説明

ユーザ操作支援システム及び支援方法、並びにユーザ操作支援プログラム

【課題】コンピュータ教育やソフトウエア導入支援等におけるユーザ操作支援の際に、一部のユーザの操作が遅れた場合に、効率よく復旧作業を行うことが可能となり、復旧後の操作支援の続行も効率よく再開することが可能となるユーザ操作支援システム及び支援方法、並びにユーザ操作支援プログラムを提供せんとする。
【解決手段】判定手段により、ユーザコンピュータへのリアルタイム送信済みの操作情報と各ユーザコンピュータのユーザ操作情報とを比較し、支援コンピュータの操作に各ユーザコンピュータの操作がついてきているかどうかを判定する。停止直前にリアルタイム送信した直前情報を記憶しておき、復旧後のユーザコンピュータから直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより、復旧できたことを判断し、即座に直前情報以降の操作情報を送信して操作サポートを再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを利用した教育現場における生徒の操作支援や、オフィスコンピュータ等のソフトウエアのインストール処理・パラメータ設定等のソフトウエア導入時などのユーザ操作を支援するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば教育現場においては、講師用端末機に複数の受講生用端末機がインターネットを介して同時にマルチ接続され、講師用端末機と受講生用端末機との間で、テキスト、画像からなる授業データ、もしくはさらにこれに音声を加えた授業データを相互に交換して、講師用端末機から、接続されている全受講生に対して一斉に授業データを配信し、またマルチモニタ画面で全受講生端末機を観察すると同時に、講義用モニタ画面と特定受講生用端末機との間を1対1に接続して、当該受講生との質疑応答および個別指導をリアルタイムに行うようにするシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、ソフトウエアのインストールやパラメータ設定等の操作支援システムとしては、サポートセンタからユーザコンピュータに対して画面を共有してサポートを行なう遠隔支援システムにおいて、ユーザコンピュータからサポートセンタに回線接続し、サポートセンタのコンピュータ画面とユーザコンピュータの画面とを共通化し、回線を用いて、サポートセンタのサポータの音声をユーザコンピュータに出力し、ユーザコンピュータのユーザの音声をサポートセンタのコンピュータに出力し、サポータが共通化された画面を操作し、且つ、音声を与えることにより、ユーザのユーザコンピュータの操作を支援し、ユーザのユーザコンピュータの操作状況が共通化された画面及び音声により、サポータに理解させることで、ユーザコンピュータの操作を支援するものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
これら従来の支援システムは、いずれも画面を共有化して受講生等のコンピュータユーザの操作を支援するものであるが、ユーザの操作が遅れた場合、一対一のサポートであれば対応可能であるが、同時に複数のユーザコンピュータに一斉に支援画面を送信して操作をサポートする効率的な処理の場合に、その中に操作が遅れているユーザがあっても柔軟に対応することができず、他のユーザコンピュータへの支援が終了してから、個別に対応せざるを得ない状況であった。
【0005】
【特許文献1】特開2001−337589号公報
【特許文献2】特開平11−195062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、コンピュータ教育やソフトウエア導入支援等におけるユーザ操作支援の際に、一部のユーザの操作が遅れた場合に、効率よく復旧作業を行うことが可能となり、復旧後の操作支援の続行も効率よく再開することが可能となるユーザ操作支援システム及び支援方法、並びにユーザ操作支援プログラムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述の課題解決のために、複数のユーザコンピュータとこれに通信接続される支援コンピュータとから構成されるユーザ操作支援システムにおいて、前記支援コンピュータが、自らのキーボード/マウス等の入力操作手段による支援操作情報を保存する操作履歴記憶手段と、前記操作履歴記憶手段から取り出した支援操作情報を、通信接続されているユーザコンピュータにリアルタイム送信する操作情報転送手段と、通信接続されている各ユーザコンピュータから、各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を受信するユーザ操作情報受信手段と、前記受信した各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を保存するユーザ操作履歴記憶手段と、リアルタイム送信済みの操作情報とユーザ操作履歴記憶手段の各ユーザコンピュータのユーザ操作情報とを比較し、支援コンピュータの操作に各ユーザコンピュータの操作がついてきているかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段により、ついてこれていないユーザコンピュータを特定し、該ユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を停止するとともに、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を継続する送信停止手段と、前記送信停止手段による停止直前にリアルタイム送信した操作情報を記憶する直前情報記憶手段と、前記特定されたユーザコンピュータから前記直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより、該直前情報以降の操作情報の送信を再開する送信再開手段とを備え、前記ユーザコンピュータが、前記支援コンピュータから受信した支援操作情報を画面表示する操作画面表示手段と、自らのキーボード/マウス等の入力操作手段によるユーザ操作情報を支援コンピュータにリアルタイム送信する操作情報送信手段とを備えたことを特徴とするユーザ操作支援システムを提供する。
【0008】
ここで、前記支援コンピュータが、操作履歴記憶手段から取り出した支援操作情報を各ユーザコンピュータにリアルタイム送信したタイミングを記録する送信タイミング記憶手段を備え、前記送信再開手段により送信再開される前記直前情報以降の操作情報の送信が、前記送信タイミング記憶手段に基づき、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信と同じタイミングにより送信されるシステムが好ましい。
【0009】
あるいは、前記送信再開手段により送信再開される前記直前情報以降の操作情報の送信が、当該ユーザコンピュータからユーザ操作情報を受信する毎に、次の支援操作情報を操作履歴記憶手段から取り出して送信されるシステムとしてもよい。
【0010】
また、前記支援コンピュータが、前記判定手段による各ユーザコンピュータの操作状況を、ついてきているユーザコンピュータの数若しくは割合、または遅れているユーザコンピュータの数若しくは割合で画面上に表示する操作状況表示手段を備えたシステムが好ましい。
【0011】
さらに、前記支援コンピュータが、前記判定手段により特定された操作が遅れているユーザコンピュータを画面上に識別表示する表示手段を備えたシステムが望ましい。
【0012】
また、本発明は、複数のユーザコンピュータとこれに通信接続される支援コンピュータとから構成されるユーザ操作支援方法において、前記ユーザコンピュータが、前記支援コンピュータから受信した支援操作情報を画面表示する操作画面表示手段と、自らのキーボード/マウス等の入力操作手段によるユーザ操作情報を支援コンピュータにリアルタイム送信する操作情報送信手段とを備えており、前記支援コンピュータが、自らのキーボード/マウス等の入力操作手段による支援操作情報を操作履歴記憶手段に保存する手順と、前記操作履歴記憶手段から取り出した支援操作情報を、通信接続されているユーザコンピュータにリアルタイム送信する手順と、通信接続されている各ユーザコンピュータから、各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を受信する手順と、前記受信した各ユーザコンピュータのユーザ操作情報をユーザ操作履歴記憶手段に保存する手順と、リアルタイム送信済みの操作情報とユーザ操作履歴記憶手段の各ユーザコンピュータのユーザ操作情報とを比較し、支援コンピュータの操作に各ユーザコンピュータの操作がついてきているかどうかを判定する手順と、前記判定により、ついてこれていないユーザコンピュータを特定し、該ユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を停止するとともに、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を継続する手順と、前記送信停止の直前にリアルタイム送信した操作情報を直前情報記憶手段に記憶する手順と、前記特定されたユーザコンピュータから直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより、該直前情報以降の操作情報の送信を再開する手順と、よりなることを特徴とするユーザ操作支援方法をも提供する。
【0013】
ここでも、前記支援コンピュータが、操作履歴記憶手段から取り出した支援操作情報を各ユーザコンピュータにリアルタイム送信したタイミングを記録する手順を備え、送信再開される直前情報以降の操作情報の送信が、前記送信タイミング記憶手段に基づき、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信と同じタイミングにより送信されるものや、あるいは、送信再開される前記直前情報以降の操作情報の送信が、当該ユーザコンピュータからユーザ操作情報を受信する毎に、次の支援操作情報を操作履歴記憶手段から取り出して送信されるものが好ましい。
【0014】
さらに、本発明は、複数のユーザコンピュータとこれに通信接続される支援コンピュータを、それぞれ上記のユーザ操作支援システムにおける各手段として機能させるためのユーザ操作支援プログラムであって、前記支援コンピュータを、自らのキーボード/マウス等の入力操作手段による支援操作情報を保存する操作履歴記憶手段、前記操作履歴記憶手段から取り出した支援操作情報を、通信接続されているユーザコンピュータにリアルタイム送信する操作情報転送手段、通信接続されている各ユーザコンピュータから、各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を受信するユーザ操作情報受信手段、前記受信した各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を保存するユーザ操作履歴記憶手段、リアルタイム送信済みの操作情報とユーザ操作履歴記憶手段の各ユーザコンピュータのユーザ操作情報とを比較し、支援コンピュータの操作に各ユーザコンピュータの操作がついてきているかどうかを判定する判定手段、前記判定手段により、ついてこれていないユーザコンピュータを特定し、該ユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を停止するとともに、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を継続する送信停止手段、前記送信停止手段による停止直前にリアルタイム送信した操作情報を記憶する直前情報記憶手段、および、前記特定されたユーザコンピュータから前記直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより、該直前情報以降の操作情報の送信を再開する送信再開手段として機能させ、前記ユーザコンピュータを、前記支援コンピュータから受信した支援操作情報を画面表示する操作画面表示手段、および、自らのキーボード/マウス等の入力操作手段によるユーザ操作情報を支援コンピュータにリアルタイム送信する操作情報送信手段として機能させるユーザ操作支援プログラムをも提供する。
【発明の効果】
【0015】
以上にしてなる本願発明によれば、判定手段により、ユーザコンピュータへのリアルタイム送信済みの操作情報と各ユーザコンピュータのユーザ操作情報とを比較し、支援コンピュータの操作に各ユーザコンピュータの操作がついてきているかどうかを判定することで、ついてこれていないユーザコンピュータを特定することができ、送信停止手段により該ユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を即座に停止し、復旧作業にとりかかることが可能となる。
【0016】
そして、停止直前にリアルタイム送信した支援操作情報(直前情報)を記憶しておき、復旧後のユーザコンピュータから直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより、復旧できたことを判断でき、即座に直前情報以降の操作情報を送信して操作サポートを再開でき、すべての支援が終わるまで待たされるといった不都合が解消され、より質の高いサポートが提供できる。
【0017】
また、ついてきているユーザコンピュータの数若しくは割合、または遅れているユーザコンピュータの数若しくは割合で画面上に表示する操作状況表示手段を備えたので、支援コンピュータを操作している教員や管理者が各ユーザの操作状況を迅速かつ正確に把握できる。
【0018】
さらに、特定された操作が遅れているユーザコンピュータを支援コンピュータの画面上に識別表示する表示手段を備えたので、支援コンピュータを操作している教員や管理者は遅れているユーザコンピュータを的確に把握できおる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るユーザ操作支援システムの全体構成を示す図であり、図1〜6は代表的実施形態を示し、図中符号1は支援コンピュータ、2はユーザコンピュータをそれぞれ示している。
【0021】
本発明のユーザ操作支援システムSは、複数のユーザコンピュータ2,…と、通信ネットワークNを介してこれに通信接続される支援コンピュータ1とから構成されている。
【0022】
支援コンピュータ1は、単又は複数のコンピュータより構成され、図2に示すように、処理装置10を中心に、記憶手段11、通信制御部12、マウス、キーボード等の入力操作手段13、ディスプレイ14よりなる表示手段よりなり、処理装置10は、マイクロプロセッサなどのCPUを主体に構成され、図示しないRAM、ROMからなる記憶部を有して各種処理動作の手順を規定するプログラムや処理データが記憶される。
【0023】
記憶手段11は、支援コンピュータ1内外のハードディスク等からなり、自らのキーボード/マウス等の入力操作手段13による支援操作情報を保存する操作履歴記憶部11aと、通信接続される各ユーザコンピュータを識別管理する管理情報記憶部11bと、ユーザコンピュータにリアルタイム送信される支援操作情報の送信タイミングを記録する送信タイミング記憶部11cと、各ユーザコンピュータから受信したユーザ操作情報を保存するユーザ操作履歴記憶部11dと、送信停止手段による停止直前にリアルタイム送信した操作情報を記憶する直前情報記憶部11eとを備えている。
【0024】
処理装置10は、機能的には、操作履歴記憶部11aから取り出した支援操作情報を、通信接続されているユーザコンピュータにリアルタイム送信する操作情報転送部10aと、通信接続されている各ユーザコンピュータから、各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を受信し、ユーザ操作履歴記憶部11dに記憶するユーザ操作情報受信処理部10bと、リアルタイム送信済みの操作情報とユーザ操作履歴記憶部11dの各ユーザコンピュータのユーザ操作情報とを比較し、支援コンピュータ1の操作に各ユーザコンピュータ2の操作がついてきているかどうかを判定する判定処理部10cと、判定処理部10cにより把握される各ユーザコンピュータ2の操作状況を、ついてきているユーザコンピュータの数若しくは割合、または遅れているユーザコンピュータの数若しくは割合でディスプレイ14に表示する操作状況表示処理部10dと、判定処理部10cによりついてこれていないと判定されたユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を停止させる送信停止処理部10eと、特定されたユーザコンピュータから直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより、該直前情報以降の操作情報の送信を再開する送信再開処理部10fとを備えており、これら機能は上記プログラムにより実現される。
【0025】
なお、本例では、図1に示すように単一のコンピュータの処理装置、記憶手段11にこれら機能、記憶部を設けた例について説明しているが、複数のコンピュータによりこれら機能、記憶部を分担させて構成してもよい。
【0026】
操作情報転送部10aによって各ユーザコンピュータ2にリアルタイム送信される支援操作情報は、図4に示すように、操作手本画面41としてユーザコンピュータ2のディスプレイ上に画面表示される。より詳しくは、この操作手本画面41は、つまりは支援コンピュータ1の操作中にディスプレイ14に表示された画面31、マウスカーソル等の遷移する画面表示情報であり、ユーザコンピュータ2のディスプレイ上の自らの操作画面40上に重畳表示される操作手本画面41を参照して、これと同じ操作を行うことにより支援コンピュータ1と同じ処理を行い、確実な処理操作を行うことが可能となる。図中矢印はマウスのカーソルを示す。
【0027】
そして、判定処理部10cにより各ユーザコンピュータの操作状況が判定され、操作状況表示処理部10dにより、ついてきているユーザコンピュータの数若しくは割合、または遅れているユーザコンピュータの数若しくは割合を支援コンピュータ1の画面上に表示するとともに、操作が遅れているとして特定されたユーザコンピュータが画面上に識別表示される。
【0028】
また、各ユーザコンピュータ2は、図3に示すように、処理装置20を中心に、記憶手段21、操作画面等を表示するディスプレイ22、ユーザにより操作される操作手段としてのマウスやキーボード等の入力操作手段23、通信制御部24が接続された従来から汎用されているコンピュータ装置からなり、処理装置20は、マイクロプロセッサなどのCPUを主体に構成され、図示しないRAM、ROMからなる記憶部を有して各種処理動作の手順を規定するプログラムや処理データが記憶される。
【0029】
処理装置20は、機能的には、上記の支援コンピュータ1から受信した支援操作情報をディスプレイ22に画面表示する操作画面表示処理部20aと、自らのキーボード/マウス等の入力操作手段によるユーザ操作情報を支援コンピュータ1にリアルタイム送信する操作情報送信部20bとを少なくとも備え、これら機能は上記プログラムにより実現される。
【0030】
以下、図6のフロー図に基づき、本発明のユーザ操作支援方法の各手順を説明する。
【0031】
なお、以下の説明では、学校教育現場において各生徒が操作するユーザコンピュータ2と教員が操作する支援コンピュータ1とよりシステム構成した例について説明するが、本発明はこのような学校教育現場における生徒−教員間のシステムになんら限定されず、たとえば会社のオフィスでのワーカーのユーザコンピュータとパソコン管理者の支援コンピュータとよりシステム構成するなど、さまざまな場面に適用できることは勿論である。
【0032】
本例では、学校の教室内の生徒、教員の各座席に、ユーザコンピュータ2,・・・、支援コンピュータ1が設置され、これらは学校内に付設されたLANを介して互いに通信接続されている。各生徒、教員は座席についてコンピュータにログインし、各種教材等のソフトウエアを使用することができる。
【0033】
まず、支援コンピュータ1は、教員による自らのキーボード/マウス等の入力操作手段13による支援操作情報の履歴を、記憶手段11の操作履歴記憶部11aに保存する(S1)とともに、操作情報転送部10aが操作履歴記憶部11aから取り出した支援操作情報を各ユーザコンピュータ2,・・・に対してリアルタイム送信する(S2)。具体的には、キーボードやマウスの時系列の支援操作情報を保存し、この支援操作情報から操作画面の変遷を動画として編集した操作手本画面データを作成し、これを送信することとなる。
【0034】
支援操作情報(操作手本画面データ)を受信した各ユーザコンピュータ2では、これら情報を操作画面表示処理部20aによりディスプレイ22に画面表示する(S3)。具体的には、上述したように図4に示す動画の操作手本画面41がディスプレイ上の操作画面に重畳表示される。これを手本にして各ユーザは処理操作をすすめることができる。
【0035】
各ユーザコンピュータ2のユーザ操作情報は、操作情報送信部20bによりリアルタイムで各ユーザコンピュータ2から支援コンピュータ1に送信され(S4)、支援コンピュータ1のユーザ操作情報受信処理部10bによりユーザ操作履歴記憶部11dに記憶管理される(S5)。
【0036】
本例では、図5に示すように、支援コンピュータ1のディスプレイ上に表示される操作画面31の左側に状況表示欄32が設けられ、ユーザ操作情報受信処理部10bは、各ユーザコンピュータ2から受信したユーザ操作履歴の情報に基づいて各ユーザコンピュータ2の現在の状況を表示する(S6)。これにより教員は各生徒の操作状況が一覧でき、生徒の状況に応じて操作スピードの調整を行うことが可能となる。
【0037】
支援コンピュータ1の判定処理部10cは、リアルタイム送信済みの操作情報と各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を比較することにより、各ユーザコンピュータ2の操作が支援コンピュータ1についてきているかどうかを判定する(S7)。たとえばユーザコンピュータのアクティブなウインドウ/アプリケーションが支援コンピュータから送信されたお手本画面のウインドウ/アプリケーションに揃わなかった場合に遅れていると判定される。
【0038】
判定基準は、具体的には、送信された操作情報に対して支援コンピュータ1の操作情報が合致するまでの時間を設定しておき、その時間を越えた場合についてこれていない(遅れた)と判定すればよい。また、他のユーザコンピュータの操作結果と比較して、所定時間以上遅れているものを特定してもよい。たとえば、所定の割合以上のユーザコンピュータの操作情報が支援コンピュータの操作情報に合致してから所定時間以内に操作情報が合致しなかったユーザコンピュータをついてこれていないと判定すればよい。
【0039】
S7において、判定処理部10cが、ついてこれていないユーザコンピュータ2を特定すると、送信停止処理部10eが特定されたユーザコンピュータ2に対するリアルタイム送信を停止するとともに(S8)、送信停止の直前にリアルタイム送信した操作情報を直前情報記憶部11eに記憶する(S9)。他のユーザコンピュータに対しては、リアルタイム送信が継続される。
【0040】
操作状況表示処理部10dは、上記判定処理部10cにより把握される各ユーザコンピュータ2の操作状況を、ついてきているユーザコンピュータの数若しくは割合、または遅れているユーザコンピュータの数若しくは割合でディスプレイ14に表示する。本例では、図5の操作画面31の右上に、ついてきているユーザコンピュータの数と遅れているユーザコンピュータの数をそれぞれ最終状況(アクティブウインドウ/アプリケーションタイトル)とともに数値で示す集計表示欄33が設けられている。これにより教員は、生徒「SKYR179451TL」が「SMP81−構内ネットワーク運用支援 要求仕様書」の画面と閉じられずに、「スタートメニュー」を開けないでいることを把握でき、該生徒のユーザコンピュータ2に対する復旧作業(ここでは「スタートメニュー」が開いた状態まで復旧させること)を迅速に行うことが可能となる。
【0041】
復旧作業(S10)は、教員が手動で遅れている生徒のユーザコンピュータ2を操作(ユーザコンピュータの入力操作手段を操作すること、あるいは支援コンピュータから遠隔で操作すること)して復旧させることもでき、また、支援コンピュータが自動的にユーザコンピュータ2を遠隔操作して復旧させることも可能である。これは復旧内容に応じて選択できるようにすることが好ましい。すなわち自動的に操作して復旧させることが可能なものであれば支援コンピュータ1が自動的にユーザコンピュータ2を遠隔操作して復旧させ、不可能なもの、たとえばアプリケーションがインストールされていないとか、動作中のアプリケーションが落ちてしまった等の致命的な原因の場合は、教員に通知して上記手動による復旧を促すこととすればよい。
【0042】
また、支援コンピュータ1およびユーザコンピュータ2にマイクとスピーカを予め設けておき、教員と会話しながら生徒自身で復旧させることもでき、あるいは支援コンピュータに予め用意されている復旧方法を記したメモ、あるいは教員が作成した復旧方法を記したメモを、メール等により送信してユーザコンピュータに表示させ、生徒がそれを参照して復旧を試みることも好ましい。
【0043】
復旧により、特定されたユーザコンピュータ2においてアクティブなアプリケーションやウインドウの位置が停止直前の支援コンピュータの位置に一致し、S11において、支援コンピュータ1が当該ユーザコンピュータ2から直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより、支援コンピュータ1の送信再開処理部10fが該直前情報以降の操作手本画面の送信を当該ユーザコンピュータ2に対して再開する(S12、S13)。ここで、送信再開処理部10fによる直前情報以降の操作情報の送信は、前記送信タイミング記憶部11cに基づき、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信と同じタイミング(同じ操作スピード)により送信される。
【0044】
なお、このような送信タイミング記憶部11cを設けることなく、送信再開処理部10fが直前情報以降の操作情報の送信を、当該ユーザコンピュータ2からユーザ操作情報を受信する毎に、次の操作情報(操作手本画面)を随時送信されるようにしてもよい。
【0045】
また、本例では送信再開を送信再開処理部10fが特定されたユーザコンピュータ2から直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより自動的に行うこととしたが、当該受信した旨を教員に告知する告知手段を備えさせ、教員が手動操作で再開処理を開始するようにしてもよい。
【0046】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の代表的実施形態に係るユーザ操作支援システムのネットワーク構成を示す説明図。
【図2】同じくユーザ操作支援システムの支援コンピュータの構成を示すブロック図。
【図3】同じくユーザコンピュータの構成を示すブロック図。
【図4】ユーザコンピュータのディスプレイに表示される画面の一例を示す説明図。
【図5】支援コンピュータのディスプレイに表示される画面の一例を示す説明図。
【図6】同じくユーザ操作支援システムのアドレス情報記憶部に管理されている情報を示す説明図。
【符号の説明】
【0048】
S ユーザ操作支援システム
N 通信ネットワーク
1 支援コンピュータ
2 ユーザコンピュータ
10 処理装置
10a 操作情報転送部
10b ユーザ操作情報受信処理部
10c 判定処理部
10d 操作状況表示処理部
10e 送信停止処理部
10f 送信再開処理部
11 記憶手段
11a 操作履歴記憶部
11b 管理情報記憶部
11c 送信タイミング記憶部
11d ユーザ操作履歴記憶部
11e 直前情報記憶部
12 通信制御部
13 入力操作手段
14 ディスプレイ
20 処理装置
20a 操作画面表示処理部
20b 操作情報送信部
21 記憶手段
22 ディスプレイ
23 入力操作手段
24 通信制御部
31 操作画面
32 状況表示欄
33 集計表示欄
40 操作画面
41 操作手本画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザコンピュータとこれに通信接続される支援コンピュータとから構成されるユーザ操作支援システムにおいて、
前記支援コンピュータが、
自らのキーボード/マウス等の入力操作手段による支援操作情報を保存する操作履歴記憶手段と、
前記操作履歴記憶手段から取り出した支援操作情報を、通信接続されているユーザコンピュータにリアルタイム送信する操作情報転送手段と、
通信接続されている各ユーザコンピュータから、各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を受信するユーザ操作情報受信手段と、
前記受信した各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を保存するユーザ操作履歴記憶手段と、
リアルタイム送信済みの操作情報とユーザ操作履歴記憶手段の各ユーザコンピュータのユーザ操作情報とを比較し、支援コンピュータの操作に各ユーザコンピュータの操作がついてきているかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、ついてこれていないユーザコンピュータを特定し、該ユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を停止するとともに、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を継続する送信停止手段と、
前記送信停止手段による停止直前にリアルタイム送信した操作情報を記憶する直前情報記憶手段と、
前記特定されたユーザコンピュータから前記直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより、該直前情報以降の操作情報の送信を再開する送信再開手段とを備え、
前記ユーザコンピュータが、
前記支援コンピュータから受信した支援操作情報を画面表示する操作画面表示手段と、
自らのキーボード/マウス等の入力操作手段によるユーザ操作情報を支援コンピュータにリアルタイム送信する操作情報送信手段とを備えたことを特徴とするユーザ操作支援システム。
【請求項2】
前記支援コンピュータが、操作履歴記憶手段から取り出した支援操作情報を各ユーザコンピュータにリアルタイム送信したタイミングを記録する送信タイミング記憶手段を備え、前記送信再開手段により送信再開される前記直前情報以降の操作情報の送信が、前記送信タイミング記憶手段に基づき、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信と同じタイミングにより送信される請求項1記載のユーザ操作支援システム。
【請求項3】
前記送信再開手段により送信再開される前記直前情報以降の操作情報の送信が、当該ユーザコンピュータからユーザ操作情報を受信する毎に、次の支援操作情報を操作履歴記憶手段から取り出して送信される請求項1記載のユーザ操作支援システム。
【請求項4】
前記支援コンピュータが、前記判定手段による各ユーザコンピュータの操作状況を、ついてきているユーザコンピュータの数若しくは割合、または遅れているユーザコンピュータの数若しくは割合で画面上に表示する操作状況表示手段を備えてなる請求項1〜3の何れか1項に記載のユーザ操作支援システム。
【請求項5】
前記支援コンピュータが、前記判定手段により特定された操作が遅れているユーザコンピュータを画面上に識別表示する表示手段を備えてなる請求項1〜4の何れか1項に記載のユーザ操作支援システム。
【請求項6】
複数のユーザコンピュータとこれに通信接続される支援コンピュータとから構成されるユーザ操作支援方法において、
前記ユーザコンピュータが、前記支援コンピュータから受信した支援操作情報を画面表示する操作画面表示手段と、自らのキーボード/マウス等の入力操作手段によるユーザ操作情報を支援コンピュータにリアルタイム送信する操作情報送信手段とを備えており、
前記支援コンピュータが、
自らのキーボード/マウス等の入力操作手段による支援操作情報を操作履歴記憶手段に保存する手順と、
前記操作履歴記憶手段から取り出した支援操作情報を、通信接続されているユーザコンピュータにリアルタイム送信する手順と、
通信接続されている各ユーザコンピュータから、各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を受信する手順と、
前記受信した各ユーザコンピュータのユーザ操作情報をユーザ操作履歴記憶手段に保存する手順と、
リアルタイム送信済みの操作情報とユーザ操作履歴記憶手段の各ユーザコンピュータのユーザ操作情報とを比較し、支援コンピュータの操作に各ユーザコンピュータの操作がついてきているかどうかを判定する手順と、
前記判定により、ついてこれていないユーザコンピュータを特定し、該ユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を停止するとともに、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を継続する手順と、
前記送信停止の直前にリアルタイム送信した操作情報を直前情報記憶手段に記憶する手順と、
前記特定されたユーザコンピュータから直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより、該直前情報以降の操作情報の送信を再開する手順と、
よりなることを特徴とするユーザ操作支援方法。
【請求項7】
前記支援コンピュータが、操作履歴記憶手段から取り出した支援操作情報を各ユーザコンピュータにリアルタイム送信したタイミングを記録する手順を備え、送信再開される直前情報以降の操作情報の送信が、前記送信タイミング記憶手段に基づき、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信と同じタイミングにより送信される請求項6記載のユーザ操作支援方法。
【請求項8】
送信再開される前記直前情報以降の操作情報の送信が、当該ユーザコンピュータからユーザ操作情報を受信する毎に、次の支援操作情報を操作履歴記憶手段から取り出して送信される請求項6記載のユーザ操作支援方法。
【請求項9】
複数のユーザコンピュータとこれに通信接続される支援コンピュータを、それぞれ請求項1〜5の何れか1項に記載のユーザ操作支援システムにおける各手段として機能させるためのユーザ操作支援プログラムであって、
前記支援コンピュータを、
自らのキーボード/マウス等の入力操作手段による支援操作情報を保存する操作履歴記憶手段、
前記操作履歴記憶手段から取り出した支援操作情報を、通信接続されているユーザコンピュータにリアルタイム送信する操作情報転送手段、
通信接続されている各ユーザコンピュータから、各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を受信するユーザ操作情報受信手段、
前記受信した各ユーザコンピュータのユーザ操作情報を保存するユーザ操作履歴記憶手段、
リアルタイム送信済みの操作情報とユーザ操作履歴記憶手段の各ユーザコンピュータのユーザ操作情報とを比較し、支援コンピュータの操作に各ユーザコンピュータの操作がついてきているかどうかを判定する判定手段、
前記判定手段により、ついてこれていないユーザコンピュータを特定し、該ユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を停止するとともに、他のユーザコンピュータに対するリアルタイム送信を継続する送信停止手段、
前記送信停止手段による停止直前にリアルタイム送信した操作情報を記憶する直前情報記憶手段、
および、前記特定されたユーザコンピュータから前記直前情報と同じユーザ操作情報を受信することにより、該直前情報以降の操作情報の送信を再開する送信再開手段として機能させ、
前記ユーザコンピュータを、
前記支援コンピュータから受信した支援操作情報を画面表示する操作画面表示手段、
および、自らのキーボード/マウス等の入力操作手段によるユーザ操作情報を支援コンピュータにリアルタイム送信する操作情報送信手段として機能させるユーザ操作支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−97052(P2008−97052A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274287(P2006−274287)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【Fターム(参考)】