ランタンとイットリウムをppm量で添加した、改善された低イオウニッケル基単結晶超合金
【課題】高温耐酸化性、耐熱腐食(硫化腐食)性、高温・高応力下でのクリープ抵抗性が大幅に改善された単結晶ニッケル基超合金を提供する。
【解決手段】鋳放し状態での組成として、最大イオウ含量が0.5ppm(重量比)、最大リン含量が20ppm(重量比)、最大窒素含量が3ppm(重量比)、最大酸素含量が3ppm(重量比)、そしてイットリウム含量とランタン含量が合計で5〜80ppm(重量比)であることを特徴とする。有害な不純物、特にイオウ、リン、窒素及び酸素の量を制御すると共に、イットリウム及び/又はランタンを注意深く制御して添加することで、高温・高応力下でのクリープ抵抗性を高めつつ、他の機械的特性、プロセッシング、生産性、特に鋳造性に悪影響を及ぼすことなく、耐腐食性及び耐酸化性において予期できない改善。
【解決手段】鋳放し状態での組成として、最大イオウ含量が0.5ppm(重量比)、最大リン含量が20ppm(重量比)、最大窒素含量が3ppm(重量比)、最大酸素含量が3ppm(重量比)、そしてイットリウム含量とランタン含量が合計で5〜80ppm(重量比)であることを特徴とする。有害な不純物、特にイオウ、リン、窒素及び酸素の量を制御すると共に、イットリウム及び/又はランタンを注意深く制御して添加することで、高温・高応力下でのクリープ抵抗性を高めつつ、他の機械的特性、プロセッシング、生産性、特に鋳造性に悪影響を及ぼすことなく、耐腐食性及び耐酸化性において予期できない改善。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冶金分野、より詳細には高温ニッケル基超合金の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル基超合金から鋳造された要素は、優れた機械的張力、疲労強度、及び高温でのクリープ強度を示すことが知られている。そのような要素はまた、良好な表面安定性そして特に耐酸化性及び耐腐食性を示すものであることが要求されている。ニッケル基超合金は、ジェットエンジンのタービンブレードや商用及び軍用航空機のベーンの鋳造に用いられている。それらはまた公益事業や産業用及び船舶用発電のためのガスタービンにも用いられる。
【0003】
過去35年以上の間、鋳造超合金の高温下での性能・能力は大幅に改善されてきた。これは方向性をもって凝固させる単結晶鋳造技術の開発と、キャノン・マスキーゴン社が製造しているCMSX−4(商標)等の合金、GE(Rene N−5合金)やPWA(PWA1484合金)によって開発された合金に負うものである。
【0004】
単結晶(SX)CMSX−4(商標)合金鋳造物は、部分溶融(incipient melting)を起さない非常に高い温度での溶体化熱処理後、70vol%の細かいガンマプライム(γ’)析出強化相を有する。この鋳造要素は高温・高応力下で顕著なクリープ耐性を示し、特に、クリープ破壊曲線のこの条件に対応する部分では、良好な耐酸化性を示しつつも伸びは1%以下である。CMSX−4(商標)合金は、米国特許第4643782号及び5443789号に開示されており、本分野の技術水準を示していると考えられる。CMSX−4(商標)合金は1991年以来、数多くの航空機用、産業用、及び船舶用のガスタービン用途に使用され成功を収めてきた。1000万ポンド(1300溶解バッチ)に近いCMSX−4(商標)が今日迄に製造されてきており、タービンエンジンとしての使用歴総計は1.2億時間を超える。ランタンとイットリウムでプレアロイ化されイオウ含量が約1ppm(重量)という低量である、改良版の合金CMSX−4(商標)は、複数回溶解操作を行うことで酸素含有量が1〜2ppmであることで示されるように、酸化物系介在物の安定性という観点から良好な合金清浄性を有する。ランタンやイットリウム等の希土類元素を添加すると、有害なイオウ(S)やリン(P)を非常に安定な硫化物相やリン化物相として固定するので、合金の酸化動態に有利である。ベア合金(bare alloy)の酸化挙動を改善することで、ブレードのチップ劣化を抑制すると共に断熱コーティング(TBC)の固着を向上させることには特に関心が寄せられる。希土類元素を添加することでCMSX−4(商標)の動的サイクル(繰返し)酸化挙動を劇的に改善できる。ランタン(La)とイットリウム(Y)の添加による利点の一例は、高温(例えば1050℃)でのクリープ破断試験の後の表面微細組織に見ることができる。1050℃での1389時間の試験の後、γ’相が減少している証拠は観察されなかったが、仮にランタンとイットリウムを添加しなかった場合には、主として合金中のイオウに起因する酸化物スケールの剥離によりアルミニウムが合金表面に拡散しアルミナのスケール層を再形成することによって、γ’相は大幅に減少したであろうと推測される。この改善により、要素の耐用寿命の大幅な延長がもたらされる。研究の結果、CMSX−4(商標)合金にLa+Yを添加することで、La或いはYを単独で添加する場合に比べ、酸化に関し最良の結果が得られることが示されている(図2参照)。
【0005】
CMSX−4(商標)が目的とするところは、合金の部分溶融温度に達せしめることなく、全ての初晶γ’相を溶解させる温度での熱処理を可能にするような熱処理温度範囲を用い、なお且つ十分なクリープ破壊抵抗性と耐酸化性を提供することにある。これら改良点は主に、タングステン(W)をレニウム(Re)で部分的に置換すること、クロム(Cr)量を低下させて許容可能な相安定性でできるだけ合金化を向上させること、及び、タンタル(Ta)を増やすことによって達成される。このように変更したことで、熱処理ウィンドウ(即ち、初晶γ’相が溶解する温度と合金が部分溶融を起こす温度との差)を過度に狭めることなく、また微細組織の不安定化を招くことなく、公知のニッケル基超合金(CMSX−3(商標))に対し、クリープ抵抗性における所望の相対的改善が達成され、これによって航空機用及び産業用のガスタービン用途のための高性能鋳造物の経済的な生産が容易になった。Reは高温での元素の拡散スピードを劇的に遅くする。
【0006】
CMSX−4(商標)合金は、性能、製品寿命及び経済性の向上を提供することで非常な商業的成功を見たが、より高温度での運転を可能にし且つより長い製品寿命を提供できる単結晶ニッケル基合金鋳造物が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4643782号明細書
【特許文献2】米国特許第5443789号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る合金は、更に改良された、単結晶でありうるニッケル基超合金であって、鋳造されたとき、大幅に且つ予期できないほどに改善された高温耐酸化性、耐熱腐食(硫化腐食)性、高温・高応力下でのクリープ抵抗性を示す要素を提供する。
【0009】
本発明の改善されたニッケル基単結晶超合金は、その鋳放し状態での組成として、最大イオウ含量が0.5ppm(重量比)、最大リン含量が20ppm(重量比)、最大残存窒素含量が3ppm(重量比)、最大残存酸素含量が3ppm(重量比)、そしてイットリウム含量とランタン含量が合計で5〜80ppm(重量比)を含む。本発明の合金は、微量不純物としてここに特記する炭素(C)とジルコニウム(Zr)に対する許容度についての多少の相違を除けば、その他の点は以前より商業的に入手可能なCMSX−4(商標)と実質的に同じである。
【0010】
本発明のこれら及びその他の特徴、利点、目的は、以下、明細書、請求の範囲及び図面を参照することで当業者に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の合金及びこれと競合関係にあるReneN−5合金についてラーソン−ミラー応力破壊試験を行った比較のグラフである。ReneN−5合金は、本産業界では一般にキャノン・マスキーゴン社のCMSX−4(商標)合金と競合する製品であると認識されている。
【図2】セシウム、ランタン、イットリウム、或いはランタンとイットリウムの両方を微量添加した以外、実質的に同一の組成を有する各種ニッケル基超合金について1093℃(2000F)での動的繰返し酸化試験結果を比較するグラフである。
【図3】熱サイクルの関数として重量損失を示す各種単結晶ニッケル基超合金鋳造物についての1000℃での比較酸化試験のグラフである。
【図4】熱サイクルの関数として重量損失を示す各種単結晶ニッケル基超合金鋳造物についての1100℃での比較酸化試験のグラフである。
【図5】熱腐食試験に付した、従来公知の合金鋳造物の写真である。
【図6】熱腐食試験に付した、本発明に係る合金鋳造物の写真である。
【図7】図3と4に示すデータを生成した合金鋳造物試料の試験に用いた3ゾーンバーナ装置の概略図である。
【図8】1サイクルにおける、バーナ装置の3試験ゾーンのそれぞれにおいて、時間の関数としての温度を示すグラフである。
【図9】硫化物とリン化物を含有する相領域を有するニッケル基超合金鋳造物の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図10】図9のSEM写真で示したものと同一の領域における、リンについての走査電顕ドット・マップである。
【図11】図9のSEM写真で示したものと同一の領域における、イオウについての走査電顕ドット・マップである。
【図12】図9のSEM写真で示したものと同一の領域における、イットリウムについての走査電顕ドット・マップである。
【図13】図9のSEM写真で示したものと同一の領域における、ランタンについての走査電顕ドット・マップである。
【図14】本発明に従って1050℃、125MPaで1389時間試験した後の、合金の表面の顕微鏡写真である。
【図15】本発明と類似の基本組成を有するがS、P、La及び/又はYに関する組合せ改良がなされていない従来の合金の表面微細組織を示す顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の単結晶鋳造物は、耐熱腐食(硫化腐食)性の予期し得ない向上をもたらす一方、驚くべきことに更なる耐酸化性を示す。より具体的には、イオウとリンという不純物のレベルを注意深く制限且つコントロール(イオウを特に低い、最大0.5ppmレベルとする)し、加えてイットリウムとランタンを、残存するイオウとリンを除去できる十分量において微量(ppm量)添加することで、従来のCMSX−4(商標)合金と比べ劇的に向上した耐酸化性が達成され、且つ、これは単結晶鋳造物用ReneN−5ニッケル基超合金の耐酸化性とも比肩しうるものである。同時に、本発明はReneN−5単結晶鋳造物に比べ、高温クリープ特性における改善が顕著であり、このことは、本発明に従って製造されたガスタービン要素は、ReneN−5鋳造物に比肩しうる耐酸化性を提供しつつ耐硫化腐食性が改善された、実質的により高い温度(50F)において運転可能なものであることを示唆している。そしてこのことは、燃料効率の向上と要素寿命の向上における大幅な改善が達成されることにつながる。改善された耐酸化性(ベンチマーク品である耐酸化性の高いReneN−5合金と同等であることを含む)と耐熱腐食性の組合せは全く予期されていなかったものであり、その改善の度合いは発表された文献から予期できるとは考えられない。ReneN−5合金は、ベンチマークの優秀な耐酸化性に寄与するチタン(Ti)を含有していない、なぜならTiは高温でαアルミナ・スケール中に拡散していくことが知られており、この汚染はスケールの剥離/酸化につながるからである。ReneN−5の発表されている標準化学成分を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
より改善されたCMSX−4(商標)、即ちCMSX−4(商標)(SLS)[La+Y]が、ReneN−5の酸化成績と同等な特性を示すことは全く予期できないものである。なぜなら、CMSX−4(商標)は1.0%Tiを含有しているからである(表1)。CMSX−4(商標)中の1.0%のTiはReneN−5との比較でクリープ破壊性能の改善を提供するが、これはより好ましいγ/γ’ミスマッチと界面化学を提供することにおける役割を果たしているためである。
【0015】
本発明に係る、ニッケル基超合金組成を有する単結晶鋳造物は、下の表2に記載した組成を有する(wt%/ppm)。
【0016】
【表2】
【0017】
図2における、時間経過と比重量の変化のグラフは、従来の"CMSX−4(商標)"合金にランタンとイットリウムを本発明に従う量で添加して含む合金の鋳造物から機械加工によって得られた試料が、1093℃(2000F)での動的繰返し酸化試験において、反応性元素(ランタン、イットリウム、或いはセシウム)を一切含まない合金(CMSX−4(商標))から製作した類似試料、化学量論的に等価な量のイットリウムだけを含有する合金(CMSX−4(商標)+Y)から製作した別の類似試料、及び化学量論的に等価な量のランタンだけを含有する合金(CMSX−4(商標)+La)から製作した更に別の類似試料よりも、重量損失が非常に少ないことを示している。これらの結果は、本発明に従ってランタンとイットリウムを添加すると、化学量論的に等価な量のランタンのみ或いはイットリウムのみを含有する類似合金や、反応性元素を一切含有しない類似合金と比べ、かなり改善された耐酸化性を提供できることを示している。
【0018】
図2にグラフで示した比較ラーソン−ミラー応力破壊試験は、本発明に従う2種の合金(曲線AとBで表す)及びReneN−5合金(曲線Cで表す)の、それぞれ単結晶の鋳造物から機械加工した試料について行ったものである。試験結果は、本発明の合金がより高い温度でより長い時間運転できる単結晶鋳造物を提供することを示唆している。例えば、図2に示すデータは、本発明に係る合金から鋳造されたガスタービンブレードは、ReneN−5合金から鋳造された類似の要素よりも約50F高い温度で、ReneN−5で製作された要素と同じ期間運転可能であることを示している。このような改善は燃料効率や経済性における非常に意味のある改善であり、カーボン・フットプリントの低減と環境に対する好ましい影響をもたらすものである。
【0019】
図3は、熱サイクルの関数としての重量損失から測定される本発明合金の耐酸化性が、1000℃で、ReneN−5合金と同等であり且つ従前公知で商業的に入手可能なCMSX−4(商標)合金からの鋳造物よりも十分優れていることを示している。
【0020】
図4は、1100℃で従来のCMSX−4(商標)合金鋳造物と比較したときの耐酸化性における同様の改善を示す。
【0021】
図5は、従前公知のCMSX−4(商標)合金(本発明ではない)及びReneN−5合金の単結晶鋳造物を機械加工した試験試料を、900℃で329サイクルの熱腐食試験に付した後の写真である。
【0022】
図6は、本発明による改善CMSX−4(商標)合金の単結晶鋳造物を機械加工した試験試料を、900℃で244サイクルの熱腐食試験に付した後の写真である。試料に対して行ったサイクル数は異なるが、図5の写真を図4のグラフと比較すると、本発明による改善された合金が、高性能ガスタービン用途で広く使用されている従前公知の合金よりも優れた耐熱腐食性を示すことは明らかである。耐熱腐食性における改善は、海軍航空機やその他海洋近辺で運転される航空機に使用されるガスタービンエンジン要素の製品寿命の延長には特に重要である。
【0023】
図7は、図3と4に示したデータを得るに際し、試料を熱サイクルに付すのに用いたバーナ装置の概略を示す。このバーナ装置は、試験ゾーン14、15、16を画定する隔壁12を備えた試験チャンバ10を含み、各ゾーンは異なる温度に設定されている。バーナ18はケロシンを燃焼させるが、このケロシンはポンプ22によってケロシン・リザーバ20からバーナ18に運ばれる。腐食を促進するアグレッシブな運転条件をシミュレートするために、熱腐食試験については、所定の速度でリットル当たり1gの濃度で塩化ナトリウムを含有する浸透水(osmosis water)をリザーバ24からバーナ18に導入する。但しこれは酸化試験については行わない
【0024】
図8は、3試験ゾーンのそれぞれにおける熱サイクルについて温度を時間の関数として示した図である。曲線X、Y、Zはそれぞれ試験ゾーン14、15、16について、温度を時間の関数として表している。試験ゾーン15(曲線Y)は図3に示したデータを生成するのに用い、試験ゾーン14(曲線X)は図4に示したデータを生成するのに用いた。
【0025】
図9〜13は、ランタンとイットリウムを本発明に従う量において添加したニッケル基超合金(本発明合金に類似する合金)単結晶鋳造物の表面の走査電子顕微鏡写真である。図9〜13の電顕写真に示した合金は約1ppm(重量)のイオウと約15ppm(重量)のリンを含有する。図8は、残存するイオウ及びリンがランタン及び/又はイットリウムと反応して形成された硫化物とリン化物を含んでいる相領域を示す走査電顕写真である。図8〜12の電顕写真はそれぞれ、リン、イオウ、イットリウム及びランタンを明るい色調の領域として示している。各写真における明るい色調の領域の位置を比べることで、当業者は、ランタン及び/又はイットリウムがリン及びイオウと反応して安定で無害な硫化物やリン化物が形成されたことがわかる。本発明の各種合金について同様の効果が得られ、改善された耐酸化性及び耐熱腐食(耐硫化腐食)がもたらされる。
【0026】
本明細書に記載したデータを組み合わせると、単結晶鋳造に用いるニッケル基超合金中のイオウ、リン、ランタン、イットリウムの各レベルを注意深く制御することによって、耐酸化性と耐熱腐食性の双方において同時に予期し得ない驚くべき改善が達成されることがわかる。窒素及び酸素のレベルが極く低量であると単結晶鋳造物における粒子欠陥を減少させるので、大幅に要素コストを下げ且つ鋳造歩留りを向上できる。リンは、単結晶鋳造プロセスにおいて、再溶解るつぼやシェル、セラミック・コア耐火材から取り出すことができる。
【0027】
本発明に係る改善された合金の改善された繰返し酸化挙動(例えば耐酸化性等)は更に図14と15にも示されている。これら電顕写真は、本発明に従う合金の表面微細構造(図14)を従来のCMSX−4(商標)合金(図15)と比較するものである。本発明に係る合金は、1050℃、125MPa(1922F、18ksi)での1389時間の試験の後にもγ’相の減少を示さないが、一方、従来の合金(基本的には同じニッケル基の合金であるがSとPについての濃度限界の要件を満たさずまた、Y及び/又はLaを添加する要件も満たしていないもの)は1177℃(2150F)での動的酸化試験でたった450時間後に厚さ94μmの層におけるγ’相の相当な減少を示す。
【0028】
上の記述は、好ましい態様についてのみについてのものと考えられたい。当業者や本発明を実施し利用する者であれば、本発明に対する様々な変更が想到されるであろう。よって、図面に示され上に記載された実施態様は説明のためのみのものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではなく、本発明の範囲は、均等の原理を含む、特許法の原則に従い、特許請求の範囲に記載の事項によってのみ定義されるものと理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は冶金分野、より詳細には高温ニッケル基超合金の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル基超合金から鋳造された要素は、優れた機械的張力、疲労強度、及び高温でのクリープ強度を示すことが知られている。そのような要素はまた、良好な表面安定性そして特に耐酸化性及び耐腐食性を示すものであることが要求されている。ニッケル基超合金は、ジェットエンジンのタービンブレードや商用及び軍用航空機のベーンの鋳造に用いられている。それらはまた公益事業や産業用及び船舶用発電のためのガスタービンにも用いられる。
【0003】
過去35年以上の間、鋳造超合金の高温下での性能・能力は大幅に改善されてきた。これは方向性をもって凝固させる単結晶鋳造技術の開発と、キャノン・マスキーゴン社が製造しているCMSX−4(商標)等の合金、GE(Rene N−5合金)やPWA(PWA1484合金)によって開発された合金に負うものである。
【0004】
単結晶(SX)CMSX−4(商標)合金鋳造物は、部分溶融(incipient melting)を起さない非常に高い温度での溶体化熱処理後、70vol%の細かいガンマプライム(γ’)析出強化相を有する。この鋳造要素は高温・高応力下で顕著なクリープ耐性を示し、特に、クリープ破壊曲線のこの条件に対応する部分では、良好な耐酸化性を示しつつも伸びは1%以下である。CMSX−4(商標)合金は、米国特許第4643782号及び5443789号に開示されており、本分野の技術水準を示していると考えられる。CMSX−4(商標)合金は1991年以来、数多くの航空機用、産業用、及び船舶用のガスタービン用途に使用され成功を収めてきた。1000万ポンド(1300溶解バッチ)に近いCMSX−4(商標)が今日迄に製造されてきており、タービンエンジンとしての使用歴総計は1.2億時間を超える。ランタンとイットリウムでプレアロイ化されイオウ含量が約1ppm(重量)という低量である、改良版の合金CMSX−4(商標)は、複数回溶解操作を行うことで酸素含有量が1〜2ppmであることで示されるように、酸化物系介在物の安定性という観点から良好な合金清浄性を有する。ランタンやイットリウム等の希土類元素を添加すると、有害なイオウ(S)やリン(P)を非常に安定な硫化物相やリン化物相として固定するので、合金の酸化動態に有利である。ベア合金(bare alloy)の酸化挙動を改善することで、ブレードのチップ劣化を抑制すると共に断熱コーティング(TBC)の固着を向上させることには特に関心が寄せられる。希土類元素を添加することでCMSX−4(商標)の動的サイクル(繰返し)酸化挙動を劇的に改善できる。ランタン(La)とイットリウム(Y)の添加による利点の一例は、高温(例えば1050℃)でのクリープ破断試験の後の表面微細組織に見ることができる。1050℃での1389時間の試験の後、γ’相が減少している証拠は観察されなかったが、仮にランタンとイットリウムを添加しなかった場合には、主として合金中のイオウに起因する酸化物スケールの剥離によりアルミニウムが合金表面に拡散しアルミナのスケール層を再形成することによって、γ’相は大幅に減少したであろうと推測される。この改善により、要素の耐用寿命の大幅な延長がもたらされる。研究の結果、CMSX−4(商標)合金にLa+Yを添加することで、La或いはYを単独で添加する場合に比べ、酸化に関し最良の結果が得られることが示されている(図2参照)。
【0005】
CMSX−4(商標)が目的とするところは、合金の部分溶融温度に達せしめることなく、全ての初晶γ’相を溶解させる温度での熱処理を可能にするような熱処理温度範囲を用い、なお且つ十分なクリープ破壊抵抗性と耐酸化性を提供することにある。これら改良点は主に、タングステン(W)をレニウム(Re)で部分的に置換すること、クロム(Cr)量を低下させて許容可能な相安定性でできるだけ合金化を向上させること、及び、タンタル(Ta)を増やすことによって達成される。このように変更したことで、熱処理ウィンドウ(即ち、初晶γ’相が溶解する温度と合金が部分溶融を起こす温度との差)を過度に狭めることなく、また微細組織の不安定化を招くことなく、公知のニッケル基超合金(CMSX−3(商標))に対し、クリープ抵抗性における所望の相対的改善が達成され、これによって航空機用及び産業用のガスタービン用途のための高性能鋳造物の経済的な生産が容易になった。Reは高温での元素の拡散スピードを劇的に遅くする。
【0006】
CMSX−4(商標)合金は、性能、製品寿命及び経済性の向上を提供することで非常な商業的成功を見たが、より高温度での運転を可能にし且つより長い製品寿命を提供できる単結晶ニッケル基合金鋳造物が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4643782号明細書
【特許文献2】米国特許第5443789号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る合金は、更に改良された、単結晶でありうるニッケル基超合金であって、鋳造されたとき、大幅に且つ予期できないほどに改善された高温耐酸化性、耐熱腐食(硫化腐食)性、高温・高応力下でのクリープ抵抗性を示す要素を提供する。
【0009】
本発明の改善されたニッケル基単結晶超合金は、その鋳放し状態での組成として、最大イオウ含量が0.5ppm(重量比)、最大リン含量が20ppm(重量比)、最大残存窒素含量が3ppm(重量比)、最大残存酸素含量が3ppm(重量比)、そしてイットリウム含量とランタン含量が合計で5〜80ppm(重量比)を含む。本発明の合金は、微量不純物としてここに特記する炭素(C)とジルコニウム(Zr)に対する許容度についての多少の相違を除けば、その他の点は以前より商業的に入手可能なCMSX−4(商標)と実質的に同じである。
【0010】
本発明のこれら及びその他の特徴、利点、目的は、以下、明細書、請求の範囲及び図面を参照することで当業者に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の合金及びこれと競合関係にあるReneN−5合金についてラーソン−ミラー応力破壊試験を行った比較のグラフである。ReneN−5合金は、本産業界では一般にキャノン・マスキーゴン社のCMSX−4(商標)合金と競合する製品であると認識されている。
【図2】セシウム、ランタン、イットリウム、或いはランタンとイットリウムの両方を微量添加した以外、実質的に同一の組成を有する各種ニッケル基超合金について1093℃(2000F)での動的繰返し酸化試験結果を比較するグラフである。
【図3】熱サイクルの関数として重量損失を示す各種単結晶ニッケル基超合金鋳造物についての1000℃での比較酸化試験のグラフである。
【図4】熱サイクルの関数として重量損失を示す各種単結晶ニッケル基超合金鋳造物についての1100℃での比較酸化試験のグラフである。
【図5】熱腐食試験に付した、従来公知の合金鋳造物の写真である。
【図6】熱腐食試験に付した、本発明に係る合金鋳造物の写真である。
【図7】図3と4に示すデータを生成した合金鋳造物試料の試験に用いた3ゾーンバーナ装置の概略図である。
【図8】1サイクルにおける、バーナ装置の3試験ゾーンのそれぞれにおいて、時間の関数としての温度を示すグラフである。
【図9】硫化物とリン化物を含有する相領域を有するニッケル基超合金鋳造物の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図10】図9のSEM写真で示したものと同一の領域における、リンについての走査電顕ドット・マップである。
【図11】図9のSEM写真で示したものと同一の領域における、イオウについての走査電顕ドット・マップである。
【図12】図9のSEM写真で示したものと同一の領域における、イットリウムについての走査電顕ドット・マップである。
【図13】図9のSEM写真で示したものと同一の領域における、ランタンについての走査電顕ドット・マップである。
【図14】本発明に従って1050℃、125MPaで1389時間試験した後の、合金の表面の顕微鏡写真である。
【図15】本発明と類似の基本組成を有するがS、P、La及び/又はYに関する組合せ改良がなされていない従来の合金の表面微細組織を示す顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の単結晶鋳造物は、耐熱腐食(硫化腐食)性の予期し得ない向上をもたらす一方、驚くべきことに更なる耐酸化性を示す。より具体的には、イオウとリンという不純物のレベルを注意深く制限且つコントロール(イオウを特に低い、最大0.5ppmレベルとする)し、加えてイットリウムとランタンを、残存するイオウとリンを除去できる十分量において微量(ppm量)添加することで、従来のCMSX−4(商標)合金と比べ劇的に向上した耐酸化性が達成され、且つ、これは単結晶鋳造物用ReneN−5ニッケル基超合金の耐酸化性とも比肩しうるものである。同時に、本発明はReneN−5単結晶鋳造物に比べ、高温クリープ特性における改善が顕著であり、このことは、本発明に従って製造されたガスタービン要素は、ReneN−5鋳造物に比肩しうる耐酸化性を提供しつつ耐硫化腐食性が改善された、実質的により高い温度(50F)において運転可能なものであることを示唆している。そしてこのことは、燃料効率の向上と要素寿命の向上における大幅な改善が達成されることにつながる。改善された耐酸化性(ベンチマーク品である耐酸化性の高いReneN−5合金と同等であることを含む)と耐熱腐食性の組合せは全く予期されていなかったものであり、その改善の度合いは発表された文献から予期できるとは考えられない。ReneN−5合金は、ベンチマークの優秀な耐酸化性に寄与するチタン(Ti)を含有していない、なぜならTiは高温でαアルミナ・スケール中に拡散していくことが知られており、この汚染はスケールの剥離/酸化につながるからである。ReneN−5の発表されている標準化学成分を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
より改善されたCMSX−4(商標)、即ちCMSX−4(商標)(SLS)[La+Y]が、ReneN−5の酸化成績と同等な特性を示すことは全く予期できないものである。なぜなら、CMSX−4(商標)は1.0%Tiを含有しているからである(表1)。CMSX−4(商標)中の1.0%のTiはReneN−5との比較でクリープ破壊性能の改善を提供するが、これはより好ましいγ/γ’ミスマッチと界面化学を提供することにおける役割を果たしているためである。
【0015】
本発明に係る、ニッケル基超合金組成を有する単結晶鋳造物は、下の表2に記載した組成を有する(wt%/ppm)。
【0016】
【表2】
【0017】
図2における、時間経過と比重量の変化のグラフは、従来の"CMSX−4(商標)"合金にランタンとイットリウムを本発明に従う量で添加して含む合金の鋳造物から機械加工によって得られた試料が、1093℃(2000F)での動的繰返し酸化試験において、反応性元素(ランタン、イットリウム、或いはセシウム)を一切含まない合金(CMSX−4(商標))から製作した類似試料、化学量論的に等価な量のイットリウムだけを含有する合金(CMSX−4(商標)+Y)から製作した別の類似試料、及び化学量論的に等価な量のランタンだけを含有する合金(CMSX−4(商標)+La)から製作した更に別の類似試料よりも、重量損失が非常に少ないことを示している。これらの結果は、本発明に従ってランタンとイットリウムを添加すると、化学量論的に等価な量のランタンのみ或いはイットリウムのみを含有する類似合金や、反応性元素を一切含有しない類似合金と比べ、かなり改善された耐酸化性を提供できることを示している。
【0018】
図2にグラフで示した比較ラーソン−ミラー応力破壊試験は、本発明に従う2種の合金(曲線AとBで表す)及びReneN−5合金(曲線Cで表す)の、それぞれ単結晶の鋳造物から機械加工した試料について行ったものである。試験結果は、本発明の合金がより高い温度でより長い時間運転できる単結晶鋳造物を提供することを示唆している。例えば、図2に示すデータは、本発明に係る合金から鋳造されたガスタービンブレードは、ReneN−5合金から鋳造された類似の要素よりも約50F高い温度で、ReneN−5で製作された要素と同じ期間運転可能であることを示している。このような改善は燃料効率や経済性における非常に意味のある改善であり、カーボン・フットプリントの低減と環境に対する好ましい影響をもたらすものである。
【0019】
図3は、熱サイクルの関数としての重量損失から測定される本発明合金の耐酸化性が、1000℃で、ReneN−5合金と同等であり且つ従前公知で商業的に入手可能なCMSX−4(商標)合金からの鋳造物よりも十分優れていることを示している。
【0020】
図4は、1100℃で従来のCMSX−4(商標)合金鋳造物と比較したときの耐酸化性における同様の改善を示す。
【0021】
図5は、従前公知のCMSX−4(商標)合金(本発明ではない)及びReneN−5合金の単結晶鋳造物を機械加工した試験試料を、900℃で329サイクルの熱腐食試験に付した後の写真である。
【0022】
図6は、本発明による改善CMSX−4(商標)合金の単結晶鋳造物を機械加工した試験試料を、900℃で244サイクルの熱腐食試験に付した後の写真である。試料に対して行ったサイクル数は異なるが、図5の写真を図4のグラフと比較すると、本発明による改善された合金が、高性能ガスタービン用途で広く使用されている従前公知の合金よりも優れた耐熱腐食性を示すことは明らかである。耐熱腐食性における改善は、海軍航空機やその他海洋近辺で運転される航空機に使用されるガスタービンエンジン要素の製品寿命の延長には特に重要である。
【0023】
図7は、図3と4に示したデータを得るに際し、試料を熱サイクルに付すのに用いたバーナ装置の概略を示す。このバーナ装置は、試験ゾーン14、15、16を画定する隔壁12を備えた試験チャンバ10を含み、各ゾーンは異なる温度に設定されている。バーナ18はケロシンを燃焼させるが、このケロシンはポンプ22によってケロシン・リザーバ20からバーナ18に運ばれる。腐食を促進するアグレッシブな運転条件をシミュレートするために、熱腐食試験については、所定の速度でリットル当たり1gの濃度で塩化ナトリウムを含有する浸透水(osmosis water)をリザーバ24からバーナ18に導入する。但しこれは酸化試験については行わない
【0024】
図8は、3試験ゾーンのそれぞれにおける熱サイクルについて温度を時間の関数として示した図である。曲線X、Y、Zはそれぞれ試験ゾーン14、15、16について、温度を時間の関数として表している。試験ゾーン15(曲線Y)は図3に示したデータを生成するのに用い、試験ゾーン14(曲線X)は図4に示したデータを生成するのに用いた。
【0025】
図9〜13は、ランタンとイットリウムを本発明に従う量において添加したニッケル基超合金(本発明合金に類似する合金)単結晶鋳造物の表面の走査電子顕微鏡写真である。図9〜13の電顕写真に示した合金は約1ppm(重量)のイオウと約15ppm(重量)のリンを含有する。図8は、残存するイオウ及びリンがランタン及び/又はイットリウムと反応して形成された硫化物とリン化物を含んでいる相領域を示す走査電顕写真である。図8〜12の電顕写真はそれぞれ、リン、イオウ、イットリウム及びランタンを明るい色調の領域として示している。各写真における明るい色調の領域の位置を比べることで、当業者は、ランタン及び/又はイットリウムがリン及びイオウと反応して安定で無害な硫化物やリン化物が形成されたことがわかる。本発明の各種合金について同様の効果が得られ、改善された耐酸化性及び耐熱腐食(耐硫化腐食)がもたらされる。
【0026】
本明細書に記載したデータを組み合わせると、単結晶鋳造に用いるニッケル基超合金中のイオウ、リン、ランタン、イットリウムの各レベルを注意深く制御することによって、耐酸化性と耐熱腐食性の双方において同時に予期し得ない驚くべき改善が達成されることがわかる。窒素及び酸素のレベルが極く低量であると単結晶鋳造物における粒子欠陥を減少させるので、大幅に要素コストを下げ且つ鋳造歩留りを向上できる。リンは、単結晶鋳造プロセスにおいて、再溶解るつぼやシェル、セラミック・コア耐火材から取り出すことができる。
【0027】
本発明に係る改善された合金の改善された繰返し酸化挙動(例えば耐酸化性等)は更に図14と15にも示されている。これら電顕写真は、本発明に従う合金の表面微細構造(図14)を従来のCMSX−4(商標)合金(図15)と比較するものである。本発明に係る合金は、1050℃、125MPa(1922F、18ksi)での1389時間の試験の後にもγ’相の減少を示さないが、一方、従来の合金(基本的には同じニッケル基の合金であるがSとPについての濃度限界の要件を満たさずまた、Y及び/又はLaを添加する要件も満たしていないもの)は1177℃(2150F)での動的酸化試験でたった450時間後に厚さ94μmの層におけるγ’相の相当な減少を示す。
【0028】
上の記述は、好ましい態様についてのみについてのものと考えられたい。当業者や本発明を実施し利用する者であれば、本発明に対する様々な変更が想到されるであろう。よって、図面に示され上に記載された実施態様は説明のためのみのものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではなく、本発明の範囲は、均等の原理を含む、特許法の原則に従い、特許請求の範囲に記載の事項によってのみ定義されるものと理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の元素を下記鋳造物重量に対するパーセント又はppmで表される量において含む、非常に改善された耐酸化性と耐熱腐食(耐硫化腐食)性及び優れたクリープ強度を示すニッケル基超合金組成物の単結晶鋳造物:
【表3】
【請求項2】
最大イオウ含量が0.5ppm(重量比)、最大リン含量が20ppm(重量比)、最大窒素含量が3ppm(重量比)、最大酸素含量が3ppm(重量比)、そしてイットリウム含量とランタン含量が合計で5〜80ppm(重量比)である、非常に改善された耐酸化性と耐熱腐食(耐硫化腐食)性及び優れたクリープ強度を示すニッケル基超合金組成物の単結晶鋳造物。
【請求項3】
最大炭素含量が100ppm(重量比)、最大ジルコニウム含量が120ppm(重量比)である、請求項2に記載の鋳造物。
【請求項4】
タングステン含量が6.2〜6.6重量%、レニウム含量が2.8〜3.2重量%、クロム含量が6.4〜6.6重量%、タンタル含量が6.3〜6.7重量%である、請求項3に記載の鋳造物。
【請求項1】
次の元素を下記鋳造物重量に対するパーセント又はppmで表される量において含む、非常に改善された耐酸化性と耐熱腐食(耐硫化腐食)性及び優れたクリープ強度を示すニッケル基超合金組成物の単結晶鋳造物:
【表3】
【請求項2】
最大イオウ含量が0.5ppm(重量比)、最大リン含量が20ppm(重量比)、最大窒素含量が3ppm(重量比)、最大酸素含量が3ppm(重量比)、そしてイットリウム含量とランタン含量が合計で5〜80ppm(重量比)である、非常に改善された耐酸化性と耐熱腐食(耐硫化腐食)性及び優れたクリープ強度を示すニッケル基超合金組成物の単結晶鋳造物。
【請求項3】
最大炭素含量が100ppm(重量比)、最大ジルコニウム含量が120ppm(重量比)である、請求項2に記載の鋳造物。
【請求項4】
タングステン含量が6.2〜6.6重量%、レニウム含量が2.8〜3.2重量%、クロム含量が6.4〜6.6重量%、タンタル含量が6.3〜6.7重量%である、請求項3に記載の鋳造物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−36494(P2012−36494A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269395(P2010−269395)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(510318712)キャノン−マスキーゴン コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(510318712)キャノン−マスキーゴン コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】
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