説明

ユニットの過使用防止構造およびこの構造が適用された画像形成装置

【課題】 機器本体に装着されるユニットに対して所定回数のメンテナンス作業が行われた場合に当該ユニットの機器本体への装着が阻止され、これによって耐用期間が経過しているにも拘わらずにそのユニットが使用され続けるような不都合の発生を確実に防止することができるようにする。
【解決手段】 機器本体50に着脱自在に内装されるメインチャージャーユニット20の過使用を防止し得るように構成された過使用防止構造あり、メインチャージャーユニット20には、該メインチャージャーユニット20の機器本体50に対する1回若しくは複数回の着脱操作で一方向に向けてのみ動作する一方向動作部材を備えた着脱動作部40が備えられ、着脱動作部40は、所定の着脱回数に到達したときに、メインチャージャーユニット20の装着動作を不能とするようにユニット側ラック45を突出させるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の機器本体に着脱自在に装着されるユニットの過使用を防止し得るように構成されたユニットの過使用防止構造およびこの構造が適用された画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
過使用防止構造が適用された装置として画像形成装置を例に挙げて説明すると、画像形成装置は、読み取ったり或いは電気通信回線を介して入力された画像情報に基づき画像を形成して用紙に転写処理を施した後、当該転写処理の施された用紙を出力するように構成された装置であり、画像を読み取る読取部、画像を用紙に転写する転写部、転写済の用紙に定着処理を施す定着部および用紙を貯留する貯留部等を備えて構成され、これら各部が所定の機器本体に装着されることによって構成されている。
【0003】
かかる画像形成装置の各部には、それぞれ所定のユニットが着脱自在に装着され、各ユニット単位で所定のメンテナンス処理が行われるようになっている。そして、例えば画像形成部を例に挙げた場合、ユニットとして感光体ドラムを主要構成要素とするドラムユニット、感光体ドラムの周面を帯電させるチャージユニット、このチャージユニットによって帯電されたドラム周面にレザー光線を照射して静電潜像を形成させる露光ユニット、この露光ユニットによって静電潜像の形成されたドラム周面にトナー供給してトナー像を形成させる現像ユニット、感光体ドラムの回転に同期して用紙を搬送してドラム周面のトナー像を用紙に転写させる搬送ユニット、この搬送ユニットによって搬送されてきた転写処理済の用紙に対してトナーの定着処理を施す定着ユニット等を挙げることができる。
【0004】
これらの各ユニットは、定期的なメンテナンス作業時や、突発的な故障時などに機器本体から引き出されて所定の処置が施されたのち機器本体に戻されるのであるが、かかるメンテナンスの回数と、そのユニットの耐用期間との間には相関関係が存在し、所定のメンテナンス回数に到達すると新品と交換されたりオーバーホールされるのが一般的である。
【0005】
従来、かかるユニットのメンテナンス回数は、担当者がメンテナンスの都度所定の記録簿に記帳することでカウントされ、この記録簿を頼りにユニットが交換されていたが、かかる記録簿記帳方式では、記載漏れがあったり、担当者が変わった場合など、実際のメンテナンス回数を知ることができなくなる場合がある。
【0006】
かかる不都合を解消するために、例えば、特許文献1には、ユニットを構成する所定の部品(例えばローラ軸など)にメンテナンスの度に所定の凹溝などの目印を付けるようにし、この目印の個数によってメンテナンス回数を知ることができるようになされている。
【0007】
また、特許文献2には、メンテナンスの度に当該ユニットにメンテナンス回数を表示するラベルを貼付し、このラベルを視認することでそのユニットのメンテナンス回数が判るようになっている。
【特許文献1】特開平6−138729号公報
【特許文献2】特開平6−83131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のものにあっては、手元に専用の工具が存在しないとローラ軸に凹溝などの目印を付けることができず、したがって、専用工具の持参を失念した場合など、メンテナンス処理を行っても目印が付けられないことがあり、確実性に欠けるという問題点を有している。
【0009】
また、特許文献2のものにあっては、メンテナンス時に担当者がラベルの持参を失念した場合や、貼付そのものを失念した場合などメンテナンス作業が行われたにも拘わらずラベルが貼付されていないことになるばかりか、貼付したラベルが剥がれることもあり、これも確実性に欠けるという問題点が存在する。
【0010】
本発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、機器本体に装着されるユニットに対して所定回数のメンテナンス作業が行われた場合に当該ユニットの機器本体への装着が阻止され、これによって耐用期間が経過しているにも拘わらずにそのユニットが使用され続けるような不都合の発生を確実に防止することができるユニットの過使用防止構造およびこの構造が適用された画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、所定の機器本体に着脱自在に装着されるユニットの過使用を防止し得るように構成されたユニットの過使用防止構造であって、前記ユニットには、該ユニットの機器本体に対する1回若しくは複数回の着脱操作で一方向に向けてのみ動作する一方向動作部材を備えた着脱動作部が備えられ、前記着脱動作部は、所定の着脱回数に到達したときに、前記ユニットの装着動作を不能とする突出動作を行うものであることを特徴とするものである。
【0012】
かかる構成によれば、ユニットの、機器本体に対する着脱回数が予め設定された所定の回数に到達すれば、着脱動作部が所定の突出動作を行うことによりユニットの機器本体に対する装着が不能になるため、ユニットの適正使用期間が経過しているにも拘わらず当該ユニットを使用してしまうような不都合の発生が確実に防止される。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記一方向動作部材の動作回数を表示する表示部が設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
かかる構成によれば、表示部の表示を目視することによってユニットが機器本体に対し着脱された回数が認識される。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記着脱動作部は、前記機器本体の内面側に配設された着脱方向へ延びる第1ラックに噛合するピニオンを有し、前記一方向動作部材は、該ピニオンと同心で回転する第1ギヤであり、該第1ギヤまたは前記ピニオンには、ピニオンの一方向への回転を第1ギヤに伝達する一方、ピニオンの他方向への回転を第1ギヤに伝達しないワンウエイクラッチが設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
かかる構成によれば、機器本体に対してユニットを着脱する度に機器本体内の第1ラックに噛合しているユニットのピニオンが正逆回転する。そして、このピニオンの回転は、ワンウエイクラッチを介して第1ギヤに伝達されるため、第1ギヤは、着脱動作の内の一方の動作のときしか回転せず、着脱動作が行われるたびに同一方向へ向かう回転量が増加していく。この第1ギヤの回転量の増加によって着脱動作部が所定の着脱回数に到達したときにユニットの装着動作を不能とする突出動作を行うように構成しておくことにより、ユニットの過使用が防止される。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記ユニットには、前記第1ギヤと噛合する第2ギヤが設けられ、該第2ギヤには、片面の同一円周位置にユニットの1回の着脱操作で回転する所定の回転角度毎にユニットの着脱回数を表示する文字、図形または記号が付され、前記表示部は、前記文字、図形または記号を視認可能に前記ユニットの側壁に設けられた表示窓であることを特徴とするものである。
【0018】
かかる構成によれば、ユニットの機器本体に対する着脱動作毎に同一方向に向けて回転する第1ギヤの回転は、当該第1ギヤに噛合している第2ギヤに伝達される。そして、第2ギヤには、所定の回転角度毎にユニットの着脱回数を表示する文字、図形または記号が付されているため、表示窓を通してこのた文字、図形または記号を視認することによりユニットの機器本体に対する着脱回数が認識される。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記ユニットには、前記第2ギヤに噛合し該第2ギヤの回転で移動するする第2ラックが設けられている一方、前記機器本体内には、前記第2ラックに対応した突起が設けられ、該突起は、ユニットが機器本体に対し予め設定された回数着脱操作された状態で前記第2ラックが到達することにより該第2ラックと干渉する位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
かかる構成によれば、ユニットが機器本体に対して予め設定された回数着脱操作されることにより、第2ギヤに噛合している第2ラックが機器本体の突起と干渉するようになるため、ユニットはこの干渉によって機器本体に装着し得なくなる。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の過使用防止構造が適用された画像形成装置であって、前記機器本体および前記ユニットが、画像形成用の各種部材が内装される筐体および該筐体に着脱自在に装着される前記各種部材の内の必要なものが所定の機能毎にユニット化されたユニットであることを特徴とするものである。
【0022】
かかる構成によれば、画像形成装置の筐体内に着脱可能に装着される各種ユニットは、過使用防止構造の作用によって過使用が防止される。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載の発明によれば、ユニットの、機器本体に対する着脱回数が予め設定された所定の回数に到達すれば、着脱動作部が所定の突出動作を行うことによりユニットの機器本体に対する装着が不能になるため、ユニットの適正使用期間が経過しているにも拘わらず当該ユニットを使用してしまうような不都合の発生を確実に防止することができ、ユニットのメンテナンスや交換を適正に行うことができる。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、表示部の表示を目視することによってユニットが機器本体に対し着脱された回数を認識することができるため、ユニットの残りの使用可能回数を逆算することにより交換ユニットの手配等の計画的なメンテナンス作業を実行することができる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、第1ギヤの回転量の増加によって着脱動作部が所定の着脱回数に到達したときにユニットの装着動作を不能とする突出動作を行うように構成しておくことにより、ユニットの過使用を確実に防止することができる。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、第2ギヤには、所定の回転角度毎にユニットの着脱回数を表示する文字、図形または記号が付されているため、表示窓を通してこのた文字、図形または記号を視認することによりユニットの機器本体に対する着脱回数を認識することができる。
【0027】
請求項5記載の発明によれば、ユニットが機器本体に対して予め設定された回数着脱操作されることにより、第2ギヤに噛合している第2ラックが機器本体の突起と干渉するようになるため、ユニットはこの干渉によって機器本体に装着し得なくすることができる。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、画像形成装置の筐体内に着脱可能に装着される各種ユニットの過使用を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
まず、図1を基に本発明に係る過使用防止構造が適用される画像形成装置の内部構造の概要について説明する。図1は、本発明に係る過使用防止構造が適用された画像形成装置の内部構造の一実施形態を説明するための概要説明図である。この図に示すように、画像形成装置10は、箱形を呈する装置本体11の上部に設けられた原稿画像を読み取るための原稿読取部12と、装置本体11内における原稿読取部12より下方位置に設けられ原稿読取部12によって読み取られた原稿の画像情報に基づき画像を形成する画像形成部13と、この画像形成部13によって形成され用紙に転写された画像に定着処理を施す定着部14と、転写用の用紙を貯留する用紙貯留部15とを備えて構成されている。
【0030】
前記原稿読取部12は、装置本体11の上面に開閉可能に設けられた原稿押え121と、装置本体11内でコンタクトガラス123を介して原稿押え121と対向配置された光学系ユニット122とを備えて構成されている。コンタクトガラス123は、載置された原稿の原稿面を読み取るための、原稿押え121より若干小さい平面形状を有する載置原稿用コンタクトガラス123aと、自動給紙された原稿の原稿面を読み取る幅方向(図1の紙面に直交する方向)に長尺の細長い自動給紙用コンタクトガラス123bとを備えている。
【0031】
かかる原稿読取部12の前側の装置本体11上面における操作者の手前側に形成された棚部には、原稿読み取りや複写処理等に関する処理条件を入力操作するための操作パネル124が設けられている。この操作パネル124には、図略の表示パネルやテンキー、さらにはスタートボタン、モード切換えキー等が設けられている。表示パネルは、各種の入力情報や出力情報を液晶表示したり、表示された処理条件の内で選択したものについてタッチイン操作で入力したりるものである。また、前記テンキーは、コピー枚数などの主に数量情報を設定するためのものである。モード切換えキーは、画像形成装置10のモードを切り換えるためのものであり、このモード切換えキーの押釦操作で画像形成装置10をファクシミリ装置として利用したり、プリンタとして利用したりすることができるようになっている。
【0032】
前記原稿押え121は、装置本体上面の一側辺に設けられた所定の軸回りに回動して開閉可能に装置本体11に取り付けられている。かかる原稿押え121は、二段構造で構成され、上段に設けられた原稿を載置するための原稿トレイ125と、下段に設けられた画像読み取り済の原稿が排紙される原稿排紙トレイ126とを有している。原稿押え121の左側部には、原稿トレイ125と原稿排紙トレイ126との間に介設された原稿送り部127が設けられ、この原稿送り部127の図略の原稿送り機構によって原稿トレイ125上に載置された用紙束から1枚ずつの原稿がピックアップされて自動給紙用コンタクトガラス123bへ供給されるようになっている。ピックアップされた原稿は、移動されながらこの自動給紙用コンタクトガラス123bへ供給され、原稿画像がこの自動給紙用コンタクトガラス123bを介して光学系ユニット122によリ読み取られるようになっている。原稿画像が読み取られた後の原稿は、原稿押え121における原稿トレイ125の下方に設けられた原稿排紙トレイ126へ排紙される。
【0033】
光学系ユニット122は、図略の光源や複数のミラー、レンズユニット、さらにはCCD(Charge Coupled device)等を有している。そして、光源からの光が原稿面で反射され、この反射光がこれらミラーおよびレンズユニットを介して原稿情報としてCCDに入力されるようになっている。CCDに入力されたアナログ量としての原稿情報は、デジタル信号に変換され、デジタルの原稿情報として所定の記憶装置に記憶されるようになっている。
【0034】
前記画像形成部13は、用紙貯留部15から給紙された用紙にトナー画像を形成させるものであり、感光体ドラム131および現像ユニット132がそれぞれ備えられている。感光体ドラム131は、図1において時計方向へ向けて回転しつつ対応した現像ユニット132からトナーの供給を受けるようになっている。
【0035】
感光体ドラム131の図1における上方左寄りの位置にはメインチャージャーユニット20が設けられているとともに、同上方右寄りの位置には露光ユニット134が設けられている。そして、感光体ドラム131は、前記メインチャージャーユニット20によって周面が一様に帯電され、原稿読取部12で入力された画像データに基づくレーザー光が前記露光ユニット134から帯電後の感光体ドラム131の周面に照射されることにより、感光体ドラム131の周面に静電潜像が形成されるようになっている。そして、かかる静電潜像に現像ユニット132からトナーが供給されることにより、感光体ドラム131の周面にトナー画像が形成されるようになっている。
【0036】
また、前記感光体ドラム131の図1における左方下部位置には感光体ドラム131の周面の残留トナーを除去してクリーニングするクリーニングユニット135が設けられている。クリーニングユニット135によって清浄化処理された感光体ドラム131の周面は、新たな帯電処理のためにメインチャージャーユニット20へ向かうことになる。
【0037】
前記感光体ドラム131の下方位置には、搬送面が当該感光体ドラム131と対向するように配設されたベルトユニット136が設けられている。このベルトユニット136は、駆動ローラ136aと従動ローラ136bとに掛け回された搬送ベルト137を備えている。前記搬送ベルト137は、駆動ローラ136aの駆動回転によって駆動ローラ136aおよび従動ローラ136b間を周回するようになっている。そして、用紙貯留部15から供給された用紙は、この搬送ベルト137の周回に誘導されて感光体ドラム131の周面に当接しながら移動し、転写処理が施されるようになっている。
【0038】
前記定着部14は、画像形成部13で転写された用紙上のトナー画像に対し定着処理を施すものであり、上下で対向配置されたヒートローラ141と加圧ローラ142とを有してなる定着ユニット140を備えて構成されている。そして、搬送ベルト137の周回によって画像形成部13から導出された転写処理済の用紙は、これらヒートローラ141および加圧ローラ142間で加熱されつつ押圧挟持されることによる熱処理でトナー画像が定着され、用紙上に安定した画像が形成される。定着処理の完了した用紙は、排紙搬送路102を通って装置本体11の左側壁から突設された排紙トレイ101へ向けて排出される。
【0039】
前記用紙貯留部15は、装置本体11に挿脱自在に装着された複数段の用紙トレイ151を有している。各用紙トレイ151には、それぞれ用紙束が貯留されるようになっている。そして、選択された用紙トレイ151の用紙束からピックアップローラ152の駆動で用紙Pが1枚ずつ繰り出され、給紙搬送路153およびレジストローラ対154を通って画像形成部13へ導入されるようになっている。レジストローラ対154は、装置本体11に対して着脱自在に装着される給紙ユニット150に装着されている。
【0040】
また、本実施形態の画像形成装置10においては、装置本体11内におけるベルトユニット136より下方位置に、用紙Pに対して両面印刷を行うための用紙反転部16が設けられている。この用紙反転部16は、画像形成部13と用紙貯留部15との間に介設された、片面に定着処理後の画像を有する用紙Pを一時的に貯留する中間トレイ161と、定着部14の直下流位置に設けられ、定着処理後の用紙Pに対して排紙搬送路102および返送搬送路103のいずれか一方に用紙Pを振り分ける切換ガイド162と、一旦中間トレイ161に排紙された用紙Pを後端側から排紙する反転ローラ対163とを備えている。
【0041】
前記切換ガイド162の切り換え操作によって返送搬送路103および反転ローラ対163を介して一旦中間トレイ161へ排紙された用紙Pは、反転ローラ対163の逆回転によって後端側から排出され、反転搬送路104を通って給紙搬送路153へ向わせられるようになっている。この給紙搬送路153へ供給された表裏反転後の用紙Pは、再度画像形成部13へ供給されることにより裏面側に対して転写処理が施されることになる。
【0042】
そして、本発明に係る過使用防止構造は、装置本体11内におけるメンテナンスの回数が寿命の指標になるようなユニット(前記感光体ドラム131、現像ユニット132、メインチャージャーユニット20、露光ユニット134、クリーニングユニット135および給紙ユニット150等が該当する)に適用されている。以下、かかる過使用防止構造について、メインチャージャーユニット20に設けられたものを例に挙げて説明する。
【0043】
図2および図3は、過使用防止構造が適用されたメインチャージャーユニット20の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、メインチャージャーユニット20が機器本体50から引き抜かれた状態、図3は、メインチャージャーユニット20が機器本体50に装着された状態をそれぞれ示している。なお、図2および図3において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。また、図3においては、メインチャージャーユニット20の寸法を感光体ドラム131に対して誇張して示している。
【0044】
これらの図に示すように、メインチャージャーユニット20は、感光体ドラム131の直上位置に装置本体11と一体に設けられた機器本体50に対し着脱自在に装着されるものであり、放電ワイヤ21が張設された前後方向に長尺の直方体状を呈するユニット本体30と、このユニット本体30内の後端位置に形成された着脱動作部40とを備えた基本構成を有している。
【0045】
前記機器本体50は、直方体状の箱形を呈し、前後方向に長尺の天板51と、この天板51の前縁部から下方に向けて延設された前板52と、天板51の後縁部から下方に向けて延設された後板53と、天板51の左右の縁部から下方に向けて延設された幅方向一対の側板54と、前記後板53の下縁部から前方に向けて若干延設された底板55とを備えて構成されている。これら天板51、前板52、後板53および一対の側板54に囲繞された空間でメインチャージャーユニット20を装着する装着空間Vが形成されている。かかる機器本体50の下面は、前後方向に短尺の底板55の前縁部から前板52に亘って開放状態とされている。
【0046】
機器本体50の前板52には、メインチャージャーユニット20を装着空間Vに対して出し入れするための矩形状を呈した装着開口521が設けられているとともに、前記後板53には、装着開口55と対向する位置にソケット531が設けられ、このソケット531を介してメインチャージャーユニット20の放電ワイヤ21に電力が供給されるようになっている。また、前記前板52と後板53との間には、装着開口521を介して装着空間V内に挿入されたメインチャージャーユニット20をガイドするための断面視がL字形状を呈したガイドレール56が幅方向一対で設けられている。
【0047】
また、機器本体50の底板55には、メインチャージャーユニット20の後述するピニオン41に噛合する前後方向に延びた機器本体側ラック(第1ラック)57が設けられているとともに、機器本体50の後板53には、メインチャージャーユニット20の後述するユニット側ラック(第2ラック)45に対応した前後方向に長尺のストッパ(突起)58が突設されている。
【0048】
前記メインチャージャーユニット20のユニット本体30は、前記機器本体50の前板52および後板53間の内寸法より若干長めに長さ設定された天板31と、この天板31の前縁部から下方に向けて延設された前板32と、天板31の左右の縁部から下方に向けて延設された幅方向一対の側板33と、これら一対の側板33に挟持された状態で天板31の後縁部後方に向けて突設されたプラグ34とを備えて構成されている。
【0049】
前記天板31,前板32、一対の側板33およびプラグ34に囲繞された空間によって、放電ワイヤ21を装着するワイヤ装着室V1が形成されている。前記一対の側板33の下縁部からは、互いに対向方向に向けて突設された前後方向に長尺の折返し縁部331がそれぞれ設けられているとともに、これら一対の折返し縁部331間に放電ワイヤ21からの放電を感光体ドラム131の周面に放出するための前後方向に長尺の開口が形成されている。
【0050】
前記プラグ34は、前記ソケット531に嵌入されるものであり、これによって放電ワイヤ21に放電用の電力が供給されるようになっている。プラグ34の基端側には、当該プラグ34とワイヤ装着室V1との間を仕切る仕切壁341が設けられている。
【0051】
図4は、メインチャージャーユニット20の着脱動作部40の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図である。また、図5は、そのA−A線断面図であり、(イ)は、ユニット側ラック45がストッパ58と干渉していない状態、(ロ)は、ユニット側ラック45がストッパ58と干渉した状態をそれぞれ示している。なお、図4および図5におけるXおよびYによる方向表示は、図2の場合と同様である。
【0052】
これらの図に示すように、着脱動作部40は、前記機器本体50の機器本体側ラック57に噛合するピニオン41と、ワンウエイクラッチ42を介して同心で第1底板フラップ41に連結された小径ギヤ(第1ギヤ)43と、この小径ギヤ43に噛合する大径ギヤ(第2ギヤ)44と、この大径ギヤ44に噛合するユニット側ラック45とを備えて構成されている。
【0053】
前記ピニオン41および小径ギヤ43は、ユニット本体30の一対の側板54間に架設された第1架設軸46回りに回転可能に軸支されている。第1架設軸46は、ピニオン41と同心で一体回転するピニオン側軸461と、小径ギヤ43と同心で一体回転するギヤ側軸462とがワンウエイクラッチ42を介して同心で一体に連結されることにより形成されている。本実施形態においては、ワンウエイクラッチ42の作用により、ピニオン41のピニオン側軸461回りの反時計方向に向かう一体回転は、小径ギヤ43のギヤ側軸462回りの反時計方向に向かう一体回転に伝達されるようになっている一方、ピニオン41のピニオン側軸461回りの時計方向に向かう回転は、小径ギヤ43のギヤ側軸462回りの回転に伝達されないようになっている。
【0054】
したがって、メインチャージャーユニット20を機器本体50から引き出すときには、機器本体側ラック57と噛合しているピニオン41の反時計方向に向かう回転は、そのまま小径ギヤ43の回転に伝達されるのに対し、メインチャージャーユニット20を機器本体50内に押し込むに際しては、機器本体側ラック57と噛合しているピニオン41の時計方向に向かう回転が小径ギヤ43に伝達されないようになっている。すなわち、メインチャージャーユニット20を機器本体50から引き出すときは小径ギヤ43が回転するのに対し、メインチャージャーユニット20を機器本体50に押し込むとき小径ギヤ43は回転しないようになっている。
【0055】
前記機器本体側ラック57は、ピニオン41の所定の単位角度の回転に対応するように長さ寸法が設定されている。したがって、メインチャージャーユニット20を機器本体50に対して着脱することにより、ピニオン41は単位角度だけ正逆回転することになる。
【0056】
前記大径ギヤ44は、第1架設軸46の上斜め後方位置においてユニット本体30の一対の側板33間に架設された第2架設軸47に回転自在に軸支されている。かかる大径ギヤ44の表面には、同一円周上に1ピッチを前記単位角度として等ピッチで複数の表示域441が設定され、これらの表示域441に反時計方向に向かって「1」から始まる昇順の数字が表記されている。本実施形態においては、昇順数字として、「1」〜「4」が採用されている。この昇順の数字は、メインチャージャーユニット20の機器本体50に対する着脱回数を表示するものである。
【0057】
一方、ユニット本体30の側板33には、メインチャージャーユニット20が1回着脱された(すなわちメンテナンス操作が1回行われた)状態で「1」が表示された表示域441と対向する位置に、表示域441を目視し得る表示窓(表示部)332が穿設されている。したがって、メインチャージャーユニット20の機器本体50に対する着脱回数が増加する度に、表示窓332には、数字が「2」、「3」・・・と順次変更されていくことになる。この数字は、メインチャージャーユニット20に対するメンテナンス回数に対応している。本実施形態においては、「1」、「2」、「3」および「4」の4つの数字が表示されている。
【0058】
前記ユニット側ラック45は、大径ギヤ44に噛合するラック本体451と、このラック本体451の背面側に一体形成された左右幅寸法がラック本体451より広い背板452とからなっている。背板452の左右両側部は、ラック本体451から互いに反対方向に向けて突出している。一方、ユニット本体30のプラグ34とワイヤ装着室V1との間に設けられた仕切壁341には、ユニット側ラック45の下降を案内する幅方向一対の下降案内部材342が設けられている。
【0059】
前記下降案内部材342は、断面形状がL字状を呈したL型材が採用され、一対のL型材で背板452の左右に突出している部分を挟み込むことによりユニット側ラック45が下降案内部材342に案内されながら下降し得るようになっている。
【0060】
かかるユニット側ラック45は、前記機器本体50のストッパ58に対応する位置に設けられているとともに、上下寸法がユニット本体30の上下寸法より短く、かつ、メインチャージャーユニット20の着脱操作が最終回(本実施形態においては4回)を越えた状態でユニット本体30の底部から下方に突出するように長さ設定されている。一方、前記ストッパ58は、上面がユニット本体30の下面より僅かに下方に位置するように上下位置が設定されている。
【0061】
これによって、ユニット側ラック45がユニット本体30から下方に突出していない場合、メインチャージャーユニット20が機器本体50に装着されてプラグ34がソケット531に嵌合された状態で、ストッパ58は、図5の(イ)に示すように、その先端がユニット側ラック45の直下位置に位置しているのに対し、ユニット側ラック45がユニット本体30から下方へ突出した場合(すなわち、メインチャージャーユニット20の機器本体50に対する着脱回数が最終回数を超えた場合)には、図5の(ロ)に示すように、ユニット側ラック45がストッパ58の先端と干渉し、これによってメインチャージャーユニット20を機器本体50へ装着し得なくなるようになされている。
【0062】
以下、図6を基に、ワンウエイクラッチ42について説明する。図6は、ワンウエイクラッチ42の一実施形態を示す断面図であり、(イ)は、ピニオン側軸461が反時計方向に向けて回転している状態、(ロ)は、ピニオン側軸461が時計方向に向けて回転している状態をそれぞれ示し、(ハ)は、(イ)の部分拡大図である。
【0063】
図6に示すように、ワンウエイクラッチ42は、前記ギヤ側軸462の周面に周方向等ピッチで装着された複数のクラッチ爪421と、このクラッチ爪421を径方向の外方に向かって付勢するコイルスプリング(付勢部材)422と、筒状を呈した前記ピニオン側軸461の内周面に周方向に等ピッチで多数形成された鋸刃溝423とを備えて構成されている。一方、ギヤ側軸462には、その周面から軸心に向かって凹設されたクラッチ爪収納凹部463が設けられている。
【0064】
前記クラッチ爪421は、図6の(ハ)に示すように、略直角三角形状に形状設定され、斜辺部421bを反時計方向側に向けた状態で底辺部421aが前記クラッチ爪収納凹部463に嵌め込まれ、これによって垂辺部421cが時計方向へ向いた状態になっている。垂辺部421cには、時計方向へ向けて突設された凸起421dが設けられている一方、クラッチ爪収納凹部463には、この凸起421dと対応した縁部に当該凸起421dを係止する第1突部463aが設けられている。また、クラッチ爪収納凹部463の反時計方向側の縁部には、クラッチ爪421における底辺部421aと斜辺部421bとが交差した先鋭部421eが係止される第2突部463bが設けられている。そして、前記先鋭部421eが第2突部463bに係止されるとともに、前記凸起421dが前記第1突部463aに係止された状態で、クラッチ爪収納凹部463の底部とクラッチ爪421の底辺部421aとの間にコイルスプリング422が圧縮状態で介設されることにより、クラッチ爪421がクラッチ爪収納凹部463に装着されるようになっている。
【0065】
前記鋸刃溝423は、前記クラッチ爪421の垂辺部421cに対応した時計方向側の溝壁である垂壁423aと、同斜辺部421bに対応した溝壁である傾斜壁423bとからなっている。つまり、前記クラッチ爪421は、第1突部463aが鋸刃溝423の垂壁423aに対向するとともに、同第2突部463bが同傾斜壁423bに対向するように形状設定されているのである。
【0066】
このように構成されたワンウエイクラッチ42によれば、メインチャージャーユニット20を機器本体50から抜き出すに際し、ピニオン側軸461の反時計方向に向かう回転は、図6の(イ)に示すように、ピニオン側軸461の鋸刃溝423の垂壁423aがクラッチ爪収納凹部463から外部に突出しているクラッチ爪421の垂辺部421cと干渉することによってギヤ側軸462へ伝達される。これに対し、メインチャージャーユニット20を機器本体50へ押し込むに際しては、図6の(ロ)に示すように、ピニオン側軸461の回転は、鋸刃溝423の傾斜壁423bがクラッチ爪421の斜辺部421bを押圧してこの斜辺部421bをクラッチ爪収納凹部463内に押し遣るため、ギヤ側軸462に伝達されない。すなわち、ピニオン側軸461は、ギヤ側軸462に対して空回りする。したがって、メインチャージャーユニット20を機器本体50の装着空間Vへ押し込んでも、小径ギヤ43が回転しないため、大径ギヤ44を介してユニット側ラック45が下降することはない。
【0067】
以上詳述したように、本実施形態に係る過使用防止構造は、機器本体50に着脱自在に内装されるメインチャージャーユニット20の過使用を防止し得るように構成されたものであり、メインチャージャーユニット20には、該メインチャージャーユニット20の機器本体50に対する1回若しくは複数回の着脱操作で一方向に向けてのみ動作する一方向動作部材を備えた着脱動作部40が備えられ、着脱動作部40は、所定の着脱回数に到達したときに、メインチャージャーユニット20の装着動作を不能とするようにユニット側ラック45を突出させるため、メインチャージャーユニット20の、機器本体50に対する着脱回数が予め設定された所定の回数に到達すれば、ユニット側ラック45に阻止されてメインチャージャーユニット20の機器本体50に対する装着が不能になり、これによってメインチャージャーユニット20の適正使用期間が経過しているにも拘わらず当該メインチャージャーユニット20を使用してしまうような不都合の発生を確実に防止することができる。
【0068】
また、メインチャージャーユニット20のユニット本体30のピニオン41には、ユニット側ラック45の動作回数を表示する表示域441が設けられているため、表示域441の表示を目視することによってメインチャージャーユニット20が機器本体50に対し着脱された回数を認識することができる。
【0069】
また、着脱動作部40は、機器本体50の内面側に配設された着脱方向に延びる機器本体側ラック57に噛合するピニオン41を有し、前記一方向動作部材は、該ピニオン41と同心で回転する小径ギヤ43であり、該小径ギヤ43とピニオン41との間には、ピニオン41の一方向への回転を小径ギヤ43に伝達する一方、ピニオン41の他方向への回転を小径ギヤ43に伝達しないワンウエイクラッチ42が設けられている。
【0070】
かかる構成によれば、機器本体50に対してメインチャージャーユニット20を着脱する度に機器本体50内の機器本体側ラック57に噛合しているメインチャージャーユニット20のピニオン41が正逆回転し、このピニオン41の回転は、ワンウエイクラッチ42を介して小径ギヤ43に伝達されるため、小径ギヤ43は、着脱動作の内の一方の動作のときしか回転せず、着脱動作が行われるたびに同一方向へ向かう回転量が増加していくことになる。この小径ギヤ43の回転量の増加によって着脱動作部40が所定の着脱回数に到達したときにユニット側ラック45がメインチャージャーユニット20の装着動作を不能とする突出動作を行うように構成しておくことにより、メインチャージャーユニット20の過使用を防止することができる。
【0071】
また、メインチャージャーユニット20には、小径ギヤ43と噛合する大径ギヤ44が設けられ、該大径ギヤ44には、片面の同一円周位置にメインチャージャーユニット20の1回の着脱操作で回転する所定の回転角度毎にメインチャージャーユニット20の着脱回数を表示する数字が付され、ユニット本体30の側板33には、この数字を目視し得る表示窓332が設けられているため、メインチャージャーユニット20の機器本体50に対する着脱動作毎に同一方向に向けて回転する小径ギヤ43の回転は、当該小径ギヤ43に噛合している大径ギヤ44に伝達される。そして、大径ギヤ44の表面に付された数字を表示窓332を介して視認することによりメインチャージャーユニット20の機器本体50に対する着脱回数を認識することができる。
【0072】
また、メインチャージャーユニット20には、大径ギヤ44に噛合し該大径ギヤ44の回転で移動するユニット側ラック45が設けられている一方、機器本体50内には、ユニット側ラック45に対応したストッパ58が設けられ、該ストッパ58は、メインチャージャーユニット20が機器本体50に対し予め設定された回数着脱操作された状態でユニット側ラック45が到達することにより該ユニット側ラック45と干渉する位置に設けられているため、メインチャージャーユニット20が機器本体50に対して予め設定された回数着脱操作されることにより、大径ギヤ44に噛合しているユニット側ラック45が機器本体50のストッパ58と干渉し、メインチャージャーユニット20はこの干渉によって機器本体50に装着し得なくなる。したがって、メインチャージャーユニット20の過使用が確実に防止される。
【0073】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0074】
(1)上記の実施形態においては、本発明に係る過使用防止構造としての着脱動作部40は、メインチャージャーユニット20に適用されているが、本発明は、着脱動作部40がメインチャージャーユニット20に適用されることに限定されるものではなく、光学系ユニット122、給紙ユニット150、現像ユニット132、露光ユニット134、クリーニングユニット135あるいは定着ユニット140等のユニット化された機器に適用してもよい。
【0075】
(2)上記の実施形態においては、ワンウエイクラッチ42が第1架設軸46に設けられているが、本発明は、ワンウエイクラッチ42が第1架設軸46に設けられることに限定されるものではなく、第2架設軸47に設けてもよい。この場合、大径ギヤ44をピニオン41と直接噛合させるようにするとともに、第2架設軸47に大径ギヤ44の一方向への回転と一体回転する一方、同他方向への回転では回転しない第3のギヤをワンウエイクラッチ42を介して軸支し、第3のギヤをユニット側ラック45と噛合させるようにすればよい。
【0076】
(3)上記の実施形態においては、表示窓332にメインチャージャーユニット20のメンテナンスの回数を表示するようにしているが、こうする代わりにあと何回のメンテナンスに耐え得るかを示す、いわゆる残回数を表示するようにしてもよい。
【0077】
(4)上記の実施形態において、小径ギヤ43に噛合するものとして円形のピニオン41が採用されているが、かかるピニオン41に代えて扇形ギヤを採用してもよい。
【0078】
(5)上記の実施形態においては、表示域441を大径ギヤ44に設けているが、本発明は、表示域を大径ギヤ44に設けることに限定されるものではなく、ユニット側ラック45に設けてもよい。この場合、ユニット本体30の側板33におけるユニット側ラック45と対向した位置の適所に表示窓332を形成すればよい。
【0079】
(6)上記の実施形態においては、メインチャージャーユニット20が機器本体50に対して着脱される度にユニット側ラック45が所定ピッチずつ下降するように構成されているが、こうする代わりにユニット側ラック45を所定ピッチずつ上昇させるようにしてもよい。こうするためには、例えば、ワンウエイクラッチ42のクラッチ爪421における垂辺部421cの向きを反時計方向側に向けた構成とすればよい。
【0080】
(7)上記の実施形態においては、クラッチ爪421を付勢する付勢部材としてコイルスプリング422が採用されているが、付勢部材がコイルスプリング422であることに限定されるものではなく、板ばねであってもよいし、ゴムなどのエラストマーであってもよい。
【0081】
(8)上記の実施形態においては、メインチャージャーユニット20の機器本体50に対する1回の着脱操作で表示窓332に対抗する表示域441が一の表示域441からこれに隣設した他の表示域441へ変わるようになされているが、こうする代わりに、所定の複数回の着脱操作で、表示窓332に対向する表示域441が1つ変化するようにしてもよい。こうすることによって耐用期間が経過するまでに非常に多くの回数のメンテナンス操作を行わなければならないようなユニットに本発明に係る過使用防止構造を適用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る過使用防止構造が適用された画像形成装置の内部構造の一実施形態を説明するための概要説明図である。
【図2】過使用防止構造が適用されたメインチャージャーユニットの一実施形態を示す斜視図であり、メインチャージャーユニットが機器本体から引き抜かれた状態を示している。
【図3】過使用防止構造が適用されたメインチャージャーユニットの一実施形態を示す斜視図であり、メインチャージャーユニットが機器本体に装着された状態をそれぞれ示している。
【図4】メインチャージャーユニットの着脱動作部の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図である。
【図5】図4に示すメインチャージャーユニットのA−A線断面図であり、(イ)は、ユニット側ラックがストッパと干渉していない状態、(ロ)は、ユニット側ラックがストッパと干渉した状態をそれぞれ示している。
【図6】ワンウエイクラッチの一実施形態を示す断面図であり、(イ)は、ピニオン側軸が反時計方向に向けて回転している状態、(ロ)は、ピニオン側軸が時計方向に向けて回転している状態をそれぞれ示し、(ハ)は(イ)の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0083】
10 画像形成装置 11 装置本体
101 排紙トレイ 102 排紙搬送路
103 返送搬送路 11 装置本体
12 原稿読取部 121 原稿押え
122 光学系ユニット 123 コンタクトガラス
123a 載置原稿用コンタクトガラス
123b 自動給紙用コンタクトガラス
124 操作パネル 125 原稿トレイ
126 原稿排紙トレイ 127 原稿送り部
13 画像形成部 131 感光体ドラム
132 現像ユニット 134 露光ユニット
135 クリーニングユニット 136 ベルトユニット
136a 駆動ローラ 136b 従動ローラ
137 搬送ベルト 14 定着部
141 ヒートローラ 142 加圧ローラ
15 用紙貯留部 150 給紙ユニット
151 用紙トレイ 152 ピックアップローラ
153 給紙搬送路 154 レジストローラ対
16 用紙反転部 161 中間トレイ
162 切換ガイド 163 反転ローラ対
20 メインチャージャーユニット
21 放電ワイヤ 30 ユニット本体
31 天板 32 前板
33 側板 331 折返し縁部
332 表示窓(表示部) 34 プラグ
341 仕切壁 342 下降案内部材
40 着脱動作部(過使用防止構造)
41 ピニオン 42 ワンウエイクラッチ
421 クラッチ爪 421a 底辺部
421b 斜辺部 421c 垂辺部
421d 凸起 421e 先鋭部
422 コイルスプリング(付勢部材)
423 鋸刃溝 43 小径ギヤ(第1ギヤ)
44 大径ギヤ(第2ギヤ) 441 表示域
45 ユニット側ラック(第2ラック)
451 ラック本体 452 背板
46 第1架設軸 461 ピニオン側軸
462 ギヤ側軸 463 クラッチ爪収納凹部
463a 第1突部 463b 第2突部
47 第2架設軸 50 機器本体
51 天板 52 前板
53 後板 54 側板
55 底板 56 ガイドレール
57 機器本体側ラック(第1ラック)
58ストッパ(突起) V 装着空間
V1 ワイヤ装着室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機器本体に着脱自在に装着されるユニットの過使用を防止し得るように構成されたユニットの過使用防止構造であって、
前記ユニットには、該ユニットの機器本体に対する1回若しくは複数回の着脱操作で一方向に向けてのみ動作する一方向動作部材を備えた着脱動作部が備えられ、
前記着脱動作部は、所定の着脱回数に到達したときに、前記ユニットの装着動作を不能とする突出動作を行うものであることを特徴とするユニットの過使用防止構造。
【請求項2】
前記一方向動作部材の動作回数を表示する表示部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のユニットの過使用防止構造。
【請求項3】
前記着脱動作部は、前記機器本体の内面側に配設された着脱方向へ延びる第1ラックに噛合するピニオンを有し、前記一方向動作部材は、該ピニオンと同心で回転する第1ギヤであり、該第1ギヤまたは前記ピニオンには、ピニオンの一方向への回転を第1ギヤに伝達する一方、ピニオンの他方向への回転を第1ギヤに伝達しないワンウエイクラッチが設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のユニットの過使用防止構造。
【請求項4】
前記ユニットには、前記第1ギヤと噛合する第2ギヤが設けられ、該第2ギヤには、片面の同一円周位置にユニットの1回の着脱操作で回転する所定の回転角度毎にユニットの着脱回数を表示する文字、図形または記号が付され、前記表示部は、前記文字、図形または記号を視認可能に前記ユニットの側壁に設けられた表示窓であることを特徴とする請求項3記載のユニットの過使用防止構造。
【請求項5】
前記ユニットには、前記第2ギヤに噛合し該第2ギヤの回転で移動するする第2ラックが設けられている一方、前記機器本体内には、前記第2ラックに対応した突起が設けられ、該突起は、ユニットが機器本体に対し予め設定された回数着脱操作された状態で前記第2ラックが到達することにより該第2ラックと干渉する位置に設けられていることを特徴とする請求項4記載のユニットの過使用防止構造。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の過使用防止構造が適用された画像形成装置であって、
前記機器本体および前記ユニットが、画像形成用の各種部材が内装される筐体および該筐体に着脱自在に装着される前記各種部材の内の必要なものが所定の機能毎にユニット化されたユニットであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−58776(P2006−58776A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242619(P2004−242619)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】