説明

リン光発光単位を含んだ化合物、発光高分子及び発光高分子を含んだ有機発光素子

【課題】リン光発光単位を含んだ化合物、発光高分子及び該発光高分子を含んだ有機発光素子を提供する。
【解決手段】下記化学式1を有する化合物である:


化学式1中、Ha及びHaはハロゲン原子であり、Xは、OまたはSであり、Yは、−(CRn1−または−(CRn2−O−であり、R〜Rは水素原子などであり、n1及びn2は0〜20の整数であり、Mは二価〜四価の金属原子でありL及びLは有機配位子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン光発光単位を含んだ化合物、発光高分子及び発光高分子を含んだ有機層を具備した有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(OLED:organic light emitting device)は、1対の電極及び電極間に介在された有機層を具備し、電極間に電流を流すことにより、電極を介して注入された電子と正孔とが有機層で結合しつつ光が発生する現象を利用した能動発光型素子である。かようなOLEDは、軽量であり、部品が簡素であって製作工程が簡単な構造を有している。さらに、画像表示装置に使用した場合には、高画質で広視野角が確保され、高色純度及び動画映像の完壁な再現性を示し、低消費電力、低電圧駆動である。そのため、携帯用電子機器に適した電気的特性を有している。前記有機発光素子の例は、韓国特許公開第2003−0027381号明細書(下記特許文献1)を参照することができる。
【0003】
一般的なOLEDは、基板上部にアノードが形成されており、このアノード上部に、有機層として、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などが備わっており、その上部に、カソードが順次に形成されている構造を有している。
【0004】
前記アノード及びカソードに電流を流すことにより、アノードから注入された正孔は、正孔輸送層を経由して発光層に移動し、カソードから注入された電子は、電子輸送層を経由して発光層に移動する。これと共に移動した正孔及び電子は、発光層領域で再結合して励起子を生成する。この励起子が放射減衰(radiative decay)しつつ、当該物質のバンドギャップに相当する波長の光を放出する。
【0005】
OLEDの発光層の形成材料は、その発光メカニズムによって、一重項状態の励起子を利用する蛍光物質と、三重項状態を利用するリン光物質とに区分しうる。かような蛍光物質またはリン光物質だけで、または適切なホストにそれら蛍光物質またはリン光物質をドーピングすることによって、発光層を形成できる。ホストと共に発光層を形成する場合、電子励起の結果、ホストに一重項励起子と三重項励起子とが形成される。このとき、一重項励起子と三重項励起子との統計的生成比率は1:3である。
【0006】
発光層の形成材料として蛍光物質を使用するOLEDにおいては、ホストで生成された三重項は浪費されてしまうが、発光層の形成材料としてリン光物質を使用する場合には、一重項励起子と三重項励起子とをいずれも使用でき、内部量子効率100%に達しうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許公開第2003−0027381号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のようなリン光を利用した高効率発光材料として、高効率のフルカラーディスプレイや低消費電力白色発光の応用を実現するために要求される性能を満足させうる物質の開発が要求されている。本発明は、このような目的のために鋭意検討しなされた。
【0009】
本発明の一態様は、新しい構造を有するリン光発光単位を含んだ化合物を提供することである。
【0010】
本発明の他の態様は、新しい構造を有する発光高分子を提供することである。
【0011】
本発明のさらに他の態様は、前記発光高分子を含んだ有機層を具備したOLEDを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態によって、下記化学式1で表わされる化合物が提供される:
【0013】
【化1】

【0014】
前記化学式1中、Ha及びHaは互いに独立して、ハロゲン原子であり、Xは、OまたはSであり、Yは、−(CRn1−または−(CRn2−O−であり、前記R〜Rは互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、C−C20アルキル基またはC−C20アルケニル基であり、前記n1及びn2は互いに独立して、0〜20の整数であり、Mは、二価〜四価の金属原子であり、L及びLは互いに独立して、下記化学式2、3、4及び4aのうち、いずれか一つで表わされる有機配位子であり、ここで、化学式2がLである場合、化学式2のCY1及びCY2のいずれか一つを構成する原子のうち、一つはYと単結合で連結されており、化学式3がLである場合、化学式3のCY3を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式4がLである場合、化学式4のCY4を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式4aがLである場合、A10を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、tは、1または2であり、
【0015】
【化2】

【0016】
【化3】

【0017】
【化4】

【0018】
【化5】

【0019】
化学式2、3、4及び4a中、X及びXは互いに独立して、CまたはNであり、CY1、CY3及びCY4は互いに独立して、置換または非置換のヘテロ芳香族環、または置換または非置換のヘテロ脂肪族環であり、CY2は、置換または非置換の芳香族環、置換または非置換のヘテロ芳香族環、置換または非置換の脂肪族環、または置換または非置換のヘテロ脂肪族環であり、A10は、−(CR2021n3−であり、前記n3は、1〜10の整数であり、前記n3個の−CR2021−のうち、一つ以上は、−NR22−、−PR23−または−S−に交換されてもよく、前記R20、R21、R22及びR23は互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、C−C20アルキル基またはC−C20アルケニル基であり、mは、0〜10の整数であり、*は、化学式1でのM1との結合部位を示したものであり、配位結合を含む。
【0020】
本発明の他の態様によって、下記化学式7で表される高分子が提供される:
【0021】
【化6】

【0022】
化学式7中、Ar及びArは互いに独立して、置換または非置換のC−C30アリーレン基、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基であり、Xは、OまたはSであり、Yは、−(CRn1−または−(CRn2−O−であり、前記R〜Rは互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、C−C20アルキル基またはC−C20アルケニル基であり、n1及びn2は互いに独立して、0〜20の整数であり、M1は、二価〜四価の金属原子であり、L及びLは互いに独立して、化学式2、3、4及び4aのうちいずれか一つを有する有機配位子であり、ここで、化学式2がLである場合、化学式2のCY1及びCY2のいずれか一つを構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式3がLである場合、化学式3のCY3を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式4がLである場合、化学式4のCY4を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式4aがLである場合、A10を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、tは、1または2であり、X4は、O、S、
【0023】
【化7】

【0024】
であり、前記Q11、Q12、Q13、Q14、Q15及びQ16は互いに独立して、水素原子、C−C20アルキル基またはC−C20アルコキシ基であり、Yは、置換または非置換のC−C30アリーレン基、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基であり、Rは、水素原子、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C30シクロアルキル基、置換または非置換のC−C30アリール基、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基であり、aは、0<a≦0.99の実数であり、bは、0≦b≦0.99の実数であり、cは、0<c≦0.99の実数であり、dは、0≦d≦0.99の実数であるが、a+b+c+d=1である。
【0025】
本発明のさらに他の態様によって、前記高分子を含んだ有機層を具備したOLEDが提供される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、蛍光及びリン光をいずれも放出できる発光高分子が提供される。本発明の発光高分子は、白色光を発光することができる。それを利用して高品質のOLEDを実現できる。画像表示装置に用いれば、リン光を利用するため三重項状態が利用でき、効率よく発光しかつ白色光が得られるために、高効率で低消費電力のディスプレイが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一具現例によるOLEDの概略的な断面図である。
【図2】本発明の一実施例によるOLEDの色純度ダイヤグラムである。
【図3】本発明の一実施例によるOLEDのCIE色座標である。
【図4】本発明の一実施例によるOLEDの電流密度−電圧−輝度グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一態様によれば、下記化学式1を有する化合物が提供される:
【0029】
【化8】

【0030】
化学式1を有する化合物は、後述する化学式7を有する高分子合成のためのモノマーとして使われうる。化学式1を有する化合物は、−L−M−(L−で表されるリン光メカニズムによって発光しうるリン光発光単位を有する。
【0031】
化学式1中、Ha及びHaは互いに独立して、ハロゲン原子である。例えば、Ha及びHaは互いに独立して、Cl、BrまたはIでありうる。
【0032】
化学式1中、Xは、OまたはSである。好ましくは、XはOであるが、これに限定されるものではない。
【0033】
化学式1中、Yは、−(CRn1−または−(CRn2−O−である。ここで、R〜Rは互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、C−C20アルキル基またはC−C20アルケニル基でありうるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、R〜Rは互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、C−C10アルキル基またはC−C10アルケニル基でありうる。n1及びn2は互いに独立して、0〜20の整数、好ましくは、0〜10の整数でありうる。
【0034】
化学式1中、Mは、重原子効果(heavy atom effect)によって発生するスピン軌道相互作用(spin−orbital coupling)を介して、三重項状態と一重項状態とを同時に生成することができる金属でありうる。例えば、Mは、二価〜四価の金属原子でありうる。Mの例として、これらに限定されないが、Ir、Pt、Rh、Pd、Os、Ti、Zr、Hf、Eu、TbおよびTmを挙げることができる。
【0035】
化学式1中、L及びLは互いに独立して、下記化学式2、3、4及び4aのうち、いずれか一つを有する有機配位子でありうる。
【0036】
【化9】

【0037】
【化10】

【0038】
【化11】

【0039】
【化12】

【0040】
ここで、化学式2がLである場合、化学式2のCY1及びCY2のいずれか一つを構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式3がLである場合、化学式3のCY3を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式4がLである場合、化学式4のCY4を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式4aがLである場合、A10を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されている。これは、前記化学式1で表された化合物の構造から自明なことであり、例えば、下記化学式5a〜5zを参照し、当業者が明確に認識できるものである。
【0041】
前記化学式2〜4で、X及びXは互いに独立して、CまたはNである。
【0042】
化学式2〜4で、CY1、CY3及びCY4は互いに独立して、置換または非置換のヘテロ芳香族環、または置換または非置換のヘテロ脂肪族環であり、CY2は、置換または非置換の芳香族環、置換または非置換のヘテロ芳香族環、置換または非置換の脂肪族環、または置換または非置換のヘテロ脂肪族環である。ここで、化学式3中、CY3に含まれる2の炭素原子および1の窒素原子は、単結合で結合している場合だけではなく、芳香族環の一部をなしている構造も表わすものとする。同様に、化学式4中、CY4に含まれる3の炭素原子および1の窒素原子は、単結合で結合している場合だけではなく、芳香族環の一部をなしている構造も表わすものとする。
【0043】
例えば、前記置換または非置換のヘテロ芳香族環は、置換または非置換のC−C20ヘテロ芳香族環が挙げられ、具体的には、置換または非置換のピロール、置換または非置換のイミダゾール、置換または非置換のピラゾール、置換または非置換のピリジン、置換または非置換のピラジン、置換または非置換のピリミジン、置換または非置換のピリダジン、置換または非置換のイソインドール、置換または非置換のインドール、置換または非置換のインダゾール、置換または非置換のプリン、置換または非置換のキノリン、置換または非置換のベンゾキノリン、置換または非置換のフタラジン、置換または非置換のナフチリジン、置換または非置換のキノキサリン、置換または非置換のキナゾリン、置換または非置換のシノリン、置換または非置換のカルバゾール、置換または非置換のフェナントリジン、置換または非置換のアクリジン、置換または非置換のフェナントロリン、置換または非置換のフェナジン、置換または非置換のベンゾオキサゾール、置換または非置換のベンズイミダゾール、置換または非置換のフラン、置換または非置換のベンゾフラン、置換または非置換のチオフェン、置換または非置換のベンゾチオフェン、置換または非置換のチアゾール、置換または非置換のイソチアゾール、置換または非置換のベンゾチアゾール、置換または非置換のイソキサゾール、置換または非置換のオキサゾール、及び置換または非置換のベンゾオキサゾールからなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
例えば、前記置換または非置換のヘテロ脂肪族環は、置換または非置換のC−C10ヘテロ脂肪族環が挙げられ、具体的には、置換または非置換のピロリジン、置換または非置換のピラゾリジン、置換または非置換のイミダゾリジン、置換または非置換のピペリジン、置換または非置換のピペラジン、及び置換または非置換のモルホリンからなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
例えば、前記置換または非置換の芳香族環は、置換または非置換のC−C30芳香族環が挙げられ、具体的には、置換または非置換のベンゼン、置換または非置換のペンタレン、置換または非置換のインデン、置換または非置換のナフタレン、置換または非置換のアズレン、置換または非置換のヘプタレン、置換または非置換のインダセン、置換または非置換のアセナフチレン、置換または非置換のフルオレン、置換または非置換のフェナレン、置換または非置換のフェナントレン、置換または非置換のアントラセン、置換または非置換のフルオランテン、置換または非置換のトリフェニレン、置換または非置換のピレン、置換または非置換のクリセン、置換または非置換のナフタセン、置換または非置換のピセン、置換または非置換のペリレン、置換または非置換のペンタフェン、及び置換または非置換のヘキサセンからなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
前記置換または非置換のヘテロ芳香族環、前記置換または非置換のヘテロ脂肪族環、前記置換または非置換の芳香族環、または前記置換または非置換の脂肪族環のうち、置換されたヘテロ芳香族環、置換されたヘテロ脂肪族環、置換された芳香族環または置換された脂肪族環は、ハロゲン原子、−CF、−CN、−SiA、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アリール基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリールオキシ基、カルボニル基及びアミノ基からなる群から選択された置換基を一つ以上有することができる。ここで、A、A及びAはそれぞれ独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基またはC−C20アルコキシ基でありうる。より好ましくは、ハロゲン原子、−CF、−CN、−SiA、C−C10アルキル基、C−C10アルケニル基、C−C14アリール基、C−C10アルコキシ基、C−C14アリールオキシ基、カルボニル基またはアミノ基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
化学式3中、mは、0〜10の整数である。好ましくは、mは、0〜5の整数でありうる。
【0048】
化学式2〜4中、*は、化学式1中のMとの結合部位を示したものであり、配位結合を含む。
【0049】
化学式4a中、A10は、−(CR2021n3−で表されうる。ここで、n3は、1〜10の整数である。好ましくは、n3は、1〜5の整数であるが、これらに限定されるものではない。n3個の−CR2021−のうち、一つ以上は、−NR22−、−PR23−または−S−に選択的に交換されうる。前記R20、R21、R22及びR23は互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、C−C20アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、またはC−C20アルケニル基でありうるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
化学式4a中、*は、化学式1でのM1との結合部位を示したものであり、配位結合を含む。
【0051】
前記化学式中、Lの例は、下記化学式5a〜5zのうち、いずれか一つで表されるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
【化13】

【0053】
【化14】

【0054】
【化15】

【0055】
【化16】

【0056】
【化17】

【0057】
【化18】

【0058】
【化19】

【0059】
【化20】

【0060】
化学式5a〜5z中、Zは、S、OまたはNQである。
【0061】
化学式5a〜5z中、Q、Q、Q、Q、Q、Q及びQはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CF、−CN、−SiA、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アリール基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリールオキシ基またはアミノ基である。好ましくは、Q、Q、Q、Q、Q、Q及びQはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CF、−CN、−SiA、C−C10アルキル基、C−C10アルケニル基、C−C14アリール基、C−C10アルコキシ基、C−C14アリールオキシ基またはアミノ基でありうるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
、Q、Q、Q、Q、Q及びQのうち2以上は、互いに結合して、5〜7員環の脂肪族環または芳香族環を形成できる。一方、A、A及びAはそれぞれ独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基またはC−C20アルコキシ基であり、好ましくは、水素原子、C−C10アルキル基、C−C10アルケニル基またはC−C10アルコキシ基でありうるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
化学式5a〜5z中、*’または’*は、化学式1におけるY1との結合部位を示したものである。化学式5a〜5z中、*は、化学式1におけるM1との結合部位を示したものであり、配位結合を含む。
【0064】
化学式1中、L2の例は、下記化学式6a〜6zのうち、いずれか一つで表されうるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
【化21】

【0066】
【化22】

【0067】
【化23】

【0068】
【化24】

【0069】
【化25】

【0070】
【化26】

【0071】
【化27】

【0072】
【化28】

【0073】
化学式6a〜6z中、Zは、S、OまたはNTである。
【0074】
化学式6a〜6z中、T、T、T、T、T、T、T及びTはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CF、−CN、−SiA、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アリール基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリールオキシ基またはアミノ基である。好ましくは、T、T、T、T、T、T、T及びTはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CF、−CN、−SiA、C−C10アルキル基、C−C10アルケニル基、C−C10アリール基、C−C10アルコキシ基、C−C10アリールオキシ基またはアミノ基でありうる。
【0075】
、T、T、T、T、T、T及びTのうち2以上は、互いに結合し、5〜7員環の脂肪族環または芳香族環を形成してもよい。一方、A、A及びAはそれぞれ独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基またはC−C20アルコキシ基であり、好ましくは、水素原子、C−C12アルキル基、C−C12アルケニル基またはC−C12アルコキシ基でありうる。
【0076】
化学式6a〜6z中、*は、化学式1におけるM1との結合部位を示したものであり、配位結合を含む。
【0077】
化学式1で表わされる化合物は、例えば、下記化合物1、2または3であるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
【化29】

【0079】
【化30】

【0080】
【化31】

【0081】
本発明の他の実施形態によれば、下記化学式7を有する高分子が提供される。
【0082】
【化32】

【0083】
化学式7を有する高分子は、リン光メカニズム及び/または蛍光メカニズムによって、1または2以上の色で発光しうるが、かような高分子を利用すれば、高品質の有機発光素子(OLED)を実現できる。
【0084】
化学式7を有する高分子は、1高分子内で、
【0085】
【化33】

【0086】
で表される反復単位においてリン光メカニズムによって発光が起こり、−(Ar)−、−(Ar)−、及び/または
【0087】
【化34】

【0088】
で表される反復単位において蛍光メカニズムによって発光が起こりうる。従って、高い内部量子効率を達成できる。また、化学式7を有する高分子は、リン光発光単位である−(L)−M−(L−がフェノキサジン部分、またはフェノジアジン部分と結合しているが、化学式7を有する高分子の主鎖とリン光発光単位とで、同時にEL(electroluminescence)特性が観察される。
【0089】
化学式7を有する高分子は、2以上の発色を同時に実現できる。例えば、
【0090】
【化35】

【0091】
で表される反復単位で、赤色発光及び/または緑色発光が生じ、−(Ar)−、−(Ar)−、及び/または
【0092】
【化36】

【0093】
で表される反復単位で、青色発光が生じるなど、反復単位の構造及びモル比によって多様な色の組合わせを実現することが可能である。例えば、化学式7を有する高分子は、白色発光も可能である。
【0094】
化学式7中、Ar及びArは互いに独立して、置換または非置換のC−C30アリーレン基、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基である。
【0095】
−C30アリーレン基としては、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、テトラヒドロナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、オクタレニレン基、as−インダセニレン基、s−インダセニレン基、ビフェニレニレン基、アセナフチレニレン基、アセナフテニレン基、フルオレニレン基、フェナレニレン基、アントラセニレン基、メチルアントラセニレン基、9,10−[1,2]ベンゼノアントラセニレン基、フェナントリレン基、1H−トリンデニレン基、フルオランテニレン基、ピレニレン基、アセフェナントリレニレン基、アセアントリレニレン基、トリフェニレニレン基、クリセニレン基、テトラフェニレン基、ナフタセニレン基、プレイアデニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ペンタセニレン基が挙げられる。
【0096】
−C30ヘテロアリーレン基としては、ピロリレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、ピリジレン基、ピリダジニレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、フリレン基、チエニレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、インドリジニレン基、インダゾリレン基、ベンゾフリレン基、ベンゾチエニレン基、キノリレン基、イソキノリレン基が挙げられる。
【0097】
Ar及びArの例は、これらに限定されないが、下記化学式8a〜8sのうち、いずれか一つで表されうる。
【0098】
【化37】

【0099】
【化38】

【0100】
【化39】

【0101】
【化40】

【0102】
【化41】

【0103】
【化42】

【0104】
【化43】

【0105】
化学式8a〜8sのうち、R〜Rは互いに独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基またはC−C20アリール基である。例えば、R〜Rは互いに独立して、水素原子、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基またはC−C10アリール基でありうる。
【0106】
化学式8a〜8sのうち、*は、隣接する反復単位との結合部位を示したものである。
【0107】
化学式7中、X、Y、M、L、L及びtに関する詳細な説明は、化学式1で表わされる化合物に関する詳細な説明を参照する。
【0108】
化学式7中、Xは、O、S、
【0109】
【化44】

【0110】
である。好ましくはXは、OまたはSでありうる。Q11、Q12、Q13、Q14、Q15及びQ16は互いに独立して、水素原子、C−C20アルキル基またはC−C20アルコキシ基である。好ましくは、Q11、Q12、Q13、Q14、Q15及びQ16は互いに独立して、水素原子、C−C10アルキル基またはC−C10アルコキシ基でありうる。
【0111】
化学式7中、Yは、置換または非置換のC−C30アリーレン基、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基である。好ましくは、Yは、置換または非置換のC−C14アリーレン基でありうる。Yの例としては、これらに限定されないが、フェニレン基、ナフタレン基またはアントリレン基を挙げることができる。前記置換されたアリーレン基及びヘテロアリーレン基の置換基は、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、ニトロ基、ハロゲン原子、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、C−C10アルケニル基、C−C14アリール基でありうるが、これらに限定されるものではない。
【0112】
化学式7中、Rは、水素原子、置換または非置換のC−C20アルキル基(好ましくは、C−C12アルキル基)、置換または非置換のC−C20アルコキシ基(好ましくは、C−C12アルコキシ基)、置換または非置換のC−C30シクロアルキル基(好ましくは、C−C12シクロアルキル基)、置換または非置換のC−C30アリール基(好ましくは、C−C14アリール基)、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基(好ましくは、C−C14ヘテロアリール基)でありうる。このとき、前記アリール基またはヘテロアリール基のうち、一つ以上の水素原子は非置換であるか、またはC−C12アルキル基、C−C12アルコキシ基または−N(Z)(Z)(このうち、Z及びZは互いに独立して、水素原子またはC−C12アルキル基である)で置換されうる。
【0113】
化学式7中、aは、0<a≦0.99の実数であり、bは、0≦b≦0.99の実数であり、cは、0<c≦0.99の実数であり、dは、0≦d≦0.99の実数であるが、a+b+c+d=1である。すなわち、b及び/またはdは0でありうるが、a及びcで0は除外される。例えば、aは、0.5<a≦0.95の実数であり、bは、0≦b≦0.95の実数であり、cは、0.5<c≦0.95の実数であり、dは、0≦d≦0.95の実数であるが、a+b+c+d=1でありうる。
【0114】
化学式7を有する高分子の重量平均分子量は、1万〜50万、好ましくは、20万〜40万でありうる。前述の重量平均分子量の範囲を満足する場合、高分子がOLEDの有機層に使われた際、優秀な寿命、輝度特性などを提供できる。
【0115】
化学式7を有する高分子の分子量分布は、1.5〜5、好ましくは、2〜3でありうる。前述の分子量分布を満足する場合、高分子がOLEDの有機層に使われた際、優秀な寿命、輝度特性などを提供できる。
【0116】
化学式7を有する高分子は、下記化学式7a〜7dのうち、いずれか一つで表されうるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
【化45】

【0118】
【化46】

【0119】
【化47】

【0120】
【化48】

【0121】
化学式7a〜7dのうち、R〜Rは互いに独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基またはC−C30アリール基であり、aは、0<a≦0.99の実数であり、bは、0≦b≦0.99の実数であり、cは、0<c≦0.99の実数であり、dは、0≦d≦0.99の実数であり、a+b+c+d=1である。
【0122】
化学式7cおよび7dの、Y及びRに関する詳細な説明は、前述の化学式1を有する化合物についての記載を参照する。
【0123】
前記化学式のうち、非置換のC−C20アルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基が挙げられる。前記アルキル基のうち、一つ以上の水素原子は、ハロゲン原子、C−C30アルキル基、C−C30アルコキシ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などの置換基で置換されうる。
【0124】
前記化学式のうち、非置換のC−C20アルケニル基の具体的な例としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、4−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、4−オクテニル基、5−オクテニル基、6−オクテニル基、7−オクテニル基、1−ノネニル基、2−ノネニル基、3−ノネニル基、4−ノネニル基、5−ノネニル基、6−ノネニル基、7−ノネニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、2−デセニル基、3−デセニル基、4−デセニル基、5−デセニル基、6−デセニル基、7−デセニル基、8−デセニル基、または9−デセニル基が挙げられる。前記アルケニル基のうち、一つ以上の水素原子は、前述のC−C20アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0125】
前記化学式のうち、非置換のC−C20アルコキシ基の具体的な例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基が挙げられる。前記アルコキシ基のうち、一つ以上の水素原子は、前述のC−C20アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0126】
前記化学式のうち、C−C30アリール基は、一つ以上の環を含む炭環芳香族系を意味し、前記環は、ペンダント法で共に結合させたり、または融合させうる。アリールの語は、フェニル、ナフチル、テトラテトラヒドロナフチルのような芳香族系を含む。具体的には、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、オクタレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、アントラセニル基、メチルアントラセニル基、9,10−[1,2]ベンゼノアントラセニル基、フェナントリル基、1H−トリンデニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、テトラフェニル基が挙げられる。前記アリール基のうち、一つ以上の水素原子は、前述のC−C20アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0127】
−C20アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフトキシ基、アントロキシ基が挙げられる。前記アリールオキシ基のうち、一つ以上の水素原子は、前述のC−C20アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0128】
前記化学式のうち、C−C30ヘテロアリール基は、N、O、PまたはSのうちから選択された1、2または3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである環原子数2〜30の一価単環化合物である。前記環は、ペンダント法で共に結合させたり、または融合させたものでありうる。ヘテロアリール基の例としては、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、インダゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基が挙げられる。。前記ヘテロアリール基のうち、一つ以上の水素原子は、前述のC−C20アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0129】
前記化学式のうち、C−C30シクロアルキル基は、環型アルキル基であって、例えば、シクロヘキシル基などを挙げることができる。シクロアルキル基のうち、一つ以上の水素原子は、前述のC−C20アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0130】
前記化学式のうち、C−C30ヘテロシクロアルキル基は、前記シクロアルキル基のうち、一つ以上の炭素がN、O、PまたはSのうちから選択された一つ以上のヘテロ原子で置換されたものであり、例えば、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基などがある。ヘテロシクロアルキル基のうち、一つ以上の水素原子は、前述のC−C20アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0131】
化学式7を有する高分子は、スズキ・カップリングまたはヤマモト・カップリングのような一般的な高分子合成方法によって合成されうる。
【0132】
例えば、下記化学式9を有する高分子をまず合成した後、Lの末端に−M−(Lを結合させることによって、化学式7を有する高分子を合成できる。
【0133】
【化49】

【0134】
化学式9中、Ar、Ar、X、Y、L、X、Y、R、a〜dに関する詳細な説明は、前述の化学式1で表わされる化合物についての記載を参照する。
【0135】
または、化学式7を有する高分子はコモノマーであって、化学式1を有する化合物を使用し、−(Ar)−反復単位、−(Ar)−反復単位及び/または
【0136】
【化50】

【0137】
反復単位を提供するモノマーと共に、スズキ・カップリングによって、合成されうる。これにより、化学式1を有する化合物を使用し、化学式7を有する高分子を合成する場合、化学式7のうち、リン光発光単位である−L−M−(Lの結合部位及び結合モル比を容易に調節できる。
【0138】
本発明のさらに他の実施の形態によれば、化学式7を有する高分子を含んだ有機層を具備したOLEDが提供される。前記OLEDは、1対の電極と、前記電極間に介在する有機層とを含み、有機層は、化学式7を有する高分子を含む。前記発光高分子を含んだ有機層は、発光層でありうる。
【0139】
化学式7を有する高分子は、単独で、または公知のホストと混合して使われうる。ホストの例としては、Alq3、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、ポリ(n−ビニールカルバゾール)(PVK)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)、4,4’,4”トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾル−2−イル)ベンゼン(TPBI)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(TBADN)などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0140】
化学式7を有する高分子をホストと共に使用する場合、ホストの濃度は、特別に制限されるものではないが、一般的に、前記高分子100重量部を基準として、約10〜30重量部でありうる。
【0141】
前述のような発光高分子を含んだ有機層を具備したOLEDは、優秀な寿命、輝度、効率、色純度特性などを示しうる。また、2以上の色で発光しうるので、発色の適切な組合わせにより、白色発光が可能である。 図1は、本発明のOLEDの一実施形態を概略的に図示したものであり、OLEDは、基板、第1電極、有機層として化学式7を有する高分子を含んだ発光層、及び第2電極を含む。これを参照して、本発明の一実施形態によるOLED及びその製造方法について述べる。
【0142】
まず、基板上部に大きい仕事関数を有する第1電極用物質を蒸着法またはスパッタリング法などによって形成し、第1電極を形成する。第1電極は、アノードでありうる。ここで、基板としては、一般的なOLEDで使われる基板を使用するが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱い容易性及び防水性に優れるガラス基板または透明プラスチック基板を使用できる。第1電極用物質としては、透明であって伝導性に優れる酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などを使用する。
【0143】
次に、図1には図示されていないが、必要によって、第1電極上部に、正孔注入層(HIL)及び正孔輸送層(HTL)のうち、一層以上の層をまず形成できる。
【0144】
正孔注入層は、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir−Blodgett)法のような多様な方法を利用して形成されうる。
【0145】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性などによって異なるが、一般的に、蒸着温度100〜500℃、真空度10−8〜10−3torr、蒸着速度0.01〜100Å/secの範囲で適切に選択できる。
【0146】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的する正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2,000rpm〜5,000rpmのコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃〜200℃の温度範囲で適切に選択できる。
【0147】
前記正孔注入層物質としては、公知の正孔注入材料を使用できるが、例えば、銅フタロシアニンのようなフタロシアニン化合物、4,4’4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、NPB(N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”トリス(N,Nジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TDATA)、2T−NATA、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、またはポリアニリン)/ポリ(4−スチレンスルホネート(PANI/PSS)などを使用できるが、これらに限定されるものではない。このうち、m−MTDATA、TDATA、2T−NATAの構造を以下に示す。
【0148】
【化51】

【0149】
正孔注入層の厚さは、約100Å〜10,000Å、例えば、100Å〜1,000Åでありうる。正孔注入層の厚さが100Å未満である場合、正孔注入特性が低下し、正孔注入層の厚さが10,000Åを超える場合、駆動電圧が上昇しうる。
【0150】
正孔注入層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用し、正孔輸送層を形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲のうちから選択されうる。
【0151】
正孔輸送層物質は、公知の正孔輸送材料を利用して形成できる。例えば、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールのようなカルバゾール誘導体;N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)のような芳香族縮合環を有するアミン誘導体;TCTA(4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)のようなトリフェニルアミン系物質のような公知の正孔輸送物質を使用できる。このうち、例えば、TCTAの場合、正孔輸送の役割以外にも、発光層から励起子の拡散することを防止する役割も行うことができる。このうち、TPDおよびα−NPDの構造を以下に示す。
【0152】
【化52】

【0153】
正孔輸送層の厚さは、約50Å〜1,000Å、例えば100Å〜600Åでありうる。正孔輸送層の厚さが50Å未満である場合、正孔輸送特性が低下し、正孔輸送層の厚さが1,000Åを超える場合、駆動電圧が上昇しうる。
【0154】
次に、発光層(EML)は、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して形成されうる。スピンコーティング法によって発光層を形成する場合、その成膜条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲のうちから選択される。
【0155】
発光層は、化学式7を有する高分子を含み、前述のようなホストをさらに含むこともできる。
【0156】
発光層の厚さは、約100Å〜1,000Å、好ましくは、200Å〜800Åでありうる。発光層の厚さが100Å未満である場合、発光特性が低下し、発光層の厚さが1,000Åを超える場合、駆動電圧が上昇しうる。
【0157】
図1には示されていないが、必要に応じて、発光層と第2電極との間には、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち、一層以上の層がさらに備わりうる。
【0158】
正孔阻止層(HBL)は、発光層の三重項励起子または正孔が、第2電極などに拡散する現象を防止する役割を担う。正孔阻止層は、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔阻止層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲のうちから選択されうる。使用可能な公知の正孔阻止材料は、例えば、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、BCPなどを挙げることができる。
【0159】
正孔阻止層の厚さは、約50Å〜1,000Å、例えば、100Å〜300Åでありうる。正孔阻止層の厚さが50Å未満である場合、正孔阻止特性が低下し、正孔阻止層の厚さが1,000Åを超える場合、駆動電圧が上昇しうる。
【0160】
次に、電子輸送層(ETL)は、真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって電子輸送層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲のうちから選択されうる。電子輸送層材料は、電子注入電極(カソード)から注入された電子を安定的に輸送する機能を有するものであり、キノリン誘導体、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(Bphen)のような公知の材料を使用することができる。
【0161】
電子輸送層の厚さは、約100Å〜1,000Å、例えば、200Å〜500Åでありうる。電子輸送層の厚さが100Å未満である場合、電子輸送特性が低下し、電子輸送層の厚さが1,000Åを超える場合、駆動電圧が上昇しうる。
【0162】
また、電子輸送層の上部に、カソードから電子の注入を容易にする機能を有する物質である電子注入層(EIL)が積層され、これは、特別に材料を制限するものではない。電子注入層としては、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOのような電子注入層の形成材料として公知の任意の物質を利用できる。電子注入層の蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲のうちから選択されうる。電子注入層の厚さは、約1Å〜100Å、例えば、5Å〜50Åでありうる。電子注入層の厚さが1Å未満である場合、電子注入特性が低下し、電子注入層の厚さが100Åを超える場合、駆動電圧が上昇しうる。
【0163】
最後に、電子注入層の上部に、真空蒸着法やスパッタリング法のような方法を利用し、第2電極を形成できる。第2電極は、カソードとして使われうる。第2電極の形成用金属としては、小さい仕事関数を有する金属、合金、電導性化合物及びそれらの混合物を使用できる。具体的な例としては、バリウム(Ba)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを挙げることができる。それらのうち、2以上の物質を利用し、2層以上の多重層に形成することも可能である。また、前面発光素子を得るために、ITO、IZOを使用した透過型カソードを使用することもできる。
【実施例】
【0164】
[合成例1:化合物1の合成]
下記反応式1に従って、本発明のリン光発光単位を含んだ化合物である、化合物1を合成した。
【0165】
【化53】

【0166】
[化合物Aの合成]
フェノキサジン(2.43g、12.9mmoL)、1,4−ジブロモブタン(31mL、257mmoL)、NaOH(14.4g、360mmoL)、Aliquat336(登録商標)2滴及び水44mLを入れた混合物をオイルバスで煮沸し、反応を完結させた。次いで、有機層を塩化メチルで抽出してMgSOで処理し、ロータリーエバポレータで溶媒を除去した後、剰余の1,4−ジブロモブタンは真空下でKugel Rohr蒸留装置を用いて蒸留して除去した。この後、生成物をカラム精製し、化合物Aを98%収率で得た。得られた化合物Aは、H−NMRおよび13C−NMRによって、以下のように同定された。
【0167】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)6.87−6.81(m、2H)、
6.72−6.66(t、4H)、
6.53−6.50(d、2H)、
3.57−3.47(m、4H)、
2.04−1.98(m、2H)、
1.91−1.84(m、2H)
13C−NMR(75MHz、CDCl
δ(ppm)162.33、
145.04、
133.20、
123.72、
120.97、
115.50、
111.32、
43.13、
33.07、
29.99、
23.78
[化合物Bの合成]
化合物A(2.23g、7.01mmoL)を塩化メチル100mLに溶かし、NBS(N−ブロムサクシイミド、3.2g、17.5mmoL)を0℃で少しずつ添加した。添加が完了した後、室温に反応温度を上げて反応させた。反応が完了した後、後処理(work−up)を行った後、生成物をカラム精製をし、化合物Bを76%収率で得た。得られた化合物Bは、H−NMRおよび13C−NMRによって、以下のように同定された。
【0168】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)6.88−6.84(dd、2H)、
6.72−6.69(d、2H)、
6.28−6.25(d、2H)、
3.45−3.37(m、2H)、
1.96−1.91(m、2H)、
1.79−1.71(m、2H)
13C−NMR(75MHz、CDCl
δ(ppm)145.06、
131.81、
126.52、
118.61、
112.39、
112.32、
43.22、
32.76、
30.27、
29.60、
23.32
[化合物Cの合成]
NaH(720mg、28.5mmoL)とTHF60mLとを入れた反応フラスコに、アセチルアセトン(1.2mL、11.4mmoL)を0℃で添加した後、10分撹拌し、n−BuLi(ヘキサン中で1.6M、14.4mL、22.7mmoL)を添加した後、30分間撹拌した。前記の通りに合成したジアニオンを、化合物B(1.81g、3.80mmoL)をTHF 60mLに溶かしたフラスコに少しずつ添加し、反応させた。さらに、ここにHCl(aq.)を添加して反応を完結させた。後処理(work−up)を行った後、生成物をカラム精製し、化合物Cを52%収率で得た。得られた化合物Cは、H−NMRおよび13C−NMRによって、以下のように同定された。
【0169】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)6.89−6.85(dd、2H)、
6.70(d、2H)、
6.27−6.25(d、2H)、
5.49(s、1H)、
3.40−3.34(m、2H)、
2.32−2.24(m、2H)、
3.06(s、3H)、
1.70−1.60(m、4H)、
1.43−1.41(m、2H)
13C−NMR(75MHz、CDCl
δ(ppm)193.87、
191.16、
145.13、
132.03、
126.54、
118.57、
112.40、
112.25、
99.93、
43.97、
38.07、
26.35、
25.25、
24.88、
24.64、
24.53
[化合物1の合成]
化合物C(127mg、0.257mmoL)、[Ir(ppy)(μ−Cl)](138mg、0.128mmoL、ppy:フェニルピリジナト)、NaCO(54mg、0.514mmoL)及びCHCN 15mLを入れた反応混合物を24時間煮沸して複合体(complex)を生成し、化合物1を合成した。収率は65%であった。得られた化合物1は、H−NMRによって、以下のように同定された。
【0170】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)8.55−8.50(t、2H)、
7.88−7.66(m、4H)、
7.58−7.49(dd、2H)、
7.14−7.10(t、2H)、
6.87−6.67(m、8H)、
6.34−6.27(m、2H)、
6.15−6.12(d、2H)、
5.22(s、1H)、
3.11−3.06(m、2H)、
2.08−2.02(m、2H)、
2.82(s、3H)、
1.43−1.26(m、4H)、
1.14−1.02(m、2H)
[合成例2:化合物2の合成]
下記反応式2に従って、化合物2を合成した。
【0171】
【化54】

【0172】
[化合物Dの合成]
4−ブロモアニソール(28.9g、155mmoL)を−78℃で、n−BuLi及びホウ酸トリメチルと反応させた。その後、酸処理して得た水層を塩化メチルで抽出し、生成物をカラム精製し、化合物Dを60%収率で得た。
【0173】
[化合物Eの合成]
化合物D(14.1g、92.7mmoL)をTHF及び−NaCO溶液、Pd(PPh(5.4g、4.7mmoL、PPh:トリフェニルホスフィン)、2−ブロモピリジン(14.7g、93.3mmoL)と反応させた。その後、水層を塩化メチルで抽出し、有機層を無水処理し、化合物Eを70%収率で得た。
【0174】
[化合物Gの合成]
−10℃で化合物E(12.1g、65.3mmoL)に65.3gのBBrを滴加した後、常温で2時間撹拌した。得られた混合物に水を添加し、水層を塩化メチルで抽出し、化合物Fを得た。その後、化合物F(7.8g、46mmoL)を、DMF中KCOの存在下で、80℃で14.8gの1,4−ジブロモブタンと2時間反応させた。その後、濾過濃縮してカラム分離し、化合物Gを40%収率で得た。
【0175】
[化合物Hの合成]
化合物G(10.4g、18.4mmoL)を2,6−ジブロモフェノキサジン(6.85g、20.1mmoL)と反応させ、化合物Hを30%収率で得た。得られた化合物Hは、H−NMRによって、以下のように同定された。
【0176】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)8.69(d、1H)、
7.99−7.96(d、2H)、
7.78−7.69(m、2H)、
7.23−7.19(t、1H)、
7.03−7.00(d、2H)、
6.92−6.88(dd、2H)、
6.77(d、2H)、
6.39−6.32(d、2H)、
4.16(t、2H)、
3.63(t、2H)、
1.96−1.76(m、4H)
[化合物2の合成]
化合物H(113mg、0.20mmoL)、[Ir(piq)(μ−Cl)](127mg、0.10mmoL、piq:フェニルイソキノリン)及びAgCFSO(35mg、0.127mmoL)をエトキシエタノール3mLに溶かし、窒素置換を行った後、24時間オイルバスで煮沸した。反応が完結した後、室温に反応温度を下げて溶媒を除去し、生成物をカラム精製し、化合物2を30%収率で得た。得られた化合物2は、H−NMRによって、以下のように同定された。
【0177】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)8.56−8.40(m、3H)、
8.12(d、2H)、
7.98(d、3H)、
7.7(d、2H)、
7.54−7.50(m、6H)、
7.32−7.28(m、6H)、
7.1(d、2H)、
7.93−6.87(m、7H)、
6.23(d、2H)、
3.93(t、4H)、
1.71−1.52(m、4H)
[合成例3:化合物3の合成]
下記反応式3に従って、化合物3を合成した。
【0178】
【化55】

【0179】
[化合物Iの合成]
PdCl(dppf)(245mg、0.30mmoL、dppf:ジフェニルホスフィノフェロセン)とKOAc(酢酸カリウム、3g、30mmoL)とをフラスコに入れ、−N2(g)置換を行い、反応容器中の空気を除去した後、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(2.9g、10mmoL)とDMSO 60mLとを添加した。反応容器をオイルバスに入れ、100℃に温度を上げて反応を進め、反応を完結させた後、生成物を塩化メチルで抽出し、HOで洗浄した。これをカラムを通して精製し、化合物Iを78%収率で得た。
【0180】
[化合物Jの合成]
2−ブロモピリジン(522μl、5.30mmoL)とPd(PPh(18mg、0.159mmoL)とをDME 15mLに溶かし、N2(g)置換を行った。これから得た混合物に、化合物I(1.5g、5.3mmoL)とEtOH 15mLとを添加し、NaCO(HO中で2.0M、8.0mL)を入れ、N2(g)で20分間バブリング(bubbling)し、温度を上げた。反応を完結させた後、後処理(work−up)を行い、生成物をカラムを通して精製し、化合物Jを78%収率で得た。
【0181】
[化合物Kの合成]
化合物J(967mg、4.10mmoL)、フェノキサジン(759mg、4.14mmoL)、Pd(OAc)(酢酸パラジウム、28mg、0.123mmoL)、P(tBu)(99mg、0.492mmoL)及びNaOtBu(569mg、5.92mmoL)をトルエン40mLに溶かし、110℃で反応が完結するまで加熱した。反応が完結した後、後処理(work−up)を行い、生成物をカラムを通して分離し、化合物Kを80%収率で得た。得られた化合物Kは、H−NMRおよび13C−NMRによって、以下のように同定された。
【0182】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)8.78−8.75(m、1H)、
8.27−8.24(d、2H)、
7.81−7.79(m、2H)、
7.48−7.45(d、2H)、
7.32−7.27(m、1H)、
6.77−6.60(m、7H)、
6.07−6.04(dd、2H)
13C−NMR(75MHz、CDCl
δ(ppm)156.41、
149.88、
143.99、
139.65、
139.60、
137.02、
134.28、
131.16、
129.66、
123.35、
122.77、
122.60、
121.47、
120.72、
115.84、
115.53、
113.40
[化合物Lの合成]
化合物K(772mg、2.29mmoL)をDMF 20mLに溶かして0℃に下げた後、NBS(823mg、4.58mmoL)を入れた後で常温で反応を進めた。反応が完結した後、後処理(work−up)を行って、生成物をカラム精製し、化合物Lを79%収率で得た。得られた化合物Lは、H−NMRおよび13C−NMRによって、以下のように同定された。
【0183】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)8.75−8.73(dd、1H)、
8.25−8.20(d、2H)、
7.83−7.80(m、2H)、
7.42−7.38(d、2H)、
7.33−7.28(m、1H)、
6.83(d、2H)、
6.73−6.70(dd、2H)、
5.88−5.85(d、2H)
13C−NMR(75MHz、CDCl
δ(ppm)156.09、
149.86、
144.04、
140.04、
138.60、
136.95、
133.02、
130.61、
129.81、
126.23、
122.65、
120.65、
118.61、
114.41、
112.90
[化合物3の合成]
化合物L(108.7mg、0.22mmoL)、[Ir(ppy)(μ−Cl)](118mg、0.11mmoL)とAgCFSO(38mg、0.148mmoL)とをエトキシエタノール3mLに溶かし、窒素置換を行った後、24時間オイルバスで煮沸した。反応が完結した後、室温に反応温度を下げて溶媒を除去し、生成物をカラム精製し、化合物3を27%収率で得た。得られた化合物3は、H−NMRによって、以下のように同定された。
【0184】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)8.56(d、3H)、
8.0−7.9(d、2H)、
7.54−7.47(m、6H)、
7.40−7.37(m、6H)、
6.98−6.90(m、7H)、
6.6(t、2H)、
6.31(d、2H)
[合成例4:高分子1の合成]
[高分子Aの合成]
Ni(cod) 240mg(cod:シクロオクタジエニル)、2,2−ピリジル134mgと、1,5−シクロオクタジエン106μlをTHF20mLに溶かして窒素置換した後、30分間加熱して活性化触媒複合体を生成した。この反応物に2,7−ジブロモ−(2’,3’,6’,7’−テトラオクチルオキシ)スピロフルオレン(540mg、0.5mmoL)、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルオキシフェニルフルオレン(293mg、0.4mmoL)及び化合物H(56mg、0.1mmoL)をTHF10mLに溶かして添加した後、60℃で3日間反応を進めた。反応完了後、トルエンで再沈殿を行って下記式の高分子Aを得た。得られた高分子をSoxhelt装置を用いて不純物を除去した後、真空オーブンで24時間乾燥した。得られた高分子Aは、H−NMRおよびGPC分析によって、以下のように同定された。
【0185】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)7.87−7.82(t、1H)、
7.79−7.62(d、1H)、
7.51−7.48(br、2H)、
7.35−7.28(m、2H)、
7.25−7.18(d、2H)、
7.13−7、10(br、2H)、
6.73−6.23(d、2H)、
6.23−6.19(br、1H)、
4.13(t、2H)、
3.89−3.85(t、2H)、
3.70(br、2H)、
1.91(m、2H)、
1.86−1.71(m、2H)、
1.70−1.63(m、6H)、
1.31−1.21(m、30H)、
0.90−0.89(m、9H);
GPC分析;Mn=7929、PDI;2.33
【0186】
【化56】

【0187】
[高分子1の合成]
温度計、機械的撹拌機及び還流コンデンサを備える250mL2口フラスコ中に、窒素雰囲気下、前記合成例で合成した高分子A 200mgを30mLのトルエンに溶かし、AgCFSO 19mgを添加した。得られた反応物に、合成した化合物[Ir(piq)(μ−Cl)](50mg)を含んだ30mLの2−メトキシエタノールスラリを添加し、撹拌しつつ110℃で24時間反応させた。反応終了後、常温まで冷却し、減圧蒸留で反応溶媒を除去した。その後、生成物をトルエンに溶解してメタノールで沈殿を生成させる過程を2回繰り返し、下記高分子1(160mg)を収得した。得られた高分子1は、H−NMRおよびGPC分析によって、以下のように同定された。
【0188】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)7.65−7.62(m、1H)、
7.57−7.51(d、1H)、
7.48(br、2H)、
7.28(d、1H)、
7.23(d、1H)、
7.18−7.13(d、2H)、
7.06−6.85(m、2H)、
6.78−6.73(d、2H)、
6.37(br、1H)、
4.14(t、2H)、
3.89−3.85(t、2H)、
3.70(t、2H)、
1.91(m、2H)、
1.74(m、2H)、
1.73−1.54(m、6H)、
1.32−1.21(m、29H)、
0.97(m、9H)
GPC分析;Mn=8565、PDI;1.88
【0189】
【化57】

【0190】
[合成例5:高分子2の合成]
ヤマモト重合
Ni(cod) 240mg、2,2−ピリジル134mg、および1,5−シクロオクタジエン106μlをTHF 20mLに溶かして窒素置換した後、30分間加熱して、活性化触媒複合体を生成した。この反応物に2,7−ジブロモ−(2’,3’,6’,7’−テトラオクチルオキシ)スピロフルオレン(278mg、0.28mmoL)、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルオキシフェニルフルオレン(167mg、0.224mmoL)及び化合物1(55mg、0.05mmoL)をTHF10mLに溶かして添加した後、60℃で3日間反応を進めた。反応完了後、トルエンで再沈殿を行って下記高分子2を得た。得られた高分子をSoxhelt装置によって不純物を除去した後、真空オーブンで24時間乾燥した。得られた高分子2は、H−NMRによって、以下のように同定された。
【0191】
H−NMR(300MHz、CDCl
δ(ppm)7.72(m、2H)、
7.57(br、2H)、
7.41(m、3H)、
7.24−7.19(m、3H)、
7.27(d、2H)、
6.79(m、3H)、
4.06(t、4H)、
3.94(br、7H)、
1.74−1.71(m、10H)、
1.03(m、48H)、
0.86(t、18H)
【0192】
【化58】

【0193】
[合成例5:高分子3の合成]
Ni(cod) 240mg、2,2−ピリジル134mg、及び1,5−シクロオクタジエン106μlをTHF20mLに溶かして窒素置換した後、30分間加熱して活性化触媒複合体を生成した。この反応物に、2,7−ジブロモ−(2’,3’,6’,7’−テトラオクチルオキシ)スピロフルオレン(278mg、0.28mmoL)、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルオキシフェニルフルオレン(84mg、0.112mmoL)、3,7−ジブロモ−10−(4’−ヘプチルビフェニル−4−イル)−10H−フェノキサジン(66mg、0.112mmoL)及び化合物1(55mg、0.05mmoL)をTHF10mLに溶かして添加した後、60℃で3日間反応を進めた。反応完了後、トルエンで再沈殿を行って下記高分子3を得た。得られた高分子3をSoxhelt装置によって不純物を除去した後、真空オーブンで24時間乾燥した。
【0194】
【化59】

【0195】
[OLED実施例]
まず、ITOをガラス基板上にコーティングした透明電極基板をきれいに洗浄した後、ITOを、感光性樹脂とエッチング液とを用いて、所望の形にパターニングし、再びきれいに洗浄した。洗浄後のITO上部に、PEDOT(Bayer社製Batron P 4083)を約800Åの厚さになるようにコーティングした後、180℃で約1時間ベーキングし、正孔注入層を形成した。正孔注入層の上部に、トルエン(99重量部)と前記合成例で合成した高分子1(1重量部)とからなる発光層形成用の組成物をスピンコーティングし、ベーキング処理後に真空オーブン内で、溶媒を完全に除去し、発光層を形成した。このとき、前記発光層形成用の組成物を、スピンコーティング前に0.2mmフィルタで濾過した。前記発光層の厚さは、前記発光層形成用の組成物の濃度とスピンコーティング速度とを調節することによって、約80nmになるようにした。
【0196】
次に、前記発光層の上部に、真空蒸着機を利用し、真空度を4×10−6torr以下に維持しつつ、第2電極としてBa及びAlを順次蒸着し、第2電極を形成した。蒸着時の膜厚及び膜の成長速度は、クリスタルセンサ(crystal sensor)を利用して調節した。
【0197】
[評価]
OLED実施例のOLEDに対し、PR650(Spectroscan)Source Measurement Unitを利用して色純度を評価した。その結果、実施例のOLEDは、白色発光することが確認された。さらに、得られたOLEDの具体的な色純度グラフ、CIE色座標及び電流密度−電圧−輝度曲線は、図2、図3及び図4に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表わされる化合物:
【化1】

前記化学式1中、
Ha及びHaは互いに独立して、ハロゲン原子であり、
は、OまたはSであり、
は、−(CRn1−または−(CRn2−O−であり、前記R〜Rは互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、C−C20アルキル基またはC−C20アルケニル基であり、n1及びn2は互いに独立して、0〜20の整数であり、
は、二価〜四価の金属原子であり、
及びLは互いに独立して、下記化学式2、3、4及び4aのうちいずれか一つで表わされる有機配位子であり、ここで、化学式2がLである場合、化学式2のCY1及びCY2のいずれか一つを構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式3がLである場合、化学式3のCY3を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式4がLである場合、化学式4のCY4を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式4aがLである場合、化学式4aのA10を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、
tは、1または2である:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

前記化学式2、3、4及び4a中、
及びXは互いに独立して、CまたはNであり、
CY1、CY3及びCY4は互いに独立して、置換または非置換のヘテロ芳香族環、または置換または非置換のヘテロ脂肪族環であり、CY2は、置換または非置換の芳香族環、置換または非置換のヘテロ芳香族環、置換または非置換の脂肪族環、または置換または非置換のヘテロ脂肪族環であり、A10は、−(CR2021n3−であり、n3は、1〜10の整数であり、前記n3個の−CR2021−のうち、一つ以上は、−NR22−、−PR23−または−S−に交換されてもよく、前記R20、R21、R22及びR23は互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、C−C20アルキル基またはC−C20アルケニル基であり、
mは、0〜10の整数であり、
*は、化学式1でのM1との結合部位を示したものであり、配位結合を含む。
【請求項2】
前記置換または非置換のヘテロ芳香族環が、置換または非置換のピロール、置換または非置換のイミダゾール、置換または非置換のピラゾール、置換または非置換のピリジン、置換または非置換のピラジン、置換または非置換のピリミジン、置換または非置換のピリダジン、置換または非置換のイソインドール、置換または非置換のインドール、置換または非置換のインダゾール、置換または非置換のプリン、置換または非置換のキノリン、置換または非置換のベンゾキノリン、置換または非置換のフタラジン、置換または非置換のナフチリジン、置換または非置換のキノキサリン、置換または非置換のキナゾリン、置換または非置換のシノリン、置換または非置換のカルバゾール、置換または非置換のフェナントリジン、置換または非置換のアクリジン、置換または非置換のフェナントロリン、置換または非置換のフェナジン、置換または非置換のベンゾオキサゾール、置換または非置換のベンズイミダゾール、置換または非置換のフラン、置換または非置換のベンゾフラン、置換または非置換のチオフェン、置換または非置換のベンゾチオフェン、置換または非置換のチアゾール、置換または非置換のイソチアゾール、置換または非置換のベンゾチアゾール、置換または非置換のイソキサゾール、置換または非置換のオキサゾール、及び置換または非置換のベンゾオキサゾールからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記置換または非置換のヘテロ脂肪族環が、置換または非置換のピロリジン、置換または非置換のピラゾリジン、置換または非置換のイミダゾリジン、置換または非置換のピペリジン、置換または非置換のピペラジン、及び置換または非置換のモルホリンからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記置換または非置換の芳香族環が、置換または非置換のベンゼン、置換または非置換のペンタレン、置換または非置換のインデン、置換または非置換のナフタレン、置換または非置換のアズレン、置換または非置換のヘプタレン、置換または非置換のインダセン、置換または非置換のアセナフチレン、置換または非置換のフルオレン、置換または非置換のフェナレン、置換または非置換のフェナントレン、置換または非置換のアントラセン、置換または非置換のフルオランテン、置換または非置換のトリフェニレン、置換または非置換のピレン、置換または非置換のクリセン、置換または非置換のナフタセン、置換または非置換のピセン、置換または非置換のペリレン、置換または非置換のペンタフェン、及び置換または非置換のヘキサセンからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
前記置換されたヘテロ芳香族環、前記置換されたヘテロ脂肪族環、前記置換された芳香族環または前記置換された脂肪族環が、ハロゲン原子、−CF、−CN、−SiA、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アリール基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリールオキシ基、カルボニル基及びアミノ基からなる群から選択された置換基を一つ以上有し、前記A1、A2及びA3はそれぞれ独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基またはC−C20アルコキシ基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
前記Lが下記化学式5a〜5zのうち、いずれか一つで表される請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物:
【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

前記化学式5a〜5z中、
は、S、OまたはNQであり、
、Q、Q、Q、Q、Q及びQはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CF、−CN、−SiA、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アリール基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリールオキシ基またはアミノ基であり、Q、Q、Q、Q、Q、Q及びQのうち2以上は、互いに結合して、5〜7員環の脂肪族環または芳香族環を形成してもよく、
A1、A2及びA3はそれぞれ独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基またはC−C20アルコキシ基であり、
*’または’*は、化学式1におけるYとの結合部位を示したものであり、
*は、化学式1におけるMとの結合部位を示したものであり、配位結合を含む。
【請求項7】
前記Lが下記化学式6a〜6zのうち、いずれか一つで表示される請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物:
【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

前記化学式6a〜6z中、
は、S、OまたはNTであり、
、T、T、T、T、T、T及びTはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CF、−CN、−SiA、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アリール基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリールオキシ基またはアミノ基であり、T、T、T、T、T、T、T及びTのうち2以上は、互いに結合して、5〜7員環の脂肪族環または芳香族環を形成でき、
A4、A5及びA6はそれぞれ独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基またはC−C20アルコキシ基であり、
*は、化学式1におけるM1との結合部位を示したものであり、配位結合を含む。
【請求項8】
下記化合物1、2または3であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物:
【化22】

【化23】

【化24】

【請求項9】
下記化学式7で表される高分子:
【化25】

前記化学式7中、
Ar及びArは互いに独立して、置換または非置換のC−C30アリーレン基、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基であり、
は、OまたはSであり、
は、−(CRn1−または−(CRn2−O−であり、前記R〜Rは互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、C−C20アルキル基またはC−C20アルケニル基であり、n1及びn2は互いに独立して、0〜20の整数であり、
は、二価〜四価の金属原子であり、
及びLは互いに独立して、下記化学式2、3、4及び4aのうち、いずれか一つを有する有機配位子であり、ここで、化学式2がLである場合、化学式2のCY1及びCY2のいずれか一つを構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式3がLである場合、化学式3のCY3を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式4がLである場合、化学式4のCY4を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、化学式4aがLである場合、化学式4aのA10を構成する原子のうち、一つは、Yと単結合で連結されており、
tは、1または2であり、
は、O、S、
【化26】

であり、前記Q11、Q12、Q13、Q14、Q15及びQ16は互いに独立して、水素原子、C−C20アルキル基またはC−C20アルコキシ基であり、
は、置換または非置換のC−C20アリーレン基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基であり、
Rは、水素原子、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C30シクロアルキル基、置換または非置換のC−C30アリール基、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基であり、
aは、0<a≦0.99の実数であり、bは、0≦b≦0.99の実数であり、cは、0<c≦0.99の実数であり、dは、0≦d≦0.99の実数であるが、a+b+c+d=1である:
【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

前記化学式2、3、4及び4a中、
及びXは互いに独立して、C、SまたはNであり、
CY1、CY3及びCY4は互いに独立して、置換または非置換のヘテロ芳香族環、または置換または非置換のヘテロ脂肪族環であり、
CY2は、置換または非置換の芳香族環、置換または非置換のヘテロ芳香族環、置換または非置換の脂肪族環、または置換または非置換のヘテロ脂肪族環であり、
10は、−(CR2021n3−であり、前記n3は、1〜10の整数であり、前記n3個の−CR2021−のうち、一つ以上は、−NR22−、−PR23−または−S−に交換されてもよく、前記R20、R21、R22及びR23は互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、C−C20アルキル基またはC−C20アルケニル基であり、
mは、0〜10の整数であり、
*は、化学式1でのM1との結合部位を示したものであり、配位結合を含む。
【請求項10】
dは、0であることを特徴とする請求項9に記載の高分子。
【請求項11】
前記置換または非置換のヘテロ芳香族環が、置換または非置換のピロール、置換または非置換のイミダゾール、置換または非置換のピラゾール、置換または非置換のピリジン、置換または非置換のピラジン、置換または非置換のピリミジン、置換または非置換のピリダジン、置換または非置換のイソインドール、置換または非置換のインドール、置換または非置換のインダゾール、置換または非置換のプリン、置換または非置換のキノリン、置換または非置換のベンゾキノリン、置換または非置換のフタラジン、置換または非置換のナフチリジン、置換または非置換のキノキサリン、置換または非置換のキナゾリン、置換または非置換のシノリン、置換または非置換のカルバゾール、置換または非置換のフェナントリジン、置換または非置換のアクリジン、置換または非置換のフェナントロリン、置換または非置換のフェナジン、置換または非置換のベンゾオキサゾール、置換または非置換のベンズイミダゾール、置換または非置換のフラン、置換または非置換のベンゾフラン、置換または非置換のチオフェン、置換または非置換のベンゾチオフェン、置換または非置換のチアゾール、置換または非置換のイソチアゾール、置換または非置換のベンゾチアゾール、置換または非置換のイソキサゾール、置換または非置換のオキサゾール、及び置換または非置換のベンゾオキサゾールからなる群から選択されたことを特徴とする請求項9または10に記載の高分子。
【請求項12】
前記置換または非置換のヘテロ脂肪族環が、置換または非置換のピロリジン、置換または非置換のピラゾリジン、置換または非置換のイミダゾリジン、置換または非置換のピペリジン、置換または非置換のピペラジン、及び置換または非置換のモルホリンからなる群から選択されたことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の高分子。
【請求項13】
前記置換または非置換の芳香族環が、置換または非置換のベンゼン、置換または非置換のペンタレン、置換または非置換のインデン、置換または非置換のナフタレン、置換または非置換のアズレン、置換または非置換のヘプタレン、置換または非置換のインダセン、置換または非置換のアセナフチレン、置換または非置換のフルオレン、置換または非置換のフェナレン、置換または非置換のフェナントレン、置換または非置換のアントラセン、置換または非置換のフルオランテン、置換または非置換のトリフェニレン、置換または非置換のピレン、置換または非置換のクリセン、置換または非置換のナフタセン、置換または非置換のピセン、置換または非置換のペリレン、置換または非置換のペンタフェン、及び置換または非置換のヘキサセンからなる群から選択されたことを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の高分子。
【請求項14】
前記置換されたヘテロ芳香族環、前記置換されたヘテロ脂肪族環、前記置換された芳香族環または前記置換された脂肪族環が、ハロゲン原子、−CF、−CN、−SiA、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アリール基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリールオキシ基、及びアミノ基からなる群から選択された置換基を一つ以上有し、前記A、A及びAはそれぞれ独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基またはC−C20アルコキシ基であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載の高分子。
【請求項15】
Ar及びArが下記化学式8a〜8sのうち、いずれか一つで表されることを特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載の高分子:
【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

前記化学式のうち、
〜Rは互いに独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基またはC−C20アリール基であり、
*は、隣接する反復単位との結合部位を示したものである。
【請求項16】
下記化学式7a〜7dのうち、いずれか一つで表されることを特徴とする請求項9〜15のいずれか一項に記載の高分子:
【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

前記化学式7a〜7d中、
は、置換または非置換のC−C30アリーレン基、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基であり、
Rは、水素原子、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C30シクロアルキル基、置換または非置換のC−C30アリール基、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基であり、
前記化学式7a〜7d中、R〜Rは互いに独立して、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基またはC−C30アリール基であり、aは、0<a≦0.99の実数であり、bは、0≦b≦0.99の実数であり、cは、0<c≦0.99の実数であり、dは、0≦d≦0.99の実数であるが、a+b+c+d=1である。
【請求項17】
下記反復単位:
【化42】

で、赤色発光または緑色発光がなされるか、または赤色と緑色との発光が同時になされることを特徴とする請求項9〜16のいずれか一項に記載の高分子。
【請求項18】
下記反復単位:
【化43】

で、青色発光がなされることを特徴とする請求項9〜17のいずれか一項に記載の高分子。
【請求項19】
白色発光することを特徴とする請求項9〜18のいずれか一項に記載の高分子。
【請求項20】
重量平均分子量が1万〜50万であることを特徴とする請求項9〜19のいずれか一項に記載の高分子。
【請求項21】
1対の電極及び前記1対の電極間に請求項9〜20のいずれか1項に記載の高分子を含んだ有機層を具備した有機発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−126535(P2010−126535A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270107(P2009−270107)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】