説明

リパーゼ阻害剤及びそれを配合した頭髪用剤及び皮膚外用剤。

【課題】ニキビ、フケ、皮膚炎といった症状の改善を目的とした頭髪用剤、皮膚外用剤の提供。
【解決手段】優れたリパーゼ阻害作用を有するベルゲニア・リグラタ、ヘミデスムス・インディカス、オランダビユ、ハマスゲ、ホラレナ・アンチディセントリカ、レウカス・セファロテス、カンブィー、ベニノキ、ピネウムスボルドス、カツアーバ、ソンブラ・デ・トウロ、シャペウ・デ・コウロ、タマザキメハジキよりなる群の1種又は2種以上の溶媒抽出物を配合した頭髪用剤、皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物由来の新規なリパーゼ阻害剤とその応用法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚に常在する微生物(Propionibacterium acnes、Pityrosporum ovale、Micrococcus sp.、Pseudomonas speciesなど)が産生するリパーゼが皮脂中に含まれるトリグリセライドを分解し遊離脂肪酸を産生する。この遊離脂肪酸は、皮膚に対して刺激性の炎症反応を起こし、ニキビ、フケ、皮膚炎などの要因として考えられている。従って、リパーゼを阻害することにより、上記に示したようなニキビ、フケ、皮膚炎などの症状を予防することができる。現在までコケモモの抽出液(特開2002−97147)、バラ科ボケ属カリン及び/又はシソ科タツナミソウ属コガネバナの抽出物(特開2000−226309)などが知られているが、満足な効果は得られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、リパーゼ阻害作用に優れ、安全性の高い新規物質を植物由来から検索した結果、ある特定の植物より抽出された抽出物に作用を見出し、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るリパーゼ阻害剤は、ベルゲニア・リグラタ(学名:Bergenia ligulata(Wall.)Engl.)、ヘミデスムス・インディカス(学名:Hemidesmus indicus(L.)R.Br.)、オランダビユ(学名:Psoralea corylifolia L.)、ハマスゲ(学名:Cyperrus rotundus L.)、ホラレナ・アンチディセントリカ(学名:Holarrhena antidysentrica(Linn.)Wall.)、レウカス・セファロテス(学名:Leucas cephalotes Spreng.)、カンブィー(学名:Myrciamultiflora(Lam.)DC.)、ベニノキ(学名:Bixa orellana L.)、ピネウムスボルドス(学名:Peumus boldus Molina)、カツアーバ(学名:Erythroxylum catuaba)、ソンブラ・デ・トウロ(学名:Maytenus ilicifolia Mart.Ex Reissek)、シャペウ・デ・コウロ(学名:Echinodorus grandiforus(Chem.et Schl.)Micheli)、タマザキメハジキ(学名:Leonotis nepetifolia(L.)R.Br.)の溶媒抽出物を含有することを特徴とする。
【0005】
さらに、本発明の頭髪用剤は、リパーゼ阻害剤を含有することを特徴としている。
【0006】
本発明の皮膚外用剤は、リパーゼ阻害剤を含有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明のリパーゼ阻害剤及びこれらを配合した頭髪用剤、皮膚外用剤は、ニキビ、フケ、皮膚炎などを防止し、健康な頭髪や肌の状態を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明に係る頭髪用化粧料、皮膚外用剤について詳述する。本発明に係る頭髪用剤、皮膚外用剤は、ベルゲニア・リグラタ(学名:Bergenia ligulata(Wall.)Engl.)、ヘミデスムス・インディカス(学名:Hemidesmus indicus(L.)R.Br.)、オランダビユ(学名:Psoralea corylifolia L.)、ハマスゲ(学名:Cyperrus rotundus L.)、ホラレナ・アンチディセントリカ(学名:Holarrhena antidysentrica(Linn.)Wall.)、レウカス・セファロテス(学名:Leucas cephalotes Spreng.)、カンブィー(学名:Myrcia multiflora(Lam.)DC.)、ベニノキ(学名:Bixa orellana L.)、ピネウムスボルドス(学名:Peumus boldus Molina)、カツアーバ(学名:Erythroxylum catuaba)、ソンブラ・デ・トウロ(学名:Maytenusilicifolia Mart.Ex Reissek)、シャペウ・デ・コウロ(学名:Echinodorus grandiforus(Chem.et Schl.)Micheli)、タマザキメハジキ(学名:Leonotis nepetifolia(L.)R.Br.)を含有することを特徴とする。本発明での植物を下記に示す。
(1)ベルゲニア・リグラタ(学名:Bergenia ligulata(Wall.)Engl.)とは、ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の植物で、ヒマラヤからインド北部に自生する。インドの伝統医学であるアーユルベーダにて、咳、発熱、下痢などの治療に用いられてきた。本発明において使用する部位は、根である。
(2)ヘミデスムス・インディカス(Hemidesmus indicus(L.)R.Br.)とは、ガガイモ科ヘミデスムス属の植物で、インド、スリランカに分布する。民間療法では、腸の病気、象皮病、発熱、麻痺、吐き気、梅毒、嘔吐などに用いられてきた。本発明において使用する部位は、根である。
(3)オランダビユ(Psoralea corylifolia L.)とは、マメ科オランダビユ属の植物で、インドから東南アジアに分布する。民間療法では種子を強壮剤に用いられてきた。本発明での使用部位は、種子である。
(4)ハマスゲ(Cyperus rotundus L.)は、カヤツリグサ科カヤツリグサ属の植物で、熱帯、亜熱帯に分布する多年草。民間療法では古くから発汗、収斂として使用されてきた。本発明における使用部位は、根である。
(5)ホラレナ・アンチディセントリカ(Holarrhena antidysentrica(Linn.)Wall.)とは、キョウチクトウ科の植物で、インドから東南アジア大陸部に分布する。アラブやヒンドゥー圏では有名な薬用植物であり、種子や樹皮は赤痢や下痢、熱病などに用いられてきた。本発明において使用する部位は、樹皮である。
(6)レウカス・セファロテス(Leucas cephalotes Spreng.)とは、シソ科ヤンバルハッカ属の植物であり、熱帯アフリカと東南アジアからマレーシア地域を中心に分布する。本発明において使用する部位は、花及び茎及び葉の地上部である。
(7)ピネウムスボルドス(学名:Peumus boldus Molina)は、モニミア科ペウムス属の植物であり、ボルド・ド・シーレ(Boldo Do Chile)の呼び名がある。この植物には、Boldaofragrans Gay.又はRuizia fragrans Pavomdagoなどの別の植物名がある.南米チリ原産の植物で、ヨーロッパで広く内服薬として使用されている。本発明において使用する部位は、葉である。
(8)カツアーバ(Catuaba)(学名:Erythroxylum catuaba,Erythroxylum vaccinifolium Mart.)は、コカノキ科コカノキ属の植物であり、乾燥地帯の原野に生育している。民間療法では、樹皮を煎剤または浸剤として、催淫剤に用いられてきた。本発明での使用部位は、樹皮である。
(9)ソンブラ・デ・トウロ(Sombra−de−touro)(学名:Maytenus ilicifolia Mart.ex Reissek)は、ニシキギ科の植物であり、南米の南部に分布している。苦味、タンニンがあり、胃潰瘍、胃腸消化器病に広く用いられているほか、利尿、リュウマチ、関節炎、解熱剤にも用いられている。本発明での使用部位は、葉である。

DC.)は、フトモモ科ミルキア属の植物であり、他にもペードラ・ウメ・カアー(Pedra Huma Caa)の呼び名がある。ブラジル、ギニア、ペルー、パラグアイに分布、山林中に多く、時に海岸地帯にも生育する。民間療法は、糖尿病に広く用いられ、植物インスリンの俗称がある。本発明での使用部位は、葉である。
(11)ベニノキ(Bixa orellana L.)は、ベニノキ科ベニノキ属の植物であり、英名はAchiote、Lipstick tree、伯名はUrucu、Urucum等、熱帯アメリカに広く分布し、山林中に自生する。民間療法としては、根は消化促進、若芽の浸液は目の腫れの洗剤、葉の煎剤は妊娠の時の吐き気止めに用いられてきた。種子は健胃剤とし、気管支炎、緩下剤、やけどに用い、その粉末は催淫剤として用いられてきた。本発明での使用部位は、種子である。
(12)シャペウ・デ・コウロ(Chapea−de−couro)(学名:Echinodorus grandiforus(Chem.et Schl.)Micheli)は、オモダカ科エキノドルス属の植物であり、南米に広く分布している。利尿作用があり、葉を乾燥し刻んだものは、リューマチ、神経痛、肝臓病に用いられてきた。また緩和剤として、外用にハップとしてヘルニアに用いられている。本発明での使用部位は、葉である。
(13)タマザキメハジキ(学名:Leonotis nepetifolia(L.)R.Br.、Stachys mediterranea Vell)は、シソ科カエンキセワタ属の植物であり、コルドン・デ・フラーデ(Cordao de frade)の呼び名があり、汎熱帯性の雑草として分布する。民間療法としては、発汗、ぜん息、解熱、強壮、痰とり、子宮出血、排尿困難、傷薬、リューマチに用いられてきた。本発明における使用部位は、全草である。
本発明では、上記植物を単独で或いは二種以上を混合して使用することもできる。
【0009】
本発明で用いられる抽出物の調製方法は特に限定されないが、例えば種々の溶媒を用い、低温から加温下において抽出する方法があげられる。
【0010】
具体的に抽出溶媒としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等の低級一価アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール、酢酸エチル等の低級アルキルエステル、ベンゼン、ヘキサン、ペンタン等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、アセトニトリル等のエーテル類が例示され、これらの一種又は二種以上の混合溶媒を用いることができる。
【0011】
本発明で使用する抽出物は、そのまま用いてもよいが、必要に応じてろ過、濃縮してもよい。また、抽出物をカラムクロマト法、向流分配法等により、分画、精製して用いることもできる。
【0012】
更に、上記のものを減圧乾燥又は凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製し、適宜製剤化して用いることもできる。
【0013】
(植物抽出物の製造例1)
上記植物の使用部位100gに50vol%エタノール溶液3kgを加え、60℃にて8時間攪拌抽出を行い、冷後、ろ過し、抽出物A約2800gを得る。
【0014】
(植物抽出物の製造例2)
上記植物の使用部位200gに精製水3kgを加え、80℃にて5時間攪拌抽出する。冷後、ろ過し、抽出物B約2600gを得る。更に、ろ過残渣に50vol%エタノール3kgを加え、60℃にて5時間攪拌抽出する。冷後、ろ過し、抽出物C約2800gを得る。更にろ過残渣に95vol%エタノール3kgを加え、50℃にて5時間攪拌抽出する。冷後、ろ過し、抽出物D約2800gを得る。
【0015】
(植物抽出物の製造例3)
上記抽出物Bを減圧下約200gまで濃縮した後、合成吸着体ダイヤイオンHP−20を充填したカラムにて処理し、水洗浄後の10vol%エタノール溶液溶出液、15vol%エタノール溶液溶出液及び20vol%エタノール溶液溶出液を得る。各々の溶出液をそれぞれ50gまで減圧濃縮し、エタノール50gを加え抽出物E,F,Gとする。
【0016】
(植物抽出物の製造例4)
上記植物の使用部位200gに30vol%エタノール4kgを加え、60℃にて5時間攪拌抽出する。冷後、ろ過し、得られたろ液を200gまで減圧濃縮する。濃縮液をカラムクロマト用オクタデジシルシリカ化シリカゲルを充填したカラムにて処理し、10〜20vol%エタノールにて溶出した画分を併せ、減圧濃縮後、減圧乾燥し粉末とした抽出物H約15gを得る。
【0017】
本発明の抽出物は、そのまま利用できるほか、頭髪用剤、皮膚外用剤にも配合できるが、その配合量は特に規定するものではない。配合する製品の種類、性状、品質、期待する効果の程度により異なるが、乾燥固形物に換算して好ましくは、0.00001〜2.5重量%(以下、単に「%」で示す)、特に0.001〜1.0%がより好ましい。抽出液を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。
【0018】
本発明の植物抽出物を頭髪用剤、皮膚外用剤に用いる場合、上記成分に加えて、さらに必要により、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば界面活性剤、油分、保湿剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防御剤、アルコール類、粉末成分、色剤、香料、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0019】
さらに、金属イオン封鎖剤、防腐抗菌剤、細胞賦活剤、皮脂分泌調整剤、消炎剤、収斂剤、美白剤、活性酸素抑制剤、抗アレルギー剤、老化防止剤等、さらに生理活性作用を有する植物抽出物、微生物抽出物及びこれらの抽出分画、精製物等も適宜配合することができる。
【0020】
本発明のリパーゼ阻害剤及びこれを配合してなる頭髪用剤、皮膚外用剤は、一般皮膚化粧料に限定されるものではなく、医薬品、医薬部外品、薬用化粧料等を包含するものである。本発明の頭髪用剤、皮膚外用剤の剤型は、可溶化系、乳化系、粉末分散系、粉末系等何れでもよく、用途も、化粧水、乳液、クリーム、パック等の基礎化粧料、ファンデーション等のメークアップ化粧料、ヘアートニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、ヘアローション、ポマード、育毛剤、シャンプー、リンス等の頭髪化粧料、石けん、ボディーシャンプーなどのトイレタリー製品、浴用剤等を問わない。
【0021】
次に実施例をあげて説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0022】
(試験例1)リパーゼ阻害作用の測定
【0023】
2μM4−メチルウンベリフェリルオレート(Sigma社製)溶液100μLに各濃度に溶解したサンプル10μLと0.1M Mullvaine Buffer40μL、0.05μg/mLリパーゼ(ヒト皮膚常在菌Pseudomonas species由来(Sigma社製))50μlを混和させ、37℃、20分間反応させた。その後、0.1N HCl 1mLで反応を停止し、さらに、0.2Mクエン酸ナトリウム溶液2mLを加えて、生成した4−メチルウンベリフェロンの蛍光を励起波長320nm、蛍光波長450nmで定量した。阻害率は、下記の式に従い酵素活性を50%阻害する試料濃度IC50を求めた。
【0024】
阻害率(%)=〔(対照の蛍光強度−サンプルの蛍光強度)/ 対照の蛍光強度〕×100
【0025】
【表1】

【0026】
(試験結果)
表1のごとく、抽出物は、高いリパーゼ阻害作用があることが確認された。
【0027】
以下にさらに、本発明の処方例を示す。
【0028】
(実施例1)クリーム
下記成分(1)〜(10)、別に下記成分(11)〜(15)を75℃に加温溶解しそれぞれA液及びB液とする。A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(16)を加え、クリームを調製した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ油 3.0%
(2)スクワラン 2・0%
(3)メチルポリシロキサン 0.5%
(4)ステアリルアルコール 0.5%
(5)セチルアルコール 0.5%
(6)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 12.5%
(7)モノステアリン酸グリセリル 5.0%
(8)モノステアリン酸ジグリセリル 1.5%
(9)モノステアリン酸デカグリセリル 3.0%
(10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1%
(11)キサンタンガム 0.1%
(12)タマザキメハジキ抽出物 2.5%
(13)1,3−ブチレングリコール 2.5%
(14)パラオキシ安息香酸メチル 0.2%
(15)精製水 66.0%
(16)香料 0.1%
【0029】
(実施例2)化粧水
下記成分(5)〜(8)を混合溶解させA液とし、これとは別に下記成分(1)〜(4)及び(9)を混合溶解させてB液とし、A液とB液を均等に混合し、化粧水を調整した。
(成分) (重量%)
(1)クエン酸 0.1%
(2)クエン酸ナトリウム 0.1%
(3)セリン 0.1%
(4)PEG−60水添ヒマシ油 0.3%
(5)香料 0.02%
(6)1,3−ブチレングリコール 3.0%
(7)メチルパラベン 0.15%
(8)グリセリン 4.0%
(9)オランダビユ抽出物 3.0%
(10)精製水 89.23%
【0030】
(実施例3)乳液
下記成分(1)〜(10)、別に(11)〜(14)及び(16)を75℃で加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(15)を加え、乳液を調製した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ油 1.0%
(2)スクワラン 2.0%
(3)ベヘニルアルコール 1.0%
(4)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 2.0%
(5)テトラグリセリン縮合シリノレイン酸 0.1%
(6)モノオレイン酸プロピレングリコール 0.5%
(7)モノステアリン酸グリセリン 1.0%
(8)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 1.0%
(9)モノミリスチン酸デカグリセリル 0.5%
(10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1%
(11)クインスシードエキス 5.0%
(12)ベルゲニア・リグラタ抽出物 3.0%
(13)1,3−ブチレングリコール 3.0%
(14)パラオキシ安息香酸メチル 0.1%
(15)香料 0.1%
(16)精製水 79.6%
【0031】
(実施例4)クレンジングジェル
下記成分(1)〜(3)、別に(4)〜(6)及び(8)を70℃で加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて均一になるまで攪拌する。攪拌しながら、50℃まで冷却し、成分(7)を加え、クレンジングジェルを調製した。
(成分) (重量%)
(1)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 20.0%
(2)流動パラフィン 59.7%
(3)パラオキシ安息香酸エステル 0.3%
(4)ベニノキ抽出物 5.0%
(5)濃グリセリン 5.0%
(6)ソルビトール 5.0%
(7)香料 0.1%
(8)精製水 4.9%
【0032】
(実施例5)パック剤
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化し、次いでC相を加えて均一に溶解し、製する。
(成分) (重量%)
(A相)ジプロピレングリコール 5.0%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5.0%
(B相)オリーブ油 5.0%
酢酸トコフェノール 0.2%
パラオキシ安息香酸エステル 0.2%
(C相)亜硫酸水素ナトリウム 0.03%
ポリビニルアルコール 13.0%
カンブィー抽出物 1.0%
エタノール 7.0%
精製水 63.77%
【0033】
(実施例6)乳化型ファンデーション
下記成分(1)〜(6)を充分に混合粉砕した粉末部をAとし、(7)(8)をB液、(9)〜(12)及び(14)をC液とする。C液を加熱攪拌後、Aを添加しホモミキサー処理し、さらに過熱混合したB液を加えてホモミキサー処理する。攪拌しながら50℃まで冷却し、(13)を加え、さらに室温まで冷却して製する。
(成分) (重量%)
(1)二酸化チタン 10.3%
(2)セリサイト 5.4%
(3)カオリン 3.0%
(4)黄色酸化鉄 0.7%
(5)ベンガラ 0.4%
(6)黒色酸化鉄 0.2%
(7)デカメチルシクロペンタシロキサン 11.5%
(8)流動パラフィン 8.5%
(9)セスキオレイン酸ソルビタン 3.0%
(10)ソンブラ・デ・コウロ抽出物 1.5%
(11)1,3−ブチレングリコール 5.0%
(12)パラオキシ安息香酸エステル 0.2%
(13)香料 0.2%
(14)精製水 50.1%
【0034】
(実施例7)固形ファンデーション
下記成分(1)〜(7)をブレンダーで均一に混合し、これに(8)〜(14)を加え、よく混練して製する。
(成分) (重量%)
(1)タルク 41.9%
(2)カオリン 15.5%
(3)セリサイト 10.0%
(4)亜鉛華 7.0%
(5)二酸化チタン 3.8%
(6)黄色酸化鉄 2.9%
(7)ベンガラ 0.5%
(8)黒色酸化鉄 0.2%
(9)スクワラン 8.0%
(10)イソステアリン酸 4.0%
(11)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 3.0%
(12)オクタン酸イソセチル 2.0%
(13)カツアーバ抽出物 1.0%
(14)パラオキシ安息香酸エステル 0.1%
(15)香料 0.1%
【0035】
(実施例8)ヘアートニック
下記成分(5)に(1)〜(4)及び(7)を加え、攪拌溶解した後、(6)及び(8)を加えてさらに攪拌して製する。
(成分) (重量%)
(1)グリセリン 3.0%
(2)L−メントール 0.1%
(3)センブリエキス 2.0%
(4)シャペウ・デ・コウロ抽出物 2.5%
(5)レウカス・セファロテス抽出物 2.5%
(6)エタノール 53.0%
(7)香料 0.2%
(8)精製水 36.7%
【0036】
(実施例9)シャンプー
下記成分を加温均一に混合し製する。
(成分) (重量%)
(1)N−ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノール 25.0%
アミン
(2)ラウリン酸ジエタノールアミド 5.0%
(3)ミリスチン酸カリウム 5.0%
(4)ジステアリン酸エチレングリコール 2.0%
(5)ポリエチレングリコール400 15.0%
(6)ホホバ油 1.0%
(7)ハマスゲ抽出物 3.0%
(8)クロルキシレノール 0.1%
(9)ビタミンE 0.1%
(10)パラオキシ安息香酸エステル 0.2%
(11)香料 0.3%
(12)精製水 43.3%
【0037】
(実施例10)浴用剤
(成分) (重量%)
(1)乾燥硫酸ナトリウム 40.0%
(2)炭酸水素ナトリウム 57.5%
(3)オリーブ油 0.2%
(4)ヘミデスムス・インディカス抽出物 0.1%
(5)軽質無水ケイ酸 0.3%
(6)香料 1.7%
(7)黄色202号の(1) 0.2%
【0038】
(実施例11)育毛剤
(成分) (重量%)
(1)エタノール 60.0%
(2)メントール 0.05%
(3)パンテノール 0.1%
(4)香料 0.2%
(5)ハマスゲ抽出物 2.0%
(6)クエン酸 0.02%
(7)クエン酸ナトリウム 0.4%
(8)精製水 37.23%
【0039】
本発明の皮膚外用剤を使用した場合の効果試験を行った。使用テストは、ニキビ、肌のキメのあらさで悩む女性26名(18〜35歳)をパネラーとして、毎日朝夕の2回、洗顔後13名には実施例2の化粧水適量を3ケ月間塗布した。また対照として13名には、オランダビユ抽出物を精製水に置き換えたものを使用した。評価方法は、下記の基準で行い、結果を表2に記載した。使用期間中に皮膚の異常を訴えた者はなかった。
【0040】
「ニキビ」
有効 :ニキビが減少した
やや有効 :ニキビがやや減少した
無効または不明 :使用前と変化なし、またはわからない
「肌のキメの細かさ」
有効 :肌のキメが細かく整った(毛穴が細かくなった)
やや有効 :肌のキメがやや細かく整った(毛穴がやや細かくなった)
無効または不明 :使用前と変化なし、またはわからない
【0041】
【表2】

【0042】
表2に示したように、皮膚の老化を防止、肌あれを改善し、弾力のあるシワやたるみのない、若々しい肌の状態を維持することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルゲニア・リグラタ(学名: Bergenia ligulata(Wall.)Engl.)、ヘミデスムス・インディカス(学名:Hemidesmus indicus(L.)R.Br.)、オランダビユ(学名:Psoralea corylifoliaL.)、ハマスゲ(学名:Cyperrus rotundus L.)、ホラレナ・アンチディセントリカ(学名:Holarrhena antidysentrica(Linn.)Wall.)、レウカス・セファロテス(学名:Leucascephalotes Spreng.)、カンブィー(学名:Myrcia multiflora(Lam.)DC.)、ベニノキ(学名:Bixa orellana L.)、ピネウムスボルドス(学名:Peumus boldus Molina)、カツアーバ(学名:Erythroxylum catuaba)、ソンブラ・デ・トウロ(学名:Maytenus ilicifolia Mart.Ex Reissek)、シャペウ・デ・コウロ(学名:Echinodorus grandiforus(Chem.et Schl.)Micheli)、タマザキメハジキ(学名:Leonotis nepetifolia(L.)R.Br)よりなる群の1種又は2種以上の溶媒抽出物を有効成分とするリパーゼ阻害剤。
【請求項2】
請求項1記載のリパーゼ阻害剤を含有することを特徴とする頭髪用剤。
【請求項3】
請求項1記載のリパーゼ阻害剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。

【公開番号】特開2006−257058(P2006−257058A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113841(P2005−113841)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(599000212)香栄興業株式会社 (33)
【Fターム(参考)】