説明

リン酸化タンパク質分析用ゲル内標識化及びゲル内単離方法及びそれを利用したタンパク質のリン酸化位置同定方法

本発明は、位置特異的標識試薬でリン酸化タンパク質遺伝情報のリン酸化位置特異的ラベリングのための方法及び収得されたラベルされたものを分析する方法に関するもので、より詳細には、求核性(nucleophilic)標識試薬でリン酸化タンパク質のリン酸化位置をポリマーのゲル内に維持された状態そのまま標識するための方法と、求核体標識試薬の適切な選定によって、前リン酸化位置に新規タンパク質加水分解の単離可能な位置を発現する方法に関するものである。さらに、本発明はあらかじめゲル内で標識されたタンパク質のゲル内の単離と連続する収得ペプチドの質量分析によって、リン酸化タンパク質分析及びリン酸化位置同定方法に関するものである。前記のような構成の本発明は、生体内のタンパク質のリン酸化状態及びリン酸化程度を効果的に分析するのに有用であり、多様な疾病の診断及び治療剤開発等に応用され、タンパク質の生体内での役割等をより深く理解するのに寄与することができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置特異的標識試薬でリン酸化タンパク質遺伝情報のリン酸化位置特異的ラベリングのための方法及び収得してラベルされたものを分析する方法に関するもので、より詳細には、求核性(nucleophilic)標識試薬でポリマーのゲル内に維持された状態そのままで、リン酸化タンパク質のリン酸化位置を標識するための方法と求核体標識試薬の適切な選定によって、前リン酸化位置に新規タンパク質加水分解の単離可能な位置を発現する方法に関するものである。さらに、本発明はあらかじめゲル内で標識されたタンパク質のゲル内の単離と、連続する収得ペプチドの質量分析によるリン酸化タンパク質分析及びリン酸化位置の同定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一番重要な翻訳後修飾化(post−translational modification)のひとつであるタンパク質のリン酸化(phosphorylation)は、信号伝達、遺伝子発現、細胞死滅(apoptosis)において多くの細胞の過程を制御する重要な役割をする。したがって、リン酸化タンパク質を検知して、タンパク質のリン酸化反応状態を定量する方法を開発するのに相当な努力を要している。一般的に、生物学的培地においてタンパク質の翻訳後修飾化のひとつであるタンパク質のリン酸化は、セリン(serine)、スレオニン(threonine)、ヒスチジン(histidine)及びリジン(lysine)のようなアミノ酸残基で観察される。
【0003】
タンパク質の可逆的リン酸化は、細胞内外間の信号伝逹において重要な役割を担当する。細胞信号伝逹過程(cell signaling pathway)に参加する多くのタンパク質は、キナーゼ(kinase)という酵素によってリン酸化され、ホスホターゼ(phosphotase)という酵素によって脱リン酸化される。多くの疾病が特定タンパク質の非正常的リン酸化/脱リン酸化と関連していることが明らかにされている。
【0004】
非正常的なリン酸化または脱リン酸化のようなタンパク質リン酸化状態における異常(irregularity)は、多くの疾病に関連していることが広く知られている。したがって、リン酸化状態の異常に対する効果的な診断方法の開発が、疾病に関連した生物学的状態の多様性を理解する上でとても重要であり、多様な疾病状態の診断及び治療に対する研究にも寄与するだろう。
【0005】
リン酸化反応を分析することができる従来の伝統的な方法に代わって、マススペクトロメトリー(mass spectrometry)は、非常に適切なリン酸化タンパク質分析方法として脚光を浴びているが、より効果的なリン酸化タンパク質及びリン酸化ペプチドの分析のためには、前記マススペクトロメトリー分析法も解決しなければならないいくつかの問題点がある。第一に、タンパク質のリン酸化は、部分的翻訳後修飾化の結果で当量的以下の量で存在して、単離されたリン酸化ペプチドはサンプル混合物で他の非リン酸化されたペプチドより少ない量で存在する場合が多い。第二に、リン酸化タンパク質におけると同様にマイナスに荷電された修飾化は、トリプシンによる加水分解に対する活性が少ないことがあり得、関心のある領域に対する質量分析が難しいことがある。第三に、陽イオンモードでマイナスに荷電されたリン酸化ペプチドは、また他の非リン酸化されたペプチドによるイオン化抑制効果によってイオン化が抑制されることがあり、特にこのような効果は、ペプチド混合物の複雑性増加にしたがって増加する。第四に、質量分析においてリン酸化ペプチドからリン酸基の部分的脱リン酸化が、リン酸結合の化学的不安定性によって誘発され得る。それは、リン酸化タンパク質の質量分析感度を落とし、マススペクトルの解析を複雑にしてマス/マス(MS/MS)配列分析(sequencing)で不完全なペプチド配列を惹起する。
【0006】
リン酸化タンパク質から加水分解されたリン酸化ペプチドに対する精製、濃縮及び高感度質量分析のために、抗体を利用したアフィニティー濃縮(affinity enrichment)、固定化金属を利用したアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)濃縮、及びリン酸化位置の化学的標識方法等のいくつかの分析方法が開発された。前記方法の中で、リン酸化位置に対する化学的標識方法は、リン酸化タンパク質の分析において有用な方法であり、特に質量分析法を使用するタンパク質体の分析分野でリン酸化タンパク質分析のための効率的な分析道具である。何つかの化学的標識方法、特に塩基性条件の下でリン酸化ペプチドからリン酸基を脱リン酸化させて、その結果生成されたジヒドロアラニン(または、β−メチルジヒドロアラニン)を強い求核性を有する求核体標識物質で標識させる標識方法が開発され、リン酸化ペプチドの濃縮、MS/MS配列分析、及び相対的定量等のために使用された。メルカプトエタノール(mercaptoethanol)、メルカプトエチルアミン(mercaptoethylamine)、エタンジチオール(ethanedithiol)等のようなスルフヒドリル(sulfhydryl)作用基を有する試薬が、標識化反応のための求核体(nucleophile)に一般的に選択される。化学的標識方法は、特に高い水素陽イオン親和性を有する化学的標識物質で、ペプチドに本来存在するリン酸基を代替させることにより、標識されたペプチドのイオン化効率を増加させてリン酸化ペプチドを高感度に分析することができる長所がある。化学的に標識されたペプチドは、質量分析で現われるイオン化抑制効果がなく、複雑なペプチド混合物においても非リン酸されたペプチドの検出感度により特筆するに値する非常に高い検出感度を示す。付加的に脱リン酸化(−98Da)と化学的標識物質の標識化に起因したスペクトルにおけるペプチドの質量変化は、複雑な質量スペクトルにおいてリン酸化ペプチドを同定することと、リン酸化ペプチドでリン酸化の位置を決定するのに有益であろう。
【0007】
リン酸化タンパク質のトリプシン加水分解で生成されたペプチド混合物からリン酸化ペプチドを高感度で検出するために、グアニジン(guanidine)部分を含む標識試薬を使用するβ−離脱/化学的標識方法が、本発明の発明者の一人であるアン・ヨンヒ博士(Dr.Ahn,Y.H.)等によって開発された。O−メチルイソウレア(O−methyl isourea)を使用して、C−末端リジン残基にグアニジン化反応を誘導することにより、リジン残基から生成されたホモアルギニン残基は、陽イオン質量分析でペプチドの検出感度を大きく向上させるということが報告されている。グアニジン基は、アミノ基よりもさらに塩基性である。グアニジン部分と高い求核性チオール作用基を有するグアニジノエタンチオール(Guanidinoethanethiol;GET)は、リン酸化ペプチド及びリン酸化タンパク質のリン酸化位置標識のための標識試薬として、適切な構造を有する。GETは、適切な還元試薬を使用してグアジノエチルジスルファイド(GEDS)から作ることができ、リン酸化ペプチド及びリン酸化タンパク質の標識化反応のための水溶液条件で作ることができる。
【0008】
一方、リン酸化タンパク質に対する化学的標識方法は、リン酸化タンパク質を酵素で加水分解する前にタンパク質水準で遂行することができる。多様な化学的標識物質が開発され、リン酸化タンパク質を標識するのに利用された。すでに、タンパク質のリン酸化された位置に化学的に適切な構造の標識物質で標識されたタンパク質に対する酵素的単離において、その酵素の選択性は、標識された部分から影響を受ける。ナイト(Knight,Z.A.)等は、リン酸化タンパク質のリン酸化位置に対する標識試薬にアミノエタンチオールを使用した(Nature Biotechnology,2003年9月,第21巻(No.9),1047頁(非特許文献1))。すでに、リン酸化されたセリン残基がアミノエタンチオール標識で標識化されることで、生成されたアミノエチルシステイン残基は、トリプシンのようなプロテアーゼを使用した酵素的単離でリジン残基に似た役割をする。したがって、リン酸化されたアミノ酸残基を加水分解酵素によって認識され、単離され得る構造を有するように標識化させる方法は、リン酸化タンパク質でリン酸化の位置を解明するのにとても効果的な方法である。タンパク質の標識されたリン酸化の位置での加水分解に起因したペプチドは、C−末端アミノ酸としてアミノエチルシステインを有し、MS/MSペプチド配列分析でアミノエチルシステインに起因する特徴的なy1切片イオンを有するだろう。また、本発明者等が発明した大韓民国特許出願第2004−8046号(特許文献1)は、リン酸系タンパク質体(phosphoproteome)分析及びリン酸化位置分析のための選択的標識物質が記載されている。
【0009】
【特許文献1】大韓民国特許出願第2004−8046号
【非特許文献1】Nature Biotechnology,2003年9月,第21巻(No.9),1047頁
【発明の開示】
【0010】
本発明でリン酸化タンパク質は、ゲル電気泳動のような多様な方法によってゲルマトリックス内に固定化することができる。ゲル内部に固定化されたリン酸化タンパク質は、リン酸化タンパク質のリン酸化されたアミノ酸残基に対する標識化反応の間、ゲルマトリックス内部に留まって、標識物質に標識されたタンパク質はまた、標識反応に使用された試薬の精製過程中にもゲルマトリックスに留まるようになる。標識されたタンパク質は、加水分解酵素等によって単離されて、収得された単離ペプチドはゲルから溶液内に放出されてペプチド質量分析に利用される。
【0011】
本発明は、またゲル内のリン酸化位置標識反応を通じて、リン酸化アミノ酸残基をタンパク質加水分解酵素等によって単離が可能な標識されたアミノ酸残基に変えることにより、本来リン酸化されていたアミノ酸残基で加水分解酵素による単離が起きるように誘導する方法を提供する。本発明において、リン酸化位置標識試薬は、ポリマー性ゲルマトリックスに留まるリン酸化タンパク質のリン酸化アミノ酸残基からリン酸基のβ−離脱に起因して生成されたα,β−不飽和アミノ酸残基に標識される。そして、標識されたアミノ酸残基は、トリプシンのようなプロテアーゼによって酵素的な切断が可能な位置と認識される類似の構造的特性を有する。例えば、化学的標識反応によってリン酸化セリンから来由したグアニジノエチルシステインは、ホモアルギニンに類似でプロテアーゼによって単離されなければならないものと認識される。したがって、酵素による認識が可能な化学的標識物質で標識されたリン酸化タンパク質に対するゲル内の単離から、本来リン酸化されていたアミノ酸残基が加水分解されて生成されたペプチドを含むペプチド混合物を得る。
【0012】
ポリマー性ゲルマトリックスに留まるリン酸化タンパク質に対するゲル内の化学的標識反応から得られた標識されたタンパク質に対する連続されたゲル内の加水分解から収得されたペプチドに対する質量分析は、試料タンパク質のリン酸化状態に対する多くの情報を提供する。標識化反応に起因するリン酸化アミノ酸残基での独特の質量変化は、MS/MS分析でリン酸化位置に対する重要な情報を提供する。また、本来リン酸化された残基だったが、標識化反応によって標識されたアミノ酸残基での酵素による加水分解は、標識されたアミノ酸残基をC−末端に有するペプチドを提供する。すなわち、結果的に本来リン酸化されていたアミノ酸残基をC−末端に有するペプチドを提供する。
【0013】
最良の形態
本発明は、
1)ポリマー性ゲルマトリックス内に留まるリン酸化タンパク質からリン酸基の脱リン酸化と、収得された脱リン酸化アミノ酸残基に対する求核性標識物質によるゲル内のコンジュゲート付加工程、
2)ポリマー性ゲルマトリックスからリン酸化タンパク質のゲル内の化学的標識反応に使用された試薬の選択的除去工程、
3)本来リン酸化された残基だったが、標識化反応によって標識されたアミノ酸残基での加水分解の結果として、生成されたペプチドを含むペプチド混合物を得るために、ポリマー性ゲル内に留まる標識されたタンパク質のゲル内の単離工程、及び
4)ポリマー性ゲルマトリックスから遊離される単離されたペプチドをクロマトグラフィーで精製及び分離して質量分析する工程等で構成される、リン酸化タンパク質分析用ゲル内の標識化方法及び、ゲル内の加水分解方法を利用するタンパク質のリン酸化位置同定方法を提供する。
【0014】
本発明において、前記工程1)で言及されたリン酸化タンパク質は、この分野で使用される通常的な方法によって多様な細胞及び細胞膜、細胞内の組職、他の臓器組職から製造することができる。また、リン酸化タンパク質は、他の環境または栄養状態によって、他の物理的または化学的ストレスにしたがって、または時間経過にしたがって感応して発現され、他の疾病状態に発現されたタンパク質から選択することができる。変性(denaturation)、還元(reduction)、脱糖化(deglycosylation)、システインアルキル化反応(cysteine alkylation)または酸化反応(cysteine oxidation)のような通常の方法にしたがって製造されたリン酸化タンパク質が、ゲル電気泳動分野で使用される通常の方法にしたがって、ポリマー性ゲルマトリックスに固定化され得る。本発明では、必要により多様なゲル密度を有するゲルを使用することができる。必要なら、固定化されたタンパク質が広範囲に使用される1Dまたは2Dゲル電気泳動方法によって分離することができる。ゲルマトリックス内に一旦固定化された大部分のリン酸化タンパク質は、ゲルに留まって、染色、脱染色、システインアルキル化または酸化反応等のような多様な処理工程にわたって使用され得る溶液内に放出されない。したがって、ゲルマトリックスは、試料であるリン酸化タンパク質を擔持する容器のような役割をする。
【0015】
本発明にしたがって、タンパク質を固定化するゲルマトリックスは、ゲルに維持されたリン酸化タンパク質のリン酸化残基特異的化学的標識反応のための反応基に利用することができる。適切な大きさに切られたリン酸化タンパク質を含む染色されたゲル切片は、通常の方法にしたがって脱染色される。β−離脱/標識物質付加方法は、リン酸化タンパク質のリン酸化位置の選択的標識のために溶液状態の反応に多く使用される。脱リン酸化反応であるβ−離脱工程は、次の反応式1で示される。
【0016】
スキーム1

【0017】
前記スキーム1でアミノ酸残基は、XがHの場合はリン酸化セリンで、CH3の場合にはリン酸化スレオニンである。
【0018】
ポリマー性ゲルマトリックスに固定化されたリン酸化タンパク質からリン酸基のβ−離脱による脱リン酸化反応は、Mg2+、Ca2+、Sr2+またはBa2+のような周期律表の2族に属する金属の陽イオンを金属触媒として含む塩基性水溶性標識溶液を使用して遂行される。リン酸化タンパク質からリン酸基の脱リン酸化反応の結果、リン酸化タンパク質に存在するリン酸化セリン残基及び/またはリン酸化スレオニン残基は、それぞれデヒドロアラニン残基及び/またはβ−メチルデヒドロアラニン残基に転換される。α,β−不飽和コンジュゲートシステムを有する収得された脱リン酸化されたアミノ酸残基は、標識溶液に存在するチオール求核体に対して良好な受容体として作用する。したがって、ゲルマトリックス内に固定化されたタンパク質の脱リン酸化位置に適切な化学的標識の付加反応(Michael addition)を通じて、ゲル内に固定化されたリン酸化タンパク質の前リン酸化された位置が標識物質に標識された残基に変換される。付加反応は、次のスキーム2で示される。
【0019】
スキーム2

【0020】
前記スキーム2でアミノ酸残基は、XがHの場合はデヒドロアラニンで、CH3の場合にはβ−メチルデヒドロアラニンで、各々β−離脱によってリン酸化セリンとリン酸化スレオニンから生成され、Taqは標識物質を示す。
【0021】
本発明での標識化合物は、リン酸基のβ−離脱から生成されたα,β−不飽和コンジュゲートシステムに対して、強い求核性を有する化合物で構成された群から選択することができる。チオール(thiol)作用基を有する試薬を使用することが好ましい。本発明のチオール基は、ジスルフィド(disulfide)またはチオエステル等のその前駆体形態から標識反応中に製造されたり、または標識反応前にあらかじめ製造されたりすることができる。標識試薬はまた、脱リン酸化されたアミノ酸残基に自身のコンジュゲート付加でリジンまたはアルギニンと類似の構造的特性を付与することができ、酵素的加水分解によって前リン酸化された位置である標識された位置でペプチド結合の切断が進行されることによりリジンまたはアルギニンと類似に作用するようにできる化合物からなる群から選択することができる。したがって、本来リン酸化されたアミノ酸残基だったが、標識反応によってリジンまたはアルギニンと類似の構造を有するように化学的に標識されたアミノ酸残基は、トリプシンのようなプロテアーゼによって加水分解され、その結果得られたペプチドでは、本来リン酸化されていたアミノ酸残基は、C−末端アミノ酸残基に相応する。上述したように、ナイト(Knight,Z.A.)等はアミノエチルシステインがトリプシンによって認識されて加水分解され得るリジン類似体を得るための化学的標識物質として使用することができると報告した。また、アン(Ahn,Y.H.)等は、グアニジノエチルシステインは、ホモアルギニンと類似に作用することができてトリプシンによって加水分解され得ると報告した。ポリマー性ゲル内に固定化されたタンパク質のリン酸化アミノ酸残基に対するゲル内の化学的標識方法の代表的な一例として、タンパク質のリン酸化アミノ酸残基が化学的標識物質であるグアニジノエタンチオールによってグアニジノエチルシステインまたは、b−メチルグアニジノエチルシステイン残基に転換されることを一例に挙げることができる。上述した過程にしたがって、グアニジノエタンチオールを標識物質に使用して塩基性水溶液状で標識化反応させると、リン酸化アミノ酸残基はゲル内でグアニジノエタンチオールで標識される。標識化反応に使用されたすべての試薬がポリマー性ゲルマトリックスから洗われた後、ゲルマトリックスにあるリン酸化残基特異的標識タンパク質を酵素を使用してゲル内の加水分解すると、前リン酸化されたアミノ酸残基である標識されたアミノ酸残基で加水分解されたペプチドを含むペプチド混合物を提供する。前リン酸化されたセリン残基である標識されたグアニジノエチルシステイン残基でのタンパク質加水分解は、次のスキーム3で示される。
【0022】
スキーム3

【0023】
ゲル内の標識化反応は、リン酸化タンパク質の脱リン酸化反応と別個にまたは同時に遂行できる。標識物質である求核体はまた、標識化反応と同時にまたはあらかじめその前駆体の形態から生成され得る。また、標識物質を構成する少なくとも一つ以上の原子が化学的反応性は同じで質量値だけが他の同位元素で置換された(isotopically coded)標識物質同等体を求核体に使用してお互いに異なる試料源から得られる同一タンパク質間のリン酸化状態に対する相対的定量を遂行することができる。
【0024】
例えば、グアニジノエタンチオールと、それを構成する水素、炭素、窒素そしてイオウ原子等が各元素の同位元素に置換されたグアニジノエタンチオール同等体は、化学的構造及び化学的物性、反応性等がお互いに同じで、質量数においてのみ一定の差異を示す。したがって、ゲル内の標識化反応及び継続されるゲル内の加水分解反応で、それら二つの同等体は同一の反応性及び物性を示すようになり、標識されたペプチドに対する質量分析においてのみ、それぞれのペプチドに標識された同等体の質量数の差異が質量スペクトル上に現われる。したがって、標識物質に使用される二つの同等体の質量数の差にあたる質量差が見られるが、同一なアミノ酸配列を有する二つのペプチドに起因した二つの質量スペクトルの強度から二つの試料に各々存在する標識された二つのペプチド間の相対的な定量が可能である。このような相対的定量方法は、他の特定の標識物質を使用して、Goshe,M.B.等によって発表されたことがあり(US 2002/0119505)、本発明でのゲル内の標識化反応及びゲル内の加水分解反応を利用したリン酸化タンパク質分析にもそのまま応用することができる。
【0025】
本発明では高濃度の試薬を、ポリマー性ゲルマトリックス内に維持されたリン酸化タンパク質のゲル内の標識のために使用した。それら試薬は、標識されたタンパク質の継続的なゲル内の単離のために優先的にゲルから選択的に除去され、標識されたタンパク質は相変らずゲル内に泊まるようになる。したがって、ポリマー性ゲルマトリックスは、タンパク質試料を入れる容器のような役割をする。ゲルから標識化反応に使用された試薬の除去は、適切な緩衝溶液またはアセトニトリル、メタノール、エチルアルコール、イソプロパノール等の有機溶媒を一定部分含む緩衝溶液にゲルを静置しておくことにより遂行される。標識反応に使用した試薬が除去されたゲルは、アセトニトリルで洗浄して真空で乾燥する。
【0026】
ゲル内の単離は、前記で言及したゲル内β−離脱/標識物質付加反応によって標識されたタンパク質に対して遂行される。この分野で広範囲に使用されている通常的な方法のように、多様なプロテアーゼをリン酸化残基が特徴的に標識されたタンパク質のゲル内単離のために使用することができる。特に、前記で言及したようにリン酸化された残基に特徴的に標識されたアミノ酸残基でタンパク質加水分解を導こうとする場合において、より選択的な単離のためにプロテアーゼの選択に注意することが好ましいい。例えば、化学的標識物質中のグアニジノエタンチオールは、ゲル内の標識化方法によってリン酸化セリンをグアニジノエチルシステインに転換させる。収得されたグアニジノエチルシステイン残基は、構造的にホモアルギニンに似ている。したがって、前記残基は、トリプシンのような広く使用されるプロテアーゼのみならずエンドプロテイナーゼArg−Cのようなアルギニン特異的プロテアーゼによって選択的に認識されて加水分解され得る。一方、アミノエタンチオールは、ゲル内の標識化方法によってリン酸化セリンをアミノエチルシステインに転換させる。収得されたアミノエチルシステイン残基は、構造的にリジンに似ている。したがって、前記残基はまた、トリプシンのような広く使用されるプロテアーゼのみならずエンドプロテイナーゼLys−Cのようなリジン特異的プロテアーゼによって選択的に認識されて加水分解され得る。ゲル内の標識化反応に使用された標識物質によってプロテアーゼを選定することは、リン酸化残基特異的ゲル内標識化/ゲル内単離方法の付加的な長所であるといえる。
【0027】
ゲルから遊離されるペプチドは、適切なクロマトグラフィーで前処理をしたりまたは前処理過程なしに各種ペプチド分析器具で分析したりすることができる。本来リン酸化されていた標識されたアミノ酸残基で起きるタンパク質加水分解酵素による単離は、リン酸化タンパク質でリン酸化された位置を解明するにおいて非常に効果的なことであると認識される。リン酸化残基特異的加水分解から得られたペプチドは、リン酸化残基特異的標識物質で標識された残基(すなわち、グアニジノエチルシステイン、アミノエチルシステイン等)をC−末端アミノ酸残基として有し、MS/MSペプチド配列分析で標識されたアミノ酸残基に相応するy1切片イオンを示す。酵素単離において標識されたアミノ酸残基で加水分解が起きなかった場合にも、標識されたアミノ酸残基は、MS/MS配列分析で標識されたアミノ酸残基に起因した独特の質量差から解明することができる。また、標識されたペプチドに対する質量分析感度は、標識化を遂行しないリン酸化ペプチドに比べて大きく増加するという付加的な長所がある。
【0028】
図2は、α−カゼイン(casein)のGET−標識ペプチド(シーケンス VPQLEIVPNS*AEER、m/z 1682)のMS/MSスペクトルで、グアニジノエタンチオールでリン酸化アミノ酸残基が特徴的にゲル内標識されて、継続的にトリプシンでゲル内単離された後、質量分析が遂行された。S*は、前リン酸化セリン残基がGET−標識されたグアニジノエチルシステイン残基を示す。代表的に、m/z 1562.8に現われたピークは、前駆体ペプチドからグアニジノエタンチオールの中性離脱の結果発生したペプチド切片に起因する。m/z 692.3に現われたピークは、前リン酸化セリン残基であるグアニジノエチルシステイン残基(S*)のN−末端のペプチド結合の切断から起因したy5切片イオンに対応するものである。
【0029】
図3は、α−カゼインのペプチド(シーケンス S*EEIVPNS*VEQK、m/z 1561)のMS/MSスペクトルで、ゲル内標識されて継続的にゲル内単離された後、質量分析して得た。S*は、前リン酸化セリン残基がGET−標識されたグアニジノエチルシステイン残基を示す。前リン酸化セリン残基であるグアニジノエチルシステイン残基のN−末端のペプチド結合の切断に起因した切片イオンに対応する二つのピーク(y5及びy7)は、相対的に強いピーク強度で、それぞれm/z 691.3及び871.4で示される。したがって、タンパク質のリン酸化位置は、容易にそして明白に解明され得る。
【0030】
図4は、β−カゼインのペプチド(シーケンス S*EESITR、m/z 922)のMS/MSスペクトルで、ゲル内標識されて継続的にゲル内単離された後、質量分析して得た。S*は、グアニジノエチルシステイン部分で、以前リン酸化されたセリン部分である。前記結果は、効果的なリン酸化タンパク質分析とリン酸化位置同定のための本発明のゲル内標識化/ゲル内単離方法の汎用性及び多様な適用可能性を示している。
【0031】
図5は、マレイン酸脱水素酵素(malate dehydrogenase)[Escherichia coli]のペプチド(sequence GFSGEDATPALEGADVVLIS*, m/z 2049)のMS/MSスペクトルで、ゲル内グアニジノエタンチオール(guanidinoethanethiol)でリン酸化特異的標識され及び連続的にゲル内で分解される。S*は、グアニジノエチルシステイン(guanidinoethylcysteine)部分で、前リン酸化セリン(phosphoserine)部分である。前記ペプチドは、S*であるGET標識された部位がアミノ酸残基、グアニジノエチルシステインで標識された酵素的に切断できるC−末端残基に位置する配列を有している、前記ペプチドのMS/MSスペクトルは、ペプチドのY1切片イオンに対応するM/Z 207.1で唯一のピークが見られる。
【0032】
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に記述するが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0033】
実施例1:ゲルマトリックス内の固定化されたタンパク質試料の調製
タンパク質試料は、生物学的培地から通常的な方法にしたがって抽出して製造する。抽出されたタンパク質は、6Mグアニジン塩酸塩で変性される。タンパク質のシステイン残基のジスルフィド結合は、約37℃で約1時間の間トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩で還元し、形成されたチオール基は、公知された方法にしたがってアルキル化反応を利用して保護したり、酸化反応を利用してスルホン酸に酸化したりされる。製造されたタンパク質または標準試料タンパク質は、ゲル電気泳動分野で使用する通常的な方法にしたがい、1Dまたは2Dゲル電気泳動方法によって分離することができ、ポリアクリルアミドゲル内に固定される。ポリアクリルアミドゲルは、必要によって多様なアクリルアミド濃度を有する溶液から製造される。ゲル内で分離したタンパク質は、通常的な方法によってクマシーブリリアントブルーG−250(Coomassie Brilliant Blue G−250)のような染色試薬または銀窒酸塩で染色して可視化される。
【0034】
実施例2:ゲル内に固定化されたリン酸化タンパク質のゲル内標識
タンパク質を含む染色された部分のゲルを切り取ってゲル脱染色を遂行する。クマシブルーで染色されたゲルをメタノールまたはアセトニトリルを含むアンモニウムビカーボネート溶液に入れて脱染色を遂行する。銀窒酸塩で染色されたゲルは、30Mmカリウムフェリシアニドと100mMチオ硫酸ナトリウム1:1溶液を使用して脱染色する。脱染色されたゲルは、アセトニトリルで洗って真空で乾燥する。
【0035】
標識溶液は、中和されたトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(以下「TCEP」と略称する)でグアニジノエタンジスルフィド塩酸塩(以下「GEDS 2HCl」と略称する)を還元させて製造した。0.5M TCEP(20μL)と0.5M GEDS 2HCl(20μL)をアルゴン下で混合した。反応容器を約45℃で30分の間静置した。5.0N NaOH(6μL)及び1.0M BaCl(2μL)を反応容器に連続的に付加した。製造された標識溶液をタンパク質を含むゲルに付加して反応容器をアルゴン下で約45℃で3時間静置した。ゲルを50%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸溶液で3回洗って、50%アセトニトリル溶液(1mL)で一度洗った。継続してアセトニトリルで洗った後、真空で乾燥した。
【0036】
実施例3:標識されたタンパク質のゲル内単離及び質量分析
50mMアンモニウムビカーボネート(45μL)及びトリプシン(0.1mg/μL、6μL)の混合溶液をタンパク質を含むゲルに付加して反応溶液を約12ないし18時間37℃で培養した。上澄み液をピペットで集めて、ゲルを50%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸溶液(100μL)で洗って先の上澄み液と合わせた後、真空乾燥した。
【0037】
前記の乾燥された試料を0.1% TFA溶液(20uL)に溶解して、脱塩によって製造されたC18トラップカラム(trap column)(I.D 250mm, 長さ30mm,粒子サイズ5μm)にロービングして、20μL/分の流量で濃縮した。分離されたペプチドは、マトリクス溶液(50%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸に溶解したCHCA)で一回で混合される濃度勾配溶離条件で分離してMALDI質量分析によって試料板に点滴した。また、前記の溶離したペプチド溶液は、ESI質量分析器で直接分析できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】グアニジノエタンチオールでリン酸化位置特異的標識と標識された位置に対する連続されたタンパク質加水分解を示す反応図である。
【図2】α−カゼイン(casein)のGET−標識ペプチド(シーケンス VPQLEIVPNS*AEER、m/z 1682)のMS/MSスペクトルである。
【図3】α−カゼインのペプチド(シーケンス S*EEIVPNS*VEQK、m/z 1561)のMS/MSスペクトルである。
【図4】β−カゼインのペプチド(シーケンス S*EESITR、m/z 922)のMS/MSスペクトルである。
【図5】マレイン酸脱水素酵素(malate dehydrogenase)[Escherichia coli]のペプチド(sequence GFSGEDATPALEGADVVLIS*,m/z 2049)のMS/MSスペクトルで、ゲル内グアニジノエタンチオール(guanidinoethanethiol)でリン酸化特異的標識され及び連続的にゲル内で分解される。S*は、グアニジノエチルシステイン(guanidinoethylcysteine)残基で、前ホスホセリン(phosphoserine)残基である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ポリマー性ゲルマトリックス内に固定化されたリン酸化タンパク質のリン酸化位置を標識試薬混合物を使用して標識する工程、
b)標識されたタンパク質を酵素で加水分解して加水分解されたペプチドを得る工程、及び
c)前記加水分解されたペプチドを分析する工程とからなることを特徴とする、リン酸化タンパク質分析用ゲル内標識方法及び標識されたタンパク質分析を通じたタンパク質リン酸化位置同定方法。
【請求項2】
前記ポリマー性ゲルマトリックスが、ポリアクリルアミドゲルであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリアクリルアミドゲルが、1ないし30%濃度のアクリルアミドを含む溶液から製造されるゲルから選択されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記標識試薬混合物が、塩基、標識物質、還元剤、及び金属触媒から選択される一つ以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記塩基が、無機塩基であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基が、有機塩基であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記標識物質が、スルフヒドリル(sulfhydryl)官能基を有する化合物から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記スルフヒドリル(sulfhydryl)官能基が、ジスルフィド(disulfide)形態の標識物質を還元剤で還元することによって製造されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記還元剤が、トリス(2−シアノエチル)ホスフィン(TCNEP)、トリス(2−カルボキシルエチル)ホスフィン(TCEP)、トリス(ハイドロキシプロピル)ホスフィン(THPP)、及びトリブチルホスフィン(TBP)からなる群から選択されるものであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スルフヒドリル(sulfhydryl)官能基が、標識反応工程前に塩基性加水分解または求核置換方法で保護されたスルフヒドリル基を脱保護することにより製造されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記標識物質が、グアニジノアルカンチオール、アミノアルカンチオール、メルカプトアルカノール、アルカンチオール、アルカンジチオール、ジアルキルアミノアルカンチオール及びアルコキシアルカンチオールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記標識物質が、グアニジノアルカンチオール、アミノアルカンチオール、メルカプトアルカノール、アルカンチオール、アルカンジチオール、ジアルキルアミノアルカンチオール及びアルコキシアルカンチオールからなる群から選択され、選択された標識物質を構成する少なくても一つ以上の原子が事実上の化学的構造及び反応性が同じで、質量値だけが他の同位元素に置換された(isotopically coded)標識物質同等体であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記リン酸化位置が、リン酸化セリン及びリン酸化スレオニンから選択される一つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記酵素が、加水分解酵素の中から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記酵素が、トリプシン、エンドプロテイナーゼArg−C及びエンドプロテイナーゼLys−Cからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記加水分解されたペプチドが、クロマトグラフィーによって分離された後、またはクロマトグラフィーによる分離過程なしに質量分析機によって質量分析されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
a)ポリアクリルアミドゲルに維持されたリン酸化タンパク質からリン酸基の脱リン酸化を誘導して、得られたタンパク質の脱リン酸化されたアミノ酸残基を、標識物質でゲル内標識を遂行する工程、
b)リン酸化タンパク質のゲル内標識反応に使用された試薬をポリアクリルアミドゲルから標識されたタンパク質の流出なしに選択的に除去する工程、
c)標識物質で標識されたタンパク質をプロテアーゼでゲル内加水分解してペプチド混合物を得る工程、及び
d)ポリアクリルアミドゲルから流出する加水分解されたペプチド混合物をクロマトグラフィーで分離して質量分析する工程とからなることを特徴とする、リン酸化タンパク質分析用ゲル内標識化方法及び標識化されたタンパク質分析を通じたタンパク質リン酸化位置同定方法。
【請求項18】
前記タンパク質からリン酸基の脱リン酸化が、塩基性水溶液条件で遂行されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ポリアクリルアミドゲルが、5ないし15%濃度のアクリルアミドを含む溶液から製造されるゲルから選択されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記標識物質が、グアニジノエタンチオール、アミノエタンチオール、メルカプトエタノール、エタンジチオール、ジメチルアミノエタンチオール、トリメチルアンモニウムエタンチオール、ジエチルアミノエタンチオール、メトキシエタンチオール及びエトキシエタンチオールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記標識物質が、グアニジノエタンチオール、アミノエタンチオール、メルカプトエタノール、エタンジチオール、ジメチルアミノエタンチオール、トリメチルアンモニウムエタンチオール、ジエチルアミノエタンチオール、メトキシエタンチオール及びエトキシエタンチオールからなる群から選択され、選択された標識物質を構成する少なくとも一つ以上の原子が事実上の化学的反応性が同じで、質量値だけが他の同位元素に置換された(isotopically coded)標識物質同等体であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記標識物質が、自体のジスルフィド(disulfide)形態から標識反応中に生成されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2008−511311(P2008−511311A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529655(P2007−529655)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002577
【国際公開番号】WO2006/028310
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(505280369)コリア ベーシック サイエンス インスティテュート (11)
【Fターム(参考)】