説明

レバー式コネクタ

【課題】より確実にレバーの脱落を防止できるレバー式コネクタを提供することを目的とする。
【解決手段】プラグハウジング20は、複数のコンタクトを保持するプラグハウジング20と、プラグハウジング20に支点軸27を中心に回動可能に取り付けられ、力点に加えられる力により生じる倍力を作用点から相手側コネクタに向けて伝えることで、相手側コネクタとの嵌合又は嵌合の解除を行なうレバー60と、プラグハウジング20の周囲の一部を覆うアウターハウジング40と、を備える。レバー60は、各々が支点軸27を中心に互いに同期して回動する一対のレバー本体61と、レバー本体61を繋ぎ、力点として機能する接続部62と、を備える。アウターハウジング40は、一対のレバー本体61が支点軸27が向く外方に拡がるのを規制する一対の規制壁42a,42bを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーを操作することにより一対のコネクタを嵌合させるレバー式の電気コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多極化された電気コネクタは、コネクタ同士の嵌合を行う際及び嵌合を解除する際に大きな力が必要となる。このため、レバーによる倍力効果を利用して相手コネクタとの嵌合及び嵌合の解除を行うレバー式コネクタが使用されている。レバー式コネクタは、互いに嵌合される一対のコネクタの一方のハウジングに、レバーが支持されている。典型的なレバーは一対のレバー本体及びこれらレバー本体を互いに連結する連結部を有するU字形の部材であり、ハウジングに設けられる支点軸に両レバー本体に設けられる支点孔を挿入することでレバーは回動自在に支持される。
レバーの先端側(支点から離れた側)である連結部(力点となる)を作業者が操作することで、レバーの支点近傍に設けられる作用点から、一対のコネクタの間に、双方を互いに接近または離間させる方向の力(この力を倍力と称する)を作用させる。この倍力により、一対のコネクタがより軽い力で嵌合及び嵌合の解除がなされる。なお、回動とは、時計回りの回転及び反時計回りの回転の両者が行われることをいう。
【0003】
よく知られているように、レバー式コネクタは、レバーを嵌合方向に操作するときに、レバー本体がハの字(又はテーパ)状に支点軸が向く外方へ拡がる。この現象は、コネクタが多極で嵌合荷重が大きい場合に顕著になる。そうすると、ハウジングの支点軸からレバー支点孔が抜けて、レバーが、ハウジングから脱落するという問題があった。そこで、抜け止め用の係止爪を支点軸の頂部に設けるなどして、レバーが操作中に脱落するのを防止している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−223309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、係止爪はレバーをハウジングに取り付ける際の障害になる。したがって、レバーの装着性を考慮して係止爪の形状が定められる。そのために、レバーの脱落を防止するのに足りる強度を係止爪に持たせることができないこともあった。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、より確実にレバーの脱落を防止できるレバー式コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもとなされた本発明のレバー式コネクタは、複数のコンタクトを保持する第1ハウジングと、第1ハウジングに支点軸を中心に回動可能に取り付けられ、力点に加えられる力により生じる倍力を作用点から相手側コネクタに向けて伝えることで、前記相手側コネクタとの嵌合又は嵌合の解除を行なうレバーと、第1ハウジングの周囲に配置される第2ハウジングと、を備える。
このレバーは、各々が支点軸を中心に互いに同期して回動する一対のレバー本体と、一対のレバー本体を繋ぎ、力点として機能する接続部と、を備え、また、第2ハウジングは、支点軸が向く外方に一対のレバー本体が拡がるのを規制する一対の規制壁を備える、ことを本発明は特徴とする。
本発明のレバー式コネクタは、第2ハウジングが備える規制壁によってレバー本体が拡がるのを規制するが、この規制壁は従来の支点軸に形成される係止爪よりも強度を高くできるので、操作中にレバーが脱落するのをより確実に防止できる。しかも、支点軸には係止爪を形成する必要がないので、レバーを装着するのが容易である。
【0007】
ハウジングの支点軸からレバーの支点孔が抜けるのを防ぐために、本発明による規制壁は、支点軸の周囲にレバー本体に対向する規制壁面を備えることが最低限求められる。ただし、レバー本体を拡げる力は作用点を介して加わるものと認められるので、支点軸の周囲のみならず、支点軸の周囲から作用点にかけて、レバー本体に対向する規制壁面を備えることが、レバーの脱落をより確実に防ぐ点で好ましい。
【0008】
本発明において、レバー式コネクタが防水タイプの場合には、第2ハウジングが、第1ハウジングの電線引き出し側に配置されるワイヤシールを、第1ハウジングに向けて押し付けるシール押し付けブロックを備えることが好ましい。
このように第2ハウジングが防水機能とレバーの脱落防止機能の2つの機能を備えることにより、レバーの脱落防止機能のために新たな部品を用意する必要がなくり、コスト的に有利である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第2ハウジングが備える規制壁によってレバーが拡がるのが規制されるので、操作中にレバーが脱落するのをより確実に防止できる。しかも、支点軸には係止爪を形成する必要がないので、本発明のレバー式コネクタはレバーの装着性が優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態におけるプラグコネクタ(レバー式コネクタ)の分解斜視図である。
【図2】アウターハウジングを前方側から示す斜視図である。
【図3】嵌合開始時における本実施の形態のプラグコネクタを示し、(a)は側面図、(b)は(a)の3b−3b矢視断面図である。
【図4】嵌合完了時における本実施の形態のプラグコネクタを示し、(a)は側面図、(b)は(a)の4b−4b矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付する図1〜図4に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本実施の形態にかかるプラグコネクタ10は、レバー60の操作により図示しない相手側コネクタ(リセプタクルコネクタ)と嵌合及び嵌合が解除されるレバー式コネクタである。また、プラグコネクタ10は、外部から水の浸入を阻止できる防水型のコネクタであり、そのためにワイヤシール(または一括ゴム栓)と称される防水部材を備えている。
なお、相手側コネクタと嵌合される側を「前」と定義して、以下プラグコネクタ10の説明を進める。
【0012】
<全体構成>
プラグコネクタ10は、コンタクトを保持するプラグハウジング20と、プラグハウジング20の前端側に配置されるフロントハウジング30と、プラグハウジング20の周囲に配置されるアウターハウジング40と、プラグハウジング20の後方側に配置されワイヤカバー50と、を備えている。これら部材はいずれも絶縁性を有する樹脂を射出成形することで得ることができる。
プラグコネクタ10は、相手側コネクタとの嵌合及び嵌合解除を行なうためのレバー60がプラグハウジング20に回動可能に支持されている。
また、プラグコネクタ10は、ワイヤシール70とシールリング75を備えることで、外部からの浸水を阻止する。
【0013】
<プラグハウジング20>
略直方体形状に形成されているプラグハウジング20には、メス型のコンタクト(図示を省略)を収容するための、複数のキャビティ21が形成されている。キャビティ21は、前後方向にプラグハウジング20を貫通する。プラグハウジング20の前方側には、コンタクトを一次的に係止するためのハウジングランス22がキャビティ21に突出するように設けられている。なお、本実施形態は、プラグハウジング20が本発明の第1ハウジングを構成する。
また、プラグハウジング20には、アウターハウジング40と対向する後端周縁に後方に向けて延びる周囲壁23が設けられており、この周囲壁23の内部がワイヤシール70を収容するシール収容凹部24を構成する。
【0014】
プラグハウジング20には、プラグハウジング20とは独立して作製されたリテーナ25が挿入されるリテーナ収容凹部26を備えている。リテーナ収容凹部26はプラグハウジング20の側面に開口し、この開口からリテーナ25が挿入される。リテーナ25がリテーナ収容凹部26の奥まで挿入されるとコンタクトと干渉し、プラグコネクタ10からコンタクトが抜け止めされる。なお、図3(b)、図4(b)には、奥まで挿入されているリテーナ25が示されている。キャビティ21にコンタクトを挿入するまでは、リテーナ25はコンタクトとの干渉を避ける位置に退避している。
【0015】
プラグハウジング20は、周囲壁23の外側面232に支点軸27を備えている。支点軸27は、対向する外側面232の各々に、同軸上に設けられている。円柱からなるこの支点軸27は、後述するレバー60の回動中心となる。
また,プラグハウジング20は、支点軸27が設けられているのとは異なる周囲壁23の外側面232に、ロック片28を備えている。ロック片28は、対向する外側面232の各々に設けられ、アウターハウジング40のロック孔461に挿入されることで、プラグハウジング20とアウターハウジング40が所定の位置で相互に固定される。
【0016】
<フロントハウジング30>
フロントハウジング30には、テーパ状の誘い込み口32が設けられたコンタクト挿入孔31が形成されている。誘い込み口32は、プラグハウジング20のキャビティ21に相手側コネクタのコンタクトを挿入し易くするために設けられる。
なお、フロントハウジング30は、プラグハウジング20に誘いこみ口32を一体的に成形することが困難な小型のプラグコネクタ10の場合に必要な要素であるから、プラグコネクタ10のサイズによってはフロントハウジング30を省略できる。
【0017】
<アウターハウジング40>
アウターハウジング40は、プラグハウジング20の一部を覆うように装着され、後述するワイヤシール70をプラグハウジング20に押し付けるとともに、レバー60がプラグハウジング20から脱落するのを防止する。なお本実施形態は、アウターハウジング40が本発明の第2ハウジングを構成する。
アウターハウジング40は、シール押圧ブロック41と、シール押圧ブロック41と幅方向に所定の間隔を設けて配置される一対の規制壁42a,42bと、を備えている。シール押圧ブロック41の対応する各々の側面と規制壁42a,42bとの間にはレバー回動空隙48が設けられている。後述するレバー60が嵌合開始位置から嵌合終了位置に向かって又はその逆の向きに回動できるように、レバー回動空隙48の占有領域が決められる。
【0018】
シール押圧ブロック41は、プラグハウジング20とアウターハウジング40が互いに組み付けられると、プラグハウジング20のシール収容凹部24に収容されるワイヤシール70をプラグハウジング20に向けて押圧する。これにより、プラグハウジング20とワイヤシール70の間から相手側コネクタへの浸水を防ぐ。
シール押圧ブロック41には、プラグハウジング20のキャビティ21に対応する位置に複数の電線挿入孔44が形成される。電線挿入孔44は、シール押圧ブロック41を前後方向に貫通する。コンタクトに接続される電線(図示省略)は電線挿入孔44を通ってシール押圧ブロック41より後方のワイヤカバー50に向けて引き出される。
シール押圧ブロック41は、各角部に後方に向けて立ち上るガイド45a,45b,45c,45dを備えている。各々のガイド45a〜45dは横断面がL字状をなしており、シール押圧ブロック41よりも後方であって4つのガイド45a〜45dで取り囲まれる領域に後述するワイヤカバー50が配置される。
幅方向に隣接するガイド45a,45bが連なることで保持壁46を構成している。保持壁46には、プラグハウジング20のロック片28が挿入されるロック孔461と、ワイヤカバー50のロック突起53が挿入されるロック孔462が形成されている。
ガイド45c,45dとシール押圧ブロック41の間には、カバー本体51のガイド片54が挿入されるガイド孔431が形成されている。
【0019】
規制壁42a,42bは長手方向の両端がシール押圧ブロック41と接続壁47a、接続壁47bにより繋がれているが、規制壁42a,42bとシール押圧ブロック41の間に設けられた隙間がレバー回動空隙48となる。
規制壁42a,42bは、ガイド45a,45b,45c,45dを除くシール押圧ブロック41のほぼ全域を幅方向から覆う。シール押圧ブロック41よりも前方側には、規制壁42a,42b,接続壁47a,47bに取り囲まれる収容室49が設けられる。この収容室49には、プラグハウジング20及びフロントハウジング30が収容される。
【0020】
<ワイヤカバー50>
ワイヤカバー50は、プラグハウジング20に収容、保持されたコンタクトに接続されている複数本の電線(図示せず)をカバー本体51が覆う。この電線は束ねられた状態でカバー本体51の一方単に設けられる引き出し口52から外部に引き出される。
カバー本体51には、ロック突起53及びガイド片54が設けられている。ロック突起53がアウターハウジング40のロック孔462に挿入され、また、ガイド片54がアウターハウジング40のガイド孔431に挿入されることで、ワイヤカバー50とアウターハウジング40は相互に所定位置で固定される
カバー本体51にはストッパ55が設けられている。ストッパ55は、レバー60の回転角度を規制するものであり、具体的にはレバー60の嵌合開始位置を規定する。
また、カバー本体51にはロック突起56が設けられている。ロック突起56は、レバー60の回転角度を規制するものであり、具体的にはレバー60の嵌合終了位置を規定する。
【0021】
<レバー60>
レバー60は、プラグハウジング20に設けられた支点軸27に回動自在に支持されている。このレバー60は、一対のレバー本体61と、後端60bにおいてレバー本体61を繋ぐ連結部62と、備えており、U字状の形態をなしている。
【0022】
各々のレバー本体61には、プラグハウジング20の支点軸27が挿入されることでレバー60が支持される支点孔63が形成されている。支点孔63はレバー本体61の厚さ方向を貫通して形成されている。レバー本体61の内側面611には、支点軸27を支点孔63に容易に挿入できるように、支点孔63に連なるガイド溝64が形成されている。
また、レバー本体61には、支点孔63よりもレバー60の前端60aよりの内側面611にカム溝65が形成されている。相手側コネクタにはカム溝65内を案内されるカム突起が設けられており、レバー60を回動させたときの力はカム溝65、カム突起を介して相手側コネクタに伝達される。つまり、カム溝65はレバー60の作用点として働く。
【0023】
連結部62の内側面621には、他の部分の肉厚が薄くされることで突出するロック突起66が形成されている。ロック突起66は、レバー60が嵌合終了位置まで倒されると、ワイヤカバー50のロック突起56を乗り越えることで、レバー60を嵌合終了位置にロックする。
【0024】
<ワイヤシール70>
ワイヤシール70は、一括型の防水部材であり、板状に形成されてプラグハウジング20のシール収容凹部24内に収容される。ワイヤシール70は、通常、エラストマ(Elastic Polymer)により作製されるが、防水機能を発揮できる材料であればその材質に制限はない。
ワイヤシール70の外周形状、寸法は周囲壁23の内側面231と密着するように作製されるとともに、ワイヤシール70の外周面には、プラグハウジング20の周囲壁23の内側面231との密着
性を向上するための複数の突条71が設けられている。なお、図3(b)、図4(b)において、
突条71の存在を明らかにするために、突条71を周囲壁23と干渉させて記載している。後述する突条73、突条76についても同様である。
【0025】
ワイヤシール70には、プラグハウジング20のキャビティ21に対応する位置に複数のコンタクト挿入孔72が形成されている。キャビティ21に収容されたコンタクトに接続される電線(図示省略)は、コンタクト挿入孔72を通って後方に引き出される。
各コンタクト挿入孔72の内周には複数の突条73が設けられ、これら突条73が電線の外周面に密着する。このため、各コンタクト挿入孔72からプラグハウジング20の内部、さらには相手側コネクタへの浸水を防ぐ。
【0026】
<シールリング75>
矩形リング状に形成されたシールリング75は、プラグハウジング20の周囲に取り付けられる。
プラグコネクタ10は相手側コネクタが挿入される受容溝12(図3(b),図4(b))を備えており、受容溝12に挿入された相手側コネクタにシールリング75の突条76が密着されることにより、プラグコネクタ10から相手側コネクタへの浸水を防ぐ。
【0027】
以上説明した各部材が組み付けられたプラグコネクタ10は、図3(b)、図4(b)に示すように、レバー60は、嵌合開始から嵌合完了までの間、支点孔63が嵌入される支点軸27の周囲及びその周囲から作用点をなすカム溝65までの領域が規制壁42a,42bにより覆われている。しかも、レバー60の覆われている部分は、規制壁42a,42bの内壁面と隙間なく接している。
【0028】
プラグコネクタ10を図示しない相手側コネクタと嵌合を行う前には、図3に示すように、ストッパ55により反時計周りに係止される嵌合開始位置にレバー60は保たれている。
嵌合するには、レバー60の連結部62(力点)を押してレバー60を時計回りに倒す。そうすると、相手側コネクタのカム突起がレバー60のカム溝65の奥に向かって移動する。このときに、レバー60の連結部62に加えられる力が、てこの原理により、カム突起とカム溝65との間に倍力となって作用し、プラグコネクタ10と相手側コネクタを小さい力で嵌合できる。
図4に示すように、レバー60のロック突起66がワイヤカバー50のロック突起56を乗り越えるまでレバー60を時計回りに倒すと、相手側コネクタのカム突起がカム溝65の奥まで進入し、嵌合は完了する。
【0029】
この嵌合開始から嵌合終了の間にレバー本体61にはハ字状に外方へ広がろうとする力が作用する。しかし、レバー60は支点孔63の周囲が規制壁42a,42bにより隙間なく覆われているので、支点軸27が向く外方にレバー本体61が拡がるのが規制される。特に、プラグコネクタ10は、嵌合開始から嵌合完了までの間、レバー本体61における支点軸27(支点孔63)の周囲から作用点をなすカム溝65までの全域が規制壁42a,42bにより隙間なく覆われているので、プラグハウジング20の支点軸27から支点孔63が抜けるのをより確実に防ぐことができる。
一方、プラグハウジング20の支点軸27は単純な円柱形状からなるものであるから、係止爪を設けた従来の支点軸よりも、レバー60をプラグハウジング20に装着するのが容易である。
したがって、本実施形態によるプラグコネクタ10は、レバー60の装着性に優れるとともに、操作中にレバー60が脱落するのをより確実に防止できる。
加えて、アウターハウジング40はワイヤシール70をプラグハウジング20に向けて押し付けるために防水型のプラグコネクタ10に必要とされる部材であるから、プラグコネクタ10は新たな部品を追加する必要がないので、コスト的な利点をも有している。
【0030】
本発明は、レバー60(レバー本体61)がハの字状に拡がるのを拘束するためにアウターハウジング40を用いるが、その形態は問わない。つまり、アウターハウジング40の内壁面が平坦な例を示したが、レバー60と干渉してしまい回動動作を妨げることがなければ、本発明はこれに限らない。例えば、レバー60の拡がりを拘束する部分が他の部分よりもレバー60に向けて突出する内壁面を有する規制壁を、本発明は許容する。
また、本発明を適用できる電気コネクタは上述したプラグコネクタ10に限るものではなく、例えば、ギアが形成されたレバーを用いるタイプのレバー式コネクタのように、てこの原理を利用するレバー式コネクタに広く適用することができる。
さらに、以上のプラグコネクタ10は、プラグハウジング20に支点軸27を設けるとともに、レバー60に支点孔63を設ける例を示したが、支点軸と支点孔を設ける部材を逆にすることを本発明は許容する。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
10 プラグコネクタ
20 プラグハウジング
21 キャビティ
24 シール収容凹部
27 支点軸
30 フロントハウジング
31 コンタクト挿入孔
32 誘い込み口
40 アウターハウジング
42a,42b 規制壁
46 保持壁
47a,47b 接続壁
48 レバー回動空隙
49 収容室
50 ワイヤカバー
60 レバー
61 レバー本体
62 連結部
63 支点孔
65 カム溝
70 ワイヤシール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンタクトを保持する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに支点軸を中心に回動可能に取り付けられ、力点に加えられる力により生じる倍力を作用点から相手側コネクタに向けて伝えることで、前記相手側コネクタとの嵌合又は嵌合の解除を行なうレバーと、
前記第1ハウジングの周囲に配置される第2ハウジングと、を備え、
前記レバーは、
各々が前記支点軸を中心に互いに同期して回動する一対のレバー本体と、
一対の前記レバー本体を繋ぎ、前記力点として機能する接続部と、を備え、
前記第2ハウジングは、
前記支点軸が向く外方に一対の前記レバー本体が拡がるのを規制する一対の規制壁を備える、
ことを特徴とするレバー式コネクタ。
【請求項2】
一対の前記規制壁は、
前記支点軸の周囲、及び、前記支点軸の周囲から前記作用点にかけて、前記レバー本体に対向する規制壁面を備える、
請求項1に記載のレバー式コネクタ。
【請求項3】
前記第2ハウジングは、
前記第1ハウジングの電線引き出し側に配置されるワイヤシールを、前記第1ハウジングに向けて押し付けるシール押し付けブロックを備える、
請求項1又は2に記載のレバー式コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−48020(P2013−48020A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185418(P2011−185418)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 (340)
【Fターム(参考)】