説明

リリーフ弁

【課題】リリーフ弁をケーシングより取り出す際にシートが弁本体から離脱しないようにしたリリーフ弁にする。
【解決手段】リリーフ弁20はケーシング21に螺着したリテーナ25と、該リテーナ35に螺着したプラグ33とにより弁本体49が構成される。プラグ33に隣接してリテーナ25にピストン42を摺動自在に嵌挿し、かつリテーナ25にポペット弁体58を摺動自在に設け、該ポペット弁体58の一端部にリテーナ25に設けられる入口通路30と出口通路32を連通及び遮断する円錐部52を設け、他端部がプラグ33及びピストン42に支持される。ケーシング21の穴部24に摺動自在に嵌挿された弁座80は弁座ストッパー部がリテーナ25のあご部25aに係合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の旋回モータに装着されるリリーフ弁の低騒音化に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリリーフ弁の概略構造の一例を図4に示す。図4において参照符号92はリリーフ弁90の弁本体で、供給通路93及び戻り通路94を有し、該通路93及び94に連通する孔95を有しており、該孔95の内側にスリーブ96が液密的に嵌着されている。このスリーブ96は内部に大径部97a及び小径部97bを有する段付孔97が形成されている。また、弁本体92の孔95の開口部側に螺合するキャップ98は内部に孔99を有し、その一側をスリーブ96に接し他側をプラグ100にて孔99を閉塞する。参照符号101はシートで、孔101aを有する。
【0003】
段付孔97の大径部97aに摺動可能に挿入された外側ポペット102は一端を開放した孔103を有し偏心孔104を有する他端面をシート部113に接し、その移動により供給通路93を戻り通路94に連通する。外側ポペット102の孔103に挿入された内側ポペット105は、その内部に孔105a及びこれに繋がる大径の孔105bを有する。参照符号106はロッドで、その一側を内側ポペット105の大径の孔105bに、他側をばね座107の内孔108に挿入され図示の位置で右方向への移動をプラグ100の端面にて制限している。
【0004】
ロッド106の内部に設けられた軸方向通路109は一方を孔105a、偏心孔104を介して供給通路93に接続し、他方には外周方向に開口する横孔110が設けられている。
ばね座107はキャップ98の孔99及びロッド106の外周に挟まれ軸方向に移動可能に挿入されており、その内孔108にロッド106の横孔110に対応する環状溝111及びこの溝111に連なり外周のばね座室114に開口する通路112を設けている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭57−100675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているリリーフ弁90において、シート101はスリーブ96の段付孔97の大径部97aに挿入されており、スリーブ96に嵌着されたシート101はスリーブ96の段付孔97の大径部97aに挿入し、該シート101の鍔部101bはスリーブ96の端面に当接している。そして、シート101と外側ポペット102とはシート部113で接触するようになっており、スリーブ96とシート101とは分離する構造になっている。
【0007】
さらに、スリーブ96とシート101とは取扱い性の考慮から圧入組付けする構造になっている。ここで、取扱性の考慮とはリリーフ弁90を単品状態での搬送時や弁本体92からの組付交換時などにシート101の抜け、落下防止に留意することを意味する。
また、弁本体92とキャップ98のシール形状が軸面でのOリングのシール形状のため高圧化に伴いOリングのはみ出しによる油漏れの発生の増加及び弁本体92へのキャップ98の取付け基準面をシート101の端面としているので、スリーブ96及びキャップ98に軸方向に力が作用し変形することで、スリーブ96及びキャップ98内部のクリアランスの管理寸法が変化し、リリーフ弁90の性能が安定しない。これにより、実機において油漏れのリスク増加や性能のバラツキが大きくなる。
【0008】
本発明は係る課題を解決するためになされたもので、リリーフ弁の組付け仕上がり完成品における弁本体とシートとの径方向には常に隙間を設け、シートが弁本体と軸方向隙間範囲内で円滑に移動しうる寸法とし、シートが弁本体から抜け出ないようにシートストッパー構造を設けたリリーフ弁を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために請求項1記載の発明は、
ケーシングに螺着されたリテーナと、
前記リテーナに軸心方向に所定距離移動可能に配設され圧油の供給側と排出側との連通路を開閉する可動体と、
前記可動体の外周と前記弁本体の内周との間に配設され軸心方向に変位可能なピストン部材と、
前記ピストン部材と前記可動体との間に設けられ前記可動体を一端側に、かつ前記ピストン部材を他端側に付勢する主ばね部材と、
前記弁本体と前記可動体および該可動体に螺着した調整ボルト部材とにより構成される液圧室と、
前記液圧室に設けられ前記可動体を軸心方向に付勢する調整ばね部材と、
を設け、
前記可動体の一端面に作用する供給側の圧油の一部を前記液圧室に導入する孔を該可動体に形成し、前記液圧室の圧油により前記調整ばね部材を介して前記主ばね部材を圧縮することによって設定圧力を調整するリリーフ弁において、
前記リテーナの先端部に形成され内穴に突出するあご部と、
前記リテーナに同軸で前記ケーシングに装着する摺動自在な円筒形状の弁座と、
前記弁座に前記可動体の円錐部に係合してシート面を形成した弁座ストパー部と、
備え、前記あご部と前記弁座ストッパー部を圧入し、あご部の内周面と弁座の凹部外周面が隙間を有して係合することにより前記リテーナ及び前記弁座を一体的に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、リテーナの先端部に形成され内穴に突出するあご部に、リテーナに同軸状にケーシングに装着する摺動自在な円筒形状の弁座を前記可動体の円錐部に係合してシート面を形成する弁座ストッパー部を係合することにより、前記リテーナ及び前記弁座を一体的に移動することが出来るので、ケーシングからのリリーフ弁を着脱する際に、リテーナを弁座と一体にケーシングから確実に出し入れすることが可能である。
また、リリーフ弁単品状態での搬送時の弁座の落下防止にもなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】旋回モータの油圧回路図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るリリーフ弁の概略構造を示す略縦断面図である。
【図3】図2のリリーフ弁の動作説明図である。
【図4】従来のリリーフ弁の概略構造を示す略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明のリリーフ弁20が使用される旋回モータ10の油圧回路図で、旋回モータ10には左右回転するように二つのポート11、12が設置されており、一方のポート11が入口(高圧)となった場合には、他方のポート12が出口(低圧)となり、旋回モータ10の左右操作により入口ポート11と出口ポート12は相互に反転する。
本発明のリリーフ弁20は図1の入口ポート11と出口ポート12を制御するものであり、各ポート11及び12に各1個ずつ、例えばリリーフ弁15a、15bが使用される。この場合、図1に示すリリーフ弁15a、15bは図2及び図3に示すリリーフ弁20を使用している。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態に係るリリーフ弁20の概略構造を示す略縦断面図である。図2において、参照符号21はケーシングを示すもので、該ケーシング21には連通路である供給通路22と、排出通路23とが形成されている。前記ケーシング21に形成された穴部24には、円筒状のリテーナ25の略中央部よりも一端側(図2で左側)が挿入され、かつねじ機構26を介してケーシング21に螺着されている。この場合、前記リテーナ25は円筒部28が形成される段付部27aがケーシング21に当接してリテーナ25の軸心方向の位置決めがなされる。さらに、前記リテーナ25の略中央部よりも他端側(図2で右側)は段付部27aよりも大きい段付部27bを形成する円筒部29が形成されている。
【0014】
前記リテーナ25の一端部(図2で左端)には、ケーシング21に穿設された供給通路22に連通する横断面略円形状の入口通路30が形成されている。前記入口通路30には該入口通路30の横断面より大きい円形状の穴31が連通して設けられており、該穴31には、排出通路23に連通する出口通路32が円周方向に適宜な間隔で複数個( HYPERLINK "http://www6.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjitemdrwdb.ipdl?N0000=231&N0001=35&N0005=rrBfiHs2e0H1hnICUA1i&N0500=4JPA%20418194334%20%20%20%20%20%20%20&N0510=Bxzbm5tq2jo2dyG7jSy2&N0552=9&N0553=000003" \t "tjitemdrwdb" 図2では2個表示されている)設けられる。
一方、リテーナ25の他端部(図2で右端)内周には、略円筒状のプラグ33の略中央部よりも一端側の外周が螺合している。この場合、前記プラグ33はねじ手段34によりリテーナ25に螺着され、プラグ33の略中央部の大径部35の段付部36がリテーナ25の側壁面37に当接されるので、プラグ33はリテーナ25の所定位置に固着される。また、前記プラグ33の一端部内周には雌ねじ38が形成されている。そして、前記ケーシング21とリテーナ25及びプラグ33により弁本体39が構成されている。前記プラグ33の略中央部よりも他端側(図2で左側)、すなわち大径部35はリテーナ25に形成された穴部41に嵌挿されている。さらに穴部41には、ピストン(ピストン部材)42が摺動自在に嵌挿されており、ばね部材43の弾発力によりピストン42の側壁面44(図2で右面)がプラグ33の大径部35の端面78に当接される。なお、ピストン42の側壁面44、45(図2で左面)には環状凹部46、47が形成されている。
【0015】
前記リテーナ25の軸心上には略円柱状のポペット48が配設されており、該ポペット48の軸心上には軸心方向の孔49,50が穿設され、かつ孔49,50は第1のオリフィス51により連通されている。前記ポペット48は一端部(図2で左側)が円錐部52に形成されており、入口通路30に係合することによりシート面53が画成され、かつ略中央部より他端部(図2で右側)がピストン42及びプラグ33に摺動自在に嵌挿されている。なお、ポペット48の円錐部52が入口通路30に係合した際、円筒部54の外周面がリテーナ25の穴31の内周面に嵌挿して該穴31によりガイドされるので、シート面53が確実に確保される。
【0016】
前記円筒部54と円筒部55との間に形成される段付部56には該円筒部55の外周面にスペーサ57の内周面が嵌着されており、ポペット48とスペーサ57とによりポペット弁体(可動体)58が構成されている。前記ポペット弁体58の段付部56とピストン42の環状凹部47との間には、ポペット弁体58の円筒部55に巻装されたばね部材43が配設されている。
前記ばね部材(主ばね部材)43は、ポペット弁体58の円錐部52を入口通路30の端部に係合してシート面53が画成されるので、入口通路30と出口通路32との間が連通・遮断されると共に、ピストン42をプラグ33に押付けている。すなわち、前記リテーナ25の内周と前記ポペット弁体58の外周との間に前記ばね部材43を収容する円筒状のばね室60が形成されており、該ばね室60は孔61を介して排出通路23に連通している。前記孔61はリテーナ25に円周方向に適宜等間隔に複数個形成されている。
【0017】
前記プラグ33の雌ねじ38には調整ボルト(調整ボルト部材)62が螺合しており、該調整ボルト62とプラグ33とポペット弁体58とにより液圧室63が形成されている。
前記液圧室63には、前記ポペット弁体58及び調整ボルト62の一端部より軸心方向に突出する円形状の突起部64及び65が臨設されており、これらの突起部64,65にはばね部材(調整ばね部材)66の両端が巻装され、かつプラグ33及びポペット弁体58の一端部に係合されている。前記ばね部材66は弾発力がポペット弁体58及びプラグ33に付勢している。よって、ポペット弁体58の円錐部52が弁本体39の入口通路30の端面に押付けられている。従って、調整ボルト62の回動操作により、ばね部材66の弾発力によるポペット弁体58への押圧力が調整でき、調整ボルト62と、該調整ボルト62に螺合して調整ボルト62の位置を固定するナット67と、該ナット67とプラグ33との間に装着されたワッシャ68とによりばね部材66の弾発力を調整する調整手段69が構成されている。
【0018】
前記ばね部材43は一端部(図2で左端)がスペーサ57に係合され、他端部(図2で右端)がピストン42の側壁面45の環状凹部47に係合されている。一方、液圧室63には直径方向に指向する第2のオリフィス70が連通し、該オリフィス70は軸心方向に指向する第3のオリフィス71が連通している。前記第2及び第3のオリフィス70,71はそれぞれ細孔72、ガイド孔73及び細孔74、ガイド孔75より構成されている。この場合、前記第2のオリフィス70はプラグ33の大径部35の外周面に形成される環状溝76に連通している。前記第3のオリフィス71のガイド孔75はピストン42の側壁面44に係合するプラグ33の大径部35の端面78に連通している。
【0019】
参照符号80はケーシング21の穴部24に摺動自在に嵌挿された円筒形状の弁座である。弁座80は一側(図2で右端)に弁座ストッパー部81を有し、該弁座ストッパー部81の端面がポペット弁体58の円錐面52に係合してシート面53が形成されている。弁座ストッパー部81はリリーフ弁20をケーシング21から矢印Y方向に取り外す際、弁座80がケーシング21内に取り残されず、リテーナ25に係合した状態で該ケーシング21から取り出すようになっている。なお、弁座80の内穴は入口通路30を形成して供給通路22に連通している。弁座80の外周面には穴部24に対してOリングにより液密にシールされている。
【0020】
リテーナ25のあご部25aと弁座80の弁座ストッパー部81は、圧入によりリテーナ25と弁座80とは一体的に形成されている。
すなわち、あご部25aの開口部の内周面25bと弁座ストッパー部81の外周面81aとを嵌着する際に、内径面25b及び外周面81を互いに圧入作業により結合し、
あご部25aの内周面25bが弁座80の凹部外周面81bに隙間を有して係合すると共に、あご部25aの内側面(図3で右端面)と弁座ストッパー81の内側面(図2の左側面)とが係合する状態に保持されている。
なお、あご部25aと弁座ストッパー部81との圧入による結合は、工具によりあご部25aもしくは弁座ストッパー部81を一方または両方を軸方向に引っ張ることにより容易に解離することができる。
【0021】
あご部25aと弁座ストッパー部81が係合した状態では、あご部25aの先端部(図2で左端)と弁座ストッパー部81の右端面(図2で右端面)とは、リリーフ弁20の非作動時に軸方向に隙間T1(図2参照)を有しており、リリーフ弁20の作動時(リテーナ25が印Y方向に移動)に隙間T1が零になって接触するようになっている。
【0022】
また、リテーナ25のあご部25aの内側面(図3で右端面)と弁座80の弁座ストッパー部81の内側面(図2で左端面)との間には、リリーフ弁20の作動時(リテーナ25が矢印Y方向に移動)に軸方向に隙間T3(図3参照)を保持している。
一方、弁座80の他側(図2で左端)は弁座ストッパー部81より大径になって穴部24に嵌合し、ケーシング21と弁座80とは組付け時に該弁座80がケーシング21に対して摺動可能になるように隙間T4(図示せず)を保持するようになっている。よって、弁座80はケーシング21に対して移動可能に嵌挿されている。
【0023】
本発明の実施の形態に係るリリーフ弁20は基本的には以上のように構成されたものであり、次にその動作及び作用効果について説明する。
図2及び図3に示すリリーフ弁20は供給通路22の圧力を制御するため、供給通路22が設定圧力以上になると、ポペット弁体58が矢印方向に移動し排出通路23へ圧油を逃がす構造になっており、また図1に示すように旋回モータ10は左右回転が替わることで、供給通路22と出口通路23は交互に高圧となる。
図2に示すように、組付け状態(無加圧状態)及び排出通路23が加圧状態では、弁座80がリテーナ25から抜ける方向(図2で矢印X方向)へ移動して、ケーシング21に当たった状態で止まっている。この際、弁座80とリテーナ25には、隙間T1(図2参照)が発生している。
【0024】
この後、供給通路22が加圧されると弁座80は、矢印方向Y方向に移動してリテーナ25に入り込む方向(図2で右側)へ移動し、リテーナ25に当たった状態でとまる。(図3の状態)この際、弁座80がリテーナ25との組付け部が従来のように圧入されていると、供給通路22が非常に高圧となった場合に弁座80がリテーナ25側に移動することがあり、弁座80がリテーナ25にあたる衝撃音(カチッ)が発生し騒音となるが、本発明では供給通路22が低圧状態で低いエネルギーの弁座80がリテーナ25に当たることで音が認識できないレベルとなる。いうまでもなく排出通路23が加圧され弁座80がケーシング21に当たる際の騒音対策ともなる。
【0025】
一方、弁座80を組付けたリリーフ弁20を旋回モータ10へ取付け、取外しする際には、弁座80に設けた弁座ストッパー部81があるため、弁座80がリリーフ弁20と離れることなく取り扱うことができる。
図2及び図3において、リテーナ25のあご部25aと弁座80の弁座ストッパー部81との軸方向の隙間及びケーシング21と弁座80との径方向の隙間は以下の関係に保持されている。
(1) 図3の状態でのリテーナ25と弁座ストッパー部81との隙間T3は、隙間T2(及び図2の隙間T1)よりも大きくすることである。隙間T3が隙間T2(及び図2の隙間T1)より小さいと弁座80が図2の状態になった際に、リテーナ25の弁座組付け部内径に乗り上げ圧入状態と同等になってしまい騒音が発生するからである。
(2) 弁座ストッパー部81は、リテーナ25へ弁座80を組付ける過程において圧入状態になることから従来技術での圧入代と同等となるよう考慮し、かつリリーフ弁20のばね部材43の弾発力により抜け出さない程度の外径寸法とすべきである。
(3) 弁座80とリテーナ25との組付け部の径方向の隙間T4は、大きすぎるとシート面53の同軸不良となり、リーク量増大の原因となるので、径方向の隙間は例えばJISのハメアイ記号H7程度が望ましい。
【符号の説明】
【0026】
10 旋回モータ 11、12 ポート
15a、15b、20リリーフ弁 21 ケーシング
22 供給通路 23 排出通路
25 リテーナ 33 プラグ
42 ピストン 43、66 ばね部材
48 ポペット 52 円錐部
58 ポペット弁体 80 弁座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングに螺着されたリテーナと、
前記リテーナに軸心方向に所定距離移動可能に配設され圧油の供給側と排出側との連通路を開閉する可動体と、
前記可動体の外周と前記弁本体の内周との間に配設され軸心方向に変位可能なピストン部材と、
前記ピストン部材と前記可動体との間に設けられ前記可動体を一端側に、かつ前記ピストン部材を他端側に付勢する主ばね部材と、
前記弁本体と前記可動体および該可動体に螺着した調整ボルト部材とにより構成される液圧室と、
前記液圧室に設けられ前記可動体を軸心方向に付勢する調整ばね部材と、
を設け、
前記可動体の一端面に作用する供給側の圧油の一部を前記液圧室に導入する孔を該可動体に形成し、前記液圧室の圧油により前記調整ばね部材を介して前記主ばね部材を圧縮することによって設定圧力を調整するリリーフ弁において、
前記リテーナの先端部に形成され内穴に突出するあご部と、
前記リテーナに同軸で前記ケーシングに装着する摺動自在な円筒形状の弁座と、
前記弁座に前記可動体の円錐部に係合してシート面を形成した弁座ストパー部と、
備え、前記あご部と前記弁座ストッパー部を圧入し、あご部の内周面と弁座の凹部外周面が隙間を有して係合することにより前記リテーナ及び前記弁座を一体的に移動することを特徴とするリリーフ弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−137171(P2012−137171A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291712(P2010−291712)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000005197)株式会社不二越 (625)
【Fターム(参考)】