説明

ランプダウンプログラミングのための不揮発性メモリおよび方法

ランプダウンプログラミング電圧を使用して、最も高いステップから最も低いステップにかけてステップ毎に不揮発性メモリセルのグループを並列にプログラムする。各プログラミングステップの後のベリファイとともにプログラム禁止を行うための従来のセットアップが回避されると、全体のプログラミング時間が改善される。セルをその目標状態にプログラムすると見込まれるプログラミング電圧を示すプログラミング電圧推定値が各セルに提供される。現在のプログラミング電圧ステップあるいはそれ以上の推定値を有するセル以外のすべてのセルは、プログラム禁止されることになる。その後、下降する各プログラミング電圧ステップによって、追加のセルが非禁止されることになる。非禁止されると、セルはその目標状態にプログラムされても再び禁止される必要はない。その理由は、その後のプログラミングステップが低い電圧であり、セルをその目標状態を超えてプログラムするだけの効果がないためである。1つの実施例における非禁止動作とは、要するに関連するビット線を接地に引くだけである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電気的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)およびフラッシュEEPROMなどの不揮発性半導体メモリに関し、特に、各プログラミングステップ間のセットアップ時間を大幅に削減したメモリおよびプログラミング動作に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な携帯型およびハンドヘルド型装置、とりわけ情報機器および家庭用電化製品において、特に、小形のフォームファクタカードとしてパッケージ化されたEEPROMおよびフラッシュEEPROMの形態をとる電荷の不揮発性記憶が可能なソリッドステートメモリが好んで用いられる記憶装置となっている。同じくソリッドステートメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)とは異なり、フラッシュメモリは不揮発性であり、電源を切った後でもその記憶データを保持している。コストが上昇するにもかかわらず、フラッシュメモリは、大容量記憶用途でますます使用されつつある。ハードドライブやフロッピーディスクなどの回転式磁気媒体に基づく従来の大容量記憶装置は、携帯型およびハンドヘルド型の環境には適していない。その理由は、ハードドライブは大型になりがちで機械的不良を起こしやすく、長い待ち時間および大電力要件を有するためである。このような望ましくない属性により、ディスクに基づく記憶装置は大部分の携帯型および移動式用途において実用的でなくなっている。一方、フラッシュメモリは内蔵型でも取り外し可能なカードの形態をとるものでも、小型、低消費電力、高速および高信頼性というその特徴によって携帯型およびハンドヘルド型の環境に理想的に適している。
【0003】
EEPROMおよび電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)は、消去するとともにそのメモリセル内に新しいデータを書き込むかまたは「プログラムする」ことができる不揮発性メモリである。両方とも半導体基板内のソース領域とドレイン領域との間のチャネル領域上に位置する電界効果トランジスタ構造のフローティング(接続されていない)導電ゲートを使用している。次に、フローティングゲート上にはコントロールゲートが設けられる。トランジスタのしきい値電圧特性は、フローティングゲート上に保持される電荷量によって制御される。すなわち、フローティングゲート上の所与の電荷レベルに対して対応する電圧(しきい値)が存在し、トランジスタが「オン」に転換されてそのソース領域とドレイン領域との間で導通が可能になる前にこの対応する電圧をコントロールゲートに印加する必要がある。
【0004】
フローティングゲートは、様々な範囲の電荷を保持することができるので、しきい値電圧ウィンドウ内の任意のしきい値電圧レベルにプログラムすることができる。しきい値電圧ウィンドウの大きさは、デバイスの最小および最大しきい値レベルであり、フローティングゲート上にプログラムすることができる電荷の範囲に対応するレベルによって画定されている。しきい値ウィンドウは、一般に、メモリデバイスの特性、動作条件および動作履歴に依存している。原則として、ウィンドウ内のそれぞれ特異的で分解可能なしきい値電圧レベルの範囲を用いて、セルの明確なメモリ状態を指定することもできる。しきい値電圧ウィンドウが2つの個別領域に区分されている場合には、各メモリセルは、1ビットのデータを記憶することができることになる。同様に、しきい値電圧ウィンドウが3つ以上の個別領域に区分されている場合には、各メモリセルは、2ビット以上のデータを記憶することができることになる。
【0005】
通常の2状態EEPROMセルでは、導通ウィンドウを2つの領域に区分するように、少なくとも1つの電流ブレークポイントレベルが設定される。セルが所定の固定電圧を印加することによって読み出される場合、セルのソース/ドレイン電流は、ブレークポイントレベル(または基準電流IREF)と比較することによってメモリ状態が決定される。読み出された電流がブレークポイントレベルの電流よりも高い場合には、セルは一方の論理状態(例えば、「0」状態)にあると判断される。一方、電流がブレークポイントレベルの電流よりも低い場合には、セルは他方の論理状態(例えば、「1」状態)にあると判断される。したがって、このような2状態セルは、1ビットのデジタル情報を記憶している。外部からプログラム可能であってもよい基準電流源をメモリシステムの一部として設けることでブレークポイントレベル電流を発生させることが多い。
【0006】
メモリ容量を増やすために、フラッシュEEPROMデバイスは、半導体技術の状態が進歩するに従いますます高密度で製造されるようになっている。記憶容量を増やす別の方法は、各メモリセルに3状態以上を記憶させることである。
多状態またはマルチレベルEEPROMメモリセルの場合、導通ウィンドウは2つ以上のブレークポイントによって3つ以上の領域に区分され、各セルが2ビット以上のデータを記憶することができるようになっている。したがって、所与のEEPROMアレイが記憶することができる情報は、各セルが記憶することができる状態の数とともに増加する。多状態またはマルチレベルメモリセルを有するEEPROMまたはフラッシュEEPROMは、米国特許第5,172,338号(特許文献1)に記載されている。
メモリセルとして働くトランジスタは、一般に、2つのメカニズムのうちの1つによって「プログラムされた」状態にプログラムされる。「ホットエレクトロン注入」では、ドレインに印加される高い電圧によって、基板のチャネル領域にわたって電子が加速される。同時に、コントロールゲートに印加される高い電圧によって、ホットエレクトロンは薄いゲート誘電体を介してフローティングゲート上に引き込まれる。「トンネル注入」では、基板に対して高い電圧がコントロールゲートに印加される。このようにして、基板から介在するフローティングゲートに電子が引き込まれる。
【0007】
メモリデバイスは、多くのメカニズムによって消去され得る。EPROMの場合、紫外線照射によりフローティングゲートから電荷を取り除くことによってメモリは一括消去可能である。EEPROMの場合、コントロールゲートに対して高い電圧を基板に印加することでフローティングゲート内の電子を誘導して薄い酸化物を介して基板のチャネル領域にトンネルさせるようにすること(すなわち、ファウラー−ノルドハイムトンネル現象)によって、メモリセルが電気的に消去可能である。一般に、EEPROMは、1バイト毎に消去可能である。フラッシュEEPROMの場合、メモリは一度に全てのブロックあるいは一度に1つ以上のブロックを電気的に消去可能であり、ブロックは、512バイト以上のメモリから構成されてもよい。
メモリデバイスは、一般に、カード上に搭載されることもある1つ以上のメモリチップを含む。各メモリチップは、デコーダならびに消去、書き込みおよび読み出し回路などの周辺回路によってサポートされるメモリセルのアレイを含む。さらに高度なメモリデバイスは、インテリジェントでかつ高水準のメモリ動作およびインターフェイスを実行する外部メモリコントローラで動作する。
【0008】
今日使用されている不揮発性ソリッドステートメモリデバイスで商業的に成功しているものが多い。このようなメモリデバイスは、フラッシュEEPROMである場合もあれば他の種類の不揮発性メモリセルを使用している場合もある。フラッシュメモリならびにこれらを製造するシステムおよび方法の例は、米国特許第5,070,032号(特許文献2)、第5,095,344号(特許文献3)、第5,315,541号(特許文献4)、第5,343,063号(特許文献5)および第5,661,053号(特許文献6)、第5,313,421号(特許文献7)ならびに第6,222,762号(特許文献8)に与えられている。特に、NANDストリング構造を有するフラッシュメモリデバイスは、米国特許第5,570,315号(特許文献9)、第5,903,495号(特許文献10)、第6,046,935号(特許文献11)に記載されている。さらに、不揮発性メモリデバイスは、電荷を蓄積する誘電層を有するメモリセルからも製造される。前に説明した導電性フローティングゲート素子の代わりに、誘電層が使用される。このような誘電体記憶素子を使用するメモリデバイスは、Eitan et al., "NROM: A Novel Localized Trapping, 2-Bit Nonvolatile Memory Cell," IEEE Electron Device Letters, vol. 21, no. 11, November 2000, pp.543-545 (非特許文献1)に記載されている。ONO誘電層は、ソース拡散とドレイン拡散との間のチャネルにわたって延在する。一方のデータビットに対する電荷はドレインに隣接する誘電層に局在し、他方のデータビットに対する電荷はソースに隣接する誘電層に局在する。例えば、米国特許第5,768,192号(特許文献12)および第6,011,725号(特許文献13)には、2つの二酸化シリコン層の間に挟まれたトラッピング誘電体を有する不揮発性メモリセルが開示されている。誘電体内の空間的に分離される電荷記憶領域のバイナリ状態を別々に読み出すことによって、多状態データ記憶が実施される。
【0009】
読み出しおよびプログラミング性能を改善するために、アレイ内の複数の電荷蓄積素子またはメモリトランジスタは、並列に読み出されたりプログラムされたりする。したがって、メモリ素子の「ページ」は、同時に読み出されたりプログラムされたりする。既存のメモリアーキテクチャでは、1つの行は、一般に、インターリーブされた幾つかのページを含むか、1つのページを構成する場合もある。1つのページのすべてのメモリ素子は、同時に読み出されたりプログラムされたりすることになる。
一連の交互に実施されるプログラム/ベリファイサイクルを使用している従来のプログラミング技術は、相対的に大きなVPGM の変化に応答してセルのしきい値電圧が最初に急速に増大するというプログラミングプロセスにおける不確実性に対処することである。しかし、フローティングゲートにプログラムされる電荷がシールドとして働いて電子をフローティングゲート内にさらにトンネルさせる有効電界を減少させるにつれて、この増大は衰えていき最終的に止まる。このプロセスは極めて非線形に見えるので、試行錯誤しながら進められる。
【0010】
従来のプログラム/ベリファイプログラミング技術は、少なくとも2つの点で多くの時間を必要とする。第1に、プログラミングステップの間にあるベリファイステップに時間がかかる。第2に、特定のメモリセルがプログラムベリファイされた後、共通のページにその後印加されるプログラミング電圧によってさらにプログラムされないようにセルはプログラム禁止される。このような特定のメモリセルをプログラム禁止するにはビット線およびワード線に対して特定の電圧設定を設定することが必要であり、この動作はビット線およびワード線に対する長い一連のプリチャージ動作を含む。
【0011】
第1のベリファイの問題は、複数のビットを記憶可能なメモリセルを実施することによって深刻になることである。本質的に、ベリファイは、メモリセルの可能性のある複数の状態のそれぞれに対して実施される必要がある。16の可能性のあるメモリ状態を有するメモリの場合、これは各ベリファイサイクルが最大16検知動作まで担うこともあることを意味する。したがって、マルチレベルメモリセル(MLC)の識別可能な状態レベルの数が増加するのに伴い、プログラム/ベリファイ方式のベリファイサイクルはますます時間がかかるようになる。従来のプログラミングにはすべてのパルス間でベリファイ動作が必要なため、ベリファイ動作の数は状態区分の数の2乗で増加する。したがって、セル当たり3ビット以上のデータを保持するメモリの場合、ベリファイ動作の数は膨大になる。
【0012】
後で述べるように、全体のプログラミング性能を向上させるようにベリファイ動作の数を削減する技術が提案されている。しかし、第2の問題、すなわちプログラミングステップの間でプログラム禁止をセットアップするのに必要な時間のかかるプリチャージが残っている。
したがって、大容量で高性能な不揮発性メモリが一般的に必要である。特に、前述した欠点が最小限に抑えられた改善されたプログラミング性能を有する大容量不揮発性メモリを有する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,172,338号
【特許文献2】米国特許第5,070,032号
【特許文献3】米国特許第5,095,344号
【特許文献4】米国特許第5,315,541号
【特許文献5】米国特許第5,343,063号
【特許文献6】米国特許第5,661,053号
【特許文献7】米国特許第5,313,421号
【特許文献8】米国特許第6,222,762号
【特許文献9】米国特許第5,570,315号
【特許文献10】米国特許第5,903,495号
【特許文献11】米国特許第6,046,935号
【特許文献12】米国特許第5,768,192号
【特許文献13】米国特許第6,011,725号
【特許文献14】米国特許第5,595,924号
【特許文献15】米国公開特許出願第2006/0140007号
【特許文献16】米国特許出願第12/138,371号
【特許文献17】米国特許出願第12/138,378号
【特許文献18】米国特許出願第11/733,694号
【特許文献19】米国特許出願第11/733,706号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Eitan et al., "NROM: A Novel Localized Trapping, 2-Bit Nonvolatile Memory Cell," IEEE Electron Device Letters, vol. 21, no. 11, November 2000, pp.543-545
【発明の概要】
【0015】
ランプダウンプログラミング
本発明の一般的な態様によれば、メモリセルのグループは、所定の最も高いレベルから第2の所定の最も低いレベルにかけて下降する電圧ステップを有する一連のプログラミングステップによって並列にプログラムされる。セルをその目標状態にプログラムすると見込まれるプログラミング電圧を示すプログラミング電圧推定値が、各セルに提供される。最初に、現在のプログラミング電圧ステップあるいはそれ以上の推定値を有するセル以外のすべてのセルが、プログラム禁止されることになる。その後、下降する各プログラミング電圧ステップによって、現在のプログラミング電圧ステップあるいはそれ以上の推定値を有する追加のセルが非禁止されることになる。非禁止されると、セルは現在のプログラミングステップによってその目標状態にプログラムされることが見込まれる。セルがプログラムされると、そのセルは再び禁止される必要はない。1つの実施例における非禁止動作とは、要するに関連するビット線を接地に引くだけである。
【0016】
各セルのプログラミング電圧推定値は、セルの以前のプログラミング実績から推定される。第1のプログラミングステップの前には時間のかかる禁止動作を実施する必要があるだけである。その後、次のプログラミングステップの前には非禁止動作のみが実施される。従来の場合とは異なり、セルがその目標状態にプログラムされた後にセルを禁止する必要はない。その理由は、その後のプログラミングステップが低い電圧であり、セルをその目標状態を超えてプログラムするだけの効果がないためである。各プログラミングステップの後のベリファイとともにプログラム禁止を行うための従来のセットアップが回避されると、全体のプログラミング時間が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が実施され得る不揮発性メモリチップの機能ブロックを示す概略図である。
【図2】不揮発性メモリセルを示す概略図である。
【図3】フローティングゲートが一度に選択的に蓄積してもよい4つの異なる電荷Q1〜Q4についてのソース−ドレイン電流ID とコントロールゲート電圧VCGとの間の関係を示す図である。
【図4】メモリセルのNORアレイの例を示す図である。
【図5A】NANDストリングに編成されるメモリセルのストリングを示す概略図である。
【図5B】図5Aに示されるようなNANDストリング50から構成されるメモリセルのNANDアレイ200の例を示す図である。
【図6】メモリセルのアレイにわたってp個のセンスモジュールのバンクを含む、図1に示される読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bを示す図である。
【図7】図6に示されるセンスモジュールの好ましい編成を示す概略図である。
【図8】図7に示される読み出し/書き込みスタックをさらに詳細に示す図である。
【図9】(0)〜(2)は4状態メモリセルの集団をプログラムする例を示す図である。
【図10】(0)〜(2)は8状態メモリセルの集団をプログラムする例を示す図である。
【図11】4状態メモリセルを目標メモリ状態にプログラムするための従来の方法を示す図である。
【図12】従来の交互プログラム/ベリファイアルゴリズムを使用してページをプログラムするためのプログラミングパルスおよびベリファイサイクルの推定数を示す表である。
【図13】並列にプログラムされる、例えば、NAND構成に編成されるメモリセルのページを示す図である。
【図14】従来のプログラミングステップの1つのサイクルを概略的に示すタイミング図である。
【図15】プログラミングパルスを含む従来のサイクルのタイミングを示す概略図である。
【図16】本発明の1つの実施形態によるランプダウンプログラミング波形を示す図である。
【図17】メモリセルをプログラム禁止モードから非禁止モードに変更するステップを示すタイミング図である。
【図18】本発明の1つの実施形態によるステップのシーケンスを示す概略図である。
【図19】図18のプログラミング方式を示す流れ図である。
【図20】本発明の一般的な態様によるプログラミング方式を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
メモリシステム
図1〜図12は、本発明の様々な態様が実施されてもあるいは説明されてもよい例示的なメモリシステムを提供する。
図13〜図20は、本発明の様々な態様および実施形態の内容および詳細を示す。
【0019】
図1は、本発明が実施され得る不揮発性メモリチップの機能ブロックを概略的に示す。メモリチップ100は、メモリセルの二次元アレイ200と、制御回路210と、デコーダ、読み出し/書き込み回路およびマルチプレクサなどの周辺回路とを含む。
メモリアレイ200は、行デコーダ230(230Aと230Bとに分割)を介してワード線によって、および列デコーダ260(260Aと260Bとに分割)を介してビット線によってアドレス指定可能である(図4および図5も参照)。読み出し/書き込み回路270(270Aと270Bとに分割)は、メモリセルのページを並列に読み出すかまたはプログラムできるようにする。データI/Oバス231は、読み出し/書き込み回路270に接続されている。
好適な実施形態では、ページは、同一ワード線を共有するメモリセルの隣接する行から構成される。別の実施形態では、メモリセルの行が複数のページに区分されるが、読み出し/書き込み回路270を個々のページに多重化するためにブロックマルチプレクサ250(250Aと250Bとに分割)が設けられる。例えば、メモリセルの奇数列および偶数列によってそれぞれ形成される2つのページが読み出し/書き込み回路に多重化される。
【0020】
図1は、様々な周辺回路によるメモリアレイ200へのアクセスがアレイの両側で対称的に実施され、それぞれの側のアクセス線および回路の密度を半分に減らすようにしている好適な配置を示す。したがって、行デコーダは行デコーダ230Aと230Bとに分割され、列デコーダは列デコーダ260Aと260Bとに分割されている。メモリセルの行が複数のページに区分されている実施形態では、ページマルチプレクサ250は、ページマルチプレクサ250Aと250Bとに分割されている。同様に、読み出し/書き込み回路270は、アレイ200の下部からビット線に接続する読み出し/書き込み回路270Aと、アレイ200の上部からビット線に接続する読み出し/書き込み回路270Bとに分割されている。このようにして、読み出し/書き込みモジュールの密度、したがってセンスモジュール380の密度は、本質的に2分の1に削減される。
【0021】
制御回路110は、読み出し/書き込み回路270と協働してメモリアレイ200でメモリ動作を実施するオンチップコントローラである。制御回路110は、一般に、状態マシン112と、オンチップアドレスデコーダおよび出力制御モジュール(明確に図示せず)などの他の回路とを含む。状態マシン112は、メモリ動作のチップレベル制御を提供する。制御回路は、外部メモリコントローラを介してホストと通信している。
メモリアレイ200は、一般に、行および列に配置されるメモリセルの2次元アレイとして編成され、ワード線およびビット線によってアドレス指定可能である。NOR型またはNAND型アーキテクチャに従ってアレイを形成することができる。
【0022】
図2は、不揮発性メモリセルを概略的に示す。メモリセル10は、フローティングゲートまたは誘電層などの電荷蓄積ユニット20を有する電界効果トランジスタによって実施することができる。メモリセル10は、ソース14、ドレイン16およびコントロールゲート30も含む。
今日使用されている不揮発性ソリッドステートメモリデバイスで商業的に成功しているものが多い。このようなメモリデバイスは、異なる種類のメモリセルを使用してもよく、それぞれの種類は1つ以上の電荷蓄積素子を有している。
一般的な不揮発性メモリセルは、EEPROMおよびフラッシュEEPROMを含む。EEPROMセルおよびそれを製造する方法の例は、米国特許第5,595,924号(特許文献14)に与えられている。フラッシュEEPROMセル、メモリシステムにおけるその使用およびそれを製造する方法の例は、米国特許第5,070,032号(特許文献2)、第5,095,344号(特許文献3)、第5,315,541号(特許文献4)、第5,343,063号(特許文献5)、第5,661,053号(特許文献6)、第5,313,421号(特許文献7)および第6,222,762号(特許文献8)に与えられている。特に、NANDセル構造を有するメモリデバイスの例は、米国特許第5,570,315号(特許文献9)、第5,903,495号(特許文献10)、第6,046,935号(特許文献11)に記載されている。さらに、誘電体記憶素子を利用するメモリデバイスの例は、Eitan et al., "NROM: A Novel Localized Trapping, 2-Bit Nonvolatile Memory Cell," IEEE Electron Device Letters, vol. 21, no. 11, November 2000, pp.543-545 、ならびに米国特許第5,768,192号(特許文献12)および第6,011,725号(特許文献13)に記載されている。
【0023】
実際には、セルのメモリ状態は、通常、基準電圧がコントロールゲートに印加されている場合にセルのソース電極とドレイン電極との間の伝導電流を検知することによって読み出される。したがって、セルのフローティングゲートの所与の各電荷について、固定基準コントロールゲート電圧に対して対応する伝導電流を検出することもできる。同様に、フローティングゲート上にプログラム可能な電荷の範囲は、対応するしきい値電圧ウィンドウまたは対応する伝導電流ウィンドウを定義する。
あるいは、区分された電流ウィンドウの中で伝導電流を検出する代わりに、テスト中に所与のメモリ状態に対するしきい値電圧をコントロールゲートで設定し、伝導電流がしきい値電流より小さいか大きいかを検出することも可能である。1つの実施例では、しきい値電流に対する伝導電流の検出は、伝導電流がビット線の容量を介して放電する速度を評価することによって達成される。
【0024】
図3は、フローティングゲートが一度に選択的に蓄積してもよい4つの異なる電荷Q1〜Q4についてのソース−ドレイン電流ID とコントロールゲート電圧VCGとの間の関係を示す。4つの実線のID 対VCG曲線は、メモリセルのフローティングゲート上にプログラム可能な4つの可能な電荷レベルを表し、それぞれ4つの可能なメモリ状態に対応する。例として、セルの集団のしきい値電圧ウィンドウは、0.5V〜3.5Vの範囲であってもよい。7つの可能なメモリ状態「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」はそれぞれ1つの消去状態および6つのプログラム状態を表し、しきい値ウィンドウをそれぞれ0.5Vの間隔で5つの領域に区分することによって画定すればよい。例えば、2μAの基準電流IREFを図に示すように使用する場合、Q1でプログラムされたセルは、メモリ状態「1」と見なされてもよい。これはその曲線がVCG=0.5Vおよび1.0Vによって画定されるしきい値ウィンドウの領域でIREF と交わるためである。同様に、Q4はメモリ状態「5」にある。
【0025】
前の説明から分かるように、メモリセルが多くの状態を記憶するように作製されるほど、そのしきい値ウィンドウは細かく分割される。例えば、メモリデバイスは、−1.5V〜5Vの範囲のしきい値ウィンドウを有するメモリセルを有してもよい。これは6.5Vの最大幅を供給する。メモリセルが16状態を記憶することになっている場合、各状態は、しきい値ウィンドウ内で200mVから300mVを占めてもよい。これには必要な分解能を達成可能にするために、プログラミングおよび読み出し動作でより高い精度が必要となる。
【0026】
図4は、メモリセルのNORアレイの例を示す。メモリアレイ200では、メモリセルの各行は、そのソース14およびドレイン16によってデイジーチェーン方式で接続されている。このような設計は、仮想接地設計と称されることがある。行におけるセル10は、ワード線42のようなワード線に接続されるコントロールゲート30を有する。列におけるセルは、ビット線34および36のような選択されたビット線にそれぞれ接続されるソースおよびドレインを有する。
【0027】
図5Aは、NANDストリングに編成されるメモリセルのストリングを概略的に示す。NANDストリング50は、そのソースおよびドレインによってデイジーチェーン接続される一連のメモリトランジスタM1、M2・・・Mn(例えば、n=4、8、16あるいはそれ以上)から構成される。1対の選択トランジスタS1、S2は、それぞれNANDストリングのソース端子54およびドレイン端子56を介してメモリトランジスタチェーンの外部への接続を制御する。メモリアレイでは、ソース選択トランジスタS1がオンに転換すると、ソース端子がソース線に接続される(図5B参照)。同様に、ドレイン選択トランジスタS2がオンに転換すると、NANDストリングのドレイン端子がメモリアレイのビット線に接続される。チェーン内の各メモリトランジスタ10はメモリセルとして機能し、所定の電荷量を蓄積して意図されるメモリ状態を表すようにするための電荷蓄積素子20を有する。各メモリトランジスタのコントロールゲート30は、読み出しおよび書き込み動作の制御を可能にする。図5Bに示されるように、NANDストリングの行の対応するメモリトランジスタのコントロールゲート30は、同一ワード線にすべて接続されている。同様に、選択トランジスタS1、S2のそれぞれのコントロールゲート32は、それぞれそのソース端子54およびドレイン端子56を介するNANDストリングへのアクセスを制御することができる。同様に、NANDストリングの行の対応する選択トランジスタのコントロールゲート32は、同一選択線にすべて接続されている。
【0028】
NANDストリング内のアドレス指定されたメモリトランジスタ10が、プログラム中に読み出されたりベリファイされたりする場合には、そのコントロールゲート30に適切な電圧が供給される。同時に、NANDストリング50のアドレス指定されていない残りのメモリトランジスタは、そのコントロールゲートに充分な電圧を印加することによって完全にオンに転換される。このようにして、NANDストリングの個々のメモリトランジスタのソースからそのソース端子54まで、同じく個々のメモリトランジスタのドレインについてはセルのドレイン端子56まで伝導経路が効果的に形成される。このようなNANDストリング構造を有するメモリデバイスは、米国特許第5,570,315号(特許文献9)、第5,903,495号(特許文献10)、第6,046,935号(特許文献11)に記載されている。
【0029】
図5Bは、図5Aに示されるようなNANDストリング50から構成されるメモリセルのNANDアレイ200の例を示す。NANDストリングの各列に沿って、ビット線36などのビット線は、各NANDストリングのドレイン端子56に接続される。NANDストリングの各バンクに沿って、ソース線34などのソース線は、各NANDストリングのソース端子54に接続される。さらに、NANDストリングのバンク内のメモリセルの行に沿ったコントロールゲートは、ワード線42などのワード線に接続される。NANDストリングのバンク内の選択トランジスタの行に沿ったコントロールゲートは、選択線44などの選択線に接続される。NANDストリングのバンク内のメモリセルの行全体は、NANDストリングのバンクのワード線および選択線にかかる適切な電圧によってアドレス指定することができる。NANDストリング内のメモリトランジスタが読み出される場合、ストリング内の残りのメモリトランジスタは、その関連するワード線を介して確実にオンに転換され、ストリングを通って流れる電流は、本質的に、読み出されるセルに蓄積される電荷のレベルに依存するようになっている。
【0030】
検知回路および技術
図6は、メモリセルのアレイにわたってp個のセンスモジュールのバンクを含む、図1に示される読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bを示す。並列に動作するp個のセンスモジュール480のバンク全体によって、行に沿ったp個のセル10のブロック(またはページ)を並列に読み出したりプログラムしたりすることが可能になる。本質的に、センスモジュール1はセル1の電流I1 を検知し、センスモジュール2はセル2の電流I2 を検知し・・・センスモジュールpはセルpの電流Ip を検知することになるなど、以下同様である。ソース線34から集約ノードCLSRCに、さらにそこから接地に流れるそのページのすべてのセル電流iTOT は、p個のセルのすべての電流の総和となる。従来のメモリアーキテクチャでは、共通ワード線を有するメモリセルの行は2つ以上のページを形成し、ページ内のメモリセルは並列に読み出しおよびプログラムされる。2つのページを有する行の場合、一方のページは偶数ビット線によってアクセスされ、他方のページは奇数ビット線によってアクセスされる。検知回路のページは、偶数ビット線か奇数ビット線かに一度に接続される。その場合、読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bを個々のページにそれぞれ多重化するように、ページマルチプレクサ250Aおよび250Bが設けられる。
【0031】
現在製造されている56nm技術に基づくチップではp>64,000であり、43nm32Gbit×4のチップではp>150,000である。好適な実施形態では、ブロックはセルの一連の行全体である。これはいわゆる「全ビット線」アーキテクチャであり、ページは隣接するビット線にそれぞれ接続される隣接するメモリセルの行から構成されている。別の実施形態では、ブロックは、行の中のセルのサブセットである。例えば、セルのサブセットは、行全体の2分の1または行全体の4分の1であってもよい。セルのサブセットは、一連の隣接するセルまたは1つおきのセルあるいは所定数おきのセルであってもよい。各センスモジュールは、ビット線を介してメモリセルに接続され、メモリセルの伝導電流を検知する検知増幅器を含む。一般に、読み出し/書き込み回路がメモリアレイの両側に分配されている場合、p個のセンスモジュールのバンクは、2セットの読み出し/書き込み回路270Aと270Bとの間に分配されることになる。
【0032】
図7は、図6に示されるセンスモジュールの好ましい編成を概略的に示す。p個のセンスモジュールを含む読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bは、読み出し/書き込みスタック400のバンクに分けられる。
【0033】
図8は、図7に示される読み出し/書き込みスタックをさらに詳細に示す。各読み出し/書き込みスタック400は、k本のビット線のグループ上で並列に動作する。1つのページがp=r*k本のビット線を有する場合、r個の読み出し/書き込みスタック400−1・・・400−rが存在することになる。本質的に、このアーキテクチャは、スペースを節約するためにk個のセンスモジュールの各スタックが共通プロセッサ500によって操作されるようになっている。共通プロセッサ500は、センスモジュール480およびデータラッチ430に配置されるラッチに記憶される更新データをラッチの電流値および状態マシン112からの制御に基づいて計算する。共通プロセッサの詳細な説明は、その全体が本願明細書において参照により援用されている、2006年6月29日付の米国公開特許出願第2006/0140007号(特許文献15)に開示されている。
【0034】
並列に動作する区分された読み出し/書き込みスタック400のバンク全体は、行に沿ったp個のセルのブロック(またはページ)を並列に読み出したりプログラムしたりできるようにする。したがって、セルの行全体についてp個の読み出し/書き込みモジュールが存在することになる。各スタックはk個のメモリセルを操作しているので、バンク内の読み出し/書き込みスタックの総数は、r=p/kで与えられる。例えば、rがバンク内のスタック数である場合、p=r*kである。1つの例示的なメモリアレイは、p=150,000、k=8を有してもよく、したがってr=18,750である。
【0035】
400−1などの各読み出し/書き込みスタックは、本質的に、k個のメモリセルのセグメントを並列に操作するセンスモジュール480−1〜480−kのスタックを含む。ページコントローラ410は、配線411を介して読み出し/書き込み回路370に制御およびタイミング信号を提供する。ページコントローラは、配線311を介してメモリコントローラ310にそれ自体依存している。各読み出し/書き込みスタック400間の通信は、相互接続スタックバス431によって達成され、ページコントローラ410によって制御される。制御線411は、ページコントローラ410から読み出し/書き込みスタック400−1の部品に制御およびクロック信号を提供する。
【0036】
好適な配置では、スタックバスは、共通プロセッサ500とセンスモジュールのスタック480との間の通信のためのSAバス422と、プロセッサとデータラッチのスタック430との間の通信のためのDバス423とに区分されている。
データラッチのスタック430は、そのスタックに関連する各メモリセルについて1つのデータラッチ430−1〜430−kから構成されている。I/Oモジュール440は、データラッチがI/Oバス231を介して外部とデータを交換することができるようにする。
さらに、共通プロセッサは、エラー状態などのメモリ動作の状態を示す状態信号を出力する出力507も含む。状態信号を使用して、ワイヤードOR構成でフラグバス509に接続されるn形トランジスタ550のゲートを駆動する。フラグバスは、コントローラ310によってプリチャージされるのが好ましく、状態信号が読み出し/書き込みスタックのいずれかでアサートされるとプルダウンされることになる。
【0037】
多状態メモリ区分化の例
メモリセルがそれぞれ複数ビットのデータを記憶する不揮発性メモリを、図3に関連してこれまで説明した。特定の例は、電界効果トランジスタのアレイから形成されるメモリであって、各電界効果トランジスタはそのチャネル領域とそのコントロールゲートとの間に電荷蓄積層を有する。電荷蓄積層またはユニットは、各電界効果トランジスタのしきい値電圧の範囲のもとになる電荷の範囲を蓄積することができる。可能なしきい値電圧の範囲は、しきい値ウィンドウの範囲にわたる。しきい値ウィンドウが複数の小領域またはゾーンのしきい値電圧に区分される場合、それぞれの分解可能なゾーンを使用してメモリセルの異なるメモリ状態を表す。1つ以上のバイナリビットによって複数のメモリ状態を符号化することができる。例えば、4つのゾーンに区分されるメモリセルは、2ビットのデータとして符号化することができる4つの状態をサポートすることができる。同様に、8つのゾーンに区分されるメモリセルは、3ビットのデータとして符号化することができる8つのメモリ状態をサポートすることができるなど、以下同様である。
【0038】
図9(0)〜(2)は、4状態メモリセルの集団をプログラムする例を示す。図9(0)は、それぞれメモリ状態「0」、「1」、「2」および「3」を表すしきい値電圧の4つの特異的な分布にプログラム可能なメモリセルの集団を示す。図9(1)は、消去されたメモリの「消去」しきい値電圧の最初の分布を示す。図9(2)は、メモリセルの多くがプログラムされた後のメモリの例を示す。本質的に、セルは、最初に「消去」しきい値電圧を有し、プログラミングによってさらに高い値となってDV1 、DV2 およびDV3 によって画定される3つのゾーンのうちの1つに変化することになる。このようにして、各メモリセルは、3つのプログラム状態「1」、「2」および「3」のうちの1つにプログラムするか、あるいは「消去」状態でプログラムされないままにすることができる。メモリがさらにプログラムされるにつれて、図9(1)に示される「消去」状態の最初の分布は狭くなっていき、消去状態は「0」状態によって表される。
【0039】
下位ビットおよび上位ビットを有する2ビット符号を使用して、4つの各メモリ状態を表すことができる。例えば、「0」、「1」、「2」および「3」状態は、それぞれ「11」、「01」、「00」および「10」によって表される。2ビットデータは、「フルシーケンス」モードで検知することによってメモリから読み出されてもよい。このモードでは、3つのサブパスでそれぞれ読み出し境界しきい値DV1 、DV2 およびDV3 に対して検知することによって2ビットがまとめて検知される。
【0040】
図10(0)〜(2)は、8状態メモリセルの集団をプログラムする例を示す。図10(1)は、それぞれメモリ状態「0」〜「7」を表すしきい値電圧の8つの特異的な分布にプログラム可能なメモリセルの集団を示す。図10(1)は、消去されたメモリの「消去」しきい値電圧の最初の分布を示す。図10(2)は、メモリセルの多くがプログラムされた後のメモリの例を示す。本質的に、セルは、最初に「消去」しきい値電圧を有し、プログラミングによってさらに高い値となってDV1 〜DV7 によって画定される7つのゾーンのうちの1つに変化することになる。このようにして、各メモリセルは、7つのプログラム状態「1」〜「7」のうちの1つにプログラムするか、あるいは「消去」状態でプログラムされないままにすることができる。メモリがさらにプログラムされるにつれて、図10(1)に示される「消去」状態の最初の分布は狭くなっていき、消去状態は「0」状態によって表される。
【0041】
下位ビット、中位ビット、および上位ビットを有する3ビット符号を使用して、8つの各メモリ状態を表すことができる。例えば、「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」および「7」状態は、それぞれ「111」、「011」、「001」、「101」、「100」、「000」、「010」、および「110」によって表される。3ビットデータは、「フルシーケンス」モードで検知することによってメモリから読み出されてもよい。このモードでは、7つのサブパスでそれぞれ読み出し境界しきい値DV1 〜DV7 に対して検知することによって3ビットがまとめて検知される。
【0042】
ページまたはワード線プログラミングおよびベリファイ
ページをプログラムする1つの方法は、フルシーケンスプログラミングである。ページのすべてのセルは、最初消去状態にある。したがって、ページのすべてのセルは消去状態からその目標状態へと並列にプログラムされる。目標状態として「1」状態を有するこれらのメモリセルは、一度「1」状態にプログラムされるとそれ以上プログラムされるのを禁止されることになるが、目標状態「2」あるいはそれ以上を有する他のメモリセルは、さらにプログラムされることになる。最終的に、目標状態として「2」を有するメモリセルについてもそれ以上プログラムされるのをロックされることになる。同様に、進行するプログラミングパルスによって、目標状態「3」〜「7」を有するセルが実現されてロックされる。
【0043】
図11は、4状態メモリセルを目標メモリ状態にプログラムするための従来の方法を示す。プログラミング回路は、一般に、一連のプログラミングパルスを選択されたワード線に印加する。このようにして、コントロールゲートがワード線に接続されるメモリセルのページをまとめてプログラムすることができる。使用されるプログラミングパルストレインは、メモリセルの電荷蓄積ユニット内にプログラムされる蓄積する電子に対抗するために、増加する周期または振幅を有してもよい。プログラム中、プログラミング電圧VPGM がページのワード線に印加される。プログラミング電圧VPGM は、初期電圧レベルVPGM0から開始される階段波形の形態をとる一連のプログラミング電圧パルスである。プログラム中のページの各セルは、この一連のプログラミング電圧パルスを受け、各パルスではセルの電荷蓄積素子に増加する電荷を加えようとする。プログラミングパルスの間で、セルは読み直されてそのしきい値電圧を決定する。この読み直しプロセスは、1つ以上の検知動作を含んでもよい。そのしきい値電圧がベリファイされて目標状態に対応するしきい値電圧ゾーン内にあった場合には、そのセルに対してプログラミングが停止する。ページのメモリセルがその目標状態にプログラムされるとそのセルはプログラムが禁止されるが、他のセルはページのセルがすべてプログラムベリファイされるまでプログラムされ続ける。
【0044】
一連の交互に実施されるプログラム/ベリファイサイクルを使用している従来のプログラミング技術は、相対的に大きなVPGM の変化に応答してセルのしきい値電圧が最初に急速に増加するというプログラミングプロセスにおける不確実性に対処することである。しかし、フローティングゲートにプログラムされる電荷がシールドとして働いて電子をフローティングゲート内にさらにトンネルさせる有効電界を減少させるにつれて、この増加は衰えて行き最終的に止まる。
プログラム/ベリファイプログラミング技術の欠点は、ベリファイサイクルは時間がかかる上に性能に影響を与えることである。この問題は、複数のビットを記憶可能なメモリセルの実施例によって深刻化する。本質的に、ベリファイは、メモリセルの可能な複数の状態のそれぞれに対して実施される必要がある。16の可能なメモリ状態を有するメモリの場合、これは各ベリファイステップが少なくとも16検知動作まで担うことになることを意味する。他の一部の方式では、これが数倍にもなり得る。したがって、メモリがますます多くの状態数に区分化されると、プログラム/ベリファイ方式のベリファイサイクルはますます時間がかかるようになる。
【0045】
図12は、従来の交互のプログラム/ベリファイアルゴリズムを使用してページをプログラムするためのプログラミングパルスおよびベリファイサイクルの推定数を示す表である。例えば、Nビットメモリでは、区分化は、NS =2N 状態になる。プログラムパルスの数は、少なくとも状態の数NS と同じである。一部のアルゴリズムでは、k個のプログラミングパスが必要なこともあり、ここでkは1〜4であってもよい。多状態メモリの場合、各ベリファイ動作は各メモリ状態に1つの2N −1を乗じる。したがって、ベリファイの推定数は、状態の数の2乗である22Nに比例する。表から分かるように、3ビットセルの場合、公称ベリファイサイクル数はすでに非常に多く、これは他の方式で必要な追加の検知を含んでいない。4ビットセルの場合、ベリファイサイクル数は許容できないほどとなる。
【0046】
全体的なプログラミング性能を向上させるようにベリファイステップの数を削減するための技術が開示されている。基本的に、各メモリセルは、推定プログラミング電圧を使用してセルの目標しきい値にプログラムされる。このように、プログラミングステップの後にベリファイを必要としない。
【0047】
ランプダウンプログラミング技術
前述した技術はプログラミングステップの間のベリファイステップの数を削減するのに役立つが、プログラミングステップ間でプログラミングを禁止する問題が残っている。
本発明の一般的な態様によれば、プログラミングステップ間のプログラム禁止ステップは、ランプダウンプログラミング技術によって大幅に簡略化され、これによって全体的なプログラミング性能が向上する。
【0048】
図13は、並列にプログラムされる、例えば、NAND構成に編成されるメモリセルのページを示す。図13は、本質的に、図5Bのメモリアレイ200からのNANDチェーン50のバンクを示し、各NANDチェーンの詳細は、図5Aのように明確に示される。ページ60のような「ページ」は、ワード線42に共通に接続されるセルのコントロールゲートによって可能となる並列にプログラム可能なメモリセルのグループであり、各セルは、ビット線36を介してアクセス可能な検知回路(例えば、図8に示される検知モジュール480)によってアクセス可能である。例として、セルのページ60をプログラムする場合、共通ワード線WL3にプログラミング電圧が印加される。プログラミングの前に、セルの目標状態に既にプログラムされたセルは、プログラム禁止される。この動作は、ソースからフローティングゲートに電子がトンネルしないようにするために、セルのコントロールゲートとチャネル領域との間の電圧差を効果的に下げることによって達成される(図2参照)。
【0049】
図14は、従来のプログラミングステップの1つのサイクルを概略的に示すタイミング図である。このサイクルは、プログラム禁止またはプログラム許可の条件をセットアップするために、ビット線プリチャージおよびワード線プリチャージを含むプログラム禁止段階を含む。ビット線電圧およびワード線電圧がセットアップされると、選択ワード線にプログラミング電圧を印加することを含むプログラム段階の立ち上げが可能となる。その後、放電段階でビット線およびワード線がリセットされて次のサイクルの準備を行う。
【0050】
図14は、4つのサブ段階のプログラム禁止段階を示す。(1)ソース選択トランジスタS1(図13)が0VのSGS(図14(A))によってオフに転換され、ドレイン選択トランジスタS2(図13)が少なくともVdd+VT まで高くなるSGD(図14(B))によってオンに転換されることによって、ビット線がNANDチェーンにアクセスできるようになる。(2)プログラム禁止されたNANDチェーンのビット線電圧は、Vddによって与えられる所定の電圧まで上昇する(図14(F))。この所定の電圧は、(3)でSGDがVddまで下がる場合にドレイン選択トランジスタS2をオフに転換してNANDチェーンのドレインをそのビット線から切断することによってNANDチェーンのチャネルをフローティング状態にするのに充分である。同時に、プログラミングNANDチェーンのビット線電圧は0Vで固定される(図14(G))。(3)NANDチェーンの行のドレイン選択トランジスタにおけるコントロールゲートのSGDに接続するドレインワード線は、Vddまで電圧が落ちる。これによってビット線電圧がVddと同程度になるのでドレイン選択トランジスタがオフに転換され、プログラム禁止されたNANDチェーンがフローティング状態となる(図14(B)および図14(F))。一方、プログラムされるメモリトランジスタを有するNANDチェーンは、ドレイン選択トランジスタのドレインがビット線電圧によって0Vとなるため、そのドレイン選択トランジスタがオフに転換されないことになる。
【0051】
したがって、サブ段階(3)の後、Vddのビット線によって、このようなNANDチェーンは、そのドレイン選択トランジスタがオフに転換され、そのチャネルがフローティング状態となる。同様に、0Vのビット線によって、他のNANDチェーンは、そのドレイン選択トランジスタがオンに転換され、そのチャネルが0Vになる。サブ段階(4)では、NANDチェーンの非選択ワード線は、VPASSまで上昇する(図14(C))。プログラム禁止されたNANDチェーンのチャネルはフローティング状態のため、そのチャネル電圧はハイに結合されてVPASSに向けてブーストされる。これによってメモリセルのソースと電荷蓄積素子との間の電位差が減少してプログラミングを禁止することになる。一方、0Vのビット線を有するNANDチェーンは、そのチャネルがプログラミングにつながる条件である0Vとなる。
【0052】
各セルがプログラム許可モードかプログラム禁止モードのいずれかにセットアップされた後、次にプログラムサブ段階(5)でプログラミング電圧を共通選択ワード線に印加することができる(図14(D))。プログラム禁止状態のセル(すなわち、ブーストされたチャネルおよびVddのビット線電圧を有する)は、プログラムされないことになる。
サブ段階(6)では、プログラミング電圧ステップの後、ビット線およびワード線はその電圧が放電されてそのサイクルの次のステップの準備が整う。
従来、次のステップは、メモリセルを検知して各セルがその目標状態にプログラムされたかどうかを判断するベリファイステップである。これには、検知するのに適した別の設定にビット線およびワード線電圧をリセットすることが必要になる。ベリファイステップの後には、プログラム禁止およびプログラム許可されるメモリセルの各一式が明らかになり、プログラム禁止、プログラミングパルスおよびベリファイのサイクルがグループのセルがすべてプログラムベリファイされるまで繰り返される。
【0053】
図15は、プログラミングパルスを含む従来のサイクルのタイミングを概略的に示す。図14に関連する説明から明らかなように、各プログラミングステップ502の前にはプログラムを禁止するためのセットアップステップ500があり、その後にビット線/ワード線放電ステップ504、次に再充電ベリファイステップ506が続く。低いプログラミング電圧から高いプログラミング電圧に上昇する一般的なプログラミングパスでは、数十プログラミングステップが存在することになり、図15に示されるサイクルがステップ毎に繰り返される。
2008年6月12日に出願された同時係属中の米国特許出願第12/138,371号(特許文献16)に開示されているように、ベリファイステップ506を省くことができる場合でも、依然としてプログラム禁止段階500はサイクルの大部分の時間を費やす。
【0054】
図16は、本発明の1つの実施形態によるランプダウンプログラミング波形を示す。このプログラミング方式は、各連続するステップで電圧レベルを下げながらステップ毎にプログラミング電圧波形をメモリセルにかけることによってメモリセルのグループを並列にプログラムする。グループの各メモリセルにはプログラミング電圧推定値が提供され、裾引きやエラーおよび後でベリファイする必要なしに各セルを推定電圧レベルでプログラムすることができるようにする。
【0055】
最初に、ステップ500と同様なステップ510で、グループのメモリセルがすべてプログラム禁止モードに設定される。各プログラミングステップ514の最初で、現在のプログラミング電圧ステップあるいはそれ以上の推定値を有するメモリセルが禁止モードから非禁止モード(すなわち、プログラム許可モード)に変更される非禁止ステップ512が実施される。メモリセルのグループをセルのそれぞれの目標状態に適切かつ効果的にプログラムするように設計された所定の最も高いレベルVPGM (H)から所定の最も低いレベルVPGM (L)にかけて、プログラミングパスでステップ毎にプログラミングが実施される。プログラミング電圧およびVPASSをワード線に印加することおよびビット線をプリチャージすることは、コントローラ110の制御のもとで読み出し/書き込み回路270Aおよび270B(図1および図8参照)によって実施される。
【0056】
プログラミング電圧推定値は、セルの以前のプログラミングから導かれるセルの「プログラムインデックス」から得られる。このような技術は、その全体が本願明細書において参照により援用されている、本願と同じ発明者によって2008年6月12日に出願された同時係属中の「METHOD FOR INDEX PROGRAMMING AND REDUCED VERIFY IN NONVOLATILE MEMORY 」という米国特許出願第12/138,371号(特許文献16)、および本願と同じ発明者によって2008年6月12日に出願された同時係属中の「NONVOLATILE MEMORY WITH INDEX PROGRAMMING AND REDUCED VERIFY」という米国特許出願第12/138,378号(特許文献17)に開示されている。
【0057】
あるいは、各メモリセルのプログラミング電圧推定値は、「予測プログラミング」技術によって得ることもできる。1つ以上のチェックポイントによって較正される予測プログラミングは、その全体が本願明細書において参照により援用されている、本願と同じ発明者によって2007年4月10日に出願された同時係属中の「PREDICTIVE PROGRAMMING IN NON-VOLATILE MEMORY 」という米国特許出願第11/733,694号(特許文献18)、および本願と同じ発明者によって2007年4月10日に出願された同時係属中の「NON-VOLATILE MEMORY WITH PREDICTIVE PROGRAMMING 」という米国特許出願第11/733,706号(特許文献19)にも開示されている。
【0058】
図17は、メモリセルをプログラム禁止モードから非禁止モードに変更するステップを示すタイミング図である。本質的に、現在の電圧ステップレベルあるいはそれ以上のプログラミング電圧推定値を有するメモリセルは、非禁止されることになる。例えば、プログラミングステップnで、メモリセルiは、プログラム禁止モードから非禁止モードに変更されることになる。この動作は、単に関連するビット線BLiをVddから接地0Vに引くことを含むだけである(図17(B))。同様に、プログラミングステップn+1では、別のメモリセルjがプログラム禁止モードから非禁止モードに変更されることになり、関連するビット線BLjがVddから接地に引かれる。図13および図14に関連する説明から明らかなように、NANDチェーン50のビット線36がドレイン選択トランジスタS2のゲート電圧よりVT だけ低い場合に、ドレイン選択トランジスタS2はオンに転換される。これによってNANDチェーンのチャネルのブーストされた電圧がビット線36を介して接地に放電されてNANDチェーンのプログラムを可能にすることになる。
【0059】
当然のことながら、この方式は、従来の場合のようにメモリセルがその目標状態にプログラムされても、メモリセルを禁止することを必要としない。その理由は、ランプダウンプログラミング方式を使用することによって、最も高い目標しきい値を有するセルが最初にプログラムされて、続いて次第に低くなる目標しきい値を有するセルがプログラムされるためである。したがって、(図11に示されるプログラミングのような)従来のランプアッププログラミングとは異なり、その後のプログラミング電圧が低くなって以前に高いプログラミング電圧を受けたセルをさらにプログラムするだけの効果がなくなるため、セルをさらにプログラムしないようにプログラムされたセルをプログラム禁止する必要がない。このように、プログラミング電圧がステップ毎に下降して特定セルのプログラミング電圧推定値に達すると、このような特性セルはプログラム許可されることになる。下降するに従いグループのますます多くのメモリセルが禁止モードから非禁止モードに変更され、決して反対の方向には変化しない。ステップ512でビット線プルダウンが必要なだけなので、これによって各プログラミングステップ514の間の動作が大幅に簡略化され短縮される。
【0060】
図18は、本発明の1つの実施形態によるステップのシーケンスを概略的に示す。プログラミングパスは、グループのすべてのセルがプログラム禁止モードに入るプログラム禁止セットアップステップ510から開始される。ステップ510は、図16のサイクル0に対応し、このサイクルは最も時間がかかるサイクルであるがプログラミングパスに一度実施すればよいだけである。各プログラミングステップ514の前に、非禁止ステップ512で、現在のプログラミング電圧レベルあるいはそれ以上のプログラミング電圧推定値を有するメモリセルが禁止モードから非禁止モードに変更される。ステップ512および513は、最後のプログラミングステップが処理されるまでプログラミングステップ毎にすべてのサイクル(例えば、図16のサイクル1、2・・・)で繰り返される。
【0061】
図19は、図18のプログラミング方式を示す流れ図である。
ステップ600:並列にプログラムされるメモリセルのグループを提供する。各メモリセルは、それぞれの目標状態にプログラム可能である。
ステップ602:メモリセルのグループに並列にアクセスするワード線、およびグループの対応する各メモリセルにアクセスするビット線を提供する。
ステップ610:グループの各メモリセルに対して、メモリセルをそれぞれの目標状態にプログラムすると見込まれるプログラミング電圧推定値を提供する。
ステップ612:所定の第1の電圧から所定の第2の電圧にかけて所定のステップサイズの一連の下降する電圧ステップとしてプログラミング電圧を提供する。
ステップ620:所定の第1の電圧と等しい現在の電圧ステップを設定する。
ステップ622:グループのすべてのセルをプログラム禁止する。
ステップ630:現在の電圧ステップあるいはそれ以上のプログラミング電圧推定値を有するグループのメモリセルを非禁止する。
ステップ632:ワード線に現在の電圧ステップを印加することによってメモリセルのグループをプログラムする。
ステップ634:現在の電圧ステップと所定の第2の電圧とは等しいか?等しい場合にはステップ650に進み、等しくない場合にはステップ640に進む。
ステップ640:下降した次のステップと等しい現在の電圧ステップを設定する。ステップ630に進む。
ステップ650:グループに対するプログラミングパスを終了する。
【0062】
別の実施形態では、ステップ630の第1の反復をステップ622と結合して、2つのステップがステップ630の第1の反復で非禁止されるセルを除くグループのすべてのセルをプログラム禁止する単一のステップとして実施されるようにする。
【0063】
図20は、本発明の一般的な態様によるプログラミング方式を示す流れ図である。
ステップ700:並列にプログラムされるメモリセルのグループを提供する。各メモリセルは、それぞれの目標状態にプログラム可能である。
ステップ702:メモリセルのグループに並列にアクセスするワード線、およびグループの対応する各メモリセルにアクセスするビット線を提供する。
ステップ710:グループの各メモリセルに対して、メモリセルをそれぞれの目標状態にプログラムすると見込まれるプログラミング電圧推定値を提供する。
ステップ712:所定の第1の電圧から所定の第2の電圧にかけて所定のステップサイズの一連の下降する電圧ステップとしてプログラミング電圧を提供する。
ステップ720:所定の第1の電圧と等しい現在の電圧ステップを設定する。
ステップ730:現在の電圧ステップより低いプログラミング電圧推定値を有するグループのメモリセルを禁止し、現在の電圧ステップあるいはそれ以上のプログラミング電圧推定値を有するグループの残りのメモリセルを禁止しない。
ステップ732:ワード線に現在の電圧ステップを印加することによってメモリセルのグループをプログラムする。
ステップ734:現在の電圧ステップと所定の第2の電圧とは等しいか?等しい場合にはステップ750に進み、等しくない場合にはステップ740に進む。
ステップ740:下降した次のステップと等しい現在の電圧ステップを設定する。ステップ730に進む。
ステップ750:グループに対するプログラミングパスを終了する。
【0064】
本願明細書で言及されるすべての特許、特許出願、論文、書籍、仕様書、他の刊行物、文書および事柄は、あらゆる目的のためにその全体が本願明細書において参照により援用されている。援用されている刊行物、文書または本願明細書の事柄および文章のいずれかの間で用語の定義または使用が矛盾または衝突する場合には、本願明細書中の用語の定義または使用が優先するものとする。
本発明の様々な態様を特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、当然のことながら、本発明は、添付の特許請求の範囲の全範囲内においてその権利が保護される権利を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルのグループを並列にプログラムする方法であって、
前記メモリセルのグループに並列にアクセスするワード線と、前記グループのそれぞれのメモリセルにアクセスするビット線とを提供するステップと、
それぞれの目標状態にプログラムされる前記グループの各メモリセルに対して、前記メモリセルをそれぞれの目標状態にプログラムすると見込まれるプログラミング電圧推定値を提供するステップと、
一連の下降する電圧ステップとしてプログラミング電圧を提供するステップと、
所定の最も高いステップから所定の最も低いステップにかけてステップ毎に前記プログラミング電圧の現在の電圧ステップを前記ワード線に印加することによって前記メモリセルのグループをプログラムするステップと、同時に、現在のプログラミングステップで、前記現在の電圧ステップより低いプログラミング電圧推定値を有するメモリセルを禁止するステップと、前記現在の電圧ステップあるいはそれ以上のプログラミング電圧推定値を有する残りのメモリセルを禁止しないステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記ステップ毎にプログラムするステップが、前記メモリセルのグループに対して各ステップの間のベリファイステップなしで実施される方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、
前記各ステップでメモリセルを禁止するステップが、前記メモリセルのビット線に第1の電圧を印加することを含み、
前記残りのメモリセルを禁止しないステップが、前記残りのメモリセルのビット線に第2の電圧を印加することを含む方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、
前記残りのメモリセルを禁止しないステップが、前記第1の電圧から前記第2の電圧に前記残りのメモリセルのビット線にかかる電圧を変更することを含む方法。
【請求項5】
請求項3記載の方法において、
前記第1の電圧が、前記メモリセルをプログラム禁止できるようにする方法。
【請求項6】
請求項3記載の方法において、
前記第1の電圧が、実質的にシステム供給電圧Vddである方法。
【請求項7】
請求項3記載の方法において、
前記第2の電圧が、前記メモリセルをプログラム許可できるようにする方法。
【請求項8】
請求項3記載の方法において、
前記第2の電圧が、実質的に0Vである方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、
前記プログラミング電圧推定値が、前記メモリセルのグループにおける以前のプログラミング実績から導かれる方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、
前記現在のプログラミングステップの前に、前記現在の電圧ステップあるいはそれ以上のプログラミング電圧推定値を有する前記グループのメモリセルを非禁止するステップと、
前記ワード線に前記現在の電圧ステップを印加することによって、前記メモリセルのグループをプログラムするステップと、
所定の最も低いステップが完了するまで前記非禁止するステップと前記プログラムするステップとを繰り返すステップと、
をさらに含む方法。
【請求項11】
不揮発性メモリであって、
メモリセルのアレイと、
各メモリセルがそれぞれの目標状態にプログラム可能なメモリセルのグループを並列に読み出しおよびプログラムする読み出し/書き込み回路と、
前記メモリセルのグループにアクセスするワード線および前記グループのそれぞれのメモリセルに前記読み出し/書き込み回路を接続するビット線と、
各メモリセルをそれぞれの目標状態にプログラムすると見込まれる各メモリセルのプログラミング電圧推定値と、
一連の下降する電圧ステップとしてのプログラミング電圧と、を備え、
プログラミングを前記メモリセルのグループに実施する前記読み出し/書き込み回路が、
所定の最も高いステップから所定の最も低いステップにかけてステップ毎に前記プログラミング電圧の現在の電圧ステップを前記ワード線に印加するのと同時に、前記現在のプログラミングステップで、前記現在の電圧ステップより低いプログラミング電圧推定値を有するメモリセルを禁止することと、前記現在の電圧ステップあるいはそれ以上のプログラミング電圧推定値を有する残りのメモリセルを禁止しないこととを含む不揮発性メモリ。
【請求項12】
請求項11記載の不揮発性メモリにおいて、
前記読み出し/書き込み回路が、各ステップの間のベリファイなしでステップ毎にプログラムすることを実施する不揮発性メモリ。
【請求項13】
請求項11記載の不揮発性メモリにおいて、
前記読み出し/書き込み回路が、各ステップで前記メモリセルのビット線に第1の電圧を印加して前記メモリセルを禁止し、
前記読み出し/書き込み回路が、前記残りのメモリセルのビット線に第2の電圧を印加して前記残りのメモリセルを禁止しない不揮発性メモリ。
【請求項14】
請求項13記載の不揮発性メモリにおいて、
前記読み出し/書き込み回路が、前記第1の電圧から前記第2の電圧に前記残りのメモリセルのビット線にかかる電圧を変更して前記残りのメモリセルを禁止しない不揮発性メモリ。
【請求項15】
請求項13記載の不揮発性メモリにおいて、
前記第1の電圧が、前記メモリセルをプログラム禁止できるようにする不揮発性メモリ。
【請求項16】
請求項13記載の不揮発性メモリにおいて、
前記第1の電圧が、実質的にシステム供給電圧Vddである不揮発性メモリ。
【請求項17】
請求項13記載の不揮発性メモリにおいて、
前記第2の電圧が、前記メモリセルをプログラム許可できるようにする不揮発性メモリ。
【請求項18】
請求項13記載の不揮発性メモリにおいて、
前記第2の電圧が、実質的に0Vである不揮発性メモリ。
【請求項19】
請求項11記載の不揮発性メモリにおいて、
前記プログラミング電圧推定値が、前記メモリセルのグループにおける以前のプログラミング実績から導かれる不揮発性メモリ。
【請求項20】
請求項11記載の不揮発性メモリにおいて、
前記読み出し/書き込み回路が、
前記現在のプログラミングステップの前に、前記現在の電圧ステップあるいはそれ以上のプログラミング電圧推定値を有する前記グループのメモリセルを非禁止し、
前記ワード線に前記現在の電圧ステップを印加することによって、前記メモリセルのグループをプログラムし、かつ
所定の最も低いステップが完了するまで非禁止することとプログラムすることとを繰り返す不揮発性メモリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2012−501039(P2012−501039A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525087(P2011−525087)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/054215
【国際公開番号】WO2010/025058
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(506197901)サンディスク コーポレイション (175)
【Fターム(参考)】