レバースイッチ
【課題】ケーシング内部への浸水等を確実に防ぎ、スイッチ機構部の円滑な動作を長期にわたり維持できるレバースイッチを提供すること。
【解決手段】操作レバー4がコイルばね6の付勢力に抗してベース2上の中立位置から回転動作することによりスイッチを切り換えるスイッチ機構部を備えたレバースイッチ1において、操作レバー4とベース2との間の間隙をケーシング5で塞ぎ、そのケーシング5の内部にスイッチ機構部を収容するとともに、操作レバー4とケーシング5との摺動面、及びベース2とケーシング5の接触面をそれぞれ上側リップパッキン54と下側リップパッキン55でシールする防水防塵機構部を設けた。
【解決手段】操作レバー4がコイルばね6の付勢力に抗してベース2上の中立位置から回転動作することによりスイッチを切り換えるスイッチ機構部を備えたレバースイッチ1において、操作レバー4とベース2との間の間隙をケーシング5で塞ぎ、そのケーシング5の内部にスイッチ機構部を収容するとともに、操作レバー4とケーシング5との摺動面、及びベース2とケーシング5の接触面をそれぞれ上側リップパッキン54と下側リップパッキン55でシールする防水防塵機構部を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両のパワーウインドウの開閉状態を検出するスイッチのように、その使用環境において、特に防水性や防塵性が求められるレバースイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような特性を有するスイッチとして、本出願人が先に出願した防水型レバースイッチが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このスイッチは、周縁にレバーを突設した円板の下側に可動接点ばね片が配置され、この可動接点ばね片の下側に固定接点を配置した構造になっている。レバーに外力が作用すると、ばね力に抗して回転する円板下面の突起が可動接点ばね片を押圧し、可動接点ばね片が撓んで固定接点に接触することでスイッチが入る。また、外力が解放されると、ばねの弾力によりレバーが中立位置に復帰し、可動接点ばね片が固定接点から離隔してスイッチが切断される。なお、円板と凹部との間の溝に防水リングを介挿して防水性を持たせている。
【0004】
ところが、このスイッチによると、レバーを中立位置に付勢するばねが、円板の外側に配設されており、しかも、カバーで覆われることなく外部に露出している。そのため、使用環境によっては、この露出したばねが水を浴びて錆び付いたり、ばねの隙間に塵や埃が詰まったりすることが考えられる。これにより、ばねの弾力が損なわれ、レバーを中立位置に復帰させ難くなる等、レバーの動作に支障を来たし、円滑なスイッチ機能が得られなくなってしまう。
【0005】
【特許文献1】特開2000−331567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ケーシング内部への水や塵埃などの侵入を確実に防ぎ、スイッチ機構部の円滑な動作を長期にわたり維持できるレバースイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、本発明に係るレバースイッチは、上面に円形凹部を有するベースと、上記円形凹部内に固定されたコモン固定接点と、上記円形凹部内の左右対称位置に離間して固定された一対のサイド固定接点と、上記円形凹部の中心のボスにシャフトを介して回転可能に支持された円板、及びその円板の周縁に突設されたレバーからなる操作レバーと、上記操作レバーのシャフトに固定され、外壁に所定角度の扇形状に切欠き形成された扇形切欠き面を有するロータと、上記ロータの下面に固定され、上記コモン固定接点に接触したコモン接点ばね片と、上記ロータの下面に固定され、上記サイド固定接点に接触又は離隔するサイド接点ばね片と、上記ベースに固定され、上記ロータを収容するとともに外壁に上記所定角度の扇形状に切欠き形成された切欠き部を有する内筒、及びその内筒の外周を包囲する外装ケースからなる二重構造のケーシングと、上記内筒の外周に巻装され、上記扇形切欠き面及び上記切欠き部の双方に引っ掛け固定されて上記操作レバーを上記ベース上の中立位置に付勢するコイルばねと、上記ケーシングの上端面に環状に設けられ、上記円板の下面に圧着された上側リップパッキンと、上記外装ケースの下端面に環状に設けられ、上記円形凹部の周縁に圧着された下側リップパッキンと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
このレバースイッチにおいて、レバーに外力が作用して、操作レバーがコイルばねの付勢力に抗してベース上の中立位置から左右いずれかの方向へ回転動作すると、操作レバーに固定されたロータが連動して回転し、ロータの底面に固定された可動接点のサイド接点ばね片がベース上にある左右のサイド固定接点のうち一方に接触してスイッチが入る。レバーに作用していた外力が解放されると、操作レバーがコイルばねの弾力により中立位置に復帰し、ロータの回転に連動したサイド接点ばね片がそれまで接触していたサイド固定接点から離隔してスイッチが切断される。
【0009】
また、ベースと操作レバーとの間の間隙はケーシングで塞がれ、そのケーシングの内部にスイッチ機構部が収容される。同時に、操作レバーとケーシングとの摺動面はケーシングに設けられた上側リップパッキンが密着してシールされ、ベースとケーシングとの接触面においてもケーシングに設けられた下側リップパッキンが密着してシールされる。
【0010】
上記構成からなるレバースイッチについて、次のような各種の好適な実施態様が考えられる。例えば、上記ベースの側面に上記円形凹部を包囲する隔壁を有し、その隔壁の内側に上記ケーシングが収容される構造とすることができる。
【0011】
また、上記円形凹部の周縁に上記下側リップパッキンと同径の環状台座を有し、その環状台座の外側に上記外装ケースの下端を載せて固定する載置台を設けた構造を採用することができる。
【0012】
さらに、上記構成に加え、上記コモン固定接点に接続され上記ベースの外部に突出したコモン固定端子と、上記サイド固定接点に接続され上記ベースの外部に突出したサイド固定端子と、上記コモン固定端子及び上記サイド固定端子に溶接されたリード線と、を被覆するカバーを備えていてもよい。
【0013】
なお、上記ケーシング、上記上側リップパッキン、及び上記下側リップパッキンは、すべてエラストマーで一体成形されていることが望ましい。その一例として、熱可塑性ポリエステルエラストマーが挙げられる。また、上側リップパッキンと下側リップパッキンについて、その断面形状は特に限定しないが、L型、U型、あるいはV型などが適用できる。
【発明の効果】
【0014】
上述した構成から明らかなように、本発明に係るレバースイッチによれば、以下のような作用効果を有する。
【0015】
(1) ベースと操作レバーとの間の間隙をケーシングで塞ぎ、そのケーシングの内部にスイッチ機構部を収容し、操作レバーとケーシングとの摺動面、及びベースとケーシングとの接触面をリップパッキンでシールする構造を採用したことにより、ケーシング外部から内部のスイッチ機構部への水や塵埃などの侵入を確実に阻止することができ、スイッチ機構部の円滑な動作を長期にわたり維持できる。特に、上側リップパッキンの口径を小さく設定することにより、操作レバーの回転時に、円板と上側リップパッキンとの摺動摩擦抵抗が少なく、操作レバーの動作力が小さくて済むため、スイッチ機構部のより一層円滑な動作が実現できる。
【0016】
(2) ベースの隔壁よりも内側にケーシングを収容することにより、下側リップパッキンのシール面がスイッチ外部に露出しなくなり、シール面から入り込もうとする水分や塵埃等をあらかじめ隔壁で阻止でき、スイッチ機構部の動作不良の要因となる金属部品の錆び付きや、ばね類の目詰まりが起こり難くなる。
【0017】
(3) 円形凹部の周縁に下側リップパッキンと同径の環状台座を有し、その環状台座の外側に外装ケースの下端を載せて固定する載置台を設けることにより、下側リップパッキンの外側に外装ケースとベースとの接合面が配置されるため、リップパッキンによるシール面と接合面の二重構造によって防水及び防塵機能がさらに向上する。
【0018】
(4) ベースの外部に露出するコモン固定端子と、サイド固定端子と、両固定端子に溶接されるリード線を被覆するカバーを備えることにより、金属板からなる固定端子が外部から完全に遮断され、錆び付き等の不具合を確実に防止してさらなる耐久性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は本実施形態のレバースイッチの外観図、図2は同スイッチの断面図である。図1及び図2に示すレバースイッチ1は、ベース2、固定接点3、操作レバー4、ケーシング5、コイルばね6、ロータ7、及び可動接点8の各部品を備えて構成されている。
【0021】
同スイッチ1は、操作レバー4がベース2の上で回転動作して固定接点3と可動接点8の接点を切り換えるスイッチ機構部と、操作レバー4とベース2との間隙をケーシング5で塞ぎ、スイッチ機構部への水や塵埃などの異物の侵入を防ぐ防水防塵機構部とを備えている。以下、このスイッチ機構部と防水防塵機構部の詳細な構造について、各部品の組み立て手順にしたがって説明する。
【0022】
まず、ベースに固定接点を装着する(図3、4、5参照)。
【0023】
図3に示すベース2は、絶縁性を有する樹脂材料からなり、底面に二本の脚部21、21を有し、上面の略中央に円形状の円形凹部22を有している。この円形凹部22内の中心位置には、操作レバー4の回転中心となる円柱状のボス23が立設される。また、ベース2の側面には円形凹部22を包囲する隔壁24が設けられており、このうち正面、右側面、及び背面にある隔壁24−1、24−2、24−3は、図3(c)に示すようにT字形状からなり、上端に一対の係止部25を備えている。
【0024】
円形凹部22の周縁は後述のケーシング5を固定する台座26となるが、この台座26の四隅には一段高くした載置台27が形成され、その内側に環状台座28が設けられている。また、載置台27の上にはそれぞれ突起29、29、…が形成されている。
【0025】
図4に示す固定接点3は、導電性を有する金属板を打ち抜いて成形され、半円状のコモン固定接点31と、半円を二分割した一対のサイド固定接点32とを備えている。このコモン固定接点31とサイド固定接点32の輪郭は、上記ベース2の円形凹部22の形状に倣ったものであり、その中心に上記ベース2のボス23が挿通する円形孔33が形成されている。
【0026】
図5に示すように、固定接点3はベース2に固定される。すなわち、固定接点3をベース2の側面から挿入することにより、コモン固定接点31は円形凹部22内の床面の前方位置に配置され、これに接続されたコモン固定端子34がベース2の側面前方から外部に突出する。一方、サイド固定接点32は、円形凹部22内の床面の後方位置で、かつ左右対称位置となるように離間して配置されることになる。なお、左側のサイド固定接点32−1に接続されたサイド固定端子35はベース2の側面後方から、また右側のサイド固定接点32−2に接続されたサイド固定端子35はベース2の側面中央からそれぞれ外部に突出している。
【0027】
次に、操作レバーにケーシングを装着する(図6、7、8参照)。
【0028】
図6に示す操作レバー4は、絶縁性を有する樹脂材料からなり、円板41と、この円板41の周縁に一体化されたレバー42とを有し、レバー42は円板41の径方向に向かって延設されている。円板41の下面には、その中心位置に円筒状のシャフト43が突出しており、このシャフト43を上記ベース2のボス23に嵌着することにより、操作レバー4がボス23を中心にして回転可能に支持される。
【0029】
シャフト43には、図6(b)に示すように、その下端側から見て十字状のスリット44が軸方向に刻設され、四本のシャフト分割片45、45、…に分割された構造になっている。この分割構造を採用した理由は、後述のケーシング5の装着時に、シャフト分割片45の先端をすぼませて内筒51内に挿入し易くするとともに、後述のロータ7の装着時に、軸孔73内の挿入部74に各々のシャフト分割片45を挿入して位置決め固定するためである。なお、各シャフト分割片45には、その先端を外側に向けて折り曲げた抜止爪46が設けられている。
【0030】
図7に示すケーシング5は、可撓性を有するゴム状弾性体で成形され、後述のロータ7を収容する内筒51と、この内筒51の外周を包囲する外装ケース52とを備えた二重構造になっている。外装ケース52の上端面には、上記操作レバー4のシャフト43外径とほぼ等しい内径を有し、内筒51の内部へと連通するシャフト挿入口53が設けられている。
【0031】
シャフト挿入口53の上端には、上記操作レバー4の円板41よりも小径の環状に形成された上側リップパッキン54が設けられる。一方、外装ケース52の下端には、上記ベース2の環状台座28と同径の下側リップパッキン55が設けられる。本実施形態ではこれら内筒51、外装ケース52、シャフト挿入口53、上側リップパッキン54、及び下側リップパッキン55が、すべて熱可塑性ポリエステルエラストマーにより一体成形されている。上側リップパッキン54と下側リップパッキン55は、ともに断面L字状のL型パッキンとしたが、これに限らずU型パッキンやV型パッキンであってもよい。
【0032】
内筒51の外壁には、図7(b)に示すように、扇形状に切欠き形成された切欠き部56が設けられている。この扇形の開き角度は、上記操作レバー4の回転角度(本実施形態では左右60度ずつ)に設定される。また、外装ケース52の正面、右側面、及び背面には上記ベース2の係止部25に係止される一対の係止爪57が形成されており、底面の四隅には上記ベース2の突起29に嵌合する孔58が形成されている。
【0033】
図8に示すように、ケーシング5は操作レバー4の下面に装着される。すなわち、操作レバー4のシャフト43をケーシング5のシャフト挿入口53から内筒51内へと挿入する。この挿入時、シャフト分割片45の先端にある抜止爪46がシャフト挿入口53の内壁面に押圧され、各シャフト分割片45の先端が内側へすぼんだ状態でシャフト挿入口53内を進行し、内筒51内へ出たときに押圧から解放されて拡開する。これにより、操作レバー4はケーシング5から抜け止めされるとともに、上側リップパッキン54の上端面が円板41の下面に圧着される。
【0034】
次いで、ケーシングにコイルばねを装着する(図9、10参照)。
【0035】
図9に示すコイルばね6は、ステンレス鋼線をコイル状に巻いたもので、その径は上記ケーシング5の内筒51外周と同径である。また、コイルばね6は、その始端と終端をそれぞれ内側に向けて折り曲げた始端折り曲げ部61と、終端折り曲げ部62とを有しており、その折り曲げ角度は上記操作レバー4の回転角度と同一に設定される。
【0036】
図10に示すように、コイルばね6はケーシング5の内部に装着される。すなわち、コイルばね6をケーシング5の底面側から挿入して内筒51の外周に巻装し、コイルばね6の始端折り曲げ部61と終端折り曲げ部62をそれぞれ内筒51の切欠き部55の両端に引っ掛けて固定させてある。
【0037】
続いて、ロータに可動接点を装着する(図11、12、13参照)。
【0038】
図11に示すロータ7は、絶縁性を有する樹脂材料で構成され、円筒部71と、この円筒部71の下端周縁に延設された円板状のフランジ72とを備えている。円筒部71の中心には、図11(b)に示すように、端面から見て十字状となる軸孔73が形成されている。軸孔73はその周囲四方に拡がる挿入部74を有しており、この四つの挿入部74、74、…は、上記操作レバー4の四本のシャフト分割片45、45、…を挿入して位置決め固定するためのものである。
【0039】
円筒部71の外壁には、図11(a)に示すように、扇形状に切欠き形成された扇形切欠き面75が設けられている。この扇形の開き角度も、上記ケーシング5の切欠き部56と同様、上記操作レバー4の回転角度に設定されている。また、円筒部71の下端には上記シャフト43の抜止爪46が係着される段部76が形成されるとともに、フランジ72の下面には、可動接点8を装着するための取付ピン77が設けられている。
【0040】
図12に示す可動接点8は、導電性を有する金属板を打ち抜いて成形され、中央に設定された取付片81と、取付片81の両側に設定された接点ばね片82とが根元で連結されて一体化されている。取付片81は、その中心に上記ベース2のボス23が挿通する円形状の貫通孔86が形成されるとともに、根元と先端の両側にそれぞれ取付孔87を開口させてある。
【0041】
接点ばね片82は、一方がコモン接点ばね片83となり、他方がサイド接点ばね片84となる。図12(b)に示すように、コモン接点ばね片83は、水平面よりも下方に反り形成してばね力を持たせ、その先端を二股に分岐して下方に湾曲させた接点部85を有している。サイド接点ばね片84も同様に、水平面よりも下方に反り形成してばね力を持たせ、その先端を二股に分岐して下方に湾曲させた接点部85を有している。
【0042】
可動接点8は、図13に示すように、ロータ7の底面に固定される。すなわち、ロータ7のフランジ72にある取付ピン77を、取付片81に開口された取付孔87にそれぞれ嵌合し、両者を熱溶着することによりロータ7と可動接点8が一体化される。
【0043】
さらに、操作レバーにロータを装着する(図10、13、14参照)。
【0044】
図10に示す操作レバー4の下面に図13に示すロータ7を取り付けると、図14に示すようになる。すなわち、操作レバー4のシャフト43をロータ7の円筒部71内に挿入する。各シャフト分割片45を軸孔73の挿入部74に各々挿入して両者を位置決めすると、ロータ7がケーシング5の内筒51内に収容される。この挿入時にもまた、各シャフト分割片45の先端が内側へすぼんだ状態で挿入部74内を進行し、円筒部71の下端から出たときに拡開して抜止爪46が段部76に係着される。これにより、操作レバー4はロータ7から確実に抜け止め固定される。
【0045】
また、ロータ7はケーシング5の内筒51内に収容されるが、ここで内筒51の外周に巻装されているコイルばね6の始端折り曲げ部61と終端折り曲げ部62を、それぞれロータ7の扇形切欠き面75の両端と、ケーシング5の切欠き部56の両端の双方に引っ掛けて固定する。これにより、ロータ7に固定された操作レバー4はコイルばね6で常に付勢された状態となる。
【0046】
最後に、ベースに操作レバーを装着する(図2、図5、図14参照)。
【0047】
図5に示すベース2の上面に図14に示す操作レバー4を装着すると、図2に示すレバースイッチ1が完成する。すなわち、ベース2のボス23に操作レバー4のシャフト43を嵌着する。これにより、操作レバー4がボス23を中心に回転可能に支持される。
【0048】
これと同時に、ベース2の台座26にケーシング5を装着する。台座26の四隅には載置台27があり、その上の突起29を外装ケース52底面にある孔57に嵌めることにより、ベース2に対しケーシング5をワンタッチで装着することが可能である。また、外装ケース52の係止爪56が隔壁24の係止部25に係着し、外装ケース52とベース2との接合面が熱溶着される。これにより、ケーシング5がベース2に固定されたうえ、隔壁24の内側に収容されることになる。
【0049】
なお、外装ケース52とベース2との接合面よりも内側では、環状台座28の上に下側リップパッキン55が置かれ、その下端面を環状台座28に圧着させてシールした構造になっている。
【0050】
以上が本実施形態のレバースイッチ1の構造であるが、以下、このスイッチ1の動作と作用について、図2、15、16、及び17を参照して説明する。なお、図15から図17において、各部品の動きを理解し易くするため、操作レバー4の上からスイッチ機構部を透視した状態を図示してある。
【0051】
図15に示すように、操作レバー4に対し無負荷状態のとき、レバー42はベース2の中心線L上の中立位置にある。このとき、内部のスイッチ機構部を見ると、可動側のロータ7と固定側のケーシング5は、ロータ7の扇形切欠き面75と、ケーシング5の切欠き部56との開き角度が一致した同心円上に配置されている。この無負荷状態のとき、図15(b)に示すように、ロータ7の底面に固定された可動接点8は、コモン接点ばね片83の接点部85がベース2上のコモン固定接点31に接触しているが、サイド接点ばね片84の接点部85は左右のサイド固定接点32−1、32−2のいずれにも接触しておらず、電気的に非導通でスイッチがOFFの状態である。
【0052】
このスイッチOFFの状態から、図16に示すように、操作レバー4に図中左方向の外力が作用すると、円板41がベース2のボス23を中心にして反時計回りに回転する。また、円板41の回転動作に連動してロータ7も同じく反時計回りに回転し、ロータ7の扇形切欠き面75も同時に回転するが、ケーシング5の切欠き部56は回転せずに同じ位置にとどまったままである。
【0053】
すなわち、扇形切欠き面75が切欠き部56を置き去りにして周方向にずれるように回転する。このとき、コイルばね6の始端折り曲げ部61は切欠き部56の一端56aに引っ掛かって動かないが、終端折り曲げ部62だけが扇形切欠き面75の一面75aに押されて回転し、扇形切欠き面75の他面75bは始端折り曲げ部61から離れていく。これによりコイルばね6は、不動の始端折り曲げ部61を支点として反時計回り方向に回転して伸ばされる。
【0054】
この一連の回転動作に伴い、図16(b)に示すように、ロータ7の底面に固定された可動接点8も同じ反時計周りに回転する。すると、コモン接点ばね片83の接点部85はコモン固定接点31に常時接触した状態のまま回転移動し、サイド接点ばね片84の接点部85は、この回転移動により左のサイド固定接点32−1に接触する。こうして、コモン固定接点31と左のサイド固定接点32−1が可動接点8を介して接続されるので、電気的に導通し、スイッチがONの状態になる。
【0055】
このスイッチONの状態から、操作レバー4に作用していた外力が解除されると、操作レバー4はコイルばね6の弾力により自動的に中立位置に復帰する。すなわち、上記のように伸ばされていたコイルばね6は、扇形切欠き面75の押圧から解放されると自身の弾力で元の状態に戻ろうとして縮む。そのため、コイルばね6の縮む力により扇形切欠き面75の一面75aが終端折り曲げ部62に押し戻される。これにより、ロータ7が時計回りに回転し、この回転動作に連動して操作レバー4の円板41も同じく時計回りに回転して中心線L上の中立位置まで復帰する。こうして、図15に示したように、コモン固定接点31と左のサイド固定接点32−1の接続が断たれるので、スイッチがOFFの状態になる。
【0056】
一方、図17に示すように、操作レバー4に図16とは逆に図中右方向の外力が作用すると、円板41がベース2のボス23を中心にして時計回りに回転する。この円板41の回転動作に連動してロータ7の扇形切欠き面75も同時に時計回りに回転するが、ケーシング5の切欠き部56はやはり回転せずに同じ位置にとどまったままである。
【0057】
すなわち、扇形切欠き面75が切欠き部56を置き去りにして周方向にずれるように回転する。ところが、今度はコイルばね6の終端折り曲げ部62が切欠き部56の他端56bに引っ掛かって動かないのに対し、始端折り曲げ部61だけが扇形切欠き面75の他面75bに押されて回転し、扇形切欠き面75の一面75aが終端折り曲げ部62から離れていく。これによりコイルばね6は、不動の終端折り曲げ部62を支点として時計回り方向に回転して伸ばされる。
【0058】
この一連の回転動作に伴い、図17(b)に示すように、ロータ7の底面に固定された可動接点8も時計周りに回転する。すると、コモン接点ばね片83の接点部85はコモン固定接点31に常時接触した状態のまま回転移動し、サイド接点ばね片84の接点部85は、この回転移動により右のサイド固定接点32−2に接触する。こうして、コモン固定接点31と右のサイド固定接点32−2が可動接点8を介して接続されるので、電気的に導通し、スイッチがONの状態になる。なお、コイルばね6の弾力による操作レバー4の復帰の動作は上述した通りである。
【0059】
このように、スイッチ機構部は、操作レバー4がコイルばね6の付勢力に抗して中立位置から左右いずれかの方向へ回転動作すると、操作レバー4に固定されたロータ7が連動して回転し、ロータ7の底面に固定された可動接点8のサイド接点ばね片84がベース2に固定された左右のサイド固定接点32−1、32−2の一方にだけ接触してスイッチが入る。一方、操作レバー4がコイルばね6の弾力により中立位置に復帰すると、ロータ7の回転に連動したサイド接点ばね片84がそれまで接触していたサイド固定接点32から離隔してスイッチが切断される構造になっている。
【0060】
図2に示すように、防水防塵機構部は、ベース2と操作レバー4との間の間隙をケーシング5で塞ぎ、そのケーシング5の内部にスイッチ機構部を収容した構造である。また、操作レバー4とケーシング5との摺動面は、ケーシング5に一体化された上側リップパッキン54が密着してシールされ、ベース2とケーシング5との接触面もケーシング5に一体化された下側リップパッキン55が密着してシールされる。
【0061】
また、下側リップパッキン55の外側に、外装ケース52とベース2との熱溶着した接合面が配置された構造になっている。そのため、熱溶着した接合面と下側リップパッキン55のシール面の二重構造により、ケーシング5の外部から内部のスイッチ機構部への水や塵埃などが侵入する余地がまったくなく、特に金属部品の錆び付きや、コイルばねの目詰まり等の不具合が解消されるので、スイッチ機構部の円滑な動作を長期にわたり維持することができる。
【0062】
また、防水防塵機構部において、ケーシング5がベース2の隔壁24の内側に収容されており、下側リップパッキン55のシール面がスイッチ外部に露出していないため、シール面から入り込もうとする水分や塵埃等をあらかじめ隔壁24で阻止でき、スイッチ機構部の動作不良の要因が発生し難くなる。
【0063】
さらに、ケーシング5において、操作レバー4に圧着された上側リップパッキン54の口径が、ベース2に圧着された下側リップパッキン55の口径よりも小さく設定されていのが特徴である。このことにより、操作レバー4の回転時に、円板41と上側リップパッキン54との摺動摩擦抵抗が少なく、操作レバー4の動作力が小さくて済むため、スイッチ機構部のより一層円滑な動作が実現できる。
【0064】
なお、このレバースイッチ1は、ベース2の側面からはコモン固定接点31に接続されたコモン固定端子34と、左右のサイド固定接点32−1、32−2に接続されたサイド固定端子35とがベース2の外部に突出しているが、図1に示したように、この両固定端子34、35と、これに溶接されるリード線88を被覆するカバー9を備える構成を採用している。この構成によると、金属板からなる固定端子34、35が外部から完全に遮断され、錆び付き等の不具合を確実に防止することができ、さらなる耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】レバースイッチの外観を示すもので、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は正面図である。
【図2】図1に示すレバースイッチの断面図である。
【図3】ベースの構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は断面図である。
【図4】固定接点の構成を示す上面図である。
【図5】ベースに固定接点を装着した状態を示すもので、(a)は上面図、(b)は断面図である。
【図6】操作レバーの構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は断面図である。
【図7】ケーシングの構成を示す図もので、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は断面図である。
【図8】操作レバーにケーシングを装着した状態を示すもので、(a)は上面図、(b)は断面図である。
【図9】コイルばねの構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図10】ケーシングにコイルばねを装着した状態を示す断面図である。
【図11】ロータの構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は断面図である。
【図12】可動接点の構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図13】ロータに可動接点を装着した状態を示すもので、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図14】操作レバーにロータを装着した状態を示す断面図である。
【図15】レバースイッチの静止時の状態を示すもので、(a)はロータとケーシングの関係を示す図、(b)は可動接点と固定接点の関係を示す図である。
【図16】レバースイッチに左方向の力が作用した時の状態を示すもので、(a)はロータとケーシングの関係を示す図、(b)は可動接点と固定接点の関係を示す図である。
【図17】レバースイッチに右方向の力が作用した時の状態を示すもので、(a)はロータとケーシングの関係を示す図、(b)は可動接点と固定接点の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 レバースイッチ
2 ベース
21 脚部
22 円形凹部
23 ボス
24 隔壁
25 係止部
26 台座
27 載置台
28 環状台座
29 突起
3 固定接点
31 コモン固定接点
32 サイド固定接点
33 円形孔
34 コモン固定端子
35 サイド固定端子
4 操作レバー
41 円板
42 レバー
43 シャフト
44 スリット
45 シャフト分割片
46 抜止爪
5 ケーシング
51 内筒
52 外装ケース
53 シャフト挿入口
54 上側リップパッキン
55 下側リップパッキン
56 切欠き部
57 係止爪
58 孔
6 コイルばね
61 始端折り曲げ部
62 終端折り曲げ部
7 ロータ
71 円筒部
72 フランジ
73 軸孔
74 挿入部
75 扇形切欠き面
76 段部
77 取付ピン
8 可動接点
81 取付片
82 接点ばね片
83 コモン接点ばね片
84 サイド接点ばね片
85 接点部
86 貫通孔
87 取付孔
88 リード線
9 カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両のパワーウインドウの開閉状態を検出するスイッチのように、その使用環境において、特に防水性や防塵性が求められるレバースイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような特性を有するスイッチとして、本出願人が先に出願した防水型レバースイッチが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このスイッチは、周縁にレバーを突設した円板の下側に可動接点ばね片が配置され、この可動接点ばね片の下側に固定接点を配置した構造になっている。レバーに外力が作用すると、ばね力に抗して回転する円板下面の突起が可動接点ばね片を押圧し、可動接点ばね片が撓んで固定接点に接触することでスイッチが入る。また、外力が解放されると、ばねの弾力によりレバーが中立位置に復帰し、可動接点ばね片が固定接点から離隔してスイッチが切断される。なお、円板と凹部との間の溝に防水リングを介挿して防水性を持たせている。
【0004】
ところが、このスイッチによると、レバーを中立位置に付勢するばねが、円板の外側に配設されており、しかも、カバーで覆われることなく外部に露出している。そのため、使用環境によっては、この露出したばねが水を浴びて錆び付いたり、ばねの隙間に塵や埃が詰まったりすることが考えられる。これにより、ばねの弾力が損なわれ、レバーを中立位置に復帰させ難くなる等、レバーの動作に支障を来たし、円滑なスイッチ機能が得られなくなってしまう。
【0005】
【特許文献1】特開2000−331567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ケーシング内部への水や塵埃などの侵入を確実に防ぎ、スイッチ機構部の円滑な動作を長期にわたり維持できるレバースイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、本発明に係るレバースイッチは、上面に円形凹部を有するベースと、上記円形凹部内に固定されたコモン固定接点と、上記円形凹部内の左右対称位置に離間して固定された一対のサイド固定接点と、上記円形凹部の中心のボスにシャフトを介して回転可能に支持された円板、及びその円板の周縁に突設されたレバーからなる操作レバーと、上記操作レバーのシャフトに固定され、外壁に所定角度の扇形状に切欠き形成された扇形切欠き面を有するロータと、上記ロータの下面に固定され、上記コモン固定接点に接触したコモン接点ばね片と、上記ロータの下面に固定され、上記サイド固定接点に接触又は離隔するサイド接点ばね片と、上記ベースに固定され、上記ロータを収容するとともに外壁に上記所定角度の扇形状に切欠き形成された切欠き部を有する内筒、及びその内筒の外周を包囲する外装ケースからなる二重構造のケーシングと、上記内筒の外周に巻装され、上記扇形切欠き面及び上記切欠き部の双方に引っ掛け固定されて上記操作レバーを上記ベース上の中立位置に付勢するコイルばねと、上記ケーシングの上端面に環状に設けられ、上記円板の下面に圧着された上側リップパッキンと、上記外装ケースの下端面に環状に設けられ、上記円形凹部の周縁に圧着された下側リップパッキンと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
このレバースイッチにおいて、レバーに外力が作用して、操作レバーがコイルばねの付勢力に抗してベース上の中立位置から左右いずれかの方向へ回転動作すると、操作レバーに固定されたロータが連動して回転し、ロータの底面に固定された可動接点のサイド接点ばね片がベース上にある左右のサイド固定接点のうち一方に接触してスイッチが入る。レバーに作用していた外力が解放されると、操作レバーがコイルばねの弾力により中立位置に復帰し、ロータの回転に連動したサイド接点ばね片がそれまで接触していたサイド固定接点から離隔してスイッチが切断される。
【0009】
また、ベースと操作レバーとの間の間隙はケーシングで塞がれ、そのケーシングの内部にスイッチ機構部が収容される。同時に、操作レバーとケーシングとの摺動面はケーシングに設けられた上側リップパッキンが密着してシールされ、ベースとケーシングとの接触面においてもケーシングに設けられた下側リップパッキンが密着してシールされる。
【0010】
上記構成からなるレバースイッチについて、次のような各種の好適な実施態様が考えられる。例えば、上記ベースの側面に上記円形凹部を包囲する隔壁を有し、その隔壁の内側に上記ケーシングが収容される構造とすることができる。
【0011】
また、上記円形凹部の周縁に上記下側リップパッキンと同径の環状台座を有し、その環状台座の外側に上記外装ケースの下端を載せて固定する載置台を設けた構造を採用することができる。
【0012】
さらに、上記構成に加え、上記コモン固定接点に接続され上記ベースの外部に突出したコモン固定端子と、上記サイド固定接点に接続され上記ベースの外部に突出したサイド固定端子と、上記コモン固定端子及び上記サイド固定端子に溶接されたリード線と、を被覆するカバーを備えていてもよい。
【0013】
なお、上記ケーシング、上記上側リップパッキン、及び上記下側リップパッキンは、すべてエラストマーで一体成形されていることが望ましい。その一例として、熱可塑性ポリエステルエラストマーが挙げられる。また、上側リップパッキンと下側リップパッキンについて、その断面形状は特に限定しないが、L型、U型、あるいはV型などが適用できる。
【発明の効果】
【0014】
上述した構成から明らかなように、本発明に係るレバースイッチによれば、以下のような作用効果を有する。
【0015】
(1) ベースと操作レバーとの間の間隙をケーシングで塞ぎ、そのケーシングの内部にスイッチ機構部を収容し、操作レバーとケーシングとの摺動面、及びベースとケーシングとの接触面をリップパッキンでシールする構造を採用したことにより、ケーシング外部から内部のスイッチ機構部への水や塵埃などの侵入を確実に阻止することができ、スイッチ機構部の円滑な動作を長期にわたり維持できる。特に、上側リップパッキンの口径を小さく設定することにより、操作レバーの回転時に、円板と上側リップパッキンとの摺動摩擦抵抗が少なく、操作レバーの動作力が小さくて済むため、スイッチ機構部のより一層円滑な動作が実現できる。
【0016】
(2) ベースの隔壁よりも内側にケーシングを収容することにより、下側リップパッキンのシール面がスイッチ外部に露出しなくなり、シール面から入り込もうとする水分や塵埃等をあらかじめ隔壁で阻止でき、スイッチ機構部の動作不良の要因となる金属部品の錆び付きや、ばね類の目詰まりが起こり難くなる。
【0017】
(3) 円形凹部の周縁に下側リップパッキンと同径の環状台座を有し、その環状台座の外側に外装ケースの下端を載せて固定する載置台を設けることにより、下側リップパッキンの外側に外装ケースとベースとの接合面が配置されるため、リップパッキンによるシール面と接合面の二重構造によって防水及び防塵機能がさらに向上する。
【0018】
(4) ベースの外部に露出するコモン固定端子と、サイド固定端子と、両固定端子に溶接されるリード線を被覆するカバーを備えることにより、金属板からなる固定端子が外部から完全に遮断され、錆び付き等の不具合を確実に防止してさらなる耐久性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は本実施形態のレバースイッチの外観図、図2は同スイッチの断面図である。図1及び図2に示すレバースイッチ1は、ベース2、固定接点3、操作レバー4、ケーシング5、コイルばね6、ロータ7、及び可動接点8の各部品を備えて構成されている。
【0021】
同スイッチ1は、操作レバー4がベース2の上で回転動作して固定接点3と可動接点8の接点を切り換えるスイッチ機構部と、操作レバー4とベース2との間隙をケーシング5で塞ぎ、スイッチ機構部への水や塵埃などの異物の侵入を防ぐ防水防塵機構部とを備えている。以下、このスイッチ機構部と防水防塵機構部の詳細な構造について、各部品の組み立て手順にしたがって説明する。
【0022】
まず、ベースに固定接点を装着する(図3、4、5参照)。
【0023】
図3に示すベース2は、絶縁性を有する樹脂材料からなり、底面に二本の脚部21、21を有し、上面の略中央に円形状の円形凹部22を有している。この円形凹部22内の中心位置には、操作レバー4の回転中心となる円柱状のボス23が立設される。また、ベース2の側面には円形凹部22を包囲する隔壁24が設けられており、このうち正面、右側面、及び背面にある隔壁24−1、24−2、24−3は、図3(c)に示すようにT字形状からなり、上端に一対の係止部25を備えている。
【0024】
円形凹部22の周縁は後述のケーシング5を固定する台座26となるが、この台座26の四隅には一段高くした載置台27が形成され、その内側に環状台座28が設けられている。また、載置台27の上にはそれぞれ突起29、29、…が形成されている。
【0025】
図4に示す固定接点3は、導電性を有する金属板を打ち抜いて成形され、半円状のコモン固定接点31と、半円を二分割した一対のサイド固定接点32とを備えている。このコモン固定接点31とサイド固定接点32の輪郭は、上記ベース2の円形凹部22の形状に倣ったものであり、その中心に上記ベース2のボス23が挿通する円形孔33が形成されている。
【0026】
図5に示すように、固定接点3はベース2に固定される。すなわち、固定接点3をベース2の側面から挿入することにより、コモン固定接点31は円形凹部22内の床面の前方位置に配置され、これに接続されたコモン固定端子34がベース2の側面前方から外部に突出する。一方、サイド固定接点32は、円形凹部22内の床面の後方位置で、かつ左右対称位置となるように離間して配置されることになる。なお、左側のサイド固定接点32−1に接続されたサイド固定端子35はベース2の側面後方から、また右側のサイド固定接点32−2に接続されたサイド固定端子35はベース2の側面中央からそれぞれ外部に突出している。
【0027】
次に、操作レバーにケーシングを装着する(図6、7、8参照)。
【0028】
図6に示す操作レバー4は、絶縁性を有する樹脂材料からなり、円板41と、この円板41の周縁に一体化されたレバー42とを有し、レバー42は円板41の径方向に向かって延設されている。円板41の下面には、その中心位置に円筒状のシャフト43が突出しており、このシャフト43を上記ベース2のボス23に嵌着することにより、操作レバー4がボス23を中心にして回転可能に支持される。
【0029】
シャフト43には、図6(b)に示すように、その下端側から見て十字状のスリット44が軸方向に刻設され、四本のシャフト分割片45、45、…に分割された構造になっている。この分割構造を採用した理由は、後述のケーシング5の装着時に、シャフト分割片45の先端をすぼませて内筒51内に挿入し易くするとともに、後述のロータ7の装着時に、軸孔73内の挿入部74に各々のシャフト分割片45を挿入して位置決め固定するためである。なお、各シャフト分割片45には、その先端を外側に向けて折り曲げた抜止爪46が設けられている。
【0030】
図7に示すケーシング5は、可撓性を有するゴム状弾性体で成形され、後述のロータ7を収容する内筒51と、この内筒51の外周を包囲する外装ケース52とを備えた二重構造になっている。外装ケース52の上端面には、上記操作レバー4のシャフト43外径とほぼ等しい内径を有し、内筒51の内部へと連通するシャフト挿入口53が設けられている。
【0031】
シャフト挿入口53の上端には、上記操作レバー4の円板41よりも小径の環状に形成された上側リップパッキン54が設けられる。一方、外装ケース52の下端には、上記ベース2の環状台座28と同径の下側リップパッキン55が設けられる。本実施形態ではこれら内筒51、外装ケース52、シャフト挿入口53、上側リップパッキン54、及び下側リップパッキン55が、すべて熱可塑性ポリエステルエラストマーにより一体成形されている。上側リップパッキン54と下側リップパッキン55は、ともに断面L字状のL型パッキンとしたが、これに限らずU型パッキンやV型パッキンであってもよい。
【0032】
内筒51の外壁には、図7(b)に示すように、扇形状に切欠き形成された切欠き部56が設けられている。この扇形の開き角度は、上記操作レバー4の回転角度(本実施形態では左右60度ずつ)に設定される。また、外装ケース52の正面、右側面、及び背面には上記ベース2の係止部25に係止される一対の係止爪57が形成されており、底面の四隅には上記ベース2の突起29に嵌合する孔58が形成されている。
【0033】
図8に示すように、ケーシング5は操作レバー4の下面に装着される。すなわち、操作レバー4のシャフト43をケーシング5のシャフト挿入口53から内筒51内へと挿入する。この挿入時、シャフト分割片45の先端にある抜止爪46がシャフト挿入口53の内壁面に押圧され、各シャフト分割片45の先端が内側へすぼんだ状態でシャフト挿入口53内を進行し、内筒51内へ出たときに押圧から解放されて拡開する。これにより、操作レバー4はケーシング5から抜け止めされるとともに、上側リップパッキン54の上端面が円板41の下面に圧着される。
【0034】
次いで、ケーシングにコイルばねを装着する(図9、10参照)。
【0035】
図9に示すコイルばね6は、ステンレス鋼線をコイル状に巻いたもので、その径は上記ケーシング5の内筒51外周と同径である。また、コイルばね6は、その始端と終端をそれぞれ内側に向けて折り曲げた始端折り曲げ部61と、終端折り曲げ部62とを有しており、その折り曲げ角度は上記操作レバー4の回転角度と同一に設定される。
【0036】
図10に示すように、コイルばね6はケーシング5の内部に装着される。すなわち、コイルばね6をケーシング5の底面側から挿入して内筒51の外周に巻装し、コイルばね6の始端折り曲げ部61と終端折り曲げ部62をそれぞれ内筒51の切欠き部55の両端に引っ掛けて固定させてある。
【0037】
続いて、ロータに可動接点を装着する(図11、12、13参照)。
【0038】
図11に示すロータ7は、絶縁性を有する樹脂材料で構成され、円筒部71と、この円筒部71の下端周縁に延設された円板状のフランジ72とを備えている。円筒部71の中心には、図11(b)に示すように、端面から見て十字状となる軸孔73が形成されている。軸孔73はその周囲四方に拡がる挿入部74を有しており、この四つの挿入部74、74、…は、上記操作レバー4の四本のシャフト分割片45、45、…を挿入して位置決め固定するためのものである。
【0039】
円筒部71の外壁には、図11(a)に示すように、扇形状に切欠き形成された扇形切欠き面75が設けられている。この扇形の開き角度も、上記ケーシング5の切欠き部56と同様、上記操作レバー4の回転角度に設定されている。また、円筒部71の下端には上記シャフト43の抜止爪46が係着される段部76が形成されるとともに、フランジ72の下面には、可動接点8を装着するための取付ピン77が設けられている。
【0040】
図12に示す可動接点8は、導電性を有する金属板を打ち抜いて成形され、中央に設定された取付片81と、取付片81の両側に設定された接点ばね片82とが根元で連結されて一体化されている。取付片81は、その中心に上記ベース2のボス23が挿通する円形状の貫通孔86が形成されるとともに、根元と先端の両側にそれぞれ取付孔87を開口させてある。
【0041】
接点ばね片82は、一方がコモン接点ばね片83となり、他方がサイド接点ばね片84となる。図12(b)に示すように、コモン接点ばね片83は、水平面よりも下方に反り形成してばね力を持たせ、その先端を二股に分岐して下方に湾曲させた接点部85を有している。サイド接点ばね片84も同様に、水平面よりも下方に反り形成してばね力を持たせ、その先端を二股に分岐して下方に湾曲させた接点部85を有している。
【0042】
可動接点8は、図13に示すように、ロータ7の底面に固定される。すなわち、ロータ7のフランジ72にある取付ピン77を、取付片81に開口された取付孔87にそれぞれ嵌合し、両者を熱溶着することによりロータ7と可動接点8が一体化される。
【0043】
さらに、操作レバーにロータを装着する(図10、13、14参照)。
【0044】
図10に示す操作レバー4の下面に図13に示すロータ7を取り付けると、図14に示すようになる。すなわち、操作レバー4のシャフト43をロータ7の円筒部71内に挿入する。各シャフト分割片45を軸孔73の挿入部74に各々挿入して両者を位置決めすると、ロータ7がケーシング5の内筒51内に収容される。この挿入時にもまた、各シャフト分割片45の先端が内側へすぼんだ状態で挿入部74内を進行し、円筒部71の下端から出たときに拡開して抜止爪46が段部76に係着される。これにより、操作レバー4はロータ7から確実に抜け止め固定される。
【0045】
また、ロータ7はケーシング5の内筒51内に収容されるが、ここで内筒51の外周に巻装されているコイルばね6の始端折り曲げ部61と終端折り曲げ部62を、それぞれロータ7の扇形切欠き面75の両端と、ケーシング5の切欠き部56の両端の双方に引っ掛けて固定する。これにより、ロータ7に固定された操作レバー4はコイルばね6で常に付勢された状態となる。
【0046】
最後に、ベースに操作レバーを装着する(図2、図5、図14参照)。
【0047】
図5に示すベース2の上面に図14に示す操作レバー4を装着すると、図2に示すレバースイッチ1が完成する。すなわち、ベース2のボス23に操作レバー4のシャフト43を嵌着する。これにより、操作レバー4がボス23を中心に回転可能に支持される。
【0048】
これと同時に、ベース2の台座26にケーシング5を装着する。台座26の四隅には載置台27があり、その上の突起29を外装ケース52底面にある孔57に嵌めることにより、ベース2に対しケーシング5をワンタッチで装着することが可能である。また、外装ケース52の係止爪56が隔壁24の係止部25に係着し、外装ケース52とベース2との接合面が熱溶着される。これにより、ケーシング5がベース2に固定されたうえ、隔壁24の内側に収容されることになる。
【0049】
なお、外装ケース52とベース2との接合面よりも内側では、環状台座28の上に下側リップパッキン55が置かれ、その下端面を環状台座28に圧着させてシールした構造になっている。
【0050】
以上が本実施形態のレバースイッチ1の構造であるが、以下、このスイッチ1の動作と作用について、図2、15、16、及び17を参照して説明する。なお、図15から図17において、各部品の動きを理解し易くするため、操作レバー4の上からスイッチ機構部を透視した状態を図示してある。
【0051】
図15に示すように、操作レバー4に対し無負荷状態のとき、レバー42はベース2の中心線L上の中立位置にある。このとき、内部のスイッチ機構部を見ると、可動側のロータ7と固定側のケーシング5は、ロータ7の扇形切欠き面75と、ケーシング5の切欠き部56との開き角度が一致した同心円上に配置されている。この無負荷状態のとき、図15(b)に示すように、ロータ7の底面に固定された可動接点8は、コモン接点ばね片83の接点部85がベース2上のコモン固定接点31に接触しているが、サイド接点ばね片84の接点部85は左右のサイド固定接点32−1、32−2のいずれにも接触しておらず、電気的に非導通でスイッチがOFFの状態である。
【0052】
このスイッチOFFの状態から、図16に示すように、操作レバー4に図中左方向の外力が作用すると、円板41がベース2のボス23を中心にして反時計回りに回転する。また、円板41の回転動作に連動してロータ7も同じく反時計回りに回転し、ロータ7の扇形切欠き面75も同時に回転するが、ケーシング5の切欠き部56は回転せずに同じ位置にとどまったままである。
【0053】
すなわち、扇形切欠き面75が切欠き部56を置き去りにして周方向にずれるように回転する。このとき、コイルばね6の始端折り曲げ部61は切欠き部56の一端56aに引っ掛かって動かないが、終端折り曲げ部62だけが扇形切欠き面75の一面75aに押されて回転し、扇形切欠き面75の他面75bは始端折り曲げ部61から離れていく。これによりコイルばね6は、不動の始端折り曲げ部61を支点として反時計回り方向に回転して伸ばされる。
【0054】
この一連の回転動作に伴い、図16(b)に示すように、ロータ7の底面に固定された可動接点8も同じ反時計周りに回転する。すると、コモン接点ばね片83の接点部85はコモン固定接点31に常時接触した状態のまま回転移動し、サイド接点ばね片84の接点部85は、この回転移動により左のサイド固定接点32−1に接触する。こうして、コモン固定接点31と左のサイド固定接点32−1が可動接点8を介して接続されるので、電気的に導通し、スイッチがONの状態になる。
【0055】
このスイッチONの状態から、操作レバー4に作用していた外力が解除されると、操作レバー4はコイルばね6の弾力により自動的に中立位置に復帰する。すなわち、上記のように伸ばされていたコイルばね6は、扇形切欠き面75の押圧から解放されると自身の弾力で元の状態に戻ろうとして縮む。そのため、コイルばね6の縮む力により扇形切欠き面75の一面75aが終端折り曲げ部62に押し戻される。これにより、ロータ7が時計回りに回転し、この回転動作に連動して操作レバー4の円板41も同じく時計回りに回転して中心線L上の中立位置まで復帰する。こうして、図15に示したように、コモン固定接点31と左のサイド固定接点32−1の接続が断たれるので、スイッチがOFFの状態になる。
【0056】
一方、図17に示すように、操作レバー4に図16とは逆に図中右方向の外力が作用すると、円板41がベース2のボス23を中心にして時計回りに回転する。この円板41の回転動作に連動してロータ7の扇形切欠き面75も同時に時計回りに回転するが、ケーシング5の切欠き部56はやはり回転せずに同じ位置にとどまったままである。
【0057】
すなわち、扇形切欠き面75が切欠き部56を置き去りにして周方向にずれるように回転する。ところが、今度はコイルばね6の終端折り曲げ部62が切欠き部56の他端56bに引っ掛かって動かないのに対し、始端折り曲げ部61だけが扇形切欠き面75の他面75bに押されて回転し、扇形切欠き面75の一面75aが終端折り曲げ部62から離れていく。これによりコイルばね6は、不動の終端折り曲げ部62を支点として時計回り方向に回転して伸ばされる。
【0058】
この一連の回転動作に伴い、図17(b)に示すように、ロータ7の底面に固定された可動接点8も時計周りに回転する。すると、コモン接点ばね片83の接点部85はコモン固定接点31に常時接触した状態のまま回転移動し、サイド接点ばね片84の接点部85は、この回転移動により右のサイド固定接点32−2に接触する。こうして、コモン固定接点31と右のサイド固定接点32−2が可動接点8を介して接続されるので、電気的に導通し、スイッチがONの状態になる。なお、コイルばね6の弾力による操作レバー4の復帰の動作は上述した通りである。
【0059】
このように、スイッチ機構部は、操作レバー4がコイルばね6の付勢力に抗して中立位置から左右いずれかの方向へ回転動作すると、操作レバー4に固定されたロータ7が連動して回転し、ロータ7の底面に固定された可動接点8のサイド接点ばね片84がベース2に固定された左右のサイド固定接点32−1、32−2の一方にだけ接触してスイッチが入る。一方、操作レバー4がコイルばね6の弾力により中立位置に復帰すると、ロータ7の回転に連動したサイド接点ばね片84がそれまで接触していたサイド固定接点32から離隔してスイッチが切断される構造になっている。
【0060】
図2に示すように、防水防塵機構部は、ベース2と操作レバー4との間の間隙をケーシング5で塞ぎ、そのケーシング5の内部にスイッチ機構部を収容した構造である。また、操作レバー4とケーシング5との摺動面は、ケーシング5に一体化された上側リップパッキン54が密着してシールされ、ベース2とケーシング5との接触面もケーシング5に一体化された下側リップパッキン55が密着してシールされる。
【0061】
また、下側リップパッキン55の外側に、外装ケース52とベース2との熱溶着した接合面が配置された構造になっている。そのため、熱溶着した接合面と下側リップパッキン55のシール面の二重構造により、ケーシング5の外部から内部のスイッチ機構部への水や塵埃などが侵入する余地がまったくなく、特に金属部品の錆び付きや、コイルばねの目詰まり等の不具合が解消されるので、スイッチ機構部の円滑な動作を長期にわたり維持することができる。
【0062】
また、防水防塵機構部において、ケーシング5がベース2の隔壁24の内側に収容されており、下側リップパッキン55のシール面がスイッチ外部に露出していないため、シール面から入り込もうとする水分や塵埃等をあらかじめ隔壁24で阻止でき、スイッチ機構部の動作不良の要因が発生し難くなる。
【0063】
さらに、ケーシング5において、操作レバー4に圧着された上側リップパッキン54の口径が、ベース2に圧着された下側リップパッキン55の口径よりも小さく設定されていのが特徴である。このことにより、操作レバー4の回転時に、円板41と上側リップパッキン54との摺動摩擦抵抗が少なく、操作レバー4の動作力が小さくて済むため、スイッチ機構部のより一層円滑な動作が実現できる。
【0064】
なお、このレバースイッチ1は、ベース2の側面からはコモン固定接点31に接続されたコモン固定端子34と、左右のサイド固定接点32−1、32−2に接続されたサイド固定端子35とがベース2の外部に突出しているが、図1に示したように、この両固定端子34、35と、これに溶接されるリード線88を被覆するカバー9を備える構成を採用している。この構成によると、金属板からなる固定端子34、35が外部から完全に遮断され、錆び付き等の不具合を確実に防止することができ、さらなる耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】レバースイッチの外観を示すもので、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は正面図である。
【図2】図1に示すレバースイッチの断面図である。
【図3】ベースの構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は断面図である。
【図4】固定接点の構成を示す上面図である。
【図5】ベースに固定接点を装着した状態を示すもので、(a)は上面図、(b)は断面図である。
【図6】操作レバーの構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は断面図である。
【図7】ケーシングの構成を示す図もので、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は断面図である。
【図8】操作レバーにケーシングを装着した状態を示すもので、(a)は上面図、(b)は断面図である。
【図9】コイルばねの構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図10】ケーシングにコイルばねを装着した状態を示す断面図である。
【図11】ロータの構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は断面図である。
【図12】可動接点の構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図13】ロータに可動接点を装着した状態を示すもので、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図14】操作レバーにロータを装着した状態を示す断面図である。
【図15】レバースイッチの静止時の状態を示すもので、(a)はロータとケーシングの関係を示す図、(b)は可動接点と固定接点の関係を示す図である。
【図16】レバースイッチに左方向の力が作用した時の状態を示すもので、(a)はロータとケーシングの関係を示す図、(b)は可動接点と固定接点の関係を示す図である。
【図17】レバースイッチに右方向の力が作用した時の状態を示すもので、(a)はロータとケーシングの関係を示す図、(b)は可動接点と固定接点の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 レバースイッチ
2 ベース
21 脚部
22 円形凹部
23 ボス
24 隔壁
25 係止部
26 台座
27 載置台
28 環状台座
29 突起
3 固定接点
31 コモン固定接点
32 サイド固定接点
33 円形孔
34 コモン固定端子
35 サイド固定端子
4 操作レバー
41 円板
42 レバー
43 シャフト
44 スリット
45 シャフト分割片
46 抜止爪
5 ケーシング
51 内筒
52 外装ケース
53 シャフト挿入口
54 上側リップパッキン
55 下側リップパッキン
56 切欠き部
57 係止爪
58 孔
6 コイルばね
61 始端折り曲げ部
62 終端折り曲げ部
7 ロータ
71 円筒部
72 フランジ
73 軸孔
74 挿入部
75 扇形切欠き面
76 段部
77 取付ピン
8 可動接点
81 取付片
82 接点ばね片
83 コモン接点ばね片
84 サイド接点ばね片
85 接点部
86 貫通孔
87 取付孔
88 リード線
9 カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に円形凹部を有するベースと、
上記円形凹部内に固定されたコモン固定接点と、
上記円形凹部内の左右対称位置に離間して固定された一対のサイド固定接点と、
上記円形凹部の中心のボスにシャフトを介して回転可能に支持された円板、及びその円板の周縁に突設されたレバーからなる操作レバーと、
上記操作レバーのシャフトに固定され、外壁に所定角度の扇形状に切欠き形成された扇形切欠き面を有するロータと、
上記ロータの下面に固定され、上記コモン固定接点に接触したコモン接点ばね片と、
上記ロータの下面に固定され、上記サイド固定接点に接触又は離隔するサイド接点ばね片と、
上記ベースに固定され、上記ロータを収容するとともに外壁に上記所定角度の扇形状に切欠き形成された切欠き部を有する内筒、及びその内筒の外周を包囲する外装ケースからなる二重構造のケーシングと、
上記内筒の外周に巻装され、上記扇形切欠き面及び上記切欠き部の双方に引っ掛け固定されて上記操作レバーを上記ベース上の中立位置に付勢するコイルばねと、
上記ケーシングの上端面に環状に設けられ、上記円板の下面に圧着された上側リップパッキンと、
上記外装ケースの下端面に環状に設けられ、上記円形凹部の周縁に圧着された下側リップパッキンと、
を備えたことを特徴とするレバースイッチ。
【請求項2】
上記ベースの側面に上記円形凹部を包囲する隔壁を有し、その隔壁の内側に上記ケーシングが収容されていることを特徴とする請求項1に記載のレバースイッチ。
【請求項3】
上記円形凹部の周縁に上記下側リップパッキンと同径の環状台座を有し、その環状台座の外側に上記外装ケースの下端を載せて固定する載置台が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレバースイッチ。
【請求項4】
上記コモン固定接点に接続され上記ベースの外部に突出したコモン固定端子と、上記サイド固定接点に接続され上記ベースの外部に突出したサイド固定端子と、上記コモン固定端子及び上記サイド固定端子に溶接されたリード線と、を被覆するカバーを備えたことを特徴とする請求項1に記載のレバースイッチ。
【請求項5】
上記ケーシング、上記上側リップパッキン、及び上記下側リップパッキンが、すべてエラストマーで一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載のレバースイッチ。
【請求項1】
上面に円形凹部を有するベースと、
上記円形凹部内に固定されたコモン固定接点と、
上記円形凹部内の左右対称位置に離間して固定された一対のサイド固定接点と、
上記円形凹部の中心のボスにシャフトを介して回転可能に支持された円板、及びその円板の周縁に突設されたレバーからなる操作レバーと、
上記操作レバーのシャフトに固定され、外壁に所定角度の扇形状に切欠き形成された扇形切欠き面を有するロータと、
上記ロータの下面に固定され、上記コモン固定接点に接触したコモン接点ばね片と、
上記ロータの下面に固定され、上記サイド固定接点に接触又は離隔するサイド接点ばね片と、
上記ベースに固定され、上記ロータを収容するとともに外壁に上記所定角度の扇形状に切欠き形成された切欠き部を有する内筒、及びその内筒の外周を包囲する外装ケースからなる二重構造のケーシングと、
上記内筒の外周に巻装され、上記扇形切欠き面及び上記切欠き部の双方に引っ掛け固定されて上記操作レバーを上記ベース上の中立位置に付勢するコイルばねと、
上記ケーシングの上端面に環状に設けられ、上記円板の下面に圧着された上側リップパッキンと、
上記外装ケースの下端面に環状に設けられ、上記円形凹部の周縁に圧着された下側リップパッキンと、
を備えたことを特徴とするレバースイッチ。
【請求項2】
上記ベースの側面に上記円形凹部を包囲する隔壁を有し、その隔壁の内側に上記ケーシングが収容されていることを特徴とする請求項1に記載のレバースイッチ。
【請求項3】
上記円形凹部の周縁に上記下側リップパッキンと同径の環状台座を有し、その環状台座の外側に上記外装ケースの下端を載せて固定する載置台が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレバースイッチ。
【請求項4】
上記コモン固定接点に接続され上記ベースの外部に突出したコモン固定端子と、上記サイド固定接点に接続され上記ベースの外部に突出したサイド固定端子と、上記コモン固定端子及び上記サイド固定端子に溶接されたリード線と、を被覆するカバーを備えたことを特徴とする請求項1に記載のレバースイッチ。
【請求項5】
上記ケーシング、上記上側リップパッキン、及び上記下側リップパッキンが、すべてエラストマーで一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載のレバースイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−164603(P2006−164603A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−351065(P2004−351065)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000114145)ミック電子工業株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000114145)ミック電子工業株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
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