説明

ユーザ識別装置、ユーザ識別方法、ならびに、プログラム

【課題】ユーザにとって直感的に分かりやすいようにユーザを識別する。
【解決手段】記憶部201は、ユーザ名と図形の形状とを対応付けて記憶し、図形の形状と入力可能領域を指定する情報とを対応付けて記憶する。入力受付部202は、図形の入力を受け付ける。領域表示部204は、図形の入力を受け付ける画面を表示する。識別部203は、入力された図形の形状と記憶部201に記憶される図形の形状とがマッチするか否か、及び、入力された図形の画面内における位置と、記憶部201に記憶される入力可能領域を指定する情報が示す位置とがマッチするか否かを判別する。いずれもマッチすると判別された場合、識別部203は、マッチすると判別された図形の形状に対応付けられるユーザ名が、図形を入力したユーザのユーザ名であると識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにとって直感的に分かりやすい手続きでユーザを識別するために好適なユーザ識別装置、ユーザ識別方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザを識別する一般的な手法の一つに、ユーザ名及びパスワードをユーザに入力させ、予め登録したユーザ名及びパスワードと合致するか否かによって識別する手法がある。ユーザ名やパスワードには、アルファベット、数字、記号などの組み合わせによる文字列が用いられることが多いが、図形などを用いて識別する手法もある。特許文献1には、例えば世界地図など、テーマが設定された参照画面をユーザが自由に選択し、選択パターンを登録しておくことによってユーザを認証するシステムが開示されている。これによれば、例えば世界地図をテーマとする参照画面のうち「日本」を象徴する表示要素には「4」を、「アフリカ」を象徴する表示要素には「3」を、といったように内部的に予め対応付けておき、表示要素の選択パターンをパスワードとして利用している。
【特許文献1】特開2007−264892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記文献に記載の技術によっても、ユーザは予め定められたテーマに準拠した選択パターンを覚えておかねばならず、もし自分のあまり興味のないテーマが設定されている場合には、結局選択パターンが分かりづらかったり覚えづらかったりしてしまう。また、自分の興味のあるテーマが設定されている場合でも、予め決められた表示要素を組み合わせることしかできず、自分の好みに合うように表示要素を書き換えたりカスタマイズしたりすることができないため、ユーザにとって使いづらいことがあった。
【0004】
本発明はこのような課題を解決するものであり、ユーザにとって直感的に分かりやすい手続きでユーザを識別するために好適なユーザ識別装置、ユーザ識別方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0006】
本発明の第1の観点に係るユーザ識別装置は、記憶部、入力受付部、識別部を備える。
記憶部は、一つ以上のユーザ名のそれぞれに対応付けて一つ以上の図形の形状を記憶し、当該一つ以上の図形の形状のそれぞれに対応付けて画面内の入力可能領域を記憶する。
入力受付部は、当該画面内において、一つ以上の図形の入力を受け付ける。
識別部は、当該ユーザ名のいずれかについて、所定の識別条件が満たされるユーザ名を、当該入力したユーザのユーザ名であると識別する。
また、当該所定の識別条件は、入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれと、当該ユーザ名に対応付けられる一つ以上の図形の形状とがマッチし、当該入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれの当該画面内における位置が、当該マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれる場合に、満たされる。
【0007】
図形は、例えば、半径や中心点が定められる円、3個の頂点座標が定められる三角形、4個の頂点座標が定められる四角形、というように数学的・幾何学的なパラメータを用いて定義されてもよいし、具体的なパラメータを用いずにマル、サンカク、シカクというように普通の人間が見て判断する程度の正確さをもって定義されてもよい。また、図形には、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、文字、記号、任意の模様、絵なども含まれる。
図形の形状は、例えば図形に含まれる1個以上の特徴点を用いて表される。また、図形を含む画像をデジタルデータ化し、複数のピクセルデータから構成される画像データを図形の形状として扱うこともできる。
【0008】
本発明のユーザ識別装置は、典型的には、図形の入力をユーザから受け付ける画面をモニターに表示する。画面には、ユーザが図形を入力できる領域(以下「入力可能領域」という。)が一つ以上含まれる。画面には、ユーザ名ごとに対応付けられる入力可能領域が表示される。ユーザは、例えばタッチパネルとタッチペンなどの入力デバイスを用いて、自分のユーザ名に対応する入力可能領域に図形を入力する。
ユーザ識別装置には、ユーザ名と、図形の形状と、入力可能領域の画面内における位置等を示す情報とを対応付ける情報(以下「ユーザ情報」という。)が記憶される。一つのユーザ名につき複数の図形の形状が対応付けられてもよい。ただし、一つの入力可能領域には1つの図形の形状が対応付けられる。ユーザ識別装置は、入力された図形の形状を判断し、判断された図形の形状と予め記憶されるユーザ情報とに基づいてユーザを識別する。
【0009】
具体的には、ユーザ識別装置は、(a)入力された図形の形状と、予め記憶される図形の形状とがマッチすること、及び、(b)入力された図形の形状の画面内における位置が、予め対応付けられる入力可能領域内に含まれること、の両方の条件を満たすか否かを判別し、いずれも満たすと判別する場合には、入力された図形の形状に対応付けられるユーザ名が図形を入力したユーザのユーザ名であると識別する。言い換えれば、ユーザ名に対応付けられている入力可能領域内に入力された図形の形状が、ユーザ名に対応付けられている図形の形状にマッチすれば、入力された入力可能領域に対応するユーザ名が図形を入力したユーザのユーザ名であると判別される。一つのユーザ名に複数の図形の形状が対応付けられている場合、それぞれの図形の形状について、入力された図形の形状とのマッチングが行われる。
【0010】
本発明のユーザ識別装置は、例えば、複数のユーザのうちのひとりのユーザがログインできる、仮想空間内におけるゲームを実行する。まずユーザ識別装置は、予め登録されたユーザ名ごとに別々の入力可能領域を配置した画面を表示する。ユーザは、ログインしたいユーザ名に関連付けられた入力可能領域に、図形を入力する。図形が入力された入力可能領域の場所と、入力された図形の形状の両方が、予め登録されたユーザ情報とマッチすると、正しいユーザであると判別され、ゲームが開始される。
【0011】
ユーザは、例えば、自分の識別用の図形の形状として、手書きで入力したユーザ名を登録しておく。ユーザは、正しい場所に自分の筆跡で“サイン”すれば、簡単にユーザ識別を完了することができるようになる。本発明によれば、ユーザは自分のユーザ名に対応する入力可能領域に自分の識別用の図形を正しく入力すればよいので、ユーザにとって直感的に分かりやすいユーザ識別装置を提供できる。また、他人のユーザ名で誤ってゲームを開始してしまうようなミスを防ぐことができる。
【0012】
本発明のユーザ識別装置には様々な用途が考えられ、用途すなわちユーザ識別の結果を何に用いるかについては限定されない。一例として、ユーザ識別装置が仮想空間内におけるゲームを実行するゲーム装置を兼ねており、識別されたユーザ名ごとにゲーム用のデータ(例えばプレイヤキャラクタ、ゲームモード等の設定ファイルやセーブデータ)を選択してロードすることを目的の一つとして本発明を適用することができる。
【0013】
当該入力可能領域は、当該画面内において互いに重複しないことが望ましい。
また、ユーザ識別装置は、当該画面内に当該入力可能領域を表示する領域表示部を更に備えてもよい。
【0014】
すなわち、ユーザ識別装置は、画面内の互いに重ならない場所に入力可能領域を配置して表示することが望ましい。図形を入力すべき場所がユーザ毎に異なるようにすると、ユーザが他人のユーザ名を誤って選択してしまうようなミスを減らすことができる。
【0015】
記憶されるユーザ名のそれぞれに対応付けられる図形の形状は一つであってもよい。
また、識別部は、当該入力を受け付けられた図形の形状の当該画面内における位置を含む入力可能領域を記憶部から取得し、取得された入力可能領域に対応付けられる図形の形状と、入力を受け付けられた図形の形状と、がマッチするか否かを判断してもよい。
【0016】
上述のように、本発明では、一つのユーザ名に一つの図形の形状を対応付けることができる。ユーザは、例えば、自分の識別用の図形の形状として、自由に描いた一つのイラスト、マーク、文字等を登録しておく。ユーザは、登録した絵等を正しい場所に描けば、簡単にユーザ識別を完了することができるようになる。なお、複数の文字からなる文字列全体を1つの図形として扱うこともできる。
【0017】
記憶されるユーザ名のそれぞれに対応付けられる入力可能領域は複数であり、当該入力可能領域のそれぞれには一つの図形の形状が対応付けられていてもよい。
また、領域表示部は、当該ユーザ名のそれぞれに対応付けられる入力可能領域の一部に、当該入力可能領域に対応付けられる図形の形状を表示してもよい。
そして、識別部は、当該入力を受け付けられた図形の形状の当該画面内における位置が、当該ユーザ名のうちいずれかのユーザ名に対応付けられ、且つ、図形の形状が表示されていない入力可能領域に含まれ、且つ、当該ユーザ名と当該入力を受け付けられた図形の形状について、当該所定の識別条件が満たされるユーザ名を、当該入力したユーザのユーザ名であると識別してもよい。
【0018】
上述のように、本発明では、一つのユーザ名に複数の図形の形状を対応付けることもできる。図形の形状のそれぞれに異なる入力可能領域を対応付けることが望ましい。ユーザ識別装置は、対応付けられる入力可能領域の全部に図形を入力させてもよいし、一部に図形を入力させてもよい。
例えば、ユーザ識別装置は、ユーザ名に対応付けられる入力可能領域の全部又は一部を画面に表示し、表示した入力可能領域に図形を入力させてもよい。ユーザは、登録したすべての図形のうち、表示された入力可能領域に対応する図形のみを正しい場所に入力すればよい。このとき、ユーザ識別装置は、ユーザ名に対応付けられる入力可能領域の一部に、対応付けられる図形もしくは図形の形状を表示してもよい。
すなわち、入力可能領域の全部が空白になっているのではなく、それらのうちの幾つかが“虫食い”のように空白になっており、空白部分に対応する図形を入力させてもよい。こうすることで、ユーザを識別する手続きの中に、“穴埋め問題”を解かせるようなゲーム的要素を付加することができる。複数の図形の形状のうちどれを入力させるように構成するかは自由である。
なお、ユーザ識別装置は、ユーザ名に対応付けられる入力可能領域の全部を画面に表示し、表示したすべての入力可能領域に図形を入力させてもよい。ユーザは、登録したすべての図形を正しい場所に入力すればよい。
【0019】
ユーザ識別装置は、指定受付部、許可部、更新部を更に備えていてもよい。
指定受付部は、新たに追加するユーザ名、もしくは、対応付けられる図形の形状を変更するユーザ名の指定を受け付ける。
許可部は、記憶されるユーザ名のうち、指定されたユーザ名以外の他のユーザ名について、入力受付部に図形の入力を受け付けさせ、識別部に当該他のユーザ名を識別させ、指定されたユーザ名に対応付けられる図形の形状の登録を許可する。
更新部は、許可されたユーザ名について、当該他のユーザ名に対応付けられる入力可能領域と重ならない入力可能領域を選択し、当該画面内において選択された入力可能領域に図形を入力させ、指定されたユーザ名と入力された図形の形状と選択された入力可能領域とを対応付けて記憶部に記憶させる。
【0020】
すなわち、ユーザ識別装置は、ユーザからの求めに応じて、ユーザ名や図形の形状を変更し、削除し、追加できるようにすることができる。
例えば、ユーザは、自分の識別用に登録していた図形の形状もしくは入力すればよい図形を忘れてしまう可能性がある。もし、図形の形状を更新できないとすると、それまで使っていた設定ファイルやセーブデータ等を一切使用できないことになってしまい、不便である。そこで、本発明では、所定の条件を満たせば、図形の形状を再設定できるようにしている。
【0021】
具体的には、ユーザ識別装置に登録済みのすべてのユーザ名のうち、更新対象として指定されたユーザ名以外の他のユーザ名について、正常にユーザ識別が完了すれば、指定されたユーザ名の図形の形状を更新することが許可される。例えば、第1ユーザと第2ユーザが同じユーザ識別装置を共用しており、第2ユーザが自分の図形(もしくは図形の形状)を忘れてしまったとする。第2ユーザは、第1ユーザにユーザ識別をしてもらい、第1ユーザが正しく識別された場合に、自分の(第2ユーザの)図形の形状を再設定できるようになる。
なお、ユーザが「正しく識別される」とは、選択したユーザ名、入力した図形の形状、及び、図形を入力した入力可能領域が、それぞれ、ユーザ情報に登録済みのユーザ名、図形の形状、及び、図形を入力すべき入力可能領域とマッチする、ということである。
本発明によれば、ユーザは、ユーザ情報を適宜更新できるようになる。ユーザ識別装置は、正規のユーザによる同意が得られることを条件に再設定を許可する。例えばユーザが自分の図形もしくは図形の形状を忘れてしまった場合や、図形もしくは図形の形状を変更したい場合等に、セキュリティを考慮しつつ、ユーザ情報を更新することができる。
【0022】
許可部は、指定されたユーザ名以外のすべての他のユーザ名の中から、所定の個数又は所定の割合のユーザ名を選択し、当該選択したユーザ名のそれぞれについて、入力受付部に図形の入力を受け付けさせ、識別部に当該抽出したユーザ名を識別させてもよい。
【0023】
上述のように図形の形状の再設定のために他のユーザ名についてユーザ識別させる場合に、他のユーザ名としてどのユーザ名を選択するかには様々な手法がある。
例えば、ユーザ識別装置は、更新対象のユーザ名を除く登録済みのすべてのユーザ名のうち、所定の個数のユーザ名を選択してもよい。仮に登録済みのすべてのユーザ名数がXであるとすると、更新対象のユーザ名を除くX−1個のユーザ名の中から、所定のY個を選択する。そして、選択したY個のユーザ名について、ユーザ識別を行う。
また例えば、ユーザ識別装置は、更新対象のユーザ名を除く登録済みのすべてのユーザ名のうち、所定の割合のユーザ名を選択してもよい。すなわち、更新対象のユーザ名を除くX−1個のユーザ名の中から、Z%のユーザ名を選択する。そして、選択したユーザ名について、ユーザ識別を行う。
ユーザ識別装置は、いずれの手法により上記他のユーザ名を選択してもよい。
【0024】
記憶部は、当該ユーザ名に対応付けて、識別部により当該入力したユーザのユーザ名であると識別された日時を更に記憶してもよい。
そして、許可部は、記憶される日時から現在日時までの経過時間が短いほど早い順番で、識別部に選択されたユーザ名を識別させてもよい。
【0025】
例えば、上記他のユーザ名を選択する際、ユーザ識別装置は、更新対象のユーザ名を除く登録済みのすべてのユーザ名のうち、前回正常に識別されてから現在までの経過時間が最も短いユーザ名を選択し、選択した一番目のユーザ名について、ユーザ識別を行う。次に、ユーザ識別装置は、選択したユーザ名のうち、経過時間が二番目に短いユーザ名を選択し、選択した二番目のユーザ名について、ユーザ識別を行う。同様にして、所定の個数に達するまで、ユーザ識別を行う。経過時間が短いほどユーザの信頼性が高いと推測されるからである。
【0026】
記憶部は、当該ユーザ名に対応付けて、識別部により当該入力したユーザのユーザ名であると識別された回数を更に記憶してもよい。
そして、許可部は、記憶される回数が多いほど早い順番で、識別部に選択されたユーザ名を識別させてもよい。
【0027】
また例えば、上記他のユーザ名を選択する際、ユーザ識別装置は、更新対象のユーザ名を除く登録済みのすべてのユーザ名のうち、これまで正常に識別された回数が最も多いユーザ名を選択し、選択した一番目のユーザ名について、ユーザ識別を行う。次に、ユーザ識別装置は、選択したユーザ名のうち、正常に識別された回数が二番目に多いユーザ名を選択し、選択した二番目のユーザ名について、ユーザ識別を行う。同様にして、所定の個数に達するまで、ユーザ識別を行う。識別回数が多いほどユーザの信頼性が高いと推測されるからである。
【0028】
記憶部は、当該ユーザ名に対応付けて、当該図形に含まれる色を示す情報を更に記憶してもよい。
そして、識別部は、入力を受け付けられた図形の形状及び色のそれぞれと、当該ユーザ名に対応付けられる一つ以上の図形の形状及び色とがマッチし、且つ、当該入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれの当該画面内における位置が、当該マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれるか否かに基づいて識別してもよい。
【0029】
つまり、入力される図形の形状だけでなく、図形の色もマッチするか否かを判別することにより、ユーザ識別の正確さをアップすることができる。例えば、形状は同じでも色が違う図形(色違いの図形)同士を異なる図形として区別できる。ユーザ識別装置に図形の形状を登録する際のユーザ側の自由度が上がるので、よりユーザにとって扱いやすいユーザ識別装置を提供できるようになる。
【0030】
記憶部は、当該ユーザ名に対応付けて、当該図形の当該ユーザによる書き順を示す情報を更に記憶してもよい。
そして、識別部は、入力を受け付けられた図形の形状及び書き順のそれぞれと、当該ユーザ名に対応付けられる一つ以上の図形の形状及び書き順とがマッチし、且つ、当該入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれの当該画面内における位置が、当該マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれるか否かに基づいて識別してもよい。
【0031】
つまり、入力される図形の形状だけでなく、図形の書き順もマッチするか否かを判別することにより、ユーザ識別の正確さをアップすることができる。例えば、形状は同じでも書き順が違う図形同士を異なる図形として区別できる。ユーザ識別装置に図形の形状を登録する際のユーザ側の自由度が上がるので、よりユーザにとって扱いやすいユーザ識別装置を提供できるようになる。
【0032】
本発明のその他の観点に係るユーザ識別方法は、記憶部、入力受付部、識別部を有するユーザ識別装置にて実行されるユーザ識別方法であって、入力受付ステップ、識別ステップを備える。
記憶部には、一つ以上のユーザ名のそれぞれに対応付けて一つ以上の図形の形状が記憶され、当該一つ以上の図形の形状のそれぞれに対応付けて画面内の入力可能領域が記憶される。
入力受付ステップは、入力受付部が、当該画面内において、一つ以上の図形の入力を受け付ける。
識別ステップは、識別部が、当該ユーザ名のいずれかについて、所定の識別条件が満たされるユーザ名を、当該入力したユーザのユーザ名であると識別する。
そして、当該所定の識別条件は、入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれと、当該ユーザ名に対応付けられる一つ以上の図形の形状とがマッチし、当該入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれの当該画面内における位置が、当該マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれる場合に、満たされる。
【0033】
本発明によれば、ユーザは、例えば、自分の識別用の図形の形状として、手書きで入力したユーザ名を登録しておく。ユーザは、正しい場所に自分の筆跡で“サイン”すれば、簡単にユーザ識別を完了することができるようになる。ユーザは自分のユーザ名に対応する入力可能領域に自分の識別用の図形を正しく入力すればよいので、ユーザにとって直感的に分かりやすいユーザ識別方法を提供できる。また、他人のユーザ名で誤ってゲームを開始してしまうようなミスを防ぐことができる。
【0034】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、記憶部、入力受付部、識別部として機能させる。
記憶部は、一つ以上のユーザ名のそれぞれに対応付けて一つ以上の図形の形状を記憶し、当該一つ以上の図形の形状のそれぞれに対応付けて画面内の入力可能領域を記憶する。
入力受付部は、当該画面内において、一つ以上の図形の入力を受け付ける。
識別部は、当該ユーザ名のいずれかについて、所定の識別条件が満たされるユーザ名を、当該入力したユーザのユーザ名であると識別する。
そして、当該所定の識別条件は、入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれと、当該ユーザ名に対応付けられる一つ以上の図形の形状とがマッチし、当該入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれの当該画面内における位置が、当該マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれる場合に、満たされる。
【0035】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作するユーザ識別装置として機能させることができる。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、ユーザにとって直感的に分かりやすい手続きでユーザを識別するために好適なユーザ識別装置、ユーザ識別方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0038】
(実施形態1)
図1は、プログラムを実行することにより、本発明のユーザ識別装置の機能を果たす典型的な携帯型ゲーム機1の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0039】
携帯型ゲーム機1は、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、操作キー17と、第1の表示部18と、第2の表示部19と、タッチパネル20と、を備える。
【0040】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、VRAM(Video Random Access Memory)10cと、WRAM(Work RAM)10dと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10eと、タッチパネルコントローラ10fと、を備える。
【0041】
CPUコア10aは、携帯型ゲーム機1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0042】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10cに格納する。
【0043】
VRAM 10cは、表示用の情報を記憶するメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
WRAM 10dは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0044】
LCDコントローラ10eは、第1の表示部18および、第2の表示部19を制御し、所定の表示用画像を表示させる。たとえば、LCDコントローラ10eは、VRAM 10cに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部18に出力する。また、LCDコントローラ10eは、第2の表示部19に所定の指示アイコン等を表示する。
【0045】
タッチパネルコントローラ10fは、タッチペンやプレイヤの指によるタッチパネル20への接触(タッチ)を検出する。たとえば、第2の表示部19に所定の指示アイコン等が表示されている状態で、タッチパネル20上の接触およびその位置等を検出する。
【0046】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0047】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0048】
無線通信部13は、他の携帯型ゲーム機1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定のアクセスポイントとの間で、無線LAN通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0049】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他の携帯型ゲーム機1の処理制御部10との間で行われる通信の仲立ちをする。
【0050】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0051】
操作キー17は、携帯型ゲーム機1に適宜配置された複数のキースイッチ等からなり、プレイヤの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。
【0052】
第1の表示部18および第2の表示部19は、LCD等からなり、LCDコントローラ10eに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
なお、第2の表示部19は、タッチパネル20の接触によりプレイヤから操作指示を入力させるための指示アイコン等を表示する。
【0053】
タッチパネル20は、第2の表示部19の前面に重畳して配置され、タッチペンやプレイヤの指の接触による入力を受け付ける。
タッチパネル20は、たとえば、感圧式のタッチセンサパネル等からなり、プレイヤの指等の圧力を検出し、接触状態および、接触状態から非接触状態への移行等を検出する。なお、タッチパネル20は、他に静電容量の変化等から、プレイヤの指等の接触を検出してもよい。
【0054】
次に、本実施形態のユーザ識別装置200の機能的な構成について説明する。本実施形態では、ユーザ識別装置200は、ゲーム開始後の任意のタイミングでゲームを一時中断でき、一時中断したときの状況からゲームを再開できるようにするために保存するデータ(以下「セーブデータ」という。)をユーザごとにメモリに保存できるゲームを実行する。ユーザ識別装置200は、以下に説明するユーザ識別処理を実行することによりユーザ名を識別し、識別したユーザ名用のセーブデータを読み出してゲームを開始する。また、ユーザ識別装置200は、新規のユーザ名の登録を受け付けて新たにセーブデータを記憶したり、セーブデータを更新あるいは削除したりすることもできる。
【0055】
本実施形態では、ユーザ識別装置200は、ユーザによって指定されるユーザ名と、ユーザによって入力される図形の形状とに基づいて、正しいユーザであるか否かを識別する。ただし、ユーザ名と図形の形状のうち、図形の形状のみに基づいてユーザを識別することもできる。以下、ユーザ名と図形の形状の両方を用いてユーザを識別する本実施形態を先に説明し、その後、他の実施形態として、図形の形状のみを用いてユーザを識別する実施形態を説明する。
【0056】
図2は、ユーザ識別装置200の機能的な構成を示す図である。ユーザ識別装置200は、記憶部201、入力受付部202、識別部203、領域表示部204を備える。
【0057】
記憶部201はユーザ情報300を記憶する。処理制御部10とカートリッジ12が協働して記憶部201として機能する。
【0058】
図3に示すように、ユーザ情報300は、ユーザを識別できる情報(典型的にはユーザ名)と、一つ以上の図形の形状とを対応付け、更に、図形の形状のそれぞれについて、画面内の入力可能領域を指定する情報を対応付ける情報である。
【0059】
本実施形態では、ユーザを識別できる情報として、ユーザが予め設定したユーザ名を用いる。ユーザ名は、任意の文字、数字、アルファベット、記号等を用いて表される。
【0060】
図形の形状は、例えば、円、三角形、四角形などのように分類される。本実施形態では、図形の形状は、“マル”“サンカク”“シカク”などのように、所定の誤差(曖昧さ)を許容できる概略的な形状で分類される。例えば“マル”の場合、円や楕円の直径、半径、中心点の位置などの数値パラメータを厳密に指定しなくてもよい。ただし、直径、半径、中心点の位置などの数値パラメータを具体的に指定することにより図形の形状を定義することもできる。
【0061】
また、図形の形状は、図形のコーナーやエッジなどの位置、数、向き、大きさ、形状等を用いて表現されてもよいし、図形のコーナーやエッジによってできる特徴点の位置、数、密度、あるいは、任意の2つの特徴点を結ぶベクトルや2つのベクトルのなす角度などによって表現されてもよい。特徴点は、入力された図形を表す画像データをハフ変換することにより求められる。
【0062】
更には、ユーザによって入力された画像をデジタルデータ化した画像データの全部又は一部、あるいは、予め用意された画像データの全部又は一部を、図形の形状として扱ってもよい。これは、画像データを構成する画素(ピクセルあるいはドット)の全部又は一部をそのまま特徴点として扱うことと実質的に同じである。
【0063】
以下、円、三角形、四角形等、あるいは、“マル”“サンカク”“シカク”等といった幾何学的な分類が可能な表現を用いて図形の形状を定義し、本発明を説明する。ただし、本発明で言う「図形」には、ひらがな、カタカナ、漢字、文字、数字、記号、ユーザが任意に描いた絵や模様、あるいは、これらのうちの2つ以上からなる組み合わせ、なども含まれる。
【0064】
入力可能領域は、LCDに表示される画面中、ユーザがタッチパネルとタッチペンを用いて入力(描画)できる領域のことである。同一画面内に複数の入力可能領域がある場合、それぞれの入力可能領域は、画面内において互いに重複しないものとする。
【0065】
1つのユーザ名につき、複数の図形の形状を対応付けることもできる。この場合、図形の形状のそれぞれについて、入力可能領域が1つずつ対応付けられるものとする。
【0066】
入力受付部202は、画面内への1つ又は複数の図形の入力をユーザから受け付ける。処理制御部10、操作キー17、タッチパネル20が協働して入力受付部202として機能する。処理制御部10は、LCDに入力受付用の画面を表示させ、図形の入力をユーザから受け付ける。
【0067】
識別部203は、ユーザ名のいずれかについて、所定の識別条件が満たされるユーザ名を、入力したユーザのユーザ名であると識別する。処理制御部10が識別部203として機能する。
【0068】
ここで、所定の識別条件とは、具体的には次に掲げる条件のことである。
(1)入力された図形の形状と、ユーザ名に対応付けられる図形の形状とがマッチすること。
(2)入力された図形の形状の画面内における位置が、マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれること。(すなわち、決められた入力可能領域内に図形が入力されていること。)
【0069】
入力された図形のそれぞれについて、上記(1)と(2)の条件がいずれも満たされる場合に、処理制御部10は所定の識別条件が満たされると判別し、それ以外の場合に、所定の識別条件が満たされないと判別する。図形の形状のマッチングに用いられる手法の詳細については後述する。
【0070】
領域表示部204は、入力可能領域を含む入力受付用の画面を表示する。処理制御部10、第1の表示部18、第2の表示部19が協働して領域表示部204として機能する。
【0071】
図4(a)は、入力受付用の画面の構成例である。この画面には、ユーザ名と入力可能領域410(本図中では410A乃至410Dの4つ)が表示される。本例では、1つのユーザ名につき、1つの入力可能領域410が対応付けられる。入力可能領域410A乃至410Dは、それぞれ、画面内で互いに重ならない位置に配置される。1つの入力可能領域410には、1つの図形の形状が予め対応付けられる。
【0072】
例えば、ゲームを開始したいユーザは、自分のユーザ名に対応する入力可能領域410内に、予めユーザ情報300に格納させておいた図形をタッチペンを用いて入力する。入力可能領域410に入力された図形の形状と、ユーザ情報300に格納される図形の形状とが、所定の誤差範囲内で合致すると、入力された入力可能領域410に対応づけられるユーザ名が、ゲームを開始するユーザ名と判別され、ゲームが開始される。
【0073】
図4(b)は、他の入力受付用の画面の構成例である。本例では、1つのユーザ名につき、複数の入力可能領域410からなる1つ以上のセット(本図中では410E乃至410Gの3つ、410H乃至410Jの3つ、又は、410K乃至410Mの3つからなる、3種類のセット)が対応付けられる。入力可能領域410E乃至410Mは、それぞれ、画面内で互いに重ならない位置に配置され、入力可能領域410Eが1番目、入力可能領域410Fが2番目、入力可能領域410Gが3番目というように、各ユーザ名について配置順が予め決められる。1つの入力可能領域410には、1つの図形の形状が対応付けられる。
【0074】
例えば、ゲームを開始したいユーザは、自分のユーザ名に対応するすべての入力可能領域410内に、予めユーザ情報300に格納させておいた図形をタッチペンを用いて入力する。入力可能領域410に入力された図形の形状と、ユーザ情報300に格納される図形の形状とが、それぞれ所定の誤差範囲内で合致し、且つ、入力された図形の順番も合致すると、入力された入力可能領域410のセットに対応づけられるユーザ名が、ゲームを開始するユーザ名と判別され、ゲームが開始される。
【0075】
次に、図形の形状のマッチングに用いる手法について説明する。マッチングの手法には様々な手法があり、本発明によって限定されないが、例えば以下に示す手法によりマッチングすることができる。
【0076】
(テンプレートを用いたマッチングの例)
処理制御部10は、ROM 12a等に予め格納される標準的な図形の画像データ(テンプレート)と、ユーザによって入力された図形の画像データとを重ね合わせ、入力・非入力(オン・オフ)が合致するピクセル数の全ピクセル数に対する割合で表される類似度を計算する。そして、処理制御部10は、類似度が所定の閾値以上の場合、両者がマッチすると判別する。
【0077】
図5は、図形の形状とテンプレートとの対応付けの例を示す図である。例えば、“マル”にはテンプレート510A,510B,510Cなど複数のテンプレートが対応付けられ、“サンカク”にはテンプレート520A,520B,520Cなど複数のテンプレートが対応付けられ、“シカク”にはテンプレート530A,530B,530Cなど複数のテンプレートが対応付けられる。本図はあくまでも一例を示すものであり、1つの図形の形状に対応付けられるテンプレートの数や、各テンプレートが示す図形の形状を任意に変更した実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
【0078】
入力可能領域410に図形が入力されると、処理制御部10は、入力可能領域410に入力された図形を表す画像データと、テンプレート510A乃至510C,520A乃至520C,530A乃至530C等で示される画像データとの類似度を、それぞれ計算する。そして、最も類似度が高いテンプレートに対応する図形の形状を、ユーザによって入力された図形の形状と推定する。
【0079】
(特徴点を用いたマッチングの例)
処理制御部10は、入力された図形の特徴点を抽出し、入力された図形の特徴点が所定の特徴点のどれとマッチするかを判別することにより、マッチングすることもできる。
【0080】
図6(a)〜(c)は、特徴点を用いるマッチング処理の例を説明するための図である。まず、処理制御部10は、図6(a)に例示するような、ユーザによって入力可能領域410に入力された図形610を含む画像データを取得する。
【0081】
次に、処理制御部10は、図6(b)に示すように、図形610の特徴点620(本図中では620A乃至620Jと記載)を1つ以上抽出する。特徴点620は、例えば、図形のコーナーやエッジを表す点あるいは点の集合や、点同士を結ぶ線分の交点、線分の始点、線分の終点、点同士を結ぶベクトルの向き、ベクトルの長さ、2つのベクトルのなす角度、などである。特徴点620が所定画像範囲内に複数含まれている場合、処理制御部10は、図6(c)に示すように、所定画像範囲内の複数の特徴点620の中心点を求め、求めた中心点をその所定画像範囲内における唯一の特徴点630としてもよい。
【0082】
更に、処理制御部10は、ユーザ情報300に格納される図形の形状のそれぞれについて、抽出した特徴点620(又は630)と、ユーザ情報300に格納される図形の形状が示す特徴点との類似度を計算する。類似度は、例えば、特徴点同士の座標値の誤差、2つの特徴点を結ぶベクトルの長さの誤差、2つの特徴点を結ぶベクトルが互いに交わる角度の誤差、特徴点が出現した順番(ユーザによって入力された順番、書き順)等を用いて表される。そして、最も類似度が高い特徴点のセットに対応する図形の形状を、ユーザによって入力された図形の形状と推定する。
【0083】
次に、本実施形態のユーザ識別装置200の各部が実行するユーザ識別処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。ここでは、図4(a)に示すように、1つのユーザ名に対して1つの入力可能領域410が対応付けられるものとする。
【0084】
まず、処理制御部10は、図4(a)に例示する画面を表示させ、ユーザから図形の入力を受け付け、図形の形状を取得する(ステップS701)。ゲームを開始したいユーザは、入力可能領域410A〜410Dのうち自分のユーザ名に関連付けられた入力可能領域410に、予めユーザ情報300に登録した図形を描き、決定ボタンを押圧する。
【0085】
処理制御部10は、図形が入力された入力可能領域に関連付けられるユーザ名を取得する(ステップS702)。
【0086】
処理制御部10は、ユーザ情報300に基づいて、ステップS701で入力された図形の形状と、ステップS702で取得したユーザ名に対応付けられる図形の形状とを比較する(ステップS703)。例えば、処理制御部10は、入力可能領域410に描かれた画像をデジタル化した画像データから特徴点を抽出し、ユーザ情報300に予め格納された図形の形状が示す特徴点と、抽出された特徴点との類似度を計算する。そして、処理制御部10は、計算された類似度が所定の閾値以上の場合、入力された図形の形状とユーザ情報300に格納される図形の形状とがマッチすると判別し、計算された類似度が所定の閾値未満の場合、入力された図形の形状とユーザ情報300に格納される図形の形状とがマッチしないと判別する。
【0087】
入力された図形の形状とユーザ情報300に格納される図形の形状とがマッチしないと判別された場合(ステップS704;NO)、処理制御部10はユーザ識別処理を終了する。
【0088】
一方、入力された図形の形状とユーザ情報300に格納される図形の形状とがマッチすると判別された場合(ステップS704;YES)、処理制御部10は、ステップS702で取得したユーザ名に対応する入力可能領域410と、ユーザ情報300で指定される入力可能領域410とがマッチするか否かを判別する(ステップS705)。つまり、ユーザ名に対応付けられている図形の形状が、ユーザ名に対応付けられている入力可能領域410に入力されたか否かが判別される。
【0089】
取得されたユーザ名に対応する入力可能領域410と、ユーザ情報300で指定される入力可能領域410とがマッチしないと判別された場合(ステップS705;NO)、処理制御部10はユーザ識別処理を終了する。
【0090】
一方、取得されたユーザ名に対応する入力可能領域410と、ユーザ情報300で指定される入力可能領域410とがマッチすると判別された場合(ステップS705;YES)、処理制御部10は、ステップS702で取得したユーザ名が、入力したユーザのユーザ名であると識別する(ステップS706)。
【0091】
そして、処理制御部10は、識別されたユーザ名に対応するセーブデータをRAM 12bから読み出して、ゲームを開始する(ステップS707)。
【0092】
なお、ステップS704でNOの場合、処理制御部10は、ステップS701で受け付けられた図形の形状と、ユーザ情報300に格納される図形の形状とがマッチするまで、ステップS701乃至S704の処理を繰り返し実行するようにしてもよい。
また、ステップS705でNOの場合、処理制御部10は、ステップS702で取得したユーザ名に対応する入力可能領域410と、ユーザ情報300で指定される入力可能領域410とが合致するまで、ステップS701乃至S705の処理を繰り返し実行するようにしてもよい。
【0093】
本実施形態では、ユーザ識別装置200は、識別したユーザ名毎にゲームのセーブデータを使い分けるが、セーブデータの使い分けの目的以外に、識別したユーザ名毎に任意の処理を行うように分岐させることを目的として、本発明を用いることができる。
【0094】
本実施形態によれば、ユーザ識別装置200は、描かれた図形の形状を識別することで、ユーザを簡単に識別することができる。ユーザ識別装置200を使用する各ユーザが自分の覚えやすい図形を予め登録しておき、各自が使用する度に図形を入力すれば、ユーザ識別装置200を共有し、且つ、自分用に様々な設定を保存することができる。ユーザが図形を入力すべき領域がユーザ毎に決められており、ユーザが入力すべき図形も予め決められているので、誤って他人のユーザ名を選択してしまったり他人のセーブデータを読み出してしまったりするようなエラーを減らすことができる。ユーザ識別装置200は、ユーザにとって直感的に分かりやすいようにユーザを識別することができる。
【0095】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザ識別装置200は、一人のユーザが複数の設定を登録した場合に、どの設定を採用するかを適切に判断することができる。
【0096】
設定とは、例えば、複数のキャラクタの中からどれをユーザキャラクタにするかを決める設定、複数のゲームシナリオの中からどれを実行シナリオにするかを決める設定、ユーザ識別装置200が実行するゲームのモード(練習モード、対戦モード等)の設定、などのことである。
【0097】
図8は、本実施形態におけるユーザ情報800の構成例を示す図である。ユーザ名には、図形の形状と入力可能領域410を示す情報のほか、1つ以上の設定が更に対応付けられる。
【0098】
処理制御部10は、上記ステップS706において、ステップS702で取得したユーザ名が、入力したユーザのユーザ名であると識別し、更に、ステップS704でマッチすると判別した図形の形状に対応付けられる設定が、入力したユーザによって指定されたものと判別する(ステップS706)。
【0099】
また、処理制御部10は、上記ステップS707において、識別されたユーザ名に対応するセーブデータをRAM 12bから読み出し、更に、ステップS706で判別した設定を適用して、ゲームを開始する(ステップS707)。
【0100】
例えば、図8に示すユーザ情報800を用いるケースにおいて、ユーザ名“ダイスケ”を持つユーザは、コンピュータ対戦をしたい場合には入力可能領域410にマルを入力し、ネットワーク対戦をしたい場合には二重マルを入力する、というように、入力する図形を使い分ければ、所望のモードでゲームをすぐに開始できるようになる。
【0101】
本実施形態によれば、ユーザ識別装置200は、描かれた図形の形状を識別することで、ユーザを簡単に識別できるだけでなく、ユーザ毎にカスタマイズされた設定を使い分けることができる。ユーザ識別装置200を使用する各ユーザは、自分の覚えやすい図形を予め登録しておき、各自が使用する度に目的に応じた図形を入力すれば、ユーザ識別装置200を共有し、且つ、自分用に様々な設定を使い分けることができる。
【0102】
(実施形態3)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザは、自分の識別用の図形として任意の図形を登録することができる。
【0103】
上述したように、図形には、ひらがな、カタカナ、漢字、文字、数字、記号、ユーザが任意に描いた絵や模様なども含まれる。本実施形態では、ユーザは、ユーザ自身の名前を構成する文字や文字列など、任意の図形をユーザ識別装置200に登録することができる。
【0104】
図9は、本実施形態におけるユーザ情報900の構成例を示す図である。
図10(a),(b)は、LCDに表示される画面の構成例を示す図である。これらの画面には、入力可能領域1010(図中では1010A〜1010Dの4つ)、ユーザ名が表示される画像領域1020(図中では1020A〜1020Dの4つ)、決定ボタン1030、初期化ボタン1040、ソフトウェアキーボード1050が含まれる。ユーザ名が対応付けられていない画像領域1020Dには、ユーザ名が対応付けられていない旨(例えば“NEW”等)が表示される。
【0105】
図10(a)では、ユーザ名が対応付けられていない入力可能領域1010Dにはユーザは図形を入力することができない。ユーザ名が対応付けられていない画像領域1020Dが押圧されると、処理制御部10は、図10(b)に示すようにユーザ名と図形の入力受付用の画面を表示し、新規に登録するユーザ名と図形の入力を受け付ける。図10(b)は、ユーザ名が対応付けられていない画像領域1020Dが押圧されたときの画面の例であり、ユーザは入力可能領域1010Dに図形を入力することができるようになる。ユーザは、ソフトウェアキーボード1050を押圧してユーザ名を入力する。また、ユーザは、入力可能領域1010Dに図形を入力する。ユーザ名と図形の入力後、ユーザは決定ボタン1030を押圧する。入力をやり直す場合、ユーザは初期化ボタン1040を押圧する。
【0106】
ユーザ情報900には、ユーザ名と、ユーザによって任意に設定される図形の形状と、複数の入力可能領域1010のうちのいずれか1つ以上を指定する情報と、が対応付けられて記憶される。ただし、異なるユーザ名に同じ入力可能領域1010が対応付けられることはない。
【0107】
本実施形態では、ユーザによって入力された図形をデジタルデータ化した画像データ910を図形の形状とするユーザ情報900がRAM 12bに格納される。典型的には、ユーザによって入力される図形は、ユーザ名を構成するひらがな、カタカナ、漢字、文字、数字、記号等である。ユーザは、自分の筆跡を、自分用の図形の形状として登録できる。
【0108】
あるいは、所定の複数のテンプレートを組み合わせて作成される画像データ920を図形の形状とするユーザ情報900がRAM 12bに格納されてもよい。ユーザは、所定のフォントで書かれた文字等の形状を、自分用の図形の形状として登録できる。
【0109】
ユーザによって入力される図形は、画像データ930のように、ユーザ名を構成する各文字と関係ない図形でもよい。ユーザは、自由に描いた模様等を、自分用の図形の形状として、登録できる。
【0110】
図11は、本実施形態におけるユーザ識別装置200の機能的な構成を示す図である。ユーザ識別装置200は、指定受付部1101と更新部1102を更に備える。
【0111】
指定受付部1101は、ユーザ情報900に新たに追加するユーザ名の指定を受け付ける。処理制御部10、操作キー17、タッチパネル20が協働して指定受付部1101として機能する。処理制御部10は、図10(a),(b)に示すような入力受付用の画面を表示させ、ユーザ名の指定を受け付ける。
【0112】
更新部1102は、新規のユーザ名等をユーザ情報900に追加する。このとき更新部1102は、ユーザ名に対応付けられていない入力可能領域1010を選択してユーザ名と関連付け、ユーザによって入力されたユーザ名と、ユーザによって入力された図形の形状と、選択した入力可能領域1010を指定する情報とを対応付けて、RAM 12bに記憶させる。処理制御部10とRAM 12bが協働して更新部1102として機能する。
【0113】
次に、ユーザ情報900にユーザ名等を登録する処理(ユーザ登録処理)について説明する。図12は、ユーザ登録処理を説明するためのフローチャートである。このユーザ登録処理は、ユーザ名が対応付けられていない画像領域1020が押圧された場合に実行される。
【0114】
まず、処理制御部10は、ユーザ名の入力をユーザから受け付け、ユーザ名を取得する(ステップS1201)。ユーザは、例えばソフトウェアキーボード1050を用いて、ひらがな、カタカナ、漢字、文字、数字、記号等を1つ以上用いてユーザ名を決めることができる。
【0115】
次に、処理制御部10は、ステップS1201で取得したユーザ名が、既にユーザ情報900に登録済みのユーザ名のいずれかと重複しないかどうかを判別する(ステップS1202)。
【0116】
重複する場合(ステップS1202;NO)、処理制御部10は、ステップS1201に戻り、新たなユーザ名の入力を受け付ける。つまり、ユーザは、既に登録済みのユーザ名と同一のユーザ名を登録することはできない。
【0117】
一方、重複しない場合(ステップS1202;YES)、処理制御部10は、ユーザによって入力された図形の形状を取得する(ステップS1203)。ユーザは、例えば図10(b)に示す画面において、入力可能領域1010Dに自分でユーザ名をタッチペンで描いたり任意の模様等をタッチペンで描いたりして、図形を入力できる。
【0118】
そして、処理制御部10は、ステップS1201で取得されたユーザ名と、ステップS1203で取得された図形の形状と、押圧された画像領域1020に対応する入力可能領域1010を指定する情報とを対応付けて、ユーザ情報900に記憶させる(ステップS1204)。
【0119】
なお、処理制御部10は、ステップS1203で取得された図形をデジタルデータ化して画像データを生成し、生成した画像データを図形の形状としてユーザ情報900に記憶させてもよい。また、処理制御部10は、生成した画像データから特徴点を抽出し、抽出された特徴点を示す情報を図形の形状としてユーザ情報900に記憶させてもよい。
【0120】
また、処理制御部10は、図形の入力を複数回受け付け、入力された図形のそれぞれをデジタルデータ化した複数の画像データを図形の形状としてユーザ情報900に記憶させてもよい。そして、処理制御部10は、上述のユーザ識別処理において、ステップS701で取得した図形の形状が、ユーザ情報900に記憶された複数の図形の形状のいずれかにマッチする場合に、「ステップS702で取得したユーザ名が、入力したユーザのユーザ名である」と識別してもよい。
【0121】
本実施形態によれば、ユーザは、所望の図形の形状を、自分用の図形の形状として登録することができる。ユーザ自身が入力した図形を登録することにより、ユーザの筆跡や癖などの特徴が反映され、ユーザの識別の精度を向上させることができる。また、ユーザは、自分の識別用に覚えやすい図形を用いることができる。自分の識別用に自由な図形を登録してユーザの識別に用いることができるので、ゲーム本編だけでなく、ログイン画面等にもゲーム性を取り入れることができるようになる。
【0122】
(実施形態4)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、1つのユーザ名に図形の形状が複数対応付けられる。ユーザはユーザ名を定義しなくてもよい。
【0123】
図13は、本実施形態のユーザ情報1300の構成例を示す図である。本実施形態ではユーザ名がユーザによって定義されないので、ユーザ情報1300のユーザ名には例えば通し番号などが便宜的に付与され、この便宜上のユーザ名が画面に表示されることはない。
【0124】
ユーザ情報1300には、ユーザによって入力された図形から得られる複数の図形の形状1310A〜1310D,1320A〜1320D,1330A〜1330D,1340A〜1340Dが記憶される。
【0125】
以下の説明では、ユーザ情報1300には、第1のユーザ名、第2のユーザ名、第3のユーザ名、及び、第4のユーザ名のそれぞれについて、4つの図形の形状と、入力可能領域を指定する情報とが対応付けて記憶されるものとして説明する。ただし、図形の形状の個数は4つに限らず任意である。
【0126】
図14は、図形の入力を受け付ける画面の構成例を示す図である。画面には、複数の入力可能領域1410A〜1410Qが表示される。入力可能領域1410A〜1410Dは第1のユーザ名に対応付けられ、入力可能領域1410E〜1410Hは第2のユーザ名に対応付けられ、入力可能領域1410I〜1410Lは第3のユーザ名に対応付けられ、入力可能領域1410M〜1410Qは第4のユーザ名に対応付けられる。
【0127】
ユーザ情報1300に指定される入力可能領域を示す番号「1」は入力可能領域1410Aを指す。同様に、入力可能領域を示す番号2〜16は、それぞれ、入力可能領域1410B〜1410Qを指す。
【0128】
処理制御部10は、1つのユーザ名につき、指定されたユーザ名に対応付けられている図形の形状の個数(M個)だけ入力可能領域1410を表示させる。図13に示すユーザ情報1300では、各ユーザ名には4つの図形の形状1310A〜1310Dが対応付けられている。よって、処理制御部10は、1つのユーザ名につき、4つの入力可能領域1410を画面に表示させる。つまり、M=4である。
【0129】
また、処理制御部10は、所定個数(N個)の入力可能領域1410を空白にして表示させ、残りの入力可能領域にはユーザ情報1300に格納されている図形の形状が示す図形を表示させる。所定個数Nは、1以上、図形の形状の数(M)未満、の整数である。すなわち、処理制御部10は、複数の入力可能領域1410を、まるで“虫食い”のように表示させる。ユーザは、ユーザ名のN個の虫食い部分(空白部分)を埋めるように、図形を入力すればよい。
【0130】
例えば図14において、ユーザは、第1のユーザ名でゲームを開始したい場合、第1のユーザ名に対応する入力可能領域1410A〜1410Dのうち、図形が表示されていない入力可能領域1410A,1410B,1410Dに図形を入力すればよい。
【0131】
画面には、1つのユーザ名につき、少なくとも1つの入力可能領域1410に図形が表示される。表示される図形は、ユーザによって予め登録された複数の図形のうちの一部であるため、登録したユーザ自身が図形を見れば、自分の図形の形状がどれであるか、あるいは自分のユーザ名でゲームを開始するためにはどの入力可能領域1410に図形を入力すればよいか、を判断できる。
【0132】
1つのユーザ名に対応付けられる複数の入力可能領域1410のうち、どれに図形を表示しどれを図形を表示しないか(どのように“虫食い”にするか)は自由である。
【0133】
例えば、処理制御部10は、ユーザ名に対応付けられるM個の図形の形状のうち、ランダムにN個(1≦N<M)を選択し、選択したN個を空白にして表示させ、残りのM−N個にはユーザ情報1300に格納される図形の形状が示す図形を表示させる。例えば図13の第1のユーザ名(ユーザ名“1”)の場合、処理制御部10は、下記(a)〜(n)のいずれのパターンを採用して入力可能領域を表示させてもよい。ただし、記号“○”は、入力可能領域1410が空白で表示される部分である。ユーザは、空白で表示される入力可能領域1410に図形を入力すればよい。
【0134】
N=1とした場合、
(a)1番目の入力可能領域1410を空白で表示する“○イスケ”
(b)2番目の入力可能領域1410を空白で表示する“ダ○スケ”
(c)3番目の入力可能領域1410を空白で表示する“ダイ○ケ”
(d)4番目の入力可能領域1410を空白で表示する“ダイス○”
【0135】
N=2とした場合、
(e)1番目と2番目の入力可能領域1410を空白で表示する“○○スケ”
(f)1番目と3番目の入力可能領域1410を空白で表示する“○イ○ケ”
(g)1番目と4番目の入力可能領域1410を空白で表示する“○イス○”
(h)2番目と3番目の入力可能領域1410を空白で表示する“ダ○○ケ”
(i)2番目と4番目の入力可能領域1410を空白で表示する“ダ○ス○”
(j)3番目と4番目の入力可能領域1410を空白で表示する“ダイ○○”
【0136】
N=3とした場合、
(k)1番目と2番目と3番目の入力可能領域1410を空白で表示する“○○○ケ”
(l)1番目と2番目と4番目の入力可能領域1410を空白で表示する“○○ス○”
(m)1番目と3番目と4番目の入力可能領域1410を空白で表示する“○イ○○”
(n)2番目と3番目と4番目の入力可能領域1410を空白で表示する“ダ○○○”
【0137】
処理制御部10は、所定個数N、すなわち空白で表示する入力可能領域1410の数を、ランダムに変化させてもよい。
【0138】
1つ以上の入力可能領域1410に図形が入力された後、決定ボタン1420が押圧されると、処理制御部10は、図7に示す上述のユーザ識別処理を開始する。
【0139】
本実施形態によれば、ユーザを識別する手順に直感的に理解できるゲーム的な要素を付加しつつ、ユーザを識別することができる。ユーザはユーザ名を入力したり指定したりする必要がないので、ユーザへの負担が軽減される。
【0140】
(実施形態5)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、1つのユーザ名に図形の形状が複数対応付けられる。また、ユーザ識別のためにユーザが入力すべき図形の数や、画面内における入力すべき場所の配置を変えることができる。
【0141】
図15は、本実施形態のユーザ識別処理を説明するためのフローチャートである。
図16は、ユーザの指定を受け付ける画面の構成例を示す図である。画面には、ユーザ名を指定するボタン1610(図中では1610A〜1610Dの4つ)が含まれる。
図17(a)〜(d)は、図形の入力を受け付ける画面の構成例を示す図である。画面には、入力可能領域1710(図中では1710A〜1710S)、決定ボタン1720、キャンセルボタン1730が含まれる。
本実施形態では、図13に示すようなユーザ情報1300がRAM 12bに格納されているものとして説明する。
【0142】
まず、処理制御部10は、ユーザ名の指定をユーザから受け付け、ユーザ名を取得する(ステップS1501)。ユーザは、いずれかのボタン1610を押圧することにより、ユーザ名を指定する。
【0143】
処理制御部10は、ユーザ名の識別に用いる入力可能領域1710を決定し(ステップS1502)、決定した入力可能領域1710を画面に表示させる(ステップS1503)。
【0144】
ここで、表示する入力可能領域1710の決め方には様々なバリエーションがある。
例えば図17(a)に示すように、処理制御部10は、指定されたユーザ名に対応付けられている図形の形状の個数分だけ入力可能領域1710を表示させる。例えば図13に示すユーザ情報1300では、ユーザ名“1”に対応付けて、4つの図形の形状1310A〜1310Dが記憶されている。よって、処理制御部10は、ユーザ名“1”が指定される場合には、入力可能領域1710A〜1710Dの4つを画面に表示させる。
【0145】
また、例えば図17(b)に示すように、処理制御部10は、指定されたユーザ名に対応付けられている図形の形状のうち、所定個数(N個)の入力可能領域1710を空白にして表示させ、残りの入力可能領域1710にはユーザ情報900に格納されている図形の形状が示す図形を表示させてもよい。図17(b)は、N=2とし、ユーザ名“1”が指定された場合の画面の例である。処理制御部10は、最小で1個、最大でM個(N≦M)の入力可能領域1710を表示させる。この例では、処理制御部10は、入力可能領域1710Eと1710Fの2つを、まるで“虫食い”のように表示させる。ユーザは、ユーザ名のN個の空白部分を埋めるように、図形を入力すればよい。
【0146】
また、処理制御部10は、前回正しく識別されてから現在までの経過時間に応じて、所定個数Nを変化させてもよい。例えば、処理制御部10は、上記ユーザ識別処理により正しく識別された日時(ステップS705でYES、又は、ステップS1505でYESと判別された日時)をRAM 12bに記憶させておく。
あるユーザ名が指定されると、処理制御部10は、前回正しく識別された日時から現在日時までの経過時間を計算し、計算された経過時間が長いほどNを増加させる。言い換えれば、前回正しく識別された日時から現在日時までの経過時間が長いほど、ユーザに入力させる図形の数を多くし、前回正しく識別された日時から現在日時までの経過時間が短いほど、ユーザに入力させる図形の数を少なくする。例えばトイレ休憩の後など、前回正しく識別されてから比較的短い時間しか経っていない場合には、ユーザは少ない入力の手間だけでゲームを再開できる。一方、例えば1ヶ月ぶりに久々にゲームをするときなど、前回正しく識別されてから比較的長い時間が経っている場合には、より手間のかかる手続きがユーザに要求される。こうすることで、セキュリティを向上させることができる。
【0147】
なお、「正しく識別される」とは、「入力された図形の形状と、ユーザ情報1300に記憶される図形の形状とがマッチすると判別される」という意味である。
【0148】
また、例えば図17(c)に示すように、処理制御部10は、指定されたユーザ名に対応付けられている図形の形状の個数分の入力可能領域1710を、並べる順番を変えて、表示させてもよい。図17(c)は、N=4とし、上述のユーザ名“ダイスケ”の場合の画面の例である。各入力可能領域1710G〜1710Jには、図形の形状の順番を示す数字等が関連付けられている。本図の場合、ユーザは、左から順に、入力可能領域1710Gにはユーザ名を構成する各文字のうちの2文字目“イ”の図形を、入力可能領域1710Hには4文字目“ケ”の図形を、入力可能領域1710Iには1文字目“ダ”の図形を、入力可能領域1710Jには3文字目“ス”の図形を、それぞれ入力すればよい。こうすることで、セキュリティを向上させることができる。
【0149】
上述の図17(a)〜(c)の例ではN≦Mとしたが、N>Mにすることもできる。
例えば図17(d)に示すように、指定されたユーザ名に対応付けられている図形の形状の個数分より多い入力可能領域1710を表示させてもよい。図17(d)は、N=8とし、上述のユーザ名“ダイスケ”(M=4)の場合の画面の例である。各入力可能領域1710K〜1710Sには、図形の形状の順番の目安となるアルファベットが関連付けられている。本図の場合、ユーザは、上から1列目の左から順に、入力可能領域1710Kには入力せず、入力可能領域1710Lに2文字目“イ”の図形を入力し、入力可能領域1710Mには入力せず、入力可能領域1710Nに4文字目“ケ”の図形を入力し、更に上から2列目の左から順に、入力可能領域1710Pには3文字目“ス”の図形を入力し、入力可能領域1710Qに入力せず、入力可能領域1710Rに入力せず、1710Sには1文字目“ダ”の図形を入力する、ようにすればよい。こうすることで、セキュリティを向上させることができる。
【0150】
図15に戻り、処理制御部10は、表示させた入力可能領域1710への図形の入力を受け付け、図形の形状を取得する(ステップS1504)。
【0151】
更に、処理制御部10は、ステップS1504で取得した図形の形状と、ユーザ情報1300に格納される図形の形状とがマッチするか否かを判別する(ステップS1505)。
【0152】
マッチしないと判別された場合(ステップS1505;NO)、処理制御部10はユーザ識別処理を終了する。なお、処理制御部10は、ステップS1504で取得する図形の形状と、ユーザ情報1300に格納される図形の形状とがマッチするまで、ステップS1501乃至S1505の処理を繰り返し実行するようにしてもよい。
【0153】
一方、マッチすると判別された場合(ステップS1505;YES)、処理制御部10は、ステップS1501で指定されたユーザ名に対応するセーブデータをRAM 12bから読み出して、ゲームを開始する(ステップS1506)。
【0154】
本実施形態によれば、ユーザ識別装置200は、ユーザによって描かれた図形の形状を識別することで、ユーザを簡単に識別することができる。ユーザ識別装置200を使用する各ユーザが自分の覚えやすい図形を予め登録しておき、各自が使用する度に、決められた場所に図形を入力すれば、各ユーザでユーザ識別装置200を使い分けることができる。また、ゲーム的な要素を付加したり、セキュリティを向上させたりすることもできる。
【0155】
(実施形態6)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、既に登録済みのユーザが自分の識別用の図形の形状を忘れてしまった場合などに、セキュリティを考慮しつつ、ユーザ情報300,800,900,1300を再設定できるようにしている。
【0156】
図18は、本実施形態のユーザ識別装置200の機能的な構成を示す図である。ユーザ識別装置200は、許可部1801を更に備える。以下の説明では、RAM 12bには、図9に示すユーザ情報900が記憶されているものとする。
【0157】
図19(a)〜(d)は、図形の形状の再設定を受け付ける画面の構成例を示す図である。画面には、ユーザ名を選択するための選択ボタン1910(1910A〜1910C)、入力可能領域1920,1950,1960、決定ボタン1930、キャンセルボタン1940が含まれる。
【0158】
指定受付部1101は、対応付けられる図形の形状を変更するユーザ名の指定を更に受け付ける。処理制御部10は、LCDに入力受付用の画面を表示させ、ユーザ名の入力と図形の入力とをユーザから受け付ける。
【0159】
許可部1801は、ユーザ情報900に記憶されるユーザ名のうち、ユーザによって指定されるユーザ名以外のユーザ名のそれぞれについて、入力受付部202に各ユーザからの図形の入力を受け付けさせ、識別部203に各ユーザ名を識別させる。所定の許可条件が満たされる場合、許可部1801は、指定されたユーザ名に対応付けられる図形の形状の登録を許可する。処理制御部10が許可部1801として機能する。
【0160】
許可条件とは、具体的には、「ユーザによって指定されるユーザ名以外のユーザ名のそれぞれについて、ユーザ名、入力された図形の形状、及び、入力可能領域が、それぞれ、既にユーザ情報900に記憶されているユーザ名、図形の形状、及び、入力可能領域と、合致すること」である。
【0161】
言い換えれば、図形の形状を再設定したいユーザは、同一のユーザ識別装置200を使用している他のユーザ(自分以外の全員)に正しくユーザ識別をしてもらえば、図形の形状の再設定が許可される。例えば、第1ユーザと第2ユーザと第3ユーザとがユーザ識別装置200を共有して使っているケースにおいて、第1ユーザが自分の図形を忘れてしまった場合、第2ユーザに正しくユーザ識別してもらい、且つ、第3ユーザに正しくユーザ識別してもらえれば、第1ユーザは、自分の図形の形状の再設定が許可される。
【0162】
ただし、許可条件を、「ユーザによって指定されるユーザ名以外のユーザ名のうち所定の割合以上のユーザのそれぞれについて、ユーザ名、入力された図形の形状、及び、入力可能領域が、それぞれ、既にユーザ情報900に記憶されているユーザ名、図形の形状、及び、入力可能領域と、合致すること」としてもよい。
【0163】
言い換えれば、図形の形状を再設定したいユーザは、同一のユーザ識別装置200を使用している他のユーザのうち所定の割合以上のユーザ(例えば「自分以外の3分の2以上のユーザ」等)に正しくユーザ識別をしてもらえば、図形の形状の再設定が許可される。例えば、所定の割合を「3分の2」とし、第1ユーザと第2ユーザと第3ユーザと第4ユーザがユーザ識別装置200を共有して使っているケースにおいて、第1ユーザが自分の図形を忘れてしまった場合、第2ユーザと第3ユーザと第4ユーザのうちいずれか2人に正しくユーザ識別してもらえれば、第1ユーザは自分の図形の形状の再設定が許可される。
【0164】
更新部1102は、許可部1801により許可されたユーザ名について、ユーザによって指定されるユーザ名以外のユーザ名に対応付けられる入力可能領域と重ならない入力可能領域を選択し、選択された入力可能領域に図形を入力させる。更に、更新部1102は、指定されたユーザ名と、入力された図形の形状と、選択された入力可能領域を指定する情報とを対応付けて、RAM 12bに記憶させる。すなわち、処理制御部10は、図形の形状の再設定が許可されたユーザに対応するユーザ情報900を更新する。
【0165】
図20は、図形の形状を再設定する処理を説明するためのフローチャートである。ここでは、パラメータi,P,Qを次のように定義する。
【0166】
i : 繰り返し回数をカウントするためのパラメータ。1以上の整数。
P : 再設定の許可に必要なユーザ名の数。P≧1。
Q : 登録済みのユーザ名の総数。P<Q。
【0167】
まず、処理制御部10は、パラメータiを初期化する(ステップS2001)。
【0168】
処理制御部10は、図形の形状を再設定するユーザ名の指定を受け付け、ユーザ名を取得する(ステップS2002)。例えば、処理制御部10は、図19(a)に例示する画面を表示させ、選択ボタン1910A〜1910Cのうちの押圧された選択ボタン1910に対応するユーザ名が、図形の形状を再設定するユーザ名である、と判断する。
【0169】
次に、処理制御部10は、ステップS2002で取得したユーザ名以外の他のユーザ名の中からP個のユーザ名を抽出し、抽出されたユーザ名のうちi番目のユーザ名について、図形の入力を受け付け、図形の形状を取得する(ステップS2003)。
【0170】
例えば図19(a)に示すように、3つのユーザ名“ダイスケ”“ひでき”“一郎”が予め登録されており(つまりQ=3)、ユーザ名“ダイスケ”に対応する図形の形状を再設定したい場合では、ステップS2002で指定されるユーザ名が“ダイスケ”であり、ステップS2003で抽出されるユーザ名が“ひでき”と“一郎”の2つ又はいずれか一方(つまりP=2又は1)である。ユーザ名“ひでき”と“一郎”の2つを抽出した場合、処理制御部10は、図19(b)に示す画面を表示させてユーザ名“ひでき”の図形の入力を受け付け、図19(c)に示す画面を表示させてユーザ名“一郎”の図形の入力を受け付ける。
【0171】
ここで、処理制御部10がQ個のユーザ名の中からどのP個のユーザ名を抽出するかを決める手法には、次に例示するように様々な手法がある。
【0172】
例えば、処理制御部10は、Q個のユーザ名の中から、ランダムにP個のユーザ名を抽出してもよい。
【0173】
例えば、処理制御部10は、P個のユーザ名のそれぞれについて、最後に正しく識別された日時から現在日時までの経過時間を計算し、計算された経過時間が短い順にQ個のユーザ名を並べ替え、上位P個のユーザ名を抽出してもよい。つまり、処理制御部10は、P個のユーザ名の中から、最近使われたユーザ名を優先的に抽出してもよい。最後に正常に識別されてから現在までの経過時間が短いほど、ユーザ識別装置200が実行するゲームへの関心が高く、また、信用度が高いと推定できるためである。処理制御部10は、上述のステップS705でYES、又は、ステップS1505でYESの場合、又は、後述するステップS2004でYESの場合、ユーザ名とその時点の日時とを対応付けてRAM 12bに記憶させるようにし、ステップS2003で、各ユーザ名に対応付けられる日時を読み出し、読み出した日時に基づいてP個のユーザ名を抽出する。
【0174】
例えば、処理制御部10は、P個のユーザ名のそれぞれについて、過去の所定期間内に正しく識別された回数を計算し、計算された回数が多い順にQ個のユーザ名を並べ替え、上位P個のユーザ名を抽出してもよい。つまり、処理制御部10は、P個のユーザ名の中から、相対的に多く使われているユーザ名を優先的に抽出してもよい。正常に識別された回数が多いほど、ユーザ識別装置200が実行するゲームへの関心が高く、また、信用度が高いと推定できるためである。所定期間は、例えば「1週間前から現在まで」、「今月中」、「ユーザ識別装置200の使用を開始してから現在まで」など、自由に設定できる。処理制御部10は、上述のステップS705でYES、又は、ステップS1505でYESの場合、又は、後述するステップS2004でYESの場合、通算識別回数を示すカウンターをインクリメントし、ユーザ名とカウンター値とを対応付けてRAM 12bに記憶させるようにし、ステップS2003で、各ユーザ名に対応付けられるカウンター値を読み出し、読み出したカウンター値に基づいてP個のユーザ名を抽出する。
【0175】
処理制御部10は、これらの手法のいずれを用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。また、他の手法によりユーザ名を抽出してもよい。
【0176】
また、抽出したユーザ名に対応する図形の入力をどのような順番で受け付けるかについても、本発明によって限定されない。
【0177】
例えば、処理制御部10は、抽出したP個のユーザ名をランダムに並べ替え、並べ替えた順に図形を入力させるようにしてもよい。
【0178】
例えば、処理制御部10は、P個のユーザ名のそれぞれについて、最後に正しく識別された日時から現在日時までの経過時間を計算し、計算された経過時間が短い順にQ個のユーザ名を並べ替え、並べ替えた順に図形を入力させてもよい。処理制御部10は、上述のステップS705でYES、又は、ステップS1505でYESの場合、又は、後述するステップS2004でYESの場合、ユーザ名とその時点の日時とを対応付けてRAM 12bに記憶させるようにし、計算された経過時間が最も短いユーザ名を1番目(i=1)、計算された経過時間が2番目に短いユーザ名を2番目(i=2)、というように順番を決める。
【0179】
例えば、処理制御部10は、P個のユーザ名のそれぞれについて、過去の所定期間内に正しく識別された回数を計算し、計算された回数が多い順にQ個のユーザ名を並べ替え、並べ替えた順に図形を入力させてもよい。処理制御部10は、上述のステップS705でYES、又は、ステップS1505でYESの場合、又は、後述するステップS2004でYESの場合、通算識別回数を示すカウンターをインクリメントし、ユーザ名とカウンター値とを対応付けてRAM 12bに記憶させるようにし、計算された回数が最も多いユーザ名を1番目(i=1)、計算された回数が2番目に多いユーザ名を2番目(i=2)、というように順番を決める。
【0180】
図20に戻り、処理制御部10は、i番目の他のユーザ名について、受け付けた図形の形状と、ユーザ情報900に格納される図形の形状と、がマッチするか否かを判別する(ステップS2004)。
【0181】
マッチしないと判別された場合(ステップS2004;NO)、処理制御部10は再設定処理を終了する。
【0182】
マッチすると判別された場合(ステップS2004;YES)、処理制御部10は、パラメータiとパラメータPを比較し、i=Pが成り立つか否かを判別する(ステップS2005)。すなわち、P個のユーザ名のすべてについて、入力された図形の形状とユーザ情報900に記憶される図形の形状とのマッチングがされたか否かが判別される。
【0183】
i=Pでない場合(ステップS2005;NO)、処理制御部10は、パラメータiをインクリメントし(ステップS2006)、ステップS2003の処理に戻る。すなわち、P個のユーザ名のすべてについて、入力された図形の形状とユーザ情報900に記憶される図形の形状とのマッチングを終えるまで、ステップS2003乃至S2006の処理が繰り返される。
【0184】
i=Pの場合(ステップS2005;YES)の場合、処理制御部10は、ステップS2002で指定されたユーザ名について、図形の形状の再設定を許可する(ステップS2007)。つまり、P個のユーザ名のすべてについて正しく識別された場合には、ユーザは、図形の形状を再設定できる。
【0185】
処理制御部10は、許可されたユーザ名について、図形の入力を受け付ける(ステップS2008)。例えば、処理制御部10は、図19(d)に示す画面を表示させ、図形の入力を受け付ける。
【0186】
そして、処理制御部10は、ユーザ情報900を更新する(ステップS2009)。例えば図4(a)に示す画面400によりユーザ識別処理を実行する場合、処理制御部10は、ステップS2002で指定されたユーザ名と、ステップS2008で入力された図形の形状と、指定されたユーザ名に対応する入力可能領域410を指定する情報とを対応付けて、ユーザ情報900に記憶する。
【0187】
本実施形態によれば、セキュリティを考慮しつつ、ユーザ情報300,800,900,1300を再設定できる。ユーザ識別装置200は、再設定可能な図形の形状を用いてユーザを識別することができる。例えば、ユーザが自分の図形を忘れてしまった場合や自分の図形を変えたい場合、そのユーザは、他のユーザの同意が得られれば、図形を登録し直すことができる。
【0188】
(実施形態7)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態は、上記実施形態6の変形例である。
【0189】
図21は、図形の形状の再設定を受け付ける画面の構成例を示す図である。この画面は、上述のユーザ識別処理における、図14に示すような図形の入力を受け付ける画面と基本的に同じである。つまり、本実施形態では、処理制御部10は、共通の画面を用いて、ユーザ識別処理と再設定処理の両方を実行することができる。
【0190】
1つのユーザ名に対応する複数の入力可能領域のことを、入力可能領域群2130と呼ぶことにする。図21に示す画面には、4つのユーザ名に対応する4つの入力可能領域群2130A〜2130Dがある。
【0191】
図22は、本実施形態における再設定処理を説明するためのフローチャートである。本実施形態では、Q=4、P=Q−1=3、とする。
【0192】
まず、処理制御部10は、パラメータiを初期化する(ステップS2201)。
【0193】
次に、処理制御部10は、いずれか1つの入力可能領域群2130について、図形の入力を受け付けて、図形の形状を取得する(ステップS2202)。
【0194】
例えば、処理制御部10は、図形の入力が開始された入力可能領域群2130に含まれる空白の入力可能領域2110のうち最後に図形が入力される入力可能領域2110に入力を終えてから所定時間が経過すると、入力可能領域群2130に対応するユーザ名をもつユーザによる入力が終わったとみなす。つまり、ユーザはタッチペンをタッチパネルに接触させて図形を入力し、タッチペンをタッチパネルから離してから所定時間が経過すると、入力可能領域群2130に含まれるすべての入力可能領域2110に図形を入力し終えたとみなす。そして、処理制御部10は、入力された図形の形状を取得する。
【0195】
処理制御部10は、ステップS2203で取得した図形の形状と、ユーザ情報1300に格納される図形の形状のうち入力された入力可能領域2110に対応する図形の形状とがマッチするか否かを判別する(ステップS2203)。
【0196】
マッチしないと判別された場合(ステップS2203;NO)、ステップS2202の処理に戻る。一方、マッチすると判別された場合(ステップS2203;YES)、処理制御部10は、i=Pが成り立つか否か、すなわち再設定の許可に必要な数のユーザ名が正しく識別されたか否かを判別する(ステップS2204)。
【0197】
i=Pでない場合、すなわち再設定の許可に必要な数のユーザ名がまだ正しく識別されていない場合(ステップS2204;NO)、処理制御部10は、ステップS2202に戻り、ステップS2202〜S2204の処理を繰り返す。つまり、再設定の許可に必要な数のユーザ名が正しく識別されるまで、ステップS2202〜S2204の処理が繰り返される。
【0198】
i=Pである場合(ステップS2204;YES)、処理制御部10は、まだ図形が入力されていない入力可能領域群2130に対応するユーザ名が、図形の再設定の対象となるユーザ名であると判別する。そして、処理制御部10は、判別したユーザ名の再設定を許可する(ステップS2206)。
【0199】
処理制御部10は、再設定を許可したユーザ名について、図形の入力を受け付け、図形の形状を取得する(ステップS2207)。
【0200】
そして、処理制御部10は、ステップS2206で判別されたユーザ名に対応付けて、ステップS2207で取得された図形の形状をユーザ情報1300に記憶する(ステップS2208)。
【0201】
なお、処理制御部10は、ステップS2204でYESの場合に、図形の形状がマッチすると判別されたユーザ名に対応する入力される入力可能領域2110を非表示にし、入力された図形が他人に見えないようにしてもよい。
【0202】
本実施形態によれば、ユーザ名がユーザによって定義されない形態においても、セキュリティを考慮しつつ、ユーザ情報300,800,900,1300を再設定できる。例えば第1ユーザと第2ユーザと第3ユーザがユーザ識別装置200を共有して使っているケースにおいて、第1ユーザが自分の図形を忘れてしまった場合、第1ユーザは、第2ユーザに正しくユーザ識別してもらい、更に第3ユーザに正しくユーザ識別してもらえれば、自分の図形の形状の再設定が許可される。
【0203】
(実施形態8)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザは、図形の形状だけでなく、図形の色も登録することができる。
【0204】
図23は、本実施形態におけるユーザ情報2300の構成例を示す図である。
【0205】
図形の形状は、例えば、色情報を含むピクセルデータ2310として記憶される。つまり、1つ又は複数の色を用いて入力された図形をデジタルデータ化した画像データそのものを、図形の形状とする。色の階調数は任意である。データフォーマットも、ビットマップ形式や、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式など、任意である。色の表現の仕方(カラーモデル)も、R(赤)・G(緑)・B(青)や、色相(H)・彩度(S)、明度(B)など、任意である。
【0206】
また、図形の形状は、図形の描画部分(ON)と非描画部分(OFF)を区別する描画データ2320と、使われている色を示す色情報2330との組み合わせによって表されてもよい。本図に示すユーザ名“あい”の場合、すべての描画部分は青色であることを示している。ユーザが使用できる色の種類を少なく抑える場合には、色を含む画像データそのものを記憶させるよりも少ないデータ量で済む。
【0207】
また、図形の形状は、色ごとに異なるレイヤーを有するピクセルデータ2340として記憶されてもよい。1色につき1つのレイヤーが割り当てられる。ピクセルデータ2340は、色ごとに分解される画像データ(色分解データ)2350(本図では2350A〜2350Dの4つ)の集合である。例えば本図に示すユーザ名“なな”の場合、ピクセルデータ2340は4色からなり、4つのレイヤーをもつ。色数とレイヤー数は任意である。
【0208】
ピクセルデータ2340が複数のレイヤーをもつということは、図9に示すユーザ情報900のように1つのユーザ名につき複数の図形の形状が対応付けられることと、実質的に同じことである。ただし、レイヤーを用いると、図4(b)に示すように1つのユーザ名につき複数の入力可能領域410を対応付ける必要はなく、1つの入力可能領域410を対応付けるだけでよい。つまり、1つの入力可能領域410を用意し、同一領域内に複数のレイヤーを重ねて配置すればよいので、画面レイアウトの自由度が広がるという利点がある。
【0209】
処理制御部10は、入力可能領域410に入力された画像データを色ごとに別々のレイヤーに分解する。処理制御部10は、分解したレイヤーの画像データのそれぞれを、ユーザ情報2300に記憶されている色分解データ2350のそれぞれとマッチングする。すべてのレイヤーについて図形の形状がマッチすれば、処理制御部10は、指定されたユーザ名が入力したユーザのユーザ名である(正しいユーザである)と識別する。いずれか1つのレイヤーについて図形の形状がマッチしなければ、処理制御部10は、指定されたユーザ名が入力したユーザのユーザ名ではない(正しいユーザではない)と識別する。
【0210】
図24は、図形の入力を受け付ける画面の構成例である。ユーザは、画面内に表示されるカーソル2405を自由に動かして、入力可能領域2410に入力したりツールを選んだりすることができる。本実施形態では、タッチパネル20にタッチペン等が接触すると、接触した部分にカーソル2405が表示される。
【0211】
ユーザ名には、それぞれ、入力可能領域2410(本図中では2410A〜2410Cの3つ)が割り当てられる。ユーザは、使用したいユーザ名に対応する入力可能領域2410に自分用の図形を入力する。図形の入力後、ユーザが決定ボタン2420を押圧すると、入力された図形を用いてユーザ識別処理が行われる。
【0212】
また、画面には、入力用ツールを選択するためのツールボタン2430〜2460が表示される。各ツールボタン2430〜2460を押圧すると、ユーザは、様々なツールを用いて図形を入力することができる。例えば、ツールボタン2430には入力する色を選択できるツールが、ツールボタン2440には入力する線の太さを指定できるツールが、ツールボタン2450には入力した図形の一部又は全部を消去できるツールが、ツールボタン2460には図形を入力するペンを選択するツールが、それぞれ関連付けられており、ユーザは、各ボタンを押圧すると、関連付けられているツールを用いて図形を入力できる。
【0213】
形状に加えて色もマッチング処理に用いるようにすると、ユーザ識別処理の正確さや、ユーザ側の自由度が増す。例えば、図23に示すピクセルデータ2310が表す図形の形状と、描画データ2320が表す図形の形状と、ピクセルデータ2340が表す図形の形状とは、互いに類似している。そのため、図形の形状のみをマッチングすると、マッチングの精度によっては、これらが同一の図形と推定されてしまう可能性がある。しかし、形状だけでなく色もマッチングするように構成すれば、形状が類似していても異なる図形であると判断することができ、結果としてユーザ名をより正しく識別できるようになる。
【0214】
本実施形態によれば、ユーザは、図形の形状に加え、図形の色を自分用に自由に設定することができる。ユーザ識別装置200は、形状がマッチするか否かだけでなく、色がマッチするか否かも考慮して、ユーザを識別することができる。そのため、ユーザ識別の正確さをアップすることができる。
【0215】
(実施形態9)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザは、図形の形状だけでなく、図形の描き方(書き順)も登録することができる。
【0216】
図25は、本実施形態におけるユーザ情報2500の構成例を示す図である。ユーザ情報2500には、特徴点と、特徴点の順番とを含む図形の形状が格納される。
【0217】
特徴点の順番とは、入力された図形に含まれる特徴点が出現した順番である。言い換えれば、特徴点の順番は、ユーザによる図形の書き順を表す。2つの図形の外見上の形が互いに同一又は類似である場合でも、特徴点の順番(図形の書き順)が異なれば、処理制御部10は、2つの図形は異なるものと識別する。
【0218】
図26(a)は、ユーザ名“けいこ”のユーザが入力した図形2610と、検出された2つの特徴点PA,PBとを表す図であり、図26(b)は、ユーザ名“あい”のユーザが入力した図形2620と、検出された2つの特徴点PC,PDとを表す図である。矢印Y1,Y2は、ユーザが入力した方向(カーソル2405を動かした方向)を示し、本発明を理解しやすくするために付加したものであり、図形には含まれないし表示もされない。
【0219】
例えば、ユーザが“一筆書き”で図形を入力するときの始点の座標と終点の座標をそれぞれ特徴点の座標とし、特徴点の順番を考慮しない場合を考える。
仮に、特徴点PAの座標と特徴点PDの座標とが所定誤差範囲内に収まり、且つ、特徴点PBの座標と特徴点PCの座標とが所定誤差範囲内に収まると、図形2610と図形2620は同一であると判別される可能性がある。つまり、図26(a)に示すようにユーザが左から右に向かって線を引いた図形2610と、図26(b)に示すようにユーザが右から左に向かって線を引いた図形2620とが同一と見なされてしまう可能性がある。
しかし、特徴点が出現した順番を考慮すれば、2つの特徴点の座標が所定誤差範囲内に収まったとしても、図形2610と図形2620は互いに異なるものと判別することができる。従って、図形のマッチングの精度をより高めることができ、ユーザ識別の正確さをアップすることができる。また、ユーザが設定できる図形の自由度が増し、より好みにあった図形を設定できるようになる。
【0220】
また、例えば図26(c)に示すように、ユーザが“一筆書き”で図形を入力するときの始点から終点に向かって結ぶベクトルを特徴点として扱うこともできる。特徴点が出現した順番を考慮するベクトルを用いて図形の形状を定めれば、始点と終点の座標が所定誤差範囲内に収まったとしても、異なる図形として判別することができる。
【0221】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0222】
上記各実施形態では、ユーザ識別装置200は、入力受付用の画面を表示しているが、必ずしも画面を表示しなくてもよい。本発明は、ユーザから入力される図形を表すデータを引数とし、ユーザ識別結果を返り値とするプログラム関数として提供されてもよい。
【0223】
コンピュータをユーザ識別装置200の全部又は一部として動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0224】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0225】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザにとって直感的に分かりやすい手続きでユーザを識別するために好適なユーザ識別装置、ユーザ識別方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0226】
【図1】本発明のユーザ識別装置が実現される典型的な携帯型ゲーム機の概要構成を示す図である。
【図2】ユーザ識別装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図3】ユーザ情報の構成例を示す図である。
【図4】(a)と(b)は入力受付用の画面の構成例である。
【図5】図形の形状と図形マッチングに用いるテンプレートとの対応付けの例を示す図である。
【図6】(a)〜(c)は特徴点を用いる図形マッチングの例を説明するための図である。
【図7】ユーザ識別処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施形態2において、ユーザ情報の構成例を示す図である。
【図9】実施形態3において、ユーザ情報の構成例を示す図である。
【図10】(a)と(b)は登録受付用の画面の構成例である。
【図11】ユーザ識別装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図12】ユーザ登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施形態4において、ユーザ情報の構成例を示す図である。
【図14】図形の入力を受け付ける画面の構成例である。
【図15】実施形態5において、ユーザ識別処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】ユーザ名の指定を受け付ける画面の構成例である。
【図17】(a)〜(d)は図形の入力を受け付ける画面の構成例である。
【図18】実施形態6において、ユーザ識別装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図19】(a)〜(d)は入力受付用の画面の構成例である。
【図20】再設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】実施形態7において、再設定処理を説明するための図である。
【図22】再設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】実施形態8において、ユーザ情報の構成例を示す図である。
【図24】入力受付用の画面の構成例である。
【図25】実施形態9において、ユーザ情報の構成例を示す図である。
【図26】特徴点の順番を説明するための図である。
【符号の説明】
【0227】
1 携帯型ゲーム機
10 処理制御部
10a CPUコア
10b 画像処理部
10c VRAM
10d WRAM
10e LCDコントローラ
10f タッチパネルコントローラ
11 コネクタ
12 カートリッジ
12a ROM
12b RAM
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 操作キー
18 第1の表示部
19 第2の表示部
20 タッチパネル
200 ユーザ識別装置
201 記憶部
202 入力受付部
203 識別部
204 領域表示部
300 ユーザ情報
410A〜410M 入力可能領域
510A〜510C,520A〜520C,530A〜530C テンプレート
610 図形(入力された図形)
620A〜620J,630A〜630D 特徴点
800,900 ユーザ情報
910,920,930 画像データ
1010A〜1010D 入力可能領域
1020A〜1020D 画像領域
1030 決定ボタン
1040 初期化ボタン
1050 ソフトウェアキーボード
1101 指定受付部
1102 更新部
1300 ユーザ情報
1310A〜1310D,1320A〜1320D 図形の形状
1330A〜1330D,1340A〜1340D 図形の形状
1410A〜1410Q 入力可能領域
1420 決定ボタン
1610A〜1610D ボタン
1710A〜1710S 入力可能領域
1720 決定ボタン
1730 キャンセルボタン
1801 許可部
1920,1950,1960 入力可能領域
1930 決定ボタン
1940 キャンセルボタン
2110A〜2110Q 入力可能領域
2120 決定ボタン
2130A〜2130D 入力可能領域群
2300 ユーザ情報
2310,2340 ピクセルデータ
2320 描画データ
2330 色情報
2350A〜2350D 色分解データ
2405 カーソル
2410A〜2410C 入力可能領域
2420 決定ボタン
2430〜2460 ツールボタン
2500 ユーザ情報
2610,2620,2630 図形(入力された図形)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上のユーザ名のそれぞれに対応付けて一つ以上の図形の形状を記憶し、当該一つ以上の図形の形状のそれぞれに対応付けて画面内の入力可能領域を記憶する記憶部と、
当該画面内において一つ以上の図形の入力を受け付ける入力受付部と、
当該ユーザ名のいずれかについて、所定の識別条件が満たされるユーザ名を、当該入力したユーザのユーザ名であると識別する識別部と、
を備え、
当該所定の識別条件は、前記入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれと、当該ユーザ名に対応付けられる一つ以上の図形の形状とがマッチし、当該入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれの当該画面内における位置が、当該マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれる場合に、満たされる、
ことを特徴とするユーザ識別装置。
【請求項2】
請求項1に記載のユーザ識別装置であって、
当該入力可能領域は、当該画面内において互いに重複せず、
当該画面内に当該入力可能領域を表示する領域表示部を更に備える、
ことを特徴とするユーザ識別装置。
【請求項3】
請求項2に記載のユーザ識別装置であって、
前記記憶されるユーザ名のそれぞれに対応付けられる図形の形状は一つであり、
前記識別部は、当該入力を受け付けられた図形の形状の当該画面内における位置を含む入力可能領域を前記記憶部から取得し、前記取得された入力可能領域に対応付けられる図形の形状と、前記入力を受け付けられた図形の形状と、がマッチするか否かを判断する、
ことを特徴とするユーザ識別装置。
【請求項4】
請求項2に記載のユーザ識別装置であって、
前記記憶されるユーザ名のそれぞれに対応付けられる入力可能領域は複数であり、当該入力可能領域のそれぞれには一つの図形の形状が対応付けられ、
前記領域表示部は、当該ユーザ名のそれぞれに対応付けられる入力可能領域の一部に、当該入力可能領域に対応付けられる図形の形状を表示し、
前記識別部は、当該入力を受け付けられた図形の形状の当該画面内における位置が、当該ユーザ名のうちいずれかのユーザ名に対応付けられ、且つ、図形の形状が表示されていない入力可能領域に含まれ、且つ、当該ユーザ名と当該入力を受け付けられた図形の形状について、当該所定の識別条件が満たされるユーザ名を、当該入力したユーザのユーザ名であると識別する、
ことを特徴とするユーザ識別装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のユーザ識別装置であって、
新たに追加するユーザ名、もしくは、対応付けられる図形の形状を変更するユーザ名の指定を受け付ける指定受付部と、
前記記憶されるユーザ名のうち、前記指定されたユーザ名以外の他のユーザ名について、前記入力受付部に図形の入力を受け付けさせ、前記識別部に当該他のユーザ名を識別させ、前記指定されたユーザ名に対応付けられる図形の形状の登録を許可する許可部と、
前記許可されたユーザ名について、当該他のユーザ名に対応付けられる入力可能領域と重ならない入力可能領域を選択し、当該画面内において前記選択された入力可能領域に図形を入力させ、前記指定されたユーザ名と前記入力された図形の形状と前記選択された入力可能領域とを対応付けて前記記憶部に記憶させる更新部と、
を更に備えることを特徴とするユーザ識別装置。
【請求項6】
請求項5に記載のユーザ識別装置であって、
前記許可部は、前記指定されたユーザ名以外のすべての他のユーザ名の中から、所定の個数又は所定の割合のユーザ名を選択し、当該選択したユーザ名のそれぞれについて、前記入力受付部に図形の入力を受け付けさせ、前記識別部に当該選択したユーザ名を識別させる、
ことを特徴とするユーザ識別装置。
【請求項7】
請求項6に記載のユーザ識別装置であって、
前記記憶部は、当該ユーザ名に対応付けて、前記識別部により当該入力したユーザのユーザ名であると識別された日時を更に記憶し、
前記許可部は、前記記憶される日時から現在日時までの経過時間が短いほど早い順番で、前記識別部に前記選択されたユーザ名を識別させる、
ことを特徴とするユーザ識別装置。
【請求項8】
請求項6に記載のユーザ識別装置であって、
前記記憶部は、当該ユーザ名に対応付けて、前記識別部により当該入力したユーザのユーザ名であると識別された回数を更に記憶し、
前記許可部は、前記記憶される回数が多いほど早い順番で、前記識別部に前記選択されたユーザ名を識別させる、
ことを特徴とするユーザ識別装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のユーザ識別装置であって、
前記記憶部は、当該ユーザ名に対応付けて、当該図形に含まれる色を示す情報を更に記憶し、
前記識別部は、前記入力を受け付けられた図形の形状及び色のそれぞれと、当該ユーザ名に対応付けられる一つ以上の図形の形状及び色とがマッチし、且つ、当該入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれの当該画面内における位置が、当該マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれるか否かに基づいて識別する、
ことを特徴とするユーザ識別装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のユーザ識別装置であって、
前記記憶部は、当該ユーザ名に対応付けて、当該図形の当該ユーザによる書き順を示す情報を更に記憶し、
前記識別部は、前記入力を受け付けられた図形の形状及び書き順のそれぞれと、当該ユーザ名に対応付けられる一つ以上の図形の形状及び書き順とがマッチし、且つ、当該入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれの当該画面内における位置が、当該マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれるか否かに基づいて識別する、
ことを特徴とするユーザ識別装置。
【請求項11】
記憶部、入力受付部、識別部を有するユーザ識別装置にて実行されるユーザ識別方法であって、
前記記憶部には、一つ以上のユーザ名のそれぞれに対応付けて一つ以上の図形の形状が記憶され、当該一つ以上の図形の形状のそれぞれに対応付けて画面内の入力可能領域が記憶され、
前記入力受付部が、当該画面内において一つ以上の図形の入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記識別部が、当該ユーザ名のいずれかについて、所定の識別条件が満たされるユーザ名を、当該入力したユーザのユーザ名であると識別する識別ステップと、
を備え、
当該所定の識別条件は、前記入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれと、当該ユーザ名に対応付けられる一つ以上の図形の形状とがマッチし、当該入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれの当該画面内における位置が、当該マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれる場合に、満たされる、
ことを特徴とするユーザ識別方法。
【請求項12】
コンピュータを、
一つ以上のユーザ名のそれぞれに対応付けて一つ以上の図形の形状を記憶し、当該一つ以上の図形の形状のそれぞれに対応付けて画面内の入力可能領域を記憶する記憶部、
当該画面内において、一つ以上の図形の入力を受け付ける入力受付部、
当該ユーザ名のいずれかについて、所定の識別条件が満たされるユーザ名を、当該入力したユーザのユーザ名であると識別する識別部、
として機能させ、
当該所定の識別条件は、前記入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれと、当該ユーザ名に対応付けられる一つ以上の図形の形状とがマッチし、当該入力を受け付けられた図形の形状のそれぞれの当該画面内における位置が、当該マッチする図形の形状に対応付けられて記憶される入力可能領域に含まれる場合に、満たされる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−44600(P2010−44600A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208344(P2008−208344)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】