説明

リパーゼ阻害活性をもったチエノ−(1,3)−オキサジン−4−オン類

【課題】肥満または肥満関連障害の治療のための化合物の提供。
【解決手段】式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドまたはプロドラッグ。Aは任意に置換されたチエニル部分であり、Yは、O、S、またはNR2であり、R1は、分岐または非分岐のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、還元型アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、還元型アリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、または上記の基の何れかの置換誘導体であり、またR2は水素またはR1について定義した基である。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、チエノ-オキサジノン化合物、その医学、特に肥満または糖尿病のような肥満関連障害の予防および/または治療における使用、並びに好ましい作用形式がエステル官能基の加水分解の触媒である酵素の阻害におけるその使用を提供する。また、肥満または肥満関連障害の予防および/または治療のため、および非医療的体重減量を促進/補助するための方法が提供される。本発明はまた、前記化合物を製造する方法、それらを含有する組成物、および該組成物を製造する方法を提供する。
【0002】
最近の20年のうちに、先進国の人口において肥満の傾向が増大している。増大した肥満の発生の一部は、莫大な数の小売店で食物を容易に入手できること、および高い飽和脂肪含量および低い繊維質含量を有する西欧化されたエネルギー密度の高い食事によるものである。先進開発国の人々のライフスタイルは、社会の機械化が増大し、また人手の労働集約的産業が確実に減少するに伴って、運動が更に不足するに至っている。現在、高カロリー食からのエネルギー摂取と、運動の少ないライフスタイルに必要な低エネルギー消費との間の不均衡が存在している。過剰なエネルギー摂取の幾らかは、脂肪組織中に脂肪として保存され、長年に亘るその蓄積が肥満を生じ、他の疾患および障害に対する顕著な寄与因子となる可能性がある。
【0003】
医療専門家によって、肥満は、今や代謝性疾患として認識されている。USAにおいては、成人の人口の25%が臨床的肥満(身体質量指標(BMI)>30)と看做されている。肥満は、クオリティーオブライフを低下し、且つ糖尿病、心血管系疾患および高血圧症のような関連障害のリスクを増大させる虚弱状態である可能性がある。肥満の直接的な結果としてのヘルスケア費用は、USにおいて450億$、または年間の全ヘルスケア費用の8%と見積もられている。長期の体重管理に対する食事療法および運動のような従来のアプローチは、単独では肥満の蔓延を抑制するために有効でないことが証明されている。今日では、安全で且つ効果的な薬物を開発することに関して、より以上の著しい興味がもたれている。
【0004】
肥満の治療に対する薬理学的アプローチは、エネルギー消費を増大させる薬物またはエネルギー摂取を減少させる薬物に焦点を当てて来た。
【0005】
エネルギー摂取の減少への一つのアプローチは、食物、特に脂肪を消化および吸収する身体の能力を低下させることである。脂肪の消化に関与する重要な酵素は、加水分解酵素である。最も重要な脂肪分解酵素はリパーゼであり、限定されるものではないが、主として、膵臓から腸内腔に分泌される膵臓リパーゼである。リパーゼ阻害剤であるテトラヒドロリプスタチン(tetrahydrolipstatin)は、抗肥満薬であるオルリスタット(orlistat)の基礎を形成している。ヨーロッパ特許出願No.EP129748は、オルリスタットおよび関連化合物、並びに膵臓リパーゼの阻害、過剰脂血症および肥満の治療におけるその使用に関するものである。
【0006】
オルリスタットが肥満の治療のための有効な方法を提供するとしても、肥満および肥満関連障害の抑制および治療、並びに非医療的減量の促進および補助において使用するための、別の薬物および方法を提供する必要性が依然として存在する。脂肪の分解に関与する酵素の阻害がここに提供され、肥満、肥満関連障害の予防および/または治療、および/または美容的減量の促進において有効であることが示される。
【0007】
米国特許第4,760,063号(Hallenbach et al)は、次式の2-アミノ-チエノオキサジン類の合成を開示している。
【化1】

【0008】
非ヒト動物のための成長促進剤としての、これら化合物の使用が議論されている。
【0009】
Player et al(J. heterocyclic Chem., 32, 1537-1540, (1995)では、六つのオキサジノン化合物が議論されている。これらの化合物は、置換インドール、チオフェン-およびピロール-融合した2-ジメチルアミノ-1,3-オキサジン-4-オンに基づいている。この論文は、これら化合物の製造およびその抗腫瘍剤としての評価に関するものである。
【0010】
EP-A-0985670およびEP-A-0908457(アメリカン・シアナミド・カンパニー社)は、1-(3-ヘテロシクリルフェニル)イソチオ尿素、イソ尿素、グアニジンおよびアミジン化合物、並びにそれらの除草剤としての使用を開示している。
【化2】

【0011】
これら化合物の合成には、上記に示したオキサジノン中間体が含まれ、ここでのR1およびR2は、任意に窒素、硫黄または酸素が介在した4員環〜7員環で、且つ1〜3のメチル基または1以上のハロゲン原子で置換されることができる。
【0012】
国際出願番号PCT/GBOO/00031、PCT/GBOO/00032、およびPCT/GBO1/00171は、2-アミノ、2-オキシおよび2-チオ-ベンズオキサジノン化合物に関する。これらの出願は、肥満および肥満関連障害の抑制および治療におけるこれら化合物の使用に関する。
【発明の開示】
【0013】
我々は今回、特定の種類のチエノ-オキサジノン化合物が、リパーゼ阻害剤としての活性を有することを見出した。
【0014】
従って、第一の側面において、本発明は、肥満または肥満関連障害を予防または治療するための医薬の製造における、次式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドまたはプロドラッグの使用を提供する:
【化3】

【0015】
ここで式(I)において、
Aは、任意に置換されたチエニル部分であり、
Yは、O、S、またはNR2であり、
R1は、分岐または非分岐のアルキル(任意に1以上の酸素原子が介在する)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、還元型 アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、還元型アリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、または上記の基の何れかの置換誘導体であり、ここでの置換基は独立に、ハロゲン、アルキル、ハロ置換アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、アリールアルコキシ、シアノ、ニトロ、-C(O)R4、-CO2R5、-SOR4、-SO2R4、-NR6R7、-OR6、-SR6、-C(O)CX1X2NR6R7、-C(O)N(OR5)R6、-C(O)NR5R4、-NR6C(O)R4、CR6(NH2)CO2R6、-NHCX1X2CO2R6、-N(OH)C(O)NR6R7、-N(OH)C(O)R4、-NHC(O)NR6R7、-C(O)NHNR6R7、-C(O)N(OR5)R6、または脂質もしくはステロイド(天然または合成)のうちの1以上であり、但し、R1における如何なるヘテロ原子置換基も、環外へテロ原子から少なくとも2炭素原子(好ましくは飽和の)だけ離間していなければならず;
R2は、水素またはR1について定義した基であり;
R4は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、-OR6、-NHCX1X2CO2R6、もしくは-NR6R7、またはこれら基の何れかの置換誘導体であり;
R5は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキルヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール、または還元型ヘテロアリールアルキルであり;
R6およびR7は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、-(CH2)n(OR5)、またはこれら基の何れかの置換誘導体であり、ここでnは1〜12、好ましくは2〜10、mは1〜3であり;
XlおよびX2は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール、または還元型ヘテロアリールアルキルである。
【0016】
基Rl、R2、R4、R5、R6、R7、X1およびX2について、好ましくは、アルキル基は1〜30の炭素原子を有し、アルケニル基は2〜30の炭素原子を有し、アルキニル基は2〜30の炭素原子を有し、シクロアルキル基は3〜30の炭素原子を有し、シクロアルケニル基は3〜30の炭素原子を有し、アリール基は6〜12の炭素原子を有し、またヘテロアリール基は5〜12の炭素原子を有する。
【0017】
チエニル部分は、以下で説明するように、2,3-位、3,4-位、または3,2-位において、オキサジノン環に融合している。
【化4】

【0018】
好ましくは、チエニル部分は、2,3-位または3,2-位においてオキサジノン環に融合される。
【0019】
チエニル部分Aは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、オキソ、アミノ、ニトロ、シアノ、アルキル、アリール、アルキルアリール、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、アリールチオ、またはアリールアミノの一以上で任意に置換され、ここでアリールチオ、アリールアミノ、およびアリールオキシは、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルキル、またはアミノアルキルの一以上によって;または基R12Q(ここでQは、O、CO、CONH、NHCO、S、SO、SO2、またはSO2NH2であり、R12は水素または上記で定義した基Rlである)によって;または基R1R2N(ここでR1は上記で定義した通りであり、R2は水素またはR1である)によって置換されることができる:但し、R1および/またはR2における如何なるヘテロ原子置換基の、芳香族へテロ原子置換基から少なくとも二つの炭素原子(好ましくは飽和の)だけ離間していなければならない;
ここで、前記チエニル部分Aの置換基は、好ましくは、1〜30の炭素原子を有するアルキル基、2〜30の炭素原子を有するアルケニル基、2〜30の炭素原子を有するアルキニル基、3〜30の炭素原子を有するシクロアルキル基、3〜30の炭素原子を有するシクロアルケニル基、6〜12の炭素原子を有するアリール基、および5〜12の原子を有するヘテロアリール基である。
【0020】
加えて、チエニル基は、一以上の5員環、6員環または7員環のアリール、ヘテロ環またはシクロアルキル環に融合されることができる。このような融合環を含むヘテロ環基の例には、ベンゾチオフェンが含まれる。この融合環は任意に置換されてもよい。
【0021】
好ましくは、チエニル基Aは、アルキル、アリール、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、アリールオキシ、アミノ、ヘテロアリール、またはアリールアルキルの一以上で置換されてもよい。更に好ましくは、チエニル部分Aは、一以上の水素、1〜20の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐のアルキル、3〜10の炭素原子を有する環状アルキル、アリール、ハロアルキル、またはハロゲンであり;
Yは、好ましくは、O、SまたはNR2であり;
R1は、好ましくはアルキル、または任意にアルキル、ハロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、SR6、COR6、C02R6、NR6、R7で置換されたアリール、または任意にアリールオキシ、アリールチオ、SO-アリール、S02-アリールアルキルアリール、CO-アリール、C02-アリール、CONR6-アリール、NR6CO-アリールもしくはNR6-アリールで置換されたアリール、またはこれら基の何れかの置換誘導体である。
【0022】
R2は、好ましくは水素またはアルキルである。
【0023】
基Rl、R2、R4、R5、R6、R12、XlおよびX2については、何れのアルキル、アルケニルおよびアルキニル基および部分も、直鎖(非分岐鎖)または分岐鎖であってよい。直鎖のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基または部分は、1〜30の炭素原子、または1〜25の炭素原子、好ましくは1〜20の炭素元素を含んでいてよい。分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基または部分は、1〜50の炭素原子、好ましくは1〜30の炭素原子を含んでいてよい。
【0024】
好ましくは、R1がアルキル基の場合、該アルキル基は好ましくは4〜30の炭素原子、好ましくは4〜20の炭素原子を有する。特に、R1は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の炭素原子をもった非分岐アルキルである。
【0025】
R2、R4、R5、R6、R12、XlおよびX2の一以上がアルキル基の場合、該アルキル基は、直鎖(非分岐)または分岐鎖であることができる。直鎖または分岐鎖のアルキル基または部分は、1〜10の炭素原子、例えば1〜8の炭素原子、好ましくは1〜5の炭素原子を含み得る。このようなアルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルが含まれる。
【0026】
アリール基には、例えば、任意に置換された炭素原子が12以下の不飽和の単環または二環(例えば、フェニルおよびナフチル)、および部分的に飽和された二環(例えばテトラヒドロナフチル)が含まれる。好ましくは、アリール基はフェニルである。アリール基に存在し得る置換基の例には、ハロゲン、アミノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、フェノキシ 、およびハロ、アルキルもしくはアルコキシの一以上ので置換されたフェノキシが含まれる。好ましい基には、メチル、エチルもしくはプロピルのようなアルキル、ハロ、およびトリフルオリメチルもしくはジクロロエチルのようなハロアルキル基が含まれる。
【0027】
ヘテロアリール基または部分は、例えば、O、NまたはSから選択される1〜4のヘテロ原子を含む任意に置換された5員または6員の芳香族ヘテロ環である。該へテロ環は、任意にフェニル環と融合されてもよい。従って、ヘテロアリール基の例には、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、オキサジニル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジル、ピリミジニル、ピラゾリル、インドリル、インダゾリル、イソオキサゾリル,ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジニル、キノキサリニル、キノリニル、キナゾリニル、シンノリニル(cinnolinyl)、ベンゾチアゾリルおよびピリドピロリルが含まれる。好ましくは、このヘテロアリール基はピリジル、チエニル、フリル、またはピロリルである。適切な置換基には、ハロゲン、アミノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはアリールオキシの一以上が含まれる。好ましい置換基は、ヒドロキシ、メトキシまたはエチルオキシのようなアルコキシ基であり、最も好ましくはヒドロキシである。ヘテロアリール基または部分は、完全にまたは部分的に還元されていてもよい。本発明の目的において、「還元型」または「還元」の用語は、一以上の電子の原子への付加または当該部分への水素の付加に関連する。このような還元型のへテロアリール基または部分の例には、上記へテロアリール基の完全にまたは部分的に飽和された如何なる誘導体も含まれ、またピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、およびピペリジニル基が含まれる。
【0028】
ハロまたはハロゲン基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の一以上である。アミノ基は、NH2、NHR2l、NR2lR22、またはその塩(例えばNH3Cl)のうちの一以上である。R2lおよびR22は、独立に、Cl-30アルキル、好ましくは、Cl-20アルキルまたはC6-12アリールである。
【0029】
ハロアルキル基は、一以上のハロゲン基で置換された先に定義した直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、ここでのハロゲン基はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。ハロアルキル基の例には、トリフルオロメチルおよびジクロロエチルが含まれる。
【0030】
アルコキシル基は、アルキル基が一以上の酸素原子で遮断された、先に定義した直鎖または分岐鎖のアルキル基である。アルコキシ基の例には、メトキシ基およびエトキシ基が含まれる。
【0031】
アリールオキシ基は、アリール基が一以上の酸素原子で置換された、先に定義したアリール基である。アリールオキシ基の例には、フェノキシ基およびフェニルフェノキシ基が含まれる。
【0032】
第一の側面のより好ましい特徴において、本発明は、肥満または肥満関連障害の予防または治療のための医薬の製造における、次式(II)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドまたはプロドラッグの使用を提供する:
【化5】

【0033】
ここで、
Aは、式(I)について定義した通りであり;好ましくは、チエニル基Aは、任意にアルキル、アリール、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、アリールオキシ、アミノ、ヘテロアリール、またはアリールアルキルの一以上で置換され、より好ましくは、チエニル部分Aは任意に水素、1〜10の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐のアルキル、3〜10の炭素原子を有する環状アルキル、6〜12の炭素原子を有するアリール、1〜10の炭素原子を有するハロアルキル、またはハロゲンで置換され;
Yは、式(I)について定義した通りであり;好ましくは、O、SまたはNR2(R2は好ましくは水素、メチル、エチルまたはプロピル、最も好ましくは水素である)であり;
R20は、好ましくはOR13、SR13、SOR13、-COR13、CO2R13、SO2R13、CONR13R14、NR14C(O)NR13、C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、ハロC1-10アルキル、シアノ、ハロ、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールC1-10アルキルから選択される基であり;
R13およびRl4は、それぞれ独立に、水素、C1-10アルキル、C2アルケニル、C1-10アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールCl-10アルキル、還元型ヘテロアリール、または還元型ヘテロアリールC1-10アルキルであり;
ここでのアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルは、ハロ、C1-10アルキル、C1-10アルキルハロ、C1-10アルコキシ、C6-12アリール、C1-10アルキルC6-12アリール、C6-12アリールオキシ、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、C5-12ヘテロアリールオキシ、またはC5-12ヘテロアリールの一以上で任意に置換されてもよい。
【0034】
更に好ましくは、R20は、任意にハロ、C1-10アルキル、C1-l0アルキルハロ、C1-10アルコキシ、C6-12アリール、C1-10アルキルC6-12アリール、C6-12アリールオキシ、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、C5-12ヘテロアリールオキシまたはC5-12ヘテロアリールの一以上で置換された、フェニルオキシ、フェニルチオ、SO-フェニル、SO2-フェニル、アルキルフェニル、CO-フェニル、CO2-フェニル、CONR14-フェニル、NR14CO-フェニル、またはNR14-フェニルを表す。最も好ましくは、R20は、任意にハロ、C1-10アルキル、C1-10アルキルハロ、C1-10アルコキシ、C6-12アリール、C1-10アルキルC6-l2アリール、C6-12アリールオキシ、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、C5-12ヘテロアリールオキシ、またはC5-12ヘテロアリールの一以上で置換された、フェニルオキシ、フェニルチオ、CH2-フェニル、またはCO-フェニルである。好ましくは、この置換基は、アルキル(例えばメチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)、ハロゲン、またはアルキルハロ(例えば、トリフルオロメチルまたはジクロロエチル)である。
【0035】
R20基は、フェニル環上において、基Yに対してオルト、メタまたはパラ位であることができる。好ましくは、R20はYに対してパラ位である。
【0036】
本発明は、肥満または肥満関連障害を予防または治療するための医薬の製造における、上記で定義した式(I)または(II)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドまたはプロドラッグの使用を提供する。
【0037】
本発明の目的に関して、肥満関連障害障害には高脂血症、脂肪過剰血症、高血糖症(II型糖尿病)、高血圧症、心血管系疾患、発作、胃腸管疾患、および胃腸系症状が含まれる。この肥満関連障害は、患者の肥満状態に付随する可能性がある。或いは、肥満関連障害は、患者の遺伝的素因、環境条件または他の因子によって生じる可能性がある。科学的理論に拘束されることなく、患者の肥満状態を伴わないこのような障害について、本願の化合物の使用は患者の体重を減らすことによって、これら疾患を予防または治療するであろうことが提案される。このような体重の減少は、上記疾患の症候の緩和または低下を生じ得るであろう。
【0038】
本発明の化合物は、高血糖症(II型糖尿病)の治療のために特に有用である。高血糖症は、インスリン抵抗性およびβ細胞欠陥の種々の組み合わせに起因する。循環インスリンのレベルは大幅には減少せず、また非糖尿病的範囲よりも高くなることさえあるが、それらは組織インスリン抵抗性を克服するには不十分である。高血糖症は、多くの可能な原因を有するものと理解される。これら原因の最も重要なものの一つは、肥満に関連している。特に西欧化されたライフスタイルを有する国々においては、エネルギーに富む脂肪食品の高度の摂取および身体的運動の組合せが肥満の増大を導き、これに対応して、インスリン抵抗性の増大および高血糖症をもたらす。患者の体重を低下させることによって、インスリン抵抗性は、全て高血糖症の症状の低下または治療の結果として克服することができる。従って、本発明の好ましい特徴は、高血糖症(II型糖尿病)の予防または治療のための医薬の製造における、上記で定義した式(I)または(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグの使用である。
【0039】
このテキストの全体を通して、何れかの疾患の予防および/または治療とは、何等かのダメージまたは何等かの医学的障害を何れかの範囲で軽減する何等かの効果を意味し、疾患の予防および治療自体、並びに疾患の抑制を含むものである。「治療」の用語は、障害、疾患、症候および症状、痛み、またはそれらの二以上の組合せの何らかの緩和を意味する。「抑制」の用語は、例えば、必ずしも症状を緩和することなく、疾患の進行を停止させることによって、症状が悪化または更に悪くなるのを防止することを意味する。
【0040】
本発明は更に、脂肪(脂質または脂質類を含む)の代謝または分解に関与する酵素、例えばリパーゼ、ホスファターゼまたはエステラーゼを阻害する医薬の製造における、上記で定義した式(I)または(II)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドまたはプロドラッグの使用を提供する。好ましくは、本発明は、リパーゼ酵素(より好ましくは、該リパーゼ酵素は脂肪の代謝または分解に関与する)を阻害する医薬の製造における、上記で定義した式(I)または(II)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドまたはプロドラッグの使用を提供する。
【0041】
本発明の第一の側面は、更に、その好ましい作用モードがエステル官能基の加水分解の触媒である酵素を阻害するための医薬の製造における、上記で定義した式(I)または(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドまたはプロドラッグの使用を提供する。
【0042】
第二の側面において、本発明は、次式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドおよびプロドラッグを提供する:
【化6】

【0043】
ここで、式(Ia)におけるAは、任意に置換されたチエニル部分であり、該チエニル部分は下記に示すように、2,3-位、3,4-位または3,2-位においてオキサジノン環に融合しており、
【化7】

【0044】
好ましくは、前記チエニル部分は2,3-位、または3,2-位においてオキサジノン環に融合している。
【0045】
Yは、0、S、またはNR2であり、ここでのR2は、水素またはアルキルであり;
R1は、アルキル、またはハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、アリール、アルキルアリール、アルキル、ハロアルキル、アルコキシの一以上で任意に置換されたアリール、または任意に置換されたアリールオキシ、アリールチオ、SO-アリール、S02-アリールアルキルアリール、CO-アリール、C02-アリール、CONR6-アリール、NR6CO-アリール、またはNR6-アリールの一以上ので置換されたアリールであり;
ここで、Rl、R2およびR6、好ましくは1〜30の炭素原子を有するアルキル基、2〜30の炭素原子を有するアルケニル基、2〜30の炭素原子を有するアルキニル基、3〜30の炭素原子を有するシクロアルキル基、3〜30の炭素原子を有するシクロアルケニル基、6〜12の炭素原子を有するアリール基、および5〜12の炭素原子を有するヘテロアリール基である。
【0046】
この第二の側面の好ましい特徴において、チエニル基Aは、アルキル、アリール、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、アリールオキシ、アミノ、ヘテロアリール、またはアリールアルキルの一以上で任意に置換される。より好ましくは、チエニル部分Aは、水素、1〜20の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐のアルキル、3〜10の炭素原子を有する環状アルキル、6〜12の炭素原子を有するアリール、好ましくはフェニル、アルキルアリール、ハロアルキル、またはハロゲンの一以上で任意に置換される。最も好ましくは、このチエニル基はハロゲン、アルキルまたはアリールの一以上で置換される。2,3-位または3,2-位において融合されたチエニル基は、5-位および/または6-位で置換されることができる。好ましくは、該チエニル基は6-位で置換される。或いは、該チエニル基は、6員のアリール、ヘテロシクリル、またはシクロアルキル環、好ましくはフェニル、シクロヘキシルまたはピリジル環に融合されてもよい。
【0047】
Yは、O、SまたはNR2であり;ここでのR2は、好ましくは水素、または1〜6の炭素原子を有するアルキル、より好ましくはメチル、エチルまたはプロピルであり;
R1は、好ましくは、
a) 4〜25の炭素原子を有する非分岐のアルキル基、4〜25の炭素原子を有する分岐アルキル基、またはアルキル部分が2〜25の炭素原子を有するアリールアルキルであり;特に、R1は8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の炭素原子を有する非分岐のアルキル基、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の炭素原子を有する分岐アルキル基、またはアルキル基が4、5、6、7、8、9、10、11または12の炭素原子を有し、且つアリール基が好ましくはフェニルであるアリールアルキル基である。アルキル基は、アリール、ハロ、C02R21、アルキル、アルキニル、アルケニル ハロアルキル、ヘテロアリール、シアノ、ニトロの一以上で置換されることができ、ここでR21は水素、アルキル、アリールまたはNR6であり;
b) 任意にフェニルオキシ、フェニルチオ、SO-フェニル、S02-フェニル、アルキルフェニル、CO-フェニル、CO2-フェニル、CONR16-フェニル、NR16CO-フェニルまたはNR16-フェニルの一以上で置換されたフェニル基;ここでのアルキル基は、好ましくは、1〜4の炭素原子を有する非分岐のアルキル基であり、Rは好ましくは水素、またはメチル、エチル、n-プロピルまたはi-プロピルのようなアルキル基であり;ここでのフェニルオキシ、フェニルチオ、SO-フェニル、SO2-フェニル、アルキルフェニル、CO-フェニル、CO2-フェニル、NR16CO-フェニル、CONR16-フェニルまたはNR16-フェニル基は、任意にハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルキルハロ、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、アリールオキシ、アミノ、ヒドロキシまたはヘテロアリールの一以上で置換され;
c) ハロ、NR6R7、OR6、SR6、COR6、CO2R6、ニトロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキル、ハロアルキル、またはアルコキシの一以上で置換されたフェニル基であり、該フェニルは、オルト、メタまたはパラ位において置換されることができ、好ましくは、該フェニル基はメタまたはパラ位で置換される。R1のための好ましいオプションには、シアノ置換フェニル、アルコキシ置換フェニル、およびハロ置換フェニルが含まれる。
【0048】
第二の側面のより好ましい特徴において、本発明は、次式の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを提供する:
【化8】

【0049】
ここで、
基Aは、式(Ia)に定義した通りで、好ましくはハロゲン、C1-10分岐もしくは直鎖のアルキル、またはアリールで任意に置換されたチエニルであり;
Yは、式(Ia)について定義した通りで、好ましくはO、SまたはNHであり;
またR20は、任意に置換されたフェニルオキシ、フェニルチオ、SO-フェニル、S02-フェニル、アルキルフェニル、CO-フェニル、CO2-フェニル、CONR6-フェニル、NR6CO-フェニルまたはNR6-フェニルであり、好ましくは、R20は任意にハロ、シアノ、アルキル、アルキルハロ、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、アリールオキシ、アミノ、ヒドロキシまたはヘテロアリールで置換されたフェニルオキシ、フェニルチオ、CH2-フェニルまたはCO-フェニルであり、好ましくは、置換基はアルキル(例えばメチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)、ハロゲン(例えば塩素または臭素)、またはアルキルハロ(例えばトリフルオロメチルまたはジクロロエチル)である。
【0050】
R20基は、基Yに対して、フェニル環上のオルト、メタまたはパラ位に位置することができる。好ましくは、基R20は基Yに対してパラ位である。基R20を含むフェニル基は、好ましくはオルト、メタまたはパラ位において置換されることができ、好ましくは、該フェニル気はメタまたはパラ位で置換される。
【0051】
本発明の第一および/または第二の側面に従う代表的化合物には、下記のものが含まれる。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【表1−14】

【0052】
上記に列記した本発明の好ましい化合物は、その互変異性体、並びに(これらに限定されないが)その薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ、または任意に一以上の脂質基(天然または合成の)が結合した誘導体にまで拡大される。
【0053】
本発明は、上記化合物のプロドラッグにまで拡大される。プロドラッグは、生理学的条件下において、または加溶媒分解によって、本発明の何れかの化合物または本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩に変換される。プロドラッグは、患者に投与されるときは不活性であるが、インビボで本発明の活性化合物に変換される。
【0054】
本発明の化合物は、一以上のステレオジェニック(非対称)炭素原子を含んでいてもよく、またラセミ形および光学活性形(エナンチオマー)で存在していてもよい。本発明の第一の側面は、このような全てのエナンチオマー、およびラセミ混合物を含むそれらの混合物を包含するものである。
【0055】
式(I)(II)および(IIa)の化合物の薬学的に許容可能な塩の例には、それぞれメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、塩酸塩、および硫酸塩等を与えるメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸のような有機酸、または塩酸および硫酸等のような鉱酸から誘導されるもの、または有機および無機塩基から誘導されるものが含まれる。本発明の化合物の塩を形成するための適切な無機塩基の例には、アンモニア、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、アルミニウム、鉄、マグネシウム、および亜鉛等の水酸化物、炭酸塩、および重炭酸塩が含まれる。また、塩は適切な有機塩基からも形成することができる。このような薬学的に許容可能な塩基付加塩の形成に適した塩基には、無毒で且つ塩を形成するために十分に強い有機塩基が含まれる。このような有機塩基は既に当業者に周知であり、またアミノ酸(例えばアルギニンおよびリジン)、モノ、ジ、またはトリヒドロキシアルキルアミン(例えばモノ-、ジ-、およびトリエタノールアミン)、コリン、モノ-、ジ-、およびトリアルキルアミン(例えばメチルアミン、ジメチルアミン、およびトリメチルアミン)、グアニジン; N-メチルグルコサミン;N-メチルピペラジン; モルホリン;エチレンジアミン;N-ベンジルフェネチルアミン;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;等が含まれ得る。
【0056】
塩は、当該技術で周知の方法を用いて従来の方法で調製すればよい。前記塩基性化合異物の酸付加塩は、本発明の第一または第二の側面に従って、必要な酸を含有する水溶液、水性アルコール溶液または他の適切な溶媒の中に、遊離塩基化合物を溶解することによって調製すればよい。式(I)(Ia)(II)および(IIa)の化合物が酸官能基を含む場合は、前記化合物の塩基塩は、前記化合物を適切な塩基と反応させることによって調製すればよい。この酸塩または塩基塩は直接分離してもよく、または例えば蒸発によって溶液を濃縮することによって得ることができる。本発明の化合物はまた、溶媒和形態または水和形態でも存在し得る。
【0057】
この第二の側面の全ての好ましい特徴は、本発明の第一の側面にも適用される。
【0058】
本発明の第三の側面は、本発明の第一または第二の側面に従う何れか一以上の新規化合物または誘導体を製造するための方法を提供する。従って、本発明は、式(I)(Ia)(II)(IIa)の新規化合物を調製するための方法を提供する。該方法は下記を含む:
方法(A): 次式(IV)の化合物を、
【化9】

【0059】
次式(V)の化合物と反応させること;
【化10】

【0060】
方法(B): 次式(VI)の化合物を環化すること;
【化11】

【0061】
ここで、R1は先に定義したとおりであり、R18は水素またはC1-6アルキルである
方法(C): 次式(VII)の化合物を、
【化12】

【0062】
ここで、Ha1はハライド、例えばF、Cl、BrまたはIである
次式(VIII)の化合物と反応させること;
1−YH (VIII)
方法(D):次式(IX)の化合物を、
【化13】

【0063】
ここで、Xは、O、S、またはNHである
次式(X)の化合物と反応させること;
ICH21 (X)
方法(E): 例えば下記の(i)または(ii)により、式(Ia)および/または式(IIa)の化合物を、式(Ia)および/または式(IIa)の異なる化合物に変換すること;
(i)R1もしくはR2、またはヘテロ環基Aの何れかの置換基がアルケニルもしくはアルキニル基または部分を含む式(Ia)および/または式(IIa)の化合物の、対応するアルキルもしくはアルケニル基または部分への還元;
(ii)ヘテロ環基Aの一以上の置換基がハロゲン原子を表す式(Ia)および/または式(IIa)の化合物のアルキル化。
【0064】
方法(A)は、式(IV)の化合物を式(V)の化合物と反応させることによって行えばよく、ここで式(V)の化合物はクロロチオールホルメート、クロロホルメート、または塩化カルバモイルであってよい。加えて、式(V)の化合物はイソシアネートで置換してもよい。この方法は、好ましくは塩基性条件下で、例えばピリジンを使用して行われる。最初に形成される中間体カルバメートが式(V)の過剰な化合物との反応によって環化されるように、過剰量(2当量超)の式(V)の化合物が用いられる。
【0065】
方法(A)に使用するための式(V)の化合物は、当該技術において周知の標準方法、例えば例えば対応するチオールR1SH、アルコールR1OHまたはアミンR1R2NHとホスゲンとの反応によって調整すればよい。
【0066】
方法(B)は、R18が水素である式(VI)の化合物を、環化剤、例えばクロロ蟻酸アルキルの存在下で、例えば方法(A)について説明したようにして反応させることにより実行すればよい。或いは、化合物(VI)を、濃硫酸のような脱水剤で処理することにより環化してもよい。
【0067】
或いは、R18がアルキル基である化合物(VI)は、式(IV)に対応するエステルを、例えばホスゲン及びピリジンのような塩基と反応させて対応するイソシアネートを得た後、アルコール、チオール又はアミンで処理することによって調製すればよい。所望であれば、該エステル(即ち、R18がアルキルの場合)は、例えば水性テトラヒドロフラン又は水性ジオキサン中の水酸化リチウムを使用して、対応する酸(R18=H)に加水分解すればよい。
【0068】
方法(A)はまた、式(VI)の中間体を介しても進行し、従って方法(B)の変形例であることが理解されるであろう。
【0069】
方法(C)は、式(VII)の化合物を、トリエチルアミンのような塩基の存在下において、式(VIII)のチオール、アルコールまたはアミンと反応させることによって行えばよい。
【0070】
方法(D)は、式(IX)の化合物を、アセトンのような溶媒中でヨウ化アルキル及び炭酸ナトリウムと反応させることにより行えばよい。
【0071】
式(IX)の化合物は、ホスゲン、チオホスゲン、または臭化シアノジェン(cyanogen bromide)で環化することによって調製すればよい(See Krantz etal., J. Med. Chem. 1990,33 (2): 464-479参照)。
【0072】
方法(E)において、アルケニル基またはアルキニル基の還元は、例えば、エタノールのようなアルコール性溶媒中の炭素上の10%パラジウムを、例えば1気圧の水素ガス下に使用した接触水素化により行えばよい。
【0073】
方法(E)(ii)によるアルキル化は、例えば50〜100℃の高温のHPMC中においてテトラメチル錫およびPhCH2Pd(PPh3)2Clのようなテトラアルキル錫を使用した、Stilleまたは他のパラジウム触媒架橋結合法を使用して行えばよい。他のハロゲン化物または偽ハロゲン化物、例えばトリフレートを出発物質に用いてもよい。
【0074】
第一および第二の側面の全ての好ましい特徴はまた、本発明の第三の側面にも適用される。
【0075】
本発明の第四の側面は、医薬に使用するための、本発明の第一および/または第二の側面に従う化合物(即ち、式(I)、(Ia)、(II)、および/または(IIa)の化合物)である。より詳細に言えば、この第四の側面は、医薬に使用するための、第二の側面の化合物(即ち、式(Ia)および/または(IIa)の化合物)に関する。本発明の第一および/または第二の側面の好ましい特徴は、この第四の側面にも適用される。本発明の第四の側面の更なる詳細を以下に記載する。
【0076】
医薬に使用するための本発明による化合物は、主に、肥満または肥満関連障害、例えば脂肪過剰血症、高脂血症、高血糖症(II型糖尿病)、高血圧、心血管系疾患、発作、胃腸管疾患または胃腸系症状のような、医学的症状の予防および/または治療に関連した使用に関する。本発明はまた、美容的減量のような非医療的減量に関し、一般的な身体外観の改善を含む。
【0077】
本発明の第一および第二の側面に従う化合物は、好ましい作用モードがエステル官能基の加水分解の触媒である酵素を阻害するその能力(インビボで、該酵素が天然に存在するとき)により、これらの症状および他の症状において有用である。従って、第四の側面は、好ましい作用モードがエステル官能基の加水分解の触媒である酵素の阻害を必要とする症状を予防または治療するのための、前記第一および/または第二の側面において定義した化合物を提供する。好ましくは、この第四の側面は、脂肪の代謝または分解に関与する酵素の阻害を必要とする症状を予防または治療するための、本発明の第一および/または第二の側面において定義した化合物を提供する。
【0078】
明らかに、本発明の重要な応用は、ヒトにおける減量(上記で述べた全ての種類の減量)に関連する。しかし、本発明はまた、動物における医療的または非医療的減量にも適用される。特に、本発明は、好ましい作用モードがエステル官能基の加水分解(インビボで、該酵素は天然に存在する)の触媒である酵素が、脂肪および脂肪誘導体の代謝に関与している如何なる動物にも適用される。従って、本発明は獣医学的な用途を有しており、特に、ネコおよびイヌのペットのようなコンパニオン動物、並びに人間の消費のための肉を提供する動物における、医療的および非医療的な減量に関連して特に有用である。
【0079】
体重の減少は、多くの生理学的および心理学的な利点を患者に提供するであろう。この利点には、改善された心血管系機能、改善された身体イメージ、低下したコレステロールレベル、並びに感知されるエネルギーまたは実際のエネルギーの増大が含まれるが、これらに限定されない。加えて、体重の低下は、肥満によって発生または悪化する症状における利益を提供するであろう。このような症状には、脂肪過剰血症、高脂血症、高血糖症(II型糖尿病)、高血圧症、心血管系疾患、発作、胃腸管疾患および胃腸系症状が含まれる。
【0080】
また、当該化合物は、体脂肪中に蓄積された毒素(例えばダイオキシンおよびPCB)のレベルの低下においても有用であり得る。理論に拘泥することを望むものではないが、身体を通過する未消化の脂肪の量を増大させることは、身体に蓄積された脂肪から血液中の脂肪へ、次いで腸への毒素の拡散を高める。
【0081】
本発明の第四の側面は、更に、肥満または肥満関連障害を予防または治療するための医薬の製造における、本発明の第一または第二の側面において定義した化合物の使用を提供する。好ましくは、この第四の側面は、この使用のために第二の側面において定義した化合物の使用を提供する。
【0082】
第一、第二および第三の側面の全ての好ましい特徴は、本発明の第四の側面にも適用される。
【0083】
本発明の第五の側面は、好ましい作用モードがエステル官能基の加水分解を触媒することである酵素の阻害に使用するための、本発明の第一および/または第二の側面に従う化合物に関する。これには、インビボおよびインビトロの使用の両方、並びに工業的使用のような他の使用が含まれる。このような酵素は、水の付加によってエステル官能基を含む基質の分解を触媒し、化学結合の開裂を生じるものである。このような酵素は、身体における重要なプロセスに関与する。本発明に従う酵素には、リパーゼ(脂肪酸エステルを加水分解する)、エステラーゼ(エステルを加水分解する)およびホスファターゼ(リン酸エステルを加水分解する)が含まれる。
【0084】
当該酵素は、好ましくはリパーゼである。リパーゼには、哺乳類の身体における膵臓リパーゼ、胃リパーゼ、リポタンパク質リパーゼ、舌リパーゼ、脂肪組織リパーゼ、ホルモン感受性リパーゼ、ホスホリパーゼAl、A2、B、C、D等、肝リパーゼ、および他のトリアシル、ジアシルおよびモノアシルグリセロールリパーゼが含まれる。植物、真菌および微生物においても、このような同様の多くのリパーゼが知られている。
【0085】
また、エステラーゼ酵素およびホスファターゼ酵素も含まれる。エステラーゼ酵素には、ブタ肝臓エステラーゼ、コレステリルエステラーゼ、レチニルエステラーゼ、1-アルキル-2-アセチルグリセロホスホコリンエステラーゼ、カルボキシエステルヒドロラーゼ、およびコレステロールエステラーゼが含まれる。ホスファターゼ酵素には、セリン/スレオニンホスファターゼPP1、PP2およびPP3、リンタンパク質ホスファターゼ、ミオシン軽鎖ホスファターゼ、タンパク質リンタンパク質2C、およびタンパク質チロシンホスファターゼが含まれる。
【0086】
本発明の第五の側面は重要な応用を有している。それは、何等かのプロセスおよび何等かの製品における望ましくない酵素(好ましくはリパーゼ)の試験および診断方法、並びに抑制および阻害を含んでいる。好ましくはリパーゼを含む該プロセスまたは製品には、農産物(例えばオイルシード)の加工、バイオテクノロジープロセス(例えば微生物の溶菌をい含む)からの酵素の回収および単離、粗製油(特に油およびプラスチック)の製造および抽出、トリグリセリドまたは他の脂肪の工業的製造、表面活性剤、石鹸または洗浄剤を含むヘルスケア製品(例えばバスオイル、クリーム)の製造、リポソーム(ヘルスケア製品、診断薬、遺伝子療法)の製造および加工、産業廃棄物(製紙廃液)の処理、および脂肪を含む食品の分解防止(例えばチョコレート加工)が含まれる。従って、本発明はまた、これら製品およびプロセス、例えば本発明の第一の側面による化合物を含有する食品、特に高脂肪含量の食品、例えばケーキ、ビスケット、ペースト製品など、およびチョコレート製品に関する。好ましい作用モードがエステル官能基の加水分解の触媒(インビボ、該酵素が天然に存在するとき)である酵素を含めて、本発明の第五の側面の好ましい特徴は、本発明の先の側面について述べた通りである。
【0087】
第一、第二、第三および第四の側面の全ての好ましい特徴は、本発明の第五の側面にも適用される。
【0088】
本発明の第六の側面は、本発明の第一または第二の側面に従う新規化合物を、薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤と共に含有する組成物を提供する。適切なキャリアおよび/または希釈剤は当該技術において周知であり、薬学的等級の澱粉、マンニトール、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、蔗糖(または他の糖)、炭酸マグネシウム、ゼラチン、油、アルコール、洗浄剤、入荷剤または水(好ましくは滅菌済み)が含まれる。この組成物は、組成物の混合製剤であってもよく、または同時の、別々のまたは連続的な使用(投与を含む)のための組合された製剤であってもよい。
【0089】
上記適用症に使用するための本発明による化合物は、何れかの便宜のよい方法、例えば経口(吸入を含む)投与、非経腸投与、粘膜(例えばバッカル、舌下、鼻腔)投与、直腸投与、または経皮投与、およびこれらに適合された組成物によって投与すればよい。
【0090】
経口投与のために、当該化合物は液体または固体として、例えば溶液、シロップ懸濁液、またはエマルジョン、錠剤、カプセルおよびロゼンジとして処方することができる。
【0091】
液体処方は、一般には、適切な水性または非水性液体キャリア、例えば水、エタノールグリセリン、ポリエチレングリコール、または油中の、当該化合物またはその生理学的に許容可能な塩の懸濁液または溶液からなるであろう。この処方はまた、懸濁材、保存剤、香料または着色剤を含んでいてもよい。
【0092】
錠剤形態の組成物は、固形処方を調製するためにルーチンに使用される何れかの適切な調剤キャリアを使用して調製することができる。このようなキャリアには、ステアリン酸マグネシウム、澱粉、乳糖、蔗糖、および微結晶セルロースが含まれる。
【0093】
カプセル形態の組成物は、ルーチンのカプセル化法を使用して調製することができる。例えば、標準のキャリアを使用して活性成分を含有する粉末、顆粒またはペレットを調製し、次いで硬質ゼラチンカプセルの中に充填することができる;或いは、適切な調剤キャリア、例えば水性ガム、セルロース、シリケートまたは油を使用して分散液または懸濁液は調製し、次いで軟質ゼラチンカプセルの中に充填することができる。
【0094】
経口投与のための組成物は、例えば錠剤またはカプセル上の処方外被コーティングにより、消化管を通過するときに活性成分を分解から保護するように設計してもよい。
【0095】
典型的な非経腸的組成物は、滅菌された水性または非水性のキャリまたは非経腸的に許容可能な油、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、ピーナッツ油またはゴマ油中の、当該化合物またはその生理学的に許容可能な塩の溶液または懸濁液からなる。或いは、当該溶液は凍結乾燥し、次いで投与の直前に、適切な溶媒を用いて再構成することができる。
【0096】
鼻腔投与または経口投与のための組成物は、便宜には、エアロゾル、ドロップ、ゲルおよび粉末として処方してもよい。エアロゾル処方は、典型的には、生理学的に許容可能な水性または非水生の溶媒中に当該活性物質の溶液または懸濁液を含んでおり、通常は、噴霧装置を用いて使用するためのカートリッジまたは再充填剤の形態を取ることができる密封容器内の、滅菌された単回投与量または多回投与量形態として与えられる。或いは、この密封容器は、容器内容物を消費したら使い捨てすることを目的とした、計量弁を備えた単回投与量の鼻腔吸入器またはエアロゾル分注器のような一体型の分注装置であってよい。投与形態がエアロゾルディスペンサを含む場合、それは薬学的に許容可能な噴射剤を含むであろう。エアロゾル投与量形態はまた、ポンプ噴霧器の形態をとることもできる。
【0097】
バッカル投与または舌下投与のために適した組成物には、錠剤、ロゼンジおよびパステルが含まれ、この場合、活性成分は糖およびアカシア、トラガカンス、またはゼラチンおよびグリセリンのようなキャリアを用いて処方される。
【0098】
直腸投与または膣投与のための組成物は、便宜には、座薬(ココアバターのような従来の座薬基材を含む)、ペッサリー、膣タブ、フォームまたは浣腸の形態である。
【0099】
経皮投与に適した組成物には、軟膏、ゲル、パッチ、および粉末注射を含む注射剤が含まれる。
【0100】
便宜には、当該組成物は、錠剤、カプセルまたはアンプルのような単位投与量形態である。
【0101】
本発明の第六の側面の組成物は、肥満、肥満関連障害の予防および/または治療、他の医療的減量および非医療的減量において有用である。本発明のこの側面における好ましい特徴は、本発明の第一から第五の側面について上述した通りである。
【0102】
本発明の第七の側面は、本発明の第六の側面に従う組成物の製造方法を提供する。この製造は、当該技術において周知の標準技術によって行うことができ、本発明の第二の側面に従う化合物および薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤を組合わせることを含む。該組成物は、錠剤、液剤、カプセルおよび粉末、または食品(例えば機能性食品)を含む如何なる形態であってもよい。後者の場合、食品自体は薬学的に許容可能なキャリアとして作用してもよい。
【0103】
第一、第二、第三、第四、第五および第六の側面の全ての好ましい特徴は、本発明のこの第七の側面にも適用される。
【0104】
本発明の第八の側面は、肥満または肥満関連障害の予防または治療のための方法を提供する。この方法は、好ましくは薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤(本発明の第六の側面で述べたような)と組合された、本発明の第一の側面または第二の側面に従う化合物の投与を含む。肥満関連障害には、高脂血症、脂肪過剰血症、高血糖症(II型糖尿病)、高血圧症、心血管系疾患、発作、胃腸管疾患、および胃腸系症状が含まれる。当該化合物または組成物は、好ましくは、それを必要としている患者に対して、症状、障害または疾患の症候を予防および/または治療するのに充分な量で投与される。本発明の全ての側面、特に医療的側面について、化合物または組成物の投与には投与量レジメが存在し、これは最終的には臨床医によって決定され、使用される化合物、動物の種類、年齢、体重、症状の重篤度、投与方法、副作用および/または他の禁忌のような因子が考慮されるであろう。特別に定義される投与量範囲は、患者の進行および回復を完全にモニターしながら行われる標準設計の臨床試験によって決定することができる。このような臨床試験は、動物での最大許容投与量の低パーセンテージを人間での出発投与量として用いた、段階的に増大する投与量設計を使用すればよい。
【0105】
本発明の生理学的に許容可能な化合物は、通常は、式(I)の化合物または遊離塩基として計算したその生理学的に許容可能な塩の一日投与量レジメ、例えば1 mg〜2000 mg、好ましくは30 mg〜1000 mg、例えば10から250 mgの経口投与量、または0.1 mg〜100 mg、好ましくは0.1 mg〜50 mg、例えば1〜25 mgの静脈内、皮下または筋肉内投与量で投与され、該化合物は一日に1〜4回投与されるであろう。当該化合物は、適切には或る連続療法の期間、例えば1週間以上に亘って投与されるであろう。
【0106】
第一、第二、第三、第四、第五、第六および第七の側面における全ての好ましい特徴は、本発明のこの第八の側面にも適用される。
【0107】
本発明の第九の側面は、所定の体重を維持するための美容的(非治療的)方法、または美容的減量のための方法を提供する。この方法は、好ましくは薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤(本発明の第六の側面で述べたような)と組合された、本発明の第一の側面または第二の側面に従う化合物の投与を含む。当該化合物または組成物は、好ましくは、それを必要としている患者に対して、所定の体重を維持するため、または美容的減量のために充分な量で投与される。
【0108】
本発明の第八および第九の側面は、ヒトおよび他の動物、特にコンパニオン動物(例えばイヌまたはネコ)およびヒトが消費するための肉を提供する動物(例えばウシ、ブタおよびヒツジ)(全て、如何なる年齢でもよい)に適用可能な方法に関する。
【0109】
本発明の第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七およびダイアチの側面における全ての好ましい特徴は、本発明の第九の側面にも適用される。
【0110】
以下、非限定的実施例を参照して本発明を説明する。
【実施例】
【0111】
<本発明による新規化合物の合成>
以下の記載は本発明を実施するために用いることができる特定の組成物、方法および使用について詳述する。しかし、当業者は、本発明の代替態様を目的として、信頼性のある代替方法の用い方を知るであろう。それらの方法もここに包含されるものである。
【0112】
2-フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オンの合成:
【化14】

【0113】
ピリジン(1mL)中の2-アミノチオフェン-3-カルボン酸tert-ブチル(1)(0.1g,0.5mmol)の溶液を、イソシアン酸フェニル(65μL,0.6mmol)を用いて処理し、室温で18時間撹拌した。次いで混合物を10%クエン酸溶液(10mL)中に注ぎ、水相(aqueous)を酢酸エチルで抽出した(3×10mL)。合体した有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させてクリーム色の固体を得た。これを酢酸エチルを用いて粉砕し、濾過して白色の固体(25mg)を除去し、これを酢酸エチルを用いて濯いで廃棄した。次いで濾液を減圧下で蒸発させ、得られた固体をシクロヘキサンを用いて粉砕してtert-ブチルウレアを灰色−白色の粉末(0.13g)で得た。M/z(ES+)319(MH+)。
【0114】
粗製のtert-ブチル尿素(2)(50mg,想定0.19mmol)をジクロロメタン(10mL)中の20% CF3CO2H(TFA)の溶液中にて室温で3時間撹拌した。次いで溶剤を蒸発させて白色の粉末を得、これをさらに精製せずに用いた。M/z(ES+)263(MH+)。
【0115】
粗製の酸-尿素(3)をジクロロメタン(1mL)中に懸濁させ、溶解が達成されるまでDMF(3〜5滴)を添加した。1-(3-ジメチルアミノ-プロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC,44mg,0.23mmol)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌し、水中に注ぎ、水相をジクロロメタンで抽出した(3×10mL)。合体した有機物を2部の塩水を用いて洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、溶剤を蒸発させて茶色の粉末を得た。これをTHF中に溶解させ、シリカ上に吸着させ、クロマトグラフィにより精製して標題化合物(4)を得た(85:15石油エーテル:酢酸エチルおよび数滴のEt3N)。収量:15mg,32%;RfO.34(85:15 石油エーテル:EtOAc);H(400MHz,CDCl3)6.87(1H,d,J 5.8,Th-H),7.00(1H,s,NH),7.11(1H,t,J 7.5,Ph-H),7.23(1H,d,J 5.8,Th-H),7.33(2H,t,J 7.9,Ph-H),7.52(2H,d,J 8.1,Ph-H);m/z(ES+)244.9(MH+)。
【0116】
2-(4-フェノキシ)-フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オンIV(化合物5)の調製のための反応スキーム:
【化15】

【0117】
2-アミノ-チオフェン-3-カルボン酸 tert-ブチルエステルI:
乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中の1,4-ジチアン-2,5-ジオール(1.1g)およびシアノ酢酸t-ブチル(2.2mL)の溶液を〜45℃にまで加温し、次いでトリエチルアミン(2mL)を用いてゆっくりと処理した。温度を〜54℃にまで上げ、黄色の着色化が現れた。混合物を、色が次第に暗くなり茶色がかるまで〜50℃でさらに75分撹拌した。水(200mL)を添加し、次いでこの混合物を酢酸を用いて酸性にし、エーテルを用いて抽出した。エーテル抽出物を水を用いて洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留する酢酸をトルエンを用いた供沸蒸留により除去した。得られた茶色の液体は、NMRにより所望の生成物であると特定された。試料をさらに生成せずに用いた。NMR(CDCl3)δ(ppm):1.6(9H,s);5.85(2H,br.s);6.2(1H,d);6.95(1H,d)。
【0118】
2-[3-(4-フェノキシ-フェニル)-ウレイド]-チオフェン-3-カルボン酸 tert-ブチルエステルII:
乾燥ピリジン(20mL)中の2-アミノ-チオフェン-3-カルボン酸t-ブチル(0.6g)の溶液に、イソシアン酸4-フェノキシフェニル(0.84g)を添加した。混合物を48時間撹拌し、次いで暗色の溶液を水(200mL)中に注いだ。撹拌した混合物を酢酸を用いて酸性にし、沈殿物をゆっくりと固体化させて茶色の固体を得た。約1時間後、固体を濾過除去し、真空下で乾燥させ、アセトニトリルから結晶化させ、オフホワイト色の固体を得た。融点=203〜205℃。収量=0.6g(48.8%)。
【0119】
2-[3-(4-フェノキシ-フェニル)-ウレイド]-チオフェン-3-カルボン酸 III
上記エステルII(0.49g)を40mL乾燥ジクロロメタン中に溶解させ、0.5mLトリフルオロ酢酸を添加した。16時間後、試料のTLCは不完全な反応を示した。TLCによりエステルが残らなくなるまで、溶液を16時間還流加熱した。溶液を真空下で乾燥するまで濃縮し、残りの固体をアセトニトリルから再結晶化させた。融点=195〜198℃。収量=0.32g(75.6%)。
【0120】
2-(4-フェノキシ-フェニルアミノ)-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン IV
乾燥ジクロロメタン(40mL)および乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中の前記酸III(266mg)の溶液に、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.2g)を添加した。溶液を室温で一晩撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残留する液体を水(150mL)を用いて希釈した。1時間撹拌した後、白色の沈殿物を酢酸エチル中に抽出させた。有機層を分離し、水を用いて洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した真空下で濾過し、オフホワイト色の固体を得た。これをトルエンから再結晶化させて白色の固体を得た。融点=206〜210℃。収量=129mg(51.2%)。
【0121】
2-(4-フェニルスルファニル)-フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン VII(化合物16)の調製のための反応スキーム:
【化16】

【0122】
2-[3-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ウレイド]チオフェン-3-カルボン酸 tertブチルエステルV:
乾燥ジクロロメタン(30mL)中の4-フェニルチオアニリン(0.21g)の溶液を、室温で撹拌しながら、トリホスゲン(0.1g)を、続いてトリエチルアミン(0.5mL)を添加した。混合物を1時間還流させ、次いで室温にまで冷却した。溶剤を回転蒸発により除去し、残渣を乾燥ピリジン(30mL)中に溶解させた。この溶液に、2-アミノチオフェン-3-カルボン酸t-ブチル(0.2g)を添加した。この混合物を室温で48時間撹拌した。溶液を水で希釈し、酢酸を用いて酸性にした。酢酸エチル抽出物を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で乾燥するまで蒸発させて、粘性のある茶色の油状物を得た。この油状物をフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製して、白色の固体を得、これをさらに精製せずに用いた。収量=0.14g(32.5%)。NMR(CDCl3)δ(ppm):1.6(9H,s);6.6(1H,d);6.7(1H,br.s);7.1(1H,d);7.2(1H,m);7.3(4H,m);7.4(4H,m);10.7(1H,br.s)。
【0123】
2-[3-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ウレイド]チオフェン-3-カルボン酸VI:
乾燥ジクロロメタン(50mL)中の上記エステルV(125mg)の溶液を室温でトリフルオロ酢酸(5mL)とともに一晩撹拌した。溶液を真空下で乾燥するまで濃縮し、灰色の残渣をアセトニトリルから再結晶化させた。生成物を白色の固体で得た。収量=53mg(48.6%)。NMR(CDCl3,DMSO)δ(ppm):6.6(1H,d);7.2(5H,m);7.4(4H,m);7.55(2H,d);9.85(1H,br.s);10.55(1H,br.s)。
【0124】
2-(4-フェニルスルファニルフェニル)-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オンVII:
乾燥ジクロロメタン(20mL)および乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中の前記酸VI(52mg)の溶液に、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.15g)を添加した。混合物を一晩撹拌した。揮発成分を回転蒸発により除去し、次いで残渣を水中に注ぎ、0.5時間撹拌した後、エーテル中に抽出させた。これらの有機層を分離し、水を用いてよく洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して乾燥させた。得られた淡い黄色の固体をトルエンから再結晶化させて、非常に淡い黄色の固体を得た。融点=203〜204℃。収量=24mg(49.0%)。
【0125】
6-メチル-2-(4-フェノキシ)-4H-フェニルアミノ-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オンXI(化合物9)の調製のための反応スキーム:
【化17】

【0126】
2-アミノ-5-メチルチオフェン-3-カルボン酸 tert-ブチルエステルVIII:
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の酢酸メチル(1.4g)および硫黄(0.5g)の懸濁液に、乾燥トリエチルアミン(1.01g)を添加した。この反応混合物にプロピオンアルデヒド(1.24g)を滴下添加し、次いでこの反応混合物を70℃で1時間で加熱した。混合物を水中に注ぎ、エーテルを用いて抽出した。合体したエーテル抽出物を塩水を用いて洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した真空下で濾過した。粗成物を、シリカゲル(石油エーテル/エーテル 9/1)上のフラッシュクロマトグラフィにより精製して、標題化合物を得た。収量=1.54g(72%)。NMR(CDCl3):1.5(9H,s);2.25(3H,s);5.65(2H,br.s);6.55(1H,s)。
【0127】
5-メチル-2-[3-(4-フェノキシフェニル)ウレイド]-チオフェン-3-カルボン酸 tertブチルエステルIX:
乾燥ピリジン(5mL)中の2-アミノ-チオフェン-3-カルボン酸t-ブチル-5-メチル(0.5g)の溶液に、イソシアン酸4-フェノキシフェニル(0.31g)を添加した。混合物を一晩撹拌し、次いでこの溶液を蒸発させた。固体をジイソプロピルエーテル中で粉砕し、沈殿物を濾過除去した。融点=130〜132℃。収量=0.68g(71%)。
【0128】
5-メチル-2-[3-(4-フェノキシフェニル)ウレイド]チオフェン-3-カルボン酸X:
乾燥ジクロロメタン(50mL)中の上記エステルIX(0.42g)の溶液を、トリフルオロ酢酸(4mL)を用いて2時間還流した。TLCが残りの出発物質が存在しないことを示したら、溶液を真空下で乾燥するまで濃縮して固体の残渣を得た。収量=0.4g(100%)。融点=213〜215℃。
【0129】
6-メチル-2-(4-フェノキシフェニルアミノ)-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オンXI:
乾燥ジクロロメタン(10mL)および乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(15mL)中の前記酸X(150mg)の溶液に、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(82mg)を添加した。この溶液を室温で一晩撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。水を残留する液体に添加し、形成された白色の沈殿物を濾過除去した。これをトルエンから再結晶化させて白色の固体を得た。収量=26mg(18%)。NMR(DMSO):2.65(3H,s);7.15(3H,m);7.32(3H,m);7.6(2H,t);7.8(2H,t);10.85(1H,s)。
【0130】
<生物学的試験方法および結果>
試験化合物:
以下の試験に使用したチエノ-オキサジノン化合物類は、先の表1において指定した参照番号によって特定される。
【0131】
キニンジイミン色素比色分析試験を用いたリパーゼ活性の測定:
膵臓リパーゼに対する選択された化合物の阻害活性は、シグマ社から入手可能な下記の試験において測定した(Lipase-PS、カタログ番号805-A)。
【化18】

【0132】
膵臓リパーゼおよびモノグリセリドリパーゼの作用で放出されたグリセロールを酸化して、H202を放出させた。次いで、パーオキシダーゼ反応段階により、ピンク色で且つ波長550 nmの光を吸収するキニン色素が生じる。
【0133】
阻害剤:
個々の試験化合物を、10 mMでDMSO(ジメチル sulphoxide)中に溶解した。DMSOは、水不溶性である化合物についての何らかの問題を回避するために使用した。
【0134】
個々の化合物について、阻害濃度範囲を用いたLog投与量曲線から阻害活性を測定することにより、IC50(リパーゼ活性が最大値の半分にまで阻害される濃度)を計算した。
【0135】
NaOH滴定法を用いた膵臓リパーゼ酵素活性の測定:
Pasquier et al; 1996, Vol7, Nutritional Biochemistry, 293-302に記載された方法を用いて、膵臓リパーゼに対する選択された化合物の阻害活性を測定した。
【0136】
阻害濃度の範囲を使用して、Log投与量/応答曲線を作成した。
【0137】
コレステロールエステラーゼ活性の測定:
ウシ膵臓コレステロールエステラーゼ(Sigma Cat. No. C5921)を、lmg/mLで、100mM MOPS 2mM CaCl2 pH 7.3中に溶解した。選択された化合物を、DMSO(ジメチルスルホキシド)中に溶解された5 mMの貯蔵溶液としてルーチンに保存した。使用に先立ち、この貯蔵溶液を、更に40% DMSO(60% 100mM MOPS 2mMCaC12 pH 7.3)中で希釈して一連の希釈液(×20、×100、×200、×1,000、×2,000、×10,000、×20,000、および×100,000)を得た。
【0138】
試験基質は、酪酸p-ニトロフェニル(Sigma Cat. No. N9876)MW 209.2、密度1.2およびタウロコール酸ナトリウム塩(Sigma Cat. No. T 4009)MW 537.7を含んでいた。この試験基質は、タウロコール酸(6mM 最終濃度)+87μLの酪酸p-ニトロフェニル(40μM 最終濃度)+50μLの120% Triton X-100(0.08% 最終濃度)を、10 mLの100mM MOPS 2mM CaCl2 pH 7.3の中に溶解することにより調製した。この基質を振盪させて成分を溶解させ、遠心分離して透明にした。
【0139】
試験は、10μLの酵素、50μLの阻害剤、および190μLの基質を96ウエルのELISAプレート中で混合することにより、三重に調製した。このプレートを、バイオラッド社製のベンチマークマイクロプレート読取り機(BioRad Benchmark Microplate reader)中において37℃でインキュベートし、阻害剤を含まない酵素の場合に比較して、10分間に亘って発色速度を測定した。
【0140】
トリプシン活性の測定:
ブタトリプシン(ベーリンガー社製)を、1 mg/mLの濃度で、2 mM CaCl2を含有する100 mM MOPS(3-[N-モルホリノ]プロパンスルホン酸)pH 7.3中に溶解して、2 g/mLの最終濃度を得た。
【0141】
選択された化合物を、DMSO(ジメチルスルホキシド)中に溶解した5 mMの貯蔵溶液として、-20℃で保存した。試験のために、アリコートを解凍し、2 mMのCaCl2を含有する100 mM MOPS pH 7.3中において、一連の希釈液を調整した(×100、×200、×1,000、×2,000、×10,000、×20,000、および×100,000)。この基質 Bz-Phe-Val-Arg-pNA(ベンゾイル-フェニルアラニル-バリル-アルギニン-p-ニトロアニリド)をDMSO中に溶解して、10 mM溶液を得た。使用の直前に、該基質を、2 M CaCl2を含有する100 mM MOPS中に0.3mM(30μL/mL)で溶解した。
【0142】
96ウエルのELISAプレート中に、試験を三重にセットアップした。10 μLの2 μg/mLトリプシン、26 μLの希釈された阻害剤、および190 μLの基質を連続的に加えた。次いで、該プレートをバイオラッド社製のベンチマークマイクロプレート読取り機(BioRad Benchmark Microplate reader)中において、37℃でインキュベートした。p-ニトロアニリンの放出速度を、阻害剤を含まない酵素の場合と比較して、405 nMにおいて10分間に亘って測定した。
【0143】
結果:
標準の化合物の範囲を、リパーゼ阻害活性の迅速な測定法を提供するキニン色素発色試験で試験した。試験された何れの化合物も発色反応を妨害しなかった。即ち、それらは偽陽性の結果を与えなかった。
【0144】
試験された化合物について、これらの化合物がヒト膵臓リパーゼの阻害剤であることを示す、或る範囲の阻害活性が観察された。
【0145】
化合物1、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、19、20、21、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、38、40、41、43、44、45、46、47、48、49、および50は、IC50<100 nMを示した。
【0146】
選択されたチエノ-オキサジノン化合物は、NaOH滴定試験において試験された。この試験においては、脂質ミセルを含むシステムにおけるブタ膵臓リパーゼの活性が記録された。従って、これらの条件は胃腸管において遭遇するものに類似している。
【0147】
この試験においては、試験されたチエノ-オキサジノン化合物について、子いれらの化合物がブタ膵臓リパーゼの阻害剤であることを示す、或る範囲の阻害活性の範囲が観察された。化合物1、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、43、44、45、46、47、48、49、および50は、1マイクロモル以下のIC50値を有していた。
【0148】
これらの結果は、多くの選択されたチエノ-オキサジノン類が脂肪分解の阻害剤であり、これらの化合物は肥満の治療に特に適し得ることを示している。
【0149】
トリプシンおよびコレステロールエステラーゼに対する多くの選択されたチエノ-オキサジノン化合物の活性が、上記の試験において測定された。これらの化合物はトリプシンまたはコレステロールエステラーゼに対する阻害活性を持っていなかった。従って、これらの選択されたチエノ-オキサジノン化合物は、高度に選択的なリパーゼ阻害剤である。
【0150】
本発明の好ましい実施形態を例示して説明してきたが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、その中で種々の変更を行い得ることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肥満または肥満関連障害を予防または治療するための医薬の製造における、次式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドまたはプロドラッグの使用:
【化1】

ここで、
Aは、任意に置換されたチエニル部分であり、
Yは、O、S、またはNR2であり、
R1は、分岐または非分岐のアルキル(任意に1以上の酸素原子が介在する)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、還元型 アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、還元型アリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、または上記の基の何れかの置換誘導体であり、ここでの置換基は独立に、ハロゲン、アルキル、ハロ置換アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、アリールアルコキシ、シアノ、ニトロ、-C(O)R4、-CO2R5、-SOR4、-SO2R4、-NR6R7、-OR6、-SR6、-C(O)CX1X2NR6R7、-C(O)N(OR5)R6、-C(O)NR5R4、-NR6C(O)R4、CR6(NH2)CO2R6、-NHCX1X2CO2R6、-N(OH)C(O)NR6R7、-N(OH)C(O)R4、-NHC(O)NR6R7、-C(O)NHNR6R7、-C(O)N(OR5)R6、または脂質もしくはステロイド(天然または合成)のうちの1以上であり、但し、R1における如何なるヘテロ原子置換基も、環外へテロ原子から少なくとも2炭素原子(好ましくは飽和の)だけ離間していなければならず;
R2は、水素またはR1について定義した基であり;
R4は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、-OR6、-NHCX1X2CO2R6、もしくは-NR6R7、またはこれら基の何れかの置換誘導体であり;
R5は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキルヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール、または還元型ヘテロアリールアルキルであり;
R6およびR7は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、-(CH2)n(OR5)m、またはこれら基の何れかの置換誘導体であり、ここでnは1〜12、好ましくは2〜10、mは1〜3であり;
XlおよびX2は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール、または還元型ヘテロアリールアルキルである。
【請求項2】
請求項1に記載の使用であって、前記チエニル部分Aは、2,3-位または3,2-位でオキサジノン環に融合しており、また任意に水素、ヒドロキシ、ハロゲン、オキソ、アミノ、ニトロ、シアノ、アルキル、アリール、アルキルアリール、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、アリールチオ、またはアリールアミノの一以上で置換され、ここでアリールチオ、アリールアミノ、およびアリールオキシは、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルキル、またはアミノアルキルの一以上によって;または基R12Q(ここでQは、O、CO、CONH、NHCO、S、SO、SO2、またはSO2NH2であり、R12は水素または上記で定義した基Rlである)によって;または基R1R2N(ここでR1は上記で定義した通りであり、R2は水素またはR1である)によって置換されることができる:但し、R1および/またはR2における如何なるヘテロ原子置換基も、芳香族へテロ原子置換基から少なくとも二つの炭素原子(好ましくは飽和の)だけ離間していなければならない。
【請求項3】
請求項1または2に記載の使用であって、
前記チエニル部分Aは、水素、1〜20の炭素原子を有する分岐または非分岐の低級アルキル、3〜10の炭素原子を有する環状アルキル、アリール、ハロアルキル、またはハロゲンの一以上で置換されており;
Yは、O、SまたはNR2であり、ここでR2は水素またはアルキルであり;
R1は、アルキル、または任意にアルキル、ハロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、SR6、COR6、C02R6、NR6、R7で置換されたアリール、または任意にアリールオキシ、アリールチオ、SO-アリール、S02-アリールアルキルアリール、CO-アリール、CO2-アリール、CONR6-アリール、NR6CO-アリールもしくはNR6-アリールで置換されたアリール、またはこれら基の何れかの置換誘導体である使用。
【請求項4】
請求項3に記載の使用であって、R1は、4〜30の炭素原子を有するアルキルである使用。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか1項に記載の使用であって、
前記化合物は次式IIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグであり;
【化2】

基Aは、式(I)について定義した通りであり;
Yは、式(I)について定義した通りであり;
R20は、OR13、-COR13、CO2R13、SR13、SOR13、SO2R13、CONR13R14、NR14C(O)NR13、C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、ハロC1-10アルキル、シアノ、ハロ、アリール、アリールCl-l0アルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールC1-10アルキルであり;ここでR13およびR14は夫々独立に、水素、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C1-10アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-10アルキル、還元型ヘテロアリールもしくは還元型ヘテロアリールC1-10アルキル、またはこれら基の何れかの置換誘導体を表す。
【請求項6】
請求項5に記載の使用であって、R20は、任意にハロ、アルキル、アルキルハロ、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、アリールオキシ、アミノ、シアノ、ヒドロキシまたはヘテロアリールの一以上で置換された、フェニルオキシ、フェニルチオ、SO-フェニル、S02-フェニル、アルキルフェニル、CO-フェニル、CO2-フェニル、CONR13-フェニル、NR13CO-フェニル、またはNRl3-フェニルである使用。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の使用であって、前記肥満関連障害は、脂肪過剰血症、高脂血症、高血糖症(II型糖尿病)、高血圧症、心臓血管系疾患、発作、胃腸管疾患、または胃腸系症状のうちの一以上である使用。
【請求項8】
次式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドおよびプロドラッグ:
【化3】

ここで、
Aは、任意に置換されたチオフェニル部分であり;
Yは、0、S、またはNR2であり;
R2は、水素またはアルキルであり;
R1は、アルキル、または任意にアルキル、ハロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、SR6、COR6、C02R6、NR6、R7の一以上で置換されたアリール、または任意にアリールオキシ、アリールチオ、SO-アリール、S02-アリールアルキルアリール、CO-アリール、C02-アリール、CONR6-アリール、NR6CO-アリールもしくはNR6-アリールの一以上で置換されたアリールである。
【請求項9】
請求項8に記載の化合物であって、前記チオフェニル基Aは、アルキル、アリール、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、アリールオキシ、アミノ、ヘテロアリール、またはアリールアルキルの一以上で任意に置換され;
Yは、O、SまたはNR2であり;ここでR2は水素、または1〜6の炭素原子を有するアルキ基であり;
R1は、4〜25の炭素原子を有する非分岐アルキル基、4〜25の炭素原子を有する分岐アルキル基、アルキル部分が2〜25の炭素原子を有するアリールアルキル基、
または任意に置換されたフェニルオキシ、フェニルチオ、SO-フェニル、SO2-フェニル、アルキルフェニル、CO-フェニル、CO2-フェニルCONR16-フェニル、NR16CO-フェニル、またはNR16-フェニルの一以上で置換されたフェニル基、
ここで、前記Rl6は、水素、または1〜4の炭素原子を有するアルキル基であり;
ここで、前記フェニルオキシ、フェニルチオ、SO-フェニル、S02-フェニル、アル
キルフェニル、CO-フェニル、C02-フェニル、CONR-フェニル、またはNR-フェニ
ル基は、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルキルハロ、アルコキシ、アリ
ール、アルキルアリール、アリールオキシ、アミノ、ヒドロキシ、またはヘテ
ロアリールの一以上で任意に置換されている;
またはハロ、NR6R7、OR6、SR6、COR6、CO2R6、ニトロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキル、ハロアルキル、またはアルコキシの一以上で置換されたフェニル基である。
【請求項10】
前記化合物は次式IIaおよびその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミドおよびプロドラッグである、請求項8および9に記載の化合物:
【化4】

ここで、
基Aは、式(Ia)について定義した通りであり;
Yは、式(Ia)について定義した通りであり;
R20は、任意にハロ、シアノ、アルキル、アルキルハロ、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、アリールオキシ、アミノ、ヒドロキシまたはヘテロアリールの一以上で置換された、フェニルオキシ、フェニルチオ、SO-フェニル、SO2-フェニル、アルキルフェニル、CO-フェニル、CO2-フェニル、CONR6-フェニル、NR6CO-フェニル、またはNR6-フェニルである。
【請求項11】
請求項8〜10の何れか1項に記載の式IIaの化合物であって、下記の化合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩、エステル、アミド、もしくはプロドラッグからなる群から選択される化合物:
2-フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-ブチルオキシ-4H-チエノ-[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
5-メチル-2-フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3 オキサジン-4-オン
5,6-ジメチル2-フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
5-フェニル-2-フェニルアミノ-4H-チエノ[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-(3-トリフルオロメチル-フェノキシ)フェニルアミノ)-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
5-(1,1-ジメチルエチル)-2-フェニルアミノ-4H-チエノ[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-メチル-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェニルメチル)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-ベンゾイル)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-メチル-2-(4-フェノキシ)フェノキシ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-(4-トリフルオロメチル-フェノキシ)フェニルアミノ)-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4--オン
2-(4-(3-トリフルオロメチル-フェノキシ)フェノキシ)-4H-チエノ[3,2-d][1, 3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェニルチオ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
5,6-ジメチル-2-(4-フェノキシ)フェノキシ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-ドデシルアミノ-6-メチル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-N-ドデシル-N-メチルアミノ-6-メチル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-ドデシルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-ドデシルチオ-6-メチル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-N-(1-メチルエチル)-N-フェニルアミノ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェニルスルホニル)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェニルカルバモイル)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-(4-クロロフェノキシ)-フェニルアミノ)-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-(4-メチルフェノキシ)-フェニルアミノ)-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-シアノフェニル)アミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-シアノフェニル)アミノ-6-プロピル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-シアノフェニル)アミノ-6-メチル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-フェニルメチル-2-(4-シアノフェニル)アミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-シアノフェニル)アミノ-6-ドデシル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-メチル-2-(4-フェニルブチル)アミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3] オキサジン-4-オン
2-(2-クロロエチル)アミノ-6-メチル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(ヘプタ-6-エニル)アミノ-6-メチル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(5-メトキシカルボニルフェニル)アミノ-6-メチル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-フェニルアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-ベンゾチエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ-[3,4-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-(4-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニルアミノ)-4H-チエノ[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-シアノフェニル)アミノ-4H-チエノ[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-ドデシルアミノ-4H-チエノ[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(5-メチルヘキシル)アミノ-4H-チエノ[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン
5-メチル-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-プロピル-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-ヘキサデシルアミノ-6-メチル-4H-チエノ-[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-クロロ-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-ドデシル-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェノキシカルボニル)-フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2(4-(4-メトキシフェノキシ)-フェニルアミノ)-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2(4-(4-ジメチルアミノフェノキシ)-フェニルアミノ)-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2(4-(4-ヒドロキシフェノキシ)-フェニルアミノ)-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2(3-フェノキシ)-フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2(2-フェノキシ)-フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(3-シアノフェニル)アミノ-6-メチル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-クロロフェニル)アミノ-6-メチル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-アミノフェニル)アミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-ヒドロキシフェニル)アミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-メトキシカルボニルフェニル)アミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-トリフルオロメチルフェニル)アミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-N-(4-フェノキシ)フェニル-N-エチルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-N-(4-フェノキシ)フェニル-N-1-メチルエチルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4--オン
6-シクロプロピル-2-(4-フェノキシ)-フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェノキシ)フェニル-チオ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-6-トリフルオロメチル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-メトキシ2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-フェノキシ2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-メチル-2-(4-メトキシフェニル)アミノ-4H-チエノ[2,3-d][1、3]オキサジン-4-オン
2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-6-プロピル-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-シアノ-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-クロロ-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-メチル-2-(4-フェノキシ)フェニルチオ-4H-チエノ[2,3-d][1,3] オキサジン-4-オン
6-メチル-2-(4-フェノキシ)フェノキシ4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-メチル-2-(4-フェノキシ)フェノキシ4H-チエノ[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン
7-メチル-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[3,4-d][1,3]オキサジン-4-オン
5-メチル-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[3,4-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-メチル-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン
6-メチル-2-(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オン。
【請求項12】
請求項8〜10の何れか1項に記載の式IIaの化合物であって、6-メチル-2-(4-フェノキシ)フェニルアミノ-4H-チエノ[2,3-d][1,3]オキサジン-4-オンである化合物。
【請求項13】
式(Ia)または式(Iia)の化合物を製造する方法であって、以下を含む方法:
方法(A): 次式(IV)の化合物を、
【化5】

次式(V)の化合物と反応させること;
【化6】

方法(B): 次式(VI)の化合物を環化すること;
【化7】

ここで、R1は先に定義したとおりであり、R18は水素またはC1-6アルキルである
方法(C): 次式(VII)の化合物を、
【化8】

次式(VIII)の化合物と反応させること;
1−YH (VIII)
方法(D):次式(IX)の化合物を、
【化9】

ここで、Xは、O、S、またはNHである
次式(X)の化合物と反応させること;
ICH21 (X)
方法(E): 例えば下記の(i)または(ii)により、式(Ia)および/または式(IIa)の化合物を、式(Ia)および/または式(IIa)の異なる化合物に変換すること;
(i)R1もしくはR2、またはヘテロ環基Aの何れかの置換基がアルケニルもしくはアルキニル基または部分を含む式(Ia)および/または式(IIa)の化合物の、対応するアルキルもしくはアルケニル基または部分への還元;
(ii)ヘテロ環基Aの一以上の置換基がハロゲン原子を表す式(Ia)および/または式(IIa)の化合物のアルキル化。
【請求項14】
医薬において使用するための、請求項8〜12の何れか1項に記載の化合物。
【請求項15】
肥満または肥満関連障害の予防または治療のための、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記肥満関連障害が、脂肪過剰血症、高脂血症、高血糖症(II型糖尿病)、高血圧症、心血管系疾患、発作、胃腸系疾患、胃腸系症状から選ばれる一以上である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
脂肪の代謝または分解に関与する酵素の阻害を必要とする症状の予防または治療のための、請求項14または15に記載の化合物。
【請求項18】
請求項8〜12の何れか1項に記載の化合物であって、体脂肪中のトキシンレベルの低減に使用するための化合物。
【請求項19】
請求項8〜12または請求項14〜18の何れか1項に記載の化合物であって、ヒトに投与するための化合物。
【請求項20】
請求項8〜12または請求項14〜18の何れか1項に記載の化合物であって、動物に投与するための化合物。
【請求項21】
請求項14〜20の何れか1項に記載の化合物であって、好ましい作用モードがエステル官能基の加水分解である酵素の阻害を必要とする症状の予防または治療のための化合物。
【請求項22】
薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤と共に、請求項8〜12の何れか1項に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
【請求項23】
請求項8〜12の何れか1項に記載の化合物を含有する食品。
【請求項24】
肥満または肥満関連障害を予防または治療する方法であって、請求項1〜12の何れか1項に記載の化合物、または請求項22または23に記載の組成物を患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項25】
好ましい作用モードがエステル官能基の加水分解の触媒である酵素の阻害に使用するための、請求項1〜12の何れか1項に記載の化合物。
【請求項26】
エステラーゼ、ホスホエステラーゼまたはリパーゼ酵素の阻害に使用するための、請求項1〜12の何れか1項に記載の化合物。
【請求項27】
動物の脂肪含量を減少させるための、請求項1〜12の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項28】
所定の体重を維持するため、または美容的減量のための美容方法であって、請求項1〜12の何れか1項に記載の化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項29】
方法または製品における望ましくない酵素の抑制および阻害における、請求項1〜12の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項30】
表面活性剤、石鹸、または洗浄剤を含有するヘルスケア製品の製造における、請求項1〜12の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項31】
脂肪を含有する食品の分解の防止における、請求項1〜12の何れか1項に記載の化合物の使用。

【公開番号】特開2010−159260(P2010−159260A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−19160(P2010−19160)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【分割の表示】特願2003−524589(P2003−524589)の分割
【原出願日】平成14年8月23日(2002.8.23)
【出願人】(510023090)ノルギーン・ビー.ブイ. (1)
【氏名又は名称原語表記】Norgine B.V.
【住所又は居所原語表記】Hogehilweg 7, 1101 CA Amsterdam ZO, The Netherlands
【Fターム(参考)】