説明

リクライニング機構付き椅子

【課題】リクライニング時における背もたれの後方突出量を少なく抑えつつ、背もたれの後倒に連動して座部が後方に変位するリクライニング機構付き椅子を提供する。
【解決手段】ローラ14aおよび当接ブロック14bを一対とする支持部14によって前後に変位可能に支持された座部13と、座部13より上方に回転中心(回転軸21)を有するリクライニング可能な背もたれ15と、その回転中心より下方における背もたれの前後方向の動きを反転させて座部13の後端に伝達することで、背もたれ15が後方へリクライニングすると座部13が後方へ変位し、背もたれ15が起きると座部13が前方へ変位するように背もたれと座部とを連動させる連動部16とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背もたれの傾倒に応じて座部が変位するリクライニング機構付き椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリクライニング機構付き椅子には、背もたれを倒す動きに連動して座部が後方に移動したり、後方に移動しながら座部の後端側が下降して傾斜したりするように構成されたものがある。(たとえば、特許文献1参照)。このように連動させることで、リクライニングの前後において着座者と背もたれおよび座部とのずれが少なくなる。
【0003】
特許文献1に開示された椅子は、自動車等に設置されるものであり、車体にベースプレートを載置し、ベースプレートにアームを回動可能に軸支し、このアームに背もたれ(シートバック)を固定するとともに、連動プレートの一端部を回動可能に軸着し、連動プレートの他端部を座部(シートクッション)の後部に固定し、座部の前部を車体に載置したブラケットに前後方向へ移動可能に支持し、かつ、アームを所望の傾斜角度に傾斜調節するロック機構部をベースプレートに設けて構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−214977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された椅子は、背もたれの回転中心が座部より下方にあるので、この回転中心から背もたれの上端までが長く、後に倒した際に背もたれの後方への突出量が大きくなり、後席スペースが狭くなってしまうという問題がある。
【0006】
背もたれの後方突出量を少なくする方法としては、背もたれの回転中心を高くする方法がある。たとえば、鉄道用車両シートでは、前後向かい合わせとなるように座席を回転可能に構成されたものがあり、前後向かい合わせにすると、その隣の座席とは背中合わせになって背もたれを倒し難くなるので、背もたれの回転中心を高くして、リクライニング時における背もたれの後方突出量を少なく抑えることが行われる。
【0007】
しかし、背もたれの回転中心を座部より高くすると、背もたれを倒したときに、背もたれの下部(回転中心より下方の部分)は前方へ移動するので、特許文献1に開示されたような機構では、背もたれを後ろへ倒す動作に連動して座部を後方へ変位させることはできなくなる。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、リクライニング時における背もたれの後方突出量を少なく抑えつつ、背もたれの後倒に連動して座部が後方に変位するリクライニング機構付き椅子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0010】
[1]座部と、
前記座部を前後に変位可能に支持する支持部と、
前記座部より上方に回転中心を有するリクライニング可能な背もたれと、
前記回転中心より下方における前記背もたれの前後方向の動きを反転させて前記座部に伝達することで、前記背もたれが後方へリクライニングすると前記座部が後方へ変位し前記背もたれが起きると前記座部が前方へ変位するように前記背もたれと前記座部とを連動させる連動部と、
を有する
ことを特徴とするリクライニング機構付き椅子。
【0011】
上記発明では、背もたれの回転中心を座部より高くすることで、リクライニング時における背もたれの後方突出量は少なくなる。また、連動部によって、回転中心より下方における背もたれの前後方向の動きを反転させて座部に伝達するので、背もたれを後方へリクライニングさせると座部が後方へ変位し、背もたれを起こすと座部が前方へ変位するように背もたれと座部が連動する。
【0012】
[2]前記支持部は、後方へ変位するときに、後端が下がる方向へ傾斜するように前記座部を変位させる
ことを特徴とする[1]に記載のリクライニング機構付き椅子。
【0013】
上記発明では、座部は、背もたれのリクライニングに伴って後方へ変位する際に、後端が下がる方向へ傾斜する。この傾斜は、たとえば、後方へ変位する際に、後端側が下がることで実現される、あるいは前端側が上昇することで実現される、あるいは後端側が下がりかつ前端側が上昇することで実現される。
【0014】
[3]前記支持部は、後方へ変位するときに、後端が下がりかつ前端が上がるように前記座部を変位させる
ことを特徴とする[1]または[2]に記載のリクライニング機構付き椅子。
【0015】
[4]前記支持部は、前記座部の幅方向を軸方向とするローラとこのローラに当接される当接ブロックとを一対とし、その一方が前記座部の裏面に設けられ、他方が座部の下方の台部に設けられるものを、前記座部の前端側と後端側にそれぞれ有し、
前記当接ブロックの前記ローラに当接する面は、前記座部の前後方向の中心側から外側に向けて下り傾斜している
ことを特徴とする[2]または[3]に記載のリクライニング機構付き椅子。
【0016】
上記発明では、当接ブロックの傾斜した当接面がローラ上を移動することにより、前後の変位と上下の変位が同時に実現される。
【0017】
[5]前記当接ブロックの傾斜した面は、前記座部の下方に中心があって該座部の前後方向を直径方向とする所定の円の円周に沿う曲面をなしている
ことを特徴とする[4]に記載のリクライニング機構付き椅子。
【0018】
上記発明では、座部は円周に沿うことで少ない抵抗で滑らかに変位する。
【0019】
[6]前記連動部は、前記回転中心の下方で前記背もたれに第1端部が連結され、前記座部に第2端部が連結され、前記第1端部と前記第2端部の間の所定箇所が台部に軸支されたリンク部材を有する
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載のリクライニング機構付き椅子。
【0020】
上記発明では、簡単な構成で、背もたれ下部の動きを反転させて座部に伝達することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、リクライニング時の背もたれの後方への突出量を少なく抑えつつ、背もたれの後倒に連動して座部が後方に変位するリクライニング機構付き椅子が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に基づき本発明の各種実施の形態を説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係わるリクライニング機構付き椅子10の概略構造であって背もたれを起こした状態(アップライト姿勢)のリクライニング機構付き椅子10を示す。図2は、背もたれをリクライニングさせた(後ろへ倒した)状態を示す。図3はクッションを取り去った状態のリクライニング機構付き椅子10の主要部を示す斜視図である。
【0024】
リクライニング機構付き椅子10は、鉄道車両の車内に設置される二人掛けの座席として構成されている。リクライニング機構付き椅子10は、床面に設置される脚部11と、この脚部11の上に床面と水平に回転可能に軸支された台枠部12と、人が着座する座部13と、台枠部12に対して座部13を前後に変位可能に支持する支持部14と、座部13の後端側にあって座部13より上方に回転中心(回転軸21)を有するリクライニング可能な背もたれ15と、回転中心(回転軸21)より下方における背もたれ15の前後方向の動きを反転させて座部13に伝達することで、背もたれ15が後方へリクライニングすると座部13が後方へ変位し、背もたれ15が起きると座部13が前方へ変位するように背もたれ15と座部13とを連結して連動させる連動部16と、を備えて構成される。
【0025】
台枠部12は、脚部11に対して図1に示す位置(車両の進行方向を向く位置)とこれに対して180度回転した位置のいずれかでロックされ、該ロックは操作ペダル22を踏み込むことで解除されるようになっている。
【0026】
台枠部12は、図3に示すように、前後に平行に配置される2本の支持ビーム12aと、これらをその左右両端で接続する側板12bと、2本の支持ビーム12aをその中央で接続しかつ脚部11の中央に設けられた軸受(図示省略)に挿入されるように、軸部12cを備えている。
【0027】
また、後方側の支持ビーム12a(B)には、背もたれ15の回転軸21の両端を支持する支持腕12dが立設されている。なお、図3では手前側で回転軸21を支持するための支持腕は図示省略してある。また、各符号の末尾に付した(F)の記号は前端側、(B)は後端側を示すものとする。
【0028】
座部13は、矩形の枠を成した座フレーム13aと、座フレーム13aの左右の枠材間に架け渡されて座面を裏側から支持する複数の波型ばね13bと、座フレーム13a全体を上から覆うシートクッション13c(図1参照)とを備えて構成される。
【0029】
図1、図2に示すように、座部13を台枠部12の上で前後に変位可能に支持する支持部14は、座部13の幅方向を軸方向とするローラ14aとこのローラ14aに当接される当接ブロック14bとを一対とするものを、座部13の前端側の左右に一対ずつと、座部13の後端側の左右に一対ずつ配置して構成される。ここでは、座部13(座フレーム13a)の裏面に当接ブロック14bを設け、台枠部12の対応する位置にローラ14aを回転可能に取り付けてある。
【0030】
より詳細には、座フレーム13aの前端側の枠部裏面の左右にそれぞれ当接ブロック14b(F)を取り付け、座フレーム13aの後端側の枠部裏面の左右にそれぞれ当接ブロック14b(B)を取り付けてある。
【0031】
座部13の前端側の左右に設けた当接ブロック14b(F)に対応して設けられるローラ14a(F)は、台枠部12の前側の支持ビーム12a(F)に前方へ突出するように固定された取付板23に軸支されている。また、座部13の後端側の左右に設けた当接ブロック14b(B)に対応して設けられるローラ14a(B)は、台枠部12の後方側の支持ビーム12a(B)に前方へ突出するように固定された取付板23に軸支されている。
【0032】
各当接ブロック14bのローラ14aに当接する面(当接面)は、座部13の前後方向の中心側から外側に向けて下り傾斜している。ここでは、下り傾斜した当接面は、座部13の下方に中心があって座部13の前後方向を直径方向とする円の円周に沿う曲面を成している。
【0033】
図4は、支持部14によって支持された座部13の動きを簡略化して示している。図4では、座部13の座フレーム13aと、その裏面に取り付けられた前後の当接ブロック14b(F)、(B)と、これらに対応するローラ14a(F)、(B)のみを示してある。
【0034】
座部13(座フレーム13a)裏面の当接ブロック14bはそれぞれに対応するローラ14aの上に載置されている。図中の実線で示す位置にあるときには座部13(座フレーム13a)は床面に対してほぼ水平な状態(もしくは前端から後端へ少し下り傾斜した状態)となっている。当接ブロック14bの当接面(下面)がローラ14aの周面に当接する状態を維持して座部13(座フレーム13a)が後方へ変位すると、図中の一点破線で示すように、座部13(座フレーム13a)の後端側は後方への変位に伴って下降し、座部13(座フレーム13a)の前端側は後方への変位に伴って上昇する。
【0035】
より詳細には、前側の当接ブロック14b(F)の当接面および後ろ側の当接ブロック14b(B)の当接面は共に座部13(座フレーム13a)の下方に中心がある大径の仮想の円Mの円周に沿う曲面を成しており、ローラ14aの周面はこの仮想の円Mの内側に接するように配置されている。座部13(座フレーム13a)の裏面に設けた各当接ブロック14bは、この仮想の円Mの円周に沿って変位する。その結果、座部13(座フレーム13a)が円Mのほぼ真上の位置から円Mの円周に沿って後方へ変位すると、座部13は後端側が下がりかつ前端側が上昇するように傾斜し、仮想の円Mの真上に戻れば、ほぼ水平な姿勢に復帰するという動きになる。
【0036】
次に、連動部16の構成を図5に基づいて説明する。
【0037】
連動部16は、背もたれ15の回転中心(回転軸21)より下方側で背もたれ15の背フレーム15aに第1端部31が連結され、座部13の座フレーム13aの後端側部に第2端部32が連結され、第1端部31と第2端部32の間の所定箇所(この例ではほぼ中央)が、台枠部12の後端部から立設された第2支持腕12eの先端部に軸33を介して回動可能に支持されたリンク部材30を備えている。
【0038】
より詳細には、背フレーム15aの下部には、前方へ膨らむように湾曲して下方へ伸びる湾曲腕24が設けてあり、この湾曲腕24の基端部側は回転軸21で支持腕12dの先端部に軸支されている。湾曲腕24にはその中間より少し下端側の位置に第1ピン25が回転軸21と平行に取り付けてある。リンク部材30の第1端部31には、この第1ピン25に係合される第1長穴31aが設けてある。また、座部13の座フレーム13aの後端側部にも回転軸21と平行に第2ピン26が立設されており、リンク部材30の第2端部32にはこの第2ピン26に係合される第2長穴32aが設けられている。
【0039】
第1長穴31aおよび第2長穴32aおよび軸33は一直線上に配置され、かつ第1長穴31aおよび第2長穴32aはその長手方向がこの直線に沿った向きとなるように形成されている。
【0040】
背もたれ15がリクライニングすると、回転軸21を中心に湾曲腕24が図中の矢印J1方向に回動し、回転軸21より下方にある第1ピン25は前方へ進出する。この第1ピン25に係合された第1長穴31aを有するリンク部材30は、第1ピン25が前方へ進出すると、第1長穴31aのある第1端部31側が前方へ移動するように軸33を中心に矢印J2方向に回動し、反対側の第2端部32は後方(矢印J3方向)へ移動する。この移動に伴い、第2端部32の第2長穴32aに係合(挿入)された第2ピン26を有する座部13の座フレーム13aが後方へ変位する。
【0041】
背もたれ15のリクライニングに連動して座部13(座フレーム13a)が後方へ変位する際には、図4で示したように、座部13(座フレーム13a)はその後端側が下がり、かつ前端側が上昇するように傾斜する。
【0042】
背もたれ15がリクライニング姿勢からアップライト姿勢に起きる場合には、回転軸21を中心に湾曲腕24が矢印K1方向に回動し、回転軸21より下方にある第1ピン25は後方(矢印K2方向)へ後退する。この第1ピン25に係合された第1長穴31aを有するリンク部材30は、第1ピン25が後方へ後退すると、第1長穴31aのある第1端部31側が後方へ移動するように軸33を中心に矢印K2方向へ回動し、反対側の第2端部32は前方(矢印K3方向)へ移動する。この移動に伴い、第2端部32の第2長穴32aに係合(挿入)された第2ピン26を有する座部13の座フレーム13aは前方へ変位する。
【0043】
背もたれ15のアップライト姿勢への復帰に連動して座部13(座フレーム13a)が前方へ変位する際には、図4で示したように、座部13(座フレーム13a)の後端側が上昇し、かつ前端側が下降して、水平(図4の実線で示す位置)に戻るように変位する。
【0044】
このとき、着座者の体重が座部13の前端に下降する向きに加わるので、座部13を前方へ移動させるための力が補助される。すなわち、座部13は仮想の円Mの円周に沿って図4に示すように変位する。したがって、前端側が上昇するように傾斜した図4の一点破線で示す位置にある座部13の前端に加わる着座者の体重による下向きの力は、仮想の円Mに沿って座部13を図4の実線で示す位置に移動させる力として作用し、前方への移動が補助される。
【0045】
このように、本実施の形態に係るリクライニング機構付き椅子10では、背もたれ15の回転中心(回転軸21)より下方における背もたれ15の前後方向の動きを、連動部16のリンク部材30によって反転させて座部13に伝達する。これにより、背もたれ15の回転中心が座部13より高い位置にあっても、背もたれ15と座部13とを、背もたれ15が後方へリクライニングする際に座部13が後方へ変位し、背もたれが起きる際に座部13が前方へ変位するように連動させることができる。
【0046】
また背もたれ15のリクライニングに連動して座部13が後方にスライドしかつ後端側が下がる方向に座面を傾斜(チルト)させるので、リクライニングの前後で、着座者に違和感を与えず、腰を持ち上げて座り直す必要のない快適な座り心地を提供することができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0048】
連動部16は実施の形態に示す構成に限定されるものではない。たとえば、背フレーム15aの下端を座部13(座フレーム13a)のさらに下方まで伸ばし、その下端にリンク部材30の第1端部31を連結し、第2端部32を座部13(座フレーム13a)の後端部に連結し、第1端部31と第2端部32との間に軸33が台枠部12に軸支される構成としてもよい。
【0049】
また、連動部16は、回転中心(回転軸21)より下方における背もたれ15の前後方向の動きを反転させる機構であれば、任意の機構でよい。たとえば、歯車を利用して反転させるものであってもよい。
【0050】
支持部14の構造は実施の形態で示したものに限定されず、たとえば、リンクの組み合わせにより座部13を前後もしくは前後と傾斜を変位可能に支持するものであってもよい。
【0051】
実施の形態では、前端側の当接ブロック14b(F)と後端側の当接ブロック14b(B)の双方の当接面を傾斜させたが、前後の変位に伴って上下に変位させることを望む側の当接ブロック14bの当接面にのみ傾斜を与えてもよい。たとえば、座部13を前後の変位に伴って後端側のみ上下に変位させる場合は、後端側の当接ブロック14b(B)の当接面にのみ傾斜を与えればよい。また、前端、後端共に上下の変位が不要なら、すべての当接ブロック14bの当接面を水平面にすればよい。
【0052】
実施の形態ではローラ14aを台枠部12側に設け、当接ブロック14bを座部13(座フレーム13a)の裏面に設けたが、これらの配置は逆であってもよい。すなわち、ローラ14aを座部13(座フレーム13a)の裏面に、当接ブロック14bをその当接面が上になるように上下反転させて台枠部12側に取り付けてもよい。
【0053】
さらに実施の形態では支持部14のローラ14aと当接ブロック14bを一対とするものを座部13の前端側と後端側とに分けて設けたが、前端側の当接ブロック14b(F)と後端側の当接ブロック14b(B)とを一体のブロックとして構成してもよい。
【0054】
このほか、実施の形態では、鉄道車両用の二人掛けの椅子として構成したが、航空機用の椅子や、劇場用、書斎用の椅子などであってもよく、椅子の用途は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態に係わるリクライニング機構付き椅子の概略構成を、背もたれを立てた状態で示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるリクライニング機構付き椅子の概略構成を、背もたれをリクライニングさせた状態で示す側面図である。
【図3】図1に示すリクライニング機構付き椅子の主要部を示す斜視図である。
【図4】支持部の構成および作用を示す説明図である。
【図5】連動部を拡大して示す側面図である。
【符号の説明】
【0056】
10…リクライニング機構付き椅子
11…脚部
12…台枠部
12a…支持ビーム
12b…側板
12c…軸受部
12d…支持腕
12e…第2支持腕
13…座部
13a…座フレーム
13b…波型ばね
13c…シートクッション
14…支持部
14a…ローラ
14b…当接ブロック
15…背もたれ
15a…背フレーム
16…連動部
21…回転軸
22…操作ペダル
23…取付板
24…湾曲腕
25…第1ピン
26…第2ピン
30…リンク部材
31…第1端部
31a…第1長穴
32…第2端部
32a…第2長穴
33…軸
M…仮想の円

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、
前記座部を前後に変位可能に支持する支持部と、
前記座部より上方に回転中心を有するリクライニング可能な背もたれと、
前記回転中心より下方における前記背もたれの前後方向の動きを反転させて前記座部に伝達することで、前記背もたれが後方へリクライニングすると前記座部が後方へ変位し前記背もたれが起きると前記座部が前方へ変位するように前記背もたれと前記座部とを連動させる連動部と、
を有する
ことを特徴とするリクライニング機構付き椅子。
【請求項2】
前記支持部は、後方へ変位するときに、後端が下がる方向へ傾斜するように前記座部を変位させる
ことを特徴とする請求項1に記載のリクライニング機構付き椅子。
【請求項3】
前記支持部は、後方へ変位するときに、後端が下がりかつ前端が上がるように前記座部を変位させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のリクライニング機構付き椅子。
【請求項4】
前記支持部は、前記座部の幅方向を軸方向とするローラとこのローラに当接される当接ブロックとを一対とし、その一方が前記座部の裏面に設けられ、他方が座部の下方の台部に設けられるものを、前記座部の前端側と後端側にそれぞれ有し、
前記当接ブロックの前記ローラに当接する面は、前記座部の前後方向の中心側から外側に向けて下り傾斜している
ことを特徴とする請求項2または3に記載のリクライニング機構付き椅子。
【請求項5】
前記当接ブロックの傾斜した面は、前記座部の下方に中心があって該座部の前後方向を直径方向とする所定の円の円周に沿う曲面をなしている
ことを特徴とする請求項4に記載のリクライニング機構付き椅子。
【請求項6】
前記連動部は、前記回転中心の下方で前記背もたれに第1端部が連結され、前記座部に第2端部が連結され、前記第1端部と前記第2端部の間の所定箇所が台部に軸支されたリンク部材を有する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のリクライニング機構付き椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−88814(P2010−88814A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264444(P2008−264444)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000196587)西日本旅客鉄道株式会社 (202)
【出願人】(390010054)小糸工業株式会社 (136)
【Fターム(参考)】