説明

ラインヘッドとその製造方法、及び画像形成装置

【課題】 SLアレイを用いずに露光精度の高いラインヘッドを提供するとともに、このラインヘッドを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 本発明のラインヘッド1は、発光素子の発光光を被露光部に照射して露光するようにしたラインヘッドであり、トップエミッション型の有機EL素子3の射出側に、封止基板としてファイバアレイ基板2を配置した構成を備えている。さらにファイバアレイ基板2の射出側表面にマイクロレンズ200を形成することにより、良好な平行光が得られるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインヘッドとその製造方法、及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用したプリンタとして、ラインプリンタ(画像形成装置)が知られている。このラインプリンタは、被露光部となる感光体ドラムの周面上に、帯電器、ライン状のプリンタヘッド(ラインヘッド)、現像器、転写器などの装置を近接配置したものである。このような画像形成装置として、発光点を精度良く作り込める有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子)を発光素子とする発光素子アレイを、プリンタヘッドとして備えた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、このような有機EL素子からなる発光素子アレイをプリンタヘッドとして用いたものでは、有機EL素子に微小共振器を設け、有機EL素子で発光される光における発光スペクトルの半値幅を狭めることにより、発光した光を効率良く利用できるようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
前述したような電子写真方式のラインプリンタでは、通常、プリンタヘッド(ラインヘッド)からの出力光を、セルフォック(登録商標)レンズアレイ(日本板硝子社の商品名;以下SLアレイと称する。)等の等倍結像レンズアレイからなる光学結像系を通過させることで感光体ドラム上に結像し、露光する方式が採られている。ここで、SLアレイは、円柱状のレンズ素子であり、正立等倍結像させるレンズ素子を多数配列したことにより、広範囲の画像の結像を可能にしたものである。
【0005】
また、特許文献3には、SLアレイ等の等倍結像レンズを用いない構成のプリンタヘッドとして、EL素子の光射出側に微小共振器と光ファイバアレイプレートとが設けられたプリンタヘッドが開示されている。
【特許文献1】特開平11−198433号公報
【特許文献2】特開2000−77184号公報
【特許文献3】特開2001−71558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2に記載の等倍結像レンズを備えたプリンタヘッドでは、光源に比して大きくかさばる等倍結像レンズが小型化、低コスト化の阻害要因となり、また光学系の調整が難しく、光利用効率も低いという問題がある。また、特許文献3には、微小共振器と光ファイバアレイプレートを設けることで等倍結像レンズを不要にできる旨記載されているが、実際にはプリンタヘッドと感光体とを50μm程度離すと画像がぼやけてしまい、十分な露光精度を得るには等倍結像レンズを用いる必要があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、等倍結像レンズ等の大型の光学素子を用いることなく十分な露光精度を得ることができるラインヘッドとその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のラインヘッドは、支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他の表面に射出する素子基板と、前記素子基板の、前記EL素子が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する第1の複数のマイクロレンズと、を備えてなることを特徴とする。
【0009】
本構成のラインヘッドによれば、当該ラインヘッドに比して嵩高いSLアレイを不要としたので、薄型小型化が可能である。
EL素子の発光光は、素子基板と反対側に射出されて、この素子基板に配置されたファイバアレイ基板内に導光されるので、拡散することがなく、平行光としてファイバアレイ基板から射出される。そしてこの平行光をマイクロレンズで集光するので、鮮明な結像が可能となり、露光精度の高いラインヘッドとなる。また、ファイバアレイ基板およびマイクロレンズでの光の減衰は少ないので、発光光の利用効率の高いラインヘッドとなる。
【0010】
本発明のラインヘッドにあっては、前記第1の複数のマイクロレンズが前記EL素子に対して平面視で重なり合う位置に設けられていることが好ましい。
このようにすると、マイクロレンズとEL素子とが、それぞれファイバアレイ基板を介して1対1に対峙することとなる。よって、各EL素子毎の発光光をファイバアレイ基板で平行光として導光した後、それぞれの平行光毎にマイクロレンズで集光でき、EL素子からの射出光を拡散させることなく、高い直進性をもった光として照射できる。よって、光量ムラのない均一な光を得ることができる。
【0011】
本発明のラインヘッドにあっては、前記第1の複数のマイクロレンズの平面積と前記EL素子の発光面積とが略同一であることが好ましい。
EL素子の発光光は、ファイバアレイ基板で導光されて平行光として射出されるので、EL素子の発光面積に応じてマイクロレンズの平面積を設定することで、ファイバアレイ基板から射出される平行光を洩れなく集光できる。よって、EL素子の発光光をより一層、効率よく利用できる。
【0012】
本発明のラインヘッドにあっては、前記第1の複数のマイクロレンズが側面視半球型であることが好ましい。
このような形状とすれば、EL素子からの発光光を有効に集光できるばかりでなく、その曲率半径を変化させるだけで射出光の焦点距離を所望に調整でき、薄型小型化に好適である。さらに、側面視半球型をなすマイクロレンズは形成し易いので、低コストでラインヘッドを提供できる。
【0013】
本発明のラインヘッドにあっては、前記第1の複数のマイクロレンズの曲率半径がレンズ直径の50〜65%であることが好ましい。
このようなマイクロレンズで集光された光は高い直進性を有するものとなり、より一層、露光精度を高くすることができる。
【0014】
本発明のラインヘッドにあっては、前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面上に、第2の複数のマイクロレンズを備えていてもよい。
このようにすれば、ファイバアレイ基板のEL素子側の面に設けた第2のマイクロレンズで素子基板からの射出光を拡散させることなくファイバアレイ内に入射させることができるので、より一層、効率よく素子基板の発光光を利用することができる。また、マイクロレンズをファイバアレイ基板の両面に形成することで、マイクロレンズの曲率を小さくできるので、マイクロレンズが作りやすくなる。
【0015】
本発明のラインヘッドにあっては、前記第1の複数のマイクロレンズと、前記第2の複数のマイクロレンズとが、前記ファイバアレイ基板を介した平面視で重なり合う位置に形成されていることが好ましい。
このようにすれば、ファイバアレイ基板への入射側と射出側とで、それぞれ対になるようにマイクロレンズが形成されているので、各発光素子毎の発光光をそれぞれのマイクロレンズで集光し、それに対応するマイクロレンズから射出できる。よって、隣接した発光素子からの拡散光を集光することがないので、光量ムラのない均一な露光が可能となる。
【0016】
本発明のラインヘッドにあっては、前記マイクロレンズの曲率半径がレンズ直径の30〜33%であることが好ましい。
マイクロレンズの曲率を小さくすると、マイクロレンズが形成しやすくなる。
【0017】
本発明のラインヘッドにあっては、前記マイクロレンズが複数の前記EL素子に対して、前記ファイバアレイ基板を介した平面視で重なる位置に設けられていることが好ましい。
複数個のEL素子の発光光は、ファイバアレイ基板内で導光される際に拡散することなく平行光として射出される。よって、この平行光を1つのマイクロレンズでまとめて集光しても、平行光の直進性が低下することがなく、かつその利用効率も低下しないので、マイクロレンズの配設個数を低減することが可能である。これによりラインヘッドの構成が若干、簡略化されるので、より一層の薄型小型化と製造コストの低減とを図ることができる。
【0018】
本発明のラインヘッドにあっては、前記EL素子と前記ファイバアレイ基板との間に封止層が形成されていてもよい。
素子基板とファイバアレイ基板とが封止層を介して接着されるので、EL素子、ファイバアレイ基板、マイクロレンズの間に空気の層が介在しない。よって、これらの界面における屈折率差による全反射をなくせるので光の取り出し効率が上がる。
【0019】
前記ファイバアレイ基板両面にマイクロレンズアレイを形成する場合、本発明のラインヘッドにあっては、前記EL素子とファイバアレイ基板との間に密閉空間を有することが好ましい。
密閉空間を設けると、有機EL素子側のマイクロレンズアレイの効果が大きくなり(マイクロレンズの屈折率と密閉空間のガス屈折率の差が大きくなるため)、また素子基板は缶封止(空間封止)されることとなり、素子基板が大気中に曝されることがなくなり、酸化による劣化を防止できる。よって集光性の高い、かつ高い信頼性を有する長寿命のラインヘッドとなる。
【0020】
本発明のラインヘッドにあっては、前記密閉空間内に乾燥剤又は脱酸素剤を備えていることが好ましい。
乾燥剤または脱酸素剤により缶封止された密閉空間中の水分および酸素濃度をより一層低減でき、素子基板の酸化を防止できるので、ラインヘッドの信頼性、寿命が一層向上する。
【0021】
本発明のラインヘッドの製造方法は、支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他方の表面に射出する素子基板と、前記素子基板の、前記EL素子側が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する複数のマイクロレンズとを備えてなるラインヘッドの製造方法であって、前記素子基板のEL素子が形成された側の面と、前記ファイバアレイ基板のマイクロレンズが形成されていない側の面とを対向させ、前記両基板を封止層を介して貼り合わせることを特徴とする。
素子基板とファイバアレイ基板とを別途用意し、これらを貼り合わせるので、高温加熱処理に弱いファイバアレイ基板に不要な熱を施す必要がなく、歩留まりの高い製造方法となる。また、封止層を介して素子基板とファイバアレイ基板とを接着すれば、素子基板の封止を同時に行うことができ、工程および構成の簡略化となる。
【0022】
本発明のラインヘッドの製造方法は、支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他方の表面に射出する素子基板と、前記素子基板の、前記EL素子が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する複数のマイクロレンズとを備えてなるラインヘッドの製造方法であって、前記素子基板のEL素子が形成された側の面と、両面にマイクロレンズアレイを形成したファイバアレイ基板とを対向させて貼り合わせて、前記両基板間に密閉空間を形成することを特徴とする。
素子基板とファイバアレイ基板との間に密閉空間を形成して接着すると、有機EL素子側のマイクロレンズアレイの効果が大きくなり(マイクロレンズの屈折率と密閉空間のガス屈折率の差が大きくなるため)、また素子基板表面に形成されたEL素子は、ファイバアレイ基板を封止基板として缶封止(空間封止)される。よって、EL素子が大気中に曝されることがなくなり、酸化などによる劣化を防止できるので、高い信頼性を有する長寿命のラインヘッドとなる。
【0023】
本発明のラインヘッドの製造方法は、前記密閉空間内に乾燥剤又は脱酸素剤を配置することを特徴とする。
乾燥剤または脱酸素剤により缶封止された密閉空間中の水分および酸素濃度をより一層低減でき、素子基板の酸化を防止できるので、ラインヘッドの信頼性、寿命が一層向上する。
【0024】
本発明のラインヘッドの製造方法は、支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他方の表面に射出する素子基板と、前記素子基板の、前記EL素子が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する複数のマイクロレンズとを備えてなるラインヘッドの製造方法であって、前記ファイバアレイ基板上に未硬化樹脂液を液滴吐出法で付着する工程と、この付着した未硬化樹脂液を硬化してマイクロレンズを形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明の製造方法にあっては、樹脂液をファイバアレイ基板上の任意の複数の位置に効率的に付着させることができ、この付着した液滴を硬化することで、複数個のマイクロレンズをファイバアレイ基板の所望位置に確実かつ簡便に形成できる。よって薄型小型化された高性能のラインヘッドを低コストで提供可能となる。
【0025】
本発明のラインヘッドの製造方法は、支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他方の表面に射出する素子基板と、前記素子基板の、前記EL素子が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する複数のマイクロレンズとを備えてなるラインヘッドの製造方法であって、複数のマイクロレンズが形成されたレンズシートを前記ファイバアレイ基板に貼り合わせる工程を有することを特徴とする。
予め所望の光学特性を有するマイクロレンズをフィルムシート上に形成しておき、このレンズシートをファイバアレイに貼着するので、非常に簡便な方法でラインヘッドが提供できる。
【0026】
本発明のラインヘッドの製造方法は、支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他方の表面に射出する素子基板と、前記素子基板の、前記EL素子が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する複数のマイクロレンズとを備えてなるラインヘッドの製造方法であって、前記ファイバアレイ基板上に液体樹脂材料を塗布して樹脂膜を形成する工程と、この樹脂膜に成形型を押圧してマイクロレンズを形成する工程を有することを特徴とする。
まず、ファイバアレイ基板上に樹脂膜を形成しておき、これに成形型を押圧して、成形型の曲面形状を樹脂膜に転写してマイクロレンズとするので、所望形状のマイクロレンズをファイバアレイ基板上に直接形成できる。成形型は繰り返し使用可能であるので、低コストにてラインヘッドが提供可能となる。
【0027】
本発明の画像形成装置は、前記のラインヘッドか、あるいは前記の製造方法によって得られたラインヘッドを備えたことを特徴とする。
この画像形成装置によれば、前述したようにラインヘッドからSLアレイを不要としたので、薄型小型化が可能となる。また、ファイバアレイ基板で導光された光は均一な平行光であり、かつこの平行光をマイクロレンズで集光して、露光するので、感光体上に鮮明な結像が可能となり、高品位の画像を印刷することができる。また、ラインヘッドにおける光の減衰が少ないので、光の利用効率が高い画像形成装置となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を詳しく説明する。
まず、本発明のラインヘッドについて説明する。図1(a)、(b)は、いずれも本発明のラインヘッドの第1の実施形態を模式的に示す図である。
【0029】
本発明のラインヘッド1は、後述する画像形成装置の露光手段として用いられるものであって、感光体ドラム32に対向配置されている。
本発明のラインヘッド1は、図1(a)に示したように、EL素子3を備えた素子基板301と、ファイバアレイ基板2と、複数のマイクロレンズ200(第1の複数のマイクロレンズ)とからなり、EL素子3の封止基板としてファイバアレイ基板2を用い、このファイバアレイ基板2にマイクロレンズ200を形成してなる。
【0030】
素子基板301は、支持基板300の片面上に複数の有機EL素子3を形成してなる。この有機EL素子3は、支持基板300と反対側に光を射出するトップエミッション型の有機EL素子である。複数個のマイクロレンズ200はファイバアレイ基板2の片面上に形成されており、ファイバアレイ基板2は、マイクロレンズ200が形成されていない側の表面で上記EL素子3に封止層400を介して配置されている。
【0031】
支持基板300の表面側には、図1(b)に示したように、有機EL素子3を配列してなる発光素子列3Aと、前記有機EL素子3を駆動させる駆動素子4からなる駆動素子群と、これら駆動素子4(駆動素子群)の駆動を制御する制御回路群5とが一体形成されている。駆動素子4には電源線7、8が接続されており、これら電源線7、8を介して電源(図示せず)から駆動素子4に電圧が印加されるようになっている。そして、これら駆動素子4(駆動素子群)、制御回路群5、電源線7、8により、駆動制御手段が構成されている。このような構成のもとに有機EL素子3は、駆動制御手段によってその発光動作が制御されるようになっている。
【0032】
各有機EL素子3と各マイクロレンズ200とは、ファイバアレイ基板2を介して、1対1に対峙するように同数個が配設されている。換言すれば、同数個の有機EL素子3とマイクロレンズ200とが対とされ、この対になった有機EL素子3とマイクロレンズ200とは、ファイバアレイ基板2の表裏で平面的に重なり合う位置に形成されている。
【0033】
各有機EL素子3で発光した光は、ファイバアレイ基板2を透過した後、それに対応するマイクロレンズ200で集光されて感光体ドラム32の周面上に照射される。有機EL素子3とマイクロレンズ200とを1対1で対応させて対にすると、マイクロレンズ200は、対になった有機EL素子3の発光光を無駄なく集光できるので、発光光の利用効率を高くすることができる。加えて、各マイクロレンズ200は、それぞれ対となった各有機EL素子3の発光光を選択的に集光することとなるので、隣接した有機EL素子3からの拡散光を集光することがなくなり、光量ムラのない均一な光を得ることができる。
【0034】
マイクロレンズ200の底面部は、有機EL素子3の発光光をより効率良く集光できるように、有機EL素子3の発光面領域の全面に亙るように形成されることが好ましい。実質的には、マイクロレンズ200の平面積と有機EL素子3の発光面積とが略同一であれば良い。
【0035】
マイクロレンズ200の形状は有機EL素子3の発光光を効率よく集光できれば特に限定されるものではないが、形成し易さと光学特性とを鑑みて、側面視半球型であることが好ましい。側面視半球型とすれば、その曲率半径を変化させるだけで射出光の焦点距離を所望の大きさに調整でき、画像形成装置の薄型小型化に好適である。さらに、球面形状のレンズであれば未硬化樹脂液をファイバアレイ基板2に液滴吐出法で付着させた後に硬化させる方法によって、微細な複数個のマイクロレンズ200を簡便にかつ正確に形成可能であるので、好適である。
【0036】
本実施形態においては、発光素子列3Aは単一列で一直線に配列しているが、この配列は特に限定されるものではなく、複数の素子列を同じピッチあるいは異なるピッチで並列させてもよく、さらには、有機EL素子3がそれぞれ千鳥状になるように複数の素子列を配列させてもよい。
【0037】
ラインヘッド1における有機EL素子3や駆動素子4等の構成について、図2(a)、(b)を参照して詳述する。
本発明のラインヘッド1においては、図2(a)に示したように、有機EL素子3は発光層60で発光した光を発光層60側から射出するトップエミッション型の素子である。
【0038】
ファイバアレイ基板2は複数の導光路201を集束してなるものであって、この導光路201の光軸に対して垂直方向に平板状に広がるものである。具体的には、多数本の光ファイバを集束して平板状にして基板としたものや、ウレキサイト(通称テレビ石:NaCaB(OH)・5HO)を平板状にしたものなどであり、その入射側の表面は封止層400を介して素子基板101に接着されている。
このようなファイバアレイ基板2にあっては、有機EL素子3からの発光光は、ファイバアレイ基板2の各導光路201内を導光されるので、拡散することがなくファイバアレイ基板2の他面から射出される。
【0039】
支持基板300上には、画素電極23に接続する駆動用TFT123(駆動素子4)などを含む回路部11が形成されており、その上に有機EL素子3が設けられて素子基板301とされる。有機EL素子3は、陽極として機能する画素電極23と、この画素電極23からの正孔を注入/輸送する正孔注入層70と、有機EL物質からなる発光層60と、陰極50とが順に形成されたことによって構成されている。なお、本実施形態では、正孔注入層70と発光層60とにより機能層が形成されている。
【0040】
ここで、有機EL素子3および駆動用TFT123(駆動素子4)を図1(a)に対応した模式図で示すと、図2(b)に示すようになる。図2(b)において、電源線7は駆動素子4のソース/ドレイン電極に接続し、電源線8は有機EL素子3の陰極50に接続している。もちろん、これらTFTなどの薄膜素子を形成せず、ファイバアレイ基板上にパシベーション層、そして透明電極形成から始めてもよく、この場合、駆動素子として外付けのICドライバーを用いればよい。
そして、このような構成のもとに有機EL素子3は、図2(a)に示すように、正孔注入層70から注入された正孔と陰極50からの電子とが発光層60で結合することにより、発光をなすようになっている。
【0041】
陽極として機能する画素電極23は、本実施形態の場合はトップエミッション型であるので、銀等の仕事関数が比較的高い光反射性の金属膜により形成される。あるいは、反射性の高いAlなどの金属膜上に仕事関数の比較的高いITO等の透明導電材料によって形成された透明電極を積層してもよい。
正孔注入層70の形成材料としては、液相法を用いて製膜する場合、特に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液が好適に用いられる。
なお、正孔注入層70の形成材料としては、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。また、蒸着法にて正孔注入層を形成する場合には、通常用いられる、TPD、銅フタロシアニン、αNPD、m―MTDATAなどを用いることができる。
【0042】
発光層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。なお、本実施形態では、例えば発光波長帯域が赤色に対応した発光層が採用されるが、もちろん、発光波長帯域が緑色や青色に対応した発光層を採用するようにしてもよい。この場合、用いる感光体は、その発光領域に感度を持つものを採用する。
【0043】
発光層60の形成材料として具体的には、液相法で製膜する場合、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。蒸着法で発光層を形成する場合、例えばAlq3などのホストにナイルレッド、DCM、ローダミンなどの色素をドーピングしてもよい。液相法、蒸着法を問わず、発光層上に電子注入層、電子輸送層を形成してもよい。
【0044】
陰極50は、前記発光層60を覆って形成されたもので、例えばCaを厚さ5nm程度に形成し、その上にITO膜を厚さ200nm程度に形成して積層構造の電極としたものが用いられる。この陰極50側から発光光を取り出すことができるようになっている。
【0045】
陰極50上には、封止層400を介してファイバアレイ基板2が配設されている。ファイバアレイ基板の光出射側にのみレンズアレイを形成する場合には、封止層400は、素子基板101とファイバアレイ基板2とを接着すると共に、有機EL素子3の封止を行うものであって、陰極50すなわち素子基板301の全面を被覆するように形成されている。この封止層400は透光性を有する樹脂材料からなり、たとえば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などである。この場合、陰極上にパシベーションとしてSiN,SiONなどを製膜しておくとよい。
この封止層400を設けることにより、発光素子3とファイバアレイ基板2との間に空気の層が介在しなくなるので、発光素子3が大気中に曝されて劣化するのを防止できる。加えて、各部材と空気との界面における屈折率差によって発光光が全反射することがなくなるので、より有効に発光光を取り出すことができる。封止層400の膜厚は特に限定されるものではないが、素子基板101からの発光光をより有効に集光するには、画素直径の半分を目安として、なるべく小さくすることが好ましく、10μm以下、好ましくは5μm以下とされる。
【0046】
なお、本実施の別の形態、すなわちファイバアレイ基板の両側にレンズアレイを形成する場合には、陰極50とファイバアレイ基板2との間で、基板周辺部に封止層400を設け、陰極50−ファイバアレイ基板間に密閉空間を設ける。
【0047】
有機EL素子3の下方には、前述したように回路部11が設けられている。ファイバアレイ基板2の表面にはSiO等の絶縁材料からなる下地保護層281が下地として形成され、その上にはシリコン層241が形成されている。この有機EL素子を駆動する回路を同一基板上に形成してもよいし、外付けのドライバーとしても良い。ファイバアレイ基板は高価で耐熱性も無く、イオン性の不純物が溶け出す可能性もある他め、TFTなどの駆動回路を同一基板上に形成しないほうがよい。どうしても同一基板上に作りこみたい場合には、以下のような構成となる。このシリコン層241の表面には、SiO及び/又はSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。
【0048】
また、前記シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aとされている。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiOを主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
【0049】
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain )構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、電源線(図示せず)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
【0050】
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層には、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする平坦化膜284が形成されている。この平坦化膜284は、アクリル系やポリイミド系等の、耐熱性絶縁性樹脂などによって形成されたもので、駆動用TFT123(駆動素子4)やソース電極243、ドレイン電極244などによる表面の凹凸をなくすために形成された公知のものである。
【0051】
そして、画素電極23が、この平坦化膜284の表面上に形成されるとともに、該平坦化膜284に設けられたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
【0052】
画素電極23が形成された平坦化膜284の表面には、画素電極23と、無機隔壁25とが形成されており、さらに無機隔壁25上には、有機隔壁221が形成されている。そして、画素電極23上には、無機隔壁25に形成された前記開口25aと、有機隔壁221に形成された開口221aとの内部、すなわち画素領域に、前記の正孔注入層70と発光層60とが画素電極23側からこの順で積層され、これによって機能層が形成されている。
【0053】
このような構成のラインヘッド1を製造するには、支持基板300上に有機EL素子3、ファイバアレイ基板2、マイクロレンズ200を順次積層しても良いが、各部材の取り扱い性などを鑑みて、支持基板300上に有機EL素子3を形成して素子基板301とする一方で、マイクロレンズ200を形成したファイバアレイ基板2を用意し、これらを接着することが好ましい。このようにすれば、熱に対する耐久性が比較的低いファイバアレイ基板2に不要な加熱処理が施されることがなく、好適である。さらに、従来の素子基板303において、有機EL素子3に封止基板を接着する工程で、封止基板に替えてファイバアレイ基板2を接着するだけで良いので、従来の製造工程をそのまま利用できるという利点もある。
【0054】
有機EL素子3の形成工程は、以下に述べる公知の工程による。すなわち、支持基板300の表面に下地保護層281を形成した後、この下地保護層281上にポリシリコン層等を形成して、このポリシリコン層等から回路部11を形成する。この回路部11は必ずしも必要なく、むしろ外付けすることが望ましい。そして、この基板上に、画素電極23、機能層としての正孔注入層70及び発光層60、陰極50をこの順に形成してトップエミッション型の有機EL素子3を得る。
【0055】
マイクロレンズ200の形成方法は、特に限定されるものではなく、たとえば各種のエッチング法、液滴塗布法、レプリカ法などにより直接ファイバアレイ基板2上に形成するほか、予めマイクロレンズ200を別途形成しておき、これを貼着する方法などがある。以下、マイクロレンズ200の形成方法について説明する。
【0056】
液滴塗布法によってマイクロレンズ200を形成するには、まず、未硬化樹脂液を液滴吐出ヘッドを用いて吐出させて、液滴をファイバアレイ基板2に付着させる。この液滴は、ファイバアレイ基板の濡れ性や表面張力によって、凸曲面状に盛り上がった形状をなすので、これを紫外線あるいは熱によって硬化させて、所望形状のマイクロレンズ200とすることができる。たとえば、本願出願人による特開2000−290367号公報に記載の方法および材料などを好適に利用することができる。
この製造方法を用いてマイクロレンズ200を形成すれば、少ない製造工程で複数個のマイクロレンズをファイバアレイ基板2の所望位置に確実かつ簡便に形成でき、生産性の向上と製造コストの低減が可能となる。
【0057】
レプリカ法によってマイクロレンズ200を形成するには、ファイバアレイ基板2の、マイクロレンズ200を形成する側の表面に液体樹脂材料を塗布して樹脂膜を形成する一方で、その表面に凹形状などの曲面を複数個有する成形型を用意する。ついで、この成形型の曲面がファイバアレイ基板2に向き合うようにして成形型を樹脂膜に押圧すると、樹脂層に曲面形状が転写されてマイクロレンズ200が形成されるので、この後、金型を剥離する。たとえば、本願出願人による特開2000−35504号公報に記載の方法および材料などを好適に利用することができる。
このレプリカ法を用いてマイクロレンズ200を形成すれば、成形型の曲面形状がマイクロレンズ200の形状として転写されるので、その曲率半径を自在に調整できるうえに、非球面形状のマイクロレンズ200も容易に形成できる。加えて、成形型はその耐久性の許す限り繰り返し利用することができるので、生産性の向上と製造コストの低減もできる。
【0058】
予めマイクロレンズ200を別途形成しておき、これをファイバアレイ基板2の射出側の表面に貼着する方法あっては、透明なフィルムシートなどの上にマイクロレンズを形成しておき、このレンズシートを貼着する。フィルムシート上にマイクロレンズを形成する方法としては、上記液滴塗布法やレプリカ法以外に、エッチングなどによって直接フィルムシートに溝を形成する方法などがある。
【0059】
次に本実施形態のラインヘッド1の使用形態について説明する。
図3は、後述する画像形成装置におけるラインヘッド1の使用形態を示すものである。図3に示すように、本発明のラインヘッド1は被露光部となる感光体ドラム32の周面上に光を照射し結像して、露光するものである。
【0060】
このように、本発明のラインヘッド1によれば、SLレンズを不要したので、画像形成装置の薄型小型化が可能となる。また、有機EL素子3の発光光はファイバアレイ基板2から平行光として射出され、さらにマイクロレンズ200で集光されるので、ラインヘッド1と感光体ドラム32との距離が小さくても、感光体ドラム32の周面上に鮮明な潜像を形成することができ、露光精度の高いものなる。また、ファイバアレイ基板2およびマイクロレンズ200内での光の損失が少ないので、有機EL素子3の発光光の利用効率が高くなる。
【0061】
図4は本発明のラインヘッドの第2の実施形態を模式的に示す図であって、図中、符合1000はラインヘッドである。このラインヘッド1000が前記ラインヘッド1と異なるところは、ファイバアレイ基板2の両面に、それぞれ複数の入射側マイクロレンズ200a(第2の複数のマイクロレンズ)と、複数の射出側マイクロレンズ200b(第1の複数のマイクロレンズ)とを設けると共に、素子基板301とファイバアレイ基板2とを密閉空間501を設けて封止したところである。
【0062】
入射側マイクロレンズ200aと射出側マイクロレンズ200bとは、ファイバアレイ基板2を介した平面視で互いに重なり合う位置に形成されており、1対1で対峙して、それぞれ対で形成されている。さらにこの一対のマイクロレンズ200は、素子基板301の各有機EL素子3と1対1に対峙しており、有機EL素子3の発光光は入射側マイクロレンズ200aで集光されて、ファイバアレイ基板2内へ導光された後、射出側マイクロレンズ200bを通して平行光として感光体ドラム32に照射される。
【0063】
このようにすると、入射側マイクロレンズ200aは、隣接した有機EL素子3からの拡散光を集光することがなく、対向する有機EL素子3の発光光のみを選択的に集光するので、光量ムラのない均一な露光が可能となる。また、入射側マイクロレンズ200aと射出側マイクロレンズ200bとを対にすることで、マイクロレンズ200をファイバアレイ基板2の片面に形成した場合に比べて、その曲率半径を小さくすることができる。よってマイクロレンズを液滴吐出法などで形成する際に、ファイバアレイ基板2の濡れ性によって形成できる曲率が限定される場合にも、その範囲内に曲率半径を設定しやすくなるので、所望の光学特性を有するマイクロレンズを形成しやすくなり、設計上での制限がなくなり、各種のマイクロレンズを形成しやすくなるという利点もある。
【0064】
この第2の実施形態のラインヘッド1000においては、素子基板301とファイバアレイ基板2とは封止部材500で封止されており、両基板の間には密閉空間501が形成されて缶封止されている。このような密閉空間501を設ければ、有機EL素子3が大気と接触することがない。さらに、この密閉空間501内に乾燥剤や脱酸素剤などを配置すれば、この密閉空間内の水分や酸素濃度をより一層、低減することができ、有機EL素子3の劣化を効果的に防止できる。よって、発光素子の信頼性と寿命を高めることができ、好適である。
【0065】
さらに、素子基板301とファイバアレイ基板2とを前記の第1の実施形態と同様に封止層400を介在させて接着してもよく、逆に、前記の第1の実施形態においても、本実施形態と同様に缶封止を行ってもよい。
【0066】
このようなラインヘッド1000も前記第1の実施形態のラインヘッド1と同様にして製造することができる。すなわち、発光素子3を形成した素子基板301と、両面にマイクロレンズ200a、200bを形成したファイバアレイ基板2とを別途用意した後、封止基板としてのファイバアレイ基板2を、素子基板303に封止部材500で封止すればよい。
【0067】
上記第1および第2のいずれの実施形態でも、EL素子として有機EL素子を用いた例を示したが、本発明のラインヘッドはこれに限定されるものではなく、有機EL素子に代えて無機EL素子を用いてもよい。
また、上記各実施形態の中では、EL素子を駆動する素子として、素子基板301上にTFTなどの駆動素子4を作り込んだ例を挙げたが、駆動素子4を素子基板301上に作り込まず、駆動素子4を外付けにする、具体的にはEL素子基板の端子領域にドライバICをCOG実装する、またはドライバICを実装したフレキシブル回路基板をEL素子基板に実装するようにしても良い。
【0068】
さらに、本発明のラインヘッドにおいては、誘電体層膜を用いた共振器構造を備えていてもよい。この共振器構造は、ファイバアレイ基板2と有機EL素子3の画素電極23との間に設けられた誘電体積層膜からなるものであって、ファイバアレイ基板2側から、屈折率の異なる2種の誘電体層を交互に繰り返して積層して構成される。具体的には、素子基板側からSiN膜とSiO膜とを交互に繰り返して積層することで、これら積層膜間での屈折率差によって、発光層60での発光スペクトルのピーク値を共振して強め、その発光スペクトルの半値幅を示す波長領域を狭めるようにしたものである。このような共振器構造を備えることにより、波長分散による結像のぼけを無くすことができるので、より一層、露光精度を高くすることができる。
【実施例】
【0069】
(実験例1)
本発明のラインヘッドの第1の実施態様におけるファイバアレイ基板とマイクロレンズとの集光形態を示した実験例について説明する。
図5は、前記図1および図2にて説明した実施態様におけるラインヘッド1の要部拡大図である。
本実験例にあっては、ファイバアレイ基板2と感光体ドラム32の結像面との距離を50μm、有機EL素子3(図示せず。)の発光面の直径を50μm、マイクロレンズ200の直径を50μ、曲率半径を32.5μm(レンズ直径の65%)とした。そして有機EL素子から赤色光を発光させて、この光がファイバアレイ基板2およびマイクロレンズ200を介して感光体ドラム32の周面上に集光する様子をシミュレートしたものである。
図5に示したように、発光素子からの赤色発光光は、ファイバアレイ基板2の各導光路201内に入射された後、導光されて平行光とされる。この後、マイクロレンズ200で集光されるので、マイクロレンズ200のレンズ直径とほぼ等しい広がりをもつ光束として感光体ドラム32の周面に照射されることが確認できた。
【0070】
(実験例2)
さらに、図6は、図1に示したラインヘッドにおいて、マイクロレンズ200の曲率を大きくした場合をシミュレートしたものである。マイクロレンズ200の曲率半径を25μm(レンズ直径の50%)とした以外は、上記実験例1と全く同様に構成して、赤色発光でシミュレートしたものである。この実験例2においても、図5に示した形態と同様にマイクロレンズ200から平行光が射出され、感光体ドラム32の結像面を照射できることが確認できた。また実験例1に比較して、マイクロレンズ200の曲率を大きくすると、射出される平行光の光束の径がレンズ径に応じて小さくなり、集光の度合いが高まることが確認できた。
【0071】
(画像形成装置)
次に、本発明のラインヘッド1が備えられてなる画像形成装置について説明する。
図7は、本発明の画像形成装置の第1の実施形態を示す図であり、図7中、符号80は画像形成装置である。この画像形成装置80は、本発明のラインヘッドの一例となる有機ELアレイラインヘッド101K、101C、101M、101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)41K、41C、41M、41Yの露光装置にそれぞれ配置したもので、タンデム方式のものとして構成されたものである。
【0072】
この画像形成装置80は、駆動ローラ91と従動ローラ92とテンションローラ93とを備え、これら各ローラに中間転写ベルト90を、図7中矢印方向(反時計方向)に循環駆動するよう張架したものである。この中間転写ベルト90に対して、感光体ドラム41K、41C、41M、41Yが所定間隔で配置されている。これら感光体ドラム41K、41C、41M、41Yは、その外周面が像担持体としての感光層となっている。
【0073】
ここで、前記符号中のK、C、M、Yは、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示している。
なお、これら符号(K、C、M、Y)の意味は、他の部材についても同様である。感光体ドラム41K、41C、41M、41Yは、中間転写ベルト90の駆動と同期して、図7中、矢印方向(時計方向)に回転駆動するようになっている。
【0074】
各感光体ドラム41(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体ドラム41(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)42(K、C、M、Y)と、この帯電手段42(K、C、M、Y)によって一様に帯電させられた外周面を感光体ドラム41(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する本発明の有機ELアレイラインヘッド101(K、C、M、Y)とが設けられている。
【0075】
また、この有機ELアレイラインヘッド101(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K、C、M、Y)と、この現像装置44(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト90に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ45(K、C、M、Y)と、転写された後に感光体ドラム41(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置46(K、C、M、Y)とが設けられている。
【0076】
ここで、各有機ELアレイラインヘッド101(K、C、M、Y)は、それぞれのアレイ方向が感光体ドラム41(K、C、M、Y)の母線に沿うように設置されている。そして、各有機ELアレイラインヘッド101(K、C、M、Y)の発光エネルギーピーク波長と、感光体ドラム41(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とが略一致するように設定されている。
【0077】
現像装置44(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体ドラム41(K、C、M、Y)に接触させあるいは押圧せしめることにより、感光体ドラム41(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させ、トナー像として現像するものである。
【0078】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト90上に順次一次転写される。そして、中間転写ベルト90上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、さらに定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着され、その後、排紙ローラ対62によって装置上部に形成された排紙トレイ68上に排出される。
【0079】
なお、図7中の符号63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、66は中間転写ベルト90との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、67は二次転写後に中間転写ベルト90の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
【0080】
次に、本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態について説明する。図8は4サイクル方式の画像形成装置の縦断側面図である。図8において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、本発明のラインヘッドが設けられてなる像書込手段(露光手段)167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
【0081】
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢印A方向に回転するよう構成されたものである。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢印B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢印C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
【0082】
図8中、符号165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器である。また、167は本発明における露光手段となる像書込手段であり、本発明のラインヘッドを備えてなるものである。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより、現像ローラ162aとは逆の方向となる矢印D方向に回転駆動されるようになっている。なお、像書込手段167を構成するラインヘッドは、これとレンズ素子(図示せず)や感光ドラム165との間で位置合わせ(光軸合わせ)がなされた状態に配設されている。
【0083】
中間転写ベルト169は、駆動ローラ170aと従動ローラ170bとの間に張架されたものである。駆動ローラ170aは、前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されたもので、中間転写ベルト169に動力を伝達するようになっている。すなわち、該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆の方向となる矢印E方向に回動するようになっている。
【0084】
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙が搬送されるようになっている。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写されるようになっている。二次転写ローラ171は、クラッチによって中間転写ベルト169に離当接されるようになっており、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接され、用紙に画像が転写されるようになっている。
【0085】
前記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着ヒータHを有する定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。
定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢印G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
【0086】
用紙搬送路において、搬送ローラを駆動する駆動モータとしては、例えば低速のブラシレスモータが用いられている。また、中間転写ベルト169については、色ずれ補正などが必要となるためステップモータが用いられている。これらの各モータは、図示を省略した制御手段からの信号によって制御されるようになっている。
【0087】
図8に示した状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ162aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢印A方向に90度回転する。
【0088】
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次に、シアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
【0089】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後さらに回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
【0090】
このような図7、図8に示した画像形成装置80、160においては、図1または図4に示したような本発明のラインヘッド1または1000が露光手段として備えられている。
したがって、これら画像形成装置80、160にあっては、SLアレイを不要としたので、省スペース化を図ることができ、装置の小型化が可能となる。また、前述したように、集光度の高い平行光を照射できる本発明のラインヘッド1または1000を露光手段として備えているので、露光精度を高くすることができ、得られるプリントの品質を向上することができる。
なお、本発明のラインヘッドを備えた画像形成装置は前記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】第1実施形態のラインヘッドの概略側面図(a)、概略平面図(b)。
【図2】同ラインヘッドの要部側断面図(a)、要部平面図(b)。
【図3】ラインヘッドの使用形態を説明するための模式図。
【図4】本発明のラインヘッドの第2の実施実施形態を示す概略構成図。
【図5】本発明の第1実施形態における射出光の分布を表す概略図。
【図6】本発明の第1実施形態における射出光の他の分布を表す概略図。
【図7】本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す概略構成図。
【図8】本発明の画像形成装置の第2実施形態を示す概略構成図。
【符号の説明】
【0092】
1、1000…ラインヘッド、2…ファイバアレイ基板、3…有機EL素子(EL素子)、300…支持基板、301…素子基板、200…マイクロレンズ、400…封止層、501…密閉空間、80、160…画像形成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他の表面に射出する素子基板と、
前記素子基板の、前記EL素子が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、
前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する第1の複数のマイクロレンズと、
を備えてなることを特徴とするラインヘッド。
【請求項2】
前記第1の複数のマイクロレンズが前記EL素子に対して平面視で重なり合う位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のラインヘッド。
【請求項3】
前記第1の複数のマイクロレンズの平面積と前記EL素子の発光面積とが略同一であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のラインヘッド。
【請求項4】
前記第1の複数のマイクロレンズが側面視半球型であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のラインヘッド。
【請求項5】
前記第1の複数のマイクロレンズの曲率半径がレンズ直径の50〜65%であることを特徴とする請求項4記載のラインヘッド。
【請求項6】
前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面上に、第2の複数のマイクロレンズを備えてなることを特徴とする請求項1記載のラインヘッド。
【請求項7】
前記第1の複数のマイクロレンズと、前記第2の複数のマイクロレンズとが、前記ファイバアレイ基板を介した平面視で重なり合う位置に形成されていることを特徴とする請求項6記載のラインヘッド。
【請求項8】
前記マイクロレンズの曲率半径がレンズ直径の30〜33%であることを特徴とする請求項6または請求項7記載のラインヘッド。
【請求項9】
前記マイクロレンズが複数の前記EL素子に対して、前記ファイバアレイ基板を介した平面視で重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項6記載のラインヘッド。
【請求項10】
前記EL素子と前記ファイバアレイ基板との間に封止層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のラインヘッド。
【請求項11】
前記EL素子とファイバアレイ基板との間に密閉空間を有することを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか一項に記載のラインヘッド。
【請求項12】
前記密閉空間内に乾燥剤又は脱酸素剤を備えたことを特徴とする請求項11記載のラインヘッド。
【請求項13】
支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他方の表面に射出する素子基板と、
前記素子基板の、前記EL素子側が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、
前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する複数のマイクロレンズとを備えてなるラインヘッドの製造方法であって、
前記素子基板のEL素子が形成された側の面と、前記ファイバアレイ基板のマイクロレンズが形成されていない側の面とを対向させ、前記両基板を封止層を介して貼り合わせることを特徴とするラインヘッドの製造方法。
【請求項14】
支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他方の表面に射出する素子基板と、
前記素子基板の、前記EL素子が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、
前記ファイバアレイ基板の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板に入射する光を集光する複数のマイクロレンズとを備えてなるラインヘッドの製造方法であって、
前記素子基板のEL素子が形成された側の面と、両面にマイクロレンズアレイを形成したファイバアレイ基板とを対向させて貼り合わせて、前記両基板間に密閉空間を形成することを特徴とするラインヘッドの製造方法。
【請求項15】
前記密閉空間内に乾燥剤又は脱酸素剤を配置すること特徴とする請求項14記載のラインヘッドの製造方法。
【請求項16】
支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他方の表面に射出する素子基板と、
前記素子基板の、前記EL素子が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、
前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する複数のマイクロレンズとを備えてなるラインヘッドの製造方法であって、
前記ファイバアレイ基板上に未硬化樹脂液を液滴吐出法で付着する工程と、この付着した未硬化樹脂液を硬化してマイクロレンズを形成する工程とを有することを特徴とする請求項13ないし請求項15のいずれか一項に記載のラインヘッドの製造方法。
【請求項17】
支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他方の表面に射出する素子基板と、
前記素子基板の、前記EL素子が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、
前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する複数のマイクロレンズとを備えてなるラインヘッドの製造方法であって、
複数のマイクロレンズが形成されたレンズシートをファイバアレイ基板に貼り合わせる工程を有することを特徴とする請求項13ないし請求項15のいずれか一項に記載のラインヘッドの製造方法。
【請求項18】
支持基板の一方の表面上に複数のEL素子が配列され、前記EL素子から発光される光を前記支持基板の他方の表面に射出する素子基板と、
前記素子基板の、前記EL素子が配置された面に対向して配置されるファイバアレイ基板と、
前記ファイバアレイ基板の、前記EL素子と対向する面と反対側の面上に配列され、前記ファイバアレイ基板を透過した光を集光する複数のマイクロレンズとを備えてなるラインヘッドの製造方法であって、
前記ファイバアレイ基板上に液体樹脂材料を塗布して樹脂膜を形成する工程と、この樹脂膜に成形型を押圧してマイクロレンズを形成する工程を有することを特徴とする請求項13ないし請求項15のいずれか一項に記載のラインヘッドの製造方法。
【請求項19】
露光手段として、請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載のラインヘッド、または請求項13ないし請求項18のいずれか一項に記載の製造方法によって得られたラインヘッドを具備したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−281746(P2006−281746A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−108790(P2005−108790)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】