説明

リン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材

【課題】 リン酸カルシウム系多孔体の脆さ、強度の改善を図るとともに、多孔体としての内部への細胞、組織等の侵入容易性をも兼ね備えた生体用部材であって、特に、骨形成、骨誘導促進作用に優れたリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材を提供する。
【解決手段】 リン酸カルシウム系セラミックス多孔体および生分解性ポリマーからなるハイブリッド材において、前記リン酸カルシウム系セラミックス多孔体は、球状の気孔が全体にわたって連通した多孔質構造からなり、気孔率が60%以上80%以下、平均気孔径が100μm以上300μm以下、各気孔間の連通部の径が20μm以上100μmであり、前記気孔の85%以上95%以下に前記生分解性ポリマーを充填させて複合化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた生体親和性を有するリン酸カルシウム系セラミックスおよび生分解性ポリマーを複合させた生体用部材に好適なリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイドロキシアパタイト(HAp)やリン酸三カルシウム(β−TCP)をはじめとするリン酸カルシウム系のセラミックスは、本来の骨の組成に近い材質であることから、現在、外科、歯科等の治療において、人工骨、人工関節、人口歯根等に適した材料として、臨床応用されている。
このリン酸カルシウム系セラミックスは、生体為害性がなく、また、生体親和性に優れており、生体内に埋入すると、該セラミックスを足場とした迅速な骨修復が行われ、新生骨と直接結合し、または、生体内で分解され、徐々に新生骨と置換するという特性を有することが認められている。すなわち、一旦手術において骨欠損部に埋入するのみで、その後、完全に自家骨に置換させることも可能であるという優れた特徴を有している。
特に、多孔質構造とすることにより、そのリン酸カルシウム系セラミックスの内部にまで細胞等が侵入しやすくなり、より優れた自家骨への置換性が発揮される。
【0003】
しかしながら、リン酸カルシウム系セラミックス多孔体は、高い気孔率により、生体骨に近い弾性率を有するものの、緻密体に比べて、脆く、強度に劣り、インプラント等における取り扱い時に、角部や端部、手術糸を通す孔の周囲等の負荷がかかる部分において、欠落、破損等を生じやすいという欠点を有していた。
【0004】
したがって、リン酸カルシウム系セラミックス多孔体からなる人工骨においては、内部への細胞、組織等の侵入が容易な構成を有していることが必要である一方、ある程度の強度を有していることも求められていた。
【0005】
そこで、リン酸カルシウム系多孔体を上記のような人工骨に適した構成とするために、例えば、特許文献1,2等に開示されているような、リン酸カルシウム系多孔体または多孔質顆粒の表面を生体吸収性有機材料または生体適合性の高い材料で被覆したり、濃縮体液を付与する方法等が提案されている。
【特許文献1】特開2003−10310号公報
【特許文献2】特開2004−159971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているリン酸カルシウム系多孔体は、頭蓋骨の骨欠損部を補填するために用いられる粒径が数mm程度の顆粒状の充填材であり、一部材として骨欠損部に埋入させるものではなく、強度面が考慮されているものではなかった。
また、特許文献2に記載されたセラミックス多孔体も、気孔の周囲における強度の向上が十分に図られているものではなかった。
【0007】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、リン酸カルシウム系多孔体の脆さ、強度の改善を図るとともに、多孔体としての内部への細胞、組織等の侵入容易性をも兼ね備えた生体用部材であって、特に、骨形成、骨誘導促進作用に優れたリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材は、リン酸カルシウム系セラミックス多孔体および生分解性ポリマーからなり、前記リン酸カルシウム系セラミックス多孔体は、球状の気孔が全体にわたって連通した多孔質構造からなり、気孔率が60%以上80%以下、平均気孔径が100μm以上300μm以下、各気孔間の連通部の径が20μm以上100μmであり、前記気孔の85%以上95%以下が前記生分解性ポリマーで充填されていることを特徴とする。
このように、リン酸カルシウム系セラミックス多孔体と生分解性ポリマーとを複合化することにより、インプラント時における多孔体の脆さおよび強度が改善され、インプラント初期の骨形成、骨誘導が促進される。
【0009】
前記リン酸カルシウム系セラミックスは、HApまたはβ−リン酸三カルシウムβ−TCPであることが好ましい。
HApおよびβ‐TCPはいずれも、生体親和性、生体適合性に優れており、細胞の足場としても好適であり、骨補填材として好適な材料である。
【0010】
また、前記リン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材全体の気孔率は、5%以上10%以下であることが好ましい。
全体の気孔率は前記生分解性ポリマーの充填率と関係するものであり、気孔率は小さい方が好ましいが、微小気孔内に生分解性ポリマーを完全に充填することは困難であり、全体の気孔率が上記範囲内であれば、十分な強度を得ることができる。
【0011】
さらに、前記生分解性ポリマーは、コラーゲンであり、前記コラーゲン中に、細胞外マトリックス成分、骨形成因子、骨成長因子のうちの少なくともいずれか1種が導入されていることが好ましい。
細胞外マトリックス成分等を前記コラーゲン中に導入しておくことにより、該ハイブリッド材中における細胞移動、結合組織の形成促進等の作用効果をより一層高めることができる。
【0012】
また、前記生分解性ポリマーは、分子量が10000以上50000以下であることが好ましい。
充填される生分解性ポリマーの分子量は、大きいほど、セラミックス多孔体の強度は向上するが、生体内での分解速度が遅くなり、多孔体の特性を十分に活かすことが困難となるため、上記範囲内であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上述したとおり、本発明に係るリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材は、リン酸カルシウム系多孔体の脆さ、強度の改善が図られ、しかも、多孔体としての内部への細胞、組織等の侵入容易性をも兼ね備えており、特に、骨形成、骨誘導促進作用に優れたものである。
したがって、前記リン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材は、骨補填材をはじめとする生体用部材に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係るリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材は、リン酸カルシウム系セラミックス多孔体の気孔内に、生分解性ポリマーが充填されているものである。
リン酸カルシウム系セラミックス多孔体および生分解性ポリマーはいずれも、生体為害性のない材質であり、前記ハイブリッド材は、生体用部材として好適に用いることができる。
また、前記生分解性ポリマーは、インプラント初期の段階で分解、吸収されるため、前記セラミックス多孔体内部への新生骨、生体組織等の侵入が可能となり、多孔体としての特徴を維持しているものである。
【0015】
前記リン酸カルシウム系セラミックス多孔体の内部は、多数の球状の気孔が三次元的に分布し、隣接する気孔同士が相互に連通した気孔を有する構造となっている。
気孔同士が連通していることにより、該多孔体の内部への細胞等の侵入が促進されるため、骨の形成促進を図ることができる。
なお、球状の気孔とは、厳密な真球状に限定されるものではなく、真球がやや扁平したり、歪んだりした形状等の気孔も含む。
【0016】
また、前記リン酸カルシウム系セラミックス多孔体としては、多孔体中の表面積、血液や体液等の浸透性、細胞等の侵入および付着容易性等の観点から、気孔率が60%以上80%以下、平均気孔径が100μm以上300μm以下のものを用いる。
前記平均気孔径が100μm未満である場合は、該多孔体の内部に、細胞や組織等が侵入しにくくなり、気孔内部での骨の形成促進を十分に図ることができない。
一方、前記平均気孔径が300μmを超える場合は、空間が大きすぎるため、気孔内に侵入した細胞が係留されにくく、十分に定着することが困難となり、この場合も、気孔内部での骨の形成促進効果は不十分となる。
【0017】
また、前記多孔体の隣接する気孔間の連通部の径は、20μm以上100μm以下であることが好ましい。
上記範囲内の大きさを有する連通部であれば、細胞や生体組織が侵入可能であり、多孔体内部での骨の形成促進を図ることができる。
なお、この気孔間の連通部の径は、水銀ポロシメータを用いた細孔径分布測定から求めることができる。
【0018】
前記リン酸カルシウム系セラミックスは、HApまたはβ−TCPであることが好ましい。
HApは、骨の主組成成分であり、人体への適用も既に認められており、骨との同化性、癒着性、早期回復および比較的高強度である等の観点から好ましい。また、細胞の足場としても好適である。
同様に、β−TCPも、生体親和性、生体適合性に優れた好適な材料である。
【0019】
上記のような多孔質構造を有するリン酸カルシウム系セラミックス多孔体は、リン酸カルシウム系セラミックス原料を含むスラリーを撹拌起泡させる方法によって、容易に作製することができる。
なお、このようにして製造されたHAp焼結体からなる多孔体は、NEOBONE(登録商標)という製品名で市販されている。
撹拌起泡により気孔が形成された多孔体は、気孔を区画する骨格自体は緻密であり、気孔がほぼ球状となり、高強度を得ることができ、また、毛管現象により、細胞や血液等が浸透しやすい性状が得られる。さらに、単位体積当たりの表面積が大きく、侵入した細胞の足場としても好適な性状となりやすい等の優れた特性を有している。
【0020】
そして、前記セラミックス多孔体の気孔内には、生分解性ポリマーが85%以上95%以下の充填率で充填されている。
このようにリン酸カルシウム系セラミックス多孔体と生分解性ポリマーとを複合化することによって、インプラント時における多孔体の脆さおよび強度が改善され、インプラント初期の骨形成、骨誘導が促進される。
【0021】
前記生分解性ポリマーの充填率が85%未満の場合は、例えば、3点曲げ強度が30MPa未満となり、インプラント時に必要とされる十分な強度が得られない。
このため、前記充填率は高い方が好ましいが、微小気孔内に生分解性ポリマーを100%充填することは困難であり、95%程度が限界である。
【0022】
上記のようにして、生分解性ポリマーが充填されて得られたリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材は、全体の気孔率が5%以上10%以下であることが好ましい。
全体の気孔率は前記生分解性ポリマーの充填率と関係するものであり、同様の理由から、全体の気孔率が上記範囲内であれば、十分な強度を得ることができる。
【0023】
また、気孔内に充填される生分解性ポリマーとしては、例えば、コラーゲン、ポリ乳酸、カプロラクトン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、生体に対する安全性が高いことから、コラーゲンが好適に用いられる。
また、コラーゲンは、構造タンパク質であり、細胞外マトリックス繊維成分として代表的なものでもある。
【0024】
細胞外マトリックスには、フィブロネクチン、ビドロネクチン、ラミニン等の細胞接着性糖タンパク質、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン等の複合糖質のもの等もあり、細胞移動、結合組織の形成促進等のため、これらを前記コラーゲン中に導入しておいてもよい。
【0025】
また、前記コラーゲンには、前記細胞外マトリックスの他、骨形成因子、成長因子等を担持させておいてもよい。
ここで、骨形成因子、成長因子とは、骨の形成、成長を促進するための細胞や活性化物質である。例えば、軟骨細胞、骨芽細胞、繊維芽細胞、内皮細胞、上皮細胞、筋芽細胞、脂肪細胞、肝細胞、神経細胞、または、これらの前駆細胞、間葉系幹細胞または胚性幹細胞(ES細胞)等が挙げられる。
これらは、1種類でもよく、また、複数種類を用いてもよい。
また、前記コラーゲンには、感染症対策のための抗生物質等の薬剤を担持させておくこともできる。
【0026】
また、前記生分解性ポリマーは、分子量が10000以上50000以下であることが好ましい。
前記生分解性ポリマーの分子量が10000未満の場合は、前記セラミックス多孔体の強度の向上が十分に図られない。
前記分子量は、前記セラミックス多孔体の強度の向上を図るためには、より大きい方が好ましいが、前記分子量が50000を超える場合、生体内での分解速度が遅くなり、多孔体の特性を十分に活かすことが困難となる。
【0027】
前記生分解性ポリマーのリン酸カルシウム系セラミックス多孔体の気孔内への充填方法は、上記範囲内の充填率およびハイブリッド材全体の気孔率等を満たすことができる方法であれば、特に限定されない。
例えば、生分解性ポリマーとしてコラーゲンを用いる場合、上述した細胞外マトリックス成分等を導入したコラーゲンゲルを作製し、これをセラミックス多孔体とともに、真空凍結および自然解凍を繰り返して、セラミックス多孔体の気孔内にコラーゲンゲルを導入させることにより充填させて、ハイブリッド材とすることができる。
なお、上記方法においては、充填後、架橋処理等を施すことにより、コラーゲンゲルの流出を防止し、安定したハイブリッド材とすることが好ましい。
【実施例】
【0028】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
平均粒子径1μmのHAp原料粉末400.00gに、分散媒として15重量%ポリエチレンイミン水溶液327.27gを加え、ボールミルで48時間混合してスラリーを調製した。
得られたスラリー100.00gに気泡剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル0.24gを添加し、機械的撹拌により泡沫状のスラリーを得た。
この泡沫状スラリーに、架橋剤としてソルビトールポリグリシジルエーテル1.96gを添加し、混合した後、型に鋳込み、脱型して多孔質ゲル化体を得た。
脱型した多孔質ゲル化体を30℃、湿度90%の加湿乾燥機内で一昼夜乾燥させ、成形体(乾燥体)を得た。
この成形体を1200℃で1時間焼成し、セラミックス多孔体を得た。
【0029】
一方、コラーゲンを0.5M酢酸に溶解して、0.5wt%酸性コラーゲン溶液を調製し、これに塩化ナトリウムを添加してゲル化させ、ラミニン、骨形成因子であるBMP−2を導入して、コラーゲンゲルを得た。
【0030】
このコラーゲンゲルおよび前記セラミックス多孔体をフラスコに入れ、真空ライン内で10-2Torrまで減圧し、液体窒素を用いて凍結させた。減圧状態のまま自然解凍した後、常圧に戻した。この操作を3回繰り返し、セラミックス多孔体の気孔内の脱気およびコラーゲンゲルの導入を行った。
その後、グルタールアルデヒドによる架橋処理を行い、リン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材を作製した。
【0031】
前記ハイブリッド材を、上底10mm、下底15mm、高さ5mmの正四角錐台状であり、高さ半分の位置に直径1mmの貫通孔を形成した試験片を作製し、該試験片10点について、引張強度試験を行った。
試験においては、ハイブリッド材試験片の貫通孔に手術糸を通して結び、試験片を固定して、前記糸を斜め方向に引っ張り、試験片の破壊強度を測定した。
また、3点曲げ強度の測定も行った。
【0032】
[比較例1]
ブランクとして、実施例1におけるセラミックス多孔体のみからなる同形状の試験片について、実施例1と同様の強度試験を行った。
【0033】
上記強度試験の結果、引張強度は、多孔体のみの試験片(ブランク)についての平均値が3kgであったのに対して、ハイブリッド材試験片は平均8kgであった。
また、3点曲げ強度は、ブランクについては10MPaであったのに対して、ハイブリッド材試験片は50MPaであった。
【0034】
上記試験結果から、ハイドロキシアパタイトセラミックス多孔体に生分解性ポリマーであるコラーゲンを導入して複合化することにより、引張強度が向上し、手術糸が多孔体に食い込んだり、ハイブリッド材の角の欠落や破損等が生じることを防止することができることが認められた。
また、前記ハイブリッド材は、椎体等の大きな荷重のかかる部位の骨補填材としても適用可能な高い機械的強度を示すことが認められた。
【0035】
[実施例2]
実施例1と同様にして作製したリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材を、直径6mm、高さ10mmの円柱状に加工して骨補填材とし、体重3kg前後の日本白色成熟家兎の大腿骨に埋め込んだ。
術後1,3,6週経過後、再び切開して大腿骨を摘出し、前記骨補填材周辺の組織から非脱灰研磨標本を作製して、HE染色による組織学的な評価を行った。
【0036】
術後1週目には、骨補填材の表層でコラーゲンが溶出し、その周囲での新生骨の形成が一部で観察された。
3週目には、骨補填材の多孔体内部でコラーゲンが溶出し、その周囲での活発な新生骨の形成が観察されたが、新生骨髄の形成は見られなかった。
6週目には、骨補填材の多孔体深部でのコラーゲンの溶出が観察され、多孔体深部でも活発な新生骨および新生骨髄の形成が確認された。
【0037】
[参考例]
実施例1におけるセラミックス多孔体について、実施例2と同様にして骨補填材とし、家兎の大腿骨に埋め込み、術後1,3,6週経過後、該骨補填材周辺の組織の評価を行った。
術後1週目には、骨補填材の多孔体の気孔内部に新生骨が侵入し、実施例2よりも多くの新生骨の侵入が観察された。
3週目には、骨補填材の多孔体深部での骨形成が観察され、一部では新生骨髄の形成を確認することができた。
6週目には、骨補填材の多孔体深部での新生骨髄を伴う新生骨の形成が確認され、経時的に新生骨の量が増加していく様子が観察された。
【0038】
以上の結果から、コラーゲンを導入して複合化したハイブリッド材(実施例2)は、セラミックス多孔体単独の場合(参考例)よりも、インプラント初期の骨形成は若干遅れるものの、インプラント時におけるセラミックス多孔体の破損を防止することができ、また、生分解性ポリマーであるコラーゲン部分は、初期の段階で分解、吸収されるため、多孔体内部への新生骨および生体組織等の侵入が可能であることが認められた。
また、コラーゲンに骨形成因子や成長因子を担持させたことにより、術後6週目では、多孔体単独の場合(参考例)と同等の骨形成能を示すことが認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸カルシウム系セラミックス多孔体および生分解性ポリマーからなり、
前記リン酸カルシウム系セラミックス多孔体は、球状の気孔が全体にわたって連通した多孔質構造からなり、気孔率が60%以上80%以下、平均気孔径が100μm以上300μm以下、各気孔間の連通部の径が20μm以上100μmであり、前記気孔の85%以上95%以下が前記生分解性ポリマーで充填されていることを特徴とするリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材。
【請求項2】
前記リン酸カルシウム系セラミックスが、ハイドロキシアパタイトまたはβ−リン酸三カルシウムであることを特徴とする請求項1記載のリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材。
【請求項3】
全体の気孔率が5%以上10%以下であることを特徴とするリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材。
【請求項4】
前記生分解性ポリマーがコラーゲンであり、前記コラーゲン中に、細胞外マトリクックス成分、骨形成因子、骨成長因子のうちの少なくともいずれか1種が導入されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材。
【請求項5】
前記生分解性ポリマーは、分子量が10000以上50000以下であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のリン酸カルシウム/ポリマーハイブリッド材。

【公開番号】特開2006−174985(P2006−174985A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370469(P2004−370469)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(000221122)東芝セラミックス株式会社 (294)
【Fターム(参考)】