3b 凹部
4 外力により伸縮する部材
10 スレーブディスク
30 原板
32 レジスト層
33 パターン
34 開口部
36 原盤
38 導電層
40 金属盤
42 複製金属盤
48 磁性層
60 磁界印加手段
80 マスターディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状の基板と、該基板の一の表面に、該表面を基準として複数の凸部が配列されることによって形成された凹凸部を有するモールド構造体であって、
前記モールド構造体が、外力により伸縮する部材を備えていることを特徴とするモールド構造体。
【請求項2】
モールド構造体の凹凸部を有さない側の面に、外力により伸縮する部材を備えている請求項1に記載のモールド構造体。
【請求項3】
外力が、磁場及び電場のいずれかである請求項1から2のいずれかに記載のモールド構造体。
【請求項4】
外力により伸縮する部材が、ピエゾ素子及び超磁歪素子のいずれかである請求項1から3のいずれかに記載のモールド構造体。
【請求項5】
モールド構造体が、磁気転写用マスター、DTM(ディスクリート・トラック・メディア)用インプリントモールド、及びBPM(ビット・パターンド・メディア)用インプリントモールドのいずれかである請求項1から4のいずれかに記載のモールド構造体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のモールド構造体を、
基板と、該基板上に磁性層と、インプリントレジスト組成物からなるインプリントレジスト層とを有する磁気記録媒体中間体のインプリントレジスト層に押圧し、前記モールド構造体の外力により伸縮する部材に磁場及び、電場のいずれかをかけて該モールド構造体に形成された凹凸部に基づく凹凸パターンを転写する転写工程を少なくとも含むことを特徴とするインプリント方法。
【請求項7】
請求項6に記載のインプリント方法を用いて、磁気記録媒体を製造することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする磁気記録媒体。
【請求項9】
初期磁化後の磁気記録媒体と、請求項1から5のいずれかに記載のモールド構造体とを重ね合わせ、該モールド構造体の外力により伸縮する部材に磁場及び電場のいずれかをかけて密着させた状態で、磁界を印加し、磁気情報を磁気記録媒体の磁性層に磁気転写する磁気転写工程を少なくとも含むことを特徴とする磁気転写方法。
【請求項10】
請求項9に記載の磁気転写方法を用いて磁気転写されたことを特徴とする磁気記録媒体。

【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−102820(P2010−102820A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221230(P2009−221230)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】