説明

ラクトバチルス・ラムノサス株

本発明は、抗菌特性及び免疫調節特性を有するラクトバチルス・ラムノサスの新規な株、並びに該株を含有する組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌特性及び免疫調節特性を有する新規なラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)株に関する。
【背景技術】
【0002】
発酵食料品、特に乳製品中に存在する或る種の微生物の、健康に対する有益な効果について多くの科学的研究が報告されている。これら微生物は、通常、「プロバイオティクス」と呼ばれる。現在、一般に認められている定義によると、プロバイオティクスとは、「適切な量で消費されたとき、宿主の健康に対して有益な効果を有する生存微生物」である(FAO/WHO report on evaluation of health and nutritional properties of probiotics in food, including powder milk containing live lactic acid bacteria(生存乳酸菌含有粉乳を含む食物中のプロバイオティクスの健康上及び栄養上の性質の評価に関するFAO/WHO報告);アルゼンチン、コルドバ;2001年10月1〜4日)。
プロバイオティクス細菌を含有する食品の消費により、特に腸内細菌叢の再平衡化を通じて、健康に対して好ましい効果が生じ、感染に対する抵抗性が改善し、免疫応答が調節され得ることが示されている。
【0003】
ヒトの食物中に用いられるプロバイオティクス微生物は、一般に、ラクトバチルス属及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に主に属する乳酸菌である。
しかし、健康に対する有益な効果は、同じ属の細菌全てに広く共通するものではなく、同じ種の細菌全てにさえ広く共通するものでない。このような効果は、最も一般的には、或る株にのみ生じる。加えて、観察される効果は、同じ種であるものも含めプロバイオティク株ごとに質的及び/又は量的に変動することがある。
【0004】
或る微生物がプロバイオティクスとして有用である可能性があるとみなすことができるためには、以下の基準の少なくとも1つ、理想的には幾つかを充足しなければならない:
− 腸内細菌叢に存在し得る病原性微生物に関して阻害活性を示す。この活性は、腸細胞に接着して、該病原体の接着を排除又は低減する能力、又は病原体を阻害する物質を産生する能力、又はこれら2つの特徴の組合せのいずれかに起因することができる;
− 免疫調節特性、特に免疫刺激特性及び/又は抗炎症特性を示す。
【0005】
加えて、この微生物を乳製品に組み込むことを意図する場合、該微生物は、乳で十分な成長を示すことが好ましい。
最後に、微生物は、腸に到達して腸環境で生存するために、該微生物が組み込まれる食料品の製造及び貯蔵の間、並びに消費者によるこの食料品の摂取の後にも、良好な生存能力を維持するべきである。
【0006】
しかし、「プロバイオティクス」の現在の定義に相当するためには、生存能力は必須であるが、プロバイオティクス株に関連する有益な効果の幾つかは、生存細菌の非存在下でさえ得ることができ、或る細菌画分又は培養上清の活性画分に帰せられることが示されていることに留意すべきである。例えば、PCT出願WO2004093898は、CNCM I-2219株の培養上清の分画により得られる免疫調節性調製物について記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、今回、上記の基準を充足するラクトバチルス・ラムノサス株を単離することに成功した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主題は、ブダペスト条約に従ってCNCM(Collection Nationale de Cultures de Microorganismes, 25 rue du Docteur Roux, Paris)に、2006年11月9日に、番号I-3690で寄託された、この株である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
これは以下の特徴を有する:
− 形態:単独の又は小さな鎖状の、小さくずんぐりした(small squat)、時に球菌様の、桿菌;
− 以下の糖類の発酵(api 50 CHストリップ-API MRS培地で、37℃にて48時間で得られた結果):リボース、ガラクトース、D-グルコース、D-フルクトース、D-マンノース、L-ソルボース、ラムノース、マンニトール、ソルビトール、メチル-Dグルコシド、N-アセチル-グルコサミン、アルブチン、エスクリン、サリシン、マルトース、ラクトース、トレハロース、メレチトース、β-ゲンチオビオース、D-ツラノース、D-タガトース及びグルコネート。
【0011】
加えて、この株は、培養中の病原性微生物の成長を阻害する強い活性をもたらす抗菌特性を有する。
この株はまた、マンノースへの接着特性を有する。腸上皮細胞の表面に存在するマンノースリッチな複合多糖が、毒素原性大腸菌(enterotoxic Escherichia coli)、サルモネラ菌、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholera)又はシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)のような病原性細菌の接着に或る役割を演じていることが知られており、或るプロバイオティクス細菌のマンノース接着特性により、該細菌がこれら病原体と競合し、腸粘膜へのその接着を阻害することが可能になり、このことにより該細菌に抗感染特性を付与すると報告されている(Michail及びAbernathy, Pediatr. Gastroenterol. Nutr., 35, 350〜355 2002;Mangellら, Dig Dis Sci., 47, 511〜506, 2002)。しかし、これら特性は、主にラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)種の細菌(特に、出願EP0817640に記載されるエル・プランタルム229v株及びエル・プランタルムWCFS1株)において観察されていたが、ラクトバチルス・ラムノサス種の細菌では観察されていなかった。
【0012】
CNCM I-3690株はまた、免疫調節特性、特に抗炎症特性を有する。
【0013】
本発明はまた、主題として、CNCM I-3690株の変異誘発又は遺伝子形質転換により得ることができるラクトバチルス・ラムノサス株を包含する。好ましくは、これら株は、CNCM I-3690株の抗菌特性又は免疫調節特性を少なくとも保持する。これらは、CNCM I-3690株の内因性遺伝子の1又は複数が、例えば代謝特性(例えばこの株が糖類を代謝する能力、腸通過に対する耐性、酸性に対する耐性、後酸性化(post-acidification)又は代謝産物の生成)の幾つかを改変するように、変異された株であり得る。これらはまた、CNCM I-3690株を(例えば、該株に更なる生理学的特徴を付与すること、又は該株により投与することが望ましい治療上又はワクチンとして興味対象のタンパク質を発現することを可能にする)1又は複数の興味対象の遺伝子で遺伝子形質転換することにより生じた株であり得る。
【0014】
これら株は、CNCM I-3690株から、ラクトバチルスのランダム変異誘発又は部位特異的変異誘発及び遺伝子形質転換のための従来技術、例えばGuryら(Arch Microbiol., 182, 337〜45, 2004)又はVelezら(Appl Environ Microbiol., 73, 3595〜3604, 2007)により記載される技術、或いは「ゲノムシャッフリング」として知られる技術(Patnaikら Nat Biotechnol, 20, 707〜12, 2002;Wang Y.ら, J Biotechnol., 129, 510〜15, 2007)によって得ることができる。
【0015】
本発明の主題はまた、本発明に従ってラクトバチルス・ラムノサス株から得ることができる細胞画分である。これらは、特に、DNA調製物又は該株の培養物から得られる細胞壁調製物である。これらはまた、培養上清又はこれら培養上清の画分であり得る。
【0016】
本発明の主題はまた、本発明によるラクトバチルス・ラムノサス株又は該株から得られる細胞画分を含んでなる組成物である。
これら組成物は、特に、本発明によるラクトバチルス・ラムノサス株と1又は複数の他の乳酸菌株(所望によりプロバイオティクス株)とを組み合わせた乳酸発酵素であり得る。
これらはまた、本発明によるラクトバチルス・ラムノサス株又は該株から得られる細胞画分を含んでなる食品(特に乳製品)、は医薬品又は化粧品であり得る。
【0017】
前記株は、生存細菌の形態で存在する場合、製品1グラム当たり少なくとも105cfu、有利には1グラム当たり少なくとも106cfu、より有利には1グラム当たり少なくとも107cfu、更により有利には1グラム当たり少なくとも108cfuの割合で存在することが好ましい。
【0018】
本発明は、CNCM I-3690株の抗菌、免疫調節及び抗感染特性を説明する実施例に言及する下記の更なる説明から、より明確に理解される。
【実施例】
【0019】
実施例1:CNCM I-3690株の特性と既知のプロバイオティクス株の特性との比較
CNCM I-3690株の特性を、プロバイオティクス特性が知られる従来の種々の株の特性と比較した。
これら株のリストを下記表Iに示す。
【0020】
【表1】

【0021】
材料及び方法
1−抗菌活性
抗菌活性の研究は3つの標的病原性細菌に対して行った:大腸菌E1392-75-2A、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis) NIZO B1241及びリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes) 4B。乳酸菌を、種々の培地中でペトリ皿にて培養した:LM17(1%のラクトースを補ったM17培地(Terzaghi及びSandine, Appl. Microbiol. 29, 807〜813, 1975)、Elliker培地(Ellikerら, J. Dairy Sci., 39, 1611〜1612, 1956)及びTGE培地(トリプトン-グルコース-肉エキス)。
【0022】
ペトリ皿を、37℃にて、細菌コロニーが出現するまでインキュベートする。ビフィドバクテリウム培養は嫌気性条件下で行った。次いで、BHI(ブレインハートインフュージョン)培地及び病原体を含有する寒天の層をペトリ皿の表面に注ぐ。ペトリ皿を、再び37℃にて、24時間インキュベートする。次いで、病原体阻害の領域の直径を、乳酸菌の各コロニーの周囲で測定する。スコア1は1〜3mmの直径に相当する。スコア2は4〜6mmの直径に相当する。スコア3は6mmより大きい直径に相当する。各実験は、各株について独立して3回行った。
【0023】
各実験で標的病原体について得られたスコアを加えて、各乳酸菌についての抗菌活性の合計スコアを得た。
結果を下記表IIに示す。
これら結果は、試験した株のうち、CNCM I-3690株が、ATCC55544株と共に、最高の抗菌活性を有することを示す。
【0024】
【表2】

【0025】
2−免疫調節
結腸上皮細胞(HT-29)の炎症性応答について種々の乳酸菌により誘導される免疫調節を、炎症性攻撃の条件を模擬するTNFα、IL-1β及びIFNγの混合物(Cytomix)の存在下での転写調節因子NF-κBの活性化及びHT-29細胞による炎症誘発性サイトカインIL-8の分泌に対するこれら細菌の効果を測定することにより検出することによって、種々の乳酸菌の免疫調節特性を評価した。
【0026】
乳酸菌の培養
乳酸菌の成長は、試験する細菌の種に応じて、MRS培地(De Manら, J. Appl. Bacteriol. 23, 130〜135, 1960)中、L-システイン(最終濃度1%)を補ったMRS培地中又はElliker培地中で行う。細菌を接種し、10mLの第1の前培養で37℃にて16時間培養し、翌日100mLの第2の培養で37℃にて16時間再培養し、静止期の終期に採集する。
【0027】
細胞の培養及び調製
HT29細胞を37℃及び5%CO2にて、4.5g/LのD-グルコース、L-グルタミン(最終濃度1mM)、非必須アミノ酸(AA)(最終濃度1%)、ペニシリン/ストレプトマイシン(最終濃度1%)及び胎仔ウシ血清(FCS)(最終濃度10%)を補ったダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で維持する。
HT-29細胞を、細菌との相互作用及びCytomixでの刺激に関する実験の2日前に、2mlの培地中ウェル当たり2×105細胞の割合で12ウェルプレートに播種する。
【0028】
転写調節因子NF-κBの活性化を測定するために、細胞に、播種の翌日、Tienら(J. Immunol., 176, 1228〜37, 2006)に記載されるIg-κB-ルシフェラーゼレポータープラスミドをトランスフェクトする。トランスフェクションの前に、細胞を洗浄し、培地を、抗生物質を含まない同じ培地に置き換える。トランスフェクションを、各ウェルに、75ngのpIg-κB-ルシフェラーゼプラスミド及び1μLのLipofectamine 2000を99μLのOptiPro培地中に含有する100μLの混合物を入れることにより行う。次いで、プレートを37℃及び5%CO2にて24時間インキュベートする。
【0029】
細菌との相互作用及びCytomixでの刺激
細菌を、静止期の終期で採集しPBSで2回洗浄した後、細胞と相互作用させる。
次いで、細胞を細菌と、細胞あたり100細菌の感染多重度で2時間インキュベートする。細菌との2時間の相互作用の後、細胞を、インキュベーション培地中50ng/mLのTNFα、2.5ng/mLのIL-1β及び7.5ng/mLのIFNγの割合のCytomix及び細菌の存在下で6時間インキュベートする。全てのインキュベーションは37℃及び5%CO2にて行う。
【0030】
乳酸菌の非存在下でのNF-κB活性化及びIL-8分泌のベースレベルを決定するため、細菌の非存在下で、細胞を2時間インキュベートした後、Cytomix刺激を6時間行い、同じ実験を行った。
8時間のインキュベーションの終了時に、分泌IL8をアッセイするために1mLの培地を回収する。このアッセイは、「QuantiGlo Human IL-8化学発光ELISA」キット(R&D Systems)を用いるELISAにより行う。
【0031】
NF-κB活性化を測定するため、細胞を、1mM DTTを補った100マイクロリットルの緩衝液(25mM Tris、pH7.9、8mM MgCl2、1% Triton、15%グリセロール)中で溶解させる。ルシフェラーゼ活性を測定するため、10マイクロリットルの細胞溶解物を、1mM DTT、100mM ATP及び2mMのルシフェリン/K2HPO4(pH7.58)を補った読取緩衝液(25mM Tris、pH7.9、8mM MgCl2、1% Triton、15%グリセロール)に加える。測定は、ルミノメータ(Beckman Coulter)を用いて行う。
【0032】
この合計8時間の相互作用時間の後、NF-κB活性化及びIL-8分泌を測定する。
NF-κB活性化及びIL-8分泌の値は、乳酸菌の非存在下で観察されるベース層に対するパーセンテージとして表す。試験した各株について、平均免疫調節スコアを、パーセンテージNF-κB活性化とパーセンテージIL-8分泌とを加算することにより算出する。これら結果を下記表IIIに示す。
【0033】
【表3】

【0034】
これら結果は、CNCM I-3690株が、HT-29上皮細胞の炎症性応答を強く阻害することを示す。試験した他の株のうち、HN001株のみが匹敵する抗炎症特性を有する。
【0035】
3−胃及び腸のストレスに関する生存
胃ストレス及び腸ストレスの条件を反映するインビトロモデルを用いた。
乳酸菌の培養物を、酵母エキスを補った乳中に調製した。培養は、種に応じて24〜48時間インキュベートする(培養の静止期まで)。
【0036】
腸ストレス:ブタ胆汁酸塩(3.3g/l)及びNaHCO3炭酸塩緩衝液(16.5g/l)から構成される人工腸液を調製する。pHは6.3に調整する。1mlのこの腸液を、100μlの細菌培養物に加える。次いで、培養物を5時間インキュベートする。次に、ストレスの前後の細菌個体群をペトリ皿上で評価する。
【0037】
胃ストレス:人工胃液を調製する。これは乳酸(9g/l)、ペプシン(3.5g/l)及びNaCl (2.2g/l)から構成される。pHは3.1に調整する。1mlのこの人工液を、100μlの細菌培養物に加える。培養物を種々の時間:10分間、30分間及び60分間インキュベートする。細菌個体群をペトリ皿上で評価する。
【0038】
値は以下のように表す:
胃ストレス = 平均[log (cfu 10分/cfu 0)及びlog (cfu 0/cfu 0)]×10 + 平均[log (cfu 30分/cfu 0)及びlog (cfu 10分/cfu 0)]×20 + 平均[log (cfu 60分/cfu 0)及びlog (cfu 30分/cfu 0)]×30。
腸ストレス = log (cfu 5時間/cfu 0時間)。
cfu X分は、X分間のインキュベーション後のコロニー形成単位(CFU)として表される細菌の濃度である。
【0039】
胃ストレスについて、値が-50より大きいと生存は良好であり、値が-50〜-100の間であると生存は中程度に良好であり、値が-100より生存は小さいと悪い。
腸ストレスについて、値が-0.5を超えると生存は良好であり、値が-0.5〜-1.5の間であると生存は中程度に良好であり、値が-1.5より小さいと生存は悪い。
結果を下記表IVに示す。
【0040】
【表4】

【0041】
上記表II、III及びIVに示す結果は、試験した種々の株のうち、CNCM I-3690株が、相当な抗菌性及び抗炎症性の両方を有し、加えて胃及び腸のストレスに対する非常に良好な抵抗性を伴う唯一のものであることを示す。
この株の優位性を示すために、抗菌性の観点からはこの株により得られる種々のスコアを足し合わせ、免疫調節の観点からは該株により得られる結果の間で平均を算出した。図1は、試験した他の株に対して、この株が突出する点を示す。
【0042】
実施例2:CNCM I-3690株のマンノース接着特性
CNCM I-3690株がマンノースに特異的に接着する能力を凝集試験により決定した。この試験は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)細胞の表面にマンノース含有多糖類が存在することに基づく。マンノースに接着している細菌をエス・セレビシエと接触させると、顕微鏡下で見ることができる凝集現象が生じる。
このモデルにより、腸粘膜への接着レベルで病原体と競合する能力に起因する、細菌の潜在的な抗感染特性を評価することが可能になる。
【0043】
強いマンノース接着能力が知られているエル・プランタルム229v株及びエル・プランタルムWCFS1株を陽性対照として用いた。
ラクトバチルス株をMRS培地中37℃の温度で培養する。この細菌の成長を静止期で停止させ、次いで細菌を洗浄し、濃度を調整する。エス・セレビシエの培養は「麦芽エキス」培地(Oxoid)中で行う。
【0044】
次いで、5μl容量の細菌懸濁物をPBS又はメチル-α-D-マンノピラノシド(最終濃度:25mM)と混合する。次いで、1%のエス・セレビシエ細胞を含有する100μlの調製物を加える。混合物を10分間、周囲温度にて撹拌し、次いで顕微鏡下で検査し、以下の等級を用いてスコアを割り当てる:
スコア0 = 凝集なし
スコア1 = 弱い凝集
スコア3 = 強い凝集
スコア5 = 非常に強い凝集。
【0045】
実験は各株について独立して3回行う。
結果を下記表Vに示す。
【0046】
【表5】

【0047】
CNCM I-3690株により凝集されたエス・セレビシエ細胞のパーセンテージは、エル・プランタルム229v株及びエル・プランタルムWCFS1株により凝集されたエス・セレビシエ細胞のパーセンテージに匹敵することが認められる。
【0048】
実施例3:乳でのCNCM I-3690株の成長
CNCM I-3690株の乳での成長特性を以下のプロトコルを用いて試験した。
水に脱脂粉乳を加えて再構成した脱脂乳から構成される培地に、CNCM I-3690株を5.5×106cfu/g〜3.3×107cfu/gの範囲のレベルで接種した。
成長培地のpHを連続的にモニターすることにより、成長に関連する株の発酵活性を測定する。
【0049】
結果を図2に示す。
これら結果は、CNCM I-3690株が、乳で効率的に成長できること、よってこの株を発酵乳製品の製造に使用できることを示している。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
CNCMに番号I-3690で寄託された株であることを特徴とする、抗菌特性及び免疫調節特性を有するラクトバチルス・ラムノサス株。
【請求項2】
請求項1に記載の株から変異誘発又は遺伝子形質転換により得ることができることを特徴とする、抗菌特性及び/又は免疫調節特性を有するラクトバチルス・ラムノサス株。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のラクトバチルス・ラムノサス株から得ることができることを特徴とする、抗菌特性及び/又は免疫調節特性を有する細胞画分。
【請求項4】
請求項1に記載のラクトバチルス・ラムノサス株又は請求項3に記載の細胞画分を含む組成物。
【請求項5】
食品であることを特徴とする請求項4に記載の組成物。

【公表番号】特表2011−515085(P2011−515085A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500253(P2011−500253)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000284
【国際公開番号】WO2009/122042
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(500223925)
【氏名又は名称原語表記】COMPAGNIE GERVAIS DANONE
【Fターム(参考)】