リアルタイム加速度データを使用する、モビリティ分析用の方法及び装置
モビリティの検出、監視及び分析のための方法及び装置を開示する。システム(100)は、加速度を測定するためにヒトの四肢の近傍の領域に配置されるように構成された無線ブレスレット(130)を含む。無線ブレスレット(130)は、データの収集及びさらなる処理のために、メッシュ型無線ネットワークを使用して無線コレクタ/アナライザサーバ(120)へ加速度データを送信する。コレクタ/アナライザサーバは、信号の平均化を実施し、動的サイズの移動平均畳み込みフィルタを使用して、収集した加速度データを一時的に平滑化しかつその結果を記憶する。コレクタ/アナライザサーバは、危機的事象を決定するために使用される加速度の時間微分導関数データを生成し、これらの結果を記憶し、かつ、危機的事象が発生したと決定する場合には、いずれかの事前プログラムされたアラームを発生する。コレクタ/アナライザサーバは、危機的事象を含む誘導データをプロファイルし、かつそれをテンプレートプロファイルと相関させ、医療管理サービスプロバイダ(120)が使用するために相関を測定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、人のモビリティ(動きの質または状態)(mobility)を無線により自律的に検出、監視及び分析するための方法及び装置に関する。より詳細には、例示的な実施形態は、転ぶ、(軽い/激しい)震え、振戦(振顫)(tremor:トレマー)及びジェスチュアによる身体障害者の合図などの人のモビリティを検出し、監視し、及びプロファイリング/相関させるための方法及び装置に関する。特定のモビリティの事象(event:イベント)には、個人が発作を起こしていたり、意識を失って転んだ場合などの、危機的事象の経過すなわちプロセスが伴う。例示的な実施形態では、この危機的事象を情報収集設備に無線中継する。情報収集設備は、医療管理サービスプロバイダ又は介護者と安全な通信チャネルを介して直接通信するデフォルト設定となっている。例示的な実施形態では、システムは自律的にその事象処理を行うので、モニターすなわち監視される個人からのインタラクションを必要としない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
使用者の、好ましくは手首、足首又は衣服に着用された低出力の無線装置を介して、ヒトの転倒及びモビリティ事象を無線で検出するための方法及び装置を提供することが望まれている。装置は、マイクロコントローラプロセッサユニット(MPU)と、微小電子機械システム(Micro Electro Mechanical System)(MEMS)ベースの3軸加速度計とを備え、無線センサネットワーク通信機を組み込み、3軸加速度計のモーション(動態または身体の位置変化または運動)データ(motion data)を、安全に取り付けられたインターネット接続可能なPCに取り付けられた収集ノードに通信する。モーション分析ソフトウェア(以下「コレクタ/アナライザサーバ」)は、好ましくはマルチスレッド型であり、コンピュータに正常な動態か、転ぶ、激しい/軽い震え及び/又は振戦などの異常な状況かを決定させるコンピュータ読取可能媒体に格納されている。好ましくはブレスレットの形態にしてある上述の無線装置及びコレクタ/アナライザサーバを以下、集合的に「システム」と称する。システムが提供する追加的な能力は、無線ブレスレット装置着用者が行動する活動(active)距離を監視し及び決定することである。3次元のいずれかの次元又は全ての次元内における任意の距離のムーブメント(移動または動き)(movement)を、関数:
【数1】
を使用して任意の特定の時間期間にわたって追跡することができる。このシステムは、転ぶなど主要な深刻な事象の検出のほか、無線ブレスレット装置を着用する個人の時空間的な動きをダイナミックスすなわち動力学的に(dynamics)プロファイルしかつ相関させることが可能である。このリアルタイム/発見的情報によって、他の要因、例えば、特定の疾患の進行と相関させられたすなわち関係付けられた、動態に関連した事象を測定し及び検出することが可能となる。
【0003】
それゆえ、例示的な実施形態の一態様は、リアルタイムで人のモビリティ事象を検出し、かつ、アラーム生成及びさらなる事象処理のために、これらの事象を情報収集コンピュータへ無線で中継する方法及び装置を提供することである。
【0004】
例示的な実施形態の別の態様は、人のモビリティ事象をリアルタイムにプロファイリングし、かつそれを記憶されているテンプレートと関係づけることによって、ヒトの行為が危険(critical)か正常かを決定する方法及び装置を提供することである。
【0005】
例示的な実施形態の別の態様は、リアルタイム/発見的情報を集めて、特定の疾患の進行に相関させた、動態に関連した事象の測定及び検出を可能とする方法及び装置を提供することである。
【0006】
例示的な実施形態の別の態様は、リアルタイム/発見的情報を集めて、特定の投薬スケジュール及び投薬量と相関させた、動態に関連した事象の測定及び検出を可能とする方法及び装置を提供することである。
【0007】
例示的な実施形態の別の態様は、無線ブレスレットの着用者に発生した静止、転倒、自由落下、衝突、震え、及び複雑な直線的な/ふらふらした動態等の様々な動態の状態を検出し、かつそれらをコレクタ/アナライザサーバへ中継する方法及び装置を提供することである。
【0008】
例示的な実施形態の別の態様は、3次元的な震え及び振戦の検出用の加速度の時間微分導関数(微分係数)(differential acceleration time derivatives):
【数2】
を計算するための入力として使用される動き(movement)の「群」(転倒、急激な回転、転ぶ等)を検出し及び分析する方法及び装置を提供することである。
【0009】
例示的な実施形態の別の態様は、無線ブレスレットから無線で受信されたデータからコレクタ/アナライザサーバによって分析されているモビリティに関する予め定められた規則に基づいて、警報(アラーム)及び警告式情報(アラート)を発生する方法及び装置を提供することである。これらのアラーム、アラート、及び時空間的なデータは、安全(確実)に取り付けられたインターネット接続可能なPCを経由して医療サービスプロバイダへ又は応答者として特定された個人へ(隣人、友人/家族、地元警察、消防署又は救急車など救急サービスプロバイダ)送信される。
【0010】
例示的な実施形態の別の態様は、システムを使用して個人の非活動性の程度を検出及び監視する方法及び装置を提供することである。コレクタ/アナライザサーバは、予め定められた規則又はテンプレートに対比して非活動性をプロファイルする。選択された期間内に過剰な非活動性が検出される場合には、通知が発せられ、適切なアラーム及びアラートが、予め定められた個別呼び出しリストを介して送信される。卒中、うっ血性心疾患、冠動脈疾患、関節炎、黄斑変性症、麻痺、神経筋疾患(パーキンソン病、多発性硬化症、脳性麻痺など)、切断、及び骨粗しょう症などの身体的な状態並びに他の状態は、個人のモビリティを著しく制限し、かつ疾患の進行又は状態の悪化に応じた非活動性をもたらす。
【0011】
例示的な実施形態の別の態様は、通常高齢の個人において、攻撃、興奮、不穏、及び行ったり来たりする(pacing)などの様々な行動障害を呈する認知症のステージを決定する方法及び装置を提供することである。興奮した個人は、殴ったり、蹴ったり又はつかみかかったりする場合があり、支援無しにベッドや椅子から出ようとするため、転ぶ(転倒の)可能性が増大する。システムは、その加速度の時間微分導関数アルゴリズムを使用し始めると直ちに興奮状態をアラート/報告することによってこれらの転ぶ(転倒の)可能性のある状況のプレカーサステージ(pre−cursor stage)を検出することが可能である。また、これらの事象を特定の期間プロファイルして、発見的な疾患の進行の分析が可能となる。
【0012】
例示的な実施形態の別の態様は、個人が横になっている状態から直立状態の位置になるとき、及びその逆の動きをする場合の、非流動的な異常な動きをプロファイリングする方法及び装置を提供することである。システムは、選択された期間にわたって任意の種類の動き群の発見的分析を提供する。これは、横になっている状態から起立した状態の事象及び起立した状態から横になった状態の事象に関連する動き全てに関して時系列分析を実施することによって、個人の起立性低血圧状態の重症度を決定するのに使用できる。これらの事象群を、正常の横になっている状態から起立した状態及び起立した状態から横になった状態のベースラインと比較することによって、起立性低血圧の進行の度合を、より効果的に決定できる。
【0013】
例示的な実施形態の別の態様は、異常な動き及び興奮(sensations)、意識の喪失並びに感情的なフラックス(emotional flux)をもたらすてんかん発作を検出、監視、及びプロファイリングする方法及び装置を提供することである。発作は、脳における電気的活動の異常なバーストの結果であり得る。てんかんの診断は、再発性の非刺激性発作に適用される。抗てんかん薬(AED)をこれらの発作の治療に使用することができ、目標は、可能な限り副作用がなく、症状を制御する薬及び用量を選択することである。通常、個人は、破壊的な副作用が最も少ない、ぴったり「合う」ものを見つけるまでに数種類の異なる処方を異なる用量で試す必要がある。AEDは、眠気、倦怠感、混乱、歩行障害、知覚異常、及び骨粗しょう症を誘発する骨密度の迅速な低下を含む神経系に悪影響を与えることもあり得る。システムを使用して、任意の期間にわたって激しい動きの事象を投薬スケジュール及び投薬量と相関させることができる。
【0014】
例示的な実施形態の別の態様は、管理された自動モビリティ(mobility)テスト(主要な医療ツールとして使用される、時間制限を設けた起立歩行(get−up−and−go)検査等)方法及び装置を提供することである。システムは、モビリティの測定値である、時間制限を設けた起立歩行検査を測定しアーカイブできる。テストには、着座位置からの起立、歩行、向きを変える、停止及び座る、など複数の課題が含まれ、これらは全て、個人が独立して動くために必要な重要な課題である。例えば、テスト中、個人は、標準的な椅子から立ち上がり、約10フィート(3メートルとして測定)歩いて、向きを変え、椅子まで歩いて戻り、もう一度座るように言われる。個人は、通常の履物を使用し、杖など、各人が通常使用している任意の歩行支援装置を使用することができる。個人は、椅子の背に背中を付けて座り、腕はアームレストに載せ、使用する可能性のある任意の歩行支援具は手に持っている。テストを開始するときに、システムは、個人が椅子から立ち上がり始めるときのタイミングで始動し、かつ個人が再び椅子に座ったときに終了する。テストを終了するのに必要な通常の時間は、7〜10秒であり、その時間内に課題を完了できない個人は、モビリティに関してなんらかの問題がある傾向がある。システムはこれをベースラインとしてアーカイブし、モビリティに何らかの変化がないかを特定するためにこれを周期的に繰り返す。
【0015】
例示的な実施形態の別の態様は、高齢な個人の場合における転倒の問題に寄与しうる投薬スケジュール及び投薬量を相関させる方法及び装置を提供することである。転ぶ(転倒の)危険は、個人が4種類以上の薬物治療を受けている時、新しい薬物に切り替える時、及び/又は医学的根拠から現在の薬物の用量が増えた時に、増大する。薬物は、個人が年を取ると身体から容易に出て行かなくなり、その結果、副作用が強くなり得る。個人を転倒の危険にさらすこれらの薬剤の副作用には、立ち上がろうとする時の血圧の低下、めまい、血糖値の低下、心拍数の低下、平衡感覚障害及び/又は脱水症が挙げられる。システムを使用して、任意の期間にわたる激しい動きの事象を投薬スケジュール及び/又は投薬量と相関させることができる。
【0016】
例示的な実施形態の別の態様は、システムを使用して手のジェスチュアを検出及び監視し、重度障害の個人が使用する手ぶりを認識するために3次元的なモーションシグニチャ(motion signature)の分析を実施する方法及び装置を提供することである。
【0017】
モビリティの検出、監視及び分析のための方法及び装置を開示する。この装置は、加速度を測定するためにヒトの四肢の近傍の領域に配置されるように構成された無線ブレスレットを含む。ヒトの四肢は、手首若しくは足首又はヒトの四肢の近傍にある装置とすることができる。無線ブレスレットは、データの収集及びさらなる処理のために、メッシュ型無線ネットワークを使用して無線コレクタ/アナライザサーバへ加速度データを送信する。このコレクタ/アナライザサーバは、動的サイズにされた(dynamically sized)移動平均畳み込みフィルタを使用して、収集された加速度データの信号加重平均と一時的な平滑化とを行い、かつその結果を記憶する。記憶された結果を使用して、コレクタ/アナライザサーバは、度の時間微分導関数(微分係数)([d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2)データを作成し、これを使用して、危機的事象を決定し、これらの結果を記憶し、かつ、危機的事象が発生したと決定する場合には、任意の事前にプログラムされたアラームを発生する。コレクタ/アナライザサーバは、危機的事象を含む微分係数データをプロファイルし、かつそれを、メモリにあるテンプレートプロファイルと相関させ、相関関係を測定し、これを、将来の使用と報告(レポート)のために記憶する。
【0018】
相関データを使用して:
【数3】
を計算することによって、無線ブレスレット着用者が踏破(traverse:トラバース)した経路すなわちパス(path)を決定する。コレクタ/アナライザサーバにおいて着用者によって実施されたモビリティテストの結果を記録、ベンチマーキング(benchmarking)、及びアーカイブすることによって、無線ブレスレット着用者のモビリティデータをコレクタ/アナライザサーバにおいて投薬スケジュール及び投薬量と相関させる。無線ブレスレット着用者のモビリティデータを、コレクタ/アナライザサーバにおいて疾患の進行と相関させる。コレクタ/アナライザサーバは、データ検索用の医療管理サービスプロバイダであって、無線ブレスレット着用者の結果データのプロファイリング並びに当該データを投薬スケジュール及び投薬量並びに疾患の進行と相関させることを可能とする当該サービスプロバイダにより、記憶された無線ブレスレット着用者の結果データをアーカイブする。また、無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックス(dynamics)を、相関させかつプロファイルして、信号伝達のためにコレクタ/アナライザサーバにおいてこの個人の全体的な動きを決定する。
【0019】
コレクタ/アナライザサーバを使用して、アーカイブ記憶及び発見的分析のために無線ブレスレットの加速度動態データ(acceleration motion data)を収集し、信号の平均化を、収集された無線ブレスレットの加速度データのプロファイルテンプレートに応じた(as a function of)動的サイズの移動平均畳み込みフィルタを使用して、行い、データの加速度の時間微分導関数(微分係数)([d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2)をプロファイルし、かつ相関させる。アーカイブされたプロファイル及び相関されたデータを使用して、転倒、震え及び/又は振戦などの危機的事象を決定し、無線ブレスレットを着用する個人に対してそれらの発生を記憶する。危機的事象の決定に基づいて任意のアラーム及びアラートを発生し、医療管理サービスプロバイダに送信する。
【0020】
コレクタ/アナライザサーバを使用して、無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルし及び相関させ、疾患の進行に対するモビリティを決定し、無線ブレスレットを着用する個人の時空間的な動力学をプロファイルし及び相関させ、投薬スケジュール及び投薬量に対するモビリティを決定し、無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルし及び相関させ、医学会の起立歩行検査などのモビリティテストを実施し、かつ記録、ベンチマーキング,及び発見的アーカイブを提供する。
【0021】
コレクタ/アナライザサーバを使用して、無線ブレスレットを着用する個人のモビリティ分析するために、経路(x,y,z,t)=Σ∬Ax*dt+Σ∬Ay*dt+∬Az*dtを計算することによって無線ブレスレット着用者がトラバースした経路を決定する。コレクタ/アナライザサーバを使用して、無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルしかつ相関させ、個人の全体的な動きを決定する。無線ブレスレットはまた、特別な取り付けブラケットに取り付けられ、次にこのブラケットが、歩行支援を必要とする個人によって使用されている歩行器に取り付けられて、このモードで使用される無線ブレスレットが、歩行器を使用する個人の時空間的なモビリティのダイナミックスを監視するようにする。
【0022】
例示的な実施形態のこれらの態様及び他の態様は、本願明細書に記載する方法及び装置によって達成される。読者は、図面は、現在における本発明の好ましい最良の実施形態を示すものであり、範囲の限定を意図するものではないことを理解されたい。
【0023】
例示的な実施形態を以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】例示的な実施形態による情報の流れを示す図である。
【図2】3次元的な転倒や落下(fall)の検出に関する例示的な加速度の時間微分導関数アルゴリズムの結果を示す時系列プロットである。
【図3】3次元的な震え及び振戦の検出に関する例示的な加速度の時間微分導関数アルゴリズムの結果を示す時系列プロットである。
【図4】例示的な実施形態による、正規化された位置ベクトルを使用して計算された、個人がトラバースした距離を示す時間区間(タイムドメイン)プロットである。
【図5】例示的な実施形態による無線ブレスレット及びコレクタ/アナライザサーバの高レベルのブロック図である。
【図6】例示的な実施形態による、システム初期化及びコレクタ/アナライザサーバシステムへの無線通信を含む、無線ブレスレットのMPUで実行される非割り込みルーチンを示すフロー図である。
【図7】例示的な実施形態による無線ブレスレットの様々な割り込みハンドラのブロック図である。
【図8】例示的な実施形態による、無線ブレスレットからコレクタ/アナライザサーバシステムへの加速度データ(Ax,Ay,Az)の伝送を示すシーケンス図である。
【図9】例示的な実施形態によるコレクタ/アナライザサーバの内部サブシステムを示す。
【図10】例示的な実施形態による、11次移動平均畳み込みフィルタを使用して実施され、それによりフィルタ係数が分かる有限インパルス応答(FIR)フィルタを示す。
【図11】例示的な実施形態によるn次フィルタを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の例示的な実施形態の詳細を説明するが、その例を添付の図面に示す。図1は、例示的な実施形態によるコレクタ/アナライザサーバと医療管理サービスプロバイダとの無線装置のエンドツーエンド処理におけるシステムインタラクション、ならびに処理段階(ステップ)間のデータフローを示すブロック図を示す。以下の説明では、無線装置を「無線ブレスレット」と称すが、無線装置は、ペンダントなどの他の好適な構成も取り得ること、又は、歩行器などの装置に取り付けることもでき、ここで無線装置はヒトの四肢の延長であることを理解されたい。
【0026】
システム100は、少なくとも1つの医療管理サービスプロバイダ110、コレクタ/アナライザサーバ120、及び無線ブレスレット130を含む。
【0027】
無線ブレスレット装置130は個人に着用されて監視され、無線ブレスレット装置は、好ましくは、各次元、従って各軸X、Y及びZそれぞれに1つずつの3つの加速度計を含み、モビリティを測定するために使用される。好ましくは、各軸加速度計は、一次元又は多次元表示用のMEMS素子であるが、無線ブレスレットの構成に好適ないずれの種類の加速度計を使用してもよい。
【0028】
転ぶなどの主要な危機的事象を検出する他、例示的なシステム100は、無線ブレスレット装置130を着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルし相関させることができる。このリアルタイム/発見的情報によって、他の要因、例えば、特定の疾患の進行と相関させた、動態に関連した事象の測定及び検出が可能となる。
【0029】
静止、転倒、自由落下、衝突、震え、複雑な直線的及びふらついた(angular)動態など、様々な動態の状態を検出できる。これらの様々な動態の状態を、発見的機能性を備えた加速度の時間微分導関数アルゴリズムを実行することによって検出する。加速度の軸の出力を、好ましくは10ビットアナログ・デジタル変換器(ADC)によってサンプリングする。この10ビットADCは、無線ブレスレット装置130のマイクロコントローラ内に又はその上に含まれ、マイクロコントローラは、サンプルデータを積分し、それを無線ブレスレット装置コアプロセッサに供給する。
【0030】
図5は、無線ブレスレット装置及びコレクタ/アナライザサーバのブロック図を示すブロック図である。無線ブレスレット装置510は好ましくは、毎秒、複数の加速度ベクトルを何度も測定する。測定されたベクトルは、3D加速度計513を介して、起こり得る3次元の動態それぞれにおける動き(movement)を示す。好ましくは、毎秒、少なくとも3〜5個のベクトルが測定される。これらの加速度ベクトルは、マイクロコントローラ511によりキャッシュされ、無線RFリンク515、例えば、IEEE802.15.4リンクを介して、コレクタ/アナライザサーバ520へ、好ましくは毎秒少なくとも1回送信される。送信された信号は、コレクタ/アナライザサーバ520のRFリンク521によって受信される。信号は好ましくは2.4GhzのIEEE802.15.4ZigBee準拠信号である。しかし、他の信号の周波数及びフォーマットも使用できる。加速度ベクトルは、好ましくは、重み付き及び/又は非重み付きの、動的にサイズが変わる移動平均畳み込み(コンボルーション)フィルタを使用して平均された信号であり、各軸方向にトラバースした距離を決定するために使用される。さらなる分析がコレクタ/アナライザサーバ520により実施されて、動態「群」(転倒、急激な回転、転ぶ(または落下)等)を決定し、3次元的な震え及び振戦を検出するために、コレクタ/アナライザサーバ520に含まれる加速度の時間微分導関数アルゴリズム([dA/dt=v‖d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2‖(ここで、vは速度を表す))を計算するための入力として使用される。
【0031】
図2及び3は、コレクタ/アナライザサーバ520により処理された、無線ブレスレット130からレポートされた時系列加速度データをプロットした図である。これらの時系列のプロットは、プロファイリング、事象獲得、事象間の群相関、及びアプリケーションにより要求されるデータマイニングなどのさらなる分析のために、コレクタ/アナライザサーバ520、又は他のデータ格納域においてアーカイブ(archive)される。図2のプロットは、転ぶ(転倒または落下)事象210(すなわち、大きなスパイク信号)の発生を示しており、縦軸は、重力加速度単位(g=9.8メートル/s2)で加速度(y軸上において、128単位=0g、255=+1.5g、0=−1.5gである)を示している。図3のプロットは、震え/振戦事象310(すなわち、多数の大きなスパイク信号)の発生を示しており、縦軸は、重力加速度単位(g=9.8メートル/s2)で加速度(y軸上において、128単位=0g、255=+1.5g、0=−1.5gである)を示している。転ぶ(転倒)事象と震え/振戦事象との間の加速度の大きさならびに事象数の差に留意されたい。この大きさ及び事象数の差がソフトウェアアルゴリズムに考慮される。
【0032】
さらに、最小/最大閾値加速度の発生回数、事象期間及び他の要因を、正常な相対的な行動から、転ぶ(転倒、落下)事象、震え/振戦事象等を区別するために考慮することができる。「相対的」とは、システムを使用する特定のヒトに関連する行動を意味する。しかし、履歴クロスポピュレーションデータ(cross−population data)を使用することもできる。
【0033】
図4は、無線ブレスレットを着用する個人がトラバースした距離を示す時間区間プロットであり、無線ブレスレットは、3次元的な加速度データ(Ax、Ay、Az)を複数回、例えば、1秒毎に3−6回コレクタ/アナライザサーバに送信する。コレクタ/アナライザサーバは好ましくは、横断された距離を正規化位置ベクトルを使用して計算する。コレクタ/アナライザサーバは好ましくは3次元的な二重積分を複数回、例えば、1秒毎に3−6回実施し、ここで、
【数4】
であり、各積分の結果を合計し、観測及び監視全期間中にわたって累積させて、無線ブレスレット及びその着用者に関連するものとしてロケーションデータを与える。図4では、次元(ジメンション)の2つをプロットしている。無線ブレスレット着用者は、x及びyで示す2次元の平面のみを移動し、z=0は、高さにおける上下変化(例えば上の階/下の階への移動)がないことを示すためである。
【0034】
図5を再び参照すると、コレクタ/アナライザサーバ520は、予め定められた規則(例えば、図2及び3の事象に基づく)及びアプリケーションの種類に基づいてアラームとアラートを発生する。異なる種類のアプリケーションに、安全に接続されたインターネット接続可能PC527を経由してアクセスできる。PC527を、PCインターフェース525を経由してマイクロプロセッサ523及びRFリンク521に接続する。これらのアラーム及びアラートは、応答者(隣人、友人/家族、地元警察、消防署又は救急車などの救急サービスプロバイダ)として特定された個人及び医療管理サービスプロバイダに送られる事件である。
【0035】
コレクタ/アナライザサーバ520に提供されるアプリケーションは高齢者又は障害者に特有なものであり得る。例えば、複数の薬物治療を受けている高齢者は、片足のみの28歳の切断患者とは異なる加速度閾値を有する。28歳の切断患者は、異なる加速度閾値ならびに発生回数閾値を有する。アラート及びアラームは、収集されたデータ用の様々な閾値に基づく。
【0036】
コレクタ/アナライザサーバ520は、好ましくは、インターネットへの「常時」接続が可能となるブロードバンド接続を有する。アラームが、例えば電子メール又はメッセージなどを介するなど、任意の公知の手段によって中央処理施設に送信され、中央処理施設が電話で応答者に接触する。さらに、コレクタ/アナライザサーバ520は、電話回線による接続も有し、前もって記録又は作成された予め定められたメッセージを使用して電話で直接応答者と接触することが可能となる。好ましくは、コレクタ/アナライザサーバ520はまた、疾患の進行並びに処置及び治療との相関のための分析用に医療関係者にモビリティプロファイルを送信する能力も有する。
【0037】
非活動性の懸念(すなわち個人の動きが悪いこと)は、コレクタ/アナライザサーバ520が予め定めたテンプレートベースのソフトウェア規則に基づいて監視される。選択された時間期間内での非活動性が過度であると検出されると、医療管理サービスプロバイダに通知が送信され、予め定められた個別の呼び出しリストを介して適切なアラーム及びアラートが発生される。コレクタ/アナライザサーバ520は、無線ブレスレット装置530により検出される個人からの手、腕、頭、又はジェスチュアによる身体の全体の動きの結果、所望の機能のためのコマンドをアクティブにして(規則設定を行い)、コレクタ/アナライザサーバ520に送信することができる。無線ブレスレット装置530は好ましくは防水加工されており、重量は1オンス(約28g)未満である。転ぶ(転倒)など、危険なモビリティの事象が発生することの多い、シャワー又は入浴中に着用できる。
【0038】
図1を再び参照すると、データ妥当性に関しては、システム100は好ましくは、故障に対して保護するために無線IEEE802.15.4ZigBeeメッシュネットワーク技術標準を使用する。しかしながら、ブレスレット130からコレクタ/アナライザサーバ120へデータを無線送信する任意の公知の手段を使用できる。無線ZigBee送信機と受信機とをグループにして配置することにより、メッシュネットワークは冗長パスを提供して確実に冗長データパスのルートが存在するようにするので、ノード障害を起こしても、ノード障害による故障は1箇所もなくなる。好ましくは、ノードで実行する極めて専門化したソフトウェアを有する無線IEEE802.15.4ZigBeeルータを使用して、直接通信するには離れすぎているノードのための中継(リレー)として作用することによりネットワークの範囲を拡張する。当然のことながら、他の技術及び規格を使用することができる。さらに、複数の使用者によって着用されるブレスレット130は、コレクタ/アナライザサーバ120へデータを中継するために他のブレスレット130のための中継ノードの機能を果たしてもよい。システム100は、無線ブレスレット130とコレクタ/アナライザサーバ120との間の通信にこの無線技術規格を使用する。
【0039】
無線データ通信は好ましくは暗号化に128ビットのエー・イー・エス(AES)(Advanced Encryption Standard)アルゴリズムを実施し、IEEE802.15.4標準内に含まれる強力なセキュリティーを全て組み込む。実施されるセキュリティサービスには好ましくは鍵の確立及び配送、装置管理並びにフレーム保護の方法が含まれる。システムは「Trust Center」のセキュリティ概念を活用する。「Trust Center」はシステムノード装置をネットワークに組み込み、鍵を配布し、かつ無線ブレスレット装置130とコレクタ/アナライザサーバ装置120との間のエンドツーエンドのセキュリティを可能とする。
【0040】
装置のハードウェア
再び図5を参照すると、無線ブレスレット530は好ましくはIEEE802.15.4準拠の2.4GHzの工業、科学、及び医療(ISM)帯域の無線周波数(RF)通信機を使用する。この通信機は、ピアツーピアネットワーク、スター型ネットワーク及びメッシュネットワークをサポートするIEEE802.15.4無線標準用に設計された完全な802.15.4の物理層(PHY)モデムを含む。これは、好ましくは、MPU511と組み合わされて、所望の無線RFデータリンク及びネットワークを創成する。IEEE802.15.4通信機は、5.0MHzチャネルにおいて250kbpのO−QPSKデータ並びに全スペクトラム拡散の符号化及び復号化をサポートする。
【0041】
ステータスの読み取り、データの書き込み、及びデータの読み取りの全ての制御は、RF通信機インターフェースポートを介して行われる。無線ブレスレットのMPU530は、インターフェースバスで長いバイトのデータを複数回バースト転送するインターフェース「トランザクション」を介して、無線ブレスレットRF通信機(トランシーバ)515にアクセスする。各トランザクションは、トランザクションの種類に応じて好ましくは3つ以上のバースト長であるが、より短いバーストを使用することもできる。トランザクションは、常にレジスタアドレスからアクセスを読み取り又はレジスタアドレスにアクセスを書き込む。任意の単一のレジスタへのアクセスに関する関連データは好ましくは長さが16ビットである。
【0042】
受信モードは、無線ブレスレットRF通信機515が着信データフレームを待機している状態である。パケット受信モードによって、無線ブレスレットRF通信機515は好ましくは、装置のMPUによる干渉を受けずに全パケットを受信することができるようになる。全パケットペイロードは好ましくはRXパケットRAMに格納され、かつマイクロコントローラが、ビット長及びRXパケットの妥当性を決定した後にデータをフェッチすなわち取り出す(fetch)。
【0043】
装置RF通信機515は、プリアンブル及びその後に続くSFD(Start of Frame Delimiter)を待つ。そこから、フレーム長インジケータを使用して、フレーム長を決定し、かつ巡回冗長検査(Cycle Redundancy Check)(CRC)シーケンスを計算する。フレームの受信後、無線ブレスレットのMPU511はパケットの妥当性すなわちバリディティ(validity)を決定する。ノイズのために、以下の条件のいずれかにおいて無効なパケットが報告される可能性がある。すなわち条件:有効CRC及びフレーム長(0、1、又は2)及び/又は無効CRC/無効フレーム長。
【0044】
無線ブレスレットのMPU511のソフトウェアアプリケーションは、パケットCRCが有効であれば、3以上の値でパケットフレーム長が有効であることを決定する。当然のことながら、この閾値は3より大きくも、3未満にもなり得る。装置RF通信機515からの割り込み要求に応えて、無線ブレスレットのMPU511は好ましくは、有効なフレーム長及びCRCデータを読み取って、これらをチェックすることによって、フレームの妥当性を決定する。装置RF通信機がデータ転送のために読み取られる場合に、受信パケットRAMレジスタにアクセスする。
【0045】
無線ブレスレットのRF通信機515は好ましくは無線ブレスレットのMPU511からの干渉を受けずに全パケットを伝送する。全パケットペイロードは好ましくはTXパケットRAMに事前ロードされており、無線ブレスレットRF通信機515は、フレームを伝送し、次に伝送した全てのステータス(complete status)を無線ブレスレットのMPU511に設定する。パケットの伝送が成功した場合、装置のMPU511で実行する伝送割り込みルーチンがパケット伝送の完了を報告する。装置RF通信機515からの割り込み要求に応じて、装置のMPUはステータスを読み取って、割り込みをクリアし、かつ伝送の成功を確認する。
【0046】
装置RF通信機515及びデータ転送の制御は、好ましくはMPU511を備えるSPI(Serial Peripheral Interface)により達成される。通常のSPIプロトコルは8ビット転送を基にしているが、装置RF通信機515は、トランザクション毎に複数の8ビット転送に基づく高いレベルのトランザクションプロトコルを課す。単一のSPIの読み取り又は書き込みのトランザクションは好ましくは8ビットヘッダーの転送及びその後に続く2回の8ビットのデータ転送を含む。ヘッダーは、アクセスの種類及びレジスタアドレスを表示する。それに続くバイトは読み取り又は書き込みデータである。SPIはまた、追加のデータ転送が起こり得る再帰的「データバースト」トランザクションもサポートする。再帰モードは、パケットRAMアクセス及び装置RF通信機515の迅速な構成を意図するものである。
【0047】
図6は、システム初期化後に取られる工程のステップを示す。システム初期化後(ステップ610)、無線装置においてメモリにキャッシュされたいずれかの加速度データ(Ax、Ay、Az)がA/D変換され、コレクタ/アナライザサーバに伝送される(ステップ620)。無線装置はリンクエネルギーをコレクタ/アナライザサーバに転送する(ステップ630)。最後に、コレクタ/アナライザサーバは、送信されたA/D変換データを検索し、かつそれを処理する(ステップ640)。このプロセスを繰り返す。
【0048】
無線ブレスレットのソフトウェア
無線ブレスレットのMPUのためのソフトウェアアーキテクチャは、図7に示すように、割り込み駆動のアーキテクチャを使用する。割り込みルーチンは好ましくはアナログ・デジタル変換器710(ADC)の読み取り、サンプリング周波数作成用のタイマ720、及びIEEE802.15.4RF通信機730からの割り込みの取り扱いを含む。装置のMPU511で実行される非割り込みルーチンは、システム初期化及びコレクタ/アナライザサーバ520への無線通信である。
【0049】
非割り込みメインループルーチンからデータを非同期的に処理する複数の割り込みハンドラがある。第1は、3つのアナログ加速度ベクトルAx、Ay、Azのデジタルへの変換が完了する場合に発生するADC割り込みルーチン710である。ルーチンは、非割り込みメイン処理ループによる読み取りのためのADC読み取りのフォーマットを作る。第2は、時間ベースで使用され、かつADCにより使用されるサンプリングレート周波数を生成するタイマ割り込みルーチン720である。第3は、無線ブレスレット装置のRF通信機ステータス及びデータ転送の割り込みハンドラ730である。このルーチンを使用して、無線ブレスレット装置のRF通信機事象を処理し、無線ブレスレット装置のRF通信機を経由して加速度(Ax、Ay、Az)データ、リンクエネルギーデータをコレクタ/アナライザサーバへを転送し、コレクタ/アナライザサーバから無線ブレスレット装置のRF通信機を経由して制御/受信確認データを受信する。
【0050】
図8は、無線ブレスレット810からコレクタ/アナライザサーバ820への加速度データ(Ax、Ay、Az)の伝送のシーケンス線図である。コレクタ/アナライザサーバ820のソフトウェアは、好ましくはマルチスレッドのJava(登録商標)ベースのサーバであり、このサーバは、データ収集/制御のために、かつ1つまたは複数の医療管理サービスプロバイダによる確実なインターネット通信のために、無線ブレスレット装置810の1つ以上の通信チャネルを取り扱う。Java(登録商標)言語は、コレクタ/アナライザサーバのハードウェアプラットフォームをサポートするための最も広いベースを提供するために選択された。当然のことながら、他のプログラミング言語を使用することもできる。
【0051】
無線ブレスレット810からの加速度データの伝送は、無線ブレスレット810とコレクタ/アナライザシステム820との間の初期接続手続き(hand shaking procedure:ハンド・シェーキング・プロシージャ)を介して達成される。加速度及び他のデータは、無線ブレスレット810からコレクタ/アナライザシステム820へRF通信機815を経由して伝送される。コレクタ/アナライザシステム820は、無線ブレスレットからそのRF通信機825を経由して、伝送されたデータを受信する。まず初めに、無線ブレスレット810は、無線ブレスレットの登録要求信号830をコレクタ/アナライザシステム820へ送信する。登録が成功すると、信号がコレクタ/アナライザシステム820から無線ブレスレット810へ返信される。この信号は、登録により使用が認証された(registration confirmed use)デフォルトプロファイル信号833である。次に無線ブレスレット810は、特定の着用者のためのデフォルトプロファイルに基づくデータを収集し始める。無線ブレスレット810は、3次元加速度データ及びリンクエネルギー信号840を転送する。コレクタ/アナライザシステムは、受信確認信号843を介してこのデータを受信確認する。データの転送は、無線ブレスレット810からの信号850によって示されるように、継続する。受信確認信号853に示すように、データの受信は、コレクタ/アナライザシステム820により継続的に受信確認される。バッテリーが低下し又は似たようなことが発生する場合には、無線ブレスレット810は、コレクタ/アナライザシステム820に対し無線ブレスレット装置事象が発生したことを示す無線ブレスレット装置事象信号860を送信する。このメッセージの受信は、受信確認メッセージ863によって示されるように受信確認される。
【0052】
図9は、コレクタ/アナライザサーバ920の内部サブシステムを示す。コレクタ/アナライザサーバ920は、無線ブレスレット930とコレクタ/アナライザサーバ920との間の無線通信チャネルに関連する信号強度(リンクエネルギー)を有する無線ブレスレット930の3次元加速度データ(Ax、Ay、Az)を収集する。無線ブレスレット930は、好ましくは各次元に対して最低毎秒3〜5回サンプリングされる3次元的な加速度データを収集する。データは、無線ブレスレット930の着用者が経験するモーション(動態)ダイナミックス(motion dynamics)をリアルタイムで反映する。リンクエネルギー信号は、無線ブレスレットとコレクタ/アナライザシステムとの間の無線通信チャネルに関連する信号強度を示すものである。
【0053】
無線ブレスレット930の3次元加速度データを受信したら、コレクタ/アナライザサーバ920は、加速度データに正規化の処理を行って、無重力(g)オフセットを取り除く。コレクタ/アナライザサーバ920は、いくつかの、信号平均化及び有限インパルス応答(FIR)フィルタリングアルゴリズムを加速度データに適用して平滑化し、信号ノイズを低減させる。この処理された加速度データは、転倒の検出、震え、及び振戦事象に関して再配列され (reordered)及び/または分析されるダイナミック事象の時系列を示す。
【0054】
コレクタ/アナライザサーバ920は、メモリに多数の微分加速度テンプレート([d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2)を有し、テンプレートは、転倒、震え、及び/又は振戦が発生した場合に存在する加速度データの変化をプロファイルする。これらのテンプレートを使用して、無線ブレスレットからのリアルタイムの加速度データを、微分加速度テンプレートに含まれる転倒、震え、及び/又は振戦などの既知の事象と相関させる。コレクタ/アナライザサーバ920が転倒(又は他のいずれかの重要な事象)を検出した場合、特定の無線ブレスレット930を着用する個人の事前プログラムされた呼び出しリストにある人及びサービス全てに通知する。
【0055】
コレクタ/アナライザサーバ920は、例えば、データをデータベース926に局所的に、及び必要に応じて、医療管理サービスプロバイダ940にアーカイブする。疾患の進行など、特定の状況を分析する場合には、大量のデータがデータマイニングのためにアーカイブされ、医療管理サービスプロバイダ940の追加的な記憶装置を必要とする場合もある。コレクタ/アナライザサーバ920は、転倒、震え、及び/又は振戦などの事象を、投薬、運動、及び他の身体的な事象の、事前プログラムされたスケージュールと相関させることができる。
【0056】
コレクタ/アナライザサーバ920を、階層化ソフトウェアアーキテクチャとして設計し、このアーキテクチャは、好ましくは無線ブレスレット、リアルタイムデータ分析、事象処理、及び医療管理サービスプロバイダ通信の並行プロセスに対するマルチスレッドをサポートする。コレクタ/アナライザサーバ920は、好ましくはJava(登録商標)仮想マシン(JVM)アーキテクチャで実行され、広範囲な計算プラットフォームをサポートする。さらに、複数のアプリケーションAPP1−APPNはデータを使用することができる。
【0057】
コレクタ/アナライザサーバ920のソフトウェアは、好ましくは、11次移動平均畳み込みフィルタを使用して実施されるデフォルトの有限インパルス応答(FIR)フィルタを使用し、それにより、フィルタ係数は:
【数5】
であることが分かる。ここで、11次フィルタの作成に対してP=10である。得られるフィルタのインパルス応答は:
【数6】
である。
【0058】
図10は、この11次フィルタのブロック図を示す。
【0059】
コレクタ/アナライザサーバ920のソフトウェアはまた、n次移動平均畳み込みフィルタを使用して実施されるプロファイリング要求に基づく動的サイズ(dynamic sized)(次数付き(ordered))の有限インパルス応答(FIR)フィルタを使用し、それによりフィルタ係数は:
【数7】
であることが分かる。ここで、n次フィルタを作成するためにP=n−1である。得られるフィルタのインパルス応答は:
【数8】
である。
【0060】
図11は、n次フィルタのブロック図を示す。
【0061】
移動平均畳み込みフィルタのサイズは、コレクタ/アナライザサーバソフトウェア層上で実行されるアプリケーションAPP1−APPNに応じる。アプリケーションは、数例挙げると、アルツハイマーの患者のモビリティプロファイラ、又は疾患の進行を分析するための認知症患者の振戦検出器、又は抗てんかん薬のスケジュールを相関させる助けをする、発作を伴うてんかん患者用モニタとすることができる。これらのアプリケーションAPP1−APPNは、監視及びプロファイルされるモビリティのダイナミックスに基づいた特定の要求を有する。
【0062】
上述した説明は、本発明の好ましい実施形態であり、本発明者らが現在知っている本発明の最良の形態の例示及び説明を目的として提示した。この説明は排他的なものではなく、本発明を、開示した構成要素の厳密な形態、接続又は選択に限定するものでもない。上述の教示に照らして、明白な変更例又は変形例が可能であり、予測できる。本発明の本実施形態を、本発明の原理及びその実践的な適用を最良に示すものとして、選択し、説明したので、当業者は本発明を、本発明者が考慮した特定の使用に好適なものとして様々な実施形態及び様々な変更例に利用できる。
【技術分野】
【0001】
本出願は、人のモビリティ(動きの質または状態)(mobility)を無線により自律的に検出、監視及び分析するための方法及び装置に関する。より詳細には、例示的な実施形態は、転ぶ、(軽い/激しい)震え、振戦(振顫)(tremor:トレマー)及びジェスチュアによる身体障害者の合図などの人のモビリティを検出し、監視し、及びプロファイリング/相関させるための方法及び装置に関する。特定のモビリティの事象(event:イベント)には、個人が発作を起こしていたり、意識を失って転んだ場合などの、危機的事象の経過すなわちプロセスが伴う。例示的な実施形態では、この危機的事象を情報収集設備に無線中継する。情報収集設備は、医療管理サービスプロバイダ又は介護者と安全な通信チャネルを介して直接通信するデフォルト設定となっている。例示的な実施形態では、システムは自律的にその事象処理を行うので、モニターすなわち監視される個人からのインタラクションを必要としない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
使用者の、好ましくは手首、足首又は衣服に着用された低出力の無線装置を介して、ヒトの転倒及びモビリティ事象を無線で検出するための方法及び装置を提供することが望まれている。装置は、マイクロコントローラプロセッサユニット(MPU)と、微小電子機械システム(Micro Electro Mechanical System)(MEMS)ベースの3軸加速度計とを備え、無線センサネットワーク通信機を組み込み、3軸加速度計のモーション(動態または身体の位置変化または運動)データ(motion data)を、安全に取り付けられたインターネット接続可能なPCに取り付けられた収集ノードに通信する。モーション分析ソフトウェア(以下「コレクタ/アナライザサーバ」)は、好ましくはマルチスレッド型であり、コンピュータに正常な動態か、転ぶ、激しい/軽い震え及び/又は振戦などの異常な状況かを決定させるコンピュータ読取可能媒体に格納されている。好ましくはブレスレットの形態にしてある上述の無線装置及びコレクタ/アナライザサーバを以下、集合的に「システム」と称する。システムが提供する追加的な能力は、無線ブレスレット装置着用者が行動する活動(active)距離を監視し及び決定することである。3次元のいずれかの次元又は全ての次元内における任意の距離のムーブメント(移動または動き)(movement)を、関数:
【数1】
を使用して任意の特定の時間期間にわたって追跡することができる。このシステムは、転ぶなど主要な深刻な事象の検出のほか、無線ブレスレット装置を着用する個人の時空間的な動きをダイナミックスすなわち動力学的に(dynamics)プロファイルしかつ相関させることが可能である。このリアルタイム/発見的情報によって、他の要因、例えば、特定の疾患の進行と相関させられたすなわち関係付けられた、動態に関連した事象を測定し及び検出することが可能となる。
【0003】
それゆえ、例示的な実施形態の一態様は、リアルタイムで人のモビリティ事象を検出し、かつ、アラーム生成及びさらなる事象処理のために、これらの事象を情報収集コンピュータへ無線で中継する方法及び装置を提供することである。
【0004】
例示的な実施形態の別の態様は、人のモビリティ事象をリアルタイムにプロファイリングし、かつそれを記憶されているテンプレートと関係づけることによって、ヒトの行為が危険(critical)か正常かを決定する方法及び装置を提供することである。
【0005】
例示的な実施形態の別の態様は、リアルタイム/発見的情報を集めて、特定の疾患の進行に相関させた、動態に関連した事象の測定及び検出を可能とする方法及び装置を提供することである。
【0006】
例示的な実施形態の別の態様は、リアルタイム/発見的情報を集めて、特定の投薬スケジュール及び投薬量と相関させた、動態に関連した事象の測定及び検出を可能とする方法及び装置を提供することである。
【0007】
例示的な実施形態の別の態様は、無線ブレスレットの着用者に発生した静止、転倒、自由落下、衝突、震え、及び複雑な直線的な/ふらふらした動態等の様々な動態の状態を検出し、かつそれらをコレクタ/アナライザサーバへ中継する方法及び装置を提供することである。
【0008】
例示的な実施形態の別の態様は、3次元的な震え及び振戦の検出用の加速度の時間微分導関数(微分係数)(differential acceleration time derivatives):
【数2】
を計算するための入力として使用される動き(movement)の「群」(転倒、急激な回転、転ぶ等)を検出し及び分析する方法及び装置を提供することである。
【0009】
例示的な実施形態の別の態様は、無線ブレスレットから無線で受信されたデータからコレクタ/アナライザサーバによって分析されているモビリティに関する予め定められた規則に基づいて、警報(アラーム)及び警告式情報(アラート)を発生する方法及び装置を提供することである。これらのアラーム、アラート、及び時空間的なデータは、安全(確実)に取り付けられたインターネット接続可能なPCを経由して医療サービスプロバイダへ又は応答者として特定された個人へ(隣人、友人/家族、地元警察、消防署又は救急車など救急サービスプロバイダ)送信される。
【0010】
例示的な実施形態の別の態様は、システムを使用して個人の非活動性の程度を検出及び監視する方法及び装置を提供することである。コレクタ/アナライザサーバは、予め定められた規則又はテンプレートに対比して非活動性をプロファイルする。選択された期間内に過剰な非活動性が検出される場合には、通知が発せられ、適切なアラーム及びアラートが、予め定められた個別呼び出しリストを介して送信される。卒中、うっ血性心疾患、冠動脈疾患、関節炎、黄斑変性症、麻痺、神経筋疾患(パーキンソン病、多発性硬化症、脳性麻痺など)、切断、及び骨粗しょう症などの身体的な状態並びに他の状態は、個人のモビリティを著しく制限し、かつ疾患の進行又は状態の悪化に応じた非活動性をもたらす。
【0011】
例示的な実施形態の別の態様は、通常高齢の個人において、攻撃、興奮、不穏、及び行ったり来たりする(pacing)などの様々な行動障害を呈する認知症のステージを決定する方法及び装置を提供することである。興奮した個人は、殴ったり、蹴ったり又はつかみかかったりする場合があり、支援無しにベッドや椅子から出ようとするため、転ぶ(転倒の)可能性が増大する。システムは、その加速度の時間微分導関数アルゴリズムを使用し始めると直ちに興奮状態をアラート/報告することによってこれらの転ぶ(転倒の)可能性のある状況のプレカーサステージ(pre−cursor stage)を検出することが可能である。また、これらの事象を特定の期間プロファイルして、発見的な疾患の進行の分析が可能となる。
【0012】
例示的な実施形態の別の態様は、個人が横になっている状態から直立状態の位置になるとき、及びその逆の動きをする場合の、非流動的な異常な動きをプロファイリングする方法及び装置を提供することである。システムは、選択された期間にわたって任意の種類の動き群の発見的分析を提供する。これは、横になっている状態から起立した状態の事象及び起立した状態から横になった状態の事象に関連する動き全てに関して時系列分析を実施することによって、個人の起立性低血圧状態の重症度を決定するのに使用できる。これらの事象群を、正常の横になっている状態から起立した状態及び起立した状態から横になった状態のベースラインと比較することによって、起立性低血圧の進行の度合を、より効果的に決定できる。
【0013】
例示的な実施形態の別の態様は、異常な動き及び興奮(sensations)、意識の喪失並びに感情的なフラックス(emotional flux)をもたらすてんかん発作を検出、監視、及びプロファイリングする方法及び装置を提供することである。発作は、脳における電気的活動の異常なバーストの結果であり得る。てんかんの診断は、再発性の非刺激性発作に適用される。抗てんかん薬(AED)をこれらの発作の治療に使用することができ、目標は、可能な限り副作用がなく、症状を制御する薬及び用量を選択することである。通常、個人は、破壊的な副作用が最も少ない、ぴったり「合う」ものを見つけるまでに数種類の異なる処方を異なる用量で試す必要がある。AEDは、眠気、倦怠感、混乱、歩行障害、知覚異常、及び骨粗しょう症を誘発する骨密度の迅速な低下を含む神経系に悪影響を与えることもあり得る。システムを使用して、任意の期間にわたって激しい動きの事象を投薬スケジュール及び投薬量と相関させることができる。
【0014】
例示的な実施形態の別の態様は、管理された自動モビリティ(mobility)テスト(主要な医療ツールとして使用される、時間制限を設けた起立歩行(get−up−and−go)検査等)方法及び装置を提供することである。システムは、モビリティの測定値である、時間制限を設けた起立歩行検査を測定しアーカイブできる。テストには、着座位置からの起立、歩行、向きを変える、停止及び座る、など複数の課題が含まれ、これらは全て、個人が独立して動くために必要な重要な課題である。例えば、テスト中、個人は、標準的な椅子から立ち上がり、約10フィート(3メートルとして測定)歩いて、向きを変え、椅子まで歩いて戻り、もう一度座るように言われる。個人は、通常の履物を使用し、杖など、各人が通常使用している任意の歩行支援装置を使用することができる。個人は、椅子の背に背中を付けて座り、腕はアームレストに載せ、使用する可能性のある任意の歩行支援具は手に持っている。テストを開始するときに、システムは、個人が椅子から立ち上がり始めるときのタイミングで始動し、かつ個人が再び椅子に座ったときに終了する。テストを終了するのに必要な通常の時間は、7〜10秒であり、その時間内に課題を完了できない個人は、モビリティに関してなんらかの問題がある傾向がある。システムはこれをベースラインとしてアーカイブし、モビリティに何らかの変化がないかを特定するためにこれを周期的に繰り返す。
【0015】
例示的な実施形態の別の態様は、高齢な個人の場合における転倒の問題に寄与しうる投薬スケジュール及び投薬量を相関させる方法及び装置を提供することである。転ぶ(転倒の)危険は、個人が4種類以上の薬物治療を受けている時、新しい薬物に切り替える時、及び/又は医学的根拠から現在の薬物の用量が増えた時に、増大する。薬物は、個人が年を取ると身体から容易に出て行かなくなり、その結果、副作用が強くなり得る。個人を転倒の危険にさらすこれらの薬剤の副作用には、立ち上がろうとする時の血圧の低下、めまい、血糖値の低下、心拍数の低下、平衡感覚障害及び/又は脱水症が挙げられる。システムを使用して、任意の期間にわたる激しい動きの事象を投薬スケジュール及び/又は投薬量と相関させることができる。
【0016】
例示的な実施形態の別の態様は、システムを使用して手のジェスチュアを検出及び監視し、重度障害の個人が使用する手ぶりを認識するために3次元的なモーションシグニチャ(motion signature)の分析を実施する方法及び装置を提供することである。
【0017】
モビリティの検出、監視及び分析のための方法及び装置を開示する。この装置は、加速度を測定するためにヒトの四肢の近傍の領域に配置されるように構成された無線ブレスレットを含む。ヒトの四肢は、手首若しくは足首又はヒトの四肢の近傍にある装置とすることができる。無線ブレスレットは、データの収集及びさらなる処理のために、メッシュ型無線ネットワークを使用して無線コレクタ/アナライザサーバへ加速度データを送信する。このコレクタ/アナライザサーバは、動的サイズにされた(dynamically sized)移動平均畳み込みフィルタを使用して、収集された加速度データの信号加重平均と一時的な平滑化とを行い、かつその結果を記憶する。記憶された結果を使用して、コレクタ/アナライザサーバは、度の時間微分導関数(微分係数)([d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2)データを作成し、これを使用して、危機的事象を決定し、これらの結果を記憶し、かつ、危機的事象が発生したと決定する場合には、任意の事前にプログラムされたアラームを発生する。コレクタ/アナライザサーバは、危機的事象を含む微分係数データをプロファイルし、かつそれを、メモリにあるテンプレートプロファイルと相関させ、相関関係を測定し、これを、将来の使用と報告(レポート)のために記憶する。
【0018】
相関データを使用して:
【数3】
を計算することによって、無線ブレスレット着用者が踏破(traverse:トラバース)した経路すなわちパス(path)を決定する。コレクタ/アナライザサーバにおいて着用者によって実施されたモビリティテストの結果を記録、ベンチマーキング(benchmarking)、及びアーカイブすることによって、無線ブレスレット着用者のモビリティデータをコレクタ/アナライザサーバにおいて投薬スケジュール及び投薬量と相関させる。無線ブレスレット着用者のモビリティデータを、コレクタ/アナライザサーバにおいて疾患の進行と相関させる。コレクタ/アナライザサーバは、データ検索用の医療管理サービスプロバイダであって、無線ブレスレット着用者の結果データのプロファイリング並びに当該データを投薬スケジュール及び投薬量並びに疾患の進行と相関させることを可能とする当該サービスプロバイダにより、記憶された無線ブレスレット着用者の結果データをアーカイブする。また、無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックス(dynamics)を、相関させかつプロファイルして、信号伝達のためにコレクタ/アナライザサーバにおいてこの個人の全体的な動きを決定する。
【0019】
コレクタ/アナライザサーバを使用して、アーカイブ記憶及び発見的分析のために無線ブレスレットの加速度動態データ(acceleration motion data)を収集し、信号の平均化を、収集された無線ブレスレットの加速度データのプロファイルテンプレートに応じた(as a function of)動的サイズの移動平均畳み込みフィルタを使用して、行い、データの加速度の時間微分導関数(微分係数)([d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2)をプロファイルし、かつ相関させる。アーカイブされたプロファイル及び相関されたデータを使用して、転倒、震え及び/又は振戦などの危機的事象を決定し、無線ブレスレットを着用する個人に対してそれらの発生を記憶する。危機的事象の決定に基づいて任意のアラーム及びアラートを発生し、医療管理サービスプロバイダに送信する。
【0020】
コレクタ/アナライザサーバを使用して、無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルし及び相関させ、疾患の進行に対するモビリティを決定し、無線ブレスレットを着用する個人の時空間的な動力学をプロファイルし及び相関させ、投薬スケジュール及び投薬量に対するモビリティを決定し、無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルし及び相関させ、医学会の起立歩行検査などのモビリティテストを実施し、かつ記録、ベンチマーキング,及び発見的アーカイブを提供する。
【0021】
コレクタ/アナライザサーバを使用して、無線ブレスレットを着用する個人のモビリティ分析するために、経路(x,y,z,t)=Σ∬Ax*dt+Σ∬Ay*dt+∬Az*dtを計算することによって無線ブレスレット着用者がトラバースした経路を決定する。コレクタ/アナライザサーバを使用して、無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルしかつ相関させ、個人の全体的な動きを決定する。無線ブレスレットはまた、特別な取り付けブラケットに取り付けられ、次にこのブラケットが、歩行支援を必要とする個人によって使用されている歩行器に取り付けられて、このモードで使用される無線ブレスレットが、歩行器を使用する個人の時空間的なモビリティのダイナミックスを監視するようにする。
【0022】
例示的な実施形態のこれらの態様及び他の態様は、本願明細書に記載する方法及び装置によって達成される。読者は、図面は、現在における本発明の好ましい最良の実施形態を示すものであり、範囲の限定を意図するものではないことを理解されたい。
【0023】
例示的な実施形態を以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】例示的な実施形態による情報の流れを示す図である。
【図2】3次元的な転倒や落下(fall)の検出に関する例示的な加速度の時間微分導関数アルゴリズムの結果を示す時系列プロットである。
【図3】3次元的な震え及び振戦の検出に関する例示的な加速度の時間微分導関数アルゴリズムの結果を示す時系列プロットである。
【図4】例示的な実施形態による、正規化された位置ベクトルを使用して計算された、個人がトラバースした距離を示す時間区間(タイムドメイン)プロットである。
【図5】例示的な実施形態による無線ブレスレット及びコレクタ/アナライザサーバの高レベルのブロック図である。
【図6】例示的な実施形態による、システム初期化及びコレクタ/アナライザサーバシステムへの無線通信を含む、無線ブレスレットのMPUで実行される非割り込みルーチンを示すフロー図である。
【図7】例示的な実施形態による無線ブレスレットの様々な割り込みハンドラのブロック図である。
【図8】例示的な実施形態による、無線ブレスレットからコレクタ/アナライザサーバシステムへの加速度データ(Ax,Ay,Az)の伝送を示すシーケンス図である。
【図9】例示的な実施形態によるコレクタ/アナライザサーバの内部サブシステムを示す。
【図10】例示的な実施形態による、11次移動平均畳み込みフィルタを使用して実施され、それによりフィルタ係数が分かる有限インパルス応答(FIR)フィルタを示す。
【図11】例示的な実施形態によるn次フィルタを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の例示的な実施形態の詳細を説明するが、その例を添付の図面に示す。図1は、例示的な実施形態によるコレクタ/アナライザサーバと医療管理サービスプロバイダとの無線装置のエンドツーエンド処理におけるシステムインタラクション、ならびに処理段階(ステップ)間のデータフローを示すブロック図を示す。以下の説明では、無線装置を「無線ブレスレット」と称すが、無線装置は、ペンダントなどの他の好適な構成も取り得ること、又は、歩行器などの装置に取り付けることもでき、ここで無線装置はヒトの四肢の延長であることを理解されたい。
【0026】
システム100は、少なくとも1つの医療管理サービスプロバイダ110、コレクタ/アナライザサーバ120、及び無線ブレスレット130を含む。
【0027】
無線ブレスレット装置130は個人に着用されて監視され、無線ブレスレット装置は、好ましくは、各次元、従って各軸X、Y及びZそれぞれに1つずつの3つの加速度計を含み、モビリティを測定するために使用される。好ましくは、各軸加速度計は、一次元又は多次元表示用のMEMS素子であるが、無線ブレスレットの構成に好適ないずれの種類の加速度計を使用してもよい。
【0028】
転ぶなどの主要な危機的事象を検出する他、例示的なシステム100は、無線ブレスレット装置130を着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルし相関させることができる。このリアルタイム/発見的情報によって、他の要因、例えば、特定の疾患の進行と相関させた、動態に関連した事象の測定及び検出が可能となる。
【0029】
静止、転倒、自由落下、衝突、震え、複雑な直線的及びふらついた(angular)動態など、様々な動態の状態を検出できる。これらの様々な動態の状態を、発見的機能性を備えた加速度の時間微分導関数アルゴリズムを実行することによって検出する。加速度の軸の出力を、好ましくは10ビットアナログ・デジタル変換器(ADC)によってサンプリングする。この10ビットADCは、無線ブレスレット装置130のマイクロコントローラ内に又はその上に含まれ、マイクロコントローラは、サンプルデータを積分し、それを無線ブレスレット装置コアプロセッサに供給する。
【0030】
図5は、無線ブレスレット装置及びコレクタ/アナライザサーバのブロック図を示すブロック図である。無線ブレスレット装置510は好ましくは、毎秒、複数の加速度ベクトルを何度も測定する。測定されたベクトルは、3D加速度計513を介して、起こり得る3次元の動態それぞれにおける動き(movement)を示す。好ましくは、毎秒、少なくとも3〜5個のベクトルが測定される。これらの加速度ベクトルは、マイクロコントローラ511によりキャッシュされ、無線RFリンク515、例えば、IEEE802.15.4リンクを介して、コレクタ/アナライザサーバ520へ、好ましくは毎秒少なくとも1回送信される。送信された信号は、コレクタ/アナライザサーバ520のRFリンク521によって受信される。信号は好ましくは2.4GhzのIEEE802.15.4ZigBee準拠信号である。しかし、他の信号の周波数及びフォーマットも使用できる。加速度ベクトルは、好ましくは、重み付き及び/又は非重み付きの、動的にサイズが変わる移動平均畳み込み(コンボルーション)フィルタを使用して平均された信号であり、各軸方向にトラバースした距離を決定するために使用される。さらなる分析がコレクタ/アナライザサーバ520により実施されて、動態「群」(転倒、急激な回転、転ぶ(または落下)等)を決定し、3次元的な震え及び振戦を検出するために、コレクタ/アナライザサーバ520に含まれる加速度の時間微分導関数アルゴリズム([dA/dt=v‖d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2‖(ここで、vは速度を表す))を計算するための入力として使用される。
【0031】
図2及び3は、コレクタ/アナライザサーバ520により処理された、無線ブレスレット130からレポートされた時系列加速度データをプロットした図である。これらの時系列のプロットは、プロファイリング、事象獲得、事象間の群相関、及びアプリケーションにより要求されるデータマイニングなどのさらなる分析のために、コレクタ/アナライザサーバ520、又は他のデータ格納域においてアーカイブ(archive)される。図2のプロットは、転ぶ(転倒または落下)事象210(すなわち、大きなスパイク信号)の発生を示しており、縦軸は、重力加速度単位(g=9.8メートル/s2)で加速度(y軸上において、128単位=0g、255=+1.5g、0=−1.5gである)を示している。図3のプロットは、震え/振戦事象310(すなわち、多数の大きなスパイク信号)の発生を示しており、縦軸は、重力加速度単位(g=9.8メートル/s2)で加速度(y軸上において、128単位=0g、255=+1.5g、0=−1.5gである)を示している。転ぶ(転倒)事象と震え/振戦事象との間の加速度の大きさならびに事象数の差に留意されたい。この大きさ及び事象数の差がソフトウェアアルゴリズムに考慮される。
【0032】
さらに、最小/最大閾値加速度の発生回数、事象期間及び他の要因を、正常な相対的な行動から、転ぶ(転倒、落下)事象、震え/振戦事象等を区別するために考慮することができる。「相対的」とは、システムを使用する特定のヒトに関連する行動を意味する。しかし、履歴クロスポピュレーションデータ(cross−population data)を使用することもできる。
【0033】
図4は、無線ブレスレットを着用する個人がトラバースした距離を示す時間区間プロットであり、無線ブレスレットは、3次元的な加速度データ(Ax、Ay、Az)を複数回、例えば、1秒毎に3−6回コレクタ/アナライザサーバに送信する。コレクタ/アナライザサーバは好ましくは、横断された距離を正規化位置ベクトルを使用して計算する。コレクタ/アナライザサーバは好ましくは3次元的な二重積分を複数回、例えば、1秒毎に3−6回実施し、ここで、
【数4】
であり、各積分の結果を合計し、観測及び監視全期間中にわたって累積させて、無線ブレスレット及びその着用者に関連するものとしてロケーションデータを与える。図4では、次元(ジメンション)の2つをプロットしている。無線ブレスレット着用者は、x及びyで示す2次元の平面のみを移動し、z=0は、高さにおける上下変化(例えば上の階/下の階への移動)がないことを示すためである。
【0034】
図5を再び参照すると、コレクタ/アナライザサーバ520は、予め定められた規則(例えば、図2及び3の事象に基づく)及びアプリケーションの種類に基づいてアラームとアラートを発生する。異なる種類のアプリケーションに、安全に接続されたインターネット接続可能PC527を経由してアクセスできる。PC527を、PCインターフェース525を経由してマイクロプロセッサ523及びRFリンク521に接続する。これらのアラーム及びアラートは、応答者(隣人、友人/家族、地元警察、消防署又は救急車などの救急サービスプロバイダ)として特定された個人及び医療管理サービスプロバイダに送られる事件である。
【0035】
コレクタ/アナライザサーバ520に提供されるアプリケーションは高齢者又は障害者に特有なものであり得る。例えば、複数の薬物治療を受けている高齢者は、片足のみの28歳の切断患者とは異なる加速度閾値を有する。28歳の切断患者は、異なる加速度閾値ならびに発生回数閾値を有する。アラート及びアラームは、収集されたデータ用の様々な閾値に基づく。
【0036】
コレクタ/アナライザサーバ520は、好ましくは、インターネットへの「常時」接続が可能となるブロードバンド接続を有する。アラームが、例えば電子メール又はメッセージなどを介するなど、任意の公知の手段によって中央処理施設に送信され、中央処理施設が電話で応答者に接触する。さらに、コレクタ/アナライザサーバ520は、電話回線による接続も有し、前もって記録又は作成された予め定められたメッセージを使用して電話で直接応答者と接触することが可能となる。好ましくは、コレクタ/アナライザサーバ520はまた、疾患の進行並びに処置及び治療との相関のための分析用に医療関係者にモビリティプロファイルを送信する能力も有する。
【0037】
非活動性の懸念(すなわち個人の動きが悪いこと)は、コレクタ/アナライザサーバ520が予め定めたテンプレートベースのソフトウェア規則に基づいて監視される。選択された時間期間内での非活動性が過度であると検出されると、医療管理サービスプロバイダに通知が送信され、予め定められた個別の呼び出しリストを介して適切なアラーム及びアラートが発生される。コレクタ/アナライザサーバ520は、無線ブレスレット装置530により検出される個人からの手、腕、頭、又はジェスチュアによる身体の全体の動きの結果、所望の機能のためのコマンドをアクティブにして(規則設定を行い)、コレクタ/アナライザサーバ520に送信することができる。無線ブレスレット装置530は好ましくは防水加工されており、重量は1オンス(約28g)未満である。転ぶ(転倒)など、危険なモビリティの事象が発生することの多い、シャワー又は入浴中に着用できる。
【0038】
図1を再び参照すると、データ妥当性に関しては、システム100は好ましくは、故障に対して保護するために無線IEEE802.15.4ZigBeeメッシュネットワーク技術標準を使用する。しかしながら、ブレスレット130からコレクタ/アナライザサーバ120へデータを無線送信する任意の公知の手段を使用できる。無線ZigBee送信機と受信機とをグループにして配置することにより、メッシュネットワークは冗長パスを提供して確実に冗長データパスのルートが存在するようにするので、ノード障害を起こしても、ノード障害による故障は1箇所もなくなる。好ましくは、ノードで実行する極めて専門化したソフトウェアを有する無線IEEE802.15.4ZigBeeルータを使用して、直接通信するには離れすぎているノードのための中継(リレー)として作用することによりネットワークの範囲を拡張する。当然のことながら、他の技術及び規格を使用することができる。さらに、複数の使用者によって着用されるブレスレット130は、コレクタ/アナライザサーバ120へデータを中継するために他のブレスレット130のための中継ノードの機能を果たしてもよい。システム100は、無線ブレスレット130とコレクタ/アナライザサーバ120との間の通信にこの無線技術規格を使用する。
【0039】
無線データ通信は好ましくは暗号化に128ビットのエー・イー・エス(AES)(Advanced Encryption Standard)アルゴリズムを実施し、IEEE802.15.4標準内に含まれる強力なセキュリティーを全て組み込む。実施されるセキュリティサービスには好ましくは鍵の確立及び配送、装置管理並びにフレーム保護の方法が含まれる。システムは「Trust Center」のセキュリティ概念を活用する。「Trust Center」はシステムノード装置をネットワークに組み込み、鍵を配布し、かつ無線ブレスレット装置130とコレクタ/アナライザサーバ装置120との間のエンドツーエンドのセキュリティを可能とする。
【0040】
装置のハードウェア
再び図5を参照すると、無線ブレスレット530は好ましくはIEEE802.15.4準拠の2.4GHzの工業、科学、及び医療(ISM)帯域の無線周波数(RF)通信機を使用する。この通信機は、ピアツーピアネットワーク、スター型ネットワーク及びメッシュネットワークをサポートするIEEE802.15.4無線標準用に設計された完全な802.15.4の物理層(PHY)モデムを含む。これは、好ましくは、MPU511と組み合わされて、所望の無線RFデータリンク及びネットワークを創成する。IEEE802.15.4通信機は、5.0MHzチャネルにおいて250kbpのO−QPSKデータ並びに全スペクトラム拡散の符号化及び復号化をサポートする。
【0041】
ステータスの読み取り、データの書き込み、及びデータの読み取りの全ての制御は、RF通信機インターフェースポートを介して行われる。無線ブレスレットのMPU530は、インターフェースバスで長いバイトのデータを複数回バースト転送するインターフェース「トランザクション」を介して、無線ブレスレットRF通信機(トランシーバ)515にアクセスする。各トランザクションは、トランザクションの種類に応じて好ましくは3つ以上のバースト長であるが、より短いバーストを使用することもできる。トランザクションは、常にレジスタアドレスからアクセスを読み取り又はレジスタアドレスにアクセスを書き込む。任意の単一のレジスタへのアクセスに関する関連データは好ましくは長さが16ビットである。
【0042】
受信モードは、無線ブレスレットRF通信機515が着信データフレームを待機している状態である。パケット受信モードによって、無線ブレスレットRF通信機515は好ましくは、装置のMPUによる干渉を受けずに全パケットを受信することができるようになる。全パケットペイロードは好ましくはRXパケットRAMに格納され、かつマイクロコントローラが、ビット長及びRXパケットの妥当性を決定した後にデータをフェッチすなわち取り出す(fetch)。
【0043】
装置RF通信機515は、プリアンブル及びその後に続くSFD(Start of Frame Delimiter)を待つ。そこから、フレーム長インジケータを使用して、フレーム長を決定し、かつ巡回冗長検査(Cycle Redundancy Check)(CRC)シーケンスを計算する。フレームの受信後、無線ブレスレットのMPU511はパケットの妥当性すなわちバリディティ(validity)を決定する。ノイズのために、以下の条件のいずれかにおいて無効なパケットが報告される可能性がある。すなわち条件:有効CRC及びフレーム長(0、1、又は2)及び/又は無効CRC/無効フレーム長。
【0044】
無線ブレスレットのMPU511のソフトウェアアプリケーションは、パケットCRCが有効であれば、3以上の値でパケットフレーム長が有効であることを決定する。当然のことながら、この閾値は3より大きくも、3未満にもなり得る。装置RF通信機515からの割り込み要求に応えて、無線ブレスレットのMPU511は好ましくは、有効なフレーム長及びCRCデータを読み取って、これらをチェックすることによって、フレームの妥当性を決定する。装置RF通信機がデータ転送のために読み取られる場合に、受信パケットRAMレジスタにアクセスする。
【0045】
無線ブレスレットのRF通信機515は好ましくは無線ブレスレットのMPU511からの干渉を受けずに全パケットを伝送する。全パケットペイロードは好ましくはTXパケットRAMに事前ロードされており、無線ブレスレットRF通信機515は、フレームを伝送し、次に伝送した全てのステータス(complete status)を無線ブレスレットのMPU511に設定する。パケットの伝送が成功した場合、装置のMPU511で実行する伝送割り込みルーチンがパケット伝送の完了を報告する。装置RF通信機515からの割り込み要求に応じて、装置のMPUはステータスを読み取って、割り込みをクリアし、かつ伝送の成功を確認する。
【0046】
装置RF通信機515及びデータ転送の制御は、好ましくはMPU511を備えるSPI(Serial Peripheral Interface)により達成される。通常のSPIプロトコルは8ビット転送を基にしているが、装置RF通信機515は、トランザクション毎に複数の8ビット転送に基づく高いレベルのトランザクションプロトコルを課す。単一のSPIの読み取り又は書き込みのトランザクションは好ましくは8ビットヘッダーの転送及びその後に続く2回の8ビットのデータ転送を含む。ヘッダーは、アクセスの種類及びレジスタアドレスを表示する。それに続くバイトは読み取り又は書き込みデータである。SPIはまた、追加のデータ転送が起こり得る再帰的「データバースト」トランザクションもサポートする。再帰モードは、パケットRAMアクセス及び装置RF通信機515の迅速な構成を意図するものである。
【0047】
図6は、システム初期化後に取られる工程のステップを示す。システム初期化後(ステップ610)、無線装置においてメモリにキャッシュされたいずれかの加速度データ(Ax、Ay、Az)がA/D変換され、コレクタ/アナライザサーバに伝送される(ステップ620)。無線装置はリンクエネルギーをコレクタ/アナライザサーバに転送する(ステップ630)。最後に、コレクタ/アナライザサーバは、送信されたA/D変換データを検索し、かつそれを処理する(ステップ640)。このプロセスを繰り返す。
【0048】
無線ブレスレットのソフトウェア
無線ブレスレットのMPUのためのソフトウェアアーキテクチャは、図7に示すように、割り込み駆動のアーキテクチャを使用する。割り込みルーチンは好ましくはアナログ・デジタル変換器710(ADC)の読み取り、サンプリング周波数作成用のタイマ720、及びIEEE802.15.4RF通信機730からの割り込みの取り扱いを含む。装置のMPU511で実行される非割り込みルーチンは、システム初期化及びコレクタ/アナライザサーバ520への無線通信である。
【0049】
非割り込みメインループルーチンからデータを非同期的に処理する複数の割り込みハンドラがある。第1は、3つのアナログ加速度ベクトルAx、Ay、Azのデジタルへの変換が完了する場合に発生するADC割り込みルーチン710である。ルーチンは、非割り込みメイン処理ループによる読み取りのためのADC読み取りのフォーマットを作る。第2は、時間ベースで使用され、かつADCにより使用されるサンプリングレート周波数を生成するタイマ割り込みルーチン720である。第3は、無線ブレスレット装置のRF通信機ステータス及びデータ転送の割り込みハンドラ730である。このルーチンを使用して、無線ブレスレット装置のRF通信機事象を処理し、無線ブレスレット装置のRF通信機を経由して加速度(Ax、Ay、Az)データ、リンクエネルギーデータをコレクタ/アナライザサーバへを転送し、コレクタ/アナライザサーバから無線ブレスレット装置のRF通信機を経由して制御/受信確認データを受信する。
【0050】
図8は、無線ブレスレット810からコレクタ/アナライザサーバ820への加速度データ(Ax、Ay、Az)の伝送のシーケンス線図である。コレクタ/アナライザサーバ820のソフトウェアは、好ましくはマルチスレッドのJava(登録商標)ベースのサーバであり、このサーバは、データ収集/制御のために、かつ1つまたは複数の医療管理サービスプロバイダによる確実なインターネット通信のために、無線ブレスレット装置810の1つ以上の通信チャネルを取り扱う。Java(登録商標)言語は、コレクタ/アナライザサーバのハードウェアプラットフォームをサポートするための最も広いベースを提供するために選択された。当然のことながら、他のプログラミング言語を使用することもできる。
【0051】
無線ブレスレット810からの加速度データの伝送は、無線ブレスレット810とコレクタ/アナライザシステム820との間の初期接続手続き(hand shaking procedure:ハンド・シェーキング・プロシージャ)を介して達成される。加速度及び他のデータは、無線ブレスレット810からコレクタ/アナライザシステム820へRF通信機815を経由して伝送される。コレクタ/アナライザシステム820は、無線ブレスレットからそのRF通信機825を経由して、伝送されたデータを受信する。まず初めに、無線ブレスレット810は、無線ブレスレットの登録要求信号830をコレクタ/アナライザシステム820へ送信する。登録が成功すると、信号がコレクタ/アナライザシステム820から無線ブレスレット810へ返信される。この信号は、登録により使用が認証された(registration confirmed use)デフォルトプロファイル信号833である。次に無線ブレスレット810は、特定の着用者のためのデフォルトプロファイルに基づくデータを収集し始める。無線ブレスレット810は、3次元加速度データ及びリンクエネルギー信号840を転送する。コレクタ/アナライザシステムは、受信確認信号843を介してこのデータを受信確認する。データの転送は、無線ブレスレット810からの信号850によって示されるように、継続する。受信確認信号853に示すように、データの受信は、コレクタ/アナライザシステム820により継続的に受信確認される。バッテリーが低下し又は似たようなことが発生する場合には、無線ブレスレット810は、コレクタ/アナライザシステム820に対し無線ブレスレット装置事象が発生したことを示す無線ブレスレット装置事象信号860を送信する。このメッセージの受信は、受信確認メッセージ863によって示されるように受信確認される。
【0052】
図9は、コレクタ/アナライザサーバ920の内部サブシステムを示す。コレクタ/アナライザサーバ920は、無線ブレスレット930とコレクタ/アナライザサーバ920との間の無線通信チャネルに関連する信号強度(リンクエネルギー)を有する無線ブレスレット930の3次元加速度データ(Ax、Ay、Az)を収集する。無線ブレスレット930は、好ましくは各次元に対して最低毎秒3〜5回サンプリングされる3次元的な加速度データを収集する。データは、無線ブレスレット930の着用者が経験するモーション(動態)ダイナミックス(motion dynamics)をリアルタイムで反映する。リンクエネルギー信号は、無線ブレスレットとコレクタ/アナライザシステムとの間の無線通信チャネルに関連する信号強度を示すものである。
【0053】
無線ブレスレット930の3次元加速度データを受信したら、コレクタ/アナライザサーバ920は、加速度データに正規化の処理を行って、無重力(g)オフセットを取り除く。コレクタ/アナライザサーバ920は、いくつかの、信号平均化及び有限インパルス応答(FIR)フィルタリングアルゴリズムを加速度データに適用して平滑化し、信号ノイズを低減させる。この処理された加速度データは、転倒の検出、震え、及び振戦事象に関して再配列され (reordered)及び/または分析されるダイナミック事象の時系列を示す。
【0054】
コレクタ/アナライザサーバ920は、メモリに多数の微分加速度テンプレート([d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2)を有し、テンプレートは、転倒、震え、及び/又は振戦が発生した場合に存在する加速度データの変化をプロファイルする。これらのテンプレートを使用して、無線ブレスレットからのリアルタイムの加速度データを、微分加速度テンプレートに含まれる転倒、震え、及び/又は振戦などの既知の事象と相関させる。コレクタ/アナライザサーバ920が転倒(又は他のいずれかの重要な事象)を検出した場合、特定の無線ブレスレット930を着用する個人の事前プログラムされた呼び出しリストにある人及びサービス全てに通知する。
【0055】
コレクタ/アナライザサーバ920は、例えば、データをデータベース926に局所的に、及び必要に応じて、医療管理サービスプロバイダ940にアーカイブする。疾患の進行など、特定の状況を分析する場合には、大量のデータがデータマイニングのためにアーカイブされ、医療管理サービスプロバイダ940の追加的な記憶装置を必要とする場合もある。コレクタ/アナライザサーバ920は、転倒、震え、及び/又は振戦などの事象を、投薬、運動、及び他の身体的な事象の、事前プログラムされたスケージュールと相関させることができる。
【0056】
コレクタ/アナライザサーバ920を、階層化ソフトウェアアーキテクチャとして設計し、このアーキテクチャは、好ましくは無線ブレスレット、リアルタイムデータ分析、事象処理、及び医療管理サービスプロバイダ通信の並行プロセスに対するマルチスレッドをサポートする。コレクタ/アナライザサーバ920は、好ましくはJava(登録商標)仮想マシン(JVM)アーキテクチャで実行され、広範囲な計算プラットフォームをサポートする。さらに、複数のアプリケーションAPP1−APPNはデータを使用することができる。
【0057】
コレクタ/アナライザサーバ920のソフトウェアは、好ましくは、11次移動平均畳み込みフィルタを使用して実施されるデフォルトの有限インパルス応答(FIR)フィルタを使用し、それにより、フィルタ係数は:
【数5】
であることが分かる。ここで、11次フィルタの作成に対してP=10である。得られるフィルタのインパルス応答は:
【数6】
である。
【0058】
図10は、この11次フィルタのブロック図を示す。
【0059】
コレクタ/アナライザサーバ920のソフトウェアはまた、n次移動平均畳み込みフィルタを使用して実施されるプロファイリング要求に基づく動的サイズ(dynamic sized)(次数付き(ordered))の有限インパルス応答(FIR)フィルタを使用し、それによりフィルタ係数は:
【数7】
であることが分かる。ここで、n次フィルタを作成するためにP=n−1である。得られるフィルタのインパルス応答は:
【数8】
である。
【0060】
図11は、n次フィルタのブロック図を示す。
【0061】
移動平均畳み込みフィルタのサイズは、コレクタ/アナライザサーバソフトウェア層上で実行されるアプリケーションAPP1−APPNに応じる。アプリケーションは、数例挙げると、アルツハイマーの患者のモビリティプロファイラ、又は疾患の進行を分析するための認知症患者の振戦検出器、又は抗てんかん薬のスケジュールを相関させる助けをする、発作を伴うてんかん患者用モニタとすることができる。これらのアプリケーションAPP1−APPNは、監視及びプロファイルされるモビリティのダイナミックスに基づいた特定の要求を有する。
【0062】
上述した説明は、本発明の好ましい実施形態であり、本発明者らが現在知っている本発明の最良の形態の例示及び説明を目的として提示した。この説明は排他的なものではなく、本発明を、開示した構成要素の厳密な形態、接続又は選択に限定するものでもない。上述の教示に照らして、明白な変更例又は変形例が可能であり、予測できる。本発明の本実施形態を、本発明の原理及びその実践的な適用を最良に示すものとして、選択し、説明したので、当業者は本発明を、本発明者が考慮した特定の使用に好適なものとして様々な実施形態及び様々な変更例に利用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)加速度を測定するためにヒトの四肢に着用されるように無線ブレスレットを構成すること;
(B)前記無線ブレスレットが、データの収集及びさらなる処理のために、メッシュ型無線ネットワークを使用して無線コレクタ/アナライザサーバに加速度データを送信すること;
(C)前記コレクタ/アナライザサーバが信号平均化を行いかつ動的サイズの移動平均畳み込みフィルタを使用して、収集した無線ブレスレットの加速度データを一時的に平滑化し、かつその結果を格納すること;
(D)前記コレクタ/アナライザサーバがステップ(C)からの結果を使用して、加速度の時間微分導関数([d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2)データを生成し、これらの結果を格納する危機的事象を決定し、かつ、危機的事象が発生したと決定される場合にはいずれかの事前プログラムされたアラームを発生すること;及び
(E)前記コレクタ/アナライザサーバが(Dからの)このデータをプロファイリングし、かつメモリにおいてテンプレートプロファイルと相関させ、相関を測定すること
を含む、モビリティを検出、監視及び分析するための方法及び装置。
【請求項2】
(F)前記コレクタ/アナライザサーバによるステップ(E)からの結果を使用して、経路(x,y,z,t)=Σ∬Ax*dt+Σ∬Ay*dt+∬Az*dtを計算することによって前記無線ブレスレット着用者がトラバースした経路を決定すること;
(G)前記コレクタ/アナライザサーバにおいて着用者により実施されるモビリティテストの結果を記録、ベンチマーキング、及びアーカイブすること;
(H)前記コレクタ/アナライザサーバにおいて前記無線ブレスレット着用者のモビリティデータを投薬スケジュール及び投薬量と相関させること;
(I)前記コレクタ/アナライザサーバにおいて前記無線ブレスレット着用者のモビリティデータを疾患の進行と相関させること;
(J)前記コレクタ/アナライザサーバが、格納された無線ブレスレット着用者の結果データを医療管理サービスプロバイダによって、前記無線ブレスレット着用者の結果データのプロファイリング並びにそれを投薬スケジュール/投薬量及び疾患の進行と相関させることを可能とするデータマイニングのためにアーカイブすること;及び
(K)前記無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイリングし相関させ、信号伝達するために前記コレクタ/アナライザサーバにおいてこの個人の全体的な動きを決定すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒトの転倒及びモビリティの検出及び分析が、無線の手首及び/又は足首用ブレスレットを使用して加速度運動データを送信する、請求項1に記載の人のモビリティの無線による自律的な検出、監視及び分析のための方法。
【請求項4】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、記憶のアーカイブ及び発見的分析のために無線ブレスレット加速度運動データを収集する請求項1に記載の人のモビリティの無線による自律的な検出、監視及び分析のための方法。
【請求項5】
前記コレクタ/アナライザサーバが信号の平均化に使用され、かつ、収集された無線ブレスレットの加速度データのプロファイルテンプレートに応じてダイナミックサイズの移動平均畳み込みフィルタを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、データの加速度の時間微分導関数([d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2)をプロファイルしかつ相関させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
アーカイブされたプロファイル及び相関されたデータを使用して、危機的事象を決定し、かつ前記無線ブレスレットを着用する個人に対してそれらを記憶する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記危機的事象が、転倒、震え及び/又は振戦である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
危機的事象の決定に基づいてアラーム及びアラートが発生され、医療管理サービスプロバイダに送信される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、前記無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルしかつ相関させて、疾患の進行用のモビリティを決定する、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して前記無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルしかつ相関させて、投薬スケジュール及び投薬量用のモビリティを決定する、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、前記無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルしかつ相関させ、医学会の起立歩行検査などのモビリティテストを実施し、かつ記録、ベンチマーキング、及び発見的アーカイブを提供する、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記無線ブレスレットを着用する個人のモビリティ分析のために、前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、経路(x,y,z,t)=Σ∬Ax*dt+Σ∬Ay*dt+∬Az*dtを計算することによって前記無線ブレスレット着用者がトラバースした経路を決定する、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、前記無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルしかつ相関させ、前記個人の全体的な動きを決定する、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記無線ブレスレットが、特別な取り付けブラケットに取り付けられ、次にこのブラケットが、歩行支援を必要とする個人によって使用されている歩行器に取り付けられて、このモードで使用される前記無線ブレスレットが、前記歩行器を使用する個人の時空間的なモビリティのダイナミックスを監視する、請求項5に記載の方法。
【請求項1】
(A)加速度を測定するためにヒトの四肢に着用されるように無線ブレスレットを構成すること;
(B)前記無線ブレスレットが、データの収集及びさらなる処理のために、メッシュ型無線ネットワークを使用して無線コレクタ/アナライザサーバに加速度データを送信すること;
(C)前記コレクタ/アナライザサーバが信号平均化を行いかつ動的サイズの移動平均畳み込みフィルタを使用して、収集した無線ブレスレットの加速度データを一時的に平滑化し、かつその結果を格納すること;
(D)前記コレクタ/アナライザサーバがステップ(C)からの結果を使用して、加速度の時間微分導関数([d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2)データを生成し、これらの結果を格納する危機的事象を決定し、かつ、危機的事象が発生したと決定される場合にはいずれかの事前プログラムされたアラームを発生すること;及び
(E)前記コレクタ/アナライザサーバが(Dからの)このデータをプロファイリングし、かつメモリにおいてテンプレートプロファイルと相関させ、相関を測定すること
を含む、モビリティを検出、監視及び分析するための方法及び装置。
【請求項2】
(F)前記コレクタ/アナライザサーバによるステップ(E)からの結果を使用して、経路(x,y,z,t)=Σ∬Ax*dt+Σ∬Ay*dt+∬Az*dtを計算することによって前記無線ブレスレット着用者がトラバースした経路を決定すること;
(G)前記コレクタ/アナライザサーバにおいて着用者により実施されるモビリティテストの結果を記録、ベンチマーキング、及びアーカイブすること;
(H)前記コレクタ/アナライザサーバにおいて前記無線ブレスレット着用者のモビリティデータを投薬スケジュール及び投薬量と相関させること;
(I)前記コレクタ/アナライザサーバにおいて前記無線ブレスレット着用者のモビリティデータを疾患の進行と相関させること;
(J)前記コレクタ/アナライザサーバが、格納された無線ブレスレット着用者の結果データを医療管理サービスプロバイダによって、前記無線ブレスレット着用者の結果データのプロファイリング並びにそれを投薬スケジュール/投薬量及び疾患の進行と相関させることを可能とするデータマイニングのためにアーカイブすること;及び
(K)前記無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイリングし相関させ、信号伝達するために前記コレクタ/アナライザサーバにおいてこの個人の全体的な動きを決定すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒトの転倒及びモビリティの検出及び分析が、無線の手首及び/又は足首用ブレスレットを使用して加速度運動データを送信する、請求項1に記載の人のモビリティの無線による自律的な検出、監視及び分析のための方法。
【請求項4】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、記憶のアーカイブ及び発見的分析のために無線ブレスレット加速度運動データを収集する請求項1に記載の人のモビリティの無線による自律的な検出、監視及び分析のための方法。
【請求項5】
前記コレクタ/アナライザサーバが信号の平均化に使用され、かつ、収集された無線ブレスレットの加速度データのプロファイルテンプレートに応じてダイナミックサイズの移動平均畳み込みフィルタを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、データの加速度の時間微分導関数([d(Ax)/dt]2+[d(Ay)/dt]2+[d(Az)/dt]2)をプロファイルしかつ相関させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
アーカイブされたプロファイル及び相関されたデータを使用して、危機的事象を決定し、かつ前記無線ブレスレットを着用する個人に対してそれらを記憶する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記危機的事象が、転倒、震え及び/又は振戦である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
危機的事象の決定に基づいてアラーム及びアラートが発生され、医療管理サービスプロバイダに送信される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、前記無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルしかつ相関させて、疾患の進行用のモビリティを決定する、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して前記無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルしかつ相関させて、投薬スケジュール及び投薬量用のモビリティを決定する、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、前記無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルしかつ相関させ、医学会の起立歩行検査などのモビリティテストを実施し、かつ記録、ベンチマーキング、及び発見的アーカイブを提供する、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記無線ブレスレットを着用する個人のモビリティ分析のために、前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、経路(x,y,z,t)=Σ∬Ax*dt+Σ∬Ay*dt+∬Az*dtを計算することによって前記無線ブレスレット着用者がトラバースした経路を決定する、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記コレクタ/アナライザサーバを使用して、前記無線ブレスレットを着用する個人の時空間的なダイナミックスをプロファイルしかつ相関させ、前記個人の全体的な動きを決定する、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記無線ブレスレットが、特別な取り付けブラケットに取り付けられ、次にこのブラケットが、歩行支援を必要とする個人によって使用されている歩行器に取り付けられて、このモードで使用される前記無線ブレスレットが、前記歩行器を使用する個人の時空間的なモビリティのダイナミックスを監視する、請求項5に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2009−537224(P2009−537224A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511059(P2009−511059)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/011784
【国際公開番号】WO2007/136677
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(508340581)24エイト エルエルシー (3)
【氏名又は名称原語表記】24EIGHT LLC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/011784
【国際公開番号】WO2007/136677
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(508340581)24エイト エルエルシー (3)
【氏名又は名称原語表記】24EIGHT LLC
【Fターム(参考)】
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