説明

リコール対象製品所在判別システム、画像形成装置、リコール対象製品所在判別プログラム

【課題】リコール対象となる製品の所在を、迅速かつ確実に判別する。
【解決手段】プリンタ10が、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kの交換の際に、CRUM92に記憶された情報を、情報読取兼書込部94によって読み取り、リコール対象製品か否かの判別を行い、リコール対象製品であった場合に、一律に画像形成動作を禁止する。リコール対象である旨の連絡を受けたことを連絡先に連絡することで、画像形成動作禁止の解除の手段(解除コード)を受け取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リコール対象製品所在判別システム、画像形成装置、リコール対象製品所在判別プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品に不具合があり、リコールする場合、新聞への社告記事掲載、テレビやラジオ放送、ホームページへの掲載等、様々な手段を用いて、当該製品を所持、使用等している顧客に告知(報知)するようにしている。
【0003】
上記告知(報知)では、全ての顧客にリコール情報が伝わるとは限らず、伝わった顧客からの連絡がない場合もあり、製品回収が進まず、リコール期間の長期化を招いている。
【0004】
特許文献1には、交換部品の情報をワイヤレス監視するシステムが提案されており、交換部品の識別子とリコール情報を含む部品情報データベースを比較し監視することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−12048公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、本構成を有しない場合に比べて、リコール対象となる製品の使用者に対して、確実にリコール発信元への連絡を促すことができるリコール対象製品所在判別システム、画像形成装置、リコール対象製品所在判別プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、製品本体に対して着脱可能であり、製品本体を使用していく上で消耗して交換を要する消耗品に取り付けられ、少なくとも当該消耗品を使用する製品本体のリコール情報を記憶することが可能とされた記憶媒体と、前記製品本体側に設けられ、前記消耗品が装着されたときに、前記記憶媒体に記憶された情報を読み取る情報読取手段と、前記情報読取手段で読み取った情報から、前記製品本体がリコール対象製品に該当するか否かを判別する判別手段と、前記判別手段でリコール対象製品と判別された場合に、リコール発信元への連絡を促すように報知する報知手段と、を有している。
【0008】
請求項2に記載の発明は、画像データに基づいて潜像を形成し、当該潜像に対して現像剤を供給することで現像し、当該現像により形成された現像剤像を記録用紙に転写して出力する画像形成装置であって、置本体に対して着脱可能であり、少なくとも前記現像剤を有するカートリッジに取り付けられ、少なくとも当該カートリッジを使用する装置本体のリコール情報を記憶することが可能とされた記憶媒体と、前記装置本体側に設けられ、前記カートリッジが装着されたときに、前記記憶媒体に記憶された情報を読み取る情報読取手段と、前記情報読取手段で読み取った情報から、前記装置本体がリコール対象製品に該当するか否かを判別する判別手段と、前記判別手段でリコール対象製品と判別された場合に、リコール発信元への連絡を促すように報知する報知手段と、を有している。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記報知手段が、前記記録用紙へのリコール情報の印刷、装置本体インターフェイスパネルへのリコール情報の表示、前記画像データの出力元となり得る外部端末へのリコール情報の送信の少なくとも1つを用いて報知する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記報知が、画像形成時のジョブ実行毎に実行される請求項3記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記請求項2〜請求項4の何れか1項記載の発明において、前記判別手段でリコール対象製品と判別された場合に、画像形成動作を禁止する禁止手段と、メーカ側がリコール対象製品であることを認識することを条件に禁止手段による画像形成動作の禁止を解除する解除手段と、をさらに有する。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記請求項2〜請求項5の何れか1項記載の発明において、前記判別手段でリコール対象製品と判別された場合に、必要最小限の画像形成処理が実行可能な、予め設定した安全動作モードへ強制移行するモード移行手段をさらに有する。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記請求項2〜請求項6の何れか1項記載の発明において、前記記憶媒体には、リコール対象製品を特定する情報に加え、リコール対象製品の不具合内容情報を記憶することが可能とされており、当該不具合内容情報に基づいて、前記装置本体における動作制限をする、或いは動作禁止をする箇所を選択する。
【0014】
請求項8に記載の発明は、製品本体に対して着脱可能であり、製品本体を使用していく上で消耗して交換を要する消耗品に取り付けられた記憶媒体に、少なくとも当該消耗品を使用する製品本体のリコール情報が記憶され、前記製品本体がリコール対象製品に該当するか否かを判別するリコール対象製品所在判別プログラムであって、前記消耗品が前記製品本体側に装着されたときに、前記記憶媒体に記憶された情報を読み取り、前記読み取った情報から、前記製品本体がリコール対象製品に該当するか否かを判別し、リコール対象製品と判別された場合に、リコール発信元への連絡を促すように報知することをコンピュータに実行させるリコール対象製品所在判別プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、リコール対象となる製品の使用者に対して、確実にリコール発信元への連絡を促すことができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、リコール対象となる製品の使用者に対して、確実にリコール発信元への連絡を促すことができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、ユーザーがリコール情報を認識しやすくなる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、ジョブ実行毎に必然的に報知できる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、リコール対象製品であることをメーカ側に連絡して解除する手段を取得するまで、画像形成動作を禁止することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、リコール対象製品であっても、予め設定した安全モードの下で、必要最小限の動作を行うことができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、不具合内容情報に基づいて、画像形成動作禁止箇所を選択することができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、リコール対象となる製品の所在を、迅速かつ確実に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係るプリンタにおける制御ユニットのハード構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る装填部を図1の右側面から見た断面図である。
【図4】第1の実施の形態に係るリコール対象製品判別、並びにその後の処置のための制御を機能的に示した制御ブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係るUIに表示される、リコール対象製品となったときに報知内容を示す表示面の正面図である。
【図6】第1の実施の形態に係るリコール対象製品判別、並びにその後の処置のための制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係るリコール対象製品判別、並びにその後の処置のための制御ルーチン(メインルーチン)を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態に係る制御コードNo.1制御に係るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る制御コードNo.2制御に係るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係る制御コードNo.3制御に係るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態に係る制御コードNo.4x制御に係るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態に係る制御コードNo.5制御に係るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態に係る制御コードNo.6制御に係るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態に係る制御コードNo.7制御に係るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態に係る制御コードNo.8制御に係るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】第2の実施の形態に係る制御コードNo.9制御に係るサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施の形態)
図1には、第1の実施の形態に係る画像形成装置としてのプリンタ10が示されている。プリンタ10は、フルカラー画像又は白黒画像を形成するデジタルプリンタである。
【0025】
プリンタ10内部のプリンタエンジン部10Aの上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが交換可能に設けられている。
【0026】
YMCKの各色毎のトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kは、プリンタエンジン部10Aに設けられた装填部10B(図3参照)に装填されている。このトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kは、装填部10Bに対して、着脱可能であり(図3の矢印A参照)、内部に充填された二成分現像剤が空になると、ユーザーにより交換されるようになっている。
【0027】
トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kには、それぞれトナー供給路13Y、13M、13C、13Kの一端が接続されている。なお、トナー供給路13Y、13M、13C、13Kは、円管部材で構成されており、プリンタ10の側面に沿って下方側へ向けられた配置となっているが、途中経路の図示は省略している。
【0028】
また、プリンタ10内部の中央には、Y、M、C、Kの二成分現像剤に対応する4つの画像形成ユニット12(12Y、12M、12C、12K)が、図1の正面視にて右斜め下方に向けて互いに一部を重ねた状態で配置されている。
【0029】
画像形成ユニット12は、感光体28を備えている。感光体28の周囲には、感光体28の表面に接触して感光体28を一様に帯電する帯電装置の一例としての帯電ロールと、前述の露光光Lにより感光体28上に形成された静電潜像を各色の二成分現像剤(トナーとキャリア)で現像する現像部31と、転写後の感光体28の表面に光を照射して除電を行う除電装置の一例としてのイレーズランプと、除電後の感光体28の表面を清掃するクリーニングユニットとが設けられている。
【0030】
二成分現像剤は、非磁性タイプのトナーと、磁性を有するキャリアとが混合されたものである。ここで、トナー供給路13Y、13M、13C、13Kの他端が、4つの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kにそれぞれ接続されており、各色のトナー及び少量のキャリアが各画像形成ユニット12に供給されるようになっている。なお、トナーとキャリアの配合率は、プリンタ10の処理仕様によって異なるが、トナー:キャリア=9:1程度である。一方、もともと、現像部31内の存在する二成分現像剤のトナーとキャリアの配合率は、プリンタ10の処理仕様によって異なるが、トナー:キャリア=1:9程度である。
【0031】
各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの上方には、転写部14が設けられている。転写部14は、中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の内側に配置され、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの各トナー像を中間転写ベルト16に多重転写させる4つの一次転写部材としての一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kと、中間転写ベルト16上で重ねられたトナー像を、記録用紙Pに転写させる二次転写ロール20とを有している。
【0032】
中間転写ベルト16は、図示しないモータで駆動される駆動ロール22と、中間転写ベルト16の張力を調整するテンションロール24と、二次転写ロール20と対向配置されたバックアップロール26とで構成されるローラ群に、一定の張力で巻き掛けられており、駆動ロール22により、図1の矢印X方向(反時計回り方向)に周回駆動されるようになっている。
【0033】
一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、中間転写ベルト16を挟んでそれぞれの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28(28Y、28M、28C、28K)と対向配置されている。また、一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性(第1の実施形態では一例として正極性)の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。なお、二次転写ロール20も、給電ユニットによって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が付与されるようになっている。
【0034】
また、中間転写ベルト16の駆動ロール22が設けられている位置の外周面には、クリーニング装置30が設けられている。クリーニング装置30は、クリーニングブラシ32及びクリーニングブレード34を備えており、クリーニングブラシ32及びクリーニングブレード34によって、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0035】
プリンタ10の記録用紙Pの搬送経路と反対側の側面近傍には、プリンタ10の各部の駆動制御を行う制御ユニット36が設けられている。また、画像形成ユニット12の下側には、帯電された感光体28の表面に各色に対応した露光光L(LY、LM、LC、LK)を照射して静電潜像を形成する露光ユニット40が設けられている。
【0036】
露光ユニット40は、4つの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kに共通の1つのユニットで構成されており、4つの半導体レーザ(図示省略)を各色の色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザから露光光LY、LM、LC、LKを階調データに応じて出射するように構成されている。なお、露光ユニット40は、各画像形成ユニット12毎に個別に設けてもよい。
【0037】
また、露光ユニット40は、矩形のフレーム38で密閉されており、内部には、各露光光Lを主走査方向に走査するためのfθレンズ(図示省略)及びポリゴンミラー42が設けられている。フレーム38の上面には、4本の露光光LY、LM、LC、LKを、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28に向けて出射するためのガラス窓44Y、44M、44C、44Kが設けられている。
【0038】
ここで、露光ユニット40の半導体レーザから出射された露光光LY、LM、LC、LKはポリゴンミラー42に照射され、このポリゴンミラー42から反射した光がfθレンズを介して偏向走査される。ポリゴンミラー42で偏向走査された露光光LY、LM、LC、LKは、結像レンズ及び複数枚のミラーからなる光学系(図示省略)を介して、感光体28上の露光ポイントに走査露光される。
【0039】
一方、露光ユニット40の下側には、記録用紙Pが収納された給紙カセット46が配置されている。また、給紙カセット46の端部から鉛直方向上方には、記録用紙Pを搬送する用紙搬送路50が設けられている。
【0040】
用紙搬送路50には、記録用紙Pを給紙カセット46から送り出す給紙ロール48と、記録用紙Pを1枚ずつ給紙させる用紙分離搬送用のロール対52と、中間転写ベルト16上の画像の移動タイミングと記録用紙Pの搬送タイミングを合わせる用紙先端位置合わせロール54とが設けられている。ここで、給紙カセット46から給紙ロール48によって順次送出された記録用紙Pは、用紙搬送路50を経由して、間欠的に回転する用紙先端位置合わせロール54によって中間転写ベルト16の二次転写位置まで一旦搬送され、停止される。
【0041】
二次転写ロール20の上方には、定着装置60が設けられている。定着装置60は、加熱された加熱ロール62と、この加熱ロール62に圧接された加圧ロール64とを備えている。ここで、二次転写ロール20によって各色のトナー像が転写された記録用紙Pは、加熱ロール62と加圧ロール64との圧接部で熱及び圧力により定着され、記録用紙Pの搬送方向下流側に設けられた排出装置の一例としての排紙ロール66によって、プリンタ10の上部に設けられた排出部68に排出されるようになっている。また、トナー像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト16の表面は、クリーニング装置30によって残留トナーや紙粉等が除去される。
【0042】
図2に示される如く、制御ユニット36は、メインコントロール部70を含んでいる。メインコントロール部70は、CPU72、RAM74、ROM76、I/O(入出力部)78、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス80を有している。
【0043】
I/O78には、前記プリンタ10における搬送系や、画像形成のための走査露光系、現像系等の各処理系を制御し、管理するための印刷制御管理部88が接続されている。
【0044】
より詳細には、印刷制御管理部88には、搬送制御部100、走査露光制御部102、現像制御部104、転写制御部106、定着制御部108が接続され、各部の制御を管理している。
【0045】
印刷制御管理部88は、I/O78ではなく、直接バス80に接続された構成であってもよい。また、ここでは、印刷に関する制御を印刷制御管理部88に集約する構成としたが、当該制御をメインコントロール部70で実行する構成であってもよい。
【0046】
また、I/O78には、UI(ユーザ・インターフェイス)82が接続されている。UI82は、ユーザーからの入力指示を受け付け、かつユーザーへ画像処理に関する情報を報知する役目を有している。さらに、I/O78には、ハードディスク84が接続されている。また、I/O78は、I/F86を介して通信回線網90に接続されている。
【0047】
図3には、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kがプリンタエンジン部10Aに設けられた装填部10Bに装填された状態が概念的に示されている。
【0048】
トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kの筐体は、筒状で内部に二成分現像剤が充填されている。このトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kは、プリンタエンジン部10A側に設けられた装填部10Bに装填することで、当該プリンタエンジン部10A側の駆動系(歯車)と、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11K側の被駆動系(歯車)とが連結されるようになっている。
【0049】
トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kは、プリンタエンジン部10A側の駆動系から受ける駆動力によって、二成分現像剤をプリンタエンジン部10A側のトナー供給路13Y、13M、13C、13Kへ吐出する。
【0050】
ここで、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kには、記憶媒体92(以下「CRUM92」という)が取り付けられている。
【0051】
このCRUM92には、各種メンテナンス情報(CRUM情報)が記憶されるようになっている。その一部として、CRUM92には、リコール対象製品を特定する識別情報(以下、「リコール対象製品識別情報」という)が記憶されている。尚、このリコール対象製品識別情報は、リコールの有無を常にCRUM92に記憶させておいてもよいし、リコールが有る場合に限りリコールが有ることをCRUM92に記憶させておいてもよい。
【0052】
一方、プリンタエンジン部10Aの装填部10Bにおける最深部には、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが装填されたときに、前記CRUM92と対向する位置に、情報読取兼書込部94が配置されている。この情報読取兼書込部94は、CRUM92に設けられた端子と接触して情報を読み取るタイプでもよいし、所謂RFIC(無線タグ)のように非接触側の情報読取機能を具備していてもよい。尚、ここでは、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11KにCRUM92が装着された形態で説明するが、交換を要する消耗品であれば、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kに限らず、感光体28を含む各画像形成ユニットや、現像部31を含む各画像形成ユニット、中間転写ベルト16、定着装置60、露光ユニット40、等、製品本体の事情で適宜、交換を要する消耗品としてよい。
【0053】
情報読取兼書込部94は、前記印刷制御管理部88に接続されており、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが装填されたときに、少なくとも、CRUM情報の読取、書込が実行されるようになっている。
【0054】
ここで、第1の実施の形態では、印刷制御管理部88では、CRUM92からリコール対象製品識別情報を読み取り、読み取ったプリンタ10側において、自己を特定する製品識別情報と照合し、リコール対象製品か否かを判別する。
【0055】
言い換えれば、プリンタ10の動作を継続していく上で、定期的に実行される消耗品交換(ここでは、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kの交換)に連動して、リコール対象製品識別情報を読み取ることで、テレビ、ラジオ、インターネット、新聞当のメディアを介して告知するよりも、理論的には確実にリコール対象製品の特定が可能となる。
【0056】
ここで、ユーザへのリコール情報の報知は、記録用紙Pへのリコール情報の印刷、UI(ユーザ・インターフェイス)82へのリコール情報の表示、通信回線網90に接続された画像データの出力元となり得るコンピュータ、携帯電話等の形態端末、などの外部端末へのリコール情報の表示でおこなうことになる。
【0057】
第1の実施の形態では、プリンタ10における前記照合の結果、自己製品がリコール対象製品であると認識した場合に、基本動作、すなわち画像形成動作を禁止し、UI82(図2参照)にリコール対象製品であるため、所定の連絡先に連絡を促す表示をするようにしている(図5に示す表示内容参照)。
【0058】
なお、UI82の表示面82Mには、図5に示される如く、「この機械はリコール対象機です。印刷することは出来ません。解除するためには下記まで連絡をお願いします。」と表示されると共に、電話番号、URL等が表示されるようになっている。
【0059】
また、第1の実施の形態では、前記所定の連絡先への連絡があった際に、画像形成動作の禁止状態を解除するための手段(例えば、解除コード)を伝えるようにしている。
【0060】
図4は、印刷制御管理部88における前述した「リコール対象製品判別」に関する制御を、機能的示したブロック図である。なお、このブロック図は、あくまでも機能別に分類したものであり、印刷制御管理部88のハード構成を限定するものではない。
【0061】
印刷制御管理部88には、画像形成実行制御部132が設けられ、前記搬送制御部100、走査露光制御部102、現像制御部104、転写制御部106、定着制御部108がそれぞれ接続されている。
【0062】
また、印刷制御管理部88には、ジョブ実行指示信号が入力されるようになっており、このジョブ実行指示信号の入力に基づいて、前記搬送制御部100、走査露光制御部102、現像制御部104、転写制御部106、定着制御部108のそれぞれを制御して、画像形成処理を実行する。
【0063】
印刷制御管理部88には、前記情報読取兼書込部94が接続されている。このため、印刷制御管理部88は、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kに取り付けられたCRUM92に記憶された情報を読み取り可能となっている。
【0064】
前記画像形成実行制御部132には、リコール対象製品識別情報抽出部134が接続されている。
【0065】
このリコール対象製品識別情報抽出部134には、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが交換されたときにトナーカートリッジ交換情報が入力するようになっており、これをきっかけとして、前記情報読取兼書込部94から読み取った情報の中から、リコール対象製品識別情報を抽出する。
【0066】
抽出したリコール対象製品識別情報は、照合・判別部136へ送出されるようになっている。
【0067】
照合・判別部136には、自己製品特定用識別情報メモリ138が接続されている。照合・判別部136では、前記リコール対象製品識別情報抽出部134からリコール対象製品識別情報が入力されると、自己製品特定用識別情報メモリ138から当該プリンタ10の型式番号、製造番号等から生成される、自己を特定する自己製品特定用識別情報が読み出される。
【0068】
照合・判別部136では、リコール対象製品識別情報と、自己製品特定用識別情報とが照合され、合致したか否かが判別される。
【0069】
照合・判別部136は、リコール処理実行指示部140に接続されており、リコール確定信号をリコール処理実行指示部140へ送出する。
【0070】
リコール処理実行指示部140は、前記リコール確定信号が入力されると、動作禁止指示出力部142へ禁止指示信号を送出し、報知制御部144へ報知指示信号を送出し、動作解除制御部146へ起動指示信号を送出するようになっている。
【0071】
動作禁止指示出力部142では、禁止指示信号が入力されると、前記画像形成実行制御部132へ動作禁止信号を出力する。
【0072】
また、報知制御部144では、報知指示信号が入力されると、リコール報知内容情報メモリ148からリコール報知内容情報(図5参照)を読み出し、UI82を制御して、当該リコール報知内容を表示する。
【0073】
さらに、動作解除制御部146では、起動指示信号が入力されると、解除コード受付部150に起動信号を出力する。これにより、解除コード受付部150が有効状態となり、UI82(図2参照)からの解除コード入力が受け付け可能となる。
【0074】
解除コード受付部150で受け付けた解除コードは、動作解除制御部146へ送出され、予め定めておいた真の解除コードと照合され、照合の結果が合致した場合に、動作解除指示出力部152を介して、画像形成実行制御部132へ動作禁止解除信号を出力する。
【0075】
以下に第1の実施の形態の作用を説明する。
【0076】
(画像形成手順)
画像データは、さらにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の色材階調データに変換され、露光ユニット40に順次出力される。露光ユニット40では、各色の色材階調データに応じて各露光光Lを出射して、各感光体28に走査露光を行い、潜像(静電潜像)が形成される。
【0077】
感光体28上に形成された静電潜像は、現像部によって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として顕在化される(現像)。そして、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28上に順次形成された各色のトナー像は、4つの一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kによって中間転写ベルト16上に順次多重転写される。
【0078】
中間転写ベルト16上に多重転写された各色のトナー像は、二次転写ロール20によって、搬送されてきた記録用紙P上に二次転写される。そして、記録用紙P上の各色のトナー像が定着装置60で定着され、定着後の記録用紙Pは、排出トレイ68に排出される。
【0079】
トナー像の転写工程が終了した後の感光体28の表面は、クリーニングユニット76によって残留トナーや紙粉等が除去される。また、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等が、クリーニング装置30で除去される。
【0080】
(リコール対象製品判別)
図6には、プリンタ10がリコール対象製品になっているか否かを判別するためのリコール対象製品判別制御ルーチンを示すフローチャートが示されている。
【0081】
ステップ200では、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが交換されたか否かが判断され、否定判定されるとこのルーチンは終了する。
【0082】
ステップ200で、肯定判定されると、ステップ202へ移行して、情報読取兼書込部94を用いて、CRUM92からデータを読み取る。
【0083】
次のステップ204では、CRUM情報にリコール情報が存在するか否かを判断し、存在しない場合には、このルーチンは終了する。また、ステップ204で肯定判定、すなわち、リコール情報が存在する場合には、ステップ206へ移行する。
【0084】
ステップ206では、読み取ったCRUM情報から、リコール対象製品識別情報を抽出し、次いでステップ208へ移行して、自己製品特定用識別情報を読み出す。
【0085】
次のステップ210では、リコール対象製品識別情報と自己製品特定用識別情報とが照合され、当該プリンタ10がリコール対象製品か否かが判別される。
【0086】
このステップ210での判別の結果、リコール対象ではない(否定判定)と判別されると、このルーチンは終了する。
【0087】
また、ステップ210での判別の結果、リコール対象である(肯定判定)と判別されると、ステップ212へ移行して、まず、動作禁止指示を出し、次いで、ステップ214で報知指示を出し、さらにステップ216へ移行して、動作解除制御起動指示を出して、ステップ218へ移行する。
【0088】
前記ステップ212の動作禁止指示により、画像形成実行制御部132では、全ての画像形成動作を停止することで、画像形成ができなくなる。
【0089】
前記ステップ214の報知指示により、図5に示される如く、UI82の表示面82Mには、リコール対象製品である旨、並びに、連絡をしてくれれば、動作禁止を解除する手段を教える(解除コードの発行)旨を表示する。なお、第1の実施の形態では、視覚を通じた報知のみを示したが、聴覚を通じた報知としてもよいし、併用してもよい。
【0090】
ステップ216の動作解除制御起動指示により、解除コードの受付状態となる。
【0091】
ステップ218以降は、ユーザーが連絡先に連絡した後の処理であり、当該ステップ218では、解除コードが入力されたか否かが判断され、肯定判定されるまでこのステップ218を繰り返す。
【0092】
このステップ218で肯定判定されると、ステップ220へ移行して、入力された解除コードが予め設定しておいた真の解除コードと合致したか否かが判断される。
【0093】
このステップ220で否定判定された場合には、ステップ218へ戻り、上記工程を繰り返す。
【0094】
また、ステップ220で肯定判定された場合ニハ、ステップ222へ移行して、報知を解除(UI82の表示面82Mに表示したメッセージを消去)し、次いで、ステップ224へ移行して動作禁止解除指示を出し、このルーチンは終了する。
【0095】
(第2の実施の形態)
以下に第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
【0096】
第2の実施の形態の特徴は、前記第1の実施の形態が、プリンタ10がリコール対象製品か否かの判別を行い、リコール対象製品であった場合に、一律に画像形成動作を禁止するものであったのに対し、リコール対象製品であった場合に、画像形成動作を細分化して、当該リコールの詳細情報に基づいて、部分的に動作制限を行うものである(安全モード)。
【0097】
第2の実施の形態に係るCRUM92に記憶されたリコール情報には、リコール対象製品情報と共に、表1に示される如く、制御コードが設けられている。
【0098】
【表1】

【0099】
図7は、第2の実施の形態に係る動作モード設定メインルーチンである。
【0100】
ステップ200では、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが交換されたか否かが判断され、否定判定されるとこのルーチンは終了する。
【0101】
ステップ200で、肯定判定されると、ステップ202へ移行して、情報読取兼書込部94を用いて、CRUM92からデータを読み取る。
【0102】
次のステップ204では、CRUM情報にリコール情報が存在するか否かを判断し、存在しない場合には、このルーチンは終了する。また、ステップ204で肯定判定、すなわち、リコール情報が存在する場合には、ステップ206へ移行する。
【0103】
ステップ206では、読み取ったCRUM情報から、リコール対象製品識別情報を抽出し、次いでステップ208へ移行して、自己製品特定用識別情報を読み出す。
【0104】
次のステップ210では、リコール対象製品識別情報と自己製品特定用識別情報とが照合され、当該プリンタ10がリコール対象製品か否かが判別される。
【0105】
このステップ210での判別の結果、リコール対象ではない(否定判定)と判別されると、このルーチンは終了する。
【0106】
また、ステップ210での判別の結果、リコール対象製品である(肯定判定)と判別されると、ステップ250へ移行して制御コードを読み込む。
【0107】
次のステップ252では、読み込んだ制御コードが「No.1」か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ254へ移行して制御コードNo.1に基づく動作制御(図8参照)が実行される。また、ステップ252で否定判定された場合は、ステップ256へ移行する。
【0108】
次のステップ256では、読み込んだ制御コードが「No.2」か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ258へ移行して制御コードNo.2に基づく動作制御(図9参照)が実行される。また、ステップ256で否定判定された場合は、ステップ260へ移行する。
【0109】
次のステップ260では、読み込んだ制御コードが「No.3」か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ262へ移行して制御コードNo.3に基づく動作制御(図10参照)が実行される。また、ステップ260で否定判定された場合は、ステップ264へ移行する。
【0110】
次のステップ264では、読み込んだ制御コードが「No.4x」か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ266へ移行して制御コードNo.4xに基づく動作制御(図11参照)が実行される。また、ステップ264で否定判定された場合は、ステップ268へ移行する。
【0111】
次のステップ268では、読み込んだ制御コードが「No.5」か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ270へ移行して制御コードNo.5に基づく動作制御(図12参照)が実行される。また、ステップ268で否定判定された場合は、ステップ272へ移行する。
【0112】
次のステップ272では、読み込んだ制御コードが「No.6」か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ274へ移行して制御コードNo.6に基づく動作制御(図13参照)が実行される。また、ステップ272で否定判定された場合は、ステップ276へ移行する。
【0113】
次のステップ276では、読み込んだ制御コードが「No.7」か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ278へ移行して制御コードNo.7に基づく動作制御(図14参照)が実行される。また、ステップ276で否定判定された場合は、ステップ280へ移行する。
【0114】
次のステップ280では、読み込んだ制御コードが「No.8」か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ282へ移行して制御コードNo.8に基づく動作制御(図15参照)が実行される。また、ステップ280で否定判定された場合は、読み込んだ制御コードが「No.9」であると判断し、ステップ284へ移行して、制御コードNo.9に基づく動作制御(図16参照)が実行される。
【0115】
図8は、図7のステップ254における制御コードNo.1の制御サブルーチンである。
【0116】
ステップ300では、リコール対象製品である旨の報知を行い、次いでステップ302で省電力モードに移行し、ステップ304へ移行する。ステップ304では、解除コードが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ305へ移行して通常動作へ戻り、このルーチンは終了する。
【0117】
また、ステップ304で否定判定されると、ステップ306へ移行して印刷指示があるか否かが判断される。このステップ306で否定判定された場合には、ステップ304へ戻り、上記工程を繰り返す。ステップ306で肯定判定された場合には、ステップ308へ移行して、印刷処理を実行し、ステップ310へ移行する。ステップ310では、電源が切れる告知をした後、ステップ312へ移行して電源をオフして、終了する。
【0118】
図9は、図7のステップ258における制御コードNo.2の制御サブルーチンである。
【0119】
ステップ314では、リコール対象製品である旨の報知を行い、次いでステップ316で省電力モードに移行し、ステップ318へ移行する。ステップ318では、解除コードが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ320へ移行して通常動作へ戻り、このルーチンは終了する。
【0120】
また、ステップ318で否定判定されると、ステップ322へ移行して印刷指示があるか否かが判断される。このステップ322で否定判定された場合には、ステップ318へ戻り、上記工程を繰り返す。ステップ322で肯定判定された場合には、ステップ324へ移行して、印刷処理を実行する。
【0121】
図10は、図7のステップ262における制御コードNo.3の制御サブルーチンである。
【0122】
ステップ326では、リコール対象製品である旨の報知を行い、次いでステップ328で待機モードに移行し、ステップ330へ移行する。ステップ330では、解除コードが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ332へ移行して通常動作へ戻り、このルーチンは終了する。
【0123】
また、ステップ330で否定判定されると、ステップ334へ移行して印刷指示があるか否かが判断される。このステップ334で否定判定された場合には、ステップ330へ戻り、上記工程を繰り返す。ステップ334で肯定判定された場合には、ステップ336へ移行して、定着温度を下限に固定した状態で印刷処理を実行する。
【0124】
図11は、図7のステップ266における制御コードNo.4xの制御サブルーチンである。
【0125】
ステップ338では、リコール対象製品である旨の報知を行い、次いでステップ340で待機モードに移行し、ステップ342へ移行する。ステップ342では、解除コードが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ344へ移行して通常動作へ戻り、このルーチンは終了する。
【0126】
また、ステップ342で否定判定されると、ステップ346へ移行して印刷指示があるか否かが判断される。このステップ346で否定判定された場合には、ステップ342へ戻り、上記工程を繰り返す。ステップ346で肯定判定された場合には、ステップ348へ移行して、ユーザー指定トレイが該当トレイか否かが判断される。このステップ348で肯定判定されると、ステップ350へ移行して、トレイ変更のメッセージを表示し、ステップ352へ移行する。また、ステップ348で否定判定された場合は、ステップ352へ移行する。ステップ352では、印刷処理を実行する。
【0127】
図12は、図7のステップ270における制御コードNo.5の制御サブルーチンである。
【0128】
ステップ354では、リコール対象製品である旨の報知を行い、次いでステップ356で待機モードに移行し、ステップ358へ移行する。ステップ358では、解除コードが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ360へ移行して通常動作へ戻り、このルーチンは終了する。
【0129】
また、ステップ358で否定判定されると、ステップ362へ移行して印刷指示があるか否かが判断される。このステップ362で否定判定された場合には、ステップ358へ戻り、上記工程を繰り返す。ステップ362で肯定判定された場合には、ステップ364へ移行して、印刷指示枚数が設定枚数を超えているか否かが判断される。このステップ364で肯定判定されると、ステップ366へ移行して、印刷時に設定枚数毎に一定時間印刷処理を中断する指示を出し、ステップ368へ移行する。また、ステップ364で否定判定された場合は、ステップ368へ移行する。ステップ368では、印刷処理を実行する。
【0130】
図13は、図7のステップ274における制御コードNo.6の制御サブルーチンである。
【0131】
ステップ370では、リコール対象製品である旨の報知を行い、次いでステップ372で待機モードに移行し、ステップ374へ移行する。ステップ374では、解除コードが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ376へ移行して通常動作へ戻り、このルーチンは終了する。
【0132】
また、ステップ374で否定判定されると、ステップ378へ移行して印刷指示があるか否かが判断される。このステップ378で否定判定された場合には、ステップ374へ戻り、上記工程を繰り返す。ステップ378で肯定判定された場合には、ステップ380へ移行して、印刷速度を下げて印刷処理を実行する。
【0133】
図14は、図7のステップ278における制御コードNo.7の制御サブルーチンである。
【0134】
ステップ382では、リコール対象製品である旨の報知を行い、次いでステップ384で待機モードに移行し、ステップ386へ移行する。ステップ386では、解除コードが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ388へ移行して通常動作へ戻り、このルーチンは終了する。
【0135】
また、ステップ386で否定判定されると、ステップ390へ移行して印刷指示があるか否かが判断される。このステップ390で否定判定された場合には、ステップ388へ戻り、上記工程を繰り返す。ステップ390で肯定判定された場合には、ステップ392へ移行して両面印刷指示か否かが判断される。このステップ392で肯定判定されると、ステップ394へ移行して、片面印刷への変更メッセージを表示し、ステップ396へ移行する。また、ステップ392で否定判定された場合は、ステップ396へ移行する。ステップ396では、印刷処理を実行する。
【0136】
図15は、図7のステップ282における制御コードNo.8の制御サブルーチンである。
【0137】
ステップ400では、リコール対象製品である旨の報知を行い、次いでステップ402で待機モードに移行し、ステップ404へ移行する。ステップ404では、解除コードが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ406へ移行して通常動作へ戻り、このルーチンは終了する。
【0138】
また、ステップ404で否定判定されると、ステップ408へ移行して印刷指示があるか否かが判断される。このステップ408で否定判定された場合には、ステップ404へ戻り、上記工程を繰り返す。ステップ408で肯定判定された場合には、ステップ410へ移行して、内蔵ハードディスクを使用しないで印刷処理を実行する。
【0139】
図16は、図7のステップ284における制御コードNo.9の制御サブルーチンである。
【0140】
ステップ412では、リコール対象製品である旨の報知を行い、次いでステップ414で待機モードに移行し、ステップ416へ移行する。ステップ416では、解除コードが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ418へ移行して通常動作へ戻り、このルーチンは終了する。
【0141】
また、ステップ416で否定判定されると、ステップ420へ移行して印刷指示があるか否かが判断される。このステップ420で否定判定された場合には、ステップ416へ戻り、上記工程を繰り返す。ステップ420で肯定判定された場合には、ステップ422へ移行して、転写電圧を下限に固定して印刷処理を実行する。
【0142】
なお、第2の実施の形態では、制御コードを1つのみ選択する流れを示したが、複数の制御コードを組み合わせて、実行するようにしてもよい。
【0143】
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、製品としてプリンタ10(画像形成装置)、消耗品としてトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kを適用したが、消耗品は、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kに限らず、定期的に交換が必要な部品であれば別の部品にCRUM92等の記憶媒体を取り付けて行ってもよい。
【0144】
また、製品としては、プリンタ(画像形成装置)に限らず、他の製品(特に、電化製品)とその消耗品の関係が成り立てば、同様の効果を得ることができる。例えば、電気掃除機とゴミフィルタパック、空気清浄機とフィルタ、等が挙げられる。
【符号の説明】
【0145】
10 プリンタ
10A プリンタエンジン部
10B 装填部
11Y、11M、11C、11K トナーカートリッジ
12Y、12M、12C、12K 画像形成ユニット
13Y、13M、13C、13K トナー供給路
36 制御ユニット
60 定着装置
70 メインコントロール部
72 CPU
74 RAM
76 ROM
78 I/O
80 バス
82 UI
82M 表示面
88 印刷制御管理部
92 CRUM(トナー種判別手段)
94 情報読取兼書込部(トナー種判別手段)
100 搬送制御部
102 走査露光制御部
104 現像制御部
106 転写制御部
108 定着制御部
132 画像形成実行制御部
134 リコール対象製品識別情報抽出部
136 照合・判別部
138 自己製品特定用識別情報メモリ
140 リコール処理実行指示部
142 動作禁止指示出力部
144 報知制御部
146 動作解除制御部
148 リコール報知内容情報メモリ
150 解除コード受付部
152 動作解除指示出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品本体に対して着脱可能であり、製品本体を使用していく上で消耗して交換を要する消耗品に取り付けられ、少なくとも当該消耗品を使用する製品本体のリコール情報を記憶することが可能とされた記憶媒体と、
前記製品本体側に設けられ、前記消耗品が装着されたときに、前記記憶媒体に記憶された情報を読み取る情報読取手段と、
前記情報読取手段で読み取った情報から、前記製品本体がリコール対象製品に該当するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段でリコール対象製品と判別された場合に、リコール発信元への連絡を促すように報知する報知手段と、
を有するリコール対象製品所在判別システム。
【請求項2】
画像データに基づいて潜像を形成し、当該潜像に対して現像剤を供給することで現像し、当該現像により形成された現像剤像を記録用紙に転写して出力する画像形成装置であって、
装置本体に対して着脱可能であり、少なくとも前記現像剤を有するカートリッジに取り付けられ、少なくとも当該カートリッジを使用する装置本体のリコール情報を記憶することが可能とされた記憶媒体と、
前記装置本体側に設けられ、前記カートリッジが装着されたときに、前記記憶媒体に記憶された情報を読み取る情報読取手段と、
前記情報読取手段で読み取った情報から、前記装置本体がリコール対象製品に該当するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段でリコール対象製品と判別された場合に、リコール発信元への連絡を促すように報知する報知手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項3】
前記報知手段が、前記記録用紙へのリコール情報の印刷、装置本体インターフェイスパネルへのリコール情報の表示、前記画像データの出力元となり得る外部端末へのリコール情報の送信の少なくとも1つを用いて報知する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記報知が、画像形成時のジョブ実行毎に実行される請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記判別手段でリコール対象製品と判別された場合に、画像形成動作を禁止する禁止手段と、メーカ側がリコール対象製品であることを認識することを条件に禁止手段による画像形成動作の禁止を解除する解除手段と、をさらに有する請求項2〜請求項4の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判別手段でリコール対象製品と判別された場合に、必要最小限の画像形成処理が実行可能な、予め設定した安全動作モードへ強制移行するモード移行手段をさらに有する請求項2〜請求項5の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記記憶媒体には、リコール対象製品を特定する情報に加え、リコール対象製品の不具合内容情報を記憶することが可能とされており、当該不具合内容情報に基づいて、前記装置本体における動作制限をする、或いは動作禁止をする箇所を選択する請求項2〜請求項6の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
製品本体に対して着脱可能であり、製品本体を使用していく上で消耗して交換を要する消耗品に取り付けられた記憶媒体に、少なくとも当該消耗品を使用する製品本体のリコール情報が記憶され、前記製品本体がリコール対象製品に該当するか否かを判別するリコール対象製品所在判別プログラムであって、
前記消耗品が前記製品本体側に装着されたときに、前記記憶媒体に記憶された情報を読み取り、
前記読み取った情報から、前記製品本体がリコール対象製品に該当するか否かを判別し、
リコール対象製品と判別された場合に、リコール発信元への連絡を促すように報知することをコンピュータに実行させるリコール対象製品所在判別プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−184468(P2010−184468A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31301(P2009−31301)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】